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アポヘル猫大作戦、ついでに花を埋めよう

作者：結城忍

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「にゃー！　にゃー！」
　そこは猫で一杯の建物だった。
「てやんでい、ばーろー！　じゃまだっつーの！」
　なかなか口の悪い猫たちである。しゃべる猫ということは賢い動物だろうか。いや改造猫のようだ。
「猟兵は来ねーだろうなあ。猟兵だけはやっかいだ」
　ヴォーテックス一族の残党として、猟兵の恐ろしさを知っているため、猟兵に見つからないようにこんな廃墟に隠れているのだ。
　ただ、数が増えすぎて見つかりやすくなっているのではないか。猫の脳ではそこまで考えられなかったのか。
　今日も猫たちは猟兵に怯えながら日々を過ごしていた。

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「よくぞ集まってくれたのじゃ」
　九段下鈴音（f01929）は猟兵たちに向き直る。
「アポカリプスヘルの東京にヴォーテックス一族の残党のアジトが見つかった」
　先の戦争でヴォーテックス一族は壊滅したと思われていたが、その残党がまだ一大勢力として残っているらしい。そのアジトが発見されたのだ。
「彼らは何より猟兵による奇襲を恐れておる。そこでアジトにはなるべく大人しくして近づいて欲しい」
　アジトには訓練済みの猫がたくさんいるらしい。アジトに乗り込んだら好きに蹴散らしていいとのこと。猟兵たちは腕が鳴ると力を込める。
　そこで鈴音は何かの袋を取り出す。それは何かの花の種のようだ。
「アポカリプスヘルの復興に何か力を貸せぬかと考えていたが、アジトへ向かう途中に良い場所があれば、花を植えるのはどうだろうか」
　花？　猟兵たちは首を傾げる。
「いや、アポカリプスヘルは不毛の大地じゃからの。花を植えることで少しでも復興の助けになればと思っての」
　猟兵たちは大きく頷く。
　こんな世界だけど、こんな世界だからこそ、明日への希望の為にこの種を植えよう。いつか花が咲くように。
「それではよろしく頼むのじゃ」
　鈴音は猟兵たちに再び頭を下げるのだった。

第1章 冒険 『希望の花』

POW   :    地面を耕し、広い範囲に埋める SPD   :    速さと効率を重視して早く、ひたすらたくさん種をまく WIZ   :    種の形から咲く花の性質を調べ、育ちやすい場所を選んで種を埋める 👑7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「緑化運動はいい事だよね」
　本当は、外部から何かを持ち込むなら現地の生態系を考慮した方がとも考える。
「この世界ってだいたい荒野だから気にしなくても良いかな？」
　廃墟となった街の外れにちょうどよさそうな土壌を発見する。マロン・ビネガー（f37213）はここに種を植えようと考える。
　少し時期がずれてしまうけど、マロンは『シロツメクサ』の種を蒔く事にする。
　痩せた土地でも育つ上に肥料にもなるし、少しずつでも花が増えればいずれ蜜蜂を呼べるかも知れないからだ。
　まずは大地を【浄化】、次に【天候操作】を乗せた【ヘヴンリィ・シルバー・ストーム】で雨を降らせて、土が程よく湿り気を含んだら乾かない内に【ダッシュ】しながら種を大量に蒔いていく。
「数打てば何とか、ってね」
　銀の雨の癒しの力が土壌を潤し整える。さらには【浄化】の力で土を清め花の育つ環境を作る。【ダッシュ】で素早く種を蒔くことで広範囲に種を植えていく。
「これでいいかな。すぐに花が咲く訳じゃ無いけれど、無事に育ってくれると良いな」
　この荒野でどれほどの花が咲くかは解らないが、少しでも咲いてくれればとマロンは願わずにはいられなかった。
「この荒野が少しでも潤いますように」
　マロンは自分の植えた土壌を愛しそうにながめるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「さて、久しぶりに猟兵として動く事になるが……出来る事を頑張ろう！」
　鳳凰院・ひりょ（f27864）は気を引き締めた。
「手持ちの書物の中に植物について詳しく書かれた物がなかったかな……」
　鈴音から手渡された種を観察し、書物から【情報収集】を試みる。花はどうやらチューリップとヒヤシンスのようだ。
　次は植える場所だ。
「【失せ物探し】と【地形の利用】も活用すれば植えるに適切な場所も見つかるだろうか？」
　土壌を探すには【地形の利用】が役に立ったらしい。よさそうな土壌を見つける。土壌にそれぞれ適度な距離をとってチューリップとヒヤシンスをそれぞれ植える。
　次は水だ。そこで手持ちの飴を媒体に【固有結界・黄昏の間】を発動させる。
「命無き物（無機物）よ、水の疑似精霊となれ！」
　水の疑似精霊を召喚し種を植えた所へ【環境耐性】を付与した雨を降らせ、種と土壌をより適した状況へと変えるよう試みる。
　ひりょの力で種と土壌に変化を与える。適度な水分が種に力を与えている。
「この過酷な地で植物達が生き抜いていくのもかなり厳しい事だろう。ちょっとした後押しが出来ればいいけど」
　ひりょは種を植えた土壌を見つめそう願うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「……食べられる物が良いと思うんです」
　御園・桜花（f23155）はリュックに、猫用シャンプー、果肉削除済みの棗椰子の種、種皮削剥済みのバオバブの種、ソルガムの実を詰めて参加する。そして幻朧桜の苗も５本持参する。
「桜は乾燥に弱いので多分枯れますけど……バオバブは行けそうな気がします。棗椰子は最初が乾燥し過ぎて駄目かも、とは思います。ソルガムは小麦の代わりになりますから、自生したら食料対策の一助になるかと」
　色々と考えて持っていくものを選別した桜花。天然ボケ気味の桜花にしては準備万端である。桜の精だけに植物にはこだわりがあるのかもしれない。
　まずは土壌の浄化から手をつける。
「ノームさん、この辺りの土がふっかふかになるまで耕して下さい」
【ノームの召喚】で耕地と種蒔き手伝って貰う。召喚されたノームが土壌を耕し始める。さすがは土の精、器用に耕していく。
ノームによって耕された土壌に種を植えていく。バオバブは１００ｍ位離して、棗椰子も１０ｍ位ずつ離して、幻朧桜はそこそこ近くに植える。ソルガムの漉き込みはノームに任せる。ノームは最適だと思う場所にソルガムの種を蒔く。ソルガムきびは比較的病気に強く荒地でも育つため最適だと思われる。
「あとは水ですね。では」
【高速詠唱】【多重詠唱】で水を呼び出し、ふんわり水撒きをする。水をあげ過ぎても枯らしてしまう。ソルガムきびは少ない水で育つためそれほど水は必要ない。木々を中心に水を撒く。
「うまく育ってくれますように」
桜花は祈りをささげた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

第2章 集団戦 『ネコとノミ』

POW   :    てやんでぃ、死なばもろともでぃっ！ 自身の【命】を代償に、【落雷に江戸っ子魂】を籠めた一撃を放つ。自分にとって命を失う代償が大きい程、威力は上昇する。 SPD   :    ばーろぃ、やらせるかってんだ！ 全身を【発電、皆でネコを守るバリア】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。 WIZ   :    おいらたちには、まだ帰れる場所があるのさ！ 演説や説得を行い、同意した全ての対象（非戦闘員も含む）に、対象の戦闘力を増加する【ネコの生き血（ネコの同意は不要）】を与える。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　猟兵たちはヴォーテックス一族の残党がいるという施設にたどり着く。外にいるのに中の音が聞こえてくる。なにやら多数の何かがいるらしい。それが何かは分らないが、人間の言葉であることは間違いなさそうだ。
　これだけ騒がしければ多少音を立てても中に入ることは容易い。猟兵たちは中に侵入する。
　そこにいたのは多数の猫だった。
「猟兵はいないだろうなー！　猟兵には気をつけろー！」
　猟兵を警戒しているのは本当らしい。
　猟兵たちは猫たちに見つからない位置から飛び込む。猟兵と猫の闘いが始まる。


「マイスゥィート・お猫さま～。貴方の下僕が参りましたぁ！」
　御園・桜花（f23155）は猫用シャンプーとお猫さま用三種の神器プラス１手に満面の笑みで飛び込む。
「ささ、お猫さま。貢ぎ物でございまーす♪」
　木天蓼とジャコ素材に【花見御膳】を発動する。木天蓼臭ぷんぷんの猫心を安らげる効果を持った猫まんま大量作成する。
「私はお猫さまの下僕です！満腹するまで食べて毛艶を良くいたしましょう♪」
　猫じゃらしを振って猫を誘惑し、近づいた猫にどぱっと猫用シャンプーかけつつブラッシングする。
「にゃー！」
　ブラッシングされた猫から何か小さなものが飛び出す。ノミのようだ。猫用シャンプーにやられてしまったらしい。そのおかげで猫がノミから解放されてあちらこちらに散りだす。ノミのコントロール下にないため、ただの猫に戻っているらしい。そのままほっておいても大丈夫そうだ。
「遊んで食べて綺麗綺麗いたしましょう～お猫さまはオンリーワンでナンバーワーン♪」
　自作の歌を口ずさみつつ猫が好きそうな場所を重点的にブラッシングする。するとノミがどんどんやられて猫が解放されていく。桜花のブラッシングが気持ちよさそうだ。そのまま身をゆだねる猫、逃げ出す猫。
「お猫さまに仕えられて下僕は幸せです」
桜花は満足そうに猫たちをブラッシングするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「改造猫でも猫はネコ。ノミに寄生されて痒そうだね。何とかして助けたいな」
マロン・ビネガー（f37213）は猫用シャンプーを用意する。
　まず「礼儀作法」で挨拶をする。
「猫さん達、こんにちは。建物から賑やかな音が聞こえたのでつい足が引き寄せられました。もしかして、猫の集会の途中でしたか？　貴重な機会、この目で見られるとは感動です」
　猫が猟兵に気づいて襲い掛かろうとしたがマロンの手元を見て動きを止める。
「あ、そうなると土産が……つまらぬ物ですが」
　手持ちの煮干しとチーズと甘酒を差し入れにして【誘惑】する。ノミのコントロールを猫の本能が上回る。猫は餌を食べ始める。ノミが必死にコントロールしようとするがまるで聞かない。
　心行くまで食べて貰い、猫達が満腹でリラックスしている所に【早業】でシャンプー液を掛けて手早くノミ掃除を行う。現れたノミは次々にやられていく。ノミのコントロールがなくなり自由になった猫はますます餌食べが捗る。
　仕上げは【ラブマックスルナ】の光を【浄化】込みで放つ。毛並みを整えるのもメイクの内、かな？猫たちは気持ちよさそうにするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「ビーストマスターとしては手荒な真似をしたくないな。よし、平和的な解決といこう！」
　鳳凰院・ひりょ（f27864）はノミ退治をすることにする。
　相手も動物である。勘の良さでこっちを察知する可能性もある。
　そこで【召喚術】でネズミを召喚し使役する。猫達を【挑発】し一か所へと誘い込む。
そこへ【覇気】のオーラを放って【破邪顕正】を発動。猫を動けなくする。【おいらたちには、まだ帰れる場所があるのさ！】で味方にブーストをかけようとしていた猫も動きを封じられる。
　相手の行動を封じ、満面の笑みでノミ取り用シャンプーを使って洗い始める。
「猫さん、かわいいねえ。綺麗にしてあげるねー」
　思わず猫達に話し掛けるのに猫なで声になってしまうのは仕様である。
　シャンプーでノミを【浄化】。【鎧無視攻撃】で必死に隠れているノミまで根こそぎ討伐する。
　水は精霊の護符に水の疑似精霊の力を付与して生成する。乾かすのも火と風の疑似精霊達の力を借りれば可能だ！ひりょの得意分野だ。
　ノミのコントロールから外れた猫たちが、ひりょのシャンプーに気持ちよさそうにしている。
　洗い終わったら猫達に餌もあげてご機嫌取りしておこうと思ったひりょ。猫たちはうれしそうに餌を食べるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「猫さん、可愛いですからね。それを操る害虫死すべし。慈悲はありません」
　アーネスト・シートン（f11928）は猫用シャンプーと○ゅ～るを用意する。○ゅ～るで猫を 釣ろうとする。来ても来なくても、ある程度の距離なら、貘に眠らせて、ノミ取りを行おうとする。
「では、実行いたしましょう。貘さん、お願いしますね」
【夢への案内人】で貘を召喚して猫たちを眠らせる。
　猫が眠ったなら、まずは櫛で抜け毛を取ってから、猫を洗剤で優しく洗っておく。
「てやんでぃ、やりやがったな！ぐあー！」
　ノミが猫から飛び出してやられていく。眠っている猫はどことなくうれしそうだ。
「猫さん、気持ちいいですか？」
　アーネストは眠っている猫を手早く洗っていく。
目を覚ました猫もいるが、どうやらノミのコントロールから解放されて普通の猫に戻ったようだ。そのままにしておいても大丈夫そうだ。
「コレで、どうにかなったと思いますね」
　アーネストは満足そうにするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「猫に付いているノミを洗うだぁ？
　地面にこするとか、泥浴びするとか、思いつく限りやれよと思ったが、ここは荒れ地だったぜ。
　しゃーねぇから、オレっち達（ハリーというカワウソも居る）で猫を釣ってから洗えばいいんだぜ！！」
　ラスカル・ノース（f37198）は相棒のハリーと２人で猫を餌で釣って（小魚を置く）猫を捕まえたら洗おうとする。
「ん？……オレっちに何かつい……ぎゃーーーーっ！！ノミがー……お前もだ、ハリー！！」
　わーわーぎゃーぎゃーノミに憑かれるアライグマとカワウソ。
「ちっ……ガジェット起動……ノミやめれー！！今に見て……ぎゃーーー！！」
　ガジェットが自動起動してネコとカワウソとアライグマを洗う。
「はぁー…酷い目に合ったぜ」
　今度は自分にノミがつかないように気を付けながら手とガジェットで猫を洗うラスカル。
「身体で触れなきゃ大丈夫だ。シャンプーのついた手だけで洗えば……」
　今度はうまくいったようだ。ハリーにも同じようにやれと指示を出す。次々猫を洗っていたら、どうやら全ての猫を洗い終えたらしい。
「よし、これで大丈夫だろう。おまえら、もう悪さするなよ」
　じゃれあう猫を眺めながらラスカルは廃墟を後にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2022年05月30日