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暗黒宇宙の水晶玉

#スペースシップワールド #スペースオペラワールド #三章プレイング受付:11月9日(水)まで


●グリモアベース:ゲネ
「ついにスペースオペラワールドへ到達! 早速だが、辺境の未開惑星にオブリビオン襲来だ!」
 ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)はホロモニターにスペースシップワールドの外側に果てしなく広がる宇宙空間、スペースオペラワールドを映し出す。
 今回の未開惑星は広大な暗黒空間の中心部に存在しているようだ。所属している恒星から相当遠いのか、まともな光も届かず、誰からも認識されていない孤独星である。
 予知によれば、本来誰にも見つけることのできなかったこの惑星を「未知の宇宙人軍団」──すなわちオブリビオンが事故的に発見し、この星を掌握すべく襲撃を仕掛けてくるという。
「どう考えても通常の生物が生息できる環境じゃないんだが、こんな星でも現地人はいるようだ。しかもかなり高度な文明を築いているはず……なんだが、どうも外敵には無防備でな。発見、襲来、即全滅というスピード感で瞬く間に支配されてしまうようだ」
 つまり、敵にこの惑星を発見される前に、猟兵が当該惑星をあらかじめ発見し、防衛態勢を整えて敵を迎撃する必要があるということだ。
 惑星の発見のためには、当該宙域に浮かんでいるオブジェクトにアクセスする必要があるという。
「惑星上の環境は正直未知数だ。だが猟兵ならば通常の宇宙空間対応装備で適応できるだろう。惑星の発見とオブリビオンの撃退、よろしく頼むぞ!」
 反転したモニターにゲネの転送術式が燦然と輝き、光の一筋も届かない暗黒空間への道は拓かれた。

●暗黒空間に浮かぶ漆黒のオブジェクト
 星々のきらめきも遥か遠い暗黒空間。
 恒星からの自然光など一筋とて届かないその場所を、猟兵が各々持ち込んだ光源で照らすと、かすかな反射に浮かび上がるシルエットがあった。
 一定の周期で五種類の正多面体へと組み変わる、不可思議な漆黒の巨大オブジェクトだ。
 ゲネによれば、この謎のオブジェクトに「干渉」をすることで惑星への道が拓けるという。

 「干渉」方法は、オブジェクトに対してなんでもいいのでユーベルコードをぶつけながら、「今惑星に危機が迫っている」旨を強い思いを込めて伝えること。
 他にもいろいろ調べてみることで、惑星についての知見が得られるかもしれない。
 オブジェクトに惑星の危機を伝えて、惑星に至る道を拓こう!


そらばる
 スペースオペラワールド、侵略宇宙人を撃て。
 暗黒空間に存在する謎の惑星を発見し、襲い来るオブリビオンを撃退してください!

●プレイングボーナス
 このシナリオでは、特別なプレイングボーナスが発生します。
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プログラム系もしくは術式系のユーベルコードを使う/ユーベルコードに強い思いを込めて発動する
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 上記(どちらか一方でOK)に基づく行動をすると有利になります。全章に適用。

 プレイング締め切りはシナリオ上部のタグで告知します。
 皆さんの自由なプレイングをお待ちしています!
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第1章 冒険 『伝えたい事は何ですか』

POW   :    オブジェクトの内部に侵入する

SPD   :    オブジェクトの外部を調査する

WIZ   :    オブジェクトの構造を解析する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​
メナオン・グレイダスト
・SPD

これは。興味を惹かれるな……。
些か大きな対象だが、やってやれぬことはあるまい。【グレイダスト・ギフト】……受け取るがよい。

漆黒のオブジェクトの表面に、可能ならば内部にも、ナノマシン・インプラントを巡らせていく。それを介して自身の意思を伝えつつ、またオブジェクト自身や秘匿された惑星に関する情報を求めていく。
好奇心を刺激されるが面には出さず、星の民に呼びかける。

聴け、隠された星の民よ。我らは猟兵。過去からの災いたる「オブリビオン」と戦う存在。
いま、お前達の星にオブリビオンの魔の手が迫っている。秘匿を破り、お前達を滅ぼさんがために。
戦いに備えよ。そして、我ら猟兵にも協力をさせてもらえるか。



●目覚める物体
「これは。興味を惹かれるな……」
 五種類の正多面体の姿へと絶えず組み変わる奇妙なオブジェクトを、メナオン・グレイダスト(流離う灰色の魔王・f31514)は強い関心を持って見渡した。
「些か大きな対象だが、やってやれぬことはあるまい。【グレイダスト・ギフト】……受け取るがよい」
 メナオンは全身からナノマシン・インプラントを放出し、漆黒のオブジェクトへと巡らせていく。多面体表面に張り付いたナノマシンが、オブジェクトが組み変わる瞬間にわずかに内部へと入り込んだのがわかる。
 ナノマシンを通じて、奇妙な手応えを感じる。ナノマシンの帯びるユーベルコードのエネルギーに感応し、オブジェクト全体がほんのりと……常人の視力では判別できないほど微かに、光を帯び始めたように見える。
「……聴け、隠された星の民よ。我らは猟兵。過去からの災いたる「オブリビオン」と戦う存在」
 好奇心を刺激されつつも面には出さず、メナオンは粛々と呼びかけた。このオブジェクトの主、秘されし孤独星の人々へと。
「いま、お前達の星にオブリビオンの魔の手が迫っている。秘匿を破り、お前達を滅ぼさんがために」
 オブジェクト表層が光のみならず、ほんの微かに熱を帯び始める。ユーベルコードのエネルギーを奪ったわけではない。共鳴や呼応に近い反応だ。
 接触したエネルギーからなんらかの情報を読み解こうとしている……そして、エネルギーを奪うどころか、増幅しているような感覚がある。変わった反応だ。これがこの星の技術なのだろうか。
「戦いに備えよ。そして、我ら猟兵にも協力をさせてもらえるか」
 全てを語り終えたメナオンの目前にあるオブジェクトは、内側から淡く輝くように変質していた。
 静かだが、確実に、眠れるオブジェクトの励起イグニッションは果たされたようだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

木霊・ウタ
心情
ここがどんな惑星で
どんな宇宙人がいるにしても
今を生きる命には変わりがない
過去の化身に命を喰らわせやしないぜ

行動
オブジェクト上で
組み替えの動きにメロディを乗せるように
ギターを奏でる

直接振動が伝わるだろうし
ユーベルコードの音楽だから
空気がなくても
空間そのものを震わせて届くはずだ

惑星に危険が迫っている
敵は過去の化身どもだ

命の灯火をかき消そうとする奴らを
俺たちがあるべき場所へと還す
力にならせてくれ

そんな想いを込めて演奏

未知の宇宙空間で
未知のオブジェクトの上でソロライブっても
乙なもんだぜ

もし想いに共感してくれたら
ユーベルコードの効果で
オブジェクトの輝きが増したり
新たな組み替えが扉を開くかもな



●心届ける音
「ここがどんな惑星で、どんな宇宙人がいるにしても、今を生きる命には変わりがない」
 たとえ目前に理解のできない文明が現れたとしても、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は見捨てはしない。
「過去の化身に命を喰らわせやしないぜ」
 目前に浮かび上がるのは、いかにも正体不明な謎オブジェクト。
 ウタは恐れることなくオブジェクトの上に立った。と同時にユーベルコードを発動し、ギターを奏で始める。
「未知の宇宙空間で、未知のオブジェクトの上でソロライブってのも乙なもんだぜ」
 宇宙空間は音を伝えない。しかしウタの身体とユーベルコードを通じて響く振動が、空間そのもを震わせてオブジェクトに干渉していく。
「惑星に危険が迫っている。敵は過去の化身どもだ」
 想いを籠めて、メロディを紡いでいく。オブジェクトの組み変わるタイミングに合わせて転調、リズムも変遷していく。
「命の灯火をかき消そうとする奴らを俺たちがあるべき場所へと還す。力にならせてくれ」
 旋律に応えてオブジェクトに変化が現れ始めた。
 一曲見事に奏で終えたウタは、足元を軽く蹴り、少し距離をとってからオブジェクトを振り返った。にやり、と痛快な笑みが浮かぶ。
 まだ淡かったオブジェクトの輝きがわずかに増し、正多面体の全容を浮かび上がらせている。
 漆黒に見えた姿は、周囲の暗黒を透かしてそう見えていただけ。
 オブジェクトそれ自体は、透明な水晶のような材質で出来ており、多面体内部は空っぽ。光は、薄い板状水晶質そのものが内側から輝いているのだとわかる。
 未知の星の入り口が拓かれるまで、きっとあと少しだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

八坂・詩織
恒星から遥か離れた惑星に高度な文明を持つ現地人が!?これは興味をそそられますね…!

起動!イグニッションで髪を解き、瞳は青く変化し白い着物姿に。
指定UC発動、麻痺は与えずテレパシーで想いを伝える。

初めまして、天の川銀河の太陽系第三惑星、地球という星から参りました。
この惑星に危機が迫っています。敵はオブリビオン…過去から蘇ってきた脅威です。私達猟兵はオブリビオンと戦うものです。
力にならせてもらえませんか?

恒星の光が届かないなら、たしかに相当高度な技術がないと生きていけないでしょうね…
このオブジェクトはどういう目的で作られたんでしょう?
天文好きの知識を活かしてあれこれ想像しながら調べてみます。



●キノコのテレパシーは異星人にも届くか
「恒星から遥か離れた惑星に高度な文明を持つ現地人が!? これは興味をそそられますね……!」
 八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)は興味津々に瞳を輝かせ、謎のオブジェクトを正面に見据えた。
起動!イグニッション
 凛とした声と共に結い髪が解かれ、白い着物姿へと変貌していく詩織。見開いた瞳は茶から青へ。
 と同時に、オブジェクトへと手を翳して、ユーベルコードを発動する。
 ぽわぽわっとオブジェクトの周辺に煙のような胞子が纏わりつき……次の瞬間、ぽんっぽんぽんっ、と次々にオブジェクト表面のあちこちにキノコが生え始めた!
 麻痺効果は抑えて、詩織はテレパシーのみをオブジェクトに注ぎ込む。
「初めまして、天の川銀河の太陽系第三惑星、地球という星から参りました」
 想いを伝えながらも、天文好きの血が騒ぐ。詩織は知識を活かして想像を巡らせながら、キノコを通じてオブジェクトを探ってみる。
(「恒星の光が届かないなら、たしかに相当高度な技術がないと生きていけないでしょうね……このオブジェクトはどういう目的で作られたんでしょう?」)
 オブジェクトが光を増す。キノコを通じてオブジェクトが何かを知覚しているらしいのがわかる。エネルギーなどを奪われているわけではないが、「探られている」感覚があるのだ。
(「知ろうとしている……?」)
「この惑星に危機が迫っています。敵はオブリビオン…過去から蘇ってきた脅威です。私達猟兵はオブリビオンと戦うものです。力にならせてもらえませんか?」
 想いを注ぎ終えたその瞬間、オブジェクトがいっそうの輝きを放った。透明な立体の内側に走る複雑な幾何学模様に、詩織は目を見開いた。
「これって……!」
 オブジェクトの正体に手が届いた、次の瞬間。
 暗黒宙域が大きく揺らいだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『スペースキャット』

POW   :    ニャッ!
単純で重い【ネコパンチ】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ニャーー!!
【目からビーム】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    フシャーー!!!
【激しい威嚇】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
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●奇妙な水晶玉の星
 猟兵達の想いを受けとったオブジェクトは、透明な板ガラスのような壁面の内側に、光の幾何学模様を──すなわち「回路」を、くっきりと浮かび上がらせていた。
 ……これは、一台の巨大なコンピューターだ。それもとんでもなく高性能な。
 外からの思いを受信し、増幅し、本星に送信するための受容体。
 そして、注がれた猟兵の思いに応えるように、暗黒宇宙が震撼する。
 オブジェクトの回路の輝きに呼応して、闇ばかりが続いていたはずの宙域に忽然と巨大な物質が現れた。
 地球と同等の大きさにも匹敵するスケールの、透明な球状物質だ。
 まるで巨大な水晶玉のような物質は、透明な内側にオブジェクトと同様の光回路を張り巡らせると、瞬く間に惑星環境を整えていった。
 つるりとしていた透明な惑星表面に、陸地のような凹凸と大海らしきものが形成されていく。呼応して大気が生み出され、風が吹き、雲が流れ。陸地には近代都市の如き構造物が幾多も生え出す。それら全てが透明で、内側の隅々に光の回路が張り巡らされていく。
『◇●¥/▼×$……チューニング完了』
 オブジェクトが幾度かの試行錯誤ののち、猟兵のわかる言語で流暢に言葉を発すると、複雑な変形活動ののち大気圏突入カプセルの如き形状へと収束した。
 透明なハッチが開き、内部へと猟兵をいざなう。
『ようこそ外宇宙よりのゲスト様。皆様の適応可能な惑星環境を構築致しました。どうぞ、我々の居住地へ足をお運びください』

●猫、襲来
 元オブジェクトであるカプセルに乗り込んで辿り着いたのは、透明な惑星の透明な都市。そして猟兵を出迎えたのはやはり透明な人々だった。
 人々もまたオブジェクトや惑星そのものと同じく、体内は光の回路で満たされている。人の形こそしているが、ディテールは荒く顔貌も存在しない。どうやら猟兵の常識から読み取った人類の似姿を大雑把に模倣しているだけらしい。
「我々は主体的文化を持ちません。あえて言うなれば、相手の情報を読み取り、相手の文化を複製して蓄積するのが文化ということになるのかもしれません」
 そして情報を読み取る媒体として有用なのが、プログラムや術式、強い「思い」なのだという。
 そんな説明を聞きつつ思いのほか和やかに交流していたところに、再び暗黒宙域に戻ったオブジェクトから敵襲を告げる警報が届いた。
「皆様の忠告を元に警戒させておりました。これは……強い思い……極めて強い欲望の持ち主のようです。彼等の感情に暴露していたら、確かに我々は瞬く間に彼らの群れの一部になっていたことでしょう」
 言う間に空からニャーニャーと攻撃的な猫の声が幾重にも降ってきた。
 空から大量に現れたのは、普通の猫サイズから山のように大きなものまで大小様々な『スペースキャット』の大群だ。人類に敵意を抱き、欲望のままに破壊の限りを尽くすスペースモンスター。
 もし猟兵が先んじてこの水晶玉の星に接触していなければ、彼等はスペースキャットの一員となって人類の敵に回っていたかもしれないわけだ。
「今は貴方がたの文化模倣で固着しておりますので、ご心配は無用です。また、この星で戦われる際にはプログラム、術式、ないし強い思いをもって力を振るえば、星の性質が皆様の力を増幅いたしましょう。この力は敵には利用させませんので、存分にご利用ください」
 この星の人々にはオブリビオンと戦う力はないが、種族の特性上、敵の情報や思いに暴露さえしなければ問題ないという。それらの干渉には彼等自身がプロテクトを張って応対するので、避難誘導などは必要ない。
 プログラム、術式、思いの力を増幅してくれる星の性質を活かしながら、スペースキャットの群れを撃退しよう!
筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコード使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?



●「失望」
「猫……猫か。猫なのに……」
 筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)は迫りくるスペースキャットの群れを見上げて、低く暗い声を発した。
「もふもふじゃないんだ……」
 極めて、残念そうに。
 ガッカリな気持ちが、発動したユーベルコードに乗って、周囲の透明の構造物の回路を輝かせていく。
「猫の姿をしておきながら欲望のままに……いや、欲望に忠実なのは猫らしいかもしれないけど……とにかく人類を敵視して破壊の限りを尽くすだけの、もふもふではない猫もどき……」
 バチバチと漆黒の電流がトオルの周囲を爆ぜる。
「……そんなの、存在する価値はないよね?」
 瞬間、大小様々な猫が降ってくる空に網を張るが如く、漆黒の稲妻の鎖が広がり、スペースキャットたちに次々と絡みついていく。
『ビミャ!?』
『ニャー! ニャニャフシャーッ!!』
 鎖に絡め取られたスペースキャット達は必死の抵抗を見せるが、トオルの「失望」という「思い」を受けて星の回路に増幅されたユーベルコードの力が、ガッチリ捕らえて決して離さない。
 それどころか、鎖に操られた猫達は同士討ちを開始した。
「もふもふだったら世界も救えたのに……残念だよ」
 ニャー、ニャニャーと文字通りのキャットファイトが繰り広げられている上空を見上げて、トオルは不敵に呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

富良裳・アール(サポート)
「えっと、ぁぅぁぅ…こ、こんにちは…」

赤くなったり青くなったりよく顔色が変わり、基本もじもじしています。
かわいいものが好きで、甘いお菓子も好き。
お化けは怖いし、大きな声にもびっくりする。
一般的な感覚を持った、人見知り気味の、普通の女の子です(本人談)。

普通の女の子なので、戦闘になると
「きゃー!」「うわー!」「こないでくださいっ」
等、よく涙目で叫んでいます。
そして叫んでいる限りは的確に、それはもう的確に
武器、ユーベルコードを使用します。
戦える、普通の女の子だからです。

なので依頼は頑張ってこなそうとしますし、
非戦闘員は守ります。
でもやっぱり、平和な依頼がいちばん好き。



●「恐怖」
「ぁぅぅぅ……お、お化け……猫の、お化け……!」
 スペースキャット降り注ぐ空を見上げて、富良裳・アール(普通の女の子・f36268)は顔色を真っ青にした。
 棒立ちになっている子供は格好の獲物とばかりに、スペースキャットの一群がアールへと襲い来る。
『ニギャァァァァッ!!』
「きゃー! やーっ!」
 悲鳴を上げて涙目で逃げ惑うアール。猟兵であってもお化けは苦手。ちょっと人見知り気味で怖がりな、普通の女の子なのだ。
「こないでくださいぃぃーっ!」
 ──訂正。戦う力のある、普通の女の子、である。
 アールは叫びながら必死に敵へと手を突き出した。その手のひらから発動したユーベルコードに乗って巻き起こる大量の炎。
 少女のありったけの「恐怖」の「思い」に感応して、星の回路が強く輝く。
 力を増幅され荒ぶる炎の渦は、襲い来たスペースキャット達をそれはもう的確に、飛んで火に入る夏の虫とばかりに次々に飲み込んでいった。びみゃーぎにゃーと宇宙猫達の汚い悲鳴がこだまする。
「きゃーっ! きゃーっ! きゃー……あ、あれ?」
 ただ叫びながら逃げ惑っていたら、いつの間にか周囲の敵が消えていた。
 回路の光が収束していく中で、アールは呆然と立ち尽くすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクサンドラ・ヒュンディン(サポート)
人狼の力持ち×ミュータントヒーローです
普段の口調は「私、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?」、気にいったら「私、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?」

性格は内気で人と目を合わせるのが苦手ですが、人嫌いなわけではなく事件解決には積極的です
戦闘スタイルは力任せで、ダメージはライフで受けるタイプです

日常や冒険の場合、食べ物があるとやる気が増します

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●「欲望」
「思い……欲望……いや、あの、でも……これはあまり、表に出すものでは……」
 アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)は伏し目がちに目を泳がせた。
 とびっきりの欲望は自分の中に確かにある。なんなら普段からわりと欲望に忠実に生きている。しかし、己の欲望を情報として改めて分析されるのは、さすがに気恥ずかしい。
 だが迷っている暇はないようだ。空の上から猫達が大量に降り注いでくる。
「や、やるしかありませんか……うぅぅぅぅ……」
 アレクサンドラは己が身の内に力を巡らせるように唸った。ユーベルコードの解放と共に、その獣性が開放されていく。
『フシャーー!!!』
 空の上でスペースキャットが威嚇の声を上げる。しかしアレクサンドラは回避も防御も捨てて、ただただ耐える。
 痛みに耐えながらもよりいっそう深まる獣化。不健康でさえある痩身が徐々に肉付きよく変じていき……それは、ちょっと過剰なほどのたわわを形成していく。
「──があぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 獣性が振り切れたその瞬間、アレクサンドラの喉を割った咆哮が、赤黒い闇の雷撃を迸らせた。
 星の光回路を輝かせたその思いは……「巨乳への切望」。
 暴走せんばかりに増幅された思いと雷撃が空を赤黒く彩り、大量の猫達を次々に撃ち落としていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。



●「罪の意識」
「敵か」
 スペースキャットに埋め尽くされた空を見上げ、北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)は鋭く目を細める。
「ただ欲望のままに破壊の限りを尽くす言葉なき猫達……アンタ達に理想や思想を問うのは、無意味だな」
 優希斗は敵から照射されたビームを、残像を描きながら回避したのち、静かに刃を構えた。蒼月・零式、月下美人、月桂樹・五月雨、鏡花水月・真打。この日携えた四刀すべてを。
「この刃は、全ての罪と闇、そして……人々の意志を刈り取る死神の息吹」
 ユーベルコードが発動する。優希斗の中に深く根付いた「罪の意識」という思いを乗せて。
「……散れ」
 宇宙猫達を全方位に捉えて、四刀の刃が一気に巨大化した。透明な星の光回路に増幅され、より大きく、より研ぎ澄まされた力を宿して。
 瞬間、居合の如き神速で閃く四条の剣閃。優希斗へネコパンチを浴びせようと襲いかかってきた宇宙猫達が、空中でピタリと静止する。
 美しい光の弧の残像を残して、冴えわたる刀身は瞬く間に元の大きさを取り戻し、鞘に納まった。
 と同時、宇宙猫が一斉に細切れに崩れ落ち、肉体の残骸は大気に溶けるように蒸発していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。

戦闘は確実性やオーバーキルより迎撃数を優先するので、全力魔法と範囲攻撃で少し広めに撃ってから時間差で仕留める。
もしくは単体攻撃にカウンターや鎧破壊攻撃を乗せつつ、連続して使って、一撃必殺を繰り返す。
「ここから先は行かせないよ、キリッ」
…ところで、なんでオブリビオン居るの?(前後の説明忘れた)

……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)



●「火矢」
「術式……術式といえば、術式……のはず、デスヨ?」
 ウィザードであるところの城田・紗希(人間の探索者・f01927)は自身の魔法に思い巡らす。どうも考えるより行動が先に出てしまうので、魔法もノリで出している感が否めない。
「いや大丈夫大丈夫、魔法の照準くらいはちゃんと考えてるから。だからこれも術式ということで!」
 強引に自分を納得させて、紗希はユーベルコードを展開した。
 たちまち周囲の空中に数多の炎が灯り、空から降り注ぐスペースキャット達へと矢の如く襲いかかった。星の光回路がその魔法体系を読み取るように輝き、炎の威力を増幅させる。次々に魔法の矢に射抜かれていく宇宙猫達。
『ニャーー!!』
 すばしっこい宇宙猫の一頭が炎の矢の隙を縫うように宙を泳ぎ、目からビームを照射して炎の矢を薙ぎ払いながら猟兵に迫りくる。
 だが、紗希にネコパンチを浴びせようとしたその瞬間、宇宙猫はピタ……ッと動きを止めた。
 広範囲に解き放った炎の矢が、複雑な軌道を描いて舞い戻り、宇宙猫を背中から貫いたのだ。
「残念、時間差だ……キリッ」
 ドヤ顔を浮かべる紗希の目の前で、宇宙猫は破裂するように蒸発した。

成功 🔵​🔵​🔴​

八坂・詩織
なるほど、相手の情報を読み取り複製する星…外敵に対して警戒が薄いのはこういうわけでしたか。侵略者にとっては都合がいいでしょうね、抵抗されることなく自分達の思い通りの惑星を作れるんですから。
どうしてこのような星になったのか興味深いところですが、まずはあの猫さん達をどうにかしないといけませんね。

術式やプログラム系のコードはあまり持ち合わせがないですがこの星のことをもっと知りたい、この知識欲は誰にも負けません。
氷雪地獄発動、吹雪と結晶輪による【制圧射撃】【追撃】で広範囲の敵にダメージを与えます。
敵の攻撃は【激痛耐性】で耐えつつ、敵の影に隠れて【敵を盾にする】ことで威嚇攻撃への巻き込みを狙いましょう。



●「知識欲」の吹雪
「なるほど、相手の情報を読み取り複製する星……外敵に対して警戒が薄いのはこういうわけでしたか」
 八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)は深く得心する。
 侵略者にとっては極めて都合の良い星だ。抵抗されることなく、自分達の思い通りの惑星を作れるも同然なのだから。
「どうしてこのような星になったのか興味深いところですが、まずはあの猫さん達をどうにかしないといけませんね」
 スペースキャット降る空を、詩織は仰ぐ。
「術式やプログラム系のコードはあまり持ち合わせがありませんが、この星のことをもっと知りたい、この知識欲は誰にも負けません」
 強い「知識欲」を籠めたユーベルコードが展開する。呼応した大気が光回路を広範囲に輝かせ、大量の雲を呼んだ。雲内部の光回路もまた輝き、巻き起こる猛烈な吹雪に呼応してさらなる嵐を巻き起こす。
『ギニャッ!?』
『ミャミャァ……ミャミャミー……』
 意気揚々と破壊活動に舞い降りてきた宇宙猫達は、あまりの寒さに身を縮める。動きが鈍くなってきたところに吹雪の内側で生成された結晶輪が追い打ちをかけ、とてつもない勢いで宇宙猫に激突したり体表を削り取ったりして敵群を蹂躙していく。
『フ、フギィィィ……』
 寒さにやられ気味の個体が大きく息を吸い込み始めた。予兆を認めて、詩織は即座に走り出す。宇宙猫が固まって群れているほうへ。
『フシャーー!!!』
 いよいよ解き放たれた激しい威嚇が、衝撃波の如く一帯に広がり、他の宇宙猫を巻き込みながら詩織の背に追いすがる。
「敵味方の区別なしですか……なら、存分に巻き込まれてもらいます!」
 詩織が寒さに大弱りで身を寄せ合う宇宙猫の群れの陰へと滑り込んだ瞬間、仲間の威嚇をもろに浴びた宇宙猫の群れは大気に溶けるようにほどけて消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メナオン・グレイダスト
・WIZ

興味深いな。この星も、星の民も。
……だが、まずはあの者達を打ち倒さねば。

ゆけ……【グレイダスト・サーヴァント】。

スペースキャットとの戦いに際し展開するは、灰色砂塵の生成・変化により形成した補助用の超小型ドローン群。
そして──600基近くの、自律機動型の複合兵器。
複合兵器のひとつひとつを、全体を指揮し、迫るスペースキャットの群れに差し向ける。
小さなものは弾幕の嵐を叩きつけることで。
大きなものは、複合兵器群の数を結集した火力を叩き込むことで。
巨大とはいえ愛らしいと言える外見に惑わされることなく、1匹も逃さない勢いで掃討していく。

さらばだ。次があるのなら、普通のねことして生まれてくるがよい。



●「自律兵器」の蹂躙
「興味深いな。この星も、星の民も」
 未知の生態系に思いを馳せつつ、しかしメナオン・グレイダスト(流離う灰色の魔王・f31514)は到来する敵の姿を空の向こうにひたと見据える。
「……だが、まずはあの者達を打ち倒さねば」
 ニャー、ニャニャー。強い敵意と攻撃性をあらわに、大量のスペースキャットが降ってくる。
 メナオンは静かにユーベルコードを発動した。
「ゆけ……【グレイダスト・サーヴァント】」
 周囲に広がる灰色砂塵が瞬く間に集束・変化し、無数の物体を生成していく。補助用の超小型ドローン群と自律機動型の複合兵器。その総計、実に六百基弱。
 これら兵器群はメナオンの統制を受けながらも機械として自律する。すなわち、その基礎にあるのはプログラム。
 ゆえに星の光回路は強く反応し、兵器群の力は増幅される。
「──撃て」
 メナオンの号令と共に、迫りくる宇宙猫への攻撃を開始する兵器群。小さな個体には弾丸の嵐が叩きつけられ、大きな個体には砲撃にレーザー、時には接近戦も交えて、複合兵器群の数を結集した火力が叩き込まれていく。
 巨大ながらに愛らしくも見える宇宙猫の外見に、メナオンは惑わされない。一匹たりと逃さない勢いで蹂躙、相当していく。
「さらばだ。次があるのなら、普通のねことして生まれてくるがよい」
 ミギャービミャーと断末魔を幾重にも重ねながら、大量の宇宙猫が蜂の巣にされ木端微塵に消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木霊・ウタ
心情
間に合ったようでよかった
にしてもさすが宇宙だ
色んな宇宙人がいるんだな
そして宇宙猫ってのもそうだよな
けどオブリビオンならやることは一つ
海へ還すぜ

戦闘
迦楼羅を炎翼として顕現
天空のステージで
再びワイルドウィンドでライブだ
アンコールってヤツ?

猫たちに聞かせてやるぜ
俺たち猟兵の思いを

この星の皆にも
俺たちのことをもっと知ってもらう
機会になるだろうし

猫パンチを爆炎での機動で回避しながら
演奏

過去の化身に未来を喰らわせやしない
今を生きる命が未来を創り上げていく
命の輝きは未来の輝き
未来は命の重みだ

そんな想いを込めて弦を爪挽けば
とびっきりの熱い旋律が
燃える熱風となって拡がり
音に触れた猫たちを片っ端から
燃やし灰に変えていく

地獄の炎はオブリビオンだけを燃やす

星の性質も上乗せされているから
演奏の音色は惑星全部にまで拡がり届いて
更に火力も太陽と同程度になってる
猫たちを海へ還すのに
さほど時間はかからない

事後
猫たちへの鎮魂として
そしてこの星の助力に感謝を込めて
演奏を続ける



●「覚悟」の熱い旋律
「間に合ったようでよかった。にしてもさすが宇宙だ、色んな宇宙人がいるんだな」
 実に奇妙な生態を持つ透明な人々を興味深く見つめたのち、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は上空へと視線を転じた。
「そして宇宙猫ってのもそうだよな」
 ニャーニャーやかましく降ってくる大小様々な猫達。おそらくはあれらも元はなんらかの宇宙生物の一種なのだろう。
「けどオブリビオンならやることは一つ。──海へ還すぜ」
 黄金の迦楼羅を炎翼として顕現し、ウタは翔ぶ。透明な水晶星の透明な大気のただ中へ。
 天空のステージ再びでかき鳴らすワイルドウィンドの鋭い音色。
「アンコールってヤツ? 聞かせてやるぜ、俺たち猟兵の思いを」
 そしてこの星の人々にも、猟兵のことをより知ってもらう機会になるだろう。
『ニ゛ャーッ!』
 攻撃的な声を上げ瞳を光らせながら襲い来るスペースキャットのネコパンチ。単純で重い一撃を、ウタは小刻みな爆炎の推進機動で躱しながら、正確な指さばきで弦を爪弾きギターの音色を響かせる。

 過去の化身に未来を喰らわせやしない。
 今を生きる命が未来を創り上げていく。
 命の輝きは未来の輝き。
 未来は命の重みだ。

 そんな想いを込めて、とびっきりの熱い旋律が燃える熱風となって辺りに拡がっていく。美しくも情熱的な、音と炎のカーテンだ。近づくスペースキャットは格好の餌食。片っ端から燃やし尽くされ灰燼に帰していく。
 そして思いに応えた星のあちこちで回路が光り輝き、増幅された音色が惑星全体の隅々へと行き渡る。
 水晶玉の惑星の人々が見上げる空を、熱い旋律が炎とともに駆け抜けていく。拡がる炎はどんどん加熱する。しかし地獄の炎はオブリビオンだけを燃やす。不思議な水晶玉の星とそこに付随する不思議な種族は死にはしない。
 音という振動に乗せて熱い思いが幾重にも反響しあい、炎はどこまでも増幅されていく。ほどなく太陽にも匹敵する火力を得た炎が、猫達を骸の海へと還すのに、さほど時間はかからない。
 ミャーミャーニャァァァ──! 上空を埋め尽くす猫達の断末魔を背景に、ウタはギターを爪弾き続ける。死んでいく猫達の鎮魂のために。
 そして、この星の助力に感謝を込めて。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『コズミック・ウィザード』

POW   :    フリーダム🌕サテライト
【膨大な質量】を宿した【小衛星『月』】を射出する。[小衛星『月』]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
SPD   :    マクロコスモス🌌ミクロコスモス
【銀河の加護】が命中した対象を治療し、肉体改造によって一時的に戦闘力を増強する。
WIZ   :    セルフ🌟ビッグバン
レベル秒間、全身から【暗黒物質のゆらぎ】を放出して全能力を倍増し、【星を産む爆発】で攻撃できる。月が出ていれば時間制限無し。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●強きにおもねる星
「へーぇ、すごいわね、こんな生態系が天然で構築されてるなんて!」
 スペースキャットが全滅した透明な空から、のんきにも聞こえる女の声が響いた。
 現れたのは『コズミック・ウィザード』。占星術と星属性の魔法を極め、複数の星そのものを支配することで魔法の力を増幅させようと目論む魔導士だ。スペースキャットをけしかけて宇宙を探査させていた敵首魁である。
 星の大気に調査術式を走らせ、ウィザードはこの惑星の本質を暴いていく。
「強力な文化体系に自分から迎合しに行く生態かぁ。基本早いもの勝ちで簡単に取り込めるけど、後からより強い存在が現れたらそっちの文明にあっさり寝返っちゃうわけね。付和雷同文化ってとこかしら」
 ──猟兵が接触し、その価値観が共有された今でこそ外敵に備えているが、もともとこの惑星には「侵略される」という概念などなかった。
 濃度の高い情報、高度な構造の記述法則、エネルギーすら秘める強い感情や欲望などを感知して、より強く高度な勢力に同化し迎合する形での生存体系を確立しているのだ。要は長いものに巻かれる生存戦略でありつつ、優れた生命体や文化体系を盗み乗っ取るという性質も兼ね合わせた、実のところかなり危険な生態系なのである。
「なら……私がそいつらより強いってところを見せたら、私の側についてくれるわけよね?」
 パチリとウインクするコズミック・ウィザード。
 星の人々は何も答えない。だがその沈黙が肯定を意味しているのは間違いなさそうだ。

 今のところは術式・プログラム・強い思いに反応する星の性質は、猟兵のユーベルコードにしか反応しない。
 だが、猟兵が少しでも無様な戦いを見せれば、術式を自在に操るコズミック・ウィザードの力も増幅されてしまうかもしれない。
 猟兵の強さを見せつけながら、強力な魔術を操るコズミック・ウィザードをねじ伏せよう!
ベルベナ・ラウンドディー(サポート)
「戦闘は得意な方に譲りますよ」
自称偵察専門、宇宙出身の竜派ドラゴニアン青年


単純明快が信条、焦るとラフが混ざるも概ね穏やかな物腰です
宇宙や汚染地などの悪環境下に特に強く、
変装・偵察・工作など非戦闘活動を得意と自負する一方で
他猟兵達の戦闘関連の技量に感心しがちです
全部80点で100点は取れないタイプ


●特徴として
功夫・衝撃波による砲撃戦・結界術の3種が戦術の主体です
全て「偵察任務遂行のためついでに取得した」とのこと

こいつを活躍させるというよりも
話の調整役として扱ったほうが背後は喜びます
ストーリーや背景を描写する際の進行役や
負傷や撤退でオブリビオンの見せ場などの
演出素材としてもお役立てください



●「魔法文字」
「戦闘は得意な方に譲りたいところですが……そうも言ってはいられませんね」
 ベルベナ・ラウンドディー(berbenah・ラウンドディー・f07708)は空に現れたコズミック・ウィザードをひたと見据えると、青い光を帯びる∂∂∂デルズを構えた。
「術式が有効ならば、私もそれなりにお役に立てるでしょう」
「あらっ、術式対決!? 負けないぞ~」
 コズミック・ウィザードはわくわくと心弾ませながら、即座に魔術を展開した。彼女の周囲を術式が光の帯となって取り巻くが、惑星の光回路は淡く輝いただけで力を与えはしない。
「つれないなぁ……ま、いっか。行ってきなさい!」
 ウィザードがかまわず解き放ったのは、小規模な『月』。大きさは車一台ぶんほどの直径だが、そこには膨大な質量が秘められている。
 一気に加速し容赦なくベルベナへと襲い来る『月』。ベルベナは空中へと舞い上がり、衝撃波による砲撃で『月』の接近を阻み、結界術を駆使して軌道を逸らしてやりながら、高みの見物を決め込んでいるウィザードへと肉薄せんとする。が、『月』は何度となく軌道を変え、加速と減速を巧みに交えてベルベナの周囲に纏わりついて離れようとしない。
「なるほど、これは厄介だ。しかし後続の方々にも概ね傾向は示せたでしょう」
 ベルベナは適度に『月』を牽制しながら、∂∂∂デルズの穂先に魔力を巡らせた。空中をゆっくりと薙ぐ光が、魔法文字を空中に描き出す。
「これは槍の形をした衛星魔法そのものとも言うべきもの。この惑星が術式を理解するというのなら、きっと力を貸してくれることでしょう」
 魔法文字の完成とともに、何もないように見える大気の内で光回路が強く輝く。
 巻き起こる破魔の爆風が猛然と吹き荒れ、咄嗟に逃げ出そうとしたウィザードを『月』もろとも巻き込み蹂躙した。

成功 🔵​🔵​🔴​

パルピ・ペルポル(サポート)
名乗るときにはフルネーム。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。
基本は隠密行動。
空中に雨紡ぎの風糸を張り巡らせて攻守両方に利用し、敵の行動を阻害したところに穢れを知らぬ薔薇の蕾を併用して行動を封じる、もしくはそのまま糸で切り裂くのが主な攻撃方法。
もしくは徳用折り紙で作成した折り鶴を筆頭に折り紙動物たちをけしかけてのかく乱兼攻撃を行う。
敵UCは古竜の骨のマン・ゴーシュで受け流す。

他の猟兵に迷惑をかける行為はしない。
好奇心旺盛ではあるが、行動は慎重。
お宝は勿論素材になりそうな物も出来る限り確保しエプロンのポケットに格納する。
もふもふは抵抗できないよう拘束してもふる。

アドリブはご自由に。



●「好奇心」
「より強い文化体系になりきって、場合によってはその文化を盗んで乗っ取るかぁ。スケール大きい!」
 パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は興味津々に目を輝かせた。手癖のよろしくないパルピとしては、なかなかに好奇心をくすぐられる生態系だ。
 その好奇心に共感するように、コズミック・ウィザードも顔を輝かせている。
「面白いよね! だから私、この星がどうしても欲しいのっ!」
 ウィザードが術式を解放し、『月』を飛ばしてくる。が、パルピは動かない。
「つっかまえ──たっ!」
「!? えええっ!?」
 仰天するウィザードの視線の先で、『月』が空中で不自然に急減速した。空中に張り巡らされた雨紡ぎの風糸の透明な捕獲網に、漁の如く引っかかったのである。
「重っも……! でもそのぶん、反動はおっきいよね……!」
 『月』は網を深々とたわませたのち、やっと静止しかけ……直後、スリングショットの要領で弾き返された。
「ひぇっ」
 豪速で空を逆走する『月』を、ウィザードはあわやのところで軌道を逸らせてギリギリで回避した。
 が、直後下方より伸び迫った植物の蔓が、行動直後の硬直を狙ってウィザードの足を絡め取った。
「は? うそうそうそ!」
「この星は面白い……けど、アンタに従属させられたらなんも面白くなくなるだろうがッ!!」
 大いに慌てるウィザードを狙い澄まして、パルピはちょっとばかり素地を覗かせながらダガーを勢いよく投擲した。
 「好奇心」を邪魔する者を排除するための刃は光回路の輝きに取り巻かれながら上空へ向けて疾駆し、ライフル弾の如き速度と精度で、身動き取れないウィザードを正確に貫いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティエル・ティエリエル(サポート)
◆キャラ特徴
ボクっ娘で天真爛漫、お転婆なフェアリーのお姫様です。
王家に伝わる細身のレイピアを使った空中からのヒット&アウェイで戦うのが得意な女の子です。
・冒険大好きお姫様
・珍しいものにも興味津々
・ノブレス・オブリージュの精神で弱者を放っておけないよ
・ドヤ顔がよく似合う
・困ったら動物さんに協力を!

◆戦闘方法
・背中の翅で羽ばたいて「空中戦」や「空中浮遊」で空から攻撃するよ
・レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でチクチクするよ
・対空攻撃が激しそうなら【ライオンライド】
・レイピアでの攻撃が効かない敵には【お姫様ビーム】でどかーんと攻撃



●「冒険心」
「すごい……これが真似しただけの環境だなんて思えない……!」
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は小さな身体で透明な星の大気を飛び、感動をあらわにする。
「まだちょっとつるっとした感じだけど、これからどんどん複雑になっていくのかな!? 建物がたくさんできて、動物さんも増えて、ダンジョンみたいなのができたりして!? くぅぅぅ……冒険したい!!」
 高まる欲求にティエルのテンションも否応なく上がる。
「そうと決まれば邪魔なオブリビオンにはさっさと海に還ってもらわないとね☆」
「あら可愛い妖精さん。私はそんな簡単にはやられないわよ?」
 コズミック・ウィザードは術式を展開し、全身から暗黒物質のゆらぎを放出し始めた。
 ゆらぎはウィザードの周囲を広範囲に満たし、小さな翅を羽ばたかせてウィザードへと飛翔するティエルめがけて唐突に大爆発を巻き起こした。
 まとった風の力で素早く爆発を躱すティエル。しかし爆発は小さな疑似星を空中に生み出しながら幾度も連鎖し、執拗にティエルを追いかけてくる。
「むぅ、近づけない……でも、今ならビームだって出せそうだよ☆ うーー、どっかーん!」
 未知の星へのめくるめく「冒険」への期待に上がりきったテンションを乗せて、レイピアの先端から放たれる気合のビーム。それは光回路の輝きに取り巻かれながら、連鎖やまぬ疑似新星爆発をも貫く。
「えっ、はっ、うそーっ!?」
 爆発を貫いて突如照射されたビームをもろに浴びて、ウィザードの絶叫は白光の向こう側にフェードアウトしていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
 人間のスーパーヒーロー×剣豪、女の子です。
 普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●「正義」
「模倣対象が強くあらねば、簡単に立場を翻す……人間のあさましさを見ているようだけれど、生き物の生存戦略としては原初的かもしれないわね」
 だからこそ厄介でもある、と星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)は小さく吐息を零した。目の前のオブリビオンはもちろん、透明な星にまつわる周辺環境まで相手取って戦っている気分だ。
「……とはいえ、他人の生態系に文句を言っても仕方がないわね。誰がどんな生き方をするとしても、私は私を貫くだけよ」
 杏梨は迷いなくユーベルコードを発動した。全身を包み込む黄金のオーラに宿るのは、高潔な「正義」を貫くという強い意志。
「何をごちゃごちゃ言ってるの~? こっちから行っちゃうわよ☆」
 コズミック・ウィザードが術式を展開し、暗黒物質のゆらぎを放出して辺りに爆発を巻き起こし始めた。
 杏梨は敵の力が光回路の支援を受けていないのを確かめつつ、一気に空中へと飛翔した。間近に爆ぜる爆発に怖じることなく隙を掻い潜り、超高速のジグザグ飛行で敵へと肉薄する。
 爆発の直後に生み出された疑似惑星を黄金の剣閃で斬り裂き、ウィザードの虚を突いて間合いへと飛び込む杏梨。
「邪悪なるものよ、滅しなさい!」
 光回路の輝きを受けて目映いほどに輝く黄金を纏い、流星の聖剣はほうき星の如き軌跡を描いてウィザードを切り捨てた。

成功 🔵​🔵​🔴​

七星・桜華(サポート)
『天魔流免許皆伝、更なる高みへと!』
『これが闘うための意志と覚悟だよ!』
『一か八かの勝負?必要無いね!私達の勝ちだ!』
『後は派手に騒ぐんだ!誰も倒れないようにね!』

隠れ里に伝わる『天魔流』歴代最年少で派生流派も含めての免許皆伝。

腰に挿している六振りの刀と扇子を振るう。
物理的な技術を異能のUCにまで昇華させた。
闘う姿は艶やかな舞踏が如く空中戦もできる。
殺気や覇気を残像に残し分身と勘違いさせる事も。
防御無視の内部破壊を当たり前に行う。
柔剛の技を扱い両立させる。

第六感による閃きで様々な戦場で勝利に導く。
勝利に辿り着く道筋を最短最善で進む。
優れた第六感で賭け事も強い。
家事も万能。
両親と妹も猟兵である。



●「向上心」
「強い思いに力を与える星か……面白い」
 七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)は扇子を広げてニッと不敵に笑う。
「天魔流免許皆伝、七星・桜華! さらなる高みを目指す思いは誰にも負けないよ!」
 桜華は力強く地を蹴り、一気に空へ跳び上がった。異能のユーベルコードにまでにまで昇華させた技能によって、桜華は何もない空中を舞踏の如く艶やかに舞い上がる。散々連鎖した爆発の後に生じた小さな疑似星を時折足場にしながら、優雅に、しかし容赦なく敵への距離を詰める。
「すごっ、はやっ! ちょ、ちょっと立て直すから待って!」
 コズミック・ウィザードは慌てて術式を展開し、暗黒物質のゆらぎから爆発を連鎖させて桜華の接近を阻んだ。
 が、桜華はまるで怯まない。理屈を十段飛ばしにして空中を浮遊するかのような身のこなしで空を自在に動き回って爆発を回避し、時に爆発そのものを扇子で打擲したり刀で斬り捨てたりしたその反動で、より艶やかに、より速度を増して、逃げ回るウィザードへの距離を着実に詰めていく。
「逃げても無駄。──捉えた、一乃奥義・封絶虚空閃!!」
 ウィザードを間合いの正面に捉え、桜華はユーベルコードを発動した。と同時に燦然と輝く大気の光回路。
 次の瞬間、ウィザードの周囲に三箇所、亀裂のようなゆらぎが生じ、不可視の斬撃が三筋閃いた。繊細なガラス細工が割れるような音を立ててウィザードの術式が破壊され尽くされ、猛威を振るっていた星魔法が霧散していく。
「ええっ!? なんでっ!????」
「それは私が強いからさ!」
 ウィザードが呆気にとられたその隙に懐に潜り込み、さらに閃く桜華の刀。
 六筋の剣閃に斬り刻まれたウィザードの絶叫が、透明な星の上空に轟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

八坂・詩織
侵略者にとって都合のいい星、と思いましたが…そっか、これがこの星の生存戦略なんですね…
多様な星があるわけですし、この星の在り方についてあれこれ言うつもりはありません。でもオブリビオンに蹂躙されるのを見過ごすわけにもいきません。

指定UC発動。私は強いですよ?あの無数の死の宇宙を内包していた『二つの三日月』を倒した銀誓館の能力者の一人ですから。
そしてあの戦いは銀誓館だけではできなかった…大陸妖狐や悪路王軍、かつては対立していた強者達と協力したから強大な敵を倒せた。
強さで蹂躙するのではなく、強者に従属するのでもなく。
異なる強さを認め合うことで得られる強さがあるはずです。
かつての経験で自身を【鼓舞】。



●「鼓舞」
「侵略者にとって都合のいい星、と思いましたが……そっか、これがこの星の生存戦略なんですね……」
 八坂・詩織(銀誓館学園中学理科教師・f37720)は感心ともなんとも言えない吐息をついた。
「多様な星があるわけですし、この星の在り方についてあれこれ言うつもりはありません。でもオブリビオンに蹂躙されるのを見過ごすわけにもいきません」
「あらそう? 私の文化体系に巻き込んじゃったほうが、あなたたちの真似をするよりこの星の生存率も上がると思うけどなー」
 コズミック・ウィザードは自信を見せながら術式を展開する。その全身から放出されていく暗黒物質のゆらぎ。
 それに対抗するように、詩織もユーベルコードを発動する。
「私は強いですよ? あの無数の死の宇宙を内包していた『二つの三日月』を倒した銀誓館の能力者の一人ですから」
 詩織の全身から放出されるのは月光の魔力。神秘的な光がじんわりと辺りを照らし出していく。
「そしてあの戦いは銀誓館だけではできなかった……大陸妖狐や悪路王軍、かつては対立していた強者達と協力したから強大な敵を倒せた」
 月光から数多紡ぎ出される刃が空を疾駆し、ゆらぎのもたらす爆発を次々に切り裂き相殺していく。
「強さで蹂躙するのではなく、強者に従属するのでもなく」
 月光の刃を絶え間なく放ちながら、いつしか詩織の言葉は語り聞かせるような声色へと変じていた。
 透明な星の人々へ。そして、自分自身を「鼓舞」するために。
「異なる強さを認め合うことで得られる強さがあるはずです」
 新たに生み出された月光の刃が大気の光回路に取り巻かれて力を増し、爆発の全てを切り捨てながらウィザードへと殺到、鋭い斬撃を大量に浴びせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ

仁義も誇りも無く強者に媚び諂って生きる人種か……
フン、貴方達の理解も及ばぬ力を見せてあげる

【環境耐性・暗視】で不自由なく行動。
守護霊の憑依【ドーピング】でUC級(技能115)の強化を得て
【第六感・見切り】で相手の攻撃の瞬間に
強い想い(人類への憎悪とオブリビオンへの愛)と
【気合い】を込め『絶対なる理想郷』で【カウンター】
129秒間、戦場全体を覆う骸の海と化し
どんな攻撃も受け付けなくなると共に
媚毒の【呪詛】で身も心も【慰め・生命力吸収・大食い】

私は吸血鬼の父と人間の母の間に生まれた混血種。
故郷の人間達からは悪魔の子と呼ばれ、迫害されたわ。
病に倒れた母を誰も助けてくれなかった。
母亡き後に私を拾ってくれた吸血鬼様も猟兵に殺された

だから私が、存在を否定される者達の居場所となるの。
貴女も永遠に愛してあげる

UC解除後
弱った彼女を【催眠術・全力魔法】で眠らせ
おやすみなさいのキスで生命力吸収

……これが愛と憎悪わたしのチカラ
生きる為だからと心を亡くした者には
決して辿り着けない境地よ



●人を「憎悪」し、過去オブリビオンを「愛」す
「仁義も誇りも無く強者に媚び諂って生きる人種か……」
 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は侮蔑の眼差し透明な惑星の人々を睥睨する。人間嫌いな彼女にとって、彼等が人間の文化体系を真似てしまったこと自体がすでにして地雷だったかもしれない。
「フン、貴方達の理解も及ばぬ力を見せてあげる」
 ドゥルールは守護霊を己に憑依させ飛躍的に能力を高めつつ、敵の出方を窺う。
 透明な星はいろいろと勝手の違う部分もあるが、基礎環境は猟兵にとって最適化されている上に、宇宙そのものを覗かせる空も、ドゥルールの暗視能力においてはどこまでもくっきりと見通せる。
「あら強気。それがどこまで続くかしら!」
 コズミック・ウィザードが術式を展開し、紡ぎ出した小衛星『月』をドゥルールめがけて射出してきた。
 その瞬間を狙い澄まして、ドゥルールもまたユーベルコードを発動する。
「私は吸血鬼の父と人間の母の間に生まれた混血種」
 とうとうと紡ぎ出されるのは、ドゥルールの過去。
 そしてそれに必然として付随する、人類への「憎悪」と、オブリビオンへの「愛」。
「故郷の人間達からは悪魔の子と呼ばれ、迫害されたわ。病に倒れた母を誰も助けてくれなかった。母亡き後に私を拾ってくれた吸血鬼様も猟兵に殺された」
 『月』がドゥルールの目前に到達したその瞬間、強い想いに感応して輝く光回路に取り巻かれながら、ドゥルールの肉体が瞬時にして霧散した。『月』は標的を捉えることなくすり抜け、豪速で透明な大地にめり込んでしまう。
「消えた!? えっ、どこどこ、どこいったの!? ……って、あらら……?」
 急激にめまいを覚えて、ウィザードは額を抑えた。
 ──その瞬間、ウィザードを取り囲む周囲の大気の光回路が一斉にきらめき始めた。
「──!? これって……!?」
 驚愕するウィザード。光回路が反応しているということはすなわち、ドゥルールの想いを乗せたユーベルコードはすでにウィザードを包囲しているということ。
 彼女は気づかぬ間に、骸の海と化したドゥルール自身に侵食されていたのだ。
 骸の海の内側に人型が生じ、ウィザードの間近にドゥルールの姿が浮かび上がる。ユーベルコードが解除され、海が退いてなお、媚毒の呪詛に侵されたウィザードはまともに動けない。
「だから私が、存在を否定される者達の居場所となるの。貴女も永遠に愛してあげる」
 交わされる口づけは、おやすみなさいのキス。
 たっぷりと敵の生命力を吸い上げたドゥルールは、静かに透明な惑星を振り返った。
「……これが愛と憎悪わたしのチカラ。生きる為だからと心を亡くした者には、決して辿り着けない境地よ」
 その異質な戦い方を、相貌持たぬ透明な人々は沈黙をもって見つめていた。光回路からつぶさに伝わる情報を、己の五感として。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木霊・ウタ
心情
付和雷同とは確かに

この星の人たちの考え方ややり方に
どうのこうの言うつもりはないけれど
オブリビオンに同化しちまったら
もう未来へと進めなくなる
世界が過去に沈むだけだ
それだけは止めさせてもらうぜ
どの道負けるつもりはないけどな(グッ

戦闘
宇宙を行く魔法使いか
何でもアリで流石宇宙ってカンジだぜ

星の力を操るとはちょうどいいや
星を背景に三度ライブだ

紅蓮を纏い
空や宇宙に朱を引きながら演奏
響き渡るのは化鳥の如き音だけじゃない
ご機嫌な旋律が響き渡るぜ

熱を孕んだ音は
この星の力で増幅されて
カラフルな音符や五線譜として具現化し
宇宙を彩っていく

星を背景に音符が次々と瞬きながら
幾重にも拡がり重層に重なり合って
宇宙にとびっきりのハーモニーを響き渡らせれば
ちんけな爆発なんて楽勝で相殺だ

宙に音楽が拡がると共に
音の振動と
それが秘める焔の力が拡大・強化されて
暗黒を駆逐していく
地獄の炎は暗黒物質をも焼却するぜ

そのまま炎はウィザードを飲み込み
灰に帰す

事後
鎮魂曲を奏でる
安らかに

折角だから帰る前に観光させてもらおうかなっと



●「情熱」のライブみたび
「付和雷同とは確かに」
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)が漏らしたのは納得の声だった。
 この星の人々の考え方ややり方にどうこう言うつもりはない。だが。
「オブリビオンに同化しちまったらもう未来へと進めなくなる。世界が過去に沈むだけだ」
 勃然と、獄炎が噴き出し、ウタの身を包み込む。
「それだけは止めさせてもらうぜ。どの道負けるつもりはないけどな」
 透明な星の透明な人々に力強く親指を立てて見せてから、ウタは紅蓮を纏って空に躍り出た。
「宇宙を行く魔法使いか。何でもアリで流石宇宙ってカンジだぜ。星の力を操るとはちょうどいいや」
 星を背景に、炎を纏う手がギターを構える。
「三曲目、いくぜ」
 空を疾駆し、宇宙の色彩があらわな大気に炎の朱を引きながら、ウタはギターをかき鳴らす。響き渡るのは化鳥の如き音だけではない。ご機嫌な旋律が、惑星中に響き、共鳴していく。
 熱を孕んだ音は透明な大気の光回路に取り巻かれ、力を増幅される。その変化は視覚にも現れた。旋律がカラフルな音符や五線譜となって具現化し、宇宙を彩っていく。
「えええっ!? わ、すごーい!」
 コズミック・ウィザードは術式を展開して放出した暗黒物質のゆらぎから大量の爆発を連鎖させた。が、宇宙に響き渡るとびっきりのハーモニーが爆発をあっさりと相殺していく。
 宙に音楽が拡がると共に、音の振動と旋律が秘める焔の力が拡大強化され、爆発を生み出す暗黒までをもその緋色のカーテンで覆い尽くしていく。
「地獄の炎は、暗黒物質も焼却するぜ」
「う、うそ……嘘嘘嘘嘘嘘ッ! ──いやあぁあぁぁぁぁッ!!」
 暗黒を駆逐した獄炎がウィザードの全身を呑み込み、いっそう激しく燃え盛る。
「安らかに」
 ウィザードだった灰が舞い散る空へと一節鎮魂曲を送ると、ウタは炎に包まれた全身を翻して、透明な惑星を見下ろした。
「折角だから帰る前に観光させてもらおうかなっと」

●変わっていく生存戦略
 スペースキャットとコズミック・ウィザードの襲撃は猟兵によって退けられ、透明な星の独立性は保たれた。
「どうやら貴方がたは我々を隷従させるつもりはないようですね。これほどの強さを持つ文化体系にならば、従属しておけば向こう十年は安泰を得られる確率が高いのですが、少々残念です」
 星の人々はけろりとそんなことを言う。やはり根本的な部分で相容れない常識の星のようだ。
「ですが、似通った地盤の文化体系を持ちながらも、皆様各々の多様性には目を見張るものがあります。これが貴方がたの生存戦略であるとすれば、我々も我々自身の生存戦略を見直す必要があるかもしれません」
「多様な文化を学び、そこに完全に迎合するのではなく、優れた要素を拾い集めるというのも悪くはないかもしれません」
 猟兵の戦い方、そこに秘められた強い思いに感応して、彼等にも思うところはあったらしい。この星は今後、変わっていくかもしれない。
「つきましては、皆様と同一文化体系に所属するお仲間を、我が惑星では歓迎致します。いつでも気軽にお越しください」
 ……そうして星に招待して、光回路越しに観察するつもりだろう。よほど猟兵が興味深かったらしい。なんともちゃっかりと現金な星である。
 ともあれ、猟兵の活躍によって、暗黒宇宙に浮かぶ水晶玉のようなこの星に、無事平和はもたらされた。猟兵が各世界で活躍している限り、他の文化体系に汚染されるとことはまずないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年11月12日


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#スペースシップワールド
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#スペースオペラワールド
#三章プレイング受付:11月9日(水)まで


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠フルム・サーブルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト