アルカディア争奪戦㉓〜薔薇翼のけだものたち
●グリモアベース:ゲネ
「ブルーアルカディア『アルカディア争奪戦』、いよいよ佳境! 空中庭園に到達だ!」
ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)はホロモニターに、びっしりと植物群に覆われた空間を映し出した。
玉座に通じる空中庭園が、『爆殖核』と呼ばれる「無限増殖する植物群」に覆われているのだ。爆殖核は謎のオブリビオン『レプリゼンタ・カンギ』の支配下にあり、カンギはアルカディアを守護すべく、侵入者を迎撃するという。
レプリゼンタ・カンギは、周辺空域の魔獣達に「植物を寄生」させることで支配下に置いている。忠実にして獰猛な「カンギ魔獣戦士団」である。
「この魔獣戦士団を撃破することで、爆殖核に覆われた空中庭園を制圧することができると見られる。カンギ自身も配下と共に積極的に攻撃してくるが、魔獣戦士団が全滅すれば撤退するはずだ」
精鋭の配下と「超常的な幸運力」に守られたカンギ本体の撃破を無理に狙うよりは、魔獣戦士団を全て倒してしまうほうがおそらく早く、現実的だ。
「敵の狙いは今一つ不明瞭だが、なんとも不穏な気配がするな……。ともあれ『爆殖核』なんてものを放置しておく手はないし、行く手を阻むなら排除しないわけにはいかない。カンギの攻撃を躱しつつ魔獣戦士団全滅、よろしく頼むぞ!」
ゲネのモニターが反転し、爆殖核に覆われた空中庭園へと猟兵達をいざなった。
●薔薇の翼の魔獣団
繁茂する草花、のたうつ蔓草、鬱蒼たる木々。空中庭園は数多の植物に覆われていた。
「現れたか」
『レプリゼンタ・カンギ』。謎のオブリビオンがそう短く呟くと、周囲の爆殖核がひとりでに動き出し、空中庭園に色とりどりの巨大な薔薇の花を幾輪も生やした。大量の薔薇は瞬く間に花弁を散らし、薔薇本体は枯れていく。
薔薇の花弁は空中庭園を埋め尽くさんばかりに舞い、拡散し、周辺に潜む魔獣達に溶け込むように寄生していく。
花弁に寄生された魔獣達は皆一斉に、薔薇の花弁の質感をした色とりどりの翼を生やし始めた。翼なき者は新たな翼を、翼ある者は己自身の翼に置き換わるように。
「アルカディアのため、ここは阻ませてももらおう。──ゆけ」
豹型、狼型、猿のようなもの、熊に似たもの、合成獣、グリフォン、ドラゴン……ありとあらゆる獣が、薔薇の翼を生やして、カンギと共に猟兵に襲い来る……!
カンギの攻撃を凌ぎながら、魔獣戦士団を撃破しよう!
そらばる
ブルーアルカディア『アルカディア争奪戦』、象神爆殖核〜カンギと魔獣戦士団。
『レプリゼンタ・カンギ』の猛攻を凌ぎつつ、薔薇の翼で飛び回る魔獣戦士団を撃破しましょう!
●プレイングボーナス
このシナリオでは、特別なプレイングボーナスが発生します。
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プレイングボーナス:カンギの攻撃を凌ぎつつ、魔獣戦士団を撃破する。
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上記に基づく行動をすると有利になります。
プレイング締め切りはシナリオ上部のタグで告知します。
皆さんの自由なプレイングをお待ちしています!
第1章 ボス戦
『レプリゼンタ・カンギと魔獣戦士団』
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POW : 戦士団強襲陣形
【カンギ魔獣戦士団】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[カンギ魔獣戦士団]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : 攻性植物武装形態
【緑色破壊光線砲】【樹薔薇の毒棘槍】【堅き樹皮の鎧】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ : ガネーシャ・コール
【カンギの咆哮】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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レクス・マグヌス
【心情】
僕の故郷、アックス&ウィザードに妙な手出しをしていたのはこいつか?
ここがアックス&ウィザードの空と言うのも意外だが、どうあれこいつを放置することは出来ない
「聞け! 我が名はレクス・マグヌス! 滅びし都の最後の王!」
【戦闘】
「正体不明、としか言いようがないな、こいつは」
「闇に紛れる」「敵を盾にする」「地形の利用」で魔獣戦士団を盾に、カンギの攻撃を防御する
また、直接攻撃に関しては「オーラ防御」で防ぐ
魔獣戦士団がこちらを見失ったタイミングでUCによる下僕を召喚
「高速詠唱」による攻撃を行わせる
「数はお前たちよりも少ないが、共に激戦を超えてきた我が下僕。そう簡単に倒せると思うな!」
●下僕の底力
「アックス&ウィザードに妙な手出しをしていたのはこいつか? ここがアックス&ウィザードの空と言うのも意外だが……」
レクス・マグヌス(嵐をもたらすもの・f07818)は故郷を思い出しながら剣呑に目を細めた。
真実がどうあれ、この『レプリゼンタ・カンギ』を放置することは出来ない。
「聞け! 我が名はレクス・マグヌス! 滅びし都の最後の王!」
レクスは名乗りを上げ、敵の注意を一度己へ集めた。色とりどりの薔薇の翼を持つ魔獣達が、一斉にレクスへと視線を注ぐ。
カンギの連なる四対の瞳もまた、レクスを捉えて静かな殺気を放った。
「アルカディアの願いを妨げる者がまた一人、か」
カンギはひとりごち、一斉に襲いかかる魔獣戦士団に併せて、空中庭園中に蔓延る蔓草を操り攻撃を仕掛けてきた。
「正体不明、としか言いようがないな、こいつは」
レクスは木々や草花の繁茂を利用して、暗がりに紛れ、地形を巧みに利用し、蔓草の攻撃に併せて魔獣達の立ち位置を誘導した。鞭の如く迫りくる蔓草の射線にレクスを追ってきた魔獣戦士団が割り込み、事故的な衝突が繰り広げられる。
しかしカンギは手下との同士討ちに目もくれず、抜け目なくレクスへと距離を詰めると直接攻撃に打って出た。
レクスは全身に張り巡らせたオーラの出力を全開にして衝撃を凌ぎ、さらにその反動を利用して後方の鬱蒼たる草むらへと飛び込んだ。と同時、瞬間的に敵の群れがこちらを見失ったのを見計らって、匂いで居所を嗅ぎつけられる前にユーベルコードを発動する。
「──災厄を呼べ! その名は争い!」
一帯に嵐が吹き荒れ、顕現するは嵐の騎士と妖剣の下僕。
二体は高速詠唱で即座に術式を練り上げ、獣達の反応速度を超える魔術を開放した。
「数はお前たちよりも少ないが、共に激戦を超えてきた我が下僕。そう簡単に倒せると思うな!」
空中庭園に爆ぜた局所的な嵐に、大量の薔薇羽根が無惨に散った。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
植物は好きだけど…
生命に害を及ぼすなら放ってはおかないよ
自身に【オーラ防御】を纏い【空中戦】
基本的には回避を重視
マイクで拡声させた【歌唱】に【誘惑、催眠術】を乗せて気を引いたり
時には全力でわーーーっ!!と叫ぶ事で大音量の超音波を発生
耳の良い獣達を混乱させつつ
カンギさんの咆哮を邪魔して強化が届きにくいように
更に【指定UC】発動
鳥達には魔獣達とカンギさんの間を隔てるよう牽制しながら飛び回ってもらい
魔獣達の翼に、本体に
そして周囲の植物群に次々引火
僕の炎は魔を祓う
操られてるだけなら痛みは無いから、安心して
【破魔】の炎で【浄化】攻撃
更に【高速詠唱】で風魔法の【範囲攻撃】
風で煽って火力を上げ魔獣達を撃破
●寄生浄化
「植物は好きだけど……生命に害を及ぼすなら放ってはおかないよ」
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は全身にオーラを張り巡らせ、空中に躍り出た。
わかりやすく現れた獲物に、魔獣戦士団は即座に食いついた。薔薇の翼を羽ばたかせた獣達の、牙や爪、薔薇羽根の矢などが澪を襲う。
澪は防戦一方。ひたすら攻撃を躱しながら、誘惑と催眠術を乗せた歌声をマイクで響かせ巧みに敵陣をかき乱していく。
……大量の獣達の蠢きの向こう側で、『レプリゼンタ・カンギ』が動く。
「戦士達よ。その力を解放せよ」
たちまち響き渡ったそれは象の嘶きにも似て、それ以上におぞましく猛々しい咆哮。
だが、それが魔獣達を発奮させる前に、澪はマイクに叫ぶ。
「わーーーっ!!」
意味のない大音量は超音波を発生させ、獣の優れた聴力を大いに攻撃した。混乱する魔獣達に、カンギの咆哮は意味を為さない。
その隙を逃さず、澪はユーベルコードを発動した。
「鳥たちよ、どうか彼等を導いてあげて」
瞬間、澪を中心にわっと多種多様な鳥型の炎が飛び立った。炎鳥は魔獣戦士団とカンギの間を隔てるように牽制しながら飛び交い、魔獣達の翼や身体、さらには周辺の植物群へと次々に破魔の炎を引火していく。
「僕の炎は魔を祓う。操られてるだけなら痛みは無いから、安心して」
さらに詠唱を重ねる澪。瞬く間に整った術式が膨大な風を呼び、破魔の炎をいっそう燃え上がらせる。
炎による浄化が魔獣に根付いた植物を焼き払い、薔薇の翼が燃え尽きると共に力を失った魔獣達の身体が、空中庭園へと次々に落下していった。
大成功
🔵🔵🔵
木霊・ウタ
心情
どうにも薄っ気味悪い奴だ
オブリビオンなら海へ還してやりたいけど
まずは空中庭園だ
戦闘
迦楼羅を炎翼として顕現
爆炎をスラスターのように使って
自在に飛び回り
魔獣がカンギの元に集まるのを邪魔しながら
宙をステージとして演奏
ワイルドウィンドの生む音は熱を孕む
音の波紋が拡がると共に
魔獣と薔薇の翼が炎に包まれる
音が聞こえたらもう火達磨だ
カンギの咆哮や指示を
ギターの音色と炎の燃える音とで打ち消しながら
植物や魔獣を灰に変えていく
オブリビオンとはいえ
寄生されちまってちょいと可哀想だ
この曲は鎮魂曲だ
紅蓮で還れ
勿論カンギも燃えてもらうぜ
運を使い尽くさせるまで畳み掛ける
魔獣を殲滅したら
カンギは放置して空中庭園へ
●燃える空中庭園
「どうにも薄っ気味悪い奴だ……」
一切が謎に包まれた『レプリゼンタ・カンギ』に薄ら寒いものを覚えつつ、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は周辺を見渡した。
「オブリビオンなら海へ還してやりたいけど、まずは空中庭園だ」
色とりどりの大量の薔薇の花弁を翼に換えた魔獣戦士団の眼光が、ウタへと殺気を注いでいる。
ウタは即座に迦楼羅を己の炎翼として顕現させると、一気に空中庭園の空に躍り出た。爆炎をスラスターの如く噴射して自在に飛び回り、魔獣達がカンギの元に集まるのを阻害しながら、ワイルドウィンドをかき鳴らす。
「空中ステージってところだな」
ワイルドウィンドの生む音は熱を孕む。音の波紋の広がりに併せて魔獣達とその薔薇の翼に炎が引火していく。火勢は瞬く間に増し、獣の耳に音が届いた時にはすでに火達磨。獣達の苦痛の咆哮が散発していく。
「……荷が重いか。だがその生命、尽きるまで尽くせ」
カンギは酷薄に咆哮を解き放つ。
しかしウタの演奏はさらに音数を増し、激しく音の波紋と炎を広げていった。
「オブリビオンとはいえ、寄生されちまってちょいと可哀想だ」
ギターの音色と炎の燃える音とが混ぜ合わさり、カンギの咆哮が届く間もなく、薔薇も魔獣も植物も瞬く間に灰燼に帰していく。
「この曲は鎮魂曲だ。紅蓮で還れ」
容赦なく、しかし最善の最速を目指して、業火が戦場を焼き尽くす。もちろん、カンギさえも。
超常的な幸運力に守られたカンギが、炎に炙られることはない。ならば、運を使い尽くさせるまでのこと。
紅蓮の炎は、爆殖核の増殖速度さえ上回る勢いで燃え盛り続けた。
大成功
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煙草・火花
無限増殖に超常的な幸運……なんとも面妖な
しかして、その程度で引いては學徒兵の名折れ
世界を守護するためにも罷り通らせて頂くであります!
あれだけの軍勢、足を止めて囲まれればそれだけで追い詰められてしまうのは必至、そこにカンギ殿自身の攻撃が加われば敗北は確定でありましょう
ならば攻撃と移動を両立させるのが小生にとっての最適解と判断したであります!
まず最初に狙うのは飛行能力を持たずに、地を駆ける大型の獣
爆発の加速にて一気に斬り込みながら取り付きましたら、その体を足場にして再度足元を爆破して再加速!
次の獲物を目指すであります!
魔獣が固まるように動き回り、カンギ殿の光線と槍の盾にするように動くであります!
●爆発的抜刀連撃
「無限増殖に超常的な幸運……なんとも面妖な」
『レプリゼンタ・カンギ』。その一切において謎に包まれた敵を、煙草・火花(ゴシップモダンガァル・f22624)は眼差し厳しく見据える。
「しかして、その程度で引いては學徒兵の名折れ。世界を守護するためにも罷り通らせて頂くであります!」
火花は空中庭園を駆け抜ける。
あれだけの軍勢、足を止めて囲まれればそれだけで追い詰められてしまうのは必至。そこにカンギ自身の攻撃が加われば敗北確定だと、火花は考える。
「ならば攻撃と移動を両立させるのが小生にとっての最適解と判断したであります!」
狙うは、飛行せず地を駆ける大型の魔獣。薔薇の翼が馴染まず飛行できずにいる獣、他の猟兵の攻撃で翼を失った獣達。
火花は敵に追尾されながらユーベルコードを発動した。と同時に急旋回。強く踏み込んだ足元が可燃性ガスの爆発を起こし、推進力となって火花の身体を弾き飛ばすが如く一気に加速させた。閃く刃に、追尾してきた先頭の狼が一瞬で斬り裂かれ絶命する。
火花は再度爆発を起こして再加速し、返す刀とばかりに次なる獲物へ接敵、さらに斬り捨てていく。
幾度となく繰り返される突撃抜刀術に、翻弄される魔獣達。その動きは巧みに誘導され、互いに固まり防衛陣形に硬直していく。不自然な魔獣の動きを捉えたカンギが火花に向けて光線を放つが、火花は魔獣の軍勢を盾にする形で片時も足を止めはしない。
「華咲くは一瞬……でありますよ!」
新たな爆発から繰り出される瞬時の抜刀が、新たな鮮血を散らした。
大成功
🔵🔵🔵
流茶野・影郎
久遠寺(f37130)と同行
兵を失えば、将は手足も無いも同然ですからねえ
ちまちまと潰していくのが良いんでしょうが、こういう関係の能力を俺が持っていないのが弱点というところですね
さて……仕事をしよう
将にとって兵が手足であるように
兵にとっては将が脳だ
だからね、カンギとその周辺には詠唱風車を投げる
指向性爆弾だから音はするだろ?
お前の咆哮は幾分削り取れるはずだ
そして後は道を作るのみ
ポゼッショナーイグニッション
『ポゼッショナー・マインド・ダガー』
一直線に伸びるこの刃に斬撃波を乗せて、道を作る
苦しむやつは後回しだ久遠寺
奥に飛び込んで回り込むぞ
他の猟兵と挟み撃ちだ
……ところでそのカード、俺は使えるの?
久遠寺・絢音
流茶野先輩(f35258)と
親玉を倒すには手下から
いや、手下さえ潰せばいいのかしら
動かす手足がなければ脳味噌は的だものねぇ
(のたうつ幹のような蔓草を玻璃の軌跡で蹴り飛ばし、ヒールを突き刺しながら、銀糸絢爛を絡めて飛び移るように進む)
先輩が道を開けたけど、付近に敵は多い……ならこれね
吹け、悪疫の風――翔けろ、エレシュキガル!!
(Antistita/Amantesを掲げて召喚するは女神の似姿。彼女の羽撃きは戦場の敵全てに吹き荒ぶ)
仕留め損ねた奴程、病気で苦しんでいそうだけど……まあいいか
了解よ先輩!
挟み打ちでカタを付けましょう
文字通り一網打尽にしてあげるわ
えっ、まあ、自分に合うアルカナさえあれば…
●道開き、悪疫吹き荒ぶ
「親玉を倒すには手下から。いや、手下さえ潰せばいいのかしら、動かす手足がなければ脳味噌は的だものねぇ」
久遠寺・絢音(苧環の魔女・f37130)は地面にのたうつ幹の如き蔓草を玻璃の軌跡で蹴り飛ばし、その煌めく軌跡を描くヒールを突き刺しながら、魔力帯びた銀糸絢爛で絡め取りつつ飛び移る要領で、鬱蒼たる森の如き空中庭園を進んでいく。
「兵を失えば、将は手足も無いも同然ですからねえ。ちまちまと潰していくのが良いんでしょうが、こういう関係の能力を俺が持っていないのが弱点というところですね」
流茶野・影郎(覆面忍者ルチャ影・f35258)も同意しつつぼやきつつ、絢音の後に続く。
ほどなく鬱蒼たる森の先に『レプリゼンタ・カンギ』とその軍勢が覗け見えた。
「さて……仕事をしよう」
影郎は取り出した詠唱風車をだしぬけに前方へと投げつけた。弾丸の如く放たれた詠唱風車は、カンギの幸運に妨げられたか本人に刺さることなく、その周辺の地面や魔獣、爆殖核に刺さると同時に爆発を巻き起こした。指向性のある爆発は派手な爆音を撒き散らし、カンギの咆哮を大幅に削り取ってくれる。
「将にとって兵が手足であるように、兵にとっては将が脳だ。だからね、脳と手足の連結を断ち切ってしまえばいいわけだ」
後は道を作るのみ。影郎はユーベルコードを発動する。
「ポゼッショナーイグニッション、『ポゼッショナー・マインド・ダガー』」
精神力から具現化した短剣の刃が、衝撃波を乗せて一直線に前線へと伸びた。周囲の爆殖核や魔獣を始めとする障害物が取り除かれ、そこにはぽっかりと道が拓かれていた。
「さすが先輩! けど敵が多い……ならこれね」
集結してくる魔獣戦師団へと、絢音はユーベルコードを発動し高らかに声を上げる。
「吹け、悪疫の風──翔けろ、エレシュキガル!!」
掲げるは大あるかなを意匠化したイグニッションカード、Antistita/Amantes。呼びいだすは女神の似姿。彼女の羽搏きは戦場全体に吹き荒び、あらゆる魔獣を悪疫の風で苛む。
まさに一網打尽だ。多くの魔獣が病に斃れ、息があるものも苦しみもがいている。
「仕留め損ねた奴程、病気で苦しんでいそうだけど……まあいいか」
「苦しんでいるやつは後回しだ久遠寺。奥に飛び込んで回り込むぞ」
「了解よ先輩! 挟み打ちでカタを付けましょう。文字通り一網打尽にしてあげるわ」
阿吽の呼吸で走り出す絢音と影郎。
「……ところでそのカード、俺は使えるの?」
「えっ、まあ、自分に合うアルカナさえあれば……」
軽口を叩きつつも、先輩後輩コンビの魔獣掃討は破竹の勢いで遂行されていった。
大成功
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祓戸・多喜
植物なのか象なのかはっきりして欲しいわねー。
おまけに雷も降らせてくるし力も強そうだし超幸運以外も厄介…!
でも頑張って射抜くわよ!
周囲地形を確認し狙撃し易いポイント探る、もしくは地形砕いて作る。
出来れば空中庭園の中でも高い所がいいわねー。
矢筒から持てるありったけの矢を一斉に放ってカンギを牽制、特に破壊光線とか毒棘槍の投擲に注意。
撃たれたら薔薇の花弁除けも兼ねた炎属性乗せたオーラ防御で逸らしつつ空中浮遊で移動し距離を取って、カンギの足元に矢ぶち込んで足止め。
魔獣達は翼あるから空から来るだろうけどある程度集まってきたら全力のUC空に放ち、寄ってきた魔獣を纏めて射抜くわよ!
※アドリブ絡み等お任せ🐘
●空中庭園に降る光雨
「植物なのか象なのかはっきりして欲しいわねー。おまけに雷も降らせてくるし力も強そうだし超幸運以外も厄介……!」
とのたまうのは、見るからに象のそのものである祓戸・多喜(白象の射手・f21878)である。
「でも頑張って射抜くわよ! 狙撃ポイントは……出来れば空中庭園の中でも高い所がいいわねー」
多喜は敵陣から離れた場所に、理想的な立地を見出した。遺跡のような石造りの構造物が連なる高所。東屋のような形をした物見台が点々と存在し、各々を繋げる胸壁付きの空中回廊が巡らされているのだ。
「さあ、ありったけの矢をお見舞いしてあげる!」
矢筒から豪快に取り出した大量の矢を、剛弓ハラダヌにつがえて一斉に射掛ける多喜。大量の矢が宙を走り、『レプリゼンタ・カンギ』を牽制する。
「厄介な射手がいるな……」
カンギはうっとうしげに矢の発射地点を見上げ、前触れなく破壊光線で反撃してきた。周囲を飛ぶ魔獣戦師団の翼からも薔薇の花弁が矢の如く飛んでくる。
多喜は炎を帯びたオーラで花弁を焼き、光線を逸らし、空中浮遊を駆使して距離を取りながら、なおもカンギの足元に矢を打ち込んで足止めしていく。
その間に薔薇翼を羽ばたかせて徐々に集結してくる魔獣戦師団。多喜は巧みに敵群を誘導し、十分な魔獣が周囲に集まったと判断した瞬間、ユーベルコードを発動した。
「かかったわね。──纏めて撃ち抜く!」
上空へ向けて全力で解き放たれる、巨大な光の一矢。高々と空を穿ち不意に減速したのち、落下と共に分裂を開始、指数関数的に数を増しながら薔薇翼の魔獣の群れへと降り注ぐ。
無差別に降り注ぐ光の雨が、大量の魔獣を貫きながら空中庭園に降り注いでいった。
●カンギ撤退
空中庭園に、薔薇翼の残骸が数多舞う。
「……これまでか。この場は放棄せざるを得まい」
率いていた魔獣戦士団が猟兵に殲滅されていくのを見取り、『レプリゼンタ・カンギ』は撤退の潮目を悟った。
そしてふと、黄金の玉座鎮座する聖域の果てへと視線を投げる。
「アルカディアの願いは果たして叶うや、否や」
呟きと共にカンギの姿がかき消えたのは、最後の魔獣が猟兵に撃破されたその瞬間だった。
大成功
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