4
偽襤褸船、ホノカゼイラズ(作者 オーガ
7


#グリードオーシャン  #【Q】  #戦後 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#グリードオーシャン
🔒
#【Q】
🔒
#戦後


0



 それは薄く霧の出る夜だった。
 海は暗く、星の光の一つも返さず、不気味にゆらゆら、と揺れている。
 第4環源13世代珪素性有機結合類β3型単分子強化素材なる材質で作られたこの島は、一度崩壊しながらも、改定に突き刺さった宇宙船の残骸を支柱に繋ぎ合わされ、島の体を辛うじて保っていた。
 だが、それも徐々に限界が来ているといっていいだろう。略略中継地としての機能しか無いこの島から脱出していくものが絶えない中。行く宛も無く、ただ冒険の日々を焦がれている人々の目の前に、一隻の大型の船が現れた。
 帆はボロボロ、船も朽ちかけていそうな見た目をしているのにも関わらず、荒々しい接岸にすら耐えている。
 そんないかにも怪しげな船へと、ここ――ヨモツアミオリの安穏に痺れを切らし始めていた男達が恐る恐る乗り込んでいき、そして。
「ぎゃあああぁぁぁあああッッ!!!!」
 霧まとう夜の闇に悲鳴が響き渡った。
「せ、生者だああぁぁあ!! 生き……息してぉおぁあああッッ!!??」
 船に木霊する、幽霊の悲鳴が。

 荒事には慣れてるだろうと船長室に案内された鮫魚人のナガハマは、船の中は朽ちかけているような外見とは裏腹い整った内装に驚いていた。
「すみません。この数年、幽霊になった仲間としか会話してこなかったもので、いざ生きてる人にあったら温度感の違いというか……そういうのに圧倒されてしまって……、陽キャの空気は陰キャには厳しいというか……浄化されるかと思いましたよ」
 この船の船長、という彼が人懐こい顔――だったのだろう顎骨を揺らして笑う。半透明な骸骨の姿をした彼だが、彼が特別というわけではない。
 むしろこの船の中で言えばそちらのほうが普通なのだろうから。
 つまり、彼らは皆、死者であった。
「陽キャ……ってなんだ?」
「我々のような死者をそういうのだと、途中拾った船の残骸から知りまして……私、価値のある残骸には生前から縁がありましてね」
「……」
 幽霊船長と対話するナガハマは「多分意味が違うんじゃないか」と言おうとして口を閉ざした。

「いえ、実は故郷がコンキスタドールに襲われ、滅ぼされてしまいまして……」

 この船のことやら、その幽霊の存在やら聞きたいことはあったが、まずお前らはなんなんだと問いかけたナガハマに、船長はいきなり重い身の上話を始めていた。
「そのコンキスタドールから逃げてる最中なのですよ。はは、いえ、もう死んでるんですけどね。もう殺されているのですが、まあ、何故かまだ追ってくるんですよ。多分、私達の屍をコンキスタドールに奪われたので、体に残った思念が幽霊になった思念と引き合ってる、みたいな話だと思うのです。おかしな霧にまぎれてどうにか振り切ったはいいものの、多分今頃彼らもあの霧を抜けてこちらに向かってきていることではないでしょうか。ここ数日はこの近海をウロウロと彷徨っていたので、そろそろ追いつかれる頃でしょうか。いつまでも追いかけ回してこられては、残骸漁りもできなければ、漁った値打ち物を売り捌く事もできないんですから……、まったく、もう、はた迷惑な話ですよね?」
「ですよね? じゃねえが?」
 ナガハマは途中から頭を抱えていた。
 つまり、なんだ、この幽霊を追って、コンキスタドールがここに襲撃を仕掛けてくるかもしれない。というか、ほぼほぼ確信を持って襲ってくるのだろう。
「……なるほど」
 事態を飲み込んだナガハマは一呼吸置いてから、ダンッ!! と机を拳で叩いて、のほほんとした表情を見せる骸骨に指を突きつけて叫んだ。
「はた迷惑はお前らじゃねえか! とんだ災難引き連れてきやがって!」
「いやあ、生者の方の叫びは愉快痛快ですなあ、鮮度が違う」
「悪霊じゃねえか!」
「ははは、船員が増えるかもしれませんなあ」
 立ちあがり、ナガハマは避難を呼びかけようと背を向けようとした。
「しかし、どうやらこの島も沈没寸前のご様子」
 ついでに、この船を切り離して、どうにか適当な海流に放逐しなくては、と画策するナガハマに幽霊船長の声がかかる。
「あのコンキスタドール達をどうにかしていただければ、緑豊かな我々の故郷へとご案内いたしますよ?」
 語る声色は、スラリ、と肋骨の間隙を縫うような鋭さを持っていた。
「それに海嘯を征した彼らに一度お会いしてみたいものです」
 ナガハマは、目の前の幽霊が初めからそれ目的だったのだとそこで気付いた。
「たしか、猟兵と仰るのでしたか?」
 ナガハマ達が色々あって人を多く住まわせられる移住先を探している。そんな情報を何処からか流れ聞いたのだろう幽霊船長は、いけ好かない商人の顔をしてナガハマを見つめていた。


「今は無人島となっている島がある。そこに人々を移り住まわせる為に、まずは襲ってくるコンキスタドールをどうにかしたい」
 夜柄守・白袖(怪奇人間の學徒兵・f32220)は詰まるところを掻い摘んで話して、自分で納得したように頷いた。
「ということだ……、まあ、なんとかなるだろう、と思う」
 実際にオブリビオンの襲撃が予知されたこともあり、猟兵としても放ってはおけない事態だろう。
「頼んだ」
 と白袖は説明を終えた。


オーガ
 わりとゆるい感じです。

 各章ごとに断章を挟みます。

 宜しくお願いします。
69




第1章 冒険 『流れ着いたもの』

POW軽く殴ってみれば分かるだろ。ふんじばってでも正体を明かす。
SPD言葉や技術、異能等を駆使して、本質を表して正体を見極める。
WIZそれによりどんな影響があるのか、周辺や状況から正体を探る。
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 
「一緒に船旅をするってのに、距離があるままじゃあ問題も起こるだろ」
 とナガハマは猟兵達に申し訳無さそうに言う。
「まあ、……なんだ、幽霊どもがある程度無害だって事を他の奴らに示してくれねえか」
 ある程度でいいから。とナガハマはどこか不安を滲ませてそういった。
 つまりは、何が起きても大丈夫そうな猟兵に、接触を試みて欲しい。ということだった。


 幽霊船で幽霊船員達と会話したりします。
 人見知りですが、まだ生者が珍しいので好意的ではあります。
 会話が作れる程度の設定は作ってますが、ない設定でも作れるところは作るので適当に会話する感じの場面です。
ヴィクトル・サリヴァン
この島かなりボロボロだったしねー。
滅ぼされた故郷が緑豊かになる位の年月経っててまだ航海できるって相当腕はよさそうだけど。
余計な不安はない方がいいし、お手伝いしたいな。

まず礼儀正しくご挨拶から。
深海人じゃない猟兵だけど海は得意だよ。
会話の切っ掛けとして故郷の話とか聞いてみたり。
船長さん商人っぽいけど何か名産取り扱ってたりしてたのかなーとかも。
ナガハマ君達にも聞こえるようあくまで軽い調子で会話し両者の緊張が解ければなと。
…武勇伝聞きたいの?
島の奪還、七大海嘯戦…偽シャチ退治もあったなあ。
倒すにはこの銛ぶち込んだりしてね。
そいえばキミ達追ってたのってどんな奴なのかな、と尋ねる。

※アドリブ絡み等お任せ


 潮の香り。
 暗い海、波の音。霧が海面を撫でて、幽かに衣擦れの如き震えを見せる。肌に触れる細かな水滴が僅かにヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)の肌を湿らせていた。
 月もなく、朽ちた木材が敷き詰められたような甲板の上で、まるで獲物を待つかのようにして骸骨が立っていた。
 その骸骨はヴィクトルの足音に振り向くと。
「ああ、どうも! こちらから脚を運べず申し訳ない。何分地縛霊ならぬ船縛霊なものでして……!」
 と快活な挨拶で恐ろしげな空気を霧散させていたのだが。
 簡単な挨拶を交わして、ヴィクトルはナガハマや他の島民の視線をひしひしと感じながらも、割りと気にすることなく会話を弾ませていた。
「その故郷から離れてずっと航海できるって、結構すごいよね。えっと……故郷に自然が戻ってるって事は、何十年かぐらい?」
「いえ、えっと……5、6年くらいですかね。暮らしてた人間だけを襲いに来たようでして、少し前に戻った時は畑の作物が野生化してましたよ」
 その間コンキスタドールに追われ続けていたのだと考えれば十分な航海技術だとヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は思いながらも、多分言っても否定されそうからかと「そっかあ」と間の抜けた返事にとどめておいた。
「ですので、ここより数倍は快適ですよ」
「あー、うん。それはそうだよね……」
 と船長の言葉に、ヴィクトルは目を細めて同意を返す。
 彼自身半ばこの島の崩壊の当事者である。正直まだこうしてキャンプが残っている事自体、驚きだったりする。
 まあ、この船の中で暮らしてた人達からしたらこの状況も生ぬるいのかもしれないけど。と彼らの事情を鑑みてから、ヴィクトルは彼らが目指すことになる新天地に想いを馳せる。骸骨船長が案内してくれるというそこで彼らが穏やかな生活を手に入れられたのなら。そう考えるだけでもヴィクトル自身嬉しい心地になる。
「それはそうと。あの骸のコンキスタドールは中々に手強いかと思われますが、腕に自信の程は?」
「うーん、ふふ。期待に応えられる位には、かな?」
 話題を切り替えた船長に、ヴィクトルは思わず笑いを零していた。言葉だけを汲み取れば猟兵の力を疑っているようにも聞こえる。だが、どことなく弾んだ声色は、そのような思惑が無いことを示していた。
「ほほう、どのようなご活躍をされたのか、ぜひお聞きしたいですなあ」
「そうだねえ。島の奪還の話とか、七大海嘯戦……あと偽シャチ退治とか……」
「どれも興味そそるお話の予感がしますね。しかし、受け取ってばかりではフェアではありません。どうでしょう? 色々と気になっているだろう私たちの事と引き換えにお話をお聞かせいただくというのは?」
「ん? いいの? それはねえ、俺も嬉しい」
 その提言にヴィクトルはどうやら彼らも、そばだてている耳の数をある程度把握していて、その信用を得ようとしているらしいと気がついた。そして、猟兵の武勇伝への興味も本物だということもひしひしと伝わってくる。一挙両得を得ようとする船長に商魂たくましさを感じながらヴィクトルは銛を手に己の戦いを、少し面白おかしく誇張しながら語り始めたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

あーこれはあれだね
ほらあれだよ!あそこあそこ!そーそー覚えてる覚えてる…ううん?
いやほんとに覚えてるってば!

●対話
大丈夫?成仏する?(ぱぁああっと光って)
まだいい?そう!
いいかい?人は見た目が9割!もう人じゃないって?黙って!
外見より中身を見てくれってキミたち中身が骨じゃん!無じゃん!
船のなかを清潔にするくらいはしてるんだからさー
もっと身なりにも気を付けてみよう!
ある世界には死者の日のガイコツ祭りってのがあってさー
ガイコツをおしゃれにカラフルに装飾するんだよ
任せといてボクがうろ覚えの知識の通りに芸術的に仕上げてあげるよ!アーティスティックに!
あUCも使っておこう


「……え? あーうん、そうだよね。覚えてるよ、さっきも聞いたし、えっと……ナガマサくん! え? 違う? やだなあ、睨まないでって、冗談さ! ホントホント!」
 色々と世話になった上にまた面倒を押し付けてすまない、と挨拶をしにきたナガハマに一瞬誰だコイツ、みたいな目をしてから滔々と語りだしたロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は、ナガマサ――もといナガハマの不安そうな目に、胸をどんと叩いて自信に満ちた態度を取る。
「なんたって、神様であるボクがついてるんだよ! 悪霊なんてイチコロだよね!」
「イチコロじゃまずいんだって言ったよな!? いや、そういう奴だって分かっちゃいるけどよお!!」
 ナガハマは叫んだ。ノリで「一人くらい良いんじゃない?」と消し飛ばしてしまいそうだし、多分出来るのだろう自称神が返事の代わりにサムズアップをかましてきたので頭を抱える。
 なんだかんだでこっちの願いも汲んでくれるという過去からの信頼もあるにはあるが、何分破天荒な振る舞いに、幽霊船に乗り込んでいく背中を見つめてナガハマはこっそり様子を見守ることにしたようだった。

「大丈夫? 成仏する?」
「ぎゃぁああ!! 溶けるぅううう!!」
 ロニがボロ布を纏う船員に近づき、夜を裂くような光を発し始めると骸骨船員が苦しそうに床を転げ回り始めた。
「もー」
 ガタタ、と後ろでナガハマが立ち上がるのを感じてロニは腰に手を当て転がる船員に口を尖らせた。
「大袈裟! ちょっとチリっとするくらいでしょ!」
「だってだって、チリっとしたし……いきなりは酷ぇよ、坊っちゃん」
「いいかい? 人は見た目が9割なんだよ」
「俺ら骨なんで」
「黙って、光るよ?」
「すんません」
「船の中清潔にしてるんだから、キミ達もちゃんとした身なりをね」
「外見より中身で勝負ってのが海の男ってもんだぜ!」
「骨じゃん、中身、無じゃん」
「骨密度には自信あり!」
「光るよ?」
「すんません」
「なんで普通の服来てるのさ。肩とか腰骨に引っかかってるだけで、ビリビリのボロボロでホネチラし放題だよ?」
「いや、だって老廃物出ないし」
「ということでプロデュースするよ!」
「いえーい!」
 切り替えの速さが彼らの美点なのかもしれない。いや欠点なのかもしれない。

「ある世界に、死者の日のガイコツ祭りってのがあってさー」
「え?」
「ガイコツをおしゃれにカラフルに装飾するんだよ」
「え?」
 不穏な語り出しに、船員達はどうやら駄目な船に乗ってしまったことを早々に悟っていた。

「もう……お婿に行けない……」
 賑々しく飾り立てられた骸骨船員達は「クリスマス最中にやって来た台風のせいで色々ものが引っかかっている庭先の木」的な、人間には未だ理解できない遥か彼方の壊滅的な芸術性に満ちた風貌に改造されていた。
 所々に本格的な魔術的、呪術的、天体学的な配置が散りばめられているのだが、不幸にも最後の仕上げだけは強く拒絶されてしまい中途半端な出来栄えになってしまった、とロニは不服そうではあるが。
「……うん、なんだ……その……元気出せよ、見ようによっては、ほら、な……」
 とヨモツアミオリの住民に慰められていたので、彼らの橋渡しとしてロニなりに思慮を巡らせたのかもしれない。
「うーん……やっぱり二、三人バラして合体させた方がキマるって思わない?」
「やめてあげてください……」
「もー、分かったよ」
 そんな思慮はなかったらしい。
 ブルブルと恐怖に骨を震わせ始めた骸骨達を哀れんでか住民が頭を下げてきたので、ロニは大人しく、次元を隔てたようなインスピレーションを次の機会に回す事にして諦めるのだった。
大成功 🔵🔵🔵