4
遥かなる紺碧に臨んで

#ブルーアルカディア #お祭り2022 #夏休み


●グリモアベースにて
「みなさん、水着コンテントお疲れさまでした。ブルーアルカディアでのお祭りはいかがでしたか?」
 今年も素晴らしくも唯一無二の水着姿を披露した猟兵たちや、彼らの姿を応援する猟兵たちで水着コンテストは大いに盛り上がったと、労いの言葉とともに笑顔を向けたユディト・イェシュア(暁天の月・f05453)は、さらに言葉を続ける。
「でもまだ夏は始まったばかりです。せっかくですので、もう少しブルーアルカディアの夏休みを堪能しませんか?」
 ブルーアルカディアにある浮島は、コンテスト会場となった浮島だけではもちろんなく、どの浮島も美しい景観と魔獣肉料理などの現地料理が堪能できる。
「夏らしく砂浜でスイカ割りをしたり、魔獣肉でBBQをしたり……あ、でも砂浜の先は雲海になっているので、端まで行かないよう注意が必要ですね」
 海はないが、泳いだりできる湖は近くにあるので、そちらで泳ぐこともできるとユディトは説明した。
「あと、小型の飛空艇やセイルフローターで雲海飛行を楽しんだりもできます」
 現地の勇士が扱い方を教えて、乗り物も貸してくれるので、興味があれば気軽に楽しむことができるだろう。
「せっかくですから、ブルーアルカディアらしい夏休みを思いっきり楽しんでみませんか?」
 どこまでも続く遥かな雲海。水平線ならぬ雲平線の風景を楽しむことだって出来るのだ。
 オブリビオンとの戦いは休みなく続いているのだ。束の間の休息をとって英気を養うのもきっと必要なことだから。


湊ゆうき
 こんにちは。湊ゆうきです。
 全世界の夏休み! せっかくなのでコンテスト会場、ブルーアルカディアからお届けします。

 こちらは第1章の【日常】だけで構成されるシナリオです。
 時間帯は昼を想定していますが、希望があれば夜でも可能です。
 泳ぐのなら湖で。あとは砂浜で出来そうなことなんでも。道具等は貸し出しでも持ち込みでも。
 雲海飛行も乗り物の貸し出しからレクチャーまで必要ならしてくれます。
 上記に限らず、出来そうなことでしたら大体何でも大丈夫ですので楽しくお過ごしください。

 お誘いがあった場合のみユディトがご一緒させていただきます。
 同行の方がいらっしゃる場合はその旨お書き添えください。
 プレイングはOP公開後すぐの受付となります。
 素敵な夏休みの思い出のひとつになれば嬉しいです。
 ご参加お待ちしております!
78




第1章 日常 『アルカディアビーチ』

POW   :    日差しに負けず楽しむ

SPD   :    小型飛空艇で雲海飛行

WIZ   :    水平線ならぬ雲平線の風景を楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
佐伯・晶
さあ、そろそろ夜明けかな

わざわざキャンプまでして
どういうつもりですの

雲海は明け方が一番好きだからね
薄絹のような雲海は一県の価値があると思うよ

その為にこの時間に起きるなんて
ご苦労な事ですの

携帯コンロでお湯を沸かして珈琲を入れようか
昨日の内に作っておいた
魔獣肉のサンドイッチを食べて日の出を待とう
お手軽で美味しくて良いよね

…神域は冷蔵庫ではありませんの

暁、東雲、黎明、色んな言葉で表されるけど
この景色を見ると語りたくなるのも分かるなぁ

日が昇るのを眺めたら
人が来る時間になる前に片付けようか
ここから眺めているのも良いけど
あの上を飛ぶのも凄く気持ち良さそうだしね
今日はまだ始まったばかりだし目一杯楽しまないと



●曙光に染まる雲海
 美しい星々が瞬く群青色の空の端がほんの少し明るんできた。
「さあ、そろそろ夜明けかな」
 昨晩設置しておいたテントから顔を覗かせ、空の明るさを確認すると、佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は、夏の早朝の清々しい空気を胸に吸い込んでは、ゆっくり深呼吸した。
「わざわざキャンプまでして、どういうつもりですの」
 晶と同じ顔をした、晶と融合した邪神の分霊も同じようにテントから顔を出して空を見上げるが、こんな早朝から動き出す晶を理解できないようだった。
「雲海は明け方が一番好きだからね」
 夜明けに見る雲海。それこそが晶がキャンプと早起きまでして見たかったもの。
 無数の浮遊大陸が浮かぶ、ここブルーアルカディアの世界において、朝日は山や海から昇るものではなく、辺りを揺蕩う雲海からその姿を覗かせるのだ。
「薄絹のような雲海は一見の価値があると思うよ」
「その為にこの時間に起きるなんて……ご苦労な事ですの」
 邪神に睡眠が必要かはさておき、それでもあくびをかみ殺すような仕草をした邪神に、まあそう言うだろうねと思いながら、晶は眠気覚ましも兼ねた珈琲を入れるため携帯コンロで湯を沸かす準備を始める。
「夏休みなのだから、海で泳いだりするのかと思ってましたの」
 今年も邪神は水着コンテストにエントリーしていたようで、チューブトップ風のスポーティな水着で注目を集めていたようだ。
「去年の絶対泳ぐ気ないだろって水着よりかは幾分ましだけどさ、今年も別に泳ぐ気なさそうだったじゃないか」
 沸騰したお湯で珈琲を二つ作ると、カップのひとつを邪神へと差し出しながら晶は淡々と告げる。
 というか、泳ぐよりも屋台で食べ歩く方がメインだったような気がする。
「水着はファッションですの」
 熱々の珈琲をふうふうと冷ましながら口にしては、そんなことを言う邪神は置いておいて、晶は昨日のうちに作って置いた魔獣肉のサンドイッチを珈琲と共にいただき、来るべき日の出を待つ。
「冷蔵庫のおかげでサンドイッチも傷まなかったし、お手軽で美味しくて良いよね」
「……神域は冷蔵庫ではありませんの」
 邪神と眷属以外の時間が停滞する神域は、こういう時にも重宝するのだが、いつも邪神は冷蔵庫代わりにするなと不満顔だ。
 そうしているうちに、空は徐々に赤みを帯びてくる。この世界の空は見上げるだけでない。浮島の端から見下ろす先にも空と雲海が果てしなく広がっているのだ。
 その果てしない空を見つめていれば、地平線や水平線でなく、雲海の彼方から太陽が顔を出し、辺りを茜色に染めていく。
「まあ……」
「暁、東雲、黎明、色んな言葉で表されるけど……この景色を見ると語りたくなるのも分かるなぁ」
 あれほど理解に苦しんでいた邪神も、目の前に広がる絶景の朝焼けには言葉をなくしたように見入っている。
 自然の圧倒的な迫力は、時に人に言葉を失わせ、時に人を饒舌にさせる。
 そうして太陽が天へと昇れば、空は夜とはまた違う美しい青へと変化して。
「さすがブルーアルカディア。UDCアースでは見れない景色だね」
 浮島から見る雲海から顔を出す太陽。果てのない空はどこを見ても絶景だ。
「さあ、そろそろ行こうか」
 辺りは明るくなり、人々も動き出す時間。晶は慣れた様子で手早くキャンプ道具一式を片付け始める。
「あら、もういいんですの?」
 その言葉に晶は遥か空を眺め、そうして遠くの雲海を指差した。
「ここから眺めているのも良いけど、あの上を飛ぶのも凄く気持ち良さそうだし」
「まあ、あの上を飛ぶ?」
 ぱちくりと目を瞬かせた邪神へと頷いて。希望すれば勇士たちが小型飛空艇を貸し出してくれると言っていた。この浮島でできることはまだまだたくさんあるのだ。
「今日はまだ始まったばかりだし目一杯楽しまないと」
 眩しいほどの朝日をその身に浴びて、晶はそう言っては、この空の世界を堪能するために動き出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【不死蝶】
魔獣肉が食べたい

というわけで今日のお昼は砂浜で魔獣肉バーベキュー
ありとあらゆる魔獣肉を取り揃えました~

ほら梓、早く焼いて焼いて
だって俺が焼くと「それは食べるにはまだ早い!」とか
事あるごとに口出してくるじゃない
それなら最初から梓に全部任せた方が早いかなーって

流石に梓の調理中に何もしないのも気が引けるから
俺はその間にテーブルやお皿や調味料の準備をするよ
準備中に肉の焼けるいい匂いが…あー早く食べたい

お楽しみの実食タイム
ん~っ、これは牛肉みたいな味わいだね
柔らかいし塩味が効いててすっごく美味しいっ
こっちの肉はちょっと独特の風味があるけど
逆にそれがクセになるかも
わいわいと魔獣肉食べ比べを楽しむ


乱獅子・梓
【不死蝶】
第一声がそれかい(ツッコミ

さすがブルーアルカディア、よく分からない肉の宝庫だな
いったい肉になる前はどんな魔獣だったのやら…

おい、全部俺任せにするつもりかお前は!
うぐ、それは否定出来ない…
でもこいつの場合、油断すると鶏肉や豚肉まで
生焼けで食べようとするからな…
ええい、こうなったら俺が最高に美味い状態に焼き上げてやる

しかし魔獣肉の調理は初めてだ
肉ごとのクセやベストな焼き加減が分からない
生焼けは危険なものや、逆に牛肉のように
レアでも美味しいものがあるかもしれない
現地の人を捕まえて色々話を聞いてみよう

試行錯誤しつつ、無事焼けたら綾や仔竜たちに振る舞う
俺も自信作をつまみにビールをぐいっとな!



●天空の魔獣肉バーベキュー
 雲海に無数の浮遊大陸が浮かぶ空の世界――ブルーアルカディア。
 美しい雲海とはいえ、そこへ落ちたものは全て消滅しオブリビオンと化す世界。この過酷な世界で生き延びるために生み出されたオブリビオンの心臓である『天使核』を動力とする天使核文明は、飛空艇や魔導機械の動力として絶大な力を誇るが、一つ間違えれば汚染と暴走の危険をも孕んでいる。
 それでも。屍人帝国の脅威にさらされていない浮島は平和そのもの。
 明るい夏の陽射しに照らされた砂浜は輝き、近くにある湖からは水浴びを楽しむ楽しそうな声が聞こえてくる。
 さあ、この場所でどんな夏を過ごそうか。
「魔獣肉が食べたい」
 煌めく砂浜で、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)が一番に発した言葉はそれだった。
「第一声がそれかい」
 夏のレクリエーションは他にもたくさんあるだろうに、相棒が口にした実に正直な言葉に、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)はやはりツッコまずにはいられなかった。
「だってブルーアルカディアと言えば、魔獣肉でしょ? というわけで今日のお昼は砂浜で魔獣肉バーベキュー」
 当然だと言わんばかりの綾は、早速荷物を運んでは、雲海がよく見える良い場所を探して歩いて行く。
「まあ、ブルーアルカディアの魔獣肉に興味はあるが……だが全部当たりとも限らないだろう?」
 ちょうど良い場所を見つけ、バーベキューに必要な道具を準備する二人。
「大丈夫だよ。数撃ちゃ当たるだろうし。というわけで、ありとあらゆる魔獣肉を取り揃えました~」
 じゃじゃーん、と自前の効果音つきで、いつの間に調達したのか、綾は様々な種類の魔獣肉をクーラーボックスから取り出した。
「肉……確かに肉。だが食欲をそそらないような色もあるぞ。さすがブルーアルカディア、よく分からない肉の宝庫だな……」
 一体肉になる前はどんな魔獣だったのかと想像する。やはり鳥形の魔獣は鶏肉のような感じなのだろうか。そうとわかればとっかかりもありそうだが、肉の塊と化した今ではよくわからない。
「ほら梓、早く焼いて焼いて」
 バーベキューコンロと炭はちゃんと用意して、綾が待ちきれない様子で梓を急かす。
「おい、全部俺任せにするつもりかお前は!」
 この謎の肉たちをどう味付けするかもまだ未知数だというのに、全てを梓に任せようとする綾へと厳しい視線を投げかければ。ちょっと不満げに口を尖らせた綾がその理由を述べる。
「だって俺が焼くと『それは食べるにはまだ早い!』とか、事あるごとに口出してくるじゃない」
「うぐ」
「それなら最初から梓に全部任せた方が早いかなーって」
「確かにそれは否定出来ない……」
 なまじ料理が上手なだけに、やはり素材は活かして美味しく仕上げたいし、適切な食べごろを見極めて美味しく食べたいのだ。
 自分任せで何もしないのは納得いかないが、綾は油断すると鶏肉や豚肉まで生焼けで食べようとするのだ。それは危ない。梓の抑えきれないオカン気質がむくむくと膨らみ表に出ると、やはりここは自分がと思い直すのだった。
「ええい、こうなったら俺が最高に美味い状態に焼き上げてやる」
「わーい、やったー」
 にこにこ笑顔の綾に、なぜか敗北感を感じながら、梓は謎めいた魔獣肉たちを前にどうするべきか考える。
「しかし魔獣肉の調理は初めてだ……肉ごとのクセやベストな焼き加減が分からない」
 生焼けでは危険なものもあるだろう。しかし逆に牛肉のようにレアでも美味しいものもあるかもしれない。
 せっかく料理するなら絶対美味しく仕上げたい。美味しい魔獣肉バーベキューを期待している綾や仔竜たちに喜んでもらえるのはやはり嬉しい。
「よし、ここは地元の人間に聞いてみるか」
 というわけでビーチで屋台を出している現地の人たちに魔獣肉を見せてその調理法を聞いて回る。
「ねーねー梓、まだー?」
「もうちょっと待ってろ。これで美味い肉が焼けそうだ」
 まるで親を待つ雛鳥のように肉が焼けるのを待つ綾の催促にも苛立つことなく、梓は手に入れた情報で美味しいバーベキューが完成する確信を得て笑みを閃かせる。
「これは鳥形の魔獣で、癖がなく淡泊だから調味料をしっかりきかせて……こっちは羊よりらしいが、野菜と一緒に串に刺して焼くか」
 謎の肉たちの情報をゲットした梓は、持ち前の料理の知識と腕を活かして手早く下拵えしていく。
「こっちはレアめに焼いても美味いって言ってたな」
 ノリノリで梓が調理を進めていく間に、さすがに待つだけというのは気が引けるので、綾はテーブルの上に皿や食器、調味料などを準備していく。
「やっぱり激辛は外せないよね」
 梓に見つかったら一瞬で没収されそうな激辛調味料もこっそり忍ばせてみる。
「ガウ」
 飲み物が冷えるようにと、氷竜の【零】が冷たいブレスを吹きかけて。そうこうしているうちに、肉の焼ける良い匂いが漂ってくる。
「あー早く食べたい」
「キュー」
「お、焔も手伝ってくれるのか」
 熱の伝わりが弱い場所へと、炎竜の【焔】が炎のブレスで火加減を調整してくれる。
「よし、完成だ!」
「わーい、早く食べよう!」
 立ち昇る香ばしい香りに、いい焼き加減の魔獣肉たちが否応にも食欲をそそる。串に刺された肉には色鮮やかな野菜も添えられていて、彩りも栄養バランスも考えられているのが梓らしい。
「では早速いただきます……ん~っ、これは牛肉みたいな味わいだね」
「そうだな、それはそんなに手を加えず素材の味を活かしてみた」
「うん、柔らかいし塩味が効いててすっごく美味しいっ」
 仔竜たちも美味しそうに魔獣肉を口にしてはご機嫌な様子。
「いや、最初はどうなることかと思ったが……素材さえ理解できればなんとかなるな」
 スペアリブのような骨付き肉はハニーマスタードとスパイシーカレー味にして。これには思わず冷えたビールが進んでしまう。
「こっちの肉はちょっと独特の風味があるけど、逆にそれがクセになるかも」
「それは羊っぽい魔獣だそうだ」
「へー。こうやって食べ比べるのも楽しいね」
「おい、肉だけじゃなくて野菜もちゃんと食べるんだぞ!」
 どこまでも続く雲海を眺めながらの楽しい魔獣肉バーベキューが盛り上がる中、しっかりとオカン気質を発揮させる梓だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)●黒ビキニ。
確か私は露に祭に誘われて浮島の湖にいるはずだ。
なら何故私は砂浜に埋められているんだろうか。
日傘があるから陽ざしからは保護されているが…。

小さい『私』が埋まっている私の上で砂遊びをし始めたな。
ふむ…。要塞型の城塞か。中々精巧に作ろうとしている。
微笑ましい。姿は手乗りサイズの『私(水着姿)』だが。
ん…。動くと『私』が折角作った城や砦が崩されてしまうな。
旗まで立てて満足そうだ。楽しそうでなりより。
だが私は暫くは動けないな。全く…。やれやれだ。

露は露で数人の『私』を相手にしていて静かなものだ。
クリームソーダを共に…ん? いつ用意したんだそれは。
「…私にもくれないか?」
『私』や露が飲ませてくれようとするはやめて欲しかった。
うっとおしい。
…平和だな。時にはこういう時間もいいものだな…。


神坂・露
レーちゃん(f14377)●白ビキニ。
浮島の湖にきてから最初にしたのは埋めること。
もちろんレーちゃんの身体をしっかり埋めたわ♪
「これでゆっくり休めるわよね。レーちゃん♪」
え?違う。そうじゃない?
「だってだって。何時も陰でぽーっとしてるじゃない♪
だから…今年は砂に埋めてみたの♪ えへへ♪」

呆れ顔のレーちゃんは何も言わずにちまレーちゃんを出したわ。
わ♪わ♪ちまちゃん出して何するのかしら?
え?ちまちゃん達にも休養を?ならあたしも一緒に遊ぶわ♪



●ブルーアルカディアの平穏な(?)休日
 夏らしい青い空が広がるブルーアルカディアの浮島のひとつ。
 雲海の広がる空には大小の飛空艇が行き交い、屍人帝国の脅威に晒されていない浮島には猟兵たちも多数訪れ、それぞれに夏休みを楽しんでいた。
 浮島という特性上、砂浜の先に海はないが、近くに湖があるので、そこで遊んでいるのだろう、楽し気な声が聞こえてくる。
 そう、確か夏休みだからブルーアルカディアの浮島で遊ぼうと誘われたので、てっきり湖で水遊びをしたり、小型飛空艇に乗って雲海を駆けたりするのではと思っていたのだが。
 先程から目に入るのは、自らを陽射しから守ってくれる日傘と眩しいほどの青い空だけ。
(「何故私は砂浜に埋められているんだろうか」)
 ただただ青い空を眺めながら、シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)はビーチの砂浜に身体を埋めつつ、やけに冷静に事の始まりを思い返していた。

「わーい、夏休みよ、レーちゃん♪」
 白いビキニ姿が眩しい神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)が、うきうきとした様子でシビラを砂浜まで引っ張ってきた。
「海はないけど、湖はあるんだって。えへへ~、レーちゃんもちゃーんと夏休みしないとね!」
「……陽射しは苦手だが、静かに雲海を眺めるというのも確かに悪くないな」
 そうして、露とは対照的な黒のビキニを着たシビラがビーチベッドに身体を預けてぼんやりと雲海を眺めている間に、露は何やら砂浜で作業を始めた。きっと、砂遊びをしているのだろうと、パラソルの日陰の下で気にせずのんびりしてたシビラだが、しばらくして露がシビラを呼び、ここに寝転んでというのでその通りにすると……。
 いつの間にか、ビーチに顔だけ出る状態で埋められていたのだ。
「これでゆっくり休めるわよね。レーちゃん♪」
 隙なくしっかりとシビラの身体を砂で埋めた露は上機嫌で、額の汗をぬぐって満足げな顔。
「休む? いや、これは違うだろう……」
 え? 違う? とぱちぱちと目を瞬かせた露だが、彼女にも彼女なりの理由があって。
「だってだって。何時も陰でぽーっとしてるじゃない♪ だから……今年は砂に埋めてみたの♪ えへへ♪」
「……だから、の意味がわからないのだが……それに、暑い……」
「あ、そうそうちゃんと日傘は置いておくからね♪」
 顔が日焼けしないようにとの気遣いはありがたいが、違うそうじゃないと叫びたい。
「レーちゃん、ゆーっくり休んでね♪」
 強制的に休ませられたのはどうかと思うが、そうか夏休み……ならば、いつも力になってくれる小さい『私』にも休暇を楽しんでもらおうと、シビラはユーベルコードで100体以上もの黒ヴェールをかぶった手乗りシビラを召喚する。
「わ♪ わ♪ ちまちゃんたちだわ♪」
「せっかくの休暇だからな、『私』たちにも休養を」
「そうなのね! ならあたしも一緒に遊ぶわ♪」
 小さなシビラたちは、黒の水着姿でそれぞれ動き出すと、シビラが埋まっている砂の上で早速砂遊びを始める。
「ふふ、ちまレーちゃんたち砂遊びね♪」
 そこへ露も混じっては、一緒に砂遊びを始めて。ちまたちはあれこれ相談すると、シビラの上に立派な砂の城を作り始める。
(「ふむ、要塞型の城塞か。中々精巧に作ろうとしているな」)
 外敵の侵入を阻む堅牢な城塞の精巧さに、埋まりながらも思わず感心するシビラだった。だが、それを一生懸命作っているのが、水着姿の小さな自分だと思うと、微笑ましくてつい頬が緩む。
(「ん……動くと『私』が折角作った城や砦が崩されてしまうな」)
 ならばしばらく大人しくしておこうと砂遊びを見守っていると、三角屋根の塔や見張り台まで作られていて、しっかりと旗まで立てている様子は楽しそうで何よりだ。
 時折露がちまたちをぎゅーっと抱きしめている姿にやめてほしいという視線を送るが、やはり気づいてはいないようで。
 ともあれこれでしばらく動けないことが確定したシビラはやれやれと息を吐き出すのだった。
「ちまレーちゃんもたくさん遊んで喉が渇いたわよね~」
 しばらくはちまたちと一緒に遊んでいて静かだった露が、ちまたちと一緒に美味しそうにクリームソーダを飲んでいた。
(「いつ用意したんだそれは」)
 シビラが疑問に思うも、砂浜に埋まっているシビラからは確認できないが、ビーチには現地の勇士たちが屋台を出してもいるようで。
「しゅわしゅわで冷たくて美味しいわ~」
「……私にもくれないか?」
「もちろんよ、レーちゃん♪ さあ、ちまちゃんたち、一緒にレーちゃんに飲ませてあげるわよ~」
「いや、コップを支えてもらえれば一人でも飲め……」
 言いかけたシビラの言葉は聞こえなかったことにされ、露が嬉しそうにクリームソーダのアイスをスプーンですくって差し出してくれる。
「はい、レーちゃん、あーん♪」
 ちまたちも甲斐甲斐しくストローを差し出して、口元を拭うハンカチなんかも用意して至れり尽くせりだ。
(「いや、仰々しすぎるだろう………うっとおしい……」)
「レーちゃんはゆーっくり休むから何もしちゃダメなのよー。何か食べる? スイカとか、魔獣肉の串焼きとか!」
「いや、大丈夫だ。露も『私』たちと一緒に羽を伸ばすといい」
「わかったー♪」
 そう言って露はちまたちを連れて湖に向かったようだ。水浴びでもするのだろう。
 ようやく静かになった砂浜に、本当の意味でゆっくりできるとシビラは一つ息を吐き出して。
 見上げる青い空に、砂で出来た城が誇らしげに聳えていて。日陰は日傘で確保されているから、時折吹く風が頬をくすぐり気持ちいい。
(「……平和だな」)
 こんな戦いのない平和な日常には、確かに心が洗われるようだ。
「時にはこういう時間もいいものだな……」
 きっと小さいシビラたちのいい休養にもなったろうと、シビラは微笑み、目を閉じるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エミリロット・エカルネージュ
姿は今年のミント餃子をテーマにしたチャイナワンピース水着で、事前にUCで尻尾をミント餃子にして

魔獣肉でBBQって事は

魔獣肉を分けて貰えるんだよね?
最近キャンプ飯で餃子を作るのも
密かに流行り始めてるって聞くし

コレは魔獣肉で餃子を焼くしか

●餃子でBBQのキャンプ飯
事前にキャンプで餃子作る用のキャベツを塩揉みして水分を絞ったの(持ち込み保存を意識し)用意

ニラ等や魔獣肉のミンチと混ぜ合わせ
ジップロップの中で揉み込み餡を作り

あっ、ユディトくん

ちょうど良い所に、良かったらBBQ用キャンプ飯餃子を魔獣肉で作るんだけど、一緒に『料理』しない?

ユディトくんに色々教えつつ
少しコツいるけどキャンプ網の上で餃子を焼くのに優秀な熱伝率のスキレットで

空焚きし、落とした水滴が丸まったら
油を広げ温度調整し煙が出たら
火から離して油を軽く拭き

油を入れ広げ
餃子を間隔を開けて設置

底がくっつかないで良い焼き色
後は熱湯注いでアルミで蒸し焼きかな

包まない餃子も教えながら
魔獣肉の餃子がどんな感じが
二人で食べてみよう

※アドリブ絡み大歓迎



●魔獣肉で作るキャンプ飯餃子
「ブルーアルカディアの浮島は確かに夏休みにぴったりだよね」
 水着コンテストでも訪れたこの世界だが、浮島と言っても実に様々。農業が盛んな浮島もあれば、酪農が盛んな浮島もある。今回訪れたこの島は、海はないが砂浜が広がるビーチに湖があるといった観光やリゾートにぴったりの島だった。
 白地に爽やかなミントグリーンで龍が描かれたチャイナワンピースを着たエミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)は、まずはどんな島だろうかと散歩がてらに歩いてみる。
 水着コンテストでも披露したこのチャイナワンピースは透け感のあるミントグリーンのパレオも涼し気で、エミリロットが得意とする薄荷ミント 餃子を思い起こさせる。せっかくだからとユーベルコードでふさふさの紅い尻尾を薄荷ミント餃子に変えて、薄荷ミント餃子の持つ特性もばっちりチャージしておく。
「確か砂浜では魔獣肉でBBQもできるとか言ってたよね? さすがに狩って捌くのは魔獣解体士にお願いしたいから……魔獣肉はどこかで分けてもらえるかな」
 砂浜を歩いていると、現地の勇士たちが出している出店に気づく。飲み物や氷菓以外にも、BBQ用の魔獣肉も販売しているようだ。
 エミリロットが作るのはBBQではなく、もちろん餃子だ。最近見つかった新世界アスリートアースでも流行しているキャンプでは、アウトドアで手軽に楽しむキャンプ飯なるものも流行っているそうだ。ならばこの世界で魔獣肉を使って餃子を作るのは、エミリロットにとって当然の流れだった。
「魔獣肉ってどんなのがあるのかな? ミンチにして野菜と混ぜるんだけど……」
 現地の勇士たちに話を聞きながら魔獣肉を選んでは、いくつか分けてもらう。鳥形の魔獣のあっさりした肉や、羊に似た魔獣のやや癖はあるが香辛料を加えると美味しくなるという肉など、一体どんなものになるのか今からわくわくしてしまう。
「エミリロットさん、これから料理ですか?」
「あっ、ユディトくん」
 魔獣肉をゲットしてほくほくのエミリロットがいざ砂浜で調理開始しようとしているところに、ユディト・イェシュア(暁天の月・f05453)が通りかかって声をかけてきた。
「ちょうど良い所に……良かったらBBQ用キャンプ飯餃子を魔獣肉で作るんだけど、一緒に料理しない?」
「わ、いいんですか。きっとエミリロットさんのことだから、美味しい餃子を作るんじゃないかなって思ってました。そうか、ブルーアルカディアだから魔獣肉で作るんですね」
 ユディトにとってエミリロットは餃子の師匠でもあるので、このお誘いはとても嬉しかったようだ。
「それに、そのワンピースも良くお似合いです。ミント餃子をイメージしたんですか?」
「えへへ、ありがと! そうなんだよ」
 薄荷ミント餃子な尻尾をふりふりしながら照れるエミリロットは、じゃあ早速準備しようかと料理道具一式と材料を広げる。
「お肉はミンチになってないから、包丁で細かくしていくよ。ユディトくん手伝ってくれるかな?」
「はい、もちろんです」
 塊肉をまずは縦ににスライスして、今度はそれを横方向に包丁を入れ、細かくしていく。さらにそれらを叩いて挽肉状に。なかなかの力仕事だ。
 その間にエミリロットはニラなどの香味野菜を刻み、事前に下準備をしておいた塩揉みを済ませたキャベツを準備。挽きたてのミンチ肉とそれらを混ぜ、仕込んだキャベツを入れておいたジッパーのついた食品保存用袋の中で一緒に揉み込み餡を作っていく。
「袋で混ぜ合わせるんですね」
「うん、キャンプの時とかはこういうのが便利だよ。洗い物をしなくて済むしね」
 そう、キャンプ料理はあまり手が込んでいると面倒だし時間もかかる。こうして事前に準備できるものはしておき、あとは焼くだけという形にしておくのも一つのアイデアなのだ。
「じゃあ、一緒に皮に包んでいこうか」
「はい、ちゃんと家で練習したので前より上手に出来ると思います」
 用意した皮の半分を餡で包み、残りは別に使うのだと取っておいて。
「今回焼くのは鉄板じゃなくて、スキレットだよ」
 キャンプでおなじみ、小さくて熱伝導率のいいスキレットは、少しコツはいるが、餃子を焼くのにも優秀なのだ。
「キャンプって感じですね」
 エミリロットはまず空焚きして火にかけ、温まった頃合いに水を一滴落とす。それが丸まったのを確認すると、油を入れ、広げて温度を調節していく。軽く煙が出てきたところで火から一旦離して油を軽く拭き取り、再度油を入れては広げ、餃子を間隔をあけて置いていく。
「やっぱり野外でも温度調整が大事なんですね」
「うん、ちょっとコツはいるけど、そこさえ守れば大丈夫かな」
 火力を調整しながら、底がくっつかないように気をつけつつ良い焼き色になるまで焼いていく。その後熱湯を注いで蒸し焼きにするのだが、エミリロットは手早くアルミホイルでスキレットを覆う。
「なるほど、蓋の代わりですね」
「うん、蓋でもいいけど、キャンプならこういうのが手軽でいいよね」
 焼いている間にエミリロットはもう一つのスキレットに、餃子の皮を並べ始める。
「ユディトくん、こっちは包まない餃子。こういうのも出来るんだよ」
 スキレットに餃子の皮を縁からはみ出るぐらい重なるように並べ、その上に餃子の餡を乗せていく。
「チーズとか入れても美味しいんだよね」
 とろけるチーズをさらに乗せて、その上に隙間ができないようにさらに餃子の皮を敷いていく。はみ出ていた皮を内側に折りたためば、包まない餃子の完成。あとは両面を焼いていくだけだ。
「勉強になります。これはこれで楽しみですね」
 そうして焼きあがれば、二人でビーチの上に設置したテーブルに魔獣肉の餃子を並べて。
「なるほど、こういう感じかあ。魔獣肉、なかなか餃子にも合うよね」
 たれをつけずにまず一口食べたエミリロットは、豚ひき肉とは違う味わいになるほどと頷く。あっさりとした味わいの肉にはもう少し香辛料を効かせてもいいし、たれを変えてみるのもありかもしれない。
「はい、いつものとは違うけど、これはこれで美味しいですね」
「うん、魔獣肉って種類も豊富だから、いろいろ試してみたくなるよね。たくさんレパートリーが増えそうかな」
「はい、楽しみですね」
 どこまでも続く空を眺めながら、野外で楽しむ料理と食事はいつも以上に美味しくて。雲海に囲まれた浮島で、楽しい時間は過ぎていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
今年の水着コンテストでの魚座型の鎧装
……名称自体もまだ決めていませんし

色々とテストもしていませんでしたね
魔獣料理でBBQと行きたい所ですが
今回、それは親友に任せて

この鎧装も、いずれ実戦に使いますし
テストしちゃいましょうか

●雲海から湖へ
バイザーフェイズオン
ブースター稼働
『空中戦&空中機動』で雲海飛行

色々と絶景ですね、機動力と小回りは蟹座より高そうですが

他の小型飛空挺等にも『パフォーマンス』して挨拶したり雲海飛行を楽しんだ後そのまま

湖の底に『水中戦&水中起動&深海適応』でダイブ、魚座の魚は神の親子が逃亡の際に化けた淡水魚、ボラの説がありますから、ある意味この有り様は正しいのかも

食べれそうな魚があれば『第六感』で動きを『見切り』魚の手掴み猟

湖を『水上歩行&推力移動』で這い上がり陸に上がった所で、ユディトさん奇遇ですね、今しがた例の鎧装のテストがてら魚の掴み取りを少々して、そこそこ収穫はあったので、BBQでさんが焼きを『料理』する所なんですが、良かったら如何ですか?

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


彩瑠・翼
ユディトさんと、昼のブルーアルカディアで遊ぶよ
ペガサスのウィンも一緒だよ

水着は紺色で白のラインが入ったシンプルなタイプだよ
ユディトさんも水着なんだね、すっごく似合ってるよ!

最初は湖で水遊び
そういえばウィンとこんな風に遊んだことってなかったよね?
ユディトさんは泳げる人?
オレは、頑張ったらできる、くらいかなぁ
…って、でも今日は遠泳修行とかナシだよ?
(ドキドキしながら宣言したら、ウィンが「修行しないの?」と不思議そうに首を傾げる)

…ウィン、誤解してるみたいだけど、オレ…
(修行そんな好きとかじゃないよ?
とか言おうとしたら、その言葉を遮るようにウィンがしっぽでぱしゃんと水をかけ)

わわ、やったなー
(ばしゃばしゃとウィンに反撃してから)
ユディトさんも水遊びしよー?
(にぱっと誘いかけ、ぱしゃりと水をかけようと)

ひとしきり水遊びしてから、余力ありそうならウィンに乗って雲海飛行したいな
雲の海、ゆっくり楽しんでみたいし!
ウィンは二人乗り大丈夫だから、ユディトさんもよかったら一緒行こうよ



●雲海の空 浮島の湖
 どこまでも続く空の世界。その浮島のひとつにやってきたビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は、雲海を見上げては、様々な飛空艇が行き交う様子に目を細めた。
「ブルーアルカディアは、食いしん坊のドラゴンに出会った時以来でしょうか。シラタラは元気にしていますかね」
 依頼で出会った自分が名付けた白い食いしん坊ドラゴンのことを懐かしく思い出すと、ビスマスはさて、と自身の姿を確認した。
 今年の水着コンテストで披露したのは、まだ正式な名称は決まっていないが魚座型の鎧装。ベージュや焦げ茶色をベースにした鎧装は、所々ビスマス結晶で彩られていて、とても彼女らしい。魚座というだけあって、随所に取り入れられた魚の形や模様が実用性に特化しているだけでなく、遊び心があって見ている分にも楽しい。
「色々とテストもしていませんでしたね。本来なら魔獣料理でBBQと行きたい所ですが……」
 そちらの方は今回は親友に任せることにして、ビスマスはこの新しい魚座型の鎧装の可能性を探りたいところだ。
「この浮島が平和なことは何よりです。けれどこの鎧装も、いずれ実戦に使いますし、テストしちゃいましょうか」
 広い広い空の世界。空中での動きを確かめるにはぴったりだ。
「では、雲海飛行といきましょうか」
 ビスマスは蒼鉛で彩られたバイザーを降ろすと、ブースターを稼働させる。あっという間に空へと舞い上がると、高度を調整しながら浮島の様子を眺める。
「なるほど、本当に砂浜の先に海はないんですね。あ、湖はいくつかあるようです。水中での機動も確かめたいのであとで寄ってみましょう」
 浮島の様子を眺めながら、新しい鎧装の機動力を確かめる。加速してみたり、加速した状態でどれくらい動けるか、急旋回や方向転換は可能か。
「機動力と小回りは蟹座より高そうですが」
 使いこなすにはもう少し慣らした方がいいだろうかとビスマスが考えていると、気づけば隣に飛空艇が並走していて、手を振っている人の姿が見える。
「では、挨拶代わりに」
 ビスマスも一度手を振り返すと、くるりと空で宙返りしてみせる。まるで魚が泳いでいるかのように優雅かつ自由に空を駆ける姿を人々は飛空艇の中から拍手をもって称えただろう。
 そうして空中での機動を充分に確かめると、今度は浮島の湖へと向かう。
 海の代わりに人々が遊んでいる湖ではなく、遊ぶには少し深いのだろうか。人がいない湖へと向かうと、そのまま空を飛翔しているスピードで湖へとダイブする。
 思った通り深い湖の中で、空を飛んでいた時と変わりなく、魚のように泳ぐビスマス。
(「水中戦も問題なさそうですね。ふふ、魚座の魚は神の親子が逃亡の際に化けた淡水魚……ボラの説がありますからある意味この有り様は正しいのかも」)
 海でなく湖で泳ぐ魚座型鎧装におかしくなって思わず笑みがこぼれてしまう。
(「おや、魚もいるようですね。では……」)
 水中での機動力を確かめるためにも、ビスマスは見つけた魚を手掴みで獲りにいく。魚の動きを先読みし、見切っては、見事な手さばきで捕まえるのだった。
(「テストは順調そうですし、魚をもう少し捕まえて料理と行きますか」)
 そうしてビスマスは次々と魚を捕まえていくのだった。

「ユディトさん、夏休みだよ! ウィンと一緒に遊ぼう!」
 白い毛並みの美しいペガサスのウィンを連れた彩瑠・翼(希望の翼・f22017)が、ユディトに声をかけては、ブルーアルカディアでの夏休みを一緒に過ごそうと誘う。
「翼くん、来てくれて嬉しいです。もちろんです。一緒に遊びましょう」
 ウィンのたてがみをそっと撫でながらユディトは翼の姿ににっこりと微笑んで。
「水着で来てくれたということは水遊びですね」
「ユディトさん水着みたいだったから、オレも着て来たんだ。ユディトさんすっごく似合ってるよ!」
 翼の水着は、猟兵コレクションでお披露目したジャケットにも似た紺色に白のラインが入ったシンプルなサーフパンツ。女性の華やかさに比べると、男性の水着はシンプルになりがちだ。ユディトも初めてコンテストにエントリーしたので、いつも着ている青を基調にした無難なものを選んだようだ。
「ありがとうございます。いざ着てみるとわくわくするものですね」
 砂漠の出身なのであまり海には縁はないが、翼とは釣りを一緒にしたりと海での思い出もたくさんある。パリピ島で海に転落して危うく溺れかけたことも今となってはいい思い出だ。
「では、あっちに湖があるんで、行ってみましょう」
 透明な水面が太陽の光を反射して煌めく美しい湖。広い湖は、他にも水遊びを楽しむ人々の姿が見える。
「うわあ、結構広いね……って、でも今日は遠泳修行とかナシだよ?」
 湖だからと油断していたが、これなら結構泳げそうと気づいた翼がハッとなってユディトの様子を窺う。本人に悪気はないのだろうが、何かにつけて修行とか合宿とかになってしまうのはなぜなのだろうか。
「遠泳修行……なるほど、そういうのもありですね。でも俺は泳いだことないので付き合えません。なので浮き輪を持ってきました」
 これが必需品だと言わんばかりに肌身離さず浮き輪を持っていたのはそういうことなのだと翼は理解した。
「あ、そうなんだね。オレは、頑張ったらできる、くらいかなぁ」
 ならば遠泳修行はとりあえずなさそうだとほっと胸を撫でおろす。
 その様子にウィンは不思議そうに首を傾げては、つんと翼の肩を鼻でつつく。まるで「修行しないの?」と言っているかのような仕草に、翼は誤解を正しておこうと口を開きかける。
「……ウィン、誤解してるみたいだけど、オレ……」
 修行そんな好きとかじゃないよ? と言いかけたところで、先に湖に入ったウィンがその言葉を遮るようにしっぽを使って水をかけてきて。
「わわ、やったなー」
 翼も湖に入ってウィンへとばしゃばしゃ水をかけて反撃する。
「ふふ、楽しそうですね」
「ユディトさんも水遊びしよー?」
 泳げなくても浅い場所でこうして水をかけあうのなら充分楽しめると翼が誘い、ユディトも浮き輪を置いて湖に入って水をかけあう。
「わー、ウィン、それはずるい!」
 水浸しになった身体をぶるぶるっと身震いさせたウィンからの全方位水しぶき攻撃を食らったりと、びしょ濡れになって笑い合う。
「そういえばウィンとこんな風に遊んだことってなかったよね?」
 その言葉に、しっぽで水をかけることで応えるウィン。
「そうだったね。またいろんな世界で一緒に遊ぼう!」
 ひとしきり水遊びをして楽しんだ二人とウィンは湖のほとりで少し休憩する。
「ユディトさん、翼さん、奇遇ですね」
 そこへ、魚座型鎧装のテスト機動を済ませたビスマスが現れた。どうやら近くの湖で魚を獲っていたようでその釣果は上々のようだ。
「ビスマスさんこんにちは。夏休みを楽しまれているようで何よりです」
「こんにちは。わあ、魚たくさん獲れたんだね」
「はい、今しがた例の鎧装のテストがてら魚の掴み取りを少々して……そこそこ収穫はあったので、BBQでさんが焼きを料理する所なんですが、良かったら一緒に如何ですか?」
 水遊びをしてすっかり小腹が空いていた二人はありがたい申し出に頷いて。
「ありがとうございます。出来ることがあれば手伝いますね」
「オレもBBQの準備とかやるよ」
 そうして獲りたて新鮮のブルーアルカディアの淡水魚を捌いてなめろうにしては、それをじっくり焼き上げたさんが焼きをみんなで美味しくいただくのだった。
「ごちそうさま。とっても美味しかったよ。一休みしたし、できればウィンに乗って雲海飛行したいな」
「はい、とっても美味しかったです。雲海飛行、いいですね」
「お口にあって良かったです。わたしも先程テストを兼ねて飛んできましたが、とても良かったです」
 手早く料理道具一式を片付けながら微笑むビスマス。空からはこの浮島の様子もよく見えてそれは絶景なのだと語ってくれた。
「そうだよね。雲の海、ゆっくり楽しんでみたいし!」
 やはりこのどこまでも続く空の世界を飛んでみたいというのは誰もが抱く夢なのだ。
「じゃあ俺は小型飛空艇でも借りてきましょうか」
「ウィンは二人乗り大丈夫だから、ユディトさんもよかったら一緒に行こうよ」
 これにはウィンも乗り気のようでしっぽをふりふり、任せなさいと言っているようだった。
「ちょっと重いと思うので気が引けますが……よろしくお願いします」
「大丈夫大丈夫。ウィン、これも修行だよ?」
 結局修業とは切っても切り離せないのだと笑い合いながら、三人は空を見上げた。
「わたしももうひと飛びしてきましょう。みんなで雲海飛行を楽しむとしましょうか」
 そうして青い夏空に、白いペガサスと魚座型鎧装が舞い上がり、まるで飛行機雲のように、空を駆けていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年07月31日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ブルーアルカディア
🔒
#お祭り2022
🔒
#夏休み


30




種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト