夏の味覚と夜プール
●夏
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。UDCアースに夜のプール、ナイトプールというモノはご存知でしょうか?」
神山・琥珀(白銀の妖狐・f01799)が小さく首を傾げながら言った。
「暗い夜にプールなんて不気味でしょうが、そこは夜に特化していてなんと……」
琥珀は端末を操作して、大きな画面に色とりどりのライトで光るプールを映し出した。
南国を思わせる装飾やデザインのバーやパラソル、しかしそれに反するかの様にプールの水面に浮かぶのは大きなアヒル。
人が横になれる程に大きなユニコーンを模したボート。
「あ、でも未成年はお酒はダメですよ? 泳ぐのにお酒はダメだったような……? 無理しない程度に楽しめれば良いです。それと」
琥珀が更に端末を操作して画面を変えると、ピザ、ピザ……
山盛りになったピザが映し出された。
「運動、水分、と来たらお腹が空いては泳げませんから、ピザ食べ放題にしてみました」
嬉しそうに琥珀が言う。
「私、1度でも良いから甘いピザを食べて見たかったのです! あ、少しならお持ち帰りも可能なので、食べきれなくても大丈夫ですよ」
琥珀は、画面に映し出された甘いピザへ視線を向けたまま説明する。
「水着無くても貸し出しはしておりますし、泳げない人の為に浅いプールもあるんです。なるべく皆さんに楽しんでいただける様にしておりますので、手ぶらでも沢山持ち込んでいただいても可です。それでは皆さん、楽しい夏を楽しんで下さい!」
龍真 神
オープニングに目を通して頂きありがとうございます。
龍真 神(タツマ シン)と申します。
よろしくお願いします。
夏といえば、プール!
プールといえば水泳!
水泳といえば運動!
お腹が減るならピザを食べれば良いじゃない!
そんなシナリオです。
★二人以上で参加する場合は、【相手の(ID)】や【チーム名】の記載をお願いいたします。
※チームは最大でも3~4人が限度となりますのでご留意ください。
★NPCのキャラは、MSページに載ってい全員は同行可能です。
プレイングにNPCと同行の記載していない限り、リプレイで描写は一切しません。
同行希望でお任せしてくださっても可能です。
★ほぼ『おまかせ』プレイング可能なシナリオとのります。
第1章 日常
『行こうよ、ピザフェス!』
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POW : やっぱりガッツリ!肉系のピザに挑む
SPD : 海の幸たっぷり!シーフード系のピザにトライ
WIZ : 甘さと塩気のコラボレーション!スイーツ系ピザに挑戦
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御園・桜花
「寝そべるユニコーンボート…?」
目がキラキラ
「ピザをたらふく食べて、お腹がぽっこり…とっても有りそうです。か、隠さないと」
ビキニで参加…をラッシュガードに変更
「ラッシュガードはピッタリさんですから、此れなら食べすぎても誤魔化してくれる、筈」
「せっかくのピザ祭り、全制覇しないと…」
肉から魚介から1切れずつ8枚皿に盛り、タバスコバシャバシャかけてフォークで丸めてパクリ
「ん~、やっぱり温かいピザにタバスコ最高です!チーズとクリスピーな生地がもう、もうっ」
ジタバタしながらお酒を飲んで次のピザへ
4皿食べ切った所でボートに寝転がる
「UDCでもこんなに星が見えるんですね…戻ったらスイーツに挑戦です」
●
夢と
夢
「寝そべるユニコーンボート……?」
御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)が翡翠の様な緑色の瞳を輝かせながら画面を見つめる。
夜とはいえ、プールの中はライトアップされており、どーんと絵本に出てきそうなユニコーンの形をしたビニール製のボートはプールの真ん中で浮かんでいる。
どういうギミックなのだろうか? ユニコーン自体もパステルカラーの光を帯びていた。
他の画面にはピザの山。
桜花の胃がピザの気分になったのであろう、腹の音が鳴ると思わず両手で押さえてしまう。
「(き、聞かれて……ないですよね?)」
桜花はゆっくりと周囲を見回すが、さっさと着替えてもうプールにダイブしているか、仲間と一緒に何をしようかと話す声で賑やかだ。
「(ビキニで……)」
と、桜花は並ぶ水着へ手を伸ばすが、ピタッと手を止めて少し考える。
ピザ食べる+お酒も飲む=お腹が目立つ。
「(やっぱり、こっちです)」
手を横へスライドさせて、ラッシュガードを掴んだ。
「ラッシュガードはピッタリさんですから、此れなら食べすぎても誤魔化してくれる、筈」
そう期待して桜花は、上はラッシュガードでお腹周りまでカバーしている水着に着替えてナイトプールへと足を踏み入れた。
聞いた事はないが何となく南国を思わせる音楽、キラキラ輝く光の洪水様なライティングが眩しくて少し目を細めてしまう。
そんな世界で、トマトソースと香ばしいニオイがする方へ自然と顔が動く。
「せっかくのピザ祭り、全制覇しないと……」
桜花はプールを横目にピザが並ぶ方へと足を向けた。
「ん~、やっぱり温かいピザにタバスコ最高です! チーズとクリスピーな生地がもう、もうっ」
桜花のテーブルにドンと山盛りピザが乗った皿4枚と冷たいエールが入ったジョッキ一つ。
ぱくり、と桜花がピザを頬張り、口に付いたトマトソースを拭きながら飲み込む。
そして、冷たいエールで喉を潤すした後……
お腹いっぱいで熱くなった体を冷やす為にプールへと入る。
目当てのユニコーンボートへ手を伸ばし、大きさに驚きつつ顔を見上げた。
「わぁ……」
ごろり、とふかふかなユニコーンの背に寝転ぶと桜花は小さく感嘆の声を上げる。
このナイトプールがある位置が高いからだろうか?
それとも、そういう気候だったからであろうか、それでもUDCアースでは夜空は星の海が広がっていた。
「UDCでもこんなに星が見えるんですね……戻ったらスイーツに挑戦です」
ふふ、と小さく桜花が笑みを浮かべながら呟くと、今にも掴み取れそうな夜空に向かって手を伸ばした。
揺れるユニコーンの背、指の間から零れる星屑はきっと掴めただろう。
まだ夜はこれから、甘いピザを食べる為に桜花はプールへと飛び込んだのであった。
大成功
🔵🔵🔵
荒珠・檬果
【神杜寺】
水着は、競泳のを。…えー、これしかなかったんです。
昔、習ってたんですよ。
で、今年もせっかくなので…朝霞さんと来ました!
実は私も甘いピザは食べたことがないんですよね。
朝霞さん、水神だからかプール似合いますね…。
泳ぐのはそこそこに、二人で話ながら、ゆっくり水分とりまして。あ、私は麦茶ですよ。
…ええ、まあ…お正月は私がめちゃくちゃ張り切ってましたからね…。
そして、甘いピザ!知ってはいれど、味わいはまだだったピザです!
ふふ、水分はミルクだけ入れたコーヒーに。ええ、甘いピザにはこのコーヒー!合うと思うんです!
あ、少しだけ甘いピザを持ち帰りましょうか!
虹川・朝霞
【神杜寺】
はい、俺の水着は黒のトランクス型海パンですね。
そう、今年の夏も檬果さんと過ごします!
甘いピザというのもあるんですね。はじめて知りました。
やはり、水はよいものですね…とざばざば泳ぎ。
そして、その後におしゃべりを。俺はスポーツドリンクいただきましょう。
せっかくのお正月、ゆっくり過ごせなくて寂しかったんですよ。応援はしてましたが。檬果さん、あの世界大好きですからね。
そう、甘いピザ!共に初めてなのが嬉しくて!
飲み物は檬果さんと同じのにしまして。甘いのと苦いのとを、交互に味わうように。
そうですね、少しだけ持ち帰りましょうか。きっと、家にある紅茶とも合うと思いますから。
●甘いと苦い
「甘いピザというのもあるんですね。はじめて知りました」
黒い海パン姿の虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)は焼き上がっていくピザを見つめつつ呟いた。
「実は私も甘いピザは食べたことがないんですよね」
と、その隣で競泳水着姿の橙色のシャーマンズゴーストの荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)が朝霞の手を握る。
南国っぽい音楽を背に二人は、プール沿いを歩いて物珍しそうにナイトプールを見回す。
「UDCアースに長年住んでいますが、人々が集まり、色んな文化が混ざったこいう場所もあるんですね」
「ゲームとかテレビの向こう側だけにしかない場所だと思っていたのですが……」
パッと脳裏に浮かんだプールは25mの長方形で質素だったり、遊園地みたいな場所の一部だ。
「もっと似合う水着を借りれたのに?」
ふと、朝霞は檬果の水着姿を見ると小さく首を傾げた。
「……えー、これしかなかったんです。昔、水泳スクールで習っていたのです」
そういえばそうだ、と檬果は思い出したが、やはり着慣れている水着が一番だと思って着たのだ。
「そうでしたか、似合っています」
「ふふ、そういう朝霞さんは――」
手を繋いで温度が調節されているプールへ足を入れると、檬果は朝霞を見上げると嬉しそうに目を細めた。
明るく眩しいからではなく、朝霞の結った髪が尾の様に水面に揺れ、大きなアヒルの口からシャボン玉が吹き出る。
「水神だからかプール似合いますね」
檬果は朝霞を静かに見つめる。
「なら、らしく泳いでみましょう」
手を離し、朝霞は水を得た魚の様に光輝くプールを泳ぎ出す。
「あ、まって下さい」
檬果は朝霞の後を追う様に泳ぎ出した。
「はい」
「ありがとうございます」
プールサイドで檬果が差し出したスポーツドリンクを朝霞は受け取ると、ゆっくりとあおる。
プールの中のライトが光っているからだろう、二人をキラキラと水面が照らしていた。
「せっかくのお正月、ゆっくり過ごせなくて寂しかったんですよ。応援はしてましたが」
「……ええ、まあ……お正月は私がめちゃくちゃ張り切ってましたからね」
1月にあった封神武侠界での戦い、『殲神封神大戦』――
ぱちくり、と檬果の大きくて円らな瞳が瞬いた。
「檬果さん、あの世界大好きですからね」
朝霞は優しく笑みを浮かべると、檬果の丸くて愛らしい手を取る。
「食べに行きましょう。甘いピザとやらを」
「ええ、知ってはいれど、味わいはまだだったピザです!」
朝霞が檬果の手を取ったまま、トマトソースや香ばしい香りがする方へと歩き出した。
「共に食べた事がないモノを共に食べるというが……嬉しいです」
「ふふ、甘いとなればお砂糖を入れてないコーヒーを牛乳で割ったモノが良さそうです」
朝霞が嬉しそうに笑みを浮かべていると、檬果はコーヒーに牛乳を入れたモノ所謂『カフェオレ』を頼む。
「これが……」
「甘いピザですか?」
円形のチーズピザが美味しそうな湯気を出しながら二人の前に運ばれてきた。
「食べる時にコレをかけるようですね」
朝霞がチーズピザと一緒に運ばれてきた琥珀色の液体が入った小さな瓶を手に取ると、ゆっくりとピザにかけた。
「メープルシロップですね。チーズケーキみたいになるのでしょうか?」
檬果は小さく首を傾げるが、チーズケーキの味を想像したまま甘いピザを1ピース取る。
「初めての甘いピザですから、どんな風なのか分かりません。食べてみましょう」
「そうですね」
熱い、熱い、甘いピザを口に入れる。
「美味しい……これは、コーヒーに合いますね」
「ええ、チーズや生地の塩味とメープルシロップの甘味が凄く良いです」
ピザ用の甘くない生地とチーズ、本来ならばただのプレーンなピザなのにメープルシロップをかけただけなのにデザートの様になる。
温かくてチーズがトロトロだが、楓の香りと独特の甘みがクセになりそうだ。
「あ、少しだけ甘いピザを持ち帰りましょうか!」
「そうですね、少しだけ持ち帰りましょうか。きっと、家にある紅茶とも合うと思いますから」
檬果の言葉に朝霞が頷くと、視線を夜空へと向けた。
そこには、昔と変わらぬ夜空が二人を見つめている。
プールが波打つ音共に。
そして、大切な
縁と共に。
この日の思い出も大切なモノ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ポノ・エトランゼ
【旅所】
3人
アドリブ歓迎
わー、ナイトプールって初めて!
ライトの色がいっぱいで綺麗ねぇ
でもピザの匂いを捉えたら、ソッチに全集中しちゃうわ
ピザ、色んな種類で食べたーい
今だと夏野菜のも美味しそうよね
辛かったり、チーズ濃厚だったり
朱炎さん、これとかどぉ? と食べながらドンドン勧めていくわね
くるっと巻いたりして食べ方もレクチャーしていくね
飲み物は炭酸ジュースと、後味すっきり烏龍茶♪
うにょろえさんもちゃんと食べてる?
ピザのサイズによってはピザの方が大きいでしょう?
って、いっぱい食べてる。すごいわね!(びっくり!)
スイーツピザ? は食べたことないのよね
うにょろえさんの説明にワクワク
甘いピザも食べちゃおっか!
朱・炎
【旅所】
アドリブ〇
■心情のみ
これがナイトプールですか…我が封神武侠界にはない煌めく光がなんと美しいものだろうか…
プールというもの皆と水浴びをしたいところだが、どうやらお2人は「ぴざ」というものに目がいっていますね…私も食べてみよう
「これが「ぴざ」ですか…丸くてその上にいろんな具材が乗っていますね」
私はそのひと切れを手にして口へ運びます。
そこへうにょろえさんがオススメと教えてくれつつピザを沢山乗せてきました。
私は少し困惑しますが何よりうにょろえさんの好意に喜びを感じました
ポノさんも食べ方を教えてもらいました。いろんな食べ方があるのだなと感心しつつポノさんと同じ飲み物を嗜みましょうか
羽住・うにょろえ
【旅所】
アドリブ大歓迎
ナイトプール!
夜でもキラキラ明るくてパリピ、って感じがするもきゅ!
おいらも来るのは初めてもきゅ!
それよりピザもきゅー!
花より団子、プールよりピザもきゅ!
甘いピザ、おいら食べた事あるから知ってるもきゅ(ちょっとドヤァ)
マシュマロを香ばしく焼いてチョコソースかけたピザとか、チーズたっぷりに蜂蜜かけたピザとか美味しいもきゅ!
あと熱々ピザにひんやりアイストッピングは外せないもきゅよ!
朱炎はピザ食べるの初めてもきゅ?
えーと、おいらのオススメはこれとこれと(どんどんピザを積んでいく)
甘いのと塩っぱいのなら無限に食べられるもきゅ(もぐもぐ)
ピザの方が大きくてもおいらの敵ではないもきゅ!
●賑やかな
「わー、ナイトプールって初めて!」
と、元気よくポノ・エトランゼ(ウルのリコ・f00385)は、南国風の音楽が流れるナイトプールへ足を踏み入れた。
「ナイトプール!
夜でもキラキラ明るくてパリピ、って感じがするもきゅ!
おいらも来るのは初めてもきゅ!」
その隣で浮いている毛玉、モーラットの羽住・うにょろえ(楓のモーラット・f35345)が星型のサングラスをずらしながらぐるり、とナイトプールを見回す。
「これがナイトプールですか……我が封神武侠界にはない煌めく光がなんと美しいものだろうか……」
額に付けられた札の隙間からナイトプールを見た朱・炎(紅き弓龍・f36036)は、目を丸くし初めて見るナイトプールをじっくりと見つめた。
非常に大きな楕円形のプール、その水面には巨大なアヒルと一角獣に似せたゴム製のボートが目の前を横切った。
「ライトの色がいっぱいで綺麗ねぇ」
ポノが大きなアヒルへ手を伸ばすと、ふわ~とシャボン玉が吐き出されてシャボン玉塗れになってしまう。
「わわっ!」
その横で朱炎は光るプールへ視線を落とし、プール内部では音楽と合わせて色が変わっていくのを見つめた。
「(プールというもの皆と水浴びをしたいところだが、どうやらお2人は「ぴざ」というものに目がいっていますね……)」
朱炎はチラリ、とうにょろえとポノへと視線を向けた。
「ピザ、色んな種類で食べたーい」
「それよりピザもきゅー!
花より団子、プールよりピザもきゅ!」
ポノとうにょろえが同時に声を上げると、二人は顔を見合わせてふふと笑った。
「私も食べてみたいので、プールは後で先に食べましょう」
と、朱炎が言うと、ポノとにょろえは嬉しそうに笑みを浮かべるとピザの匂いがする方へ向かった。
「甘いピザ、おいら食べた事あるから知ってるもきゅ」
えっへん、と言わんばかりにうにょろえは胸を張ると、じゅるりと垂れそうになる涎をアロハシャツの裾で拭きながら注文をする。
「これが『ぴざ』ですか……丸くてその上にいろんな具材が乗っていますね」
朱炎の目の前で焼き上がっていくピザを見て感嘆の声を上げた。
「あ、あの大きなアヒルさんの背中に乗れるみたいだよ! 飲食OKだからそこで食べようよ」
と、ポノがシャボン玉を吹き出し続ける大きなアヒルを指しながら言った。
「大丈夫もきゅ??」
「波が出るワケでもないし、他に泳いでいてもぶつからない程に広いから大丈夫だよ!」
ポノの両手には、炭酸がしゅわしゅわ、と弾けている青いジュースと、あっさりとした苦みが特徴のウーロン茶が入っているジョッキを持っていた。
スタッフが大きなアヒルをプールサイドで押さえてくれており、ポノは軽やかな足取りでアヒルの黄色い背に乗り込んだ。
「こういう事が出来るのはワクワクもきゅー♪」
ふわっふわな毛玉はピザをしっかりと握りしめてから、ポノの後を追ってアヒルの黄色い背に乗り込んだ。
最後に朱炎も乗ると、ポノは視界に入ったボタンへと手を伸ばす。
「わ、何かスイッチあって楽しそう!」
「だ、大丈夫もきゅ?」
『シャボン玉』、『回る』、『泳ぐ』、『鳴く』、『色変え』の5つと1つだけ何も記載がないボタンがあった。
「そ、そうだよね。どう動くか分かるのだけにしようね」
「て、事で、冷めないうちに食べるもきゅ~」
テーブルの上にそれぞれが頼んだピザがズラリ、と広げられていた。
「朱炎はピザ食べるの初めてもきゅ?」
「はい、オススメを頼んでみたのですが……」
うにょろえの言葉に朱炎は答え、差し出されたのはチーズとバジルだけトッピングされた『マルゲリータ』だ。
「朱炎さん、これとかどぉ?」
ポノが夏野菜たっぷりのピザとハワインアンピザを一切れずつ渡す。
「ナス、トマトにオクラ……見慣れた野菜のピザですね……美味しい」
薄くパンの様な生地にトマトやナス等の夏野菜が柔らかく、そして何も味付けをしていない素材の味。
トマトソースととろり、と餅の様に伸びるチーズが引き立てており幾らでも食べれてしまいそうだ。
次はハワイアンピザ、エビやハムそしてパイナップルが入っている変わったピザだ。
酢豚に入っていたりするアレだ。
苦手な人は苦手であろうが、未知の土地の味ならば食べてから判断するしかない。
「これもなかなか……」
火を通して甘くなったパイナップルは、チーズのしつこさやハムの油っぽさを酸味で相殺される。
そう、これも沢山手が伸びてしまいそうなピザだ。
「ピザのサイズによってはピザの方が大きいでしょう?」
ふと、ポノがうにょろえの手元をへ視線を向けながら言った。
全長27.5cmのモーラット、うにょろえとピザが入った箱を交互に見た。
大体Mサイズ位と同じ、Lサイズだと10cm位違うのだ。
「うにょろえさんもちゃんと食べてる? ……って、いっぱい食べてる。すごいわね!」
「甘いのと塩っぱいのなら無限に食べられるもきゅ」
スモアの様なピザ、ハチミツをかけたチーズピザ、ベリーが沢山なピザの上にアイスがドーンと乗ったピザをうにょろえは美味しそうに頬張っている。
「ピザの方が大きくてもおいらの敵ではないもきゅ!」
うにょろえが少し大きくなっている気がするが、気にしない事にした。
きっと成長期なんだろう、と。
「本当にね! はい、これは朱炎さんの」
ポノが朱炎にウーロン茶が入ったジョッキを渡すと、熱いピザを食べた後の冷たい青いソーダでポノは喉を潤す。
「ぷっはー」
「……はぁ、身に沁みますね」
「えへへ、そうだね!」
満足そうな表情のポノを見て朱炎は目を細めながら言うと、ポノが満面の笑みで答えた。
「もきゅ~……」
食べ過ぎてしまったうにょろえがバランスを崩して、ぽてりと座るとゴロンと後ろに転がった。
ポチリ、と尻尾がボタンを押す。
「少し、手を休めましょう? ピザは逃げませんよ」
朱炎は手を伸ばして、うにょろえを起してあげる。
「わぁ……」
ポノが小さく感嘆の声を出す。
「もきゅ?」
「何が……あぁ」
朱炎とにょろえもポノと同じ方向に顔を上げると、夜空に小さな花が打ち上げられていたのだ。
思わず見惚れてしまうが、美味しそうなニオイに惹かれて一切れ口に運ぶ。
ナイトプールの上から夜空を彩る花を眺めながら仲間と食べるピザは、今まで食べたどんなピザも美味しいかった。
アヒルの背中から見た花火と、食べたピザの味は忘れられない夏の思い出となるだろう――
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