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アルカディア争奪戦⑨〜きのこウォーズDX

#ブルーアルカディア #アルカディア争奪戦


●スタートボタンを押してね!
 何やら、電子音による軽快なメロディが響くグリモアベース。
 ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)が、猟兵達に示したホログラムマップ、ブルーアルカディアの各島を表すその一か所に、ピンが立っていた。
「ここが、スーパーよいこランドです。スーパーよいこランドでございます」
 大事な事であり、聞き間違えではないので、二度言った。
「特有のきのこを食べて育った『スーパーよいこ』を住人とする浮遊大陸が、『マグナ聖帝国』の侵攻を受けているのでございます」
 スーパーよいこの性質は、まさによいこオブよいこであり、更には、猟兵に匹敵する戦闘力を備え、ユーベルコードを扱う事のできる超人だ。
 それはそれとして。

「マグナ聖帝国がこの島を狙う目的は、この地に自生するきのこでございます。スーパーよいこの力の源泉たる、きのこ。それを食す事で、帝国の兵力を増大しようと目論んでいるのです」
 聖帝国も本気らしく、大軍を送り込んできた。
 軍を構成するのは、『ゴツメウサギ』。外見どおり、獰猛で野蛮な種族らしい。
「スーパーよいこ達も身体能力は高いのですが、いかんせん敵の数は、圧倒的。よいこ達がひどいめにあう様は、私も見たくはありません」

 幸い、きのこが力を与える対象に、制限はない。すなわち、猟兵もきのこを食べる事でパワーアップする事が可能なのだ。
 しかもきのこは、そこら中に生えている。
 時折生えている巨大きのこに至っては、踏みつけることで大ジャンプができるという。
 アイテム、そして地形としてきのこを利用し、帝国軍を撃退するのだ。

「スーパーきのこ。いかなる味がするのでしょうか。興味は尽きませんが、今回はその力こそが重要。メキメキとパワーアップしてポワンとジャンプ、ゴツメウサギを撃退してくださいませ」
 ピョーン、と特徴的なSE付きでジャンプしてみせるヴェルタールであった。


七尾マサムネ
 当シナリオは、『アルカディア争奪戦』の戦争シナリオです。
 一章のみで完結します。

 なんだか横スクロールアクションの気配がしますが、それはそれとして帝国と戦いましょう。
 きのこによるパワーアップは、シンプルに力がみなぎる他、時には体が大きくなるコトもあるようです。
 また、島には、巨大きのこの他、ブロックなどの構造物があちこちにあります。たぶん、遺跡の一部とかだと思われます。

●プレイングボーナス
 きのこを食べる/巨大きのこで大ジャンプする。

 それでは、きのこを食べてすくすく育ちましょう!
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第1章 集団戦 『ゴツメウサギ』

POW   :    ゴツメウサギ流解錠術
【鍵による刺突】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    空を跳躍する者
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    恐怖感染
【なす術もなく墜ちていく恐怖心】によって【胸からモザイクの濁流】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
👑11
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馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風

キノコ食べましてー。さらに、巨大キノコのジャンプ台も活用しましょうかー。

ええ、どうも…UC性質は一緒のようで、相手は近接。
私が近づく必要なぞ、ないのですよねー。高い場所から風属性+UC付きで漆黒風を投擲しますねー。
ああ、たまに陰海月が同じようにジャンプ台活用したと思ったら、足場になってくれたりねー。
それで、落下タイミングをずらしたりねー。

まあ、万一のときは…四天霊障の押し潰しもやってたりするんですけどねー。


陰海月、一度は巨大キノコジャンプ台を使ってみたかった。ぷきゅう!



 空の戦、此度の出番は、『疾き者』。
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は、転移した戦場を見渡した。
 広がる島の自然、そして謎のブロック。
 とりわけ義透の目を引くのは、巨大なきのこ。
 そのかさは、ちょうど人が乗るのにいい感じの大きさと適度な平らさがある。乗って! さあ! と誘っているよう。
 そして、小さなきのこも発見。
「なんともいえない色をしてますねー」
 橙色に、白の斑点。
 毒性はないはず。よいこ達がスーパーすくすく成長するくらいだから。
 もぐっ、と、きのこを食した義透の元に、敵がやってきた。ゴツメウサギの群れだ。
「ウララララー!」
「そのきのこはオレ達のもんだぜ」
 やたら巨大な鍵を振りかざし、一列になって接近してくるゴツメウサギ。
 敵は、黒ずんだ血に塗れた鍵での接近戦が得意のようだ。ぶんぶん、とこれみよがしに振って、漲る闘志をアピールしてくる。
 ユーベルコードの性質こそ同じ。
 だが、相手が望む間合いに付き合ってやるほど、『疾き者』とてお人好しではない。
「私が近づく必要なぞ、ないのですよねー」
 巨大きのこの上に陣取った義透は、『漆黒風』を投擲した。
 馬鹿正直にこちらに向かって来る敵は、恰好の標的だった。
 きのこパワーで増した膂力から繰り出された漆黒風は、確実に敵を仕留めていく。
「チキショー」
「きのこなんざなくても、ウサギのジャンプ力を舐めるなよ」
 ぴょんぴょん、と攪乱、もしくは挑発するように、空中で反復横飛びしてみせるゴツメウサギ。
 そう簡単に狙いを定めさせはしないぜ、と狂気的な笑み。
 が、義透を射程に収めようとした瞬間。
 巨大きのこを蹴って、ぽよん、と義透が跳び上がった。
「フン、どんなに高く跳んでも、必ず落ちてくる運命だぜ!」
 義透の落下地点を予測し、待ち構えるゴツメウサギ達。
 だが、義透を待ち受けていたのは、ゴツメウサギ……ではなく、巨大な半透明……陰海月だった。
『ぷきゅう!』
 ぷよぉぉん!!
 巨大くらげも、巨大きのこを使ってジャンプ、義透の元に駆け付け、足場となったのだ。
 一度は巨大キノコジャンプ台を使ってみたかった。陰海月の願いは叶った。
「なにー!?」
 陰海月を介したことで、落下タイミングをずらし、進路を変えた義透を見上げるゴツメウサギ。
 攻撃のタイミングを外され、態勢を崩せば致命的。
 漆黒風の的となって、狩られていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

山吹・慧
スーパーよいこ……きのこを食べてパワーアップ……。
なんかわかるようなわからないような話ですね。
まあ帝国の手に落ちたらマズイのは確かですし、
やってみましょうか。

ええと、これ本当に食べて大丈夫なやつですよね?
ちょっと不安なので火を通しましょう。
(グリルしてから意を決して口に入れる)
味は……まあ普通にきのこのそれでしょうか。
ですが確かに力がみなぎってきました。

構造物を利用して戦いましょう。
ダッシュで敵を攪乱してから、下の層に回り込み
拳でブロックごと突き上げて【吹き飛ばし】ます。
更に巨大きのこを利用した大ジャンプで踏みつけ、
ファイアボール……ではなく炎をのせた
【星蓮掌】の【乱れ撃ち】で片付けましょう。



 グリモアベースで耳にしたメロディを思い出しながら、山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)は今回のステージ……もとい、戦場へと降り立った。
 妙に豊かな自然。あちこちに生える大小のきのこ。
 そして空中に浮かぶブロック……。
「スーパーよいこ……きのこを食べてパワーアップ……なんかわかるようなわからないような話ですね」
 空は広い。慧は、改めて世界の懐の深さを知った。
 そして、空、飛行艇から次々と放出される、白い影。ゴツメウサギだ。
「まあ帝国の手に落ちたらマズイのは確かですし、やってみましょうか」
 着地した敵群が、迫って来る。
 迎え撃つ慧は、近くに生えていたきのこに手を伸ばす。
「スーパーなきのこ……ええと、これ本当に食べて大丈夫なやつですよね?」
 白い斑点が怪しい。
 いささか不安だったので、念の為グリル。きのこが芳ばしい香りを放ち始めたところで、慧は、意を決して口に入れた。
 味は……。
「まあ普通にきのこのそれでしょうか。ですが確かに力がみなぎってきました」
 不思議な効果音がしたので、間違いないだろう。
 そこへ、蛮族が迫って来た。
「ウラララララ!!」
 ゴツメウサギが巨大な鍵を振りかざして、真っ直ぐに慧を目指して襲い掛かって来る。
「ここは……構造物を利用して戦いましょう」
 慧は、ダッシュで敵陣へと向かった。
「飛んで火にいる夏の虫だぜ!」
 ぴょん!
 ゴツメウサギが、空中ジャンプを披露して、近くにあった浮遊ブロックの層に飛び乗った。慧の上方に陣取る事で、有利に攻撃を仕掛けようと言う算段だろう。
 だが、慧も、素早い動きで相手のジャンプ攻撃を回避。
 反対に相手をひとしきり攪乱した後、ゴツメウサギ達の下……すなわち、浮遊ブロックの下方に回り込んだ。
「えいやっ」
 拳でブロックごと、ゴツメウサギを突き上げる。
 するとブロックは粉々になり、上にいたウサギは、ぴょーんと空高く飛んで行った。
 これぞ、スーパーきのこパワー!
「まさか、きのこを食ったのか! ちきしょう!」
 ぎらっ、赤眼で慧を睨むウサギ。慌ててブロックから降りたその視界に、慧は、いない。
「……上!?」
 巨大きのこを利用した大ジャンプ。きのこパワーを借りた脚力で踏みつけられたウサギは、ぎゅむっと潰され、たたらを踏んだ。
 そこへ、ファイアボール……ではなく炎をのせた【星蓮掌】の乱撃が叩きこまれ、見事に光に呑みこまれたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サリー・オーガスティン
■SPD
キノコで幻覚、などという危ない作用がライダーのボクにとっては怖い

ここはシンプルに地形の利用に留めよう
(オフロードバイク=エルウッドに跨がり、時を待つ)

【UC】使って不可視の状態になったところで、[操縦、騎乗、地形の利用、ダッシュ]使って、巨大キノコで大ジャンプ!からの攻撃だ
「エキゾーストノートやタイヤの音はどうしようもないけども、不可視のボクからの攻撃ってどうだい?」

[スナイパー、一斉発射、誘導弾、2回攻撃、零距離射撃、なぎ払い、援護射撃、クイックドロウ]で確実に数をへらしに行こう

空中ジャンプは確かに厄介だけど、地形を使いこなせる自信は、ボクとエルウッドならある!

※連携・アドリブ共歓迎



 オフロードバイク・エルウッドが、スーパーきのこランドを駆ける。
 愛車を駆るサリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)は、さっそく進路上にアイテムを発見した。
 きのこだ。
 スーパーきのこだ。
「キノコで幻覚、などという危ない作用がライダーのボクにとっては怖い」
 そんなことないよ! 美味しいよ!
 サリーへと訴えかけてくる気がするきのこ。既に幻覚の効果が……?
 それはそれとして。
「ここはシンプルに地形の利用に留めよう」
 巨大きのこや、空中に浮かぶブロック。謎に開いた穴。そして土管。
 これらを上手く使えば、敵の優位に立つ事もできるだろう。
 エルウッドに跨がり、時を待つサリーへと、白い悪魔が近づいて来た。
「ウラァァ! きのこよこせやぁぁぁ!」
 黒ずんだ血に塗れた巨大鍵を振りかざし、接近してくるゴツメウサギの集団だ。
 だが、正面切って手合わせしてやる義理はない。
「何ッ!?」
 ぎろり、ゴツメウサギの赤眼が見開かれた。
 サリー達が、衝撃波を起こして急加速して、視界から掻き消えたからだ。
「何処に行きやがった」
「全殺しにしてやるウラァ!」
 ぶんぶん、と鍵を振って、威嚇するゴツメウサギ達。
 しかし、サリーの姿は見えていない。気配も捉えられていない。
「さっさと出て来やがれ、ボッコボコに……げふっ!?」
 ウサギの一羽が、突然、吹き飛ばされた。
 響くエキゾーストノート。弾ける衝撃。きゅい、っと方向転換するタイヤの音。
 それらが、サリーがすぐそばに存在する事を教えてくれる。
 見れば、ウサギの近くの巨大きのこが、ぷよぷよんと揺れている。
「あれを使って大ジャンプしたのか!」
「エキゾーストノートやタイヤの音はどうしようもないけども、不可視のボクからの攻撃ってどうだい?」
「ケ、オレ達の長い耳があれば音なんざ……ぐふっ!」
 ぴくぴく。
 自慢の耳を動かし、聴覚を全開にするゴツメウサギは、今度は銃撃を受けた。
 Dragoon Musket、更にはエルウッドにマウントされたアームフォートからの射撃が、派手に敵を撃ち抜いていく。
「そっちが跳ぶならこっちもだぜ!」
 虚空を蹴り、跳びかかって来るウサギを、巨大きのこをジャンプ台として回避。そのまま別のウサギへと接近し、空中で交錯。
 銃口を敵のもふ腹に当て、ゼロ距離射撃!
 ランドの地形を使いこなしたサリーとエルウッドに、ゴツメウサギは終始、翻弄され続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
ジャンプするなら攻撃方法も踏みつけだな!
シンプルにパワーアップしまくればいいってワケ!
しかし一人で食べまくるのは大変だぜ!

じゃあ助っ人を呼ぶぞー!
『ミスター・シャーク』を召喚して騎乗することで、移動スピードも捕食スピードもアップするって寸法よ!
具体的にはシャークさんがペロンときのこを丸呑み!
あたしは移動中でも食べるのに専念できる!

そしてパワーを蓄えたらいざ勝負!
敵は鍵で突いてくる直線的な動き!
ジャンプで避けるにはちょうどいいな!

もし空中にいる瞬間を狙われたら!
シャークさんに囮もとい武器受けしてもらってる間に、その背からさらにジャンプして踏みつけるぞ!
飛び降りによる2段ジャンプテクニック炸裂だ!



 混戦模様のスーパーよいこランド。
 そこに、更なるカオスをもたらすべく……じゃなかった、スーパーよいこ達と島を守るため。
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が、ばびゅーんと駆け付けた。
 奇妙なブロックが浮かんだりする景色の中、ひときわフィロメーラの目を引くのは、ドデカサイズの巨大きのこ。
「ジャンプするなら攻撃方法も踏みつけだな! シンプルにパワーアップしまくればいいってワケ!」
 さっそくスーパーなきのこを見つけて、フィロメーラの目が輝く。
 だが問題がある。フェアリーにとっては、普通のきのこでさえ、まあまあデカイ。
「一人で食べまくるのは大変だぜ! カモン! シャークさん!」
 フィロメーラに呼ばれ、じゃばーんと空を泳いで現れたのは、助っ人『ミスター・シャーク』。
「いくぜシャークさん! ライドオン!」
 颯爽とミスター・シャークの背に騎乗するフィロメーラ。
 力を合わせて、移動スピードも捕食スピードもアップ!
「シャークさんがペロンときのこを丸呑み! あたしは移動中でも食べるのに専念できる! どうだこの作戦!」
 シャークさんは紳士なので、フィロメーラの名案を賞賛してくれた。
 もりもり! 次々とスーパーきのこを食べまくったフィロメーラは、すっかりフェアリーの領域を超えるスーパーフェアリーになった。
「あっ、サメがいるぜ!」
「サメ怖い! コロセ!」
 やたら力をみなぎらせてはしゃいでいるフィロメーラを見つけたゴツメウサギ達が、殺到して来る。
 けれど、フィロメーラの方も、パワー充填120%!
「ウラララ!!」
 奇声を発して、武器である鍵を振り回してくるゴツメウサギ。
 だが、所詮は直線的な動き、ジャンプで避けるにはちょうどいい軌道だった。
 ぴょーん!
 巨大キノコを踏んづけ、自在に跳びあがり、敵襲をかわしまくるフィロメーラ。
「おっと、もらったぜ!」
 きのこの代わりに、仲間を踏み台にしたゴツメウサギが、フィロメーラの元にダイブ。
 がぶっ!
「なに! サメ! 邪魔するな!」
 鍵の切っ先に噛みついたのは、シャークさんだった。
 シャークさんが身を挺して囮もとい武器受けしてくれている間に、フィロメーラはその頼もしい背中からジャンプ。
 飛び降りによる2段ジャンプテクニック炸裂!
 更に更に、きのこパワーと重力波を掛け合わせた重力隕石落とし!
 超速度で、地上に叩きつけられるゴツメウサギ。
 生まれたクレーターの形は、どことなくきのこ風だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
なんか……不思議な浮遊大陸だねえ。
まあいいや、サクッとウサギ狩りといこうか。

さて、まずはきのこを食べればいいのかな。
……なんかブロックを叩いたらきのこが生えてきたなあ。
まあ、衝撃を受けたきのこが急成長するのは珍しいことじゃないか。
うん、味は美味しいね。
体が大きくなったけど気にしないでおこう。

後は巨大きのこでジャンプして空中を跳ねてるウサギたちの頭上をとったら、
【飛天襲爪】で上から踏みつけて、そのままジャンプして次々踏んでいこうか。
さて、着地するまでに何体踏んで倒せるかな。

ん?今なにか軽快な効果音めいた音がしたような。
気のせいかな。



 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)が降り立った浮遊大陸は……なんとも不可思議な景色だった。
 ファンシーなきのこが生えているし、辺りにはどういう原理か、ブロックが浮いている。
 牧歌的な風景には不釣り合いな、土管があちこちに生えていたりもする。
 そして仕上げに、何だかごついウサギがあちこちを徘徊している。侵略だ。
「なんか……不思議な浮遊大陸だねえ。まあいいや、サクッとウサギ狩りといこうか」
 ペトニアロトゥシカは、依頼に取り掛かる前に、パワーアップアイテムを探した。
「さて、まずはきのこを食べればいいのかな」
 あいにく、ペトニアロトゥシカの周りには、きのこはなかった。
 代わりに、ブロックがある。その表面には、記号……『?』と表示してある。
 叩け!
 ブロックがそう訴えている気がして、ペトは、下から突き上げるように叩いてみた。
 びょこん!
 ブロックからきのこが生えて来た。
「まあ、衝撃を受けたきのこが急成長するのは珍しいことじゃないか」
 細かい事は気にせず、きのこを食してみる。
「うん、味は美味しいね。ついでに体が大きくなったけど気にしないでおこう」
 一回り……二回り? サイズアップしたペトニアロトゥシカは、さっそく腕試しに向かった。
「猟兵だ!」
「倒せ! ウラァーッ!」
 聖帝国の兵力たるゴツメウサギが、のしのしと隊列を為して接近して来る。なんなら、空中を蹴って、素早く近づいてくる。
 狙いはきのこの力。しかし、渡しはしない。
 ペトニアロトゥシカは、手近な巨大きのこへと飛び乗ると、反発力を生かして、大ジャンプ。
 ウサギもびっくりの跳躍力を発揮して、ゴツメウサギの更に頭上をとる。
「オレ達より高く跳びやがった!?」
 そして繰り出すは、きのこの神秘力を加えた、【飛天襲爪】!
 ゴツメウサギを強かに踏みつけると、その体を足場にして、そのまま再度ジャンプ。リズミカルにウサギを次々と踏んでいく。
「さて、着地するまでに何体踏んで倒せるかな」
「ぎゅむっ」
 奇妙な声を上げて、蹴り倒されていくゴツメウサギ。
 モザイクの欠片だろうか? その体から数字めいたものがこぼれ落ちていく。それも、100、200と徐々にアップして。
「ぐふっ」
「げはっ」
『ピロリロリン♪』
「……ん?」
 今なにか軽快な効果音めいた音がしたような。
「気のせいかな」
 けれど、今なら一回くらい倒されても、もう一度挑戦できるような気がするペトニアロトゥシカだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
兎さんかわ…いや、怖…モザイク…

力には自信が無い無い僕なので
きのこを食べて物理アップ
自身を【オーラ防御】で護りつつ
大きのこを足場に翼の【空中戦】も組み合わせて
素早い動きで翻弄しつつ
★鎌を用いて【なぎ払い】の斬攻撃
当てたらすぐに飛び退くヒットアンドアウェイ戦法

接近戦は苦手だからね
時には【高速詠唱】で雷魔法の【属性攻撃】で麻痺させ牽制
なるべく相手の領域には入らないようにしたい

ただ、向こうは回復がある分地道に削っててもジリ貧だからね
少しでも好きが見えた瞬間勝負に出るよ
【紅色鎌鼬】発動
敵兎さんの数だけ増殖させた鎌を操り
手の一振りを合図に一斉に切り付けます

力は無いけど
切れ味には、自信があるよ



 猟兵達と、アクションを繰り広げるゴツメウサギ。
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、遠目に見たその姿に思わず心惹かれた。
「兎さんかわ……いや、怖……」
 よく見れば、胸あたりのモザイクがコワイ。目もコワイ。
 ぎろり!
 澪を視界に収めたゴツメウサギが、鍵を手に、続々と近づいてくる。
 力には自信が無い。澪は、辺りを見回し、きのこを発見。もぐっと食して、物理アップ!
「これが……スーパーきのこのパワー……!」
 体の奥底から湧いてくる謎エナジー。体が軽い。よいこに育ちそうな気がする。
 きのこの神秘パワーで、より輝きを増したオーラで身を包むと、澪は、ビッグなきのこに飛び乗った。
 ぽわん、と、かさを揺らして空へ。翼も広げ、敵の頭上を取る。
「くそっ、ちょこまかしてる奴だ!」
 飛行能力のみならず、大きのこも利用した澪の空中戦に、翻弄されまくるゴツメウサギ。
 一気に間合いを詰めると、鎌を振って、ゴツメウサギ達を薙ぎ払う。
「油断したな、もらったぜ!」
 倒れる仲間を隠れ蓑にして、飛び出してきたゴツメウサギが、鍵を突き出す。
 だが、澪は攻撃を当てた瞬間、すぐさま飛びのき、それを回避。
 ヒット&アウェイ、必要以上に相手の領域に留まる事はしない。
「接近戦は苦手だからね」
 しかし、相手はむしろ得意が接近戦。
 何とかして澪に近づこうとするゴツメウサギ達を、雷魔法が焼き払った。
 普段以上の威力と派手な輝きに、驚く澪。
「なんだかいつもよりすらすら唱えられる」
 きのこパワーで、高速詠唱も滑舌アップ。
 この調子なら……しかし澪は、敵の異変を感じ取った。
「く……」
「あァ、怖ぇ怖ぇ……」
 ぶるぶる。
 ゴツメウサギ達が震えだしたかと思うと、その胸のモザイクが噴き出した。
 渾沌の濁流は、仲間達を呑みこみ、受けた傷を回復していってしまう。
 と、いう事は、地道に削っていてもジリ貧。澪は、好機を見出し、一気に勝負に出た。
 敵が、回復を終えたタイミングを狙う!
「!?」
 再生を果たし、澪に襲い掛かろうとするゴツメウサギが、足を止めた。
 周囲に出現した、無数の……正確には敵ウサギと同数の……紅色の鎌。
 それは、澪の手の一振りを合図として、一斉にゴツメウサギ達に切りつけた。
「力は無いけど、切れ味には、自信があるよ」
 白い毛並みが、瞬く間に鎌と同じ色……すなわち赤へと染められた。
 ウサギ自身もモザイクに分解されて、空の藻屑と化したのだった。

 ひょこっ。
 巨大きのこの陰から、少年少女が顔をのぞかせる。
 猟兵達の戦いをこっそり見ていた、スーパーよいこ達だ。
「ありがとう! ボクらのランドを守ってくれて!」
「お礼に、料理を食べて行ってください!」
 にぱっ、と、陽光のような笑顔で、よい子達はメニューを発表した。
「ランド名物、絶品のきのこ料理です♪」
 まあそうなるか……猟兵達は、納得した。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年09月08日


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#アルカディア争奪戦


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト