カレー。
それはスパイスと食材を組み合わせ生み出される無限の至宝。皆それぞれ馴染んでいる家庭の味、行きつけの店の味を思う者、または自身が作るものが最高という者もいるだろう。そんなカレーを、思いっきり食べられるイベントがあったとしたら……最高じゃないか?
「とある観光地で、カレーフェスが開催されるそうです。そこにオブリビオンが出現するという予知を得ました」
杜崎・紅祢(翠光纏いし癒し手・f36019)が集まった猟兵達にカラフルなチケット入りのカードホルダーを渡す。首から下げられるようになっているそれには豪華食べ放題チケットと書いてあるようだ。
「イベント自体はその自治体で有名なカレーのお店や、腕自慢の一般の方等が出店しているようですね。ああ、コンロを借り材料を貰って自分で作ることも出来るようです。このチケットがあれば、何処も無料になりますのでどうぞ」
何故こんなチケットを用意したのかというと。
「出現が予知されたオブリビオンは、より賑やかに行楽地を楽しんでいる人間に惹き付けられる性質があるようです。皆さんが全力ではしゃいで楽しむことで、敵を誘導して下さい」
開催場所は大きな公園。メイン会場は広場ではあるものの、川や林、人工的に作られた岩場等もあり人目につかない場所へと誘導する事は簡単に出来ると思われる。
「全力で楽しんでいれば、まずワサビマヨネーズの姿をした地縛霊……ええ、冗談とかではなく本当にその姿のオブリビオンが現れますので退治をお願いします」
集団で迫り来るマヨネーズ。人によっては恐怖以外の何物でもないだろう。
「ボスとなるオブリビオンは元々料理人だったようです。ですが、自身の腕を過信し傲慢に振る舞い……最期にはオブリビオンとなってしまった。フェスのように笑顔で食事を楽しむ人達が集まる事で、成し得なかった過去への未練と、今笑顔を生み出している料理人達への逆恨みで暴れ回ろうとしているのでしょう」
ふわり、と紅祢の掌の上で芙蓉の花が咲く。生み出した扉の向こうからは、スパイシーな香りが漂ってきているような。
「まずは目一杯楽しんできてください、美味しいものを食べれば活力にもなるでしょう。よろしくお願いします」
真空。
見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。
カレーですカレー。夏も終わりますし折角なのでカレー。
『第1章:カレーを作ろう』
作ろうとなってますが、食べる方メインで大丈夫です。三択はあまり気になさらず。フェスを全力で楽しんで下さい。カレーと名のつく物は全て揃っているかと思われます。
『第2章:カロリー二万倍マヨネーズワサビ味』
猟兵の気配に寄ってきたマヨネーズ型地縛霊退治です。
『第3章:料理忍』
ボス戦になります。料理暗殺術に注意。
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。
皆様の参加、心よりお待ちしております。
第1章 日常
『カレーを作ろう』
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POW : パンチの効いたカレーを作る
SPD : 手早く美味しいカレーを作る
WIZ : アイデア満載の不思議なカレーを作る
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園内に広場や河川、林を擁する大きな公園。
そこが今、カレー一色に染まっていた。
広場では出店が並び皆がカレーに舌鼓を打ち、川岸では炊事遠足の様にカレーを作るグループが。林の側では日陰を求めカレーを持って敷物を広げる人達。
皆とても楽しんでいる。
オブリビオンを引き寄せる為には、負けずに全力で楽しまなければ。
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会場説明。広場には出店者達のブースが並び、テーブルや椅子もあって好きなだけ食べられるようになっています。河川エリアは自炊組用。砂利敷の上にカセットコンロや焚火の竈が組まれてカレーを作れるように。林エリアは散策、及び日除けしたい人達がカレーを持ってのんびりしているようです。
出店のカレーは定番モノからカレーうどん、カレーパンやコロッケ等も。飲み物や口直し用のかき氷等もあります。
三択は無視して大丈夫です。お好きなところでお好きなように楽しんで下さい!
山立・亨次
カレーか
古今東西、定番からB級まで揃ってるとありゃ研究のし甲斐がありそうだ
残すと罰が当たるから一品一品は少量ずつだが全部制覇する
(宣言通り高校生男子の胃袋で一通り淡々と食しつつ、味や食感などメモを取り
全て食べ終えてから自らも調理スペースに立ち)
俺もひとつ作るか
ここで食べた全てのカレーないしカレー要素の入った料理を参考に
だからこそ初心に帰って王道のカレー
肉は今回は牛に、辛さは甘口と中辛の中間にしておくか
野菜は芋、人参、玉葱の三種類
香辛料にクミンとターメリック、ローリエも
基本が出来てこその応用だからな
忘れないようにしねえと
作ったものも勿論残さず食うし
食べたいと言ってくれる奴がいるなら振る舞おう
「カレーか」
公園に入った瞬間から漂うスパイシーな香り。人を惹きつけて止まないそれに誘われるように山立・亨次(人間の猟理師・f37635)は広場へと向かう。
「古今東西、定番からB級まで揃ってるとありゃ研究のし甲斐がありそうだ」
猟理師である亨次にとってはまたとない勉強の場、期待に口元が緩んでいく。並ぶ出店は様々に、店を覗けばハーフやミニサイズもある様なので出来る限り小さめのサイズを選んでいく。何故なら目標は全制覇。
(残すと罰が当たるからな)
次々と受け取り、テーブルを確保するとメモ帳とペンを横において。
「頂きます」
手を合わせて一礼。その後は味や使っている食材、感じたポイント等をメモに取りつつひたすらに食べ続ける。一通り終われば変わり種も胃袋に収め、向かったのは――貸し出し用コンロ。
「俺もひとつ作るか」
今日学んだことをすぐに形にしたくなった亨次は材料を選び始める。
(ここで食べた全てのカレーないしカレー要素の入った料理を参考に……だからこそ初心に帰って王道のカレーを)
肉は今回は牛肉、辛さは甘口と中辛の中間のものを。野菜は定番の芋、人参、玉葱の三種類。追加の香辛料にクミンとターメリック、ローリエも。
「基本が出来てこその応用だからな、忘れないようにしねえと」
鍋を火にかけ、クミンと油を敷いて肉に火を入れる。じゅうっという音と広がる良い香り。野菜も火を通して水を入れ、ローリエをひらりと落として暫く煮込み。ルーを入れて、スパイスで香りの調整。出来上がる頃には絶妙にお腹を透かせる香りが辺り中に広がっていて、足を止めて亨次の方をちらちらと見る人達も現れる。
「――ご飯を持ってくるなら、カレーを分けるが」
その言葉に急ぎ足でご飯を手に入れてきた人々へとカレーをかけてやり、最後に自分の分も盛り付ける。大きく掬ってご飯へと落とせば、艶やかなルーを纏った大ぶりな具材達がごろごろと転がり、クミンが香る。スプーンで大きく一口。牛肉の旨味と玉葱の甘みが広がり、そこにほんのりと辛いルーが絡んでスパイスの香りが鼻を抜ける。今の亨次が作れる最高のカレーがそこに在った。欲を言えば、少し寝かせておきたかったくらいだろうか。
「ご馳走さまでした」
数分の後、亨次の前には食べ切って空になった鍋。全力で楽しむという目的は間違いなく達成された事だろう。
大成功
🔵🔵🔵
ディル・ウェッジウイッター
アドリブ歓迎
カレー、良いですよね。日本のカレーはとても食べやすく、ご飯にとても合います。…故郷の物に比べると少々辛みが足りなくて物足りなさは感じるときはありますが、それも多くの人に選ばれる味を探究した結果なのでしょう
そしてそんなカレーが食べ放題…最高ですね。私なりに全力で楽しませていただきます、ええ
食べ盛りの年頃ゆえ全制覇と行きたいところですが、お店の数が多く制覇が難しい場合は辛めのカレーに絞っていきます。あとシーフード系も押さえておきたい、好きなので…
何種類かカレーを頂戴しましたら、持ち込んだ紅茶と一緒にいただきます
…意外と思われるかもしれませんが紅茶と合うのですよ
ディル・ウェッジウイッター(人間のティーソムリエ・f37834)は広場の風景に胸を躍らせる。
「カレー、良いですよね。日本のカレーはとても食べやすく、ご飯にとても合います。……故郷の物に比べると少々辛みが足りなくて物足りなさは感じるときはありますが、それも多くの人に選ばれる味を探究した結果なのでしょう」
洋食として米に合う様にマイルド化された日本のカレーはディルの思うカレーではないけれど、一つの文化として愛すべきものだと思う。
「そしてそんなカレーが食べ放題……最高ですね。私なりに全力で楽しませていただきます、ええ」
一般的カレーから、ディルの知るカレーに近い物、カレーを使った創作料理。並ぶ全てが美味しそうに見える。さて、どれから行こうかと並ぶ屋台を眺めればまず目についたのはお魚屋さんが提供している特選シーフードカレー(辛口)だった。
「最高です……具材は何が入っているのでしょうか」
エビ、ホタテにイカ、魚はスズキだろうか。玉葱のみのベースが出来ていて、崩れるのを防ぐため具材は後で合わせる方式らしい。
まずはそれを一つ、そして野菜の旨味が出ていると思われる無水チキンカレーに具材多めの夏野菜カレー。
まずはこの辺にしておこうと皿をテーブルへ。そしてコンロを借りに向かう。
「すみません、お湯を沸かしても良いでしょうか?」
「どうぞー、へえ、紅茶?」
快く貸して貰ったコンロで沸かしたてのお湯を使い、紅茶を淹れる。
「……意外と思われるかもしれませんが紅茶と合うのですよ」
「まあ、紅茶もカレーもインドだもんねえ」
何となくわかったような雰囲気を出しながら頷く係の人に礼を告げ、席へと戻る。
淹れたのはダージリンのセカンドフラッシュ、スパイスが強めの料理に合わせるのに向いている紅茶を選ぶ。強い香りと軽い渋みが口の中を洗い流してくれるだろう。
「頂きます……うん、美味しい」
シーフードカレーは出汁にも魚を使っていたようで、スパイスの合間にしっかりと出汁を感じられる。無水カレーはトマトと玉葱の旨味が溢れ、定番カレーはそのまま食べても美味しい夏野菜がピリッと辛いカレーと抜群の相性。合間に紅茶を飲めば、口の中がすっきりとして新鮮にカレーを味わえる。
「最高です」
次は何にしようか、ディルは屋台を眺めながら手元のカレーを綺麗に食べていった。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
「カレーは好きです。あんまり辛いのはダメですけれど」
普段ルーを混ぜて10皿1度に作っても、ルーからカレーを作る事がないので今回は食べ歩き専念
キーマ・バターチキン・タイ・ネパールと先ず外国モノから
次にモツカレー、門司焼きカレー、スープカレー、よこすか海軍カレー、黒カレー、豆腐カレー、ガンスチーズカレー、金沢カレー、カレーソバ、帆立カレーパン等々全国のB級グルメに
「白や緑はインドカレーで普通にありますけど、青い北海道流氷カレーとかメロンカレーとかも来てるんでしょうか」
会場内のんびり周回し各店1品以上モグモグ
「カレーパンだけじゃなく門司焼きカレーもお土産に持って帰りましょう」
UC使い大量購入
「カレーは好きです。あんまり辛いのはダメですけれど」
ゆったりと並ぶ屋台を眺めながら歩く御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)。普段ルーを混ぜて10皿1度に作っても、ルーからカレーを作る事がないので今回は食べ歩き専念の予定だ。一通りそれぞれの店の内容を確認し、食べる順番を決める。キーマ・バターチキン・タイ・ネパールと先ずはスパイスが強めのものから、次にモツカレー、門司焼きカレー、スープカレー、よこすか海軍カレー、黒カレー、豆腐カレー、ガンスチーズカレー、金沢カレー、カレーソバ、帆立カレーパン等々全国のB級グルメに移動していくつもり。
「白や緑はインドカレーで普通にありますけど、青い北海道流氷カレーとかメロンカレーとかも来てるんでしょうか」
その辺の変わり種で出店が無いものは、レトルトも購入出来る様になっているようだ。小さな箱がいくつも並ぶ屋台を見かけた桜花は商売の上手さに感心する。
両手に幾つかの皿を同時に持って、いそいそとテーブル席へ。スパイスから作られたカレーはこのような屋台でも作り方は変わらないのだろう、口に含めば小さなスパイスの粒が香り、具材の味を引き立てる。勿論美味しい定番カレーやそれぞれ変わった具材のB級グルメ系も勿論食べやすく、桜花は会場内のんびり周回しながら各店1品以上を購入し平らげていった。その中でも、ビーフやチキンがごろごろ入っていたり、とろりと伸びるチーズや柔らか半熟卵、新鮮なホタテやエビ入りの各種カレーパンに桜花は引き寄せられた。
色々食べた中で気に入ったカレーパンの幾つかを持ち帰り用に大量購入していく。
「あ、カレーパンだけじゃなく門司焼きカレーもお土産に持って帰りましょう」
テイクアウト用容器に入った焼きカレーも持ち帰りやすそうではある。追加で買い込むと山のようなお土産を人目を避けながらユーベルコードを使い無限倉庫へと収納していった。
そんな桜花の様子を見ている邪の気配。まだ誰も気付いていないが薄く緑がかった黄色の集団が遠くから近付いてきていた。
大成功
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第2章 集団戦
『カロリー二万倍マヨネーズワサビ味』
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POW : マヨネーズ粘性装甲
【自在に蠢くワサビマヨネーズ】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【超高カロリーで身動きできない程の超肥満化】を誘発する効果」を付与する。
SPD : オールレンジワサビマヨネーズ乱舞
自身が装備する【マヨネーズ型浮遊砲台】から【超高カロリーワサビマヨネーズ】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【止まらない超肥満化】の状態異常を与える。
WIZ : 道連れ自爆マヨネーズ
自身が戦闘不能となる事で、【最も肥満化させた対象の体重を十倍加させ】敵1体に大ダメージを与える。【マヨネーズに対する愛と欲望と肥育願望】を語ると更にダメージ増。
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全力で楽しんでいれば、林側から猟兵達に近付く複数の気配。
目を向ければたゆん、と大きな身体を揺らし……立ちはだかるのはワサビマヨネーズ。正確にはワサビマヨネーズの形を取った地縛霊系のオブリビオンのようでがあるが。
周辺にはまだ気付いていない一般の人々。
巻き込んでしまう前に敵を片付けよう。
山立・亨次
見るからにエグいなありゃ
つか、周り飛んでるのは何なんだ?
まあいい、過ぎたるは及ばざるが如しだ
過剰なカロリーの摂り過ぎは太るとか以前に健康にも良くない
とっとと片付けるぞ
狩猟神饌・直会を発動させながら、飛ばしてくるマヨネーズも切り払っていくぞ
オブリビオンの一部扱いで食材(山葵にでもしておくか)に変わってくれりゃ言うことないが
有機物扱いで何にも変わらなかったら、切った後の残骸に当たらないよう気をつけながら回避しつつ動くとするか
いずれにしても後で服と包丁はしっかり洗おう
で、本体もしっかりぶつ切りにして
デカいからな、大量の山葵に変えちまうか
卵だと地面に落ちたら割れそうだしな
「見るからにエグいなありゃ」
山立・亨次(人間の猟理師・f37635)は迫り来るマヨネーズ軍団を見て顔を顰める。
「つか、周り飛んでるのは何なんだ?」
ゴーグル越しに細めた目でじっくりどの角度から眺めてもドット絵にしか見えないマヨネーズ――しかし、ちゃんと立体。勢いよく飛び交っているがあの中からマヨネーズが出るのかは不明だ。
「まあいい、過ぎたるは及ばざるが如しだ、過剰なカロリーの摂り過ぎは太るとか以前に健康にも良くない。とっとと片付けるぞ」
進行方向に立ちはだかる亨次を敵と認識したのか、囲むように開いたマヨ軍団から一斉に放たれるワサビマヨネーズ。
亨次はぎりぎりまで引き付け、すらりと抜き放った切付け包丁でワサビマヨネーズを切り払う。
「今からお前の命を『頂く』。……それでは、いただきます」
同時に発動させたのは狩猟神饌・直会。神霊を下ろした包丁は切り裂いたワサビマヨネーズを只の食品……摩り下ろした山葵へと変換しながらその身に当てる事無く地面へと叩き落していった。念の為踏まないように足元に気をつけつつ囲みを走り抜け、近場の一体へと迫る。辺りには山葵の匂いが立ち込めるが、林を抜ける辺りでカレーに消されフェス会場には届いていなさそうなのが救いか。
「変われ」
包丁をひらめかせ、ぶつ切りに切り裂いたカロリー二万倍マヨネーズワサビ味はその身をおろす前の本山葵へと姿を変え、ばらばらと散らばっていった。
「卵だと地面に落ちたら割れそうだしな、山葵……後で拾うか。いずれにしても後で服と包丁はしっかり洗おう」
踏まないように気をつけていたとはいえ、これだけ広がると山葵の匂い等は染みついていそうではある。僅かに溜息を零しつつ、亨次は包丁を構え直した。
大成功
🔵🔵🔵
鳳凰院・ひりょ(サポート)
アドリブ・連携〇
同伴者がいる場合は同伴者をサポートするよう行動
戦い方は遠近両用
接近戦→【破魔】を付与した破魔刀
遠距離→精霊の護符の【乱れ撃ち】
同伴者が苦手な方を受け持つ動きを取ります
単独で戦う場合は相手の苦手とする方での戦い方を主軸に
護衛対象がいる場合は自分の身を挺して【かばう】
何より周りの誰かが傷付く事を嫌う為、仲間達に危害を加えるような行動は取らず
誰かを傷付けるくらいならば自分が傷付く方を選ぶ性格です。
携帯した飴を媒体にUCを発動
【多重詠唱】で複数疑似精霊を召喚し攻防で使用
地や風は守りの壁として火や水は弾として攻撃に使うことが多いです
他に状況に合うUCがあれば変更していただいてOKです
フェスへの影響を考えて素早く敵を見つけ出した鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は思わず何とも言えない声が零れた。
「うわああぁ……」
迫り来るマヨネーズ。しかも胴体部に書かれたカロリー二万倍のキャッチコピー。正直あまり見たい光景ではない。
「マヨネーズだけってのはきついなあ」
カレーと合わせるならまだしも、目の前は大量のワサビマヨネーズ。
「さっさと終わらせようか」
ひりょが手にしたのは精霊の力をこめた護符。普段なら補助として疑似精霊を呼ぶところだが。
「一寸手伝ってもらおう――さぁ皆、おもてなしの時間だよ!」
バサバサと音を立て舞い降りたのは近場にいた野鳥達。それぞれに護符を咥えて飛び上がると、ワサビマヨネーズ達の上にそれを落としていく。ひらりと落ち、ぺたりと張り付いて――火を放つ。マヨネーズの主成分は油なので火に弱い。ついでに外側のポリエチレンも熱に弱い。逃げ惑うワサビマヨネーズ軍団。
「っと、燃え広がったら危ないな」
追加で護符に力をこめると周囲にばら撒く。ワサビマヨネーズ達を囲むように形成されたのは視界を誤魔化すように周囲の景色を映した水の壁。
『マヨネーズは美味しい! そもそもマヨネーズとは……』
ワサビマヨネーズ達の中の一体が何かを語り始めた。喋れたのか。不穏な空気をかんじたひりょは念の為語り続けようとしているワサビマヨネーズの口……容器の口を塞ぐように護符を張り付けて声を止める。その直後。
どぉん、という音と共にそのワサビマヨネーズが自爆した。熱風が吹き付けるものの、事前に水の壁で囲んであったことでほぼダメージを受けはしなかったようだ。
「何だアレ……危険すぎる」
冷や汗を零しつつ、ひりょは追加の攻撃用護符を取り出した。
成功
🔵🔵🔴
雛里・かすみ(サポート)
バーチャルキャラクターの戦巫女×UDCメカニックの女性です。
普段の口調は「明るく朗らか(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
寝起きは「元気ない時もある(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
明るく朗らかな性格の為、
男女分け隔てなくフレンドリーに会話を楽しみます。
どんな状況でも、真面目に取り組み
逆境にも屈しない前向きな性格です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「楽しんでる人たちに影響があるかもしれないから、早くどうにかしなきゃ」
雛里・かすみ(幻想の案内人・f24096)は林の向こうにちらりと見えるフェス会場を振り返り、絶対にワサビマヨネーズ達を近付けさせないと決意を固める。きりっと光る黒曜石が映すのは、カロリー二万倍マヨネーズワサビの一群。
ワサビマヨネーズ達は胴体を弾ませながら近付いてくるが、接敵されれば戦い辛そうと考えたかすみは下がって距離を開けると愛用している旋風刃――並の物よりも大きな刃を携えたなぎなたを構えた。
「――力を」
一瞬目を閉じて祈りを捧げる。僅かに光りを帯びた身体は神霊体へと変化し、長い袖を優雅に翻しながら構えたなぎなたを全力で振るえば、光を乗せた衝撃波がワサビマヨネーズ達へと向かっていく。逃げ惑うワサビマヨネーズ達を斬り裂き、その胴体からどろっとワサビマヨネーズを零しながら倒れていった。
『こうなったら……味にも役立つこの油で自爆を更に……』
喋りながら突撃してくるワサビマヨネーズをなぎなたで斬り払う。自爆を企んででいるようだが、大人しく喰らうわけにはいかない。斬って怯ませ、その隙に距離を開けると衝撃波を叩きつける。
『くっ、残念……!』
ばたりと倒れ伏すワサビマヨネーズ。
「――もう少し、ですね」
更に迫り来るワサビマヨネーズ達を見据え、確りと腕に力を入れる。巫覡載霊の舞はかすみの命を力に変えるのだけれど、敵を目の前にして手を止めるわけにはいかないから。
「さあ、来なさい!」
透き通った声が林に響く。舞う様に戦うかすみの前に、気が付けばワサビマヨネーズ達は皆倒れ伏していた。
成功
🔵🔵🔴
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
迫り来るカロリー二万倍マヨネーズワサビ味を前に、すっと佇む一人の青年。
「成程、遠慮はいらなさそうだな」
アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)はフォースセイバーを抜き放ち、その青白く光る刃をワサビマヨネーズ達へと突きつけた。
「――っ」
敵を見つけたワサビマヨネーズ達は一斉に蠢くワサビマヨネーズの粘性装甲を飛ばしてくる。当たれば超高カロリーで身動きできない程の超肥満化を誘発するのだけれど――しかし、アスには届かない。その身体に届く直前で壁にでも当たったようにべたりと張り付き、ずるりと地面へと落ちていった。見えない壁はアスのサイキックエナジー。身動き一つせずに発動されたその力が攻撃を防ぎ――更に。
攻撃を向けようとしたワサビマヨネーズ達はその身体が動かない事に気が付き、藻掻き始める。アスの力で周囲の草や木の枝がその胴体へと絡み、足止めとなっていた。
「俺の前で隙を見せるとは……そこだ!」
すっと氷色の目を細め、銀色の髪を靡かせながらアスは駆ける。一気に距離を詰め、振り抜いたフォースセイバーはワサビマヨネーズの胴体を綺麗に切り裂いていた。
その身からワサビマヨネーズを溢れさせながら倒れていくカロリー二万倍マヨネーズワサビ味達。アスは大きな身体を合間を縫う様に走り抜け、刃を振るう。サイキックエナジーの刃は鈍る事無く軽々と敵を打ち倒していった。
「ここは片付いたか?」
倒れ、じわじわと崩れ去っていくカロリー二万倍マヨネーズワサビ味達。アスは見返す事無く次の戦場を探してその場を離れていった。
成功
🔵🔵🔴
御園・桜花
「此れは…料理には料理で対抗です」
目がキラリ
「貴方を誰もが涎を垂らす超愛され人気者にして差し上げます…だって美味しそうと思ってしまったんですもの!」
UC「食欲の権化」使用
敵の攻撃は第六感や見切りで躱しつつわさびマヨネーズをどんどん市販のわさびマヨネーズ化
チキンタルタルの隠し味に使ったり魚のソテーに添えたりアボカドディップに使ったり揚げないハムカツのマヨネーズの半量に置き換えたりする
「わさびマヨって魚介系と相性いいですから。それにマヨネーズの半量置き換えで使うとレシピ無限大ですよ?肉のマヨネーズ焼きをわさびマヨに置き換えても良いですし。さあ、カレー会場をわさびマヨ会場に飯テロです!」
趣旨履き違え
「此れは……料理には料理で対抗です」
目がキラリと輝かせた御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は迫る、カロリー二万倍マヨネーズワサビ味をじっと見つめる。
「貴方を誰もが涎を垂らす超愛され人気者にして差し上げます……だって美味しそうと思ってしまったんですもの!」
己の気持ちに忠実に、桜花は桜鋼扇を構えて。目の前に並ぶカロリー二万倍マヨネーズワサビ味達をしばき倒す。ユーベルコードを乗せた攻撃は、殴りつけたワサビマヨネーズ達を本物のワサビマヨネーズへと変化させていった。焦るカロリー二万倍マヨネーズワサビ味達から飛ばされるマヨネーズ粘性装甲も鉄扇で防ぎ、見切って躱す。桜花の勢いは止まらず、気が付けば周囲の敵は全てワサビマヨネーズへと変化していた。
「ふふふ……準備完了ですよ」
林の中に呼びだしたのは桜花の愛車、ケータリング用キャンピングカー。そのキッチンへと駆けこむとワサビマヨネーズへと合うだろう様々な料理を作り上げていく。
チキンタルタルの隠し味に使ったり魚のソテーに添えたりアボカドディップに使ったり、揚げないハムカツのマヨネーズの半量に置き換えたり。
「ワサビマヨネーズ……カロリーは罪ですが美味しさは間違いない!」
冷やし中華にカツオのたたき、マカロニやスパゲティサラダも勿論。ディップにするならフライドポテトやチーズスティックも捨て難い。
「わさびマヨって魚介系と相性いいですから。それにマヨネーズの半量置き換えで使うとレシピ無限大ですよ? 肉のマヨネーズ焼きをわさびマヨに置き換えても良いですし。さあ、カレー会場をわさびマヨ会場に飯テロです!」
勢いのまま、桜花はケータリングカーを操りフェス会場へと突入していく。持ち込んだ料理はカレーではないために一寸怒られつつも口直しや味変用としてそれなりに好評だったらしい。
大成功
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第3章 ボス戦
『料理忍』
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POW : 暗殺料理術
自身が装備する【フライパン】から【劇毒物を仕込んだ料理】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【胃痛・嘔吐・痙攣・昏睡・心筋梗塞・吐血】の状態異常を与える。
SPD : 決戦の料理フィールド
【様々な食材と調理道具】を降らせる事で、戦場全体が【料理バトルの決戦場】と同じ環境に変化する。[料理バトルの決戦場]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ : 食事を拒む事は許さない
【フライパン】から、戦場全体に「敵味方を識別する【呪術の波動】」を放ち、ダメージと【何か食さねば発狂し七転八倒する程の空腹】の状態異常を与える。
👑11
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カレーフェスもそろそろ終盤、楽しんだ人々の熱気が残りつつも後片付けがあちこちで始まり始めた頃。
人気の無くなった川辺の方から、禍々しい気配が近付くのを猟兵達は感じ取る。
向かってきたのは一見白い調理服に身を包んだ料理人――しかし、その服を染める血は食材の物では無いのだろう。
彼は真っ直ぐに猟兵達、そしてその後ろに広がるフェス会場へと向かおうとしている。
かつて傲慢な料理人だったオブリビオンとはきっと彼の事だろう。
惨劇を引き起こさないために、止めなければ。
御園・桜花
「料理バトル…つまり私のケータリングカーの出番ですね」
目がキラリ
「食材や調理道具を地面に落としたら、使えなくなるじゃありませんか。貴方には、それ相応のお仕置きをさせていただきます」
UC「出前一丁・壱」
「これが私流のお料理デスマッチです」
ケータリングカーで敵を撥ね飛ばしたらそのまま車を走りながらドア開け身を乗り出して破魔の銀盆の縁で切るようにぶん殴る
「食材や調理道具を地面にばら撒く貴方に、真っ当な料理人が名乗れるものですか。貴方自身を使えぬ食材として、廃棄させていただきます。悔しかったら次は、真っ当な料理人として転生していらっしゃい」
此の世界では転生が無い事を承知の上で鎮魂歌歌う
「料理バトル……つまり私のケータリングカーの出番ですね」
呼び出したピンクのケータリングカーの運転席のドアに手をかけ、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)の目がキラリと光る。
「うるさい! 貴様に何が出来る――ここは我がフィールドよ!」
叫び声を上げた料理忍が手を空に掲げると、ばらばらとどこからか降ってくるのは肉や魚、野菜等の食材やレードルにナイフ、トングやスパチュラ。落ちた物から何やら怪しげな気配が立ち上っていく。
ぼとりと落ちて地面に転がるそれ等を見た、桜花の顔からすっと笑みが消えた。
「――食材や調理道具を地面に落としたら、使えなくなるじゃありませんか。貴方には、それ相応のお仕置きをさせていただきます」
そう、食材を無駄にする奴、道具を粗末に扱うやつは料理人として認めない。料理を振舞う事に幸せを感じる桜花の矜持がそれを許さない。
「……行きます! これが私流のお料理デスマッチです」
思い切りアクセルを踏み込むと、ケータリングカーで敵を撥ね飛ばす。更にそのままハンドルを切りUターン、車を走りながらドアを開け身を乗り出して、破魔の銀盆の縁で切るようにぶん殴った。
「ぐわああぁっ!?」
頭から血を流しながら倒れ伏す料理忍の横を走り抜け、離れた位置でブレーキをかけ開いたままのドアから振り返る。
「食材や調理道具を地面にばら撒く貴方に、真っ当な料理人が名乗れるものですか。貴方自身を使えぬ食材として、廃棄させていただきます。悔しかったら次は、真っ当な料理人として転生していらっしゃい」
この世界では転生が無い事を承知の上、それでも鎮魂の歌が唇から零れるのは彼女の桜の精としての生き方。奢ってしまった彼が、次の生では真摯に料理に向き合えるように。起き上がろうと藻掻く料理忍の上を涼やかな声が流れていった。
大成功
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藍原・蒼夜(サポート)
人間の學徒兵×力持ち、20歳の女です。
普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
よろよろと立ち上がった料理忍の前に、新たな猟兵が姿を見せる。
「貴方の勝手な恨みに、沢山の人を巻き込もうなんて」
「俺の味が分からん愚民など、どうなっても構わんだろうが!」
怒鳴る料理忍を見る女性が軽く首を傾げると、緩く束ねた濃青色の髪が揺れる。手に刀を携えた藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)は笑みを浮かべたまま真っ直ぐに料理忍を見遣り僅かにその目の色を鋭く変えた。
「改心できそうにもないのだから、仕方ないわね」
蒼夜の動きを見た料理忍が動く。手を天に掲げ、様々な食材や調理道具を降らせると周囲の空気が変わり、その場は料理バトルに特化した戦場へと変わっていった。
「ハハハハハ! これで貴様の負けが決まったも……っ!?」
高笑いを上げる料理忍の声が途切れた。その首元に月光のような光を放つ刃が付きつけられていたからだ。
「――負けが、何ですって?」
蒼霊刀に籠められた退魔の力が解放され蒼夜へと共有された今、その身は並ならぬ速度と力を宿している。料理バトルに適応していなかったとしても、負ける事など有り得ない。
「ぎゃああっ!!!」
そのまま斬られ、血を流し後退る料理忍を追い更に刀を振るう蒼夜。その動きは最早並の人には捉えられない。あっという間に身体に傷を増やした料理人が更に下がり、距離を開く。
「真面目に料理を極めていれば、こんな事にはならなかったのに」
剣を下した蒼夜が呟く。惜しむ響を湛えたその声は、一欠片でも料理忍に届いただろうか。
成功
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徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写戴けると嬉しいです。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的に「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。
よく使う武器は「大天狗正宗・千子村正権現・鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせです!
雛里・かすみ(サポート)
バーチャルキャラクターの戦巫女×UDCメカニックの女性です。
普段の口調は「明るく朗らか(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
寝起きは「元気ない時もある(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
明るく朗らかな性格の為、
男女分け隔てなくフレンドリーに会話を楽しみます。
どんな状況でも、真面目に取り組み
逆境にも屈しない前向きな性格です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「何だ……何なんだ!! どうして俺の邪魔をする!」
激昂する料理忍を取り囲むように響く、複数の足音。
「貴方が、人々を傷つけるからです……僕達は無実の人が傷つくのを望まないだけ」
ですよね? と首の白布を直しながら問いかける徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)から視線を向けられた、雛里・かすみ(幻想の案内人・f24096)は大きく頷いた。動きに合わせて髪を束ねる紫のリボンがふわりと揺れる。
「当たり前です! ここに居る人達が、あなたを傷つけたわけでもないのに殺そうなんて許せません!」
かすみの真っ直ぐな目が料理忍を射抜く。その手には何時の間にか巨大な薙刀が握られぎらりと光る刃が夕陽を映して赤く染まっている。
家光の手にも、鋭い切先を宿すサムライブレイドが握られている。両の手に握り、正眼に構えると軽く爪先を踏み込んだ。
「行きます!」
駆ける家光の初撃を受け、よろめく料理忍の手に握られたままのフライパンが怪しい光を放った。
「危ない!」
かすみのこえに家光が下がる。先程まで彼が立っていた場所にどす黒く染まったオムレツが叩きつけられ、派手に飛び散った。
「喰らえ、俺の暗殺料理術!」
二人を狙って激毒を含む様々な料理がフライパンから放たれる。躱す事は出来るものの、このままでは近付く事が出来ない。
「成程……では大伽藍にて、お相手しましょう」
家光が声を上げると周囲から焼き網や鉄板、鍋や煉瓦ブロックなどが集まり始める。
「な、何だ!?」
戸惑う料理忍の前でそれ等が組み上がり、家光を包んで――気が付けば、3メートル近くのロボットが完成していた。余った網が装飾に回ったりもして料理器具等を元にしたとは思えない仕上がりとなっている。
『僕が隙を作りますので、後はお願いします』
反響したような響きの家光の声に、かすみが頷く。握った薙刀の刃が下げられ、いつでも飛び出せるように構えて。
『そんな攻撃、受けるわけにはいきません!』
放たれる激毒料理を家光のロボが払う。身体にかかりそうなものは元鍋だった部分に収納する等周囲への影響を抑えながら勢いよく近寄ると大きく振り回した手でフライパンを叩き落した。
『今です!』
「はいっ!」
隙をついて家光ロボの影から飛び出したかすみが脳に登録されていたプログラムを解き放つ。流れる様に動いた薙刀が料理忍を切り裂き、突き刺し――叩き伏せた。
「必殺の一撃です!」
料理忍が顔を上げると視界に入るのは突きつけられた薙刀の刃と鉄で覆われたロボの足。余りにも絶望的な眺めに、大きく顔を歪ませると地面を拳で殴りつけた。
成功
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山立・亨次
……あァこういう手合い前にもいたな?
ッてこた遠慮は要らねえな??
俺はな
どんな理由があれ『食いモンを駄目にする奴』が許せねえんだよ
!!!!!!(包丁一閃)
(※毒物混入もアウト。
理不尽に虐げられた者が復讐の為に等なら多少話し合う余地はあるが今回の場合は……)
前の時は一応室内っつーこともあって
やり過ぎると滅茶苦茶になるからってんで連れに(程々のところで)止められたが
此処は野外だしなァ!?(刺突)
劇毒料理に戦場猟理・極で対抗
食うのに手間取らない料理を量産して自己治癒と解毒
(必要なら味方にも分ける)
攻撃は森人の叡智(包丁)とカムにも手伝わせる
(一頻り暴れると少し落ち着き)
……ああはなりたくねえモンだな
「……あァこういう手合い前にもいたな?」
山立・亨次(人間の猟理師・f37635)が険しい視線で料理忍を見る。無造作に近付いてくる彼を、立ち上がるのに全力を向けている料理忍は止めることが出来ない。
「ッてこた遠慮は要らねえな?? 俺はなどんな理由があれ『食いモンを駄目にする奴』が許せねえんだよ
!!!!!!」
声に合わせて振るわれた包丁が料理忍の腹を切り裂く。亨次の目が先程までの戦いで地面にばら撒かれた食材や、毒物を混ぜ込まれた料理達を見ていた。
(理不尽に虐げられた者が復讐の為に等なら多少話し合う余地はあるが今回の場合は……)
私欲のためにこのような真似をした輩に、かける情けなどは欠片も持ち合わせてはいない。
「前の時は一応室内っつーこともあって、やり過ぎると滅茶苦茶になるからってんで連れに(程々のところで)止められたが……此処は野外だしなァ!?」
振るう包丁が料理忍に傷を増やしていく。再び倒れ伏した料理忍の手に叩き落されていたフライパンが触れたのは何かの偶然か。
「……くっ、喰らえ、暗殺料理術……!」
フライパンから飛び出した激毒シチューが亨次を襲う。
「ぐ……」
しかし、料理には料理。対抗する手段を即席でも手は抜かねえは持ち合わせている。
「戦いの最中だろうが、即席でも絶対に手は抜かねえ」
一口で食べられるロールサンドやコロッケ、巻き寿司等を数秒で量産すると解毒や受けたダメージの治療を行い更に包丁を振るう。口に運ぶ暇が無い時はバックパックから飛び出したカムと名付けたミニチュア視肉が口元へと運んでくれる料理を食べながら亨次は暴れ回った。
「ぐうぅ……ちくしょう……!」
ばたり、と倒れ伏した料理忍の動きが止まる。その身体がじわじわと砂へと化していくのを見た亨次がようやく動きを止めた。
「……ああはなりたくねえモンだな」
ぽつりとした呟きは料理人としての想いからだろうか。自身の矜持を忘れないための戒めとしてその姿が消え去るまで黙って見届けた後、亨次はフェスの後片付けを手伝おうと戦いの場に背を向け立ち去っていった。
大成功
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