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ねこねこ星のおひめさま

#スペースシップワールド #スペースオペラワールド #景勝星系


 リゾート向きの星が多く集まる景勝星系3番星、キャッテリア――通称ねこねこの星。所謂ネコ科動物がこの星の住人だ。イエネコのお姫様が治めるこの星では、ライオンが経営するホテルで出迎えるサーバルキャットのホテルマンにチーターの料理人、街に出れば屋台を商っているのは豹にヤマネコ。特定の人達によっては天国のようなこの星の目玉はもう一つ。特産としてニャージウム鉱と呼ばれるレアメタルがある。
 きちんとした手順で手に入れる事も出来るし、何なら採取体験も可能。淡い金色のそれは単体なら武器にも使用可能な硬度を持ち、合金にすれば伸びが良くなり魔力を通しやすくなるという素晴らしいもの。何故か採掘の際に猫型をして出てくるため、そのような名前になったとか。
 そんなレアメタルを狙う、一つの影。
「ふふふふふ、この星を支配して猫ちゃんもふもふしながらニャージウムを手に入れて、更に力を増すのです」
 コズミック・ウィザード。あらゆる魔道知識を修め、その中でも占星術と星属性の魔法を極めた魔導士。更なる知識を求め宇宙へと進出し、複数の星そのものを支配する事で魔法の力を増幅させようと企んでいる。
 ……若干軌道がそれている気がしないでもないがねこねこの星に危険が迫っている事は間違いない。

「スペースオペラワールドに向かってもらうのじゃ」
 サーラ・ビアンコ(La fanciulla del gatto・f27059)が今回告げたのは新しく見つかった星系での危機。星を支配し、その地で取れるレアメタルを独占して更なる力を得ようとしているオブリビオンが居るのだと言う。
「向かってもらうのは、ねこねこの星じゃ。妾のように喋る猫達が住む星なのだそうじゃ」
 何とも幸せそうな星である。オブリビオンを退けた後は、少しのんびりしてくるのも良いだろう。
「その星で取れるレアメタルは、採掘体験も出来るらしいので行ってくると良いのじゃ。面白いと思うのじゃ」
 猟兵なら問題無い位の簡単な作業で済むようなので、お土産にするのも良いだろう。
「ちなみに極秘情報じゃが」
 声を潜めるサーラ。
「……お姫様、とてつもない美猫らしいのじゃぞ」
 よし行こう。


真空。
 見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。
 スペースオペラワールド。好きに星を作れると聞いて思い浮かんだのは某銀河鉄道さんでした。絶対楽しい。

『第1章:対コズミックウィザード』
 この星を狙う魔導士オブリビオンを退治します。星魔法を使ってくるので要注意。
『第2章:レアメタル採取』
 ニャージウム鉱を取りに行きます、簡単に取れますのでどうぞ。アイテム発行は出来ませんが、名前を使ってアイテム作成をされるのはご自由に。
『第3章:祝宴』
 オブリビオン退治の功績を讃え、猫のお姫様が宴を開いてくださいますので、目一杯楽しんで下さい。

 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。

 皆様の参加、心よりお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『コズミック・ウィザード』

POW   :    フリーダム🌕サテライト
【膨大な質量】を宿した【小衛星『月』】を射出する。[小衛星『月』]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
SPD   :    マクロコスモス🌌ミクロコスモス
【銀河の加護】が命中した対象を治療し、肉体改造によって一時的に戦闘力を増強する。
WIZ   :    セルフ🌟ビッグバン
レベル秒間、全身から【暗黒物質のゆらぎ】を放出して全能力を倍増し、【星を産む爆発】で攻撃できる。月が出ていれば時間制限無し。
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「ふふふ…うふふふふ」
 軽やかな笑い声。色鮮やかな花が咲き穏やかに陽ざしの差し込むここは、キャッテリア星首都の主要水源の一つである癒しの泉。昼間ならここには沢山の人やキャッテリア星人達がお弁当持参で遊びに来たりしているのだけれど、真夜中に近い今は流石に人の影は無い。
「この魔邦薬を泉に入れてしまえばー、皆私の言う事を聞くのよ」
 ゆったりとした足取りで泉へと向かうのは、緑のドレスに金の杖を持つ魔法使いの女。片手には小さな小瓶を持ち、時折中の液体を揺らしては笑い声をあげている。ちょっと怖い。
 勿論観光地である以上見回りの者は居るのだけれど。
「はい、お休みなさいー」
 悉く女の魔法で眠らされてしまっている。この泉は王城へも繋がっているため、薬を入れられてしまえばこの星の支配権が女の手に落ちてしまう。
 急いで止めなければ。
フォー・トラン
猫に言うことを聞かせようだなんて、全くろくでもないことを考えるもんだ。

星魔法とは大きく出たな、きょうだい。
果てしない星の海ではお前ほど厄介な敵もいないのかもしれないが、ここは地上だ。思い通りにはいかないぞ。

敵の攻撃は[軽業]じみた体捌きで回避して、無傷とはいかないまでも直撃だけは受けないようにしたいところ。
逃げ回りながらロッドを振り、[天候操作]により真っ黒な雷雲を呼び寄せつつ【変身魔法】で巨大化して星空と月を覆い隠す。
力の源を断った上で[電撃]で反撃だ!
これでも食らえ!



 上機嫌な様子で泉へと向かうコズミック・ウィザード。その足がふと止まる。
「誰か、いるわね?」
 歌うような声に応える様に、姿を現したのは滑らかな毛並みの狼の耳持つ一人の女性。
「猫に言うことを聞かせようだなんて、全くろくでもないことを考えるもんだ」
 腕を組み、木に寄りかかるフォー・トラン(精霊術士・f12608)がにやりと笑う。
「星魔法とは大きく出たな、きょうだい。果てしない星の海ではお前ほど厄介な敵もいないのかもしれないが、ここは地上だ。思い通りにはいかないぞ」
 不敵に笑うフォーを前に、コズミック・ウィザードは笑みを消さぬままこくりと首を傾げた。
「あら。あらあらあら。邪魔をしようというのね?」
 小瓶を懐に仕舞い、両手で杖を構えるコズミック・ウィザード。その攻撃が始まるより先にフォーが動いた。素早く構えたサンダーロッドを空に向けて振ると、大きく輝く月が星がじわじわと黒雲に隠されていく。
 そして、暗くなるのに合わせてフォーの身体も段々と巨大化し。
「え? え?」
 気が付けば、空を覆い隠すように大きな身体となったフォーがコズミック・ウィザードを見下ろしていた。
「これでもくらえ!」
 大きくなったフォーがロッドを振ると、驚き見上げたまま動けなくなったコズミック・ウィザードを電撃が襲う。
「きゃー、危ないわ」
 痺れながらも回避しようと逃げ回るコズミック・ウィザードを次々と電撃の光が追いかけ、暗がりの中に時折当たった瞬間閃光が走る。
 暫くの後、フォーが元のサイズの戻った頃。焦げたような匂いと煙を漂わせながらコズミック・ウィザードが倒れ伏していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御簾森・藍夜
梟別(f28577)と

いいか、梟別
世界問わず猫は…いいぞ
ビアンコの愛らしさは格別
だが気になる…姫猫か
ロイヤル猫…

―はね
ふあふあ(はわ
いつみてもうつくしい
やはり梟別、君の翼には野生感があり外側の羽一枚一枚の羽毛が強く水というか雨を弾く構造になって非常に合理的だ。だがその内側は繊細で柔らかく空気を含みやすい毛で―
え?
ちゃんとたたかう
わかってる

―要は、当てて落としてぼっこぼこにして二度と来させなければいいんだな?
この星を思い出したら震えるくらい

雨は猫ちゃんが嫌がるから却下だから選択肢は一つ

岩穿つ雨垂れより鮮烈に
貴様に過ぎたものだ宙の魔女
地上より月の雫は梟の一矢を追う
眼の良い梟別のお陰で見ずとも撃てる


梟別・玲頼
藍夜(f35359)と

美猫…だとさ
サーラも美猫だと思うんだけどなぁ

水の薬汚染とか古典的だけど卑怯だな?
弓番え矢羽根を手にし…感じる視線
……。
いや、それ以上言うな
状況的に最適なUC使うか…コイツがいるから悩んだけど今更だ
って事でUC発動、真の姿で
見惚れて無いで藍夜殿も戦えよ!?

うわ怖いコイツ目がマジだ
…とにかく熱意の差が激しいけども、この星のネコさん達を絶対守ると誓ったが故に
そんな訳で嬢ちゃんぶちのめすんで覚悟しとけ
(手羽でサムズダウン)

梟の目はどんな動きでも捉える
ましてや月は夜の同朋…此方には月の魔導師もいる、負ける訳は無い
高めた霊力を弓矢に篭め、放つ
偽りの月も爆発をも貫き、藍夜の雨が届く様に



「いいか、梟別。世界問わず猫は……いいぞ」
 泉への道を進みながら熱く語り続ける男が一人。
「美猫…だとさ。サーラも美猫だと思うんだけどなぁ」
 語られる内容からふと思い出したのは、こちらへと赴く直前に聞いたお姫様の話。どれだけ美猫なのだろうかと梟別・玲頼(風詠の琥珀・f28577)は首を捻る。
「ビアンコの愛らしさは格別。だが」
 眉間にしわを寄せ、真剣な表情で唸る御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)は迷うように首を振り、重々しく呟く。
「気になる……姫猫か」
 所謂ロイヤル猫。どのような美姫なのか一目見てみたい――しかし、姫に会う為にはまず目の前で行われようとしている悪事を止めなければ。
「水の薬汚染とか古典的だけど卑怯だな?」
「あらー。古典的な手段が消え去らないのは、有効だからよー?」
 玲頼の呟きにくるりと振り返るコズミック・ウィザード。すっと弓を番え矢羽根を手にし……その途端、隣から感じる視線。
「――はね。ふあふあ」
 じっと。じーっと向けられる目。聞こえる呟き。
「……。いや、それ以上言うな」
 その言葉の熱の本気さに思わず力が抜けかける玲頼が、更に使おうとした力を思い僅かに悩む。状況的に最適ではあるのだけれど。隣からの目線が怖い。
「……今更だな」
 弓矢を構えた腕に羽が広がる。視線が鋭さを増し、口元を黒の面が覆い――纏う服装も北国の神に相応しい物へと。そして、真の姿となった玲頼を目にしてしまった彼はと言うと。
「いつみてもうつくしい。やはり梟別、君の翼には野生感があり外側の羽一枚一枚の羽毛が強く水というか雨を弾く構造になって非常に合理的だ。だがその内側は繊細で柔らかく空気を含みやすい毛で――」
「見惚れて無いで藍夜殿も戦えよ!?」
 変身した瞬間からの穴が開くのではないかと思われるマジすぎる視線と、物理的な重たさを感じそうなほどの語り口を遮り、玲頼が叫んだ。長き歴史を経たカムイであっても突っ込まざるを得ないこの状況に、コズミック・ウィザードは思わずぽかんと口を開け二人のやり取りを見守っている。
「え? ちゃんとたたかう。わかってる」
「「本当に?」」
 問う声は二人分。真顔の問いかけに藍夜は確りと頷いて。
「――要は、当てて落としてぼっこぼこにして二度と来させなければいいんだな?」
 この星を思い出したら震えるくらいにと続けた声は先程の語りと同じくらいに強く重く。姫猫様に会う……もといネコさん達を守る為に気合は十分。
「……とにかく熱意の差が激しいけども、この星のネコさん達を絶対守ると誓ったが故に、そんな訳で嬢ちゃんぶちのめすんで覚悟しとけ」
 器用に手羽で向けられたサムズダウンでようやく我に返るコズミック・ウィザード。杖を構え素早く詠唱を練り上げていく。
「うっかりしちゃったわー。とりあえず、邪魔するなら倒しちゃうんだからー」
 呼び出されたのは月と見紛う小惑星。空一杯に広がり、黒く揺らぎながら落ちてこようとする其れを前に二人はその場から動くことなくそれぞれの武器を構えた。
「梟の目はどんな動きでも捉える。ましてや月は夜の同朋……此方には月の魔導師もいる、負ける訳は無い」
「雨は猫ちゃんが嫌がるから却下だから選択肢は一つ」
 この場になってもブレない藍夜にある意味関心の視線を向けつつ空へと舞い上がった玲頼が高めた霊力を矢に篭め放つ。金に光る矢は真っ直ぐに偽りの月へと、彗星の様に尾を引きながら突き刺さり、破裂し、月とその後ろに作り上げられていた暗黒物質も神の力で打ち砕き、消し飛ばしていく。零れ落ちる光がコズミック・ウィザードを包むように落ちて、その居場所を照らし出す。
「岩穿つ雨垂れより鮮烈に――貴様に過ぎたものだ宙の魔女」
 藍夜が持つ銃に刻まれた金の蔦模様が、玲頼の力を受け輝く。明るくなった視界で迷う事無く真っ直ぐに狙うのはコズミック・ウィザード。
「地上より月の雫は梟の一矢を追う……眼の良い梟別のお陰で見ずとも撃てる」
 引き金に指がかかり、引かれ放たれるのは不可視の弾丸。思わず身体を庇う様に突き出された杖を砕きながら、コズミック・ウィザードへと突き刺さり、その身体を大きく弾き飛ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

山立・亨次
(基本無表情だが猫の話になるとオーラ的なものがキラキラしている)

よし行くか(隠しもしないモフ好き)

さて、加減速して追尾してくる月か
なかなかとんでもねえモンをぶち当ててきやがるが

相手を認知出来なきゃ狙って当てられはしねえだろ?

戦場擬態・狩で風景と同化
視聴嗅覚これで封じられるが、極力声を潜めて素早く接敵
勿論月の軌道上には行かない
出来る限り頸動脈はじめ急所を狙って風の膜を纏った手刀を当てていこう
攻撃直後は場所が割れやすくなる(攻撃してきた方向にいる)から
常に月の動きに警戒、いつでも離脱出来るようにしておく

猫を狙うとは、目の付け所は悪くねえが
猫好き動物好きも多くいる猟兵を敵に回したのが運の尽きだったな



「よし行くか」
 山立・亨次(人間の猟理師・f37635)はここに来るまでの諸々を思い出す。猫から伝えられる猫を助ける依頼――猫好きとしては受けるしかない。依頼の話を聞いていた際の彼は間違いなくきらきらとした何かを振りまき表情には出ないながらも楽しみにしている事は周囲にも伝わっていただろう。
「あら、また邪魔ねー?」
 コズミック・ウィザードへと追いつくと問答無用で走り込み、泉との間へと立ち塞がる。これ以上前に進ませるわけにはいかない、その手に握られている薬が何かは知らないけれど、彼女の目的は知っているから。
「もう許さないんだからー!」
 砕けかけた杖を振って、小さいとは言いながら頭上を覆う程の大きさを持った月を呼び出す。杖を振りかざしたコズミック・ウィザードの動きに沿うように動く月を見た亨次が力を解き放つように手を広げた。
「さて、加減速して追尾してくる月か……中々とんでもねえモンをぶち当ててきやがるが」
 緩やかに風が舞い、言葉を紡ぐその姿が次第に視認できなくなっていく。
「相手を認知出来なきゃ狙って当てられはしねえだろ? 狩りってのは存外に頭使うモンなんだぜ」
 ぐらりと亨次の姿が大きく揺れて――全く見えなくなってしまった。
「えええ? 何それー?」
 見えなくなってしまった以上、狙うことが出来なくなってしまったコズミック・ウィザードは月をあちこちに動かし、その動きで亨次を捕捉しようと狙う。しかし木等の障害物を上手く利用して隠れ潜み、亨次は逆にじわじわとコズミック・ウィザードへと距離を詰めていた。
「――残念だったな」
 首筋に何かを感じて、とっさに杖を間に挟むが杖毎に風の刃を食らい、肩口を大きく切り裂かれる。月の軌道を変えてもすぐに亨次はその場から離れて捕らえる事は出来ない。焦って月を振り回すように動かしている間にも足に風を受け、その場に倒れ伏すコズミック・ウィザード。
「猫を狙うとは、目の付け所は悪くねえが、猫好き動物好きも多くいる猟兵を敵に回したのが運の尽きだったな」
「……猟兵……!!」
 悔しげに呻くコズミック・ウィザードの目に、亨次の髪が月光を受けて金色に光って見えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雪・兼光
なに?ねこ科フェスティバルの惑星がピンチだ。恐ろしい魔女はすぐに退治しないとな

この星をお前の良いようにさせない
何故なら俺が良いようにするからだ(写真を撮るとかの意味で)
俺の邪魔はさせない、退場してもらおうか

射程内に入ったら、ユーベルコードを使って蜂の巣にしてやる
2回攻撃をつかって、銀河の加護を無意味にしてやる

相手からの攻撃は第六感でできるだけ避けるぜ

どんな魔法か考えつかないからな、ゆらぎを確認したらすぐその場から離れたりとか
小惑星はブラスターの範囲攻撃で砕いたりとか
警戒は怠らず情報収集で周りの状況を把握しつつ予測できる相手からの攻撃は対処しよう



 猟兵達の攻撃を受けながらもじわじわ泉へと近付くコズミック・ウィザードを追って、駆ける男が一人。雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)は手に握りしめた銃を何時でも撃てる様に構えながら敵の姿を探していた。
「ねこ科フェスティバルの惑星がピンチだ。恐ろしい魔女はすぐに退治しないとな」
 よろよろと、それでも泉へと近付くその背を見つけ大きく声を上げる。
「この星をお前の良いようにさせない、何故なら俺が良いようにするからだ!」
 聞く限り問題発言の様にも思えるが、兼光のいう良い様にする、とは思う存分写真を撮りまくったりもふり放題にもふったり等の事であって、コズミック・ウィザードが言うそれとはまったくもって別物である。
「あら……まあまあまあ。お仲間……にしては雰囲気がおかしいわ。あなたも猟兵、かしら?」
 苛ただしげに問いかけてくるコズミック・ウィザードへと兼光は大きく頷くと、ぴたりと銃を構えて目を細める。
「俺の邪魔はさせない、退場してもらおうか」
 言葉と共に放たれた熱線がコズミック・ウィザードの持つ小瓶へと直撃し、弾き飛ばす。攻撃でひびの入っていた小瓶はそのまま跳ね上がり、2発目の熱線で中身ごと跡形も無く消え去った。
「もう、せっかくの薬を……許さないわ!」
 杖を失ったコズミック・ウィザードは空へと手をかざし、星々から銀河の加護を得ようと詠唱を始める。その声が響くにつれ次第に回復する様子を見せるコズミック・ウィザードに対し、兼光は再度手の銃を向け熱線を放つ。
「きゃあああっ!!!」
 目に見えぬほどの速度の2回攻撃。肩と腹を撃ち抜かれ、憎々しげな眼を向けるコズミック・ウィザードが回復を止めて攻撃の星魔法を向けるも、兼光も即座に銃を範囲攻撃形態へと変化させて自身へと届かせない。
「じゃあな」
 魔法と銃の攻防が続き、持久戦へと持ち込まれ先に魔力の尽きたコズミック・ウィザードへと止めの一撃が撃ち込まれる。胸を貫いた光線が森の向こうへと消え去った瞬間、倒れたコズミック・ウィザードの身体が星屑のように色を変え、散らばりながら消え去っていった。
「身に合わない力の代償、ってヤツか――まあ、眠るには良い場所だろ」
 見上げた空に輝く月は、変わらず白く輝いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『レアメタル採取』

POW   :    ツルハシとかで採取する、とか

SPD   :    でらぼうな道具を使って効率よく、とか

WIZ   :    魔力でなんとかなるんだよなぁ、とか

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 コズミック・ウィザードの襲撃と撃退の王城への報は、眠らされていた見回りの者からもたらされた。この星に、猟兵が現れたという話も添えて告げられた内容に城は一気に慌しくなる。
「とにかく、歓待の宴を」
 しかし祝宴の準備には時間がかかる。その間何かしていて貰うには――そうだ。
 この星にあるレアメタル。戦う事を生業としているなら、きっと役に立つだろう。
 道案内は鉱山の専門家であるスナネコの一家。猟兵から見ると、ヘルメットを被り2足歩行でてちてちと歩く姿は途轍もなく可愛らしいが、こう見えてかなりの働き者だそうで。
「ついてくるのです、きっと面白いのです!」
 向かったのは首都近くの山の中。暫く歩き切り崩され地肌が見えている崖へと近寄ると、ぴっと指さして。
「ここを崩すと、手に入るのです!」
 ツルハシなどは用意されているし、魔法が使えるならそれでも良いだろう。ぱっと見た感じではそれらしいものは見当たらない。
 見本、として見せられたニャージウム鉱は猫の手に持てるくらいの…ゴルフボール位の淡い金色をした猫型の塊。大きさは色々あるそうで、運次第との事。
「宝探しなのです、わくわくです!」
 目をキラキラと輝かせながら崖を掘る様に急かすスナネコ達。折角なので挑戦してみよう。
山立・亨次
後ろ姿見てるだけでも和むもんだな
(と、思っても口には出さない)
(その代わり猫見てる間はオーラ的なものがキラキラしている)

さてやるか(ツルハシ借り)
探知系のユーベルコードや技能があれば掘り当てるのも楽なんだろうがな
俺はないから本当に運だな
そもそも余所者が大量に掘り当てるのもよくねえだろうし

小さつやつでもいいから2個掘り当てられればいいな
上手いこと2個掘り当てられたら最小サイズのやつは観賞用に残しておこう
大きめのは強化も試してみたいしな
1個しか見つけられなかったら……強化は諦めるが(観賞>強化)
(※なお、2個掘り当てた時点で時間がまだあっても切り上げ終了)

(最後スナネコ達に)
働きモンだな
お疲れさん



(後ろ姿見てるだけでも和むもんだな)
 前を歩くスナネコの背中を見ながら山立・亨次(人間の猟理師・f37635)は思う。口に出すような真似はしないけれど、和む気持ちが発するきらきらオーラは隠しきれていないような気がしたりもする。
「お客さん、楽しそうです?」
 ちょい、と後ろから顔を覗かせた別のスナネコに軽く頷いて前の崖を視線で指す。これから採掘に行くのが楽しみなのだと言いたげに見せる事で……どうにか誤魔化しきれた、と思いたい。
 崖についてツルハシを借り、崖を見上げる。見ている限りは唯の崖にしか見えないのだが。
「探知系のユーベルコードや技能があれば掘り当てるのも楽なんだろうがな……俺はないから本当に運だな」
 振り被ったツルハシを崖に叩きつける。鈍い音がして先端が刺さり、砕けてばらばらと落ちてきた岩をスナネコ達が手慣れた様子で手早く確認していく。その様子を見て亨次は軽く目を細め。
(そもそも余所者が大量に掘り当てるのもよくねえだろうし)
 彼らの――この星の財産であるのだから、僅かに分けてもらうだけにしなければと。
 何度か崖を崩しているうちに一寸色の違う岩がごろんと
 スナネコ達にそれを割るように言われてツルハシでこつんとしたら中から名刺大のニャージウム鉱がころりと姿を現した。金色に光るそれをスナネコが拾い上げて亨次に渡してくれる、見た目よりもずっしりと感じるそれをじっと見て。
「成程、こういう感じか」
 受け取ったニャージウム鉱を一旦仕舞って、もう一つ見つけられたらいいなとツルハシを振るう。暫くしてから見本として見せられたものと同じくらいのサイズをゲットしそこで終了。
「もういいのです?」
「使う分と観賞用と、二つあれば十分だ」
 満足げな亨次にスナネコ達もそれ以上は何も言わず、せっせと後片付けを始める。その様子をじっと眺めて――作業を終え戻ってきたスナネコへとそっと手を伸ばし、ぽん、とその頭へと軽く手を乗せて。
「働きモンだな……お疲れさん」
 その動きを労うと、褒められた! と喜ぶスナネコ達。はしゃぐ彼らを見た亨次の顔は微かに笑みを浮かべていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

雪・兼光
あら、やだ。カワイイ砂猫さんじゃぁないの。

そうだなぁ
こいつ(メイン武装のブラスター)の強化や補修に使いたいからある程度まとめてほしいのだけど、その場合どのぐらいのサイズが好ましいんだい?

それにしても鉱石も独特だな
猫の形をする鉱石とかペーパーウェイトにも使えそうだ
武器に使うだけなんてもったいないなぁ
合金にしてほしいのだけど、この惑星で合金にしてもらえるのか?
いや、このままペーパーウェイトとしても欲しい…。
悩ましいなぁ

さぁ、俺がとるニャージウムはどんなサイズなんだろうな…

賭けの始まりだぜ!
ツルハシを使ってせいやっ!



「よろしくおねいしますなのですー!」
「あら、やだ。カワイイ砂猫さんじゃぁないの」
 ぺこりと頭を下げるスナネコ達を見て、雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)は相好を崩しつつも愛用の武器を取り出す。
「そうだなぁ……こいつの強化や補修に使いたいからある程度まとめてほしいのだけど、その場合どのぐらいのサイズが好ましいんだい?」
 見せられたハンドガンサイズのブラスターを囲み、スナネコ達が首を傾げる。
「小さいのでだいじょーぶ」
「小っちゃいのたくさんいるです!」
 大きいのを掘り当てる必要はないらしい。数があった方が良いならそれなりの回数掘らなければならなさそうだ。
「――それにしても鉱石も独特だな」
 金色で猫の形をする鉱石とか、ペーパーウェイトにも使えそうだなあと兼光はテーブルの上に転がっている様子を想像する。多分きっと、嫌間違いなく可愛い。
「武器に使うだけなんてもったいないなぁ。あ、合金にしてほしいのだけど、この惑星で合金にしてもらえるのか? いや、このままペーパーウェイトとしても欲しい……悩ましいなぁ」
「合金、お願いすればできるですよ!」
 スナネコ達と話しながら歩くうち、採掘場所の崖へと到着する。貸し出し用に置いてある中からツルハシを手に取ると、感触を確かめる様に軽く何度か振って。
「さぁ、俺がとるニャージウムはどんなサイズなんだろうな……賭けの始まりだぜ!」
 振り被ったツルハシを崖へと叩きつける。がらがらと大きく崩した中から幾つか、色の違う石をスナネコ達が取り出し別に分けている。数度繰り返し石が溜まったところで、ツルハシを軽く当てて砕いていくとそのうちのいくつかから見本として見せられたものより少し小さめ……ピンポン玉からビー玉くらいの大きさのニャージウム鉱が姿を現した。集まった中から大きめで特に形が整っているものをそのまま残し、後は合金用に。
「よっし、目標達成!」
 ぐっと拳を握る兼光。その姿を見たスナネコ達も嬉しそうに尻尾をパタパタと動かしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アウグスト・アルトナー
ニャージウム鉱というのに興味があり、来ました

シンプルにツルハシで採掘といきましょう
振り上げて振り下ろすの繰り返し……うーん。筋肉痛になりそうです
ですが、彼女のためならエンヤコラというやつです。頑張ります

水筒に詰めてきた冷たいハーブティーで水分補給しつつ、せっせと作業します
ニャージウム鉱を見つけるコツは何かあるでしょうか? スナネコさんに尋ねてみましょう
あるなら、そこを重点的に。なければまんべんなく掘っていきます

ころり、転がり出るニャージウム鉱
思わず笑顔をこぼします

これは、猫が大好きな妻へのお土産です
彼女なら、これを鉱石ランプに仕上げられるかもしれませんから
渡した時の顔が楽しみですよ



「ニャージウム鉱というのに興味がありまして」
 アウグスト・アルトナー(黒夜の白翼・f23918)は歩きながらスナネコ達と挨拶を交わし、採掘場へと向かう。ツルハシやスコップやハンマーのようなモノまで置いてある中から、少し考えてアウグストが手にしたのは。
「シンプルにツルハシで採掘といきましょう」
 両手に持って何度か振ってみる。それなりの重さに一寸だけ苦笑を浮かべ。
「振り上げて振り下ろすの繰り返し……うーん。筋肉痛になりそうです」
 それでも、彼には頑張らなければならない理由がある。
「ですが、彼女のためならエンヤコラというやつです」
 ニャージウム鉱を持ち帰れば、喜ぶだろう人が待っているから。
「おー、お土産にするです?」
「ええ、そのつもりですよ」
 予め水筒に詰めてきた冷たいハーブティーで水分補給しつつ、せっせと崖を崩していく。
「ニャージウム鉱を見つけるコツは何かあるでしょうか?」
 アウグストの問いにスナネコ達は揃って首を傾げ。
「色が違う石を見つけると入っている事が多いです!」
「まず大きめに崩して、その中から探すです」
「なるほど」
 とりあえず崩すのが最優先、という事らしい。頷いたアウグストは改めて大きくツルハシを振り被った。
「――これが、ニャージウム鉱」
 崩し集めた色が違う石を砕いていくと、ころりと転がり出た淡い金色。幾つか見つけた中から、一番大きなものを拾い上げる。卵くらいの大きさのニャージウム鉱は触るととつるりとしていて、手に馴染む形が可愛らしい。
「これは、猫が大好きな妻へのお土産です」
 手の中で転がるニャージウム鉱を見て、アウグストが柔らかな笑みを浮かべる。
「彼女なら、これを鉱石ランプに仕上げられるかもしれませんから……渡した時の顔が楽しみですよ」
「鉱石ランプ?」
「ニャージウム鉱が光るの、きっときれいです!」
 そうですね、と頷きながら額の汗を拭う。帰った時の最愛の妻の笑顔を思えば、動き続けた身体の疲れも何処か心地良いもののように感じられた。

成功 🔵​🔵​🔴​

梟別・玲頼
藍夜(f35359)と

変身解除しストール整えつつ藍夜の後を追い
張り切ってんなぁ…
別に急がなくても猫も鉱石も逃げねぇよ

宜しく頼むな、スナネコさん達
採石場にしか見えないけど…
ああ成る程、結晶で採掘されるんだ

余り力入れなくても崩れそうだよな
学校の授業で化石堀りやったの思い出すぜ
片手首だけ手羽にし羽根箒代わり
土を払いのけながら丁寧に掘るとして

と言うか、だ
…何だろ、コイツ何思ってるかすげー想像つく
呼ばれてツルハシ藍夜にパス
良いから今はそっちに集中しとけ

出土っておま…うわ、こっちよりデカい
ネコ愛が引き寄せたんじゃね?

所でレアメタルだって言うけど、どう使われるんだ?
何に加工してもネコ要素発現しそうだけどなぁ


御簾森・藍夜
梟別(f28577)と

行くぞ梟別
ねこちゃんが俺達を呼んでいる!

(はぁああかわいい。なんてかわいいんだちっっっっさ!小さい!可愛い!天使か!天使だろ!…ス ナ ネ コ。あんな?小さい手で?こんな?ツルハシのいる場所を?掘る???)
梟別、ツルハ―…手だけ翼?!なん―え?!どう!?
く、くそっお前、こんな時にそんなっ
気になる…
構造…
術形態変化形態度合…
ああもう後で!絶対!
(でも先にニャージウムとは?可愛いのか?ねこちゃんか?小さいのだろうか。それとも最初から猫ちゃんだったり。なーんt)
…………ねこちゃんじゃないか

きょ、きょうべつ!ねこ!猫ちゃんが出土した!
これが…

これがニャージウム―…!

神の造形か?



「行くぞ梟別、ねこちゃんが俺達を呼んでいる!」
「張り切ってんなぁ……」
 かなりの速足でスナネコ達の後を追いかけていく御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)を、ストールを整えながら梟別・玲頼(風詠の琥珀・f28577)が進む。
「別に急がなくても猫も鉱石も逃げねぇよ」
「そういう問題ではない。彼らを待たせるわけには……」
 ちらりと向けた視線の先は、こちらを振り返りつつ楽し気に道案内をするスナネコ達。
(はぁああかわいい。なんてかわいいんだちっっっっさ! 小さい! 可愛い! 天使か! 天使だろ! ……ス ナ ネ コ。あんな? 小さい手で? こんな? ツルハシのいる場所を? 掘る???)
 心の中の絶叫を決して表情に出さない藍夜だが、きらきらとした目がはっきりと何を考えているかを表している。強い視線に不思議そうに振り返るスナネコ達に、玲頼は気にするなと手を振って。
「……一寸、気になったみたいでな。宜しく頼むな、スナネコさん達」
 少し歩いて到着した崖で説明を受ける。見上げた崖はあちこちが人工的に削られて通路が作られ、全体的に角ばっているように見える。
「採石場にしか見えないけど……」
「見た事があるような感じがするな」
 見本のニャージウム鉱がそのまま出てくると言われて、玲頼は何か思い当たったのか軽く頷く。
「ああ成る程、結晶で採掘されるんだ。余り力入れなくても崩れそうだよな……学校の授業で化石堀りやったの思い出すぜ」
 スナネコ達に応援されつつ崖に向かう。玲頼は片手にスコップ、もう片手首だけを手羽にし羽根箒代わりに使い土を払いのけながら丁寧に掘っていたのだが。
「梟別、ツルハ―……手だけ翼?! なん――え?! どう!? く、くそっお前、こんな時にそんなっ」
 スナネコ達に気を取られ、僅かに遅れて作業に入ろうとしていた藍夜が玲頼の手に気付いてしまった。
(気になる……構造……術形態変化形態度合……)
「……何だろ、コイツ何思ってるかすげー想像つく」
 大きく息を吐いた玲頼は、片手で取り上げたツルハシをぽんと藍夜へと渡す。
「良いから今はそっちに集中しとけ」
 ニャージウム鉱掘るんだろ、と言われて藍夜ははっと我に返る。
「ああもう後で! 絶対!」
 手羽への未練を断ち切る様に大きくがつりとツルハシを振り下ろす。何度か繰り返した後ばらばらと砕けた中から色の違う石をスナネコ達が取り分けていくのをじっと見つめ。
(でも先にニャージウムとは?可愛いのか?ねこちゃんか?小さいのだろうか。それとも最初から猫ちゃんだったり。なーんt)
 彼らに言われるがまま、取り分けた石をこつこつと細かい動きで砕いていくと。
「…………ねこちゃんじゃないか」
 ごろん、と現れたのは本日最大サイズのテニスボール大ニャージウム鉱。
「きょ、きょうべつ! ねこ! 猫ちゃんが出土した!」
 叫ぶ藍夜に手元を覗き込んだ玲頼が驚きの声を上げる。
「出土っておま…うわ、こっちよりデカい……ネコ愛が引き寄せたんじゃね?」
 先に掘り当ててはいたものの、藍夜のものよりは少し小さめだったニャージウム鉱を手の中で転がしながら、おめでとう、とかけた声は藍夜には届いていなさそうだ。
「これが……これがニャージウム――……! 神の造形か?」
 崇め奉る勢いで金色に光るニャージウム鉱を掲げる藍夜を生温かい目で見つつ、ぱちぱちと拍手を贈ってくれているスナネコ達に向かってしゃがみ込む玲頼。
「所でレアメタルだって言うけど、どう使われるんだ? 何に加工してもネコ要素発現しそうだけどなぁ」
「大きいものは加工して武器に、小さいものはアクセサリーにする方も多いですよ!」
「合金にするのは魔法を使われる方が多いのです! 猫要素……は無いはず、です!」
「成程なぁ……んじゃもう幾つか掘るか」
 まだ帰ってこなさそうだし、と見遣った藍夜は未だ感動に打ち震えている。更に幾つか小さめのニャージウム鉱を手に入れたところで戻ってきた藍夜と玲頼は山を下りた。
 この後は宴――そして、念願の猫姫様とのご対面が待っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『祝宴』

POW   :    祝宴を派手に楽しむ。

SPD   :    祝宴を工夫して楽しむ。

WIZ   :    祝宴を賢く楽しむ。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 用意が出来たと通されたのは城の大広間。
 幾つもテーブルが並べられ、自慢の料理が湯気を立てる。ネコ科だからか、料理は肉料理がメインのようだ。
 名物は鳥のロースト。この星にしかいない種らしく、地球で言うダチョウくらいの鳥を丸焼きにしたもの。パリパリの皮と、ジューシーな肉に特製スパイスが効いた素晴らしい一品。それが幾つも並べられている。
 座る場所も椅子席とふかふかのラグが敷かれた座卓的な席も用意され、皆が寛いで過ごせるように整えられていた。
 猟兵達が会場に入り、一旦静まったところで高らかな声が上がる。
「姫様のお見えです!!」
 奥の扉が開き、小さな姿がゆっくりと進み出る。
 金色の小さなティアラを頭に乗せ、真っ白な毛並みに尻尾の艶やかな銀毛を靡かせた、緑の目が美しい猫の姫。
「――この度は、この星の危機を救って頂き、有難うございます」
 鈴を振ったような可憐な声。こくりと首を傾げた姫の姿は間違いなく可愛らしい。
「細やかですが、宴を用意させて頂きました。楽しんでいって下さいませ」
 姫の合図と共に、サーバルキャットの給仕達が動き出す。ユキヒョウの楽団が軽やかな音色を奏で、マヌルネコのメイドが飲み物を運んでくれる。
 後ほど、姫も猟兵達の所に来てくれるようだ。
 折角用意して貰ったのだ、目一杯楽しませて貰おう。
御簾森・藍夜
梟別(f28577)と

あ゛あ゛ぁ…沁みる、連続労働をした体にはもふラグが沁みる
あーなるなる駄目になる(半虚無

ちっ勿体ぶるなよケチくさい
まあいい
言わないなら勝手に検討を付けるまで
…駄目だ疲れた
頭が全然働かん。労働を拒否してる…

猫と目が合わせやすい

…頭いいな梟別
天才か?

もう仕方ない、飯だ飯
へえ、特製スパイス…配合も知りたいが、ちょっと分けてはもらえないだろうか?
地球に帰っても食いたい味かも

(ひゅっと息呑み


姫もふ―間違えた姫猫殿…!
わ、わ、かわ…
え、梟別喋るの?凄いな
ロイヤルオーラ可愛すぎる
無理
見るだけで十分

(以下小声
サーラが友達だと?!
紹介しろください是非
ねこちゃん近い!可愛い!
ひえもふかわ


梟別・玲頼
藍夜(f35359)と

ふかふかラグに腰降ろし
…これ、ネコをダメにする奴
人間もダメになるな…と言うかなってやがる(指で藍夜つつき)
無論オレもダメに…もし人間じゃないなら、さて何だと思う?
内緒、と人差し指を口に当てからかって

座卓なら猫達と視線合わせ易いな
いや普通に考えても猫サイズのテーブルじゃ座れねぇだろ?
でけぇ鳥肉…! 大味かと思ったらすげぇ美味い
魚料理とかは無いのか?
猫は魚のイメージだけど

姫様には丁寧に挨拶返し
この星の平和の一助になれたら何よりだ

藍夜…おい、お前息してる?
サーラの2Pカラーな美猫さんだったなぁ
…改めて紹介しようか?
友猫だし彼女
オッケー、今度声かけとくわ
最高級のおやつ用意しとけな



「あ゛あ゛ぁ…沁みる、連続労働をした体にはもふラグが沁みる」
「……これ、ネコをダメにする奴。人間もダメになるな……と言うかなってやがる」 
 案内された席でラグに半ば埋もれながら突っ伏す御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)を指で突きながら、梟別・玲頼(風詠の琥珀・f28577)は座卓に肘をつく。身体を包むような柔らかさは、確かに埋もれたくなってしまう感触で。
「あーなるなる駄目になる」
 虚ろな目で何度も頷く藍夜を見遣りながら、軽く口元に手を当てて何か思案した様子の玲頼が小さく笑い。
「無論オレもダメに……もし人間じゃないなら、さて何だと思う?」
「何だと言うんだ」
 内緒、と人差し指を口に当て玲頼は悪戯っぽく笑う。
「ちっ勿体ぶるなよケチくさい。まあいい、言わないなら勝手に検討を付けるまで……駄目だ疲れた頭が全然働かん。労働を拒否してる……」
 身体を起こすと眉根に皴を寄せ、答えを探そうとして――秒で考える事を放棄し首を振る藍夜。そのタイミングで姫の挨拶が始まり、二人は一旦会話を止めた。
「座卓なら猫達と視線合わせ易いな」
 宴が始まり飲み物を運ぶマヌルネコメイドから果汁のソーダ割りを二つ受け取ると、玲頼は辺りを見回す。何だかんだと座卓側の方が座っている数が多そうだ。
「猫と目が合わせやすい……頭いいな梟別、天才か?」
「いや普通に考えても猫サイズのテーブルじゃ座れねぇだろ?」
 真顔で褒めてくる藍夜に思わず突っ込みつつグラスを滑らせて渡す。口をつけたそれは爽やかですっきりとした甘さが疲れた身体に染み渡るよう。
「もう仕方ない、飯だ飯……ねこちゃん近い! 可愛い! ひえもふかわ」
 手を上げるとメイドたちが寄ってきて、頼めば料理も運んでくれあっという間にテーブルの上がいっぱいになる。メイド達が近付く度に藍夜が目で追いかけていたものの、好意的な視線だったためか突っ込まれはしなかったようだ。
 大皿に盛られたメインの鳥の丸焼きは、大振りに切られた断面から肉汁が溢れ、湯気と香りを上げて食欲を誘う。
「でけぇ鳥肉……! 大味かと思ったらすげぇ美味い。魚料理とかは無いのか?猫は魚のイメージだけど」
 一口齧るとパリっとした皮にはクレイジーソルトのような雰囲気のぴりっとした濃い目の味付け、肉にはじんわりとした塩味が入っており、バランスがとても素晴らしい。近くのメイドに魚料理はと問いかけると、ありますよと持ってきてくれたのは海老や貝などと一緒にグリルされたもの、揚げた魚に酸味のあるソースのかかったもの。グリルには鳥とはまた違ったバジルに似た感じのスパイスの風味、揚げ魚のソースには何かの柑橘類が使われている様子。この星では素材の味を生かす感じの料理が多いようだ。
「へえ、特製スパイス……配合も知りたいが、ちょっと分けてはもらえないだろうか? 地球に帰っても食いたい味かも」
 藍夜の呟きにメイドがにこりと笑うと何処かへ向かう。暫くして調理担当のチーターが顔を覗かせ、特別にと小瓶に入れたスパイスを渡してくれた。
「へえ、良かったな……お」
 玲頼が藍夜の背後に視線を向ける。何があるのかと振り返った藍夜の目に映ったのは銀と金の煌めき。
「この度は、有難うございました……よろしければいつでも遊びに来て下さいませね」
 姫の姿にひゅっと息を呑む藍夜と、穏やかに笑う玲頼。
「この星の平和の一助になれたら何よりだ」
「ひ、ひ、姫もふ――間違えた姫猫殿……! わ、わ、かわ……」
 あわあわする藍夜に、ふわりと尻尾を揺らし姫がにこりと笑いかける。小さく会釈を残し、次の席へと向かっていた姫の背中を見送り藍夜は大きく息を吐いた。
「藍夜……おい、お前息してる?」
「え、梟別よく喋れたな? 凄いな。ロイヤルオーラ可愛すぎる。無理。見るだけで十分」
「サーラの2Pカラーな美猫さんだったなぁ……あ、改めて紹介しようか?」
 友猫だし彼女、と何気ない様子で問いかける玲頼に、藍夜が座卓の上に身を乗り出す。
「サーラが友達だと?! 紹介しろください是非」
「オッケー、今度声かけとくわ、最高級のおやつ用意しとけな」
 約束だぞ、と念を押す藍夜に玲頼が笑って了解と返す。次の約束は猫を加え3人での集いとなるだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

山立・亨次
成程な
猫同士(?)の情報網に間違いはねえってことか
(美猫なお姫様を見)
(真顔無表情で猫のことしか考えてない)

猫達を見てるだけでも来た甲斐はあったと実感出来るが
料理の方もなかなかだな……(座卓にてちゃんといただきますして食べてる)
メインのロースト……原料の鳥がこの星固有の種だから完全再現は難しいかも知れないが
シルバーレインでも出来る限りの再現に挑戦してみようか
給仕達にレシピを聞けるなら聞く
部外秘のとこがあったら其処は無理に言わなくていい

(ご挨拶に来たお姫様には)
こちらこそ、饗しをありがとう
何事もないに越したことはないんだけどな
また何かあったら、いつでも力になる
(それと解らない程度に微かに微笑み)



 座卓の前に陣取ると扉前で挨拶を述べる姫猫を眺めながら、山立・亨次(人間の猟理師・f37635)は大きく頷いた。 
「成程な。猫同士の情報網に間違いはねえってことか」
 聞いていた通りの美猫。ロイヤルな輝きにどうしても目が惹き寄せられてしまう。
「……猫達を見てるだけでも来た甲斐はあったと実感出来るが」
 すっと手をあげるとマヌルネコメイドがまずは飲み物をと、この地の流行りだという果物のシロップを水で割ったものを置いていってくれる。細長いグラスに収まった淡い緑色は何処かミントのようなすっきり感を感じさせて、食事に合わせるのに良さそうだ。
 続いて料理の皿が運ばれる。メインの鳥や大振りの肉団子をソースで煮込んだもの、芋をメインとしたサラダ等。野菜と一緒に盛られた酢漬けの魚等も一通り並べられて。
「料理の方もなかなかだな……」
 頂きます、と手を合わせて順に手を付けていく。肉団子はスプーンを差し込んだだけでほろほろと解け、ソースと合わせて口に運ぶと濃い目の味付けについ次の一口を求めてしまう。合間にさっぱりとした味と沢山の薬味が美味しい酢漬けの魚を口に運び、シンプルな塩メインな優しい味付けの芋のサラダで口をリセット。
 メインのローストへフォークを突き刺す。皮のぱりっとした感触、肉の柔らかさを感じつつ大きく齧り取ると複雑なスパイスの香りが鼻へと抜けていく。噛み締める度にじわりと肉汁が広がり、どれだけでも食べられそうな味のハーモニーを奏でていた。
(……原料の鳥がこの星固有の種だから完全再現は難しいかも知れないが、シルバーレインでも出来る限りの再現に挑戦してみようか)
 亨次は食べながらも焼き加減や下拵えの感じなど分かりそうな部分を確認し、メイドに頼んで調理担当を呼んでもらう。
「ローストですか? 秘訣……焼く前の一晩鳥の出汁に付け込む事と、詰め物でキノコを使う事、位ですかねえ」
 首を捻る調理担当チーター。後はこれ、と小瓶に詰めたスパイスを渡してくれる。持って帰っても良い様だ。
 礼を告げ、顔を上げると姫が挨拶に近付いてきていた。
「この度は、お助け頂き有難う御座いました」
 ふわりと会釈を向ける姫に向き合い、亨次も頭を下げる。
「こちらこそ、饗しをありがとう、何事もないに越したことはないんだけどな……また何かあったら、いつでも力になる」
 口元に微かに浮かんだ笑みに、姫も笑顔で応える。二人の姿に周囲は温かな視線を向けていた。
 この星を守った猟兵という存在は、間違いなく英雄として語り継がれる事になるのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年10月30日


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🔒
#スペースシップワールド
🔒
#スペースオペラワールド
#景勝星系


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠フルム・サーブルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト