勿来辱茶海にて避暑を
●アドリア海の女王に会いに行こう!
一年中幻朧桜が咲き乱れる世界、サクラミラージュ。
とはいえ、四季があり、帝都の夏は暑い。
なので、外地への避暑が人気であり、猟兵たちは帝都から支給されるサアビスチケットで簡単に訪れることもできるのだ。
「という訳で、サクラミラージュにおけるイタリアのベニスへと通じるグリモアゲートを用意しマシター!」
水着姿のグリモア猟兵、バルタン・ノーヴェが宣伝するのは、水の都として知られる海辺の都市。
イストリアの石を土台として、漆喰で固めたレンガの壁、木の板の床、街中の水路とその上にかかる橋の数々。
幻朧桜に彩られた清廉とした水上都市、ヴェネツィアだ。
サクラミラージュは帝都の元に全ての国家が統一されているので伊太利亜という国こそ無いものの、この美しい水上都市は今なお健在であり、時折猟兵たちが足を運ぶこともある。
今回、バルタンはそこで優雅にリゾートを満喫できるよう手配をしたという。
ゴンドラ、レストラン、観光地の観覧など、費用負担はすべて帝都のサアビスチケットで賄えるので、思う存分満喫することができるだろう。
ちなみに、UDCアースのヴェネツィアでは観光公害対策としていろいろと規制が敷かれているが、サクラミラージュの勿来辱茶海ではそんなことはないので安心して欲しい。
ゴンドラが通行しない区画でならば水浴びをしてもいいし、水辺で飲食をしても処罰されることはない。公共の場を水着姿で往来しても大丈夫だ。
ただし公序良俗に反する行為はダメよ。ゴミもちゃんと持ち帰ろう。
「幻朧桜の花を眺めながら散策したり、ボートに揺られて遊覧したり!
水辺のサロンで珈琲や紅茶を嗜みながら文学に耽るのも良いデスネー!
皆様、思い思いの時間を過ごしてくだサーイ!」
特に、これといった事件が起こる訳ではない。
ミッションも任務もない、純粋に余暇を満喫するための転移である。
リバーソン
こんにちは。リバーソンです。
マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。
今回の舞台はサクラミラージュのヴェネツィア。夏休み企画となります。
目的はなく、身内でのんびり過ごす、一人で静かに過ごす、観光地を巡るといった、思い思いの行動をとってください。
マスターの経験不足によりヴェネツィアの描写がいまいちとなるかもしれませんが、誠意をもって対応させていただきます。
プレイングボーナスは『水着の着用』ですが、イラストやアイテムの有無は関係ありません。水着を着ていればOKです。
能力値も気にせず、楽しんでください。
また、今回は日常フラグメント一章完結であるため、ご要望がありましたらグリモア猟兵『バルタン・ノーヴェ(f30809)』をリプレイに呼び出すことが可能です。
呼ばれなければ登場しませんが、ご用命がありましたら遠慮なくお申し付けください。
オープニング公開後の断章はなく、すぐにプレイング受付開始となります。
プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
それでは、皆様。健やかなバカンスをお楽しみください。
第1章 日常
『桜と水の都『勿来辱茶海』』
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POW : 観光は体力勝負
SPD : ゴンドラに乗ったりして水上旅行
WIZ : 幻楼桜と水路の織り成す風景を楽しむ
イラスト:ヒミコ
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メサイア・エルネイジェ
おヴェネツィア!初めて参りましたわ
新しいお水着で遊びますのよ~!
往きますわよヴリちゃん…は本日はいないのですわ…
恐竜パニック映画みたいになるとか仰ってものすげぇ嫌がっておりましたのでお留守番ですわ…
でもモサちゃん1号2号がいらっしゃるので寂しくありませんわ~!
ん?結局同じ事になるような…ま!こまけぇこたぁよろしいですわね!
わたくし泳ぐのが大好きですわ~!
なので泳げる所まで向かうのですわ
水上移動はモサちゃんに跨れば楽勝ですわ~!
何ですモサちゃん?重い?失礼ですわね!
街並みはお優雅ですし海は綺麗ですし素晴らしい場所ですわねぇ
ちゃぷちゃぷ浮いてるだけでも癒されますわ~
泳ぎまくって満喫するのですわ~!
●遊泳する姫とモササウルス。
グリモア猟兵に導かれ、サアビスチケットを使ってヴェネツィアにやってきた猟兵たち。
その一番乗りを果たしたのは、ピンク色の髪に青い瞳の見目麗しい姫君。
エルネイジェ王国の姫、メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)だ。
「おヴェネツィア! 初めて参りましたわ! 新しいお水着で遊びますのよ~!」
メサイアが大きく伸びをして喜色満面を見せている。
洗練された煽情的な水着に身を包む抜群のスタイルに、美しい容貌。
現地の民間人も通りすがりの観光客も、性別年齢問わずメサイアに注目することは避けられない。
が、近寄ろうとする者はあまりいなかった。
「さあ、往きますわよヴリちゃん……は本日はいないのですわ……。
恐竜パニック映画みたいになるとか仰って、ものすげぇ嫌がっておりましたのでお留守番ですわ……。
でも! モサちゃん1号2号がいらっしゃるので寂しくありませんわ~!」
大事な愛機であり友達であるキャバリア『ヴリトラ』は、その大きさからして同行させれば騒ぎになる可能性がある。
猟兵の作用でセーフになるかもしれないが、せっかくの避暑を台無しにしては良くないと判断して『ヴリトラ』が自主的にお留守番をしてくれたようだ。
代わりにメサイアの隣に伴っているのは、モササウルス型無人機『
モサザウラー』たちだ。
滑腔砲を装備している二体のロボットが、水を得たモササウルスのように元気よく
燥いでいる。
サクラミラージュではあまり見かけないメタリックな武装ロボを前にして、美女に声をかけようとする度胸のある猛者はいないようだ。
幸い『モサザウラー』たちは
比較的小型なので、パニックに陥ることはなさそうだ。
「ん? 結局同じ事になるような……ま! こまけぇこたぁよろしいですわね!」
パニックになっていないので、良し。大丈夫だ、問題ない。
周囲の視線を気にすることなくヴェネツィアの夏を満喫するメサイアは、入念に準備体操を終えてからヴェネツィアの海へと飛び込んだ。
「波も穏やか、桜も綺麗ですわね。泳げる所まで向かうのですわー!」
幻朧桜が咲き誇り、花弁が舞うヴェネツィアの海を元気に泳ぐメサイア。
泳ぐことが大好きなメサイアは、ゴンドラの通らない海水浴エリアを元気よく泳いでいる。
ちょうと目印になる鳥居を視界に捉え、誰と競争する訳でもないがメサイアは思い切り遊泳を行い鳥居の元まで到達する。
「ゴールですわ! ふぅ……ちょっとモサちゃん、乗せてもらいますわね~」
体力を消耗したメサイアが、随伴している『モサザウラー』に跨って水上移動も開始する。
休憩がてらの『モサザウラー』を専用のバナナボートのように楽しんでいるメサイアを、近くの海水浴客たちも眼福とばかりに遠巻きに眺めている。
幻朧桜に照らされる美少女の姿は、とても絵になるものである。
「何ですモサちゃん? ……重い? 失礼ですわね!」
『モサザウラー』の訴えの審議はさておき。
存分に楽しんだメサイアは水中へと戻り、のんびりと浮かびながら波の心地を堪能する。
青い空から差し込む陽射しに目を細め、優雅なヴェネツィアの街並みを見物している。
「街並みはお優雅ですし、海は綺麗ですし、素晴らしい場所ですわねぇ。
ちゃぷちゃぷ浮いてるだけでも癒されますわ~」
クロムキャバリアという戦乱の続く世界出身のメサイアにとって、こうもリラックスできる機会がどれだけあったのか。
猟兵として目覚め、オブリビオンマシンから人々を救うため『ヴリトラ』と共に国を発ったメサイアは、これまでも数多の戦場を駆け抜けてきた。
これからも幾多の戦場へと飛び込んでいくことだろう。
それでも、こうして心身を休め、憩う時を得るのはとても大切なことなのだ。
「よし! 泳ぎまくって満喫するのですわ~!」
元気よくメサイアが再び泳ぎ出す。
メサイアの夏は、まだまだ始まったばかりなのだ。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
「此の世界の住人がサアビスチケットを使うのは、狡しているようで一寸後ろめたいですけれど…でも勿耨茶に来たかったんです」
目がキラキラ
目につくバーカロに入ってはソアヴェを頼む
チケッティには必ずバッカラマンテカートとクロケットとポルペッテ入れる
「此の干し塩鱈のミルク煮ペースト、帝都のミルクホールでも出せないでしょうか。凄く美味しいんですけど」
「此処のポルペッテ、肉団子と言いつつ魚介団子じゃないですか…やだ、自由過ぎます」
「さっきのお店のはチーズとトマトでしたけど、此処はイカスミリゾットですね。一口サイズで色々試せて幸せ過ぎます…」
立ち飲みに疲れたらゴンドラで水路巡り
酔いが覚めたらまたバーカロ巡りへ
●伊太利亜の美味に舌鼓を。
「此の世界の住人がサアビスチケットを使うのは、狡しているようで
一寸後ろめたいですけれど……でも、
勿耨茶に来たかったんです」
サクラミラージュ出身である御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)にとって、超弩級戦力として期待される猟兵に支給されるサアビスチケットを使うのは、少々気が引けることのようだ。
それでも、桜花は猟兵としてサクラミラージュにて予知された多くの事件に参加し、数多くの影朧を鎮めてきた立派な猟兵なのだ。
負い目を感じることも、気にすることもない。
桜花は目をキラキラと輝かせ、大きな麦わら帽子に手を添えながらヴェネツィアの街並みを歩いていく。
風光明媚な多様な色彩のレンガの建物を眺め、行きかう人々の日々の営みに笑みを溢している。
いくつかの橋を渡り、広場を通り抜け、桜花はふと目についたバーカロに足を踏み入れる。
気軽に立ち飲みできるバーカロは、バーやカフェと異なり朝昼晩といつでも気軽に一杯ひっかけることのできるヴェネツィアの居酒屋のようなものである。
「ソアヴェをお願いします」
美人の来店に居合わせた客たちも綻び、店主は自慢の辛口白ワインを提供する。
水の都が作り出す白ブドウは絶品で、造られるワインも高品質なものが多い。
チケッティ(ワインのおつまみ)には、様々な伊太利亜料理が供されているようだ。
「此の干し塩鱈のミルク煮ペースト、帝都のミルクホールでも出せないでしょうか。凄く美味しいんですけど」
「ああ、うちのバッカラ・マンテカートは毎朝厳選したミルクを使ってるんだ。
それに、ちょいとオリーブオイルをな」
桜花は一杯のワインを嗜み、一皿食して、礼を告げて次の店へとはしごする。
サアビスチケットは旅費や宿泊費に限らず、飲食の代金も支援される。
それにバーカロの店主からすれば、栄えある帝都の猟兵が食べて行ったということは、名誉であり宣伝材料と成り得るだろう。
「此処のポルペッテ、肉団子と言いつつ魚介団子じゃないですか……やだ、自由過ぎます」
「ポルペッテの具材が牛肉だけだなんて、もったいないさね!
さあ、こっちのクロケットもお食べ! 揚げたてさ!」
桜花は、食べ歩きを堪能する。
桜花の観光を阻害する者も事件もなく、自然体のまま街並みを歩いて回っていく。
「さっきのお店のはチーズとトマトでしたけど、此処はイカスミリゾットですね。
一口サイズで色々試せて幸せ過ぎます……」
「ん~、味の分かるお客さんだねぇ~。これはソースの調和が決め手なのさ~」
様々なバーカロで、多様な人々と語らう桜花。
ここにいる人々の表情に陰りは無く、日々の暮らしに満ち足りている幸福な様子がうかがえる。
桜花の舌で味わった多くの飲食物が、それを物語っている。
「ああ……とても……素敵なところです……」
立ち飲みに疲れ、酔いが回った桜花が観光用のゴンドラに乗り水路を巡る。
ゆっくりと流れて行く街並みを見上げ、幻朧桜と水路が織り成す風景を楽しんでいる。
「…………」
穏やかな一時に、桜花は胸中何を感じているのか。
それは、桜花の微笑みを見れば察することができるだろう。
「……さて、酔いも覚めてきましたし。またバーカロ巡りへ戻りましょう」
桜花の呼び掛けに応じたゴンドリエーレ(船頭)が、オススメのバーカロが並ぶ区画へ向かって行く。
この避暑を満足するまで堪能するべく、桜花は再びヴェネツィアの街へ足を踏み入れていく。
大成功
🔵🔵🔵
インディゴ・クロワッサン
夏だ!ヴェネツィアだ!バルタンちゃんだー!
「いやー、凄い水着だねぇ」
美しいこの街をバルタンちゃんみたいな美人さんと並んで歩けるんだから、僕って幸せ者だったりしない?(笑)
礼儀作法とレディーファーストは常に心掛けるよ~
運河近くの小さなバルみたいな…バーカロとか言うんだっけ?
そこでちょっと食べながら少しお喋りしない?
「何か運河沿いで食べてもオッケーみたいだし…バルタンちゃんとちょっとお喋りするくらいの時間、僕に頂戴?」
…なーんてね♪
美味しそうなおつまみを聞き耳と審美眼で見抜いたら、運河の側で乾杯☆
「ん~!スモークサーモンとクリームチーズ美味し~!」
リコッタチーズに蜂蜜かかってるのも美味し~!
●エンジョイサマー、デリシャスメニュー!
「夏だ! ヴェネツィアだ! バルタンちゃんだー!」
「イエス! アイ、アム、バルタンデース!」
ひゃっはあと諸手を上げて笑う猟兵がいる。
藍色の髪の旅人、インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)は洒落んな水着を着こなしてヴェネツィアにやってきた。
此度は交戦の危険がないため、グリモア猟兵であるバルタン・ノーヴェを伴って散策するようだ。
「いやー、それにしても凄い水着だねぇ。
美しいこの街をバルタンちゃんみたいな美人さんと並んで歩けるんだから、僕って幸せ者だったりしない?」
「ありがとうございマース! インディゴ殿もとてもカッコイイデスヨー!
ミスター、エスコートよろしくお願いしマース!」
「お任せを。礼儀作法とレディーファーストは常に心掛けるよ~」
互いに称賛し合い、ノリノリで紳士淑女の振る舞いを見せるダンピールとサイボーグはヴェネツィア観光を始める。
馬車も通れないほど狭い道を歩み、漆喰で固めたレンガの街を進んでいく。
キラキラと輝く青い水面と咲き誇る幻朧桜の花びらを眺めながら散策しているうちに、インディゴは一件の
バーカロを見つける。
こじんまりとしているが清潔な印象の戸口。店内では朗らかな店員と客の談笑が聞こえ、店の入り口には上質の白ワインがある旨の看板が立て掛けられている。
「あれは……運河近くの小さなバルみたいな……バーカロとか言うんだっけ?
うん、そこでちょっと食べながら少しお喋りしない?」
「オーライであります! では、場所を取っておきマース!」
インディゴはサアビスチケットを使い、オススメのワインと美味しそうなおつまみを注文する。
瓶ごとワインを受け取り、インディゴは持ち前の審美眼で見抜いたこの店自慢のスモークサーモンとクリームチーズ、そしてリコッタチーズを受け取ると、運河の見えるベンチで待つバルタンの元へ戻って来る。
サクラミラージュのヴェネツィアでは、水路の近くでも飲食が許可されているエリアが多いのである。
「おまたせ! 何か運河沿いで食べてもオッケーみたいだし……。バルタンちゃんとちょっとお喋りするくらいの時間、僕に頂戴? ……なーんてね♪」
「HAHAHA! イケメンなインディゴ殿にそう言われるとは、光栄でありマース!」
楽しく語らいながら、二人はベンチに腰掛けて食事の用意を始める。
シートの上に料理を並べ、互いのグラスにワインを注ぐ。
そして、インディゴとバルタンはグラスを手に取り軽く打ち付けて音を鳴らす。
「乾杯☆」「乾杯デース!」
桜と海の美しい景色を眺めながら、ワインの芳醇な味を楽しみ、濃厚なサーモンやチーズを味わう。
まさに、ここでなければ得られないご馳走だ。
「ん~! スモークサーモンとクリームチーズ美味し~!」
「このワインも絶品でありますな!」
「リコッタチーズに蜂蜜かかってるのも美味し~!」
「ほほう、これならばパンケーキに載せてみるのも良さそうデスネー!」
インディゴとバルタンは、ヴェネツィアの料理を心行くまで堪能するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
高天原・光明
桜と水の都、ヴェネツィア。話には聞いていたが、こんなにも幻想的だとは。暑さは程々、日差しは最高、料理も美味いし海も綺麗。水着を持ってきて正解だったな。折角の休暇、ゆっくりするとしよう。
【WIZ:幻楼桜と水路の織り成す風景を楽しむ】ことにするぞ。
先ずは水路を行き交うゴンドラを乗り継ぎ、幻想的な市街を散策だ。よさそうな店を見つけたら気軽に入って、旅団の皆にビスコッティ、姉貴には名産のガラスアクセサリーを買っていこう。暫く街中を楽しんだら、次は沖合へ。借りた小舟にゆるく腰掛け竿を立てつつ、桜と水路に彩られた街並みを眺めることにしよう。
嗚呼、絶景かな勿来辱茶海。
(アドリブ等々何でも歓迎)
雁帰・二三夫
ウォータースーツで市内観光
「水の都ベネツィアですか…こういうお誘いがないと一生来れない場所ですね。バルタンさんには後で感謝しないと。それにしても、この時期に桜というか、1年中桜が咲いているんですか?慣れるまで違和感がありそうです」
自分の世界から持ち込んだ情報誌片手にうろうろ
「流石時間軸が違う世界ですね。美術館のような大きな公的建物や通りは一致しても、店舗名や内容までは一致しない、と。ということは、このガイドブックも他の方に見えるように歩いてはまずいですねえ」
残念そうにバックにしまう
「では美術館巡りの前に、腹ごしらえとしましょうか。イカスミパスタやリゾットは、きっとどの店でも美味しいでしょう」
●十全満喫、勿来辱茶海。
「桜と水の都、ヴェネツィア。話には聞いていたが、こんなにも幻想的だとは」
「水の都ベネツィアですか…こういうお誘いがないと一生来れない場所ですね」
帝都桜學府の學徒兵、高天原・光明(彼方より禍を射貫くもの・f29734)と、ガテン系や民宿、農作業とその年の気分でバイトを行うオッサン予備軍、雁帰・二三夫(引きこもりたい住所不定季節労働者・f37982)は水着姿で市街観光にやってきた。
釣り竿を担いだ光明が陽光を眩しそうに浴び、ウォータースーツに身を包んだ二三夫が情報誌を片手に周りを見回している。
誰に気兼ねするでもない、自由に散策できる男性陣として、二人は同道していた。
「暑さは程々、日差しは最高、料理も美味いし海も綺麗。
水着を持ってきて正解だったな。折角の休暇、ゆっくりするとしよう」
「バルタンさんには後で感謝しないと。
それにしても、この時期に桜というか、1年中桜が咲いているんですか?
慣れるまで違和感がありそうです」
「ああ、二三夫はサクラミラージュは初めてなのか?
この世界では一年中、どこでも
幻朧桜が咲き乱れているのだよ」
サクラミラージュ出身である光明の説明を受けながら、二人はゴンドラ乗り場へ足を向ける。
幻想的なこのヴェネツィアを散策するにあたっては、徒歩でバーカロを回るのも良いが水路を行くのも醍醐味であろう。
光明と二三夫は他の観光客たちと共にゴンドラに乗り、歴史ある街並みを観覧して行く。
「うーん、流石、時間軸が違う世界ですね。
通りや街並みは一致していても、店舗名や内容までは一致しない、と……」
「そうだな。俺とて、猟兵になるまで帝都のほかに国があるとは知らなかったのだ」
「ということは、このガイドブックも他の方に見えるように歩いてはまずいですねえ」
二三夫は出身世界であるアスリートアースから持ち込んだであろう情報誌をバッグに仕舞う。
存在しない店が記されている雑誌をうっかり落としてしまえば、妙な混乱の原因になるかもしれない。
とはいえ、アカデミア美術館やムラーノ・ガラス美術館といった大きな公的建物は存在する。
そうした観光名所の場所を確認して、二三夫はゴンドラの船頭に声をかけ、光明と一緒に桟橋に上がる。
「では、そろそろ腹ごしらえとしましょうか。
イカスミパスタやリゾットは、きっとどの店でも美味しいでしょう。
その後は、美術館でも巡ってみませんか?」
「ああ、それはいいな。
それと、土産物も見ておきたいな。よさそうな店があるとよいが」
時間はゆっくりとある。慌てる必要はどこにもないのだ。
目についた店に入り、ヴェネツィア料理を食する光明と二三夫。
支給されたサアビスチケットは飲み放題、食べ放題のフリーパスだ。
食事を終え、二人は腹ごなしに美術館を見て回る。
帝都ではお目にかかれない、この地域独自の絵画やガラス細工を眺めて行く
観覧の合間に見かけた土産物を売る店にて、光明は伝統的なお菓子のビスコッティや名産のガラスアクセサリーを購入する。
前者は日頃世話になっている旅団の皆への、後者は故郷の姉へのお土産のようだ。
それを見た二三夫も、日頃世話になっている所縁のある人への手土産を物色していった。
朝から夕方までたっぷりとヴェネツィアを堪能した二人は、一日の締めくくりとして小舟を借りて沖合へと乗りだしていく。
飛び交うカモメの鳴き声を聞きながら、光明と二三夫はのんびりと腰を下ろして釣り竿を立てつつ、夕陽に照らされる桜と水路に彩られた街並みを眺めている。
「ほんと、すごく綺麗ですね」
「嗚呼、絶景かな勿来辱茶海」
実に、穏やかな午後を過ごしていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夜久・灯火
【黒猫】
そう言えば、ヴェネツィアにやってくるのは初めてだねー。
景観もいいし、観光や避暑地にはもってこいの場所だね。
水着も用意してきた事だし、色々と見て回ろうか。有栖ちゃん達もよろしくね♪
という訳で、水着を着て有栖ちゃんと一緒に街を見て回るよ。
ゴンドラにも乗ってみたいから、乗せてもらって遊覧も楽しんじゃおう♪
UDCのヴェネツィアの写真は見たことがあるけど、世界が変わると景色も変わるねー。
水に浮かぶ街並みと幻朧桜の花が綺麗だね。
有栖ちゃんはなにか見つけた?
…美味しそうなピザの出店かー。切り売りなのかな?
ヴェネツィアもピザは有名らしいし、ぜひ食べてみたいね。
結城・有栖
【黒猫】
此処がヴェネツィアですか。
夏にも桜が見れるのはこの世界ならではですね。
「街の景色を見て回るのも楽しそうダネ」
そうですね。折角ですし散策しましょうか。
灯火さんもよろしくです。
水着を着用して、街を散策しながら景色を楽しみます。
ゴンドラにも灯火さんと一緒に乗せてもらいますね。
のんびりとゴンドラに揺られながら景色を見るのも楽しそうです。
後、カメラも持ち込んで、綺麗な景色を写真に収めようと思います。
灯火さんも景色と一緒に撮影です。
「ねぇ、有栖。あそこに美味しそうなピザの出店もあるみたいダヨ」
あ、本当ですね。灯火さんも誘って一緒に食べに行きましょうか。
オオカミさんもUCで呼んであげますね。
●避暑を楽しむ三人娘。
グリモアによって転移して、ヴェネツィアの街に現れた三人の少女たちがいる。
黒猫と狼の絆を結んだ、猫っぽいキマイラとオウガブラッドの少女。
色合いの異なる可愛らしいフリル付きの水着を着用してヴェネツィアに訪れたのは、夜久・灯火(キマイラの電脳魔術士・f04331)と結城・有栖(狼の旅人・f34711)だ。
「此処がヴェネツィアですか。夏にも桜が見れるのはこの世界ならではですね」
「そう言えば、ヴェネツィアにやってくるのは初めてだねー。
景観もいいし、観光や避暑地にはもってこいの場所だね」
「街の景色を見て回るのも楽しそうダネ」
そして、灯火と有栖に同行している三人目は《魔獣具現・オオカミさん》というユーベルコードの力を用いて有栖と同じ姿で具現化させた相棒のオウガ『オオカミさん』だ。
有栖と並ぶと、まるで姉妹のように映るだろう。
三人は仲良くヴェネツィアの小道を歩き、いっしょに散策を開始する。
「水着も用意してきた事だし、色々と見て回ろうか。有栖ちゃん達もよろしくね♪」
「そうですね。折角ですし散策しましょうか。灯火さんもよろしくです」
「よろしくネー」
灯火は水に浮かぶ街並みと幻朧桜の景色を眺め、有栖はその様子をカメラで写真に収めて回っている。
オオカミさんが屋台で売られているアイスキャンディーを見つけ、三人分をサアビスチケットで購入して皆で味わう。
高潮でよく水没することで有名なサン・マルコ広場では、道行く人に頼み鐘楼を背景に三人揃っての記念写真も撮影していく。
そうして目的地を定めずぶらりと歩いていくうちに、一行は灯火が目にしたゴンドラに乗り込んだ。
他の客の居ない三人だけの貸し切り状態で、船頭がゴンドラを器用に操舵する。
おとぎ話の世界のように水路が入り組む街の中を、ゴンドラは迷うことなく遊覧していく。
「UDCのヴェネツィアの写真は見たことがあるけど、世界が変わると景色も変わるねー」
「はい、のんびりとゴンドラに揺られながら景色を見るのも……楽しいです」
「ねぇ、有栖。あそこに美味しそうなピザの出店もあるみたいダヨ」
オオカミさんが指さした先には、水路沿いに開かれている
ピザ専門店があった。
大きな一枚のパン生地ピザをスライスして、小分け販売をしているようだ。
マルゲリータ、カルツォーネ、ナポリピッツァ。
様々な種類のピッツァが売られている。
テイクアウトも対応しているようで、食べやすいよう紙包みされている商品も並べられている。
勿論、猟兵たちに支給されたサアビスチケットを利用すれば購入可能だ。
「あ、本当ですね。灯火さん、一緒に食べに行きましょうか」
「ん? オオカミさんがなにか見つけた?
……美味しそうなピザの出店かー。切り売りなのかな?
ヴェネツィアもピザは有名らしいし、ぜひ食べてみたいね」
「じゃあ行こうカ。船頭さん、あっちに行ってもらえるカナ?」
快諾した船頭が櫂を動かし、ピザ屋の側にゴンドラを停泊させる。
買い込んだら戻ってきて、観覧しながら食べると良いと船頭が告げる。
「ありがとうございます。さて、どれを食べましょうか」
「そうダネ。見れば見るほど、どれも美味しそうダヨ」
「何種類か一切れ二切れずつ買って、三人で分け合えばいろんな味が楽しめるかな?」
ワイワイと語らい合い、観光とグルメを満喫する三人娘。
夏はまだ始まったばかり。
日が暮れるまで、彼女たちはたっぷりと避暑を堪能することだろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
卜一・アンリ
一人でもいいけれど、よければバルタンさんもお付き合いいただける?
ジェラートぐらいは奢るわ。水着の恰好でゴンドラに乗ってのんびりと過ごしましょう
街中を練り歩くのもいいけれど、こうして船に揺られて遠目に眺めて過ごせるのはヴェネツィアの素敵なところね
「サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂」「ドゥカーレ宮殿」
そして「ため息橋」。ま、永遠の愛を誓う恋人なんていませんけーれーど?
日が暮れてきたら……そうね、鐘楼を上ってもいいけれどせっかくの水着だもの
UC【悪魔召喚「フォカロル」】
ゴンドラに翼を生やして周囲の水ごと天高く
空を泳いで夕日に染まるヴェネツィアを見下ろす。こういうのも猟兵ならではの楽しみ方でしょう?
●二人きりの勿来辱茶海観光。
ヴェネツィア観光に向かうダイバースーツの水着姿の金瞳紫瞳のお転婆少女が、グリモア猟兵に誘いをかける。
「一人でもいいけれど……よければバルタンさんもお付き合いいただける?
ジェラートぐらいは奢るわ」
「了解デース! ご一緒させていただきマース!」
アリス適合者の學徒兵である卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)は、バルタン・ノーヴェと連れ立ってヴェネツィア観光を開始する。
購入したジェラートに舌鼓を打ちながら、アンリはゴンドラに乗ってのんびりと遊覧する。
バルタンの操船にて幻朧桜に彩られる街並みを巡り、アンリとバルタンは市内の景観や有名な観光地を見て回る。
「街中を練り歩くのもいいけれど、こうして船に揺られて遠目に眺めて過ごせるのはヴェネツィアの素敵なところね」
「イエス、水路であちこちに行けマスネー。他所では経験できマセーン!」
運河に出て、二人はラグーンにある白を基調としたサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂を眺める。
そして、ゴシック風のアーチが連続するドゥカーレ宮殿や、ビザンティン建築を代表とするサン・マルコ大聖堂といった有名な観光スポットをゴンドラから臨み、……ロマンスの名所、ため息橋の下を通る。
言い伝えによれば、日没時にゴンドラに乗った恋人同士がこの橋の下でキスをすれば永遠の愛が約束されるという白い大理石で造られたアーチを見上げ、アンリが苦笑する。
「ま、永遠の愛を誓う恋人なんていませんけーれーど?」
「HAHAHA、猟兵活動で忙しいのであります! ところでアンリ殿、想い人などは?」
「フッ、さーて、どうかしらね? そういうバルタンさんはどうなのかしら?」
縦横無尽に水の都を巡り、ヴェネツィアの街を一通り見て回ったアンリとバルタンは団らんしながら夕日を見る。
日が傾き始め、楽しかった避暑の余暇も終わりが近づいてきている。
バルタンの視界に、ヴェネツィアのシンボルとも言われる鐘楼が映り込んだ。
「アンリ殿、かのサン・マルコの大鐘楼! せっかくデスシ、上ってみマセンカ?」
「……そうね、鐘楼を上ってもいいけれど、せっかくの水着だもの」
おもむろに、フォカロル! とアンリが叫ぶ。
ユーベルコード《悪魔召喚「フォカロル」(シンシハツバサヲアタエタモウタ)》によって呼び出された悪魔『フォカロル』に魔術をかけさせ、ゴンドラに風と水を支配する魔獣の翼を生やして周囲の水ごと飛翔させる。
天高く空を泳ぐゴンドラが、鐘楼よりも高みからヴェネツィアを展望する。
「ワーオ! HAHAHA、素晴らしい景色であります!」
「こういうのも猟兵ならではの楽しみ方でしょう?」
幻朧桜と水路の織り成す水の都。
赤い煉瓦屋根の街並みと夕日に染まる運河を見下ろすという絶景を二人だけで楽しみ、アンリはバルタンと笑い合い、楽しいひと時を満喫していった。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
※今年の水着着用
バルタンさん、ご一緒しましょ
そういえば、依頼の案内でとか、戦場で偶然ご一緒とかは時々あるけど
二人で遊びに、っていうのは初めてだっけ?
折角だしここならではの事はしたいよね
となるとやっぱりゴンドラかなぁ?
僕漕ぐのは苦手なんだけど…漕ぎ手さんがいなければがんばるよ
女性に漕がせるわけにはいかないし
…中々進まなくても許してね?(真っ直ぐ漕げない
水の都ってだけあって、綺麗な場所だよね
しかも水路と桜って凄く合うというか…あ、ほら
水面が桜反射してトンネルみたいだよ
それだけ水も綺麗って事だもんね
あ、水路分かれてる
どっちに行こう…バルタンさん、この後買い物と食事どっちがいい?
それで決めよ、ルート
●イェーガーたちの休日。
しばしば、女性に間違われるほど愛らしいオラトリオの少年、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はグリモア猟兵に声をかける。
「バルタンさん、ご一緒しましょ」
「オーケーデース、澪殿! レッツゴー!」
澪とバルタンは、度々戦場を駆け抜けた猟兵同士。
多世界各地で生じるオブリビオンとの戦いや大規模な戦争で共闘することは多くあるが、穏やかに交流を深める時はほとんどなかった。
依頼の際に遠目に見合ったり、時間差ですれ違ったりすることはあっても、そろって遊びに回るのは初めてであろう。
せっかくの機会ということでバルタンを誘った澪は、二人で水の都を観光する。
「折角だし、ここならではの事はしたいよね。となるとやっぱりゴンドラかなぁ?」
「オー、それならば! こちらにレンタルのゴンドラがありマスヨー!」
観光客に貸し出されているゴンドリエーレ(船頭)の居ないゴンドラに二人は乗り込む。
ゴンドラを漕ごうと櫂に手を伸ばすバルタンだったが、櫂を握るのは澪だった。
「僕漕ぐのは苦手なんだけど……漕ぎ手さんがいないからがんばるよ。
女性に漕がせるわけにはいかないし」
「オオ……紳士的デース! それでは、よろしく頼みマース!」
パワー溢れるサイボーグではあるが、女性であるとバルタンを気遣ってゴンドラを漕ぐ澪。
初めのうちはふらふらと、真っ直ぐ進むことができずにいるのだが、かろうじて運河の岸にこすることなく動かしていく。
覚束ない様子で街中に張り巡らされた水路を通り、澪とバルタンは石灰岩と煉瓦で彩られたヴェネツィアの街を観覧する。
額に玉のような汗をかきながら、澪は煌びやかな光景にほぅと息を吐く。
「水の都ってだけあって、綺麗な場所だよね」
「デスネー……この景色だけでも、観光スポットとして人気なのがわかりマース!」
「うん。しかも水路と桜って凄く合うというか……あ、ほら」
澪が
畔に立つ幻朧桜を指し示す。
桜の枝と舞い散る花が、水面に反射して美しく輝いて見えている。
それはまるでトンネルのようにアーチを形成して、澪とバルタンの目を慰撫している。
「ワーオ! すごく綺麗であります!」
「それだけ水も綺麗って事だもんね」
のんびりと桜と水面を眺めて過ごし、水の都の幻朧桜が織り成す風景を満喫していく澪とバルタン。
澪も櫂の扱い方に慣れてきたのか、ゴンドラはスムーズに進むようになった。
ほどなくして、ゴンドラが水路の分岐に差し掛かる。
地図の情報によると、この先は土産物などを扱う物販エリアとバーカロという居酒屋を含めた大衆飲食店が並ぶ食べ歩きエリアに分かれているようだ。
「あ、水路分かれてる……どっちに行こう」
「ふーむ、買い物か、食事か……どちらを先に行きマスカナ?」
「バルタンさんはどっちがいい? それで決めよ、ルート」
「そうデスネー……それならば、まずは……!」
楽しそうに答えるバルタンに澪は微笑みを返して、ゴンドラを操り水路を進む。
世間ではまだ暑い日が続き、猟兵たちの戦いの日々もまだ続く。
だが、今日この時ばかりは、思う存分に休暇を楽しむのだ。
「
クロケッタに
ポルペッテ! 料理もいろいろありマスネー!
土産物屋では噂に名高いヴェネチアン・グラスも見て回りマショー!」
「うん、どれも美味しそうで、楽しみだね。
それじゃあ、まずは……どこのお店に行こうかな?」
こうして。
グリモア猟兵により案内された
勿来辱茶海の避暑をたっぷりと楽しむ猟兵たちであった。
大成功
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