アルカディア争奪戦⑤〜アイスジェイルブレイク
●極寒の地からの脱出
「みんな集まってる? 今回向かってもらいたいのはここ……飛空氷塊アリステラよ」
アヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)が早速説明を始める。
飛空氷塊アリステラとは『天帝騎士団』の天帝・冬のアスタルシャが、かつてその強力無比なユーベルコードを天使核に注いで創造した、全てが雪と氷で出来た浮遊大陸だ。
「目的は不明だけど、アリステラには他の島から連れてこられた奴隷が大勢働かされている事が判明したわ。そこで、みんなには彼らを救出してもらう事になるんだけど……」
アヤカがスクリーンを切り替えると、雪だるまのような何かが映し出される。
これは一体?
「奴隷の監視目的で造られたアリステラの雪で作った雪だるまの怪物、スノーゴーレムよ。こいつらがいる限り、奴隷の解放は厳しいと見ていいでしょうね……」
見た目こそ可愛らしい雪だるまの姿をしていても、その中身は屍人帝国の命令でのみ動くマシーンのような存在。
奴隷の脱走や侵入者を検知すれば、容赦なく襲いかかってくるだろう。
しかも奴らの数はかなりの物らしく、島全体をほぼカバーしている徹底ぶりと、実に厄介な存在である。
「そこで今回は
飛空艇艦隊の面々との共同作戦を行うわ。みんなは彼らと協力しつつ、奴隷解放を目指してほしいの」
作戦内容としては主に二つ。
一つは猟兵達が陽動を行い、その間に勇士達が奴隷を解放する事。
もう一つは勇士達が陽動を行い、猟兵達がその間に奴隷を解放する逆のパターンだ。
「……とは言えスノーゴーレムの数は非常に多く、まともに戦うのは得策じゃないわ」
もし侵入者を感知すれば、奴らは一気に集まってくる事だろう。
ある程度の戦闘力と地の利を生かした再生能力を持っている事から、長時間の滞在は危険である……そうアヤカは付け加えた。
いかにして奴ら相手に立ち回るかも重要となる事だろう。
「それじゃ、準備が出来次第みんなを転送するわ。寒さ対策も忘れずにね!」
そして説明を済ませたアヤカがゲートを開く。
果たして猟兵は極寒の地から奴隷を解放する事が出来るのか?
いよいよミッションが始まる……!
NS
はいどうも、
NSでございます。
少しずつ、着実にルート解放は進んでいるようですね。
戦争シナリオ二本目です、今回もよろしくお願いします。
●目的
飛空氷塊アリステラから奴隷を解放する。
プレイングボーナス:
飛空艇艦隊の陽動を利用し、奴隷達を救出する/自ら囮となり、
飛空艇艦隊を自由に行動させる。
勇士達は知識や行動力、戦いにも長けた者達で構成されています。
彼らは猟兵ほどの戦闘力はありませんが上手くやってくれるはずなので、どう使うかは皆さん次第です。
またスノーゴーレムは非常に数が多く、正面からやり合うのは厳しいと思われます。
●ご注意
プレイング受付は章の導入部を書いてから開始となります。
戦争シナリオは戦況にも影響するため、なる早で完結を目標としております。
そのため、リプレイは出来るだけ早めにお返し出来ればと思います。
また、クリアに必要な人数が集まり次第プレイング受付を締め切る方針です。
その際には『プレイング受付〆切』とタグに表記します。
もし参加人数が多い場合、不採用も出る事を予めご了承の上でご参加下さい。
それでは極寒の地より奴隷を解放して下さい。
第1章 冒険
『奴隷解放作戦』
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POW : 力ずくでスノーゴーレムを破壊する
SPD : 監視の目を潜り抜け、奴隷達に接触する
WIZ : 魔法を使い、スノーゴーレムの稼働に干渉する
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●アリステラ上陸
「……よし、見えてきたぞ。あれが飛空氷塊アリステラだ」
飛空艇艦隊の飛空艇に乗船した猟兵達は空から目的地付近へと接近する。
アリステラの地表には氷で出来たと思しき奴隷収容施設がいくつもあった。
奴隷はおそらくそこに収容されているのだろう。
「だが、まずはあのスノーゴーレムをどうにかしない事には奴隷の解放は不可能か……」
話に聞いていた通りスノーゴーレムの数は非常に多く、警備は厳重……勇士の言うように、やはりが奴らが一番の障害となるようだ。
見かけによらず戦闘力も一定数ある事から、油断ならない相手である。
「この解放作戦は君達の力が必要不可欠だ。俺達も全力でバックアップさせてもらうから、頼んだぞ……!」
勇士達の出撃準備は既に完了している。
後は作戦の要となる猟兵がどう動き、勇士達に指示を出すかだ。
こちらの用意が出来次第、直ちに上陸して奴隷解放作戦の幕開けと行こう!
ロラン・ヒュッテンブレナー
○アドリブ絡みOK
奴隷
・・・・・・
同じ人間同士で、どうしてこんな
そういうのは、許さないの
囮は任せて、派手に行くの
魔力接続、システムオールグリーン
アルターギア、起動
左腕部、インフェルノランチャーMg装着(左腕を包むようにドッキング)
敵陣近くに高速飛行して気を引き、距離を離して着地、射撃体勢へ
ランチャー、エネルギーチャージ開始
魔術陣装填
機体保護結界展開
ターゲットロック、敵密集地に高熱エネルギーを掃射なの
射撃後はランチャーは送還なの
高熱のフィールドができたらUC発動、そのフィールドで待ち受けて時間を稼ぐの
フィールド温度低下中、そろそろ潮時だね
一気に高度を上げて離脱なの
救出組は、うまくいったかな?
●凍土の大地に炎は走る
(奴隷……同じ人間同士で、どうしてこんな)
ブリーフィングで耳にした奴隷と言うワードに、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)の表情が曇る。
ダークセイヴァーの解放と復興を目指す彼からすれば、色々思うところがあるのだろう。
一体何のために天帝騎士団がこの島で奴隷を働かせているのかまでは分からないが、何せオブリビオンである屍人帝国……よからぬ事であるのは想像に難くない。
「さて、どうやって奴隷を解放した物か……」
「囮は任せて、派手に行くの」
勇士達がいかにして攻め込むかを考えていた矢先、ロラン自らが囮を買って出た。
その間に奴隷の解放は任せる、と言う事なのだろう。
「君がスノーゴーレムを大勢呼び込んでくれるって事か……よし、頼んだぞ!」
「うん……っ!」
自分の働きが奴隷解放に大きく関わると言う責任感にプレッシャーを感じつつも、ロランは力強く返事をする。
……そしていよいよ出撃の時が来た。
「魔力接続、システムオールグリーン。アルターギア、起動……左腕部、インフェルノランチャーMg装着」
ロランは愛機である『アルターギア』に搭乗すると、コクピットに火を入れる。
アルターギア専用の魔導式プラズマ砲『インフェルノランチャーMg』が左腕を包むようにドッキングされた事で出撃準備が完了したロランは飛空艇の甲板から勢いよく飛び出していった。
「うん、いっぱい来てる……ここまでは予定通り、なの」
ロランの駆るアルターギアがスノーゴーレムの気を引くよう意図的に敵陣近くを高速飛行すると、スノーゴーレムが不審者を確認したとばかりに後を追いかける。
その直後、どうやって連絡しているかは不明だが、その数は雪だるま式に増えていった。
そこからアルターギアは距離を離して着地し、射撃体勢に移行する。
「ランチャー、エネルギーチャージ開始。魔術陣装填。機体保護結界展開……」
淡々とロランがインフェルノランチャー発射シークエンスを口にしていくと、機体から魔法陣と保護結界が展開される。
メインモニターには大勢のスノーゴーレムがやってくる様子が見えた。
「ターゲットロック、敵密集地に高熱エネルギーを掃射なの」
そこへロックオンサイトが赤く光ると、インフェルノランチャーからプラズマ熱線が掃射され、高熱のフィールドが出来上がる。
多少の熱ではびくともしないスノーゴーレムであったが、それを上回る高熱もあってか、体の一部が溶け出していた。
「ランチャー送還……完了なの。あとは出来るだけ時間を稼ぐの」
そのまま高熱のフィールドで待ち構えるロランは、やってきたスノーゴーレムに対し『
破邪結界【Luce a spirale】』で迎撃を開始する。
高熱のフィールドで弱化したスノーゴーレムが破壊されては、どこからともなく再び現れると言う事を繰り返していき……
「フィールド温度低下中、そろそろ潮時だね」
そしてフィールドが消失しようと言う辺りでロランは機体を急上昇させ、離脱する。
十分に時間は稼げたはずだが、勇士達は上手くやってくれただろうか?
「あっ、信号弾。上手くいったみたいだね……よかった」
島から打ち上げられた赤い信号弾……即ち解放成功の合図を見て、ロランはほっと胸を撫で下ろすのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
大変な状況ですが、やってみましょう。
多数を救助するなら、飛空艇を足に使いたいですねぇ。
私が囮になりますので、その間に救助願えれば。
【皓翼襅】を発動、『FMS』のバリアと『FES』の結界で守りつつ空から侵入しますねぇ。
当然多数の相手が集まるでしょうが、『飛行』及び同速度の『走行』が有れば回避や位置関係の調整は容易、邪魔な位置にいる相手のみ『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]で叩けば良く、その音で更に多くの相手を引きつけられるでしょう。。
『持久力強化』も有る以上、疲労の蓄積もほぼ影響しませんので、救助を終えた時点で『飛行』か『FIS』の転移で脱出しますねぇ。
●極寒の風の中で
「うぅ、寒そうと言うか、既に寒いですぅ……」
アリステラから放たれている冷気が届いているのか、飛空艇の内部であっても夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は船体の隙間から吹き付けてくる寒さに身を震わせる。
作戦会議室の中にいる勇士達は既に厚着をしているが、やはり彼らも寒そうな様子だ。
「ああ、一刻も早く作戦を終えて帰りたいものだ。それで、上陸作戦の計画だが……」
「多数を救助するなら、飛空艇を足に使いたいですねぇ。ここは私が囮になりますので、その間に救助願えれば」
「たった一人でか? ……いや、君達の実力は我々よりも遥かに上だったな」
一人で囮を行うるこるに勇士が驚くも、すぐ冷静になる。
一騎当千の戦力を持つとも噂される猟兵ともなれば、勇士達が陽動をするよりも多くスノーゴーレムを受け持つ事が出来るだろう。
「だが、寒い中で戦うともなると体力の消耗も著しい……そこは大丈夫か?」
「ええ、その辺りも抜かりなく、ですぅ」
場所柄、寒さで体力を奪われるのは避けられないが、その辺りの対策もあるようだ。
「よし、君を信じよう。我々も出来る限り、奴隷解放に全力を尽くすつもりだ」
そのためにも、時間稼ぎの方をよろしく頼む。
勇士はるこるにそう告げるのであった。
「こんなに寒いだなんて聞いてないですぅぅぅー!」
るこるは『
豊乳女神の加護・皓翼襅』で空から侵入するも、アリステラに近付けば近付くほど激化する突き刺すような寒さに思わず本音が漏れた。
一応『FMS』のバリアと『FES』の結界で寒さもガードしているつもりだが、この地の寒さはそれをも貫通するようだ。
しかし収容所に囚われている奴隷達は、自分よりも寒い中で助けを待っている……
それを思えば弱音など吐いていられない。
「……いえ、やると決めたからには自分の仕事をしないと、ですね」
自らを奮い立たせ、るこるは囮としての役割を果たすべく行動を開始する。
早速スノーゴーレムが侵入者に気付き、直ちに部隊を展開すると氷や雪玉を物理的に投擲する事で迎撃を行う。
実に原始的な攻撃手段ではあるが、スノーゴーレムの数が多い事から弾幕めいた氷・雪玉がるこるに襲い掛かる。
「っとと、来ましたねぇ。では、始めますよぉ」
るこるは飛行しつつ弾幕を避け、回避しきれない分はバリアと結界で防ぎつつ、浮遊武装の砲撃と爆撃で応戦する。
激しい爆音が鳴り響くと、音に気付いた別のスノーゴーレムが駆け付けてきた。
「そぉれっ!」
……それから激しい撃ち合いが続く。
反撃でスノーゴーレムを破壊しても、すぐに次の新手が駆け付けてくる辺り、向こうの戦力は無尽蔵なのだろうか。
そしてこれだけの数を相手にする以上、疲労も避けられないだろうが皓翼襅で強化した持久力も相まって、戦闘開始から30分が経過してもなお戦い続ける事が出来ていた。
「結構時間も経ちましたけど、勇士の皆さんは……」
るこるは飛び回りながら島の方に目を向ける。
すると、接舷していた飛空艇が今まさに飛び立つ様子が見えた。
甲板上からは作戦成功を示す赤い煙が立ち上っている。
「……上手く行ったみたいですねぇ。でしたら長居は無用ですぅ」
奴隷の解放に成功したのなら、もうここに用はない。
その場で180度反転すると、るこるはその場から逃げるように飛び去っていった。
大成功
🔵🔵🔵
ポーラリア・ベル
あたしポーラ。冬のポーラ。
沢山雪遊びができるところを見つけたよ。
SPDだけど大暴れするね。この【ローリングスノーマン】で!
【怪力】も合わさってどんどんゴロゴロ巨大化していく雪玉で、攻撃もゴーレムも雪もみんなみんな巻き込んでいくよ!
沢山現れても一つの雪玉に纏められたら復活のしようもないと思うの!
おっきな雪だるま、つーくーるーぞー♪
そうして囮になりますので、艦隊さん達は今の内に解放お願い!
あっ、一緒に雪だるま作っても良いのよ。
逃げるのに手間取ってたら新しく作った【ローリングスノーマン】で
奴隷さんと艦隊さんを巻き込んで、飛空艇まで転がしてお届けするわ!
●アリステラの大地に雪玉が往く
「うふふっ、沢山雪遊びができるところへ行くのね。楽しみだわ♪」
奴隷解放と言う重大なミッションへ向かう最中、ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)だけはどこか楽しそうな様子であった。
本人曰く『寒いのと冷たいのが大好き』と言う事もあってか、今回向かうべき場所が雪と氷で出来た浮遊大陸とは相性がいい……のだろうか?
「あたし、こう見えても力には結構自信があるの! だから、向こうに着いたら雪玉を作って、こうやってころころー、ころころーって転がして……」
ポーラリア曰く『スノーゴーレムが沢山現れても一つの雪玉に纏められたら復活のしようもないと思うの!』と言う事から、アリステラの雪で作った巨大化雪玉で攻撃もゴーレムも雪も、何もかもを巻き込んでしまおうと言う、実に途轍もない作戦であった。
「……そうして囮になりますので、艦隊さん達はその間に解放お願い!」
「つまり俺達が解放を行うのか、それは了解したが……本当に大丈夫なのか……?」
彼女の荒唐無稽な作戦内容に勇士達もどこか不安そうな様子だ。
「あっ、一緒に雪だるま作っても良いのよ」
「いや、遊びに行く訳じゃないんだよ!?」
どこまでも我が道を突っ走るポーラリアに、勇士達も違う意味でタジタジであった。
果たして、このブッ飛んだ作戦は上手く行くのであろうか?
「わー、ひっろーい! おっきな雪だるま、つーくーるーぞー♪」
そんな訳で一足早くアリステラに上陸したポーラリアは、見渡す限りの白銀世界にテンションが爆上がりであった。
早速『ローリングスノーマン』で近くの雪を集め、雪玉を作ると……
「ころころー、ころころー♪」
小さな雪玉が地面を転がり、周囲の雪を呑み込んで次第に大きくなっていく。
雪玉は大きくなるにつれ、その重さが飛躍的に増えていくものではあるが……
「ごろごろー、ごろごろー♪ 大きくなーれ、大きくなーれ!」
フェアリーでありながら怪力のポーラリアからすれば、何の問題もなく転がせていた。
遠目からは巨大な雪玉が勝手に転がっているようにしか見えないと言う、なんとも異様な物となっていた。
もちろん、その様子は付近を巡回していたスノーゴーレムも気付き、直ちに雪玉を止めるか破壊しようと試みる。
だが大質量となった雪玉はさすがに止められず、次々とやってくるスノーゴーレムが雪玉に呑まれていく……
「あははっ、すっごく大きくなったー♪ ……あれ、あそこにいるのは……」
ご機嫌なポーラリアが更に巨大化した雪玉を転がしていると、ふと何かに気付く。
視線の先には、勇士達が収容所を解放する事に成功したようだが……奴隷が負傷か何かで、勇士達の肩を借りてどうにか歩いていると言った様子であった。
移動速度は早いとも言えず、このままでは追手に追い付かれてしまいかねない。
「逃げるのに手間取ってるのかな? ……いい事思い付いたっ♪」
そこへ何か閃いたポーラリアはさっきまでの巨大雪玉を放棄すると、ローリングスノーマンで新しい雪玉を作り、またも巨大化していく。
「奴隷さんと艦隊さん、あたしが飛空艇まで転がしてお届けするわ!」
「……ん? 何の音……うわーッ!? ゆ、雪玉……アァーッ
……!?」
いきなり背後から転がってきた、大きさ数メートルの雪玉に呑み込まれる勇士と奴隷。
そして、そのままポーラリアは勇士と奴隷が紛れ込んだ巨大雪玉を飛空艇まで転がし、無事(?)送り届けて脱出に成功したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
紅月・美亜
……飛行氷塊って、空飛ぶハボクックか何かか? まあ、いい。やる事は同じだ。奴隷解放と言えばこの機体だろう。
「君達は、待っていたんだろう?」
BGMは勿論『砂漠の山嵐』で。戦闘機なら攪乱には最適だ。翼下機銃を撃ち込んでスノーゴーレムを粉砕してやる。正面に立ち塞がるなら主砲でズドンだ。
「その程度の攻撃で、この私に当てるつもりか? 笑わせてくれる」
無論、機動力も優れている。STG主役機お馴染みの直角でも曲がれる超機動力だ、当たりはせん。当たったら一撃なんだが。
「締めもくれてやろう」
一通り奴隷解放したらボムを投下して仕上げだな。
●「あぁ誰かが……この地獄から助けてくれる事を」
「……飛行氷塊って、空飛ぶハボクックか何かか?」
ブリーフィングでアリステラの事を聞いた紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)は、まず真っ先にその言葉を口にした。
第一印象としては、そう言うイメージが頭にあったようだ。
それからグリモアベースより現地に飛び、飛空艇から実際にアリステラを見てみると……
「飛行氷塊が雪と氷の大陸って、思っていたのと大分違うんだな……まあ、いい」
美亜は甲板からアリステラの大地を見て、青い龍が飛ぶSTGを真っ先に思い出しつつも、奴隷解放のためにどう動くかを勇士達に話す。
「私は囮としてスノーゴーレムと派手にやり合おう」
「それはありがたいが、どうやって?」
「戦闘機でだ。……この世界で言うなら、一人乗りのガンシップと思ってもらっていい」
要するに美亜は戦闘機でスノーゴーレムへ対地攻撃を行いつつ、奴らの目を一気に引き付けている間に勇士達が奴隷の解放を行ってもらう……と言った物であった。
「そして奴隷解放と言えばこの機体だろう」
そう言い、美亜は
仮想科学現実化装置で
赤い翼の拳銃型戦闘機をどこからともなく具現化させる。
「君達は、待っていたんだろう?」
決めセリフを口にする美亜。
一方の勇士達は、目の前で何が起きたのか分からずポカーンとしている。
「よく分からんが、猟兵ってのは凄いんだな……」
彼らはそう答えるのが精一杯であったと言う。
「さあ、奴隷の解放を始めるか。相手がクローン人間でない分、気楽な物だ」
美亜の駆る戦闘機が飛空艇から飛び立つと、自前の音楽再生プレーヤーから曲を流す。
どこか悲壮感を感じさせる曲と共に、高速でアリステラに接近しスノーゴーレムの姿を発見すると、翼下固定機銃が一斉に火を噴いた。
着弾と同時にスノーゴーレムが容赦なく粉砕されると、他の攻撃を受けた事で他のゴーレムが直ちに氷の玉を投擲・反撃する。
一見すれば威力の無い攻撃にも見えるが、投擲速度はかなり早く、直撃すれば機体の装甲に穴が開くのは避けられまい。
「その程度の攻撃で、この私に当てるつもりか? 笑わせてくれる」
直角でも曲がれる超機動力を生かしつつも、美亜は敢えて氷の玉を機体にかすらせるような動きで躱していく。
好きなSTGの癖と言う物なのだろう。
それから、次々とやってくるスノーゴーレムの群れを『
Operation;FRONTIER』を駆使して機銃で破壊しつつ、時折現れる大型の物に対しては……
「最後の決闘でもない状況で使うのは気が進まんが……受け取れ!」
ドウン、と轟音を立てて機体中心部の主砲から大型のマグナム弾が放たれた。
六発しか撃てない切り札的な武器だが、これには数メートル級のスノーゴーレムも為す術なく破壊されるしかない。
「抱え落ちは恥だからな、使える時に使う物さ」
分かる人にしか分からない事を口にしつつ更に戦闘を続けていると、上陸していた飛空艇から赤い煙幕が立ち上る。
作戦成功、直ちに離陸すると言う合図だ。
「上手くいったようだな。では、締めもくれてやろう」
主砲は弾切れ、機銃の残弾も残り少ないと言った状態で、美亜の機体が宙返りすると同時に何かを投下・離脱する。
次の瞬間、四つの衝撃波がアリステラの大地に広がるように走ると、まるで花火のように大きな爆風が花開いた。
この最後の一撃に、地表部分で迎撃を続けていたスノーゴーレムは半数近くが蒸発、残りが損壊したと言う。
……かくして猟兵達の活躍で、アリステラの奴隷は解放された。
もっとも、この作戦で解放出来たのは全てではなく一部のみで、まだこの大陸には数多の奴隷が残されている。
だが、残りの奴隷も別の勇士達と猟兵の手で解放される日は近いだろう。
大成功
🔵🔵🔵