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逃さずの国のSweets Party

#アリスラビリンス #グリモアエフェクト #戦後 #1名様誤ってプレイングを返却してしまいました… #深くお詫び申し上げます… #皆様ありがとうございました!


 誰が呼んだか“逃さずの国”。
 この国は踏み入る者の心身に作用して、強烈な欲望を引き起こす。
 欲望に取り憑かれた者は我を忘れ、欲望を満たす為に国に留まり続けてしまうのだという。
 一部のアリス達の間でも噂され、怖れられている“逃さずの国”。
 その実態は、猟兵達もきっと驚くことだろう。
 “逃さずの国”は、誰がどう見ても素敵なパーティー会場――スイーツの甘い匂いが漂うスイーツの国だったのだ!

●グリモアベースにて
「“逃さずの国”で大勢のアリスが囚われて身動きが取れなくなっているみたいだよ! このままじゃ“自分の扉”を探す冒険に、二度と戻れなくなっちゃう……! だから助けてあげて欲しいな!」
 アリスラビリンスの予知をしたメロディ・シエルティ(アリス適合者のアリスナイト・f37276)によると、囚われている筈のアリス達は今、楽しそうにスイーツを作り続けていた。
 スイーツ…………?
「あっ、うん! この国は足を踏み入れた瞬間、どうしてもスイーツを作りたくなる何かの力が働くみたい!」
 なんと、この国が逃さずの国と呼ばれる理由――それは、何が何でもスイーツを作りたくなるからであるらしく。
 どうやらアリス達は、逃さずの国に囚われているという自覚は無いようで、スイーツ作りに夢中になっているというのだ。
「どんな材料でも揃っているから、アリス達は色んなスイーツを作っているよ。そんなの絶対食べたいよね!……じゃなかった! パーティーしたいよね!…………じゃなかった!」
 どうやら邪念が入っているらしいメロディだが、なんとか話を本題に戻して。
「とにかくこの国は危険だからアリスを連れて逃げ出してほしいんだ! アリスを追いかけてオウガ達も来てるしね!」
 オウガは、アリスラビリンス世界の恐ろしいオブリビオンだ。
 だがそんなオウガもまた、この国に居るということで例外に漏れずスイーツ作りに参加しているのだという。
 そう、現場ではアリスとオウガが同じ場所でスイーツ作りを楽しむ混沌カオスが発生しているのである。
 そしてこの時、ある猟兵が鋭い着眼点で、今回の救出作戦の重要な問題点を指摘した。
 ――オウガもスイーツ作りたくなるくらいヤバい国なら、自分達もヤバいのでは?
「!!!!!!!!!!!!!!!」
 本当だ。
 絶対ヤバいじゃん!と気付いてしまい、騒然とするグリモアベース。
「私たちもスイーツを作りたい衝動が抑えられなくて、スイーツ……作っちゃうのかな……?」
 多分、作っちゃうのだろう。
 そのつもりが無くてもそうさせてしまう不思議な何かがある、それが逃さずの国なのだから。
「で、でも、ひとまずオウガを倒しちゃえば後はなんとかなる筈! 私たち猟兵なら、アリスを守るためにスイーツ作りを我慢したり、それができなくてもスイーツを作り続けながら倒すことができるはずだよ!(?)」
 スイーツを作りたい欲求からは逃れられない逃さずの国。
 得体の知れない不思議な世界だが、助けに行かなければ多数のアリスがこの国の犠牲に――さらには正気を取り戻したオウガの犠牲になることは間違いないだろう。
 この国の正体が“逃さずの国”だということを忘れずに、次の国に繋がる魔法のウサギ穴を見つけて連れ出してあげなければならない。
 アリス達のために集まってくれた猟兵達は、ふしぎなふしぎな、おかしな世界へと出発する。


愛田ここの
 こんにちは。
 愛田ここのです。
 クリスマスシナリオ出したいので、状況によってゆっくりな運営になるかもしれませんが、宜しくお願いします!

●第1章
 逃さずの国の不思議な力が発揮されて、訪れた人々は、どうしてもスイーツが作りたくなります!
 スイーツが好きでスイーツを作りたい人はもちろんのこと、甘いものが苦手でスイーツに興味がない人でさえ、なぜか魅了されてしまうこの国で、スイーツを作りながらトランプ兵を倒しましょう!

 トランプ兵はスイーツ作りに夢中になっていますが、攻撃された時、アリスが正気を取り戻してスイーツ作りを辞めた時、“女王様”にまつわるなにかを見たり聞いたり感じた時、他にも色んな状況によって、正気を取り戻して襲いかかってきます。

 スイーツ作りは、材料はなんでも揃っているため、お好きなスイーツを作ってください。
 プレイングには、≪スイーツ作りの心情≫≪何を作るか≫≪何を入れるか≫≪スイーツ作りの腕前≫が記載されていると嬉しいです。

 ご同行者様や、アリス、トランプ兵達(戦闘が始まる前まで)と一緒に作ることもできます。
 楽しくスイーツを作りながら、アリス達の脅威であるトランプ兵達を倒してしまいましょう!

●第二章:日常
「せっかくスイーツ作ったし、残すのは勿体無いし、よく見るとここ素敵なパーティー会場だし……パーティーしてから帰らない?」
 ということで、パーティーが始まる模様です。
 持ち込みは自由です!
 逃さずの国の特性が失われたわけではないので、スイーツを作りたい欲求は継続中ですが、楽しんじゃいましょう♪

 次の国に繋がる魔法のウサギ穴はあっさり見つかる場所にあります。
 魔法のウサギ穴を通るには時計ウサギさんが先導しなければ通れません。
 なので時計ウサギさんは、パーティーを楽しんだ後にアリス達を次の国へ連れ出してあげることもできます。
 ご希望の方がいらっしゃらなかった場合は、NPCの時計ウサギさんがいたという事にしますので、誰もご希望がなければアリスは脱出できないという訳ではございませんのでご安心ください!

 二章ではグリモア猟兵のメロディも、呼ばれればご一緒にご同行します。

 こちらの章のみのご参加や、ご招待も歓迎です。

●備考
 遅筆な為、再送して頂くことが多い者ですので、ご容赦ください。
 ご同行者様は2名様までが限界です。

 ご参加楽しみにお待ちしております。
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第1章 集団戦 『トランプ兵』

POW   :    『女王直々の召集令状である!』
【ハートの女王】から【の令状を読み上げ怒号】を放ち、【令状に従い組み付くトランプ兵】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    『赤く赤く、染めねばなるまい!』
【ハートのスピア】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    『――このままでは首を刎ねられてしまうッ!』
自身が【ハートの女王に対する恐怖】を感じると、レベル×1体の【ハートのトランプ兵たち】が召喚される。ハートのトランプ兵たちはハートの女王に対する恐怖を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 ――次は、何を作る?
 ケーキを作っているあの子も、クッキーを焼いているあの子も、小豆を煮ているあの子も、パフェを作っているあの子も。
 まるで夢のようなこの世界で、スイーツ作りを楽しんでいる。

『♥︎♢♧♦︎♣︎――! ♢♡♣︎♦︎♠︎!!』
 そこへ訪れた新たな来客は、アリスの匂いを追ってきたトランプ兵達。
 “貴様達に女王様より召集命令が掛かっている! よって貴様達を連行する!!”――と言っているようだが、アリス達は彼らの言葉をちっとも分かっていないようだった。
「あら、トランプ兵さん。ご機嫌よう。今アップルパイを焼いてるの。良ければいかが?」
『♧……(エッ……)』
「ねえねえ、トランプ兵さん! そこにある桃取ってー!」
『………』
 ――えっ、俺達オウガだよ?
 逃げも隠れもせずにスイーツを作り続けるってどういうこと?
 彼らはアリスを我らが女王様の元へ!と、皆総じて胸抱く者達。アリスを全員まとめて強制連行するはずが、拍子抜けしてしまう。
「ありがとう、助かったわ」
『♣︎♧! ♢♦︎♢♣️!(おいおい! なにやってんだお前!)』
『♢、♧♢♦︎♠︎……(あっ、すまんつい……)』
『♥︎♤、♢♡♢!!?(いやまて、お前たちいつの間にアリスと仲良くしてたんだ!!?)』
 さらには同胞達が、アリスのスイーツ作りのお手伝いをし始めていく。
 なんだこれは、悪夢なのか?
 ――この状況を女王様が知ったら、なんと思われるか……。
 しかし頭を抱えて魘されていた彼らもすぐに楽になっていった。

 なぜなら此処は逃さずの国。
 訪れた者が誰であろうとなんだろうと捕らえる悪夢の国なのだから――。

『♣︎♧♦︎♥︎♡(あっシュークリーム作りたい)』
 現実を忘れ、目的を忘れて。
 トランプ兵達は武器を捨てて、スイーツ作りの虜となる。
 
ベロニカ・サインボード
私、料理下手だからスイーツ作りたくないわ
腕前:凄惨・悲惨・絶望的

なっ…なにィ〜ッ!?W・Fワーニン・フォレストが!勝手にカップケーキ?を作っているッ!
そうか…W・Fは精神の力。故に精神への作用をダイレクトに受ける!
もっとも『欲求』をW・Fが満たしてくれるから、私は・・自由に敵を探せるわね
私が動くとW・Fは浮いてついてくるわ…スイーツ作りながら

さて折角作ったスイーツ、誰かに食べてもらわないとね

おっと…適任がいるじゃない・・・・・・・・・

スイーツ作ってるトランプ兵に食わせる。力づくで顔面に押し込むわ
W・Fの拳で、マズさに悶絶してる敵を、令状読まれる前に叩きのめすわ。くらえェェ!



 私、料理下手だからスイーツ作りたくないわ。
 ――とは、思っていたけれど。
「なっ…なにィ〜ッ!?」
 衝撃の光景を目の当たりにして、ベロニカ・サインボード(時計ウサギの道しるべ・f35983)は驚愕した。
 自分自身に変化は無く、特に何も起こらなかったのだが……。
 その代わり、相棒の身に異変が起きてしまっていたからだ。
W・Fワーニン・フォレストが!勝手にカップケーキ?を作っているッ!」
 W・Fワーニン・フォレストは《はじめてのカップケーキ》と書かれているレシピを真剣に見つめ、泡立て器を握り締めつつ目にも止まらぬ超高速ハイスピードでかき混ぜていた!
「なぜなの、W・Fワーニン・フォレスト!」
 ――カタタタタタタタタタタタタッ! ――ガサッ! ――ガチャンッ! ――ズドドドドッッ!
 とてもスイーツ作りをしているとは思えないような音がするが、何度もカップケーキのレシピを確認しながら作っているので、やっぱりカップケーキを作っているのだろう。
 そしてベロニカは、ビビッと来てハッとした。
(「そうか…W・Fワーニン・フォレストは精神の力。故に精神への作用をダイレクトに受ける!」)
 つまり、逃さずの国のスイーツを作りたい欲求は、ベロニカの分まで吸収し、全部W・Fワーニン・フォレストが引き受けてしまったのだ!
 こうなってしまえばもう、誰もW・Fワーニン・フォレストを止められない。
 しかし、これはある意味好都合でもある。
(「もっとも『欲求』をW・Fワーニン・フォレストが満たしてくれるから、私は・・自由に敵を探せるわね」)
 ――というわけで。
「スイーツ作りは任せたわ。その代わり私は索敵に集中するッ!」
 お互いの役割が決定し、W・Fワーニン・フォレストも納得して頷く。
 そしてベロニカが動き出せば、W・Fワーニン・フォレストが背後からス――……ッと浮いてついて回った。スイーツ作りながら。
「なるほど。この国は、キッチン室が幾つもあるのね」
 逃さずの国は中央にパーティーを楽しめそうな広間があった。
 だが利用されることはあまりないようで。
 その広間をぐるっと取り囲んだ壁の裏の沢山ある、キッチン室こそ主役メイン
 そこで敵はあっさり見つかって、堂々とトランプ兵がキャッキャウフフとスイーツ作りを楽しんでいた!
「随分楽しんでいるようね。冗談キツイわ」
 壁に隠れながら敵の視察を行うベロニカと、さらに背後からスッと顔を出すW・Fワーニン・フォレスト
 そしてその手にあるものを、ベロニカに差し出した。
「あら、もうできたの?」
 そこには、ふんわりふわふわしっとり甘そうなカップケーキ――が、ある筈だったのだが。
 逃さずの国も衝撃のカッチカチの鋼鉄カップケーキが誕生していた。
 しかも、なぜかいきなり激しく燃え盛り、スイートでメルヘンなこの国の雰囲気を盛大に破るように爆発!
 焦げているカップケーキから煙がでて、凄惨で悲惨な絶望的仕上がりに……。
 だが、それもいいじゃない。W・Fワーニン・フォレストが一生懸命作った渾身のスイーツなら、それが一番だ!
「折角作ったスイーツ、誰かに食べてもらわないとね。おっと…
 ベロニカは、油断しまくっているトランプ兵に接近し、力付くで顔面にカップケーキを押し込んだ。
♥︎♧もぐッッ……!?』
 突然カップケーキが投入されて、つい食べてしまったトランプ兵は悶絶!
 ぶるぶる震える手で令状を取り出したが――……。
「くらえェェ! 」
 トランプ兵はW・Fワーニン・フォレストの激しいパンチラッシュで鮮やかに吹き飛ばされ、KOされるのだった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

山立・亨次
クレープ(f38942)と
気合入ってんなあの人

まあ俺も菓子専門ではねぇが作るしな
この人と比べちゃ解らんが
その辺のパティシエくらいになら引けは取らねぇと自負してる

……クロカンブッシュ作るか
勿論、それ用のミニシュークリームは一から作る
クレープにも少し分ける(トッピング用)

しかし何か物足りねぇな

……クロカンブッシュにトッピングするか
今時期ならクランベリーだな
クレープのユーベルコードで作業に戻った、もしくは葛藤してる敵を狙ってユーベルコードで攻撃
敵をクランベリーに変えていこう
一体はミントにしておくか

……材料にミントもクランベリーもあるって?
細かいことは気にするな

(基本無表情で寡黙)


クレープ・シュゼット
亨次くん(f37635)と!
腕がなるねえ

パティシエとしては見逃すわけに行かない案件!(わくわく)
これでも地元じゃ評判の店のオーナーパティシエだからね、任せてよ
今時期は梨が美味しいから、シャルロットポワールを作ろうかな
ちょっとアレンジでムースはカスタード、トッピングにプチシューとチョコの花を添えようか

おっと敵が作業の手を止めてる?
焼き上がり待ち? 粗熱取り?
その間に洗い物とか別の作業をするんだよ!(ニコ!)
手際良くやるのも大事だからね!

と言うわけで、これ食べて作業に戻ってねー(ユーベルコードでカスタードクリーム射出!)
本格的に倒し切るのは亨次くんにお任せだよ
クロカンブッシュ頑張ってるね!



「パティシエとしては見逃すわけに行かない案件! 腕がなるねぇ」
 わくわくな笑顔で、クレープ・シュゼット(蜂蜜王子・f38942)の胸が楽しそうに躍る。
(「気合入ってんなあの人」)
 そして一歩後ろから、山立・亨次(人間の猟理師・f37635)は無表情のまま佇んでいた。
 普段からプロフェッショナルとして調理する彼らは、逃さずの国でもいつもとあまり変化はないけれど。ただ、“なんでも作れちゃうぐらい、食材がなんでもある”というのは魅力的だ。
「亨次くんは何を作るのかな?」
「クロカンブッシュ」
「お、いいね!」
「そっちも決まってんのか?」
「そうだねぇ。今時期は梨が美味しいから、シャルロットポワールを作ろうかな」
 お互い作りたいものも決まり、それぞれキッチンへ向かうとさっそく調理を開始。
 クレープはペティナイフを手に持って、ふっくらした旬の梨を、手慣れした手つきでしゅるしゅると皮をむいた。
 そして均等に美しくカットした後、甘くてジューシーなコンポートへと生まれ変わらせて。
 軽い食感のビスキュイは、まるで華やかな芸術品のように。
 ちょっとアレンジで、ムースはカスタードへ。ふんわりとろり、なめらかな口溶けのクリームをたっぷりと作る。
 クレープの器用な指先は、まるでスイーツに魔法を掛けているかのようだった。
 愛と情熱を込めてスイーツを作る彼の触れるもの、果ては彼自身が、きらきらして見えるのはなぜだろうか。
 クレープの繊細な手仕事に、アリス達は恋する乙女のように頬をぽっと紅く染めながら見惚れてしまう。
 王子様さながらのイケメンが、華やかで美しいスイーツを作っている姿に、乙女なアリス達がときめいてしまうのは無理もない。
 さらにはトランプ兵まで手を止めて、クレープにうっとりしてしまうほど。
 評判のパティスリー『Miel de Ange』の若きオーナーパティシエは、逃さずの国でもみんなを虜にしてしまったようだ。
 ――ただしトランプ兵、君にはもっと集中してもらう必要がある!
「おっと、手が止まってるようだけど焼き上がり待ち? それとも粗熱取りかな?」
♧♦︎はわわっ』
「その間に洗い物とか別の作業をするんだよ!」
 にこ!
 クレープは絞り袋を構えて、カスタードクリームを射出!
「手際良くやるのも大事だからね! と言うわけで、これ食べて作業に戻ってねー」
  Tentation de la crème メシマセクリーム――!
 クレープお手製のカスタードクリームは、トランプ兵達の口に命中する!
♡♥︎♡♥︎♡お、美味しすぎる!!』
 卵とミルクの優しい味わいに、蕩けてしまいそうなトランプ兵達。
 感動で震え、ああっ自分達もこんなふうに素敵なスイーツを作りたい!――そんな激しい衝動が沸き上がり、作業に戻っていくのだった。
 アリス達の危機は去り、しばらくの間、正気に戻ってアリス達を襲ったりすることもないだろう。
 一方その頃、亨次は自身が作ったクロカンブッシュをじっと眺めていた。
「………………」
 勿論、ミニシュークリームを一から作ったこだわりのスイーツ。
 自給自足の生活をしながら猟理師として腕を磨き、世界各地を巡って生きてきた亨次の究極のスイーツだ。
 菓子は専門ではないが作ることもある。クレープと比べれば分からないが、巷のパティシエになら引けは取らないと自負していた亨次。
 ひとつひとつ丁寧に積み上げてオシャレで豪華に仕上げたクロカンブッシュに、アリス達も惚れ惚れしているが――。
(「しかし、何か物足りねぇな」)
 本人にとっては、まだ納得できる仕上がりではない。
「クロカンブッシュ頑張ってるね!」
 そこへ、クレープがやって来て。
 少し多めに作っていた亨次のミニシュークリームを指しながら、あるお願いを。
「もしかしてこのミニシュークリーム余ってるのかな?良かったらトッピングに使ってもいい?」
「別にかまわねぇが……」
「ありがとう!じゃあ貰っていくね」
 クレープは亨次から貰ったミニシュークリームをトッピングに使い、チョコの花も添えて。
 シャルロットポワールはさらに華のある素敵なスイーツとなった。
 こうしてクレープのスイーツが完成!
 みんなの心をときめかせ、一口食べればきっと誰もが笑顔になるシャルロットポワールの出来上がりだ!
 そこで亨次はなるほどトッピングか、と着想を得た。
(「……クロカンブッシュにトッピングするか。今時期ならクランベリーだな。」)
 亨次が愛用の調理器具を持てばカケスの神霊が降臨し、さっそく狩猟を開始する。
 獲物なら待機せずとも
 ――自分が狙われているなんて全く気付く様子なく、クレープのカスタードを食べてからもっとスイーツ作りにのめり込んでいるが。
♦︎♧………………?』
 狩人は、狙った獲物を逃がさない。
 トランプ兵がカードを切られた瞬間、自分の身になんて、分からないままであるだろう。
 確実に仕留める為に――
 亨次が耳を澄まし、音もなく歩いて。
 息を殺して忍び寄り、命を『頂いた』のだから。
 そしてこの場にいたトランプ兵達は真っ赤な艶のある実が美しいクランベリーとなり、最後の一体は香りの良いミントとなるのだった。
「亨次くん、亨次くん。クランベリーもミントも、あっちにあるよ」
「細かいことは気にするな」
 クランベリーとミントを飾り付け、亨次の猟理は完成!
 その豪華で彩りのある華やかな見た目の美しさに、アリス達の拍手が起こる!
 見るのも楽しく、味も最高の、絶品クロカンブッシュの出来上がりだ!
 クレープのシャルロットポワールと、亨次のクロカンブッシュ。
 ふたりのスイーツが並べばキラキラ輝いているようで、アリスのみんなが幸せな気持ちになるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミルナ・シャイン
スイーツ作りは得意ですし大好きですわ!
わたくしチョコミントが大好物ですの、チョコミントのカップケーキを作りますわ。
ちょうどいい具合にフレッシュなミントも生えてますわね、これ使ってミントクリームを作りましょう。
そこのトランプ兵さん、このミントの葉を超細かいみじん切りにしてくださらない?
そうやってさりげなくアリス達からトランプ兵を引き離しますわ。

