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暴走馬の行き先は

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●暴れ馬
 街道沿いにある、とある宿場町。
 旅人が行き交うそこは、小さい町ながらも人の往来や物流には欠かせない場所。
 平和に見えるその町に、突然襲いかかる、非日常。

 ドドッ! ドドッ! ドドッ!
「「ヒヒヒィーーーンっっ!!!」」

 重い蹄が地面を蹴る音がかさなって聞こえる。まるで地響きのように。
 そして、高々と晴れた空に響き渡る嘶(いなな)き。
「暴れ馬だァーーーー!!!?」
 そう叫んだのは町の入口にさしかかった位置に立っていた旅人の男。
 つかの間、男は馬に蹴り飛ばされる。蹄を受けた内腑が無事で済むはずない。
 そこから先は、阿鼻叫喚の地獄絵図。
 行き先を見失ったかのように宿場町に押し寄せた暴れ馬は10頭はいるだろうか。
 木と紙で出来た家屋は馬の突撃で簡単に崩れ、人々は跳ね飛ばされ蹴り飛ばされて、運が良ければ打ち身で済むが、運が悪けりゃ重傷もしくは命を落とす。
 散々町を文字通り蹂躙して去って行った後に残るのは、崩壊した家屋と人々の呻き声。
『くくく……町一つ潰すのも楽なモンさ』
 そして何者かの嘲笑一つ。

●猟兵たちへ
 グリモアベースの背景に浮かび上がるは、平和なサムライエンパイアの宿場町。
 そう、平和だ。今は。
「暴れ馬の群れが街道沿いの宿場町を襲うんよ、このままやと」
 蓮条・凪紗(魂喰の翡翠・f12887)が予知した旨を猟兵達に伝える。
 どこからともなく現れる暴れ馬はその数10頭弱。制御を失った馬を止めなければ、彼が視た通りに町を蹂躙し、人々は行き場と命を落とす。
「幸い、半刻ほど時間はあるさかい。避難とか防衛準備は可能なはずや」
 半刻、つまり一時間ほど。馬が暴れても被害を抑えるための活動。天下自在符を見せれば人々は従ってくれるだろう。
 そして、暴れ馬が来たらそれを鎮め、暴走を沈静化させれれば……と。だが、それだけでは済まない模様。
「どうも、馬を仕向けよったオブリビオンらしい姿があったんや。馬の集団暴走はソイツに人為的に引き起こされたみたいやし、最終的には様子見に来るやろし」
 ソイツも倒しとこうか。どっちがメインか解らない言い方で凪紗は言う。
「さて、案内するさかい。馬と勝負するやつ、大募集や」
 転移の準備を始めながら、凪紗は猟兵達に笑いかけた。


天宮朱那
 猟兵の皆様、初めまして。天宮朱那と申します。
 以前からご存じの方も初めての方もよろしくお願いします。

 暴れ馬が小さな宿場町に雪崩れ込み暴走蹂躙するので、被害を食い止めて下さい。
 街道沿いに宿が数件立ち並んでる小さな町。

 一章では避難や防御などの迎え撃つ準備。一時間くらいなので手早く。
 二章では暴れ馬の沈静化。捕まえたりなだめたり。
 三章では黒幕登場となるので成敗!の予定。

 ちなみに二章では🔵の数だけ馬を無力化したイメージで書く予定。
 最低でも11頭くらいいるんじゃないかしら。

 まずは手探りで進めていく所存です。
 進行状況などはマスター紹介ページをご参照くださいませ。
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第1章 冒険 『防衛戦に備えて』

POW   :    防衛設備の材料集め/建設

SPD   :    村人の避難誘導を行う

WIZ   :    敵の不意をつけるような罠や隠し通路を考える

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

新納・景久
(SPD)
暴れ馬退治のう
人なあばそん脚に蹴られっばひとたまりもなか
おはんら、家に入っちょれ!
熊なあばともかく、馬は窓も壁も突き破らん
そいで我が身ば守らんかい

建物に避難するよう呼びかけて回る
その際に建物の陰や農耕具置き場、蔵や納屋もチェック
隠れんぼしている子供がいるかもしれない
万が一子供がいれば家を聞いて連れて行く
子供が嫌がれば抱えて手近な宿に預ける
「こん子を預けっで、騒ぎが収まるまで預かってたもんせ。頼っど」
その際には荷物から芋を子供に渡す
「ほれ、こいをやっで、ゆっくり食うて大人しう待っとれな」


白峰・慎矢
今度は暴れ馬か…まったく、油断も隙もありはしないね。どうにかして街に被害がでないようにしないとな。

よし、俺は町の皆の避難誘導をしよう。
まずは町の代表者に天下自在符を見せて、町が半刻後に暴れ馬に襲われるから、皆で避難してもらうように伝えよう。大丈夫、町はできるだけ俺達が守るし、町とか物は、住む人や使う人がいてこそ価値を発揮するものだからさ。
その後は、一人じゃ避難できない人達をおぶったりして避難させよう。暴れ馬がくる方向にいる人たちを優先しないとね。


ミルラ・フラン
(粋筋の女のような縞の着物姿になりつつ)
暴れ馬かぁ……暴れ……UMA……や、なんでもないよ。
……ちゃんと馬だよね?

【SPD】
あたしは避難誘導をしようかな。
ここはお父様(クソジジイ)の本棚からパチってきた【ありがたい説法のコツ100】を参考にしつつ……まず説得するには上の人から。
宿場町の顔役や長老とか、そういった人に目通りを願うよ。
天下自在符を見せて、人為的に暴走させられた暴れ馬がやってくることを説明。
時間がないから早く逃げてと。
足腰の悪いお年寄りや、妊婦さんがいたら避難を手伝うよ。

避難が完了したらあたしは宿場町に戻るよ。
万が一、取り残された人がいたら一大事だ。
それに、次の仕事もあるしね。



「暴れ馬かぁ……暴れ……UMA……」
「ゆーま?」
「や、なんでもないよ。……ちゃんと馬だよね?」
 粋筋の女のような縞柄の着物に身を包んだミルラ・フラン(蘇芳色・f01082)の謎の呟きに、白峰・慎矢(弓に宿った刀使い・f05296)は首を傾げた。
 やってきた宿場町は平和そのもの。だが、半刻もしたら招かれざる存在が現れる。
「今度は暴れ馬か……まったく」
 油断も隙もありはしない。オブリビオンの悪事は止まるところを知らないのかと慎矢は肩をすくめた。まずは、どうにかしてこの町に被害が出ないようにしなければ。
 二人が訪れたのは町の代表者の住まう家。
 町の皆を避難誘導するならば、と二人とも同じ事を考えていた。
「へへぇぇぇっっ!!」
 天下自在符に刻まれた紋所を見せれば、エンパイアの人々はたちまち平伏低頭する。
「説得するにはまず上の人からって、お父様(クソジジイ)が持ってた本に載ってたからね」
 悪びれもせずミルラは微笑む。目の前で地面にめり込む勢いで土下座する顔役の男に頭を上げてもらうと、二人はこの町の危機を伝える。
「暴れ馬……ですと?」
「そう、半刻後には町が襲われるから、皆に避難するよう働きかけてほしい」
「時間がないから早く逃げて……!」
 顔役の男は大慌てで手代の者を呼びつけると、町中にそれを知らせ、避難するよう伝令を走らせる。
 そして、外では新納・景久(未来の親指武蔵・f02698)が混乱する町人達に大声で呼びかけていた。
「人なあばそん脚に蹴られっばひとたまりもなか!」
 外で右往左往している旅人達や町人達は、猟兵達が伝えた馬の来る方向と反対の方に向けて大慌てで移動する。
「おはんら、家に入っちょれ! 熊なあばともかく、馬は窓も壁も突き破らん。そいで我が身ば守らんかい!」
 薩摩ことば故、耳慣れぬ者にはキツく感じるその訛りも、この場では力強くも感じられる。建物に避難するよう呼びかけて周りながらも、男装の剣士は建物の隙間や農具の陰も見逃さないよう確認を怠らない。
「……そけ、だいかおっとか?」
 彼女が問うた先、かくれんぼしてたとおぼしき子供の姿。
 家を尋ねてもぐずって話にならぬと見て、景久は子供を無理矢理抱え上げると避難場所となっている奥の家々に向かう。
 そこには既に、慎矢やミルラが年寄りや妊婦などの歩行が困難な人達を移動させてきたところだった。
「こん子を預けっで、騒ぎが収まるまで預かってたもんせ。頼っど」
 景久はそこに居た女性に子供を託すと、荷物から芋を出し、しゃがんで目線合わせてそっと手渡した。
「ほれ、こいをやっで、ゆっくり食うて大人しう待っとれな」
「……うん」
 大体の女子供や老人病人は避難出来たかに見えた。
「あたしは町の向こうに戻るよ。万が一取り残された人がいたら一大事だ」
「大丈夫、町はできるだけ俺達が守るし、町とか物は、住む人や使う人がいてこそ価値を発揮するものだからさ」
 そう言って避難場所から暴れ馬の来る方向に再び向かう猟兵達。
 まだ、次の仕事が残っているのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

英・明夜
うーん、お馬さんがオブリビオンだったら戦うことも出来たけど。ちゃんと考えて、お馬さんもなるべく無事に、一件落着にしたいよね。

村の入口よりも前に、何か気を逸らせるようなものを置いてみたいな。
少しは、お馬さんの勢いが弱まるかも。
ヒラヒラしてたり、大きかったり、暴走してても気を取られそうなもの。
時間も無いから、吹流しとか。
村の周りにぐるっと、嫌いなにおいの物を置くのも良いかも(辛子とか山葵とかかな。熊の血とか? 農家や馬喰さんに聞けば分かるかな…)。

あとね。お馬さんが駆けて行くのは地面の上だから、穴や堀を作って
上に丈夫な板や鉄を置いたりして、移動が難しい人の為の緊急避難場所を用意したいな。


戸辺・鈴海
[WIZ]
町が襲われる理由も気になるところですが、時間も無いので対策を急ぎましょう。

馬の突進力はバカに出来ないですね。
それに数も居るとなれば、雪崩れ込む勢いを止めるべきです。
つまり勢いを殺す術を施すのが上策ではないでしょうか。

大きな町ではないのならば、主な宿の周囲に罠を張る事を提案致します。
具体的には道の土を掘って窪みを作って、馬が走りにくい環境を作るというものです。
掘って出た土は直ぐ横に積み上げれば、でこぼこな道を作る事は可能ではないかと。
時間はあまり多くないので、宿や避難箇所に近い場所の周囲に重点を置いて作りたいですね。

他の人の案と絡める事が可能ならば、是非とも合わせていきたいところです。



「うーん……お馬さんがオブリビオンだったら戦うことも出来たけど」
 村の入口の辺りを見回しながら、英・明夜(啓明・f03393)は考えを巡らせる。
 馬はあくまでただの馬で暴走させられているだけに過ぎない。馬もなるべく無事に、一件落着にしたい。そう彼は願い、そして考える。
 村の入口よりも前に、何か気を逸らせるものを置いてみるとか。ヒラヒラしたり大きかったり、暴走しても気を取られそうなもの。馬の勢いが少しでも弱まるもの。
 時間も無いし、と吹き流しを竿の先につけてから立てて設置してみる。
 ふわふわひらひらと視界になびく吹き流し。果たして馬達がこれに目を奪われてくれるだろうか。
 明夜の視線の向こう側にはまた別の策を講じている猟兵達がいた。
「馬の突進力はバカに出来ないですね。それに……数も居るとなれば、雪崩れ込む勢いを止めるべきです」
 戸辺・鈴海(味覚を求める来訪者・f00008)は、少し町の中に入ったところで街道に面した主要な宿の前に来ていた。
「勢いを殺す術を施すのが上等――具体的には、土を掘って窪みを作って、馬が走りにくい環境を作るというものです」
 しかし、多くの旅人に長年踏み固められた道を掘るには、重機も無いこの世界では力も時間も要る。後で埋め戻すにも、地面が柔らかくなっていては却って危険。
「穴の上に板とか置いて、緊急避難場所に出来たら良いのに――」
 そこにやってきた明夜の意見。地面の上を駆ける馬の邪魔になるようなことを思い浮かべていたのは彼も同様で。
「でこぼこの道を作れば馬も足を取られてくれるのではと思ったのですけど」
 考えの方向性は良いのだが。時間がなさすぎる。
 そこでふと目に付いたのは。かまどで火を起こすのに使う薪の山。それを地面のでこぼこになるように、道にばらまいた。馬が躓いてくれれば計画通り。
「町が襲われる理由も気になるところですが……」
 鈴海は心配そうな表情で、まずはこれから来る厄災に備えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

大豪傑・麗刃
わたしは防衛の準備をするのだ。

とりあえず車と馬は急には止まれないのだ。
だからこういう時の防衛が逆茂木と決まっているのだ。

木で柵を作るのだ。
んで、木の先端はとがらせておいて、それを外に向けておくと。
こうすると突っ込んでくる馬が勝手にぶすぶすぶすって刺さってくれて自爆してくれると、そういう寸法なのだ。

敵が来るまでに力のある人たちの協力を得て、それをがんばって設置するのだ。
半刻だと村全部は囲めないか。来る方向さえわかればピンポイントで設置すれば良いのだが。



「とりあえず車と馬は急には止まれないのだ」
 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は、そう言うと町の力自慢の男達の協力を仰ぎ呼びかける。
「こういう時の防衛は、逆茂木と決まっているのだ」
「さかもぎ……?」
「柵の一つなのだ。まぁ、これから教えるから一緒に作るのだ」
 彼は男達に余っている木材を集めるように伝える。
 馬がやってくる側の町の入口に、手早く縄と木材を使って簡易な柵を作り上げ、更に先端を尖らせた木材を外に向けて設置する。
「こうすると、突っ込んでくる馬が勝手にブスブスって刺さってくれて自爆してくれると。そういう寸法なのだ」
 半刻だと町全部を囲むには間に合わない。だからこそ、ピンポイントで入口に設置すれば良い――そう作戦を語る麗刃に、町の男達は只者では無いと感じながら従って頑張って突貫工事を終わらせる。
「(どこぞかの戦術指南のお方なのか……?)」
「(あんな面白い顔してんのに……)」
 見かけによらない男、と町の男達に一目置かれる結果になった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『暴れ馬の群れ』

POW   :    馬を力尽くで止めよう。どんと来い暴れ馬!

SPD   :    馬の背に飛び乗ろう。動きを操れないか試してみる。

WIZ   :    馬の進路や目的地を推測して罠を張ろう。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
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 苦戦🔵🔴🔴
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👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 やがて、半刻が過ぎた頃。

 ドドッ! ドドッ! ドドッ!
「「ヒヒヒィーーーンっっ!!!」」

 重い蹄が地面を蹴る音がかさなって聞こえる。まるで地響きのように。
 そして、高々と晴れた空に響き渡る嘶(いなな)き。
 ――ここまでは、グリモアの力によって視えた光景と同じ。
 違うことと言えば、村に近づくと周囲には畜の目を引く吹き流しが揺れ動き、町人の姿の代わりに逆茂木の柵が設置され、地面には足を捕られる障害物が転がっている。
 確かに馬の速度は鈍った。柵にぶつかり、足を捕られ、悲鳴の嘶きを上げた。
 だが、彼らの暴走は完全に止まることはない。落ち着くどころか更に興奮している暴れる馬もいる。
 そして――馬達は町の奥に向けて蹄を向けた。
新納・景久
(SPD)
「駆けぃ黒鬼! ほら、どげんしたとね! おはんらん脚はそん程度が!!」
黒鬼号に跨り、暴れ馬に並走する形をとる
愛馬は軟弱にはしつけていない
走ればどの馬よりも速く、どの馬よりも力強く
そして暴れ馬を挑発する
「何じゃ、ついて来れんが? 軟弱じゃのう」
群の一部だけでもこちらに引き付け、とにかく暴れ馬に注目されるよう挑発を繰り返す
「黒鬼、もちと気張ってたもんせ!」
十分な数を引きつけたら、そのまま村の外へ誘導
自身馬に乗る身の上、暴れ馬とはいえ傷つけたくはない
馬よ、野生に還れ



 パカカッ、パカカッ、パカカッ……!
 暴走馬の後ろより、軽快かつ力強い蹄の音が聞こえてくる。
「駆けぃ黒鬼!」
 愛馬・黒鬼号に跨がり手綱を握りしめる景久の声が響く。
「ほら、どげんしたとね! おはんらん脚はそん程度が!!」
 あっという間に馬の群に追いつくと、景久と黒鬼号は並走する形を取る。
『ヒヒヒーーーンッ!!』
 興奮する馬達に向けて嘶く黒鬼号。景久は愛馬を軟弱にしつけるような魂ではない。走ればどの馬よりも早く、どの馬よりも力強い。そんな自慢の馬と共に、彼女は暴れ馬を挑発する。
「何じゃ、ついて来れんが? 軟弱じゃのう!」
 わざと距離を縮めて暴れ馬の進路を妨害すれば、否応なしに彼らはこちらに気をそらす。
『ぶるるぅっ!!』
「ほぉら、こっちじゃ!」
 群れの一部が集団から離れ、景久とその愛馬を追うように引きつけられる。
「黒鬼、もちと気張ってたもんせ!」
 全力疾走。黒鬼号が先導し、暴れ馬数頭がその後を追って村の外まで出てきた。
 景久は手綱を引いて黒鬼号の速度を緩める。後を追ってきた馬達は、その勢いを殺さずに一人と一頭を追い抜かしてそのまま走り去ってしまった。
「傷つけんで済んでよかった。野生に帰りやんせ――」
 馬達が見えなくなるまで、彼女はしばらく優しい目で見送り続け。
 ほっと一息ついたところで、景久は愛馬にねぎらいの芋を与えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

戸辺・鈴海
[POW]
罠で対策出来ぬ分は身体を張る事と致しましょう。
注意を惹くのであれば体格差を生かしてみるとします。

突進してくる馬に正面方向から対峙しまして、
すれ違いざまに馬のたてがみを掴んで上に乗る事を試みましょう。
後は馬の止め方ですが、宿からタオルとか借りれれば使えるかもしれません。
顔を覆って視界を奪えば、嫌でも止まらざるを得ないです。

逆に何も用意出来ないとしても、身体を張って視界を奪う事は可能ですしっ。
そもそもすれ違うのに失敗したら、ダイレクトに頭へ取り付きにかかりますよ。
もっと身体を張れる展開ならば、馬に目掛けて私を投げてもらえないでしょうか。
私フェアリーですから、小さいんで何とかなるものです。



 向かってくる暴れ馬の群れを前に、鈴海の表情は決意と覚悟に満ちていた。
 何せフェアリーである。ただでさえ馬は人間より大きいのに、フェアリーなど馬からすれば大きい人参くらいの大きさだろう。
「罠で対策しきれなかった分は、身体を張る事と致しましょう」
 この体格差を生かしてみせる――逆転の発想。注意を引く為、彼女は馬の頭の高さに空中待機して真正面から対峙する!
『ヒヒーン!』
「ええいっ!!」
 走り来る馬の風圧に耐えながら、すれ違いざまに馬のたてがみを掴む!!
「ひああああっっ!!??」
 何とかしがみついたが、速さと上下する首の動きに振り落とされそうになる鈴海。
 それでも必死に首の上を這い上がり、頭頂によじ登ると、宿から借りてきた大判の手ぬぐいを拡げて馬の顔――両目を塞ぐように覆う!!
『ぶるるるっ!?』
 突然何も見えなくなった馬は走るどころじゃなく。速度が落ちたところで、先ほど鈴海達がばらまいた薪に蹴躓いて重心を崩し。
 どんがらばっしゃーん、と。道ばたにあった大きな防水桶に向けて倒れ込んだ。
「あいたたた……」
「大丈夫か小さなお嬢ちゃん」
 村の男達が奥の家からそっと顔を出す。腰を押さえながら鈴海は浮き上がると。
「大丈夫です! それよりもう一度参りますので馬に目がけて私を投げてもらえないでしょうか!」
「いやいやいや、身体張りすぎだろ嬢ちゃん」
 だがその十数秒後には彼女の熱意に押された男達の手によって馬の顔に直撃した鈴海の姿があった。
 捨て身にもほどがあるが、先ほど同様に更に一匹の馬の無力化に成功したことは特記しておく。

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
SPD重視:馬術を持って馬を鎮める

こうも馬が徒党を組んで暴れているのを見ると却って滑稽じゃのう
少し大人しくさせるといたそうか

「生憎わらわも馬持ちでな。競争なら付き合うぞ」
ユーベルコード「鎧装馬騎乗」発動
召喚した鎧軍馬に騎乗し暴走を続ける馬に追いつけるよう馬を走らせる
暴走馬の横に付けたらジャンプして馬に飛び移り
うまく飛び乗れたら自身の騎乗術を持って馬をどうどうとなだめつつ速度を落としていく、もしくは開けた場所へ向かうように逆方向へ走らせていく
「これ落ち着かんかの。走ってよい場所はこのような狭い場所ではなかろうに…よしよしいい子じゃ」
落ち着けさせた馬には撫でてあげつつ人参を褒美として与える



「こうも馬が徒党を組んで暴れているのを見ると……却って滑稽じゃのう」
 鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)は口元に扇を当てがったまま、暴れ馬の最初の突入を見てはある意味感心した声色で呟いた。
「少し大人しくさせるといたそうか――」
 パチン、と扇を閉じ、前方にその先を向けて彼女は喚んだ。
『出でよ!!』
 力ある言葉と同時にそこに現れるは一頭の鎧軍馬。小柄な小百合子の倍の体高はあるその駿馬を召喚する術こそ、彼女のみのユーベル・コード。
「生憎わらわも馬持ちでな。競争なら付き合うぞ」
 騎乗し駆け出す鎧軍馬は暴走する馬にあっという間に追いすがるとその横に位置を取る。
「ふっ!」
 彼女は素早く隣の馬に飛び移ると、裸馬にもかかわらずに卓越した騎乗術を持って乗りながら、その首元を軽く叩きつつ声をかける。
「どうどう……これ、落ち着かんかの。走って良い場所はこのような狭い場所ではなかろうに」
『ぶるるる……』
 小百合子によってなだめられながら、馬は徐々に速度を落としていく。周囲にいた二頭ほどもそれに釣られてか興奮状態から覚めつつあった。
「よし、こちらに向かうぞ。わらわに付いて参れ」
 優しい声で馬達に声をかけながら、彼女は町外れの方角に馬を誘導する。
 開けた場所に来たところで馬から下りると、すっかり穏やかな状態になった馬達を見て小百合子は安堵する。
「よしよし、いい子たちじゃ。誉めてつかわそうぞ」
 そっと撫でてあげながら、彼女は褒美とし人参を与えてやったのであった。
「おお!? 髪を食むでない、こら!?」
 なんかすごい、懐かれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白峰・慎矢
うん、皆の策が上手くいってるみたいだね。ここからは俺も頑張って彼らを止めないといけないな。

俺は馬に乗ってなだめてみようかな。彼らも被害者みたいだし、できるだけ傷つけたくないからさ。後ろから近づくと、強力な蹴りが飛んでくるから、正面から近づいた方がいいんだっけ。元気そうな馬の真正面に立って、「残像」で突進をかわして「ダッシュ」「ジャンプ」で横から背中に飛び乗ろう。後は町から離れるように操りつつ、優しく声をかけて落ち着かせよう。
大丈夫、もう怖くないからね。こんなに走って疲れたろう、ちょっと休もうか。



「皆の策が上手くいってるみたいだね」
 慎矢は暴れ馬が速度を落としながら駆けてくるのを満足そうに、真正面から見つめていた。ここからは頑張ってあの馬達を止めなければいけない。そう自分を奮い立たせる。
 何者かによって暴走させられたと言うならば、彼らも被害者だ。出来るだけ傷つけたくない――そう思った彼は、馬に乗ってなだめてやるつもりで走ってくるのを待ち構える。
 後ろから近づけばあの強脚から繰り出される蹴りはきっと免れないだろう。元気すぎる馬の突進を残像残しながらも避けかわし、横から素早く飛び乗った。
 裸馬の首にしがみつくように乗る慎矢。最初は振り落とそうとその場で暴れていた馬だったが、それによって次第に疲れてきたのか、段々動きが鈍くなっていく。
「大丈夫、俺は君を傷つけたりしない。だから、落ち着いてほしいんだ」
 必死に馬の上で均衡を保ちながらも、優しく声をかけ続ける慎矢。それに応えるかのように、落ち着きを取り戻して行く馬。
 動きを徐々に止め、一歩、二歩と進んだところで立ち止まる。
「もう、怖くないからね……」
 よいしょ、と馬から降り、その鼻先をそっと撫でてやる。動物特有の温かなぬくもり。
「こんなに走って疲れたろう、ちょっと休もうか」
 そう言って、慎矢は馬を町の外へと誘導していく。疲れているはずの彼の表情は満足げな笑顔であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミルラ・フラン
ひゃー、いっぱい来たわねー!
馬相手じゃ説法なんか通じないしなぁ……
ほら、サムライエンパイアでは【馬の耳にオブツダン】っていうでしょ?……あれ?違う?

【SPD】
私は飛び乗って撫でたりいなしてみて
落ち着くようなら降りてニンジンをあげて、この走りを労う
誰に頼まれたか知らないけどよく頑張ったよ
目についた一頭一頭をなだめながら回ろうかな

それと、傷だとか変な仕掛けだとか付けられてないかを一頭一頭、撫でたりしながら確認だねぇ……



「ひゃー、いっぱい来たわねー!」
 ミルラは屋根の上より馬が雪崩れ込む様子を見つめて驚きに満ちた声あげた。
「馬相手じゃ説法なんか通じないしなぁ……ほら、サムライエンパイアでは『馬の耳にオブツダン』っていうでしょ?」
 同じように屋根に登って見届けに来ていた男達に問うも、首を傾げられた。
「……あれ? 違う?」
 近い気もするが、違う。
「さて……それじゃ行こっか」
 ひょいっと屋根の上から馬の背中の上目がけて飛び降りるミルラ。突然の重みに驚いたその馬は一瞬蹌踉めいて均衡を立て直そうとその場に踏みとどまる。
「よしよし、落ち着いて頂戴。アンタ達をどうこうするつもりはないから」
 乗った馬の首を撫でながら、彼女は出来るだけ優しい声でいなしてみると、次第に馬も落ち着いてきたのかその場に立ち止まり、首をミルラの方にチラと向けた。
「誰に頼まれてここまで走って来たのかは知らないけど、よく頑張ったよ」
 そう言って持ってきておいた人参を手にすると馬の口元に運ぶ。
 ボリボリと齧り付く様子を見て満足した彼女は、さて、と他の馬が走り去った方向を見つめて呟く。
「この調子で一頭一頭なだめながら回ろうかな」
 そして軽々と屋根の上に飛び乗ると、男達にその馬を任せて彼女は馬がいるらしき方に向けて屋根から屋根に飛び移りながら駆け出す。
(「それにしても――」)
 先ほどの馬に傷だとか変な仕掛けなどがないかを確認したが、特に何も見つからない。
 ただ、馬達が最初、何かに怯えているようにも思えたのは確か。
(「何らかの恐怖を与えられて暴走させられたんだったら、馬達も可哀想だね」)
 まずは暴走を抑えるのが先決。そして彼女は次の馬の背中目がけて飛び降りた。

成功 🔵​🔵​🔴​

大豪傑・麗刃
馬を止めるのは良いのだが。
ここで重要なことがひとつ。

みんな馬は殺すつもりなのか、それとも生きたまま止めるつもりなのか。
わたしは変態なので空気読めないと主張してもいいのだが、どうせならみんなの動きを見て両方で可能な方策で行くのだ。

とりあえず真正面から馬を説得と行こう。
馬よ、そんなにたけり狂っていてはウマくないぞ!馬だけに。

(当然そんなもの馬が聞くはずなく最悪ぶっ飛ばされるだろう)

そ、そなコトすゆ子は、麗ちゃんぶつじょ!!

(以上、変態的衝動のトリガーである)

身体能力を上げたあとはみんなが馬普通に殺すなら右手に刀、左手に脇差(と呼ぶにはちょっと大きい剣)を振るうし、活かすつもりならなんとか力づくで。



「えーと……」
 向かってくる馬を前に、麗刃は確認しておくべきことがあった。
 馬を止めるのは良いのだが、みんな馬の生死はどうするのだろうか、と。
「むぅ……わたしは変態なので空気読めないと主張してもいいのだが」
 変態を自称するこの男は、それでも皆の様子を遠目で確認する。
 どうも、馬は生かす方向でいるようだ、と確信したところで。
 ドドッドドッドドッ!!
 重い蹄の音を響かせる暴れ馬の真正面に仁王立ちする麗刃。
「馬よ、そんなに猛り狂っていてはウマくないぞ! 馬だけに!!」
『ヒヒィィーーーン!!!』
 ドゴオォォッ!!!
 これこそ馬の耳に念仏。人間相手でも壮絶にスベる駄洒落に突っ込みをいれるかの如く、容赦なく麗刃をぶっ飛ばして駆け抜けていく。
「旦那、大丈夫か……?」
「無茶しやがって……」
 屋根の上から町の男達が心配そうに見下ろす。障子に頭から刺さった麗刃の尻しか見えてない。が――。
「そ、そなコトすゆ子は、麗ちゃんぶつじょ!!」
 クワッ!! そう、これまでの行動は全て彼の変態的衝動(注:ユーベルコード)の引き金に過ぎない。お笑い精神に従って行動したその不利な行動から、彼の身体能力は格段に上昇を見せるのであった!!
 右手に刀、左手に大脇差。ただし、刃を逆さに持つ。
「峰打ちでウマいこと馬をぶん殴って止めてやるのだ。なぁに、ウマいこと活かしてやれるのだ」
 そう言って、麗刃は馬の群れに向けて駆けだした。障子に頭が刺さったまま。
「なんだか良くわからないけど」
「あの旦那、やっぱ只者じゃねぇ」
 男達は困惑しながらも彼の大立ち回りを遠くに見つめていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラビ・ラビィ
ラビ参上ラビ!
馬を止めればいいラビ?
それならラビにも手があるラビ。
…そんな小さな体で何ができるか、ラビ?
ラビ、頭を使うラビ!
(キョロキョロと良い場所を探す小さなウサミミテレビウム)

◆ラビの歌を聞くラビ!
【execConfusionSong/.#Rabi】実行ラビ!
対象は馬の群れラビ!
『対象捕捉、演算終了。さあ、ラビの虜になるラビ!』
これで馬を痛めつける事もなく
落ち着いてもらえるはずラビ

歌が馬に効くか、ラビ?
効くラビ。
ラビのお歌は本の魔物にも効いたラビ。
問題ないラビ。
まあ念のため、失敗しても蹴られないとこでやるラビ


ルドルフ・エルランゲン
騎兵対策には馬防柵が有効なのは昔から変わりません。(戦闘知識)
麗刃さんは良くわかってらっしゃる。
兵ではなく裸馬ですが、この状況、利用させてもらいましょう。

●行動:エレクトロレギオン(WIZ)
レギオンを召喚、暴れ馬の周囲、特に目や耳辺りに浮遊させ(フェイント)、音やアームでちょっかいをかけて進路を誘導(おびき寄せ)、
迷走させて(時間稼ぎ)位置感覚を喪失させ、もう一度村の入り口の罠地帯(地形の利用)に誘い込んで罠にかける(だまし討ち)

さて…これで暴れ馬は全て対処できましたかね?
上様の領民に危害を加えようとは不届き千万、そろそろ黒幕にご登場いただきましょうか。



「ラビ参上、ラビ!」
 可愛らしいピンク色のテレビウム――ラビ・ラビィ(らびびうむ・f00825)は颯爽と町にやってきた所で、馬は町の中を駆け回っているところだった。
「んー、馬を止めればいいラビ?」
 屋根の上から様子を見つめ、首を傾げるラビ。そこに、彼女を覆う影が伸びた。
「何か、策でもお有りですか?」
 眼鏡をくいっと上げながら、彼女の後ろに立っていたルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)が問うた。
「ラビにも手があるラビ。小さな体だからこそ、頭を使うラビ!」
 と言って、キョロキョロと周囲を見回すウサミミテレビウム。小さい背丈をこれでもかと伸ばしている様子を見かねて、ルドルフは彼女を後ろから自分の胸の高さまで持ち上げてやる。
「うわぁ、高いラビ♪」
「どんな作戦か仰って頂ければ、協力出来ると思うのですがね?」
「協力? ぜひぜひお願いするラビ」
 そうして彼女はごにょごにょとルドルフに自分の案を伝えてあげて。

「行け、レギオン――!」
 ルドルフの号令と共に、およそ百機近い小型機械兵器が召喚され、次々と馬の群れに向かっていく。蹴られればあっさり破壊はされていくが、目や耳の周囲にまとわりついたりして進路を妨害する事によって彼の思う方向へと馬達は誘導されていく。
 そしてその先は、町の入口。そう、逆茂木の柵が壁になっているのが見えてくる。
「騎馬対策には馬防柵が有効なのは昔から変わりません。今回は裸馬ですが……」
 麗刃さんは良く解ってらっしゃる、とあの柵を作るよう指示した男のことを思い浮かべるルドルフ。馬も、最初の突入の時には暴走の勢いで飛び越えたとは言え、来た道を戻って再びあの柵を越える程、速力は保ってはいなかった。
「対象捕捉、演算終了。さあ、ラビの虜になるラビ!」
 execConfusionSong/.#Rabi(ラビラビ・パニック)発動。ラビから響き渡る電脳魔術が組み込まれた曲の調べに、馬達は耳をぴくっと動かした後に動きを止め、彼女の方を見上げてはまるで歌うように高い声でヒヒィィンと鳴き始める。
「馬にも効くのですね」
「効くラビ! ラビのお歌は本の魔物にも効いたラビ♪」
 やがてその場に座り込んだ馬達の様子に安堵する二人。
 他の猟兵達も馬を鎮めて戻ってくる姿が見える。ほぼ、暴走は鎮静化したと言うことか。
「そろそろ黒幕にご登場いただきましょうか、ね」
 予知されている黒幕の姿。ルドルフが言うまでもなく、それは間もなく姿を現すこととなる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『邪忍軍の女棟梁』

POW   :    闇闘技・流血乱舞
【手裏剣】が命中した対象に対し、高威力高命中の【血濡れの鉤爪の連撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    邪忍法・身代わりの術
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【呪いの木偶人形】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    禁術・影分身
レベル×1体の、【胸元】に1と刻印された戦闘用【妖艶なる分身体】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルシー・ナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「くくく……町一つ潰すのも楽な――あれ、あれれ??」
 そろそろ町も悲惨なことになっているだろうと様子を見に来たその女は、つり上がった目をまんまるくした。
 ――なんか、町の手前は人の姿見えないし、柵やら何やら防衛されちゃってるし、肝心の馬達もあちらこちらで落ち着いて人参やら芋やら食いながらまったりしてるし。
「ちょっと、これ、どういうこと――」
 思わず町の近くまで駆け寄ってしまった女忍者は、そこで気がついた。
 この町を守り抜いた、猟兵達がそこにいることに。
「貴様等――! 街道の拠点となる宿場町を潰すことで物流や交通を麻痺させ、ひいては幕府の経済を混乱させてやろうという我が企みを潰すとは!」
 勝手に目論見を全部ベラベラと吐き出しながら、女忍者は猟兵達を睨み付ける。
「ただでは帰さぬ。その命、此処に置いて行け!」
新納・景久
「おう、良か。俺ん命、こいに置く。代わりんおはんはそん首をこいに置け。獲り合いじゃ!」
鬼棍棒を担ぎ、オブリビオンと対峙
のしのしと距離を詰めるように動き、横薙ぎに大振り
当たろうが空振りだろうが、そのまま鬼棍棒を手放して即座に火縄銃を持ち、銃床で殴りつける
これも直後に手放し、鬼吼丸を引き抜く
(敵はクグリじゃ。同じ手はすぐ読まれよぉ。なあば……!)
武器を次々と切り替えることで、敵に対応の隙を与えない
「チェストォッ!!」
敵の左肩狙って振り下ろす
避けるなら向かって左へステップだろう
太刀も即手放し、一気に懐へ踏み込む
左手に仕込んだ鬼の牙で【隠し剣】を発動
「そん命、頂戴しもす!」

※クグリ=忍者



「おう、良か」
 三尺もの長さの棍棒を肩に担ぎながら、景久はのっしのっしと力強く歩を進め、女忍者と対峙する。そして、ずぅんと重い音を響かせて棍棒の先を前方の地面に着ける。
「俺ん命、こいに置く。代わりんおはんはそん首をこいに置け。獲り合いじゃ!」
 そう高らかに宣戦布告するや否や、その鬼棍棒を軽々と持ち上げ振りかぶり――横薙ぎに大きく払った!
「ちっ!」
 女忍は紙一重で身を仰け反る事で回避するが、そこには既に棍棒を投げ捨て、火縄銃をもう片方の手に持った景久が肉薄していた。
「!!」
 向けられた銃口を鈎爪で引っかけ、その弾道を自分から反らすべく力をかける女忍。――しかし、景久が手にした銃を手にしたのは撃つ為ではない。
「甘か!」
 互いの力が加わって回転した火縄銃の砲身を鷲掴むと、そのまま銃床で突き殴った!
「ごふっ!」
 肋骨に響く震動。溜まらず呻き声を上げる女忍。
 だが、景久の猛攻は止まる所を知らない。
(「敵は忍者(クグリ)じゃ――同じ手ばすぐ読まれよぉ。なあば……!」)
 既にその手には銃の代わりに三尺の大太刀・鬼吼丸が携えられ、女忍の肩目がけて振り下ろされる。
「チェストォォ!!」
「次から次へと――!」
 大振りな一撃は読まれ、女忍は太刀筋と逆に身をよじる。そこに景久は左手を繰り出す。掌に隠された暗器の如き妖刀・鬼の牙が文字通り食らいつく!
「そん命、頂戴しもす!」
 彼女が隠し剣と称するその一撃は、そこまでで一番早く鋭い。
 ざく、と貫いた感触、確かに感じた。
「残念だが、分の悪い賭けに応じる程、人良しでも無い」
 女忍は咄嗟に己の右掌を捨てて刃を受け止めていた。
「貴様(きさん)!?」
「次は、ない」
 ずるっ、と身を後ろに素早く引いて刃を抜くと、女忍は地を蹴り屋根伝いに姿くらます。
 景久は逃げられた事に唇を噛み、刃に付いた血を振り払う。
 手応えは十二分。刃は深く刺さっている。血の量から、次の者に繋ぐ戦いは出来た。
「獲りきれんかった――」
 だが、逃げたと言う事は、景久の命はそこで奪い切れぬと判断されたと言う事。それをどう受け止めるかは、彼女次第。

大成功 🔵​🔵​🔵​

戸辺・鈴海
[POW]
ひと仕事終えたので腹ごしらえしましょう。
宿場であれば、蕎麦やうどん辺りを頂けると有難いですね。
付け合わせにおすすめの品を食べられればより良しです。
フードファイターはいつだって食事に本気ですよ。

ああ、そういえば首謀者な人がいらっしゃるという話でしたか。
腹ごしらえも済ませましたので、ユーベルコードを発動しましょう。
宿場で麺を食べる時間が無い場合は、持参のゼリーで10秒チャージです。

さぁさ、近付く私が大きくなっていくのは錯覚では御座いませんよ。
フェアリーがどれだけ大きくなっていくか、その目で見て驚くがいいです。
精々怯んで腰を抜かさない事ですね、私の箸による一撃を見せてくれましょう。



「ひと仕事終えたあとのうどんは最高です」
 ずるずるちゅるん。鈴海は自分の体がすっぽり収まりそうな大きさの丼に並々入ったうどんをとっても美味しそうに食べている。
 馬を無力化させて疲れたところでお腹が空いた。お腹が空けば食事をする。生きていく為の営みであり、ただ一つの真実であり、等しく与えられた幸福である。
 付け合わせは、この地域伝統の瓜の漬け物。ぱりっと食感。塩気が丁度良い。
 ――食レポ? いいえ、フードファイターはいつだって食事に本気。食べる即ち戦い。
「そう言えば、首謀者の人がいらっしゃると言う話でしたか」
 お汁を啜りながら呟くと、外が騒がしい。どれどれと外に出ると、手負いの女忍者が屋根伝いにこっちに来るのが見える。
「――やはり、こっちまで馬は来れずに鎮圧させられたと言うのか――」
 避難していた人々や無事な家屋を見て、女忍は己の策の失敗をむざむざと見せつけられる。そして、宿の一つから出てきた鈴海の姿を認め、目をこらす。
「猟兵!? こっちにもいたのか!?」
 そしてその左甲の鈎爪を構えると鈴海の方に向けて跳躍する! その大きさから、あっさりひねり潰せるとでも思ったのだろう。
 だが。
「おや、どうしたんですか。来るんじゃなかったんですか?」
 女忍は近づくにつれ、鈴海の身体が大きく見える気がした。いや、実際、大きくなっているのだ。
「さぁさ、近付く私が大きくなっていくのは錯覚では御座いませんよ」
 鈴海のユーベルコード、その名は『Enorme Buongustaio(エノルメ・ヴォングスタイオ)』。麺類を食べればその量だけ、その美味しさだけ彼女は巨大化出来るというもの。
 さっきの食事処の机の上には空の丼が五つ。だって美味しかったんだもの、おうどん。
「くそっ……!」
 女忍が手裏剣を放つ。しかし、それは鈴海の得物である塗り箸によって阻まれた。
 にょきにょきと大きくなった鈴海はフェアリーとは思えない、屋根を越える大きさにまで巨大化すると、とうとう女忍を見下ろすまでになった。
「なん……だと……?」
「私の箸による一撃を見せてくれましょう!」
 ばしぃぃぃいっっっ!!
「うああああっっ!!?」
 大きく振り抜いたその会心の一撃は女忍を思い切り打ち飛ばし、町の入口――反対側まで吹っ飛ばしたのではなかろうか。
「おお、場外まで飛びましたね。さてさて、私はもう少しおうどんを頂いて行くことに致しましょう」
 戦いも一仕事終えて、元の大きさに戻った鈴海はほくほく顔で食事処に戻るのだった。
 ……え、まだ食べるの?

大成功 🔵​🔵​🔵​

鍋島・小百合子
SPD重視:敵将討伐

馬の気性と本質を見誤ったのが敗因のようじゃな!
その上で自らの目的を晒してしまうとはただの痴れ者か

基本は薙刀で応戦
鎧砕き込みでの素早い一撃を意識してのなぎ払い
敵の攻撃には残像を用いて回避に専念、間に合わない場合は懐の小太刀で武器受け
敵が完全な脱力状態になった場合には長弓に持ち替えての射撃
スナイパー込みで目潰し狙い、敵が脱力状態なのを利用して矢で蜂の巣にする
脱力状態が解除された瞬間を見計らってユーベルコード「鎧装馬騎乗」発動
召喚された鎧軍馬にジャンプして騎乗し敵の横を通り過ぎたすれ違いざまに馬の後ろ脚で蹴りつける
「馬を姦計に利用した罪を馬で持って恥として知るがよいわ!!」



「ちぃっ!!」
 一方、吹っ飛ばされた女忍は空中で錐揉み回転しながら屋根に数度足を着きながら、最終的には地面に着地する。
 だが、そこには小百合子の姿。
「ほぉ、逃げずに戻ってきおった。探す手間が省けたというものじゃ」
 構える小百合子。女忍は痛めた右手を庇いながら応戦の構えを取る。
「我が目論見が露見した以上、殺れる者だけでも――」
「自らの目的を晒してしまうような、ただの痴れ者に負ける気なぞせぬわ」
 目の前の女忍をこう評した小百合子は、手にした薙刀でまずは薙ぎ払い攻撃開始。女忍も爪で受け止めながら応じる。
「馬の気性と本質を見誤ったのが敗因のようじゃな!」
「黙れ黙れ黙れ!!」
 爪による連撃が小百合子を襲うも、彼女は残像を残しながら回避し、時に懐に忍ばせた小太刀で受け止めて丁寧に捌ききる。
 とん、と地を蹴って女忍が彼女との間合いを広げる。腕をだらりと下げ、出方を待っているかのようにも見える。
 ここが攻め時と小百合子は仕掛ける。得物を長弓に持ち替えて続けざまに矢を射る。数本が優秀な射手の技能を持って放たれた矢は女忍の肩を射貫くも、その身をゆらゆら揺らして敵は急所だけは避けているようにも見えた。
 それを脱力した状態を解いたか、と読んだ小百合子は己の前に鎧軍馬を喚び、同時に駆けてその上に飛び乗る。
「馬を姦計に利用した罪を馬で持って恥として知るがよいわ!!」
 彼女の騎乗した軍馬は、女忍の横を駆け抜けざまに後ろ脚より強烈な一撃をお見舞いする!
 ――いや、した筈だった。
「なにっ!?」
 蹴り飛ばされ、宙を舞ったのは木偶人形。
「攻撃のその瞬間、受け身を取る事を捨てて力を抜けば済むことよ――」
 女忍の声が聞こえると同時に人形より、馬の強脚と同じ衝撃が放たれ、受けた軍馬は姿を消し、小百合子は地面に投げ出された。
 小百合子は顔を上げると、自分に刺さった矢を抜く女忍の姿。
「貴様、わらわの攻撃をわざと呼び込む為に……!?」
 そもそも反撃を目的に脱力して待つ意味は無い。
「不意を撃ってこその反撃だろう? 相性が悪かった。それだけの話さ」
 くく、と女忍はそう答えた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

白峰・慎矢
忍びの者がそんな簡単に情報を話していいのかい…?そういう目的なら、俺達の世界を守るため、君を倒させてもらうよ。

うーん、相手の身代わりの術は厄介だね。相手に攻撃を読まれないよう、意表を突く必要があるか。なら、俺は刀を抜いて、【集霊斬】を使って霊力を纏って素早く接近して刀で攻撃…すると見せかけて(フェイント)、隠し持っていた隠し小刀を相手に「投擲」して攻撃しよう。残念だけど、俺は刀より、弓とか飛び道具の方が得意みたいなんだよね。

UCを躱されちゃったら、そのまま接近して刀を使って「見切り」で攻撃を避けつつ「カウンター」狙いで攻撃するよ。



 そこに駆けつけた者が一人。慎矢は素早く刀を手に女忍に斬りかかる。キィン、と涼しく硬質な音が響き、二人はさっと間合いを取った。
「また猟兵……こんなに大勢でこんな田舎の町を助けに来たのか。つくづく暇な連中よ」
「というか、さっきの貴女の台詞。忍びの者がそんなに簡単に情報や戦略やらを話して良かったのかい……?」
 慎矢の淡々とした――と言うか呆れ半分なツッコみ。
「………」
「ん?」
「そういえば、そうだな。うっかりしていた」
 くく、と女忍は肩揺らして笑う。否定はしない。天然の成した業なのか、戦略なのか。冷や汗が見える辺り、前者かもしれないが。
「いずれにせよ、そういう目的なら、俺達の世界を守るため、君を倒させてもらうよ」
「威勢の良いことだな」
 挑発には躍らされない。慎矢はヤドリガミたる己の霊力を高めその身に纏う。
「――参る」
 その瞬間、彼は刀の切っ先を女忍に向けて繰り出していた。
「速い――!?」
 技を喰らう瞬間を読めたからこそ、先ほどは身代わりの術を使えた女忍だったが。慎矢の剣技にしてユーベルコード・集霊斬(シュウレイザン)は予想を上回る速度で一撃を放つ。
 咄嗟に腕で防御する女忍だったが、既に遅く。その右腕に食らいついた刃。事実上、腕一本に止めを刺したようなもの。
「くっ!」
 女忍は数歩、地を蹴って下がるも。慎矢は懐に隠し持っていた小刀を投げつける! 避けられず、小さな刃は女忍の脇腹を裂いて飛ぶ。
「残念だけど」
 慎矢は告げる。俺は刀より、飛び道具の方が得意みたいなんだよね――と。
「元々弓だから、当然だったりするのかな」
 どう思う、と微笑んで問う彼に対し、女忍はいよいよ余裕が表情から消えつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルラ・フラン
ほー、アンタがこの事件の首謀者かい?
金は天下の回り者!商売の邪魔をしたツケ、払ってもらおうじゃないの!

真の姿……っても、髪が伸びるだけなんだけど、テンション上がるわねぇ!

【WIZ】
分身しようが、こっちが長物を持ってるなら無駄無駄ァ!
Convinzione……大鎌をぶん回し、合体される前に潰すか
一発お見舞いしたヤツに【2回攻撃】で再度攻撃し【傷口をえぐる】

で、本体も叩かないとね
胸に数字のあるヤツが本物か!

(ロザリオを掲げ)
ジャッジメント・クルセイド!
【属性攻撃】を乗せる。属性は光!

倒せたらジャパニーズ・サケとか奢ってもらえないかなぁ……


大豪傑・麗刃
あやしげなやつなのだ!
わたしもよくあやしいあやしい言われるが、ここまでではないのだ!

それはともかく!
馬を暴走させた上にわたしをこんな目に合わせた元凶はおまえか!

わたしは怒ったのだ~!!

(スーパー変態人発動)

そして右手に刀と脇差(と呼ぶにはちょっと大きすぎる剣)を両方握り(身体能力上がってるからこそできる芸当である)、左手には斧を持ち、思いっきり斬って殴ってあーやってこーやってこーなだけなのだ!

手裏剣飛んできても斬ってはじけばいいのだ!
なんか変な分身とか来ても全部斬ればいいのだ!
身代わりの術……どうにかなるのだ(おい)



「むむ、あやしげなやつなのだ!」
 そこに更にやってきた麗刃は戦闘中の様子を認めて駆け寄ってくる。
「わたしもよくあやしいあやしい言われるが、ここまでではないのだ!」
「いや、自分で認めなさんなよ、麗刃サン……」
 確かにクソ怪しいけど。頭から障子に刺さったままだけど。呆れ顔でやってきたミルラはツッコみ入れつつ、大鎌を構えて女忍に向き直る。
「で、そっちアンタがこの事件の首謀者かい?」
 負傷者が回収されたのをチラと見届け、二人は大見得を切る。
「金は天下の回り者! 商売の邪魔をしたツケ、払ってもらおうじゃないの!」
「馬を暴走させた上にわたしをこんな目に合わせた元凶はおまえか!」
「別に貴様の――まぁ、いい」
 ツッコむ気力も殆ど無いのだろう。女忍は左の爪を構え、徐々に後退する。右腕は既に使い物にならない。隙あらば逃走するつもりのようだ。
「フンッ!」
 禁術・影分身によって十数体の分身体を出現させた女忍。
「そう来たか……!」
 ミルラは敵の手を予測済み。だが、自分が長物を持っている以上――。
「無駄無駄ァ!」
 大鎌を振り回し、当たった先から真っ二つに両断されて消滅する分身体。真の姿を現したミルラの伸びた髪が、彼女の高揚を示すが如く舞い踊る。
「ハアァァァァ!!!」
 そして本気になったのは麗刃もだった。
「わたしは! 怒ったのだ~!!」
 誰もが金色に視認出来る気を身体中から放出し、その黒髪も逆立てたその姿。
 戦闘力が激増した彼の右手には刀と大脇差、左手には斧。軽々と手にした彼の得物が分身達を次から次に斬り倒す!
「あーやってこーやってこーなだけなのだ!」
「良く分かんないけど、なんか凄いよアンタ!」
 合体しようとするのを阻止しながら、二人は探す。胸元に数字の刻印が無い個体を。
「見つけた――!」
 ミルラがロザリオを添えた指を指し示した先。どさくさに紛れて場から離れようとしていた女忍本体の姿を。
 気付かれたことを認識した女忍は手裏剣を投げつける。が、麗刃が超速度で割って入ると叩き落とした。
「ミルラちゃん、お願いするのだ!」
「裁きの光よ、此処に!!」
 彼女の祈りと共に、天から光が降り注ぐ! まるで稲妻の様に貫いたその聖なる力は女忍の身体を灼きつくす!
「そんな、まさか私が……!」
 そう断末魔を上げ。女忍の姿は光の中で黒い消し炭のようになって消え去ったのだった。

 猟兵達の活躍により、宿場町は平和が保たれた。
 暴走していた馬の一部は、町の男達が面倒を見ると言ってくれた。きっと馬達はこれから旅人の良き助けとなって生きていく事だろう。
 そして、町を守った猛者達の話は語り継がれる事だろう。
 一部人物については、面白可笑しく伝わるかも知れないが。事実だしシカタナイネ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月03日


挿絵イラスト