7thKING WAR㉑~契約破棄を執行せよ
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「よく来てくれた。デビルキングワールドで起きている戦争の事はもう知っているな?」
フェイト・ブラッドレイ(DOUBLE-DEAL・f10872)は、自らの声掛けに応じて集まった猟兵たちを前にして礼を述べると、氷色の左目を厳しく光らせて言った。
「7thKING WAR」。デビルキングワールドで開かれている、新たな「デビルキング」――デビルキングワールドを統治する悪魔たちの王を決める決定戦だ。しかし問題は、ここにオブリビオン・フォーミュラが名乗りを上げてしまったことにある。フォーミュラである「魔王ガチデビル」が新たなデビルキングとなってしまえば、他の世界に洗脳された悪魔が輸出されてしまう。そうなれば他の世界でも、カタストロフ級の事件が勃発するであろうというのが魔界裁判長「ジャッジメントガール」の予測だ。
「これを止めるために、魔王ガチデビルの『悪魔契約書』によって洗脳された悪魔たちを率いる司令官オブリビオンを倒してほしい」
司令官オブリビオンの名は「デストロイキング」。かつて偉大なるボスの元、デビルキングワールドに覇を唱えようとした魔王の一人だ。豪快な中に優しさを併せ持つ魔王であったが、オブリビオンとなってしまった今では名前の通り破壊だけを求める悪漢と化しているという。
「デストロイキングはオブリビオンだが、その周囲で彼を二重三重に守っている洗脳された悪魔たちが厄介でな……何せ悪魔たちはとてつもなく強く、とてつもなく頑丈だ。最も、頑丈なので死にはしないだろうが」
推奨する方法は、基本的に二つだと男は言う。
「一つ。何らかの方法で大量の洗脳された悪魔たちを対処したうえで、オブリビオンを倒すこと。二つ目は、デストロイキングの持つ「悪魔契約書」を奪い取ってしまうことだ」
「悪魔契約書」を奪い取り、破り捨ててしまえば悪魔たちの洗脳は解ける。あとはオブリビオンとの戦闘に専念できるので、二つ目のやり方が近道であろう。
「洗脳された悪魔たちはデストロイキングの指示のもと、悪魔王遊戯《デビルアトラクション》を破壊しようとしている。これらが破壊されれば、「7thKING WAR」の勝利条件は「他候補者の殺害」のみという、魔王ガチデビルに大きく有利な状態になってしまう……何としても阻止してほしい」
なお、悪魔たちはこの世界の一般人に当たるが、とんでもなく頑丈なので「絶対殺す技」とかを当てたりしない限りは死にはしない。それだけは約束できる、と男は言った。
「ともかく、最優先撃破目標はデストロイキング。そしてその為の近道は奴の持つ「悪魔契約書」であることを理解して戦ってほしい」
現地への転送は私が受け持った。準備の出来た者から、声をかけて欲しい。
「それでは、よろしく頼んだぞ」
遊津
遊津です。デビルキングワールドより、戦争シナリオをお届けします。
ボス戦一章のみの構成となっております。
当シナリオには以下のプレイングボーナスが存在します。
※プレイングボーナス……ボスの悪魔契約書を奪い取る/大量の悪魔に対処する。
「戦場について」
空中戦が可能な屋外となります。
大量の洗脳悪魔たち(オブリビオンではありません。現地住人ですが頑丈なので基本的には死にはしません)に守られています。
そこにある何かを使って戦う場合、「使えるものは何でも使う」といった曖昧なものではなく、「何を」「どう使う」かプレイングに明記してください。
「デストロイキングについて」
オブリビオンです。倒してしまってください。
大量の洗脳された悪魔たちに守られているので、そのままでは戦いが非常に困難です。
プレイングボーナスが与えられるどちらかを実行することで、格段に戦闘が行いやすくなります。
POW、SPDのユーベルコードの「レベル×1」のレベルは猟兵のレベルと同じものとして扱います。
チームを組んできた場合、最も高い猟兵のレベルと同じものとして扱います。
当シナリオのプレイング受付開始は5/4(水)8:31からとなります。
シナリオ公開の時間によっては上記タグ・マスターページにプレイング受付中の文字が出ていないことがありますが、その状態でもプレイングを送ってくださってかまいません。
諸注意はマスターページに書いてありますので、必ずマスターページを一読の上、プレイングを送信してください。
また、送られてきたプレイングの数によっては全員採用をお約束できない場合がございますので、あらかじめご了承ください。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『デストロイキング』
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POW : デストロイキング軍
レベル×1体の【ビューティスパイダー】を召喚する。[ビューティスパイダー]は【女郎蜘蛛】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : デストロイ光線
レベル分の1秒で【背中の魔力角から破壊光線】を発射できる。
WIZ : デストロイウェポン
【腹部の巨大な口に取り込んだ物体】から、対象の【全てを破壊したい】という願いを叶える【破壊兵器】を創造する。[破壊兵器]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑11
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ヘスティア・イクテュス
OK、つまり集団戦ね!多対はわたしの得意分野!
それじゃあ暴れさせてもらうわよ!
空中戦が可能なら!
ジェットパック、ティターニアををブースト!【空中戦・空中機動】
やらない理由はないわよね!
空から悪魔たちをターゲットロック!
マイクロミサイルとフェアリーズをミスティルテインと一緒に
『一斉発射』!【範囲攻撃・弾幕】
周りの悪魔へビームとミサイルの雨をプレゼントってね!
もし味方がいればわざとデストロイキングまでの道の弾幕を薄くして
悪魔契約書、任せたわよ!
アドリブ歓迎
トリテレイア・ゼロナイン
『悪魔契約書』による悪魔の輸出…大魔王ガチデビルの目論見の縮図がこの光景ですか
悪魔達の平穏の為、他世界の安寧の為、騎士として何としてでも阻止せねばなりません
相手の数が数です、機械飛竜ロシナンテⅢに騎乗
推力移動の速度とアクロバティックな空中機動で飛行悪魔達を置き去りにしつつ首魁の元へ
悪事貴ぶ魔界と言えど、洗脳による徴兵など言語道断
騎士として討ち果たさせて頂く!
機械飛竜から飛び降り意表を突く形で破壊兵器の射撃を回避
(飛竜は遠隔操縦で軽量化で向上した機動力で離脱)
落下中に電脳禁忌剣を一振り
呼び出したUCで周囲の悪魔達諸共攻撃動作を封じ
着地と同時に動きの止まった首魁の契約書を斬り捨て
返す剣の一閃を
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大量の悪魔たちが「悪魔王遊戯《デビルアトラクション》」を破壊しようとしている。その中央で指揮を執るのは、体のあらゆる部位から角を生やした青肌の悪魔――否、オブリビオン「デストロイキング」。彼の周囲には十重二十重に悪魔たちが陣取り、近づくことも難しく見える。
「『悪魔契約書』による悪魔の輸出……大魔王ガチデビルの目論見の縮図が、この光景ですか……!」
トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)はそれを目の当たりにして、怖気を催す。これが他の、例えばUDCアースやシルバーレインの様な世界などで起きてしまったら。ガチデビルがしようとしているのは、まさにそれだ。一般人たちが平和に慣れきってしまった世界に、この世界の悪魔は――それが洗脳されているというのなら、なおさら――危険すぎる。そしてそれは、この世界の悪魔にとっても哀しいことだ。
「悪魔達の平穏の為、他世界の安寧の為、騎士として何としてでも阻止せねばなりません」
トリテレイアは機械飛竜「ロシナンテⅢ」に騎乗し、大空へと舞い上がる。
「OK、あなたはオブリビオンへ向かうのね、だったらわたしは悪魔の集団を担当するわ!」
ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)は妖精の羽を象ったジェットパック「ティターニア」をブーストさせる。
「お任せしても?」
「ええ、任せて!多対はわたしの得意分野!」
「では……御武運を!」
トリテレイアはオブリビオンへ向かって飛び立つ。残されたヘスティアもまた、空から悪魔たちへ向けて飛翔していった。
「それじゃあ、暴れさせてもらうわよ!」
空中から地上の悪魔たちをターゲットロックするヘスティア。「ティターニア」内部に内蔵されたマイクロミサイルと無線誘導端末兵器「フェアリー・改」をばらまき、【ミスティルテイン(短距離〈アサルト〉モード)】――ビームライフルを地上の悪魔たちへと一斉発射する!
「うわあああーーー!」
「なんかつよいやつがいるぞーーーーー!!」
「やーらーれーたー!!」
悪魔たちは頑丈なのでそうは言いつつも死にはしない。そもそも彼らを殺す必要はない。要は散り散りにさせればオブリビオンを守る壁も薄くなるのだ。
「道は作ったわ、悪魔契約書、任せたわよ!」
ヘスティアの声を聞き届け、大空を翔るトリテレイアの前に現れる影。
「へっへっへ……そうはさせないぜ!」
「あ、あなたがたは!」
「俺たちは飛行ができる悪魔!ここにいる奴らの中でも一等ワルい奴だぜ!なにせ非行ができるもんだからなあ!」
トリテレイアを追ってきた飛行タイプの悪魔は、わざわざ自己紹介をしてしまう。何せこの世界の悪魔たちはガチデビルをはじめとしたオブリビオン以外はみんな善良が過ぎるほど善良なので。律儀なのだ。
「あなたがたの相手をしている暇はありません……失礼をば!」
推力移動の速度を上げ、アクロバティックな空中機動で飛行型の悪魔を置き去りにすると、トリテレイアはオブリビオンへの下へと急ぐ。
「おっと、あなたたちの相手はこのわたし!」
飛行型悪魔に向けてヘスティアからのミスティルテイン――ビームライフルが直撃する。悪魔たちは黒焦げになって地上へ落ちていった。頑丈なので死にはしないだろう。
「悪事貴ぶ魔界と言えど、洗脳による徴兵など言語道断!騎士として、討ち果たさせて頂く!」
オブリビオン「デストロイキング」の頭上まで来たトリテレイアは、機械飛竜「ロシナンテⅢ」を遠隔操縦モードに切り替える。軽量化で向上した起動力でロシナンテから飛び降りると、電脳禁忌剣「アレクシア」を構えてデストロイキングの元へと落ちていく。降下してくるトリテレイアに気づいたデストロイキングは腹部の巨大な口で近場の瓦礫を喰らうと、破壊兵器を作り上げる。
「全てをぉぉぉぉぉ、破壊せよぉぉぉぉ!!」
デストロイキングの方向と共に放たれる破壊兵器の弾幕上の弾丸。トリテレイアは落下中にアレクシアを一振りし、【電脳禁忌剣・通常駆動機構:抑止兵装『守護の花』(ディタレンスウェポン・ブローディア)】を発動させる。攻撃を中断させるブローディア型の誘導兵器が1240本、幾何学模様を描いて飛翔する――破壊兵器の弾丸は、それによって沈黙する!
「なんの
……!!」
デストロイキングが呼び出したのは124体のビューティスパイダー。ビューティスパイダーたちは自らデストロイキングの壁となって行く手を阻む。それは防御行為だ。ブローディアの誘導兵器は攻撃を中断させることは出来ても、防御を中断させることはできない。
「くっ……!」
思わぬ伏兵にトリテレイアが歯噛みしたとき、頭上からヘスティアの声が降り注いだ。
「そいつらはわたしに任せてー!!」
その声を聴いて、トリテレイアは咄嗟に己の頭上へ向けて重質量大型シールドを構えた。そこへ飛来したのはヘスティアの放ったマイクロミサイル、そしてビームを放つ球体状ドローンの群れ「フェアリー改」!空中から降り注ぐミサイルとビームの雨にビューティスパイダーたちは次々と焼き尽くされていき、デストロイキングは丸裸となる。
「今、ですっ!」
トリテレイアの電脳禁忌剣アレクシアが、デストロイキングの懐の契約書を切り捨てる。そして、返す剣がデストロイキングの胸を貫いた――!
大成功
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エーミール・アーベントロート
【夕焼け】
契約破棄、ね……そうなると奪い取るほうが1番でしょう。
で、なんでお前がついてきてるんだ?
あぁ、そう……邪魔だけはするなよ。
ボンバーインセイン号にリアを乗せ、敵に一気に近づいて。
距離を稼いだところでリアを離脱させて、彼女の攻撃で時間を稼いでもらいます。
その間にUC【ろくでなし兄と同じ弟達】を使って弟達を呼び出してと。
『契約書がないと何も出来ないんです?』
『えっ、ザッコ。周りに誰か侍らせないと戦えんの?』
『お~~よしよしよし、脳筋に育ったんですね~~』
『悔しかったらかかってこーい。エミ兄さんが相手する』
待って、煽り内容にもう1人の弟が吹き込んだ可能性があるんだが!?
兄さんと共謀した!?
エミーリア・アーベントロート
【夕焼け】
奪い取るなら、リアにおまかせですの(えっへん)
……え? エーミール兄様1人だと危ないからと、兄様が。
大丈夫ですの。エーミール兄様の邪魔はいたしません!
バイクから離脱してすぐ、UC【生まれ出るは虚無の仔】を発動。
こちらに殺気を向けるように動き回り、弟達が作ってくれた隙を見つけたら契約書を奪い取りますの。
リア達の弟はたくさんいますからね。敵さんもたくさん可愛がってほしいです。
可愛がっても、リアに殺気を向けるようでは怒られるでしょうけど。
というか、上の兄様が色々と吹き込んでるので、リアの呼んだ弟達も煽り気味ですの。
なんでこんなことになってるのでしょう?
まあ、とても可愛くて良いのですが。
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「契約破棄、ね……。そうなると、奪い取るほうが一番でしょう」
「奪い取るなら、リアにおまかせですの」
んん? 背後から聞こえた声に、エーミール・アーベントロート(《夕焼けに立つもう一人の殺人鬼》・f33551)は首を傾げた。オフロードバイク「ボンバーインセイン号」に乗ったまま後ろを振り向けば、タンデムシートには彼の妹であるエミーリア・アーベントロート(《夕焼けに佇む殺人鬼[LadyAbendrot]》・f35788)がちゃっかりと座っている。なんか「えっへん」っていう表情で。
「なんでお前がついてきてるんだ……?」
「……え? エーミール兄様1人だと危ないからと、兄様が」
「あぁ、そう……」
エミーリアの言う「兄様」、エーミールの「兄さん」の言葉は、エーミールにとっては至上の物である。『兄さん』の言うことは全て正しい。ええ、全て正しい!それが倫理に外れていようとも、どれだけろくでもなくても、それは全て正しい!そんな思想がエーミールにはある。なので兄の名を出されれば、エーミールはそれを受け入れるしかない。
「邪魔だけはするなよ」
「大丈夫ですの。エーミール兄様の邪魔はいたしません!」
ふんすふんす。そんな擬音がつきそうな表情でエミーリアは胸を張る。そんな彼女を後ろに乗せたまま、エーミールが駆るボンバーインセイン号は疾走し出した。
オブリビオン「デストロイキング」の周囲には十重二十重に悪魔契約書によって洗脳された悪魔たちがいる。デストロイキングに接近するためにも、このままバイクで走り続けるにも、悪魔たちが邪魔だ。
「それではここで、合法的轢殺とさせていただきましょうか……!」
だから合法的な轢殺はどこの世界にもないんだって何度言ったら。そもそもこの世界の悪魔、ちょっと轢いたところで死なない。
つまりは勢いをつけて大ジャンプ、ボンバーインセイン号は悪魔たちを足場にして走り出したのである。正直言って悪魔たちは興奮した。何せ洗脳されていても悪事がカッコいいデビルキングワールドの悪魔たちだ。こんな悪いことするやつ!カッコいいに決まってる!!
「あ……女の悪魔が私のことかっこいいって目線で見てる……」
「それ嬉しいんですの? エーミール兄様」
「はっいけないいけない、今は!今は嬉しくない!はいリア、落としますよ!」
「了解ですのー」
デストロイキングに十分近づいたエーミールは後ろのエミーリアをボンバーインセイン号から降ろす。バイクから離脱したエミーリアは【生まれ出るは虚無の仔(コピーチルドレン・ナダ)】を発動させる。
「あら、殺気は出さないほうがいいですよ? ……ほら、私の弟達が怒ってますの。生きてしまった私のために」
ヒュー悪いぜカッコいいー!!となっている悪魔たちの中で、殺気を出しているのはオブリビオンただひとり。悲惨な研究の果てに亡霊となって召喚されたエミーリアの「弟たち」は、執拗にデストロイキングに纏わりつき縋りつく。
その間にエーミールもその場に「弟たち」を呼び出す。発動するは【ろくでなし兄と同じ弟達(バスタード・アーベントロート)】。
現れた彼らの生まれる前に死んだ弟たちは、デストロイキングに向かって。
『契約書がないと何も出来ないんです?』
『えっ、ザッコ。周りに誰か侍らせないと戦えんの?』
『お~~よしよしよし、脳筋に育ったんですね~~』
煽った。うん。何せ技能「人を煽る」で支援をするユーベルコードである。
『悔しかったらかかってこーい。エミ兄さんが相手する』
「え? あれ? 待って? 私?」
「キサマああああああ!!!!キサマキサマキサマキサマああああ!!八つ裂きにしてやろうかおおおん
!!!?」
当然、煽られて怒り心頭に達したデストロイキングの怒りのやり場はエーミールに向かった。だってエミ兄さんが相手するって言ったし。
「待って、煽り内容にもう一人の弟が吹き込んだ可能性があるんだが!? 兄さんたちと共謀した!?」
可哀想にね。デストロイキングの腹の口がエーミールの死んだ弟たちのうちのの一人をペロンと飲み込み、破壊兵器を作り上げる。破壊兵器は「煽ってきた奴許さない絶対殺すビーム」を発しながら、エーミールを追いかけ続ける!
「ええええちょっと待って!何ですかそれ!!リア!リア!早いところお願いします!」
「わかりましたの」
ボンバーインセイン号で悪魔たちを轢きながら走り回り逃げ回るエーミール、それを追いかける絶対殺すビーム号、それらを純粋な目できらきらとカッコイイ~って見ている洗脳されているはずの悪魔たち。
「よいしょ、ですの」
「あっ」
「ナイス!」
「えい、びりびり~」
擬音を口にしながら悪魔契約書をデストロイキングの懐から抜き取り、破り捨てるリア。とはいえ洗脳の解けた悪魔たちは相変わらず轢かれてワルイ!!カッコイイ!状態なのでちょっと洗脳が本当に解けているかどうかわからないんですが。
『ざぁこざぁこ、こんな簡単に契約書奪い取られちゃうとかマジで?』
『ダッサ!超ダッサ!』
とうとうリアの呼んだ「弟たち」までデストロイキングを煽り立てる始末。
「……上の兄様がいろいろ吹き込んだせいですの。なんでこんなことになっているのでしょう?」
まあ、とても可愛くてよいのですが。
ほわんほわん、とした空気を出しながらリアは微笑む。弟たちは煽る。デストロイキングはキレる。キレたデストロイキングが発する殺気に向かって弟たちが攻撃する――そんなちょっと意味のわからない循環構造がデストロイキングを徐々に消耗させていくのだった。
大成功
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マリア・ルート
ガールが頑張っているんだもの、あんたなんかに邪魔されるわけにはいかないんだから。
悪いけど邪魔の邪魔をさせてもらうわよ?
【指定UC】を使用。
洗脳された悪魔たちやビューティスパイダーに7割ほど、ボスに3割ほど割いて範囲攻撃。
牽制で悪魔たちの軍団の守りを崩しつつボスに攻撃していくわ。
ボスへの攻撃の時も部位破壊でなるべく悪魔契約書を破るようにしていく。
もし破ることに成功出来て悪魔が正気に戻ったら全武器をオブリビオンに一斉掃射よ!
軍勢を作ればいいと思った?
悪いわね、それを超える軍勢を私は用意できる。
私はワイルドハントが「殲滅担当」――嵐が来たと思ってあきらめることね!
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「ガールが頑張っているんだもの……あんたなんかに邪魔されるわけにはいかないんだから……!」
マリア・ルート(紅の姫・f15057)は洗脳された悪魔たちの横をすり抜けて疾走し、デストロイキングの真ん前へと降り立った。
「悪いけど、邪魔の邪魔をさせてもらうわよ?」
「ヌウン……ならば現れよ、我が眷属たちよ!」
デストロイキングがそう吠えるや否や、現れるのはビューティースパイダーたち、その数百二十余り。それらが一斉に、マリアへと襲い掛かる。
「ふ、少ない少ない!――さあ、あんたは見たことある? 目の前を埋め尽くす、武器の大群を!!!」
マリアが叫ぶとともに、彼女の周囲に武器が現れた。
――それは、空を穿ち魔を滅する拳。
――それは、柄頭を連結することで一振りのダブルセイバーとなる双剣。
――それは、神話文字が刻まれた剣。
――それは、魔力の壁をも斬り裂く刃。
――それは、マリアの身長を優に超える大槌。
――それは、銃剣つきの改造されたフルオート重火器。
――それは、血塗られた惨殺剣。
――それは、剣の形の偽神兵器。
――それは、斧と大砲を一体化させた全く新しい武器。
――それは、遠近両用に対応したクロスロングボウ。
――それは、断罪の槍。
総数、ちょうど六百!
それらすべてがマリアの意念の力でバラバラに動く。悪魔たちを巻き込んで、ビューティースパイダーたちへ四百と二十が。残りがデストロイキングを囲んで攻撃する。
無数の武器による範囲攻撃。こと広範囲への攻撃の技術は、マリアは抜きんでている。もはやユーベルコードを用いても追いつくことのできない超技術、それがマリアの範囲攻撃術だ。瞬く間にビューティスパイダーたちは殲滅され、頑丈な悪魔たちも沈黙していく。
そしてデストロイキングを襲う武器たちは、巧みなマリアのコントロールによってオブリビオンが懐の「悪魔契約書」を破ろうと狙っていた――それを抑えながら戦うデストロイキングと、多数の武器を操って攻撃に専念するマリアと、どちらに軍配が上がるかは目に見えて明らかだ。ばさり、悪魔契約書がデストロイキングの懐からこぼれて宙に散らばった。
「一斉射撃、撃てーぃっ!!」
マリアの号令に合わせて、重火器とロングボウとがばらばらと散らばる悪魔契約書を撃ち抜き、破り、散り散りにする。そこかしこで目が覚めたかのように悪魔たちの動きが止まる。悪魔たちの洗脳が解けたのを、マリアは確信した。ビューティスパイダーたちももはや一体も残っていない。ならばそちらに割いていた七割の戦力を引き戻し、全てデストロイキングへとぶちかますまで!
「ヌ、ヌウウ……!」
六百の武器の猛攻を受けたデストロイキングが苦悶の声を上げる。マリアは叫んだ。
「――軍勢を作ればいいと思った? 悪いわね、それを超える軍勢を、私は用意できる! 私はワイルドハントが「殲滅担当」――嵐が来たと思って、あきらめることね!!」
「ヌ、ウウウオオオオアアア……ガアアアアアアアア!!!」
デストロイキングの巨体が、六百の武器の軍勢に微塵に切り刻まれ、穿たれ、貫かれ、薙がれ、撃たれ、塵と化す。
――殲滅担当に防具は要らない。持つべきはただ純粋な力と、それを正しく使う心のみ。
大成功
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