銀河帝国攻略戦⑭~星の海に還すもの
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「やぁ、知っての通り火急の案件だ。手短に伝えさせてもらおう」
グリモア猟兵、エンティ・シェア(欠片・f00526)は言うが早いかぱらりとめくったメモ帳を読み上げる。
今回対峙するのは銀河帝国の特攻戦力である『白魔』戦隊。それは、強力な自爆能力を持つ高速輸送艦である。
その船に、強襲用の兵力を満載して敵艦隊に特攻、敵艦隊内部で輸送艦を自爆させ、敵を混乱させた所を、強襲兵力で蹂躙するというのが彼らの戦い方だという。
遥か昔にも『伝説の解放軍』を苦しめた存在であり、今回もまた、彼らにこの艦隊に対応する策はない。
だが、今回は我々グリモア猟兵が存在している、とエンティは口角を上げた。
「君たちに頼みたいのは戦艦に直接乗り込んで自爆装置を起動させる簡単なお仕事だ」
簡単な、と敢えて付け加えて、更に続ける。
「コアルームに直接飛ばすことは出来ない。その点は了承願いたい。それに勿論妨害はある。戦闘だね。銀河帝国に忠誠を誓うオブリビオンが大挙して押し寄せてくることだろう」
それを蹴散らし、艦隊が解放軍へ辿り着く前に自爆させるのが目的だ。
「目的は殲滅ではない。いかに早くコアルームへと突破し、自爆装置を起動させるか。その手段を講じてほしい」
コアルームまでの道程で相対するだろう敵は戦闘マシーンとして利用されてしまった元ブラックタール。
クラゲ型の体躯を持ち、触手や粘液を用いての攻撃や、自己改造による増殖を行うという。
様々な実験を繰り返された結果、彼らの思考は銀河帝国への忠誠心から成り、敵を排除することのみを目的としている戦闘マシーンと化した。そこに、自我はない。
「彼らの仕事もまた、簡単なものだ。命尽きるまで戦い、一人でも多くの敵を消すこと。単純な仕事同士、競い合うしか無いんだよ」
わかるね。と呟くように告げて、メモを閉じる。
いつもの所作で締めくくり、覚悟を問う目を差し向けた。
「帰り道は保証しよう。艦隊と心中などさせはしないとも」
里音
里音です。戦争です。張り切ってまいりましょう。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
こちらは銀河帝国攻略戦⑭、『白魔』艦隊と対峙するシナリオになります。
敵の数は沢山、道のりは近からず遠からずと言った所です。
戦闘に終止すると間に合わないかも、というのは可能性としてあります。
が、誰かが抜けてくれると信じて戦闘を頑張るというのは勿論大丈夫です!
思い思いに行動して頂ければ幸いです。
自爆装置起動後のことは特に何もなくてもグリモア猟兵がなんとかします。
皆様のプレイング、お待ちしております。
第1章 集団戦
『タイプ・メデューサ』
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POW : 触手の一撃
単純で重い【液状触手】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 強化増殖
自身が戦闘で瀕死になると【(強化版)タイプ・メデューサ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ : 石化粘液
【液状の触手】から【石化粘液】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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ルベル・ノウフィル
ぅっ? 敵がなんか……ゆるキャラ(戸惑い)
ぎ、銀河を生きる人々のために!(気を取り直した)
pow
墨染で第六感&ダッシュ&捨て身
敵の攻撃も第六感&ダッシュで避けましょう
敵を排除するのみを目的とする戦闘マシーンですか
なるほど、良き敵でございます
僕もまた、この身を戦うために捧げておりますよ
そんなうにょうにょした触手がなんだというのですっ
僕なんて、もふもふした尻尾を持ってるんですからね!(謎の対抗)
触手は全部切り落としてしまいましょう
しかも、なんか力の抜けるお顔で……なんですその表情
ブラックタールさんは燃やしたら燃えたりするのでしょうか?
なら、火をつけるのもありですね
僕は火遊びが結構好きでございます
毒島・火煉
戦艦を自爆させるってことは、コアマシンルームまでスピード勝負だよね!
カレンちゃんは鋼糸【アカイイト】【目立たない】【地形の利用】を使ってあちこちを飛び回って駆け抜けていくよ!
どうしても避けられない敵が目の前に現れたらそのまま攻撃に!
元はカレンちゃん達の仲間になるかもだった皆。可哀想だけど、ここら辺でゆっくり休んで欲しいな。
「みんなをそーしちゃった奴らは、カレンちゃん達がぶっ殺しておくからさ。」
【おびき寄せ】【敵を盾にする】【見切り】で相手の攻撃は防ぎつつ【目潰し】【早業】【フェイント】【騙し討ち】なんでも使って斬りつけていくよ。一体倒して少しでも隙間ができればそこをくぐり抜けてまたさらに先へ!
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転移された戦艦内には、無数の敵がひしめく気配があった。
緊張感を滲ませながら、そぅっと通路の先を覗いたルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)は、しかし目に留めた敵の姿に、ぱちくりと何度か瞳を瞬かせた。
「ぅっ? 敵がなんか……ゆるキャラ」
つるつるぷるんとなかなか触り心地が良さそうで、それで居ながらもにゅんと弾力もありそうな体躯。
黒一色の上の方にちょこんちょこんと二つの窪み。あれが瞳なのだろう。多分。
うにうにと触手を蠢かせる所作さえ、なんだか愛らしく見えてしまう、ような……?
「ふーん、結構いるんだね」
覗き見るルベルの背後から、ひょこりとさらに顔を覗かせたのは毒島・火煉(アナタも愛しい恋人に・f04177)。
仲間の存在に、はっとしたようにルベルは気を引き締める。
「戦艦を自爆させるってことは、コアマシンルームまでスピード勝負だよね!」
「そう、なりますね。ある程度は、敵の排除も必要でしょうけど」
確かめ合って、それぞれに頷いて。
先に駆け出したのは、火煉だった。集まる敵の内、最も数の少ない箇所へと突っ込み、早々に通路の先を目指す。数体の敵がそれに反応して捉えようとするように触手を伸ばすがどんっ、と体当りするように突っ込んできたルベルに阻まれる。
「ぎ、銀河を生きる人々のために!」
気合を入れ直す一言と共に、ルベルもまた、通路を駆けていった。
その後も、侵入者を察知した敵は次から次へと二人の前に立ちはだかる。数度は上手く敵の隙間を縫って来れたが、狭い通路にみっちり詰め込むようにして現れた敵を見た時には、覚悟を決めた。
「急いでるんだけどな」
仕方がないね、と呟いた火煉は、くるりと手元のアカイイトを指先で遊ばせて、眼前の敵を見据える。
元は、自分たちの仲間になったかも知れない存在だったと聞く。だが、こうなってしまってはどうしようもないことも、火煉は重々に理解していた。
だからこそ、躊躇わない。
「可哀想だけど、ここら辺でゆっくり休んで欲しいな」
伸ばされる触手を躱し、微笑む顔で見上げたクラゲ型のブラックタールへ、素早く、糸を絡める。
「みんなをそーしちゃった奴らは、カレンちゃん達がぶっ殺しておくからさ」
笑顔のままの言葉は、殺意でも敵意でもなく、同情でも約束でもない。
ただの、愛情だ。
だからこそ、火煉の糸を鋭利に閃かせ、敵の一体を黒い液体へと還した。
そうして作った隙間を、火煉は素早く抜けて行った。追いすがろうとする数体と、見向きもせずにルベルへと向き合う数体。それぞれの動きを見て、なるほど、とルベルは呟いた。
「良き敵でございます」
コアルームを守るでもなく、ただ目の前に居る者を排除するための行動は、賞賛に値する。例えばそれが、何によって齎された理念だとしても。
「僕もまた、この身を戦うために捧げておりますよ」
逃げて隠れて先を目指すよりも、駆け抜けた者の背を追う敵を減らす方が、良い。
無機質な瞳だと思われるものを見据えて、妖気を纏った黒い刀を構える。
きりと表情を引き締めるが、うにょんと蠢く触手とぷるぷる体躯に、へにょり、耳が下がる。
「なんか力の抜けるお顔で……なんですその表情」
いまいち気合が入り切らないが、毒気を抜かれている場合ではない。
「そんなうにょうにょした触手がなんだというのですっ。僕なんて、もふもふした尻尾を持ってるんですからね!」
謎の対抗心を発揮しながら、素早く肉薄し、ぴたりと張り付くような位置から妖刀を振り抜く。
その一撃はクラゲ型の触手部分と顔とを、綺麗に分断する強烈な一閃。
しかしそれにも怯む様子を見せない敵を見据えて、ふむと呟き思案する。
ブラックタールは、火をつけると燃えるものなのだろうか。
であるならば、陽動の意図も込めて、火を放つのもありだろう。
「僕は火遊びが結構好きでございます」
に、と口角を上げて笑ったルベル。
彼が、振り返らずに突き進んだ火煉と、戦艦内で再び合流することはなかった。
戦艦の一角は、今暫く、騒々しいまま。
成功
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メルティア・サーゲイト
【チーム名:SS】
雑魚が大量で暴れ放題とは美味しい状況何だが、足止め狙いとあってはじっくり相手をする意味が無ェなァ。ここはMODE PANZERで戦車形態だ。主砲にはガトリングカノン、砲塔上部に巡行ミサイル二基。
「退かないなら轢き殺すぜェ!」
進行上の敵をガトリングカノンで蹴散らしながらアクセル全開だ! 無限軌道をナメるなよ。纏わりついてくるなら轢き殺して進むだけだぜ。
「喰らえってンだよ!」
塊で妨害してくるなら巡航ミサイルの出番だ。
このままゴリ押しでタッチダウン狙ってもいいが、まあ無理だろ。精々派手に暴れて囮になるさ。後はチームの文字通りのタンク役だ。戦車の装甲はそう簡単には抜けないぜ。
フリージア・カットラス
【チーム名:SS】【SPD】
「皆…… すまん、先に行く!!」
仲間達が囮になって敵を足止めしてくれている隙に一路コアルームを目差して走り出す。
「悪いが相手をしている時間はない」
行く手を遮る敵は【ブレイズフレイム】を顔に向けて放ち、怯ませるか目くらまし程度に使用して逃走、戦闘に時間を使わずコアルームを目指す。
「ここか!?」
コアルームに辿り着ければ後は自爆装置を起動させるだけ
目立つものを片っ端から操作して自爆装置の起動を目指す。
シュトフテア・ラルカ
【チーム名:SS】
旅団の皆と参戦なのです。
まずは【ハッキングで情報収集】してこの艦からコアルームまでの情報を抜き取るです。
ルートの構築を行い、皆に情報を共有するです。
その際に隔壁への干渉をできないかも試しておく。
ハッキングの情報はフィオリナさん(f00964)と共有し、足りてない情報を補い合うようにするです。
隔壁を下ろしてルートを作ることで敵を【おびき寄せ】、先行組の的遭遇率を下げるです。
メルティア(f03470)さんの後ろに付き、警戒しながら進むです。
もし敵と遭遇してしまった時は【クイックドロウ/早業/先制攻撃】で相手の中心を【スナイパー】、撃ち抜いて素早く倒すことに集中する。
フォルセティ・ソルレスティア
【チーム名:SS】【WIZ】
「旅団のみんなとなら心強いよ!」
旅団の仲間と5人で行動するよ
ボクの役割は敵を蹴散らし囮になって、みんなを先に進ませることだね
【行動】()内は技能
メルティアさんの戦車に乗って、前方以外から迫るメデューサ型に
カラミダド・メテオーロを(全力魔法)で叩きつけるよ
前進が困難になったらボクが引き付けてみんなを先に進ませるよ
「ここから先は通さないよ」
聖箒を構えて対峙、ウィザード・ミサイルの弾幕(2回攻撃)で応戦するよ
液状触手の攻撃を警戒しグアルディアン・サトゥルノで相殺だよ(高速詠唱)
無理して踏みとどまらず、危険を感じたらイスベル・ウラーノで通路を破壊し足止めして
皆を追いかけるよ
フィオリナ・ソルレスティア
【チーム名:SS】【WIZ】(敬称略)
■作戦
仲間5人と連携して妨害を排除し、
最終的にフリージア(f06651)をコアルームへ
■行動
仲間の切り開いた突破口から先へ進む
シュトフテア(f02512)の解析情報を
オートフォーカスにプロットしながらコアルームへ
艦内装置や扉は【ハッキング】を駆使して突破
群がるメデューサに対してエレクトロレギオンを左右に召喚
壁にして先へ進む
後がなくなったらフリージアを先へ
「ここは私に任せて先に行って」
一度このセリフ言ってみたかったのよね
敵と対峙した後、バベルの光を【全力魔法×2回攻撃】で使用
触手攻撃はアイギスの盾で防ぐ
【時間稼ぎ】して戦いながら仲間が追いつくまで持ちこたえる
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戦艦への転送後、艦内へとハッキングを行っていたシュトフテア・ラルカ(伽藍洞の機械人形・f02512)は、自分たちが居るのとは別の地点へと救援要請が出されている事に気がついた。
「どうやら既に行動中の猟兵が居るようです」
それならば、自分たちは彼らとは別ルートを取るべきだろう。運が良ければ早々の突破が叶うし、そうでなくとも彼らへ向かう戦力を減らす事ができるはずだ。
思考は瞬間的に完結し、シュトフテアは同行する旅団の仲間たちへと情報を伝達する。
受け取った情報をデバイスにプロットしながら、フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)はくるり、一同を見渡す。
「恐れずに、参りましょう」
「旅団のみんなとなら心強いよ!」
真っ先に頷き応じたフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)に続き、メルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)も力強く頷き、自身の装着するパワードスーツを戦車型へと変形させる。
ひょいとその大型な体躯に同乗し、あるいは背後に付き、Sixth Senseに集った面々は敵対組織の戦艦内を前進した。
主砲に据えたガトリングカノンが派手な音を立て、敵を蹴散らしていく。
「退かないなら轢き殺すぜェ!」
メルティアの言葉に退却を選ぶものは、いない。当たり前のように無機質な瞳を向け、触手を伸ばし彼らの行く手を阻まんとしていた。
「後ろは任せてね!」
戦車形態のメルティアに乗りながら、後方から迫ってくる敵へと、フォルセティは箒の先端を差し向ける。
すると、道筋を得たとばかりに、後方の集団に隕石が落ち、爆ぜた。
「コアルームまではどのくらいある?」
「障壁が多いだけで短いルートを選びましたので……壁さえ取り払えれば、すぐにでも」
仲間たちの派手な立ち回りに、次々と応戦してくるクラゲ型のブラックタールに、フリージア・カットラス(人狼のブレイズキャリバー・f06651)は少しだけ強張った声で問う。
シュトフテアはそんなフリージアに端的に答えながら、進軍過程で閉じられたと思しき緊急障壁の突破を試みた。
「手伝います」
迫る敵の数が増える中、小型の機械兵器を無数に召喚して応戦させていたフィオリナがすかさずハッキングに手を貸す。
宇宙船、しかも戦闘用の戦艦ともなれば内蔵されるデータは膨大だ。しかし手間のかかる解析作業も、二人ならば。
作業の間も進軍は続く。召喚されていた小型兵器は一撃で消滅してしまうため、その数の減りも早い。
アクセル全開で敵を何体か轢きながら、それでもなお倒すに至らなかった幾つかの敵が強化型の同個体を召喚するのを、舌打ちして確かめると、メルティアは二基備えた巡航ミサイルの一基を射出する。
「喰らえってンだよ!」
どこからともなくという言葉があまりに似合いなほどに現れる敵集団の中心で、ミサイルが爆ぜる。
ほんの一瞬数を減らしたが、瞬く間に同程度の数が現れれば、流石に辟易したような顔で、フォルセティはフリージアを振り返った。
「流石にここからは足止めしながらの突破しかなさそうだよ」
「――心得ているとも」
一団のまま突破できるとは、彼らの誰もが思っていなかった。
だからこそ、メルティアは派手に暴れ、フォルセティとフィオリナは周囲の敵を数多く仕留め、シュトフテアは閉ざされた道を開き、あるいは塞ぎ、道を整えた。
この場の誰よりも疾く、駆け抜けることの出来るフリージアを送り出すために。
「最後の障壁、開きました」
最早ハッキングは不要、と顔を上げたシュトフテアは、そのまま戦闘へと移行する。
素早く射出された熱線銃は、タール状の胴体を打ち抜き、焦げた匂いを伴う液体を散らせた。
「ここは私に任せて先へ行って」
この台詞、一度言ってみたかったんですよねとぱちりとウィンクしてみせたフィオリナに、それから、仲間たちに。フリージアはほんの一瞬ずつではあるが、しっかりと視線を向けて、唇を噛んだ。
「皆……、すまん、先に行く!!」
シュトフテアの銃撃に、ふらつくように震えた敵へと肉薄し。フリージアは駆ける獣のような低い姿勢から爆ぜるように吹き出した炎を目くらましとして、その傍らを擦り抜けた。
「悪いが相手をしている時間はない」
自分が手間取れば、信じて送り出した仲間を危険に晒すことになる。
躊躇うこと無く、振り返らずに。ゲートの向こうへ消えた背を見届けて、フィオリナは仲間たちより一歩、前へ出る。
「まだ、サポートは必要でしょう」
だから、貴方達も先へ。
告げると同時に、彼女らの眼前にレーザーが突き刺さる。
高出力のレーザーは、彼方の人工衛星より打ち出されたもの。立て続けに二度の攻撃は、その一体にひしめいていたタイプ・メデューサを一掃する。
それが、やはり一瞬の隙であることを察し、メルティアはシュトフテアと共に、フリージアを追うように真っ直ぐ前へ向かった。
同じように駆けたフォルセティは、しかしゲートの正面でくるりと踵を返し、その扉を守るように、立つ。
「ここから先は通さないよ!」
向かい合うような立ち位置で、二人の魔術師が視線を交わし、微笑み合う。
湧くように現れ始めた敵をそれぞれに見据え、彼らは己が持つ魔法を、惜しみなく放っていった。
既に遙か先へと向かったフリージアの足に感嘆を覚えながら、メルティアはシュトフテアに確かめる。
後はもう、コアルームの前だけだろう、と。
こくりと頷くシュトフテアに、なるほどと言葉を返せば、見えた。フリージアが通った後だろう、炎の名残が。
「あれがコアルームです」
「じゃあ、あそこに入らせなきゃいいわけだな」
巨躯と化した己の身を、文字通りコアルームの入口前へとねじ込んで、メルティアは高らかに告げる。
「戦車の装甲は、そう簡単には抜けないぜ!」
その声は、コアルームの機械の膨大さにほんの一瞬慄いたフリージアに、届く。
考えるより早くとばかりに、目につくボタンを片っ端から押し、レバーを動かしていると、不意に、けたたましい程の警報音が響き始めた。
自爆へのカウントダウンを告げる、無機質な艦内放送。
それが、聞こえているのかいないのか。定かではないほどの戦闘を繰り返している者たちも、皆纏めて、その場から消えた。
あとに残されたのは、何の感情もないタイプ・メデューサだけ。
右往左往するでもなく、ただ新たな敵を探して徘徊していた彼らは、爆発した宇宙船と共に、全て、星の海へと還っていくのであった。
成功
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