アルカディア争奪戦⑫〜水と商人の都を救え
「アルカディア争奪戦への参戦に感謝します。リムは戦況を報告します」
グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は『拒絶の雲海アルカディア・エフェクト』に覆われた空域の地図を広げ、語り始めた。
「6つの大帝国の配下にあたる屍人帝国、並びに占領下にある浮遊大陸の攻略は順調。敵の本拠地に向かう『空の道』も繋がりつつあります」
開戦から1週間が経過し、攻略可能な範囲も広がりつつある。これも猟兵と
飛空艇艦隊の尽力が為せる業と言えるだろう。一方で6大屍人帝国の長達もそれぞれに対応を取っているようで、状況はまだ予断を許さない。
「今回皆様に依頼するのは、『ジェード王国』の支配下にある浮遊大陸、水の都トリリアの攻略です」
この浮遊大陸は「無限に真水が湧き出す」という不思議な特性を持ち、これを利用した巨大な「天使核水車」の推力で島自体を動かす事ができたため、雲海を渡る交易都市として有名だった。
「ですがジェード王国の進駐軍によって都市部は占拠され、水車の作動権限を持つ20人の島長も拘束されています」
豊かな水の交易都市は今、屍人帝国の移動拠点として利用されているのだ。商人の都市であるトリリアにこの侵略を打開できる戦力はなく、
飛空艇艦隊と猟兵の救援を待ちわびている。一刻も早く、この島を元ある姿に戻さなければ。
「皆様には都市部を支配しているジェード王国のオブリビオンの撃破をお願いします。街中にいるトリリアの交易商人の皆さんも、この戦いでは協力してくださるそうです」
彼らはオブリビオンと戦う力を持たないが、交易によって他島から仕入れてきた武装やアイテムを貸し出すことで猟兵の戦いを応援してくれる。都市が滅ぶかどうかの瀬戸際ともなれば、彼らも商売道具を惜しんでいる場合ではないようだ。
「この商品ですが、一見すると使用法がよく分からないような物も多いのですが。商人の方々によると『使い方さえ理解できれば絶対強力!』とのことです」
そこまで太鼓判を押すのなら、ガラクタを掴まされたというわけではないのだろうが。
当の商人達でさえよく分かっていない品物も多く、実際の使用法は猟兵が実戦で確かめるしかないようだ。
「敵はジェード王国に所属する『天馬騎士団』。ペガサスを愛馬として空を舞い、高い機動性と巧みな槍捌きを誇る女騎士達です」
個々の実力では猟兵よりも劣るが、空中での戦いと集団戦術に長けているのは厄介だ。
優位に立つためには、やはり商人達から借りた謎の武装やアイテムを活用して戦うのが望ましい。どんなヘンテコなアイテムでも、ちゃんと使いこなせば強いはずだ。たぶん。
「交易商人の皆様もふざけている訳ではなく、これが最大限の支援らしいので……どうか頑張ってください」
説明を終えたリミティアは手のひらの上にグリモアを浮かべ、トリリアへの道を開く。
交易の拠点として栄えた島を進駐軍の手から取り戻す、水の都の大乱戦の幕が開ける。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」
戌
こんにちは、戌です。
今回のシナリオは屍人帝国『ジェード王国』に支配された水の都トリリアにて、進駐軍のオブリビオンとの戦いです。
このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。
プレイングボーナス……商人達から借りた「謎の武装やアイテム」の活用法を編み出して戦う。
この依頼では都市にいる交易商人達から、商売道具である武装やアイテムを借りて戦うことができます。
どこか他の島から仕入れてきたという不思議な品物が多く、使いこなせば強いと商人たちは言いますが、実際にどう使うのかは皆様の自由です。変なスイッチが付いてるなら押してみてもよし、とりあえず敵に投げつけてみるもよし。
どんなアイテムをどんな風に活用するのか、好きに考えてくだされば幸いです。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『天馬騎士団』
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POW : ランスチャージ
【ランスを構え直し、騎乗突撃形態を取る事】によりレベル×100km/hで飛翔し、【飛翔距離】×【スピード】に比例した激突ダメージを与える。
SPD : スカイポジション
敵より【制空権を制覇した】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
WIZ : 怒れる空神の加護
自身の【盾】から【荒れ狂う突風】を放出し、戦場内全ての【射撃武器】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
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マリューズ・アビスマリア
綺麗な街ね、水はいっぱいだけれど湿っぽい感じはしないし。
こんな街を荒らそうオブリビオンは、しっかり対峙しないとね。
折角だし、商人さんから何か役に立ちそうな道具を借りて使わせてもらいましょう。
…何かメガホンみたいな道具を貰ったわ。これで敵に向かって何か叫ぶと良いのかしら。
空から攻撃の機会を窺ってる敵に叫んでみましょう。
…『空に逃げてないで降りてかかってきなさい!』
…本当に降りて突っ込んできたわ。
叫んだ通りの行動を取らせる力のある道具なのかしら。
でも、わざわざ降りてきてくれたならチャンスね。
UC発動、逆にこっちが浮遊して頭上を取って、稲妻の矢で撃ち抜いてあげるわ。
「綺麗な街ね、水はいっぱいだけれど湿っぽい感じはしないし」
雲海に浮かぶ『水の都トリリア』を訪れた、マリューズ・アビスマリア(Lullabyss・f26351)は、その景観を見渡した感想を口にする。交易の都として栄えてきた島らしく、水の流れを中心に張り巡らされた街並みには、豊かさと優雅さが感じられた。
「こんな街を荒らそうオブリビオンは、しっかり退治しないとね」
都市から視線を上げれば、そこには我が物顔で空を駆ける『天馬騎士団』の姿がある。
死人帝国『ジェード王国』の尖兵としてトリリアを支配下に置いている彼女らを、ここから追い出すのが今回の依頼だ。
「折角だし、商人さんから何か役に立ちそうな道具を借りて使わせてもらいましょう」
「ええ、ええ。ウチの店自慢の商品をどうぞお使いください!」
トリリアを拠点とする交易商人達は、マリューズが要請すれば喜んで協力してくれた。
水の都と共に世界各地を巡ってきた彼らの商品の中には、戦いの役に立つ強力な武具やアイテムも存在する。ただ問題は、その何れも一筋縄ではいかない物ばかりで――。
「……何かメガホンみたいな道具を貰ったわ。これで敵に向かって何か叫ぶと良いのかしら」
渡された道具を前から見て後ろから見て、小首を傾げるマリューズ。どう見てもただのメガホンのようだし、それ以外の用途も思いつかない。商人は「これが当店最強の装備です!」と豪語していたが――。
「まあ、試してみましょうか」
「なんだ貴様。我らに歯向かうつもりか」
天馬騎士団は空からこちらを見下ろして、攻撃の機会を窺っている。ペガサスの飛行能力を活かし、【スカイポジション】により制空権を制覇した彼女らの戦闘力は侮れない。そこでマリューズは謎のメガホンを構えると、大きな声で叫ぶ。
「……『空に逃げてないで降りてかかってきなさい!』」
「なんだと!」「言ってくれるな!」
"逃げ"という言葉にプライドを傷つけられたのか、騎士達は兜の下で表情を歪め、続々と降下してくる。向こうも制空権の重要性は分かっていように、随分短絡的にあっさりと地上に降りてきたため、逆にマリューズの方が目を丸くしてしまった。
「……本当に降りて突っ込んできたわ。叫んだ通りの行動を取らせる力のある道具なのかしら」
だとするなら相当強力な道具である。あの商人の自信のほども納得できると、メガホン片手に感心するマリューズ。まあ、単に敵がこちらを舐めていて、挑発に乗ってバカをしでかした可能性もあるが――。
「でも、わざわざ降りてきてくれたならチャンスね」
この好機を見逃す理由はないと、彼女は【空を射る雷光の矢】を発動。クラゲの下半身を揺らめかせ、水の中を泳ぐように空中に浮かび上がり、突っ込んできた天馬騎士の槍を躱した。
「なっ?! ひ、卑怯だぞ!」
見下ろす立場から見下される立場に逆転した天馬騎士団は、一斉に抗議の声を上げる。
だが、そんなものに取り合う理由もなく、マリューズは敵の頭上から三叉槍に変身した海蛇竜「セレニア」を突きつける。
「空は海の嘆きに応え憤る。墜ちなさい」
「「う、ぎゃあぁぁぁぁぁッ
!!?!」」
穂先から放たれる稲妻の矢が、天馬騎士達を次々に撃ち抜いていく。落馬した彼女らはトリリアの水脈に沈み、そのまま二度と浮かんでくること無く、骸の海に還っていった。
大成功
🔵🔵🔵
フォルク・リア
「自分の商品の大事な商品を貸してくれるのなら
それを無駄には出来ない。しかし。」
借りたのは何の変哲もないただ長い縄。
「どう使うか。」
敵の突風に耐えながら反撃のチャンスを窺う。
敵が接近攻撃して来たら攻撃を【見切り】
件の縄を絡めて拘束を図る。
(縄が敵に触れたら其れが意志を持つ様に
敵を拘束する)
「なるほど。こういう使い方か。」
動けなくなった敵はフリージングエッジの氷の刃で攻撃して仕留め
反撃の機会を逃さず誘いの魔眼を発動。
「五感を狂わされては真面に飛行する事は出来ないだろう。
後はこの縄を当てさえすれば。」
其処を投げ縄で拘束して次々に引きずりおろし
氷の刃を放って行く。
「自分の商品の大事な商品を貸してくれるのなら、それを無駄には出来ない。しかし」
水の都トリリアを解放するためにやって来たフォルク・リア(黄泉への導・f05375)は、現地の交易商人から借りた「商品」を手に首を傾げる。強力な魔法の道具だと言われて貸し出されたそれは、何の変哲もないただ長い縄にしか見えなかった。
「どう使うか」
普通に考えれば鞭やロープとして扱うのが妥当だろうか。が、いくら長いとは言っても空中にいる敵にまで届くほどのリーチはない。それなら魔法や銃で撃ったほうが良いのではないか――と、彼は頭を悩ませていた。
「戦場で何を突っ立っている!」
上空にいる天馬騎士団からすれば、ただの縄を持って考え事をしている男を攻撃しない理由はない。彼女らは左手に構えた大盾から荒れ狂う突風を放出し、周囲一帯を【怒れる空神の加護】で包み込んだ。
(この風では飛び道具は使えないか)
風圧に吹き飛ばされないよう姿勢を低くしつつ、フォルクは敵のユーベルコードを分析する。おそらくは強風によって射撃武器の使用を封じる事を目的としたもの。だが、逆に言えばこの領域内では敵も射撃を行うことはできない。
(とすれば、次の動きは)
フォルクの予想通り、天満騎士団は風に乗って空を駆け、ランスによる近接攻撃を仕掛けてきた。自分達が得意とする戦法であれば、決して遅れは取らないという自信が、その動きからは窺える。
「チャンスだ」
だが、向こうから近付いてきてくれるのなら、こちらも持て余していた道具を使用する機会が巡ってくる。フォルクは敵の動きをじっと見極めて、突っ込んでくるタイミングに合わせて、件の縄を絡みつけようと仕掛けた。
「なに……ッ?!」
縄が敵に触れた瞬間、それは意志を持つようにひとりでに動きだし、雁字搦めに相手を縛り上げる。拘束を図ったものではあったが、それはフォルクの予想以上の効果だった。
「なるほど。こういう使い方か」
触れた者を拘束するマジックアイテム。自分が持っていた時は何とも無かったあたり、敵味方を識別する機能もあるらしい。使い方が分かれば強いという、あの商人の言葉に嘘は無かったようだ。
「な、なんだこれは! 解けないっ!?」
拘束された天馬騎士はじたばたともがくが、縄は見た目以上の強度でびくともしない。
この隙にフォルクは片手に持った冷気を纏うサファイアから「フリージングエッジ」を生成し、動けない敵にとどめを刺す。
「では反撃といこう」
「ぎゃぁッ?!」「き、貴様ッ!」
予想外の反撃を受けた天馬騎士団は激昂するが、この反撃の機会を逃すつもりはない。
敵が動揺や焦燥から立ち直る前に、彼は続けて【誘いの魔眼】を発動。瘴気を纏う不気味な無数の赤眼を暗がりから浮かび上がらせ、呪詛の視線を浴びせた。
「五感を狂わされては真面に飛行する事は出来ないだろう」
「ぐっ……こ、今度はなんだ……」「め、目が、耳が……!」
常世を彷徨う数多の怨霊による魔眼の呪詛は、敵の心身を蝕むと共に五感を狂わせる。
これにより平衡感覚を失った天馬騎士団はペガサスを操る事もできず、酔っ払いのようにふらふらと蛇行する。
「後はこの縄を当てさえすれば」
「きゃぁっ!?」
フォルクはそこを投げ縄で拘束して次々に地上まで引きずり下ろし、氷の刃を放っていく。死霊の力を帯びた蒼氷が鮮血の赤に染まり、騎士達の甲高い悲鳴が辺りに響き渡る。
吹きすさぶ風神の加護はいつしか止んでおり、あとには冷たい死の空気が、水面の上をただようのみだった。
大成功
🔵🔵🔵
グラナト・ラガルティハ
商人が自分の商品を把握していないのはどうかと思うのだが…それでもこの状況下だあるものは使った方がいいだろう。
何、最終的に役に立てば問題はない。
キューブ状のアイテムにとりあえず魔力を込めて見る…上手くいった?のかさらに魔力を帯び始めたそれを敵集団に投げれば爆発。
これが正しい使い方かは怪しいところだが役には立った。
さらに追い討ちをかけるべく体制の崩れた敵に
UC【神銃連弾】
「商人が自分の商品を把握していないのはどうかと思うのだが……」
グラナト・ラガルティハ(火炎纏う蠍の神・f16720)の口にした疑問は、至極真っ当なものと言える。良く分からない商品を売りつけてくる商人など、普通は信用されない。
「それでもこの状況下だ。あるものは使った方がいいだろう」
死人帝国の侵攻という存亡の危機に瀕して、彼らも切羽詰まっているのかもしれない。
タダで貸してくれるというなら断る理由もない。こういう時ばかり頼りにしてくる人間には思う所もないではないが、それでも戦の神は鷹揚であった。
「何、最終的に役に立てば問題はない」
そう言ってグラナトが商人から受け取ったのはキューブ状のアイテム。継ぎ目や仕掛けの類は見当たらず、何で出来ているのか素材も不明。非常に精巧な技術を用いた工芸品のようだが、一体どのような用途で作られたのか見当もつかない。
「とりあえず魔力を込めて見るか……」
微かにそれが魔力を宿しているのを感じた彼は、試しに自身の魔力を送り込んでみる。
するとキューブの中でカチリと何かが作動したような音がして、淡い光を放ちだした。
「上手くいったのか?」
確信はないがさらに魔力を帯び始めた謎のキューブを片手に、グラナトは上空にいる『天馬騎士団』のほうを見上げる。制空権を制覇する事の優位を理解している彼女らは、【スカイポジション】を維持したまま慎重に間合いを保っているが――。
「試してみるか。まあ喰らえ」
「何をするつも……りッ!!?」
グラナトがそちらに向かってキューブを投げつけると、それは敵集団の真ん中でカッと閃光を放ち、大爆発。真っ赤な炎と爆風に巻き込まれた騎士達の「ぎゃぁぁぁッ?!!」という悲鳴が、トリリアの空に響き渡った。
「これが正しい使い方かは怪しいところだが役には立った」
敵を倒すのに使えたなら問題はないだろうと、グラナトは真顔で「神銃」を構え。体勢の崩れた敵にさらに追い討ちをかけるべく【神銃連弾】を発動、手にしたものと同様の銃を大量に複製する。
「絶え間なく撃ちぬく」
「「ひっ……きゃあぁぁぁぁぁっ
!!!?!」」
複製された神銃は戦神の号令のもとで一斉射撃を開始し、射程内の敵を悉く撃ち抜く。
猛る烈火の如き神威の前に、悪しき騎士達はその愛馬ごと蜂の巣にされ、雲海の藻屑と散るのであった――。
大成功
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ゲニウス・サガレン
戦場は水の都市、私の親しき水魔アプサラーの力を借りたいところだけど、あの盾を使われたくないな
商人にお力添えをいただこう
1,色とりどりの魔石。だが魔法に利用するには小さすぎる
2,無数の鏡。一斉に太陽光を反射して集中させると高温を作れる、が天馬に当たるか?
……微妙だ
発想の転換といこう
アイテム「フライングシュリンプ」&「海蛍閃光弾」
まず無数の有翅エビたちに閃光弾と鏡を持たせて雲中待機
敵が来たら鏡を持ったエビが密集、閃光弾の閃光を反射
超めくらましだ
UC「水魔アプサラー召喚」
アプサラーよ、この都市の水で水流を作れ
あの魔石を巻き込んで礫入りのウォータージェット!
天馬騎士を叩き落せ!こいつの衝撃は痛いぞ
「戦場は水の都市、私の親しき水魔アプサラーの力を借りたいところだけど、あの盾を使われたくないな」
天馬騎士団が装備する【怒れる空神の加護】を宿した盾を見て、ゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)はそう呟いた。あの盾の力がある限り、射撃武器は全て無効化される。となれば、こちらも攻め方を考えなくてはなるまい。
「商人にお力添えをいただこう」
「へい、とびきりのアイテムをご用意しております!」
水の都をジェード王国の支配から取り戻すためなら、交易商人達は協力を惜しまない。
ゲニウスが彼らから貸し出してもらったのは、色とりどりの魔石と、無数の鏡だった。
「……微妙だ」
魔石は魔法に利用するには小さすぎ。鏡は一斉に太陽光を反射して集中させると高温を作れるようだが、果たして飛行する天馬に当たるかどうか。折角借りたものにケチをつけたくはないが、正直に言って扱いに困る品ばかりである。
「発想の転換といこう」
ナントカと鋏は使いようとも言う。ゲニウスは自身の使い魔(?)である空飛ぶエビ「フライング・シュリンプ」の群れに鏡と"あるもの"を持たせ、雲の中で待機するように指示を出す。そして全員が配置についたのを見届けると、自らは単身敵の前に立った。
「さぁ来るといい」
「挑発のつもりか?」「後悔させてくれる!」
地上で堂々と敵を待つゲニウスに対し、天馬騎士団は【怒れる空神の加護】で突風を発生させながら突進してくる。このユーベルコードの発動中は自分達も飛び道具を使えない以上、接近戦を仕掛けてくるのは予想済み。
「今だ!」
敵が来るのを待って彼が合図を出すと、待機していたエビ達が鏡を持って密集し、渡されていたもう一つのアイテム――南洋産ウミホタルの発光成分を濃縮した「海蛍閃光弾」を起動させた。
「なに――……ッ
!!!?」
閃光弾が発する海蛍の光を鏡が反射する事で、それは指向性の強烈な目眩ましになる。
正面から閃光を浴びた天馬騎士団の視界は真っ白に染まり、暫くの間完全に視力を喪失する羽目になった。
「さぁ目覚めよ、アプサラー! 君の力を、今、ここに!」
すかさずゲニウスは【水魔アプサラー召喚】を発動。飼育用の壺の中から大きな海蛇のような姿をした水魔「アプサラー」を呼び出す。故郷の海ほどではないが、これだけ大量の水がある環境なら、この子の力を発揮するには申し分ない。
「アプサラーよ、この都市の水で水流を作れ」
水魔は飼い主に言われた通り、トリリアの街中の水を利用して巨大な水流を生み出し、操作する。そこにゲニウスが商人達からもらった魔石を巻き込ませれば、礫入りのウォータージェットの完成だ。
「天馬騎士を叩き落せ! こいつの衝撃は痛いぞ」
キラキラと光る魔石を含んだ水流が、津波のように勢いよく敵軍目掛けて押し寄せる。
まだ目眩ましの効いている天馬騎士団には、この攻撃をどうする事もできないだろう。
「「な、なんだこの音は……ッ、うわあぁぁぁぁっ
!!!!?」」
ドドドドと音と立てて押し寄せる水流に呑み込まれ、水圧と魔石の礫に打ちのめされる天馬騎士団。ペガサスの翼でも逃げる事は能わず、上がる悲鳴も水に溶けて消え失せる。
やがてトリリアの真水が元の流れを取り戻した時、その後から浮かんでくる敵は1人もいなかったという――。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
武器…魔法少女に変身(身も心も)する魔法のステッキ
…はあ。結局、押しつけられてしまった。要らないって言ったのに…。
…正直、効果のよく分からない物を実戦で使うのは気が進まないのよね
…今の内に一度、どんな効果があるのか試しに使ってみましょうか(ポチ)
魔法少女衣装(お任せ)に変身して敵の前で名乗りを上げてUCを発動
光の魔剣に武器改造を施した魔法のステッキから光属性攻撃の魔力砲を乱れ撃ちするわ
…魔法少女、リンケージリーヴァ参上!
覚悟なさい、ジェード王国の悪しきオブリビオン!
貴女達の野望はこの私が止めてみせる…!
我が手に集え、希望の力!明日を照らす救済の光よ、刃となれ…!
…あれ、私は今、何を…?
「……はあ。結局、押しつけられてしまった。要らないって言ったのに……」
トリリアの商人から渡された「武器」を手に、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はため息を吐く。この街を守るために力になりたい気持ちは分かるが、だからといって用途不明の道具を渡されるのはありがた迷惑なところがある。
「……正直、効果のよく分からない物を実戦で使うのは気が進まないのよね」
遠方の浮遊大陸で仕入れてきたというソレは、先端に星の飾りがついた短めのステッキだった。握り手の部分には小さなスイッチが付いており、武器というより子供向けの玩具のように見える。……一体コレでどうやって戦えというのか。
「……今の内に一度、どんな効果があるのか試しに使ってみましょうか」
ぶっつけ本番だけは避けようと、リーヴァルディはステッキのスイッチをポチ、と押してみる。すると先端の星飾りがピカッと鮮やかに光りだし、軽やかな音楽が流れ始めた。
「……えっ?」
戸惑っている間に謎の光は彼女を包み込み、外からは見られなくなった状態で"変身"が始まる。元から着ていた黒い戦闘装束は一瞬だけ光の粒子に分解されたかと思うと、白と赤を貴重にしたフリフリ多めのワンピースに形状を変えた。
「なっ、なんだ
……?!」
音と光に気付いてやってきた天馬騎士団が見たのは、可憐な衣装を纏った1人の少女。
まるでUDCアースの女児向けアニメ番組のような格好に変身を遂げたリーヴァルディは、敵の前で堂々と名乗りを上げる。
「……魔法少女、リンケージリーヴァ参上! 覚悟なさい、ジェード王国の悪しきオブリビオン!」
「ま、魔法少女だと? なんだそれは?!」
困惑する敵とは対照的に、リーヴァルディの態度は真剣そのものだ。どうやらあの道具は使用者を魔法少女に変身させる魔法のステッキだったらしい。今の彼女はそれに疑問を抱くこともなく、身も心も完璧に魔法少女になりきっているのだ。
「貴女達の野望はこの私が止めてみせる……!」
可憐な姿にアツい正義のハートを宿し、悪のオブリビオンに立ち向かうリーヴァルディ――否、リンケージリーヴァ。彼女が魔法のステッキを掲げると、その先端から光の刃が伸びて、一振りの剣に変わる。
「我が手に集え、希望の力! 明日を照らす救済の光よ、刃となれ……!」
「な、何をする気だッ?!」
【スカイポジション】を保って警戒を強める騎士団の前で、リンケージリーヴァは高らかに詠唱を紡ぎ、光の魔剣を突きつける。容姿や意識に変化はあっても戦い方を忘れたわけでは無いらしく、ユーベルコードの使い方は肉体と魂が覚えている。
「カーライル・シャイニー・スラーッシュ!」
本来の名を【吸血鬼狩りの業・錬剣の型】と言う、魔剣錬成のユーベルコードによって強化された魔法のステッキから、光の魔力砲が乱れ撃たれる。
未来への希望を感じさせる、眩き閃光の嵐を前にして、悪しきオブリビオンに逃げ場などない。
「「ば、バカな……ぐわぁぁぁぁぁーーーーッ
!!!?!」」
TVアニメの悪役のような悲鳴を上げて、天馬騎士団は救済の光で浄化されていった。
キラキラキラと天に登っていくエフェクトを背景に、リンケージリーヴァは勝利の決めポーズ。その直後、ステッキの効果が切れたらしく変身が解ける。
「……あれ、私は今、何を……?」
どうやら変身中の事はなにも覚えてないらしく、リーヴァルディはステッキを握ったままきょとんと小首を傾げる。しばらく記憶が飛んでいる気がするが、何も思い出せない。
その間にあったことを目撃した者が誰もいなかったのは、果たして運が悪かったのか、それとも良かったのか――。
大成功
🔵🔵🔵
ポーラリア・ベル
本日の島は水の島。
カビパンお姉ちゃん(ユーベルコード)(f24111)と一緒に観光巡りにやってきました。(怪力、運搬)
わーい、水が気持ちいいわ!残暑でまいってたの。
わーい、風が吹いてるわ!(敵技)一緒にごろんごろんしよー!
こんな風に(街中で)のんびりするのもたまには気持ちいいよね(敵前)
所でお姉ちゃんこれなんだけど(先程商人さんから頂いた謎のスイッチ)
押してみない?ね、押してみない?
なんだか自爆スイッチっぽいけどー カビお姉ちゃんからどぞどぞ
ここはポーラが押すべき?いやいやお姉ちゃんのほうがー
それじゃあここは騎士様に押してもらおっか
どうぞ!(飛び掛かってきた敵の攻撃に対してスイッチで防御し)
「本日の島は水の島。カビパンお姉ちゃんと一緒に観光巡りにやってきました」
まるで旅番組のナレーターのようなセリフを喋りつつ、ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)は【冬を告げに来たよ(ねぇよ)】で召喚した悪霊雪女の「カビパン・カピパン」を連れて水の都トリリアを訪れた。
「いえ、観光ではなく戦って欲しいのですが……」
「わぁ、きれいな島ね!」
商人達からの訴えをよそに、彼女の視線は美しいトリリアの風景に釘付けだ。水の都の名にふさわしく、交易で栄えたこの浮遊大陸は、豊かな水源を中心とした優雅な街並みを築き上げていた。
「わーい、水が気持ちいいわ! 残暑でまいってたの」
「わかるわー」
ポーラリアはフェアリーにしては随分な怪力でカビパンを引っ張って運びながら、川辺でちゃぷちゃぷと水飛沫を浴びる。完璧に避暑にやって来た観光客の振る舞いだが、現在この街はジェード王国の支配下にあるのを忘れてはならない。
「貴様ら、何をやっている!」
不審な動きをする連中を空から見つけた天馬騎士団は、即座に【怒れる空神の加護】を発動。盾から荒れ狂う突風を巻き起こし、飛び道具の使用を封じながら圧をかけてきた。
「わーい、風が吹いてるわ! 一緒にごろんごろんしよー!」
「あー、だらだらするの最高ね」
それでもポーラリアは戦う構えを見せず、敵が起こした風に吹かれるまま、カビパンと揃ってマイペースにはしゃいでいる。今の彼女は天馬騎士の事も涼むのに丁度いい扇風機くらいにしか思っていなさそうだ。
「こんな風にのんびりするのもたまには気持ちいいよね」
「き、貴様……我々を舐めているのか?!」
街中で、しかも敵前でこの態度を取れるのは、一周回って豪胆と言えるかもしれない。
勿論それが敵の怒りを買う行為なのは言うまでもないのだが、怒気と殺気をぶつけられても、彼女の笑顔が曇ることはなかった。
「所でお姉ちゃんこれなんだけど。押してみない? ね、押してみない?」
やっぱり上空の敵をスルーしたまま、ポーラリアはふと思い出したようにポケットから謎のスイッチを取り出す。それは先程商人達から「このアイテムであいつらを追い払ってください!」と渡された謎のアイテムである。
「なんだか自爆スイッチっぽいけどー カビお姉ちゃんからどぞどぞ」
「いえいえ、ここはポーラが押すべきよ」
「いやいやお姉ちゃんのほうがー」
見るからに怪しげなソレを誰が押すかで、ポーラリアとカビパンは押し問答を始めた。
絶対ヤバそうなのに押したい気分にかられてしまう、そんな不思議なスイッチを、商人がどこで仕入れてきたのかは謎である。
「貴様ら、いい加減にし……!」
「それじゃあここは騎士様に押してもらおっか」
茶番を見守るのにもとうとう限界がきた敵が、槍を振りかざして襲い掛かろうとした、その時。ポーラリアは名案だとばかりにポンと手を打って、くるりとそちらを振り返る。
「どうぞ!」
「は
……?!」
飛び掛かってきた敵の攻撃に合わせて、スイッチを差し出す。勢い余った槍の穂先が、カチッとそれを押した直後――ドカーンッ!! と大きな爆音が轟き、騎士の姿は炎と煙に包まれた。
「「グワーーーッ
!!!?」」
突如発生した謎の爆発にふっ飛ばされ、墜落していく天馬騎士団。商人達が自信を持って猟兵に勧めたアイテムなだけはあり、威力は十分だったようだ。「相手に押させる」という正しい使い方を理解していた者が、果たしてどれだけ居たかは分からないが。
「なんだかよく分からないけど、いなくなったわ!」
その使用法を偶然にも当てたポーラリアは、うるさい敵も消えたところで再びごろごろを再開する。どこまでも気楽に水の都を楽しむ彼女を、邪魔できる者は誰も居なかった。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
ガジェッティアの友達が身近にいるから
形状からアイテムのおおよその使い方を予測
【オーラ防御】で身を護り
小型系は投げる物かな?
スイッチらしきものを入れて投げつけてみたり
持ち手らしきものがあれば少なくとも持ったまま使う武器かな、多分
…爆炎起こせるような武器だと扱い易いかもな
翼の【空中戦】で接敵し
【高速詠唱】で炎魔法の【属性攻撃】連射
これは射撃武器になっちゃうかな
でも無力化されたところで問題無い
更に借りたアイテムを用いて爆炎を起こし
ダメージの他一時的に目晦ましを仕掛け
その隙に【指定UC】
煙が晴れた頃には鎌に囲まれてるような状況を作り出し
鎌は、斬撃武器だからね
【なぎ払い】の【範囲攻撃】で斬り落とします
「ガジェッティアの友達が身近にいるから、形状からアイテムのおおよその使い方を予測するのは慣れてるよ」
トリリアの商人達から受け取ったアイテムを並べ、その使用法を分析するのは栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。ようはコレもガジェットの一種だと思えば、一見して用途が分からずとも、知識と経験からおおよその見当を付けることはできる。
「これは手のひらに収まるサイズ、ってことは投げる物かな?」
まず彼が最初に手に取ったのは、形状的にも投げやすそうな球体のアイテム。試してみるのにちょうど良さそうな敵は、見上げればすぐ空に。水の都を占拠するジェード王国の天馬騎士団が、刺すような視線で彼を睨んでいた。
「この都は既に我らのもの。貴様らなどに明け渡す訳には……!」
各方面で敗北を繰り返し、劣勢に立たされつつある天馬騎士団は、焦りを滲ませながら突撃する。空中戦における彼女らの戦闘能力は確かなものだが、対する澪に恐れはない。
「これを押して、と。よし」
彼は球体に付いていたスイッチらしきものを入れ、アンダースローで敵に投げつける。
するとソレは空中でカチッと作動音を鳴らして、強烈な閃光を放った。どうやらコレは光で敵の目をくらませる、手榴弾の一種だったようだ。
「くっ?! め、目が……!」
至近距離で閃光を浴びた天馬騎士団の動きが止まる。この隙に澪は純白の翼を広げて、ふわりと空に舞い上がる。空中戦は何も敵だけの特権ではない――オラトリオである彼の飛行能力はペガサスにも劣らなかった。
「道具だけが僕の武器じゃないよ」
素早く呪文を唱えて、放つは炎の魔法。矢継ぎ早に連射されるそれに焼かれた天馬騎士は「ぎゃぁっ?!!」と悲鳴を上げて、火達磨になりながら愛馬と共に落ちていった。
「くそっ、我らを侮るなよ!」
対抗して天馬騎士団は【怒れる空神の加護】を発動。盾から発生する突風が戦場を荒れ狂い、澪の放った炎を吹き散らしていく。この風邪が吹いている環境下では、飛び道具の類は通用しなくなるようだ。
「魔法も射撃武器になっちゃうかな。でも無力化されたところで問題無い」
澪は風に乗って突っ込んでくる騎士達の攻撃をひらりひらりと躱し、風の魔力をこめた靴「Venti Ala」で空中を駆けながら、次のアイテムを取り出す。彼がトリリアの商人達から借りた商品はひとつでは無かった。
「これは持ち手らしきものがあるから、少なくとも持ったまま使う武器かな、多分……爆炎起こせるような武器だと扱い易いかもな」
細長い杖状の道具を敵に向けて、ぐっと魔力を籠めてみると、予想通りその先端から炎が吹き出す。射程はそれほど長くないが、真っ赤に燃え盛る爆炎と煙は敵の視界を塞ぎ、接近を躊躇させるには十分だった。
「くっ。また妙な道具を……」
空中で立ち止まった天馬騎士団は、より強い突風を起こして炎と煙を散らそうとする。
だが、空神の加護によって煙が晴れた頃には、彼女らの周りには紅色に澄んだ美しき鎌が幾つも浮かんでいた。
「これでも鎌使いなんだよね」
それは目くらましの隙に澪が発動していた【紅色鎌鼬】。増殖する無数の鎌は全方位から敵を取り囲み、主が敵意を向けた対象に一斉に襲い掛かる。射撃を無効化する空神の加護をもってしても、この攻撃は防げない。
「鎌は、斬撃武器だからね」
「「ひっ……ぎゃぁぁぁぁっ
!!!!」」
身を護ろうとした盾もろとも、紅き鎌は天馬騎士団をなぎ払い、その身を斬り落とす。
バラバラになった彼女らの骸は自らが起こした風に乗って雲海に散らばり、そして二度と浮かび上がってくる事は無かった――。
――かくして、猟兵達はトリリアを占拠するジェード王国軍に、大きな打撃を与えた。
水の都をオブリビオンの支配から解放し、そしてアルカディア争奪戦に勝利する為に、彼らはなおも戦い続けるのだった。
大成功
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