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純粋無垢な狂気の果て

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #シャドウキマイラ #キマイラ #心情依頼 #戦闘依頼

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●シャドウパラダイス
 とあるレジャー施設の最奥の部屋に彼はいた。彼は自身が改造したジョン・ドゥ・キャットたちに微笑みかける。
「君たちはキマイラが憎いのだろう?」
 影法師姿となってしまったキャットたちは毛を逆立たせてこちらをにらんでくる。
 彼はそれを意に介さず話を続けた。
「キマイラをここに連れてきてくれれば、私が彼らを君たちと同じ怪人に改造してあげるよ。君たちは怪人になってしまったのに、同じ動物の特徴を持ちながら彼らは生きているなんて不公平だからね」
「お前だって、元はキマイラだろ!」
 そうだそうだとキャットたちが声を上げる。
 彼はそれにうなずいて白衣の下から猫の尾を出して見せた。
「確かに私は猫のキマイラだ。けれどそれは生前の話。私はキマイラに殺されたんだ。生きていれば、もっと多くの人を救うことができたのに……。だから私も君たちと同じで、キマイラが憎いんだよ」
 最後の言葉は嘘だった。死を体験できたのは稀有なことだ。自分を殺した娘に対してむしろ興味が湧いた程である。
 しかしキャットたちはそれに気づかず態度を軟化させた。
「……本当にあいつらを怪人にしてくれるのか?」
「ああ。約束するよ」
「わかった、連れてきてやるよ」
 これでキマイラを改造することができる。実験を重ねればいずれ新人類を生み出すこともできるかもしれない。今の技術では治すことができない傷病を治すことができるようになるかもしれない。果てはキマイラという種族が自然に発生したものか人工的に生み出されたものかの答えも解せるかもしれない。
 そう思った彼は一人子どものように無邪気に笑った。

●グリモアベースにて
「……なんで、わたしが……」
 ヘザー・デストリュクシオン(白猫兎の破壊者・f16748)はひどく苦し気に呟いた。しかし集まった猟兵たちに気が付くとため息を吐き無表情で説明を始める。
「キマイラフューチャーでシャドウパラダイスとかいうレジャーしせつにキマイラをさらって、怪人にかいぞーしようとしてるオブリビオンがいるの。まずはかげほうし怪人になったジョン・ドゥ・キャットを壊すの」
 それは普通のジョン・ドゥ・キャットと違い全身が真っ黒で影法師のような姿に改造されているようだ。しかしキマイラの姿を真似ることができるだけで戦闘能力に変わりはない。
「キャットたちを壊せば、かいぞーしようとしてるボスと壊しあうことになるの。猟書家のキング・ブレインに協力してるってことになってるけど、ただ自分がやりたいことやってるだけなの。いい人っぽくしてるかもしれないけど、頭おかしい人だからゆだんせずしっかり殺してきて」
 生前は名医であり天才学者ともてはやされていた猫のキマイラだった男だ。お人好しな仮面を被り自身の娘に虐待を加え非人道的な実験を繰り返していた。
 オブリビオンとなった彼は猟兵たちのトラウマを呼び起こすような攻撃や身体的な弱点を狙って攻撃してくる。トラウマを乗り越え冷静に敵に対処する必要があるだろう。
「キマイラが何人かもう捕まってるけど、かいぞーはまだされてない。助けたいなら、早く行ったほうがいいの。わたしは、あの男を殺してくれればそれでいいの。おねがい」
 そう言うとヘザーは珍しく頭を下げたのだった。


彌厘
 キマイラフューチャーの(一応)猟書家シナリオで、2章で完結します。
 プレイングボーナスは『キマイラに応援される(ちなみに戦力はゼロです)』ですが、なくても構いません。
 心情寄りの戦闘シナリオになります。2章ではトラウマを呼び起こされるので、トラウマの内容をプレイングにご記載ください。
 プレイング受付は断章投稿後からになります。締め切りはタグとマスターページ冒頭でお知らせしますのでご確認お願いします。
 それでは、素敵なプレイングお待ちしています!
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第1章 集団戦 『ジョン・ドゥ・キャット』

POW   :    キャスパリーグの災禍
【凶事を呼び込む巨大な怪猫】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ボイオティアの眼
【額に、全てを見透かす大山猫の目を開眼して】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ウルタールの猫葬列
【殺されて死んだ、無残な姿の猫たち】の霊を召喚する。これは【爪】や【牙】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 レジャー施設の最奥の部屋へと連れてこられたキマイラたちはそこにいた白衣の男を見て目を見開いた。
「トゥジュルクラルテ先生?! あなたはもう死んだはず……!」
「まさか、怪人なの?!」
 しかし時すでに遅し。逃げ出そうとした彼らは影法師怪人であるジョン・ドゥ・キャットたちにあっという間に拘束された。その中から犬キマイラの男性が手術台に縛り付けられる。
「先生! なんでこんな事を?!」
 白衣の男は人のよさそうな微笑みを浮かべた。
「発展のためには、犠牲が必要不可欠なんですよ」
 そう言いながら犬キマイラに痛覚をマヒさせる麻酔を打つ。そして腹部を切り開こうとメスを皮膚に当てた。
 まさにその時猟兵たちがそこに転送されたのだった。
ジミー・モーヴ
くっ…
頭が正しくて実際聖人な俺にとっては想像もつかない天敵ってわけか…(

「ひかえいひかえい! ひかえおろう! このおれおどなたと心得る!」
「おれさまが犬好きと知っての狼藉……何かゆるさんゾ!」

などと茶番しつつキマイラらの位置確認。

フラッシュバンは部屋の状況見て差し支えなきゃ使うが
とりあえずショットガンぶっぱするかね。
ソードオフ(絞りがない)は弾ばらけやすいが、巻き込まないよう留意。

「俺……この一撃がぬこ怪人に当たったら、手術受けるよ」
「なんだか勇気が湧いてくる、そんな気がするんだ……」

で、普通に外したりしながら死亡フラグ立てて遊ぶ。
保護より牽制と制圧優先で動くが、いけそうならキマイラ逃がすか。


鹿村・トーゴ
…ヘザーはグリモア猟兵って言う以前に知り合いだ
ああいう暗い顔を見たのは随分前だが……
いや
今は目の前の事に集中しよ

転送直後に【念動力】で一般キマイラに刺さりそうな刃物を跳ね上げそれをキャット達へ【投擲】
オブリビオンにこの程度は虚仮脅しにしかならねーのは承知
刃物に自分のクナイと手裏剣も混ぜ込み敵を【追跡】し【串刺し】
一般キマイラ達にはむやみに動くなよ、と念を押すが動揺してる者には【催眠術】も使いキャットの標的になるのを防ぐ

>敵UC
【野生の勘/軽業/スライディング】活用し【毒使い】で櫛羅とクナイで刺し被弾覚悟の【激痛耐性】で【カウンター/暗殺】攻撃しつつ目を引き
UCの蜂たちを仕向け挟み撃ち

アドリブ可



●死亡フラグと見えない蜂
 鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は転送されてすぐに周囲の状況を確認。犬キマイラが腹部を切り裂かれようとしている所が目に入った。
「オブリビオンにこの程度はこけおどしにしかならねーのは百も承知だけどよ」
 念動力でメスを跳ね上げ手近にいたキャットに一直線に飛ばす。
「ぎにゃあ!」
 不意を突かれたキャットはそれを肩に受け捕まえていたキマイラを逃がしてしまう。
「ひかえいひかえい! ひかえおろう! この俺をどなたと心得る!」
 ジミー・モーヴ(人間の脇役の泥棒・f34571)はそう声を張り上げながら手負いのキャットに至近距離からマスターキー(ソードオフ・ショットガン)の弾を撃ち込んだ。
「邪魔をするな猟兵!」
「猟兵たちが助けに来てくれたぞ!」
 キャットたちが毛を逆立たせて殺気立つ。
 そしてキマイラたちはヒーローが現れたとはやし立てた。
「猟兵」
 白衣の男が金色の猫の目でこちらを見ていた。
(「――猫」)
 グリモア猟兵も同じ目を持つキマイラだ。トーゴは彼女と同じ旅団に所属する仲間である。
(「ああいう暗い顔を見たのはずいぶん前だが……。いや、今は目の前の事に集中しよ」)
 かぶりを振って白衣の男を注視する。
 男は誰にともなく言う。
「その人智を超えた力を研究できれば、新たな人類を生み出すことも可能かもしれない。実に興味深い」
 そう言いながらも新たなメスを取り出し手術台の前へと戻った。そこには相も変わらず犬キマイラが縛り付けられている。
「しかし、まずはこちらだ」
 目の前に猟兵という敵がいるにもかかわらず改造手術を行うつもりらしい。
「おいおいおい! ホントに頭がおかしい奴だな! 頭が正しくて実際聖人な俺にとっては想像もつかない天敵ってわけか……」
「そんなこと言ってる場合か!? 早くしねーと、本当にあの犬キマイラが怪人にされちまうぞ」
「おれさまが犬好きと知っての狼藉……何かゆるさんゾ!」
 トーゴが魚のヒレを指輪状に加工した暗器『櫛羅』で敵に踊りかかる。
 それを見たジミーも早々に茶番を切り上げた。室内にはキマイラたちもいるためフラッシュバンは使えないと判断。ショットガンの弾が誤って彼らに当たらないようにキャットに走り寄る。
「俺……この一撃がぬこ怪人に当たったら、手術受けるよ」
 死亡フラグ漂うセリフを吐きながらショットガンの引き金を引く。
 額に大山猫の目を開眼させたキャットはそれを予想し回避のために右に跳ぶ。しかしそちらは壁だ。
「運が悪かったみたいだな」
 ジミーはユーベルコードを発動していた。先程のセリフで敵の思考のコントロールと運気を奪ったのだ。
 運悪く壁にぶつかったキャットはショットガンの弾を受け骸の海へと還った。
「よくもやったな猟兵!」
 仲間がやられたと見るや巨大化して超攻撃力と超耐久力を得たキャット。
「動くなよ」
 トーゴはキマイラたちにそう言うと軽業師のような身のこなしで怪猫の目を引いた。
 理性を失くした怪猫はトーゴの喉笛を噛みちぎろうと迫る。
 急所への攻撃を本能的に回避しながら毒を塗ったクナイを猫の目へと放つ。さらに。
「出番だぜ、七針」
 見えない七匹の大型蜂が反対の目に突撃。その尻にある大きな針で眼球を串刺しにした。
「ぎにゃあああ!」
 怪猫もまた骸の海へと還っていく。
 しかし影法師怪人となったキャットはまだまだいる。捕まっているキマイラすべてを救うにはもっと手が必要だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御形・菘
はーっはっはっは! 妾、推っ参!
キマフュで悪事を、しかもガチめのをしでかそうとする気概、いや~実に素晴らしい!
だが…分かるであろう? それを達成するには、キマフュの真の支配者である妾に! 打ち勝つ必要があることを!
とまあ大声で名乗りを上げて注意を引きつけよう
皆は当然、妾のことを知っている! 応援でアガってパワーアップすることもな!

霊の召喚とはまた悪辣だのう
しかしその程度の邪念で臆するとか思われてたら悲しい!
全力で殺気を籠めた、邪神の一喝で消し飛ぶがよい! きしゃー!

そして、そのまま一気に距離を詰める!
キマイラ憎しというのなら、気合いで耐えてみせるがよい! 絶対の怨敵である妾の、左腕の一撃をな!



●(自称)邪神の一喝
 そこに現れたのは御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)だった。
「はーっはっはっは! 妾、推っ参! キマフュで悪事を、しかもガチめのをしでかそうとする気概、いやー実に素晴らしい! だが……分かるであろう? それを達成するには、キマフュの真の支配者である妾に! 打ち勝つ必要があることを!」
 菘が大声で名乗りを上げればキャットたちは怪訝な表情になる。
「何言ってんだ? あの爬虫類キマイラ」
 少年キマイラが彼女を指さし瞳を輝かせた。
「あ! 邪神って設定で動画配信してる猟兵だ!」
「せ、設定ではない! 妾は蛇神にして邪神である!」
「がんばれー! じゃしんさまー!」
「うむ!」
 菘は子どもたちの声援に手を振って応じた。
 それを見たキャットは憎々し気に吠える。
「キマイラは全員死ねぇ!」
 すると殺害され無残な姿となった猫たちの霊が召喚された。霊は菘に向かって一直線に向かっていく。
「はーっはっはっは! 霊の召喚とはまた悪辣だのう。しかしその程度の邪念で臆するとか思われてたら、妾は悲しいぞ! キシャー!」
 その大声にはユーベルコードと覇気が込められていた。
 彼女の一喝により猫の霊たちは菘に届く前に霧散する。
 その隙に彼女はキャットに近づいた。
「キマイラ憎しというのなら、気合いで耐えてみせるがよい!」
 そう言いながら爬虫類の硬い鱗に覆われた左の拳を見舞う。
「がっ……!」
 攻撃をまともに食らったキャットは地に伏し骸の海へと還っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セプリオギナ・ユーラス
(ころころころころ)
医学の発展に犠牲がつきもの、ということ自体を完全に否定は致しませんが──そのやり方には感心致しませんね。
さ、お退き下さい。わたくし、今回のことには少々思うところがございます。とても……ええ。とても、個人的な理由でございますが。
(グリモアベースで、猫眼の彼女はどんな顔でこちらを見ていただろうか、或いは意識に挙げてすらいなかっただろうか──などとどうでもいいことを考えながら)(相手がオブリビオンであろうと亡霊でもやるべきことはいつも通り)(ただ救い、ただ殺す。それだけだ)

方針)
救出を最優先に、UCで呼び出したスタッフを散開させる
邪魔が入るようであれば紛れた本体◆正六面体自身が殺戮刃物や医療器具などを投擲したりして攻撃を行い、他の猟兵がいるようであればそれなりに協力する



●医者として
 ころころ。
 セプリオギナ・ユーラス(賽は投げられた・f25430)が漆黒の正六面体の姿で転がり出る。それと同時にユーベルコードでセプリオギナと全く同じ正六面体姿の医療スタッフを百七体召喚。彼らを散開させて捕らえられていたキマイラたちの救護に当たらせた。そして彼自身はころりと白衣の男に向き直る。
「医学の発展に犠牲がつきもの、ということ自体を完全に否定は致しませんが──そのやり方には感心致しませんね」
 体をぐにゃりと変形させるとポータブルERから取り出したメスを迫ってくるキャットに投げつける。それはキャットの腕を切り裂きその背後で改造手術を行おうとしていた男の握るメスに当たり弾き飛ばした。
「ほう。私のやり方の何に感心しないのかな?」
 ブラックタールが珍しいのだろう。メスが弾き飛ばされた事は全く気にせず男はセプリオギナを興味深そうに眺めながら言った。
 怯んだキャットに殺戮刃物で止めを刺して再び男にことりと向き直る。金色の猫の目がこちらを観察していた。
(「グリモアベースで、猫眼の彼女は複雑な顔でこちらを見ていた。怒りと困惑と恐怖と、そして救いを求めるような」)
 そんな事を考えながらセプリオギナは返答する。
「医療行為は相手の同意を得て行うべきことでございます。それ以前に、その犬キマイラの方に治療を行うべき点は見受けられません。同意のない健康な方に行うべき行為ではないかと」
「怪人になればやすやすと死ぬことがない体になれるというのに?」
「先程も申し上げました通り、本人が望まぬことを行うべきではございません」
 それが医者としての彼の意見であった。しかし他にもセプリオギナがこの場に赴いた理由がある。
「それにわたくし、今回のことには少々思うところがございます。とても……ええ。とても、個人的な理由でございますが」
「個人的な理由? それは気にならなくもないが……」
 金の瞳がセプリオギナから離れていく。
 彼らが話している間に他の猟兵たちによってキャットが一体残らず倒されていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『医学者『サン・トゥジュルクラルテ』』

POW   :    「観察させてもらう」
攻撃が命中した対象に【メスにより薬物】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【トラウマを呼び起こす幻覚の精神ダメージ】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    「お前に興味はない」
【急所を狙ったメスと猫の爪】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    「私の邪魔などしないだろう?」
対象への質問と共に、【対象の記憶】から【トラウマを模したオブリビオン】を召喚する。満足な答えを得るまで、トラウマを模したオブリビオンは対象を【物理攻撃と行動・思考を封じる呪詛】で攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ヘザー・デストリュクシオンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 キャットが倒されたおかげで手術台に縛り付けられた犬キマイラ以外のキマイラたちが解放された状況を白衣の男は見た。そして興味深げにため息を吐く。
「意外だったな。君たちのようないわゆる『善人』は、キャットたちのような『可哀想な者』に対してもっと躊躇したり手加減するものだと思ったのだが……。やはり人の情というものは私には理解できないようだ」
 残念そうに自身の猫の目を閉じそして開く。すると先程までの柔和で人好きのする雰囲気は消えていた。そこにいたのは別人のように何の感情も読み取れない男だった。
「不要だと思うが、一応名乗っておこう。私はサン・トゥジュルクラルテ。ただの医者で学者だ。猟兵に興味はあるが、邪魔をするのであれば殺した後で解剖させてもらうことにする」
 その男――サンがそう言うと手術台の影から黒い物体がボコリと出てくる。それは不気味にうごめくと形を変えて猟兵それぞれのトラウマを表すものへとなった。
 どうやらトラウマを目にしながら戦わねばならないようだ。相手は医者であるため生物の急所を熟知している。その上猫の身体能力も有している。戦闘慣れしてないからと油断して掛かれば苦戦は避けられないだろう。しかもこちらはトラウマを目にしながら戦うのだから気をしっかり持たなければ注意散漫になる可能性が高い。
 覚悟の決まった猟兵たちはサン・トゥジュルクラルテと自身のトラウマに向き直った。
御形・菘
なるほど、やっぱり…醜い私を見て、見ず知らずの人たちが投げかける怯えの声が、恐れの眼差しが、今でもトラウマとして出てくるのね

…はーっはっはっは! なるほど確かにクリティカル!
これ以上の痛みなど何処にも存在せん!
右手を上げ、指を鳴らし、スクリーン! カモン!
だがのう、そこで折れず諦めず、生み出して掴み取った! 妾を支える賞賛と喝采をな!

此度お主と話すことなど一切ない、勝手に下らん自分語りを続けていろ!
どうせ喋れるのは頭をブッ飛ばされる数瞬先までだ!

…な~んてな? お主は賢き強者だがバトル巧者ではないよ
冷静さを失った演技など分かるまい?
ガードを上げてガラ空きのボディに、全力の左腕の一撃をブチ込む!



●痛み分け
  御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)の前に現れたのは見知らぬ人々の影だった。
(「なるほど、やっぱり……醜い私を見て、見ず知らずの人たちが投げかける怯えの声が、恐れの眼差しが、今でもトラウマとして出てくるのね」)
 菘は息を詰まらせる。けれどもそれは一瞬のことだった。
「……はーっはっはっは! なるほど確かにクリティカル! これ以上の痛みなどどこにも存在せん!」
 いつものように鷹揚に笑い右手を頭上に掲げて指を鳴らす。するとユーベルコードの力で彼女の背後に宙に浮かぶ無数のディスプレイが現れる。
 そこには菘の生配信を見守る視聴者たちの姿が映し出されていた。皆彼女の一挙手一投足に期待し応援している。それが菘の装備をパワーアップさせた。
「だがのう、そこで折れず諦めず、生み出して掴み取った! 妾を支える賞賛と喝采をな!」
 トラウマが全く怖くないと言えば嘘になる。けれども今こんなにも多くの人が自分を応援してくれているのだ。それに応えないなど配信者の名が廃る。
 それを見たサンは顔色一つ変えずに言う。
「私の邪魔をするという意味か?」
「当たり前であろう? 此度お主と話すことなど一切ない、勝手に下らん自分語りを続けていろ! どうせ喋れるのは頭をブッ飛ばされる数瞬先までだ!」
 菘は激怒しているふりをしながら言うと爬虫類の鱗に覆われた左手を握りしめる。そして敵に肉薄して頭――と見せかけて腹に向かって拳を突き出す。これで相手は頭を守ろうとして体が無防備になると思ったのだ。
 だがサンは頭を守るどころか全く動かなかった。おかげで深々と菘の拳が腹部に突き刺さる。
 その左腕をサンが両手で掴む。
「……自分の浅はかさに気づいていないのか?」
 彼は血を吐きながらも無表情に言った。
「何……?!」
 菘はその手を振り解こうとして周りをトラウマに囲まれていることに気がつく。
「気持ち悪い」
「近づかないで!」
「人を頭から丸呑みにするんだろ?」
「化け物だ!」
「……っ!」
 見ず知らずの人々の言葉が呪詛となり彼女から思考を奪う。
 菘は立っている方法すら考えられなくなり床に崩れ落ちた。
 サンは冷たい目で菘を見下ろす。
「キマイラの体に興味はない」
 そう言い捨てると彼女をトラウマたちに任せて他の猟兵へと向き直った。

成功 🔵​🔵​🔴​

セプリオギナ・ユーラス
彼女とは一度会ったことがある程度の面識しかない。それでも、幾度も知人の口からその存在を聞いていた、慣用句めいて言うなら『初めて会った気がしない』という間柄で。
その彼女が、戸惑いながらも、怒りながらも、嫌悪と恐怖を抱きながらも、……救いを求めるようにこちらを見ていた。

極めて個人的な理由──即ち、
『貴様は俺の患者に手を出した』
それだけで十二分に戦う理由になるのだ。

(嗚呼、糞ったれ)心中でだけ舌打ちをした。
何が“善人”だ。何が“可哀想”か。

トラウマ〈心的外傷〉◆が保てない
幼少時から引きずるその傷は癒やされることのないまま、今なお膿み続け、引き裂かれ続けている。
苦しむ人々
倒れた友人
何も出来ない自分
以後も“救い”を求めては戦場を駆け
鏖殺を繰り返した

……今更。
悔いたりはしない。拡がる瑕をいちいち悼んだりしない。
愚かなのは貴様もだ。医学の徒を名乗るには愚かすぎる、十年も前から一つも進歩しない過去──トゥジュルクラルテ。
二度とその顔を見せるな。

行動)形状を変化させ致命的な被弾を避けながらUCにて攻撃する



●救い
 セプリオギナ・ユーラス(賽は投げられた・f25430)の前に現れたのはもがき苦しむ人々の姿だった。
「……っ!」
 セプリオギナは動揺で正六面体の姿を保つことができず白衣を身に着けた人の姿へと変じる。
「人型にもなれるのか」
 サンが感心したような声を上げた。
 しかしセプリオギナにその声は聞こえていなかった。目の前の人々から目を放すことができない。倒れた友人が苦悶の表情を浮かべながらこちらに手を伸ばしてくる。けれども幼かった彼には何もできなかった。見殺しにした。自分が彼らを殺したのだ。以来その心的外傷は今に至るまでずっとセプリオギナを苛み続けている。
(「嗚呼、糞ったれ」)
 心中で舌打ちした。
(「何が『善人』だ。何が『可哀想』か」)
 自分は優しさなど持たないただの人殺しだ。人を救うことで自分が救われたいだけの偽善者だ。
 それでも。
(「……今更。悔いたりはしない。拡がるキズをいちいち悼んだりしない」)
 セプリオギナは漆黒の瞳でサンをにらみ据える。
「極めて個人的な理由──即ち、『貴様は俺の患者に手を出した』。それだけで十二分に戦う理由になるのだ」
「患者? どの症例の患者だ?」
「貴様の患者ではない。貴様が虐待し、踏みにじり続けた俺の患者たちだ」
 正確に言えばグリモア猟兵は患者ではない。彼女の妹が患者である。彼女自身とは面識もほとんどないが患者と同様に救いを求めていたのは事実だ。
 セプリオギナは殺気を込めて相手をにらみながら続ける。
「愚かなのは貴様もだ。医学の徒を名乗るには愚かすぎる、十年も前から一つも進歩しない過去──トゥジュルクラルテ。二度とその顔を見せるな」
「進歩だと?」
 無感情だった猫の目に怒りの炎が宿る。
「私の死後、私の患者がどうなっていたと思う? ほとんどが死亡していた! 確かに難しい症例が多かったが、簡単な手術で完治する者もいた! だというのに、進歩だと? 怠惰で無能で私の患者を見殺しにしたキマイラたちがか!?」
 その言葉はセプリオギナのトラウマを容易に刺激し息を詰まらせた。
 するとサンは素早く彼に接近。左手の爪を伸ばしこちらののどを貫こうとした。
 セプリオギナはとっさに体を変形させてのどに自ら穴を開けてそれを避ける。そして漆黒の瞳を輝かせると研ぎ澄まされた殺戮刃物を振るう。
「やはりその姿でも変形するのだな」
 激怒していたのが嘘のように無感情にサンが言う。彼は猫のように柔軟に体をしならせ急所への攻撃を避ける。それと同時に変形した穴の断面に爪を振り下ろす。
「――っ!」
 ブラックタールが辺りに飛び散る。しかしユーベルコードでセプリオギナの攻撃速度は上がっている。激痛に耐えながら敵の足や脇腹を切り裂く。確実に相手にダメージを与えることができた。
 それでもサンは何事もなかったかのように無表情を崩すことなく次の猟兵へと視線を映したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジミー・モーヴ
興味ないと言ってみたりイヌ質をとってみたり……どこぞのソルジャー1stサマかよ。
とか思いながら挨拶にはアイサツを。

「ドーモ、ジミーです。ただの聖人で犬好きだ」
「別段あんたに恨みは無いが、ヌコとウサチャンが困ってたら助けろってのが家訓なんでね、死んでもら……アレ? あのねーちゃんどっちだっけ?」

トラウマはお優しくて無駄に真摯で一生懸命だった例のお嬢さま。
マトモに向き合えず別れて、世界があんなことになっちまって……まぁ、もう死んでんだろ。

……もっかい見に来たわけじゃないゾ。
処方箋はその恐怖をぶん殴り続けることだけって医者に言われてんだ。

さて、そっちも気になるが依頼は果たさないとな。
猫の身体能力と医者の頭脳、生粋のサイコパス野郎で躊躇もなしか。

あからさまに急所狙ってくるなら対処できんことも無いが…はてさて。
≪フラグ管理≫と神剣先輩で受け流しながら近接戦闘。
機を窺いつつひらひらした白衣を左手で掴めたら、軽く引っ張って意識だけ向けさせ「おいのち頂戴!」とか言いつつ地味に足元狙いで敏捷性から削るか。



●向き合えなかった過去
 傷を負いながらも全く動揺した様子のないサン。
「ドーモ、ジミーです。ただの聖人で犬好きだ」
 その前に出たのはジミー・モーヴ(唯一無二のジミー・f34571)だった。
「別段あんたに恨みは無いが、ヌコとウサチャンが困ってたら助けろってのが家訓なんでね、死んでもら……アレ? あのグリモア猟兵のねーちゃんどっちだっけ?」
 ジミーがおどけて言えば目の前に一人の女性が現れた。彼女がジミーにとってのトラウマなのである。みすぼらしい服を着てけれどもそれに似合わぬ育ちの良さをうかがわせる立ち居振る舞いで彼を真っ直ぐに見つめる。
「また、私に会いに来たの?」
「……」
 きっと彼女が現れるだろうと予想はしていた。それでもいざ目にすると複雑な想いが頭をめぐる。
 彼女は当時ジミーが住んでいたスラムに流れ着いた元お嬢様だ。ひどい環境だというのに彼女は優しさを失わずいつでも一生懸命だった。それがジミーにとってはまぶしくて恐ろしかった。だからからかったり邪険に扱ったりして最後までまともに向き合うことができなかったのである。
(「できることならまた会いたかったが……まぁ、もう死んでんだろ」)
 アポカリプスヘルの戦争の際にも恐怖の対象として現れた彼女からジミーは目を反らした。
「……もっかい見に来たわけじゃないゾ。処方箋はその恐怖をぶん殴り続けることだけって医者に言われてんだ」
 今向き合うべきは彼女ではない。サンである。
「そう……」
 少し寂しげな彼女の声に後ろ髪引かれながら敵を見ればこちらの眼球を狙ってメスを投げつけてきていた。
「俺この戦いが終わったらお嬢様に会いに行くんだ!」
 早口で言いながらユーベルコードの力でメスの軌道を予測し回避。頬にかすり傷を付けるだけにとどめた。
(「本当に躊躇しないな、このサイコパス野郎!」)
 内心で冷や汗をかきながらも踏み込んでくるサンに合わせてこちらも接近。意思と神格を持つ神剣『神剣先輩(真名不明)』で心臓を狙う爪を受け流す。そして剣を握っていない左手でひらりと舞う相手の白衣を掴む。
「――っ」
 一瞬白衣に気を取られたサン。
「おいのち頂戴!」
 その隙にジミーは言葉とは裏腹に致命傷ではなく敏捷性を削るため敵の左足を切り裂いた。
 サンは一瞬よろめいたもののすぐに態勢を立て直す。しかしこれで相手の機動力を削ることはできた。戦いは猟兵優勢へと傾きつつあるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

四王天・焔(サポート)
『こんにちは、焔だよー。』
 妖狐の人形遣い×ガジェッティアの女の子です。
 普段の口調は「無邪気(自分の名前、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、家族には「甘えん坊(自分の名前、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

無邪気で感情の起伏が激しい性格の少女、
武器はからくり人形とドラゴンランスを主に使います。
植物、特に花が好きです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●ドラゴンランス
 支援要請を受けた四王天・焔(妖の薔薇・f04438)は現地へと転移してきた瞬間にユーベルコードを発動させた。
「大きくなって、フローレちゃん!」
 すると焔の連れていた小さな青いドラゴンは巨大化する。
 そして焔自身はその後ろに隠れた。そうすることでトラウマを呼び起こす影が目に入らないようにしたのだ。
「悪い人は焔とフローレちゃんがお仕置きするんだよ。いっけー!」
 フローレの巨大な右のかぎ爪が敵へと振り下ろされる。
 サンはそれを素早く右に跳んで避けた。しかし先の戦いで受けた左足の傷が痛み体勢をわずかに崩す。
 そこに間髪入れずにフローレの左のかぎ爪が振り下ろされる。
 サンはとっさに体を反らして直撃は避けたものの顔の右半分を切り裂かれた。しかし攻撃を受けながらもドラゴンの目を狙ってメスを放つ。
 それはフローレの左眼のすぐ横に突き刺さった。
「ああ! フローレちゃん!」
 途端に巨大なドラゴンは元の小さなドラゴンに戻ってしまった。
 それを焔は抱きしめる。
「大丈夫だよ、すぐに治してあげるからね!」
 致命傷を負わせることはできなかった。だが確実に敵の体力は減らせている。
「後は任せたよ!」
 焔は最後の猟兵に向かってそう言うとフローレを抱きしめたままグリモアベースへと帰還したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鹿村・トーゴ
…ふーん
さっきまで顔は仮面か
研究や追及欲が歩いてるよーな奴だな先生は?
厄介なお人だ

ヘザーの沈痛な顔
似たような猫の目
オブリビオンならすでに過去
済んだ事を蒸し返すのが連中だ

…で
先生はそれがお得意かい?(息を飲んで掌の汗を服で拭い
>トラウマは忍び修行で初めて殺した壮年の人間男性
>9歳の子でも殺せるように逃走防止に片足を切断され、トーゴが恐怖心で斬った躊躇い傷で死にきれず死相の顔で呪いと血を吐いていた姿

サンのメスや攻撃を受ける痛みを気付け代わりに応用
痛みや薬物に甘んじる代わり【野生の勘と追跡】をフル活用
手にしたクナイでサンの繰り出すメスを冷静に目視し【武器受けしてカウンター】で武器を弾きあげ踏み込みUC
以後も
脇、腎臓、腿の血管狙い刺し【暗殺/串刺し】指落としも狙う
トラウマがサンとの間で妨害をするなら一瞬つらそうな眼をするが一転、別のクナイを正確に喉へ【投擲/傷口をえぐる】

あとは普段見せない冷えた目でサンとトラウマへ接近、斬り付けを執拗に繰り返し追い込む

心の傷を弄るてなァ好かねー
外道の行いだぜ先生



●外道の行く末
 鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)の前に現れたのは片足を切断された壮年の人間男性だった。
「……っ」
 トーゴは忍びで幼い頃から厳しい修行を積んでいた。忍びとは暗殺者である。そのため当然修行内容には人を殺すことも含まれている。彼が九歳の時に初めて殺したのがその男性だった。人を殺める事への恐怖心でなかなか致命傷を与えることができず無意味に苦しめてしまったその人を忘れられるはずがない。
 トラウマから目を放すことができずにいたトーゴに他の猟兵が避けたメスが浅く刺さる。それには幻覚を見せる薬物が塗られていてより鮮明に当時の情景を再現した。
 逃走防止のために片足を切断された男性は最初こそ怯えて命乞いをしていた。だがトーゴが与えたためらい傷によって苦しむにつれてその顔は死相と憎悪で歪んでいく。
「こんなことをして、幸せに生きられると、思うなよ……!」
 息も絶え絶えでありながらもその声はひどく耳に残った。
 ゴボッ。
 男性は口から血と呪いを吐き出す。
「生まれてきたことを、後悔しながら死ね」
「……っ!」
 トーゴはトラウマを刺激されて息をのむ。冷や汗が全身から噴き出した。恐怖で後退ろうとしてメスで付けられた傷が痛んで我に返る。
 額の汗を手の甲で拭いながら辺りを見回す。小竜を抱えた猟兵が引き上げていくのが目に入った。そしてそれを見送る傷だらけになってもほとんど表情が変わらないサンの姿も。
(「ヘザーの沈痛な顔。似たような猫の目。オブリビオンならすでに過去の存在だ」)
 掌の汗を服で拭いながら猫の目をにらみ据える。
「……で? 先生は済んだ事を蒸し返すのがお得意みたいだな」
「君はどういった種族なんだ?」
 トーゴの言葉が聞こえていなかったようにサンは言った。彼の金の目はトーゴの頭部から生える羅刹の角を眺めている。
「……研究や追及欲が歩いてるよーな奴だな先生は? 厄介なお人だ」
「そうか」
 答えるのと同時にサンは無造作にこちらへとメスを放つ。
 トーゴはそれをクナイで弾いて受け流すと敵に向かって踏み込む。
「うがて大鉄嘴」
 そして念動力でツルハシ状に超圧縮した空気を相手に叩きつける。それは攻撃を鈍らせるために手を狙ってのものだった。
 しかし避けられないと悟ったサンは手を庇って身を投げ出したのだ。大地をも割る重い一撃に体を割られ彼は遂に床に伏した。
「……普通手で体を庇うだろ。手を庇ってどーすんだ。先生は医者だってのに、自分の命すら大事にできねーのか?」
 困惑して尋ねればサンは虫の息で答えた。
「手の、使えない、医者に……何の価値が、ある? 命の、大事さ? 命に、色はない、など……動物の皮をはぎ、植物を摘み取る、矛盾を……生涯、理解、できなかっ、た……」
 最期の言葉すら淡々としていて彼がどんな気持ちでそれを言い残したのか理解できなかった。
「けど、どんな理由があろうと心の傷をいじるてなァ好かねー。外道の行いだぜ先生」
 トーゴは普段見せない冷酷な瞳でサンが骸の海へと還るのを見届けた。
 こうして猟兵たちは捕らえられていたキマイラたちを無事助け出し猟書家の計画を阻止したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月25日


挿絵イラスト