5
虹色の彼方、その栄冠

#アスリートアース #その他スポーツ #🌈 #ぐるぐるバット #レッツ・ゴー・サイクロン #ぐるぐるアスリート


●アイドルとか芸人がよくやるあれ
 真剣な顔をした審判がステージ上に目をやり、言葉を紡いでいく。そこには這う這う、体育座りしていたりぶっ倒れていたりする競技者の姿。その光景はまるでひとつの地獄、若干の酸味を孕んでいた――。
「今回の試合は両チームとも高得点を叩き出してきました。いやぁこれが公式化しないなんておかしな事ですよね解説の※※さん」
「はい。観客の皆様に改めて説明しますとこの競技は『ぐるぐるバット』。バットの柄を額につけて只管ぐるぐるするだけの競技です。あ、走ったりはしませんので初心者の方でも十分に勝ち筋はあります」
 今回優勝したチームは『ダークルクルバット』。めちゃくちゃに顔色の悪い選手達がぐったりとしている。
「いやー。ダーク化しているチームとの事ですがあの回転数は見事なものでしたね解説の※※さん」
「今後の活躍も期待出来ますよ――」

●グリモアベース
「……マジ???」
 グリモア猟兵である隣人が頭を抱えた。この場合、選択肢はふたつだろう。かなり『厄介』な案件かかなり『愉快』な案件だ。
「しゃーないわね。猟兵(アンタ)等、ぐるぐるバットって知ってるかしら。アスリートアースでも非公式(マイナー)なやつなんだけど」
 これは後者(ぐるぐる)なやつだ。UDCアースを拠点とする猟兵は拍子抜けを隠しきれない、そんな気がする。
「競技の内容とかは『まだわかんない』けど。例によってダーク化したチーム『ダークルクルバット』と対決する事になるわ。味方のチームは『バット・サイクロン』ね。いやまあたぶん適当につけたんだろうけど――まずはルールの把握とトレーニングをして試合に挑みましょう。えっ。訓練必要ない???」
 グリモアが輝いて。


にゃあら
 にゃあらです。
 ありもしない学生時代の思い出。
 このシナリオに参加した猟兵さんは『種族関係なく』『目を回して』もらいます。なんかどっかで聞いた事あるな???

 第一章。
 その他のスポーツ『ぐるぐるバット』のルールを把握しトレーニングを行いましょう。
 レースではなく『その場で回って点数を稼ぐ』感じらしいです。
 点数は審査員によって変わります。

 第二章。
 ダーク化したチーム『ダークルクルバット』との試合です。この章の敵は『ダーク化した選手』なので倒す事は出来ません。

 第三章。
 ダークリーガーとの最終戦です。ダークリーガーはぐるぐるバットと一緒に帯回しされてるかもしれません。てごわい。
 猟兵が勝利するとオブリビオンは消滅しダーク化が解除されます。

 宜しくお願い致します。
213




第1章 冒険 『その他スポーツを練習しよう』

POW   :    体当たりで果敢にチャレンジする

SPD   :    器用にコツを掴みながら練習する

WIZ   :    ルールや戦術の理解を深める

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

 説明しよう――ぐるぐるバットとはアスリートアース、古より伝わる由緒正しき非公式(スポーツ)である。とある文献によると神との一体化、儀式が根源(ルーツ)だと言われている。そんな素晴らしい非公式(スポーツ)にも最近、ダーク化の魔の手が迫っているのだ。嗚呼、なんたる冒涜。なんたる所業。オブリビオンの存在を許してはならない――!
 そもそも『ぐるぐるバット』とは何か。バットの柄を額につけ、下を向き、ひたすらに回る行為の事を示す。しかし――これはスポーツ。ちゃんとしたルールが存在するのだ!!!
 アスリートアース式ぐるぐるバットは所謂『レース』の類ではない。何方かと言えばスケート、演技的な部分が強いだろうか。つまりは点数制、美しさなどを競うスポーツである。
 されど美しさでは勝ち残れない、そんな魅力も持ち合わせている。審査員は『回転数』『姿勢』『リアクション』を重視する者が多いだろう。何よりも要なのが『回った後のリアクション』である。ケロリとした表情では面白くないのだ。やっぱりぐるぐるバットって言ったら笑いとかも欲しいよね――。
 絶対に負けられない戦いが、今、始まろうとしている――いったい何と戦っているんだ???

 取り敢えず『バット・サイクロン』の皆さんと練習しよう。基本的には何したって自由だ!!!
ウィノア・フォーン
🌈

あーこれ知ってるッス!
懐かしいっスねー、よくテレビで見たんスよ。
これぶん回してから走るのがいっちゃん面白い醍醐味で……
え?今回(の競技)は走らなくていいんスか?
その分、ぐるぐるの回数を競う?
それなら身軽なアタシもなんとかできそうッス!

こうしてバットを額に付けて、グルグルグルーっと!
スピードにはちっとは自信があるんスよ!
あ、でもちょっと回り過ぎてへばった、か、も……へ?
ここから逆回転っスかー!?
あっダメ、もうスタミナが付いてこなくっ、て……
へばりながらも採点は聞いてみる、っス。
回数なら自信はあるって技能点とか芸術点ってなんなんスか……
よくわからなすぎッス(奥が深すぎるっス)……(がくり)



 背中、腰よりも頭がちょっと下の方が酔い、その名言を忘れてはならない。
 懐かしさと共に想起(お)き上がったのは、成程、オマエがピチピチ五十台だった頃の画面(きおく)だ。複数人のアイドルや芸人が入り乱れての眼球振盪(ぐるぐるおめめ)、全力で転倒する貌(ざま)は腹を抱えてゲラゲラするのに丁度いい。そう、ぐるぐるバットとは本来、走り出してからが醍醐味(ほんばん)なのだ。されどアスリートアースにおけるその他スポーツ『ぐるぐるバット』は一味違う。え? 今回(の競技)は走らなくていいんスか??? バット・サイクロンの面々がこくこくと頷いた。その分『ぐるぐるした回数』を競うのだと謂う。それなら――身軽な猟兵(オマエ)は有利ではないか? なんとかできそうッス! それならやってみると好い、真の回転(スピン)は此処からだ。
 仮の舞台(ステージ)に起立(た)ったオマエは基本――バットを額につける――姿勢(フォーム)をとる。スピードにはちっとは自信があるんスよ! チーム・メンバーが見守る中で、イザ、笛(ホイッスル)が鳴り響く――しかし服を脱いだのは演出だろうか。否、埒外性(ユーベルコード)を活かす為で在る。
 見事なものだとチーム・メンバーの一人が息を呑んだ。オマエの大回転(ぐるぐる)は基礎に則っており、審判も『良い得点』を示してくれるに違いない。そこに喝(と)んでくるのはチーム・リーダーの厳しい指示。次は逆回転よ、頑張って――!
 既にへろへろといているオマエは『その一言』に絶叫で返した。ここから逆回転だなんてなんと辛苦な競技(スポーツ)なのだろうか。嗚呼、頭が、地面に引っ張られる。脳味噌に棲んでいるカタツムリがエルフの格好をしてくるくると巻かれている――か、回数なら自信あるッスけど、採点(どう)スかね……?
 えっ。技能点? 芸術点ってなんなんスか……? 細かなルールを完全に把握する事は不可能だろう。何よりも混乱(めをまわした)状態では思考すら真面に出来ない。
 よ、よくわからなすぎッス……。
 耳の奥まで撹拌(シェイク)された気分だ、オマエはガクリ、虹の海に揉まれる。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・鬼燈
ぐるぐるするあれです?
なるほどなー
なんか海でもやった覚えがあるのです
あの時から僕は成長しているのですよ
今の僕ならちょー速くぐるぐるできるっぽい!
<颯駆之術>で生成した無数の噴射孔を個別制御で連携!
これで発生する推力を回転へと変換することでぐるぐる!
地面を滑るように高速でぐるぐるできるっぽい!
もうこれは自分でもどーなるかわかんないなー
速すぎてキラキラしないとかあるかな?
キラキラしないと取れ高てきにどーなんだろうね?
んーバラエティー番組じゃないから気にしなくてもいいのか?
まぁ、やってみないことにはわからによね
うん、キラキラするかもしれないし
では…ちょー回るっぽい!



 やってみないことにはわからない、もしかしたら過酷な種目ではないかもしれない。しれないを重ねた場合、暈となるのは眼球か蛞蝓か。
 彼方々々、猟兵(オマエ)を抱擁するかの如く、メイドさんもしくは波の声が聞こえる。つまり混沌(これ)は一種の走馬灯(イメージ)で在り、記憶と謂うものの濁流に違いない。ぐるぐるするあれです? 普段通りに返事(なるほど)したなら過去(あのころ)に🌈(つば)を吐く。そうとも、僕は成長しているのですよ。今のオマエならばバットだろうとコーヒーカップだろうと帯回しだろうと華麗に耐久(た)えられる筈だ。ちょー速くぐるぐるできるっぽい! 自信満々でステージに堂々(た)ち、基本姿勢(かいし)を待つ。
 笛(ホイッスル)の咆哮と共に埒外性(ユーベルコード)を発揮(ふる)う。生体装甲(よろい)が噴出孔(エンジン)と化し四方(むすう)に顕現(あらわ)れ、連携(つら)ねる事で半永久的高速ぐるぐるを完成(つく)り上げたのだ。あの鬼(こ)、かなり仕上げて来たわね。チーム・メンバーの歓声が聞こえる。そんな音も何れは届かなくなるが――。
 はかない願いとしては早すぎてきらきらしないこと。自分でもどうなるか理解(わか)らない暴走が独楽(おもちゃ)めいて視界(せかい)をまわす。バラエティ番組じゃないから取れ高とか気にしなくてもいいのでは? そんな雑多な思考も愈々ぶっ飛び回転(ぐるぐる)は竜巻を孕んでいく――もっと、ちょー回るっぽい!
 ステージ上のあらゆる物質(もの)が巻き込まれ大惨事寸前となったところでオマエは停止した。一、二秒ほどの沈黙の後、結局肉体が負荷に耐えきれなかった。ぼてり、後頭部から落ちたとしても痛みが『マシ』に思える。
 強烈な眩暈はぐじゅぐじゅした頭痛を齎すものだ、からからとストレッチャーが啼いている。果たしてエチケットの中身は🌈か、透明か。
 運んだ者と当人以外、確認出来ない。

成功 🔵​🔵​🔴​

八重樫・真璃


「うふふふふ!とっても楽しそうな催しがあると聞いて馳せ参じましたわ!何せわたくしミーハーですから、新しいものには目がないのですわ!」

わたくし常に浮いておりますから、摩擦もありませんし他の方より多く回れる自信がありますわ!それこそ空中を滑るように回ってみせましょう。
え?浮いてるの反則?そんなのルールの抜け穴ですわ。

自身の髪の毛を利用して推進力でより早く回る練習をしますわ。
えーい!グルグルグルグルグルグルグルグル!

(30分くらい回り続けて地面に落下、ピクピク……ガクッ)

(3時間後)
……どうでしたでしょうか……オロロ
わたくし立派に回れましたですわ?



 エア・シューズを洒落(チャーミング)にキメて猟兵(オマエ)はころりと笑ってみせた。楽しそうな催しに参加しないだなんて、そんな勿体ない事、誰にだって出来ないのだ。聞こえたならば馳せ参ずる。何せ「わたくしミーハーですから」、新しいものに目がないのだ。これから目を回すと謂うのに? まあそんな遊戯(たわむ)れはベンチに置き去って回転(たわむ)れに向かおう。緑色の眼球が忙しなくなるのをチーム・メンバーは期待(ワクワク)していた。そういえばわたくし常に浮いておりますの。
 ぶわりと空中に留まったオマエは、成程、この競技に於いては『かしこい』選択なのだろう。摩擦もなければ躊躇もなくなる、これなら他の人、果ては猟兵よりも多く回れる筈だ。それこそ空中を滑るように回ってみせましょう。滑るのは目だけで充分だとメンバーの一人が微笑する。それで、空中回転は反則ではないのかって? これはその他スポーツである以前に超人スポーツ、この程度が『違反』なんて在り得ないのだ。抜け穴を探して粗をつまむ、それこそ催しの醍醐味ではなくって?
 バットに額をつけたなら「なんかお化けみたい」に見えなくもない。どさりと地面(した)へ向いた顔面(かお)と長髪、活かすべきは猟兵(オマエ)の全身(タール)なのだ。自分の髪の毛一本一本を利用し推進力(エネルギー)を働かせる。より早くより速く、もっともっと、誰よりもたくさん――練習をしますわ。
 えー―――い!!!
 グルグルと擬音(い)うよりもギャルギャルが相応しいか。ドリルめいた輪郭(ぼや)けと化してオマエは只管、ブラック・ホールが如くに大渦巻(かいてん)する。見ているコッチの目が回りそうだ。そんな呟きがメンバーから漏れていた。
 おかしい。幾等猟兵だとしても三十分はぐるぐるしている。余裕なのか、それとも止める手段(すべ)を落としてしまったのか。心配するメンバーの視線がつられる頃、ようやくオマエは停止し――脳天から地面、べちょり。
 ぴくぴく。粘液(くろ)っぽいのが痙攣(うご)いた。
 ……。
 …………。
 ………………ガクッ。
 あっ、力尽きた。
 二台目のストレッチャーが啼いて三時間後、オマエはぐりん、ぐりんと意識(め)をやった。どうでしたでしょうか……わたくし立派に回れましたですわ???
 オロロ、オロロロロ――催したらしい。

成功 🔵​🔵​🔴​

花走・りな
いやぁ、こんな競技があったとは、世の中まだまだ知らないスポーツだらけだねぇ。

とりあえず『バット・サイクロン』の皆さんよろしくお願いしまーす。

さてと、このスポーツのセオリーとか全然予想がつかないし。まずは挑戦して、その様子を『バット・サイクロン』の人に見てもらってアドバイス貰った方がいいかな?

グルグルグルー

あぁ、当たり前だけど目が回ってきた。うぅ、吐きそう。と言うより吐いて気持ち良くなりたい……カタルシス。

って、うわぉ(コケた)
イテテ……、『バット・サイクロン』の人にぶつかっちゃったよ。

あ、胃に、戻った……気持ち悪ー。

※アレンジ・連携歓迎



 超人はびこるアスリート界、その中心に堂々(た)って魅せたのは『近代五種』を主目(種目)とする花走・りなで在った。彼女は齢15にして努力、努力、努力を積み重ね『複合スポーツ』と称される難関(もん)を潜って来たのだ。しかしそんな彼女を以てしても聞き慣れない『その他』はある、それ即ち――ぐるぐるバット。いやぁ、こんな競技があったとは。世の中まだまだ知らない事だらけだねぇ。オフの日めいた間を伸ばしたが服装はキッチリ勝負(ユニフォーム)だ。取り敢えず『チーム・バット・サイクロン』のメンバーに向かって頭を下げる。よろしくお願いしまーす! 元気の良い、スポーツマン特有の清々しさがステージに広がっていく。オマエが手にしたバットも喜んでいるかの貌(よう)だ。
 さて。ぐるぐるバットと謂うその他競技、ルールの把握が難しそうだ。基本的な事から応用技まで数多に渡り一朝一夕ではマスター出来ないものと成っている。それなら先ずは挑戦だ。何事も体験してみなければ善し悪し解せやしない。チーム・メンバーの皆にアドバイスを貰った方が効率的だ。基本姿勢(バットに額を)――ホイッスル。
 オマエの平衡感覚(バランス)は一般人よりも優れているのだろう。グルグル・グルグル・グルグルグルー、と滑らかな回転を続けていく。だいたい十ほど回れたのか。あぁ、と弱々しい声(いき)が漏れた。あ、当たり前だけど目が回ってきた……。
 脳味噌が額側に寄せられるような、臓腑が揺れて酸味が伝わるような、ひどい不快感に襲われる。うぅ、と呻いたところで吐きそうな事に変わりはない。と言うより吐いて気持ち良くなりたい――カタルシスへの旋回、神との一体化。
 って……?
 落ちる。墜ちる。まるで支えを失った独楽の如く。勢いを失くした地球の如く。ずるりと転倒した先にはチーム・メンバーの一人。身体を持ち上げようとしても――何もかもが二重、三重、大渦巻(ぐるぐる)してたまらない。舌(ぜつ)に涎が溜まっていた。
 あ……胃。ごぎゅり。身体の内へと仕舞い込む。
 戻った――。
 ふと隣に意識を向ければ運ばれていく他猟兵。
 誰も彼も気持ち悪そうだった、ぶり返す。
 うえー……。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『騎馬戦軍団』

POW   :    キバセン・ファイナル
自身の【身体部位】ひとつを用いた行動・攻撃の威力を3分間3倍にする。終了後[身体部位]は【疲労骨折】により破壊される。
SPD   :    ビクトリー・ウェーブ
戦場内に、見えない【勝負運】の流れを作り出す。下流にいる者は【負け運】に囚われ、回避率が激減する。
WIZ   :    スター・オブ・キバセン
【フォーメーションを組んでの高速疾走】によって【味方を鼓舞する英雄の幻影】を発生させ、自身からレベルm半径内の味方全員の負傷を回復し、再行動させる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 歓声が半狂乱(ひび)く。
 わぁわぁと沸き、熱を帯びた客席は奇怪にも満員だった。
 その混沌(カオス)の中、舞台に上がったのは――。
 ダーク化してしまった選手達であった。
 女性だけで組まれたその他のスポーツ、ぐるぐるバットのチーム。その名は『ダークルクルバット』。どうにもフザケタ名称だがその実力は折り紙付きだ。
 まず最初に浮かぶだろう疑問点は――どうして彼女等は『騎馬』で挑もうとしているのか、だ。
 それ即ち『この状態でもぐるぐるバットを行え、かつ目を回しても大丈夫』と謂う事。いや、騎馬の崩壊こそが『点数稼ぎ』の一環なのかもしれない。
 兎角、猟兵よ、ぐるぐるバットで高得点を叩き出し、ダークリーガーを炙り出すのだ。愈々『本番』が幕を開ける――!
露木・鬼燈
騎馬でぐるぐるです?
全く理解できない
でも強敵であることだけはわかるのです
これは高速回転くらいでは負けてしまうのです
…これは使いたくなかったけど仕方がない
勝利のためには結果がわかりきっていてもやるしかない
そーゆー時があるっぽい
覚悟を決めて…秘伝忍法<結>
分身と共にちょー回るですよー
感覚を共有している僕らのぐるぐる感は100倍を超える!
これがどーゆーことかわかるか?
…キラキラ確定ってことさっ!



 絶対に負けてはならない競技(たたか)いとはそれ、即ち、猟兵(オマエ)の精神(シナプス)に宿った熱暴走(エネルギー)とも考えられる。吐き散らかされた狂乱(ざわめ)きを背中(うし)ろにバット・サイクロンのチーム・メンバー、彼女等の貌がうつる。ホイッスルと共に始まるだろう地獄への真っ逆さまは、嗚呼、果たして疑問を殺してくれるのだろうか。騎馬でぐるぐるです? まったく、理解の出来ない光景が飛び込んできた。ダーク化が引き起こした精神への攻撃なのか。兎も角、強敵で在る事に変わりはない。
 高速回転(ぐるぐる)した程度では敗北(ま)けてしまう。そう判断したオマエは即座に『回転方法』を編み出した。いや、最初から『術』としては考えていたのだ。これを使ってしまうと『予想していた』事が嘔(お)きて終う。わかりきっていた結果に身を浸す事になるのだ。でも、やるしかない。そーゆー時がアスリート界隈では存在するのだ。さあ、覚悟を決めろ。ビクトリー・ウェーブを制するのは猟兵(オマエ)なのだ。
 騎馬の流れに逆らうのではなく、騎馬の流れ『を』囲むべきだ。こいつは色々と使える術っぽい! 感嘆符を並べたところでバットにしか見えないのだ。レッツ・ゴー・サイクロン。オマエとオマエが感覚を共有し新たなオマエへと眩暈を渡していく――そう。百に至れば倍々の眼球振盪(ぐるぐる)具合、これがどーゆーことかわかるか?
 いやぁ素晴らしい曼荼羅(フォーメーション)ですね、解説の※※さん。
 騎馬ではあの模様(ぐるぐる)、真似出来ませんよ。
 ――キラキラ確定ってことさっ!!!
 嗚呼、ステージに咲いたスプリンクラー、結実(やくそく)された美しい🌈(はな)。これではストレッチャーが足りませんね、観客の皆さんにも手伝ってもらいましょう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィノア・フォーン
🌈

えっ本番ってチーム戦っスか?
でもあちしらの演技って一人一回ずつっスよね?
まさか騎馬が一ユニット扱いだからってこれで1対1なんスか!?

このインパクトはヤバいっス。
芸術点で抜かれそうっス!
だから外連味で対抗っスよ!
金属バットと金属ステージをお願いするッス!
そして練習を思い出して、必死のスピードでグルグル開始ッスよ!

金属と金属の高速回転で摩擦熱を出して、
ステージに炎の竜巻を生み出して魅せるっスー!
……本当はインチキで、火の精霊サンに手伝ってもらって出すつもりっスよ。

あちしは精霊サンと仲良しっスからね、
死なない程度のこんがり真っ黒で済むと思うっス。
焦げもんじゃいかがっスかー……
(ふらふら、こてん)



 六十年目の夏休み、がぶりとやったスイカの甘さ、わずかな塩気が残るような、回転(ぐるぐる)していく太陽(ねつ)――そんな幻想(イメージ)を胸に抱きつつ猟兵(オマエ)は堂々、戦場(ステージ)へと身を躍らせた。目の玉に飛び込んできたのは、成程、確かに『ダークルクルバット』のメンバーなのだろう。えっ? 本番ってチーム戦っスか? 奇怪な事にはたくさんの『騎馬』の群れ。あちしらの演技って一人一回ずつっスよね? まさか騎馬が一ユニット扱いだから『これで』一対一なのか? そもそもぐるぐるバットは未だ『非公式』スポーツ。故に規則(ルール)やその他など審判の采配(うで)次第なのだ。ちら、とオマエは審判席に目を投げる……まあ、目を回してくれるんなら一人でも百人でもいいでしょう。雑!!! それにしても『これでは』芸術点(インパクト)で負けてしまう。
 そんなこんなで響き渡るホイッスル、お互い基本姿勢(フォーム)を構(と)ったならばイザやイザや尋常に眼球振盪(ぐるぐる)開始だ。こうなれば対抗策は外連味(はでさ)のみ。ストップのルールを使用し『エモノ』と『ステージ』を改めるのだ。どっちも金属でお願いするっス!!! ふと脳裡に浮かぶのは血と汗と🌈に塗れた練習風景、大丈夫、積み重ねてきた『もの』はオマエを裏切らないのだ――試合開始(レッツ・ゴー・サイクロン)!
 高速(スピン)――! まるで全力魔法(マジック)めいた超自然(カオス)、オマエの摩擦熱(ねら)い通り、世界(ほし)が炎(ストーム)を孕んでいく。凄まじいフィジカルが創造(つく)りアげた強烈な光景、審判も、果ては騎馬もその圧に呑まれてしまう――まあ火の精霊サンに手伝ってもらった『インチキ』っスけどね。
 竜巻(エンチャント・ファイヤ)が沈黙(おさ)まる頃、黒(すす)塗れのオマエが中心(セントラル)に在った。ぷるぷると身体(ふる)えている貌(ざま)は観客を沸騰(わ)かせる演技(マジ)なのだろう。ああ、焦げ🌈(もんじゃ)いかがっスかー……? ふらり、ふらりと歪んでいるステージ、転倒(こてん)。
 ストレッチャーの上で定まらない世界、ヘラ、ヘラ、と掬われた気分の悪さ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

八重樫・真璃
◉🌈

ついに試合ですのね!ワクワクですわ!

お相手もとても手強そうですけれど、負けませんわよ。
練習にプラスして、わたくしにはこの髪の毛という最大の“武器”がございますもの。

入場からくるくる空中で回ってパフォーマンスしますわ。
お相手が騎馬という奇抜さで来るのなら、こちらは美しさで勝負。

いざ!練習と同じようにグルグル回りながら、髪を触手化していき更に加速!
空中でブンブン髪触手を振り乱しながら一心不乱に回りまくりですわ!

グルグルうねうねビョーン!
さあ、わたくしだけでなく皆さんも目を回せですわ!

ついでに地面にバットの摩擦で怪しげな紋様を描きながら回りきりますわ。
ああ、空に!空に!🌈🌈



 晴れ晴れとした蒼白(そら)の真下、嘲笑するかのような太陽に手(スライム)を翳す。これから絶対に『みない』光景を愉しみつつ、歓声(わぁわぁ)とした舞台(ステージ)に意識を向けた。ついに試合ですのね! ワクワクですわ! ソフトクリームめいたお嬢様っぽい首傾げをしてみる。上手側のお相手はなんだかとっても手強そうだ。それでも絶対に負けられない。何故ならば――🌈塗れの練習を無駄にしてはいけないのだ。それに重ねて「わたくし」には唯一無二の髪(ぶき)がある。この最大にして最強の代物を活かさず殺される筈がないのだ。ホイッスル――の前から勝負は始まっていた。入場!
 騎馬(ダークルクルバット)のメンバーは『やられた』と貌を歪ませた。下手側からやってきた猟兵(オマエ)を見て『その手があったか』と悔やみを漏らす。スタート・ダッシュは空中(そら)からの大回転(くるくる)だ。お相手が騎馬という奇抜さで来るなら、こちらは――美しさで勝負。緑色の目の玉がひとつの線となって流星が如く。
 ドリル・ドリル・ドリル。ボーリングめいた状態から髪の毛一本一本を触手と化していく。流れを無理矢理己に引き寄せ、ぶぉん・ぶぉんと一心不乱。そうとも、回りまくりですわ!!! 伸縮自在の触手(けさき)は敵チームも巻き込み、サイクロンは邪神竜巻(イタクァ)めいて奇た。びよーん、びよーん、うねうね、グルングルン!!!
 さあ、わたくしだけではなく皆さんも目を回せですわ! 徐々に地面へと近付いたオマエはバットの摩擦(インク)を垂らしていく。ぐにゃぐにゃ、ぐねぐね、と旋回しながら描いたのは、成程、見た事もない紋様(あや)しげ。それでは客席の皆さんもご一緒にどうぞ。審判方も忘れてはならない。ああ、空に! 空に!
 🌈を噴き出したハイテンション、ストレッチャーも台無しだ。
 頭の中のお花に蜜を混ぜましょう、目が回るならもっと回せば良いのですわ!!!
 演目後については語る必要もないだろう。
 オマエのキャンディ、お花畑は弁の輪郭を失くしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花走・りな
うーん、練習したのに何一つこの競技が分からない……。
でも、本番なんだ、アスリートとして訳が分からなくても笑顔で頑張らなきゃ。
よーし、花走・りな行きまーす♪

グルグルグルー

この回転中に何とかダークリーガーより目立つ方法を考えなきゃ。
あの短くも長かった練習を思い出そう!
あの時教えて貰った事……私の動き……
うぅ、そろそろ気持ち悪くなってきた、今度こそ吐きそう……。

あれっ?何か見え うわぉ
(グルグルしてる間にいつの間に初期位置からズレまくり騎馬戦に突っ込む)

あ、また引っ込んだー。

もーう

※アドリブ・連携歓迎



 熱狂(かんせい)が膨張(な)り響く中で訪れた猟兵(オマエ)の番、舞台裏(ステージ裏)、深呼吸したところでイマイチ『ぐるぐるバット』が理解出来ていない。いや、最早ぐるぐるのし過ぎで一から百まで『わけがわからなく』なっているのだ。でも、今からは本番。その他アスリートとして、プロとして、笑顔で『勝利』を掴まなければならない。外野(ベンチ)で応援してくれている仲間(バット・サイクロン)の皆(メンバー)の為にも――花走・りな、行きまーす♪ レッツ・ゴー・サイクロン!
 基本姿勢(フォーム)を怠ってはならない、チーム・リーダーの口癖でもあった。頭は可能な限り下げ、バットをしっかりと地面につける。審査員に『加減している』と思われたら終いなのだ。そうとも、この『独特な構えを維持する事』こそが高得点の鍵でもある。グルグルグル、グルグルグル、懸命に、グルグルグルグル――その上で相手(ダークリーガー)よりも目立つ方法を思惟しなければならない。あの短くも長かった、血と汗と🌈に塗れた練習を思い返す。たとえば、チーム最古参が教えてくれた無駄のない無駄な大回転、新人ちゃんが見せつけた一回での転倒――90度のお辞儀を意識するのだ、猟兵(オマエ)。
 う、うぅ、そろそろ気持ち悪くなってきた――その言の葉が『漏れていた』のは一種の棚から牡丹餅であった。溌溂とした選手が貌の色を失う、そのギャップも加点となっていく。こ、今度こそ吐きそう……酸っぱいものが咽喉(くだ)に触れた刹那、滅茶苦茶になった視界(せかい)に何かが映る――うわ、ぉ……。
 目と鼻の先に存在(あ)ったのは騎馬の儘、ぐるぐる大回転している相手選手。平衡感覚(バランス)の崩壊したオマエはそのまま彼女等に突っ込んだ――この場合、何方も倒れるだろう。だが、しかし、勝負勘(うん)を引き寄せたのはお前の方だ。頭を抱えてうんうん呻きつつステージのど真ん中、客と審査員を釘付けにした。
 あ、また引っ込んだー。ギリギリで留まったオマエはバットを支えにぷるぷると立ち上がる。よたよたと退場(はけ)ていく貌(さま)は『完璧な演技』だったに違いない。
 もーう。
 ダーク化していた選手が次々に我を取り戻す。
 ――残るは最終プログラム、今までのぐるぐるを活かして挑むが好い。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『レジェンドアスリーテス』

POW   :    レジェンド降臨
【伝説のアスリート】のオーラを纏い、自身の【陸上】競技力と【水泳】競技力を2〜8倍にする(競技が限定的である程強い)。
SPD   :    疾風のごとく
自身と武装を【敵を切り裂く疾風】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[敵を切り裂く疾風]を飛ばして遠距離攻撃も可能。
WIZ   :    アンリミテッド・スピード
【全力疾走】の継続時間に比例して、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

 ダークルクルバットのチーム・メンバーが次々と正気を取り戻して往く中、痺れを切らしたダークリーガーが堂々、舞台(ステージ)に乱入してきた。特製のバット――渦巻き模様つき――を構え、基本姿勢(フォーム)をキメる。始まったのは誰も見た事のない大回転(メイルシュトローム)だった。
 徐々に徐々に増していく回転速度は衰える事在らず、自らの肉体を傷めつける異常性を生んでしまう。そして追加されるのはセルフ・ヨイデハナイカ。帯が謎の力によって引っ張られ更なる回転力を作り出す――まさしく倍化、伝説のアスリートは何事であっても妥協しないのだ。そうして撒き散らされる多量の🌈!!!
 ふらふら、ばたんと倒れ、痙攣(ひくひく)した彼女は謂うだろう。
 これ……以上の……演技(もの)……出来……る、もん、なら……。
 こっちまで『もらいそうだが』そんな事はどうでもいい。

 レッツ・ゴー・サイクロン!
 虹色の彼方の栄冠を手にするのは、君だ!!!
露木・鬼燈
ヤベーですよ
これはちょっとダメかもしれない
勝利のビジョンが見えてこないのです
あれは得点高すぎだよねー
いや、でも、んー、完璧な演技ではなかった気も?
うん、そうだね、セルフ・ヨイデハナイカはちょっと違うよね
帯回しは回す人がいてこその演目!
そこが足りてない分点数は下がっているはず!
それはそれとして…出身地的に帯は回してみたかったなー
その悔しさをエネルギーに変えて僕の回転を見せてやるっぽい!
これが僕の最終兵器である外法〈回転〉なのです
隣人ちゃんありがとう!
投擲に使うべき黄金長方形の回転を自分自身に!
この美しさは芸術点も高いですよ
そして僕は死ぬっ!
きっとその散り様も美しい…たぶん



 客席(せかい)の狂騒(さわ)ぎは最早、何者にも止められないだろう。伝説級(レジェンド・アスリート)の🌈シャワーと共に幾つかの🌈(もら)いが溢れた。審査員席の面々もこれには驚愕を隠しきれず点数は『今までにない』高得点(もの)と成る筈だ。セルフ・ヨイデハナイカに使用した帯(ぬの)がひらりひらり、儚げに宙(てん)へと溶けていく。ヤベーですよ。この儘『先程のまでの回転』を続けたとしても勝利(ビジョン)が浮かんでこない。プラカードの0の数を教えてくれないか、嗚呼、そうだ『セルフ』と謂うのがいただけない。やっぱり帯回しは回す人が居てこその演目! 隙があるならば其処だろう。きっと『審査員の一人くらいは』得点を下げている筈なのだ。それはそれとして……出身地的には回してみたかったなー。そんな事はリリスチャンカワイイヤッターに懇願してくれ。
 兎も角――胸の内に宿る悔しさと血潮、脳に埋め込まれたスポーツ魂を回転(ちから)に変換(か)えるのだ。基本姿勢(フォーム)を構えてチーム・メンバーの掛け声と共に埒外性(ユーベルコード)を放出(たた)き込め。レッツ・ゴー・サイクロン!!!
 ぐるぐるバットにおける最終兵器(ラスト・ウェポン)、それ即ち地球が如くの無限(とわ)である。たとえ目を回しても気持ち悪くなっても🌈(は)いても、倒れる事のない絶対的な悪夢(ナイトメア)――お隣さんの言の葉に如何か、三半規管を傾けてくれないか。ありがとう! 嗚々、悦ばしき哉、黄金長方形(エネルギー)の顕現、我が身、大渦巻(レヴィアタン)に投げ込むのだ――この美しさは芸術点も高いですよ!
 審査員の面々が立ち上がり眼球(キャンディ)をごろごろ、オマエへ凝視(そそ)ぐ。ああ、ぐるぐるバットの神がここに降臨なされた。まさしく、神の御業だ。まったくブレのない竜巻(フェノメノン)の中心、そう「そして僕は死ぬっ!」
 スプリンクラーの酸臭、そのエチケットすらも誇らしいか。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウィノア・フォーン
🌈

こ、これは強敵ッスね……!
今までのあちしの回転数じゃ全然足りなさそうっス。
うーん、やっぱスタミナが足りないんスかね?
もう2~30くらい若ければいい勝負できるかもしれないっスし、
ここは一発、奥の手出すッスよ!
その若さ、あちしにも寄越せっスー!

これであちしのフィジカルはきっとガン上がり!
お肌の艶も一味違うッス!
何より練習の時以上のスタミナが!復ッ!活ッ!ス!
自信満々にリーダーの横で演技開始っスよ!
服が斬られるくらい訳ないっス。
そのくらいのアクシデントがあった方が盛り上がるッスよね!
そのまま何度も逆回転を繰り返してふらふらになりながらも回り続けるッス!
って歳がだんだん戻るの忘れてたっス……うぷっ



 自信満々(意気揚々)と彼女(きみ)の貌を見た。
 数秒後に見えなくなるだろう貌(それ)は好敵手(ライバル)への敬意か。セルフ・ヨイデハナイカの深淵が此方を覗く……。

 その他スポーツ「ぐるぐるバット」アスリートの基本中の基本、それは『身体が資本』である。故に毎日の食事や睡眠を怠る事なく訓練(トレーニング)に励む、悉くは伝説級たる彼女(オブリビオン)も行っている事だ。即ち、強敵――基礎から積み上げてきた者を一朝一夕で打ち負かす事は難しい。今までのあちしの回転数(ぐるぐる)じゃ全然足りなさそうっス――ああ、望むべきは持久力(スタミナ)と三半規管(バランス)、カタツムリの殻は頑丈でなければならないのだ。もう2~30くらい若ければいい勝負ができるかもしれないっスし――文字通りの禁忌ではないのか、罪深き刃はバットにも欲刺さる。
 その瑞々しさが羨ましい。その若々しさが羨ましい。そのフィジカルが羨ましい。寄越せ寄越せと迫る貌(すがた)は種族(エルフ)らしさの欠片(かがや)きだろうか。あの時のあちしは、そう、凄まじいほどに猛々しかった。お肌の艶も心の弾み具合も断然違う。そして何よりも――練習の時以上の持久力(スタミナ)での完全復活、帯やティーカップの力を借りなくたって半永久的なぐるぐるが可能なのだ――オマエの隣で疾風と化す。嗚呼、オマエは『ように』ではないのだ。服が斬られるくらい訳ないっス。
 はらはらと舞い上がっていく布切れの下、互いにバチバチと独楽(ひばな)を散らす。軽度のアクシデントは審査のスパイス、右へ左へ繰り返し(かいてん)だ。たとえふらふらになろうとも『倒れなければ』回り続ける事は出来る。さあ、トリップしよう。眼球振盪(めまい)の彼方まで――終了(ホイッスル)が響き渡った。ナイス・ガッツ!
 ――。
 ――――ゔっ。
 時間経過と共に『元に戻る』事を忘れたオマエ、ようこそ小さな箱庭(エチケット)へ。焦げてもいない🌈(もんじゃ)を前に朦朧の儘、僅差での勝利を……。

成功 🔵​🔵​🔴​

大豪傑・麗刃(サポート)
一人称は『わたし』『麗ちゃん』

装備(下記持ってない場合は適当にお願いします)
基本:右サムライブレイド左フライングシャドウの二刀流+随行大剣
スーパー変態人2時:右サムライブレイド+フライングシャドウ、左日本刀+妖刀の四刀流
伝説のスーパー変態人:RXキャバリアソード
真・ガチ剣士モード:妖刀
ひき逃げ:トラック

で真っ向から行くだけなのだ。

ユーベルコードが
近接系:何も考えずに突っ込んでって無双狙い
三日月:射程距離限界ギリギリから一方的に攻撃狙い
ギャグ系:……お手数かけますがなんとかお願いします!
それ以外:まー適当に。

可能ならばネタお願いします。
ダジャレ、奇怪な言動、一発ギャグ、パロ、メタ等内容は問わず。



 ティアドロップをギラ憑かせ舞台(ステージ)へと乱入(と)び込んできたのはオマエだった。巨大(デカ)いダンスを身に纏いその様相はまさしく宇宙的(コズミック)。ばっと会場(ぜんたい)を眺めてみたならばまったく、何もかもがギャグギャグしい雰囲気(アトモスフィア)ではないか。さぐりさぐりと弄りつつ取り出したるはフライングシャドウ。それはホイッスル前に駆け出す事では? 他選手よりも先にぐるぐるして何が悪い。チーム・メイトの応援が聞こえる――レッツ・ゴー・サイクロン!
 基本姿勢(フォーム)は頭を下げるほどに酔い、そんなヘッドバットな気分で大回転(レヴィアタン)開始だ。レディ・ファーストが絶対だなんてこの際、誰が決めたのかと問うてみよう。たとえば気分が悪い(バッド)なお年頃、そろそろ耳朶(カタツムリ)を傾げたら如何だ――わたしのネタを聞け。真剣なアスリートにとって埒外性は正しく遅延だった。
 普通にぐるぐるしているお隣で伝説級(レジェンド)は呆然(もたもた)としていた。おかしい。たとえユーベルコードを使わずとも彼女(わたし)の速度は五輪級、だと謂うのにこれでは半規管(カタツムリ)以下ではないか。嗚呼、目を回す事だって赦されない――そんなに忙しない毎日(エブリデイ)じゃあ眩暈(デイジィ)もするよね。限界突破した滅茶苦茶(ケイオス)の中で傾倒してしまおう。審査員の皆さんも、さあ、新しいサインをどうぞ。
 なんとも冷えた世界だろうか、バッシングされた気分になる。
 ――麗ちゃんバッティングなら出来そうなのだが。
 蚯蚓めいてフラついたオマエは一線(ライン)を越えたのだ、こみあげる🌈(レインボー)へとスポーツ魂を届ける。フッと気が付いたらオブリビオンの片足に引っ掛かった。ばたん――起き上がれない。
 プラカードに記された点数、ジャイアントキリングの証明。

成功 🔵​🔵​🔴​

八重樫・真璃
◉🌈

出ましたわね、とっても可愛らしい方!……じゃなくってダークリーガー!

わたくしの集大成をお見せしますわ!ここまで積んだぐるぐるバットへの熱意を込めて、いざ!

沢山のわたくしの立体映像を投射、一斉にぐるぐるですわ!髪の毛を振り回し空中で独楽の様に回転するわたくしが106人!!

これは観客の皆さまも審査員の方々もこちらを見ずには居られませんわよ!
さあ、どんどん加速しますわ!106本の緑の線を描いてくーるくるくる。

恒例の“アレ”も同時にいきますわよ。せーの、🌈🌈🌈!!

ばたんっ。やりきりましたわ……



 着物姿がお似合いな、とってもとっても可愛らしい方、正々堂々とぐるぐるする貌(さま)は確かに伝説級(レジェンド)と謂っても過言ではない。数多のスポーツを制してきた絶対強者(ダークリーガー)の登場に舞台(ステージ)が沸々(わ)いている。まるで🌈の溢れたエチケット袋だ。わたくしの集大成(すべて)を今、此処で、お見せいたしますわ! 只管に積み重ねてきたぐるぐるバットへの熱意と流動(ちしお)、発揮しなければ何にもならない。いざ、いざ、奮起(つの)る脳味噌(タール)と共に緑色(おめめ)が閃く――レッツ・ゴー・サイクロン! 基本姿勢(フォーム)は常に完璧(パーフェクト)だ。
 どんぐりはお互いに背比べをしようとするが、立体映像(わたくしたち)で在れば争いなど要らない。投射(はな)つべきは、成程、一糸も乱れぬシンクロなのだ。一斉にぐるぐるしますわ!!! 髪の毛一本残さずに渦眩き、暈ばる栄冠への無限大回転(スピン・スピン・スピン)――106個の独楽を無視出来るものなどこの世に存在しないのだ。
 観客も審査員もオマエに夢中だ。天蓋から吊り下げられた赤子の玩具の如く、ぐるぐる、更なる加速(スピード・アップ)が始まった。歩く姿はどんぐりころころ? 回る姿はどんぐりぐるぐる、緑色の線を描いてくーるくる。ついでにダークリーガーさんも巻き込んでぎゅるぎゅるぎゅる――最早、腸その他が撹拌(むちゃくちゃ)になっている。足元に脳味噌(タール)を溜めてしまったのか。ゆがむ、ぐにゃる、気持ちが悪いですわ。
 そろそろ恒例のアレを同時(や)るべきだ。たとえオマエが埒外だろうともお約束に勝る高得点(ポイント)はない。伝説級(レジェンド)の目も上下左右、回りに回り回りっぱなし――せーの、🌈🌈🌈!!! 何度目かのべちょ、頭蓋骨からガーデニング。
 や、やりきりましたわ……。
 ぴくりとも動けない、頭をかるく揺らすだけで何もかもが斜めに思えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

花走・りな
さすがレジェンドの演技だ凄いなぁ。これがグルグルバットだったんだね。
よしっ、私も頑張ろう☆

でも出来る事はさっきでほとんどやりきったしどうしよう……。🌈が加わったとしても勝てる気がしない。
何かを付け加えないと……。苦肉の策だけど馬を呼んでみようかな
指定UC使用

あれっ?なんだろうキラキラした音楽が聞こえる♪
なんかマスコットみたいな子が居るね

んー、あっ、ユーベルコード名が間違ってる!


やめて!夢の国から来ないで!いや夢の国のマスコットは馬じゃないけどね!
一期一会のデスティニーなパートナーに会いたかっただけなのに!

うわー!(マスコットに掴まれてグルグルバット)

後で修正しよう



 地と天を渡すかのような伝説級(レジェンド)の凄まじい🌈吐き、それは魔術師(マジシャン)が行う詠唱破棄の如く『逸脱的』なもので在った。これが先頭(トップ)を駆け抜ける「ぐるぐるバット」アスリートの底力、最早、底には一欠片の固形物も残っていないだろう。これが本当のグルグルバットだったんだね。尊敬と同時に沸騰(に)えるのはオマエの精神(やるき)だ。相手が強敵で在れば在るほどにスポーツ魂が燃え上がる。よしっ、私も頑張ろう――ぐるぐるバットの選手は演目前、常に笑顔を忘れてはならない。はみ出た☆を体内に収める事は不可能なのだ。嗚呼、美しき哉、その栄冠の魔力。
 しかしオマエは『先程のぐるぐる』で出し切っていた。🌈をぶち撒けたとしても高得点を叩き出す事は難しい。あの伝説級(レジェンド)に勝てる気がしないのだ。意気消沈(かたおち)となろうとした刹那、脳味噌に浮かんだのは苦肉の策。馬(ホース)でも呼んでみようかな? しゃんらら、しゃんらら、何処からかキラキラとした音楽。
 舞台袖から嘔吐(は)き散(だ)されたのは何処か懐かしく、楽し気なメロディ。まるで蒸気を笑(うた)う乗り物のような、ある種の警笛。ズーグ族似の※型がくるりくるりと蹄(あし)を鳴らした――ん-??? あっ、これまずい。怒られるやつだ。
 やめて! こないで! 幻夢境(ドリームランド)から来ないで!!! 会場は客席を巻き込んでの大混乱(ケイオス)だ。いやあの国のマスコットは馬でもズーグでもないんだけどね!!! はやく緞帳(カーテン)を降ろせと叫ぶモブ・スタッフ。そこらで目を回していたレジェンドも別の意味で目を回していた。
 一期一会のデスティニーなパートナーに会いたかっただけなのに!!!
 電飾まみれのマスコットがオマエを囲んで身体(にく)を固定(つか)む。無理矢理基本姿勢(フォーム)を構えさせ、これでもかとグルグルおっ始めた。うわ、うわわ、うわー!!! 自分で止められないからこその超絶大回転(ぐるぐるぐる)!!! 倒れそうになっても🌈る寸前でもしっちゃかめっちゃか目が回る。
 ユーベルコードの効力が消えたのか危険物(マスコット)が消えていく。誰も見た事のない『ぐるぐるバット』を終えたオマエ、オェオェと蹲るしかなかった。
 ……後で修正しよう。

 虹色の彼方、その栄冠。
 猟兵が勝利を掴んだ事でぐってりとしたダークリーガーが骸の海へと還っていく。
「いやー解説の※※さん、今回の大会も見応えありましたね」
「彼等には今後も『ぐるぐるバット』で活躍してほしいですよ、ええ」
 死屍累々(🌈🌈🌈🌈)のステージ、歓声が響いた。

 ――レッツ・ゴー・サイクロン!!!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年07月16日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アスリートアース
🔒
#その他スポーツ
#🌈
#ぐるぐるバット
#レッツ・ゴー・サイクロン
#ぐるぐるアスリート


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト