【サポート優先】蝦夷地の道も拠点から
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●サムライエンパイア・12thラウンド
時は来たり。ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は満を持してグリモアベースに立っていた。
「皆さんはサムライエンパイアの『蝦夷地』をご存知でしょうか。江戸からずーっと北上して、海峡を越えた先にある島になるのですが、そこは南端部に松前藩が置かれているだけで、他は全く未知の土地だったんです」
松前藩が置かれているという事実さえ広くは知られていなかったはずで、以北は人が全く足を踏み入れることのない未開の地だった。形も大きさも分からない不気味な存在。遠方故に調査に乗り出しにくかったという事情もあろう。
「『だった』というのは、私達猟兵が調査に赴くようになったからですね。少しずつですが蝦夷地の実態が明らかになっています。ただ、蝦夷地は広大な土地で、まだまだ調査の手も足りていません。ということで蝦夷地へ入って色々な調査をしてみましょう、というのが今回の依頼になります! 厳しい冬が過ぎ去って、北の大地、蝦夷地と言えど春の訪れを感じます。頑張り次第で調査はどんどん進んでいくと思いますので張り切っていきましょう!」
蝦夷地の調査は長丁場が予想されるが、猟書家の侵略を思えば今更恐れることも無い。飽くなき挑戦にも猟兵達は前向きだ。
「それで調査についてですが、そもそも蝦夷地の調査は一日二日で終わるような話ではありません。行ったり来たりも大変ですから、ある程度の期間滞在して調査していくことが想定されますね。ですのでまずは拠点を作りましょう! 皆さんが調査をしながら、快適に体を休められる拠点です! 広めのキャンプ場みたいなのをどーんと作ってしまえば、そこを中心に調査範囲を広げていけます! 整地や寝泊まりする小屋の建設、食料や水の確保といったサバイバルな体験もきっとできると思いますよー。……ただし、皆さんに向かっていただくのはおそらくこの辺りになると思うのですが」
ロザリアは「ぐりもあのーと」に描いた蝦夷地の図を見せる。かつて知られていたよりは若干ながら輪郭が明らかになっているが、まだ序の口と言ったところ。そして既知と思われる領域と空白地の境目辺りに丸印がつけられており、ロザリアの指はその丸印を指し示していた。
「どうやらこの一帯は『毒臭眷族イワエトゥンナイ』なるオブリビオン達の縄張りになっているようです。どうやっても避けることはできませんので、拠点を作る傍らでイワエトゥンナイの掃討もお願いします! 皆さんのフロンティア精神に期待していますので! 立派な拠点を完成させましょう!」
沙雪海都
沙雪海都(さゆきかいと)です。
温めていたというほどのものでもないですが蝦夷地シナリオやっていこうと思います。
●フラグメント詳細
第1章:冒険『拠点作り』
物資をありったけ持ち込むという手段が利きそうな気もするんですが、拠点作るのとか楽しそうじゃないですか。
なので過ごしやすい場所を作っておきましょう。
第2章:集団戦『毒臭眷族イワエトゥンナイ』
蝦夷地っぽい敵らしいです。こいつらがいる限り拠点は死んでるも同然なので撃退しておきましょう。
拠点は綺麗なのが一番ですよほんと。
第1章 冒険
『拠点作り』
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POW : 地面を均す、邪魔なものを移動させるなどして土台作り
SPD : 火を起こし、水を確保するなどして生きるための基盤作り
WIZ : 木の実や山菜、川魚などの食料を探すなどして豊かな生活作り
👑7
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ミスティ・ストレルカ(サポート)
基本方針は専守防衛・他者フォローです
サポート故、連携重視のお任せ
知らない人にはどうにも気後れしてしまうけど
それでも他の人が怪我するのも嫌なので押すところは押すのですよ
主にサモン・シープ等攻撃系のUCで他者行動の隙を消す様に立ち回るのです
中遠距離をとり全体を掴む感じですね
防御系の技能で時間稼ぎも行けますので
生まれながらの光での前線維持、魔力性防御障壁の囮役も…ちょっと怖いけど
でもでも、みんなの居場所を守るのですよー
そうそう、えっちなのはいけないと思います。
興味がない…訳ではないですがひつじさんが怖い雰囲気纏って凄い勢いで止めにツッコんでくるのです
年齢制限がどうとか、らしいです
七星・桜華(サポート)
『天魔流免許皆伝、更なる高みへと!』
『一か八かの勝負?必要無いね!私達の勝ちだ!』
『後は派手に騒ぐんだ!誰も倒れないようにね!』
隠れ里に伝わる『天魔流』歴代最年少であり派生流派も含めての免許皆伝。
腰に挿している六振りの刀と扇子を使い戦闘する。
物理的な技術を異能のUCにまで昇華させた。
闘う姿は艶やかな舞踏が如く空中戦もできる。
第六感も鋭く見切るまでも早い。
先手後手問わず。
殺気や覇気を残像に残し分身と勘違いさせる事も。
常に最善を最短で気づき勝ってきた。
防御無視の内部破壊を当たり前に行う。
柔剛の技を扱い両立させる。
消耗を生命力吸収で補う。
優れた第六感で賭け事も強い。
家事も万能。
両親と妹も猟兵である。
ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
内容にもよるけど、行動指針となる確実な情報を得るのが有意義だと思うわ。
着替えるなり変装するなり色仕掛けなり、手段は状況に寄りけりかしら。
それとどんなときも落ち着いて行動ね。
あと、物証とか何かを集める必要があればうまく詰め込んで、
効率よく運びたいわね。
行動指針としては以下の3通りが主。
1.潜入・変装・誘惑等で確実な情報一つの入手を試みる
(または情報の裏を取る)
2.斥候・探索役として周囲を探り、情報収集を行う。
3.戦闘にて囮役または攻撃補助に徹する。
台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎
向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんけどぉ、だからと言って乱発すればいいってものでもないですよねぇ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談すればいいでしょうかぁ~?
けどぉ、非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
大丈夫ですよぉ~、手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
荒事以外の御用ならめいっぱい楽しんじゃいますよぉ~。
特に読み物なんかは好きですねぇ~。
※アドリブ・連携歓迎
●春の蝦夷地に
青葉萌ゆる森林と踏み均されていない凸凹の大地。何山と呼べばいいのかもわからないが、ミスティ・ストレルカ(白羽に願う・f10486)、七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)、ラムダ・ツァオ(影・f00001)、向・存(葭萌の幽鬼・f34837)の四人は名も無き山中にやってきていた。
サムライエンパイア、蝦夷地。未開の地にて、その全貌を明らかにするための足掛かり。第一歩である拠点作りを彼女達は担うことになった。
「拠点……まず、何から始めたらいいの?」
「とりあえず過ごせる場所といいますか……これじゃあ野宿の一つもできませんからねぇ~。木を少し切り倒すなどして、場所を広くしましょうかぁ~」
「それなら任せときな!」
「切った木は無駄なく使っておきたいわね。取り急ぎ……雨風凌げる小屋くらいは作っておきましょうか。木の加工は私がやるから」
桜華が携えるのは六振りの刀。そしてラムダは黒刃と白刃の二つをそれぞれ百二十本ずつ複製して念力で操作する。木の伐採、加工に於いて彼女達以上の適役はおそらくいないだろう。
「では、ミスティちゃんはわたしぃと一緒に、植物の蔓を集めたり、何か食べられそうなものを探しに行きましょうかぁ~。水も欲しいですねぇ~。生活のためには必要不可欠ですからぁ~」
「わかったのです。色んなものをいっぱい見つけてくるのですー」
役割分担が決まり、桜華とラムダはこの場に残って拠点となる土地の拡張、ミスティと存は付近の探索がてら、資源の確保に動くことになった。
「さて、どのくらい切っておくんだい?」
「四、五人が過ごせるくらいの小屋の予定だから……焚火スペースや調理台の設置なんかも考えると……」
ラムダは自らの足で確保すべきスペースの外枠をなぞるように歩く。円形に近く、多少人が増えても過ごせるくらいを考えて広めに設定した。
「ま、こんな範囲? この内側にある木をとりあえず切り倒す。その後の加工は私、あとはミスティさんと存さんが集めてくれたもので縛って組み上げるなりしておけば大丈夫ね」
「そうかい。なら派手にいくよ! 瞬閃光――!」
桜華は重心を落として力を溜めると、土煙を上げる勢いで飛び出して一振り、一薙ぎ。木の脇を抜けていく間に切断された木がめきめきと倒れてきて、ずしん、と地を震わせる。高速飛翔での抜刀術は固い樹木も豆腐のように斬り捨てて、桜華は稲妻の如く目的の樹木を全て切り倒してしまった。
「こんなもんでどうだい?」
「上出来よ。ここからは私が」
ラムダは都合二百四十本の刃を切り倒された木々の山に叩き込んでいく。葉を払い、枝を削ぎ、丸太状にしてそこからいくつもの柱を切り出す。乱舞する刃で舞い上がった枝葉は風に乗って一か所に堆積し、色の良い木材が傍らに積み上がっていった。
ラムダの作業も二百四十本の刃が動いているのだ。相当に速く、まだミスティと存が戻らぬ内に全ての木を加工し終えてしまう。
「あとは……少し地面でも均していましょうか? 続きの作業は二人が戻ってきてからになりそうだし」
「それがよさそうだね。さて、もう一頑張りだ」
道標をつけながら森林探索。植物の蔓は其処らに生えているものを適当に引っこ抜けばよかったが、食料と水の確保が難しい。
「持ち込み分はありますけど、せっかくの蝦夷地ですからねぇ~。現地の食材というのも、味わってみたいですねぇ~」
「食材……こういうところだと、きのことか……?」
「定番ですねぇ~、いいですよぉ~。ちゃんと食べられるきのこがあればいいんですけどぉ~……」
付近の樹木を一通り眺め回していたが、見つかるのは幹に絡みつく蔓ばかりで、とりあえず引き千切っては集めていくが。
「……おやぁ~?」
存がとある木の根元をまじまじと見つめている。ミスティも近寄って覗いてみると、何やら黒くてつるつるして真ん丸なものが固まって落ちている。
「これは……なんなのです?」
「もしかしたらぁ~……」
次に存は枝葉を見上げる。そこには枝葉の陰に隠れて、薄桃色で球形の果実が生っていた。
「やっぱり。これは種でしたねぇ~。で、種が落ちているのは鳥や他の動物があの実を食べたのでしょうから、あの実はきっと食べられますよぉ~」
「食べ物! 見つかったのですね!」
名も知らぬ、味も分からぬ果実。食べられると踏んで確保したいが、存は生憎、植物の蔓で手一杯。
「私が採るのです。任せてください」
ここでミスティが取り出したのはおばあちゃん印のロングスプーン。三メートルにまで伸長可能で用途不明だが、ここぞという時に役に立った。ミスティはスプーンを目一杯伸ばして枝に生っている果実を軽く小突く。すると果実はぽろっと外れて、存が抱える蔓の中にすとんと落ちた。
「いい感じですよぉ~。一人二個で、八個採ったら一旦帰りましょうかぁ~」
「わかったのですー」
ミスティはスプーンの届く範囲で、時折ちょっと背伸びしながら果実を落としていき、八個集まったところで二人は道標を辿り帰っていった。
ミスティと存が拠点へ戻ってきた頃には、辺りの樹木が材木と焚火の燃料に変わり、埋まっていた岩石が掘り返されてふかふかした地面になっていた。
「蔓はこれだけあれば足りるのではないでしょうかぁ~」
「果物っぽいのを見つけたのです。多分……食べられるのです!」
「ならそこの切り株のところにでも置いといてさ、まずは皆でぱぱっと小屋を組み立てとかない?」
「それがいいですかねぇ~」
小ぢんまりとしたテーブル、あるいは椅子代わりとして残してあった切り株の上に存は果実を並べ、短めの蔓でぐるりと一周囲って落下を防ぐ。残りは柱の固定用。地面に埋め込んだ土台の上に木材を一つずつ隙間なく組んでいき、徐々に高く、壁に囲まれた巨大な直方体の空間を作り上げていく。
「屋根を乗せるよ!」
天井の高さまで確保した後、地上で作っていた屋根部分を桜華が持ち上げ宙に飛んだ。ゆっくりと浮遊しながらずれの無いように小屋の上へ設置し、固定を確認して降りてくる。
「突貫にしてはなかなかじゃないか」
「簡素だけど、形にはなってるわね」
「でも、入るところが無いですよ?」
「それなら……」
小屋は四方を完全に木壁で囲まれた密閉空間。そこへ桜華が刀を縦に走らせ、幅に少し余裕を持った入口を切り出す。斬られて壁から分離した木材はそのままだとばらばらなので壁と同じ要領で繋いでいき、最後に蔓を使って蝶番と鍵を作れば扉の完成だ。
「できましたねぇ~」
一から住居となる小屋を作り上げたことに感動し、存はゆるゆるとした口調ながらもパチパチと手を叩く。
「ひとまずこの拠点の第一歩ってことで。あれこれ動いてたらお腹空いちゃったわ。さっきの果物? せっかくだし食べてみましょうか」
「そうです! きっと甘くて美味しいと思うのです」
「だといいですねぇ~」
小屋が住の第一歩なら、果実は食の第一歩。春の麗らかな日差しを浴びていたそれは、ミスティの願い通りに甘かった。
成功
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第2章 集団戦
『毒臭眷族イワエトゥンナイ』
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POW : 悪臭毒爪
攻撃が命中した対象に【鼻がもげそうな程の悪臭を放つ猛毒】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【臭いと気化した毒】による追加攻撃を与え続ける。
SPD : 悪臭毒進
【両翼から勢いよく毒液を噴出する事】によりレベル×100km/hで飛翔し、【肉体の質量】×【スピード】に比例した激突ダメージを与える。
WIZ : 悪臭毒翔
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【身体】から【鼻がもげそうな程の悪臭のする猛毒】を放つ。
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●開拓者、あるいは侵略者
縄張りに闖入者あり――蝦夷地に起きた異変は毒臭眷族イワエトゥンナイを目覚めさせていた。
我らが土地を何とするか。イワエトゥンナイ達にとっては猟兵達こそ世界の侵略者であり、排除すべき敵だ。その者達が集う場所を空中より発見したイワエトゥンナイ達は一度悟られることなく帰還して、戦力を揃えて再び現れる。
未開を未開のままにせん。悪臭が牙を剥いていた。
伊藤・毅(サポート)
『エネミータリホー、ドラゴン01、エンゲージ』
普段の口調は「真面目(自分、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、戦闘中は「無口(自分、呼び捨て、言い捨て)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、基本的に生身では戦闘を行いません。
空中戦をメインに戦い、航空爆撃や戦術偵察で地上の味方を助けます
依頼の達成を最優先とし、戦闘機パイロットとしての行動規範を根底に行動します
そのほか、キャラクターを壊しすぎない範囲でお願いします
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
メイリン・コスモロード(サポート)
『一緒に頑張りましょうね。』
人間の竜騎士×黒騎士の女の子です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「対人恐怖症(ワタシ、アナタ、デス、マス、デショウ、デスカ?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
人と話すのに慣れていなくて
「えっと……」とか「あの……」とか多様します。
戦闘ではドラゴンランスを使う事が多い。
その他、キャラの台詞はアドリブ等も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●毒竜討伐戦
まるで大気圏に飛び込んで突然発火する隕石のようだった。イワエトゥンナイの群れは拓けた拠点を猟兵の姿を認めるや、如何にも毒と言わんばかりの紫色の毒液を両翼から勢いよく噴射し、急激な速度で落下してくる。
「奴らは俺達に狙いを定めている! 小屋は絶対に壊させるな!」
「は――はいっ!」
アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)がイワエトゥンナイ達を誘導するように小屋を離れ、メイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)もそれに続く。蝦夷地調査の足掛かりとなる拠点に作られた小屋は今後多くの猟兵達の助けになるだろう。そして象徴でもある小屋の重要性を二人は正しく認識していた。
イワエトゥンナイ達は地上スレスレまで下りながらも接地することなく飛翔し、毒液の弾丸となって飛び込んでくる。
「力というものは――」
その体躯は骨ばっていて質量はあまり感じられないが速度の倍率が大きく響きそうで、フォースセイバーとブルーブラスター、その二つを以ってしてどうか、というのがアスの直感だった。
「――こういうときに使うんだろう!?」
左手のブルーブラスターより熱線ビームを連射し、同時に射程を三倍化したフォースセイバーを右から薙ぎ払う。迫り来るイワエトゥンナイ達を一気に斬り飛ばす算段。しかしイワエトゥンナイ達も速度を活かした破壊力を以って突撃を敢行しており、両者の衝突から毒液色の火花が散った。
「退けぬのは……こちらも同じだ!」
どちらがより我を押し通して相手を屈服させるか。片や、刃と拮抗してくるイワエトゥンナイに熱線ビームをひたすら連射し、毒液の突撃が到達する前に。片や、刃に耐えきれば毒液の突撃を見舞うことができる。
決着の瞬間は唐突であった。熱線ビームがイワエトゥンナイの翼の根元を焼いてバランスを崩す。それで一瞬勢いに流されたイワエトゥンナイを刃が一閃、胴体を真っ二つに断ちきると勢いそのまま他のイワエトゥンナイ達も巻き込んで首を飛ばした。
「メイリン! そっちはどうだ!?」
「こっち……は……」
メイリンはイワエトゥンナイの突撃に対し、見て躱す――否、そうなると「視えて」いるから、前後左右の軸ずらしで突撃の体躯を紙一重で躱し続ける。
イワエトゥンナイが何体も交錯してくるのを、ぎりぎりまで引き付けてその間合いより逃れる動きはダメージを免れてはいるものの、イワエトゥンナイ達の数は増すばかりでいずれは破綻する。
だがメイリンには視えている。それはイワエトゥンナイの動きばかりではない。ジェット音を轟かせて空に現れたJSFライトニング。搭乗者は猟兵、伊藤・毅(Nemo・f06702)。拠点防衛任務に就く二人の仲間だ。
メイリンが多くのイワエトゥンナイを引き付けていたお陰で上空にはイワエトゥンナイの一団が出来上がっている。地上からは脅威だが空中爆撃戦を仕掛けようとしている毅にとっては格好の標的。メイリン、そしてアスとは完全な別行動の毅だが、思うところは変わらず、敵を前に確固たる信念を持って臨む。
イワエトゥンナイは翼竜のようであるが、朽ちたゾンビのようなスカスカの体で超高速の飛翔を繰り返す。追う毅がそれを一点に狙うことは困難で、毅はコクピットに数あるスイッチから複合センサーシステムのレーダー機能、レーダーホーミングミサイルの発射スイッチを続け様に押した。
照準合わせ。イワエトゥンナイ達は突如として現れた空の脅威に注意を払ってはいたが依然としてメイリンを優先して地上へ向かおうとする。メイリンは身構えこそしていたがじっとその時を待つばかり。
視えている。十秒の内にミサイルが発射され、それは高速落下するイワエトゥンナイ達を追尾する。どちらが速いか――イワエトゥンナイ達が地上付近で急転回するより早くミサイルが背を捉えて赤黒の爆発が轟いた。メイリンは爆風から身を守るべく体を遮った腕越しに爆発を捉えており、そこに視ていた未来の成就を確信する。
これでイワエトゥンナイ達はいよいよ毅をも滅ぼすべき敵と認識せざるを得ない。猟兵達とイワエトゥンナイの衝突は熾烈な様相を呈するのだった。
成功
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深影・アシッドドロップ(サポート)
貴種ヴァンパイアの霊媒士×妖剣士、12歳の女です。
普段の口調は「とても冷めてる(わし、呼び捨て、言い捨て)
家族には 冷たい(わし、貴様、言い捨て)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『貴方はどんな血を流すのかしら』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。お嬢様口調だけどアグレッシブで享楽的
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】
槍を使うことがあれば、相手を【串刺し】にします
その他使えそうな技能があれば適宜使用する感じで
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します
あと、虫が苦手
月詠・莉愛(サポート)
『あの……宜しくお願いしますね。』
オラトリオのシンフォニア×聖者の女の子です。
普段の口調は「丁寧口調(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
独り言は「普通かな(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
大人しくて口数が少ないですけど、心優しく
動物や植物などの自然が好きな少女。
争い事は苦手ですけど、依頼の成功の為なら戦う事も厭わないです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
七星・彩華(サポート)
羅刹の呪詛すらも従える剣士。
『呪詛で溢れた戦場は私の舞台さ!』
口調は我が道を行く姐さん、仲間にはフレンドリー。
支配する呪詛も武器として扱う戦闘狂だが、かなりの頭脳派。
武器は魔剣・妖刀とは似ても似つかぬ呪詛刀
戦闘狂だが考えた戦術や戦闘の流れが上手くハマる方が感情が溢れ出る。
闘う事を至高と考える一方で守る者や仲間との共闘も戦闘の重要な要因と考えている。
行動は天上天下唯我独尊を貫く。
猟兵の夫と二人の娘がいる家族4人共が猟兵。
ユーベルコードは指定した物を怪我は厭わず行動します。
迷惑をかける行為はしません。
依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
あとはお任せ。よろしくお願いします!
チェリオ・ヴィルキッド(サポート)
『チェリオにお任せください!』
『真っ正面からどーんと立ち会います!』
『皆さん、頑張りましょう!』
蒼白狐火の桜精
魔王志望なデビキン地方領主
召喚士系ドラゴンナイト
口調は(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
驚いたり油断すると敬語が抜けちゃいます
戦闘時は身の丈よりデカいドラゴン・ランスで頑健な前衛として、ドラゴンに騎乗して勇ましく戦います
UCはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵さんに迷惑をかける行為はしません
依頼成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
領民の皆さんに恥ずかしい真似は見せられませんからね!
他、不明点はお任せです
宜しくお願いします!
●何れも毒を制する力
空が俄かに紫黒に染まる。蝦夷地とは異界の趣も無いわけではないが、それにしても不自然極まりない空模様。空を制圧しているイワエトゥンナイの軍勢は骨格だけの翼を羽ばたかせて陣形を作り、その体より紫黒の猛毒を噴出していた。
彼らが襲わんとしているのは猟兵達が蝦夷地調査を目的として新たに作り上げた拠点だ。森林を一部開拓し、地面を均し、切り倒した樹木を加工して小屋を作り上げた。
「奴らにとってはわしらこそ侵略者――しかしな、それ以前に猟兵とオブリビオンは相容れん。滅ぼす者同士が刃を交え、どちらかが滅ぶ……それだけに過ぎんか」
「難しくお考えなさいますわね。相手はオブリビオン、わたくし達の未来を阻む者。よって倒す――ロジックはこれだけで十分ですわよ」
「そうかもしれんな。……ま、ここに立つ以上は役目を果たそうぞ」
状況を俯瞰する深影・アシッドドロップ(影に立つ狂信者・f36021)と、猟兵とオブリビオンの究極的な在り方を示した中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)、もといシルヴァーナはそれぞれ短剣とナイフを手にする。遥か上空の敵軍、そう遠くなく攻め込んでくることはわかっている。
「皆さんの努力を無駄にしないためにも……必ずや、敵を退けましょう」
「当然さ。子を守るのが親の役目――それはいつだって変わりゃしないよ」
「真正面からどーんとぶつかって、絶対に勝利をもぎ取りましょう!」
静かなる闘志。月詠・莉愛(銀の月を謳う・f16320)は空中戦にも備えて月光の聖銃を選択していた。空の邪悪とは対極にある浄化の力。蝦夷地の空を、ひいては世界を取り戻すとの思いの表れだ。
七星・彩華(狂い咲く戦場の華・f32940)にとっては娘の一大事ではあるものの、その娘は猟兵であり成人もしている。親が出張る年齢はとうに過ぎているが親子という関係は永遠に変わることはなく、ふと寄ったグリモアベースに依頼参加の呼びかけがあったことは何かの縁と見て蝦夷地に立った。莉愛とは異なり、業物に湛える呪詛は空を染める毒に近い。
チェリオ・ヴィルキッド(桜花爛漫・f36842)はつい先日猟兵としての依頼デビューを果たしたばかりで、それは戦いの前哨戦とも言うべき冒険の類だった。仲間達と協力して事を成し遂げる――要領は少し掴んでいるか。しかしオブリビオンとの戦闘となると勝手が違ってくることだろう。威勢よく意気込むチェリオの活躍がこの戦いの結末を左右することになるかもしれない。
「――来ますわよ」
五人も陣を整える。アシッドドロップとシルヴァーナが最前衛、後ろにチェリオ、更に後ろを莉愛と彩華が守るという、賽の目の五の形をしたような布陣だった。猛毒を噴射し襲い掛かってくるイワエトゥンナイの軍勢で空は紫黒の闇に染められた。
「うっ……」
「あの毒は在るだけで災いとなるか――!」
猛毒は五人に過酷を強いる。戦いに慣れていないチェリオは撒き散らされてくる猛毒が放つ激烈な悪臭に思わず呻いて顔を伏せていた。最前衛を務めるアシッドドロップとシルヴァーナにとっても厄介な代物。
「猛毒は私らで全て吹き飛ばす! 莉愛! 準備はいいかい!?」
「はい!」
派手な空中戦の幕開けだ。彩華が周囲に展開した漆黒の呪詛の矢は五百八十本。毒の飛沫の一粒さえ打ち払おうと装填された矢が号令も無く、ただ彩華が念じた意志のみで空に斉射されるのに合わせて莉愛は飛翔する月光の剣を召喚していた。こちらは千百九十本と空の一切を斬り捨てる数であり、猛毒は当然のことながら、その大本となるイワエトゥンナイの軍勢も視野に入れている。
降り注いでくる猛毒を矢が穿ち、紫黒の闇に斑の穴が開いた。蛇の道は蛇、呪詛が猛毒を喰らっている。そして月光、空に閃き猛毒を斬り裂いていく。実体、非実体を問わない剣閃が矢群と複雑に絡み合いながら猛毒を散らし、微粒子として存在することすら許さない。
有り余る矢と剣はそのままイワエトゥンナイの軍勢に向かっていた。イワエトゥンナイからすれば強襲であるが、猛毒で太刀打ちできないのであればイワエトゥンナイにも強襲の選択肢しかなく、矢に狙われ月光の刃が背に迫るのを感じながら地上の猟兵達へ決死の突撃を放っていた。
道中とて容易な道ではなく、やはり矢と刃に晒されてイワエトゥンナイ達は胴に穴が開き翼を断たれた。墜落していく者達は滅多斬りの追撃に遭って遺体すら落ちてこない。
「生き残る者もあるか――ならば」
アシッドドロップは縛られた霊魂、地縛霊をその身に取り込み断末魔の瞳に目覚める。その横で不気味なオーラを迸らせたシルヴァーナの変貌にチェリオはびくりと身を竦ませた。
「よく見ると良い色をしていますわねえ、餌食にし甲斐がありますわ」
シルヴァーナの殺戮本能が目覚める。効果は二分。しかしそれだけあれば大立ち回りの一つや二つは軽くできよう。自らの巨体を砲弾として突っ込んできたイワエトゥンナイ達、その落下点に入るアシッドドロップとシルヴァーナの動き出しが早い。
チェリオが身の丈に勝るドラゴンランスを突撃兵の如く正面に構えてアシッドドロップとシルヴァーナの後を追う。そこはもう戦場であり、翼を畳んで鋭利さを増したイワエトゥンナイの頭突きにアシッドドロップは紅と蒼の双剣で対応、交差させ受け止め互いに弾けて後退る一歩を渾身の力で踏み止まると、前傾姿勢で突っ込んで二刃、連続の左右薙ぎ払いで頭と胴を分割した。
傍ら、同じく巨大針如き体躯から繰り出される体当たりにシルヴァーナは動かない。ただ待ち受けるだけであり、ついに突き刺さる――が手応えなくシルヴァーナは掻き消えてしまう。
「わたくしから逃げられるとでも思いまして?」
音無く、気配無く、残像を囮として、飛翔するイワエトゥンナイの一瞬の背後を取る。暗殺者の所業であり、裏側からナイフが軽やかに飛んでイワエトゥンナイの頭は高々刎ね飛んだ。
何れも強者――ならばとイワエトゥンナイ達が目をつけたのがチェリオという存在だ。彼らは本能的に、チェリオが最も付け入る隙のある存在と認識したのだろう。僅かに軌道修正してチェリオに猛毒の巨体が降る。
「やられるわけには……いきません!」
窮地にあっても諦めない。猟兵の心構えの基本と何処かで聞いたような気がする。自らを叱咤するように叫びながら、ドラゴンランスを全身で薙ぎ払ってイワエトゥンナイ達と真っ向勝負。薙ぎで放たれた穂は連続的にがつがつとイワエトゥンナイ達のくちばしに命中し、チェリオ自身は回転の反動で跳ぶことで突進を紙一重逃れたが撃破には至らない。
イワエトゥンナイ達は若干ふらつきながら宙に反転して再突進を敢行しようとしていたが、その一呼吸が彼らの隙だった。猟兵はチェリオだけではない。月の魔力を帯びて放たれた光線がいくらか嵩張った胴体の中央を貫き、次いで突き刺さった矢の呪詛がイワエトゥンナイ達を宙に縛り付ける。
「舞台は整ったね! 派手にやっちまいな!」
「わかりました!」
チェリオは莉愛と彩華の支援を受けて、ドラゴンランスをドラゴンに戻して騎乗した。チェリオを背に乗せてほとんど垂直に舞い上がるドラゴンはイワエトゥンナイ達の上部を取った後に再び槍の姿へ戻り、チェリオの両手に収まる。
「やあああっっ!!」
大地を割るかの勢いでチェリオは槍をイワエトゥンナイ達の脳天に突き下ろした。縦に三連で並んだイワエトゥンナイ達への渾身の一撃。ぎょろりとした紫色の眼球を抉り出すように刺さった槍は確実にイワエトゥンナイ達を仕留めて、チェリオはすたりと着地する。どろどろと溶けていったイワエトゥンナイ達の体は最後に月光の剣で微塵切りにされて消滅した。
それきり悪臭はやってこない。数多の矢と剣が消えて、静まり返る拠点を襲う者は無し。
「全て片付いたようですわね。それでは、心置きなく……」
力の代償。眠りにつくシルヴァーナの体をアシッドドロップが支えるが、身長差があるために足を引き摺る格好となっている。
「帰るとするか。このまま子守は勘弁なのでな」
五人は生まれたての拠点を去っていく。次にここを訪れる時にはどのような姿になっているのか。それは縁の神様の気分次第だ。
成功
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