熾火は赫く昌盛・ヴィーデ
●理由ならぬ理由
花々が咲き乱れる庭園は、かつてここが浮遊大陸であった残滓にして過去の見せる影法師であったのかもしれない。
だが、目の前に広がる庭園はまごうことなき現実である。
そこに膝を付き、並ぶのは屍人帝国『オーデュボン』の幹部たち。
彼等は一様に頭を垂れている。彼らが頭を垂れる相手など一人しかいない。すなわち、屍人帝国『オーデュボン』の皇帝である。
しかし、彼等の誰一人として彼の本当の名前を知る者はいなかった。ましてや彼が如何なる力を持つのかも。
だが、それでも彼等は頭を垂れ、恭順を示す。
「ご報告申し上げます。かの浮島に在りし異界の竜は、どうやら弱体化した模様。故に、貴方様の求めるモノではなくなったと判断いたします」
一人の幹部が立ち上がり、一歩前に出てそう告げる。
その言葉を向けられた『オーデュボン』の皇帝は、ゆっくりと顔を向ける。報告を行っていた幹部の肩がびくりと震える。
怖気が走るほどの美貌。
艷やかな濡鴉色の長い黒髪。宝石を思わせる緑色の瞳が、まっすぐに幹部の姿を捉える……いや、幹部ではない。その足元に向けられていた。
女人と見紛う程の美しい顔にあるのは怒りでもなければ哀しみでもなかった。ただの平坦な表情のまま、彼は無数のコードやケーブルに繋がれた体のまま、手をかざす。
次の瞬間、彼の手の中には視線を向けられた幹部の頭があった。
「アンタ」
小さく言葉が紡がれる。
「――ヒッ!」
幹部もまたオブリビオンである。だが、目の前の皇帝の圧倒的な力の前に彼の体は見る見る間に嗄れていく。
まるで何かを……生命力そのものを吸い上げられているかのようであった。
「お、おやめください! まだ、私は貴方様のお役に立てます! あの異界の竜は弱体化していますが、時を稼げば必ずや混沌に……!」
「アンタ、花を踏んだ」
「は……? な、何を言って……! 貴方様の望みを叶えるためなのです! 時をどうか、ご猶予を!!」
恐怖に染まった声が響き渡る。悲痛ささえあった。
けれど、皇帝は言葉を紡ぐ。
「理由になってない」
その瞬間、幹部オブリビオンの体に皺が刻まれていく。まさに天災の如き理不尽。
幹部オブリビオンたちは恐怖した。彼等は『オーデュボン』の皇帝の名を知らない。求めても応えることはなく、ただ圧倒的な力でもって彼等を恐怖で縛っている。
彼等が此処に在るのは、忠誠心などではない。
ただの恐怖が彼等を此処にとどめている。
頭を掴まれた幹部オブリビオンがしわくちゃになり、最後には砕けて霧消する。
それは失敗の咎ではなかった。
幹部オブリビオンが庭園の花を踏んでいたことが理由であった。ただそれだけで滅ぼされる。その理不尽。そして、理不尽を支えるだけの力が、彼にはあった。
「『アジール王国』に一つ、ございます」
「……」
恭しく頭を垂れながら一人の幹部オブリビオンが立ち上がる。彼女は天使の翼を持つオブリビオン。
「星を砕く砲――『ブラスター』。それが『アジール王国』にございます。かつては、星と星ほども離れていたとしても、苦もなく届かせる力。これならば貴方様の望みを叶えるものかと」
天使の姿をした幹部オブリビオン『銃士・エア』の言葉に『オーデュボン』の皇帝は背を向ける。
彼女はそれを肯定と取り、再び恭しく一礼すると庭園から飛び立つ。
「なんと悲しき御方。その生命に救いをもたらさなければなりません。ええ、生命は全て平等でなければならないのです。あの御方も、私も、人も、そして猟兵も」
彼女の微笑みは慈母の如く。
されど、彼女が齎すのは平等なる終わり。人を救うという彼女の行動原理は変わらず。されど、彼女の価値観だけが反転している。
そう、救うために死を齎す。
生きるものは全て死に至るものなれば。彼女は、その死をこそ救いと定義する。
そのためならば如何なる犠牲をも払う。例え、己の生命であったとしてもだ。
「『アジール王国』。幾度かの邪魔は入りましたが、手に入れましょう、必ずや。星すら撃ち抜く力。それを持ってあの御方を救うのです――」
●遺骸兵器
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。ブルーアルカディア世界において、屍人帝国『オーデュボン』が再び動き出しました。みなさんは
『遺骸兵器』というものはご存知でしょうか?」
ナイアルテは『アジール王国』の存在する浮遊大陸を示す。
そこは嘗て屍人帝国『オーデュボン』の侵攻によって炎に包まれ、大打撃を受けた浮遊大陸である。
今は勇士たちが協力し、復興を行っている最中なのだ。
そして、今まで屍人帝国『オーデュボン』が『アジール王国』に侵攻してきていたのは、この『遺骸兵器』が関係しているのだという。
「それは『ブラスター』と呼ばれる古代魔導兵器です。大量の天使核を搭載された超長距離射撃を行うことができる砲身であり、嘗ては星すら砕いたと言われるほどの威力を持っています」
なるほど、と猟兵たちは理解が及んだことだろう。
この『遺骸兵器』を屍人帝国は体に入れようとして、再び攻め込んでいるのかと。
だが、屍人帝国の目的はさらにその上を行く。
「屍人帝国の幹部オブリビオンの目的は、それだけではないのです。『アジール王国』の住人の皆さんを生贄に捧げる大規模ユーベルコードで、このレリックウェポンをオブリビオン化して戦力に加え、さらに人のいなくなった『アジール王国』の大陸を足がかりとして更に周辺の浮遊大陸侵攻に乗りだすつもりなのです」
彼女の言葉に猟兵たちは呻くかもしれない。
そうなれば、ブルーアルカディアにおける屍人帝国との戦いはさらに苛烈なものとなる。
『ブラスター』と呼ばれる『遺骸兵器』を奪われることも、またそれをオブリビオン化するために大陸一つを犠牲にさせるわけにも行かない。
「はい、そのとおりです。現地では、勇士のみなさんが住人の方々を守るために奮闘していますが、数で押し切られてしまうでしょう。これを打倒し、『遺骸兵器』をオブリビオン化しようとしている幹部オブリビオンを目指してください……ですが」
ナイアルテの予知では、それで終いというわけではない。
「仮に幹部オブリビオンを打倒したとしても、『遺骸兵器』のオブリビオン化は不完全に生命を吹き込まれ、暴走してしまうようなのです」
厄介なことである。
例え、オブリビオン化を阻止できたとしても暴走する『遺骸兵器』を相手取らなければならないということだ。
「ですが、この『遺骸兵器』も完璧ではありません。何処かに核が存在し、これを探し出し集中的に攻撃することができれば……」
勝機はまだ見えるのだという。
ならば、猟兵たちはためらう理由などない。次々と転移していく彼等をナイアルテは再び頭を下げて見送るのであった――。
海鶴
マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
大空の世界、ブルーアルカディアにおいて屍人帝国『オーデュボン』が四度目の『アジール王国』侵攻を目論んでいます。
三度目の侵攻によって炎に包まれた『アジール王国』。
ですが、勇士たちと共に復興しはじめていました。『オーデュボン』の幹部オブリビオンは、彼等の生命を『遺骸兵器』に生贄として捧げることによってオブリビオン化しようとしています。
この目論見を打破するシナリオとなります。
●第一章
集団戦です。
『遺骸兵器』をオブリビオン化するためのユーベルコードの生贄として『アジール王国』の人々が襲われています。
人々をさらおうとするオブリビオンに勇士たちも抵抗しています。
このままでは数で圧倒され、押し切られてしまうでしょう。この浮遊大陸という広い範囲が全て侵攻の対象となっていますので、みなさんがこれに勝利するためには、勇士たちとの連携が鍵となるでしょう。
●第二章
ボス戦です。
人々をさらおうとする襲撃部隊のオブリビオンたちを蹴散らしていると、勇士たちが皆さんを幹部オブリビオンの元に送り出してくれます。
『遺骸兵器』をオブリビオン化する儀式を行う幹部オブリビオン、『銃士・エア』との戦いとなります。
彼女を倒し、屍人帝国の作戦を打ち砕きましょう。
●第三章。
ボス戦です。
幹部オブリビオンを打倒すれば、『遺骸兵器』のオブリビオン化は完遂されることはないでしょう。
ですが、オブリビオン化儀式が途中で停止したことにより、不完全な生命を吹き込まれた『遺骸兵器』、『ブラスター』は暴走し、ひたすら無差別破壊を繰り返そうとしています。
星を砕くと言われた超長距離砲撃を行う砲身の『遺骸兵器』である『ブラスター』は、どんな距離を稼いでも光線を当ててきますし、その一撃は完璧でなくても甚大なる痛手を皆さんに与えるでしょう。
ですが、オブリビオン化儀式の際に核にされたオブリビオンが巨大な砲身のどこかに存在しています。
これを攻撃することができれば、極大のダメージが入ることでしょう。
それでは、ブルーアルカディアにおける徐々に明らかになる屍人帝国『オーデュボン』の目論見を打破する皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 集団戦
『嵐狂鳥フレズヴェルグ』
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POW : 暴風疾翔
【荒れ狂う暴風の渦を翼から放つこと】によりレベル×100km/hで飛翔し、【飛翔する同種族の数】×【飢餓感の大きさ】×【飛翔速度】に比例した激突ダメージを与える。
SPD : 狂風疾翔
全身を【触れたモノを切断する狂風の渦】で覆い、自身の【飢餓感】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ : 血風疾翔
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【血に染まった羽根】から【獲物を追尾する血風の刃】を放つ。
👑11
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『嵐狂鳥フレズヴェルグ』は正に風を従える暴威そのものであった。
『アジール王国』の領土である浮遊大陸のあちこちで屍人帝国『オーデュボン』のオブリビオンであり、魔獣でもある『フレズヴェルグ』たちは一斉に人々を襲う。それは彼等の主である『オーデュボン』の幹部『銃士・エア』のためであった。
彼女が目的としているのは『遺骸兵器』のオブリビオン化である。
そのためには多くの生命が必要なのだ。
「クケェェェ――!」
「くそっ、こいつら……! どこにこんな数がいたんだよ!」
「まずは住人たちを退避させるのが先決だ!」
勇士たちは皆、住人たちを避難させるために必死の抵抗を試みている。飛空艇を駆る者、砲撃を行う者、逃げ遅れた住人たちを救助する者。
誰もが誰かのために戦っていた。
これがあの青い熾火を見た者たちの心に灯った篝火の結果であった。
彼等は自らの明日を守るためではなく、誰かの明日を守るために戦う。そんな彼等にこそ力は宿るのだ。誠に『勇士』と呼ぶに相応しい者たちばかりであった。
「数……! 駄目だ、どうあっても押し切られるぞ! 援軍は!」
「大陸のあちこちで散発的に襲撃されているんだ。こっちに集中すれば、あっちが手薄になる! こいつら、戦えないやつを狙ってやがる!」
勇士たちも気がついたのだろう。
これはこちらを滅ぼすための攻勢ではないと。
住人たちを根こそぎさらおうとしている。そのためだけに『フレズヴェルグ』たちは勇士たちを翻弄し、あざ笑うかのように人々をさらっていくのだ。
「くそったれが! このままじゃ!」
「撃ちまくれ! 奴らを突破させるな!」
飛空艇が飛び、砲撃を行い続ける。
絶望的な戦い。けれど、彼等は諦めない。生きることも、助けることも。何一つ諦めないからこそ、届くものがあるともう彼等は知っているのだから――。
ウィリアム・バークリー
グリフォンの『ビーク』に「騎乗」して「空中戦」に挑みましょう。
敵の優位は、まさに数。それなら、分断しての各個撃破が一番の対策です。
「全力魔法」氷の「属性攻撃」「範囲攻撃」「衝撃波」でIcicle Edgeを放ちながら、敵集団に「騎乗突撃」。
弧を描くように敵集団を切り取って、まずはそこから片付けましょう。勇士の皆さんも集中攻撃を!
突撃での留意事項は、とにかく集中砲火を避けること。『ビーク』、最大速度で頼むよ。
反撃には、「結界術」と氷塊を生み出しての「盾受け」で防御します。
数が減ってくれば、戦いの流れはこちらのもの。そうなるまで頑張りましょうか。
『嵐狂鳥フレズヴェルグ』は数をこそ誇る。
そして、その羽ばたきで持って浮遊大陸にありし弱き人々をさらわんとしている。飛空艇に逃げ遅れた人々を狙うように『フレズヴェルグ』たちはけたたましい鳴き声と共に飛来する。
「クケェェェ!!」
鉤爪のごとき足が空より人を掻っ攫う。
だが、その『フレズヴェルグ』が空に飛び上がることはなかった。
直上より放たれた氷柱の槍が『フレズヴェルグ』の肉体を大地に縫い付ける。
極めて低温の氷柱の槍は、ウィリアム・バークリー(“聖願”/氷聖・f01788)のはなったユーベルコードの一撃であった。
「Icicle Edge(アイシクル・エッジ)!」
グリフォンの『ビーク』が『フレズヴェルグ』の鉤爪に抑え込まれていた人々を救い出しながら、さらに空へと飛び上がる。
さらに彼の放った氷柱の槍は、『フレズヴェルグ』の空より打ち込まれ、その体を縫い止める。
「援軍か!?」
勇士たちは、その白く美しいグリフォンがさっそうと弧を描くようにして旋回し、勇士達にさらわれようとしていた人々を預ける。
「敵の優位は、まさに数。分断して各個撃破が一番の対策です。勇士の皆さんも集中攻撃を! ぼくは敵を切り取るお手伝いをしますから!」
ウィリアムは『ビーク』と共に戦場を駆け抜ける。
最高速度で飛翔する『ビーク』が白い閃光のように戦場を分断していく。
『フレズヴェルグ』たちは、その突撃に血で染まった赤い羽を放つが、最高速度に乗った『ビーク』を捉えられない。
集中砲火を避けることに留意しているウィリアムは『ビーク』に的確な指示を出し、さらに集団を細かく分断し、さらに氷柱の槍による斉射でもって、彼等の動きを止め、大地に縫い止めるのだ。
「今です!」
ウィリアムの言葉と共に勇士たちの駆る飛空艇や、武器が縫い留められた『フレズヴェルグ』たちを打ちのめす。
砲火が荒び、浮遊大陸に迫っていた『フレズヴェルグ』たちがたじろぐ。
これまで散発的に、それこそウィリアムがしたように集中砲火を防ぐようにターゲットを分散させてきたことを、やり返されたのだ。
彼等はたまらず空に退避しようとするが、其処こそがウィリアムと『ビーク』の戦場であった。
結界術によって囲われた戦場。
空は確かに天井などない。
「けど、ここには君たちを囲う檻がある」
ウィリアムが生み出した氷塊が『フレズヴェルグ』たちの飛翔を邪魔し、この戦場における主導権を握る。
「戦いの流れはこちらのもの。勇士の皆さんが砲撃してくれている今なら、そちらは混乱しきり……なら!」
ウィリアムは『ビーク』と共に空を駆け抜け、レイピアの一撃を『フレズヴェルグ』に叩き込む。
「グケェェェッ!?」
「まだまだ戦場は敵のほうが優位……でも、数を減らせれば!」
戦いの趨勢はこちらに傾く。
未だ浮遊大陸のあちこちでは多くの人々がさらわれ続けている。彼等は『遺骸兵器』をオブリビオン化するための儀式における贄。
まだ贄として捧げられていないのならば、彼等の生命はまだ助かる。
ウィリアムは手遅れになる前に、この『フレズヴェルグ』の集団を蹴散らし、儀式を行っている幹部オブリビオンの元へと急がねばならない。
「急がば回れとは言うけれど……まずは!」
「ああ、こっちは任せておけ! 縫い止めた『フレズヴェルグ』は俺たちが処理する!」
勇士たちと連携し、ウィリアムは戦場のおける数の優位。
それをこちらに傾けるべき、大空の世界を白い一条の光のように飛翔するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
メサイア・エルネイジェ
やっべぇですわね!
悪者の手に渡れば絶対ロクなことになりませんわ〜!
浮遊大陸なので飛べるに越したことはございませんわ
アンビシオンヨシ!
でっけぇ鷹が人を攫っておりますわ!
悪い鳥さんはフライドチキンですわよ〜!
離れているならネメジストのビームで、近いなら銃剣でやっつけますわ
お追尾がしつけぇ羽根は王笏ハンマーで叩き落としましてよ
障害物にぶつけてもよろしいですわね
にしても数が多くて忙し過ぎますわ〜!
勇士の方々〜!もうちょっと頑張ってくださいまし!
もう頑張れない?だらしねぇですわね!
エルネイジェの光!
お怪我を癒して火力を上げれば負けないのですわ
ついでに目眩しにもなりますわ
これでおファイトイッパツですわ〜!
屍人帝国『オーデュボン』はブルーアルカディアにおいて散発的に浮遊大陸を襲っていた。
その標的の一つが『アジール王国』である。
炎によって国土の大半を焼き尽くされたが、勇士たちの尽力に寄って復興してきていた最中、このような事態に陥ってしまったのは未だ災禍から逃れていないことを示していたことだろう。
『嵐狂鳥フレズヴェルグ』のけたたましい鳴き声が響きわたり、浮遊大陸のあちこちで人々の悲鳴が上がる。
「まただ……! あっちを退けたと思ったら、すぐに側面を突いてきやがる……!」
勇士たちは翻弄され続ける。
彼等は戦えぬ人々を守ろうと防戦一方になってしまっていたし、例え『フレズヴェルグ』の群れを退けたとしても、すぐさま背後や側面を突いて人々をさらっていく。
殺すのではなくさらう。
それは彼等が人々の生命をこそ目的としていたからだということは言うまでもない。
「やっべぇですわね!」
そんな悲鳴と混乱が坩堝となった戦場に降り立つは、メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)であった。
大型の機械鎧をまとった皇女は、『アジール王国』にある屍人帝国『オーデュボン』の狙いである『遺骸兵器』、『ブラスター』の存在を知る。
星を砕く砲身。
さらに言えば、星間さえも物ともしない超長距離射撃。謂わば、この世界のどこにいても砲撃が届く凄まじい『遺骸兵器』である。
「悪者の手に渡れば絶対ロクなことになりませんわ~!」
『超天極光鎧装姫甲・アンビシオン』の背に負った光輪を加賀屋kせながらメサイアは飛ぶ。
「『アンビシオン』ヨシッ!」
メサイアは荷電粒子砲の一撃で持って『フレズヴェルグ』を撃ち落とす。
「でっけぇ鷹はフライドチキンですわよ~!」
離れれば荷電粒子砲の一撃で仕留め、近づけば銃剣に収束したビームの一撃が斬撃となって『フレズヴェルグ』を切り裂く。
凄まじいまでの飛翔戦闘。
メサイアは勇士たちにとって救いの女神足り得る存在であった。
「クケェェェ!!!」
放たれる血に染まった羽がメサイアに追いすがる。だが、その羽を尽く王笏の一撃が打ち据え、叩き落とした。
彼女を止められる『フレズヴェルグ』は存在しない。
だが、数が多すぎる。
「にしても数が多くて忙しすぎますわ~! 勇士の方々~! もうちょっと頑張ってくださいまし!」
「……! ちょ、ちょっとまってくれ!」
「まだこっちは体勢が整ってないんだ! 流石にあんたたちのようには……!」
その言葉に勇士たちは答えようとするが、これまで波状攻撃を受けて消耗しているのだ。流石に今すぐにとは体勢を整えられない。
それも無理なからぬことだ。
けれど、メサイアはスパルタである。
「だらしねぇですわね! わたくしの光は万物を照らすのですわ! エルネイジェの光(セイントシャイニング)」
王笏より放たれるはユーベルコードの輝き。
その輝きは勇士たちの疲労を拭い去り、さらに彼等の操る武器や飛空艇の砲撃に神聖なる属性を付与する。
回復とバフ。
その両方を一度にこなすメサイアのユーベルコードの輝きが戦場に満ちて、勇士たちは立ち上がる。
「これでおファイトイッパですわ~!」
煌めく輝きに『フレズヴェルグ』たちの目を潰しながらメサイアは『アンビシオン』の輝きと共に浮遊大陸の戦場の一つを叩き潰す。
輝く光輪。
そして煌めく光条。
そのどれもがメサイアの威光を知らしめるには十分過ぎただろう。『フレズヴェルグ』たちが撤退していくのを追いかけ回しながら、メサイアは浮遊大陸、『アジール王国』の襲われんとしている人々を救出するのであった――。
大成功
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メンカル・プルモーサ
…生贄捧げて『遺骸兵器』をオブリビオン化する…ね…
徹頭徹尾ダメなところしかないな……止めよう…
…星砕きの超長距離砲撃とかこの世界だと島を狙撃できるんだから復活したらダメな予感しかない…
…そういう訳で…重奏強化術式【エコー】で効果範囲を広げて…
…挨拶代わりに【星を墜とす大地の手】を発動…嵐狂鳥フレズヴェルグ(と飛んで来る血風の刃)を全て叩き落してしまおうとしよう…
…雲海に落下した物はそのまま…飛空挺に落下した物も動きを封じているのでそのまま勇士達に仕留めて貰うとしようか…
…ここはこれで制圧できるかな…数を減らせば次の手を打つことも出来るしね…
浮遊大陸のあちこちから悲鳴が上がる。
戦う力のない『アジール王国』の民たちが逃げ惑う。それをあざ笑うかのように『嵐狂鳥フレズヴェルグ』がけたたましく鳴きながら、その鉤爪で人々を掴み上げて空に飛び上がる。
絞め殺すでもなく、鉤爪を食い込ませて絶命させるでもない。
ただ、攫う。
それはともすれば我が子、雛に餌を与えるような行いであったのかもしれない。けれど、それが違うことを知っている。
屍人帝国『オーデュボン』は『アジール王国』の人々を『遺骸兵器』のオブリビオン化儀式のための贄としている。
例え、捕まったとしても儀式が始まるまでは生命があるだろう。
「……かと言って、そのまま放置なんてできるわけがない……」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は今回の事件において、『遺骸兵器』の存在は重要な意味を持つことを理解している。
星を砕く威力の長距離射撃が可能となる砲身。
それは星と星の間ですら狙い撃つことができるとされる。ならば、それはこの浮島が浮かぶブルーアルカディアの世界にあっては、何処からでも、どこでも狙えることを示していた。
「……徹頭徹尾ダメなところしかないな……止めよう」
重奏強化術式『エコー』が展開し、彼女のユーベルコードの範囲を広げていく。
煌めくユーベルコードの輝きと共に現れたのは疑似重力術式。
「重き力よ、掴め、落とせ。汝は重圧、汝は天墜、魔女が望むは底より出でし昏き腕」
屍人帝国『オーデュボン』が、星を砕くものを欲するというのならば、メンカルの手は、星を墜とす大地の手(スターライト・フォール)である。
空にあるものを天から地へと引きずり下ろすユーベルコード、その術式は拡大され、『フレズヴェルグ』たちを一気に大地に叩きつける。
「グケェェェッ!?」
大地に倒れ伏す『フレズヴェルグ』たちが苦し紛れに放った血に染まった羽すらも飛ぶこと無く、大地に落ちる。
そう、彼女のユーベルコードは擬似的であっても重力を操る力。
この空を飛ぶことが前提となる世界、ブルーアルカディアにおいて、それは圧倒的な力と意味を持つ。
すなわち、空にあれば雲海か大地に引きずり降ろされる。
そして、雲海に沈めばどんなものも滅ぶ。そういう世界なのだ。ならばこそ、メンカルの操る重力術式は、大地に落ちた『フレズヴェルグ』たちを大地に縛り付け続ける。
「……星砕きの超長距離砲撃とか、この世界だとオブリビオン化させてはならないものの最たるもの……ダメな予感しかしない」
メンカルのユーベルコードによって『フレズヴェルグ』たちが動きを大地に縫い留められ、そこに勇士達の砲撃が叩き込まれる。
「ここは大丈夫だ! あちらのほうが手薄いになっている! いくぞ!」
「援軍が来てくれた……! なら押し返せるぞ!」
「……ここはこれで制圧できても、他に点在している敵がいるから安心したらだめだよ……数を減らそう。そうすれば、次の手を打つ事もできるしね……」
メンカルは勇士たちと共に飛空艇で戦場に赴く。
未だ多くの『フレズヴェルグ』たちが散発的に人々を襲っている。
人々を避難させようとしても、その避難する人々を『フレズヴェルグ』は背後から襲う。
散発的に襲うからこそ、『フレズヴェルグ』は勇士たちの追跡を振り切る。そして、数に物を言わせるからこそ、勇士たちの対応は後手に回っているのだ。
「……打開するには地道に数を減らし続けることしかない……」
メンカルはその瞳をユーベルコードに輝かせる。
天を舞うものを尽く失墜させる力。
それは確かに戦場に在りて『フレズヴェルグ』を圧倒するだろう。けれど、こうしている間にも『遺骸兵器』のオブリビオン化儀式は進んでいる。
猶予があるとは思えない。
メンカルは迫る『フレズヴェルグ』の群れを突破しながら、オブリビオン化儀式の場へと急ぐのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
やったー!
稼ぎ時だー!
剥いで嬉しい、捥いで嬉しい魔獣狩りだー!
バラバラにして高値で売ってやるわ!!
羽毛布団と手羽先の群れが飛んできたぞ!
●
【神器複製】起動
模造神器を複製
127本中27本は足場にして残して『念動力』で浮遊して空を駆けよう
残り100本は適宜念動力で動かそう
フレズヴェルグの動きを観察して『情報収集』
とんでもない速度で飛んでくるならさー、その進路上に剣を置いてやればスパッと自分の速度で斬れるよねー
行動を予測しながら100本の複製を空に配置
まあぶつからなくても回避運動でもたついたのが居たら、それを集中的に狙っていこう
スピード出し過ぎ事故の元ってね
さあ、後はしっかり回収
文字通り毟り取ろう!
ブルーアルカディアにおいて魔獣の存在は畏怖の対象であり、同時に生きるための糧であった。
天使核は言うに及ばず。
その血肉、骨、革は生活を支える素材となる。
すなわち、生きることは戦うことである。ブルーアルカディアに生きる人々とってそれは当然のことであった。
だが、それにも限度というものがある。
『嵐狂鳥フレズヴェルグ』は屍人帝国『オーデュボン』によって使役され、膨大な数となって『アジール王国』を襲う。
彼等は凄まじい速度で、連携された散発的な襲撃に寄って人々を攫っていく。
殺すのではなく、喰らうでもなく。
ただ、さらっていく。生命を奪う必要はなく、彼等はただ主の命令に従っているだけである。
『遺骸兵器』のオブリビオン化。
そのために多くの生命が必要なのだ。
勇士たちは、それをさせぬと抵抗しているが、膨大な数が散発的に襲撃してくることによって後手に回らざるを得なかった。
そんな中、月夜・玲(頂の探究者・f01605)の声が響き渡る。
「やったー! 稼ぎ時だー! 剥いで嬉しい、もいで嬉しい魔獣狩りだー!」
この状況を、そんなふうにいえるのは猟兵である彼女くらいであったことだろう。
彼女は神器複製(コード・デュプリケート)によって複製した模造神器のいくつかを足場にして空を駆け抜ける。
「剣の群れ……!? な、なんだあれは!?」
飛空艇を駆る勇士たちをして玲の剣を足場にして、念動力によって空を駆け抜ける手法は目をむくものであった。
だが、それ以上に目を見開いたのは魔獣……オブリビオン『フレズヴェルグ』たちの撃退方法であった。
彼等の速度は凄まじい。
猛禽としての本能であろうか、凄まじく速い速度で飛翔し、飛空艇よりも高い高度をもって飛来し、鉤爪の一撃を見舞う。
目視では追いつけぬほどの速度。
けれど、玲に迫る『フレズヴェルグ』が次々と真っ二つにされて大地に落ちていくのだ。
何が起こっているのかわからなかった。
「バラバラにして高値で売ってやるわ!! 羽毛布団と手羽先の群れが飛んで来たぞ!」
笑いが止まらないと言ったふうに玲は笑っている。
彼女がユーベルコードに寄って複製した模造神器は127本。
そのうち27本を足場にして念動力で操作し、残りの100本を攻撃に回している。だが、問題はその使い方であった。
「攻撃している……んじゃないのか?」
「そう、とんでもない速度で飛んでくるならさー、その進路上に剣を置いてやれば、スパッと自分の速度で切れるよねー」
簡単に玲は言うが、それは容易ならざることであった。
例え、理屈ではそうであったとしても『フレズヴェルグ』の進路を予測し、的確に避けられぬタイミングで剣を置かねば打撃を与えることはできない。
けれど、それでも玲はそれを為す。
猟兵が生命の埒外と呼ばれる所以であるというように玲を目指す『フレズヴェルグ』たちは徒にその生命を散らしていく。
「たまに回避運動できる個体がいたとしてもさ」
玲が空を駆ける。
自分に飛来する『フレズヴェルグ』は剣を回避したことによって速度を落とし、また高速であればあるほどに、そのロスは大きくなる。
「もたついてるんならさ!」
こちらの迫る二撃目を躱すことなどできはしない。
放たれた斬撃の一撃で『フレズヴェルグ』は大地に落ちていく。
「スピード出しすぎ事故の元ってね。さあ、後はしっかり回収。文字通り毟り取ろう!」
いい笑顔で玲は勇士たちに告げる。
商魂たくましいとはこのことである。どんな逆境も商機に変えてしまう。
そのたくましさこそブルーアルカディアの本領であると言うように勇士達の指揮は高揚し続けるのであった――。
大成功
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ヴィクトリア・ノウェム
まったく、オーデュポンだかシャッキリポンだか知らないですけどほんとロクな事しないです
外装形態のエル・セプスで空を駆け早速UC、飛んでるやつを優先して雷で叩き落とし、「同時に飛んでる数」と「速度」を減らしていくです
獲物を捕まえようとしている奴は上からケルベロスファングを打ち込んで捕縛、Dアヴェンジャーのガム弾で翼をべとべとにして飛べなくしてから、怪力でぶん回して他の鳥にぶつけてくっつけ纏めるです
勇士が十分いるなら止めは任せ動く敵を減らすのを優先。足りてないなら何度か地面とかに叩き付けて最後にきっちりA.F.C.で止めを刺すです
……“贄”はそっちです。黙って天使核と鳥肉おいてけ、です
屍人帝国『オーデュボン』は謎多きオブリビオンの巣窟である。
その目的はこれまで青い鎧の巨人であったが、それは虚空に消えた。目的を失ったはずであるというのに『オーデュボン』は、ブルーアルカディアにある浮島や浮遊大陸を襲い続けている。
ここ『アジール王国』に『遺骸兵器』があるのだとしても、それは今まで目的の中に入っていなかったようにも思えるのだ
「どちらにしたって、まったくオーデュポンだか、シャッキリポンだか知らないですけど、ほんとロクなことしないです」
ヴィクトリア・ノウェム(はらぺこ空戦天使・f33941)は可変型飛空艇『エル・セプス』をまとう。
外装形態となった『エル・セプス』は両親からヴィクトリアに送られた浪漫(とお金)がたっぷりと詰まった飛空艇である。
空を駆け抜けるヴィクトリアは、そのためにどれだけの借金苦に苛まれているのか、余人にはわからぬが、それでも人々を助けるために瞳をユーベルコードに輝かせる。
展開される索敵魔法。
それは周囲に散発的な襲撃を繰り返す『嵐狂鳥フレズヴェルグ』の所在を知らせる。
かの『フレズヴェルグ』たちは『アジール王国』の人々を殺すのではなく、さらおうとしている。
『遺骸兵器』をオブリビオン化するためには生贄として多くの生命を要する。
だからこそ、殺すのではなく生かしたまま儀式の場へと連れ去ろうとしているのだ。
放つ雷が『フレズヴェルグ』を撃ち落とし、周囲に存在する数を減らしていく。
だが、圧倒的な速度で飛翔する『フレズヴェルグ』たちは殺し、喰らうためではなく攫うために人々を襲っているため、彼等にとっては耐え難い空腹に苛まれている。
故に彼等の圧倒的な速度はさらに高まり、これにより勇士たちも苦戦していたのだろう。
けれど、ヴィクトリアは構わない。
「見つけた……逃さない、です」
三つの鉤爪がついた鎖が『フレズヴェルグ』を捉え、絡め取る。
人々を襲う彼等を逃さぬ鉄鎖の一撃は、絡まり、さらにその上からヴィクトリアは構えたガトリング砲からガム弾を打ち込み、その体をべとべとにしてはばたけなくしてから大地に叩きつける。
「トドメは……任せた、です」
「ああ! これなら、俺たちでも!」
勇士たちがヴィクトリアが鉄鎖とガム弾によって拘束した『フレズヴェルグ』を砲撃で持って仕留める。
ヴィクトリアは一人で戦おうとしていない。
敵の数は多い。一人で戦うこともできるだろうが、それは効率的ではない。ならばこそ、ヴィクトリアは勇士たちと連携する。
敵を減らせば、その分勇士たちに任せることのできる戦場も増えてくる。
「……“贄”はそっちです」
ヴィクトリアの瞳は魔獣たる『フレズヴェルグ』に向けられる。
この世界、ブルーアルカディアにおいてオブリビオンである魔獣は、全てが余すこと無く素材として扱うことができる。
心臓たる天使核は言うに及ばず。
その血肉は食料に。革は衣服やその他の必需品に。骨は飛空艇の素材に使える。謂わば、彼女が金策にあえぐ喉を潤してくれるものである。
故に、彼女は空を舞うようにして雷を放ち、『フレズヴェルグ』たちを次々と大地へと叩きつける。
勇士たちと連携して事にあたったのだから、一匹あたりの単価の半分はもらえるはずである。
そして、敵の数は多い。
彼女の両親が拵えた借金はまだまだ返済できないのかもしれない。焼け石に水かもしれない。
けれど、それでもどんな借金も一歩ずつ歩めば、かならず返済できるのだ。
「黙って、天使核と鳥肉おいてけ、です――」
大成功
🔵🔵🔵
佐伯・晶
酷い状況だね
相手が数で押してくるなら
こちらも手数を増やそうか
UCを使用して使い魔を召喚
皆に手伝って貰うよ
まかされたのですよー
えいえい、おー
希少金属の馬防柵とスパイクで突進を防ぐ役
希少金属のワイヤーで編まれた投網で動きを止める役
フォローや攻撃を行うサポート役の
3人1組で行動して貰おう
突進を防いで避難の隙を作ったり
動きを止めて勇士達に攻撃して貰ったりして
被害を抑えて貰うよ
余った一人は僕と行動して
馬防柵とスパイクで突進を止めて貰おうか
十分な硬度と重量があれば
突進してきた相手を串刺しにできるかな
後はワイヤーガンで動きを止めたり
ガトリングガンの範囲攻撃で落としたりして
勇士達が避難を完了させる時間を稼ごう
『アジール王国』を巡る屍人帝国『オーデュボン』との戦いの趨勢は拮抗していた。
勇士たちの奮戦は確かに心強いものであったが、未だ数でまさる『オーデュボン』の『嵐狂鳥フレズヴェルグ』の猛威は、未だ振り払えない。
圧倒的な速度と、人々を殺さず、喰らわずさらわなければならない彼等の飢餓感が力となって強靭な敵として立ちふさがっている。
それにこれを指揮する幹部オブリビオンの策略なのだろう散発的な襲撃。
一箇所に戦力を投入するのではなく、後手に回った勇士たちの側面や背後を突くように『フレズヴェルグ』たちは、人々を攫っていくのだ。
「ひどい状況だね」
佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は現状を正しく理解していた。
猟兵たちが駆けつけたとしても、未だ五分。
このままでは数の優位を誇る『フレズヴェルグ』の押し切られてしまう。そして、何より『遺骸兵器』のオブリビオン化を目論む屍人帝国『オーデュボン』の目的を達成させられてしまう。
「こちらも手数を増やそうか。さあ、みんな。よろしく頼むよ」
式神白金竜複製模造群体(ファミリア・プラチナコピー・レプリカ・レギオン)が一斉に晶の言葉によって飛び出し、駆け出していく。
「まかされたのですよー」
百体以上の使い魔たちが戦場を駆け抜けていく。
彼女たちは全てが希少金属で出来ており、その体を変化させる。
「えいえい、おー」
その躰を馬防柵とスパイクへと変えて、迫る『フレズヴェルグ』の突進を押し止めるのだ。
それだけではない。
役割を分担した使い魔たちは、次々とその躰を変えていく。
馬防柵で突進を受け止め、さらにワイヤーで編まれた投網へと姿を変えた使い魔たちが『フレズヴェルグ』を覆う。
「クケェェェ
!?!?」
投げ放たれた網は、もがけばもがくほどに『フレズヴェルグ』の体に絡みついていくだろう。
ほどこうにも羽ばたくことしかできない彼等には、もうどうしようもない。
「頼んだよ! 被害を抑えよう!」
晶の言葉に勇士たちが投網に掛かった魔獣たちを一斉に砲撃で蹴散らしていく。
「いくのですー」
使い魔たちが三人一組になって次々と『フレズヴェルグ』を捕縛していく。そこに勇士達が駆けつけ、トドメを指していく。
見事な連携であるといえるだろう。
「これなら僕たちも自由に動けるね」
余った使い魔と晶は戦場を駆け出す。馬防柵とスパイクで『フレズヴェルグ』の突進を受け止め、ガトリングガンの斉射でもって、これを滅ぼす。
ワイヤーガンを撃ち放ち、人々を襲わんとしている『フレズヴェルグ』を拘束する。
「こっちはもう大丈夫だ! 戦えない奴らを連れて行くぞ!」
「手を貸してくれ。護衛だって必要だ!」
勇士達は戦い慣れている。
それもそのはずだ。彼等は生きるために魔獣を狩る。今回は数の暴威で崩れかかっていたが、本来はこうやって多数で一つの魔獣を仕留める連携に長けた者たちなのだ。
危険など承知の上。
故に勇士と呼ばれている。だが、それ以上に戦えぬ人々を守らんと死力を尽くす姿にこそ、晶は勇士としての姿を見ただろう。
「わかった。使い魔たち、彼等を護衛しながら、『フレズヴェルグ』を」
「はいなのですよー」
晶の言葉に使い魔たちが敬礼して駆けていく。
この戦場はもう大丈夫だろう。けれど、未だ浮遊大陸のあちこちで散発的な襲撃が起こっている。
悠長に構えている暇はない。
晶はこの事件の源、『遺骸兵器』のオブリビオン化儀式を執り行う幹部オブリビオンを目指して、大空の世界を駆け抜けるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
氷宮・咲夜
【チーム・サクリファ】
相棒のリーファ・イスメリア(f38131)と一緒
リファの思いを尊重しながらも私の目的は『遺骸兵器』の入手
超お硬いだけのリファもそれがあれば戦術の幅がぐんと広がるわ
まずはウィザードブルームで戦場を俯瞰
諦めが悪いのは嫌いじゃない。私もそうだもの
敵は私のような弱者を狙う
上等。か弱き人類が脅威に抗う為に培ってきた技の粋を見せてあげる
敵の目的は殺す事ではない
つまり抗い得るかどうかなんて関係ない。命懸けで吠えて威嚇して
容易には浚われない、その意思を行動で知らしめるの
そう叱咤しつつ、か弱き魔術師の私もUCで後押し
【魔導書:風】から気まぐれ風の魔法を選び、戦場の風を敵の支配から解き放つわ
リーファ・イスメリア
【チーム・サクリファ】
相棒の氷宮・咲夜(f37939)と一緒
この美しい王国を私の故郷のようにしてはいけない
皆さまと皆さまの帰る場所を守る為に、UCを使用して戦います
敵の目的は人々を浚う事?
咲さまの叱咤から守るべき人々の動きと、それを狙う敵の動きを予測
逃げる人々あれば敵は追う
命がけで抗う人々あれば敵は躊躇し隙をみせることでしょう
『悠久の祈り』の報せに耳を傾けつつ
『星穿つ魔導剣』と『星穿つ魔導鎧装』による推力移動と『オリハルコンパワー』を得て
剣と体を張った攻防一体の攻撃で、人々を守りながら敵を攻撃します
もし咲さまの叱咤でも動かない人があれば、それはもう動けない人
勇士の方々と協力して最優先で守ります
古に滅びし国は数多あるだろう。
どの世界にも、どんな時代にも。
それは滅びが必定であるからこそ起こりうる悲劇であったおかもしれない。
リーファ・イスメリア(悠久の超硬姫・f38131)にとっても、それは例外ではない。彼女だけが例外であった。
家臣の魔法に寄ってオリハルコン像に変えられていたことによって戦禍を免れ、今に至る。
亡国の記憶だけが彼女の戦いを支えるのかもしれない。
『アジール王国』は美しい国だと彼女は思っただろう。
一度は炎に寄って焼き尽くされたが、それでも諦めずに復興しようとしている。そこに生きる人々の意志と汗が結晶のように美しく彼女の瞳を彩る。
「この美しい王国を私の故郷のようにしてはいけない」
彼女の瞳がユーベルコードに煌めく。
人と世界を守る意志。それによって変身するのは、超硬不落の神硬姫アルティメットリリー。
超硬神化(チョウコウシンカ)によって彼女は強靭な力を得て、戦場へと飛び出す。
「まあ、そういうの嫌いじゃないわ」
氷宮・咲夜(精晶石の魔術師・f37939)はリーファに伴する魔術師。
空を飛ぶ箒に腰掛けながら、戦場を俯瞰していた。
敵である屍人帝国『オーデュボン』が繰り出す魔獣、オブリビオンである『嵐狂鳥フレズヴェルグ』の数は多い。
だが、数を一極に集中することをしていない。
散発的に浮遊大陸の様々な場所を襲撃している。だからこそ、防衛に当たる勇士たちが後手に回らざるを得ないのだ。
多くの場所を一息に襲うのではなく、断続的に襲い続ける。
「そうすることで集中を切ろうってわけね」
彼女の目的はリーファの思いを尊重することであり、そして同時に『遺骸兵器』の入手である。
リーファは確かに強靭な防御の力を持っている。けれど、それだけでは守れぬものがある。
ならば、『ブラスター』と呼ばれる星を砕く程の威力を持つ砲があれば戦術の幅が広がるのではないかと考えたのだ。
「諦めが悪いのは嫌いじゃない。私もそうだもの」
彼女はか弱き魔術師。
ならば、敵は自分のような弱者を狙う。抵抗する力のないものをさらい、儀式の生贄にしようとしているのだ。
「上等。か弱き人類が脅威に抗うために培ってきた技の粋を見せてあげる」
咲夜は徐に『フレズヴェルグ』たちの前に姿を晒す。
「クケェェェ!!」
咲夜を猟兵と認識している。だからこそ、彼等は自分を狙う。敵の目的は殺すことではない。
無力な人間であるからこそ、抗う術を見言い出す。
容易には攫われない。その意志を示すように咲夜は吠えるのだ。
「その隙を!」
リーファは、敵が人々を殺すのではなく攫うことを目的としていたとしても咲夜の行動が如何に無茶であるかを知る。
彼女にとって守るべき人々は動けぬ人々だ。
恐ろしい魔獣を前にして身が竦み、動けないのは理解できることだ。
万人が勇気を持つことができるとは限らない。
だからこそ、彼女は魔導剣と鎧を持って、オリハルコンパワーを発露させながら『フレズヴェルグ』を切り裂く。
「悠久の時の祈りに包まれて、この身はオリハルコンをも超えていく。超硬神化、神硬姫アルティメットリリー! 悪には決して砕けません♪」
その言葉は彼女にとっては名乗りであった。
同時にそれを聞く人々にとっては、窮地を救う言葉でもあったことだろう。
「攫われたくなければ、吠えなさい。容易には自分たちの生命をどうこうできないと。生きているのならば」
咲夜は人々を叱咤しながら、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「力ある言葉と正当な資格を以て氷宮の魔術師咲夜が命じる。万物の根源よ、我が意に従いここにその力を示しなさい」
きらめくユーベルコードは、魔導書へと姿を変え、その中から気まぐれ風の魔法を選び出す。
戦場の風を『フレズヴェルグ』の支配から解き放ち、彼等の圧倒的な速度を支える追い風を引き剥がしていく。
「リファ!」
その言葉にリーファが答え、剣の一閃を持って『フレズヴェルグ』を一刀両断のもとに叩き伏せる。
「動けない方はこちらに。勇士の方々!」
リーファの言葉に勇士たちが飛空艇でもって駆けつける。動けぬ人々をリーファと咲夜は勇士たちに預け、さらに戦場を征く。
彼女たちの思いは同じであった。
か弱き者を守る。
そのための術も勇気もすでに彼女らの中にある。ならば、迷う必要などない。
この騒動を引き起こした幹部オブリビオンの元へと一直線に走り、人々を守るための戦いを彼女たちはするのだ――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステラさん(f33899)と】
久しぶりに来たと思ったらいきなりですか!?
ユーベルコードまでやべーのが覚醒しちゃったんですか!?
と、ツッコんでみるも、
スリッパを構えられ、頭を押さえてガード。
えっ? 比喩?
ユーベルコードじゃないんですか?
でもその、ひくひくしてるお鼻と緩んでるお口は……?
アッハイ。なんでもないです。
ステラさん、今日も絶好調ですね!
準備はいいですけど、わたしちょいちょいイジられてませんか?
ステラさんに『美少女』言われても、へこみますよ?
……まぁステラさん『少女』ではないですが。
って、それではわたしもいきます!
【Tanz des Hagel】で援護していきますよー♪
ステラ・タタリクス
【ルクス(f32689)様と】
エイル様の!匂いがします!!
誰がやべーメイドですか
頭叩きますよ美少女偏差値高水準勇者
ええ比喩表現です
本当に匂いをくんかくんかしに来たわけではありませんので
おっと、今日はスリッパの活きがとても良いですね?
まあでも……
何やら
縁が繋がっている
そんな感覚がします
さて
この地が再びオブリビオンに蹂躙されたとなれば
『セラフィム』のお二人に申し訳が立ちません
超絶美少女勇者、準備はいいですか?
【ガレオン・チェンジ】で飛空艇に変身
ルクス様を乗せて空中戦
面倒なので全部爆砕といきましょう
【エールプティオー・プルウィア】
全弾発射!!
血風の刃などまとめて叩き落としてさしあげます
「『エイル』様の! 匂いがします!!」
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は開口一番、そう叫んだ。
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は、え、なにそれこわいって思っただろうし、実際の処、そうでもあったことだろう。
傍から見たら、奇声のように思えなくもなかったからだ。
「久しぶりに来たかと思ったらいきなりですか!? ユーベルコードまでやべーのが覚醒しちゃったんですか!?」
ルクスの言葉は尤もであった。
存在を『匂い』で認識する。
まあ、ユーベルコードでもない限り無理なのではないかと思うものである。正直言って、ヤベーメイドにしか思えなくなってしまうのもわからないでもない。
「誰がやべーメイドですか。頭叩きますよ美少女偏差値高水準勇者」
スリッパを構えたステラにルクスは頭をとっさに抑えてガードする。
もう何度か食らっているツッコミである。勇者ともなれば、一度受けたツッコミは即座に対応できるのである。
いや、なにそれ知らん。
「いえ、比喩表現です。本当に匂いをくんかくんかしに来たわけではありませんので」
本当に比喩なのか? とルクスは訝しむ。
比喩っていうか
ユーベルコードじゃないのかと思っていたのだ。
だって、どう見たってステラの鼻がヒクヒクしているように思えるし、緩んでる口元の説明はどうするのだとルクスは思った。
思ったが、思っただけにしておいた。
口に出したら、あの構えたスリッパが自分の後頭部ないし側頭部ないし天頂部をパカンと叩く未来が容易に想像できたからである。
「おっと、今日のスリッパは活きがとても良いですね?」
「いや、振りかぶってましたけど!?」
「なにか?」
「アッハイ。なんでもないです。ステラさん、今日も絶好調ですね!」
にこり。
ステラの微笑みに封殺される美少女勇者。
「まあでも……何やら
縁がつながっている。そんな感覚がします。さて、この地が再びオブリビオンに蹂躙されたとなれば、『セラフィム』のお二人に申し訳が立ちません。超絶美少女勇者、準備はいいですか?」
ステラの姿がガレオン船へと姿を変える。
ガレオノイドである彼女のへんじた飛空艇の甲板上にルクスは立ち、それはそれとして、と前置きする。
「わたしちょいちょいイジられてませんか? ステラさんに『美少女』言われても、へこみますよ?」
ステラがちょいちょい今日言っている美少女勇者。いつもは駄勇者とかなんとかそんなストレートな罵倒であるのだが、今日は変化球。
いやまあ、ステラさん『少女』ではないですが、ってやっぱりそんな事言うから怒られるんじゃないかなって思わないでもない。
「いえいえ、ちゃんと美少女しておりますよ。それでは面倒なので全部爆砕といきましょう。エールプティオー・プルウィア――天使核誘導弾、装填。全段発射!!」
壮麗な飛空艇が空を駆け抜け、さらにルクスの放つユーベルコードの輝きが『フレズヴェルグ』たちを引きつける。
氷の礫が放たれ『フレズヴェルグ』を撃ち抜く。さらに天使核誘導弾が、空を飛彼等を撃ち落としていく。
「Tanz des Hagel(タンツデスヘイル)、氷よ、穿てっ!」
歌唱によって放たれるユーベルコードの氷の礫。
それらは一気に戦場を席巻していく。
「なんていう弾幕だよ……!」
「それに速いぞ! って、おい! そこだと巻き込まれる!!」
勇士たちが天使核誘導弾や氷の礫と共に嵐のように突っ込んでくるステラの変じた飛空艇と甲板上に仁王立ちしてユーベルコードに瞳を輝かせているルクスたちの姿に道を開ける。
迫る暴風の如き二人に対して『フレズヴェルグ』たちは蹴散らされていく。
抵抗しようとユーベルコードを発現させたとしても無意味であった。
「血風の刃などまとめて叩き落としてさしあげます」
「いけいけどんどん! たくさん打ち放ちますよー♪」
ぶっぱ癖は伝播するものである。
二人は気がついていないかもしれないが、二人のユーベルコードは質による一撃のぶっぱと、量によるぶっぱの違いはあれど、どちらにしたってぶっぱなのである。
確実に影響されている二人は、それでも嵐のような猛攻で持って『フレズヴェルグ』を蹴散らし、さらに戦場の奥である幹部オブリビオンが為す『遺骸兵器』のオブリビオン化儀式の場へと飛び込んでいくのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『銃士・エア』
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POW : Bullet[Homing]
【天使核から供給されるエネルギー 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【トリガーと連動し直接体内に転送される弾丸】で攻撃する。
SPD : Bullet[Parasite]
【銃弾 】が命中した部位に【天使核から供給されるエネルギー】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
WIZ : Bullet[Deformation]
命中した【弾丸 】の【弾頭】が【鉤状】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
👑11
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『遺骸兵器』――『ブラスター』。
それは全長20mにも及ぶ砲身であった。
いや、違う。
砲身の一部であったと言うのが正しい。本来の『ブラスター』はまだまだ長大である。これは『ブラスター』という兵器の根本の部分である。
しかし、その事実を知る者はいない。
この根元の部分、一パーツであったとしても、その力はブルーアルカディアにおいて、どこからでもどこでも撃ち抜く事ができるからだ。
「ああ、悲しき貴方様のため。生命に平等を。死という終わりをもたらしましょう。あの御方にも、それは平等に訪れるのです」
儀式を行いながら屍人帝国『オーデュボン』の幹部である『銃士・エア』は微笑みを浮かべる。
彼女にとって救いとは平等に与えるものである。
誰もが等しく甘受すべきものであると考えているし、そこにはなんの不平もない。不満もない。
あるのは、ただ与えるという己の意志のみ。
だが、その価値観が狂っている。
救いは与えるが、それは生きるということではない。
「死こそが私の与えることの出来る最上の救い。平等に与えるべきもの。私も、人間も、猟兵も、そして、あの御方も。ええ、力が満ちていきますね」
目の前の『遺骸兵器』、『ブラスター』に儀式に寄って人々の生命が注がれていく。
天使核を詰め込めるだけ詰め込んだ動力部がきらめいていく。
「もうすぐ……ええ、もうすぐです。もうすぐで貴方はオブリビオンになる。そうすれば、あらゆるものを破壊できるでしょう。かつて星々すら射抜き、砕いたもの。常闇の怪物すらも撃ち抜く力でもって、あの御方の望むものを――」
『銃士・エア』は其処まで言葉を紡いで振り返る。
其処に迫るのは猟兵達であった。
『フレズヴェルグ』を突破し、儀式を阻害しようと迫っている。それは彼女にとって許しがたいことであった。
自分がもたらす救い。
平等なる救いを邪魔立てするもの。
「まずはあなた方から……救いましょう。平等に。ええ、私は齎す者。死という救いを」
あくまで微笑み続ける『銃士・エア』。
そして、彼女の背後に守られる『遺骸兵器』。
戦いは今、佳境を迎えようとしている――。
ウィリアム・バークリー
あなたの言葉は、全部が間違っているとは言いません。生きとし生けるものにとって、唯一無二の公平な存在は死です。
――でも、だからこそ、死には常に抗わなければならない。
「全力魔法」「属性攻撃」「範囲攻撃」でChaostic Worldの弾幕を広域にばらまきます。
とにかく手数で勝負。一撃だけなら交わせても、数が増えればどうですか?
彼女の射撃は、「オーラ防御」で「受け流し」、抜けてきたら『スプラッシュ』で「武器受け」しましょう。
そもそも、Chaostic Worldをよけながらでは、命中精度が落ちる。回避を捨てれば、属性弾の連打が襲います。
最後は派手に全力を放って、炸裂光を起こしその威力で片を付けます。
死は訪れる者である。
滅びが必定であるように。
死とはすなわち生命の終焉。生きることの終わり。故に、『銃士・エア』の言葉に一理あると考える者もいるだろう。
けれど、彼女の価値観は逆転している。
救いを齎すために死を用いるのは、生命への冒涜に他ならない。
「あなたの言葉は全部が間違っているとは言いません」
ウィリアム・バークリー(“聖願”/氷聖・f01788)はChaostic World(カオスティックワールド)に世界を包み込む。
各属性を帯びた球の弾幕が『銃士・エア』に殺到する。
圧倒的な弾幕。
空を覆う様々な属性の弾丸は、飽和攻撃となって彼女を襲うだろう。
「生きとし生けるものにとって、唯一無二の公平な存在は死です」
「ならば、何故拒むのです? 貴方はいま私を拒もうとしていらっしゃる」
双銃の銃口が煌めき、弾丸が放たれ、迫りくる弾幕を的確に撃ち抜いていく『銃士・エア』。
彼女の双銃捌きは見事と言うほかなかった。
圧倒的な物量を前にたった二つの銃から放たれる弾丸で拮抗しているのだ。
それだけではない。
「――でも、だからこそ」
ウィリアムの眼前に張り巡らされたオーラに激突する『銃士・エア』の放った弾丸。
それはオーラに罅を入れ、さらに破壊しようとしてくる。
破られるとウィリアムは直感的に理解しただろう。受け止めるのではなく、受け流す。だが、それだけでは間に合わない。
レイピアの魔法剣『スプラッシュ』の刀身が閃き、迫る弾丸を受け止める。
弾丸が爆発し、爆風がウィリアムを襲う。
だが、それでもウィリアムは弾幕の制御をやめない。
「死には常に抗わなければならない」
「それでどうするというのです。救いが確定している道なのですよ? 近道をしたいとは思いませんか? 早くたどり着きたいとは思いませんか? あなたの言葉はあなたが力在る存在だから言える言葉です」
迫りくる弾幕。
様々な属性の弾幕に合わせるように双銃が煌めく。
打ち込まれる弾丸は時折、ウィリアムのオーラに激突し、爆ぜる。双銃に埋め込まれた天使核より流れ込むエネルギーがそうさせているのだ。
互いに攻防は一進一退である。
共に命中精度が落ちてきている。回避を捨てれば互いの連打が襲う。千日手のような状態。
けれど、ウィリアムの瞳が煌めく。
自分のできることを懸命にやるからこそ、生命は輝く。
例え、生命が終わる時が救いであるというのだとしても、この苦難に満ちた道こそが正しいのだ。
いつだってそうだ。
正しい道はいつだって回り道。遠回りの道にこそ、苦難と険しい道のりが待っている。
誰だって辛く苦しい思いをしたくはないだろう。
けれど、煌めくものを掴むためには、長く苦しい道のりの先にしか得られぬものがあると知るべきである。
「短慮な道は人を堕落させる。あなたがそうであるように。力の有る無しじゃあない。あなたは、生命が何故永く生きながらえようとするのか、その懸命さを知らないから、そんなことが言える!」
弾幕が炸裂光を起こして爆ぜる。
打ち込まれた弾丸をウィリアムは魔法剣で弾き飛ばしながら、踏み込む。
互いの弾幕は一瞬途切れた。
炸裂光の中からウィリアムは『銃士・エア』へと踏み込み、そのレイピアの一撃を叩き込む。
その一撃は痛烈な衝撃となって双銃の銃身と打ち合い、火花を散らせながら『銃士・エア』を吹き飛ばす。
「懸命に生きる人を理解しない。生命の暖かさを触れて知ろうとしない。力があるから、他者を見下せる。簡単に奪おうとすることができる。自分が正しいと信じているから、そんなことができる」
ウィリアムは戦場に立ち、爆風を受けながらも前を見る。
「自分の正しさに疑問を持たぬ正義など、ただの愚者の盲言でしかないのです――!」
大成功
🔵🔵🔵
ガイ・レックウ
【POW】で判定
『こういうやつは…好かない。それにな、人は必死に生き抜いてこそ、輝くのさ!』
【オーラ防御】のオーラを纒い、【フェイント】を織り交ぜながらら突撃するぜ。
相手の攻撃は避けづらいのでオーラでダメージを抑える。
【怪力】を載せた【鎧砕き】と【なぎ払い】の二刀による【2回攻撃】とユーベルコード【封魔解放『鳴神』】の雷撃を叩き込んでやるぜ
剣の一撃を受けてなお、『銃士・エア』はふわりと天使の翼を羽撃かせて舞い降りる。
彼女にとっての価値観は今を生きる者たちと真逆。
かつては、彼女のまた人と同じ価値観を持っていたのかも知れない。けれどオブリビオンと成り果てた今、彼女の価値観は真逆そのもの。
生きて輝くからこその生命。
その果てにある救いが有るのならば、彼女は喜んで人々の助けとなる天使であったことだろう。
「死こそが救い。陳腐で言い回され続けた言葉。手垢のついた言葉でしょうが、それでも私は、人も、魔獣も、猟兵も、あの御方も救われてほしいのです。救いとは平等に与えられるもの。私はそれを為したい」
天使核の埋め込まれた双銃より放たれる弾丸をガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)はオーラを纏いながら弾く。
強固なオーラは躱しづらい双銃の弾丸を弾くが、ガイは一つ見落としていたことだろう。
彼女のユーベルコードは、その放った弾丸を天使核より得たエネルギーに寄って、通常の弾丸の軌跡とは別に直接体内に打ち込むことができる。
視認されている以上、彼女の弾丸は必中。
オーラに弾かれた弾丸はただの牽制であった。
「こういうやつは……好かない。それにな、人は必死に生きてこそ、輝くのさ!」
「あなたの口ぶりでは、必死に生きていない生命は輝いていないということになりますが、必死に生きていない生命は無価値であると?」
彼女の問いかけは意味のある言葉であっただろうか。
『銃士・エア』にとっては意味のない問いかけであった。
全ては平等。
生命というものに終わりがあるのならば、それ自体がすでに意味のない言葉であった。
だが、ガイにとって重要なのは懸命に生きることであった。
永遠に続く灰色の如き人生よりも、一瞬に煌めく虹色のように生きたいと思うのだろう。
フェイントを交えた動きでガイは、彼女の視線から逃れる。
だが、視線を逃れたとしても双銃より放たれ牽制の弾丸はガイのオーラを削る。
「平等なのです。どんな生命にも終わりはくる。そして、輝かぬ生命などないのです。必死に生きようとも、怠惰に生きようとも。ああ、そうなのです。水子にも生命は宿る。けれど、彼等もまた死に向かったもの。全て平等なのであれば」
「すり替えるなよ!」
封魔神刀に封じられた荒れ狂う魔人の雷が迸る。
きらめくユーベルコード。
瞳にあったのは、己の敵に対する敵意のみ。
封魔解放『鳴神』(フウマカイホウ・ナルカミ)は、ガイの刀より放たれ、雷ほとばしらせながら『銃士・エア』を打ち据える。
だが足りない。
「死こそが到達点にして救い。貴方の剣は、何を守ろうとしているのです? 懸命に生きる者たちに遠回りを、永く続く艱難辛苦を強いているだけではないのですか?」
ガイはその言葉になんと応えるであろうか。
迸る雷撃と共に振り下ろされた刀の一撃が『銃士・エア』の交差させた双銃に叩き込まれる。
大地が砕け、粉砕した地面が周囲に荒ぶ。
凄まじいまでの衝撃波。
戦いの余波は、それだけで激しさを知らしめるだろう。ガイは、自分の中に答えがあるか。
その言葉の意味を今まさに心中に問いかけ、己の刀を振り抜くのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
佐伯・晶
話し合える相手じゃないから
実力行使させて貰うよ
厄介な能力だけど
種が割れてれば対処できるね
UCを使用して相手から視認できなくしよう
自分から出る光や音、匂いを固定して
相手から認識できなくしているよ
晶も権能の使い方が上手くなりましたの
…あまり素直に喜べないね
そのまま射撃したり
移動したりして少しずつ削ってこう
こちらの射撃攻撃を意識させておいて
接近してワイヤーで攻撃
時間の流れを奪って固定してしまおうか
後はガトリングで射撃した弾を
敵の目前で固定して溜めて
十分に溜ったら敵と弾の固定を同時に解除するよ
どこかで見たようなやり方ですの
それはそれとして怯んだ隙に移動
後続に任せてブラスターや住民の方を何とかしにいこう
オブリビオンは過去に歪む存在である。
どんなに清廉なる魂を持っていたのだとしても、どんなに誇り高いものであったとしても、骸の海に沈み過去になった瞬間に歪む。
それはどうしようもないことだ。
ときは過去に排出されて『今』を前に進ませる。
人の記憶の認識が歪むように。
「どうしてもわかって頂けないのですね。私とあなた方が違う存在だからでしょうか? しかし、私もあなた方も同じく滅びを持つ者。ならば、そこが、到達すべき点であると何故」
『銃士・エア』は、何故それが理解できないのかと嘆く。
彼女にとって救いとは平等に訪れるべきものである。
またもたらされるべきものである。
だが、彼女の価値基準は生前のそれと真逆に反転している。生きて、その価値を掴むべきと思っていた過去。
しかし、歪んだ彼女の価値観は、死こそが絶対の到達点と捉えている。
「話し合える相手じゃないから」
佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)にとって、『銃士・エア』はそういう存在だった。
オブリビオンであるから。
滅ぼし、滅ぼされる間柄でしかない。出会ったのならば、どちらかの滅びでしか決着しない。
それが世界の悲鳴に応える猟兵。
晶の瞳が一瞬ユーベルコードに輝いた瞬間、その体を神気が覆っていく。今や、晶の体は視聴嗅覚での感知を不可能とするものとなっていた。
そして、それは『銃士・エア』にとっては致命的であった。
「私のユーベルコードを認識している。ですが――」
手にした双銃より放たれる弾丸の嵐が例え、姿が見えず、知覚できなかったのだとしても嵐のように周囲に打ち込まれる。
弾幕。
それはそう呼ぶのが相応しい乱射であったことだろう。
晶はしかし、停滞の権能を身に宿す。身にまとった神気は邪神より導き出す力。
放たれた弾丸が邪神の戯れ(サイレント・クロース)に触れて固定する。
「晶も権能の使い方がうまくなりましたの」
邪神の言葉を聞いても晶は素直に喜べない。
「――弾丸が止まった。そこですね」
双銃の弾丸が放たれる。
弾丸の乱射によって晶の存在は、見えずとも浮き彫りになる。停滞の権能を使っている以上、弾丸が止まっている箇所に晶が存在している。
それを見抜いた『銃士・エア』が晶を認識する。
「まあ、便利ではあるんだよね」
だが、すでにそこに晶はいない。
互いに得物は火器。
ならば射撃攻撃を、と思うのが自然だろう。けれど、それを逆手にとって晶の放つワイヤーガンの一撃が『銃士・エア』の体に打ち込まれる。
「そして、時間の流れを奪う」
晶のちからに寄って『銃士・エア』の体が止まる。
彼女の時間の流れを奪い、彼女にとっては時間が止まっていると認識されるだろう。いや、それすらも認識できない。
晶はガトリングガンから弾丸をばらまき『銃士・エア』の周囲に固定する。
周囲を包囲する弾丸。
空中に固定した弾丸は、未だ彼女の体を貫かない。
「どこかで見たようなやり方ですの」
ただ固定して弾丸を打ち込むだけでは『銃士・エア』は躱してしまうだろう。ならばこそ、晶は回避不能なる弾丸の暴威でもって彼女を取り囲む。
「――ハッ!?」
固定を解除した瞬間、打ち込まれ続ける弾丸が『銃士・エア』に襲いかかる。それは嵐のような弾丸。
双銃で叩き落とし、それでもなお抵抗をする彼女の力は凄まじい。
けれど、晶の目的はそれだけではなかった。
彼女が取り囲んだ弾丸への対処を行っている間、晶はオブリビオン化儀式の贄として集められた人々を救出していく。
生贄がなければオブリビオン化儀式は滞る。
それこそが晶の目的であった。
「それじゃあ、彼等は返してもらうよ――」
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクトリア・ノウェム
……余計なお世話過ぎるです
あなた、人の話聞かないって言われたことないです?
エル・セプスの出力を上げるです
サブ動力の精霊機関を作動して、向こうの攻撃は空中機動でかわし、足りなければ火と風の霊力結界で防ぎ、Dアヴェンジャーでガム弾とボム弾をばら撒いていくです
相手が撃ち落とすなりして状況が拮抗してきたらUCを使ってその「天使核動力の拳銃」の操作に干渉、できたら自分自身を撃たせるですけど、無理なら隙を作ってそこにガム弾、追撃のミスリルセイバー、そしてチャージしたA.F.C.を叩き込む、です……!!
今私に必要なのは天使核とごはんです
それに、死が救いとか
あなたが言っても正直説得力が無いです
「……余計なお世話過ぎる、です」
ヴィクトリア・ノウェム(はらぺこ空戦天使・f33941)は『銃士・エア』の語る死こそが救いであるという言葉に辟易していた。
ブルーアルカディアにおいて生きることは戦いであった。
一つ足場を誤れば、雲海に落ちて滅びる。
それはすなわち、死ということだ。けれど、ヴィクトリアは目の前の『銃士・エア』の言葉を否定する。
「何故です? 人は誰でも急ぐ生き物ではないですか。他のものより早く。なるべく早く。時間を短縮しようとする。合理で生きようとする。効率を求める。それはすなわち、死という到達点に至るための最短を探っているということではないですか?」
放たれる双銃からの弾丸を ヴィクトリアは変形し装着した飛空艇『エル・セプス』の出力を上げて、空中機動で躱す。
精霊機関が唸りを上げる。
ヴィクトリアは、迫る膨大な数の弾丸を火と風の霊力結界で防ぎながら、対抗するようにガム弾とボム弾を織り交ぜながらばらまく。
互いの放った弾丸が空中で激突し、粘つくガムをばらまいたり、爆風を巻き起こす。
そんな最中ヴィクトリアは嘆息する。
「あなた、人の話聞かないって言われたことない、です?」
ヴィクトリアにとって、『銃士・エア』の言葉はどれも受け入れられるものではなかった。
互いの銃弾が空中で激突して拮抗する。
これまで先行した猟兵たちの戦いが、『銃士・エア』を消耗させている。ならばこそ、ヴィクトリアは決め所を見極める。
『銃士・エア』の双銃には天使核が備わっている。
あれだけの威力を持つ弾丸を放つ事ができるのだ。ある意味当然であったことだろう。
「いいえ。みなさん、誰も彼もが聞き分けがないとは思いましたが。それでも、私は間違っていないのです。あの御方だってわかってくださる。だから、私の行動を黙認してくださっているのです。ああ、あの御方の、あの悲しき御方にこそ平等なる救いが必要なのです!」
「そういうところ、です」
ヴィクトリアの瞳がユーベルコードに輝く。
『エル・セプス』の精霊機関より放たれる黄金の羽の嵐が『銃士・エア』の持つ双銃へと放たれる。
「――!」
『銃士・エア』は即座に気がついた。
黄金の羽が如何なるものかを。彼女の双銃が瞬時に動き、引き金を引く。それはヴィクトリアに対する発砲ではなかった。
あろうことか、『銃士・エア』自身に向かって放たれた一撃。
自分で自分を撃った。
いや、違う。ヴィクトリアのユーベルコードに寄って天使核を動力とする双銃を操作した結果であった。
だが、それは僅かな隙を生むものでしかなかった。
瞬時に支配権を奪い返した『銃士・エア』は双銃をヴィクトリアに向ける。
「今私に必要なのは天使核とごはんです」
そこに滑り込んでいるのはヴィクトリアの放つガム弾。それを撃ち落とす。
粘つくガムが『銃士・エア』を包み込むが、それすら即座に取り払われる。けれど、それが二手遅らせた。
ヴィクトリアの手にしたミスリルセイバーの一撃が双銃を跳ね上げる。
これで三手。
「それに、死が救いとか
あなたが言っても正直説得力がない、です」
突きつける魔導砲の銃口が『銃士・エア』を捉える。
避けようのない一撃。
その天使核から充填された凄まじい威力の一撃が『銃士・エア』を吹き飛ばす――。
大成功
🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステラさん(f33899)と】
死は平等。
それには同意しますが『与えられる死』ではなく『訪れる死』の場合のみです。
誰かが誰かに与えること。
それは死でなくても、それだけですでに順番がつくということです。
それだけでもう平等ではないのですよ!
【光の勇者、ここに来臨!】で、びしっとキメます!
……ステラさんステラさん、いまわたしいいこと言いましたよね!
人の意思が関わった時点で『平等』なんてなくなるんです。
それを解っていないあなたが『平等』なんて『平等』ではありません!
『平等』は『平等』だから『平等』なんですよ!
(言っているうちにゲシュタルト崩壊)
え? とどめ? え?
ゲ、ゲシュタルト平等ぼんばーっ!?
ステラ・タタリクス
【ルクス(f32689)様と】
※人型に戻りました
コイツ私と属性被り気味……こほん
いえ、とても私とは相いれない存在ですね
えっと、あの、ルクス様?
あ、これ静聴ですね?(後方メイド待機
おー(ぱちぱちぱち
いえ、無表情ですが感動しております
マジで良いこと言ったかと
……どうして褒めた側から崩壊するのかこのゆるふわ勇者は
ほらいきますよ我らが勇者様
属性が被りすぎていても全力で被せる勢いで
『アンゲールス・アラース』を使って飛翔
翼を盾にしつつ距離を詰めながら
『ニゲル・プラティヌム』を手に
【スクロペトゥム・フォルマ】で仕掛けます!
そっちも飾りじゃないのでしょう?
ですが私は囮
トドメはルクス様に譲るとしましょう
『銃士・エア』を吹き飛ばす魔導砲の一撃。
だが、まだ戦いが終わらないことを猟兵たちは知る。
オブリビオンとは個として猟兵にまさる存在である。故に、まだ戦いが終わらず滅びきっていない彼女を放置することなどあり得ない。
ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は飛空艇から人型に戻り、戦場を駆け抜ける。
「死こそがどんな生命にも訪れる平等なるもの。変わらぬもの。だというのに、それをあなた方は否定する。平等とは最も尊ばれるべきものではないのですか?」
『銃士・エア』は打撃を与えられながらも微笑む。
彼女の価値基準はすでに反転している。
嘗ては誰にも手を差し伸べる天使であったのだろう。けれど、すでに過去に沈んだもの。
過去に歪んだ者である。
「死は平等。それには同意しますが『与えられる死』ではなく『訪れる死』の場合のみです」
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)は、その言葉に真っ向から言葉を投げかける。
戦場にあって、いや、オブリビオンとの対話とはあまり意味をなさないものであったかもしれない。
時に真理を突いたものも在るだろう。
否定しようのない言葉もあるだろう。
「こいつ私と属性被り気味……」
ステラにとって『銃士・エア』は属性がかぶっていると思ったのだろう。いや、どのみち相容れぬ存在である。
しかし、いつもならルクスが、どこらへんが? と突っ込んでくるはずである。スリッパを構えようとして、その手が止まる。
「誰かが誰かに与えること。それは死でなくても、それだけですでに順番がつくということです。それだけでもう平等ではないのですよ!」
ルクスの言葉が響き渡る。
力があるから与えようとする。
何かを与える者こそが正しいという価値観があるからこそ、自らの行いを正当化する。
それが人であり、生命である。
その時点ですでに平等というものは消えて失せる。
故にルクスの瞳がユーベルコードに輝く。
光の勇者、ここに来臨!(ユウシャトウジョウ)と言わんばかりにポーズも決めて、ビシッと。
「おー」
ステラはちょっと静聴していた。
ルクスの言葉は理解できるものであったが、無表情に感動している。マジで良いこと言ったと。
最初はちょっと、え、ルクス様ご乱心? とか思ったのであるが、それは心に秘めておくべきものであるとメイドは理解していた。
突っ込むだけがメイドの役割ではないのだ。時にそっと身を引くことも大切。
押しても駄目なら引いてみろっていうやつである。
「……ステラさんステラさん、いまわたしいいこと言いましたよね!」
台無しである。
そういうこと言うから、感動が薄れるのである。
『銃士・エア』も同じ思いである。
「平等を否定するということは、あなたは不平等を愛すると?」
「人の意志が関わった時点で『平等』なんてなくなるんです。それをわかっていないあなたが『平等』なんて『平等』ではありません! 『平等』は『平等』だから『平等』なんですよ!」
ルクスが言い放つ。
あまりにも平等平等言い過ぎたせいか、ゲシュタルト崩壊を引き起こしてしまう。
あれ、平等だから平等で、平等が平等を……あれ!?
「……どうして褒めた側から崩壊するのかこのゆるふわ勇者は。ほらいきますよ我等が勇者様」
ステラの尻叩きにルクスが正気に戻る。
ゲシュタルト崩壊から引き戻すには衝撃が一番である。
「撃つだけが銃の使い方では無い、そのことを教えてあげましょう」
ステラは『銃士・エア』とすでに双銃同士の戦いに突入している。
翼を盾にしながら互いに近距離の銃撃戦を行っている。
「双銃使いとは……」
「ええ、ですが、そちらも飾りじゃないのでしょう?」
翼と翼が互いを隠し、互いの銃口を弾く。
一度も互いに弾丸を打ち込めない。近距離であればこそ出来る銃技。まるで格闘戦を行っているかのような、舞踏会に挑んでいるかのような華麗な接近戦。
ステラのメイド服のスカートがひるがえる度、『銃士・エア』の翼が羽ばたくたびに銃撃の音が響き渡る。
だが、互いに決定打には至らない。
「ですが私は囮。トドメはルクス様」
「え? とどめ? え?」
あ、わかってないやつである。ステラは半眼になる。ルクスは漸くにして理解する。あ、これ呆れられてるやつだ、と。
故に挽回するために叫ぶのだ。
「げ、ゲシュタルト平等ぼんばーっ!?」
これまでを全部台無しにする一撃と共にルクスは『銃士・エア』の後頭部を鈍器で殴打する。
色々台無しである。
だが、それでも痛烈なる一撃は『銃士・エア』の目に星を砕くかのような光景を見せるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
氷宮・咲夜
【チーム・サクリファ】
相棒のリーファ・イスメリア(f38131)と一緒に戦うわ
バカね、どうせいつか死ぬわよ。先に逝って待ってなさい
触媒の都合上一発で決めるわ。敵の隙を突く
その機会を得る為に行動して、状況が整い次第UCを敵に放つ
リファ、私の事はいいから思い切りやって
『魔導書:水』を使用。水の守りは結界術で強化
高速詠唱で打ち出す水流を武器にリファを援護射撃
視力と瞬間思考力と瞬間記憶で銃撃の予備動作を学習していき、見切りに生かす
全力であがいてみせるわ。生きる為にね
どさくさ紛れに何とか遺骸兵器まで行けないかしら
盾にすれば有利に事を運べそう
その為にフェアリークロークを使う機会は窺うけれど、無理はしないわ
リーファ・イスメリア
【チーム・サクリファ】
相棒の氷宮・咲夜(f37939)と一緒に戦います
死によって救われる。それは後に残された人を慰める苦渋に満ちた優しい言葉
その重さを知るわたくしの耳にはあの者の言葉がとても軽く響きます
『オリハルコンパワー』を纏い更に超硬神化。オーラ防御で弾丸を弾く
加えて『星穿つ魔導剣』と『星穿つ魔導鎧装』の推力移動で常に移動
その推力を乗せた重量攻撃を交える事で相手を吹き飛ばし、体勢を崩させる
そのように敵に狙いを絞らせず、狙いを狂わせる戦い方をします
それが咲さまにしてさしあげられる最大の援護と信じて
相手のUCに対しても同様に、むしろ捨て身の一撃で応じます
悠久の時の祈りよ、わたくしに勇気を下さい
死こそが平等であると言う者がいる。
確かにそうであろう。生命が生まれたのならば、終わりは死である。だからこそ、平等だ。富める者にも貧する者にも、強靭なる者にも、脆弱たる者にも。
誰も彼にも死という終わりが訪れる。
だが、氷宮・咲夜(精晶石の魔術師・f37939)にとって、それは論ずるに値するものではなかったのだ。
「バカね。どうせいつか死ぬわよ。先に逝って待ってなさい」
「そのいつかは、長引く苦しみになるとは思いませんか? 私はその手伝いをしたいのです。疾く、終わりを迎えられるように。生きるという苦しみから解き放たれるためには、死こそが平等なる救済なのですから」
『銃士・エア』の言葉に咲夜は嘆息するしかない。
「楽しみを得たいのならば苦しみを得ること。苦しみばかり人の生ではないでしょう」
「死によって救われる。それはあとに残された人を慰める苦渋に満ちた優しい言葉」
リーファ・イスメリア(悠久の超硬姫・f38131)は、超硬神化(チョウコウシンカ)によって『オリハルコンパワー』を纏い、さらに『銃士・エア』へと突撃する。
放たれる弾丸をはじきながら、凄まじい魔導外装から放たれる魔力の奔流でもって『銃士・エア』へと迫るのだ。
「その重さを知るわたくしの耳には」
魔導剣が煌めく。
その一撃はリーファにとって渾身の一撃であった。
けれど、その一撃は『銃士・エア』の交差させた双銃によって防がれる。重たい一撃。
踏みしめた大地が砕け、破片が飛び散る。
だが、決定打を当てられていない。
「あなたの言葉がとても軽く響きます」
「私の言葉はただの言葉。感じられぬというのならば、それはやはりただの言葉なのです。感じられぬ言葉に力は宿らない。あなたの言うところの言葉は、そうしたものではないように思えますね? あなたの言うそれは、それを感じ取られる者がいなければなりたたぬ虚構のごとき言葉に過ぎないのですよ」
放たれる弾丸がリーファを襲う。
鉤爪となった弾丸がオーラを砕き、楔となって罅を入れる。
「リファ、私のことはいいから思い切りやって」
咲夜の瞳がユーベルコードに輝いている。
水の守りで結界を強化し、高速詠唱によって生み出される水流が『銃士・エア』に向かう。
「どうして抗うのです?」
「生きるためによ!」
咲夜にとって、それは当然のことであった。
どうにかして『遺骸兵器』の元へと行けないかと咲夜は思っていた。あれを盾にすることができたのならば、有利にことが運べる。
しかし、『銃士・エア』はしたたかだった。二人で戦うのならば、一方を強烈に打ちすえればいい。
そうすれば、互いをフォローしあおうとして、この場に敵を引きつけることができる。
咲夜もリーファも互いを信じている。
互いをフォローしようとしている。だからこそ、この場に釘付けになってしまう。
リーファはオーラの防御を砕かれようとしていた。だが、それでも彼女は咲夜に意識を向けさせまいと、踏みとどまっている。
それが咲夜にできる最大の援護と信じているのだ。
「涙ぐましいほどの献身。されど、それでもそれが無意味であると何故理解して頂けないのです。終わりは訪れる。どんな美しいものにも、終わりは来るのです」
その言葉と共に放たれる弾丸とリーファの魔導剣が打ち合う。
激突する力の奔流がリーファの体を打つ。
けれど、彼女は立ち止まらない。
一歩を踏み出す。
彼女は悠久の時を経て今此処に居る。故国がすでにないことはわかっている。誰かの祈りが今の自分を推し進めていることだけがわかること。
人はそれを勇気と呼ぶ。
「悠久の時の祈りよ、わたくしに勇気をください」
踏み出す。振るった剣の一撃が弾丸を跳ね返し、『銃士・エア』の翼のガードをこじ開ける。
「一発で決めるわ!」
咲夜の瞳がユーベルコードを極大に輝かせる。
詠唱が続き、紡がれるは戦略級大魔法。
これまでリーファが紡いだ、稼いだ時間はこのときのためにあったのだ。放つ水の魔力が膨大な質量となって、鉄槌のように『銃士・エア』へと放たれる。
それは避けようのない一撃。
リーファの剣がこじ開けたガードに打ち込まれる水の鉄槌は、『銃士・エア』を叩きのめし、膨大な水の洪水となって、浮島に溢れるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
……判りやすく頭がおかしいな…救済なら一人でまず自分にやっててくれれば良いのに…
…結果は平等でも過程が平等じゃないんだよなそれ……
……ともあれ……その『遺骸兵器』は止めさせて貰うとしよう…それ自体の興味もあるしね…
遠距離での術式装填銃【アヌエヌエ】を用いた銃撃戦…の最中に
【汝、意のままに動く事能わず】を発動…現実を改竄して相手の銃を撃つ角度を少しずらすことで当たらないようにしよう……
……その上でこちらは凍結弾を込めて連射…動きを鈍らせることを優先するよ…
…そして重奏強化術式【エコー】を多重発動して効果を高めて術式で光の槍を生成……叩き込むよ…
鉄槌の如き極大の魔法が大質量の水となって『銃士・エア』の体を大地に叩きつける。
溢れた水が洪水のように浮島に流れ込み、窪地を池にしてもなお溢れて雲海に落ちていく。
全身を強かに打ち据えられた『銃士・エア』はしかして立ち上がる。
折れた翼は痛ましいが、それでもなお彼女は微笑んでいた。
「それでも私はもたらさなければなりません。救済を。死を。全ての者に平等に。人も、魔獣も、猟兵も、あの御方も。全て、全て」
彼女の価値基準はすでに反転している。
過去に歪んだがゆえである。生前は確かに生きる者たちに手を差し伸べる天使だったのだろう。
「……分かりやすく頭がおかしいな……」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)にとって、『銃士・エア』の語る救済とは、すなわち死である。
死を齎す虐殺者でしかない。
そして、彼女の言うところの性急さは、いつだって誰かを傷つけるものでしかない。
力持つ者の責任と言うわけではない。
力があるから正しいと錯覚してしまう。自分の行いの過ちに気がつくことができない。指摘されたとしても、それを正そうとはしない。
「……結果は平等でも過程が平等じゃないんだよなそれ……」
生きることに苦しみはつきものだ。
けれど、同時に苦しみの後には楽しさがある。表裏一体なのだ。どちらか片方だけという極地はあり得ない。
だからこそ、メンカルは術式装填中を構え、術式弾丸を放つ。
即座に対応する『銃士・エア』の実力は言うに及ばず。これまで先行した猟兵たちの戦いが彼女を消耗させているのにしても、鋭い反応であった。
けれど、それこそがメンカルの仕込んだ罠である。
彼女のユーベルコードはすでに発現している。
弾丸が放たれる前から、すでに術中に嵌っているのだ。
「汝、意のままに動く事能わず(モーション・ハッキング)」
メンカルの言葉の意味を『銃士・エア』は理解しなかっただろう。何を言っているのだと思ったかも知れない。
けれど、彼女の双銃はメンカルを射抜くことはなかった。メンカルが躱したのではない。
最初から狙いがずれていたとしか言いようがないほどに命中しない。
いや、それ以前に何故メンカルは動かなかったのか。
「――狙いが、定まらない
……!?」
「お前の動作はすでに改ざんされている……ともあれ……その『遺骸兵器』は止めさせて貰うとしよう……それ自体の興味もあるしね」
術式装填銃より放たれた弾丸は凍結弾。
『銃士・エア』の足元に打ち込まれたそれは、彼女の動きを止める。
僅かな時間。
けれど、メンカルにとってそれでいい。
「『ブラスター』は、あの御方の望みを叶えるもの! それを、猟兵が触れるなど!」
「……『遺骸兵器』も道具の一つ……なら、未知なるものを知りたいと思うのは、生命の欲求でしょ……」
重奏強化術式『エコー』が空に展開する。
多重に重ねられた術式が、メンカルの手にある光の槍の投射を受け止め、膨れ上がっていく。
光の槍は『エコー』を仲介することによって威力を高め、『銃士・エア』の翼を貫き、その身を貫く。
「……平等に訪れるべき救済、か……救済なら一人でまず自分にやってくれれば良い……」
メンカルは光の槍の軌跡をみやり、『銃士・エア』を貫く光の槍が弾けて消えるのを見つめる。
死が救済であるというのならば、『銃士・エア』にもまた当然訪れるべきもの。
齎す者ではなく、齎される側に回る。
それを知らしめるように光の槍は、彼女の体に虚の如き穴を穿つのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
メサイア・エルネイジェ
あらー?意外とちっせぇですのね
遺骸だけに
これはまだ一部?
なら本体はもっとでっけぇんですわね!
貴女が信じる教義にとやかく申し上げるつもりはありませんけれど、死が平等とはよくわかんねぇですわね
世界には不死の方もいらっしゃいますし…
お物騒な鉄砲をお持ちですわね
当たればわたくしが天使になってしまいそうですわ
つまり!当たらなければどうという事はなくってよ!
エルネイジェ流回避術!
ひらりふらりと宙を舞いブーストダッシュで躱してネメジストで反撃しながら間合いを詰めますわ
死がお救いならそんな救済ご免ですわ〜!
代わりにわたくしが貴女を救って差し上げますわ〜!
お先にどうぞ?さあ遠慮なさらず!
男女平等王笏ハンマー!
『遺骸兵器』、『ブラスター』。
それは全長20mほどの砲身であった。
「あらー? 意外とちっせぇですのね。遺骸だけに」
メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)のプリンセスジョークが飛ぶ。
しかし、『ブラスター』の巨大な砲身は、人のサイズで見れば長大であるが、キャバリアなどという体高5mの戦術兵器を知る彼女にとっては、大きすぎると思う程のものではないように思えたのだ。
これでまだ一部。
本体はさらに大きなものであるということが伺いしれるかもしれない。
けれど、それは今は関係のないこと。
メサイアは大型機械鎧たる『アンビシオン』の背に負った光輪の推進力と共に『銃士・エア』へと迫る。
「貴女が信じる教義にとやかく申し上げるつもりはありませんけれど、死が平等とかよくわかんねぇですわね」
「何故です? 単純なことなのですよ。死は平等に訪れるもの。誰しもに訪れ、かならず至るべき到達点。それを何故理解しないのです?」
放たれる弾丸。
その弾丸の力をメサイアは知らない。
けれど、直感的に理解していた。
あれの直撃を受けては、自分が天使になってしまう。すなわち、死ぬということを。だが、同時にメサイアは理解していたのだ。
直撃すれば死。
ならば、当たらなければどうということはないのだと!
「世界には不死の方もいらっしゃいますし……お物騒な鉄砲だこと! ですが! エルネイジェ流回避術(エルネイジェ・アヴォイダンス)、本能に任せてなんとなく避けることが真髄ならば!」
ひらりひらりと舞うように弾丸を躱すメサイア。
その様は非常識そのものであった。
理屈も術理もない。
ただ、なんとなく。
そう、ただなんとなくでメサイアは機械鎧の背におった光輪をブーストさせ、空中を変幻自在な挙動で持って『銃士・エア』の放つ弾丸を躱しているのだ。
「不死であろうとも、例え、周囲の生命力を吸い上げ続けるあの御方であったとしても! 私はもたらしたいのです。ああ、あの悲しき御方にも、あなた方にも、救済を!!」
弾丸が雨のようにメサイアに迫る。
けれど、メサイアは頭を振って目を瞑る。
敵の攻撃を前にしてなんたる暴挙であったことだろうか。
だが、彼女の言うところのエルネイジュに伝わる回避術は意識した瞬間にその力を失う。
ならば、見えていなくても、『なんとなく』を維持できているのならば、躱すことなど容易。理不尽の極みの如き挙動で持ってメサイアの放つ荷電粒子ビームの一撃が弾丸を焼き尽くす。
「死がお救いなら、そんな救済御免ですわ~!」
メサイアは距離を詰める。
今の彼女には双銃の弾丸など意味をなさない。意識していないからだ。弾丸の雨を見なくとも、メサイアはなんとなくこうした方がいいという理由だけで、敵の攻撃を交わし、王笏を古い上げる。
「どうして受け入れられぬのです。どんな者にも救いは平等に――」
「代わりにわたくしが貴女を救って差し上げますわ~!」
メサイアの瞳が見開かれる。
そこにあったのは、他の猟兵たちの攻勢を受けて消耗した姿の『銃士・エア』。
胴に穿たれた穴は、痛ましいことこの上ない。
「お先にどうぞ? さあ遠慮なさらず! これが!」
メサイアはされど躊躇わない。
振り上げた王笏を下ろす先はすでに決まっているのである。
「男女平等王笏ハンマー!」
振るわれる一撃は『銃士・エア』の頭部をしたたかに打ち据え、その躰を吹き飛ばす。
生きることをやめられないのが生命である。
どれだけ救いと言ったところで、その言葉に実利はない。あるのは虚構の如き虚実のみ。
ならばこそ、メサイアは、理不尽なるお暴力でもって、その偽りを打ちのめすのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
うーん、救いの押しつけは勘弁かな
私はさっさと換金に行かないといけないんだ
ふふん、今日の私は約束された
未来が待っているから無敵だよ
金目の物を置いて倒されて貰おうか!
●
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
銃と剣、剣で銃の優位をひっくり返すからこそ面白いってもんだ
【Code:C.S】起動
相手の銃弾は時間加速で対処しよう
回避できるものは回避、避けきれない物は『オーラ防御』でシールド膜を張った剣で『武器受け』して斬り払おう
後は隙を見てオーラの足場を作りそれを蹴って空を駆け接近
『なぎ払い』『串刺し』の連撃で攻撃!
地を這う者が空を悠々と飛ぶ奴を倒すからこそ、面白いんだよ
猟兵たちの攻勢は苛烈を極めていた。
『銃士・エア』にとって、それは当然の行いであったが、けれど理解もできぬものであった。
彼女が齎すのは救済。
すなわち苦しみからの解放である。生きることに苦しみは満ちている。苦しみ、嘆き、嗚咽する者たちを彼女は多く見てきた。
生前にも彼女はそんな彼等を救いたいと願い、手を差し伸べてきた。
苦しみを得るからこそ、楽しみを得ることができる。
今は苦しくとも、かならず未来には楽しさを得ることができるのだと諭し、共に生きることを望んだのが『銃士・エア』という天使であった。
ともに生きることは素晴らしいことだった。
苦しみから開放された人々の顔は今でも忘れられない。生きることは、ブルーアルカディアにおいて戦うことだ。
糧を得られず飢えに苦しむ者もいた。
されど、それに与えるのは血肉ではない。魔獣を狩り、たくましく生きる術であった。
「ああ、私は間違ってなど居ないのです。苦しみこそ開放されなければならない。あの御方も。あの悲しき御方も、それを理解していらっしゃるはず。生きることは苦しみを得ることだと。だから」
自分が救う。
「うーん、救いの押し付けは勘弁かな」
月夜・玲(頂の探究者・f01605)はとんとんと首筋を模造神器の背で叩いて、肩のこりをほぐすような仕草をしながら、あっけらかんと言い放つ。
彼女にとって『銃士・エア』の言うところの救いなど自らが得る苦楽においては、些細なことであるからだ。
「私はさっさと換金に行かないといけないんだ」
「何を」
「決まってんでしょ。ふふん、今日の私は約束された
未来が待っているから無敵だよ」
玲の背後には、多くの『フレズヴェルグ』という素材がたんまりと積み上げられているのだ。
抜き払った模造神器の刀身が蒼く煌めく。
「それが、そんなものが! ただ人の生を苦しみに満たすものなど何故!」
『銃士・エア』の双銃が煌めく。
胴に穴を穿たれてなお、彼女の動きに陰りはない。放たれる弾丸は凄まじく速い。天使核によって放たれた弾丸は、空気の抵抗すら意味のないものとし、玲の眉間に打ち込まれている。
猟兵に寄って動作を改ざんされてもなお、修正してきているのだ。
なんたる技量であろうか。
「銃と剣、剣で銃の優位をひっくり返すからこそ面白いってもんだ――Code:C.S(コード・クロノシール)、起動」
蒼き刀身がユーベルコードに煌めく。
その刀身に施された封印が解除され、その本来の力を発露する。彼女の模造神器は、擬似的に邪神の力を発露させる器。
天頂に至る力は、時間を加速させる。
すなわち、玲だけがこの世界において誰よりも速い。すなわち、弾丸すらも凌駕する速度で動くということだ。
「――ッ、速い! ですが!」
放たれる弾丸は膨大な数。
連射速度であっても『銃士・エア』の持つ双銃は、ガトリングガンを超える。
だが、それすらも玲は模造神器で切り払い、オーラを足場にして空を駆ける。
「金目の物を置いて倒されてもらおうか!」
弾丸を薙ぎ払って、玲は踏み込む。
蒼い刀身が煌めき、その突き出された切っ先が『銃士・エア』の心臓を、天使核を貫く。
一瞬の交錯。
刹那に満たぬ攻防。
時間加速の中にある玲にとっては、そうでなかったのかもしれないが、それでも一瞬。
「何故、です……どうして、あなたは……」
「地を這う者が空を悠々と飛ぶ奴を倒すからこそ、面白いんだよ」
玲にとって、それだけがこの戦いにある意義であった。
死が救済であるとか、平等に齎されなければならないとか、そんな理屈は彼女にとってどうでもいいことであったのかもしれない。
語るに及ばず。
救いとは自らで手を伸ばすものである。
思索の果てに掴み取るもの。与えられるものの殆どが受け止めた手の、指の隙間からこぼれ落ちていくものだ。
だからこそ、玲は言うのだ。
「この世界に生きる人たちだってそうだよ。自分より強大な魔獣を狩り、明日の糧にする。奪う者の血肉の熱、ぬくもりが失せるその瞬間まで得ている。齎されるものにはそれがないから、そんな雑な救済論を恥ずかしげもなく語ることができる」
玲は蒼き刀身を抜き払い、収める。
崩れ去ろうとする『銃士・エア』を背に向け、玲は告げる。
「救いなんてなくたって、頼まれなくたって、生きていくのが生命ってもんだからね――」
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『焔極開放『オクルス・デクストラ』』
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POW : 全て燃えろ
【攻撃後も纏わりつく青き炎】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 全て灰になれ
【赤い炎でできた、自身にそっくりなドラゴン】を放ち、命中した敵を【消えない魔炎】に包み継続ダメージを与える。自身が【誇る鱗が1%でも損傷】していると威力アップ。
WIZ : 全て壊れてしまえ
【触れたものを業火に包む、真っ白な炎】を放ち、戦場内の【天使核】が動力の物品全てを精密に操作する。武器の命中・威力はレベル%上昇する。
👑11
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崩れ去ろうとする躰。
天使核を貫かれ、もはや自分には猶予がないことを『銃士・エア』は悟る。
いや、わかっていたことだ。
滅ぼすか、滅ぼされるか。
その二択しか猟兵とオブリビオンにはない。ならば、彼女はそれ以外の選択肢を掴み取る。
皮肉にも。
齎す側として在った彼女が、唯一つかみ取りたいと思ったものが今際の際に自覚させられたのだ。
「『遺骸兵器
』……!」
長大な砲身。
『ブラスター』に手を触れ、『銃士・エア』は驚愕する。
オブリビオン化の儀式の進捗が一割にも至っていない。何故なのか。それは一人の猟兵が為したことであった。
オブリビオン化儀式のために集めた生贄たる人々の生命を救い、多くを救出していた。
だからこそ、『遺骸兵器』に蓄えられた生命というエネルギーは一割にも満たされていない。
「猟兵……! ですが! この光だけでも、あの御方に! これを見れば、あの御方も喜んでくださる! 穿て『ブラスター』!」
最後の力を振り絞り、『銃士・エア』は『ブラスター』を起動し、その方向を猟兵たちに――ではなく、空の向こうへと向ける。
そこは『アジール王国』でもなければ他の浮遊大陸があるわけでもない。
何もない空。
いや、彼女には見えている。
その先に在るのは屍人帝国『オーデュボン』。その皇帝が望む力の発露を持って、彼女は救いをもたらそうとしていた。
「ああ、これで、私は――」
崩れていく『銃士・エア』の躰。砕けて、散った瞬間、放たれる光条は一割に満たぬ力であっても浮遊大陸を撃ち抜くほどの威力。
だが、その光条は遮断される。
虚空より現れた赤い鎧の巨人が六腕を広げ、胸部に『ブラスター』の光条を受け止め吸収していく。
「赤い、『セラフィムV』……! また、来てくれたのか!」
勇士たちは、その赤い鎧の巨人を見やり歓声を上げる。
けれど、光条を吸い込んだ赤い鎧の巨人は猟兵たちを一瞥して、再び虚空へと消えていく。
後に残されたのは『遺骸兵器』。
あとはこれを回収するだけだ。けれど、『ブラスター』が震える。砲身が歪み、姿を変えていくのだ。
赤き竜の如き姿。
口腔に砲身を備えた巨竜。
『遺骸兵器』と融合を果たしたオブリビオン化儀式のエネルギーが、『ブラスター』を中途半端なオブリビオンとして顕現する。
その巨竜の如き姿が本来の『ブラスター』としての姿ではないことは明白。されど、その全てが『遺骸兵器』としての本質。
猟兵たちは知るだろう。
その巨大な体躯の何処かにオブリビオン化儀式の際に核とされたオブリビオンの存在があることを。
そして、猟兵たちは知っている。
オブリビオンとそうでないものを直感的に見極めることができるのが猟兵である。
そう、巨竜のごとき存在となった『遺骸兵器』、焔極開放『オクルス・デクストラ』。
その胸部に埋め込まれたの如き宝珠こそがオブリビオンという核。
その宝珠を穿て、猟兵|《イェーガー》――!
ウィリアム・バークリー
その姿は竜の如く、ですか。ですが、そんなものは帝竜大陸で散々見てきました。恐れる理由はありません。
グリフォンの『ビーク』に「騎乗」して、「空中戦」を行います。
ぼくと乗騎、両方に「オーラ防御」をまとって。
炎の吐息なら、顔の向いた方を避ければいい。「見切り」やすい攻撃です。
その間に、
魔導原理砲を起動。積層立体魔法陣展開。目標固定。「エネルギー充填」。
「全力魔法」氷の「属性攻撃」「衝撃波」「レーザー射撃」でElemental Cannon!
核を探すのも手間がかかります。狙うは全面攻勢。さあ、炎ごと凍り付いてください。
巨大な竜、その名を『オルクス・デクストラ』。
『遺骸兵器』、『ブラスター』の核として組み込まれ、巨大な『遺骸兵器』の一部となった存在である。
口腔に備えられた砲身が煌めくたびに圧倒的な超長距離射撃を可能とする一撃を放つだろう。
しかし、猟兵たちの活躍に寄って、そのオブリビオン化儀式に寄る生命エネルギーの付与は一割にも満たされていない。
けれど、大陸間を撃ち抜くには十分すぎるほどの力であることは言うまでもないのだ。
「グルゥ……!」
唸り声を上げる『オルクス・デクストラ』の瞳が輝き、荒れ狂う嵐のような真っ白な炎が噴出する。
触れたものを全て燃やす白い炎は、天使核を動力とするもの全てに影響を及ぼす。
「皆さんは下がってください!」
ウィリアム・バークリー(“聖願”/氷聖・f01788)は勇士たちにそう告げる。
彼等の駆る飛空艇は天使核を動力源としている。あの白い炎に触れては、逆に利用されてしまうからだ。
それにあの巨大な威容は、人の心に恐怖を植え付ける。
「その姿は竜の如く、ですか。ですが、そんなものは帝竜大陸でさんざん見てきました。恐れる理由はありません」
ウィリアムはグリフォンの『ビーク』と共に大空を駆け抜ける。
自身と『ビークに』張り巡らせたオーラの防御でもって白い炎を防ぎながら、『オルクス・デクストラ』の注意を惹きつける。
「僕の方を向けばいい!」
ウィリアムは『ビーク』と共に危険な戦いに臨む。
あの口腔の砲身より放たれる一撃は、何処に居ても攻撃を届かせる。逃げ場など何処にもないし、受ければ確実にオーラは砕け、射抜かれてしまうだろう。
けれど、固定された砲台ではなく、その口腔に砲口が備えられているのならばウィリアムにとっては躱すことはできなくはないことであたのだ。
「グルァ、ガァァァァ――!」
咆哮が轟き、光を蓄えた口腔より一撃が放たれる。
その際『オルクス・デクストラ』がこちらに顔を向けたのをウィリアムは見逃さない。
「『ビーク』ッ!」
ウィリアムの言葉にグリフォンである『ビーク』が素早く反応する。
放たれた光条が雲海に飲み込まれ、凄まじい熱波を生み出し、ウィリアムと『ビーク』を空へと舞い上げる。
なんたる一撃であろうか。
しかし、ウィリアムもただ逃げていただけではない。
周囲の精霊力を吸引し、圧縮した
魔導原理砲の砲身の先、その砲口に積層型立体魔法陣が展開される。
満ちるエネルギーをウィリアムは制御しながら、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
「Elemental Power Converge...Release. Elemental Cannon Fire!」
『オルクス・デクストラ』が極地に至りし炎であるというのならば、ウィリアムがたぐるのは周囲にてある氷の精霊力。
相反する力を強引に融合させた爆砕魔法の一撃が魔導原理砲の砲身から解き放たれ、『オルクス・デクストラ』の体を包み込む。
胸部の宝珠ごと覆う全面砲撃。
その一撃が『オルクス・デクストラ』の体躯、そして宝珠ごと包み込むのだ。
「さあ、炎ごと凍りついてください」
『ビーク』と共にウィリアムは氷付き、浮遊大陸に落ちる『オルクス・デクストラ』を見送る。
どれだけ強大なオブリビオンと化した『遺骸兵器』であろうとも、相反する精霊力を融合させた氷の爆砕魔法を前には、その巨体を覆い尽くされるしかない。
軽やかに『ビーク』が空をかけ、ウィリアムは『オルクス・デクストラ』が再び動き出すまで、勇士たちと共に生贄の儀式へと攫われてきた人々を避難させるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ガイ・レックウ
【POW】で判定
『あれは?!…いや、今はこいつを倒すのが先か!』
【オーラ防御】を何十にも纏い、【戦闘知識】で相手の動きを【見切り】、【怪力】での【鎧砕き】とアサルトウェポンでの【制圧射撃】を叩き込んで隙を作り、ユーベルコード【極限竜闘技『マキシマムドラグバースト】を放つぜ!
赤い鎧の巨人。
六腕を持ち、三対の瞳の輝きを持つ巨人が虚空より現れ、『遺骸兵器』のはなった光条を受け止めて、再び消えゆく。
その一瞥は何を意味するのか、未だわからず。
されど、勇士たちの反応を見る限り、かの赤い鎧の巨人が現れたのは初めてではないことをガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)は知るだろう。
「あれは?!」
「あれは、『セラフィムV』だよ! 色が違うんだが、きっとそうだ! 俺たちはあの熾火があったからこそ、こうして今まで戦ってこれたんだ!」
勇士たちが声を上げている。
彼等の士気が更に高いものとなったのは、これまでブルーアルカディアにおける屍人帝国『オーデュボン』との戦いを経て、青い鎧の巨人の存在があったからに他ならない。
しかし、それは今の戦いとは関係のないことである。
例え、これまでがそうであったからと言って、此度の戦いも勝利できる確証など何処にもない。
けれど、その存在が人の連綿たる思いを絆ぐ鎹となったのは事実である。
「グルァ――!!!」
氷漬けになった『オルクス・デクストラ』が咆哮し、その肉体を覆う氷を砕きながら青い炎を噴出させる。
口腔に備えられた砲身は、『遺骸兵器』である『ブラスター』の核となったがゆえであろう。
巨大な体躯から放たれる炎は、ただそれだけで勇士たちの飛空艇に飛び火し、さらに無差別に燃やしていく。
「炎が絡みついてきやがる……!」
「退避しておけ! あとは俺たちがやる!」
ガイはオーラを何重にも纏いながら、青い炎のまとわりつく熱を遮断する。
だが、それでもなお炎の熱が肌を焼くようであった。
無差別に放たれる攻撃は、こちらに意識を集中させなければ周囲に多大な被害を与えるだろう。
それ以上にやはり気になるのは赤い鎧の巨人である。
見たことがあるような、だが、その思考をガイは振り切る。
「……いや、今はこいつを倒すのが先か!」
構えた立ちと共にガイは『オルクス・デクストラ』へと飛び込む。
放たれる蒼い炎はオーラを砕いていく。進めば進むほどに威力はましていくし、口腔の砲身から放たれる光条の一撃は重たく鋭い。
何より、射程が広すぎる。
自分が何処に居ても当てにくる一撃は、ガイにとって困難な道を強いるだろう。
けれど、その道にこそガイは最も正しさがあると知るだろう。
きらめくユーベルコード。
ブレードの一撃を持って『オルクス・デクストラ』の注意をひきつけ、極限竜闘技『マキシマムドラグバースト』(リミテッドドラグアーツ・マキシマムドラグバースト)を解き放つ。
組み上げた拳から放たれる極大破壊光線。
「魂の昂りよ!!竜の咆哮とともに全てを破壊し、すべてを消し飛ばせ!!」
その一撃が『オルクス・デクストラ』の巨体を吹き飛ばし、空へとかちあげる。
大地に落ちた時、その地響きは浮遊大陸をも揺るがすほどであった。
けれど、ガイは打ち込んだ破壊光線の一撃に膝を折るだろう。敵の隙を強引にこじ開け、注意をこちらに惹きつける。
それは自分の力を最大限に引き出し、怪力でもって為し得るユーベルコードの一撃故。
「勇士の連中は、儀式のために連れ去られた連中の保護を頼むぜ! あいつの意識がこっちに向いているうちにな!」
ガイは再び立ち上がる。
敵の意識を自分たち猟兵に引きつけ続ける。その間に儀式のために攫われた人々を勇士たちに任せ、その僅かな時間を稼ぐのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクトリア・ノウェム
……あれって食べれる……です?
でも確か遺骸兵器……ならあんまり期待はしないでおくです
倒した途端元に戻る可能性もあるです
光線が厄介そうです、でも頭の動きに連動してるなら要はすごいブレスなだけです
風の精霊結界で機体を守りつつ空中機動で周囲を飛び、Dアヴェンジャーのガム&ボム弾で牽制射撃して注意をこっちに惹きつけるです。
でも足りないだろうから……起きるです、ケルベロスファング
ケルベロスファングを打ち込んでUCを発動、あいつのエネルギーを奪いつつ、エンジェリックドライブと精霊機関の出力全開で得た怪力で無理やり首の向きを変えたりぶん回して適当な場所に投げ落して、宝珠にA.F.C.を叩き込む、です……!
『遺骸兵器』そのものと融合た核たるオブリビオンの姿。
その口腔にあるのは『遺骸兵器』たる『ブラスター』の砲身であった。砲口から放たれる光条の一撃の凄まじさは言うまでもない。
けれど、ヴィクトリア・ノウェム(はらぺこ空戦天使・f33941)にとって、最も重要であったのは、『遺骸兵器』と融合したオブリビオンである『オルクス・デクストラ』が――。
「……あれって食べられる……です?」
そう、あれの血肉が食料となるかどうか。
そして、その牙や爪、鱗や骨と言った素材が今後のブルーアルカディアでの生活に役立つかどうかであった。
しかし、ヴィクトリアは考える。
あれの本質はすなわち『遺骸兵器』である。
もともとの『ブラスター』は砲撃を行う砲身。そして、それに融合したオブリビオンの姿は巨大な竜。
紛らわしいが、どちらに転んでいるのかわからない状況なのだ。
「……ならあんまり期待はしないでおくです。倒した途端元に戻る可能性もあるです」
ヴィクトリアは、余計な期待を抱かない。
いつだってそうだったからだ。
過度な期待は、深い失望を呼び込むこともある。ヴィクトリアにとっては、いつだってそうだったから、尚更のことである。
「グルァ――!!」
空より大地に叩きつけられた『オルクス・デクストラ』が咆哮する。
猟兵たちの一撃を受けてなお立ち上がってくるのは、その『遺骸兵器』たる所以であろう。
半端な生命力を注ぎ込んだことによって『オルクス・デクストラ』は『遺骸兵器』としての力を十全に使うことが出来ていない。
しかし、その口腔にありし砲口より放たれる光条の一撃の凄まじさは言うまでもない。
「あの光線が厄介です。でも頭の動きに連動しているなら要はすごいブレスなだけです」
ヴィクトリアは『エル・セプス』より得られた推力のままに空を舞う。
風の精霊結界が己の体を守ってくれる。
唸りを上げる精霊機関。
風を受けて速度を上げたヴィクトリアは、自身に注意を引きつけながら圧倒的な速度で飛翔し続ける。
「デビルアヴェンジャー、頼むですよ」
放つはガム弾。
打ち込んだ瞬間、大地から飛び立とうとしていた『オルクス・デクストラ』を縫い付け、さらに装填したボム弾でもって、その巨体を打ち据える。
「グルァ、ガァァァ!!!」
怒りの咆哮と共に放たれるのは蒼き炎。
周囲に撒き散らされる無差別なる炎は、もしも猟兵たちが生贄のために攫われていた人々を退避させていなかったのならば、彼等を巻き込んでいただろう。
そして、光条が放たれるもヴィクトリアは風の精霊による加速でもって躱す。打ち込まれた光条が雲を突き抜け、霧散させる。
確かに尋常ではない一撃だ。
『オルクス・デクストラ』がガム弾の残滓を引きちぎりながら空へと飛び上がる。
「これだけで足りないとは思っていましたが……起きるです、ケルベロスファング」
放たれる三つの鉄鎖が鉤爪のようになって『オルクス・デクストラ』へと食い込む。鱗を砕きながら肉へと食らいつく鉤爪。
それは食い込んだ鉤爪からエネルギーを奪い続けるユーベルコード。
互いの力比べだ。
未だ『オルクス・デクストラ』には一割程度の生命しか注がれていない。けれど、それでもヴィクトリアに力負けしないリユなどない。
だからこそ、ヴィクトリアの瞳はユーベルコードに輝き、その残されたエネルギーを吸い上げていく。
「たった一割でもこれだけ……でも、負けない、です」
『エル・セプス』に搭載されたエンジェリックドライブが光輪を放つ。
天使核ロケットエンジンの出力と補助動力の精霊機関の出力が全開になっていく。空中で綱引きのように互いをつなぎとめた鉄鎖が軋む音が響く。
けれど、ヴィクトリアは負けない。
彼女は今とても空腹なのだ。それは『遺骸兵器』たる『オルクス・デクストラ』も同様だろう。
「空きっ腹は確かに耐え難い、です。だから! ケルベロスファング!」
ケルベロスバイトのユーベルコードが極大に煌めき、エンジェリックドライブと精霊機関の出力が限界を超えて発露する。
口腔に溜まったエネルギーの奔流が光条となってヴィクトリアに放たれようとした瞬間、鉄鎖がその首を上に向け、さらに光条をヴィクトリアは躱す。
だが、それ以上に彼女は計算づくであった。
首を上げたということはその運動エネルギーを利用すれば。
「ケルベロスファング、貪った分は働く、です!」
背負投の要領で鉄鎖に繋がれた『オルクス・デクストラ』を大地に叩きつけるヴィクトリア。
仰向けに投げつけられた『オルクス・デクストラ』の胸の宝珠が空の色に輝く。そこに叩き込むは魔導砲の一撃。
ケルベロスファングより得たエネルギーの奔流が、今『オルクス・デクストラ』の急所たる宝珠に打ち込まれ、その表面に罅を入れる――!
大成功
🔵🔵🔵
ルクス・アルブス
【ステラさん(f33899)と】
やべーどころか、ヤバさペタマックス(7.3倍)じゃないですか! とか
追いかけて欲しい、どころか、むしろステラさん見て回れ右まであるんじゃ?
とか思いましたけど、頭頂部の安全のために飲み込……めません!?
ご、5時間は、5時間は……絶対延長戦するじゃないですか……(とらうまぷるぷる)
そ、そうですステラさん、まずはアレ!
ドラゴン倒しましょう!
飛空挺になったステラさんに乗って、ドラゴン退治です。
突撃に合わせて【世界調律】いっちゃいますよー!
周囲の波動を吸収して、こっちも音叉ペタマックス!(打撃)
元の姿にもどれーっ!
あっ……ドラゴン倒しても、ここからは逃げられません!?
ステラ・タタリクス
【ルクス(f32689)様と】
よーーしっ、
エイル様の香りキターーーッ!!
ってえぇぇぇぇ!?
ちょっと、エイル様ー!?ヴィー様ー?!
ここは『またキミ達か……』とか呆れ返りながら再会するところではーー!?
ええい、そんなに私に追いかけて欲しいなんて……いけず♥
誰がやべーメイドですか
延々とエイル様を語りますよ5時間くらい
まぁそれもそうですね
まずは張り切ってアレを潰しましょう
【ガレオン・チェンジ】で飛空艇に変身したら
ルクス様を乗せて
『ウェントス・スクートゥム』展開
【テンペスータス・クリス】突撃します!
嵐の槍の一撃を喰らいなさい!
さてルクス様この後は…
どうやって追いかけるか検討しましょう(圧
赤い鎧の巨人。
その存在はこれが初出ではなかった。『アジール王国』が炎に包まれた時も、かの赤い鎧の巨人は現れ、切り離された王城を支え救ってくれていた。
だからこそ、勇士たちは、その姿に声を上げたのだ。
青い鎧の巨人『セラフィムV』と形は違えど、その身寄り放つ青い熾火を彼等は見間違えることはなかったからである。
そして、その熾火を見たメイドの一人、ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)もまたその一人であった。
「よーーしっ、
『エイル』様の香りキタ――ッ!!」
絶叫であった。
その場に居た誰もがビクッと肩を振るわせる程の叫び。
魂からの叫びであったのかもしれない。
普段の瀟洒なメイドはどこにもいなかった。
しかし、赤い鎧の巨人は六腕で『ブラスター』の光条を受け止め、虚空に消えていく。
「ってえぇぇぇぇ!? ちょっと『エイル』様ー!?『ヴィー』様ー?!」
メイドはまた叫んだ。
今度は全く別の意味での叫びであったが、叫んだ。
ここは『また君たちか……』と呆れ返りながら再開するところではないのかとメイドは叫んだ。叫びまくった。
完璧に回れ右したように見えたし、ステラにとってはそう映ってもしかたない挙動であった。
これにはメイドもダメージ大かもしれない。
「ええい、そんなに私に追いかけてほしいなんて……いけず♥」
ぽっ。
「やべーどころか、ヤバさペタマックスじゃないですか」
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)はそうした言葉を飲み込むつもりであったが、思わず飲み込めず言葉にしてしまっていた。
追いかけて欲しい、というかむしろステラを見て回れ右したまであるとルクスは思っていた。
しかし、彼女がそれを飲み込もうとしたのは、自分の頭頂部及び、側頭部ないし後頭部を守るためであった。
それを言ってしまえば、確実にスリッパがクリーンヒットすることは確定された未来であったからである。
だがしかし、想像を絶するステラの叫びに思わず声に出していた。
「誰がやべーメイドですか。延々と『エイル』様を語りますよ5時間くらい」
「ひっ」
五時間である。
しかし、ルクスは知っている。五時間と言わず、延長戦に突入することを。一度や二度ではないのだ。
寝ている枕元でも語られたことがあるのかもしれない。
しかも安易に相槌なんて打とうものなら、真面目に聞けと叩き起こされるのである。トラウマが掘り起こされてしまう。
「そ、そうですステラさん、まずはアレ! ドラゴン倒しましょう!」
蒼き炎を撒き散らしながら咆哮する『オルクス・デクストラ』の姿をルクスは指差す。
あれを倒してからでも遅くはない。むしろ、あれを倒すことに集中させて一先ずあの赤い鎧の巨人のことからステラの意識をそらさなければならない。
そうしないと自分のトラウマスイッチがオンになってしまうからだ。
「まぁ、それもそうですね。まずは張り切ってアレを潰しましょう」
ステラは己の体を飛空艇に変身させ、ルクスを甲板上に乗せる。ルクスは一先ず胸を撫で下ろす。
脅威は去った。
いや、まだである。目の前には『遺骸兵器』の核として取り込まれた巨竜たる『オルクス・デクストラ』がある。
青い炎をまき散らす姿は、炎の化身そのものと言ってもいいだろう。
「空を駆ける事で、他に後れを取るわけにはいきません!」
飛空艇となったステラの全面に風の盾が展開する。テンペスタース・クリスは、ユーベルコードである。
風の盾は穂先となって『オルクス・デクストラ』へと迫る。
炎を切り裂きながら飛空艇が飛ぶ。その甲板上においてルクスは音叉を掲げる。世界調律(セカイチョウリツ)は、あらゆる波動や味方のダメージを吸い上げ続ける。
「こっちも音叉ペタマックス!」
超超超超超超大盛である。
嵐のごとき風の盾が炎の中を飛ぶ。ステラは一つの槍と化す。炎という壁を切り裂き、その先に飛ぶは勇者。
掲げた巨大音叉に蓄えられた波動は、振りかぶられた一撃となって『オルクス・デクストラ』へと叩きつける。
「元の姿にもどれーっ!」
轟音が轟き、『オルクス・デクストラ』が大地に叩きつける。
「さてルクス様この後は……」
「ええ、このままドラゴンを倒して……」
「どうやって追いかけるか検討しましょう」
圧。
その圧にルクスの口元がひくつく。あ、これは絶対逃げられないやつであると確信した。
ドラゴン倒してめでたしめでたしで閉めようと思っていたのに、まったくもってそんなことを感じさせないルクスの言葉。その圧にルクスは首を縦に振るのか。それとも横にふるのか――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
氷宮・咲夜
【チーム・サクリファ】
相棒のリーファ・イスメリア(f38131)と一緒に戦うわ
ウィザードブルームで空中戦
『魔導書:水』を使用。水の守りを結界術とUCで強化、敵の攻撃を防ぎ
天使核が動力の物品を水流で撃墜しながら、攻め手を模索
自由自在に動く砲身なんて反則よ。さっきので大魔法も打ち止め
ついに年貢の納め時かしら。いいえ、逃げ場なら一つある
サキュバスの呪いを紐解いて完成させたあの魔法を試してみましょう
※UCを使用
『魔導書:枕』より不能の魔法を唱え、敵の充填と発射機構を萎えさせる
いくわよリファ。何処って、あの巨大な砲口に飛び込む
体内側から核を攻撃するのよ
核までの道筋は外側から見た場所と医術から推察できるわ
リーファ・イスメリア
【チーム・サクリファ】
相棒の氷宮・咲夜(f37939)と一緒に戦います
『星穿つ魔導剣』と『星穿つ魔導鎧装』で
推力移動による空中戦にて巨竜に挑みます
敵の真っ白な炎は
火炎耐性に『オリハルコンパワー』にオーラ防御、更に超硬神化で耐えながら
天使核が動力の物品の攻撃に応戦
ですが守っているばかりでは……砲身に飛び込むのですか?
わたくし、耳を疑う言葉に思わず祈りを捧げてしまいましたが
もし上手く体内に入れれば、炎とそのおまけ達に邪魔されずに戦えそうです
咲さまの魔法を信じて
推力全開で砲口に突入、喉奥に捨て身の一撃を突き立てます
そして何とか核に辿り着いて、この恐るべき企みを終わらせる誓いを込めた一撃で核を穿ちます
大地に叩きつけられた『オルクス・デクストラ』より放たれるは赤き炎と白き炎。
そのどれもが脅威と呼ぶに相応しい炎であった。
だが、それ以上に脅威であったのが口腔に備えられた砲身。『遺骸兵器』、『ブラスター』である。
猟兵たちの活躍に寄って一割にも満たぬ生命を注がれたにも関わらず、その威力は浮遊大陸と浮遊大陸を隔ててもなお、撃ち抜くに値する力であったのだ。
それを無差別に放とうとする『オルクス・デクストラ』は不完全であっても放置できるものではなかった。
氷宮・咲夜(精晶石の魔術師・f37939)は、その炎を前にして、その精晶魔術によって練りげられた水の守りを展開し、防ぐ。
「自由自在に動く砲身なんて反則よ」
咲夜はすでに先程の水の極大魔法でもって、触媒を失っている。
今展開している水の魔導書による守りも限界が近い。あの炎を押し止めるには、もう一つ触媒が必要であった。
「さっきので大魔法も打ち止め、ついに年貢の納め時かしら」
「いいえ、まだです」
リーファ・イスメリア(悠久の超硬姫・f38131)は、その言葉に首を振る。
彼女は、超硬不落の神硬姫アルティメットリリーである。その瞳に人と世界を守る意志が宿るのならば、未だ戦いをやめるわけには行かなかった。
その相棒の言葉に咲夜は肩をすくめる。
魔法の箒に腰掛けながら、それでも相棒たるリーファの言葉を心地よく思うだろう。彼女の強い瞳は、いつだって自分の背中を押してくれる。
「ええ、でも逃げ場なら一つある」
『禁忌の魔導書』の封印を紐解く。
元は人間であった彼女がサキュバスとなった呪い。彼女のユーベルコードに輝く瞳が、魔導書より放たれた不能の魔法によって『オルクス・デクストラ』に口腔にありし砲身に蓄えられた光を萎えさせる。
「これがサキュバスの呪いを紐解いて完成させた魔法。あの竜の口にある砲口に蓄えられた力は萎えたわ、いくわよリファ」
「はい! ……何処に、ですか?」
リーファは思わず聞き返していた。てっきりあの巨竜の攻撃を抑え込んだから、あとは真っ向勝負だと思っていたのだろう。
けれど、咲夜の顔を見れば、それが正解ではないことだけはわかる。これはもしかして、とリーファは少し表情をこわばらせる。
「何処って、あの砲口に飛び込む。体内側から核を攻撃するのよ」
咲夜の言葉にリーファは耳を疑う。
「砲身に飛び込むのですか?」
「そうよ。敵の鱗は固い。強固な守り。なら内側から叩くしかないでしょう」
あまりにもあっさりとした言葉にリーファは覚悟を決めるしかなかった。咲夜一人で飛び込むわけではないし、リーファ一人でもない。
二人は相棒同士なのだ。
リーファは祈りを思わず捧げてしまう。
「咲様の魔法を信じましょう」
あの砲身に蓄えられたエネルギーがいつまた放たれるかわからない。けれど、迷っている時間はもっとないのだ。
リーファと咲夜は一気に『オルクス・デクストラ』へと飛ぶ。
「グルァ――!!!」
咆哮と共に炎が襲う。だが、それをリーファの超硬神化(チョウコウシンカ)が阻む。
耐える。
リーファはこれまで耐え、祈りを捧げることしかできなかった。
ならば、この程度の炎などに負ける理由などない。
今はもう違うのだ。
祈るだけではなく。
手をのばすことができる。人の嘆きに。人の悲しみに。手を伸ばし、それを救うことが出来る。
魔法の箒と魔導外装の背面から噴出する魔力によって二人は一気に『オルクス・デクストラ』の口腔へと飛び込む。
捨て身の一撃であったことだろう。
「核は胸の宝珠! なら食道を下って!」
「ここですね! この恐るべき企みを終わらせます!」
『オルクス・デクストラ』の内部からリーファの魔導剣の一撃が打ち込まれる。外側からは強固な鱗が、巨竜を守っている。
だが、内側からならば。
リーファの放つ剣の一撃と咲夜の背中を押す魔法の箒の推力が合わさり、二人は内部から宝珠を切り裂きながら外へと飛び出す。
「ガアアアアア――
!?!!」
『オルクス・デクストラ』の絶叫が迸る。
それは痛烈な一撃を巨竜に与えた証拠であった。二人は飛び出しながら体勢を整え、その宝珠に刻まれた傷跡を見やる。
二人ならばどんな巨大な障害も乗り越えていける。
それを証明するように炎すら寄せ付けぬ魔導鎧装の迸る魔力が翼のように大空の蒼に映えるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
佐伯・晶
これを何とかすれば一段落かな
復興は長い戦いかもしれないけど
救出した人達は勇士に頼んだり
神域に避難させたりして
戦闘から遠ざけておこうか
ガトリングガンで削るにはにちょっと大きいね
鉑帝竜を使うとしよう
神域から使い魔と共に呼び出すよ
複製創造で創ったり
緒戦で使い魔達の金属化能力で敵や地面を変えたりして
用意しておいた金属塊で装甲を増やしておくよ
まずはレールガンの攻撃で様子見
できるだけ相手の射線が空を向くよう
飛びながら金属の弾体で攻撃するよ
相手のUCには兵装創造で
キャバリアシールドを創って
鉑帝竜は後ろに隠れてやり過ごそう
その後は兵装創造で装甲から絶対超硬剣を生成
防御を犠牲に攻撃を上げ
宝珠を狙って急降下しよう
猟兵たちが巨竜『オルクス・デクストラ』の内部から一撃を見舞い、その胸の宝珠に甚大な打撃を与える。
亀裂の走った宝珠。
それこそが『遺骸兵器』をオブリビオン化するために核となったオブリビオンの急所。
「ガアアアアア――!!!」
咆哮と共に蒼き炎が噴出していく。
凄まじい炎は、周囲に敵を寄せ付けぬ壁となるだろう。
「これをなんとかすれば一段落かな」
佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は、生贄の儀式から救出した人々を背にかばいながら、勇士たちに彼等を託す。
「こっちは任せておいてくれ! 飛空艇はまだ来る。慌てなくたって大丈夫だ!」
「うん、頼んだよ。戦闘からなるべく遠ざけておきたいんだ。あの口腔から放たれる一撃は、きっと大陸と大陸が離れている距離でも届くから」
晶は理解していた。
あの『遺骸兵器』は強力すぎる。
注ぎ込まれた一割にも満たぬ出力であっても、あの威力なのだ。赤い鎧の巨人が防いでくれたからよかったようなものであるが、それでも脅威にほかならない。
「ガトリングガンで削るにはちょっと大きいね」
兵装創造(オルタナティブ・ウェポン)によって手にした蛍光ガトリングガンが分解され、追加の金属が神域より集まり、再構成されていく。
その姿は『オルクス・デクストラ』にも負けぬ巨竜。
名を『鉑帝竜』。
希少金属でもってかたどられた金属の竜である。かの竜が使い魔たちにより金属化した大地を持って装甲を増やしていく。
組み上げられたレールガンの砲身が『オルクス・デクストラ』に向けられ、超硬金属の弾丸が打ち出される。
それを『オルクス・デクストラ』は真っ向から砲身より放つ光条で持って吹き飛ばす。
「様子見のつもりだったけど、やっぱりあの一撃は怖いな……星を穿つ、あながち比喩じゃあない」
飛び立つ『鉑帝竜』と共に晶の瞳がユーベルコードに再び輝く。
増設された装甲を使って、巨大なシールドをつくり、吹き荒れる炎を防ぎながら、『オルクス・デクストラ』へと突っ込むのだ。
「グルァ――!」
赤き巨竜と金属の巨竜が空中で組み合う。
フレームがきしみ、炎が熱を伝え、内部にある晶にまで襲うだろう。
けれど、それでも晶の瞳はユーベルコードに輝く。
「さぁて、でかいの一発いってみようか」
機体に増設された装甲が分解されていく。これでは熱を防げない。
いや、晶がただの人間であったのならばそうだろう。伝わる熱によって先に根を上げていたのは晶のはずだった。
だが、神域の力を使う邪神と融合した晶は、その固定の権能でもって、熱を己に伝えない。
伝わる前に固定してしまうのだ。
「絶対超硬剣――!」
装甲を犠牲にして作り上げられた希少金属の剣。
それを『鉑帝竜』が構える。
組み合う『オルクス・デクストラ』は驚愕しただろう。『鉑帝竜』の尾そのものが超硬剣へと変形し、その振りかぶった一撃が、己へと向けられていることに。
なまじ組み付いたが故に躱しようのない一撃。
振り抜かれた一撃は『オルクス・デクストラ』の鱗すら砕きながら、その亀裂走る宝珠へと痛烈なる斬撃を与え、その巨体を失墜させる。
「さらにもう一発!」
大地に失墜する『オルクス・デクストラ』を追い、さらに『鉑帝竜』の尾の一撃が浮遊大陸を激震させるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
『遺骸兵器』が竜化したか…あの宝珠が核かな?あれを破壊すれば機能停止しそうだな……
…正直…『ブラスター』のまま砲撃を継続されたほうが厄介だったから…そうならなくてよかったというべきか…
…【竜屠る英雄の詩】を発動…装備品に竜殺しの概念を付与…
…触れたものを豪華に包む炎だとしても…その白い炎を黎明剣【アウローラ】で切り裂きながら接近するよ…
…そして至近距離まで近づいたら…竜殺しの魔力を流し込んで【アウローラ】から魔力の刃を伸ばして…
…宝珠ごとオクルス・デクストラを斬るとしようか…
…それにしてもあのセラフィムVは何だったのか…まるでブラスターのエネルギーが目的だったようにも見えたな…
光条の一撃は、『アジール王国』を滅ぼすものではなかった。
その砲身が向けられていたのは、あきらかに違う浮遊大陸。猟兵たちが知る良しもなかったが、その咆哮が向けられていたのは屍人帝国『オーデュボン』。
空の彼方に在りし、屍人帝国の本拠地。
なぜ、『銃士・エア』がそのようなことをしたのかはわからない。
屍人帝国の皇帝が臨むものが、その光条にあったのか。それさえもわからないが、その『遺骸兵器』、『ブラスター』の脅威は未だ拭えていないという事実だけが戦場に残っている。
「ゴァアア――!!!」
咆哮が轟く。
真っ白な炎が吹き荒れながら、『遺骸兵器』のオブリビオン化の核として取り込まれていた『オルクス・デクストラ』の巨体が『遺骸兵器』そのものを飲み込んで、巨竜となっていた。
猟兵たちの打撃はすさまじく、その胸に抱いた宝珠には亀裂が走っている。
だが、まだ足りない。
「『遺骸兵器』が竜化したか……あの宝珠が核か……」
ならば、あれを破壊すれば機能停止するだろうとメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は検討をつける。
いや、正直な所をいうのならば、メンカルにとって最も脅威であったのは『ブラスター』そのままに砲撃を開始されることであった。
長大な砲身であるがゆえに、こちらが接近するまでに撃ち落とされる可能性の方が高かったからだ。
けれど竜として姿を融合させた『オルクス・デクストラ』は炎によって猟兵たちをを退けようとしている。
元より一割にも満たぬ生命力しか注げなかったからこそ、そのような戦法にならざるを得なかったのだろう。
「……そうならなくてよかったと言うべきか……」
だが、竜化するのならば、メンカルにとって『オルクス・デクストラ』の炎は脅威に値しない。
何故ならば、竜屠る英雄の詩(ドラゴンスレイヤーズ・バラッド)が響くからだ。
「厄討つ譚歌よ、応じよ、宿れ。汝は鏖殺、汝は屠龍。魔女が望むは災厄断ち切る英傑の業」
彼女の手にした黎明剣『アウローラ』がユーベルコードの輝きに満ちていいく。
竜にまつわるものを殺す竜殺しの概念術式を付与された剣は、その概念故に絶対の力を誇る。
竜化したこと自体が失敗であり、この場にメンカルという猟兵がいること自体が『オルクス・デクストラ』にとっての不幸であった。
放たれる炎すらも竜にまつわるもの。
ならば、彼女の振るう黎明の剣は、炎すら切り裂き、白い炎を霧消させていく。
この段に至って彼女に届き得る炎は、もはや『オルクス・デクストラ』には祖納しなかった。
「ガアアアアア――!!!」
その咆哮は恐怖であったことだろうか。
口腔に備わった砲身から放たれる光条すら、メンカルは剣で切り裂く。
「……無駄だよ」
メンカルは光条を切り裂く。
ああ、とメンカルはその時理解したかもしれない。あの赤い鎧の巨人、勇士たちが『セラフィムV』と呼んでいた巨人が何故、『ブラスター』の光条の前に現れ、それを受け止めたのかを。
あのエネルギーこそが目的であったのだ。
あれは生贄の儀式に組み込まれた人々の生命のかけら。それを受け止め、確保したように見えた。
「……なら、あれは」
竜殺しの魔力が黎明剣に流し込まれ、魔力の刃が伸びていく。
長大な刀身となった斬撃の一撃が『オルクス・デクストラ』を切り裂く。
豊受に走る亀裂がさらに大きくなっていく。
オブリビオン化儀式は中途半端に終わった。ということは生贄として組み込まれた人々の生命もまた中途半端に削がれた状態。
あの光条の一射は、その力を発露させたもの。それを受け止めたということは。
「……元に返すつもりなのか……」
それを証明するようにメンカルは背後に再び突如として現れた赤い鎧の巨人が六腕より勇士達によって護送される人々に生命力を賦活する姿を見るだろう。
止める暇もなくまた虚空に消えていくそれを、メンカルは見送るしかない。
敵か味方で言うのならば、その行動をみればわかるだろう。
少なくともその行いに打算はないとメンカルは感じ取れたのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
うーむ、厄介な残し物
まあ目論みは潰えたんだから、それで良しとしないとね
それに、こーいう正統派な竜退治をするのも偶には楽しいしね
鱗の1枚でもお土産にゲットして帰りたいしね
●
引き続き《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
無差別攻撃は厄介だけど…それでもやるしかないか
自分の方に向かって来る炎を『斬撃波』で打ち消し、『吹き飛ばし』て相殺していこう
あとは此方の射程にまで近付くのみ!
【断章・機神召喚】起動
召喚した機械腕を『念動力』で浮かし、右腕とリンクさせ制御
オクルス・デクストラの上を取って一気に切り裂く!
その間に私も至近距離まで接近して下から左手の剣で斬る
上と下からの同時攻撃だ
巨竜『オルクス・デクストラ』の胸に抱かれし宝珠に走る亀裂が遠目から見ても大きくなったのを月夜・玲(頂の探究者・f01605)は確認出来ただろう。
だが、未だ巨竜は滅びず。
怨嗟の如き咆哮を上げ、その力の発露とでもいうかのように蒼き炎が吹き荒れる。
迫る猟兵を寄せ付けぬとばかりに、その炎は敵対するものにまとわりつき、その身を焼かんとする。
「グルァ――!!」
「うーむ、厄介な残し物」
しかし、玲はそれを良しとする。
オブリビオンの目論見事態は潰えたのだから。
それに、と彼女は少しばかり意気揚々としていた。
「こーいう正統派な竜退治をするのも偶には楽しいしね」
あの巨竜の威容を見てなお、玲は笑っていた。楽しんでいた。
これが生命の拉致が至る存在の在り方であるというのならば、玲のあっけらかんとした態度は、勇士たちをして凄まじいと言うほかなかっただろう。
抜刀した模造神器の刀身が蒼く煌めく。
あの青い炎の無差別攻撃は厄介そのものだ。生贄の儀式より救出した人々を乗せた飛空艇が巻き込まれる可能性だってある。
「ゴァアアア――!!」
吹き荒れる炎。
それを玲は躱すでもなく、真正面から模造神器を振り抜いて斬撃波でもって打ち消す。
相殺される炎。
なんたる一撃であったことだろうか。だが、その斬撃波で終わるのが玲ではない。
彼女のユーベルコードに瞳が煌めく。
「偽書・焔神起動。断章・機神召喚の章の閲覧を許可。術式起動。断章・機神召喚(フラグメント・マキナアーム)」
彼女の背後に浮かぶは機械腕。
自身の二倍もあろうかという巨大な機械腕に握られたのは、模造神器。巨大化した蒼き刀身は、玲の念動力に寄って自身の右腕とリンクし、その動きを模すのだ。
「後はこちらの射程にまで近づくのみ!」
玲は戦場を駆け抜けていく。
炎が荒ぶ戦場など物ともしない。圧倒的な踏み込み。
そらに舞い上がった『オルクス・デクストラ』より放たれる炎を尽く玲の模造神器が振り抜き、切り裂く。
口腔に蓄えられた光を彼女は見ただろう。
「どれだけ強力な熱戦兵器でもさ! 溜めが長過ぎれば、撃つタイミングなんて知れてるでしょ!」
放たれる光条。
それを巨大な機械腕が振るう模造神器の刀身が切り裂き、力の奔流を大地にまき散らす。
「上を取る!」
その勢いのまま巨大機械腕が『オルクス・デクストラ』の頭上を取るのだ。
振りかぶられる巨大な模造神器。
その蒼き刀身が煌めく中、その影たり地上より玲が大地を蹴る。
上と下。
同時に振り抜かれる斬撃の一撃が躱しようのない斬撃となって『オルクス・デクストラ』を襲う。
「上と下からの同時攻撃。躱せないでしょ!」
斬撃は天と地を絆ぐように『オルクス・デクストラ』の巨体を切り裂く。
飛び散る龍鱗がキラキラと青空の下に飛び、その一枚を玲は手に取る。
「この一枚はお土産にゲットさせてもらうね」
そう笑って、手にとった鱗をはじきポケットに突っ込む。
だが、斬撃に寄って飛び散った龍鱗は一枚だけではない。一枚、と前置きしておいてなんだけれど、玲は飛び散った龍鱗をめざとく回収しながら、ホクホク顔でこの後に待つ換金タイムに胸を躍らせるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
メサイア・エルネイジェ
あら?あの真っ赤なキャバリアモドキ…最近どこかで見たような…
んぎゃー!でっけぇドラゴンに化けましたわ!
こんなお話し聞いておりませんわよー!
助けてー!ヴリちゃーん!
という訳でヴリちゃんが助けに来てくださいましたわ
でっけぇドラゴンにはでっけぇドラゴンをぶつけるのですわ!
オーバーロードでいきなりリグ・ヴェーダモードですわ〜!
ヴリちゃん!あのお胸に埋め込まれた珠を狙うのですわ!
炎のドラゴンは火に巻かれるのを承知で張り倒すのですわ
こちらが灰になる前にあちらを灰にしてしまうのでしてよ〜!
なので手数で推せ推せですわ
どすこーい!テールスマッシャーを顔面に叩き込んで喉元にクラッシャークロー!
頭の動きを封じてしまえば吐けるものも吐けねぇですわ〜!
ダメ押しですわ!ブレードエッジ…はリグ・ヴェーダモードではどこにいってしまったんですの?
翼の爪?あらそうですの?
ブレードエッジでボロ雑巾にして差し上げますわ〜!
一度取り付いたら離れませんのよ!
この距離なら躱せないでしょう?
胸ぐらに噛み付いてジェノサイドバスター!
『オルクス・デクストラ』を切り裂く一文字の斬撃。
砕けた龍鱗が飛び散る中、メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)は光輪放つ機械鎧『アンビシオン』を身にまとい、空を舞うようにして飛ぶ。
彼女は見た。
あの赤い鎧の巨人。
あれは彼女をしてキャバリアモドキと呼ぶに値するものであった。
体高の程は5m。
戦術兵器であるキャバリアと同等の大きさを持ち、あの赤き装甲、そして六腕。三面たるアイセンサーの煌めき。
それは最近何処かで見たような覚えがあるものであったからだ。
だがしかし。
メサイアはちょっと思い出せなかった。
いや、それ以前に此処は戦場である。そんなことを考えていると……。
「グルァァァァァ――
!!!!」
猟兵たちの度重なる攻撃に寄って打撃を与えられた『オルクス・デクストラ』の咆哮が轟く。
その咆哮にメサイアは思わずうめいていた。
「んぎゃー! でっけぇですわ!? まだまだ元気いっぱいですわね!? こんなにお元気だなんて聞いておりませんわよー!」
あれだけの打撃を受けてなお、ここまで暴威を振るう。
炎が吹き荒れ、凄まじい勢いで巻き上がっているのだ。さらにはあの口腔に備えられた『遺骸兵器』たる『ブラスター』の砲身。
それは最後の力を振り絞って極大なる破壊を齎さんとしているようにメサイアには思えたことだろう。
「助けてー! ヴリちゃーん!」
思わずメサイアは叫んでいた。
助けを求めたのだ。
それは、竜帝の盟約(プリンセスオーダー)によりて成された契約。血によって躱された盟約とも言える呪縛。
まあ、いろいろもろもろすっ飛ばしてメサイアは叫んでいた。
それをユーベルコードと呼ぶには、あまりにもぞんざいな召喚の仕方であったが、機械の竜たる『ヴリトラ』が虚空より現れ、その姿を顕す。
「というわけで、でっけぇドラゴンにはでっけぇドラゴンをぶつけるのですわ! オーバーロードでいきなりリグ・ヴェーダモードですわ~!」
超克の光が輝く。
その巨大な顎の中にメサイアは収まり、『ヴリトラ』の真の姿。漆黒の暴竜が、凄まじ咆哮と共に顕現する。
大気を震わし、あらゆるものに破壊を齎す叡智の結晶たる竜。
その黒き暴竜の尾が『オルクス・デクストラ』を打ちのめす。
「ヴリちゃん! あのお胸に埋め込まれた珠を狙うのですわ!」
放たれる炎が『ヴリトラ』の漆黒の体を包み込む。
だが、その炎すらも暴竜たる真の姿を晒した『ヴリトラ』の前には届かない。その漆黒の龍鱗は、あらゆるものを防ぐ。
炎であっても例外ではない。
「こちらが灰になる前にあちらを灰にしてしまうのでしてよ~!」
メサイアの声はあまりにも脳筋過ぎたが、それでも、それを実現できる力が『ヴリトラ』には在る。
吹き荒れる炎を物ともせず、尾の一撃が『オルクス・デクストラ』を追い込んでいく。
「どすこーい! 顔面! 喉元! ですわ~!!」
尾の一撃が『オルクス・デクストラ』の顔面をたたき、大地に叩きつけ、さらに鉤爪の一撃がかち割るようにして喉元を殴り上げる。
猛攻。
一切の反撃を赦さぬ連続攻撃。手数で押せ押せとばかりにメサイアがエキサイトしていく。
「ダメ押しですわ! ブレードエッジは……」
えっと、どこでしたっけ? とメサイアは首をかしげる。
機竜である『ヴリトラ』に装備されていたものは、真の姿を晒した『ヴリトラ』の体に配されているものである。
テイルスマッシャーは尾に。クラッシャークローは鉤爪に。
ならば、ブレードエッジは翼爪に。
「ボロ雑巾にして差し上げますわ~!」
打ち上げられた『オルクス・デクストラ』の巨体を切り裂く翼爪の斬撃。それは嵐のように巨体を切り裂き、『ヴリトラ』の頭部が『オルクス・デクストラ』の顔面へと叩きつけられる。
ヘッドバッドの一撃にたたらを踏む『オルクス・デクストラ』を逃さぬのは『ヴリトラ』の鉤爪であった。
胸ぐらを掴む。
「一度取り付いたら離れませんのよ! この距離なら躱せないでしょう?」
メサイアの瞳がユーベルコードに輝く。
その瞳が見るのは、『オルクス・デクストラ』の核たる宝珠。
穿て、とメサイアはつぶやく。
「ジェノサイドバスターですわ~!」
口腔より放たれるは滅びの光。
宝珠に叩き込まれた光は、その亀裂を更に砕きながら、『オルクス・デクストラ』を打ち砕く。
光条がブルーアルカディアの空を切り裂き、雲海すらも切り裂いて一直線に突き進む。
どこまでも続く青空の下、『オルクス・デクストラ』は霧消し、さらに『遺骸兵器』たる『ブラスター』の砲身もまたひしゃげ、砕けて大地に落ちていく。
「ヴリちゃんはやっぱり頼りになるのですわ~!」
メサイアは『ヴリトラ』を頼もしく思うだろう。
勝利の余韻に浸りながら、メサイアは後方で再び姿を表した赤い鎧の巨人が、その六腕よりオブリビオン化儀式によって奪われた人々の生命力を再び彼等に注ぐのを見ただろう。
「まあ、いいのですわ。今回も一件落着、ですわ~!」
メサイアは楽観的に笑う。
その笑顔が曇ることがない限り、何一つ恐れるべきことはない。
青空の下、再び虚空に消えていく赤い鎧の巨人と『ヴリトラ』。
互いの在り方は違えど、その力は過つことなく世界を救うために使われていると、メサイアは確信するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2022年08月07日
宿敵
『銃士・エア』
『焔極開放『オクルス・デクストラ』』
を撃破!
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