未来につながる連鎖は、エースの恩讐
●道なき例え
結局の所、人の一生というのはわからないものである。
一人で生まれ、一人で死ぬ。
それが真理であるというのならば、人は社会というものを、国を作る必要など無い。誰もが不完全で、誰もが弱いものであるからこそ、人は寄り添う。
「ごめんな、アハト」
『フュンフ・エイル』が申し訳無さそうにそういうのを『アハト・スカルモルド』は訝しんだ。彼が自分に謝ることなど何一つないというのに。
「――もしかして、君は僕のこの病を治せなかったことを自分のせいだと思っているのかい?」
「……その通りだ。『ヌル』もこれしかないと言った。もしも、『バンブーク第二帝国』を地底(アンダーグラウンド)に封じ込めることがなければ、あの国にこそ君を――」
「それ以上は言わなくていいよ。別に今すぐ死ぬわけじゃない。それに『ヌル・ラーズグリーズ』も言ってくれたよ。今ならまだ冷凍睡眠で、治療法が見つかるまで待つことができるってね」
『アハト・スカルモルド』は笑って言う。
その微笑みに『フュンフ・エイル』は頭を振る。これまで彼はどうしようもない事態をすべて解決してきた。
悪魔の如きキャバリア操縦技術によって、自分たちを救い出してくれた。
あの『熾盛』と呼ばれたキャバリアがなければ、『憂国学徒兵』たちが駆る『熾煌』も『熾裂』も開発できなかった。
まさしく救世主と呼ぶに相応しい存在であった。
だから、そんなに気負わなくていいと彼は言ったのだ。
「『戦いに際しては、心に平和を』、だろう?『フュンフ・エイル』、君の言葉だ。君は色んなものを持っている。多くをね。だから、誰かのためにと戦うのだろうし、君自身がそれを自然なことだと思っている」
「僕は……俺は、そうする人達を見てきたからだ。そうありたいと思ったから、俺は……!」
「君の戦いはきっと永く続くものなのだろう。だから、僕は冷凍睡眠を受けるよ。いつか永い時の果てに、君が独りではないように――」
●滅びの大地
小国家『バンブーク第二帝国』は、その前進である『サスナー第一帝国』から発展した小国家であり、今は地底(アンダーグラウンド)にて雌伏する巨人の国である。
彼等は待った。
一度は『フュンフ・エイル』によって地底に封じ込められた。
けれど、もはや『フュンフ・エイル』は居ない。己たちを封じ込めるように造られた小国家『八咫神国』は『シーヴァスリー』によって滅びた。
止めるものなど何一つ無い。
「我等、古代魔法帝国の後継者……! それに連なる者! 我が名は『フロック』!」
緑青色の巨大な騎士を模したキャバリア『ヴェルディグリース』の搭乗者である巨人が咆哮するかのように叫ぶ。
その声は小国家『グリプ5』に木霊する。
先陣を切るように次々と地中より飛び出すのは、無人機『マガフMk1』。通常のキャバリアサイズであるが、内蔵されたシステムにはこれまで『バンブーク第二帝国』が培ってきた戦いの経験が詰まっている。
即座に動く『マガフMk1』が大地を疾駆し、あらゆる施設を破壊していく。
「――プラントが狙い……! 違う、無作為に攻撃してきている!」
簡易型『レーギャルン』と呼ばれた試作機を駆る『ズィーベン・ラーズグリーズ』が彼等を阻む。
彼女の駆るキャバリアの背後には戦いとは関係ない療養施設があった。
彼女の末弟である『アハト・ラーズグリーズ』が闘病のために入院している施設だ。彼は生来体が弱い。未だ寛解できぬ病に身を冒されている。
その弟が彼女の背後にいる。だから彼女は退けない。砲撃戦の試作機では限界がある。
「『ズィーベン』! ダメだ、そのままだと!」
『ゼクス・ラーズグリーズ』が同じく簡易型『レーギャルン』の近接格闘用の試作機で『マガフMk1』を押し止める。だが、横合いから迫る『ヴェルディグリース』に反応できずに吹き飛ばされてしまう。
「弱兵……! ここまで『フュンフ・エイル』の血脈は薄まったか!」
『フロック』と名乗った巨人の手繰る『ヴェルディグリース』が背に負った槍のような……巨大な筒を大地に突き立てる。
それは『ヴェルディグリース』ら地底帝国である『バンブーク第二帝国』のキャバリアに共通する『有毒装甲』より放たれる生身を汚染する毒素を噴出させていた。
「毒素を検知
……!?『ゼクス』兄ぃ、これって!」
「くっ……『フルーⅦ』を襲った連中の……違う、狙いは無作為じゃない! コイツ……!」
「その通り。弱兵に用はない。強者の戦いに弱者は必要なし。足かせとなるものを此処で断ち切ってやろうというのだ!」
噴出する毒素が一瞬で周囲を満たしていく。
突き立てられた筒がさらに『ヴェルディグリース』より放たれ、『グリプ5』の市街地へと叩き込まれていく。
「――待って、じゃあ……『アハト』! 嫌だ、『アハト』!!」
『ズィーベン』が叫ぶ。
毒素はキャバリアに乗っている限り届かない。けれど、キャバリアに乗らぬ者はどうなるか。
彼女の視界にある療養施設。
そこには何の防備もない。撒き散らされた毒素が侵入し、内部に居るであろう者たちを容赦無く蝕むだろう。
そして、彼女は見た。
窓ガラスに張り付く真っ赤な手を――。
●襲撃
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)だった。
「お集まり頂きありがとうございます。今回の事件はクロムキャバリア――地底より現れた『バンブーク第二帝国』が小国家『フルーⅦ』に続き『グリプ5』にまで侵攻を開始しました」
文化様式の異なる小国家。
『古代魔法帝国の後継者』を自称する彼等が求めるのは『フュンフ・エイル』への復讐である。
彼等のキャバリアは無人機を除けば、すべてが通常の三倍にも及ぶ巨大さであり、さらには『有毒装甲』と呼ばれる毒素を撒き散らす装甲に覆われている。
これはキャバリアであれば無効化できるが、生身であれば力なき者は即座に死に至るだろう。
猟兵であっても生身であれば、無効化できない。
これに対抗するために『グリプ5』には『フルーⅦ』からの技術提供に寄って再現されたスーパーロボット『レーギャルン』……その簡易型試作機が猟兵に貸し出してもらえるようである。
「簡易型『レーギャルン』は砲撃型と格闘型の二種類です。ですが、やはり例にもれず、簡易型であっても皆さんでなければ容易には扱えないようなのです」
さらに悪いことには、敵の大型キャバリアは有毒装甲で生み出される毒素を筒のような槍に充填させ、『グリプ5』の市街地に次々と打ち込むという作戦を帯びている。
「すでに一つの区画が毒素に寄って汚染されてしまっています……これは避けようがないことでした……」
ナイアルテが瞳を伏せる。
この毒素を撒き散らす作戦を行っている大型キャバリアを打倒するためには、まずは敵の先陣を崩し、即座に撃破して作戦を停止させなければならない。
「これ以上の犠牲を出さぬためにも、どうかお願いいたします」
見送るナイアルテの瞳にあるのは、戦いに対する恐れではなく、怨恨満ちる『バンブーク第二帝国』の瞳に対する恐れ。
永く続く怨嗟による連鎖は、ここまで人を歪める。
解きほぐされる怨嗟は、必ず未来に禍根を残す。ならば、それを拭わねばならない――。
海鶴
マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
今回はクロムキャバリアにおいて『地底(アンダーグラウンド)』より来たる地底帝国軍『バンブーク第二帝国』のオブリビオンマシンの軍勢から小国家『グリプ5』を救うシナリオになります。
キャバリアをジョブやアイテムで持っていないキャラクターでも、キャバリアを借りて乗ることができます。ユーベルコードはキャバリアの武器から放つこともできます。
ただし、暴走衛星『殲禍炎剣』が存在しているため、空は自由に行き来できません。
またこのシナリオに限り、『グリプ5』が造り上げた簡易型『レーギャルン』の試作機である砲撃型と格闘型のどちらかの『スーパーロボット』を借り受けることができます。
●第一章
集団戦です。
地底より『バンブーク第二帝国』の無人機『マガフMk1』が大量に現れ、攻撃をしかけてきます。
この機体は地中より現れるため、『グリプ5』も防衛が困難なため、対応が後手に回っています。
まずはこの攻勢を切り抜け、『毒素を撒き散らす筒を打ち込み続ける』巨大キャバリアへと迫りましょう。
●第二章
ボス戦です。
この騎士のような姿をした大型キャバリアは、オブリビオンマシンです。これに搭乗する巨人のパイロット『フロック』は思想を歪められ、『毒素を撒き散らす筒』を市街地に打ち込み続けようとしています。
すでにこの機体が存在する地区には毒素が打ち込まれ、充満しています。
先に急行していた『ゼクス・ラーズグリーズ』と『ズィーベン・ラーズグリーズ』がキャバリアで応戦しています。
このオブリビオンマシンは、通常のユーベルコードに加え、強烈な『毒素を撒き散らす筒』を常に『グリプ5』の市街地に打ち込み続けます。
これに対する方法を考える必要があり、また『有毒装甲』に覆われているため、キャバリアに搭乗していない猟兵の皆さんは不利です。
●第三章
ボス戦です。
巨大オブリビオンマシンを打倒しても、後詰めのオブリビオンマシンを駆る『バンブーク第二帝国』の将『カーラ』が現れます。
ここで倒さねばなりませんし、前章のオブリビオンマシン同様『有毒装甲』に覆われています。
それでは、戦乱続く世界、クロムキャバリアにおいて復活した『バンブーク第二帝国』の猛威を防ぎ、小国家を守る皆さんの物語の一片となれますように、いっぱいがんばります!
第1章 集団戦
『マガフMk1』
|
POW : 我々の理想は破滅だ!
【理想を共にする仲間 】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[理想を共にする仲間 ]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : 旧式だからと侮るなよ!
【かつての戦場で培ってきた勘や経験で 】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 怯むな!弾幕を貼り続けろ!
【RSキャバリアライフルやミサイルポッド 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
地中より飛び出す無人機キャバリア『マガフMk1』は、優れた戦闘経験を蓄積したデータを持つキャバリア群である。
彼等に意志はなく、ただ人形のように地上にありし者たちを打ちのめす。
放たれるキャバリアライフルの弾丸は、逃げ惑う人々を襲うだろう。容赦などない。これまでバンブーク第二帝国』の巨人族たちが地底に追いやられていた時間を考えれば、まだ慈悲深きものであるとさえ、彼等の主は言うだろう。
「――」
無機質なモノアイが輝き、逃げ惑う人々を捉える。
銃口が向けられ、弾丸が斉射される。
人々の悲鳴が銃声に消えていく。
生命が散っていくのだ。
「『ゼクス』と『ズィーベン』はどうなっている!」
「ダメです! 応答がありません!」
隻腕となった『アイン・ラーズグリーズ』は戦えぬ己の身に歯噛みする。末弟妹たちに戦いを任せねばならぬことはどうしようもないことであったけれど、このような時に自分が戦えないという運命にただ耐えることしかできない。
彼女の妹であり、『グリプ5』の元首でもった『ツヴァイ』は未だ意識が戻らず。
そして『フュンフ・ラーズグリーズ』もまた戻らない。
今戦えるのはごく少数だった。『クリノ・クロア』もまた手が回らない。彼は『フィアレーゲン』や『八咫神国』からの亡命者たちに任せた自治区の防衛で手一杯だった。
「『アイン』さん、俺が行きます……! 此処はまだ敵が着てない!」
「駄目だ。お前がそこを離れたら、誰が自治区を防衛するってんだよ!」
『クロア』の言葉はたしかなことだった。
けれど、それは許可できない。彼が自治区を離れた瞬間に敵は、『毒素を撒き散らす筒』を自治区に打ち込む。手薄になったと見れば、そうやって被害を拡大させようとするのだ。
そのやり方を『アイン』は看破しているからこそ、許可できなかった。唇の端から血が滲むほどに噛み締めた歯が鳴る。どうしようもない。
「……どうする……!
このままでは滅ぼされる。
敵は的確にこちらの急所を突いて来ている。
地中からの攻勢で後手に回ったのまではいい。それは挽回できることであった。けれど、あの巨大な騎士の大型キャバリアが厄介極まりない。こちらを俯瞰してみているかのように、的確に陽動と奇襲を仕掛けてくるのだ。
「他の簡易型『レーギャルン』の試作機……すべての炉を落とすな。最悪、あれを暴走させて奴にぶつける!」
それは苦肉の策であった。キャバリアは国力そのものだ。失えば、それだけ隙となり、他国からの侵略を許すこととなる。
けれど小国家を護るためには仕方のないこと。国とは人あってのものであるからだ。『アイン』は決断するしかなかった。
護るために戦うということは、失うことを是としなければならないこと。
故に、彼女は国力を削ってでも生命を護ることを選択するのだった――。
淫魔・サキュバス
泥臭いのは好きじゃないから射撃型かしら?
お人形はお人形らしく、私の玩具として遊び壊してあげるわ♪
UCを使わずとも森羅万象の全てを籠絡する寵姫の能力(職業説明参照)に催眠魔眼「淫魔の瞳」とUC「寵姫の瞳」の力も上乗せしてこの機体を魅了して、自分で自分を操縦してもらうわ。キャバリアの操縦とかよくわかんないし♪
勿論このまま敵も魅了して同士討ちを誘う
視線で自分の周囲に芭蕉扇とクロスシザースと魅了して奪った銃火器を侍らせて、敵を風で吹き飛ばしたり切り刻んだり撃ちまくったりして迎撃するわ
自分の武器のお味はいかがかしら?
『フルーⅦ』に秘蔵されていた『スーパーロボット』、『レーギャルン』。
その出力は凄まじく、これまで猟兵以外の者が扱えた試しはなかった。簡易型『レーギャルン』試作機は、その問題を解決しようとして『グリプ5』でもって建造された機体である。
しかし、機体スペックと出力、その問題を解決できたとしても、やはり並のパイロットが扱えるものではなかった。謂わば『エース』専用機とも言うべき機体に仕上がっていたことだろう。
「泥臭いのは好きじゃないから射撃型かしら?」
淫魔・サキュバス(西洋妖怪「サキュバス」の寵姫×ナイトメア適合者・f37101)は貸し出された簡易型『レーギャルン』の試作機を借り受け、地中より飛び出す無人機キャバリア『マガフMk1』に対峙する。
無人機とは言え、地中より飛び出す機体に対処することは難しいだろう。
さらに言えば、サキュバスはキャバリア送受などやったことなどない。
彼女のユーベルコードに輝く瞳は、寵姫としての能力の発露だ。彼女が見つめたものは、生命であれ無機物であれ、自然現象であれ、彼女に友好的に振る舞うだろう。
「お人形はお人形らしく、私の玩具として遊び壊してあげるわ♪」
簡易型『レーギャルン』の操縦席に座して、サキュバスは微笑む。
その視線を受けた簡易型『レーギャルン』のアイセンサーが煌めく。操縦ができなかったのだとしても、キャバリア自身がサキュバスに友好的であるというのならば、問題であった出力や操縦のピーキーさは鳴りを潜めるだろう。
そして、彼女はコクピットハッチを開き、その寵姫の瞳を『マガフMk1』たちに向ける。
自分の周囲すべての無機物を魅了して止まない魔性の瞳。
それによって『マガフMk1』たちもまた次々と『グリプ5』の市街地にて逃げ惑う人々に向けていた銃口を下ろす。
「いい子ね。そのままお友達を撃ちなさい?」
サキュバスの号令によって無人機である『マガフMk1』は従うように同士討ちを始める。
これがパイロットが乗っていたり、オブリビオンマシンであったのならば抵抗されてうまくはいかなかっただろう。
けれど『バンブーク第二帝国』の無人機キャバリアは、無人機故にサキュバスの瞳によって操られ、その手にしたキャバリアライフルやミサイルポッドによって互いを討ち滅ぼす。
「自分の武器のお味はいかがかしら?」
サキュバスはユーベルコードに輝く瞳と共に『マガフMk1』たちが互いに撃ち合い破壊されていく姿を見やる。
こうなっては、もはやこの区画を『マガフMk1』たちは制圧などできないだろう。
「無人機ならばこの程度よね。さあ、本命はまだ現れないようだし、なるべく多くを魅了しておこうかしら」
サキュバスは微笑む。
その瞳のユーベルコードだけではなく、彼女の生来の寵姫としての力を用いて、あらゆる無人機を無効化していく。
例え、どれだけ多くの『マガフMk1』が地中より襲い来るのだとしても、彼女に魅了された嘗ての味方がこれを阻むだろう。
サキュバスはただ、ここに座しているだけでいい。
これこそが支配を齎す寵姫としての力。
その力が十全と発揮される無人機たちを侍らせ、サキュバスはただ前に進むだけでいい。
「さあ、次は誰かしら――?」
大成功
🔵🔵🔵
ウィル・グラマン
●POW
図体がデカい巨人の地下帝国か
それなら連中が乗ってるキャバリアは凄くデカいんだろうな
フロックだかフロッグだか知らねぇが、オレ様自慢のスーパロボット『ベアキャット』がお前らの野望を挫いてやるぜ!
行くぜ、ベア!!
『ガオォン!』
ベアに命令を出さなきゃならねぇし、毒素を防いでくれるレーギャルンの砲撃型に乗って指示を出しながらベアを支援していくぜ
けど、いくら倒してもきりがねぇな
パイロットが乗ってねぇから気兼ねなくぶっ壊せるけどよ、これじゃボスに辿り着くまで弾も燃料も尽きちまうじゃねぇかよ
ん?待てよ…そうか、コイツらは無人機だったじゃねぇか
ベア、お前の電磁光線で連中の回路を焼き切って無力化しちまえ!
地中より飛び出し続ける圧倒的な物量。
『バンブーク第二帝国』と呼ばれる『古代魔法帝国の継承者』を自称する者たち。彼等は巨人の姿をしていた。
人の三倍はあろうかという体躯に見合うだけの巨大なキャバリア。
いや、オブリビオンマシン。緑青色の甲冑をまとったかのような騎士型オブリビオンマシンの姿は未だ確認できない。
この地区より離れた場所にて未だ『グリプ5』のキャバリアと交戦しているからだろう。しかし、防御が薄いと見れば、即座に『毒素を撒き散らす筒』を打ち込み、その地区に住まう生身の人間たちを抹殺する作戦を実行する。
キャバリアを駆る者であれば毒素に侵される心配はない。
けれど、それ以外の者たちは例外なく死に絶える。猟兵であったとしても、行動に制限が起こるだろう。
「図体がデカい巨人の地底帝国か」
それならば連中が乗っているキャバリアはすごくデカいんだろうな、とウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)は年齢とは裏腹な見た目の相応しい様子で、巨大なオブリビオンマシンを探す。
「『フロック』だかフロッグだか知らねぇが、オレ様自慢のスーパーロボット『ベアキャット』がお前らの野望を挫いてやるぜ!」
『グリプ5』の市街地に漆黒のスーパーロボットが立ち上がる。『ベアキャット』の名に相応しい威容であるといえるだろう。
漆黒の体躯は巨大な猛獣を思わせるし、その頭部に備えられたセンサーであろう二つの耳を模した形は、猫のようでもあった。
「行くぜ、ベア!!」
ウィルの言葉に応えるように『ベアキャット』が咆哮する。
その轟きに反応したかのように『マガフMk1』たちが殺到する。
手にしたキャバリアライフルやミサイルポッドから放たれる火器が『ベアキャット』の漆黒の装甲へと吸い込まれていく。
だが、その漆黒のスーパーロボットは、鋼鉄の躯体でもって爆風の中を突き進む。
単純な動き。
それはウィルが乗り込むのではなく、彼が外部から指示を出しているからだ。
「ガオォン!」
獣の唸り声のような咆哮と共に漆黒の『ベアキャット』の拳がベアキャット・アタックでもって『マガフMk1』を打倒していく。
ウィルは簡易型『レーギャルン』に座し、毒素装甲に備える。無人機キャバリアである『マガフMk1』には毒素装甲がないが、それでもいつ『毒素を撒き散らす筒』がこの地区に打ち込まれるとも知れない。
「しかし、いくら倒してもキリがねぇな」
ウィルは砲撃型の簡易型『レーギャルン』の砲撃を見舞いながら、次々と地中より現れる『マガフMk1』の膨大な数に舌を巻く。
圧倒的な物量だ。
今の『グリプ5』では対応できない数であろうし、何より彼等の目的が確実に国を滅ぼすための行為であることを理解する。
インフラをそのまま頂くだとか、占領するだとか、そういった意志をまるで感じさせない。ただ滅ぼすためだけに力を奮っているように思えただろう。
「パイロットが乗ってねぇから気兼ねなくぶっ壊せるけどよ、これじゃボスにたどり着くまでに弾も燃料も尽きちまうじゃねぇかよ」
ウィルは『ベアキャット』の残量エネルギーを見やる。
このペースで戦っていては、『毒素を撒き散らす筒』を打ち込み続けるオブリビオンマシンにたどり着いても、まともには戦えない。
「ん? 待てよ……そうか、コイツらは無人機だったじゃねぇか」
ウィルは無人機であれば、これを連携するための要があることを見抜く。
人が乗っていたのならば加減もしなければならないが、先程自分が言ったように気兼ねなく壊していい無人機なのだ。
ならばこそ、ウィルは『ベアキャット』に命じる。
「ベア、電磁光線だ!」
「ガオォン!!」
ウィルの言葉に呼応するように漆黒のスーパーロボットが咆哮し、そのアイセンサーから放たれる電磁光線が『マガフMk1』たちに広範囲に渡って照射され、その内部の制御系であるシステムの回路を一気に焼き切って無力化する。
残るは回路を焼き切られた機体だけがかく座するのみ。
「よぉし! これで敵は無力化したぜ! ワイドレンジで出力は抑えめで行けば、このまま一気にデカい巨人のキャバリアまで一直線だぜ!」
ウィルは『ベアキャット』と共に進軍する。
彼等が歩んだ後に残るのは、かく座する『マガフMk1』しか残らない。
未だ『毒素を撒き散らす筒』は打ち込まれ続けている。長引いては、この小国家に生きる人々が毒素の餌食になってしまう。
「行くぜ、ベア! このはた迷惑な毒素を撒き散らす連中をぶっ飛ばす!」
ウィルの意志に応えるように『ベアキャット』が再び咆哮し、人々は見ただろう。
その漆黒スーパーロボットの勇姿を――。
大成功
🔵🔵🔵
稷沈・リプス
自称:人間な男、やってきた。
久々に猟兵仕事やるんっすけど。
なんすかあれ。到底許せないやつなんっすけど?
で、機体は…最近、故郷で会った人(異境の神)から貰ったもの…異境海蛇『ヤム』に乗って行くっすよ!今はこれで殴れってことみたいっすけど。
その上で【夜の舟】、陸上航行開始!
太陽属性に加え、電磁パルス属性の光線発射してるっすよ!
無人機ってことは、それを避けることはできないっすね。
ちなみに、発射された光線は敵にしか害がないようにしてるっすよ。
稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)は人間を自称する神である。
『日食』、『月食』、即ち『蝕』を司る神であり、呪われし神。だからというわけではないが引きこもっていたし、猟兵としての戦いも久方ぶりであった。
彼が如何にのんべんだらりとした気性の持ち主であったとしても、許せぬものはある。
『毒素を撒き散らす筒』を打ち込み続けている通常のキャバリアの三倍はあろうかという巨大なオブリビオンマシン。
その所業を彼は到底許せるものではなかったと語るだろう。
即ち義憤。
けれど、その言葉に何の意味があるだろうか。言葉は所詮言葉である。力足り得ない。言葉が力を持つのではない。言葉を受けた者が感じるからこそ力へと変わるのだ。
ならばこそ、リプスは静かなる怒りと共に原初の水と共にクロムキャバリアに降り立つ。
「なんすかあれ。到底許せないやつなんすけど?」
彼の周囲に在りし原初の水が異境海蛇『ヤム』へと姿を変えていく。
異境の神が助力のために作り出したキャバリアは、その神々しさと共に地中より現れる『マガフMk1』と対峙する。
いや、対峙というには生ぬるい。
「これも借りてた権能っすよ!」
夜の舟(ウイア・メセケテト)がゆっくりと低空を飛ぶ。
そこには弓と剣、そして魔法杖で武装した頭部が動物となっている人間の霊を満載した大型木造船であった。
低空から地上に降り立てば船でありながら、大地を航行する。その威容は、地中より飛び出す『マガフMk1』へと向けられ、太陽の属性持つ力で持って電磁パルスを解き放ち、無人機である『マガフMk1』たちの動きを止めていく。
「無人機ってことは、それを司るからくりがあるってことっすよね」
人のように何かを考え、判断することができないのが無人機の弱みだ。予め用意された行動しかできない。
だが、それは時として無慈悲なる行いをいとも簡単に行うことができるということであった。
リプスの眼下にあるのは『マガフMk1』たちによって蹂躙された『グリプ5』の人々の遺骸だった。
戦乱が続く世界。
クロムキャバリアにおいてオブリビオンマシンが齎すのは戦禍の火種だ。
彼等は平穏に暮らしたいと思うだろう。けれど、世界がそれを許さない。争い、滅ぼし合うことだけを強いられている。
「……」
リプスにとって、それはどうにも許せないことであった。
人の営みは人が行えばいい。
けれど、オブリビオンマシンが齎すのは、その営みを歪めることだけだ。死せる人々は生き返らない。生命は戻らない。
時が逆巻くことがないように、生命は戻らない。誰だって知っていることだ。過去の化身たるオブリビオンマシンにはわからぬことであったのかもしれない。
だからこそ、リプスは異境海蛇『ヤム』と共に迫りく『マガフMk1』の大軍を相手取って戦い続ける。
『夜の舟』より放たれる続ける電磁パルスで動きを止めた『マガフMk1』を吹き飛ばし、光線で持って破壊していく。
「人の営みを乱す者。オブリビオン……ああ、許せないっすよね、こんなこと!」
散った生命がある。
二度と戻らぬ生命が此処にはこんなにも溢れている。何処を見ても、死ばかりである。
動かなくなった者。
物言わぬ者。
何もかもがオブリビオンマシンのもたらす狂気のせいであるというのならば。
リプスは、この惨禍をこそ治めねばならない。
彼が神性だからではない。
ただ一人の猟兵として、許せぬことを許さぬ。ただその一念においてのみ、リプスは異境海蛇『ヤム』と共に大地を疾駆し、『毒素を撒き散らす』オブリビオンマシンへと迫るのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
メサイア・エルネイジェ
まあ!BC兵器ですわ!
これが地底帝国流なんですの?お下品な戦い方ですわねぇ…
なっておりませんわ
本当の戦い方というものを教えてさしあげますわ〜!
本日のヴリちゃんはゲイルカイゼルですわ
ブーストダッシュで回避しつつ突入ですわ
ついでにマシンガンを撃ちまくりですわ
群れてるお陰で目を瞑っていても当てられますわ
そうして大勢で群れているところに飛び込んでラースオブザパワーですわ
掴んでぶん回して群れていらっしゃる敵を吹っ飛ばすのですわ
因みに30m位のお船で100t位ですのでキャバリアなら楽勝ですわ〜
おほほ!ご覧なさい!これが本当の戦い方…暴力ですわ〜!
暴力火力権力財力女子力…力だけが、わたくしを満たしてくれる!
地底帝国『バンブーク第二帝国』の大型オブリビオンマシンが打ち込む『毒素を撒き散らす筒』は、市街地のあちこちで被害を拡大させていた。
もとを正せば、地底帝国のキャバリアが持つ『有毒装甲』をより遠くに、より広範囲に効果的に撒き散らすための装備であり作戦。
地中より飛び出す『マガフMk1』の取る破壊活動とは真逆の戦略である。
毒素を撒き散らし、敵国の人間だけを殺す。
そうすれば、インフラだけは残り、侵略後の整備など行わなくて済む。だというのに、無人機キャバリアである『マガフMk1』はあらゆるものを破壊する。
逃げ惑う人々も、建築施設も関係ない。
ただ破壊し続ける。
「まあ! BC兵器ですわ! これが地底帝国流なんですの? お下品な戦い方ですわねぇ……」
メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)は、おばっちぃこと、とでも言いたげに『ヴリトラ』のコクピットに収まり、口元を覆っていた。
キャバリアには『有毒装甲』の毒素は届かない。
彼女が『ヴリトラ』の内部に在る限り、それは有効ではない。けれど、『グリプ5』に住まう人々は違う。
彼等は生身だ。例え、猟兵であったとしても生身の場合は、この毒素によって不利を強いられるだろう。
「なっておりませんわ。本当の戦い方というものを教えてさしあげますわ~!」
その声に反応するように『ヴリトラ』が高速機動仕様のスラスターを噴射させ、大地を疾駆する。
ブーストダッシュで迫りくる『マガフMk1』の攻勢を一気に躱す。
キャバリアライフルやミサイルポッドの火器が放たれても、今の疾風の如き『ヴリトラ』を捉えるには値しない。
ミサイルを迎撃するマシンガンから放たれる弾丸が、『マガフMk1』たちを巻き込みながら打ち込まれ、『ヴリトラ』の機体が急旋回する。
「そうして大勢で群れているのならば、目を瞑っていても当てられますわ」
急旋回と共にマシンガンの弾丸がばらまかれる。狙いをつける必要はない。速射に優れるマシンガンであれば手数こそが正義である。
さらに『ヴリトラ』が咆哮するようにジェネレーターの出力を上げ、『マガフMk1』の大軍の中に飛び込む。
『ヴリトラ』の腕部が『マガフMk1』の一機を掴み上げた瞬間、それは質量兵器に早変わりする。
「全力全開ですわ!」
煌めく『ヴリトラ』のアイセンサー。
ユーベルコードの輝きが戦場に満ちる。無人機である『マガフMk1』には理解できないことであっただろう。
数を頼みにすることしかできない彼等にとって、目の前の暴竜はまさしく規格外の戦力。一騎で彼等の戦力を尽く上回る。
その証明とするように『ヴリトラ』の方向が轟くのだ。
憤怒の剛力(ラースオブザパワー)は此処にあり。
振り回す『マガフMk1』が僚機と激突し、ひしゃげていく。くだけ、フレームすら歪みながら吹き飛んでいくのを『ヴリトラ』は見ること無く、さらに別の機体を掴み上げ、さらに叩きつける。
「おほほほ! 御覧なさい! これが本当の戦い方……暴力ですわ~!」
凄まじい音が響き渡る。
こちらにキャバリアライフルの弾丸が飛んでこようとも、掴み上げた『マガフMk1』を盾にし、さらに鈍器として叩きつける。
暴君の名を恣にするかのような戦い方。
恐るべき力。
『ヴリトラ』が咆哮すれば、プログラムに従って動くだけの『マガフMk1』はもはや、障害とは言えないことを証明するように、ただ其処にある鈍器と化すのだ。
「暴力火力権力財力女子力……力だけが、わたくしを満たしてくれる!」
最後なんか違うのが混じっていたような気がしないでもない。
けれど、メサイアは『ヴリトラ』のコクピットで高笑いを続ける。笑いが止まらない。破壊が楽しいのではない。
力を行使することが楽しいのだ。
力の前にはすべてが解決される。そして、彼女は、今正しさの中にあるだろう。オブリビオンマシンによって世界は混乱に叩き落されている。
そんな中振るう力は、いつだって正しいものである。
故に満たされる感覚を覚える。そんなメサイアの高笑いが戦場に木霊するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
アルカ・スィエラ
……本当ならプロトミレスを使うんだけど、今大規模なオーバーホール中なの
だから格闘型を借り……ええと、少しいじってもいい?
(知らずUC発動、自身やプロトミレスの一部、機竜ドラグレクスを構成している金属細胞『ドラクティス』が簡易レーギャルンの機能を向上させる)
……うん、思ったより動けそう
戦闘では極力こっちへと攻撃を向けさせ、単独行動中の機体から格闘で撃破
増えたり攻撃が通り辛くなってきたらドラグレクスにも出てもらいブレス(ビーム砲撃)したりその体躯で薙ぎ払ってもらうわ
(加えて接触時、敵機が自我が無く【機界新生】の対象なら侵食し制御を乗っ取る。当人はこれもドラグレクスの力だと思ってる)
※アドリブ等歓迎
アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)の機体、『プロトミレス』。
それは嘗ての最新鋭キャバリアであり、亡国の遺産でもあった。本来ならば、アルカはその機体を駆り、戦場へと向かうはずであったが、今は大規模なオーバーホールの最中であるがゆえに、彼女は簡易型『レーギャルン』の試作機……その格闘型に乗り込んでいた。
機体の構造は異なっている。
格闘型を選んだのは彼女が最も慣れているからであろう。
「ねえ、少しいじってもいい?」
アルカの言葉に整備を担当していた『ツェーン』と呼ばれる少女が目を剥く。
「え、え、どうして? 整備は万全だし、チューンは……」
「たぶんね、ここをこうすれば……」
アルカの瞳が彼女の自覚なしに輝いている。
機界新生(メタル・ドミネーション)――それは彼女の体やキャバリアを構成している金属細胞をもって、簡易型『レーギャルン』を侵食する力。
もともと『レーギャルン』とは他国である『フルーⅦ』に秘蔵されていたスーパーロボットの名である。
高出力すぎて猟兵以外に誰も扱う事ができなかったがゆえに、これまで秘蔵されてきたのだ。
けれど、それを一部の『エース』パイロットならば扱えるレベルにまでブラッシュアップしたのが簡易型『レーギャルン』だ。
「エネルギーゲインが上がってる……? パワーも……!? なんで!?」
『ツェーン』が驚くのも無理のないことであった。
説明している暇がないとアルカは機竜ドラグレクスを構成している金属細胞によって性能を向上させた簡易型『レーギャルン』と共に飛び出す。
「……うん、思ったより動けそう」
アルカは本来の自分の乗機とは異なる機体であれど、すでにレプリカントである己と細胞を同じくする簡易型『レーギャルン』と共に戦場に降り立つ。
『マガフMk1』たちは即座にアルカの搭乗に気が付き、キャバリアライフルやミサイルポッドの火器でもって迎撃してくる。
火線を引く空。
アルカはスラスターを噴射させ、一気に『マガフMk1』に迫る。
格闘型の強みは、その無類の反応速度にある。振るうビームブレイドの斬撃の鋭さは、アルカの金属細胞を受けてさらに速度と出力を上げて振り下ろされ、『マガフMk1』を一刀両断するのだ。
「ちょっと手を加えるつもりで、ただ触っただけなんだけど……」
自覚なきユーベルコードによってアルカは簡易型『レーギャルン』が変容していることにが気がついただろうか。
気が付かなくても彼女には関係ない。
地中より飛び出す『マガフMk1』という獲物はまだまだ尽きることはない。
多くを打倒しなければ、小国家『グリプ5』に住まう人々が危険にさらされる。すでに多くの者たちが犠牲になっているのだ。
これ以上があってはならない。
それに『毒素を撒き散らす筒』を打ち込み続ける巨大オブリビオンマシンの存在がある。この『マガフMk1』の軍勢を蹴散らし、踏み込まねば止めることも叶わない。
「無人機……意志のない機械……なら」
アルカの瞳が輝く。
機竜ドラグレクスの援護砲撃を背にアルカは、一刀両断にした『マガフMk1』を侵食し、制御を乗っ取っていく。
「……これもドラグレクスの力……」
否。
それはアルカ自身の力である。彼女の身を構成する金属細胞。それが『マガフMk1』のキャバリアとしての機能を侵食し、一刀両断にした機体であっても、生きている武装を持って迫りくる敵を穿つのだ。
「……無人機には負けない。そして」
彼女が目指すのは巨大オブリビオンマシン。
毒素を撒き散らし続ける限り、この小国家は後戻りの出来ないほどのダメージを受けてしまうだろう。
そうなっては復興もどれほどかかるかわからない。
「プラントで生み出せるのは多いけれど……でも、生命だけは生み出せない。だから」
アルカの瞳はユベルコードに輝いていてる。
簡易型『レーギャルン』のジェネレーターが咆哮するように唸りを上げ、出力を上げたビームブレイドの斬撃が『マガフMk1』と、そして毒素を撒き散らす大型オブリビオンマシンへの道を切り拓くのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
戦は世の常とか、戦争が技術を発達させるとかいうけれど、オブリビオンマシンに遊ばれてるこの世界じゃ、意味合いが違ってくるわね。
人々は誰が望んだわけでもない戦火に晒されてる。
『グリプ5』とは長く付き合ってきたし、そうでなくても、敵にオブリビオンマシンが確認されている以上、静観はない。
殲滅戦を始めましょう。
『GPD-331迦利』起動。「式神使い」で操作し、低空を遊弋しながら「レーザー射撃」の「弾幕」で、敵無人機を掃討なさい。
『迦利』に敵機が反応してる間に、あたしは呪を紡ぐ。
「全力魔法」炎の「属性攻撃」「範囲攻撃」「呪詛」「竜脈使い」で烈焔陣。
大地を割り砕き吹き上がる炎で、悉く焼き尽くしてあげるわ。
「戦は世の常とか、戦争が技術を発達させるとか言うけれど」
村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)は何処か急かされているような気持ちになっただろう。
事態は急変していく。
小国家『グリプ5』はたしかに大きくなった。
多くの戦いがあった。どれもが傷浅からぬものであったし、けれど、得たものはあったはずなのだ。
難民を受け入れたこともそうだ。
もともとも敵国であった者たちすらも、かの小国家を受け入れた。戦いの火種となることを知りながらも、人の善意を頼みに此処までやってきたのだ。
裏切られもした。
平和祈念式典も潰された。けれど、それすらも乗り越えた。簡易型『レーギャルン』が証明だ。
確かに『フルーⅦ』との間にあった軋轢がすべて解消したわけではない。かの小国家に秘蔵されていたスーパーロボットのデータが今度こそ流出したわけではなく提供された形で試作機を生み出された。
「それもオブリビオンマシンに遊ばれてるこの世界じゃ、意味合いが違ってくるわね」
自分が今まさに急かされていると思うのが証拠であろう。
人々は誰が望んだわけでもない戦禍にさらされる。
無人機キャバリア『マガフMk1』より発泡され、多くの者たちが傷つき死ぬ。これが戦いだ。
どんな綺麗事で着飾ったとしても、人が死ぬ。
生命は戻らない。
「『GPD-331迦利』起動。無人機を掃討なさい」
低空で飛ぶ逆三角形のフォルムをした無人機キャバリア。互いに無人機であれど、ゆかりの式神使いとしての才が扱うのであれば、それは驚異的な機動を見せる機体となる。
放たれるレーザーの弾幕が『マガフMk1』を貫く。
「『グリプ5』とは長く付き合ってきたし、そうでなくても、的にオブリビオンマシンが確認されている以上、静観はない」
これは殲滅戦なのだ。
『マガフMk1』を打倒し、巨大オブリビオンマシンに迫る。
あの『毒素を撒き散らす筒』を打ち込み続けるオブリビオンマシンを止めなければ、市街地に満ちる毒素はいずれ『グリプ5』の市民たちをすべて殺すだろう。
そうなってはすべてが手遅れになる。
「それをさせないために――烈焔陣(レツエンジン)」
『マガフMk1』たちの注意が『迦利』に惹きつけられている間にゆかりが紡ぐ呪はユベルコードとなって満ちる。
地中より『マガフMk1』が現れるというのならば、その地中そのものから攻撃すればいい。
戦場の地表を割り、噴き上がるのは無数の火柱。
それは地中より迫りし『マガフMk1』をも巻き込んで地表に在る敵機すら飲み込んでいく。
「大地を割り砕く炎で焼き尽くしてあげるわ」
立ち上る火柱。
その奥に毒素を撒き散らす巨大オブリビオンマシンがある。あの毒素に対する備えなくば、ゆかりもまた無事ではすまないだろう。
それ以上にあの毒素にさらされた市民たちが無事で居られるわけがない。
今はまだ一区画が毒素に汚染されただけだ。
急がねばならない。時はまってはくれない。どうしたって、いつだって、迅速果断なる行動が必要なのだ。
「『ゼクス』、『ズィーベン』……無事かしらね」
どうにも不吉な予感がゆかりの中にあるだろう。
多くの生命が喪われていく市街地。此処は戦場ではなかった。けれど、否応なく戦禍はあらゆる場所を戦場に変えていく。
これもまた変わらぬ真理であるというのならば、喪われた生命は浮かばれぬものであったことだろう。
ゆかりは、胸に抱く予感が偽りであればいいと願うのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ユーリー・ザルティア
ほんとヤレヤレな話ね。
まずは防衛が先決ね。
さて、修理は万全に終わったみたいだし、レスヴァントで出撃するよ。
ARICAはいつも通りパールバーティで『援護射撃』よろしく。
さて、地中から出てくるなら、こっちも地中から!!
螺旋腕突撃衝発動。ボクのキャバリアの腕はドリルになります!!
アマテラスを射出して『索敵』し敵機の位置を『情報収集』
地上へ現れる前に地中戦闘でこのドリルで敵機の装甲を破壊し、イニティウムの『重量攻撃』で『切断』し撃破していくよ。
ボクの『戦闘知識』と『操縦』テクは場所を選ばない。
なんてね。
小国家『グリプ5』は近隣小国家を見ても、稀に見るほどに多くの国の難民を受け入れ続けていた。
敵国であった『フィアレーゲン』。友好国であり滅びた『八咫神国』。
難民が流入すれば小国家は逼迫する。プラントの数には限りが在り、またその生産性もまた同様である。
さらに新興小国家『シーヴァスリー』や過去より蘇った『バンブーク第二帝国』という脅威にさらされているのであれば、なおさらのこと難民は受け入れられなかった。
けれど、人の善意が悪意に染まることはあれど、『グリプ5』の市民たちは人の善意を信じたのだ。
「けれど、それも水の泡に返されそうとしている……ほんとヤレヤレな話ね」
ユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)は『レスヴァント』のコクピットの中で息を吐き出す。
仕方のないことだ。
これが戦乱の世界である証明。いつ如何なる時も戦いが巻き起こる。どんなに平和を願ったとしても、それが叶うことはない。
例え叶ったとしても、それは仮初でしかない。ときには偽りでしかないこともあるだろう。
今がまさにそうだ。
地中より現れる『マガフMk1』たちが市街地に飛び出し、逃げ惑う人々を撃つ。
あちことに死の匂いが充満している。どうしようもないほどの暴力が、こうして無力なる人々を襲っているのだ。
「まずは防衛が鮮血ね。『ARICA』はいつもどおり!」
ユーリーは僚機である無人機キャバリアに砲撃を要請しつつ、『レスヴァント』の両腕をドリルモードに換装する。
螺旋腕突撃衝(ドリルアタック)はあらゆる岩盤すらも貫き砕く。
螺旋の力はどんな障害すらも掘り進める。
例え、この道が困難極まりない道であったのだとしても、ユーリーは諦めないだろう。
「地中からでてくるなら、こっちも地中から!! ドリルアタックだッ!!」
ユーリーの瞳、そして『レスヴァント』のアイセンサーが煌めく。
ドローンよりスキャニングされた地中のデータを受け取って、一気に『レスヴァント』と回転する衝角と共に地中を掘り進む。
その速度は凄まじいものであった。
地底帝国である『バンブーク第二帝国』が地中より攻め入るのならば、その地中からこそ彼等を討ち滅ぼす。
地上に出る前にこれを打ち倒そうとユーリーはしているのだ。
「そっちは外に出ることしか考えてないだろうからね! いっけー!!」
『レスヴァント』の換装した両腕のドリルが『マガフMk1』の装甲を破壊し、さらにキャバリアソードが溶断する。
地中で爆発が起こっても、これならば地上に影響はない。
ユーリーは次々と地上に飛び出そうとしている『マガフMk1』を撃破しながら、さらに掘り進む。
「ボクは場所を選ばない。『エース』っていうのはこういうものでしょ!」
ユーリーの言葉は地中に響く。
『マガフMk1』たちは無人機であるがゆえに、地上に出るまでの無防備ゆえに対処できない。
『バンブーク第二帝国』も地上からではなく、地中から己たちの進軍を阻むキャバリアがあろうなどと誰も思わなかったことだろう。
だが、此処には『エース』がいる。
紛れもない『エース』が。ユーリーという『エース』が居る限り、『バンブーク第二帝国』は地中からの攻勢を成功させることはできない。
「――なんてね」
微笑みながら、ユーリーは地中の残敵を打ち漏らすことなく、その回転衝角でもって『マガフMk1』たちを地中の奥底でスクラップに変えるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ガイ・レックウ
【POW】で判定
『ふざけんなよ……お前らは越えちゃいけねぇラインを越えやがった!!』
【オーラ防御】のバリアを纏い、無人機どもに突撃。電磁機関砲での【制圧射撃】とブレードでの【鎧砕き】と【なぎ払い】の【二回攻撃】で蹴散らしていくぜ!
『てめぇら…全員叩き潰す!!』
ユーベルコード【封魔解放『鳴神』】の雷撃で無人機を蹴散らしてやるぜ!!
市街地は燃えている。
無人機キャバリア『マガフMk1』のキャバリアライフルが放つ弾丸が逃げ惑う人々に向けられる。
炎が立ち上っている。
どこもかこも破壊されている。
『バンブーク第二帝国』の大型オブリビオンマシンが放つ『毒素を撒き散らす筒』は、敵国のインフラを奪う上では確かに有効的な手段であったことだろう。
其処に人道的な意味を見いださないのであれば、の話ではあったが。
けれど、『マガフMk1』たちの行動と照らし合わせてみれば、それはあまりにも矛盾したものであった。
インフラを破壊せずに占領する。
それが目的ならば『マガフMk1』たちの破壊行動は逆方向であった。これでは制圧でしかない。殲滅と言ってもいいだろう。
人的な不足を補おうともしない。ただ人間であるから滅ぼす。
さらに巨大オブリビオンマシンが現れた区画は、有毒装甲から放たれる毒素が充満している。
毒素に触れれば、多くの生命が喪われるだろう。
銃火にさらされている生命以上のものが死に絶える。
「ふざけんなよ……」
ガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)は見ただろう。多くの生命が散っていくのを。
多くの血が流れている。
多くが瓦礫と化している。
手遅れであるといえるかもしれないし、まだ、とも思えるかも知れない。
「……お前らは越えちゃいけねぇラインを越えやがった!!」
キャバリアを駆り、ガイは『マガフMk1』を電磁機関砲でもって制圧し、ブレードの斬撃で持って撃破する。
だが、次々と地中から現れる『マガフMk1』。
無人機キャバリアゆえに、敵に疲れと恐れはない。ただ目の前の存在を滅ぼすためだけに彼等はやってくる。
他の猟兵たちが応戦しているが、波状攻撃は自分たちを此処に押し留めているかのようでも在った。
少なくともガイはそう思ったし、事実、『毒素を撒き散らす筒』を打ち込み続ける巨大オブリビオンマシンには近づけていない。
「時間がねぇ……!」
毒素が『グリプ5』に満ちれば、全てが終わる。
一つの小国家を形成していた市民という生命が息絶えるのだ。本当の意味での消滅。
これほどまでの怨恨が『バンブーク第二帝国』と『グリプ5』にあったのだろうか。いや、あるのだろう。試走は歪められ、『バンブーク第二帝国』はオブリビオンマシンによって飲み、その怨恨を晴らそうとしている。
戦いの火種は何処にでも在る。
些細なものでも、何にでも理由はつけられてしまうのだ。
けれど、目の前にひろがる殺戮の痕を見てガイは冷静ではいられなかっただろう。
「てめえら……全員叩き潰す!!」
ユーベルコードに輝く瞳。
封魔解放『鳴神』(フウマカイホウ・ナルカミ)によってほとばしる魔神の雷。
封魔神刀に封じられた荒れ狂う魔人の雷が、戦場に満ちていく。
轟雷。
その言葉が最も妥当であろう。無人機キャバリアである『マガフMk1』に降り落ちる雷撃。
蹴散らすようにガイは『マガフMk1』の爆発をよそに突き進む。
あの毒素は止めなければならない。
時間が経てば経つほどにこちらが不利であることは言うまでもない。それ以上に生命が喪われ続けてしまう。
「させねぇ……! お前たちの勝手には!!」
例え、全てが手遅れなのだとしても。
それでも救いを求める手に、己の手を伸ばさずにはいられない。ガイは、雷の雨と共に戦場を疾駆する――。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
さすがにちょーっと怒ったぞ。
無差別に毒を撒き散らすだけでも許せないのに、
その理由が『弱者はいらない』?
戦うことと生きることが同じだと思ってるのかな?
そう思いたいなら思えばいいけど、それに他人を巻き込むな!
まずは【ネルトリンゲン】で防壁になりつつ、毒の成分を分析。
解毒の成分を解析して【ストラクチュアル・イロージョン】で毒の無効化を図るよ。
『希』ちゃん、こっちはわたしがなんとかするから、
毒の解析を全力でお願い!
【Density Radar】起動。全デバイスフルドライブ!
【M.P.M.S】をバンカーバスターモード。ただし炸薬は最小限、
キャバリアを貫通させて動きをとめるよ。
地上に出てくる前に叩く!
地底帝国のキャバリアが持つ『有毒装甲』はキャバリアに搭乗しているのならば無効化できるものである。
しかし、キャバリアに乗っていない市井の人々は防ぐことなどできない。死に至る毒素を浴び、次々と生命が散っていく。
さらに無人機キャバリア『マガフMk1』が放つキャバリアライフルの弾丸が建築物や逃げ惑う人々を襲う。
ミサイルポッドが火を吹き、あらゆる場所を戦禍に引きずり込むようでもあった。
「無差別に毒を撒き散らすだけでも許せないのに……!」
菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は低空で飛ぶ戦闘空母『ネルトリンゲン』の艦橋から地上の状況を見やり、言葉を怒りを滲ませる。
地上は地獄のような有様であった。
毒素が満ちた地区はもうだめであろう。療養施設があった地区などは、すでに『バンブーク第二帝国』の大型オブリビオンマシンによって制圧されている。
いや、制圧という言葉は正しくはない。
ただ虐殺されているだけだ。
「その理由が『弱者はいらない』? 戦うことと生きることが同じだと思っているのかな?」
理緒は『ネルトリンゲン』を降下させ、『マガフMk1』と逃げ惑う人々の間に割り込ませ、盾となる。
その間に打ち込まれた『毒素を撒き散らす筒』より放たれる毒性を解析し始める。
理緒はそう思いたいなら思えばいいとさえ思っていた。
戦うことと生きることは切り離せない。
けれど、決して同一ではないと彼女は思っていた。思うだけならいい。けれど、他者をいつだってそれは傷つける。無関係でいることを阻むように、戦禍は誰も彼もを傷つけていく。
「『希』ちゃん、こっちはわたしがなんとかするから、毒の解析を全力でお願い!」
デバイスより戦場全体に満ちる毒素を識別するウィルスが放たれる。
それはストラクチュアル・イロージョン。
識別した毒素を打ち消すウィルスとなって散布されるが、それを無効化できない。毒素の内部構造へと侵食はできるが完全に打ち消すことができないのだ。
「……毒素が変性していっている? だからキャバリアに乗ってないといけないってこと?」
理緒はデータの羅列を見やりながら唸る。
だが、敵は待ってはくれない。地中より次々と飛び出してくる無人機キャバリア『マガフMk1』。
彼等は無人機であるがゆえに、感情を持たない。
ただ目の前に動くものがいればライフルを向け、ただ滅ぼすのみ。そうした殺戮の徒を前に言葉による説得など意味はない。
ただ、殺す。ただ鏖殺する。
地底帝国『バンブーク第二帝国』の怨恨は、今に生きる者たちを殺すためだけに蓄積していたと言っても過言ではない。
「空間密度の計算終了。全デバイスフルドライブ! M.P.M.Sはバンカーバスターモードに」
理緒が『ネルトリンゲン』の艦橋よりコンソールを叩く。
炸薬量は最小限に。
放たれるバンカーバスターが地中に存在する『マガフMk1』たちを地表に飛び出す前に打ち倒すべく、打ち込まれる。
地中で爆発する機体。
「地上に出てくる前に叩く!」
地上に出れば、また市民たちが犠牲になる。国が囲いを意味するものではなく、人の生命によって構成されるものであると知るのならば、今此処で敵をとどめなければならない。
毒素が打ち消せない以上、被害の拡大を抑制するためには、あの騎士型の大型オブリビオンマシンを打ち倒さなければならない。
今はまだ遠く見える悪意の騎士。
「さすがにちょーっと怒ったぞ」
理緒の瞳は、それを見据える。
怨恨が人の心を狂わせるのだとしても、それを制御してこその心であろう。
憎しみは何も生まない。
けれど、人を狂わせる。破壊に走らせる。世界の破滅がオブリビオンによってもたらされるのならば、その怒りを、憎しみを制御する箍を持つのが人の心だ。
だからこそ、理緒はオブリビオンマシンをこそ止める。
これを討たねば、何一つ歩みを始めることはできないのだから――。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ヴェルディグリース』
|
POW : メラルダの剣
【サイキックエナジーを実体化させて自分の剣】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD : ベリドートの鎧
全身を【緑青色に輝く強固なサイキックオーラ】で覆い、自身の【搭乗者を顧みない出力のサイキックエナジー】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ : ロムスフェーンの外套
自身の【搭乗者の生命力および精神力】を代償に、【対象の至近距離へテレポートし、サイキック】を籠めた一撃を放つ。自分にとって搭乗者の生命力および精神力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
緑青色の騎士。
その名を『ヴェルディグリース』。巨人という種族である『バンブーク第二帝国』の将たちは皆、通常の三倍の巨大さを誇るキャバリアを駆る。
さらに『有毒装甲』より放たれる毒素は、生身の生命を殺す。地底帝国、『バンブーク第二帝国』の将が乗る巨大キャバリアはすべてこの『有毒装甲』を持つがゆえに猟兵達はキャバリアに搭乗するか、もしくはそれ以外の方法でもってこれに対処しなければならない。
身を蝕む毒素は、ただ其処で稼働しているだけでも厄介極まりないものであった。
だが、『ヴェルディグリース』を駆る将『フロック』は、その『有毒装甲』から排出される毒素を筒に充填させて市街地に投げ放つ。
打ち込まれた『毒素を撒き散らす筒』は、即座に周囲の人間たちの生命を奪う。
これが己たちが過去に地底(アンダーグラウンド)に追いやられた恨みを晴らす正当なる報復であると言うのだ。
「弱兵は語るに値せず。お前たち『エース』こそが将たる俺の渇望を満たしてくれる。弱兵は存在そのものが罪だ。そして、我等を地底に追いやった『フュンフ・エイル』に連なる者すべてが俺の敵!」
「勝手なことを! あれは兵ですらない! ただの市民だ。力のない人々まで殺めるのがお前の言うところ正当だとでも!」
『ゼクス・ラーズグリーズ』の駆る簡易型『レーギャルン』がアーマーより展開された副腕でもってビームブレイドの斬撃を嵐のように見舞う。
だが、『ヴェルディグリース』は、その斬撃をいなし『ゼクス』の駆る機体を蹴り飛ばす。
「然り。復讐は果たされなければならない。我等を地底に追いやらなければ、このようなことにはならなかった。対話よりも戦いを選んだのは、お前たちだ。姿形が違う。ただその一点においてお前たちは俺たちを地底に放逐したのだ。ならば!」
「その代価が! あの子が死ななければならないってことなのよ! なんでよ!!」
『ズィーベン・ラーズグリーズ』が涙を滲ませた瞳を憎悪に染めて叫ぶ。
己の末弟は何故死ななければならなかったのか。
過去の怨嗟が『アハト・ラーズグリーズ』を殺したのか。ただ生きていたかっただけの存在を殺すことさえも正当であるといえるのか。
「お前は私の弟を殺した! 多くを殺したのよ! なら、私は否定する。お前の言う正当を――!」
「駄目だ、『ズィーベン』、それは使うな! まだ調整が終わって――!」
「俺もお前を否定する。我等が正当を阻む者はすべて正当に非ず」
「――ッ!! プロメテウス・バーン、起動ッ!!」
『ズィーベン』の機体の腹部に備えられた砲口が煌めき、大出力の砲撃を持って『ヴェルディグリース』を襲う……はずだった。
起動した砲口が爆発を起こし、簡易型『レーギャルン』がかく座する。
「無様だ。戦いに身を置く以上、恨みつらみなど常なるもの。我を忘れて力を徒に膨れ上がらせ、制御できぬ弱兵など『エース』に値せず」
『フロック』が告げる言葉は淡々としたものであった。
憎しみは連鎖となって未来に引き継がれていく。過去の怨嗟は未来の怨嗟に。恩讐の彼方にあるのは、世界の破滅のみ。
憎しみが決して消えぬというのであれば、破滅は必定であろう。
緑青色の騎士が悠然と、されど二機の簡易型『レーギャルン』にトドメを刺そうとゆっくりと毒素満ちる地区を歩む――。
メサイア・エルネイジェ
通常のキャバリアの3倍!
って幾らなのでしょう?
わたくし両手で数えられる以上の計算はできませんわ〜!
なんですヴリちゃん?15m?
ヴリちゃんは賢いですわね!
あらー!ゼクス様もズィーベン様もおピンチですわ!
急ぎお助け致しますわよ〜!
ヴリちゃん!あの大きくなる剣に注意するのですわ!
ですが大きいという事は重い事
空気抵抗やら何やらで振り回す時の隙も大きくなりますわ
なので振り切られる前に突撃致しますわよー!
チカライズパワー!体当たりで吹っ飛ばしますわ!
おふたりから離れなさーい!
剣の範囲外まで吹っ飛ばせば反撃も受けませんわ
吹っ飛ばした先で追撃ですわ!
テールスマッシャー!
お手玉みたいにしてさしあげますわ〜!
巨大なる威容を誇る地底帝国のキャバリア。
それは人間の三倍の体躯を誇る巨人という種族にとっても巨大なものであった。ゆえに『バンブーク第二帝国』は将たるキャバリア乗りのみが彼等にとっての通常サイズのキャバリアとも言うべき大型キャバリアに乗り込むことを許されている。
「脆弱。力こそがすべての道理を捻じ曲げるもの。かつての『フュンフ・エイル』が我等にそうしたように。俺がそれをしようというのだ」
緑青色の騎士。
『ヴェルディグリース』の掲げた剣にサイキックエナジーが満ちていく。
『有毒装甲』より発露する毒素とは異なる色。
その巨大な剣が振り下ろされれば試作機を駆る『ゼクス』と『ズィーベン』が殺されることを意味する。
だが、今の彼等は機体の損壊に寄って躱すことはできないだろう。
漲る力。
振るわれようとしている力はまさしく暴力であった。
「ヴリちゃん!」
その声は疾風のように戦場に響いたことだろう。打ち込まれ続ける『毒素を撒き散らす筒』。
それらを躱しながらメサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)の駆る『ヴリトラ』は、その機体を『ヴェルディグリース』へとぶつける。
巨大な剣を振るうということは、その動作に大きな隙を生み出すものである。さらに『毒素を撒き散らす筒』を縫うように躱しながら速度を上げるなど、並のキャバリアに出来ていい芸当ではない。
だが、メサイアの駆る『ヴリトラ』は高速機動仕様である。
その名が示すように暴風の如き速度で『ヴリトラ』は『ヴェルディグリース』へと激突し、その巨体を傾がせるのだ。
「――ッ、獣……いや、竜か!」
「通常のキャバリアの三倍!」
っていくらなのでしょう? とメサイアは首をかしげる。衝撃が体に叩きつけられるが、メサイアの頭の中に膨れ上がる疑問は、5mの3倍の値であった。
即ち15m。
ちょっとこう、メサイアは両手で数えられる以上のお計算がちょっとだけお苦手でしてよ。
モニターに15mって計算式が浮かび、メサイアはうなずく。
うちのヴリちゃんってばお賢いですわ~! と! だがしかし、メサイアは突撃と共に『ゼクス』と『ズィーベン』のかく座した機体から遠ざけるように『ヴェルディグリース』を戦場の端へと追いやる。
「小竜と言えど、侮れぬか! だが、弱兵に興味はなし。俺が求めるのは強者!」
「そぉい!」
『ヴェルディグリース』が再び剣を振るおうとした瞬間、『ヴリトラ』のアイセンサーがユーベルコードに輝く。
揺るぎなき暴力(チカライズパワー)とは体躯の差を軽々と凌駕するものである。
巨体を傾がせる突撃。
「おふたりから離れなさーい!」
メサイアに至っては、『ヴェルディグリース』を駆る将『フロック』の言葉などどこ吹く風である。
小難しい言葉遣いをして自分を煙に巻こうたってそうはいきませんことよ! くらいの気概であった。
「ヴリちゃん! テールスマッシャーですわ~! お手玉みたいにして差し上げますわ~!」
振るわれるスマッシャーテイルが『ヴェルディグリース』の放つ斬撃と打ち合う。
先端のスパイクが刀身とぶつかり火花を散らし、打ち合うたびにサイキックエナジーを引上していく。
「チカライズパワー! ですが、その力の振るいどころを誤るのならば、それはもはや力とは言わないのですわ~!」
弾き返す尾の一撃に体勢を崩した『ヴェルディグリース』に突撃する『ヴリトラ』の体当たりの一撃が凄まじい衝撃波を伴って、『フロック』の脳を揺らす。
緑青の騎士は暴竜の前に膝をつく。
メサイアは『ゼクス』と『ズィーベン』の二人から『ヴェルディグリース』を引き離し、疾風怒濤の体当たりに寄ってこれを為したのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
毒対策は、「毒耐性」「環境耐性」「浄化」「オーラ防御」で。
その上に、SSWで一般的な極薄の宇宙服を纏う。これでいいでしょ。
「式神使い」で『迦利』を運用。「レーザー射撃」の「弾幕」でラーズグリーズ兄妹の退却を支援して。
さて、市街地に毒を撒こうとした莫迦はあなたかしら。その報い、受けてもらう。
「全力魔法」衝撃の「属性攻撃」「衝撃波」「仙術」「道術」で天絶陣。
的が大きいと当てやすいわ。さあ、隕石の直撃、喰らってみなさい!
敵機がぐらついたところで、『迦利』の先端に「オーラ防御」を張って、衝角突撃。これでどう!?
何なら天絶陣をもう一発いってみる?
『迦利』、毒素の発射機構があればレーザーで破壊しておいて。
地底帝国『バンブーク第二帝国』のキャバリアが持つ『有毒装甲』の毒素を充填し筒として遠隔地に投げ放つ『ヴェルディグリース』の作戦は、小国家『グリプ5』にとっては有効であった。
何故ならば、守るべきものが多い彼等は、それゆえに防衛戦が長く薄く伸びるしかない。カバーに回るほどの戦力がないのだ。
だからこそ、突破されてしまえば脆い。
『マガフMk1』という無人機キャバリアでさらに薄くした防備をつくように『毒素を撒き散らす筒』を打ち込めば、混乱し、さらに敵を各個撃破することができる。
『ゼクス・ラーズグリーズ』と『ズィーベン・ラーズグリーズ』が敗北したのはこのためだ。
巨大な大型オブリビオンマシンである『ヴェルディグリース』は猟兵の突撃を受けてトドメを刺そうとした二機より引き剥がされつつも、将たるオブリビオンマシンを駆るに相応しい実力を持つ『フロック』によって建て直されていた。
「俺をよろめかせるか。面白い」
漲るサイキックエナジーが再び剣を巨大化させていく。
振るわれる斬撃は重たく鋭い。この距離であっても二機にトドメを刺すことができただろう。
だが、それをさせぬと飛ぶのは、逆三角形の無人機キャバリアであった。
「さて、市街地に毒を撒こうとした莫迦はあなたかしら。その報い受けてもらう」
村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)はその身を宇宙服に多い、毒素の侵入を阻み、己が式神として手繰る『迦利』が放つレーザーの弾幕で持って『ヴェルディグリース』を阻むのだ。
「無人機を使うか……嘗められたものだな!」
振るう斬撃が『迦利』のレーザーを切り裂く。
「ただ徒に人を殺すことしか考えていない怨恨の化け物が言うこと? 姿格好だけは一人前に騎士を気取り、弱者を切り捨て、強者のみを求める者の言葉にどうして、あたしが従わなければならないの?」
ゆかりは、無人機キャバリアである『迦利』が放つレーザーの乱打を隠れ蓑に、己の瞳をユーベルコードに輝かせる。
オブリビオンマシンによって思想を歪められた者に届く言葉は多くはない。
どのみち倒すしかないのだ。
「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。天より降り注ぐ先触れのかそけき光よ。滅びの遣いを導き、地上をなぎ払え。疾!」
ゆかりの言葉と共にひろがるのは天絶陣(テンゼツジン)。
戦場に降り注ぐ光の流星雨は如何にサイキックエナジーによって巨大化した剣であっても振り払うことはできないだろう。
「光……! この光は……マーカーか!」
即座に『ヴェルディグリース』の『フロック』がゆかりのユーベルコードの本質を見抜く。
光の流星は攻撃ではない。
そこに落とす、という明確な座標であった。
「ええ、的が大きいと当てやすいわ。さあ、隕石の直撃、喰らってみなさい!」
空より飛来するは燃え盛る巨大隕石。
その質量であれば『ヴェルディグリース』の威容であってもただでは済まない。
けれど、巨大化したサイキックエナジーの刀身が走る。
振りかぶり、放たれた斬撃が巨大隕石を砕き、戦場に砕け散った隕石の破片が落ちては、凄まじい衝撃波を走らせるのだ。
「虚仮威しを!」
「いきなさい、『迦利』!」
その言葉と共に衝角にオーラをまとった『迦利』が『ヴェルディグリース』に飛び込んでいく。
無人機だからこそできる芸当。
乗っている者を考慮しない突撃の一撃に『ヴェルディグリース』の装甲がひしゃげるが、それでも受け止めるは巨躯あってこそであろう。
「なんなら、もう一発あげるわよ!」
ゆかりの瞳が再びユーベルコードに輝き、隕石を招来せしめる。
「ぬぅ……! だが!」
激突するサイキックエナジーと巨大隕石。
けれど、ゆかりの目的は他にあった。あの『毒素を撒き散らす筒』。あれを充填させる機構が必ず『ヴェルディグリース』にはある。
それを潰すことだ。
「――……! 背部に6つ……!」
『迦利』の放つレーザーの一撃が、『毒素を撒き散らす筒』を充填させる機構の二つを破壊する。
ぐらつく巨体。けれど、まだ本体が残っている。有毒装甲に覆われた『ヴェルディグリース』は、その存在事態が死を撒き散らす。
ゆかりは、隕石が砕けた衝撃波を身に受けながら、緑青の騎士の威容を傾がせるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ウィル・グラマン
●SPD
ここまで図体がデケェと迷わずに済んだぜ
やいやい、そこまでだ!
このオレ様、ウィルとベアキャットがてめぇらの悪巧みをぶっ潰してやるぜ!
あの鎧からポンポン出てくる筒をどうにかしてぇけど、元を断たねぇと切りがねぇな
やられそうになってるレーギャルンを助けるがてら、こっちのレーギャルンの砲撃で排出口を狙ってこっちに注意を向けてみるか!
よぉし、振り向いた
いっちょシバいてやろうぜベア…って、あの図体で緑青色に光りながら飛ぶのかよ!?
まともに喰らうとただじゃ済まねえ速さだ
散開だ、ベア!
ちっくしょ、こうなりゃ速さには速さで対抗だ
『サイバー・インストレーション』でベアに背部ロケットを増設だ!
飛ぶんだ、ベア!
巨大な緑青色の騎士を模したオブリビオンマシンが傾ぐ。
暴竜の如き機体によって先行していた機体から引き離され、無人機キャバリアによる突撃に寄って『毒素を撒き散らす筒』の充填機構の三分の一を破壊された『ヴェルディグリース』は、傾ぐだけであった。
未だ倒されぬオブリビオンマシンが咆哮するように、その機体からサイキックエナジーを発露させる。
些かも覆せぬ絶対的な差。
緑青色のオーラがほとばしり、それがサイキックエナジーであることをウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)は理解しただろう。
「ここまで図体がデケェと迷わずに済んだぜ! やいやい、そこまでだ!」
ヴィルは簡易型『レーギャルン』と自律行動する『ベアキャット』と共に戦場に急行数する。
「このオレ様、ウィルと『ベアキャット』がてめぇらの悪巧みをぶっ潰してやるぜ!」
「息巻くだけでは何もできぬと知れ。『ヴェルディグリース』よ、俺の生命を使え!」
唸りを上げるサイキックエナジーを捻出するジェネレーターと共に緑青の騎士『ヴェルディグリース』が凄まじい速度で『ベアキャット』を吹き飛ばす。
斬撃の一撃をどうにか受け止めた『べアキャット』が後退するほどの斬撃。
「って、あの図体で飛ぶのかよ!?」
散開する暇すら与えぬ速攻。
サイキックエナジーが搭乗者より捻出されていることは明らかだ。しかし、それは諸刃の剣のはずだ。搭乗者を省みない機動。確実に搭乗者の生命を削っている。
だというのに、それを全く度外視するかのように『ヴェルディグリース』を駆る『フロック』は『ベアキャット』とウィルに迫っている。
「飛べぬ道理などなし! 貴様らに俺を打倒するほどの強者としての力があるのならば!」
示してみせろと、咆哮する『フロック』の勢いは凄まじい。
これを調子づかせていては、後々面倒なことになるのは明白だった。
「まともに喰らわねぇ……なら!」
ウィルの瞳がユーベルコードに輝く。
サイバー・インストレーション――それはウィルがこれまで経験してきたコンピュータゲーム内にあるアイテムやギミックを持って具現化する力。
敵が凄まじい速度で飛翔するというのならば、速さで対抗する。
あの巨体である。動けば凄まじい衝撃波を齎し、市街地を蹂躙するだろう。ならばこそ、勝負は一瞬であった。
「飛ぶんだ、ベア!」
「ガオォン!!」
ウィルの言葉に応じるように『ベアキャット』のアイセンサーが煌めく。背部に生み出された背部ロケット。
増設されたそれが噴射口から凄まじい炎を吐き出しながら、迫りくる『ヴェルディグリース』と組み合う。
剣の一撃を抑えるように伸ばした『ベアキャット』の手がサイズ差を物ともせず、しかし歪みながらも『ヴェルディグリース』の巨体を受け止め、止めるのだ。
「いっちょシバいてやろうぜベア!」
ウィルの駆る簡易型『レーギャルン』より放たれる一撃が『ヴェルディグリース』に備わっていた『毒素を撒き散らす筒』に毒素を充填する機構の一つを潰す。
「――余計な真似を!」
「してんのはそっちだろうが! その鎧からポンポン出してくる筒が鬱陶しいんだよ!」
叩きつけた一撃が『ヴェルディグリース』の背部にあった機構をまた一つ潰しながら、爆発と共に立ち上る。
「そのデカさで飛ぶから此処に押し止める。ベア!」
「ガオォン!!」
『ベアキャット』の本領はここからである。サイズ差を物ともしない出力。
その剣の一撃をふるおうとして腕をつかみ、背部ロケットの出力を最大限に発揮し、一本背負いの要領で『ヴェルディグリース』を投げ飛ばすのだ。
凄まじい衝撃が地鳴りのように響き渡り、『ヴェルディグリース』の巨体が叩きつけられる。
『ベアキャット』の背部ロケット機構が出力の限界を超えて、白煙を上げながらパージされ、ウィルはその漆黒のスーパーロボットの姿に誇りを覚えるだろう。
「よくやったな、ベア! いいか、てめぇらがどれだけやってこうようが、俺たちには敵わねーってこと、よく覚えておけよ!」
「ガオォン!!」と漆黒のスーパーロボットの咆哮が、緑青の騎士を下し、戦場の趨勢を猟兵に傾けさせるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
アルカ・スィエラ
見つけた、オブリビオンマシン……!
レーギャルンで割り込みつつ、体格差を利用し、攻撃は残像を利用し、見切って敵機の脚を中心に狙っていくわ
攻撃を受ければ苦しいのはこっち、無理に攻め込む真似はしない
時間を取られれば恐らくは筒に頼る。けど……やらせない。
【殲滅の引き金】、“非戦闘員への攻撃を禁止する”わ。
UCで巻き込む、筒やその機体を非戦闘員のいるエリアに持ち込もうとする、
どれであっても上空に居るドラグレクスが空から降らせた光で撃ち抜き、超重力の闇に閉じ込め空間ごと押し潰して抹消する。
こっちも条件は同じ、でも、機体に踊らされそんなものに頼ったあなた達と、猟兵は違うわ
塵一つ遺さず、潰れて消えなさい
猟兵の操るキャバリアの背負投の一投でもって巨大なオブリビオンマシン『ヴェルディグリース』は叩きつけられる。
けれど、即座に体勢を整えるは地底帝国『バンブーク第二帝国』の将たる器であったことだろう。
「この程度で俺が、『ヴェルディグリース』が倒れるものかよ!」
機体より漲るサイキックエナジーが増加していく。
搭乗者の生命を削る力。
それが『ヴェルディグリース』の本領であったことだろう。握りしめた大剣がさらに巨大化していく。
振るう斬撃はあらゆるものを薙ぎ払うかのように振るわれる。
かく座した二機の簡易型『レーギャルン』の試作機に迫る刃。それを受け止めたのは一騎の『レーギャルン』であった。
「見つけた、オブリビオンマシン……!」
アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)の駆る簡易型『レーギャルン』は彼女の体を構成している金属細胞で強化されている。
その強化がなければ、今頃サイキックエナジーによって巨大化した剣の薙ぎ払いで一刀のもとに両断されていたことだろう。
「受け止めるか、俺の一撃を!」
「機体がきしむ……! 並の相手じゃない……!」
アルカは気がつくだろう。
確かにオブリビオンマシンの巨大さは脅威だ。けれど、それ以上にそれを操る将たる『フロック』の力も大きい。
サイキックエナジーの刃を受け止められたと判断した瞬間に刃を翻して、標的をアルカの駆る『レーギャルン』に変えたのだ。
振り下ろされる一撃をアルカは『レーギャルン』の操縦技術でもって見切って躱す。
残像を利用し、さらには機体の大きさの差を利用しながら旋回する。
「攻撃を受ければ苦しいのはこっち……でも……っ!」
攻めあぐねている。
敵の巨大さはそのままリーチの差になる。
例え、強化されている『レーギャルン』であっても、次の一撃を機体で受け止めれば、フレームがきしみ内部機構が瓦解することをアルカは理解しただろう。
さらに歩が悪いことに『ヴェルディグリース』を駆る『フロック』は武人然としていながら、非道に身を染める者であるということだ。
「時間が経てば恐らくは、あの筒に頼る」
「どうした! 逃げてばかりではなぁ!!」
サイキックエナジーの刃が大地を砕く。既の所で躱せているが、膠着したと見るや否や、『毒素を撒き散らす筒』を持ってこちらの注意を削ぐ。
その時が自分の最後であるといえるだろう。
だから、彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
「けど……やらせない。“非戦闘員への攻撃を禁止する”わ」
その言葉ともに戦場に発布されるは、条約である。
単純なルールだ。戦う以上、戦闘者以外のものへの攻撃を禁じる。本来の戦いなら、それは必要のない行いであったからだ。
「――……! 貴様ッ!」
「わかっているよ。そっちの目論見ってやつは……私が躱し続けるのならば、市街地への被害を拡大させようとするでしょう。あのかく座した機体も狙おうとする……」
天にあるのは機竜ドラグレス。
その咆哮が見ている。謂わば疑似『殲禍炎剣』である。殲滅の引き金(ルクス・オブスキュリタス)はすでにアルカの手を離れた。『ヴェルディグリース』を手繰る『フロック』にも届かぬ場所にある。
たった一つのルール。
『非戦闘員への攻撃の禁止』。
唯一である。
「こっちも条件は同じ。でも……機体に踊らされ、そんなものに頼ったあなた達と、猟兵は違うわ」
アルカは戦場に残るであろうルールを猟兵の誰もが侵さぬことを知っている。それは多くの制限を伴うものであったことだろう。
けれど、それでも踏み越えていく。
此処に集まった者たちは、誰もがそれを理解している。
平和の尊さを。相互理解も、解り合えぬことへの理解も。何もかも。
「その筒は放たせない。これ以上人も死なせない」
「ハッタリを!」
『フロック』が『毒素を撒き散らす筒』を投げ放とうとした瞬間、それを撃ち抜くのは光。
瞬間、超重力が『ヴェルディグリース』の機体を傾がせる。
「塵一つ残さず、潰れて消えなさい」
アルカは告げる。
きしむフレームの音に悪意あるものすべてを滅ぼす機竜の咆哮が轟いた――。
大成功
🔵🔵🔵
稷沈・リプス
うわー、本当に嫌な相手っすね。
それにあの機構…厄介っすよ。
(引き続き『ヤム』に搭乗、UC発動)
『――外部よりコンタクト』
あ、今どこかにある『ジェフティ』からのっすね。受信受信。
あと、『ジェフティ』のをあの二人にも与えるようにっと。これで避けやすくなるはず。
…で、あの速さ厄介なんすよねぇ。『ジェフティ』からの智で予測はできるっすけど。
この『ヤム』と同じ人(異境の神)から貰ったBXS異境海蛇『ナハル』。それで絡めとるようにしてっす。
電磁パルスあるっすからね。多少の異常もきたすハズっす!
超重力の檻が『ヴェルディグリース』の機体を囚えた。
軋むフレーム。
装甲がひしゃげながら緑青色の騎士はそれでも機体にサイキックエナジーを満たしながら、進む。
圧倒的な速度で超重力の檻を抜け出した時、その機体はボロボロであったことだろう。搭乗者の生命を吸い上げながら戦う大型オブリビオンマシン。
「まだだ……! このままでは負われぬ! 我等の怨嗟を地上の者たちに知らしめるまでは! 報いを受けさせるためには!」
『毒素を撒き散らす筒』を握りしめた『ヴェルディグリース』が咆哮するようにサイキックエナジーを放出する。
その速度は一気に戦闘となっていた地区を飛び越え、さらに市街地へと侵入を果たすだろう。
「うわー、本当に嫌な相手っすね。それにあの機構……厄介すよ」
稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)は思わず呻いていた。
異境海蛇『ヤム』に登場したリプスの瞳がユーベルコードに輝く。
異郷にも伝わる、智恵の神(ジェフティ)の名は、『ジェフティ』。世界を移動する移動型魔導収集書庫。
その叡智をリプスは受信する。
広域に送信された智は、リプスの瞳に捉えられた。
『――外部よりコンタクト』
「ま、今どこかにある『ジェフティ』から通信っすね。受信受信」
リプスは今にも飛び立とうとしている『ヴェルディグリース』を見やる。
すでに『ジェフティ』から受信した智でもって、『フロック』が何をしようとしているかなど理解している。
機体の損傷具合から見て、こちらに一矢報いようとしていることは理解できる。こちらにまだ勝つつもりなのだ。
手にした『毒素を撒き散らす筒』はブラフ。
こちらの動揺を誘おうとしてるし、機体の装甲は『有毒装甲』だ。
あの毒素を撒き散らすことが、『ヴェルディグリース』と『フロック』の役目。この小国家を死に至らしめること。ただそれだけのために己の生命を使おうとしている。
「お二人さんも理解したっすよね?」
リプスの言葉にかく座した二機の『レーギャルン』から通信が入る。
「わかりました!」
「『ゼクス』兄ぃ! ジェネレーターを……『プロメテウス・バーン』をもう一度!
「不足分はこっちの機体から補う!」
リプスは二人の様子を見てうなずく。彼等の機体は砲撃型と近接型。胸部にあった砲口がまだ無事であったことが幸いしたのだろう。
ならばこそ、リプスは笑むのだ。
死力を尽くしても尚、負けるかもしれない。
けれど、それを考えていない若さが彼等にはあった。向こう見ずと言う者だっているかもしれない。
どんな時だって人は死ぬかもしれない。今こうしている瞬間にも彼等は死と隣合わせにある。
「負けるようには出来ていないってことっすよね、『ジェフティ』」
リプスは『ヤム』と共に飛び立とうとしている『ヴェルディグリース』を追う。放たれた原初の水より生まれしフォースウィップが『ヴェルディグリース』の機体を大地に縫い付ける。
「――ッ! このっ、パワーでこの『ヴェルディグリース』に張り合おうなどと!」
「いやぁ、絡め取っているだけっす。それに、ただ絡め取っているだけじゃないっすよ」
フォースウィップから放たれる電磁パルス。
その膨大な一撃が『ヴェルディグリース』の動きを一瞬止める。
リプスはもう理解していた。
それだけでよかったのだ。二機の『レーギャルン』のジェネレーターを直結させ、出力を安定させる。
『レーギャルン』に備えられた『プロメテウス・バーン』の本来の使い方だ。一つの炉が出力を上げ、もう一つの炉が放出エネルギーを安定させる。
一騎では為し得ぬ砲撃。
その一撃が刻む光条をリプスは見ただろう。
「ほら、やっぱり負けないっす。人は殺されてしまうかもしれないけれど、負けるようにはできていないんすよ」
その光条を見るリプスは微笑んだだろう。
誰も彼もが大切なものを失うまいともがく。戦乱の世界であればなおのこと。だからこそ、リプスはそれを歪めるオブリビオンマシンを決して許さないのだ――。
大成功
🔵🔵🔵
ガイ・レックウ
【SPD】で判定
『ぬかせ!護る強さを知らない、ただの阿呆が!!』
【オーラ防御】を多重に貼り、【戦闘知識】と【情報収集】で相手の充填機構の弱点を見極めるとそこを狙って、電磁機関砲の【制圧射撃】とブレードでの【鎧砕き】を叩き込むぜ!!
『てめぇはただ、恩讐をばらまくだけの愚物!!強者にあらず!!』
機動戦艦『天龍』のシステムをユーベルコード【特式脳波コントロールシステム】によって起動。砲撃とミサイルの雨による攻撃を叩き込むぜ!!
電磁パルスとフォースウィップが『ヴェルディグリース』の機体を大地につなぎとめ、二機の『レーギャルン』によって放たれた光条の一撃が巨躯を貫く。
軋むフレームを撃ち抜く一撃は、如何に巨躯を誇る緑青の騎士であっても応えたはずだ。
狙いが外れたのは、『ゼクス』と『ズィーベン』のかく座した機体を無理やり動かしたせいだろう。
「狙いが……!」
「でも、大丈夫だ! あの人達がいる!」
彼等の言葉を受けて、ガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)のキャバリアが流星のように戦場を一直線に駆け抜ける。
機体の体格差など物ともしない。
恐れはない。
あるのは怒りだけであったことだろう。
「ちぃ……! 此処まで来て……『ヴェルディグリース』!」
サイキックエナジーが満ちて、鎧より噴出する。その放出によってガイの駆る機体が吹き飛ばされる。
なんたる重圧であろうか。
搭乗者の生命を削る力。その力を持って飛び立とうとしている。すでに多くの猟兵たちが打撃を与えたにも関わらず『ヴェルディグリース』を駆る『フロック』は己の生命をなげうって、『グリプ5』のすべてを滅ぼそうとしている。
「我等の怨恨を此処で晴らす! そのためには!」
「ぬかせ! 護る強さを知らない、ただの阿呆が!!」
ガイが咆哮する。
迫る重圧の如きサイキックエナジーをオーラで防ぐ。だが、防ぎきれない。多重に張り巡らせたオーラが次々とサイキックエナジーに砕かれていく。
近づくにつれて、その勢いは増すだろう。
さらに巨躯たる騎士の振るう斬撃の一撃がガイのキャバリアを襲う。
「護る強さだと? そんなものが何の役に立つというのだ! お前たちは知らぬだろう! あの地底の暗さを、惨めさを!」
振るわれる一撃が重い。
電磁機関砲でも止められない。
機体装甲から溢れる毒素は長引けば、その分、この大地に瘴気となって残るだろう。そうなっては、戦いの傷跡は深く刻まれ、復旧が遅れてしまう。
「てめぇはただ、恩讐をばらまくだけの愚物!! 強者にあらず!!」
「そのとおりだ。『フュンフ・エイル』に敗れ、ただ敗走するしかなかった弱者だ。だからこそ、滅ぼすのだ。弱者として、お前たちをな!!」
思想を歪まされ、されど互いに理解には及ばない。
ガイは知らないだろう。
地底がどれだけ劣悪な環境であるのかを。どれだけ屈辱を、辛酸を舐めさせられたかを。
だから、相互理解はない。
怨嗟、怨恨、憎悪。
それだけが『バンブーク第二帝国』の将たる『フロック』にあるものであったのだ。
滅ぼすためなら生命すらいとわない。
己の生命も他者の命も均等に滅ぶべきだと思っているのだ王。
特式脳波コントロールシステム(トクシキノウハコントロールシステム)がガイの意識とリンクする。
脳は寄ってコントロールされたキャバリア支援用戦艦『天龍』の砲撃が『ヴェルディグリース』が飛び立つのを防ぐ。
そこにミサイルの雨が降り注ぐ。
ガイのキャバリアを巻き込みかねない砲撃であった。けれど、ガイは構わなかった。
己の進む道は唯一である。
多くを救うこと。ただそれだけのためにガイのキャバリアがブレードを振りかぶる。
体高差など関係ない。
「俺が振るのは一閃。お前の言うところの恩讐もわからない。だが、怨念返しなど、誰も救わない。だから――」
一閃が巨大なオブリビオンマシンの片腕を奪う。
「真の強者にならんとすることを望むのなら、その恩讐の彼方にこそ道があることを知るんだな――!」
大成功
🔵🔵🔵
ユーリー・ザルティア
勝てば官軍…とは言うけど、こんな方法で勝ったとして…祖先と子孫に誇れるのか、アンタ達はーッ!!
15m級…地下にずっといたから…殲禍炎剣の驚異を忘れたのか?
大きければその分脅威にさらされるというのに!!
毒もある。一気にカタをつけよう!
引き続き、レスヴァントで出撃する。
ARICAも引き続きパールバーティで『援護射撃』
さて、まずは毒を何とかしないと!!
ゼロ・ジェネシス発動。
医療用ナノマシンを『範囲攻撃』で広域に配布して、毒を除去。
攻撃用ナノマシンで敵機の有毒装甲を破壊する。
『瞬間思考力』で動きを『見切り』『操縦』して回避しつつ、アストライアで『制圧射撃』で攻撃する。
これ以上…やらせないよ!!絶対にッ
右腕が猟兵のキャバリアの一閃によって落ちる。
地響きを立てながら、まだ緑青の騎士『ヴェルディグリース』は飛び立とうとするのをやめない。
装甲から溢れるサイキックエナジーが搭乗者である『フロック』から生命を吸い付くさんばかりの勢いであることは、もはや明白であった。
これまで潰した『毒素を撒き散らす筒』を生み出す機構は、3つ。
残すは半分の3つである。『フロック』は己の生命を捨て石にしてでも、『グリプ5』を滅ぼそうとしているのだ。
「刺し違えてでも、この小国家は滅ぼす……!『フュンフ・エイル』に連なるものの一つを俺が、滅ぼすのだ!!」
怨恨にとりつかれた者がいる。
「勝てば官軍……とは言うけれど、こんな方法で勝ったとして……祖先と子孫に誇れるのか、アンタ達は――ッ!!」
ユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)が駆る白いキャバリア『レスヴァント』が戦場を走る。
自動操縦のキャバリアより放たれる砲撃を背に、ユーリーは一気に『ヴェルディグリース』へと迫る。
飛び立たせてはならない。
あの毒素を撒き散らされては、市街地にある人々の生命が危うい。
この地区はほぼ全滅しているだろう。これ以上はさせぬとユーリーは、考える。いや、考える暇などなかった。
彼女の激情が瞳に宿る。
「地下にずっといたから……『殲禍炎剣』の脅威を忘れたのか? 大きければ、その分脅威にさらされるというのに!!」
「ぬかせ……! お前たちに何がわかる! この惨めさを、この屈辱を! この不名誉を! 己の祖先に顔向けできぬ! このまま無為に終わることなど! 己の子孫にもまた同様である!」
咆哮する『ヴェルディグリース』が、『フロック』が迫る『レスヴァント』へと剣を振るう。
その一撃は鋭いものであった。
瞬間的にユーリーは悟ったであろう。
彼女の瞬間思考が答をはじき出す。
目の前の敵は、ただ敵が憎いだけなのだ。己たちの境遇をどうにかしようとしても、どうにもできない。
ただ侵略することでしか、己たちの劣等感を払拭できないのだ。
だから奪うのではなく、破壊する。殺そうとする。
「それを感じる心があるんなら!」
『レスヴァント』のアイセンサーとユーリーの瞳がユーベルコードに輝く。
ゼロ・ジェネシス。
それは環境浄化用ナノマシンを含んだ虹色の雨であった。
煌めくユーベルコードの雨は、『ヴェルディグリース』より放たれていた毒素を塵に還す。
あの毒素が分解できないというのならば、それ自体を塵に還す。
禁忌の兵器。
攻性ナノマシンは、悪意あるものすべてを塵に。
そして、毒素に蝕まれ生命を脅かされている者には医療用のナノマシンとして作用する。
「今はもう、誰も……此処にはいないけれど……!」
ユーリーはわかっていた。
治療できる者など、この地区には存在しないことを。死した者は救えない。だからこそ、ユーリーは、あの機体の装甲……『有毒装甲』を許さない。
再び振るわれた斬撃を躱しながら、ユーリーは、『レスヴァント』は飛ぶ。
「これ以上……やらせないよ!! 絶対にッ」
サイキックエナジーの重圧すら振りほどいて『レスヴァント』が『ヴェルディグリース』に迫る。
放たれるアサルトライフルの銃撃が『ヴェルディグリース』の『有毒装甲』に叩き込まれる。
すべてを塵に還す攻性用ナノマシンが弾丸にまとわれ、『有毒装甲』を破壊していく。
「『ヴェルディグリース』の装甲が抜かれる……! 毒素が!」
「それはさせないッ! 自分の生命すら軽んじれるから、そうやって誰かの生命も簡単に奪える!」
それを許さないと言うようにユーリーは虹色の雨が降りしきる中、『ヴェルディグリース』の緑青のオーラを切り払うのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
思わず黒理緒がでちゃいそうだね。
弱兵が罪だというなら、
原罪は地下に押し込められた自分たちなんじゃないかな。
しかもその逆恨みを、オブリビオンマシンの力を借りて、
市民の虐殺で晴らすとか、最悪だね。
戦いたいなら、その力がある人たちで代表してやればいいんだよ。
そのための軍隊であり、将なんじゃないのかな?
もちろん、オブリビオンなんかに頼らないでね!
あ、頼らないと勝てないことが解ってるってことなのかな。
そうなると、力も心も、弱いのはあなたたちだね。
ネルトリンゲンを前進させて【M.P.M.S】で【援護射撃】。
『ヴェルディグリース』を『ゼクス』さんと『ズィーベン』さんに近づけないようにして、『レーギャルン』を収容したら一時後退。
収容した『レーギャルン』は、わたしが直して調整し直すよ。
それと『プロメテウス・バーン』だっけ? それの調整もわたしなりにさせてもらっちゃおうかな。
『フレック』だか『フロック』だか知らないけど、
自分の力だけで勝負できないのに挑んで、それで勝ったところで、そんなもの続かないと思うよ。
「滅ぼす……何をおいても滅ぼさなければならぬ!『フュンフ・エイル』に連なるすべてを! それが俺の為すべきこと!!」
緑青の騎士『ヴェルディグリース』を駆る『フロック』は己の生命を糧にして、全てを費やしたとしても、『グリプ5』を滅ぼさんとしている。
その執念。
その憎悪。
その怨嗟。
どれもが恐るべきものであったことだろう。相互理解など不可能だと思わせるには十分過ぎるものであった。
「弱き者には生きる資格などない。我等がそうであったように、地底に追いやられ、我等の屈辱の歴史は未だ払拭できていない! その屈辱を濯ぐには、地上の、『フュンフ・エイル』に連なる者の血でもって贖わければならぬのだ!」
その言葉を菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は怒りと共に否定する。
「弱きが罪だというのなら、現在は地下に押し込められた自分たちだって理解しているのに、それでも!」
逆恨みというものだと理緒は叫んだだろう。
どうしようもないほどの憎悪。何故理解できない。何故わかろうとしない。何故手を差し出す代わりに銃口を向けるのか。
敵意は敵意しか返さないと知りながら。
「オブリビオンマシンの力を借りて……市民の虐殺なんてやり方で晴らそうなんて、最悪だね」
戦いたいのならば、戦えばいい。
その力を持っている者が兵であり、将だ。
「そんなことなんてしなくても、人を巻き込まないでよ。そのための軍隊であり、将なんじゃないのかな?」
オブリビオンマシンは、その憎悪につけ込む。
人の心の歪みを増大させる。理緒がこれまで見てきたオブリビオンマシンにとりつかれた人々と一緒だ。
だからこそ、許せない。
『グリプ5』には甚大な被害が出ている。
生命は戻らない。死した生命は決して戻ることなどない。だからこそ、その心の歪みを増大させられた弱さが、許せない。
「将たる俺を……!」
「力も心も、弱いのはあなたたちだね」
それが敗れたたった一つだ。
戦闘空母『ネルトリンゲン』の艦橋より理緒は睥睨する。
『ヴェルディグリース』よりも、かく座した二機の『レーギャルン』を回収する。彼等の機体はもう完全に動けなくなっている。
「自分の力だけで勝負できないのに挑んで、それで勝ったところで、そんなもの続かないと思うよ」
理緒は理解していただろう。
『レーギャルン』はもうダメだ。
『ゼクス』と『ズィーベン』の乗っていた二機の『レーギャルン』は無理をして放った『プロメテウス・バーン』によって二機とも炉が破損してる。
データをななめ読みしただけでもわかる。
そもそも『ズィーベン』の砲撃型に備えられた胸部砲口。封印されていたのは、調整不足だけではなかったのだ。
そもそも一騎で放つことなど出来ない機構だったのだ。
あれには二機……いや、三基の炉が必要とする。出力を上げる炉。安定させる炉。そして、その二つを相乗に補助する炉。
「出力が足りないんじゃないんだね。調整が必要でもなく」
収容された機体の状況を理緒は調べ上げる。『ネルトリンゲン』のミサイルランチャーが放たれ『ヴェルディグリース』は大地に釘付けにされる。
あの様子では飛び立つことはできないだろう。
己の生命を棄てる覚悟は軍人らしいともいえるだろう。けれど、理緒は思うのだ。どれだけオブリビオンマシンによって心を歪められたとしても、己の中にある憎悪や怨恨を踏み越えなければ、例え恨みを晴らしたとしても、その先に進めない。
はらされた恨みの後に残るのは、空虚な虚だけだ。
空っぽになってしまう。
恨みや憎しみは確かに強い力となるだろう。
「けれど、それだけじゃあ駄目なんだよ。その生命、棄てることなんてしちゃだめだよ。そんなことをしたって、何も解決しない。相互理解など不可能ということがわかったとしても」
それでも手を伸ばし続けなければならない。
緑青の騎士『ヴェルディグリース』は、猟兵たちの攻撃に膝を折り、そのままミサイルの雨の中砕けていく。
「俺に、わかれというのか! それを! この憎しみを捨て去れと! 生命の代わりに!!」
『フロック』の咆哮が轟く。
きっとオブリビオンマシンから降りても、彼の憎しみは立ち消えることはないだろう。
それだけ根が深いのだ。
憎しみ合うことは。
「わかっているよね、二人も」
理緒は諭すように『レーギャルン』のコクピットの中で泣く二人に告げる。
力なくば失い続けるのみ。
されど、心を強く持たねばならない。それがどんなに辛く険しい道のりであったとしても。
生きることは己の在り方に疑問を呈し続けることだ。
「だから今はお休み」
理緒は『ネルトリンゲン』の格納庫で役目を終えた二機の『レーギャルン』のモニタリグを切る。
涙声できっと今は溺れてしまいそうだから――。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
(試作型術式騎兵ツィルニトラに搭乗)
有毒装甲に加えてその毒をまき散らすと来たか…
…だいぶオブリビオンマシンに浸蝕されてるな……言ってることが支離滅裂だし…なんにせよここで対処しないと酷いことになるね…
…ならばいっそ隔離してしまおうか…
…【新世界の呼び声】を発動…戦場を私が構築した仮想現実世界と『交換』…
…すなわち現実世界から隔離することで毒素が街に届かないようにしてしまうよ…
…例えテレポートを使っても無駄…ここからは出られないしテレポートもさせない…
…そして『浄化せよ』の一言でこの世界の有毒装甲を含む全ての毒素を浄化…
…機体が脆くなったところに光の槍を叩き込んで破壊を試みるとしよう…
ミサイルランチャーが放つミサイルの雨にさらされて緑青の騎士『ヴェルディグリース』は砕け散ろうとしていた。
だが、その砕け散ろうとしていた機体を立て直すのは搭乗者であり将である『フロック』の生命であった。
滅ぼすために生命を使うということは、己もまた破滅に近づくということだ。
オブリビオンマシンであればなおのことであろう。
巨躯であったことが幸いしたと言えばいいだろうか。巨人は未だ寿命で死する者の存在を確認できない種族。
ゆえに、その生命力は凄まじいものであったことだろう。
サイキックエナジーが満ちていく。
「まだだ……まだ終わらぬよ! 俺は滅ぼすのだ。我等が怨恨を晴らすために! 我等は殲くすために生きているのだから! この生命がまだあるのなら!!」
『フロック』の叫びと共に『ヴェルディグリース』は根こそぎ生命を吸い上げていく。
再び飛び立とうというのだ。今度は飛翔ではない。テレポート。『グリプ5』の市街地にテレポートし、毒素を撒き散らして生命を殲すためだけに己の生命を使う。
なんという憎しみであったことだろう。
けれど、それは叶わない。
「新たなる世界よ、換われ、染めろ。汝は構築、汝は創世。魔女が望むは万物統べる星の声」
新世界の呼び声(ハロー・マイワールド)を紡ぐのはメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)であった。
試作型術式騎兵『ツィルニトラ』と共に降り立ったメンカルの瞳がユーベルコードに輝く。
機体を中心にしてひろがるのは彼女が構築した仮想現実世界。
世界そのものを交換するユーベルコードは、この場に在る限りメンカルが上位者。それも絶対の法則を持つ。
「有毒装甲に加えてその毒を撒き散らすと来たか……だいぶオブリビオンマシンに侵食されてるな……」
言っていることが支離滅裂だとメンカルは思ったことだろう。
生命を殺すために生命を使う。
生きるためではなく。ただ殺すために己の生命を使う。それが憎しみと恨みによって加速されているのならば、それを歪めたのがオブリビオンマシンである。
いずれにせよここで対処しなければ酷いことになるのは言うまでもなかった。
だからこそ、メンカルは世界を仮想現実世界と交換する。
即ち『ヴェルディグリース』を現実世界から隔離することに寄って『有毒装甲』が放つ毒素を市街地に届かないようにしているのだ。
だが、緑青の騎士『ヴェルディグリース』に満ちるサイキックエナジーは、テレポートを敢行しようとするだろう。
「俺の、我等の道を阻むか! 我等百年の怨恨を!」
吠える『フロック』にメンカルは被りを振る。
テレポートでこの仮想現実世界から逃げ出そうとしているのであろうが無意味である。
この仮想現実世界においてメンカルは絶対上位存在である。
そして、真理として彼女の意志こそが最終決定権を持つ。毒素を撒き散らす存在を、この仮想現実世界から出さない。
その意志がメンカルにあるかぎりテレポートは意味をなさない。
「……無駄だよ。それにみんなの攻撃で相当にもろくなっているね……これなら」
『ツィルニトラ』の手に光の槍が束ねられていく。
もはや『ヴェルディグリース』に抵抗する術はない。右腕は切り落とされ、装甲の殆どがひしゃげている。
どれだけ搭乗者である『フロック』の生命力を吸い上げても、もはや取り返しのつかない状況においやられているのだ。
これが猟兵たちの戦いだ。
「浄化せよ」
そして、毒素すらもメンカルの一言で霧消するだろう。此処では彼女が絶対存在。彼女の意志にそぐわぬものは存在できない。
光の槍が放たれる。
「こんな、こんなところで……!『カーラ』……やはり、あの方の言う通りだ。俺は此処までだ……後を、我等が怨恨を!!」
『ヴェルディグリース』に限界まで生命力を吸い上げられた『フロック』の生命が消える。
オブリビオンマシン『ヴェルディグリース』が咆哮する。
滅びて鳴るものかと。怨嗟を受けて歪む心を糧として、戦乱を巻き起こす。そのためだけに存在しているオブリビオンマシンにとって、この結果は到底受け入れられないものであった。
だからこそ、『ツィルニトラ』に迫る。
最後の一太刀で刺し違えるつもりなのだろう。振り絞るサイキックエナジーが大剣の刀身を巨大化させ、突き出される。
だが、その刀身の切っ先から光の槍が砕いていく。
放たれた槍は『ヴェルディグリース』を貫き、仮想現実世界において緑青の騎士を霧消させるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ヒューグリーム決戦の悪魔』
|
POW : 近接攻撃
【爪等の近接攻撃やSOEXCS起動中の突進】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : SFE最大出力・SOEXCS起動
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【装甲】から【炉心安定の為に余剰エネルギー】を放つ。
WIZ : ピコマシン内在モルトアーマー制限解除
【装甲内のピコマシン】を使用する事で、【ピコマシン制御アンテナ】を生やした、自身の身長の3倍の【姿】に変身する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
二機の『レーギャルン』は猟兵に寄って収容され、パイロットである『ゼクス』と『ズィーベン』は無事に保護された。
光の槍に貫かれて霧消する緑青の騎士『ヴェルディグリース』。
そして搭乗者たる『フロック』は生命をすべて吸い上げられて死に絶えた。憎しみは憎しみしか呼ばない。
憎しみの楔となって『フロック』は満足であっただろうか。
それとも失意と無念の内に恨みだけを抱いて逝ったのだろうか。
それを知る者は『フロック』以外に存在しない。誰もそれを正しく知ることはできない。
だからこそ、『ヒューグリーム』を駆る『バンブーク第二帝国』の将、『カーラ』は低空飛行のまま弾丸のように『グリプ5』に飛び込む。
「『フロック』、貴様の生き様は見せてもらった。我等の生き方は、怨恨を晴らすことのみ。百年の恨みを、此処に晴らす。そのために生命を使う」
暴風の如きサイキックエナジーを放出しながら巨大なオブリビオンマシン『ヒューグリーム』は『有毒装甲』から毒素をも撒き散らしている。
「『憂国学徒兵』……いや、今は『グリプ5』と名を変えた『フュンフ・エイル』に連なる者どもよ。お前たちの血でもって我等の恨みを濯ぐ。そのための礎となってもらう。もはや我等の恨みは、お前たちの生命で贖わなければならぬ」
オブリビオンマシンに歪められた将。
憎しみと恨み在りき。歪められた心は、その感情を増幅させる。『ヒューグリーム』は正しく、悪魔のごとき機体であった。
ただ恨みを晴らすために。
己の生命すら棄てる。
『フロック』がそうであったように『カーラ』もまた同様である。
殲すために。
殺し殲すために。
ただそれだけのために捻じ曲げられた憎悪によって、世界を破滅に導こうとしている――。
稷沈・リプス
本当。歪ませる性質をもったオブリビオンマシンってのは嫌なもんっすよ。
まして、『有毒装甲』ついてるってなら、なおさら。
さーて、『ヤム』に搭乗したままなんすけど。
どう攻撃したものか…あー、悩んだらスイッチ押せとか言われたような。
(UC使用。攻撃力強化、移動力半減)
…あの人(異境の神)、やけに『ナハル』ってついた武器を作ってるなぁ、とは思ったんすけど。まさかこのために…?
また増やすって言ってたっすし…。
けど、ありがたく使うっすね!
敵はあの『ヒューグリーム』っすよ!
『ヤム・ナハル』による超長距離狙撃、開始っすね!二つの『ナハル』がくっついてるっすから、電磁パルスもあるっすよ!
遠き海の異境神は本気を出す(ヤムナハルノカムイ)。
それは言葉にすれば単純なものであった。
オブリビオンマシンに怒りを覚える。心を歪めさせるからだ。確かに地底帝国『バンブーク第二帝国』の怨恨は本物なのだろう。
地上に対する深い憎しみ。
地底に追いやられたという屈辱。
巨人という種族を考えた時、それは長い寿命を持つ彼等だからこそ、持続できた感情であったのかもしれない。
人ならば忘れる。
塗りつぶされる。世代をまたいだ感情というのは、長く続くものであったが、どちらかが滅ぼされてしまえば消えていく定めであるからだ。
「本当。歪ませる声質を持ったオブリビオンマシンってのは嫌なもんっすよ」
ましてや『有毒装甲』がついているのならば、なおさらである。
異境海蛇『ヤム』に座す稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)は己に迫る『ヒューグリーム』の姿を見やる。
凄まじい速度でサイキックエナジーと毒素を撒き散らしながら迫っている。
「すべてを消す。我等の怨恨が尽きて消えるまでは!」
高速で『ヤム』の周囲を飛び、振り下ろされる爪が強烈な一撃となって『ヤム』の装甲を刻む。
けれど、リプスはどうしたものかと考え込んでしまった。
異境の神が託したこの機体。
どう戦っていいのかわからない。超高速で周囲を飛び回り、嵐のような斬撃を見舞ってくる敵。
捉えきれない。
けれど、悩む時間が在るのならば行動すべきであるとリプスは考えるだろう。
「たしか、ここを押せって言ってたっすね」
あの異境の神の言葉に従ってリプスはボタンを押す。
次の瞬間『ヤム』と武装だった『ナハル』が合体し、あらたなる異境海竜神『ヤム・ナハル』へと変形する。
長大なスナイパーライフルを備えた機体が迫る『ヒューグリーム』に銃口を向ける。
「変形したとて! 我が『ヒューグリーム』の速度に捉えられるものか!」
将たる『カーラ』の咆哮が響き渡る。
確かに狙い撃つとしても、己の機体の周囲を飛ぶ『ヒューグリーム』は凄まじい速度を誇る。
過剰に放たれるサイキックエナジーが、搭乗者である『カーラ』の生命を削っているのがわかるのだ。
それほどまでに消費される生命力から生み出される速度は容易に捉えられない。
だが、リプスは何も脅威に感じていなかった。
「まさかこのために、やたら『ナハル』ってついた武器を作ってるなぁって思わないっすよ。でもまあ、ありがたく使わせてもらうっすよ!」
引き金を引いた瞬間ライフルよりはなられる銃弾が電磁パルスを伴って打ち込まれる。その一撃が命中しなくても構わない。
何故なら、電磁パルスをまとった弾丸は、かすめるだけで周囲の機体に異常を齎すからだ。
『ヒューグリーム』とて例外ではない。
高速で飛び回るのならば、たしかに弾丸は届かなかったかも知れない。
けれど、此処はクロムキャバリアである。空は暴走衛生によって蓋をされ、さらにはあの巨体である。飛ぶというよりも低空を飛び回る二次元の戦い方しかできない。
躱せたとて、電磁パルスの影響は免れないのだ。
「機体が、軋む……『ヒューグリーム』! どうした、お前はこんなものでは!」
「いやぁ、電磁パルスで機体の制御系に異常をきたしてるのに、それは無理筋じゃないっすかね?」
リプスの瞳がユーベルコードに輝き、引き金を引く。
放たれた銃弾が『ヒューグリーム』の巨体を撃ち落とし、大地に激突する。
心を歪められたのならば、これを止める方法は唯一。
オブリビオンマシンの破壊。リプスは、異境の神の齎す力とともにこれを為すのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
村崎・ゆかり
あくまでも『グリプ5』を滅ぼそうとするのね。ここにいるのはもう、あなたたちが戦い敗れた『憂国学徒兵』じゃないっていうのに。
「式神使い」で制御する『迦利』を飛ばしての低空の空中戦ね。引き続き宇宙服着用。
黒鴉召喚で戦況を把握。
「レーザー射撃」の「弾幕」で『ヒューグリーム』に牽制を入れるわ。
そして徐々に、『グリプ5』の上空から市街の荒野へ誘い出す。乗ってこなければ、そのままレーザーで削っていくわよ。
荒野に出れば、『迦利』の機動も地表を気にしなくていいものになる。そちらも同じ条件でしょうけどね。
だけど、ここにはあたしがいる。
「全力魔法」雷の「属性攻撃」「仙術」「道術」で九天応元雷声普化天尊玉秘宝経!
大地に墜ちた『ヒューグリーム』が再び飛び立つ。
暴風のように吹き荒れるサイキックエナジーは、搭乗者である『カーラ』の生命力を吸い上げるがゆえである。
過剰にエネルギーを放出させる。
それは『ヒューグリーム』の機体特性にあるのだろう。
けれど、ロスが多すぎる。まるで搭乗者を滅ぼすために存在しているかのような過剰な力でもって再び『カーラ』は『ヒューグリーム』と共に暴風撒き散らしながら、市街地へと飛ぶ。
だが、それを阻むのは、逆三角形のキャバリア『迦利』であった。
「邪魔をしてくれる! その程度の蚊蜻蛉のような機体で!」
爪の一撃が『迦利』を叩き落とす。
無人機キャバリアである『迦利』は即座に体制を整え、低空での空戦を繰り広げる。レーザー射撃の弾幕が『ヒューグリーム』の飛び立とうとするのを阻みながらしつこく飛び回る。
「あくまで『グリプ5』を滅ぼそうとするのね。ここにいるのはもう、あなたたちが戦い敗れた『憂国学徒兵』じゃないっていうのに」
村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)は自分の言葉がすでにもう『カーラ』には届かないことを理解していただろう。
彼女の心にある憎悪と怨恨は本物だ。
何一つ偽らざるものであったことだろう。けれど、オブリビオンマシンに乗ることによって歪み、膨れ上がっている。
ただ敵を滅ぼすためだけに。
殺し殲すためだけに、あの機体は彼女の生命力を吸い上げ続けている。また『迦利』が爪の一撃で叩き落される。
オーラの力すら切り裂く爪の鋭さは言うまでもない。
十分に惹きつけるためとは言え、あのままでは持たない。
「健気なものだな!」
『カーラ』の言葉と共に振るわれる爪の一撃。
いつまでも持たないと判断したゆかりの瞳がユーベルコードに輝く。
市街地の外に引きずり出せれば、何の気兼ねなくユーベルコードが打ち込める。それを理解しているからこそ『迦利』は懸命に飛ぶだろう。
傷つきながらも『ヒューグリーム』を引き連れて市街地の外へと飛び出す。
タイミングはシビアであった。
ずれてしまえば『ヒューグリーム』は異常を察知して反転するだろう。そうなってはすべてが水の泡だ。
だからこそ、ゆかいりは慎重にタイミングを測るのだ。
「確かにあのまま、あなたが市街地に居座っていたのならば面倒なことになっていたでしょうし、言葉通り滅ぼし尽くすことになったのでしょうけど」
けれど、とゆかりは有毒装甲から放たれる毒素を阻む宇宙服の内側で笑む。
「だけど、ここにはあたしがいる」
漲るユーベルコードの力が視界を明滅する光で埋め尽くすほどの強烈な落雷の一撃となって放たれる。
「なに――!?」
「九天応元雷声普化天尊! 疾っ!」
紫電が視界に満ちる。
荒野に引きずり出したのはこのためであった。市街地に被害をもたらせぬが故に、ここまで無人機キャバリアによって誘導し、打ち込む体勢を整えたのだ。
「『ヒューグリーム』!! 飛べ、このままでは――」
「今更反転なんてさせないっていうのよ!」
落ちる雷が視界を染め上げていく。
視界を阻害するほどに強烈な落雷の一撃は、荒野の地表を抉り、吹き飛ばしながら『ヒューグリーム』すらも衝撃で大地に叩き落とすだろう。
徹底的に空を飛ばさせない。
『グリプ5』の市街地へは行かせない。あの毒素が人の生命を奪うとうのならばこそ、ゆかりは自身のユーベルコードの力を最大限に発揮し、『ヒューグリーム』を、荒野という戦場に縫い止め続けるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
(試作型術式騎兵ツィルニトラに搭乗)
…こいつも有毒装甲か…どいつもこいつも好きだなそれ…
…また毒素をばら撒かれたら浄化のやり直し…短期戦で行くよ…
…【夜空を別つ月閃の翼】を発動……
これに復元浄化術式【ハラエド】及び医療製薬術式【ノーデンス】により有毒装甲の毒専用に効果を高めた浄化の力を付与…
…浄化の力を持った月光の翼(機体サイズに拡大)を展開しよう…
…そして有毒装甲から放たれる余剰エネルギーを翼で受け止め浄化しつつ接近…
…月翼の一閃で装甲を切り裂き…さらに全身に月光の羽根を叩き込んで装甲の毒素を浄化・弱体化させてしまおう…
…私はお前達に恨みは無いけれども…その毒だけは無力化させて貰うよ…
視界を染め上げる紫電の一撃が『ヒューグリーム』を撃つ。
大地に失墜する巨大なオブリビオンマシンが軋むフレームと共に立ち上がる。未だ諦めていないことは明白であった。
搭乗者である『バンブーク第二帝国』の巨人の将、『カーラ』が求めるのは『グリプ5』の滅亡である。
一人残らず殺す。
殺し殲す。
ただそれだけのために彼女は己の生命を捧げる。先んじて現れた『フロック』がそうしたように生命をなげうち、敵対する者の生命を奪おうとしているのだ。
「『ヒューグリーム』! 何をしている。私の生命を使え! 使い尽くせ!!」
その言葉と共に『ヒューグリーム』より溢れるのは生命を吸い上げて放たれるサイキックエナジーの奔流であった。
凄まじい暴風の如き領域に『ヒューグリーム』が立ち上がる。
その暴風と共に放たれる『有毒装甲』の毒素が市街地から引き離した荒野に満ちていく。
「……こいつも『有毒装甲』か……どいつもこいつも好きだなそれ……」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は試作型術式騎兵『ツィルニトラ』のコクピットで息を吐き出す。
確かに有毒な粒子は人の生命を奪う。
けれど、それが正しいかどうかは別の問題だ。
また市街地に戻られて毒を巻かれたのならば、浄化のやり直しである。ならばこそ、導き出されるのは短期決戦。
「満ち欠ける光よ、放て、羽ばたけ。汝は月晄、汝は照翼。魔女が望むは闇夜に輝く月灯り」
夜空を別つ月閃の翼(アルテミス・ウイング)が『ツィルニトラ』の背部より放出される。
高密度の月の魔力の発露が翼のように見えるのだ。
「天使……! あの悪魔と同じ翼を持つキャバリア!!」
『カーラ』の咆哮が『ヒューグリーム』より響き渡る。
「『フュンフ・エイル』にまつわる者! お前を!!」
激昂したまま突撃してくる『ヒューグリーム』。直線的であったが、それでも凄まじい速度である。
あの速度と大型オブリビオンマシンの質量で突撃されれば通常サイズのキャバリアなどひとたまりもないだろう。
だが、メンカルの瞳はユーベルコードに輝いている。
光の翼は確かに攻防自在である。しかし、今の光の翼に組み込まれたのは復元術式と医療製薬術式である。
それは『有毒装甲』の放つ毒素を狙い撃ちした浄化の力を付与するための術式の掛け合わせであった。
「遅い!」
「……何と勘違いしているのかわからないけれど、突撃は悪手だったね……」
『ツィルニトラ』より展開された翼が前面に重ねられ、『ヒューグリーム』の突撃を阻む。
突撃の一撃は耐え難きものであった。
けれど、月光の翼は、『ヒューグリーム』の過剰に放たれたサイキックエナジーすらも浄化しつつ、受け止めたのだ。
「止めた……!『ヒューグリーム』の突撃を!?」
「……そっちに合わせて作っているのだから当然……止められなければ、私の負けなのだから……」
月光の翼が翻り、『ヒューグリーム』の装甲を切り裂く。
さらに光の羽がぐるりと機体を囲い込む。
「……私はお前たちに恨みは無いけれども……その毒だけは無力化させて貰うよ……」
そう、恨みはない。
けれど、戦いに恨み以外の理由があってはならないということはない。護るために戦う者であったり、金のために戦うものであったり、その理由は千差万別だろう。
メンカルは少なくとも、恨みでは戦わない。
「……オブリビオンマシンによって歪められた心……その湯だった頭じゃ何も考えられないだろうから……」
だから頭を冷やすといい、とメンカルの指先が『ヒューグリーム』を示す。敵は搭乗者である『カーラ』ではない。
目の前の生命を吸い上げるオブリビオンマシンのみ。
放たれた光の羽が打ち込まれ、『ヒューグリーム』は、その装甲を砕かれるのでったあった――。
大成功
🔵🔵🔵
ガイ・レックウ
【POW】で判定
『確かに俺はてめえらの恨みつらみを知ってるわけじゃねぇ…だがな!だからって全てを滅ぼしていいわきゃないんだ…故に倒す!』
機動戦艦『天龍』の支援砲撃のもと【オーラ防御】を纏い直し、電磁機関砲での【制圧射撃】をしながら【フェイント】を織り交ぜ突撃するぜ。
『恩讐に飲まれればそれは破滅のみ…そんなのをあの嬢ちゃんの故郷の者にさせるわけにはいかないんでな!』
かつての任務のことを思い出しつつ、ユーベルコード【ドラゴニック・オーバーエンド】を発動!思い切りたたきこんでやるぜ!!
「応えろ、『ヒューグリーム』!! 私の、我等の憎しみに!!」
砕ける装甲。
巨大なオブリビオンマシン『ヒューグリーム』が猟兵の光の羽による攻撃を受けてよろめく。
だが、搭乗者だえる将たる『カーラ』の瞳には憎しみが未だ宿っていた。
ここまで追い込んでも尚、彼女たちの怨恨は晴れない。
何故ならば、彼女たちは巨人である。
百年前の戦争を知っている。受け継がれたものでもなければ、伝え聞くところのものでもない。
本物の憎悪だった。
地上に対する憎悪。己たちを地底に追いやった者へと向ける恨みつらみ。
何もかもがオブリビオンマシンによって膨れ上がっていくのだ。
「確かに俺はてめえらの恨みつらみを知っているわけじゃねぇ……だがな!」
ガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)はキャバリアと共に支援砲撃を受けながら走る。
電磁機関砲での牽制攻撃は、全てが『ヒューグリーム』の発露するサイキックエナジーによって弾かれている。
更に迫る突撃攻撃。
爪による連撃の速度は凄まじい。
あのサイキックエナジーの発露は、搭乗者の生命を吸い上げているからだろう。己の生命を省みない戦い方にガイは圧倒されただろう。
オーラの防御も間に合わない。
張り直しても引き裂かれる。
「ならば囀るな! 憎しみが、復讐が何も生まないといいたいのだろう。そのような綺麗事をいえるのはな、何もお前が失っていないからだ!」
咆哮と共に振るわれる爪の一撃がガイの駆るキャバリアを吹き飛ばす。
「……だがな! だからってすべてを滅ぼしていいわきゃないんだ……故に倒す!」
「やってみろ! すべて無意味だと知れ。我等の怨恨を解さぬ者よ!」
凄まじい速度の連撃を凌ぎながら、ガイは思い出す顔があった。
皇女。
『バンブーク第二帝国』を負われた先代皇帝の遺児『ライスメキア』。
彼女は国を追われていた。
だが、故郷に変わりはないだろう。
ならばこそ、その故郷に在りし将が、憎しみ全てに飲み込まれているのは捨て置けなかった。
「恩讐に飲まれれば、それは破滅のみ……そんなのをあの嬢ちゃんの故郷の者にさせるわけにはいかないんでな!」
ガイの瞳がユーベルコードに輝く。
倒さなければならない。漲るサイキックエナジーは『ヒューグリーム』の機体から過剰に放出されている。
どこまで搭乗者の生命を削る力。
「燃えよ!灼熱の炎!猛れ!漆黒の雷!全てを…砕けぇ!!」
振るうブレードが爪の一撃で弾き飛ばされる。
宙に弧を描くブレード。けれど、ガイはそれを追うことはしなかった。例え得物が喪われたとしても、ガイのキャバリアには二つの拳がある。
放つ一撃が弾かれる。
サイキックエナジーの奔流が、拳を止めたのだ。
「砕けるものか! 我等が怨恨も、憎悪も! 受け止めろ!!」
「言っただろう、その先に在るのは破滅だけだってな!」
続く拳が炎を纏い、漆黒の雷をほとばしらせながら宙を走る。炎と雷は二頭のドラゴンとなって『ヒューグリーム』へと迫る。
『ヒューグリーム』のガードをこじ開ける二頭のドラゴン。
其処に飛び込むガイのキャバリアの拳があった。たとえ、一撃目が弾かれたとしても、拳は二つある。
その拳に込めた思いと共にガイは『ヒューグリーム』に叩きつける。
機体の拳が砕けていく。
破片が飛び散る。けれど、ガイは振り抜く。
これが彼の意地だ。決して破滅に向かわせるわけにはいかぬと、その意地でもって拳を振り抜いたのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ユーリー・ザルティア
こいつも有毒装甲持ちッ。
アンタたちにはキャバリア乗りとしての誇りはないのかッ!
これ以上毒をばら撒かれる前に一気に倒す。行くよレスヴァント!!
もう一度螺旋腕突撃衝を発動。
ドリルアームで有毒装甲を破壊し剥ぎ取る!!
『瞬間思考力』で攻撃を『見切り』華麗な『操縦』テクで回避しつつ接近し、ドリルで有毒装甲を破壊する。
毒は『肉体強化』されている自身の肉体を信じて耐える。
ここが踏ん張り時。
『エネルギー充填』を『限界突破』したダークマンティスの『レーザー射撃』を『零距離射撃』で破壊した装甲へ叩き込む。
毒素を撒き散らす『有毒装甲』は厄介極まりないものであった。
しかし、地底帝国『バンブーク第二帝国』のオブリビオンマシンは巨大であり、また同時にすべてが『有毒装甲』を纏う。
毒素はキャバリアに乗らぬものを殺す。
それは言ってしまえば非戦闘員を殺すためだけのものであるといえるだろう。
ただ殺し殲すため。
ただそのためだけに『ヒューグリーム』を駆る将たる『カーラ』は、己の生命を吸い上げ、サイキックエナジーを撒き散らす機体と共に立ち上がるのだ。
「こいつも『有毒装甲』持ちッ」
ユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)は気がついただろう。毒素がサイキックエナジーと共に暴風のように放たれている。
猟兵が市街地から引き離したからこそ、まだ被害はでていない。
けれど、時間が経てば風にのって毒素は市街地に届くかも知れない。それにあの『ヒューグリーム』は市街地に戻ろうとしている。
「アンタたちにはキャバリア乗りとしての誇りはないのかッ!」
「誇り? 意味のない言葉だ。今の私の使命は一つでも多くの人間の生命を奪うことだ。地表にありし、地底に我等を追いやった元凶共を!」
漲るようにしてサイキックエナジーを放出させる『ヒューグリーム』。
生命を削ってでも殺し殲すと決めた者の前に誇りを説くことなど無意味であることを悟ったユーリーは、『レスヴァント』と共に『ヒューグリーム』に追いすがる。
「なら、一気に倒す。行くよ『レスヴァント』!!」
ユーリーの瞳がユーベルコードに輝く。
『レスヴァント』の腕部がドリルモードに乾燥され、螺旋力を高め一気に戦場を駆け抜ける。
「我等が怨恨を妨げるというのならば!!」
螺旋力と手数。
どちらが上回るか。振るわれる『ヒューグリーム』の爪の連撃はユーリーをして予想しない数であったことだろう。
衝角の切っ先と爪が打ち合う。
螺旋力を高めているが故に、押し負けることはない。けれど、手数で負ける。
「ここが踏ん張り時……!」
「無様に敗れるがいい!」
ユーリーは押され続けている。『有毒装甲』を引き剥がすことができない。だが、これまで猟兵たちが刻み込んできた装甲への傷を彼女は見ただろう。
何一つ無駄なことなどない。
ユーリーは知っている。
猟兵は繋ぐ戦いをする。後に続く者がきっと止めてくれると彼等は知るからこそ、懸命に攻撃を打ち込む。
どれだけ強大な存在であろうとも、体高差など今の彼女たちには無意味であった。
「『ヒューグリーム』! 私の生命を使え! 一つでも多くを殺し殲せ!」
ユーリーの瞳がユーベルコードに輝き続ける。
打ち合うたびにドリルアームが砕けていく。手数で消耗させられているのだ。だが、止まらない。止まれない。止まれるはずがない。
今自分が止まれば、必ず背後にある市街地が脅威にさらされる。
砕けていくドリルアームの破片を横目にユーリーは機を見計らう。
モニターに示されたのはエネルギーの充填率であった。なんの、と誰もが思うだろう。だが、ユーリーだけはこれを狙い続けていたのだ。
「ダークマンティス!!」
ユーリーの叫びと共に『レスヴァント』の背にマウントされた巨大荷電粒子砲の砲身が水平に、それこそ槍のように『ヒューグリーム』へと突きつけられる。
「零距離……! この距離なら外さないし、その装甲でも防げないでしょう!」
どんなに早かろうが、この距離でははずしようがない。
引き金を引く事に躊躇いはなかった。零距離で放てば、ユーリーの機体もただでは済まない。
けれど、あの『有毒装甲』を砕くことができるのならば、それでいい。
放たれた光条が砲身の爆発と共に『ヒューグリーム』を包み込んでいく。光が収まった先にユーリーは見ただろう。
『ヒューグリーム』の巨体から『有毒装甲』が次々と脱落していくのを――。
大成功
🔵🔵🔵
アルカ・スィエラ
もう少し付き合ってもらうわ、レーギャルン。
私達の敵を、屠るために。
(金属細胞『ドラクティス』がレーギャルンの損傷を補填、追加装備を形成し、一部構造材を置き換える)
ドラグレクスは高空に転移、そこからレーザー砲撃で牽制。
こっちを無視して強行突破を図るようならすぐ撃ち抜かせる
高空のドラグレクスにあの速度で挑もうとしても速すぎて殲禍炎剣に襲われるから、こちらに向かって来ようとするその瞬間を見切り、突撃に合わせUCを!
ドラグレクスも友軍も範囲外。問題なく3回攻撃して、敵の速度に下ベクトルの力を加えて地面へと叩き落とし、そこにドラグレクスによるレーザー砲撃と、レーギャルンのビームブレイドで追撃するわ!!
『有毒装甲』が砕けていく。
荷電粒子砲の一撃に寄って『ヒューグリーム』の巨体を覆っていた『有毒装甲』の半数が脱落していた。
にも変わらず、放出され続けるサイキックエナジーの奔流は凄まじい。
搭乗者の生命を削る力。
生命を吸い上げ、サイキックエナジーに変換し、巨人の将の憎悪と怨恨を膨れ上がらせるのがオブリビオンマシン『ヒューグリーム』であった。
再び飛翔しようとしているのは、猟兵達によって戦場を荒野に変えられたからだ。ここでは彼女の、将たる『カーラ』の望みは叶わない。
即ち、殺し殲すこと。
多くの地上の人間の生命を奪うことだけが、今の彼女の原動力であった。
恨みつらみだけが地底帝国『バンブーク第二帝国』の将たちを突き動かす。
「もう少し付き合って貰うわ、『レーギャルン』」
アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)は借り受けた機体のコクピットの中でそう告げる。
目の前には巨躯たる『ヒューグリーム』。
されど、恐れることは何もなかった。
「私達の敵を、屠るために」
金属細胞に寄って簡易型『レーギャルン』の損傷を補填し、構造材すら置き換える。凄まじき力である。
彼女の身に宿る金属細胞は、機体すら変容させるのだ。
「行くよ、『ドラグレクス』」
アルカの言葉と共に低空から『ドラグレクス』が砲撃を開始する。レーザー砲撃を煩わしく思うように放出されたサイキックエナジーが、吹き荒れる暴風のように『ヒューグリーム』を包み込み、一気にアルカの駆る『レーギャルン』へと迫る。
凄まじい速さであった。
「我等の道を阻むな! 怨恨だけが、我等の糧。我等の道。地上の人間が、我等の恨みを理解する必要など無い。ただ感受せよ、死に絶えればよい!」
振るわれる『ヒューグリーム』の爪の一撃。
それを『レーギャルン』は見切っていた。突撃似合わせるようにアルカの瞳がユーベルコードに輝く。
「対象設定、フィールド構築、重力制御開始……!押しつぶしなさい、Gプレッシャー!!」
それは金属細胞によって『レーギャルン』に加えられた追加装備であった。
領域すべてに加わっている重力。
その大きさを巨大化させ、『ヒューグリーム』へとのしかからせる。
あの巨体である、かかる重力は凄まじいもののはずだ。アルカの目論見どおり『ヒューグリーム』が自身の上から重ねられる重力によって動きを止め、大地に膝を折る。
「カハッ……! この重力……! 貴様!」
「『ドラグレクス』! 畳み掛けて!」
空より放たれるレーザー砲撃が『ヒューグリーム』へと浴びせかけられる。爆風とサイキックエナジーが吹きすさぶ。
致命傷になっていないことをアルカは知るだろう。
吹きすさぶサイキックエナジーは、搭乗者の生命を吸い上げて放たれている。巨人の生命力がどれほどのものであるかを彼女は知らない。
けれど、いえることはたった一つだ。
そう長くは続かない。
「生命を殺し殲すために生命を使うなんて間違っている。だから」
アルカは己の敵を見る。
目の前にあるのはオブリビオンマシンだ。『カーラ』という搭乗者ではない。怨恨や憎悪が例え本物であったのだとしても。
それでもアルカは『レーギャルン』と共に飛び込むだろう。
展開したレーザーブレイドを構えた副腕が『ヒューグリーム』の巨体へと放たれ、その装甲を、そしてフレームへと甚大なる被害を刻み込んでいく。
「悲劇を齎したもの、オブリビオン……あなたの心を怨恨と憎悪だけで満たしているのが、私の敵ならば」
それを屠るのが己の使命であるとアルカは言う。
振るわれるビームブレイドが『ヒューグリーム』のフレームにまで到達し、その巨体を爆発に見舞う。
アルカは止まらない。
二度と己を襲った悲劇を誰かに起こさぬために。ただそれだけのためにアルカはユーベルコードに輝く瞳と共にオブリビオンマシンを討つのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
メサイア・エルネイジェ
ちょっと!わたくしはどちらとも血縁はおありではなくてよ〜!
言っても無駄ですわね
こういう時は…暴力で解決するに限りますわ〜!
お速い動きですわね
ですが妙案を閃きましたわ!
ヴリちゃん!ここは三十六計逃げるにしかずですわ!
マシンガンで注意を惹いて市街地から引き離しますのよ
おほほ!憎きグリプ5はこちらでしてよ〜!
ブースター全開で背を向け駆け抜けますのよ
爪の攻撃は左へ右へと躱すのですわ
好機は突進の瞬間ですわ
ギリギリまで引き付けて急速反転!
尻尾の揺るぎなき暴力でヒューグリームをお空の彼方へサヨナラホームランするのですわ〜!
ここで問題ですわ
わたくし達の頭上に座すのはどちら様でしょう?
正解は…殲禍炎剣ですわ〜!
巨大なオブリビオンマシンの躯体を押さえつける重力。
それは猟兵の放ったユーベルコードであり、再び市街地に飛び立とうとする『ヒューグリーム』を縫い付ける一手であった。
荒野に引き離すことに猟兵達は注力していた。
何故ならば戦いの場が市街地にあれば、通常の戦闘以上に市民の被害を考えなければならない。
地底帝国『バンブーク第二帝国』のキャバリアは将たる者が乗る機体に『有毒装甲』を有する。
毒素はキャバリアに乗らぬ者を殺し殲す。
ただ生命を殺すためだけに存在する毒素の恐ろしさは言うまでもない。
「殺す。ただ殺し殲すために……私は私の生命を使う。『フュンフ・エイル』に連なる者全てを殺し殲す!『ヒューグリーム』!!」
『有毒装甲』の半数以上脱落してもなお、将たる『カーラ』は己の生命力を機体に吸い上げさせ続ける。
「ちょっと! わたくしはどちらとも血縁はおありではなくてよ~! と言っても無駄ですわね」
メサイア・エルネイジェ(放浪皇女・f34656)は己に向けられた『カーラ』の憎悪に慌てる。
何を言っても意味がない。
憎悪と怨恨に塗れた瞳は、曇り続けている。真実など何も見えないに等しい。たとえ、その怨恨が正しいものであったとしてもだ。
「こういう時は……暴力で解決するに限りますわ~!」
暴竜『ヴリトラ』が急旋回しつつマシンガンで注意を引きつける。
「おほほ! 憎き『グリプ5』はこちらでしてよ~!」
「お前も! 私の怨恨を妨げるか!!」
『ヒューグリーム』は重力から逃れ、メサイアの駆る『ヴリトラ』へと迫る。その速度は凄まじいものであった。
機体より放出され続けるサイキックエナジーの発露は、暴風となって『ヴリトラ』に巨大な爪の一撃を見舞う。
だが、『ヴリトラ』は背を向け、ブースターを全開にして荒野を駆け抜ける。少しでも遠くに引き離さなければならない。
この戦いは時間が経てば経つほどに毒素の排出によって市民への被害が懸念される。ならばこそ、メサイアは逃げることを選択する。
ギリギリまで惹きつける。
「さあ、お手の鳴る方へ! いえ、この場合はマシンガンの音の鳴る方へ? ですわ~!」
メサイアの言動がちょくちょく神経を逆なでしていることもまた『カーラ』の注意を引きつけることに一役買っていただろう。
暴風が背より迫っている。
もうどうしようもない距離まで。それ以上に『バンブーク第二帝国』のオブリビオンマシンは巨人が手繰る故に巨大なのだ。巨大であるということはリーチも長大であるということだ。
「三十六計逃げるにしかずですわ! と見せかけまして、わたくし妙案をひらめきましてよ!」
迫る『ヒューグリーム』の巨体。
振り向く『ヴリトラ』。
ただ何も考えずに逃げていたのではないのだ。急反転する機体に揺さぶられながらメサイアの瞳がユーベルコードに輝く。
「そぉい!」
揺るぎなき暴力(チカライズパワー)は、理不尽をもって『ヒューグリーム』の顔面をスマッシャーテイルの一撃でもって巨体を打ち上げる。
「――!?」
「ここで問題ですわ。わたくし達の頭上に座すのはどちら様でしょう?」
「何を、まさか――!」
『カーラ』は此処で漸くに気がつくだろう。
己が何故、『グリプ5』より引き離されたのかを。毒素だけではない。空。蓋をされた空。
彼女たちにとっては地底の天井こそが空であった。
忘れたとは言わせない。
今、このクロムキャバリアの空を支配しているのは。
「正解は……『殲禍炎剣』ですわ~!」
『ヒューグリーム』の巨体が勢いよく空に向かって打ち上げられる。ここは荒野だ。何の心配もない。
衛生軌道に煌めく光が『ヒューグリーム』の巨体を撃ち抜く。
メサイアが狙ったのは暴走衛生による砲撃を誘発させること。その砲撃の標的を『ヒューグリーム』にすることであった。
一瞬で、それこそ空に何者も存在させぬとばかりに砲撃が打ち込まれ、『ヒューグリーム』の機体を貫き、地表に砲撃が到達する。
膨れ上がる爆風。
粉塵が舞い上がり、小国家『グリプ5』より離れた荒野に穿たれた痕……即ちクレーターが大地に刻まれるのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
復讐なんてことにしか命を使えない。
だから負けた、そして負けるんだって解らないかな。
地上へでてきたんなら、そこで相手を見返せばいいんだよ。
自らの命を使って復讐する。
かっこよく聞こえるけど、
そんなの他人を巻き込んで自殺する迷惑な弱者だからね。
希ちゃん、2人を艦橋に。
ゼクスさん、ズィーベンさん、
今は厳しいと思うけど、しっかり見て、そして心に刻んで、覚えていて。
生きること、自分を見失わず、全部背負って生き抜くこと。
それが『強い』っていうこと。
どんなに地下帝国が強大になっても、
それが解らないうちは『エイル』さんどころか、わたしにだって勝てないよ。
と、【M.P.M.S】とUCでの一斉射撃を叩き込むね。
『殲禍炎剣』の砲撃を受けた『ヒューグリーム』の巨体が傾ぐ。
失墜し、大地に穿たれたクレーターの中心に『ヒューグリーム』はうなだれるようにして座していた。
もはや勝負はあった。
そう思わせるには十分すぎるほどの打撃を巨体たる『ヒューグリーム』は受けていた。だが、霧消していない。まだ滅びていない。
「まだだ……『ヒューグリーム』!! 私の生命のすべてを使え!!」
将たる『カーラ』の咆哮が轟く。
小国家『グリプ5』より放たれた荒野に穿たれたクレーターの中に『ヒューグリーム』のアイセンサーが煌めく。
機体に溢れるサイキックエナジーは搭乗者の生命力を吸い上げ、その内部に存在していたピコマシンを蠢かせる。
巡り、巡って。
膨れ上がっていく。
そもそも『バンブーク第二帝国』のオブリビオンマシンは巨大である。通常の三倍の大きさ。だが、その巨体がさらに膨れ上がっていくのを菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は『ネルトリンゲン』の艦橋から見ただろう。
「復讐なんてことにしか生命を使えない。だから負けた、そして負けるんだって解らないかな。地上にでてきたんなら、そこで相手を見返せばいいんだよ」
理緒は見る。
『ヒューグリーム』は憎悪と怨恨の塊だ。
ただ殺し殲すためだけに存在している。
地上に在りし者すべてを憎んでいる。誰でもいいのだろう。いつかの誰かにされたことを、見知らぬ誰かに押し付けたくて仕方ないのだ。
己の心にある塊を持て余し、抱えきれないのだ。
「自らの生命を使って復讐する」
「それの何が咎められる! 我等の怨恨を解さぬ者に、我等に届く言葉を吐けると思うな!」
膨れ上がっていく『ヒューグリーム』の巨体は、まるで要塞の如き姿。
「かっこよく聞こえるけど、そんなの他人を巻き込んで自殺する迷惑な弱者だからね」
理緒は環境に『ゼクス』と『ズィーベン』を招く。
二人の顔はまだ見れない。
きっと涙で腫れているだろう。わかっている。どうしようもないことだ。どんなユーベルコードであっても、死んだことをなかったことにはできない。
生命は戻らない。
決して、もう二度と彼女たちの手には戻ってこない。
幼い生命も、老いた生命も。
等しく奪われていく。その運命を呪うだろうか。それとも嘆くだろうか。
「今は厳しいと思うけど、しっかり見て、そして心に刻んで、覚えて」
憎しみは人の心を曇らせる。
熱情の如く燃え上がるだろう。力を引き出すだろうし、齎すだろう。けれど、それはいつだって直線的過ぎるのだ。
足元を見ていない。
ころんだことにすら気がつけない。
『ネルトリンゲン』より放たれる小型ガジェットたちが群れをなして、ミサイルランチャーから放たれる砲撃が『ヒューグリーム』の巨体を押し止める。
「殺し殲す……!」
『ヒューグリーム』の巨体をいつまでも『カーラ』が維持できるとは思えない。生命力を吸い上げ続けているがために、彼女はもう助からないだろう。
己の生命すらも省みない。
それが憎悪と怨恨の力であるというのならば、吹き荒れる力は寿命の前借りにすぎないのだ。
「生きること、自分を見失わず、全部背負って生き抜くこと。それが『強い』っていうこと」
どんなに『バンブーク第二帝国』が強大であったとしても。
憎しみと怨恨だけで戦い抜くことはできな。死んでいいと思っている者に明日は掴めない。
当たり前だ。
誰もが明日を求めてもがくからこそ、得難き力を得るのだ。
「――」
二人の声は声ならぬ声であった。肯定であったのかも、否定であったのかもわからない。まだ子供だ。少年少女だ。
答えは出ないだろう。出せないだろう。それでもいい。今はまだ、それでもいいのだ。
「憎しみも恨みも、何もかも。背負わずに誰かになすりつけようとするかぎり、『エイル』さんどころか、わたしにだって勝てないよ」
理緒は、憎悪と怨恨のみで膨れ上がる『ヒューグリーム』を見やり、つぶやく。
放たれる砲撃が巨大化した『ヒューグリーム』を包み込んでいく――。
大成功
🔵🔵🔵
ウィル・グラマン
●POW
今度は暴風を巻き起こす奴か
筒を撒き散らさねぇだけでもマシだろうが、野放しにすりゃあのサイキックエナジーでグリプ5ごと呑み込んじまうのも時間の問題だな
ベア、気張っていこうぜ!
クソ、サイキックエナジーと暴風でレーギャルンの砲撃が逸れちまう
ベアも弾き返すとか、どんだけ強力なんだよ!?
このレーギャルンは試作機なんだし、一発逆転を狙える機能は…あった!
プロメテウス・バーン、か
さっき自爆してたアレかよ
なら、オレ様の電脳魔術で【武器改造】して即席改良するしかねぇな
アレもコレも再設計しちまって、レーギャルン自体を巨大な銃に変形させる『超電脳合体』だぜ
いくぜ、ベア!
プロメテウス・バーン・キャノン、発射!
暴風の如きサイキックエナジーが溢れかえっている。
さらに巨大化したオブリビオンマシン『ヒューグリーム』の威容は見上げる以上の迫力をウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)に与えたことだろう。
暴風はサイキックエナジー。
生命力を吸い上げる機体によって、搭乗者である将たる『カーラ』の生命はもはや消え失せている。
「――……殲す」
あるのは彼女の怨恨と憎悪の残滓。
それが膨れ上がった巨体たる『ヒューグリーム』の姿だけであった。
振るい上げられる巨腕がやけにゆっくりと動くのをウィルは見ただろう。
「ガオォン!!」
漆黒のスーパーロボット『ベアキャット』が咆哮し、その一撃を受け止める。機体が軋むのがわかるだろう。
さらにウィルは簡易型『レーギャルン』の砲撃でもって『ベアキャット』を助けようとするが、その砲撃すらサイキックエナジーの嵐に寄って阻まれる。
「筒を撒き散らさねぇだけでもマシだろうが、野放しにすりゃあのサイキックエナジーで『グリプ5』ごと飲み込んじまおうっていうのかよ! 気張れよ、ベア!」
ウィルはあの巨体が溢れかえらせている暴風の圏を見やる。
巨大であったオブリビオンマシンがさらに巨大化しているのだ。サイキックエナジーは『カーラ』の生命力を全て吸い上げて、底をついている。
だが、残されたサイキックエナジーで飛ばれれば、それで『グリプ5』は終わりだ
毒素でもって全滅するだろう。
「クソッ……こっちの砲撃もベアも弾き返すとか、どんだけ強力なんだよ!?」
これが捨て身ということなのだろう。
己の生命を省みぬ将たちの意地。いや、怨恨と憎悪の深さ。
故にウィルは覚悟を決めるしかなかった。
あのサイキックエナジーは今はあの巨体を飛ばそうとするために溜め込まれている。すでにサイキックエナジーの供給元たる『カーラ』が死しているからだ。
怨念返しは怨念を呼び込むだけだ。
だからこそ、ウィルは息を飲み込む。
一発逆転を狙う機能。
簡易型『レーギャルン』。その砲撃型に備えられた胸部砲口。
だが、『ズィーベン・ラーズグリーズ』がそうであったように、あの砲口は一騎では自爆するだけだ。
出力に機体が耐えられないのだ。
「二機で直結させても無理だったんだろ……?」
『プロメテウス・バーン』。
『ヴェルディグリース』を猟兵ならざる身であっても一矢報いた砲撃。此処にある簡易型『レーギャルン』はウィルの一騎のみ。
暴発するのがおちであった。
だから、ウィルの瞳がユーベルコードに輝く。
「ならよぉ!」
電脳魔術が展開する。簡易型『レーギャルン』のコクピットにひろがるコンソール。モニターに数値が変化していく。
ウィルはコクピットの中で今自分が駆る『レーギャルン』を再設計していく。機体としてではない。
漆黒のスーパーロボット『ベアキャット』の装備として改良させていく。
確かに『プロメテウス・バーン』は強力な武装だ。
だが、強力故に暴発する。一騎では、炉の出力を安定できない。二機であっても安定領域まで持って行けても、想定出力に到達しない。三機で漸く自乗作用で威力を齎す。
「機体の機能全てを安定に回せば……ベア、俺を使え!!」
きらめくは超電脳合体(ヴァリアブル・ドッキング)。
簡易型『レーギャルン』が電脳魔術でもって再設計された姿へと変形する。それは巨大な砲身を持つ銃であった。
『ベアキャット』が咆哮する。
「ガオォン!!」
ウィルの乗る『レーギャルン』が姿を変えた銃。それを構える『ベアキャット』。
「いくぜ、ベア!」
ウィルが叫ぶ。
あの怨恨と憎悪の塊を討つ。
ただそれだけのために生み出された最後の一撃の引き金をウィルと『ベアキャット』が引く。
未来につながるのは怨恨や憎悪であってはならない。
砲口に湛えられたユーベルコードの輝きが放出される。巨大なオブリビオンマシン『ヒューグリーム』が『ベアキャット』を押しつぶさんと巨大な腕を振るう。
「プロメテウス・バーン・キャノン、発射!」
天上の火の如き煌めきは『ヒューグリーム』の巨体を燃やし尽くす。災厄が全てを飲み込むのだとしても、一条に走る炎がそれを焼き滅ぼすように。
恩讐の彼方にこそ、その道が開けるようにと願う者たちは、ただ戦いに疲れ滅びゆくのみ。
戦乱の火種は尽きず。
されど、戦いを終わらす意志は途絶えず。『ヒューグリーム』の巨体が砕け、無床していく最中、怨恨と憎悪に狂いし魂がいつか救われることを願わずには居られないのであった――。
大成功
🔵🔵🔵