わたくしが作ったココアカップケーキに、ミントを混ぜたクリームを絞ってチョコチップを飾れば完成ですわ!
召し上がれ♪
指定UC発動、トランプ兵が正気に戻れば行動速度が遅くなるでしょうし魅了されたままならそれはそれで隙ができますわ。
斧で【切断】してしまいましょう。



 美しく澄んだ海のような青の瞳をきらきら煌めかせ、ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)は、逃さずの国のスイートでメルヘンな雰囲気にすっかり魅了されていた。
(「スイーツ作りは得意ですし大好きですわ!」)
 一足お先にスイーツ作りを楽しんでいる乙女なアリス達の輪に吸い寄せられて、みんなと仲良くなるのもあっという間。
 アリス達から何を作るの?と、聞かれればもちろん!
「わたくしチョコミントが大好物ですの、チョコミントのカップケーキを作りますわ♪」
 爽やかなミントと甘いチョコの絶妙な出逢いが堪らない、ミルナの愛するチョコミント!
 するとアリス達は、えっ!と驚いたような顔をして。
「私もチョコミント好きだよ!」
「私も!」
 なんとアリス達、実はチョコミン党だったのである!
「みなさん同じ党の方だったなんて……! わたくし感激ですわっ」
 ミルナは同志であるチョコミント好きに巡り会えたことを心から喜び、瞳の中の光の粒を輝かせながら熱い握手を交わした。
 この国でチョコミン党の同志と出逢い、さらにはちょうどいい具合にフレッシュなミントが生えているプランターを見つけて。
 ミルナは、摘みたてのミントの香りに癒されながら、心ときめく予感にうっとり。
(「ああきっと、美味しいチョコミントスイーツができますわね……♪」)
 このミントを使ってミントクリームを作りましょう、とちょっぴり音を外しつつ小さく歌を唄って。
 甘くなめらかなココア味の生地を型に流してオーブンに入れたあと、たっぷりの生クリームを混ぜて作る純白のふわふわクリーム。
 ミルナはご機嫌に楽しく調理していたが、トランプ兵がアリス達をじっと見つめているのを発見した。
(「まさか正気を取り戻しかけているのでしょうか? だとしたら、たいへんですわ!」)
 アリス達を助けるために、トランプ兵へと声を掛ける。
「そこのトランプ兵さん、このミントの葉を超細かいみじん切りにしてくださらない?」
♢♤え、俺?」
 さりげなくアリス達からトランプ兵を引き離しながら、仕事を与えたミルナ。
 従順なトランプ兵は特に不審に思う気配はなく、言われた通りに丁寧な仕事でミントを細かく刻み始める。
 そこにちょうど焼きあがる、ふんわりふわふわしっとりケーキ!
 ココアの甘い匂いを嗅ぐだけで幸せになれてしまいそうだ。
「あとはトランプ兵さんが切ってくださったミントを混ぜたクリームを絞ってチョコチップを飾って…………うん、完成ですわ!」
 ココアカップケーキにミント味のクリームをたっぷり乗せたチョコミントのカップケーキの出来上がり!
「さあ召し上がれ♪」
♥︎♡♡♥︎♡♡美味しい……!』
 なんて甘くて爽やかなスイーツ!
 トランプ兵は出来立ての美味しいチョコミントスイーツに夢中になり、もっと食べたいと思った。
 だが体が思うように動かなくなっていき、さらにはゆっくりなスローモーションになっていって……。
「チョコミントスイーツを美味しそうに食べてくださってありがとうございます。ですがあなたがアリス達を襲ってしまう前に、失礼させていただきますわ!」
 そしてトランプ兵の隙が出来ている間に、斧を振るった。透き通る氷のような青い刃が青く煌めく軌跡を描き、トランプのカードを切り裂いて。
 ミルナはアリス達の脅威を勇敢に排除するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メアリアン・ダレモイマ
甘いお菓子は子どもの夢。
素敵な夢に囚われてしまうのは仕方のないことですわ。
迷子の可愛い、アリスたち。
少しでも不安を和らげるならば。一緒に甘い夢を楽しみましょうね。

お菓子ならお手のもの。
せっかくなら手の空いてるアリスに手伝ってもらいましょうか。
生地を捏ねて、レーズンやナッツを加えて。
バターたっぷりでオーブンで焼き上げます。
粉砂糖をたっぷり掛けて......シュトレンのできあがり。

切り分けて、アリスたちに一口。
お口にあいましたか、迷子の貴方。
不安な現実から逃れるなら、甘い夢が一番。

トランプのカード?そちらは気にせず。
鞄を開いて、質問ひとつ。
ええっと、カードの貴方。お名前はなんと言うのかしら?



「失敗しちゃったね」
「うん……」
 傍から見て姉弟のように見える少年少女のアリス達は、それでもスイーツを作りたいと国に留まっていた。
 自分の扉を探す旅に疲れ果てて、目先にある甘い誘惑に縋って囚われているのだ。
 そんな姉弟アリスの幸せを願わずにはいられない、メアリアン・ダレモイマ(Nobody・f31615)――。
 
(「甘いお菓子は子どもの夢。
  素敵な夢に囚われてしまうのは仕方のないことですわ。
  迷子の可愛い、アリスたち。
  少しでも不安を和らげるならば。一緒に甘い夢を楽しみましょうね。」)

 いつか醒めなければならない夢なのだとしても。
 それまでのひとときが、幸せでありますように。
 メアリアンは品のある微笑みを浮かべながら、姉弟アリスを御誘いした。
「こんにちは。親愛なるアリスたち。これからケーキを作りますの。良ければ一緒に手伝ってくださる?」
 姉弟アリスは少し驚いていたけれど、メアリアンの優しい大人の雰囲気に惹かれて、うん、と頷く。
 そして一緒に、“シュトレン”を作り始めたのだった。
 メアリアンにとってお菓子作りはお手のもの。
 本当ならあっという間に作ることもできるのだけれど、焦るだなんてとんでもない。
 大切なのは、子ども達が楽しむ心を忘れない事なのだから。
 優しいバターをたっぷり入れた生地を、楽しそうに捏ねている姉弟アリス
 メアリアンは、心からの微笑みを絶やさずに。
「おめかしに、ジュエリーはいかが?」
 まるで彩り豊かな宝石箱のような、メアリアン特製のレーズンと、ドライフルーツ、小さく砕いたナッツを差し出した。
 姉弟アリスは喜んで生地に混ぜこんで、オーブンで焼き上げたその後は――。
「最後の仕上げは、一緒に雪を降らせましょうね」
 サラサラした純白の粉砂糖を、惜しみなく降らせた。
 まるで雪が降り積もって嬉しくなる日のような銀世界。
 それはもう、姉弟アリスの瞳に光溢れる程に、たくさんたくさん降らせたのだった。
 こうしてシュトレンのできあがり。
 ――不安な現実から逃れるなら、甘い夢が一番。
 メアリアンはシュトレンを丁寧に切り分けて、そうっと姉弟アリスに一口運ぶ。
「一口どうぞ」
 アリスは無邪気に口を開けて。
 アリスは頬を染めながら口を開けて。
 そして自分達が作ったシュトレンを味わった。
「お口にあいましたか、迷子の貴方」
 甘くて、優しくて。冬の味がする。
 あたたかな家の中で、聖なる日の訪れを待っているかのような、懐かしい味。
「美味しい……」
 姉弟アリスの心はホッとして、癒されていた。
 けれど姉弟アリスの前に、不穏な影が近付く。
 猟兵達に倒されて最後の1体となったトランプ兵が、正気を取り戻して目的を思い出したのだ。
 恐ろしくて怯える姉弟アリスだが、メアリアンは庇うように立塞ぐ。
「心配ご無用ですわ、アリス。わたくしが御守り致しますもの」
 そしてメアリアンは鞄を開いて、質問をひとつ。
「ええっと、カードの貴方。お名前はなんと言うのかしら? 」
『……?』
 ――名前?
 巡る、巡る、錯乱する。
 そんな迷えるアナタには、このまま消えてもらいましょう。
 姿の見えない獣がアリスを脅かすオウガに牙を剥いた。
 もちろん、子ども達には見えないように。
「さあ行きましょうアリス達。楽しい夢から醒めるには、まだ早いですわ」
 そう言ってメアリアンが手を差し伸べれば、姉弟アリスは手を繋いで。
 安心しながら微笑み、メアリアンについて行くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『愉快なお茶会』

POW   :    素敵なものを大いに食べて飲んで、お腹いっぱいになる

SPD   :    お茶会のお菓子や軽食を自分で用意し、差し入れる

WIZ   :    謎かけや言葉遊びなど、テーブルを囲みながらのちょっとした遊戯を楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 オウガを全員倒して、猟兵達のおかげで穏やかな平和が訪れた逃さずの国。
 しかし残念ながら逃さずの国の特性までは失われなかった。
 このままアリスをこの国に残していけば、スイーツを作りたいという欲望に囚われ続け、身を滅ぼしてしまうのだろう。
 そのため猟兵達は、アリスを他の国へ連れ出してあげなければならなかったのだが――。
「うーん、せっかく作ったスイーツを残して行くのは勿体無いなぁ」
 グリモア猟兵のメロディはうーん、と声を出して悩んで。
「ここにはパーティー会場もあるし……色々あるみたいだし……」
 考えれば考えるほど次の国へ進むことを惜しがり始める。
「せっかくオウガも居なくなって、隠れる必要がないしね。スイーツパーティーしたいなぁ。……あ、やっぱり皆もしたいよね!」
 パーティーが大好きなアリス達は、メロディの思いにすっかり乗り気。
 強引に次の国へ連れ出してしまうのも可哀想なくらい、大喜びしているのだった。
 ただそれは無理もない話なのかもしれない。
 自分の扉を探しながら隠れて、逃げて……。
 明日を心配しながら生きてきた迷子たちが、安心してスイーツを楽しむ日が今後訪れるかなんて、本人にも分からないのだから。
「みんなの作ったスイーツも食べたい! いっぱい食べたいー!」
 ……いや、もしかしたら、ただスイーツが食べたいだけなのかもしれないけれど。
 ただ幸いにも魔法のウサギ穴はすぐに見つかり、猟兵の中には先導できる時計ウサギさんも居る。
 此処から出るつもりでいるならば、しばらくパーティーを楽しんでいても問題はないだろう。
 逃さずの国の中央はメルヘンなパーティー会場になっていて、その周囲のキッチン室には何だってある。
 好きな飲み物だってあるし、他にも何か良いものが見つかるかもしれない。
 猟兵達もパーティーを楽しんでくれれば、アリス達も嬉しいはず。
 スイーツに囲まれたほんのささやかなパーティーを一緒に楽しんであげよう。

 次の国へ進むのは、そのあとで――。
ジゼル・サンドル
ミルナ(f34969)と。

大親友のミルナに誘われて来てみたが、なるほどここが逃さずのスイーツの国か。
わたしはあまり料理は得意じゃないんだが、なんだかすごくお菓子作りがしたくなってきた…!

お菓子の家か、いいな!…難しそうだがわたしにも作れるだろうか。
チョコミントマカロンも飾るのか、素敵な家になりそうだ。アリス達にも手伝ってもらえるならありがたいな。
上手にできるか不安だが、やってみよう…むぅ、なかなか難しいな。
なんとか組み立てて完成、多少不格好ではあるがちゃんと家になってる…!やった!

この家がもっと大きければいいのにな。
2人が住めるお菓子の家か…!でもわたし結局全部食べてしまうかもしれないぞ。


ミルナ・シャイン
大親友のジゼル(f34967)と。

ジゼルもスイーツ作りたくなりました?材料もまだありますし、一緒に何か作りましょうか。クリスマスも近いですし、お菓子の家を作るなんてどうかしら!
わたくし設計図描きますわ。
ジゼルはチョコが好きですものね、ココアクッキーで家の土台を作って、ドアや窓はチョコレートで…そして屋根にはチョコミントマカロンを飾りましょう!
先ほどのチョコミン党なアリスの皆さまにもお声がけして皆で作りたいですわ。
クッキーやマカロンは作りますから、ジゼルは組み立てお願いしますわね。

出来上がったお菓子の家はしばし鑑賞してから皆で食べましょう。
いつか、2人が住めるくらいのお菓子の家を作りましょうね。



 大親友のミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)に誘われて、逃さずの国にやって来たジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)は、出来立てのお菓子の甘い匂いに包まれながら、幸せを感じていた。
「なるほどここが逃さずのスイーツの国か。なんだかすごくお菓子作りがしたくなってきた…!」
 国の魔力に魅せられて、うずうずしているジゼル。
 それにいつも腹ペコなお腹も、お菓子を作りたくて(食べたくて?)堪らないようだ。
「ジゼルもスイーツ作りたくなりました? 材料もまだありますし、一緒に何か作りましょうか。クリスマスも近いですし、お菓子の家を作るなんてどうかしら!」
 ミルナは嬉しそうなジゼルを見て笑顔になりつつ、クリスマスらしい特別なお菓子を作りましょうと提案を。
 “お菓子の家”と聞いて、ジゼルは顔にパッと花が咲いた。
「お菓子の家か、いいな!」
 だがすぐにハッとして、真顔へと変化する。
「難しそうだがわたしにも作れるだろうか。わたしはあまり料理は得意じゃないんだが……」
 お菓子の家を作る難しさを考えると、少し心配になってきたようだ。
 でもそこは、「大丈夫ですわ!」とミルナが言った。
「こういうのは、ハートが大事ですもの!」
「そういうもの、なのか?」
「ええ、きっとそうですわ! わたくし設計図を描きますのと、クッキーやマカロンを作りますから、ジゼルは組み立てお願いしますわね」
 ミルナは楽しそうに、微笑みを浮かべながらお願いする。
 大好きな大親友とのお菓子作りが嬉しいのもあるが、お菓子の家づくりの構想自体も楽しんでいるようだ。
 そんなミルナを見て、ジゼルも段々感化されていった。
「わかった!上手にできるか不安だが、やってみよう」
「ええ、そうしましょう!」
 こうしてふたりは、お菓子の家を作ることにした。
 まずはミルナが、夢と浪漫を沢山詰めたお菓子の家の設計図を作るところから。
「ジゼルはチョコが好きですものね。なのでチョコのスイーツを多めに作りますわ!」
「ありがとう。ミルナの好きなチョコミントもよろしくな」
「お任せくださいですわ!」
 それから次は、設計図を元に家のパーツ作りだ。
 濃厚でさくさくの焼きたてココアクッキーは家の土台のために。
 ドアや窓は、パリッと甘いチョコレートを。
 そして屋根には、可愛くてオシャレなチョコミントマカロンだ。
 全部ミルナお手製の美味しいスイーツである。
「チョコミントマカロンも飾るのか、素敵な家になりそうだ」
「でしょう? 完成が楽しみですわ!」
 ミルナの好きとジゼルの好きが重なったお菓子の家に、ふたりの胸がときめいて、わくわくが溢れ出す。
 だがその中盤。
 調理もしつつ組み立ても……となると、ふたりで作るのでは手が回らなくなってきた部分もあるようだ――。
「むぅ、なかなか難しいな」
「あ、そうですわ!チョコミン党なアリスの皆さまにもお声掛けして、みんなで作りましょうか!」
「チョコミン党なアリス達?」
「ええ、先程この国で出会った同志の仲間ですわ!」
 そして、ミルナがチョコミン党のアリス達に声を掛けると、彼女達はみんな目をきらきらさせた。
 お菓子の家はみんなの憧れ!
 もしも一緒に作れるのなら、それは夢のような話だ。
 むしろ是非協力させて欲しい、とお願いされるのだった。
「手伝ってもらえるならありがたいな。助かるよ」
「皆さま宜しくお願いしますわ!」
 アリス達はふたりに喜んで協力し、みんなで楽しく、嬉しそうに作っていった。
 そしてジゼルもなんとかパーツを組み立てていき、お菓子の家がついに完成する!
「多少不格好ではあるがちゃんと家になってる…! やった!」
 アリス達の拍手に包まれながら達成感で満たされつつ、ジゼルとミルナも拍手をしていた。
 チョコレートたっぷりでチョコミントマカロンが可愛い“お菓子の家”の完成だ!
 ジゼルは満足しながら、嬉しそうに呟いた。
「この家がもっと大きければいいのにな」
 そんな大親友の呟きに、ミルナは頬を緩めて。
 隣にいる親友と一緒に過ごす楽しい未来を思い描きながら、微笑みを浮かべた。
「いつか、2人が住めるくらいのお菓子の家を作りましょうね 」
「2人が住めるお菓子の家か…!でもわたし結局全部食べてしまうかもしれないぞ」
「それなら、また大きなお菓子の家を作れば良いんですわ!」
 ふたりは仲良く話しながら、くすくすと笑い合った。
 一生懸命作った家にはいっぱいの愛着が生まれて、見ているだけでも幸せな気持ちになる。
 みんなの愛と温かさに溢れたこの家を食べてしまうのは、なんだか勿体ないけれど。
 しばし鑑賞しながら目に焼き付けて、そのあとは皆で食べるのだった――。

 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メアリアン・ダレモイマ
お菓子作りは楽しんでいただけたようで何より。
素敵な思い出が、狂ったお茶会なんてナンセンス。夢見心地のようなお茶会にしましょうね。

私はキッチンから見守りましょう。
せっかくだから、甘いお茶をいれましょうか。
お手伝いしてくれる子がいればご一緒に。

温かいアップルティーを入れましょうか。
必要なのはミルク、卵、バニラアイス。三つをかき混ぜて、ホットティーに注げば――ティーミルクセーキの完成。
メロディ様もおひとついかがですか。

さあ、アリス。そろそろ次へ向かいましょう。
先ほど作ったシュトレンはクリスマスまでに食べるもの。
もうお外はクリスマスの時期よ。
貴方たちが自分の扉を見つけることを、切に願っていますわ。



(「お菓子作りは楽しんでいただけたようで何より」)

 メアリアン・ダレモイマ(Nobody誰もいません・f31615)は口許を緩めて、スイーツパーティーを楽しんでいるアリス達を見守っていた。

(「素敵な思い出が、狂ったお茶会なんてナンセンス。夢見心地のようなお茶会にしましょうね」)

 心身共にアリス達が安心して楽しく過ごせますようにと願いながら、そのお手伝いを密かに楽しむメアリアン。
 今はちょうど、せっかくだから甘いお茶を入れましょう、とキッチンでお湯を沸かしていたところだ。
 その時、誰かが近付いて来る足音に気付いて、顔を上げる。
 そこには、先程シュトレンを一緒に作った子どもアリス達が居た。
 ――なにか手伝えないかな?、と。
「まあ、わたくしのお手伝いを?」
「うん。……駄目、かな?」
「駄目だなんてとんでもない。とても嬉しいですわ。ぜひご一緒に」
 メアリアンは子どもアリス達を優しく迎え入れて、彼らに微笑みを向けながらお願いをひとつ。
「それでは、ティーカップの御用意をお願いしますわ」
「ティーカップだね、わかった!」
「みんなの分を並べるね!」
 子どもアリス達は、メアリアンからお願いを貰って喜んで引き受けた。
 手際は悪くてもひとつひとつ丁寧に、ティーカップを並べていく子どもアリス達。
「アップルティーをいれるの?」
「ええ。ですがアリス達の元に運ぶ前に、ひと工夫を加えましょうか」
 メアリアンは、甘くて爽やかな林檎の香りのアップルティーを注いで冷ましたあと。
 ほのかな甘味のミルクと、黄身が濃厚な新鮮卵、まろやかなバニラアイスをなめらかになるまでかき混ぜたものを、ホットティーに注げば――アリスのための“ティーミルクセーキ”の完成だ。
「美味しいね!」
「うん!」
 子どもアリス達はティーミルクセーキの優しい甘さが気に入ったようで、あっという間に飲んでしまう。
 パーティーを楽しんでいるアリス達も、ティーミルクセーキを飲みながら、懐かしくてほっとする味に、心まで暖まっているようだ。
(「メアリアンはすごいなー……みんなの心を温めて……まるで魔法みたい!」)
 メロディ・シエルティ(不思議の子のアリス・f37276)は、メアリアンのことが気になって見つめていると、ふと目が合った。
「メロディ様もおひとついかがですか」
「えっ、いいの?ありがとうっ!いただきます♪」
 メロディもティーミルクセーキを貰うと、飲んだ瞬間から瞳の中の光をぴかぴか輝かせた。
「おいしー!」
 その味は甘くて、懐かしくて。
 いつも元気だけれど独り寂しいメロディアリスの心を、じんわりと温めるのだった。

「さあ、アリス。そろそろ次へ向かいましょう」
 御開きの時間となって、子供アリス達はメアリアンと離れたくないと寂しがるけれど。
 此処は決して留まってはいけない危険な国。
 素敵な夢から醒めて、アリス達は次の国へと進まなければならないから――。
 ここからは、アリス達を送り出すことが自分の役目。
「先ほど作ったシュトレンはクリスマスまでに食べるもの。もうお外はクリスマスの時期よ」
 此処ではなくても外の世界にも楽しいことは沢山ありますわ、と話すメアリアン。
 今にも泣きそうな子供アリス達は、ずっと一緒に居たいけれど、メアリアンの気持ちを受け止めて、楽しいひとときをありがとう、と笑った。
「こちらこそ、とても楽しいお茶会でしたわ」
 メアリアンは微笑みつつ、そして別れを惜しみながら、彼らを魔法のウサギ穴まで送り届ける。

「貴方たちが自分の扉を見つけることを、切に願っていますわ」

 アリス達の幸せを願い、いつか自分の扉に辿り着くことを信じて――子供アリス達が手を振って旅立つのを、メアリアンはいつまでも優しい微笑みで見守っていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クレープ・シュゼット
引き続き亨次くん(f37635)と!

あはは、割といつものことなんだよね俺
アイデアが浮かんだら即試してみたいし
いつだって皆の笑顔を見ていたい
それが俺の作ったスイーツで叶うなら最高だよね

だから今回も衝動に抗わず、ガンガン作るぞー!

今なら故郷エンドブレイカー!の外の世界のスイーツだって作れる
王道ショートケーキにクリスマス気分のブッシュ・ド・ノエル
季節のフルーツタルトに豪華なプリンアラモード
軽く摘めるクッキーにマカロンなんかも如何かな?
あっ、さっき作ったやつも提供しようね!

お待たせ、アリスちゃんたち!
頑張る皆に癒しの一時を!
お礼は皆の笑顔がいいな
俺に沢山見せてよ、ねっ?
(※口説いているわけではない)

うん? 亨次くんどうしたの?
……っと、メロディちゃんもおいで、一緒に楽しも!


山立・亨次
クレープ(f38942)と

ああ、俺もその気持ちは解る
俺も作るからには食って貰いてぇし
美味いって言って貰えると、やっぱり満たされる
これも勉強だよな

とは言え流石本職、発想力も製菓スキルそのものも大したモンだ
専門じゃないとは言え俺も負けてられねぇな
じゃあ俺は他にも好きな奴が多そうなアップルパイにチーズケーキと……
……敢えて和菓子とか作ってみるか?
梅の練り切りに花びら餅
雪に見立てた白いきんとんと……
ちと前倒しだが鶯餅なんかもどうだ?
クレープの方は少し時間掛かりそうだし、ユーベルコードでさくっと作って前倒しで出しとくぞ
(量はアリスと猟兵の人数に合わせて調節)

しかし凄いなあの人
何が凄いって、コミュ力と人心掌握力が凄ぇ
(と、思いつつもやはり無表情)

……何でもない
俺も食う、研究させてくれ



 ――スイーツでみんなを笑顔にしたい。

 その夢はいつだって、クレープ・シュゼット(蜂蜜王子・f38942)の心にあった。
 逃さずの国の魔力も、多少なりとも掛けられている筈だが、実際のところ自身にどの程度影響を与えられているかは自分でも分からない。
 だってずっと前から、誰よりも作る事に夢中だったから。
 この国の魔力が無くたって、アリス達にスイーツを作りたいと思っただろうから。
 クレープは、パーティーが始まってもスイーツを作り続けるのか?と聞かれると、あははと笑いながら胸の内を話すのだった。
「割といつものことなんだよね俺。アイデアが浮かんだら即試してみたいし、いつだって皆の笑顔を見ていたい。それが俺の作ったスイーツで叶うなら最高だよね」
 山立・亨次(人間の猟理師・f37635)はクレープの言葉が胸にスッと入り込んで、心に響く。
「ああ、俺もその気持ちは解る。俺も作るからには食って貰いてぇし、美味いって言って貰えると、やっぱり満たされる。……これも勉強だよな」
 美味しいものはお腹を満たし、心も満たしてくれる。
 満たされるというのは幸せなこと。
 幸せを感じるということは、笑顔になれるということ。
 自分が作ったものを食べて、誰かを笑顔にすることが出来たなら、幸せは自分にも訪れて、また誰かに食べて貰いたいと思うようになる。
 そんな幸せの輪が広がっていくこの喜びを知ってしまっていたら、――自分も、そして、彼だって。
「だよね?亨次くんなら分かってくれるだろうなって思ったんだ。なんとなく俺達は似てるところがあるな、って感じてたからさ」
 だから話したんだ、とクレープが嬉しそうに微笑んだ。
「よーし、今回も衝動に抗わず、ガンガン作るぞー!」
 そしてやる気で満ち溢れながら調理を再開した。
 顔は笑顔でも目は本気。
 今なら故郷エンドブレイカー!の外の世界のスイーツだって作れるチャンス。
 手を休めている暇なんて1秒だって勿体ない。とにかくスイーツを作っている時間が、クレープにとって楽しくて仕方がなかった。
 真っ赤な苺をたっぷり使った純白ショートケーキに、クリスマス気分のブッシュ・ド・ノエル、旬の果物で彩る季節のフルーツタルトに、豪華絢爛プリンアラモード――軽く摘めるクッキーにマカロンなんかも如何かな?
(「あっ、さっき作ったやつも提供しなくちゃね!」)
 クレープは頭の中で構想を練りながら、効率よく着手していく。
 その流れるような動きの調理姿は素人が見ても『すごい』と感嘆するだろうが、調理に精通している亨次には、クレープの素晴らしい技術の数々が目に焼き付いて離れなかった。
(「流石本職、発想力も製菓スキルそのものも大したモンだ」)
 彼は最高峰の一流パティシエだ。
 それはまぎれもなく、疑いようのない事実。
 だが、自身もだ。
(「――専門じゃないとは言え俺も負けてられねぇ」)
 スイーツを作るクレープを見て、亨次の魂にも火がついた。
 まず作ろうと思ったのは、アリス達も大好きな林檎をたっぷり詰め込んだアップルパイに、しっとりしたチーズケーキ。
 それから敢えて和菓子を作ってみようかと考えて、優しい紅に染めて花びらの筋を丁寧に入れた梅の練り切りに、新春を祝うふっくら雅な花びら餅。
 雪に見立てた白いきんとんと……。
(「ちと前倒しだが鶯餅なんかもどうだ?」)
 まだ少し時間が掛かりそうなクレープの様子を見ながら、亨次はユーベルコードを使用してさくっと仕上げることにした。
 人数に合わせて調節している為、量もちょうどいい感じだ。
 そして前倒しで完成し、アリス達の元へスイーツを運んでいった。
 アリス達は亨次が作ったスイーツにときめきながら、「…食うといい」と言う彼の言葉に甘えて食べさせてもらうことに。
 するとあまりの美味しさに、アリス達はみんな大興奮するのだった。
「この焼きたてアップルパイ、煮林檎の甘さと酸味が絶妙……! 生地もサクサクしてて食感が楽しい!」
「チーズケーキも濃厚で上品で、なめらかな口溶けがたまらないわっ」
「この可愛い梅の練り切りも美味しいよ。白餡の優しい味わいが素敵!」
「花びら餅も甘さとしょっぱさが良い塩梅で、やみつきになっちゃう……!」
「白いきんとんは雪みたいに綺麗だし美味しいし最高!」
「鶯餅は柔らかくて甘くて、春を感じるわね」
「……そうか。口に合ったなら良かった」
 亨次は無表情で礼を言いつつ、スイーツを美味しそうに食べているアリス達を眺めていた。
 ――やはり美味しいと言われるのは嬉しいものだ。
 ポーカーフェイスな彼からは、そんなふうに思っているとは読み取れないかもしれないが、寡黙で静かな彼の心は確かに満たされていた。
 そこへ、スイーツを作り終えたクレープがパーティー会場に顔を出した。
 クリスマスにぴったりのアリス達の為のご馳走スイーツをたくさん用意して、笑顔が溢れる。
「お待たせ、アリスちゃんたち! さあ、どうぞ。頑張る皆に癒しの一時を!」
 華やかな彩りのスイーツの数々がテーブルに並び、クレープは笑顔いっぱいに振る舞った。
 アリス達は感激しながらスイーツを見つめていたけれど、彼のスイーツの本領は此処から。
 食べてみればもっと、感動することになる。
「このショートケーキすごい……!なんていうか、今まで食べてきたショートケーキの中で一番美味しい……」
「ブッシュ・ド・ノエルも可愛いだけじゃなくて、しっとりしたスポンジとたっぷりのチョコクリームが絶品だわ……!」
「フルーツタルトは果物が輝いてて……果物の美味しさが生で食べるよりも感じる!」
「プリンアラモードは胸がほっとする懐かしい味……!プリンもまろやかで最高っ」
「クッキーやマカロンもみんなに食べて欲しい……! すっごく美味しいから……!」
「シャルロットポワールは上品で爽やかで、洋梨もカスタードもプチシューも全部美味しすぎるわっ」
 上質で繊細な甘さに驚きながら、自然と笑顔が生まれるアリス達。
 彼のスイーツは、まさしく癒しのご褒美。
 まるで夢を見るような心地になり、こんなスイーツ食べたことがない、と心が幸せで満たされていくのだった。
「こんなに美味しいスイーツをありがとう。なにかお礼ができればいいんだけど……」
 アリス達は彼らに何かお礼をしなくちゃ、と考えた。
 しかしそんな彼女達に、クレープは微笑みを浮かべながら本心からの言葉を伝える。
「お礼は皆の笑顔がいいな。俺に沢山見せてよ、ねっ?」
「……!」
 クレープにとってみんなの笑顔は自身の活力にも繋がること。
 笑顔を覗く彼の眼差しは純粋そのもので、優しくて綺麗だった。
 そんな彼に、アリス達は皆ドキドキしながら惹かれていた。
 そしてスイーツは、蜂蜜王子への忘れられないときめきの味となるのだった。
(「しかし凄いなあの人。何が凄いって、コミュ力と人心掌握力が凄ぇ」)
 そう思いつつもやはり無表情の亨次。
 そして今日が初めましてのメロディ・シエルティ(不思議の子のアリス・f37276)も、彼の印象が胸に刻まれる。
(「クレープくんは皆の笑顔が大好きなパティシエさんなんだ。素敵な人だなぁ……!」)
 クレープは、そんな2人の視線を感じて振り返った。
「うん? 亨次くんどうしたの? ……っと、メロディちゃんもおいで、一緒に楽しも!」
「私もいいの? やったー! いただきまーす!」
「……何でもない。俺も食う、研究させてくれ 」
 メロディは一口味わうと、くしゃっと顔がゆるんで、「おいしー!!」と叫んだ。
「クレープくん達のスイーツなら無限に食べられるよ!」
「あはは」
 クレープとメロディが楽しそうに笑っているその横で――。
 亨次はスイーツの味に驚きながら真剣に味わっていた。
 この味に辿り着くまで、一体どれ程の時間を重ねて追求してきたのだろう。
 華やかで明るい彼の作る美しいスイーツから滲み出るのは、血の滲むような努力と並外れた膨大な知識の結晶。
 潔く、清々しく。
 この人はすごい、と感じるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年01月03日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アリスラビリンス
🔒
#グリモアエフェクト
🔒
#戦後
#1名様誤ってプレイングを返却してしまいました…
#深くお詫び申し上げます…
#皆様ありがとうございました!


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト