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紅樹の燈火

#封神武侠界 #お祭り2022 #ハロウィン

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●燃ゆる紅の祭り
 ――秋澄む青空を、紅が舞う。

 ゆらりふわり。穏やかな秋風に攫われたのは紅く染まった一枚のモミジ。
 宿った枝を離れ、くるりくるりと宙を舞う。
 風に乗り、優雅に踊りながら辿り着いたのは、山間にひっそりと佇む人々の集落。

 一枚のモミジは音もなく、集落の道端にそっと紅を落とした。
 その葉を拾い上げたのは集落の子供のひとり。
 美しい赤色に染まったモミジを見つめる眸はキラキラと輝いて、
 まるで宝物を自慢するように掲げながら、親の元へと駆け寄っていく――。

 時は古代中国。封神武侠界。
 人界と仙界の境に位置する、幽玄な山々に囲まれた山間の小さな人里。
 長閑な空気が流れる此の村では、ちょうど収穫祭の時期を迎えていた。
 紅く染まった山々を愛で、実りの秋を祝う祭り。
 村中には沢山の灯籠が吊るされ、夜になり紅く灯る時を待ち侘びる。
 祭りを楽しみに周辺の地域から訪れる観光客も多く、其れ向けの屋台も準備されていた。
 食べ物はもちろん、様々な絵柄が描かれた手持ち灯籠を扱う店もあるようだ。
 村の中央の広場には仮設の舞台も造られており、本番に向けて練習に勤しむ途切れ途切れの祭り囃子が村中に響き渡った。

 人々が嬉々と祭りの準備を進めるさなか、上空に現れたのは艶やかな鳥――、
 否、半人半妖の妖獣達だった。
 上半身は女性の顔と身体、下半身と腕は鳥の翼と鋭い脚を持つ。
 極彩色の衣装を身に纏う其の姿は一見華麗で、けれど付いた女の顔は不敵に歪む。
 澄む空を抜けて聴こえる人々の愉しげな聲、祭り囃子の陽気な音色。
 それを聴いた鳥達は、きゃらきゃらと耳障りな声で鳴いた。

●死を告げる鳥
「……気付けば、すっかり秋も深まったな」
 宵色の衣にしゃらりと月色の装身具を静かに鳴らし、ノヴァ・フォルモント(月蝕・f32296)は集った猟兵達に声を掛けた。
「この時期、様々な場所でハロウィンに因んだイベントが行われているが……。今から皆に行ってもらう封神武侠界でも、それに似た祭りが開かれるらしいんだ」
 だがハロウィンやカボチャおばけと云った類の言葉は出て来ない。
 秋の実りや収穫を祝う『灯籠節』というお祭りだ。
 名前の通り、灯籠が沢山使われた祭りで、
 夜になれば火が灯された沢山の灯籠の輝きが幻想的な光景を創り出すのだと云う。
 それに、紅葉もちょうど見頃の時期。そして今宵は満月に近い月が煌々と浮かぶ。
 灯籠の光に照らされた紅葉を眺めたり、静かにお月見をすることも出来るだろう。
 勿論、祭りらしく屋台を巡ってみるのも悪くない。
「――と、愉しげな祭りへの誘いなのだが。その前にひと仕事頼みたいんだ」

 ノヴァは彼が視た予知を説明する。
 祭りの準備のさなか、突如現れたオブリビオンに人々が連れ去られてしまう光景を。
「そのオブリビオンは『死告鳥』という半人半妖の鳥に似た妖獣だ」
 上半身は人間の女性の顔と身体、下半身と腕は鳥の脚と翼になっている。
 仙女の様な衣装を身に纏い、見目だけならば華麗な妖獣だが、
 其の実態は名の通り、死を告げる鳥――。
 人々を連れ去ったり、耳障りな鳴き声も不吉な死の前兆として忌み嫌われていた。

 相手は上空から飛来して、村の人々に襲い掛かろうとする。
「まずは村人達を守りつつ、そのオブリビオンを撃退して欲しい」
 守りきれれば、祭りの準備も滞りなく進み、無事に灯籠節のお祭りも楽しめるだろう。
 元より誰でも参加出来る祭りだが、猟兵ならば更に歓迎されるに違いない。

 ――祭りと、人々のために。皆の力を貸して欲しい。
 ノヴァは静かに目を伏せた。


朧月
 こんにちは、朧月です。
 封神武侠界より、灯籠節のお祭りへのお誘いです。
 どうぞよろしくお願い致します。

●1章:集団戦『死告鳥』
 祭りの準備のさなか、空より現れ人々を連れ去ろうとする妖獣です。
 縦横無尽に飛び回り、不吉な鳴き声を響かせます。
 人々を護りつつ、オブリビオンを撃退してください。

●2章:日常『灯籠節のお祭り巡り』
 オブリビオンを撃退できれば、無事灯籠節のお祭りが開催となります。
 陽は沈み、月の浮かぶ夜に沢山の灯籠が輝く幻想的なお祭りです。

 屋台等で祭りを楽しんだり、紅葉狩りやお月見をすることも出来ます。
 詳しいご案内は章開始時の断章に追記いたします。
 2章のお祭りパートのみのご参加も歓迎です。
 また、この章に限りお声掛けがあればノヴァがご一緒させて頂きます。

●進行・プレイング受付について
 マスターページ、シナリオタグでご案内します。
 お手数ですが都度ご確認いただきますようお願いします。

●共同プレイングについて
 同伴者はご自身含めて3名様まで、でお願いします。
 【相手のお名前(ID)】or【グループ名】をご明記ください。
 送信日は可能な限り揃えていただけると助かります。

 以上です。
 皆様のご参加を心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『死告鳥』

POW   :    死告旋翼翔
【翼を広げ、回転しながら繰り出す】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【多くの死告鳥】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    死告嵐
【翼】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    死求鳴
【人の死を求める鳴き声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

風魔・昴
祭りの邪魔をするなんて無粋ね
呼ばれていない輩には早々に退いてもらいましょうか

まずは村人を安全な場所へ
逃げ遅れた人には結界を張ってそこに集まってもらいます
「建物の近くにいる人は建物に。入れない人は結界の中へ!」
しばらくは衝撃波・斬撃波で応戦
攻撃には見切り・第六感・オーラ防御で回避
村人が避難できたのを確認してからUCを
「耳障りな声で人の楽しみを奪わないでほしいわ」
「居るべき場所に帰りなさい!」


呉・深
祭りに乗じた怪物の類いか、分かりやすいな
ならこっちのやるべきこともシンプルだ
あの耳障りな声を潰してしまえばいい

相手は鳴き声で強化し合うのか
それならUCを発動し『医療ノコギリ』の刃に毒を塗っておこう
相手の強化に反応するタイプの呪毒だ
上手く作用してくれるといいんだが

敵は空を飛び回る
それなら『暮風』で麻痺毒を乗せた風を振り撒き敵の動きを牽制しよう(毒使い)
こちらに近付いたもの、麻痺毒にやられたものには積極的にUCで攻撃
毒と呪詛、そして麻痺毒に冒され倒れ伏せ

相手の攻撃は出来るだけノコギリで武器受けしていこう
襲われてる人がいたら庇いにも行くぞ

……せっかく気持ちのいい秋の夜なんだ
余計な血は流れて欲しくない



 秋澄む村の上空に、極彩色が舞い踊る。
 ふわふわと宙に優美な絹衣を揺らめかせ、死告鳥達は眼下の人間等を見下ろした。

 ――沢山のニンゲンが居る、居るナぁ。
 ――こんなに居るならば、何匹が連れ帰っても問題ないだろゥ。
 ――きっと問題ないサ。巣に持ち帰ってクッてしまおう、そうしよう。

 ぎゃあぎゃあと死告鳥達が喚く。
 上空の煩さに、漸く村人の一部が異変に気付き空を見上げた。
『……あれは、なんだ?』
 鳥にしては大きい。いや、人の姿に見える。
 仙界から降りてきた仙女達だろうか、などと思っていれば。死告鳥達は散開、村の上空を旋回し始める。まるで品定めでもするように飛び回り、獲物を狙う眸は鋭さを増した。
『――死告鳥だ……!』
 村の誰かがひと度そう叫べば、辺りは騒然となった。

 祭り道具を捨て置き、いち早く建物に逃げ込む者もいれば、恐怖で硬直してしまう者も居た。親に手を引かれ、慌てて逃げ出す子供は足を躓かせる。
 死告鳥達が狙うのは、そんな逃げ遅れた人間たちだ。
 獲物に狙いを定めれば、急降下で襲い掛かる。
 死告鳥の鋭い鉤爪が迫り来るその刹那――。
 キン、と澄んだ音と共に鳥の身体が何かに弾かれ、蹌踉めく。
 死告鳥は驚いた顔をし、同時にその表情を歪ませた。
 獲物の周囲を守る薄い膜のような結界、その傍らに佇むのは我らにとっての”敵”だ。

「建物の近くにいる人は建物に!入れない人は結界の中へ!」
 風魔・昴(星辰の力を受け継いで・f06477)は村人たちを庇うように立ち塞がり、防御の結界を張り巡らす。
 まずは村人を安全な場所へ、と。慌てふためく村人達を誘導するように、昴は凛とした声を張った。
『あ、ありがとうございます……!』
 幸い、逃げ遅れた村人達に怪我はない。
 腰を抜かしている者や恐怖で動けなくなっている者も居るが、猟兵が助けに来たと分かれば何とか勇気を振り絞り、自力で家屋へと逃げてゆく。

 狩りを阻む昴に、死告鳥達はぎゃあぎゃあと喚き散らした。
「耳障りな声ね……。せっかくのお祭りを、人々の楽しみを奪わないでほしいわ」
 逃げ遅れた村人達が避難できたのを確認すれば、昴は死告鳥へと改めて向き直る。
 敵は数体、互いに連携を取り鋭い鉤爪で波状攻撃を仕掛けてくる。
 昴は村人を守っていた結界を自身への防御に回し、敵の攻撃を弾き返しつつ、反動で身を斬り裂く衝撃波を浴びせる。
 ぎゃあぎゃあ、と傷を負った死告鳥達は地面に堕ち、痛みに転げ回った。
 昴はざっと一歩踏み出し、銀杖を軽く天に掲げた。杖に強力な風の力が宿り始める。
「祭りの邪魔をするなんて無粋ね。呼ばれていない輩には早々に退いてもらいましょうか」
 杖に込めた風の力が、昴の合図で無数の弾丸のように周囲に解き放たれる。
 凝縮された風の刃が堕ちた敵、未だ上空を飛び回る敵にも容赦なく襲い掛かっていった。
「さあ、居るべき場所に帰りなさい!」


「……祭りに乗じた怪物の類いか、分かりやすいな」
 呉・深(星星之火・f30169)は手にした医療用の大型ノコギリをポンポンと手の内で軽く叩きつつ、上空に羽ばたく死告鳥達を見据えた。
 相手は鳴き声で連携を取り、互いを鼓舞しているようにも見える。
 ならば、やるべき事もシンプルだ。あの耳障りな声を潰してしまえばいい。
 手にしたのこぎりには、相手の強化に反応する呪毒を塗り込ませておいた。
(「……さて、上手く作用してくれると良いんだが」)
 効果を見るためにも、まずは縦横無尽に飛び回る敵を撃ち落とす必要があるだろう。

 それならばと、深はそっと懐から細い指揮棒を取り出した。
 風魔法を操るタクト『暮風』を一振りすれば、ざあっと風が舞う。
 優雅に振りかざし、風が渦となり、死告鳥達へと襲い掛かった。
 敵は風に煽られ蹌踉めいたが、これしきと体制を立て直す。
 が、ぐらりと視界が揺れる。身体が、翼が言うことを聞かない。
(「風に乗せた麻痺毒は問題無く効いているようだな……」)
 然し風の間をすり抜け、此方に襲い掛かろうとする敵も居た。
 そんな奴には当初の予定通り、ノコギリで受け止め、応戦する。
 ギリギリと深のノコギリと敵の鉤爪が鍔迫り合い、その間に毒素が滲み出る。
 どちらにせよ、敵は呪毒の効果を免れないだろう。

『……あ、わ……』
 気付けば、深の背後には逃げ遅れた村人が居た。
 無意識に庇っていたのだろう、怯えた様子でその場から動けなくなっているようだった。
「……逃げろ」
 深は軽く振り向き、ひとこと言い放つ。
 表情の見えない深に一瞬ビクリと反応した村人は、反射的に理解したように咄嗟に家屋へと向かって逃げ出して行った。
 軽く息を吐き、深は改めて敵に向き直る。

「……せっかく気持ちのいい秋の夜なんだ、余計な血は流れて欲しくないからな」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウィリアム・バークリー
オリビア(f28150)と

世界が変われば、|収穫祭《ハーベストフェスティバル》の形も変わるものだね。
まだ灯りのともらぬ灯籠を見やりつつ、意識を戦闘モードに切り替えていって。
来たみたいだよ、オリビア。行こう。

さすが、仙界に近いところだけあって、オブリビオンも華美な装いだね。
ぼくはグリフォンの『ビーク』に「騎乗」して、「空中戦」を挑む。
「オーラ防御」を張った上で、「騎乗突撃」からの「吹き飛ばし」だ。
離れた相手には、氷の「属性攻撃」のIcicle Edgeで対応しよう。一足早い冬をプレゼント。
地上からのオリビアの援護をありがたく思いながら、一体ずつ魔法剣や氷柱の魔法で片づけていくよ。


オリビア・ドースティン
【同行者:ウィリアム・バークリー(f01788)】

「こちらの世界のハロウィンも趣がありますね」
まずは害鳥の駆除からです

集団戦なのでまずは数を揃えましょう
氷雪の同胞を使い相手を攻撃しつつ半数を人々の防御に回します
「村人の護りはこちらで用意しますのでウィリアム様は存分に力を振るってください」
上空の敵をキキーモラ達で攻撃し氷雪狼で降りてきた敵に攻撃しつつ人々を逃がす算段をつけます
自身は制圧射撃や衝撃波でウィリアム様の援護をする立ち位置です
また防御は第六感やオーラ防御、見切りを使用します

祭りの為にも被害は最小限に抑えたいですし、彼等の為にも手早く片をつけましょう



「世界が変われば、収穫祭の形も変わるものだね」
 ウィリアム・バークリー(“聖願”/氷聖・f01788)はまだ灯りのともらない灯籠を見やり、興味深そうに村の様子を眺めた。
 ハロウィンと聞けば、南瓜のジャック・オ・ランタンに奇抜な仮装が思い浮かぶ。
 けれど封神武侠界の収穫祭は其れ等とは随分と違い、飾られた無数の灯籠や村の様子は静かで落ち着いた雰囲気を感じさせた。
「こちらの世界のハロウィンも、趣がありますね」
 ウィリアムの傍らで、オリビア・ドースティン(ウィリアム様専属メイド・f28150)が頷きながら返す。形は違えど、秋の実りを祝う祭りで在ることに変わりは無い。
「……ですが、まずは害鳥の駆除からです」
 二人が転移されたのは村の外れ、中央付近では既にオブリビオンとの戦闘が始まっている。
「うん、行こう。オリビア」

 二人が駆け付けた時には既に、先に着いた猟兵達が交戦しているさなかであった。
 何体もの死告鳥達が華麗な衣装を身に纏い空を舞う、その優雅な光景に一瞬オブリビオンであることを忘れてしまうほどに。
「さすが、仙界に近いところだけあって、オブリビオンも華美な装いだね」
 ウィリアムはそう零しつつも、意識を戦いへと切り替えてゆく。
 敵は猟兵達を警戒して、上空を飛び回っていた。
 地上からは手が届かない。ならば自らも飛び、空中戦を挑むのが最も話が早いだろう。
「……ビーク、おいで」
 ウィリアムは即座に幻獣を召喚し、グリフォンの『ビーク』に颯爽と跨った。
「オリビア、サポートを頼むね」
「はい、おまかせください。村人の護りはこちらで用意しますのでウィリアム様は存分に力を振るってください」
 オリビアも氷雪狼とキキーモラ達を召喚し、その半数を逃げ遅れた村人達を守る役に付かせた。
「……祭りの為にも被害は最小限に抑えたいですし、彼等の為にも手早く片をつけましょう」

 オリビアのその言葉に頷き、ウィリアムを乗せたピークは地を蹴り、宙に浮上する。
 死告鳥達は突如現れた生物に驚き、ぎゃあぎゃあと喚き始めた。
 その僅かな油断を狙い、ウィリアムは護りを固めたビークごと体当りし、複数体を巻き込み吹き飛ばす。
 そして鳥の翼にも負けぬビークの機動力を活かし、敵の攻撃を躱しつつ一旦距離を取れば、その手に生み出したのは極めて低温の氷柱の槍。
「一足早い冬を、プレゼントするよ」
 同時に、地上からオリビアの追撃が加わる。
 機関銃を片手に、飛び回る死告鳥達を正確に撃ち抜いてゆく。
 氷の槍と弾丸、そしてキキーモラ達によって貫かれ次々と地に堕ちてゆく鳥達。
 地上へ落ちれば、オリビアの召喚した氷雪狼が更に追い撃ちを掛けた。

 二人の連携で、死告鳥達は数を減らしその姿を飛散してゆく。
 そうして最後の一匹が骸の海へ還れば、秋風の吹き抜ける村は静けさを取り戻した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『灯籠節のお祭り巡り』

POW   :    封神武侠界の屋台料理を食べ歩く

SPD   :    祭りの踊りやゲームに興じる

WIZ   :    無数の灯籠が並んだ景観を楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達の活躍により、招かれざる客は在るべき場所へと還っていった。
 村への被害は殆ど無く、逃げる際に転んで擦り傷を作った村人や、準備していた祭りの道具が風で多少飛んでしまったくらいだった。
 村長が代表して猟兵達に感謝を述べると、是非今夜の収穫祭も楽しんでいって欲しいと提案した。

 そうして日常が戻った村人達により祭りの準備は進み、陽が沈む頃。
 村中に飾られた灯籠のひとつひとつに、火が灯されてゆく。
 全ての灯籠が輝けば、村は煌びやかな灯籠の光に彩られた。

 村の中央には今年に収穫された野菜や果物がお供物として祭られ、賑やかな祭り囃子が響き始める。
 小さな舞台では演奏に合わせて華麗な衣装を身に纏う踊り子達が舞い、村人の笑顔や楽しげな笑い声が溢れ出す。

 今日の祭りの為に設置された屋台では、様々な食べ物も売られていた。
 収穫祭には欠かせない月餅もそのひとつ。
 満月のように丸く平たい形の焼き菓子で、中身の餡の種類は実に様々だ。
 定番の小豆餡や黒ごま餡に松の実餡。
 餡には塩漬けにした卵黄が入っており、それも月を見立てたものだという。
 甘みのないハムや叉焼、肉そぼろが入った月餅もあり、塩味が中心のものはお菓子というよりもおかずに近い食べごたえだという。
 秋の夜風に寒気を感じたなら、スープで暖まるのも良いだろう。
 澄んだ鶏ガラのスープに彩り豊かな秋の野菜がたっぷりと入っており、味付けは塩でシンプルに、素材そのものの味を楽しめるようになっている。

 食欲唆るその一方で、柄の付いた手持ちの紙灯籠を扱う屋台もある。
 定番の丸や縦長の提灯型をはじめ。
 花や鳥、魚や竜などの形を模した飾り提灯もあり、それらは特に村の子供達に人気のようだ。職人芸によって造られたその中に、探せば一風変わった形の提灯も見つかるかもしれない。

 秋の澄んだ夜空には、望月に近い月が煌々と浮かぶ。
 山際にも灯籠の光が煌めき、朱や橙に染まる紅葉を幻想的に照らし出していた。
 祭りの賑やかさから少し離れた場所で、のんびり月見や夜の紅葉狩りをするのも悪くないだろう。

 収穫祭の夜はこの日、一晩限り。
 灯籠の幻想的な光に包まれながら。――さて、何をして過ごそうか。
風魔・昴
麻生竜星(f07360)と
彼の事は『竜』と呼ぶ

「ん~、いい月夜ね」
舞台の演奏や賑やかな屋台通りを歩いてきて
来てよかったでしょ?という顔で彼を見る
「ちょ、食欲は関係ないでしょ?」
と、少し拗ねてみる
いつも一言多いんだから……

「うん、いいね。ここにしよう」
屋台で買ってきたいろいろな月餅を二人の間において
一口月餅を食べて彼を見る
月を見上げているその顔は、なんだか月の精に魅了されてる感じがして……
「竜?ちゃんとこっちの世界に戻ってきてよね?」
そっと袖を引っ張ってみた
ふり向いて大丈夫と言われ、なんだかほっとする

素敵な月夜を見ることができてよかった
また機会があるといいね


麻生・竜星
風魔昴(f06477)と
彼女の事はスーと呼ぶ

「あぁ、いい月夜と紅葉だな」
得意そうに歩く幼馴染をほほ笑みながら見つつ
「ついでにスーの食欲もいい感じだとわかったよ」
拗ねた彼女を笑いながら軽く謝る

「さてと、この辺りでいいかな?月が一番よく見える」
月や星が描かれた提灯を横において
「月と紅葉がこれほど合うとはね」
月餅を一口食べて木々と夜空を見上げる
この世界だと月の天女……になるのだろうか
月の天女の姿を想像する……
そんなことを考えていたら、心配そうな彼女の顔
大丈夫だと微笑み返す

綺麗な月夜を見ることができたよ
誘ってくれてありがとうな。



 平和の訪れた村に、愉しげな祭り囃子が響き渡る。
 涼し気な夜風を感じながら見上げれば、澄み切った空に浮かぶ丸い月。
「ん~、いい月夜ね」
 屋台で購入した品々を抱え、風魔・昴(星辰の力を受け継いで・f06477)はくるりと傍らを歩く彼の顔を覗き込んだ。
 来てよかったでしょ?と満面の笑みを向ける昴に、麻生・竜星(銀月の力を受け継いで・f07360)はふわりと微笑みを返す。
「あぁ、いい月夜と紅葉だな」
「ついでに、スーの食欲もいい感じだとわかったよ」
 彼女の両手に抱えられた月餅の入った紙袋を見やり、竜星は小さく笑って付け加える。
「……ちょ、食欲は関係ないでしょ?」
 むぅ、と軽く頬を膨らませ拗ねた様子の昴。
 ごめんごめん、と竜星も笑いながら軽く謝罪の言葉を述べて。
 そんなふたりの、いつものやり取りが、秋の夜に心地よく溶けてゆく。

 のんびりと月見が出来そうな場所を探し、ふたりが辿り着いたのは村の中心から少し離れた小高い丘の上。
 祭り囃子の音色は遠く小さく、眼下には村中に灯る灯籠の輝き。
 そして視界の開けた空には大きな月が浮かぶ。
「……さてと、この辺りでいいかな?月が一番よく見える」
「うん、いいね。ここにしよう」
 月や星の描かれた提灯を灯り代わりに、様々な味の月餅が楽しめる2つの紙袋をふたりの間に置いた。
 ふわりと夜風が吹き抜ければ、山の紅葉がひらひらと丸い月を背景に舞い踊る。
「月と紅葉がこれほど合うとはね」
 そんな光景を眺めていた竜星は、月餅を軽く口元へ運んだ。
 餡の優しい甘さと芳ばしい香りがふわりと広がる。
 ……確かこの世界では、月には天女が住むという話もあっただろうか。
 丸い月の中の影は、天女に使えるうさぎの姿も見えると聞いたことがあった。
 月にうさぎ、そして月の天女。
 この世界ならば、どちらも実際に存在している可能性もあるだろうかと、煌々と照る月をぼんやりと見上げれば、竜星は不意に袖の端を摘まれる感覚に気付く。
「……竜?ちゃんとこっちの世界に、戻ってきてよね?」
 傍らから腕を伸ばし、そっと袖を引く昴は少し心配そうな顔で彼を覗き込んだ。
(「なんだか一瞬、竜が月の精に魅了されてる感じがして……」)
 気付けば、彼の袖に手を伸ばしていた。
「スー?……大丈夫だよ、心配ない」
 竜星が微笑めば、昴もほっとした表情を浮かべ微笑み返す。
 なら良いのだけど、と掴む腕が離れれば、また何時ものふたりの空気が戻って。

 優しく灯る月明かりが、秋の夜を過ごすふたりを静かに照らし続けていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウィリアム・バークリー
オリビア(f28150)と

いい買い物が出来たね。この紙灯籠はいい思い出の品になってくれるよ。

スープがあるなら麺はあるかな? 鶏ガラスープであっさりした拉麺がほしい。無いなら温かいスープでもいいよ。
買ってきた紙灯籠を二人の間に置いて、その柔らかな光に見とれつつも、ちゃんと手は動かそう。

話題はさっきまで居た灯籠屋さんの事。
本当に壁一面の灯籠だったね。これ以外にも買いたい物は幾らでもあったけど、そんなに沢山買っても仕方ない。
オリビアは気になる灯籠はあったかな? ぼくは泳ぐ金魚の模様が入った灯籠がよかった。

このお祭も夜が明けるまで。
朝日が昇ったら、昨日の事なんて知りませんって顔で新しい一日が始まる。


オリビア・ドースティン
【同行者:ウィリアム・バークリー(f01788)】

「いい記念になりますし素敵なお土産になりますね」

美味しいスープがありますので拉麺もできそうですね。
なければ私がUCで麺を用意してもいいですし。

先程のお店は風情がありましたが沢山の灯籠で賑やかでもありましたね。
「私は風景画のような灯籠が気になりましたね、この辺りの光景なのかそれともどこか名所なのか不思議な感じでした」

朝になればこのお祭りも終わりですね、一晩楽しんだらまた新しい朝ですし頑張りましょう。



「いい買い物が出来たね。この紙灯籠はいい思い出の品になってくれるよ」
 片手に柔らかく光の灯る灯籠を揺らしながら、のんびりと歩みを進め、ウィリアム・バークリー(“聖願”/氷聖・f01788)は賑やかな祭りの様子を眺めた。
「ええ、いい記念になりますし。その紙灯籠も素敵なお土産になりますね」
 傍らに付き添う オリビア・ドースティン(ウィリアム様専属メイド・f28150)も小さく頷きつつ、手には二人分の容器を抱えている。
 この辺で少し休もうか、とウィリアムが指し示したのは祭り会場の端に設置された長椅子。
 買ってきた紙灯籠を真ん中に起き、オリビアの手にした容器の片方がウィリアムへと手渡される。
「どうぞ、ウィリアム様。少しお熱いかもしれませんので、気をつけて」
「ありがとう、オリビア」
 両手で受け取った容器は、ふんわりと温かい。
 湯気立ち昇る容器に揺らめくのは、黄金色の鶏ガラスープに細い拉麺だ。
「美味しいスープに合う拉麺、あって良かったです」
「うん、鶏ガラスープのあっさりした味には、つい麺が欲しくなってしまうから」
 椅子に腰を下ろして落ち着いたふたり。
 いただきます、と小さく声を掛けて温かな麺とスープを啜った。

「……そういえば、さっきまで居た灯籠屋さん。本当に壁一面、灯籠だったね」
 ふたりの傍らで優しく揺れる灯籠はひとつ。
 これ以外にも買いたい物は幾らでもあったけれど、流石にそんなに沢山は買っても置き場所に困ってしまうから。とウィリアムは微笑んで。
「オリビアは気になる灯籠はあったかな?ぼくは泳ぐ金魚の模様が入った灯籠がよかったなあ」
「私は……風景画のような灯籠が気になりましたね」
 オリビアは水墨画で描かれた、風情ある絵柄の灯籠を思い出していた。
 この辺りの光景なのか、それともどこかの名所なのか、不思議な感じだったけれど。
 何だかとても印象深く心に残っていたのだった。

「……お祭り、賑やかで楽しいですね。けれど朝になればこの賑やかさも終わってしまうのですね」
 煌めく灯籠の光に、祭り囃子の響く夜。
 この時間がほんの僅かなひと時しか無いのは、少し寂しさも感じたけれど。
「そうだね、朝日が昇ったら、昨日の事なんて知りませんって顔で新しい一日が始まる」
 でもだからこそ、特別な今が輝いて見えるのかもしれない。
 今宵は平穏な日常の中に置かれた、特別な収穫祭の夜なのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

藤・美雨
深(f30169)と一緒に

お仕事が終わった深に誘われれば、そこは楽しいお祭で
すごい!
こんな素敵なお祭りを守ってたんだね
深、お疲れ様だよ!
いいこいいこしようとしたら逃げられた……
でもお祭りは一緒に楽しもうね

こういう時はやっぱり美味しいものが食べたくなるよね……
月餅食べよ!月餅!
私は甘いのがいい!
深はしょっぱいの?
じゃあはんぶんこしよ!

小豆餡はもちろん松の実餡も気になるな
どんな味がするんだろう?
スープも買ってこようかな
この素朴な香りが嬉しい

一緒に座って月を見上げつつのーんびり
月餅を分け合って、スープで暖まって
秋の夜長って感じだねぇ
美味しいものも食べられたし!
改めてお誘いありがと、それとお疲れ様!


呉・深
美雨(f29345)と一緒に

こういうのが好きだろうから、と美雨を誘う
案の定滅茶苦茶嬉しそうだな……
頭撫でようとするのはやめろ、背伸びは危ないぞ
だが労ってくれるのはありがとう
祭り、行こうか

月餅というと甘いもののイメージが強いが、ここのは色々あるんだな
動き回ったし腹も減った
晩飯代わりにおかず系のものを購入しようか
やはりこの世界の叉焼は美味そうだな……
はんぶんこ……ああ、そういうのも悪くない

スープも買って、美雨と座ってのんびり
月も空気も綺麗で確かに秋らしい
遠くに揺れる灯籠も美しくて
……良い景色だ
無事に守れてよかった

改めてかけられる労いにも感謝を
……スープで乾杯でもしとくか?
この穏やかな月と祭りにな



 きっとこういうのが好きだろうから、と。同居人の彼女を祭りに誘ってみれば――、
「わあわあ、すごい!キレイ、とっても賑やか!」
 祭りの輝きに勝るほどキラキラと瞳を輝かせ、藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)は興味津々に彼方此方へと視線を巡らせていた。
 ――案の定滅茶苦茶嬉しそうだな……、と。
 傍らで美雨の様子を見守る 呉・深(星星之火・f30169)の口元が僅かに緩む。
「こんな素敵なお祭りを守ってたんだね。深、お疲れ様だよ!いいこいいこ~」
 はい、と一声。頭を撫でようと、美雨は必死に深の頭へ腕を伸ばす。
 けれど立ったままの深の頭上にその指先は届くわけもなく。
「……頭を撫でようとするのはやめろ、背伸びは危ないぞ」
 伸ばした腕をそっと下ろさせ、それに不貞腐れた美雨を軽く見やり。
「だが、労ってくれたのは素直に礼を言う。ありがとう。……祭り、行こうか」
 その言葉に、ぱっと美雨の表情が明るくなった。
「うん!お祭り、一緒に楽しもうね!」

 赤く灯る沢山の灯籠の輝きに、祭り囃子の愉しげな音色。
 お祭り独特の賑わいに心躍らせつつ、自然と足が向かったのは屋台が誘う芳ばしい香り。
「深!月餅食べよ!月餅!」
 美雨はくいくいと深の袖を軽く掴み、
「月餅か……。確かに動き回ったし腹も減ったな」
 一般的に月餅と言えば、甘い餡の入ったものを想像する所だが。
 この店で売られているのは甘いものだけでなく、肉入りなどのおかず代わりにもなりそうな月餅も売られているようだった。
 深が興味深そうに覗けば、気さくな店主が『ひとつどうだい?』と勧めてくる。
「……そうだな、晩飯代わりに、おかず系のものを購入しようか」
「深はしょっぱいの?私は甘いのがいいかなあ。じゃあ後ではんぶんこしよ!」
「はんぶんこ……か。ああ、そういうのも悪くない」

 出来立てホカホカの月餅が入った紙袋、温かなスープも一緒に購入して。
 祭り用に設置された長椅子に、ふたり並んで腰を掛けた。
「小豆餡に松の実餡……深はどっちがいーい?あ、その叉焼入り月餅も美味しそうだね!」
 ぱかりと半分に割った月餅をそれぞれはんぶんこ。
 美雨の月餅はしっとり甘い小豆餡、深の月餅はサクサク生地に味付け叉焼がゴロリと詰まった肉入り月餅。
 それぞれを互いに分け合って、スープも啜れば身体も心もほっと温まる。
「ふふ、秋の夜長って感じだねぇ……。美味しいモノも食べられたし、改めてお誘いありがと、深。それと、お疲れ様!」
 もぐもぐと月餅を頬張る美雨を横目に、深は改めて労いの言葉に感謝を述べて。
 ふと、手元で黄金色に輝くスープの器を見つめた。
「……このスープで、乾杯でもしとくか?」

 穏やかな秋の夜に浮かぶ月と、収穫祭を祝って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チェリカ・ロンド
ロラン(f04258)と紅葉狩り、楽しみだわ!

ロランが広げてくれたシートの上で、紅葉を見上げながらお話をするわ。とてもいい香りのお香も、雰囲気を素敵にしてくれるわね!
うん、そうね。きれいだけど、ちょっとさみしい
紅葉も散るものだから、桜と同じ儚さがあるわね。優しく照らされてるから、余計にそう感じるのかも?
そうだ、私がもう少し照らしてみましょうか!散った落ち葉は回復しないけど…光を与えるくらいなら!(UC)

紅葉に魔法陣を?そしたら、どうなるの?
もしかして固形化みたいにできるのかしら!そしたら紅葉でアクセサリー作れるわね!
私、ブローチがいいな!リボンにも服にもつけられるし!ロランもお揃いにしましょ!


ロラン・ヒュッテンブレナー
チェリカちゃん(f05395)とハロウィンの紅葉狩りなの

遠くから祭り囃子が聞こえる落ち着いた場所にシートを広げてのんびりなの
封神武侠界の桃の精さんからもらったサシェからの香も広げて
灯籠で薄く照らされてる紅葉がきれいなの
ちょっとさみしい感じもしちゃうね?
紅葉にチェリカちゃんの光を?
わぁ、舞い落ちてくる葉が輝いてきれいだね

落ちてきた光る紅葉を掌に乗せてそこに魔術陣を描き
次はぼくの魔術で何かしてみようか?
うん、やってみるね
結界で葉っぱにチェリカちゃんの癒やしの光を定着させて収縮、赤と黄のブローチサイズの魔道具に変化させるよ
チェリカちゃんに淡く輝く黄色い紅葉のブローチを手渡すの
ぼくは赤でお揃いだよ



 遠く、祭り囃子の聞こえる賑わいの傍らで。
 短い草むらの上に広げた柔らかなシート、ふわりと夜風に薫るのは桃の花。
「これ、封神武侠界の桃の精さんからもらったサシェなの。いい香りだよね」
 小さな桃色の包みを手に、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)はあどけない笑顔を浮かべる。
「ふふ、そうね。とってもいい香り。シートも用意してくれてありがと!」
 広げられたシートに腰を下ろし、チェリカ・ロンド(聖なる光のバーゲンセール・f05395)はロランも一緒に、と隣に促して。

 村の外れ、山間の麓まで灯籠の火は灯され、ふたりが寛ぐ直ぐ側にも、柔い赤色の光が揺らめいていた。
 灯火は散りゆく紅葉をいっそう紅く染め上げて、望月の光に溶けるように舞い踊る。
 風が吹き、紅葉が散る度に。わあ、とふたりはその光景に見惚れてしまったけれど。
「……ちょっとだけ、さみしい感じもしちゃうね?」
 ロランがふと零せば、チェリカも小さく頷いた。
「紅葉も、桜と同じように散るものだから、似た儚さがあるのかしら……。灯籠の光で優しく照らされてるから、余計にそう感じるのかもね?」
 ほんの少しだけ感傷に浸りつつ。あ、とチェリカは何かを思い付いたように顔を上げて。
「そうだ、私がもう少し明るく照らしてみましょうか!散った落ち葉は回復しないけど……光を与えるくらいなら!」
 チェリカがそう念じれば、少女の身体はふわりと赤い輝きを放ち始め、その輝きが散りゆく紅葉のひとつひとつに伝わってゆく。
 赤い紅葉はチェリカの聖なる輝きに包まれ、暗い夜空をひらひらと蝶のように舞い落ちる。
「……わぁ、葉っぱが輝いて、すごくきれいだね」
 輝く紅葉を眺めながら、ロランも何かを思い付いたように、うん、と頷いた。
 そして手のひらにふわりと落ちてきた二枚の紅葉に、指で魔法陣を描き始める。
「次はぼくの魔術で何かしてみようかな?」
「……紅葉に魔法陣を?わあ、そしたらどうなるのかしら?」
 もし固形化できたらなら、輝く紅葉のアクセサリーが作れたり?
 ブローチにしたら、リボンにも服にもつけられるし、お揃いで作ってみるのも良いかも?
 なんて、チェリカが様々な想像を膨らませれば。ロランはえへへ、と少し得意げな笑みを浮かべて。
「ブローチだね。うん、やってみるよ」
 改めて手のひらの紅葉に魔力を込める。
 結界でチェリカの癒やしの光を定着させてぎゅっと収縮すれば、ひらひらと風に舞っていた二枚の紅葉がコトリと手のひらに転がって。
 赤と黄色、二枚の輝く紅葉がブローチサイズの魔道具として生まれ変わった。
「わあ、かわいい!」
「チェリカちゃんにはこっちの黄色いの、ぼくは赤色で。お揃いだね」
 お互い大事そうに輝く紅葉のブローチを手のひらに包み込み、試しに服に添えて、どうかな?と見せ合ってみたり。

 唯一無二の揃いのブローチを思い出に、収穫祭の夜は穏やかに過ぎていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年11月05日


挿絵イラスト