●弱肉強食
とある迷宮内に轟音が響く、大地が震える。
石柱を手にした巨躯のオブリビオンが、何かを追い掛けているのだ。その前を逃げる様に進むのは大小様々なフラスコ……に入った生命体。余程慌てているのか壁に、地面にぶつかる度に軽快な音が聞こえてくる。
逃げて、逃げて、逃げて……もう何処まで来たのだろう、何処まで進んだのだろう。
このオブリビオン達が全ての階層を突破するまで、然程時間は掛からない。
「グオォォォーーッ!」
……そんな事よりも目の前の獲物。
一つ目の巨人が咆哮を上げて、石柱を地面に叩きつけた。その衝撃波をスライムは逃れたものの、避ける術を知らない其れは無残な姿と成り果てる。
そう、迷宮内に自生していた赤く色付いた苺の数多くが潰されてしまったのだ。
●今回の御褒美は?
「またまた!美味しそうな予知をしたわ!」
思わず本音の方が出てしまったのか、ミラ・パーチェ(夢追い人・f09057)は慌てて口元を手で押さえる。しかし、腹の虫が鳴く音でその意味も無くなった。
コホン、と気持ちを切り替える為の咳払いを一つ。
「今回、皆に向かってほしいのはアルダワ魔法学園。その中のとある迷宮なの。迷宮内も焼肉定食……じゃなくて、弱肉強食が大変みたいなんだけれど」
今回は偶々、運が悪く。追われているオブリビオンが迷宮の出口、学園施設が在る方へと向かっているらしい。非戦闘員も数多くいる場所にオブリビオンが現れては混乱は必至。そこで、今回猟兵達の手を借りたいとの事だ。
「敵の進行ルート上に広い場所はあるし、敢えて狭い場所で迎え撃つのも有りだと思う。やり方はお任せするわね」
ミラはふと一呼吸を置いて、次は敵の説明に入ろうと。
「まず追われている方からで……名前はフラスコスライム。名前の通り、フラスコの中に入っているスライムよ。戦闘力はそこまで無いけれど、放っておくと強力なオブリビオンになってしまうから、きっちり倒して」
見た目は可愛いの、とっても可愛いのに……!
名残惜しそうに倒して、と告げつつも何だか少し声が悲しそうだった。
「追っているのが一つ目の巨人、サイクロプス。感情的になると周囲が見えなくなるみたいだから、其れを利用してボッコボコに殴るのも良いと思うわ!」
メイスをブンブン振るいながら、良い笑顔でサムズアップする聖女様。
自分は転移維持の為に戦闘に参加は出来ない、とは言っているのでグリモア猟兵としての仕事は忘れていないだろう。
「戦闘が終わったら、なんと!迷宮イチゴ狩り大会よ、ぱっぱかぱーん!」
今日一番のテンションの上がり様をそのままに、説明を続ける。
迷宮内に自生する苺を使ったスイーツが今、学園で人気となっているらしい。今回の依頼によって守られた場合、そのまま猟兵達も苺狩りに参加出来る。勿論、案内役の護衛も兼ねてにはなるが。
「その場で食べても良し、持ち帰りもOK!学園に持ち帰って、スイーツ作りもいいわよね……苺まつり……!」
……空腹故に苺に思いを馳せながら、転移準備をするミラは置いておこう。
だが、確かに魅力的だと猟兵達は思うだろう。誰かにプレゼントするのもいいかもしれない。友達を誘うのもきっと楽しい筈。
その為にも、まずは迫る脅威を倒さねばと猟兵達は強く思うのだった。
ろここ。
●御挨拶
皆様、お世話になっております。
もしくは初めまして、新人マスターの『ろここ。』です。
ストロベリー イズ ジャスティス。苺はとても、美味しい。
四本目のシナリオは戦闘シナリオとなります。今回も細やかな日常有り。
迷宮内で逃げたり、暴れたりするオブリビオン達を倒した後にはのんびりと。
皆様で苺狩りを楽しむのは如何でしょうか。
勿論、各章どれかのみの参加も大歓迎です!お気軽に御参加下さい。
尚、第三章(日常パート)のみ、お呼びがあればミラ・パーチェも同行が可能です。
同行を希望する際はお手数をお掛けしますが、プレイングの先頭に【同行希望】と記載をお願い出来ればと思います。
また、グループでの参加の際はグループ名を、お相手がいる際にはお名前とIDを先頭に記載をお願い致します。
それでは、皆様の素敵なプレイングをミラと共にお待ちしております。
第1章 集団戦
『フラスコスライム』
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POW : スライムブレス
【ねばつく液体のブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : スライムバイト
自身の身体部位ひとつを【奇妙な獣】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : フラスコアブソープション
小さな【自分のフラスコ】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【フラスコ空間】で、いつでも外に出られる。
👑11
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セルヴィ・アウレアム
「フラスコスライム…いっつも思うんやけど、うまいこと飼いならせたらええペットとして高う売れよると思うんやけどなぁ…」
「UDCあたりでオブリビオンをペット化する研究とかやっとらんものやろか…。」
「……せや!むしろ、ウチから売りこみゃええんか!」
●行動/【WIZ:ミレナリオ・リフレクション】で相手の初撃、UCの無力化を試みる。
その後予め用意した木箱にフラスコスライムをすばやくぶち込み、ダクトテープでぐるぐる巻きにして脱出できぬよう閉じ込めます。
●オブリビオン、ペット化計画?
カラン、カランと迷宮内に響き渡る。
逃げ惑っているフラスコスライム達が、壁にぶつかる際に発生した音だ。後ろにいる仲間達は無事だろうか、思うだけで実際に引き返す訳にもいかないのだけれど。それでも無事である事を願いながら進むと、正面の人影に慌てて急停止。
「なんや、めっちゃ騒がしいと思ったら……」
セルヴィ・アウレアム(『迷宮喰らい』セルヴィ・f14344)はフラスコスライム達を見て、予め用意しておいた木箱を取り出す。彼女の様子に敵と認識したのか、フラスコスライム達の内部の表情が警戒心に満ち始めた。
木箱は己のユーベルコードの為、だけではない。セルヴィにはある狙いがあった。
「(UDCあたりでオブリビオンをペット化する研究とか、やっとるかもしれんし……)」
フラスコスライムを上手く飼い慣らす事が出来れば、ペットとして人気が出るのではないか。人気が出れば高く売れる、がっつり儲ける手段の一つに出来る。
迷宮の中を拠点としているセルヴィにとって、フラスコスライム達が集まりそうな場所を探すのは造作もない事。もし研究を行っていないとしても、その時は自分から売り込みに行けばいい。
じりじりとにじり寄りながら、ニヤリと笑む彼女の姿に恐怖心を抱き……破れかぶれとフラスコスライム達が一斉に、フラスコアブソープションを仕掛ける。閉じ込めてしまえば、後はまた逃げ続けるだけだ。
「そうは問屋が、なんとやら……やっ!」
木箱の蓋を開けて、逆にフラスコスライム達を閉じ込めようと考えたのだ。いや、己の野望の為に元々そうしようと考えていたのか……真実はセルヴィのみぞ知る。
そんな彼女の行動は速かった。目の前にいるフラスコスライム達を全て、木箱に投入。そのまま蓋をして、粘着力と強度が強いダクトテープでぐるぐる巻きにしようと……だが、敵も黙っていてはくれない。
「わっ、なんや
……!?」
ダクトテープを巻き終える前に、フラスコスライムが木箱を破壊したのだ。予想外の事態に目を丸くするが、其れを好機と見たか。来た道を逆戻りする形でセルヴィから逃げていく。彼女ももう一度捕まえようと追い掛ける。
……結果的に、彼女は学園施設から敵を遠ざける事に成功した、と言えるだろう。
成功
🔵🔵🔴
カチュア・バグースノウ
いちご?いちごって、言った?
苺🍓でしょ?
OK、わかった。行きましょう(キリッ
苺を食べる前に少し準備運動しましょうか!
カロリーは運動した分でゼロね!(サムズアップ)
アックスソードブレイクでパリンパリンフラスコ割ってくわよ!
手加減なし!思い切り!
一番弱っているやつを目標にして、一匹ずつ撃破してくわよ
弱ってるやつがいなければ、手近なやつを狙って!
ようは一匹ずつ逃さずぷちぷちしていけばいいのね!
もちろん、油断はしないわ
攻撃は武器でガードする
アドリブ、共闘歓迎
ユナ・ニフェトス
いちご、魅力的です…!
っと、今はそう言っている場合ではないですね
きちんとお仕事しましょう
▼戦闘
広いところで待ち構えたいところですが
先に戦闘を開始した方たちに合わせます
追われているのであれば早々に倒した方がいいでしょう
出し惜しみなし、【全力魔法】を
エレメンタルロッドで炎の【属性魔法】
フラスコの形をしていますし、炎とは良くも悪くも相性に引っかかるかもしれません
狙う場所はフラスコの口の部分
相手の攻撃は【見切り】で回避
回避ができない場合は【オーラ防御】
*
共闘、アドリブ歓迎
●スライム叩きのお時間です
「せーのっ!」
パリンッ!と軽快な音を立ててフラスコが割れた。
嗚呼、これで何度目だろうか……周囲には一個だけではなく、複数のフラスコが割れた残骸が散らばっていて。フラスコスライム達がカタカタと震えるのも構わず、片手で持った黒い斧を己の肩に担ぐ様にして持ちながら、カチュア・バグースノウ(蒼天のドラグナー・f00628)は次の相手を見定める。
「これじゃあ、準備運動にはまだ足りないわね!」
「恐らく、まだ来るかと。……広い所で待ち構えて正解でしたね」
震えている個体を見据えて、エレメンタルロッドを構えるのは修道服に身を包んだ少女――ユナ・ニフェトス(ルーメン・f13630)だ。己のユーベルコードを使わないハンデを、属性魔法を全力で叩き込む事でカバーしている。フラスコの口の部分を狙って放つ火球が命中、涙目を浮かべたまま地面を転がり……消えていく。
倒した後も少し待つと、逃げ回った末に彼女達の所へ別のフラスコスライム達がやって来る。其れらは周辺のガラス片を見て、自分達も同じ目に遭わない様にと……射程内まで近付いた上でねばつく液体のブレスを吹き付けようとした。
「ユナさん、距離を取って!」
「わかりました……!」
片手間、とは言えども経験豊富なカチュアの声に合わせて、ユナもブレスから遠ざかる様に動く。以前、別のフラスコスライムと対峙した事があるからか、カチュアはこの攻撃を知っていたのだろう。液体は虚しくも、地面に撒き散らされるだけだ。他のスライム達も同様にブレスを浴びせようとするが、広い空間を活かして二人は距離を取り、対処する。
「楽しい苺狩りの為にも逃がさないわよ……!」
ブレスの合間を縫って、接近したカチュアが黒い斧を振り上げる。そのまま勢い良く振り下ろせば、またその場にガラス片が飛散した。
甘酸っぱくて美味しい、魅力的な苺の為……!きちんと仕事は完遂せねばならない。其れが二人の共通認識である。
「炎は相性が悪い、という事では無さそうですね」
安心しました、と丁寧に呟きながらユナは再び炎を繰り出す。儚げな容姿とは裏腹に炎の勢いは凄まじく。そして、正確にフラスコスライム達を撃ち抜いては焼き尽くす。それでも討ち漏らした個体については、カチュアが即座に対応。地面を削る勢いで黒い斧を振り下ろし、思い切り割っていく。一体も残さず、ぷちぷち……否、バリンバリンと割り続ける。苺を食べる前の準備運動にしては、とても豪快だ。
「……流石に、これ以上は来ないでしょうか」
他にもフラスコスライム達はいる可能性はあるが、大分数を減らした事だろう。その上、此処を通った仲間と一切の合流が無ければ……此の場所に繋がる通路を避ける場合もある。ユナは周囲の様子を確認しながら、他の猟兵達と合流すべきか考えていた。
「カチュアさん、場所を移動しますか?此方に来る数も減ってきましたから……別の場所にいるかもしれません」
最後の一体のフラスコスライムも、カチュアはこれまで通り全力で叩き割ってからユナの言葉に耳を傾ける。まだ残っているならば、見つけ次第また全力でぷちぷちすればいいかな。ざっくりとした思考を過ぎらせて、彼女はユナの案に同意した。
……逃げ惑うスライム達が他にもいるのだろうか、彼女達の準備運動はまだ続くかもしれない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
レイナ・オトゥール
そのままでも練乳をかけても良いですし
持ち帰ってジャムやお菓子なんかにしてもよさそうですね
フラスコスライムさんは可愛い感じのようですけれど
イチゴ狩り大会の為にもここはきっちり心を鬼にしてきっちり退治させてもらいます!
数がいる上、ちょこちょこ逃げるのを追うのは苦手ですし
私は出来れば狭い所で少しでも相手の動きを制限させながら戦えたらなと思います。
ただ、狭いとこちらも避けにくいと思うので
トリニイティ・エンハンスで自身の防御力を中心に上げつつ頑張ります
狭さもあるので攻撃に関してはドラゴンランスで刺突を中心に攻撃
スライムってことはねばねばしてそうですから
ちょっとでも距離取って戦いたいですし
アドリブ歓迎
●少しずつ、確実に
「見つけましたよ、フラスコスライムさん!」
狭い場所を選びながら、探し続けた甲斐はあった。レイナ・オトゥール(竜と共に・f11986)は曲がり角に隠れる様に集まっていた三体のフラスコスライム達を見て、声を上げる。
見つかってしまった!?彼女の声にフラスコスライム達は皆、悲しげな表情を浮かべてカタカタと震えていて。その姿にうっ、とレイナは零す。
確かに可愛く見える……だが、しかし。
「イチゴ狩り大会の為にも……!」
アルダワ魔法学園の危機を救う為、何より苺狩り大会が楽しみだから。
甘酸っぱい苺はそのまま食べても良し、練乳を掛けても良し、ジャムやお菓子にするも良し……嗚呼、楽しみは尽きない。その為にも、心を鬼にして倒さなければ。
レイナはトリニティ・エンハンスの詠唱を開始、特に防御力を高めようと狙う。水竜の力が込められた防具もある、仮に長期戦になったとしても耐えられる様にと。
フラスコスライムも意を決した様子で彼女に向かい接近、ねばつく液体のブレスを勢い良く放つ。
「……っ!」
レイナは詠唱を終えた直後、即座にその場から一歩後退する。
吹き出されたブレスは広がり、左右の壁に当たりながらも飛散して……その一部を彼女は受ける。ねばつく感触に眉を顰めながらも、水竜の斧槍を構えた。
「これ以上のねばねばは、遠慮します!」
今度は此方の番だ、次のブレスが来る前に水竜の斧槍の射程ギリギリまで進む。
フラスコスライムも逃げようとするが、その前にコツンと音が聞こえて。なんと、後ろにまた別のフラスコスライムが居るではないか。狭い通路では横に広がる事は出来ない、その事実に気付いた時にはレイナの得物が一体目を貫き、倒していた。
そして、ブレスを警戒しているからか、彼女はまた距離を取る。
「(これなら、いけそうですね……)」
ねばねばする液体を距離を取って回避しつつ、水竜の斧槍で仕留める。時間は多少掛かるかもしれないが、堅実な攻略方法だろう。
武器の状態とは言え、ねばねばを刺突する以上は水竜に申し訳なさも感じるが……後でちゃんと手入れしてあげよう。そう決めて、レイナは残りの二体も仕留めに向かう。結果は言うまでも無く、彼女の勝利に終わった。
成功
🔵🔵🔴
ノイシュ・ユコスティア
「モンスターたちも大変なんだなぁ。」
力バカの巨人よりは僕に倒されるほうが幸せだろうね?(いい笑顔)
狭いところを通ってくるスライム(敵と略)を広い部屋で待ち伏せする。音で距離を把握。
10秒集中を済ませておき、敵が現れたら千里眼射ち。
その後、敵から少し距離を取り、素早く背後に回り込み矢を射つ。(暗殺風に)
敵に近づかれたら走って距離を保つ。
「まとめて相手をするよ。」
2回攻撃を利用。
逃げる敵がいたら、優先して攻撃。
敵の【POW】攻撃に対し
「ああ…服、脱ぎたい」と不快になる。(脱がない)
【SPD】に対し
「何か嫌な予感…」変形した頭部を狙う。
戦闘ではロングボウを使用する。
「次は強敵かな?」
●静かに獲物を待つ
「この辺りなら、丁度良いかな」
直前の曲がり角から、適度に距離がある通路を出た先。其の部屋の広さを確かめて、ノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)は此処で待ち伏せをしようと決める。念の為、ロングボウの弦の調子を確かめながらぽつりと。
「……モンスターたちも大変なんだなぁ」
自然界でも弱肉強食は普通の出来事だが、オブリビオン達にも其れが適用されるとは。まあ、力ばかり有り余っているバカに倒されるより、自分に倒される方が幸せだろうが。笑みを浮かべながら、そんな取り留めのない事を考えていると……ふと、音が聞こえてきた。
「(ガラスがぶつかる音……複数、かな)」
ノイシュは通路からは死角になる場所へ移動して、弦に矢を掛ける。そのまま強く引いた状態を維持して、集中を開始。通路から部屋までの距離は己の足で約十秒、フラスコスライムの動きならば其れ以上は掛かるだろう。不意打ちをされる事は無い。音が近付く、集中は完了した。
……更に十秒程度経った頃、通路からぴょこっとフラスコスライムが飛び出す。その数は四体。其れらが左右を確認する最中、急に飛来した『何か』が一体に突き刺さる。残りのフラススライム達が声無き動揺を見せている隙に、千里眼射ちを終えたノイシュが背面となる通路側へと動き、また矢を番える。
「まだ、だよ」
――背面からの一矢が二体目を討った。
ここまで攻撃を受けていれば、流石に気付くか。残る二体のフラスコスライムがノイシュに敵意を向けるが、彼は平静を崩さない。再び矢を番えながら、残る敵を見据えて笑みを浮かべた。
「まとめて相手をするよ」
逃がすつもりは無い、と部屋からの唯一の出口は塞いだ。フラススライム達も逃げる為には、目の前の男を倒さねばならないと理解しているらしい。同時にフラスコの口部分を奇妙な獣の頭部の様に変形させつつ、ノイシュへと接近する。
……何か、嫌な予感がする。既に番えた矢を射って、一体の変形した頭部を破壊。それだけでは倒すに至らない、素早い動きでもう一度同じ敵に対して矢を放つ。スライムが詰まった部分を破壊、三体目を倒したが……。
「……っ、やるね」
四体目が変形した頭部で、ノイシュの腕に噛みついてきたのだ。
生命力を奪う一撃は致命傷ではないが、大人しく吸われ続けるつもりもない。振り払う様にして部屋の奥へ飛ばし、そのまま弓矢を構え直す。元は猟師だった経験もあるからか、動くフラススライムだろうが確実に射抜く。
漸く全てを倒し終えると、彼は周囲の音に耳を澄ませながら一息を吐いた。
成功
🔵🔵🔴
木槻・莉奈
ニナ(f04392)と参加
美味しい苺のため、そして女子会のために手抜いてなんていられないものね
全力でいかせてもらうわ
と言うか、食べ物粗末にするなんて許さないんだから!
WIZ選択
『高速詠唱』『先制攻撃』『2回攻撃』『全力魔法』組み合わせの上で【神様からの贈り物】発動
対象は19m半径内に入り込んだ敵全て
花びらには風の『属性攻撃』をのせて
可愛いけどべたべたするのは困るもの
この後苺食べるのに衛生上よくなさそうだし、大人しくしててね
それに可愛さならうちの動物達やカガリの方がカッコよくて可愛いわ
ね、ニナ
近くの敵はニナとカガリに任せ、比較的距離が遠い敵を優先に
カガリごめんね、私も拭くの手伝うから
ニナ・グラジオラス
リナ(f04394)と参加
この後、リナとミラと苺狩りで女子会をする予定なんだ
すまんが、敵は殲滅させてもらうぞ
POW選択
『戦闘知識』と『地形の利用』で相手が狭くて低く、
こちらは広く高くなる場所を戦場に選ぶ
これなら囲まれるのは避けられるだろうし、ブレスも多少は届きにくくなるはずだ
ねばつくのは勘弁願いたいしな
『見切り』で避ける
(リナには優しく微笑んで)そうだな。
あと、リナやミラも可愛いから可愛いのは十分足りてる
『高速詠唱』で『先制攻撃』を狙い、『範囲攻撃』と『2回攻撃』で敵を薙ぎ掃う
数が減ってきたら【ドラゴニック・エンド】で一体ずつ確実に
…カガリ、そんな顔するな。ねばついたのはちゃんと拭いてやるから
●花が舞い、竜が吼える
広く、他の部屋よりも高低差がある此の場所でも戦いは行われていた。
ふわり、茉莉花の花弁が風に揺れる。一見華やかな光景ではあるが、フラスコスライム達にとっては恐怖でしかないだろう。揺蕩う花弁は木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)の武器、風は彼女の属性攻撃によるもの。
「全力でいかせてもらうわ」
神様からの贈り物がパリン、とフラスコスライム達のガラスを砕き倒していく。迫る者、逃げようとする者、彼女の周囲に存在する敵を神様は許さない。
この後の美味しい苺の為、楽しい女子会の為に手を抜いていられない。そんな思いを抱くのは、木槻一人だけではなかった。
「リナばかりに頼る訳にはいかないからな」
美しき女性竜騎士、ニナ・グラジオラス(花篝・f04392)だ。
燃え盛る炎を連想させる竜騎士の槍を振るい、木槻の攻撃から逃れた個体を的確に薙ぎ倒す。木槻のユーベルコードが最大限威力を発揮出来る様に、そして敵の攻撃を出来る限り受けない様にと、此の場所を選択出来たのは彼女の戦闘知識があってこそだろう。
フラスコスライム達も対抗しようと動く個体はいるが、遠距離にいる個体は木槻が対処。近距離に迫る個体はニナが倒す。二人の息の合ったコンビネーションに、フラスコスライム達は為す術も無く倒されていく。
「可愛いけど、べたべたするのは困るもの」
確かに、可愛いとは思うが……苺を食べる時にねばねばが付着したままでは、衛生上良くはなさそうだから。木槻は攻撃の手を止めず、続ける。
「それに可愛さなら、うちの動物達やカガリの方がカッコよくて可愛いわ!」
さり気なく、そして恐らく無自覚に自分の子、親友の子自慢をする余裕はあるらしい。特に大好きな親友の子だからか、カガリの名前を呼ぶ際に若干声が大きかった気がする。
ね、ニナ。そう呼び掛ける木槻の声に、ニナが優しげな微笑みを返す。
「そうだな。あと、リナやミラも可愛いから可愛いのは十分足りてる」
この事件を予知したグリモア猟兵の友人の名を挙げて、充分可愛い要素は集まっていると告げる。普段クールな印象を持たれやすいニナではあるが、木槻の前だと雰囲気が柔らかくなるのだろう。尚、彼女も己の得物を振るう手を止めていない。
「ニナだって、今でも可愛いし美人じゃない」
「いや、私よりもリナの方が可愛い。何倍も可愛い」
……綺麗な花には棘がある、と言うべきか。
二人の会話は微笑ましくなる程に可愛らしいものだが、フラスコスライム達への攻撃は苛烈で勢いが衰えないでいる。そろそろ数も減り、残りは近くに一体、遠くに二体。
「あっちは任せて、ニナは手前のを!」
「ああ――いくぞ、カガリ!」
近くの一体は既に槍による傷を与えている。其れを踏まえ、確実に仕留めようとニナが名を告げる。焔竜・カガリが槍から、小型の竜へと姿を変えたのだ。そのまま傷に引き寄せられる様に、カガリが一直線に襲撃。フラスコを貫通する形で、破壊した。
遠くの二体も倒した事を確認して、木槻は神様からの贈り物を収束させつつ……お疲れ様、とニナへ笑みを向けた。勿論、ニナも微笑みながら同様に返事をする。
此の場も無事に終了、と言いたい所だが……。
「……カガリ、そんな顔するな。ねばついたのはちゃんと拭いてやるから」
「カガリ、ごめんね……!私も拭くの手伝うから」
フラスコを貫通したという事は、内部のスライムも浴びたという事で。
ねばねばがべっとりと付着した状態で、自分達をジト目で見つめるカガリに気付き、二人はその場でカガリをハンカチなどで拭いてあげたとか。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
マリアドール・シュシュ
偶然会った【ヴォルフ・ヴュンシェン】と行動
アドリブ◎
「イチゴ狩りってマリアやった事がないのよ(爛々)
苺祭りの為にも、まずはスライムを倒さなくっちゃあね。
ねぇ、ヴォルフ。ここで出会ったのも何かの縁。どうか力を貸して頂戴」
ドレス翻し竪琴構える
後衛
ヴォルフと連係+攻撃のカバー
【マヒ攻撃】を付与し演奏攻撃
【高速詠唱】で【華水晶の宴】で21体の一角獣を召喚
15体を四方八方から攻撃
一角獣で敵を囲み挟み撃ち
敵の攻撃は護衛用に3体合体した一角獣で【カウンター】
残りの3体も合体させヴォルフの護衛に
「鬼…いえ、スライムごっこはマリア達の優勢かしら!
マリアは何でも美味しく食べれるのよ!その食べ方も興味があるのだわ」
ヴォルフ・ヴュンシェン
同行
マリアドール・シュシュ(f03102)
呼称:マリア
「苺の前に一仕事だな」
【加護のリヒト】で防御力を上昇
範囲攻撃できない分囲まれないよう十分注意
敵の攻撃、特に注意したいのはブレスだが、【視力】【聞き耳】で直撃を受けないように注意したい
「可愛いのは見た目だけだし、今の内だけだ。それで終わってもらわないと困る」
Blauによる【怪力】【串刺し】で確実に仕留める
この辺りはマリアのユニコーンともしっかり連係できるよう彼女とも声を掛け合っていけたら
「そういえば、マリアはイチゴはどんな食べ方が好きなんだ?」
色々食べ方はあるだろうが…
俺?
「オレンジジュースにつけるのが好きだな」
試せたら後で試してと笑う
●迷宮でばったりと
「あら?」
「おや……マリア、奇遇だな」
互いに、迷宮内で逃げ回るフラスコスライム達を探している途中だったらしい。
二つの通路が繋がる中規模の広さで、マリアドール・シュシュ(無邪気な華水晶・f03102)とヴォルフ・ヴュンシェン(願う者・f13504)は偶然にも合流。反応からして、二人は顔見知りの様だ。
「ええ、本当に。ヴォルフも来ているなんて、驚いたわ」
「其れは俺の台詞だよ。……会話を楽しむ暇は無さそうだが」
ヴォルフの言葉に、マリアドールは自分が通って来た道を振り返る。
時間差で逃げてきたのか、其処にはフラスコスライム達がわらわらと……数にして十体程、だろうか。進行方向上にいる二人の事を敵と認識したのか、既に睨み付けるような表情に変化していて。
己の得物――Blauを構える彼に、マリアドールが声を掛ける。
「ねぇ、ヴォルフ。ここで出会ったのも何かの縁。どうか力を貸して頂戴」
「苺の前に一仕事、だな……わかった」
首を縦に振り、マリアドールの提案を承諾した上で加護のリヒトを使用。滅ぼす力、護る力、支える力……その内、今回特に強化したのは護る力だ。倒れぬ様に、後衛に位置するマリアを傷付けさせない様に。
マリアドールも黄金律の竪琴を構えて、ふわりとドレスを翻しては言葉を紡ぐ。
「可愛い可愛い一角獣さん、いらっしゃい」
響く音色に導かれる様に、宝石の体躯を持つ一角獣が現れる。その数は二十一体。左前足には『1』という数字が刻印されていて。それだけでは終わらない。
「さぁ、マリアに見せて頂戴?合わさりし時に目覚める真の力を」
続く言葉を聞いて、一角獣達の一部が合体――刻印された数字が『3』に変化。『3』の一角獣が二頭、『1』は十五頭。数はフラスコスライム達を上回っている。
「相手は一角獣だけではないぞ」
ヴォルフが震えているフラスコスライム達の背後に回り、Blauを用いて一体を串刺しにする。
フラスコスライム達が慌てた様子で、彼に向けてねばつく液体のブレスを放つも……『3』と刻印された一角獣が其れを防ぐ。もう一体はマリアドールの護衛に回っている。では、それ以外の『1』と刻印された一角獣達は……。
「みんな、お願いするわね」
ドドドッ、と地響きが聞こえる。フラスコスライム達が近付いてくる音の方を見ると……八体が一斉に此方へと向かって来ているではないか。反対方向からも七体が駆けて来る、完全に挟み撃ちの状態。急いで散り散りに逃げようとするも遅く、二体を残して後は虚しく踏み付けられてしまった。……数の暴力、恐るべし。
「マリア、右の敵を頼む」
「ええ、任せて」
後は一体ずつ、確実に仕留めれば終わりだ。
ヴォルフがBlauで再度串刺しにするのと、マリアドールの音色で痺れたフラスコスライムを一角獣の一体が踏み潰すのは、奇しくも同じタイミングだった。
……戦闘が終了し、漸く此の部屋に静寂が訪れる。
「鬼……いえ、スライムごっこはマリア達の圧勝だったかしら!」
苺狩りの為に頑張った甲斐があった、とマリアドールが微笑んで。
やった事が無いから楽しみなの、と彼女が続けた直後にヴォルフが問い掛ける。
「そういえば、マリアはイチゴはどんな食べ方が好きなんだ?」
「マリアは何でも美味しく食べれるのよ!ヴォルフは?」
「俺、か?」
まさか、問い返されるとは思わなかった様だ。
興味津々といったマリアドールの様子に真剣な様子で考えて……だが、直ぐに答えは思い浮かんだらしい。
「オレンジジュースにつけるのが好きだな」
「その食べ方も興味があるのだわ!」
初めて聞いた食べ方だったのか、目の輝きが一層強くなる。ヴォルフが後で試してと言うよりも早く、試してみたいとマリアドールが嬉しそうに笑っていて。
そんな彼女につられたからか、興味を持ってくれた事が嬉しかったのか。ヴォルフも笑い、二人は再び迷宮を歩き始めた。
大成功
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第2章 ボス戦
『サイクロプス』
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POW : 叩きつける
単純で重い【剛腕から繰り出される拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 暴れまわる
【目に付くものに拳を振り下ろしながら咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 憤怒の咆哮
【嚇怒の表情で口】から【心が委縮する咆哮】を放ち、【衝撃と恐怖】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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●巨躯の怪物
……猟兵達は脅威の芽を殆ど、潰し切った事だろう。
だが、迷宮内の轟音は止まない。足音が、何かを引き摺る音が響くばかりだ。
「――ッ!!!」
フラスコスライム達を追う者は、遂に姿を現した。
剛腕で石柱を振り回し、視界に入る獲物を全て潰そうとする巨人――サイクロプス。此処で討たずとも、放っておけば此の怪物は別の獲物を追い回し、いずれは迷宮内どころか学園施設をも破壊し尽くすだろう。故に、此処で確実に討たねばならない。
「――、――ッ!!!」
尤も、サイクロプスの視界に入った猟兵達には戦う以外の選択肢はないだろうが。
生きて迷宮を出る為にも、安全に苺狩りを楽しむ為にも。
……猟兵達よ。巨躯の怪物と戦い、そして勝利せよ。
ノイシュ・ユコスティア
「これは強敵だな…。」(冷や汗)
敵(サイクロプス)が出現したら、素早く背後に回り込み、死角と思われる位置から弓で攻撃。
気づかれたら、なるべく距離を取りつつ射撃。
敵の弱点を探る。「目かな?」
狙えるようなら攻撃してみよう。
【POW】【SPD】攻撃に対し、ジャンプなどで素早く避けつつ弓で反撃。
「直撃を受けたら死ぬところだね。」
【WIZ】に対し耳をふさいで耐える。
敵が破壊した地形を利用。
瓦礫の裏に隠れて10秒集中し、千里眼射ち。
一撃を受けてかなりきつくても精神を取り乱すことなく、今は戦いに集中。
でも本当は怖い…。
「イチゴのため…もあるけど
学園のみんなのため。
そして、僕自身のレベルアップのために…!」
●恐怖に打ち克て
「(僕が一番乗り、みたいだね……)」
……運が良いのか、悪いのか。
ノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)が通路に沿って進んだ先には、石柱を引き摺って歩く巨人――サイクロプスの姿があった。広い部屋の中心で獲物を探して視線を彷徨わせてる様子から、自分にはまだ気付いていない。曲がり角の陰に隠れながら、彼はそう判断する。
敵は射程圏内にいる、今なら奇襲を仕掛ける事も可能だろう。愛用のロングボウを手に、矢を番えようとして……気付いてしまった。ほんの僅かに震えている自分に。
強敵である事は見て取れる、恐怖心が無い訳ではない。それでも……苺の為、アルダワ魔法学園で暮らす人々の為。
「(僕自身のレベルアップのために
……!)」
震えを己の意志で抑えて、ノイシュは陰に隠れながらも弓を引き絞る。サイクロプスが背を向けた瞬間、確実に当てる為に片脚を狙って矢を放った。
初撃は敵に問題無く命中、二の矢を番えながら彼は飛び出す。通路側まで敵が来てしまっては、距離を取るのが難しいからだ。
「……?」
通路から小さな獲物が、たった一人で飛び出してきた。
サイクロプスはノイシュを認識したが、知性は無くとも己の方が強いと考えたのか。先程の一撃が彼の弓によるものだとしても、然程脅威ではないと感じたのか。確かな理由は解らないが、サイクロプスは彼を見るだけだった。
……油断している故に、其の矢が何を狙っているのか理解するのも遅かった。ノイシュが放つ矢は空を裂き、敵の弱点と思われる場所に一直線に進んでいく。
「――ッ!?」
「(弱点か、そうでなくても……視力を奪えれば)」
サイクロプスが片手で目を押さえながら、叫ぶ様な咆哮を上げる。其れは敵の技ではなく、苦痛と動揺による悲鳴だ。
突然、真っ暗になった事で獲物どころか、何も見えない。闇雲に手にした石柱を振り回し、放り投げ、地団駄を踏む様に足で潰そうとしているが、敵と距離を取っているノイシュが躱すべきは石柱による攻撃のみ。
寧ろ、放り投げられた事で隠れる為の場所が出来た。彼は直ぐに石柱の陰へと移動して、弓に矢を番えてから集中。……その時間、十秒。石柱の上に彼は立つ。
「油断したのが運の尽き、だよ」
ヒュッ、と軽快な音と共にノイシュが矢を射る。
そして暴れ回るサイクロプスの目を、彼は再び的確に射抜いたのだ。敵はまだ倒れていないとは言え、大きな成果を挙げたと言えるだろう。
大成功
🔵🔵🔵
カチュア・バグースノウ
苺にはまだ遠いのね…!
負けられないわ!
前衛で攻撃役として戦うわ
ユーベルコードはアックスソードブレイク!
単純だけど重い一撃なんだから!
必ず当てるために、乱発はせずにサイクロプスの動きをよくみて攻撃するわよー
腕で空振り、足で蹴り上げのときなんかはチャンスじゃないかしら!
すかさずアックスソードブレイクをあてていくわね!
後衛や中衛に攻撃が当たりそうなときは、斧剣で武器受けしてくわよ
やらせない!
動きがおお振りだから、避けたり避けさせたりは結構いけるんじゃないかしら!
ま、もちろん油断せずにあたるけどね!
アドリブ、共闘歓迎
ユナ・ニフェトス
あの巨体であんなものを振り回されたら
確かに一溜まりもありませんね
ここで眠ってもらいましょう
▼戦闘
これだけの巨体です
スピード勝負ではこちらに分があるはず
とはいえ決めつけるのは良くないので
簒奪者の鎌を振るい【2回攻撃】をしつつ【情報収集】を
鈍足ならば足で撹乱し攻撃を当てます
攻撃は【見切り】で回避し
回避が難しい攻撃は【野生の勘】【第六感】
恐怖、ええ
貴方の叫びは確かに恐ろしい
けれど私は今一人ではないので
こんな恐怖どうってことないの、残念でしたね
戦闘終盤、あと一歩というところまで来たら
『ジャッジメント・クルセイド』を使用
この光からは逃げられませんよ?
*
共闘、アドリブ可
●抉る一閃、迷宮を照らす光
「やっと見つけたわね、ユナさん!」
「ええ。……あの巨体であんなものを振り回されたら、一溜まりもありませんね」
次にサイクロプスが居る部屋へと到着したのは、フラスコスライム戦後も共に行動をしていたカチュア・バグースノウ(蒼天のドラグナー・f00628)とユナ・ニフェトス(ルーメン・f13630)だった。
暗転した視界に動揺と混乱が止まらず、闇雲に暴れ回る巨躯の怪物。持っていた物であろう壊れた石柱を見て、ユナはぽつりと呟く。此の場にまだ留まっている今、倒す事で眠らせるべきだろう。
「苺の為にも、負けられないわ!」
黒い斧を手にした、カチュアが飛び出す。サイクロプスの動きはどれも大振りで読み易い。左拳を振り上げ、地面を殴り付けた直後を狙って……己の得物を横薙ぎに振るう。アックスソードブレイクの一閃は周辺地形を破壊する代わりに、サイクロプスの腕に刃を深く食い込ませた。……呻き声にも似た、咆哮が上がる。
確実な手応えを感じ、彼女は即座に敵と距離を取って。入れ違いにサイクロプスへと向かったのは、ユナだった。両手で簒奪者の鎌を握り締め、地を駆けて行く。
見えない敵に対して、サイクロプスは嚇怒の表情を浮かべる。悲鳴でもなく、呻きでもなく、己の強さを示す咆哮。獲物に恐怖心を植え付けて、大人しくさせようとして……両足に感じた激痛に膝を突いた。ユナの鎌による、二回の斬撃によるものだ。
「恐怖、ええ……貴方の叫びは確かに恐ろしい」
フラスコスライム達ならば、もしも此の場に独りきりだったならば。
咆哮に恐怖心を煽られて、足が竦んで動けなかったかもしれない。でも、今は。
「私は今、一人ではないので。こんな恐怖どうってことないの」
残念でしたね。銀の双眸でサイクロプスを確りと見据えながら、告げる。
そう、今は一人じゃない。カチュアが、他の猟兵の皆がいるから。
「背中がガラ空きよ……!」
サイクロプスの背後には、近くの瓦礫を利用して高く跳躍したカチュアの姿。屈んでいる状態ならば、尚更当てる事は容易い。起き上がろうとする前に、落下の威力も加えた剛の一閃――アックスソードブレイクが今、直撃する!
「――ッ!?」
痛い、痛い、悲鳴の様な絶叫が迷宮内に響き渡る。
起き上がる勢いで跳ね飛ばされる前に、カチュアはその場から離脱する。抉る様な一撃は致命傷に至らずとも、かなりの痛手となった筈だ。動きも大分制限されている。
「ユナさん!」
「ええ、カチュアさん!」
神へ祈りを捧げる修道女が、静かにサイクロプスへと指先を向ける。
……すると、此の部屋を照らす光が強くなっていく。ユナの背後から光が溢れているのだ。天上の加護は今、彼女の元へ来たる。其れは彼女の指先に集束して……。
「この光からは逃げられませんよ?」
――真っ直ぐに、サイクロプスへと放たれた。
危険を感じて離れようにも、これまでの間に蓄積された傷が動きを鈍らせる。避ける事は不可能だった。天からの光はサイクロプスの胸を貫いていく。
「よっし、もう一息ね!」
カチュアがユナに向けて、グッとサムズアップ。ユナも其れに対して、嬉しそうな微笑みを浮かべた。
サイクロプスはかなり消耗している。カチュアの言う通り、もう一息と言った所だろう。それでも、倒すまでは決して油断せずに。
彼女達は武器を構え直し、改めてサイクロプスと対峙した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
セルヴィ・アウレアム
「こういう相手で一番気ぃつけなアカンことは、追い詰めたあと『暴れる』ことや。」
「つまりーーウチの最適解は『あらゆる動きを封じること』や!」
●行動
リュックや左腕パーツなどの戦闘に必要なパーツを可能な限り外し、自分の【SPD】を極限まで高める。
その上でダガーナイフによる攻撃を行い、サイクロプスのターゲットを自身に向け、【暴れまわる】を誘発させる。
ひとしきり暴れさせダンジョンそのものにダメージが入った頃、右腕の『内蔵ガトリングガン』で床、柱、天井の脆い部分を撃ち抜き、沈下と崩落でサイクロプスの身動きを封じる。
●暴走する怪物を止めろ
「こういう相手で一番気ぃつけなアカンことは、追い詰めたあと『暴れる』ことや」
背負っていたリュック、左腕のパーツ部品。戦闘に用いる必要最低限を除いた装備を全て地面に置きながら、セルヴィ・アウレアム(『迷宮喰らい』セルヴィ・f14344)は自信有り気な笑みを浮かべて呟く。
全身に傷を負っているサイクロプスは倒されない様に、必死で抵抗をしている。闇雲に暴れ回り、周囲全てを破壊し尽くそうと。確かに彼女の言葉通り、サイクロプスは生きる為に暴れ狂っていた。
「つまり、ウチの最適解は……」
トントン、と準備運動を行う様にセルヴィはその場で軽く跳ぶ。装備の大半を外したからか、普段よりも身体が軽い。ダガーを構えながら、サイクロプスの元へ駆け始めた。
「――あらゆる動きを封じること、や!」
身軽になり、迷宮内を駆け抜ける。
僅かに視界が回復した様だが、サイクロプスがセルヴィの姿を捉える事は困難だった。気付けば腕に、足に痛みが走る。見えない獲物に攻撃をされている。
好き勝手させる訳にはいかない、と……サイクロプスは怒号を放ちながら、地面を殴りつける。何度も、何度も。
「(当たらへんけど、耳がキーンってなるわ
……!)」
拳がセルヴィを捉える事は無かったが、咆哮に関してはそうもいかなかった。
接近して攻撃をしている分、耳に入る声が内側を破壊しようとする気がして……だが、彼女は動きを止めない。隙を見て攻撃を仕掛けながら、機を待つ。
「そろそろ、やな」
……走り続けながら、今後自分だけではなくアルダワ魔法学園に暮らす人々が通る可能性を踏まえて、セルヴィは思い至った。流石に天井や床を沈下、崩落させるのは控えておいた方がいいだろうと。なら、撃ち抜くべきはただ一つ。
「――ッ!!!」
「やかましいわ、大人しゅうしろや!」
セルヴィの右腕に内蔵されていたガトリングガンが現れ、火を噴く。
彼女の銃撃はサイクロプスを狙ったものではない。暴れ回り、罅が入った二本の石柱が銃弾により更に崩れ……やがて、倒れる。其れらはサイクロプスを前後に挟む様に倒れた為、両足の自由がかなり制限された事だろう。
敵が其の事実に気付いても遅い、セルヴィは狙い通りだと満足そうに笑った。
成功
🔵🔵🔴
ニナ・グラジオラス
リナ(f04394)と参加
POW選択
随分と迫力ある追跡者だな
弱い者(スライム)いじめが趣味とは見かけによらず小心者か
先程同様『地形の利用』で優位な位置を心掛ける
『高速詠唱』と『先制攻撃』で先手を取り、【ドラゴニック・エンド】を使用
カガリ、目を狙え。腕などで庇うのなら『串刺し』で貫いてやれ
図体ばかりのデカい愚図では相手にならんぞ?と
『挑発』し『見切り』と直撃地点を『第六感』で予測して避けるが、
当たったら『激痛耐性』で我慢する
それに、私よりも派手に立ち回るリナの方が心配だ
あまり無茶するな。誰かに言うぞ?※『鼓舞』
それはリナ次第だがな
ハンカチ。意外なトコで役立つな
ほら、お前が苛めてたヤツの反撃だぞ
木槻・莉奈
ニナ(f04392)と参加
POW選択
『高速詠唱』『全力魔法』で【トリニティ・エンハンス】使用
水の魔力で防御力強化
『挑発』『かばう』『武器受け』使用し前に出て防御役を
受けたダメージに関しては攻撃時『生命力吸収』で回復を図る
ほらほら、鬼さんこちら、手の鳴る方へ
凄い脳筋感漂ってるけど、力だけじゃどうにもならないって事教えてあげるわ
大丈夫よ、しっかり対策はとってるから!
って、言うのはなしね、ちゃんと気をつけるから!
攻撃の主軸はニナに任せつつ、『フェイント』や『2回攻撃』も駆使
雷の『属性攻撃』で少しでも相手の動きが鈍るように
やたら大きな目玉にはさっきのねばねばを拭いたハンカチでもくっつけときましょ
●逆襲代行、華が舞う
動かそうにも動かせない両足に苛立ち、もがいているサイクロプスの前に次に現れたのは二輪の華。……失礼、二輪の華と気高き小竜の姿だ。
「随分と迫力ある追跡者だな」
仕留める相手を見上げて、ニナ・グラジオラス(花篝・f04392)はぽつりと。その声に恐怖は一切無い。そして、淡々とした様子で続ける。
「……弱い者いじめが趣味とは、見かけによらず小心者か」
「見た目からして、凄い脳筋感漂ってるわね……」
挑発めいたニナの言葉に返したのは、木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)だった。巨大な身体、石柱を振り回す程の腕力。脳筋、という言葉は的を射た表現だろう。それでもニナと同様、彼女の言葉にも恐怖心は見られない。
「ニナ、攻撃はお願いするわね。守りは任せて」
「あまり無茶はするな」
勿論、と返して、木槻は詠唱を開始する。清廉なる水の魔力、其の加護を身に受ける為に。素早く唱える術を知る彼女が防御力を高め終わるのに時間は掛からず、即座にサイクロプスの近くへと向かう。
「ほらほら。鬼さんこちら、手の鳴る方へ」
視界が未だに回復していない相手に対し、わざとらしく手拍子して見せる。鬼が此方に注意を向ける様に。木槻が発した音を頼りに豪腕が振るわれるが、簡単には当たらない。ニナから離れる様にして、彼女はまた手拍子を一つ。
「(派手に立ち回っているな、リナ……)」
木槻に気を取られている隙に、ニナは槍の姿へ変じた焔竜・カガリを振るう。サイクロプスの横っ腹を裂いたのを確認して、距離を取りながらニナは思う。
……大切で、大好きな親友をとても信頼はしている。
だが、それでも彼女が無茶をし過ぎてしまわないか、心配なのだ。そんな主の心境に気付いたのか偶然か、小竜の姿に戻ったカガリが傍らで応援する様に鳴く。
「カガリ……ああ、そうだな」
――今の自分の役目を以って、彼女が傷付けられる前に倒せばいい。
標的、狙うべき場所を指差してニナは告げる。竜の力による終焉を与える為に。
「貫いてやれ、カガリ!」
堂々たる宣言を聞き、小竜が飛翔した。
速く、速く、弾丸の様に進んでいく小竜を防ぐ間もなく。薄らと開き掛けていたサイクロプスの目に対して、追い打ちを仕掛ける。瞬間、サイクロプスの絶叫が響いた。
「まだ終わりじゃないわよ!」
畳み掛ける様にサイクロプスへと近付いた木槻が、大きく空いた口に何かを放り込む。敵が其の正体に気付く前に、雷が迸る薄花桜を太腿付近に突き立てて。即座に得物を引き抜き、ニナの元へ着地したが……思わずほっとした様な息を吐かれた。
「リナ、あまり無茶するなと言っただろう……誰かに言うぞ?」
「大丈夫よ、しっかり対策は取って……って、言うのはなしね!?」
「言うかどうかはリナ次第、だな」
ちゃんと気を付けるし、さっきも気を付けていたから……!と、木槻が慌てて弁明をした。一応は鼓舞する為に言ったつもりだったが……本気で慌てる様子に、ニナは思わず笑みを零して。そして、ふと疑問が浮かぶ。
「そういえば、攻撃の前に投げていた物は何だったんだ?」
「さっきのねばねばを拭いたハンカチ、本当は目玉にくっつけようと思ったんだけど……」
「……ハンカチ、意外なトコで役立ったな」
口の中で少しでも粘つく感触がすれば、少しは不快な気持ちにもなるだろうか。
元々獲物として追い掛け始めたのはサイクロプスの方だ。因果応報、倒したフラスコスライム達の代わりに彼女達は反撃をしたのだ。
彼女達は談笑もそこそこに、敵の様子を見る。片手で目を押さえながら、振るう腕に戦闘開始時程の力は無く。終わりはもう、直ぐの事だろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
レイナ・オトゥール
こんなにおっきい相手ですと一撃一撃を強くするのがよさそうです
【精霊竜召喚】で炎の竜さんを呼んで力を借りて攻撃力を底上げした後
水竜の斧槍に【怪力】と体重を乗せるように【ダッシュ】で敵の足を削るように一撃一撃全力突撃で【串刺し】します
突撃後はサイクロプスの攻撃の良い的にならぬ様に
そのまま走り抜けて距離を取りたいですね
足を狙うのは、相手の機動力を奪うのと
転ばせれたら頭を狙えるかなーと言う目論見ですね
一個だけある眼を潰せたら有利にならないかなっと
作戦の関係上少しでも広い場所で戦いたいところですね
相手の咆哮には、苺を食べたい!苺食べたい!!苺食べたい!!!邪魔をしないで
!!!!!
と自分を奮い立たせます!
●苺への強き想い
此れまでの猟兵達の策略、攻撃によってサイクロプスは虫の息となっている。巨躯の怪物に終わりを齎すのは水竜の加護を受けた少女――レイナ・オトゥール(竜と共に・f11986)だ。
彼女は自分よりも大きいサイクロプスの姿を見て、冷静に呟く。
「こんなにおっきい相手ですと、一撃一撃を強くするのがよさそうです」
幸い、サイクロプスはまだ目を押さえて呻くばかり。詠唱するだけの猶予はあると判断して、レイナは胸の辺りで両手を合わせた。召喚の儀の為に、精霊竜へと祈りを捧げながら静かに唱え始める。
「自然を司りし偉大なる竜の王に願い乞う。我が魔力と想いを糧に御身の力の欠片を貸し与え賜え」
――現出せよ、精霊竜。
呼び掛けに応じてレイナの背に現れたのは、燃え盛る様に赤き精霊竜だった。凄まじき熱量を帯びた竜が空気に溶ける様に消えると同時に、彼女は己に力が漲っているのを実感する。
強く地を蹴り、サイクロプスへ向けて突撃。擦れ違いざまに水竜の斧槍を全力で振るい、削る様に右脚を抉る。石柱で何時まで動きを制限出来るか不明である以上、機動力を削ぐに越した事は無い。それに……今、目の前で起こっている様に、バランスを崩して転倒させる事が出来れば頭が狙えるから。
「……ッ!!!」
悪足掻き、せめてもの抵抗か。
倒れたまま拳を地面に叩き付けながら、叫ぶ。咆哮程の力強さは無くなっていたが、それでも狩られない様に必死だったのだ。生き残る為の術だった。
「(苺を食べたい!苺食べたい
……!)」
しかし、サイクロプスの抵抗を上回る程、レイナの苺への想いは強かった。自身を奮い立たせて、水竜の斧槍を一層強く握り締めながら高く跳ぶ。狙うは目論見通り、頭。この一撃で、確実に……!
「――邪魔を、しないで!」
レイナの全力が、サイクロプスの頭を貫いた。
その直後……激しく抵抗をしていた筈の動きがピタリと止まり、両腕が地面へ落ちる。叫び声も止まり、サイクロプスの姿が少しずつ消えていく。
「炎の竜さん……本当に、ありがとう御座います」
消えゆく姿を見届けながら、レイナは己に力を貸してくれた存在に感謝を告げる。
巨躯の怪物は、猟兵達によって倒された。束の間かもしれない、今後またオブリビオン達による危機が迫るかもしれない。
……それでも此の平和は、細やかな御褒美の時間は彼女達の手で掴んだ勝利だ。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『迷宮イチゴ狩り』
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POW : いちごを食べます
SPD : いちごをお土産などにして持って帰ります
WIZ : いちごでスイーツを作ったりします
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●待ちに待った、苺狩り!
学園施設の住人に案内された光景に、猟兵達は各々らしさで感動を表現する。
見渡す限りの苺、苺、沢山の苺があるではないか。自生故に未だ黄緑色の物も混ざっているが、殆どは食べ頃の状態になっている様だ。
持ち帰り易い様にと、プラスチック製の容器は用意してくれた。その場で食べる時に練乳、生クリームも使って良いとの事。スイーツを作るならば、別の住人がキッチンを使わせてくれるらしい。
……至れり尽くせりの此の状況も、きっと猟兵達への御礼のつもりなのだろう。
今回は御厚意に甘えて、存分に苺狩りを満喫しよう!
ノイシュ・ユコスティア
【同行希望】時々来ていただいて、つっこみを入れてもらえると嬉しい。
「普通は男が1人で苺狩りには来ないよね…。」
旅団の仲間を誘ったが、都合が会わず…
苺を持ち帰ることにした。
大きなザルを持って、1人で黙々と苺を採る。
「こんなにたくさんの苺は生まれて初めてだ。」
つまみ食いして味を噛みしめる。
ジャムでも作ろうかな。
料理はおおざっぱだがそれなりにできる。
レシピを見せてもらい確認して作るが…
「あれ?こんなに甘かったっけ?」
砂糖を入れすぎてねとねとしたジャムが…
「女の子はみんな苺が好きだよね~。」
かくいう僕も好きだよ。
ミラに美味しい苺の食べ方を聞いてみる。
「そんなのがあるんだ~。」と納得。
●穏やかな時間
激闘を終えて、漸く掴んだ苺狩りの時間。
旅団の仲間達と共に甘酸っぱい苺を楽しむつもり、だったのだが……残念ながら今回は皆、都合がつかなかったらしい。
「普通は男が一人で苺狩りには来ないよね……」
それでもノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)は折角だからと、沢山の苺を摘んでは大きなザルに乗せていく。こんなに沢山の苺を見るのは、彼にとっては生まれて初めての経験だった様で。だからこそ一層楽しく感じているのだろう、無意識に微笑みが浮かぶ。
時折、つまみ食いをすれば甘酸っぱさが口の中に広がって。……とても、美味しい。
こんなにも美味しい苺を使ったジャムは、きっと美味しいに違いない。そう思い、ノイシュはジャム作りの為に住人の案内でキッチンへと移動する。お手伝いとして、今回の事件を予知したグリモア猟兵――ミラもやる気満々な様子で傍らに立っていた。
「苺ジャムって聞いて……お手伝い、頑張るわ!」
「女の子はみんな、苺が好きだよね」
かくいう僕も好きなんだけれどね。他愛のない会話を楽しみながら、ノイシュは苺ジャムを作り始める。一般的なレシピを住人に借りて、確認をしながら調理を進めるが……砂糖を加える際、量らずに目分量で投入してしまった様だ。
火を止めて、粗熱を取る間に二人で一口味見をして……お互いに疑問符が浮かぶ。
「あれ……?こんなに甘かったっけ?」
「砂糖を入れ過ぎちゃったかしら?」
普通のジャムよりも少しねっとりとしているが、其れも手作りならではと言った所だろう。冷蔵庫で冷やしている間にノイシュはミラに美味しい苺の食べ方を尋ねると、彼女はバニラアイスと混ぜて食べるのが好き、と答える。
「そんな食べ方もあるんだ。夏に食べると、一層美味しそうだね」
是非、試してみて!と目を輝かせるミラの様子に、ノイシュは微笑んで返す。
沢山の苺と、手作り苺ジャムを持ち帰る事が出来た。彼は苺狩りを満喫して、楽しい時間を過ごせたのだろう。旅団の皆と苺を食べる時間が、彼は今から楽しみだった。
大成功
🔵🔵🔵
糸縒・ふうた
■リル(f10762)と一緒
アドリブ・改変等歓迎
苺がり!春を先取りってやつだな?
すっかり熟した赤い絨毯に目移りしちゃう
胸いっぱいに苺の甘酸っぱいかおりを吸って
カップいっぱいにするぞ!って気合を入れて
だろ?
優しい甘さで、オレはそのままで食べるのがいちばん好き
なまくりーむ、と練乳?
こっちはもっとあまーくなるな!すごい!すいーつ、みたい!
リルの手のひらの上を覗いたら
真っ赤なハートマークにびっくり
わわ、かわいい!ふたごちゃんなのかな?
くれるの?ありがと!
じゃあ割れないように大きなお口でいただきます!
甘くておいしくて
口のなかいっぱいに幸せの味
オレは向こうで白い苺を見つけたぜ
次はそれを摘みにいこ!
リル・ルリ
■ふうた(f09635)と一緒
✼アドリブ等歓迎
「苺、紅くて甘くて美味しい苺。沢山なっているね、ふうた」
甘い香りに微笑んで、1つずつ丁寧に摘む
自分で摘んで食べる苺は初めてで
紅く熟れたものを選んで潰してしまわないか恐る恐る
いただきますと口に含めば甘くて少し酸っぱい春の味
「苺のチョコもいいけれど、そのままの苺も美味しいね!」
そのまま食べたり
生くりーむを付けてみたり
練乳は初めて
これも美味しい
ふと見れば変な形の苺
「みて、ふうた。ハートみたいな苺があったよ」
何だか食べるのが勿体なくなってしまう
君にあげる
ふうたはどんな苺、見つけた?
白?苺なのに?すごい、みたい!
どんな味何だろうと心踊らせてふうたについて行く
●幸せの赤い絨毯
「すっげー!苺狩り!春を先取りってやつだな?」
鮮やかな赤色に囲まれる空間に、先に踏み込んだのは糸縒・ふうた(風謳エスペーロ・f09635)の姿だ。感動の表れなのだろう、耳と尻尾がぴょこぴょこと跳ねる。隠す様子が見られないという事は、きっと無自覚なのだろう。
そんな彼をほのぼのとした様子で眺めて、微笑む人魚の影が一つ。
「苺、紅くて甘くて美味しい苺。沢山なっているね、ふうた」
糸縒の友達である、リル・ルリ(瑠璃迷宮・f10762)だった。
彼の後を追う様にリルも一歩踏み出せば、苺の甘い香りに包み込まれる。カップ一杯にするぞ!と気合を入れる糸縒とは対照的に、リルは一抹の不安を抱えていた。
……自分で摘んで、そのまま食べる。リルにとっては初体験の出来事で、赤く熟れた一粒に伸ばす手が僅かに震えていた。そっと、優しく苺を摘んだら……いただきますと呟いて、ぱくっ!直後、凪いだ湖面の様な瞳がぱあっと輝きを見せた。
「苺のチョコもいいけれど、そのままの苺も美味しいね!」
「だろ?」
甘くて、少しだけ酸っぱい春の味に、リルが感動した様子を見せる。
彼の様子に糸縒も嬉しそうに笑ってから、自分も一粒を口の中へ……優しい甘さが身体に沁みる、やっぱりとても美味しい。
摘み立てだからか、リルと一緒だからか。其れはいつもより美味しく感じられた。
練乳や生クリームをつけて食べれば、まるでスイーツの様な甘さが口の中に広がっていく。美味しい苺に夢中になっていると、ふとリルが普通の物とは違った苺を見つけて。そっと摘んでは掌に。大きくて、苺を二つくっつけた様な……。
「みて、ふうた。ハートみたいな苺があったよ」
「ハート?わわっ、本当だ!かわいい……!」
リルの言葉通り、ハートの形にも見える苺を見て、糸縒は感動をそのまま言葉に表す。またも耳と尻尾が忙しなく動いているが、言わないでおこうとリルは笑って。
さて、この可愛い苺をどうしようか。自分で食べるのも、なんだか勿体ない気がして……目の前の糸縒をじっと見つめる。
「ふうた、君にあげる」
「えっ、くれるの?ありがと!」
差し出されたハートの形の苺を受け取り、糸縒は今日一番の笑顔を浮かべる。割れない様にそのまま、大きな口で食べるが……あまりの大きさに頬が少し膨らんでいた。甘くて、美味しくて、幸せの味が口一杯に広がっていく。リルも大切な友達の嬉しそうな様子を見ていて、幸せな気持ちになったのかもしれない。二人の笑顔は幸福一色。
大きな苺を食べ終えた後、糸縒はふと思い出した様にあっ!と声を上げた。
「そういえば、向こうで白い苺を見つけたぜ!」
「白?苺なのに?すごい、みたい!」
「ああ、こっちこっち!リル、行こうぜ!」
赤の絨毯に紛れた、白苺はどんな味なのだろうか。
二人は心を躍らせながら、迷宮内を駆けていく。
……今日此の日が、彼らにとって良き思い出となりますように。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カチュア・バグースノウ
まじで!
すっごい美味しそう〜〜!!
あ!練乳ちょうだい!
一番赤くて粒がキラキラしてるの…と…これなんかどうかしら?
まずはそのまま
(もぐもぐ)
ん〜〜ベリ〜〜!!!デリシャッス!!
(もぐもぐもぐもぐ)
はーーーー今度は練乳で食べてみよっ
あまーーーーい
おいしい(もぐもぐ)
最高、ありがとう、ありがとう…
そのまま食べるのも、練乳つけて食べるものおいしいわね〜
はー至福
一年分の苺食べきった感じだわ
ごちそうさま!
●一年分の至福
「まじで!?」
まじですよ、と学園施設の住人が微笑みながら返す。
予想以上の苺の数に驚いたのか、カチュア・バグースノウ(蒼天のドラグナー・f00628)は思わずぽかんと口を開けていた。段々、此の苺だらけの空間に感動を覚え始めたのか……透き通る様な青色の瞳が輝きを帯びていく。これを、これを待っていたのよ!
「すっごい美味しそうー!あ、練乳ちょうだい!」
どうぞ、と住人に手渡された練乳を受け取って、カチュアは猛ダッシュ!あまりの勢いに今度は住人がぽかんと口を開けていたが、仕方がない。こんなにも沢山の苺に囲まれる機会なんて、恐らくは滅多に無いのだから。
彼女は辺りを見渡して、一番粒が煌めいているであろう其れをそっと摘む。
まずはそのままの味を……放る様にして、一口。もぐもぐ。
「んーっ、ベリー!デリシャッス!!!」
思わず全力でサムズアップ!何処に、とは聞いてはいけない。人は感動する出来事に遭遇した時、溢れる感情をつい行動に表してしまう時もあるのだ。
あまりの美味しさに、赤く色付いた苺を摘んでは食べる。摘んでは食べる。苺の香り、甘酸っぱい幸せが広がって、カチュアのテンションは最高潮!
「折角だし、練乳も食べてみよっと……」
摘んだばかりの苺に、貰った練乳を少しかけてから……ぱくっ。もぐもぐ。
「あまーい!おいしい、すっごくおいしい……!」
甘酸っぱい苺と、優しい甘さの練乳の組み合わせを考えた人にありがとうと言いたい。勿論、苺を見守っていてくれた学園施設の人達にも感謝の気持ちが尽きない。
……こんなにも美味しい苺なのだから、美味しくない訳がないとは解っていた。解っていたけれど、最高だ。最高に美味しかった。
再びそのまま食べたり、また練乳との組み合わせを楽しんだり。カチュアは存分に苺を堪能し、気付けば満腹。一年分くらいの苺を食べ切った気がする、彼女にとって至福の一時だったと言えるだろう。今回の依頼、頑張って良かったと心から思える程に。
「ごちそうさま!」
締めの一言を住人達に告げて、カチュアは満足げに笑った。
大成功
🔵🔵🔵
祝・刻矩
苺、は何にしても、美味しく食べられるんじゃあ
俺が好きなんはそのままじゃな。あぁと、苺のミルフィーユ
んまあ、御託はええんじゃ。
おねえさん、練乳と生クリームをおくれい。
さぁて、いくかの。(腕まくり)
赤くて光っているのがよいと言われておるのじゃな。
ちなみに俺はストロベリーが大好きじゃ!
まぁ呼び方なんぞどうでもええんじゃがな。
さて早速一粒。
!!(稲光が走る)
う、うまい
はぁ久し振りに胸にくる苺を食べてしまった。なんと僥倖よ
生クリームはなかなかみんが、どれ…ん!こちらもうまい!
練乳よりやや濃いめの味がぴったりじゃのう
さてさて、満足したことだし帰ろうかのう
馳走になったな
●様々なストロベリーの食べ方
迷宮内の苺狩り会場に案内された祝・刻矩(風の如く、舞う如く・f14803)は、目の前の空間にほう、と感嘆の声を漏らした。苺……否、ストロベリーを好む彼にとっては此の場所は楽園の様にも見えただろうか。
呼び方に拘りは無い様だが、今回は彼なりの呼び方で苺を表現をしよう。
「おねえさん、練乳と生クリームをおくれい」
どちらの食べ方も楽しみたいと祝が手を伸ばせば、住人が笑顔で練乳と生クリームそれぞれが入った容器を渡してくれて。彼は腕まくりをしてから其れらを受け取り、ゆっくりと歩みを進める。赤色の輝き、其の中でもより一層輝いて見える一粒を探して。
程なくして見つけた其れを手に取り、傷付けない様にそっと摘んでいく。
そのままの味を楽しむ事を特に好むからだろう、まずは何もつけずに一口……。
「――ッ!」
――直後、彼の背を稲光が駆け抜ける。
なんだ、このストロベリーは。美味しい、美味し過ぎる。
柔らかい甘さ、そして丁度良い酸味をバランス良く有している。迷宮ストロベリーがこんなにも美味しいとは。なんと僥倖な事だ。此れで果実酒を作るのもいいし、ミルフィーユにするのもきっと美味しいだろう。いや、美味しい筈だ。
「(生クリームはなかなかみんが、どれ……)」
次に摘んだストロベリーは、生クリームを試してみようとまた一口。
……成程、此れも有りじゃなと、祝は納得した様に頷く。
練乳よりもやや濃いめの甘さだが、ストロベリーと良く合っていると感じたのだ。何にしても、美味しく食べられるストロベリーの魅力を彼は改めて認識した事だろう。勿論、練乳と合わせて食べるのも美味しい。
普段から緩やかに微笑む彼だが、今は笑顔だけではなく雰囲気も含めて緩んでいる気がした。暫くの間、まったりとストロベリーを摘んでは食べ進めて。最後の一粒をそのまま食べる事で締めてから、両手を合わせる。馳走になったな、そう呟いた。
「さてさて、満足したことだし帰ろうかのう」
……ちなみに彼は持ち帰りも検討していたが、また機会があれば来ようと思ったそうな。ストロベリーとの出会いは一期一会、今日はとても満足した一日だった。
大成功
🔵🔵🔵
木槻・莉奈
ニナ(f04392)とミラの【同行希望】
WIZ
やっぱりショートケーキとパフェかな
採るのは途中で2人に任せて、先にスポンジと生クリームとかの下準備は終わらせておくわね
ニナもミラも一杯採ってくれてありがと
2人にはパフェの飾りつけお願いしちゃおっかな
苺をたっぷり使ったショートケーキに、苺の風味を移したフルーツティーを淹れて
2人とも出来た?…そんなに悩まなくても、見た目なんて二の次よ
自分達で食べるんだもん、手作りの醍醐味は好きな物を好きなだけ盛れる事なんだから!
(皆で食べれる事にニコニコしながら
ニナもミラもケーキも食べて食べて、2人に食べてほしくて作ったんだもの
勿論カガリも、いっぱい食べていいからね
ニナ・グラジオラス
リナ(f04394)とミラを【同行希望】
WIZ選択
(少し目を輝かせて)ショートケーキ…!ああ、いや、何でもない
リナの作る物なら何でも美味しいよ
じゃあ私とミラで苺を取ってこよう。できるだけ美味しそうなのを選ぼう
リナも下準備ありがとう。私も手伝えればいいのだが、こう言うのは苦手でな
パフェの飾りつけくらいなら、きっと大丈夫だ…と思う
そう言えば、ミラはどうだ?こう言うの得意なのか?
(1層盛っては悩み、せめて見た目だけでもと奮闘し)
2人に食べてもらうものだから見た目も凝りたくなってしまって
ミラのも美味しそうだ
相変わらずリナの作るケーキは美味しそうだ
カガリは今回の功労者だからな、存分に食べていいぞ
●今回のMVPは……?
焼き上がったスポンジは粗熱を冷ましている間も、仄かに甘い香りを広げていて。
生クリームの準備も問題なく、後は皆の戻りを待つだけだ。
……余程楽しみだったのだろう、下準備を引き受けた木槻・莉奈(シュバルツ カッツェ・f04394)はそわそわとした様子のまま、微笑みを浮かべている。ふわり、スポンジとは別の甘酸っぱい香りがした気がして、キッチンの出入り口に視線を向けた。
「リナ、待たせたか……すまないな」
「ううん、ニナもミラも一杯採ってくれてありがと」
「美味しいデザートの為に、頑張っちゃった!」
ニナ・グラジオラス(花篝・f04392)と、グリモア猟兵のミラの姿だった。ニナの傍らではカガリが、自分も頑張ったよと言いたげに一鳴き。その様子が微笑ましくて、木槻は微笑んだままカガリを撫でる。
二人が持っているそれぞれのプラスチック製の容器には、沢山の苺で出来た山。
そのどれもがキラキラと輝いて、とても美味しそうだ。木槻の作る物なら何でも美味しいと強く思うニナ、皆と食べる美味しいスイーツの為にと張り切るミラが、頑張って見つけてきたのだろう。
「それじゃあ、私はショートケーキを作るから……二人にはパフェの飾りつけ、お願いしちゃおっかな」
「パフェの飾りつけくらいなら、きっと大丈夫だ……と思う。恐らく」
……どうやら、繊細な作業はあまり得意ではないらしい。
ニナは頷くものの、呟く声からは自信の無さが見えて取れる。それでも引き受けたのは木槻に対する親愛故か。彼女に関する意外な一面が見えた、気がする。ニナはミラにも得手不得手を尋ねるが……残念ながら、腹ぺこ聖女は食べる専門らしい。初めてのパフェ作りに、無邪気にはしゃいでいた。
そんな中、早速調理を開始した木槻の手際の良さは目を瞠るものがあった。半分にしたスポンジに生クリームを塗り、その上にスライスした苺をふんだんに使用。その上にもう半分のスポンジを乗せて、生クリームをたっぷりと。苺の風味を移したフルーツティーの香りに上出来かな、と呟いた。
「二人共、出来た?」
「待ってくれ、もう少し……!」
「見た目、綺麗に出来ないかなって……」
一方……不器用な二人が、パフェ作りに奮闘していた。
木槻、そして互いに食べてもらうものだからと思うと、見た目も凝りたくなってしまう。少しでも美味しく見える様にと。
二人の一生懸命さについ、木槻は間を置いてから噴き出す様に笑ってしまう。
「自分達で食べるんだもん、手作りの醍醐味は好きな物を好きなだけ盛れる事なんだから!」
でも、一生懸命な気持ちは嬉しいから。
木槻のアドバイスを受けつつ、二人は苺たっぷりのパフェを完成させる。コーンフレークのザクザク感も楽しめる、甘酸っぱいパフェが二つ。其処にショートケーキと淹れ立てのフルーツティーを並べれば、苺尽くしの御茶会の準備が整った。
「ニナもミラもケーキも食べて食べて!勿論、カガリもいっぱい食べていいからね?」
「カガリは今回の功労者だからな、存分に食べていいぞ」
ニナに続く様に、ミラも美味しそう!と目を輝かせる。カガリも嬉しそうに鳴いて、でも大人しく取り分けれられるのを待っている。
――さあ、三人と小竜による素敵な御茶会の開始だ!
大成功
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ヴォルフ・ヴュンシェン
同行希望マリアドール・シュシュ(f03102)
呼称:マリア
「苺か…」
生クリームを貰おう
あと、キッチンにオレンジか100%のオレンジジュースがないか確認あるようだったらいただけないか聞く
マリアと食べ頃を探して摘んでいく
「マリアは料理の類はどうだ?」
俺は…マイナスじゃない程度
焼く位ならできる
基本マリアの話を聞くこと優先
オレンジジュースがあるなら
「マリアの口に合えばいいが」
苺を入れた器にオレンジジュースを注ぐ
「砂糖の甘みがないから案外大人向け、らしい」
俺はそう思ったことないがそう言った奴が昔いた
(あいつはお子様味覚だったんだ)
ジュースがなくても生クリームで美味しく食べる
マリアと楽しく過ごせたらいい
マリアドール・シュシュ
【ヴォルフ・ヴュンシェン】と行動
アドリブ◎
「待ちに待ったイチゴ狩り!ねぇ、ヴォルフ。摘み方はこれで合ってるかしら?」
練乳を貰った後、ヴォルフと苺狩り楽しむ
「つい最近バレンタインだったでしょう?
だからチョコケーキやクッキー作りに挑戦したのだわ(嬉々)
他にもお肉を焼いたり出来るのよ(胸張り)
でも…誰に教わったのか朧げな記憶しかないの(育て親の事は曖昧)
それよりもヴォルフの料理を食べてみたいのだわ!」
橙の海を泳ぐ赤の果実に目輝かせる
「まぁ!美味しそう!大人の味なのね?(昔誰かに同じ事をしていたのかしら)
ぱくっと食べちゃうのよ」
ほっぺたが落ちる位の美味
控えめな甘さに感動し舌鼓
生クリームや練乳でも食べる
●橙の海をゆらゆらと
……100%オレンジジュースは流石にキッチンに用意は無い。
だが、住人の一人が冷蔵庫にあると言って一度家まで戻り、持って来てくれた。ヴォルフ・ヴュンシェン(願う者・f13504)は住人の親切な対応に御礼を言い、合わせて生クリームも受け取る。隣ではマリアドール・シュシュ(無邪気な華水晶・f03102)が、別の住人から練乳を受け取っていた。
二人で沢山の赤色の粒が輝く中、ゆっくりと歩みを進めていく。嬉々とした様子で一足先に苺へと向かったのは、マリアドールだ。
「ねぇ、ヴォルフ。摘み方はこれで合ってるかしら?」
初めての苺狩りなのだろうか。指先で軽く摘まむ様な動きをしながら、ヴォルフに問い掛ける。合っていると伝えては、彼自身もそっと苺を一粒摘んで。
二人同時に苺をぱくっ!もぐもぐ、と。甘酸っぱさが広がって、ほっぺたが落ちそう……!マリアドールは両手で頬を押さえながら、喜びと感動の表情を浮かべた。彼女の様子が愛らしくて、ヴォルフもつい微笑みが零れる。
「そういえば……マリアは料理の類はどうだ?」
「料理?」
ふとした問い掛けに、マリアドールは首を傾げて繰り返す。
その手には既に二粒目の苺。本当に美味しかったのか、気付いた時には手が伸びていたらしい。恐るべし、苺の魅力。
「えっと、つい最近バレンタインだったでしょう?だからチョコケーキやクッキー作りに挑戦したのだわ」
お肉を焼いたりも出来るのよ、と続けるマリアドールの様子は誇らしげだった。胸を張って答える様子が、なんとも微笑ましい。それに……焼く位ならば出来るが、それ以上が出来る彼女が凄いとも思う。
「でも……誰に教わったのか朧げな記憶しかないの。それよりも、ヴォルフの料理を食べてみたいのだわ!」
……育ての親に教わったのか、はたまた別の誰かに教わったのだろうか。
曖昧な記憶。それよりも目の前にいる、ヴォルフの料理が気になった様だ。マリアドールの視線は興味津々、と言いたげな様子で。
単に焼くだけの物ならばなんとか作れそうだが……と考えた所で、彼は先程受け取ったオレンジジュースの存在を思い出す。
「料理、と呼ぶには簡単過ぎるかもしれないが」
ヴォルフは摘み立ての苺を入れた器に、オレンジジュースを注ぎ始める。
次第に苺がゆらゆらと浮かぶ。橙の海を泳ぐ赤の煌めき、見た目も綺麗な其れにマリアドールの瞳が更に輝きを帯びた。口に合えばいい、と呟いた後に差し出された器を彼女は受け取って……早速、ぱくっ!
「……砂糖の甘みがないから案外大人向け、らしい。昔、そう言った奴がいた」
「まぁ!これが大人の味なのね?」
とっても、とっても美味しいと、マリアドールは顔をほころばせる。
……正直な所、作ったヴォルフ自身は大人の味と思った事はない。きっと、そう言っていた者の味覚が子供の様だったんだろう、とも考えている。
それでも、彼女の嬉しそうな笑顔が見られたから。此れは大人の味、という事にしてもいいかと思えるのだろう。
大成功
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レイナ・オトゥール
ふふふ、頑張ったご褒美!
さーて、この、この子たちはどうしてやりましょう?
貴方たちが赤いのは、これから私に食べられちゃうのが恥ずかしいからですか?
ふふっ逃がしませんよ?
……
っと、念願のイチゴを前にちょっとトリップしてました
えーとまずは、頑張ってくれたウィルを筆頭に
いつも助けてくれる武器に変身する竜たちへのありがとうを込めて
ヘタを取って一個ずつあーんって食べさせますね
個人的には練乳をかけるのが好きなのですが
せっかくだから色々試してみましょう
牛乳あったら砂糖であまーい苺ミルクとか!
ああ、そうです、この間のバレンタインのお返しに
ジャムでなんかいいかもです
最後にキッチン使わせていただけると助かりますね
●御褒美は目の前に!
……ふふふ、と自然と唇が弧を描く。
漸く、この時がやってきた。余程待ち侘びていたのだろう、浮かぶ笑みが止められそうにない。さて、この子達はどうしてくれようか。
勿論、彼女は逃がすつもりなんてない。真っ赤になっている様子は恥ずかしさ故か、それでも美味しく頂く事は止めない。嗚呼、もうこの情熱は止まらない!
「――っと、念願のイチゴを前にちょっとトリップしてました」
ちょっと所ではなく、トリップしていた様な気がしないでもないが。
兎に角、彼女は――レイナ・オトゥール(竜と共に・f11986)は冷静さを取り戻したらしい。コホン、と軽く咳払いの様な動作を一つ。
住人の一人から練乳を受け取った後、彼女もまた赤い絨毯の広がる場所へ。
「(ウィルも頑張ってくれたし、他のみんなにも……)」
苺を丁寧に摘んだら、ヘタを取る。まずは今回の依頼で頑張ってくれた、水竜のウィルに一粒。その後に氷竜のアイリス、晶竜のクリスティアにも一粒ずつ。いつも助けてくれている感謝の気持ちを、レイナは伝えたかったのだ。
皆の嬉しそうな、満足そうな鳴き声に、彼女も釣られた様に笑って。
「私は、練乳で……」
レイナも自分の分を摘んでから、練乳をたっぷりとつけて……そっと一口。苺の甘酸っぱさ、練乳の優しい甘さ。口の中に広がって、とても美味しい。
美味しいね、と目の前の友達に声を掛ければ、同意を示す鳴き声が三つ。
「ああ、そうです、この間のバレンタインのお返しにジャムとか……」
キッチンなら、牛乳もあるかもしれない。甘い、甘い、苺ミルクも作れるかな。
そうと決まれば早速、と。レイナはプラスチック製の容器に、摘み立ての苺を沢山乗せ始める。より一層キラキラとしている、美味しそうな苺を探していると……ウィルや他の竜達も手伝ってくれて。自分達も、もう少し食べたいから……かもしれない。
それでも、彼らが手伝ってくれる事には変わりないから、彼女は御礼を言葉にする。
……キッチンへと向かう一人の少女と小さな竜達。
レイナ達の仲の良さを目にして、住人達が和むのはもう少しだけ後の話。
大成功
🔵🔵🔵
ユナ・ニフェトス
わあ…っ、すごい、すごいです!
こんなにたくさんのイチゴを見るのは初めて!
ああ、どうしましょう
わくわくが抑えられませんっ
私は採れたてを
初めはそのまま
そのあと練乳、生クリームと、順に食べます
たいへん、これは幾つでも食べられちゃいます
抑えなきゃいけないな、と思いつつも手は止まらず
初めての苺狩り
こんなに楽しいものだって知らなかった
みんなの楽しそうな顔、雰囲気
それがより一層イチゴのおいしさを引き立てている気がする
こんな素敵な催しをありがとうございます
と住人にお礼を告げ、また手は動き出した
*アドリブ、絡み大歓迎
●初めての苺狩り
ユナ・ニフェトス(ルーメン・f13630)は、目の前に広がる光景に感動を隠せなかった。今回が初めての苺狩り。今まで、こんなにも沢山の苺を目にする事は無かったのだろう。迷宮苺の中にはまだ熟れていない物だけではなく、白い花弁の花も所々に咲いていて……其れを見つけるとまた嬉しくなって、彼女は年相応の笑みを浮かべる。
「わくわくが抑えられません……っ!」
住人から練乳、生クリームを受け取り、早速美味しそうな一粒をそっと摘む。
採れたての新鮮な迷宮苺。大粒の其れを、まずは何もつけずにユナは口に運ぶ。甘くて、後から酸っぱさが追い掛けて来て……でもやっぱり、甘さが勝る。鼻に抜ける香りも相まって、とても美味しい。美味し過ぎる。
「たいへん……これは幾つでも食べられちゃいます、抑えなきゃ……!」
思わず零れた呟きと反して、ユナの手は次の苺へと伸びていたが……仕方がない。
激しい戦いの御褒美なのだから、少しくらい食べ過ぎても構わないだろう。近くを通りかかった住人の一人も、遠慮せず食べて下さいね、と微笑む。
お言葉に甘えて、と彼女は次に摘んだ苺に練乳をつけて頂く。その次は、生クリームで。二つの違う甘さは、どちらも苺と良く合う。美味しい。最初の一粒を食べた時も思わず言葉にしたが、何個でも食べられそうだ。
「(でも、美味しいのはきっと……)」
他の猟兵達だけではなく、折角来たからと住人達も苺狩りを楽しんでいて。
苺に舌鼓を打ちながら、皆が楽しそうにしている。皆の笑顔、雰囲気。其れらが一層、苺の美味しさを引き立てている……ユナはそんな気がしたのだ。勿論、迷宮苺自体が美味しい事に変わりは無いのだけれど。
「こんな素敵な催しをありがとうございます」
声を掛けてくれた住人に対して、ユナは丁寧に頭を下げながら感謝の気持ちを伝える。住人は御礼を言うのは自分達の方なのに、と目を丸くしていたが、彼女の素直な気持ちが嬉しかったのだろう。
――どういたしまして、此方こそ守ってくれてありがとう。
返事を聞いて、ユナはまた柔らかな笑みを浮かべて……再び、苺へ手を伸ばす。
幸せの一粒は、己が守り通した事の証。初めての苺狩りは彼女にとって、忘れられない一日となった事だろう。
大成功
🔵🔵🔵