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築け、その胸の本当の価値!

#デビルキングワールド #まったり進行予定 #コミカル、ギャグ、大ボケ歓迎 #『胸に貧富はあれど貴賤は無し』が基本路線です #胸囲価値均等法 #3章プレ受付開始しました(5/2の09:42) #🔵>👑到達予定日時⇒5/5の23:00 #プレ締切⇒5/5の23:59まで

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#デビルキングワールド
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#『胸に貧富はあれど貴賤は無し』が基本路線です
#胸囲価値均等法
#3章プレ受付開始しました(5/2の09:42)
#🔵>👑到達予定日時⇒5/5の23:00
#プレ締切⇒5/5の23:59まで


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 デビルキングワールドのとある王国。この国の魔王はとってもおっぱい大好きでした。
 勘違いしてはいけません、大好きなのはひんぬーとかちっぱいとか。身の回りの世話をするメイドさんたちも全員慎ましい胸をお持ちです。
 さりとて、一国の主の趣味趣向は時として国政に関わります。なので、魔王は『胸に貧富はあれど、貴賤は無し』と執務室に掛け軸を飾り、おっぱいは政治に関係ないと主張し続けてきたのです。
 それを受けて出来た法律の草案が『胸囲価値均等法』。胸の価値はすべて均等(バスト・バリュー・プライスレス)を掲げた、歴史に残るであろう大法案でしたが、オブリビオンの介入を受けて議会は全力で混乱。激しいバトル(?)の末に、法案は否決されました。
 しかし、希望が消えたわけではなく、これは『この法案はより繊細で緻密な調整が必要である』という、つまり時期尚早と見做されたからでした。胸囲の格差社会の激しさを見たからかもしれません。
 いずれにしても、否決はされましたが、成立の目が消えたわけではなく、真面目なデビルキングワールドの議員のこと、ちゃんと議論を続けていたのです。
 あれから約1年。
 『胸囲価値均等法』は再び議会にかけられることになりました!


「今回は成立の見込み特大ですわ。何せ『絶対胸定』が出来ましたので」
 また聞きなれない言葉が出てきた。しかし、深護・刹那(花誘う蝶・f03199)の瞳はきらきらと輝いているのでそっとしておこう……と思ったら、当の本人が口火を切った。
「絶対胸定とは、『胸の価値についての法律群』の通称でして。3つの法律で支え合い、あるいは牽制し合って理不尽な胸囲の格差社会を変えていく基礎となるものですの」
 曰く、こういう構成らしい。
 ①胸囲価値均等法……胸囲の格差による差別および迫害を禁止する法。
 ②胸囲価値基準法……胸囲の格差で、義務・権利・人格等の、付与または剥奪の強制を禁止する法。
 ③対胸囲価値自由法……対胸囲において、どのような思想を抱いても構わないという法。
「絶対胸定はこの3つで1つの法律なのですわ」
 いろんな軋轢はいまだ残るかもしれないが、真面目なデビルキングワールドの住民のこと。きっと絶対胸定の先には理解(わか)りあえる未来があるに違いない。
 ……が、刹那が皆を集めている時点でこれはオブリビオン案件なのである。
「この法案成立に先駆けて、クーデターを起こそうとしているオブリビオンがいますの」
 その名は『魔戦闘姫エンデ』。尊大な口調で話す角の悪魔であり、小柄で胸が小さいのもこっそり気にしているようなオブリビオンである。
「このエンデが貧乳至上主義にして超過激派『貧乳って言うな賓乳と呼べ!!』派を煽って議会を襲撃する予知が見えましたの」
 そんなことになったらまた再び胸囲価値均等法は歴史の中に埋もれてしまう。
「これを許すわけには参りません!」
 自身の慎ましい胸を張るようにぐっと拳を握った刹那が力説する。
「皆さん、胸の価値を守る闘い、お願いいたします!」


 幸いにして、クーデターまではまだ時間がある。
「ですから、クーデター準備中のエンデの拠点を叩きますわ」
 そう言って刹那が指差した王国の地図。そこにあるのは大富豪の豪邸である。
「エンデは元々、カタストロフの儀式のためにこの国で『D(デビル)』を集めていたようですわ」
 その活動の中で賓乳派を取り込んだらしい。とは言っても、賓乳派の中核はごく少数。それよりも人数が多いのが、賓乳派に騙されている『ひんぬーの国のあくまちゃん』である。
「そしてひんぬーのあくまちゃんが屋敷の護衛をしていますの」
 なのでこれを突破しないとエンデに辿り着けない。かといって、1人が騙されたら芋づる式なひんぬーのあくまちゃんは頭数がハンパ無い。
「なぎ倒していくのは現実的ではなく、何らかの手段ですり抜けるのが得策かと」
 例えば、変装して怪しまれないように通り抜けるとか。見つからないように地下トンネルを掘るとかでもいい。あるいは同じ賓乳派の同志であると告げるか。その場合は胸が慎ましい必要がある。意気投合しても構わないよ?
「屋敷の中に入り込めばこちらのものです。一気にエンデの部屋まで行って倒してくださいませ」
 ここでエンデを倒し切ればこちらの勝利だ。
「最後に残ったDはぱーっと使ってしまえばカタストロフも阻止できて一石二鳥ですわ」
 嬉しそうに手を叩く刹那。
「というわけで、早速お願いします!」
 そう言って刹那はグリモアを取り出し、猟兵たちをデビルキングワールドへ送り込むのであった。


るちる
 まいどです。いつもありがとうございます、るちるです。
 胸囲価値均等法の続編だよ。相変わらずよく不思議な、胸囲に関わる単語がたくさん出来てしまいました。早く成立させよ?
 今回は争い合う要素もなく、たぶん順調に進むはずです……はずだよね??(フラグ)

●全体
 3章構成の通常シナリオです。
 1章で屋敷の庭で守りを固めているひんぬーのあくまちゃんたちを突破。2章で今回の首謀であるエンデを倒します。3章は温泉だよ、魔界温泉だけど。
 センシティブな話題ではありますが、主義主張はしてもらって大丈夫です。ただ物語上、貧乳至上主義(貧乳以外は滅ぼすタイプ)は猟兵の敵になりますのでご注意ください。

●1章
 集団戦『ひんぬーの国のあくまちゃん』
 集団戦ですが、戦闘ではありません。屋敷のガードをしているひんぬーのあくまちゃんを何らかの方法で出し抜いてください。
 こっそり忍び込む、変装などでパスする他、ひんぬーを共感を利用する手があります。普乳から上は襲われる可能性があります(襲われても問題ないですけども)
 また皆さんそれぞれが、ぜんぜん違うばらばらの作戦を実行して構いません。

●2章
 ボス戦『魔戦闘姫エンデ』との戦闘です。
 屋敷の一番上の一番広い部屋にいます。この部屋にエンデが集めた全てのDが集められています。戦いによってDが飛び交うかもしれませんが特に問題ないです。エンデを退治し、Dを根こそぎ奪いましょう。燃やしてもいいよ?

●3章
 日常『魔界温泉』でのんびりします。
 いや、のんびり出来るかどうかは謎。たぶん出来る。
 ここではぱーっとDを浪費してください。温泉への客を狙っての屋台とかマッサージとか卓球場とかがあります。詳細は冒頭にて改めて。


 各章ともプレ受付開始前に冒頭説明or補足説明を追加します。ご参考にしてください。プレの受付についてはタグでお知らせします。毎度ですが、1日の執筆人数が多いと採用できない人が出るかも? プレ受付開始や状況なども含めて、タグでお知らせします。

 それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす!
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第1章 集団戦 『ひんぬーの国のあくまちゃん』

POW   :    ひんぬーに対する侮辱は許せません!
自身の【手のひら】から、戦場の仲間が受けた【ひんぬーに対する侮辱】に比例した威力と攻撃範囲の【闇属性の極大魔法】を放つ。
SPD   :    集え! ひんぬーの仲間達!
【ひんぬーこそが至高と信じる仲間】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[ひんぬーこそが至高と信じる仲間]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ   :    やっぱりひんぬーこそが至高ね!
敵より【おっぱいが小さい】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●そんなわけでやってきました
 グリモアによって転送されてきた先は、件の屋敷の目の前である。
 突然の猟兵たちの登場があっても、ひんぬーちゃんこと『ひんぬーの国のあくまちゃん』たちは動揺しない。何故かっていうと、『この庭に入ってきた生き物に対して行動せよ』って言われているからである。庭に入ってきていない人はちらっと見るだけですぐに興味を失う。
 そしてエンデの指示。生き物っていう括りで人型以外も対象にするところにクレバーさを感じるが、生き物っていう括りになっていることで、庭に入り込んできた小動物もひんぬーちゃんの排除対象になってしまっている。そのため、ひんぬーちゃんたちはあっちにいったりこっちにいったりで忙しいのだ。庭の外にいる人たちまで気にしてる余裕なんてないのだ。

 つまり、画策し放題である。

 庭に入るとひんぬーちゃんチェックが入る。具体的には周りを囲まれて敵か味方か判別される。そして味方ならスルーされ、敵なら一斉に攻撃される。味方でも巨乳は場合によっては許されない時がある(揺らしすぎとか) そしてもふもふはもふもふされる(見よ、猫と戯れているひんぬーちゃんたちのほんわか光景を)

 まぁもうすぐここからクーデターが発生するわけなのだが、いま現在、エンデの屋敷の大きな庭は比較的平和というか平穏というか、そんな光景が広がっていた。

※シナリオ補足※
 ひんぬーちゃんチェックを突破するべし。
 ひんぬーちゃんに敵とみなされると、数の暴力で庭の外まで押し出されます。そのため、敵とみなされない作戦が必要です。これには『そもそも見つからない』という作戦も含まれます。なお、ひんぬーちゃん自身は素直な子なので、嘘とか騙しとかは見破れないと思います。ブラフで突破するのもあり。
 空を飛んでいけばいいじゃない? おっしゃる通り。しかし着地地点には気を付けましょう。入り口から入ろうとするとその瞬間を狙われます。
 胸の慎ましさがプラスに働く環境です。慎ましい方が(嘘でも)『賓乳派です』と告げると仲間認定されます。一緒に遊んでくれるまであります。

 なお、戦闘はマスターよりのコメント通り、発生しません。それでも無理矢理発生させた場合は、ひんぬーちゃんとのバトルになります。ひんぬーちゃんの強さは3人で猟兵1人を相手取れる程度(耐久力も同様)です。人数? 3桁はいるよ? 一斉に襲い掛かってくるよ? たぶん勝てないと思います。
ヴォルフスブルク・ヴェストファーレン
胸囲きゃき均きょー法?
よくはわかりませんが平和を目指すのはいい事じゃないですかね?

お邪魔しますっ!ウワーッ!?ぐえー!!!
ひぃん…忙しそうでしたので全速で走ったら行けるかと思ったのですが問答無用で門前払いされてしまいました…
装甲まで脱いだのに…(揺れた)

うーん…ここは変装して入りましょうか、着ぐるみを用意して…
はい!私実は人に変身していた狼なんですっ!見てくださいこの通りもふもふですのでばっちり狼です!
もふもふしたいでのすか?いいですよっ!流石魅惑の着ぐるみ…え゛っ待って数が多…ぬわーっ!?
もみくちゃです…すいませんがお屋敷で少し休憩させてください…ひぃん…
まあ入れたのでヨシとしましょう


シル・ウィンディア
胸の大きさとか、そういうのって関係ないと思うんだけど…
ちょっとがんばってみるっ!!

※スタイル:ちまーんのすとーんです。

特にいい作戦も思いつかないから、このまま普通にお屋敷に行こうっと。
到着したら、こんにちわーってご挨拶っ!
忙しそうにしているけど、何かお祭りでもあるのかな?
ちょっと気になったんだけど…

訊ねられたら、貧乳派っていうよ
理由は…
わたしの旦那様がそっちの方が好きだって言ってくれてるからっ♪
だから、わたしはそっち派だよー♪

あ、ねこさんがいる
わたしも、撫でさせてもらっていいかな?かわいいよねー♪
しばらくは、あくまちゃん達とほのぼのと過ごさせてもらうよ
こういう平和なものもいいよねー♪


ユーフィ・バウム
『胸囲価値均等法』
言葉の意味はよくわかりかねますが
凄い力を感じるワードですね
何か宿縁のようなものに惹かれる気がします
今回は張り切りますよ

策を練るのも得意ではないので、
あくまちゃん達に『賓乳派です』と
ご挨拶し友好的に屋敷に入りましょう

囲まれチェックされても
私は16歳としてたぶん慎ましい部類ですので
チェックはパスされるかなーと

私は激しく動く戦士でありますので、
胸に大きなものは必要ありませんから
何かもやもやしますが心に留め、
あくまちゃん達には笑顔で接し

時間あれば遊んでから進むのも良いですね
コミュ力を発揮して、楽しく歓談しましょうか
賓乳は尊く、「すてーたす」です!
なんでか意気投合して結束を深めましょう


鈴乃宮・影華
そろそろ異世界出張もこなそうと思い
まずは軽めの物から、と思ったのですが……
しまった、今日は私の命日だったのかもしれません(たゆん)

さて、件の屋敷前に送って頂いたわけですが
駆け出しペーペーの私(ぽよん)がデビルキングワールドの超強い悪魔相手に無双できるはずは無し
かといってひんぬーちゃんを騙す話術も無い(ぷるぷる)ので
彼女達から見えない所まで一旦離れて(ふよんふよん)指定UCを使い
改めてこっそりお邪魔しましょう

建物まで来れたら
開けっ放しのドアがあれば一番ですがまぁ無いでしょうから
『錬銀』を使い適当な扉にピッキングのお時間です
『瓶蟲』でドカーンも出来ますけど……他の猟兵さんの手段次第ですね




 ちらっ。

 ヴォルフスブルク・ヴェストファーレン(鉄の狼・f34026)は庭の入り口、門のところから中を覗いた。中では『ひんぬーの国のあくまちゃん』たちが忙しなく、あっちこっち行ったり来たりしている。生き物なんて指定されているから、小さな虫まで相手にしているからである。真面目すぎるんだね、ひんぬーちゃん。
 そんな様子を見ながら、グリモア猟兵が言っていた法律の名前を呟くヴォルフスブルク。
「……胸囲きゃき均きょー法……」
 噛んでる噛んでる。どうしてそこで噛んだの。それはそれとして彼女の表情は真剣である。
(よくはわかりませんが平和を目指すのはいい事じゃないですかね?)
 ならばこそ、平和を乱そうとするクーデターは阻止しなければならない。
 ひんぬーちゃんたちが忙しそうにしている今なら突破できそうだ。全速で行くには……装甲を脱ぐ(キャストオフ)するしかない!
 よし、今だ!

「お邪魔しますっ! ウワーッ!? ぐえー!!!」

 きらーん。
 綺麗な三段落ちを披露するヴォルフスブルク。『たゆん』って豊かな効果音はこの場では死(?)を呼ぶ呪い。

「……しまった、今日は私の命日だったのかもしれません」
 庭から吹っ飛ばされるヴォルフスブルクと入れ違いで庭に踏み入れた鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)もまた『たゆん』という豊かな音とともに外へ吹っ飛んだのでした。


 お星さまになった(?)約2名を横目で見つつ、門の入り口で立ち止まるシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)とユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)。
(胸の大きさとか、そういうのって関係ないと思うんだけど……)
 シルさんの感想です。しかし、現実として何か弾のように吹っ飛んでいったし2名ほど。
「うん、ちょっとがんばってみるっ!!」
 ぐっ、と胸の前で両手の拳を握るシルさんは13歳。ちまーんのすとーんである。

 そんな横でとってもシリアスしてるのはユーフィであった。
「『胸囲価値均等法』……言葉の意味はよくわかりかねますが凄い力を感じるワードですね」
 ホントに?? いえまぁ、ないがしろにされても悲しいんですが。
 そしてユーフィの視線が庭から奥へ、屋敷へと向けられる。
「何か宿縁のようなものに惹かれる気がします」
 ずっと感じている、どうしても無視出来ない、肌をチリチリと焦がすような緊張感。
「今回は張り切りますよ」
 ユーフィもまた静かに気合を入れる。
 二人で顔を見合わせて意志を確認した後、仲良くお庭へ突入するシルとユーフィ。

 天の声として今言えるのはただひとつ……なんかごめん。こんな依頼で採用しちゃって。


「こんにちわーっ」
 潜入っていうか突入っていうか、普通に友達の家に遊びに来た感じでシルさんご挨拶。
「こんにちわ」
 隣でユーフィもぺこりとお辞儀をする。
 二人して『特にいい作戦も思いつかないから』『策を練るのも得意ではないので』と、『普通にお屋敷に行こうっと』作戦でした。
 即座にひんぬーちゃんたちに囲まれるシルとユーフィ。
「忙しそうにしているけど、何かお祭りでもあるのかな?」
 ちょっと気になってたことを聞いてみるシル。しかし、ひんぬーちゃんたちの視線はじーっと二人に注がれている。ひんぬーちゃんチェック中らしい。
「賓乳派です」
 ユーフィが告げる。その言葉に反応すると同時にひんぬーちゃんたちの視線がユーフィに注がれる。
(……私は16歳としてたぶん慎ましい部類ですので)
 チェックはパスされるかなー、と思っているユーフィさん。
(私は激しく動く戦士でありますので、胸に大きなものは必要ありませんから。ありませんから)
 何かちょっと湧き上がってきた『もやもや』を心の中に押し留めるユーフィ。このもやもやにひんぬーちゃんたちは関係ないので。ひんぬーちゃんたちには笑顔で接することにする。
「『あなたは?』」
「え、わたし? 貧乳派だよ」
 くるっと視線がシルに集中するが、シルはシルで即答である。
「理由は……わたしの旦那様がそっちの方が好きだって言ってくれてるからっ♪ だから、わたしはそっち派だよー♪」
 はい、ごちそうさまですっ。

 そんなこんなで何事もなく潜入できたシルとユーフィでした。


 一方。
「ひぃん……問答無用で門前払いされてしまいました……装甲まで脱いだのに……」
 よっぽど激しい勢いで吹っ飛ばされたのか、よろよろとふらつきながら門のところまで戻ってきたヴォルフスブルクさん。その胸元では昨年、猟兵の間で行われていた水着コンテストのガレオノイド女性部門で2位になった大きな胸が揺れている。
 それだよ。たゆん。何故装甲を脱いだの。

「そろそろ異世界出張もこなそうと思い、まずは軽めの物から、と思ったのですが……」
 こちらは吹っ飛ばされたものの、比較的無事だった影華さんである。さすが歴戦の能力者。この程度では揺らぎもしない。まぁソフトボール大会では逸般人とかいましたしね。
 とりあえず命日にならなくてよかったが、やっぱり大きな胸がたゆんのが原因だろう。てか零れそうなんですけど!!

 というわけで仕切り直しである。

 強行突破では負ける。確実に。作戦を練らねば。
「うーん……」
 作戦を練り練りしているヴォルフスブルクさん。

「駆け出しペーペーの私(ぽよん)がデビルキングワールドの超強い悪魔相手に無双できるはずは無し(たゆん)」
 門から中を覗いている影華さんの状況である。
「かといって(ゆさっ)ひんぬーちゃんを騙す話術も無いので(ぷるぷる)」
 門から中を覗ている影華さんの状況だよ!! 文字だと表現しきれない部分はイメージで補うんだ! ちょっと零れ出そうとか考えちゃダメです。
「ええ(たゆん) ここはこの手でいきましょう(ふよんふよん)」
 そう言って、ひんぬーちゃんたちの視線の届かない場所までいったん離れる(たゆんたゆん)影華。
「……私は此処に居なかった」
 影華がそう告げた瞬間、彼女の姿が掻き消える。否、彼女の操る黒燐蟲の群れが彼女を覆い隠したのだ。それはさながら光学迷彩のごとく、視聴嗅覚での感知をシャットアウトする【黒燐奏甲・喰】。
「改めてこっそりお邪魔しましょう」
 『「旅人の外套」って便利だな』って願望を実現したユーベルコードで身を隠した影華は堂々と戻っていったのです。

「あれ? 影華さんは?」
 ちょっと集中していたのか、影華の動向を見失っていたヴォルフスブルクさん。実はすぐ真横に居るのだが、見えてないのである。
 気を取り直して。
「よし、ここは変装して入りましょうか」
 がさごそと荷物の中から取り出したのは着ぐるみ、狼の着ぐるみである。もふっ。
 そして着ぐるみの利点はもうひとつある。体のラインが隠れる(タイプによる)
 というわけで再度突入!
 速攻で囲まれるヴォルフスブルク。
「はい! 私実は人に変身していた狼なんですっ! 見てくださいこの通りもふもふですのでばっちり狼です!」
 ばっ、と両手を開いてお腹の部分のもふもふをアピールするヴォルフスブルク。もふもふだ、もふもふがそこにあるもふもふ。
 じーーーーーーーっ。
「もふもふしたいでのすか? いいですよっ!」
 ひんぬーちゃんたちの視線に対して、OKサインを出すヴォルフスブルクさん。
 きらん、とひんぬーちゃんたちの目が光った瞬間、突撃してきた。
「流石魅惑の着ぐるみ……え゛っ待って数が多……ぬわーーーーっっっ!?」
 一斉に押し寄せてきたひんぬーちゃんの波に飲み込まれるヴォルフスブルク狼さん。言うまでもなくもみくちゃになっていくのでした。


「あれ? 向こうが騒がしいね?」
「そうですね?」
 お庭の中でひんぬーちゃんたちと一緒に遊んでいたシルとユーフィが門の辺りの騒がしさに視線を遣る。
 お祭りっぽい雰囲気だ? 特に殺伐とした雰囲気でもないのでとりあえず視線を戻す。どこにかっていうと、手元の猫にである。もふもふ。
 『あ、ねこさんがいる』と猫を見つけたシルがてってってと近寄っていけば、それに釣られるようにひんぬーちゃんもてってってと駆け寄っていって囲んだ。
 猫は猫で慣れているのか、『またー?』って顔をしながらお腹を見せた。もふるひんぬーちゃん。もふもふもふ。
 そんな様子にシルがうずうず。
「わたしも、撫でさせてもらっていいかな?」
 と近寄っていけば、もふもふもふもふ。
「かわいいよねー♪」
「ですね」
 その横でユーフィも手を伸ばしてもふもふもふ。
 独り占めしないように、後ろで待っているひんぬーちゃんたちにもパスしていく。
「賓乳は尊く、『すてーたす』です!」
 なんか合言葉できてる。
 ユーフィの言葉にこくっと頷きを返すひんぬーちゃんたち。どうやらこの短期間で仲良くなったらしい。ユーフィのコミュ力のおかげか、あるいは別の要因(?)か、すっかり意気投合している。結束は……強い。
「こういう平和なものもいいよねー♪」
 ほんわかとしながらシルが呟く。
 こうして、シルとユーフィはひんぬーちゃんたちとほのぼのとした時間を過ごしてから屋敷へと入っていたのでした。


 その頃、ヴォルフスブルクさんがどうなってかっていうと。
「す、すみませんがお屋敷で少し休憩させてください……ひぃん……」
 3桁のひんぬーちゃんたちにもふられて、息も絶え絶えに屋敷へどうにか辿り着いていた。入り口から倒れ込むようにぽてっと。
(まあ入れたのでヨシとしましょう)
 力尽きてるけど。まぁ目的は果たした。
(お邪魔しまーす)
 姿は消したものの、屋敷の中にどうやって入ろう? と思っていた影華さんがちゃっかり一緒に入っているとは夢にも思うまい。

 こうして、ヴォルフスブルク、影華、シル、ユーフィの4人はひんぬーちゃんチェックを突破して屋敷へと辿り着いたのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御形・菘
人の思想にケチをつける気は無いが、他人をディスったり攻撃するのはよろしくないのう
己の武器として、魅力を高める努力をする方が良かろう!

クーデター計画の打ち合わせに来た同志のフリをしようか
堂々と正面から豪邸に入っていくぞ
はっはっは、皆の衆よご苦労様だ! お主らも妾も、今日も賓乳が美しい!

どう見ても現地住民(ラスボス)の妾が演技力まで駆使したら、怪しまれる可能性がどこにあると?
こっそり潜入組が居るのなら、妾はそのままあくまちゃんたちと楽しくトークしたり遊んで交流して、気を引いておくとしようか
まあ実際思う所は多少あるし…巨乳アピールで動画の視聴回数を稼がれるとかな? もげろとか思わんでもないわけよ?




「ハーッハー!!」
 超ハイテンションな蛇姫が登場した。デビルキングワールドの住民です、って言っても普通に通っていく雰囲気の彼女は、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)、何を隠そう、キマフュの一番星! である!

 そんな菘は配信系国民的スタア。ちゃっかりライブストリーマーになってるよさすがです。
 だがそんな彼女をして、この惨状(?)は看過できなかったようだ?
「人の思想にケチをつける気は無いが、他人をディスったり攻撃するのはよろしくないのう」
 それは菘のポリシーにして、一番の根底であろう。人を楽しませる、ひいては自分が心底から楽しむためには『それ』はよろしくない。
「己の武器として、魅力を高める努力をする方が良かろう!」
 全く以てその通りですよ。誰ですか胸囲の格差社会とか初めて言った人。

 それはともかくとして、クーデターはいただけないのは事実である。娯楽を楽しむには平穏が必要なのだ。菘の刺激的な動画がバズるにはやはり平穏という下地がいる。
 ゆえに邪神様は『妾がいろんな世界で怪人どもをボコってみた』配信動画をこの地で敢行することに決めたのだ!

 というわけでここから猟兵のお仕事である。
 作戦は『クーデター計画の打ち合わせに来た同志のフリ』をする。そのために菘がすることは……堂々と正面から豪邸に入っていくことである。
 えっ、なんで?
「はっはっは、皆の衆よご苦労様だ! お主らも妾も、今日も賓乳が美しい!」
 側に誰かいたら思わず菘を振り返っていたであろう。で、その振り返りが間に合わないレベルで庭に突入していた菘である。

 ――どう見ても現地住民(ラスボス)の妾が演技力まで駆使したら、怪しまれる可能性がどこにあると?

 ほんまですね。ここまで堂々としていたら、怪しむ方が難しい。
 そして菘もまた賓乳である。慎ましさと露出(Notエロ)が彼女の強さだ!

 そんなわけでひんぬーちゃんたちに取り囲まれてチェックを受ける菘はめちゃくちゃ堂々としていた。
(……ふむ)
 こっそり潜入組が居るのなら、と気を配っていた菘であるが、同タイミングでの突入はなかったようだ。
 なら普通にひんぬーちゃんたちと遊んでいるだけで問題ないだろう。
「む? まだ妾を疑っておるのか?」
「『……いえ、見惚れてました!!』」
「ほう! お主らなかなか見る目があるな!! 褒美をくれてやろう!」
 いつの間にかチェック視線から別の視線になっていたらしいです。そんなひんぬーちゃんたちとひと時の親交を深める菘。ちなみに褒美は配信動画のチャンネルさ!

 そんな感じでゆるっとひんぬーちゃんチェックを突破した菘。
「……まあ、実際思う所は多少あるし……」
 屋敷を前にして菘の口から言葉が零れる。
「巨乳アピールで動画の視聴回数を稼がれるとかな?」
 それが相手の作戦というのはよくわかる。よくわかるが……それは配信動画としてはどうなのか。そういうことである。
 だからこう。

 ――もげろとか思わんでもないわけよ?

 不埒な巨乳はもぐべき。グリモア猟兵も諸手をあげて賛同するであろう。
 意外な邪神様の本音が聞けた瞬間である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロエ・アスティン
【太陽の家】
あの法案に絡んだ事件でありますか。
猟兵同士で争うことがないといいのですが……

自分の胸をぺたぺたと触り、一際大きなため息が漏れます。
あれから約1年、全然大きくなってない気がするであります。

い、いえ、今はクーデターを阻止するのが大事でありますね。
この胸ならきっと怪しまれずに中に入れるはずです。

堂々と庭に入るとさっそくひんぬーちゃんチェックが!
じーっと見つめられて「ナイスひんぬー!」と褒められてしまいました。
な、なんとかショックを顔に出さずにエンデ様の教えを受けにきたと中に入れてもらいますね。

うぅぅ、ま、まだ成長期であります。ら、来年こそは普乳までは育ってみせます。

※アドリブ・連携も歓迎


アリス・クイン
【太陽の家】
親友のクロエからのヘルプを聞いて助けに来たら……
なにその法案?バカにしてるの?

合流した初対面の子(ザイーシャ)はブキミだし
ニマニマ笑って……な、なによぅ、たんと手伝うわよっ

えーと、まずは潜入……
へー、ふーん、貧乳なら警備だってかいくぐれるんだ……バカにしてるの?
そこはもうちょっと、慎重に作戦を……ひっ
なんか今、ザイーシャがブキミな笑顔で舌なめずりして……い、行くわよもう!

は、はーい、ないすひんぬーです、え、えへへ……
エンデさまのおしえを、うけにきました~……

わーい、せんにゅうせいこうー……しにたい

ま、まぁほら、クロエにもアタシにも輝ける未来があるからね!

※アドリブ連携、歓迎


ザイーシャ・ヤコヴレフ
●太陽の家

胸囲価値均等法って変な法案
だからクロエ、お風呂で毎日欠かさずお胸のマッサージをやってたの?

ふぅん、クロエのお友達のアリス…ね
Здрасте、よろしく♪
ふふ、クロエみたいに反応が面白くて『遊べそう』な子
でも、すぐに『遊ばない』よ
こういうのは…念入りに下準備しなきゃだものね、ふふ♪

アリスを見つめながら【何して『遊ぼう』かな?】って考えてたら、もう門まで着いちゃった
まずはクロエ、次にアリス、最後に私かな?

…だーめ、アリス
ズルしちゃ…だよ?
ああ、アリスと『遊ぶ』のが待ち遠しくて舌を出しちゃった

御機嫌よう、私もエンデ様の教えを受けに来ました♪
貧乳…かな?
じゃなかったら…ふふ、二人に追い打ちね♪




 屋敷の外にグリモア転送されてきた3人の猟兵たち。【太陽の家】で繋がっているクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)、アリス・クイン(ビビり屋毒吐き姫・f24161)、ザイーシャ・ヤコヴレフ(Кролик-убийца・f21663)である。

「あの法案に絡んだ事件でありますか」
 クロエの脳裏によぎる過去の事件。何かよくわからないけど激闘だった。そしてどうしてか猟兵同士で戦っていた。なんで?? ほんとになんで??
(猟兵同士で争うことがないといいのですが……)
 とクロエが祈りを捧げるのも無理のないことだろう。
 祈りを捧げるクロエの横に立って屋敷を眺めているのは彼女の親友、アリス。
「親友のクロエからのヘルプを聞いて助けに来たら……なにその法案? バカにしてるの?」
 直球ど真ん中ストレート炸裂。そういう感想、Yesです。
 視点が変われば意見も変わるし、同じ大きさでも視点が異なる。こういった様々な感情が入り乱れるのが胸囲の格差社会、しいては胸の貧富にかかるセンシティブな問題だ。グリモア猟兵は喜んでいたが、絶対胸定が良法となるか悪法となるかはまだまだこれから。
「胸囲価値均等法って変な法案。だからクロエ、お風呂で毎日欠かさずお胸のマッサージをやってたの?」
「やってないでありますよ!?」
 ザイーシャの言葉に、ぎゃんって勢いで振り返りながらツッコむクロエ。
 しかし、気になったのかそのまま両手が胸をぺたぺた。そして漏れる一際大きなため息。
(あれから約1年、全然大きくなってない気がするであります)
 そこはかとなく哀しみに包まれるクロエでした。

 そんなクロエを後目にアリスとザイーシャが対面していた。
「ふぅん、クロエのお友達のアリス……ね。Здрасте、よろしく♪」
「……よろしく」
 何か品定めするようなザイーシャの視線に思わずたじろぐアリス。第一印象は『ブキミ』の一言に尽きる。
「ニマニマ笑って……な、なによぅ、ちゃんと手伝うわよっ」
 その視線を切るようにアリスはクロエへと向き直る。
(ふふ、クロエみたいに反応が面白くて『遊べそう』な子)
 内心でそう思いながらザイーシャはその感情を押し留める。こういう時は、すぐに『遊ばない』。
(……念入りに下準備しなきゃだものね、ふふ♪)

 そこへ正気に戻ったクロエの声が響く。
「い、いえ、今はクーデターを阻止するのが大事でありますね」
 少なくともアリスもザイーシャもクロエの付き添いで来たのならば彼女の意志を無視するわけにはいかない。
 そんなわけで気を取り直して3人はエンデ討伐のために屋敷へと足を向けるのであった。


 というわけで。
「えーと、まずは潜入……か」
 門のところから中の様子を見つつ、アリスが呟く。そしてグリモア猟兵の話を思い出す。
「へー、ふーん……バカにしてるの?」
 さっきから言葉の刃が鋭い?!
 でもまぁ『貧乳なら警備だってかいくぐれるんだ』と言われたらそれもそうかなって思います。
「この胸ならきっと怪しまれずに中に入れるはずです」
「そこはもうちょっと、慎重に作戦を……ひっ」
 真っ直ぐに突っ込もうとするクロエを慌てて止めるアリス……の視界の端に映るザイーシャ。と同時に『ゾクッ』とした悪寒。
(なんか今、ザイーシャがブキミな笑顔で舌なめずりして……?)
 慌てて視線をザイーシャに遣るアリス。対してザイーシャは何事も無かったかのように視線を周囲に巡らせている。
「……い、行くわよもう!」
「はいであります!」
 悪寒を振り払うように門から入っていくアリス。それにクロエも続く。
(ああ、アリスと『遊ぶ』のが待ち遠しくて舌を出しちゃった)
 クロエの後に続きながら、自身の勇み足を戒めるザイーシャ。【何して『遊ぼう』かな?】と考えるのもほどほどにしておかないと。バレて次に繋がらないとなれば何の意味も無い。機を落ち着けて表情を取り繕って、ザイーシャはクロエの後へ続くのであった。

「さっそくひんぬーちゃんチェックが!」
 3人連れ立って、堂々と庭に入ってみたら速攻で囲まれるクロエ、アリスとザイーシャ。じりじりと間合いを詰めるように、あるいは3人を逃さないようにひんぬーちゃん包囲網が形成される。
「御機嫌よう、私もエンデ様の教えを受けに来ました♪」
 ザイーシャがそう告げれば、ひんぬーちゃんたちの視線がザイーシャに集中する。貧乳……というにはボリュームがあるような気がする。
 ひんぬーちゃんたちの視線が鋭くなる。これは敵判定か? だがまだクロエとアリスのチェックが終わっていない。
 刺すような鋭い視線がクロエとアリスに向けられて……じーっ。
「「…………」」
 クロエとアリスを包み込む緊張感……そして……。

「『ナイスひんぬー!』」
「「!?」」

 満面の笑顔で大唱和するひんぬーちゃんたちに、愕然とするクロエとアリス。
「は、はーい、ないすひんぬーです、え、えへへ……」
 アリスが、どうにか、絞り出すように。返事をする。
「え、エンデ様の教えを、受けに、来た……のであります……」
 なんとか、なんとかショックを顔に出さずに、そう告げるクロエ。
「エンデさまのおしえを、うけにきました~……」
 色んなものを押し殺して、アリスもクロエの言葉を復唱する。

 こうしてクロエとアリスの貧乳力(?)によって、ひんぬーちゃんチェックは無事突破できたのである。

「わーい、せんにゅうせいこうー……しにたい」
 屋敷の中へ入ってドアを閉めた瞬間、真顔に戻るアリス。
「うぅぅ、ま、まだ成長期であります……」
 そして崩れ落ちるクロエ。ザイーシャはそんな二人を見てニマニマとしている。

「ま、まぁほら、クロエにもアタシにも輝ける未来があるからね!
 崩れ落ちたクロエの肩をぽむっと叩くアリス。その言葉にクロエも顔を上げる。そうだ、まだ未来は決まっていない……!
「ら、来年こそは普乳までは育ってみせます」
 ぐっ、と拳を握り締めて宣言するクロエ。

 ともかく、当初の目的である屋敷への潜入は無事完了したのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ペルセポネ・エレウシス
【ブラック】
「胸囲価値均等法ですか、これは我がブラックカンパニーも社員規則として取り入れる必要がありますね。
フォスさん、特殊渉外課として法案の視察に行きましょう」

同僚のフォスさんと共に、胸囲価値均等法が成立するように行動します。
べ、別に私の胸の大きさとかは関係ありませんからね!(特徴:胸が小さい)

【メガコーポ式交渉術】であくまちゃんたちに話しかけましょう。

「私は巨大企業群ブラックカンパニー特殊渉外課の者です。
我が社のコーポレートガバナンスのためにコラボレーションでシナジーを生むためのアライアンスを組もうとMTGの席を設けさせていただきたく……」

理解不能になって注目度を奪ったところで潜入します。


フォス・オネイロス
【ブラック】

巨乳への恨みはそんなにないけど、
貧乳と巨乳の未来を担うかもしれない法案だね。
これはぜひ社則にも入れてほしいな。

細かなところとかも知りたいし、視察に行くのは賛成。
特殊渉外課として出張だね。

ペルセポネさんの胸は、あの大きさだからいいのにな(ぼそっ)
(本人も貧乳ですが、動きやすいのでいいと思っています)

屋敷へ潜入するときは、アシスタント然として、
自らも貧乳であることが解るように控えているね。

ただ潜入に成功した後で、

ペルセポネさん、言っていることがあまり解らなかったんだけど、
TKG(卵かけご飯)でおもてなし、ってことでいいのかな?

と、真顔で質問。
ペルセポネさんにきょとん、とされますね。


ミツルギ・ムラクモ
【ブラック】
「胸囲価値均等法ねぇ……
ボクとしては、やっぱり胸には夢が詰まってるべきだと思うんだよね。
巨乳派と貧乳派との熱い議論!
巨乳の子と貧乳の子の激しい対立!
ボクとしては、そういう青春を奪うような法律は良くないと思うんだよねぇ」

それにやっぱり貧乳の方が尊い……げふんげふん。
というわけで、ボクはエンデくんの賓乳派に賛同してクーデターに協力しよう。(個人的趣味)

「さて、ここはニンジャらしく潜入しようかねぇ」

【睡眠香】であくまちゃんたちには眠りに落ちてもらおうかな。
男のボクの方が胸は小さいので彼女たちも全力が出せないだろうしね。

「うん?
あそこにいるのは部下のペルセポネくんとフォスくんかな……?」




 次々とひんぬーちゃんこと『ひんぬーの国のあくまちゃん』のチェックを突破していく猟兵たち。
 戦闘が行われないということは平和であると同時に、ひんぬーちゃんの数が減らないということでもある。つまり、お庭にはいまだいっぱいのひんぬーちゃん。
 そしてそんな状況において、さらに屋敷の外に転送されてきた猟兵が2人。

 ペルセポネ・エレウシス(『ブラック・カンパニー』特殊渉外課所属・f36683)とフォス・オネイロス(『ブラック・カンパニー』特殊渉外課所属、腕力担当・f36684)である。その佇まいは他の猟兵たちと一線を画している。何故かといえば、彼女らは企業戦士。サイバーザナドゥのメガコーポ『ブラック・カンパニー』、その特殊渉外課に配属されているカンパニーマンであるからだ。彼女たちの戦いとはすなわち、『交渉』に他ならない。

 ペルセポネが件の屋敷を見据える。
「胸囲価値均等法ですか、これは我がブラックカンパニーも社員規則として取り入れる必要がありますね」
 なんでやねん、とツッコむ者はいなかった。
 何故かといえば、この場に居るのが『ブラック・カンパニー』の社長令嬢(ペルセポネ)とそのパートナー兼護衛(フォス)だったからだ。いや、何より。
「巨乳への恨みはそんなにないけど、貧乳と巨乳の未来を担うかもしれない法案だね」
 『これはぜひ社則にも入れてほしいな』とフォスも同調路線だった。ナンデ??

 まぁ最初(グリモアベースでのやりとり)が。
「フォスさん、特殊渉外課として法案の視察に行きましょう」
「細かなところとかも知りたいし、視察に行くのは賛成。特殊渉外課として出張だね」
 だったので、こうなるのは当然というかなんというか。

 というわけでペルセポネとフォスは門から庭へと足を踏み入れる。
「べ、別に私の胸の大きさとかは関係ありませんからね!」
「誰もそんなこと言ってないよ」
 数歩前を歩いていたペルセポネがしゅぱっと振り返りつつ補足するが、フォスが間髪入れずに返事。
「ペルセポネさんの胸は、あの大きさだからいいのにな」
「何か言いましたか?」
「ううん、何も」
 フォスがぼそっと呟いた言葉は押し寄せてくるひんぬーちゃんの足音にかき消されたのでした。


 速攻で囲まれたペルセポネとフォス。
 だがペルセポネの目的は『胸囲価値均等法が成立するように行動』だ。連れ立っているフォスとしてもそれに反対するつもりはなく。
 じりじりと間合いを詰めてくるひんぬーちゃんに対して、ペルセポネが仕掛ける!
「私は巨大企業群ブラックカンパニー特殊渉外課の者です」
「『……?』」
「我が社のコーポレートガバナンスのためにコラボレーションでシナジーを生むためのアライアンスを組もうとMTGの席を設けさせていただきたく……」
「『???』」
 よーし、はてなマークがすごい勢いで浮かんできたぞー。
 【メガコーポ式交渉術】に加えて、ペルセポネの『特徴:胸が小さい』が炸裂(?)している。そう、ひんぬーちゃんが敵対するほどの胸の豊かさがペルセポネにはない! さっきフォスがぼそっと呟いた通りである。
 なお、フォスはフォスで慎ましいので邪魔にはならない。というか自らも貧乳であることが解るように後ろに控えている。アシスタント然として。ちな、フォス的には(腕力担当なので)動きやすくてオッケーとか思っているのでこの場は平和以外の何物もない。
 ペルセポネの言葉はひんぬーちゃんには難しかったのだろう。というか純粋なひんぬーちゃんになんて攻撃を。完全に理解不能だったのと言葉の難解さに負けたのか、途端にペルセポネとフォスに対する興味を失うひんぬーちゃんたち。胸チェックも問題ないし。
 そんなわけでするりとひんぬーちゃんチェックを突破したのであった。

 何事なく屋敷へと辿り着いたペルセポネとフォス。
「ペルセポネさん、言っていることがあまり解らなかったんだけど」
 入り口から入ってしばらく進んだ後にフォスがペルセポネに問いかける。
「何でしょう?」
「TKG(卵かけご飯)でおもてなし、ってことでいいのかな?」
「……はい?」
 真顔で尋ねるフォスさんにきょとんとした顔で応えるペルセポネさんでした。


 ペルセポネとフォスが庭に突入した少し後。
 さらに、と転送されてきたのはミツルギ・ムラクモ(ブラック・カンパニー特殊渉外課課長・f36798)であった。既に存在感が薄いが仕様である。いや、仕様? ほんとに?
 さておき。
「胸囲価値均等法ねぇ……」
 ミツルギさん、何やら含みのある言い方である。
(ボクとしては、やっぱり胸には夢が詰まってるべきだと思うんだよね)
 不審者のごとく、門の辺りから周囲を確認しつつ、ミツルギの想いが口から零れる。
「巨乳派と貧乳派との熱い議論! 巨乳の子と貧乳の子の激しい対立! ボクとしては、そういう青春を奪うような法律は良くないと思うんだよねぇ」
 そう、これこそが胸囲価値に対するミツルギの持論だ。これもまた成長(?)の過程ならば、通るのを避けることはかえって不健全ということだろう。
 まぁ、その機会は全然奪われてないんですけど『絶対胸定』。『対胸囲価値自由法』もありますしね。
「それにやっぱり貧乳の方が尊い……げふんげふん」
 なんか本音が零れかけたところで、咳払いをして仕切り直すミツルギ。
「というわけで、ボクはエンデくんの賓乳派に賛同してクーデターに協力しよう」
 なんか個人的趣味に走るミツルギであった。

「さて、ここはニンジャらしく潜入しようかねぇ」
 といいつつ、速攻で【サイバーニンジュツ・睡眠香】を放つミツルギ。こう見えて、いや、いつもそうと見せかけて?
 とにかくやる時はやる男なのである。
 【サイバーニンジュツ・睡眠香】の効果でぱたぱたぱたっと倒れていくひんぬーちゃんたち。すやぁ。と気持ちよさそうに丸まって寝ている。
(胸に関しては彼女たちも全力が出せないだろうしね)
 それはどうかな? 全体的な胸の厚さという判定基準もあるんですよ?
 ともあれ、ひんぬーちゃんたちを物理的にスルーすることでミツルギはひんぬーちゃんチェックを突破したのである。


 というわけで、屋敷まで無事辿り着いたミツルギ。一応、気配を消しながら屋敷の中を進むと見知った者たちを見つけた。
「うん? あそこにいるのは部下のペルセポネくんとフォスくんかな……?」
 足を止めて様子を窺うミツルギ。
「TKG(卵かけご飯)でおもてなし、ってことでいいのかな?」
「……はい?」
 ペルセポネとフォスの、傍目から聞いていたらよくわからない会話が聞こえてきて、思わず閉口するミツルギ。
「…………」
 その会話の内容に合流すべきか否か、ちょっと悩むミツルギさんでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

津上・未有
まーだ胸のサイズがどうこう言っているのか…
そんなに重要なものかなぁ?…まあ、人によって価値観は異なるものだが
とりあえず、表面上はひんぬー派ってことにしておくけど。袋叩きにされたくないし
流石の我でも3桁の数の暴力には勝てぬ

じゃ、潜入するわけだが…
別に我の胸は大きくはないが、さりとて小さいかといわれると微妙なところだからな
(つい最近16歳になったこの子のお胸のサイズは70後半ぐらい)
ここはUC【永久に黒い幼き闇】を使って、子供の姿に変身するか
文句なしにぺったんこなこの姿なら『賓乳派だ』と言えば何も問題ないだろう
最悪トラブルになりそうなら飛んで逃げよう。この状態なら飛べるし

…しかし、ザルな警備だな…




 次々とひんぬーちゃんチェック――『ひんぬーの国のあくまちゃん』の警備を突破していく猟兵たち。もはやこの警備は意味を成しているのかどうか謎だが、それでもひんぬーちゃんたちは真面目に警備している。
 そんな状況で屋敷の外へ転送されてきた津上・未有(自称真の魔王・f10638)は1年前のことを思い出し、『魔王の御衣』(魔王様の素敵な衣服のことだよ)を翻しながら呟く。
「まーだ胸のサイズがどうこう言っているのか……」
 まーだ言ってるんですよ実は。前回も結構ひどい展開だったわけだが、今回も世論が動く程度には重要議題になってるっぽい。だがそれはこの国の人にとって、だ。
「そんなに重要なものかなぁ?」
 思わず未有が呟く。普通ここまでやるかって話である。法律とか。
「……まあ、人によって価値観は異なるものだが」
 嘆息をつくとともに、終わりのない疑問へそっと蓋をする未有。
 まぁ国のトップである魔王が変わればまた変わるのかもしれませんが、しばらくはこんな感じでいくんじゃないでしょうかこの国は。

 それはさておき。

 猟兵としてはオブリビオンのエンデを倒さないといけない。グリモア猟兵の説明に『オブリビオン』って単語はさらっとしか出てこなかったが、これはそういう依頼なのだ、たぶんきっとめいびー。
 というわけで、いざひんぬーちゃんの庭へ……踏み込む前に。
 魔王とて準備不足では勝てるものも勝てない。
「別に我の胸は大きくはないが、さりとて小さいかといわれると微妙なところだからな……」
 これはとても重要なポイントである。胸の大きさそのものは数値で指し示すことができる。……が、それに対する価値は人によって違う。
 つまり、つい最近16歳になった未有のお胸のサイズは70後半ぐらい(密告による)と数値では出せるが、これを見たひんぬーちゃんたちがどう判断するかは別ということだ。
 とりあえず、表面上はひんぬー派ってことにしたとしても、場合によっては囲まれるというケースもあり得る。
「袋叩きにされたくないし。流石の我でも3桁の数の暴力には勝てぬ」
 やはり戦いは数のようだ。っていうかデビキンの悪魔たち、ガチでは怖い。

 というわけで、さくっと【永久に黒い幼き闇】を発動する未有。なんかそれっぽい闇が彼女を包み込んだ後、その場に居たのは幼女(6~7歳くらい)の少女であった。
「文句なしにぺったんこなこの姿なら『賓乳派だ』と言えば何も問題ないだろう」
 幼女の声は未有のもの。なんと、この姿は未有の幼少期の姿なのだ。もちろん変身した姿なので後で戻る。そしていざという時には戦闘力もアップしているし、何より空が飛べる。
「最悪トラブルになりそうなら飛んで逃げよう」
 万全の態勢を整えて、真正面から庭に足を踏み入れる未有。
「じゃ、潜入するか……」
 とか言っているが、真正面から行くのが潜入といえるか?? まぁいいか。
 そんな未有に対して、任務なので速攻で取り囲むひんぬーちゃんたち。そして自然な流れでひんぬーちゃんたちの視線が未有の胸に集中する……が。
「『…………』」
 ひんぬーちゃんたちの視線と表情は柔らかい。若干お姉ちゃんムーブが出ているかもしれない。
 何故かといえば、ひんぬーちゃんたちにとって今の未有は自分より小さい子だし、もちろん胸も小さいし。敵対する要素が皆無だからだ。
 なので、てくてくてく、と庭を縦断していこうとしている未有にひんぬーちゃんたちも優しく見送るばかり。
(……しかし、ザルな警備だな……)
 そんなことを思いながら、何の問題も無く屋敷に辿り着いた未有でした。
 びば、ひんぬー。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘスティア・イクテュス
胸囲価値均等法、もう一年か懐かしいわねまぁ以前関わったからにはね今回も関わらせてもらおうかしら…
…今回はおっぱい増やしてDでチャリンチャリン出来ない?なんで?(迫真)


…癪だけど、癪だけど!まぁ賓乳派として振る舞えるし屋敷に入り込むのは楽なのよね…
(来るひんぬーちゃん)(始まるチェック)(思い出す前回のやっぱりひんぬーこそが至高ね!)
そして咄嗟に出るビンタ!

貴女、賓乳派にしては(わたしより)大きくない?乳が高いわ、賓乳派としてやる気あるのかしら?
ん?そっちの貴女も(わたしより)1μm大きくない?貴方達賓乳派としての自覚が足りないようね!
と少々の多寡でねちねちと脅迫(いびり)

ふぅ、今回はこんなもんね…はい、じゃあ業務規程違反ってことでこれ(取り出した袋)に罰金、持ってるDを入れなさい
今回のことをエンデ様に知られて良いのかしら?

ついでに可能なら行政改革、遊んでる彼女たちにもっと巨乳を厳しく取り締まるよう指導を…
おらぁ!そこの侵入者!わたしより胸が高いぞ!!!



●グリモアベースにて
 グリモアベースというのは縁の集う場所だ。
 グリモア猟兵による予知からの依頼もこの場が無ければ成り立たない。そんな縁を辿ってか、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)は1年ぶりにとあるデビルキング法の名前を耳にしていた。
「胸囲価値均等法……もう一年か、懐かしいわね」
 目を細めて懐かしむヘスティア。

 そうだ、およそ1年前。胸囲の価値を巡ってヘスティアは戦ったのだ……猟兵と。
 え? ナンデ? とお思いの方。安心してほしい、ヘスティアは成立阻止派……前回の流れの中で言うと、オブリビオンの野望を阻止する側であった。そう、不埒な巨乳の野望を阻止したのである。
(まぁ、以前関わったからにはね……今回も関わらせてもらおうかしら……)
 そんなことを思いながら、ヘスティアはグリモア猟兵の予知の内容を聞いていく。
 そして。
「……今回はおっぱい増やしてDでチャリンチャリン出来ない? なんで?」
 話を聞き終えたヘスティアは速攻でまっすぐにグリモア猟兵に詰め寄った。
「わたくしに言われましても?!」
 近い近い顔が近い。美少女の詰め寄りとか場合によってはご褒美だが、今回に限っていえば、ヘスティアの表情が迫真過ぎてマジ怖い。
 だが落ち着いて聞いてほしい。というか落ち着いて見て欲しい。
 1年前の胸囲価値均等法は『全ての胸の価値を等しく』であったが、今回の胸囲価値均等法は『胸囲の格差による差別および迫害を禁止する』だ。つまり、おっぱい増やしてDをチャリンチャリンしても法的には問題ない。後はどうやって胸を大きくうわなにをするー?! っていうか、その野望まだ持ち続けていたんですねヘスティアさん……。

 そんなこんな(?)がありまして。ヘスティアもまたデビルキングワールドの件の場所へと飛んだのでした。

●デビルキングワールドにて
 件の屋敷の門のところで。
 ヘスティアは一度立ち止まる。
「……癪だけど、癪だけど!」
 ぎりぃ。歯ぎしりをしながらヘスティアは耐える、耐えている……! 何かというと潜入作戦とソレが見せつけてくる事実について、である。
「まぁ賓乳派として振る舞えるし屋敷に入り込むのは楽なのよね……」
 だがヘスティアは耐え抜いた……! ヘスティアの言う通り、賓乳派として振舞えるならそれだけでプラス要素だ。
 というわけで、ほぼノーガードで庭の中へ踏み込むヘスティア。
 その気配に気づいたひんぬーちゃんこと『ひんぬーの国のあくまちゃん』たちが速攻でヘスティアを取り囲む。

 じーーーーーーーっ。

 おもむろに始まるひんぬーちゃんたちのチェック。その様子にヘスティアは何気なく前回の戦いのことを思い出していた。
 そう、確かあの時は……ヘスティアが相手方二人を抑え込み、味方がひんぬーちゃんたちのユーベルコード【やっぱりひんぬーこそが至高ね!】をコピー、自陣強化の上で一気に決めようとして……。
「……!!」
 くわっと目を見開くヘスティア。と同時に手が動いた。

 ぱぁぁぁっんっ!!

 綺麗な音が響く。と同時にひんぬーちゃんの顔がはじけ飛ぶように回る。
「……!!!???」
 『何事?!』って表情のひんぬーちゃん。さもありなん、まさか反応できない速度でビンタが飛んでくるとは思ってなかっただろう。そう、先の音はヘスティアが放った咄嗟の一撃(ビンタ)が炸裂した音である。
 自分の頬を抑えながらヘスティアに向き直るひんぬーちゃん。
「貴女、賓乳派にしては大きくない?」
「?!」
 そこに在ったのは比較的ガチ目のシリアス表情なヘスティアがいた。しかも速攻で距離を詰めていた。ちかいちかいちかい。思わず引くひんぬーちゃん。
 あまりにも唐突過ぎて周りの者はついていけてない。それほどにまでヘスティアのビンタは速かったのだ……!
 そのビンタの源は前回の戦いにある。
 前回。ヘスティアは強化されなかった。されなかったのだ……。つまり、その、なんだ。『賓乳派にしては大きくない?』の大きくないの前には『わたしより』という単語が入るのだ。そういうことである。
「乳が高いわ、賓乳派としてやる気あるのかしら?」
 なにその迷言。天才か。
 だが言った本人はマジである。じりじり。少しずつヘスティアの真顔がミリ単位で迫っていき、ひんぬーちゃんを追い詰める。
「ん? そっちの貴女も1μm大きくない?」
 注釈:わたしより。1μmを目測で判断できるヘスティアさんぱねぇっす。
「貴方達賓乳派としての自覚が足りないようね!」
 そう言われてしまってはひんぬーちゃんたちも振り上げた拳を降ろすしかない。だって目の前にいるヘスティアはどこまでも賓乳なんだもの。
 そんなヘスティアさんにかかれば、どんなひんぬーちゃんだって格差社会の餌食だ。こーゆーのを阻止するために絶対胸定を決めようって言ってるのに、(反対派の)賓乳派に与するから……!
「ふぅ、今回はこんなもんね……」
 そんなわけでこぞってヘスティアとの胸囲の格差社会を指摘されたひんぬーちゃんたちはその場に正座してしゅんとしている。

「はい、じゃあ業務規程違反ってことでこれに罰金、持ってるDを入れなさい」
「『……え?』」

 ヘスティアが唐突に取り出した袋は集金袋。おっとここで唐突に海賊ムーブだぜ! 
 だがひんぬーちゃんたちとて、古参(?)の賓乳派として新参者(?)に負けるわけにはいかない。そんな脅しには屈しない、とヘスティアを睨みつけるひんぬーちゃんたち。
 しかし相手はヘスティアさんなのである。
「今回のことをエンデ様に知られて良いのかしら?」
 さらっと【海賊女王の絶対王権】をちらつかせるヘスティア。隙の無い二段構え……なぜだ、なぜ今、全力を尽くしたのか……。

 そんなわけ(?)で。
「貴方達、遊んでないでもっと巨乳を厳しく取り締まりなさい」
「『は、はい……!』」
 まだDが欲しい、とその場で行政改革指導に入るヘスティア。ちな、巨乳とかいってるけど、『ヘスティアより大きい』の隠語だと思っていただきたい。
 さておき。
 まだ時間はありそうだ。ここは一度実践するべきだろう。折よく外からの侵入者(♀)が現れた!!

「おらぁ! そこの侵入者! わたしより胸が高いぞ!!!」

 どんな脅し文句だよ。
 だがヘスティアの(今の)迫力に勝てる者はきっといない。

 こんな感じでDをちゃっかり集めつつ、自分より胸の大きな存在を排除していくヘスティア。B以上がいなくなればこっちのものだ。後はA以下、つまり勝算(?)は高い。
 胸の谷間は無理だったけども、Dでチャリンチャリンはしっかり進めていくヘスティアさんでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『魔戦闘姫エンデ』

POW   :    エンデ様の偉大なる攻撃魔法
【火・水・風・土4属性を闇で包んだ魔力砲】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    エンデ様の麗しい本気形態
【エンデ様成長モード(身長伸びても胸は無)】に変身する。変身の度に自身の【魔力をブーストする角】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
WIZ   :    なんか腹立つので死刑!
敵より【背が低い(男性)/胸が小さい(女性)】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はユーフィ・バウムです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 無事(?)ひんぬーちゃんたちの防衛網を突破した猟兵たち。一部、心に傷を負ったりしているがなんとか回復してほしい。本番はこれからだ。あるいはD(デビル)を稼いでいたりするが、それはさておく。大丈夫、デビルキングワールドだから。

 そんなわけで最初にグリモア猟兵から聞いていた今回のクーデターの首魁(まだ計画段階だけど)がいる屋敷の最上階、さらに一番広い部屋へと突き進む猟兵たち。幸いにして屋敷の中はほぼノーガードだ。屋敷の中の人も『ひんぬーちゃんチェックを通り抜けてきた人を疑うなんて』と無条件に信じている。なのであっさり辿り着いた。

 この中に『魔戦闘姫エンデ』がいる……!

 勢いよくドアを開ける。
「なっ、ノックもせずに開けるとは無礼者っ!!」
 なんと、お着替え中でした。隠してはいるがその胸の慎ましさ加減は隠しきれていない。というか、ほんとにつるんぺたーん。
「で、でてけーっ!!」
 胸を隠しきれていないと察したエンデがそこらにあるものを全力で投げつけてくる! 確かに着替え中はマズイ。一回出直す猟兵たち。

 しばし後。

「……コホン」
 お。合図があったぞ。

 改めて勢いよくドアを開ける!

「なっ、貴様ら何者だっ!」
 改めて驚いたような演技をするエンデさん。大丈夫、今回は戦闘装備になっている。胸の慎ましさすら誇るような衣装はさすが『賓乳派』の筆頭と言えよう。
 だがこう見えてもオブリビオン。部屋の中を見渡せば、そこら中に積み上げてあるD。もはや部屋の調度品か、というレベルで備え付けてあるDはオブリビオンの手にかかればカタストロフを引き起こすエネルギーとなってしまう。このまま放置するわけにはいかない。
「なるほど。貴様ら、乳は高い方がいい派だな? 何故だ、何故『賓乳』の良さがわからんのだ!!」
 黙っていたらなんか話が進んでしまった。いやまぁ、アポなしで乗り込めばそうもなるか。
「『絶対胸定』など決して成立させん! 『賓乳こそが絶対にして至高』とこの世に定めることが我が役目ゆえにな!!」
 このオブリビオンもだいぶこの国に汚染されているっぽい。賓乳を通り越して、残乳さん(残念な性格の貧乳さん、の意)になりかけている気がする。

 ともあれ、エンデを倒すことは既定事項だ。

 エンデが翻したマントの風でDが舞い散る中、『絶対胸定』を巡る戦いが今始まろうとしていた……!


※シナリオ補足※
 部屋の広さ・高さは程よく十分にあります。長物の武器でも振り回せますし、壁や天井を使った3次元機動も可能です。なお、屋敷を破壊しても問題は何もありません。部屋中にあるDは好きにしてください。戦闘後、残っていた分は『全員の共有』名義で回収されます。

 エンデは現状、猟兵たち全員を『巨乳派』と思って攻撃してきます(まだ胸は注視していません)。その誤解を解きに行くことで隙を作り出せるかもしれませんし、不毛な戦いになる可能性もありますし、相打ちの可能性もあります。
 なお、巨乳で煽った場合、もがれそうになりますので気を付けて(コメディ・ギャグ的なプレの場合)。マジの煽りはガチ反撃されるので気を付けましょう。
 タグにあるように『コミカル、ギャグ、大ボケOK』なので、振り切っていただく分には問題ありません!

 あ、エンデはちゃんと倒しましょう。
ヘスティア・イクテュス
エンデの言に満面の笑みを浮かべ、胸を張り賓乳派に見せかけ
此方を献上にと袋の中のDを見せ
(両手で袋を引きずりながら)ゆっくりと歩み寄り
足を踏みつけ避けれないようにしたら(袋で)軽くビンタ
どっ、こい……しょ!!

…確かにDを集めて胸を大きくするという野望を持ったわたしは『巨乳派』と言って間違いないでしょう
…まさに鏡合わせのように相容れない…
誰の胸が鏡のような胸面だ、言ってみろ


そのままエンデを投網用端末シルキーで『捕縛』し拷も…げふん『電撃』
今の言葉で傷ついたわね~
去年不埒な巨乳によって傷つけられたS.F.Oの装甲位傷ついたわね~

慰謝料、『胸囲価値均等法』の胸囲侮辱罪(勝手に)でDを全没収ね
払わなくても良いけどその場合禁錮刑よ

圧潰砲を取り出し
相対性理論において、例えば…例えばなんだけど
ブラックホールの中心にいた場合、此方の一瞬がそっちでは永遠なのよね…
ということで解答、5、4、3、2、1(早口で)


穏やかな話し合いの上でわたしはDを譲り受け…きゃっほーい!
あっ、トドメは他の人任せたわ



●華麗なる裏切り
 それは『魔戦闘姫エンデ』が猟兵たちを追い出して、お着替えを完了させるわずかな間で発生した。

「げぶぅっ?!」
 エンデが女の子の口から出しちゃいけないような悲鳴をあげて吹っ飛んだ。エンデを吹っ飛ばしたのは大量のD(デビル)が入った袋である。その袋は誰が持っているものかと言うと。
「……ふぅ」
 いい汗かいた、的な仕草で額の汗を拭っているヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)さんのものでした。

●説明しよう!
 エンデの着替え中にうっかり(?)乗り込んだ猟兵たちは一度部屋から追い出される……と見せかけて、しかしヘスティアはUターンしてずずいとエンデのところまで踏み込む。
「……!? 我に歯向かうとは貴様、乳は高い方がいい派かー?!」
 動揺しすぎておめめがぐるぐるしているのは気付かないふりをしてほしい。
 だがエンデのその言葉こそヘスティアが待っていた言葉だ。
「……ふっ」
 自信を漲らせて、ヘスティアは満面の笑みを浮かべて胸を張る。
「……!?」
 そこに胸は……無い。いや、失礼。胸という部位はあるが高さは無い。その様子にエンデはさらに思考が混乱する。
 なんで? なんで賓乳派がここにきているのだ? と。

 そこへ畳みかけるヘスティア。
 背中に背負っていた袋をどさっと前に置き。
「此方を献上に」
 と言いつつ、中身を見せる。そこにはD、大量のDだ! あれ、これさっきひんぬーちゃんから奪った、げふんげふん。
「あ、ああ……そういうこと?」
 ようやく得心がいったらしい。ほっと胸を撫で下ろす(すとーん)エンデに向かって、両手で袋を引きずりながらゆっくりと歩み寄るヘスティア。
 そして至近距離まで辿り着き。

 むぎゅ。

「はい?」
 自分の足を踏みつけたヘスティアに向けて首を傾げるエンデ。
「どっ、こい……しょ!!」
 掛け声と気合とともに、大量のDが入った袋を両手でぶん回すヘスティア! 当然のごとく袋は宙を舞い、その進路上にはエンデの顔がある。
「えっ、ちょっ、なっ?!」
 逃げようとするエンデ。しかし、足をヘスティアに踏まれている! 逃げられない!
「げぶぅっ?!」
 賓乳派に見せかけた奇襲に成功したヘスティアは額の汗をイイ顔で拭うのでした。

●頬を押さえて倒れる賓乳と見下ろす鏡乳海賊
 ものっそい勢いでぶん殴られて吹っ飛んだエンデ。
「……確かにDを集めて胸を大きくするという野望を持ったわたしは『巨乳派』と言って間違いないでしょう」
 その様子に内心満足しつつ、ヘスティアはエンデに歩み寄る。
「……まさに鏡合わせのように相容れない……誰の胸が鏡のような胸面だ、言ってみろ」
 もっかいD袋ビンタ。
「何も言っておらんしっ!?」
 理不尽に叩きのめされるエンデ。
 ここに賓乳(ひんにゅう)派と鏡乳(きょうにゅう)派の戦いが始まった……また新たな言葉が生まれちゃったじゃん。天才かよ。
 なお、見た目の構図としてはヘスティアがDの入った袋で一方的にボコっている。
「今の言葉で傷ついたわね~」
「今の言葉って『何も言っておらんしっ!?』のこと?!」
 ヘスティアの言葉にエンデがキャラを忘れて思わずツッコむ。理不尽極まりない展開だが、仕方ない。だってヘスティアは宇宙海賊だもの。
「去年不埒な巨乳によって傷つけられたS.F.Oの装甲位傷ついたわね~~」
「そんな……!?」
 ちなみにS.F.Oっていうのは、プルトン人より鹵獲したUFOにSSWの技術を合わせたもので戦争にも耐えられる装甲を持っているよ。かすり傷っていうのも憚れる程度の傷しかついてなかったよ去年。
 だがその事実をエンデは知らない。というか、ヘスティア、今日はS.F.O持ってきてない(見せてない)。なので事が非常に重大に聞こえるわけだが以下略。
 問答無用に【投網用端末シルキー】を放つヘスティア。捕獲用の網を射出する見た目は円筒状の装置だが、なんと、無線誘導式である。絶対逃がす気ないヤツである。
「あばばばばーーー?!」
 またエンデが女の子が出しちゃいけない悲鳴をあげてる……。でもまぁ網に掴まった瞬間、電撃が流れてきたらそうもなるか。ヘスティアがシルキーに指示を出す時、『拷も……げふん』とか言ってたのは聞かなかったことにする。
 ヘスティアのやりたい放だ……こほん。的確な作戦によって捕縛&麻痺状態なエンデ。そのエンデの前にヘスティアが歩み寄る。
「慰謝料、『胸囲価値均等法』の胸囲侮辱罪でDを全没収ね」
「まだ成立しておらんのじゃけど!?」
「払わなくても良いけどその場合禁錮刑よ」
「勝手に!?」
 胸囲価値均等法を潰すために暗躍している輩を、胸囲価値均等法で倒しました、を地で再現するヘスティア。
 だがエンデもまた賓乳派としてその要求を呑むわけには行かない。
 主張はどこまでも平行線だ。

「例えば……例えばなんだけど」

 急に声のトーンを落としてヘスティアがエンデに語り掛ける。
「……?」
 不思議に思ったエンデが首を傾げた瞬間。
「おわぁぁっ!?」
 窓から全長数mのキャノン砲が突っ込んできた。こちらも遠隔操作式な【対準星獣用重力圧潰砲】、もちろんヘスティアの持ち物である。
「相対性理論において、ブラックホールの中心にいた場合、此方の一瞬がそっちでは永遠なのよね……」
 ヘスティアの語りにタイミングを合わせるように、チャージを開始する【対準星獣用重力圧潰砲】。圧倒的なプレッシャーを放つ重力砲のチャージ。そして【対準星獣用重力圧潰砲】とヘスティアに挟まれるエンデ。

 はよ誠意みせーや(意訳)

 ヘスティアはとても笑顔だ。
「ということで解答、5、4、3、2、1」
「待ってぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇ!?」
 ヘスティアが超早口でカウントダウン。そこへかろうじて滑り込みを決めるエンデ。

 そして穏やかな話し合い(?)が行われ……。

「きゃっほーい!」
 エンデが集めてきたDのほぼ全てを譲り受けたヘスティア(本人談)。
「あっ、トドメは他の人任せたわ」
 まだ猟兵たちとエンデとの戦いは始まってないんだけど?
 
 ともあれ、ひんぬーちゃんとエンデから合法的(?)にDを奪った、嵐のような宇宙海賊は颯爽とその場を立ち去ったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
いや~、本当に申し訳なかった! 妾だって配信前の準備中に突撃されたら超困る!
ともかく、妾の用件はただ一つ、賓乳派のトップの座を奪いに来た!
同士にして同志として、お主の理想は素晴らしいと思うが、だからこそ妾のモノにしたくてのう?

お主に本気を出されたら、妾が勝利する可能性は薄いかもしれんな
しかし良いのか? パワーアップする、してしまうのか?
バトルには勝てるであろうが、もっと大切なモノを失うぞ?
お主が自ら認めるのだ…妾の方が胸が大きいと!

此度のコンセプトは『口先のみで圧勝』!
強化ナシでバトれば勝てるだろうし、負けても妾は今回は全然構わんぞ?
あ、言ってることは全部演技で嘘だからな? ホントだぞ?




 『魔戦闘姫エンデ』の着替え中にうっかり(?)乗り込んでしまった猟兵たち。一度部屋から追い出され、そして合図(?)があったので改めて突入する。その間になんか物凄い音がしていたのだが、それはさておき。

 バァンっ!

 勢いよくドアを開けて再突入する邪神様こと御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)。
「なっ、きさ……」
「いや~、本当に申し訳なかった!」
 エンデが話し出すよりも早く、菘が口を開ける。非常に朗らかで敵意がないような、あるいは友人の家へ遊びに来た感覚で告げる菘の言葉は謝罪であった。
「妾だって配信前の準備中に突撃されたら超困る!」
 やっぱりマナーって大事だよね。色々見せられないものもあるし?
「……?」
 しかし、そこで菘が気付いたのは部屋の中の惨状だ。なんか窓が破られているし、部屋の中にあったDはどうしたのか? だいぶ量が減っている。10分の1くらいになっているんじゃなかろうか。それでもまだ大量にあるんだが。
 しかし、今の最優先事項はそれではない。

「ともかく、妾の用件はただ一つ、賓乳派のトップの座を奪いに来た!」
「なん……だと……?!」

 菘の勢いに圧倒されていたエンデがようやく正気に戻った。いや、いつも演技なのかソレ? そんな疑惑はさておき、エンデと菘の間では視線がぶつかり、火花が散っている!
「同士にして同志として、お主の理想は素晴らしいと思うが、だからこそ妾のモノにしたくてのう?」
「なるほど……その胸、その佇まい、そしてその気迫。貴様もまた賓乳派として認めざるを得ん……だが!!」
「そう簡単には譲らん、というわけか。よかろう!!」
 おもむろに戦闘態勢に入る両者。お互いが『同士にして同志に、胸を見せぬのは失礼』と直立に近い体勢で向かい合い……じりじりと間合いを詰める両者。額から頬に一筋の汗が流れていく。
「お主に本気を出されたら、妾が勝利する可能性は薄いかもしれんな」
「ほう……? 活きが良いのは最初だけか?」
 菘の言葉にエンデがニヤリと笑う。それはつまり、今『得た感情のままに』力を振るえば、エンデが菘に勝つということだ。そう、『なんか腹立つな』というこの感情がエンデを勝利に導く……!
「しかし良いのか? バトルには勝てるであろうが、もっと大切なモノを失うぞ?」
「……っ?!!」
 その思いに全力で釘をさす菘。耳を貸さずに攻撃を放てば勝てるのに、エンデは耳を傾けてしまう。これは直感だ……聞き逃すと大変なことになる、という。
「パワーアップする、してしまうのか? お主が自ら認めるのだ……妾の方が胸が大きいと!」
「……!!!!」
 同士にして同志から、聞きたくなかったそんな言葉。
「ばか……な……」
 がっくりと崩れ落ちるエンデ。いや、賓乳派としては特に問題ないっていうか、むしろ首魁としてはトップオブ賓乳を目指して欲しいところだが、彼女も胸の大きさを気にする女の子である。
 見よ、目の前の菘を。
 そんなにあるようには見えない、というか、戦いに胸は邪魔よ、と言わんばかりの絶壁である。それでいて美しい女性とひと目で認識されるのだから、女性は胸じゃないと体現している存在とも言えよう。
 そんな菘より小さい……もちろん背も小さい。成長? オブリビオンに?
 色んな絶望がエンデに降りかかる。
「『シュレディンガーの胸』という言葉を知っておるか?」
 そんな言葉はもちろん無い。無いが、まことしやかに囁かれている言葉でもある。どういうことかというと、比べなければ胸囲の貧富はわからない。
「ならばこそ、このまま戦うことが妾たちの活きる道……!」
「そ、そうね!!」
 エンデさん、キャラ忘れてる忘れてる。
 しかし、菘の言葉に立ち直ったエンデは再び構える。それに応じるように、菘も構える。

 ――作戦通り(にやり)

 そう、ここまでの行動は全て菘の作戦通りだったのだ! 此度のコンセプトは『口先のみで圧勝』! 
 もし誰か別の猟兵に聞かれたならこう答えるだろう。
「あ、言ってることは全部演技で嘘だからな? ホントだぞ?」
 と。

 そんなわけで真っ向勝負に持ち込んだ菘はエンデをボッコボコにするのでした。まぁ、そうなるよね。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガイ・レックウ
【SPD】で判定
『胸に貴賎はない…でも気にしてるのは可愛いよねと思ってる俺としてはなんというべきか…』
うーんと悩みながら突入(実際はボイン好き)。【オーラ防御】で万一の場合に備えておく
『とりあえず、仕方ない…』
ユーベルコード【禁呪『百花繚乱・血染め雲』】呪詛から形作った女剣士を召喚・・・・もとがもとなのでバインバインの巨乳である
『あ、やべ……そうだよ!大きいのが好きで何が悪い!!このぺったんこ姫!!』

やけくそ気味罵倒しながら斬りかかります!!




 『魔戦闘姫エンデ』との戦いは非常な困難に満ちていた。主にエンデ側に。なんかもう、いっぱい人が押し寄せてきているからである。そしてそんな中へガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)が駆け付けた。
「胸に貴賎はない……」
 部屋に入るなり、そう呟くガイ。見た目はワイルドな顔立ちに立っていればそれだけで絵になる体格。控えめに言ってナイスガイ。
 だが。
(でも気にしてるのは可愛いよねと思ってる俺としてはなんというべきか……)
 内心はそんなことを考えていた。ギャップか、ギャップを狙っているのか?
「うーん……」
 悩みながら部屋の中に突入する、実はボイン好き……失礼、戦闘態勢のガイ。一応、不意打ちとか巻き込まれとかがあってもいいようにオーラ防御で備えてある。
「くっ……おのれ、この屈辱、貴様で晴らしてくれるっ!」
 他の猟兵にボコられた結果、ガイをボコろうとしているエンデの図。ガイの悩みなど気付く様子もなく、完全に戦闘態勢である。
「とりあえず、仕方ない……」
 会話は不可能と見て、ガイがユーベルコードを発動する。
「呪詛よ、仮初めの姿を作り出せ!!」
 ガイの声に応じて現れる、花簪の呪詛から形作った黒髪の女剣士。なお、もとがもとなのでバインバインの巨乳である。
「貴様も乳は高い方が良い派かーーーーっ!!」
 エンデ絶叫。と同時に麗しい本気形態へ変身。傷や体力が回復して身長が伸びても胸の高さは据え置きプライスレス。
「あ、やべ……そうだよ! 大きいのが好きで何が悪い!!」
 開き直ったよこの男。いや、はっきり言ってないだけで最初からこのスタンスなのでむしろ潔いというべきか。依頼のために主張をごまかす必要など無いのだし。
「このぺったんこ姫!!」
「あるわっ!! 乳の脂肪など戦いには邪魔っ!」
 やけくそ気味に悪口を言いながら斬りかかるガイ。その攻撃を杖で受け止めて魔力を高めるエンデ。
「その不埒な巨乳、我がもいで……否、爆ぜよ!!」
「させるかぁぁぁ!!」
 なんかよくわからない言葉の応酬をしつつ、ガイ(と黒髪の女剣士)とエンデの戦いは熾烈を極めるのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロエ・アスティン
【太陽の家】
む、胸に貴賤はないであります。
胸の大きさで争いがなくなるなら、そ、それが一番であります!

いえ、じ、自分もできれば英霊様達みたいにスタイルがよくなりたいでありますが……
と思うも親友のアリス様になんだか持ち上げられてしまい言うに言えなくなってしまったであります。

【戦女神に捧げる聖なる祈り】をささげ、戦乙女姿になって反撃であります。
くぅ、何やら敵の攻撃が3倍くらいに強化された気がしますが、なぜでありましょうか。
ひゃっ!?む、胸を掴まないでください。
な、なにやら確認された後、精神的ダメージをくらっているようでありますね。

※アドリブ・連携も歓迎


アリス・クイン
【太陽の家】
だれが巨乳好きよ!
いや小さい乳の良さもわからないけど!

そもそも「賓乳」ってなによ!そりゃ貧乳とか言われたらムカつくけど
でもね、呼び方変えて偉ぶって、巨乳いじめて満足するのはダメでしょ!

そういうのは心が貧しいっていうの!胸だけじゃなく心まで貧しくなってどうするの?そんなんで賓乳だなんて片乳痛いわ!

それに比べて……見なさいこのクロエを!
こんなに慎ましい胸なのに巨乳に嫉妬することなく、そのままの姿で生きている。その心こそ本当の「賓乳」ってやつじゃないのかしら?

この問いかけを著作として、貧乳は慎ましくあるべきの獣(クロエっぽいぬいぐるみ状のけもの)を召喚するわ!いけー!

※アドリブ連携、歓迎


ザイーシャ・ヤコヴレフ
【太陽の家】
なんて可哀想なエンデ様
地獄の炎のような妬みで同じ賓乳を嫉視反目してるだなんて

別にありのままの自分を受け入れる、でいいじゃないかな?
クロエもアリスも、胸があってもなくてもクロエだしアリスなんだし
それにクロエなんて、毎日毎日お胸を大きくさせるための努力をしてるんだよ?
そういう姿勢こそ、清貧の聖女様だよね♪

三人で逆上したエンデ様に立ち向かうね
クロエが騎士物語の騎士様のような姿になったら、私はアリスクロスを鮫のバーバ・ヤーガに変えてサメ頭巾のアリスになるよ
私の水着姿にエンデ様がカチンって来たみたいかな?
さぁ、行きなさい
残乳を貪る鮫面魔獣(シャークヘッド・ビースト)!

※連携、アドリブ歓迎だよ




 『賓乳派』の争いは激しい。何故かというと、慎ましい中でもその高さを競い合うことが往々にしてあるからだ。慎ましければ、小さければ敬われる……と簡単にはいかない。
 ゆえに戦いは避けられない。主に胸の高さによって。
 ゆえに『魔戦闘姫エンデ』は叫ぶ。

「貴様ら、乳は高い方がいい派かぁぁぁぁぁ!!」
「だれが巨乳好きよ!」

 エンデの絶叫を、誰に向かって物言ってんだくらいの勢いで跳ね返すアリス・クイン(ビビり屋毒吐き姫・f24161)。その反応速度にビビるエンデ。
「いや小さい乳の良さもわからないけど!」
 何故そこで日和ったの。
「む、胸に貴賤はないであります。胸の大きさで争いがなくなるなら、そ、それが一番であります!」
 そこでさりげなく、そして完璧なタイミングでフォローを入れたのはクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)である。その佇まいはもちろんのこと、胸もとても慎ましい。しかし、彼女はまだ諦めていない。
(いえ、じ、自分もできれば英霊様達みたいにスタイルがよくなりたいでありますが……)
 と常々思っているのは事実だ。事実……だが。

「そもそも『賓乳』ってなによ!」
「そりゃ貧乳とか言われたらムカつくけど、でもね、呼び方変えて偉ぶって、巨乳いじめて満足するのはダメでしょ!」
「そういうのは心が貧しいっていうの! 胸だけじゃなく心まで貧しくなってどうするの? そんなんで賓乳だなんて片乳痛いわ!」

 クロエが次の言葉に躊躇っている間に、親友の口から新しい乳語が生まれていた。片乳痛いってなにさ。天才かよ。
「あ、あの、アリス様……」
 自分、胸が大きくなりたいです。その想いを耳元で囁こうとアリスにそっと近寄るクロエ。その様子を視認したアリスが叫ぶ。
「それに比べて……見なさいこのクロエを! こんなに慎ましい胸なのに巨乳に嫉妬することなく、そのままの姿で生きている。その心こそ本当の『賓乳』ってやつじゃないのかしら?」
「……あっ」
 もうこれ、絶対に言い出せないやつ。ついでに言うと、アリスはその問いかけを元にユーベルコードを発動している。これ絶対無かったことにできないやつ。
「う、ううう……」
 持ち上げられて嬉しいような、言い出せなくて悲しいような複雑な感情を抱きつつ、アリスの思いを否定しないように、クロエは胸を張るのでした。

 一方。
「む、むぅ……?!」
 アリスのすごい剣幕と正論にエンデは完全にビビっていた。本人的には『巨乳死すべし慈悲は無い』と出会い頭に斬り殺す勢いだったのだが、すっごい勢いで反射されたからである。なお、鏡面のような胸があったわけではない、一応念のため。
「なんて可哀想なエンデ様」
「?!」
 その声は耳元から聞こえた……ということは背後に誰かいる。慌てて杖を振るいながら振り返るエンデ。そこにいたのは距離を取るように飛び退いたザイーシャ・ヤコヴレフ(Кролик-убийца・f21663)であった。
「地獄の炎のような妬みで同じ賓乳を嫉視反目してるだなんて」
「有る者にはわからんのだ、この苦しみは……!!」
 魔法を放って牽制するエンデ。それを回避しながらザイーシャはアリスとクロエに合流する。
「別にありのままの自分を受け入れる、でいいじゃないかな?」
 その言葉はザイーシャ以外の、クロエ、アリス、エンデに向けて。
「クロエもアリスも、胸があってもなくてもクロエだしアリスなんだし」
「そこで胸を見る必要ある?」
 ザイーシャの言葉に視線と言葉でツッコむアリス。
「それにクロエなんて、毎日毎日お胸を大きくさせるための努力をしてるんだよ?」
「やってないでありますよ!?」
 ザイーシャの言葉に、ぎゃんって勢いで振り返りながらツッコむクロエ。仮に本当だとしても、この場でカミングアウトするのはどうなのだろう?
「そういう姿勢こそ、清貧の聖女様だよね♪」
「ううう……」
 (結果的に)弄ばれているのだがそこはいいのだろうか、聖女様。

「ええい、やかましい!! なんか腹立つので死刑!!」

 しかし、彼女らの言葉はエンデには届かないようだ。エンデの姿が麗しい本気形態(身長伸びても胸は据え置き)となり、そのまま間髪を入れずに襲い掛かってくる!
「こっちも準備は万端よ! 『貧乳は慎ましくあるべきの獣』よ! いけー!」
「なんでありますかそれ?!」
 アリスの元からエンデに向けて飛び出していった情念の獣を見てクロエがツッコむ。何故かというと、クロエっぽいぬいぐるみ状のけものだったからである。つまり、デフォルメクロエが大人エンデに噛みついている感じ。
 いや、落ち着こう。エンデの動きが止まっている今がチャンス。
「――いと気高き戦女神、戦いの地に立つ我らに加護を……我の生命を光に……」
 戦鎚を胸の前に掲げて、クロエが【戦女神に捧げる聖なる祈り】を捧げる。
 直後、クロエの衣装が光となって弾ける。クロエの裸体を隠すように光の羽根が舞い、そしてその場に顕現したのは聖鎧(ビキニアーマー)を纏った戦乙女クロエ。戦槌は戦乙女の槍(ヴァルキリーズジャベリン)へと変化し、その背には天使の羽を得たクロエが飛翔する。
「その前に私」
 クロエの変身バンクの裏にて、アリスクロスを鮫のバーバ・ヤーガに変えて、サメ頭巾のアリス(水着姿)になったザイーシャが割り込む。
「……!」
「あら?」
 ザイーシャの胸部分が比較的顕わになったことで、その高さにイラっとした様子のエンデ。その様子を見てザイーシャは手を掲げる。
「さぁ、行きなさい。残乳を貪る鮫面魔獣(シャークヘッド・ビースト)!」
 ユーベルコード【サメ映画撮影ごっこ】で呼び出した慎ましい胸を狙う鮫をけしかけるザイーシャ。
「ぐぅっ……!?」
 エンデがその攻撃を受け止めて、しかしそこで足を止める。
「そこであります!」
 その瞬間を逃さず、クロエが槍を構えて突進。輝く穂先がエンデを貫く!
「ぐっ……まだ、まだだっ!!」
「くぅ……?!」
 何やらエンデの反撃がやたら強い。3倍くらいになっている気がする。
「な、なぜでありましょうか」
「貴様の仲間の胸が高いからだっっ!!」
 とばっちりかよ。だが、超至近距離まで近づいた両者は思わずお互いの胸を見てしまう。それは慎ましい胸を持ち、巨乳への思い(色々パターンがあるけど)を抱く者の性(さが)。

 がしっ。

「ひゃっ!? む、胸を掴まないでください?!」
 突如、エンデに胸を揉まれるクロエ。
 もみもみもみもみ…………がくっ。
「く、崩れ落ちたーっ!?」
「うふふふ」
 クロエの胸を確かめた後、その場に崩れ落ちたエンデに対して、速攻でツッコむアリスと(笑顔がツッコミの)ザイーシャ。
「な、なにやら精神的ダメージをくらっているようでありますね……?」
 当のクロエはまだ気付いていない。自身の胸がエンデより『なかった』ということに。クロエがそれに気づくと闇に囚われてしまうので仲間たちもツッコまない。
 アリスとザイーシャが見守る中、純粋無垢な戦乙女はがっくり崩れ落ちているエンデに容赦なく槍の一撃をお見舞いするのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御狐・稲見之守
 
『いけいけぺたんこ★ビーム!』
うた:おきつね・いなみのかみ

胸が小さいからって諦めないで キミにもビームが撃てるんだから
希望はいつもこの胸に 正義のビーム(ぺたんこ★ビーム!)
今日からキミもレッツヒロイン!

キミにも撃てるよ ぺたんこ★ビーム
ちっちゃな胸にハートがいっぱい(イェイ!)
みんなに届け ぺたんこ★ビーム
巨乳ばっかり見てちゃダメダメ(ダメー!)
喰らえ必殺ぺたんこ★ビーム(シュビビビビビー!)
 


ヴォルフスブルク・ヴェストファーレン
あ、お邪魔してます…

そういえばきょいかきょ均きょうきょう?ってどういう法律なんですかね?よく聞いてなかったもので…あ、胸についてなんですね
人の価値は胸だけで決まらないです!それぞれ良さがあると思いますよ!
え゛え゛ー!?なんだかものすごい怒ってる!?どうして!?(揺れたから)

も…もがれる!?大きくなった攻撃も当たったら耐えられませんね、翔剣士らしく壁を蹴って避けましょう!
に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?どんどん大きくなる!?持ってる爆雷は投げつけて身軽に…もう捨てられる服もどんどん捨てます!
最後は壁を蹴るように胸を駆け上がり角を斬撃で切り落としますっ!(戦いの間それはそれは揺れて相手を煽ったそうな)




 『絶対胸定』、『胸囲価値均等法』、『胸の高さ』……。様々な思惑(?)が錯綜しつつ、『魔戦闘姫エンデ』との激闘が繰り広げられている。まぁ、なんていうか、その。どちらかというと、エンデが弄ばれている感はある。あるが、戦闘が激しいのも事実である。
「くっ……」
 色んなダメージから麗しい本気形態による回復(身長はどんだけ伸びても胸の高さはずっと据え置き)を行いながら、しかしエンデは『賓乳派』としての野望を諦めない。

「あ、お邪魔してます……」

 入り口から顔だけ出してこっそり中を窺っていたヴォルフスブルク・ヴェストファーレン(鉄の狼・f34026)と目が合うエンデ。
 ヴォルフスブルクはヴォルフスブルクで『ここ入っていいのかなー? でも怖いなー』と思ってドアからこっそり覗いていたのだが、見つかった。仕方ない、行くしかない。意を決して全身を現わすヴォルフスブルク。

 たゆんっ。

 おっと、装甲脱いだままですかね??

「……ッ」
 俯き加減に『ギリィ』ってなっているエンデに気づかず、ヴォルフスブルクが無防備に近づいていく。胸元を抑える装甲は既に外で脱いでいるので、つまり、その、たゆんたゆん。
「そういえばきょいかきょ均きょうきょう? ってどういう法律なんですかね? よく聞いてなかったもので……」
 もう舌が回ってないとか噛んでるとかいうレベルじゃなくない? と思ったら本人から告白がありました。ちゃんと覚えてきましょう。ここ、テストに出ますよ。
「……」
 そんな無邪気(注:本人に悪気は500%無い)なヴォルフスブルクに対して、エンデはただただ無言で、ヴォルフスブルクの胸を指さす。
「あ、胸についてなんですね」
 そこでようやく得心がいったのか、ヴォルフスブルクが立ち止まり、チアするように両手を振り上げて小さくジャンプ。
「人の価値は胸だけで決まらないです! それぞれ良さがあると思いますよ!」
「き・さ・ま・が、言うなぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「え゛え゛ー!? なんだかものすごい怒ってる!? どうして!?」
 全力でダッシュ&追いかけてくるエンデに対して、これまた全力で逃げるヴォルフスブルク。
 どうしてって、揺れてるから。いまも。なう。リアルタイムたゆん。

「~~~♪」

 そこに唐突に流れてくるイントロ!
 足は止めずに視線だけ、素早く振り返るヴォルフスブルクとエンデ。入り口にいたのは御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)であった。そして何故か手にマイクを持っている。

 ♪胸が小さいからって諦めないで キミにもビームが撃てるんだから
   希望はいつもこの胸に 正義のビーム(ぺたんこ★ビーム!)
 ♪今日からキミもレッツヒロイン!

 歌い出した。しかも振付付き。さすがおきつねアイドル。見た目ロリだが、102歳です。なお、合いの手およびバックダンサーは外のひんぬーちゃんが買って出てくれました。

 ♪キミにも撃てるよ ぺたんこ★ビーム
   ちっちゃな胸にハートがいっぱい(イェイ!)

 完成度が、振付の完成度が異常に高い。思わずエンデとヴォルフスブルクが足を止めて見るくらいに完成度が高いッ!!

 ♪みんなに届け ぺたんこ★ビーム
   巨乳ばっかり見てちゃダメダメ(ダメー!)
 ♪喰らえ必殺ぺたんこ★ビーム(シュビビビビビー!)

 今気づいたけど、これキマフューのバーチャルアイドル救出の時に歌ってたシリーズ【ぺたんこの歌】ですね?
 そんなわけで……以上、『いけいけぺたんこ★ビーム!』(うた:おきつね・いなみのかみ)でした。

「なんか腹立つので死刑!!!!」
「なんで?! 私が歌ったわけじゃないのに!!」

 稲見之守のフルバフ! エンデの命中率・回避率・ダメージが3倍になった!!
 なんでやねん。

 というわけで、フルバフ状態のエンデがものっそいスピードでヴォルフスブルクに迫る。主に胸に向けて。
「も……もがれる!?」
 さすがにここまで来ると危機感がMAX。ヤバい、これはヤヴァイ!! そしてエンデもまた成長(胸は据え置き)しつつ自身を強化している。
(大きくなった攻撃も当たったら耐えられませんね)
 ここにきてようやく猟兵らしいコメントが出てきた。よかった安心した。
「翔剣士らしく壁を蹴って避けましょう!」
 3次元機動的に回避すれば行ける! そう考えたヴォルフスブルクさん、ジャンプ! たゆんっ。
「……ギリィッ!!!」
「に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!? どんどん大きくなる!?」
 だから女の子がそんな声をあげてはいけません。比較的(?)よく聞く奇声を発しながら、必死に逃げるヴォルフスブルク。身軽に、身軽にならなければっ! 持ってる爆雷は投げつけて、もう捨てられる服もどんどん捨てて……いやこれ以上は規制が入る!
 追い詰められるヴォルフスブルク。
「くっ、こうなったら……!」
 この一撃に賭けるしかない。つま先が風を捉える。部屋の中にあってなお、空のように軽やかに、ヴォルフスブルクの身が宙を蹴る。ガレオノイドたるもの、空を駆けることで他に遅れを取るわけがない。
 繰り出されるは【Wolfs Gambit】――剣による空を斬り裂く一撃。疾風のごとく駆け抜けた一撃がエンデの角を斬り飛ばす!
「目の前に来るなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーっ!!!」
 位置的に眼前に来たヴォルフスブルクの胸部装甲が全力で、かつもぎとられる勢いで揉み倒されたという。
 稲見之守さん? ずっと見守ってましたよ?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
ドーモ一般通過猟兵でござる

はー?巨乳派?拙者はつるぺたも一向に好きだが?まあ巨乳は巨乳で好きだが…胸の大小もいいが大事なのは…ロリだ!
それはそれとてナイス賓乳!おへそキレてる!キレてる!胸にでっかいまな板仕込んどるのかい!

等と褒めたたえていたらめちゃくちゃキレられた…そんな姿も可愛い!
拙者もこの通り【紳士】なのでやる気がモリモリ湧いてくる!具体的には3倍ぐらいに!
つまりこれで強化率は互角、最後にものを言うのは素のフィジカルでござるな!
攻撃を防ぎながら追いかけっこでござるよ!捕まえてごらん!アハハ!デュフフ!

とまあお互い体力消耗したがお戯れ目的なのでヨシでござろう!
賓乳ウォッチングに戻りますぞ!




 『絶対胸定』を巡る戦い……いや違うごめん間違えた。『賓乳派』を巡る戦いは熾烈を極めていた。胸の高さで殴りに行くかと思いきや、慎ましさの勝負が主なバトル戦績である。なお、歌っているだけの子とか最終的に部屋のD(デビル)を大漁に強奪していった人もいた。あの、猟兵???

「くっ……何なのだ貴様らはいったい……!!」

 角を切られて魔力が霧散。一度元の大きさに戻った『魔戦闘姫エンデ』が怨嗟の言葉を吐く。せっかく何度も変身したり胸の慎ましさで強化したのに台無しだ。腹いせに視界を塞いだ巨乳を揉みしだいたがそんなことで魔力は回復しない。なお、悲鳴。
 だがまだエンデの命は尽きておらず、すなわち賓乳派が潰えたわけでもない。
「ならば、我が生きている限り……っ?!」
 ぐっ、と拳を握ってエンデが振り返る。そこにはどこまでも続く空……を映す窓際。数mのキャノン砲が突っ込んできて大破した後、気にしていなかったが……そこに、居た。

 ――彼は――変態だった。

「ドーモ一般通過猟兵でござる」
「絶対ウソだっ!!」
 にゅっ、と生えてきたひげ面の猟兵、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)の言葉に、エンデがキャラを忘れてツッコむ。たぶん、危機感を感じたから。
 エンデがドン引いたために出来た間合いを利用してエドゥアルトが姿を現わす。ウォッチング(?)は姿を現わさないし、凸しないのが基本。しかしリアルではそうもいかないのが世知辛いところである。

「はー? 巨乳派? 拙者はつるぺたも一向に好きだが? まあ巨乳は巨乳で好きだが……胸の大小もいいが大事なのは……ロリだ!」
「変態だーーっ!!」
 すっげぇ真面目な顔して告げた言葉がそれである。エドゥアルトがジョ〇ョ的な効果音を背負いながらキメてきたセリフに、間髪を入れずエンデがツッコむ。だが惜しい。それは彼にとって誉め言葉だった。
 調子に乗るエドゥアルト。
「それはそれとてナイス賓乳! おへそキレてる! キレてる! 胸にでっかいまな板仕込んどるのかい!」
「やかましいわぁぁぁぁぁっぁあっぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
 ちょっと調子に乗りすぎたのか、あるいは思いが直情すぎたのか。エドゥアルトの言葉がエンデの地雷にクリティカルヒット。めちゃくちゃキレた。
「褒めたたえていたのでござるが……そんな姿も可愛い!」
 ダメだコイツ。早く何とか……しなくても別にいいか。
「デュフフフ! ドゥフフフ! ゲヒヒヒヒ! 拙者もこの通り紳士なので!」
「どこがっ?!」
 エドゥアルトがキメてきたセリフに以下略。
 いや、彼は紳士である。私もそう思う。でも最近『紳士ってなんだろーな』って思うことが増えてきましたユーベルコード【紳士】発動。
「やる気がモリモリ湧いてくる! 具体的には3倍ぐらいに!」
「なん……だと……」
 そろそろエンデがツッコミ疲れで死にそうだ。はやく、はやくバトルに……!

 エドゥアルトの【紳士】 vs エンデの『なんか腹立つので死刑!』、ファイッ!!

 なんか既に字面がすごいっていうか、意味通ってるぞ奇跡か。
 そして、現実(リアル)的にも強化率は互角となった。
「最後にものを言うのは素のフィジカルでござるな!」
「バカめ! 我には魔法もあるのだ!!」
 ここでシリアスを取り戻したエンデが魔法を乱舞させる。エドゥアルト、絶体絶命……!
「デュフフフ! ドゥフフフ!」
 と思いきや、高笑い(?)をしながらあっさりかわしていくエドゥアルト。追いかけられたら逃げるけど、逃げられたら追いかけるのが紳士(変態って頭につく)の務めである。
「捕まえてごらん! アハハ! デュフフ!」
「え、あ、ちょ、く、くるな、くるなぁぁぁぁぁぁ!!!」
 なんか思っていた構図と違うが、まぁいいか。一応、追いかけっこ(?)が始まりましたのです。

「ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ……」
 ともすれば、エッチな吐息になりかねないこの展開において、エンデは全力かつ走り回った疲労で息を切らしていた。だって迫ってくる(ひげ面が物理で)んだもん。

「とまあお互い体力消耗したがお戯れ目的なのでヨシでござろう!」
 全然元気じゃねぇかよ変態。体力鬼か。
「賓乳ウォッチングに戻りますぞ!」
「帰れ!!」
 意気揚々と段ボール(?)に戻ろうとするエドゥアルトに、エンデが涙目でD(硬貨の方)を全力で投げつけたりしたわけですが。
 その後もエドゥアルトの賓乳ウォッチングはつつがなく行われたとのことでした。
「ナイス賓乳!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

津上・未有
ふん、きょにゅーだのひんぬーだの、小さいことに拘るやつだな
我はそんなことはどうでもいいんだ!
我の、魔王としての野望…世界征服のためにはオブリビオンが邪魔なのだ!
だから!貴様は王たる我がここで倒す…覚悟するがいい!フハハハハ!
(特別大きくもなく、さりとて小さくもないお胸を張りながら)

天よ、叫べ!
地よ、唸れ!
今ここに魔の時代来たる!
さあっ!刮目せよ!
【神をも灼き尽くす魔王の焔】それは我が左手から放つ暗黒の焔!
【全て撃ち貫く魔王の砲撃】それは狼の頭に変形させた我が右手から放つ闇の砲撃!
【天空より降り注ぐ闇の雷】それは天より放たれる暗黒の雷!
我が【焔・砲・雷の構え】に死角なし…!



●魔戦闘姫vs魔王
 『胸囲価値均等法』ひいては『絶対胸定』が不当に妨害されないために。クーデターの拠点である『魔戦闘姫エンデ』の屋敷に乗り込んだ猟兵たち……は結構やりたい放題だった。
 キャノン砲を突っ込ませるし、揺れる胸で煽るし、ストーカーするし。いえいえ、大部分は賓乳同士の戦いだったのですよ??

 だが確実にエンデの魔力は消費されているし、先の一撃によって角を叩き斬ったことでエンデのバフは一度リセットされている。
「くっ……おのれ……」
 猟兵たちに対して怨嗟の言葉を吐くエンデ。

「ふん、きょにゅーだのひんぬーだの、小さいことに拘るやつだな」
「……!?」

 背後から聞こえてきた言葉にエンデが振り向けば、そこにいたのは魔王……津上・未有(自称真の魔王・f10638)であった。黒い御衣を翻しながら部屋の中へ踏み込んできたその佇まいに押されるエンデ。
「我はそんなことはどうでもいいんだ!」
「なん……だと……」
 ここまで1名を除いて圧倒的に胸囲的なパワーで押し切られていたエンデにとって未有の言葉は衝撃的だった。
「我の、魔王としての野望……世界征服のためにはオブリビオンが邪魔なのだ!」
 純粋な野望のためにエンデを倒す。こんな猟兵(この依頼では)希少……! 天の声にとってもオアシスのような存在である。
「だから! 貴様は王たる我がここで倒す……覚悟するがいい! フハハハハ!」
 高笑いをしながら胸を張る未有。
「……ギリィ」
 本人曰く『特別大きくもなく、さりとて小さくもないお胸』。そこに他意はなくとも、エンデの視線はばっちりそこに刺さっていたのである。悲しいね。

●我vs我
「ならば見せてやろう! 我の本気を!」
 エンデが猛る。『しまった、一人称が一緒』とか思っているのは秘密である。
 エンデの魔力が全身を巡り、麗しい本気形態に変身するエンデ。身長が伸び、大人の姿になったエンデの胸は据え置き。無い。この状態になっても胸の高さでは勝てないのだが、漲る魔力は角によってブーストされており、戦闘力はたいしたものになっている。
「……ふっ」
 しかし、未有は怯むことなく、さりとて気を張ることもなく。悠然と前に出る。
「特別に見せてやろう……」
 間合いのギリギリの位置。そこで立ち止まった未有はゆらりと構えを取る。

「天よ、叫べ!
 地よ、唸れ!
 今ここに魔の時代来たる!」

 左手を高く『天』に掲げ、右手を低く『地』に向けて、迎え撃つ……おっとコレ、詳しく描けないな?? リアルタイムはもう少し先だけどタイムリー過ぎて詳しく描けないな??

「さあっ! 刮目せよ!」
 不動にして絶対。悠然にして隙無し。
「これが我のとっておきだ!」
「くっ……!!」
 未有の宣言と構えが放つ圧に押されまくっているエンデ。しかし、ここで退けば、未有の胸の高さ(本人は普乳と思っている)派にも負けたことになってしまうエンデは……突撃を敢行する!!
「うおおおおおお!!」
 杖を振り上げて突っ込むエンデ。
「……ふ」
 それに対して未有は焦ることなく、『攻撃』を放つ。
「【神をも灼き尽くす魔王の焔】――それは我が左手から放つ暗黒の焔!」
 振り下ろした左手から昏き炎がエンデを撃つ。
 間髪を入れず、振り上げられる右手。
「【全て撃ち貫く魔王の砲撃】――それは狼の頭に変形させた我が右手から放つ闇の砲撃!」
 未有の言葉通りに闇がエンデに喰らい付く!
「そして、【天空より降り注ぐ闇の雷】――それは天より放たれる暗黒の雷!」
 未有の言葉に応じるかの如く、屋敷の屋根を突き破って降る数条の深い闇の色をした雷。
「ぐあぁぁぁぁぁ!?」
「我が【焔・砲・雷の構え】に死角なし……!」
 未有の宣言とともに、エンデが吹っ飛ばされるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴乃宮・影華
これはマズイ
エンデ様はひんぬーちゃん以上に騙せる気がしないです
彼女が冷静になった瞬間が私の最期(たゆん)……

よし、指定UC起動
「皆、あれで『アレ』作って!」
せっかく沢山ある事ですし周囲のDを使わせてもらいましょう
(※紙幣=紙なので有機物ですが、硬貨は金属=無機物で行けると判断)
作るのは鋼鉄の「壁」
エンデ様の魔法攻撃に合わせて構築した「壁」に身を隠したり
一旦蟲状態のまま上空に回らせて、「壁」を落としたり
2枚作った「壁」で挟み潰したりとかできますかね
後は背中に背負った『轟蘭華』に搭載した『R.I.P』と『ウルカヌスⅡ』をファイエルしたり
『伍光』を照射し重力マシマシにした『ラディウス』投槍で攻撃します
仮にも人型相手に過剰では、ていうかここ屋内、と一瞬思いましたが
まぁ魔界だし大丈夫かな、と


Q.なんで「壁」にしたんですか?
A.賓乳見てたらついカッとなった。他意は有る
「貧乳はステータスだ、希少価値だなどと……持てる者と持たざる者、自分が本当はどちらなのかわかっているくせに」



●それは死を呼ぶ効果音(ユレルオト)
 『魔戦闘姫エンデ』の激闘は熾烈を極めていく。最初はクーデター阻止だったはずなのだが、いつの間にやら胸の高さに対する様々な意見の応酬(物理を伴う)になっている。なんでさ。
 いや、これこそが胸囲の格差社会の現状なのだ。放置しておけない闇なのだ。胸の高さが攻撃力になる世界はもうこれ以上……!

「これはマズイ(たゆん)」

 彼女の第一声と揺れる音である。胸の高さと攻撃力をこれでもかと見せつけた証左である……!! セーフ、まだエンデは鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)の存在に気付いていない。
 だがしかし、である。
「エンデ様はひんぬーちゃん以上に騙せる気がしないです」
 まぁ、そのたゆゆんな胸の凶器……略して胸器は隠し切れませんよね。だがしかし、ここまで来て戻るわけには……外に出たらまたひんぬーちゃんたちがいるし。
「彼女が冷静になった瞬間が私の最期……(たゆゆん)」
 死期を悟りながら覚悟を決めて部屋に乗り込んできた影華……なんでその凶悪な胸器を揺らしながら超克してきました影華さん??

●Q.なんで「壁」にしたんですか?
 そして見つかる。
「なんか腹立つので死刑!」
 エンデ様の開口一番でした。もう容赦なく一寸の考慮の余地なく断罪の宣告でした。いやまぁ、歩くだけでたゆんたゆん重力に逆らって揺れる胸を見たらそうもなる。
 エンデの周りで高まる魔力。絶対殺すっていう鋼の意志。エンデ様は難しいことは分からない、けれども影華の胸だけは許してはいけないと思った、とかなんとか。

「よし、死にたくない(ふよんっ)」
 迫りくる絶対死の気配に、影華は身震いしつつ、しかし生きるのを諦めない……!
「彼の力を以て世界よ集え――来なさい、私の劇団員!」
 【黒燐幻想劇弾・遊撃部隊】発動。これは周囲の無機物を呪いの力を秘めた黒燐蟲の群れへと変化させる術である。なお、黒燐蟲は様々な物へと合体変形する力を持つ。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」
 全力で突撃しようとしていたエンデがものっそい勢いでブレーキをかける。目の前に真っ黒な大量の蟲が現れたこともそうだし、貯め込んでいた……というかもはや残り少ない(とある猟兵が強奪していったので!)Dが蟲に変わっていくことに絶望したからである。
(せっかく沢山ある事ですし周囲のDを使わせてもらいましょう)
 とか気軽にチョイスした影華さんからエンデ様の精神にジャストアタック。だが彼女はそこで手を止めない。
「皆、あれで『アレ』作って!」
 影華の指示に従って、黒燐蟲たちが蠢き、形を作っていく。さながら黒燐蟲たちが組体操しているような、そんな動きで作り出されるのは鋼鉄の『壁』。

 Q.なんで『壁』にしたんですか?
 A.賓乳見てたらついカッとなった。他意は有る(ぷるん)

 黒燐蟲たちとQ&Aしている、揺れる影華さん。いや……揺らして、いるのか?

「むっきぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
 その意図を感じたのか、ついにエンデがキレた。
 杖を構えて魔力を迸らせるエンデ。通常の3倍の魔力によって放たれた魔法の数々が部屋の中を暴れ回る!
「おっと」
 しかし、いかに暴れ回ろうともその魔法は影華を狙って放たれたもの。ならば最後は……必ず影華に辿り着く。その終着点を見極めて、黒燐蟲の壁を移動させて自身の身を隠す影華。表面で炎が、氷が、風が、土が爆ぜるも、そのダメージは通らない。
「……ちっ!」
「……」
 舌打ちするエンデを影華の指が指す。するとその『指示』に従って、黒燐蟲たちが霧散して壁形成を解除。エンデの頭上へと集合したならば、そこで『壁』を形成する。
「なっ……」
「2枚作れば、挟み潰したりとかできますかね?」
 上に意識が向いたその瞬間、エンデの左右に壁を作り出す影華。上から落下させた壁で動きを止めたところで、左右から圧し潰すように壁を突撃させる。
「ぐ、ぎぎぎぎ……」
 魔力を展開させて、壁の突撃を押し留めるエンデ。
「壁に壁では効果が薄いようで」
 そろそろ壁がゲシュタルト崩壊しそうな勢いですよ影華さん。
 それを悟ったのか否か、影華が構える。というより、戦闘態勢が整ったというべきか。
 影華が背中に背負った黒燐大具足(拡張型)『轟蘭華』から伸びる銃口。強化詠唱機関砲『ウルカヌスⅡ』――影華が能力者時代に使用していた六銃身ガトリングガンを強化改修した物と、超大型光線砲『R.I.P』――廃棄されたキャバリア用レーザー砲を修復した物。
 対人兵器としてはゴツ過ぎる轟蘭華は搭載された戦闘支援疑似人格『E.N.M.A』によって最適化された形態に変形していく。つまり、集中砲火形態。
「よし、ファイエル!!」
 E.N.M.A監修で放たれる超火力。
「うぎぎぎぎぎぃぃぃぃ!!!」
 壁の突撃を防ぎながらも、さらに魔力の障壁を展開。影華からの集中砲火をどうにか耐えるエンデ。さすがデビキンのオブリビオン。耐久力がハンパねぇ。
「耐えなければ優しく死ねたのに……」
「壁の時点で全然優しくない!?」
 悲し気な表情をする影華に対して、エンデが食い気味にツッコんでくる。しかし、このエンデのツッコミに対する答えは既に示されている。

 A.賓乳見てたらついカッとなった。他意は有る

「貧乳はステータスだ、希少価値だなどと……持てる者と持たざる者、自分が本当はどちらなのかわかっているくせに」
 壁による圧し潰しも集中砲火も維持しながら、影華が皇国兵団専用兵装『ラディウス』を投擲の態勢。『E.N.M.A』が呼び出したのは重力変動光照射刀『伍光』――自律型念動力機巧にして、光線を放つことで任意箇所の重力ベクトルを変更するもの。
「えいっ」
 無造作に放たれる槍の投擲。風を切って綺麗な放物線を描きながらエンデに迫るラディウスに、伍光の光線の照射が集中する。重力マシマシになったラディウスがエンデに直撃する!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!?」
 爆発して吹っ飛ばされるエンデ。
「仮にも人型相手に過剰では、ていうかここ屋内、と一瞬思いましたが……まぁ魔界だし大丈夫かな、と」
 ぽよんっと揺れる胸器の黒燐蟲使いは供述しておりまして……デビキンに対する風評被害にして、正しい結果がもたらされた瞬間である。
 なお、戦闘中もたゆんたゆん揺れまくっていましたが、どこで差し込めばいいかわかりませんでした(反省)

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
ユーフィさん(f14574)と同行希望

え、ええと…。とりあえず一言
わたし、胸大きくないよ?
でも、いい人に巡り会えるからっ♪

でも、悪いことを考えているなら、ちょっとお仕置きだね
さぁ、やろうかっ!

前衛はユーフィさんに任せて、わたしは空中機動からの空中戦で上から精霊電磁砲で援護射撃だね
ユーフィさんが取り付くまでは、連射して釘付けにするね

取り付いたら、わたしも地上に降りて急速接近っ!
光刃剣と精霊剣の二刀流で斬りかかるよ
前衛ができないって、誰が言ったっけ?できるんだよ、わたしもっ!

しばらく、ユーフィさんと連携して近接斬撃
ユーフィさんがUCを使うタイミングで、前衛から離脱して…

多重詠唱で魔力溜めを限界突破して溜めて…
全力魔法のヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト!
あなたも使えるみたいだけど、わたしのほうが使いこなせてるからっ!!

ユーフィさん、射線から退いてねっ!1

さぁ、わたしの全力…。
全部持っていけーーっ!!

終わったらユーフィさんとハイタッチ♪

…ちょっとやりすぎちゃった?


ユーフィ・バウム
戦友のシル(f03964)さんと

この事件に感じた宿縁の糸は貴女だったのですね
……とりあえず話すべきことは

慎ましい胸に惹かれた方も
巨乳の重力に惹かれた人もそれぞれ尊ぶべきもの
己の拘りで人の好みを塗りつぶす、それは、エゴです!

とりあえず語るのはこのくらい、
めいっぱいぶつかりましょう!

強力な魔法攻撃を使う相手ですが、
私の体を纏うオーラ防御は全ての属性の耐性を
持っていますから!シルさんの援護を受けつつ
多少のダメージは覚悟、ダッシュ全開で取りつきます

怪力を生かした功夫の打撃をねじ込みますっ!
鎧砕きの打撃を打ち込んだら、シルさんと合わせて
近接攻撃のラッシュで押し込みましょうっ

まずはッ!闘気纏うUCのボディアタックで腹筋を叩き付け
すかさず射線から引きますね
戦友の必殺の一撃はよく知ってますから!

まだ残るようであれば、
ダメ押しの《トランスクラッシュ》のヒップドロップでトドメ!
胸での勝負ではなく、鍛えた腹筋とお尻で骸の海に還しましょう

終わったらシルさんとハイタッチ
なんだかいつもより、すっきりしたかもですっ♪



●縁を手繰り寄せて
 『胸囲価値均等法』、『絶対胸定』、そして『賓乳派』。様々な思惑と胸の高さが錯綜する『魔戦闘姫エンデ』の屋敷。本来の依頼はクーデター阻止のはずなのだが、胸囲の格差社会の闇(?)がエンデによって顕わにされ、結果的にその暴威は全部エンデに向けられていた。

 そして……風通しが最高に良くなった屋敷の最上階の一番良い部屋なう。

「もう……やだ……」
 がっくりと崩れ落ちるエンデ。賓乳派としてこの世を席巻すべく、ちょっとクーデターを企てただけなのに、何故か貯め込んだDのほぼ全てを奪われ、屋敷も崩壊寸前に全力ぶっぱされ、求めた代償が求めた量に対して大きすぎる件について。

 だが、ほぼ野外と化した屋敷の部屋に足を踏み入れる猟兵たちがいる。

「え、ええと……」

 ちょっと席を外していた(お着替え中だと思ったからまたひんぬーちゃんたちと遊んでいたよ)隙にすっかり変わり果てた部屋の状況に若干引き気味のシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)と。

「この事件に感じた宿縁の糸は貴女だったのですね」

 やっぱりとってもシリアスしてるユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)であった。そう、ユーフィが感じていた肌をチリチリと焦がすような緊張感。これはエンデがここに居たことを示す証左だったのだ……。
 決して胸の高さが結んだ宿縁とかではない……はず?

「そうか……これまでの戦いは道のりだったと言うのだな……」
 ゆらりと立ち上がるエンデ。道のりで今まで貯めてきたものが全部なくなっているんですがそれは大丈夫なのかエンデ様?
「……」
 ちょっとそんなことを思ったシルだがそんな無粋なことはしない。代わりに告げるのは。
「とりあえず一言」
 エンデが同じく慎ましい胸のシルに視線を遣る。
「わたし、胸大きくないよ? でも、いい人に巡り会えるからっ♪」
「……ッ!!」
 ぎりぃ、って音が聞こえた。気がする、じゃなくて聞こえた。今欲しいのは慰めじゃなくて、胸の高さなの!
「……とりあえず話すべきことは」
 こほん、と咳ばらいをひとつ。ユーフィが空気とエンデの視線を戻させる。
「慎ましい胸に惹かれた方も、巨乳の重力に惹かれた人も、それぞれ尊ぶべきもの」
 ここに来て、また新しい乳語が出てきましたよ。何だよ巨乳の重力って。天才かよ、天才しかいないのか猟兵には。
 そんなツッコミはさておいて。
「己の拘りで人の好みを塗りつぶす、それは、エゴです!」
 ユーフィの言葉は、真に芯のある重みでエンデに叩きつけられる。その激しさにさすがのエンデもたじろいてしまう。
「悪いことを考えているなら、ちょっとお仕置きだね」
 そのユーフィに賛同するように、シルが隣に立ち、ユーフィと一緒にエンデを見据える。隣に立つ戦友の存在に頷きを返して。さらにユーフィが言葉を紡ぐ。
「とりあえず語るのはこのくらい……めいっぱいぶつかりましょう!」
「さぁ、やろうかっ!」
 しゅばっと戦闘態勢を取るユーフィ&シルに。
「よかろうっ! 来るがいい!!」
 エンデもまたマントを翻して杖を構える。

 『絶対胸定』を巡る最後の戦いが始まろうとしていた……!

●迸る魔力と肢体
「エンデ様の偉大なる攻撃魔法を喰らうがいいっ!」
 エンデが構えた杖から四方へ迸る闇。その闇の中で火・水・風・土の4属性が徐々に形を成していく。
 だが、強力であるがゆえに完成するまでに少しの時間がある。
「ユーフィさん、いくよっ」
「はいっ! お任せくださいっ!」
 お互いに声をかけつつ、戦闘態勢を取るシル&ユーフィ。シルが周辺から魔力を練り上げ、取り込み、その身を舞わせる羽根へと変化させる。シルが空中へ飛び上がるのと同時に、ユーフィが床を蹴って疾走する。
 前衛ユーフィ、後衛シルのスタンダード・コンバットパターン。
(ユーフィさんが取り付くまでは……!)
 精霊電磁砲『エレメンタル・レールキャノン』を構えてシルがユーフィの突撃を援護する。空中から連射、エンデの周辺にばら撒くように放たれた魔力砲弾は直撃のダメージとともに床を破壊してその破片でユーフィの姿を覆い隠す。
「こざかしい!」
 精霊電磁砲による魔力砲弾で水と土の魔力が潰されながらも、いまだ形を保っている火と風の闇魔法をユーフィに向けて解き放つエンデ。
「……! くっ……うっ!!」
 ユーフィの動きは直線的だ。エンデの魔力によって蛇行しながらも正確にユーフィを捉える魔法を回避する術は無く、しかし両腕を交差させ、両足を床に食い込ませながら魔法攻撃を受け止める! 触れた瞬間、火と風が連鎖反応で大爆発を起こすも。
「私の体を纏うオーラ防御は全ての属性の耐性を持っていますから!」
 爆発の中から風を切ってユーフィが飛び出る。
 いかに強力な魔法攻撃を使う相手とて。シルの援護があって多少のダメージを覚悟するならば、突破できないものではない!
 風になびくツインテールの銀髪が焼け焦げ、褐色の肌に幾条もの赤い筋が走っているが、戦う力は微塵も失われていない!
「なっ!?」
 動揺したのはエンデだ。半分に削られたとはいえ、自慢の魔法を力技で突破されたのだ。そのままダッシュで踏み込んできたユーフィに対して杖を振り上げるエンデ。その殴打も決して無視していい一撃ではないが。
「遅いっ!」
 それよりも早く。
 体を低く沈めるように、拳を逆の掌で固定した態勢で強烈な踏み込みを利用したユーフィの肘鉄がエンデの無防備な鳩尾に突き刺さる!
 ユーフィの怪力に上乗せされた功夫、さらにはダッシュの勢いを利用した鎧すら砕く一撃に、エンデの体がくの字に折れる。
「まだまだっ」
 完全に魔力の流れと体の動きが止まったエンデにユーフィが猛ラッシュを叩き込む。
「こ……のっ!」
 ユーフィの攻撃を避けるべく、彼女の手が届かない唯一の場所――上空へ魔力によって一瞬飛び上がるエンデ。
「隙ありっ!」
 しかしそこで待ち受けていたのはシル。いつの間にか距離を詰めて、さらには両手に構える光刃剣『エレメンティア』と『精霊剣・六源和導』。どこまでも鋭い光刃剣に、地水火風光闇・各精霊の霊力が形を作った光の剣の二連撃がエンデを再びユーフィの前に叩き落す。
「ちっ……!」
「前衛ができないって、誰が言ったっけ? できるんだよ、わたしもっ!」
 舌打ちするエンデを追いかけるようにシルが急降下。二刀流で斬りかかりながら、エンデをユーフィの方へ押しやる。
 エンデを挟んで前後からの息もつかせぬ連続攻撃。
「ぐ……う……!」
 魔力の障壁で耐えるエンデ。しかし、打撃よりも斬り裂く攻撃の方が障壁との相性が悪いのだろう、徐々に防御の意識がシルへと向いて……一瞬、ユーフィから意識が逸れたその瞬間。
「迂闊ですよ!」
 ユーフィの体が宙に舞っていた。
 【トランスクラッシュ】――全身に纏わせた力強い闘気。それは見た者を魅了し、しかし力強い圧を感じさせる。ユーフィの少女特有な柔らかくも肉感的なボディが強烈な凶器と化し、ボディプレスが精錬された武器以上の破壊力で以てエンデに叩きつけられる。
「……っ?! ぐはぁっ!?」
 悲鳴をあげることすら出来ず吹っ飛ばされ、強烈な勢いで床に叩きつけられ、女の子があげちゃいけない悲鳴をあげるエンデ。
 ……が、まだ終わっていない。
「貴様……死刑!」
 たぶん、ボディプレスの時にユーフィの胸が揺れたんだね。ふゆん、と。その怒りがエンデの力を3倍まで引き上げる。
「この状態で放つ攻撃魔法に耐えらえると思うなよっ!!」
 杖を構えて高速詠唱&多重詠唱。エンデの怒りが彼女の全てを引き出す……も。
「……?!」
 エンデが目を見開く。何故かと言えば、先ほどまで一切の躊躇なく攻撃を仕掛けていたユーフィが大きく飛び退ったからだ。
「ユーフィさん、射線から退いてねっ!!」
 その声が頭上から。
「はいっ!」
 返事をした時には既に退避完了。ユーフィが笑顔で空中を見上げる。彼女がすかさず射線から引いたのは、もちろん。
(戦友の必殺の一撃はよく知ってますから!)

●阿吽の呼吸
 ユーフィが【トランスクラッシュ】を放ったそのタイミングで、シルは再びエンデの直上へと移動していた。
 エンデの一切の注意がユーフィに向いている間に、シルが瞳を閉じて、両手を胸の前に掲げる。

(多重詠唱……魔力を溜めて限界突破して……まだ、まだ溜めて……)

 毎度おなじみ(?)のシルさん全力全開。周りは全壊するかもしれないけど、デビルキングワールドだからそこは気にしなくて良し!

 ――闇夜を照らす炎よ
     命育む水よ
       悠久を舞う風よ
         母なる大地よ
           暁と宵を告げる光と闇よ……

 流麗に紡ぎ出される詠唱。その詠唱は魔力を象り、シルの思い描く形へと変えていく。詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する、火・水・風・土・光・闇の複合6属性による巨大な魔力砲撃。ユーフィ曰く、シルの必殺の一撃。

 ――六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!

 シルの瞳が開かれる。と同時に両手の前に展開される多重六芒魔法陣。幾重にも重なった魔法陣がバレルのように展開されて、その先にいるのはエンデ。
「あなたも使えるみたいだけど、わたしのほうが使いこなせてるからっ!!」
「……ちっ!!」
 強烈な魔法の一撃が来る。定石で考えれば回避するのが正解。しかし、シルにそこまで言われてはエンデとて退くわけにはいかない。
 シルの魔方陣に対して、エンデもまた防御の魔方陣を幾重にも重ねる。
「さぁ、わたしの全力の【ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト】……! 全部持っていけーーっ!!」
 シルから放たれる6色の魔力が混じり合って、一条の魔力と成る。一点、すなわちエンデを貫かんと上から下へと放たれた【ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト】をエンデの魔方陣が受け止めて。
 否、瞬時に防御の魔方陣が砕かれる。魔力の奔流に飲み込まれるエンデ。
「が……はっ……」
 だが、まだ残っている。膝をつき、満身創痍のボロボロだとしてもまだエンデの力は尽きていない。
「まだ、まだ……賓乳派は……!」
 野望を捨てきれず、エンデは杖を支えに立ち上がる。
「まだ、そんなことを言うのならっ!」
 ユーフィの声にエンデが空を見上げる。再度の【トランスクラッシュ】、ダメ押しの一撃は。
「尻……だと……!?」
 鋼のオーラを纏った、とっても健康的なユーフィのお尻によるヒップドロップでした。
「骸の海に還りなさい!」
「理不尽!」
 最後の最後で胸囲のバトルじゃなくて、全然別の魅力を叩きつけられるエンデ。これまでの胸の高さを巡る戦いは何だったのか。
 ユーフィのヒップと床に挟まれる……間もなく、床が【トランスクラッシュ】の威力で崩壊。そのまま階下の床に叩きつけられるエンデ。
「ちち、しり、ふともも……3種の神器を忘れたが故か……」
 何だよ3種の神器って。
 そんなツッコミを受ける間もなく、骸の海に強制送還されるエンデ。
 それを上の階から見届けたユーフィとシルは安堵のため息をついた後、満面の笑顔を浮かべる。

「「いえーいっ♪」」

 ぱんっ、とハイタッチ。
「なんだかいつもより、すっきりしたかもですっ♪」
「……でもちょっとやりすぎちゃった?」
 お互いに顔を見合わせて、次の瞬間吹き出すように笑いだす少女二人。

 こうして(屋敷に対する多大な被害はさておいて)、『絶対胸定』に対するクーデターによってデビルキングワールドに更なる混乱をもたらそうとしていた『魔戦闘姫エンデ』の野望は、猟兵たちの活躍によってかんっぺきに阻止されたのである。
 胸囲の格差社会の闇が垣間見えたとかそんなことはない、たぶんおそらくめいびー。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『魔界温泉』

POW   :    溶岩温泉でくつろぐ

SPD   :    雷雲温泉でくつろぐ

WIZ   :    魔毒温泉でくつろぐ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 『胸囲価値均等法』、しいては『絶対胸定』に対する『魔戦闘姫エンデ』のクーデターは完膚なきまでに阻止された。屋敷の崩壊と一緒に。
 ひんぬーちゃんこと『ひんぬーの国のあくまちゃん』たちも最初は困惑していたものの、やはりデビルキングワールドの住民。『ま、仕方ないか』的な感じで屋敷のお掃除を始める。こうしてクーデターを巡る戦いは終わりを告げたのである。

 さて、問題はD(デビル)……だと思うだろ?
 本来であれば、Dは一箇所に集まっていると良くない。魔力の塊のようなDは大量に集めることでオブリビオンがカタストロフを引き起こす儀式に使えるからだ。
 だからこそグリモア猟兵は、『最後に残ったDはぱーっと使ってしまえばカタストロフも阻止できて一石二鳥ですわ』とか言っていたのだが。

 …………無くね? D残ってなくね?

 まず最初にとある猟兵がほとんど全てを強奪(?)していったこと。次に戦闘に巻き込まれて、というか屋敷が崩壊するくらいの激しい戦いで散逸したこと。トドメにとある猟兵が蟲に変換して使っていたためか、元に戻らなかったこと。
 そう、Dはもはや雀の涙ほどにしか残っていなかったのだ。

 まぁそれでも遊べるかな。

 そんな感じで猟兵たちはグリモア猟兵がキープしていた『魔界温泉』へと足を運ぶ。
 魔界温泉……それはユーベルコード使いならくつろげるという魔界の温泉だ。溶岩とか雷雲とか魔毒とか見えるけど、ユーベルコード使いなら平気なのだ。そういうルールなのでデビルキングワールドなら通る。そういうものである。
 まぁ実のところ、見た目だけのフェイクな温泉もあるので(デビキンだし)、本当にのんびりできるし、魔界温泉卵とか魔界温泉甘酒(全年齢対象)とか魔界温泉卓球とかもある。
 戦いの疲れをのんびり癒してほしい。
 あ、資金は魔界議会から調達されるので安心して遊んでね!

※シナリオ補足※
 時間軸的には『7thKING WAR』前夜くらいでお願いします。戦争前に辿り着けなくて本当にすみません。
 大きな戦いの気配を感じる……とか全然オッケーです。
 魔界的な演出(?)や要素はありますが、基本的には『地獄めぐり温泉』みたいな感じで、温泉と付随する施設(宿泊とか食事とかお土産とか)があります。
 のんびりお過ごしください。
シル・ウィンディア
あれ?ユーフィさん(f14574)、そんな彼方を見てどうしたの?
なんかあったっけ??
視線の先を見るけど…
なんにもないよ、ね?

せっかくの温泉だからゆっくりしたいよねー。
へー、肩こりとかそういうのに効くんだね。でも、なったことないけど。

あれ?わたしの顔に何かついてる?
ふぇっ!?ふぇ、人妻って…。
ま、まぁ、そうともいうけど…
ちょっと恥ずかしくなって、顔をお湯につけちゃうかも…

でも、ユーフィさんのお肌もきれいだよー。
ずっと前線で戦っているのにね。
健康的でいいなーって思うもん。

そういえば、ユーフィさんにはそういうお相手さんはいないの?
いても不思議じゃないんだけどなぁ~

ちょっぴり恋バナ入れてみるね


ユーフィ・バウム
大きな戦いの気配を感じる……
カメラ目線でとりあえず言いまして

魔界温泉を堪能します
見た目はちょと変わっていますけれど、
慣れれば心地よい気もしますっ

雷雲温泉のこのぴりぴり感
凝ったところに効きます?
まぁ私はどこも凝ってはいません

それこそエンデが敵視するくらい
どこかのボリュームがあれば
肩が凝ったのかもですけど

ふとシルさん(f03964)のお肌をじっと見て頷きます
シルさんの白い肌は綺麗ですよねっ!
戦い続きですのに美しい
これが、人妻のぱわーというものでしょうかっ

私も《野生の恩寵》のUCがあるので
傷は残りませんけど
やっぱり愛されている方は、美しいと思います

恋バナにはいませんよー?と
にこにこしつつ楽しく語らい




 かぽーん……。

 温泉に響く静かな音。音なのに静かとはこれ如何に、と言った感じであるが、それは横に置いておいて。

「大きな戦いの気配を感じる……」

 ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は湯舟につかりながら、空を見上げて呟く。どこかカメラを意識した目線。
「あれ? ユーフィさん、そんな彼方を見てどうしたの?」
 その真横でシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)は首を傾げる。
「なんかあったっけ??」
 ユーフィに釣られるように視線を同じ方向へと遣るが……。
「なんにもないよ、ね?」
「いえ、通過儀礼みたいなものなので」
 シルの疑問に、お気になさらず、とユーフィが笑いかける。ほんますまんこってす(土下座)
 乗っかってくれたことに感謝しつつ、それはそれでさておき。

 魔界温泉である。
 激闘、そして宿敵との戦いを制したユーフィと戦友のシルは戦いの疲れを癒すべく、この魔界温泉へと足を運んだのだ。
「せっかくの温泉だからゆっくりしたいよねー」
 とはシルの談である。
 二人が入っているのは雷雲温泉。雷雲の如き、雷が迸る温泉である……!(電気風呂だよねこれ)
「見た目はちょと変わっていますけれど、慣れれば心地よい気もしますっ」
 程よいぴりぴり感にユーフィがうーんと手を組んで伸ばす。
「凝ったところに効きます?」
 首を傾げながら何故かそう感じたユーフィの言葉にシルが効能を書いてある札を見る。
「へー、肩こりとかそういうのに効くんだね。でも、なったことないけど」
 シルが感心したように呟く。
「まぁ私もどこも凝ってはいません」
 さっきの言葉は直感のようなものなのだろう。
「それこそエンデが敵視するくらい、どこかのボリュームがあれば肩が凝ったのかもですけど」
 先の悲しい(?)戦いを思い出してユーフィが呟く。あれ? ユーフィさん死刑発動されてませんでしたっけ?
 さておき、ユーフィの肩が凝ってないのは事実なので些細なことだ。
「……」
 ふと。ユーフィの視線がシルの顔に吸い付いた。
 じーっ、とシルの顔……いや、肌を見るユーフィ。
「あれ? わたしの顔に何かついてる?」
 ユーフィの視線に気づいたシルが慌てて頬の辺りをこしこしと拭うが、何にも無い。そんなシルを見届けて、ユーフィがこくんと頷く。
「シルさんの白い肌は綺麗ですよねっ!」
「へ?」
 予想外の展開だった。
「戦い続きですのに美しい。これが、人妻のぱわーというものでしょうかっ」
「ふぇっ!? ふぇ、人妻って……ま、まぁ、そうともいうけど……」
 いや、『身も心も魂までも』って旦那様がいて人妻って言わなかったらなんて呼べばいいの奥様。
 ただ恥ずかしいのは事実らしく。頬を紅潮させながら、ぷくぷくと口の辺りまで顔をお湯につけちゃうシルさん。
 そんなシルさんもじーっ、とユーフィの肌を見る。
「でも、ユーフィさんのお肌もきれいだよー」
「へ?」
 このやりとり、さっき見ませんでした? 微笑ましい光景なので何度見ても麗しいのですがっ。
「ずっと前線で戦っているのにね。健康的でいいなーって思うもん」
 シルから語られるユーフィの肌評。
「私も【野生の恩寵】があるので傷は残りませんけど……」
 傷を回復するユーベルコード。これによって傷は残らない。ただシルさんが言っているのはそういうベクトルの話ではない……気がしますねーうふふ。
「やっぱり愛されている方は、美しいと思います」
 それでも、とユーフィはシルへ憧れの視線を注ぐ。

 お互い違ったタイプの女性だから憧れるところも違うけど。それでも美しいと思う気持ちはきっと同じ。

「「……ふふ」」

 二人が同時に吹き出す。こんなところでも阿吽の呼吸です。
「そういえば、ユーフィさんにはそういうお相手さんはいないの?」
 おっと、ここでシルさんから危険球が放たれたー! ちょっぴり、しかし鋭く突っ込まれたコイバナトーク。
「いても不思議じゃないんだけどなぁ~」
「いませんよー?」
 シルの問いかけにユーフィはにこにこと言葉を返す。さて真実はいかに……とはならず。

 湯船に浸かりながら、のんびりまったりとおしゃべりを楽しむユーフィとシル。
 大きな戦いがそこまで迫っている……のはまた別のお話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ガイ・レックウ
【POW】で判定
『…これで絶対胸定は守られた…が…なんだろう個人的にはいろいろ失ったような気もするが…』

黙ってればただのイケメン…だが中身はボイン好き。溶岩温泉で汗かいてます。あと周囲を見ながら…覗いてないよ?
『しっかし、こんな依頼のあとだが…いやな感じがするな…』
※アドリブ可




 魔界温泉。ユーベルコードを使う者であればのんびりと過ごせる温泉のひとつ、溶岩温泉に浸かりながら。
 ガイ・レックウ(明日切り開く流浪人・f01997)は先のエンデとの激しい戦いを思い出していた。
「……これで絶対胸定は守られた……が」
 そこでどうしても突っかかってしまうガイ。
 何度思い出しても、色々と口走ってしまった気がする。ええ、自身の欲望を。
「……なんだろう個人的にはいろいろ失ったような気もするが……」
 振りかぶった刀は振り下ろさずに納めることができるが、口をついて出た言葉は絶対に戻らない。それによって失うものがあったとしても、だ……。

 すっげぇシリアスに言ってるけど、要点をまとめると、ひんぬー相手に『ボイン大好きです!』ってカミングアウトしただけだからね??
 今も黙ってればただのイケメンで、溶岩温泉で汗かいて、『お、ここからととのうのかな?』って感じだけど、呟いている言葉がそういう方面っていう残念加減だからね?
 なお周囲を見ているが、覗いてはいないとのことなので紳士なのは間違いない。

 だがやはり時は戻せない。そんなことをしたらオブリビオンになってしまう。
 ならば、今はただ、この時を噛みしめるべきだろう。
「しっかし、こんな依頼のあとだが……いやな感じがするな……」
 不穏な気配を感じつつ、温泉を堪能するガイ。
 その直感は正しくて……大きな戦いがそこまで迫っていたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴォルフスブルク・ヴェストファーレン
噂に聞く温泉!ただの飛空艇だった頃は水しかかけて貰えませんでしたから楽しみですっ

なんですこれは?温泉?これが温泉?魔毒温泉???なんですかこれ…色が兎に角すごく…すごいのですが!?
他の魔界のお客さんが…お、押さないでください!?絶対に押さないでうぎゃあー!

なぜか無事でした…気持ちよかったです…
温泉の後に牛乳を飲むのが作法なんですか、なら一つ頂いて…魔界牛乳?牛乳って白かったような…虹色に輝いてあっちょっ押し付けな…ギニャー!!
なぜか大丈夫でした、味も美味しかったです

あ、このマッサージチェアは普通な感じですね、動くと肩が凝るのでありがたいですっ
ウ゛ェ゛ア゛ア゛ァ゛ア゛…
ウ゛ァ゛ア゛ァ゛ア゛ア゛…



●【Glück W】の加護あれかし
 エンデとの激闘を制した猟兵たちのひとり、ヴォルフスブルク・ヴェストファーレン(鉄の狼・f34026)(装甲は元に戻しました)は、目的地までの道を楽しそうにスキップしていた。

「噂に聞く温泉!」

 るんるんである。めっちゃ楽しみにしている。何故かというと、彼女はガレオノイド。今でこそ、人の姿をしているがその本質は飛空艇なのである。
(ただの飛空艇だった頃は水しかかけて貰えませんでしたから楽しみですっ)
 飛空艇時代では絶対縁がなかったであろう、そして他の人に聞いてすっごく楽しみにしていた温泉。足取りが軽やかにならないなんてあるだろうか、いや無い。
 そんなわけでるんるんで温泉に辿り着いたヴォルフスブルクさん。
「……なんですこれは?」
 思っていたのと違う。
 この単語がここまで適切に、かつ的確に当てはまる状況なんてあるだろうか?
「温泉? これが温泉? え、魔毒温泉???」
 ちゃんと温泉なんですよ、これでも。でも想像していたというか聞いていた話と全っ然違う。
「なんですかこれ……色が兎に角すごく……すごいのですが!?」
 詐欺にあったレベルで崩れ落ちるヴォルフスブルクががっくりと崩れ落ちる。そして揺れる胸部装甲(たゆん)
 絶望に染められたヴォルフスブルクが温泉の前で(まだ装甲を着ているよ)崩れ落ちていたその時である。
「あっ……姉ちゃんごめんよ」
「!? ……お、押さないでください!? 絶対に押さないでうぎゃあー!」
 ここがデビルキングワールドと忘れていたうぬが不覚よ。
 温泉の前に佇んでいたお客は突き落とさなければいけない的なワルをする他の魔界のお客さんがヴォルフスブルクの背中を押して……いや、そんなこと言われたら押すでしょ。


 そして。
「なぜか無事でした……気持ちよかったです……」
 すっごい毒々しい温泉だったわけですが、入ってみたらぬめり感がとっても肌に良さそうな、ちゅるんちゅるんの温泉でした。なお、装甲は犠牲になった。乾くまでの間、浴衣(固定するものがない)で過ごすヴォルフスブルクさん。
「え? 温泉の後に牛乳を飲むのが作法なんですか?」
 温泉からあがってきた上機嫌のヴォルフスブルクさんに、店員さんがアドバイス。これは本当らしい、皆飲んでいる。
「なら一つ頂いて……魔界牛乳? 牛乳って白かったような……」
 ヴォルフスブルクの手にある虹色に輝いている牛乳……え? こんなのあったの!?
「あっちょっ押し付けな……ギニャー!!」
 デビキンの人ってアグレッシブですよね。
 そんな感じで全力で飲まされるヴォルフスブルクさん! そんな牛乳で大丈夫か!?
「なぜか大丈夫でした、味も美味しかったです」
 ごっきゅごっきゅ。やはりデビキンでした。

 装甲が乾くまでもう少しかかるらしい。
 その時間をどう潰すか、というところで視界に入ってきたのはマッサージチェア。
「あ、これは普通な感じですね、動くと肩が凝るのでありがたいですっ」
 そりゃどんだけ装甲を着こんでも隠しきれないサイズですし。エンデ様もたぶん本気でもぎに来ていた。本気だったよ歌で煽られてたけど。

「ウ゛ェ゛ア゛ア゛ァ゛ア゛……ウ゛ァ゛ア゛ァ゛ア゛ア゛……」

 ヴォルフスブルクの口からこぼれる吐息……吐息? この子は本当に女の子があげちゃいけない声を……(風評被害)
 通りすがりの悪魔たちが『揺れてる揺れてる、声に合わせて揺れてる』とか噂していたのは秘密です。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
Dがあるなら浴槽貸し切り金貨札束風呂動画とか予定してたけど、
それなら完全プライベートで温泉を楽しもうかな
メイクも落として、今の私はデビキン的一般人!

ということで、魔界温泉を堪能したらお目当てのマッサージよ
キマフュだとどうしても、仕方ないけど下半身とか左腕の施術は難しいのよね…
UDCアースとかだとアブナイ展開に突入しそうな外見(偏見)のプロの方にお世話になります!
あと育乳系とか意味が無さそうなのはやらないからね?

ふあ~…凝りが解れて血行が良くなっていくのが分かるわ~…
身体が資本なんだから、メンテナンスはしっかりしないと
そろそろ大きな戦いの気配も感じるし、英気を養ったら、さあ次も頑張ろうってね




 かぽーん……。

 温泉なのに銭湯みたいな音が響く。ここは魔界温泉。観光客(?)を相手にする施設でありながら、貸し切りとかあっさり対応できる懐の広さを持つデビルキングワールド屈指の娯楽施設である。

 そんな魔界温泉に麗しい女性が入浴中であった。
「……ふぅ」
 少しお疲れなのか、吐息も艶やかながら、しかし貸し切り状態の温泉効能に満足しているようだ。
「D(デビル)があるなら浴槽貸し切り金貨札束風呂動画とか予定してたけど」
 ちゃぱっ、とお湯を肩にかけながら、瞳を閉じつつお湯の温度を堪能中の女性。
 おやおや、実は有名人ですか貴女? しかしとっても悪(うけ)そうなネタのチョイス。この人できる……。
「それなら完全プライベートで温泉を楽しもうかな」
 うーん、と組んだ手を伸ばしてから、ほう、と吐息をこぼして。つるつるの美しい肌を水滴が滑っていく。
 どうやら完全にオフモードらしい女性。まったりのんびり、温泉の醍醐味ってこういうことですよね。
「メイクも落として、今の私はデビキン的一般人!」
 ぱしゃん、と湯船から跳ねるお湯と……しっぽ。蛇みたいなしっぽ。
 彼女の言葉通り、見た目はデビキンにいてもおかしくないような一般人な容貌……あれ? ……この人? ……それにこのしっぽと角の形状どこかで見たような……。
「うーん……気持ちいい……」
 あーっ!!!!?(気付いた)

 そんなわけで先ほどまでエンデと激闘を繰り広げていた真の蛇神にして邪神様こと御形・菘(オブリビオンではない・f12350)は、普段のメイクも立ち居振る舞いもオーラもオフで温泉堪能中。
 この人、オンもオフもデビキンとの親和性がとてもすごいですよね。


「~~♪」
 温泉を堪能した後、蛇しっぽを楽しそうに揺らしながら旅館の中を進んでいく菘。次のお目当てはマッサージである。
(キマフュだとどうしても、仕方ないけど下半身とか左腕の施術は難しいのよね……)
 メイクとか衣装とかはガチ映え重視だが、彼女の体そのものは特に何かを盛っているわけではない。キマイラさんの自前なのである。
 そんなわけで配信動画が人気過ぎる菘がキマフューでそんなマッサージしていたら目立つ。全力で目立つ。
 ちなみにUDCアースとかだとアブナイ展開に突入しそうな外見(偏見)のプロの方にお世話になっているようです!! え、どういうことなの? 解剖されそうになるの!?
 そんなこんなしている内に、目的のマッサージのお店に到着。
「あと育乳系とか意味が無さそうなのはやらないからね?」
 何故かちらっと後ろを振り返って菘さんがそう告げる。
 いえ、何も言ってないっす。っていうか、巨乳になった蛇神様は『こんなの蛇神様じゃない!!!』とか言われそうじゃないです? 今の肢体が本当に美しいと思います。

 デビキンなので菘の風貌もするりと受け入れられて。ベッドの腕でだらーんとうつ伏せ状態の菘さん。マッサージ師が丁寧に菘の体をほぐしていく。
「ふあ~……凝りが解れて血行が良くなっていくのが分かるわ~……」
 『ボコってみた』動画のライブストリーマーである以上、身体が資本。というか、身体以上に大切な資源は無い。
(メンテナンスはしっかりしないと)
 幸せそうな顔で身体をほぐされる心地よい快感に身を委ねながら、菘は心の内に思う。
(そろそろ大きな戦いの気配も感じるし、英気を養ったら、さあ次も頑張ろうってね)
 そんな予感を感じながら、今はマッサージに身を委ねる菘さんでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・クイン
【太陽の家】
え、豊胸マッサージって、それほんとに効くの!?
いやでも、ザイーシャってあたしよりちっちゃいのに、凹凸で負けてるし
ちょっと興味あるかも……あっ、ちょ、ややややっぱなし……ふぎゃー!?なんか抜け出せないんですけど!ひああっぞくぞくするすとっぷすとっぷすと……っ

ふふ、ふふふ、クロエも見てるだけだったし、試したいわよね?
た・め・し・た・い・わ・よ・ね?(手ワキワキしつつ)

そんなことした温泉上がり、ついふくよかーな魔界温泉まんじゅうをむにゅむにゅ潰して、ひらべったくしちゃったわ
なにかしら、人として大事なものをいっぱいなくした気がするわ
おっぱいだけに……(気が動転してます)

※アドリブ連携、歓迎


ザイーシャ・ヤコヴレフ
【太陽の家】
色々とありすぎて、自分の胸に自信がなくなってるクロエとアリスに良いことを教えてあげなきゃ
ねぇ、知ってる?
胸が大きくなるリンパマッサージがあるんだって
単にお胸だけをマッサージするだけじゃなくて、脇とか鎖骨周りから大胸筋にかけての筋肉を解すの
こういう風にね…えいっ♪
クロエに分かりやすく見せるようにアリスの身体で実演よ
それとね、これって自分でやるんじゃなくて人にやって貰ったほうが効果があるんだって

そんなことを温泉に入りながらしたのを思い出すように話しながら、お風呂上がりの魔界温泉まんじゅうを美味しく食べるね
ネットの掲示板情報だから眉唾だけど、これはふたりには秘密だよ?

※アドリブ連携、歓迎


クロエ・アスティン
【太陽の家】
年下なのに自分より大きなザイーシャ様を思わず羨ましそうに見てしまいます。

ザイーシャ様に言われて、「やってないでありますよ!?」とは言いましたが本当は……
流石に今日は友人と一緒というわけでやるわけにはいきませんが、うぅ、こ、効果ないのでありましょうか。

リンパマッサージの実演を見せられて思わず両手で目を塞いでしまいます(でも指の隙間まらきっちり見てしまいます)。
あわわわ、アリス様が大変でありますと思っていたら、そのアリス様に襲われて……

お風呂でそんな女学生同士の友達みたいなことをしていたらのぼせてしまったであります。

※アドリブ・連携も歓迎




 エンデとの戦い、ひいては賓乳派との戦いを制したクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)、アリス・クイン(ビビり屋毒吐き姫・f24161)、ザイーシャ・ヤコヴレフ(Кролик-убийца・f21663)の3人は、促されるまま魔界温泉へと足を運んでいた。
 疲れを癒すためである。
 もう少し具体的に言うと、戦いの中で色々と失ってしまった何かを埋め合わせる傷心(?)旅行である。ええまぁ、クロエとアリスなのだが。二人の胸は犠牲になったのだ……絶対胸定制定の。いや、なってねぇよ、胸は無くなってないよ。
(それが問題なのよね)
 ふぅ、と。色々とありすぎて、自分の胸に自信がなくなってるクロエとアリスを見るザイーシャ。
 温泉に浸かりながら、ひと息もふた息もついているわけだが、3人の間に流れている雰囲気はいまだ変わらず。
「……」
 そんな中、ザイーシャ(の胸)を、吐息とともに思わず見てしまうクロエ。
(ザイーシャ様、年下なのに自分より……)
 いけない、それ以上は言葉にしてはいけない。しかし視線は羨ましそうに、じー。

 先のエンデとの戦いの中、クロエは。
(ザイーシャ様に言われて、『やってないでありますよ!?』とは言いましたが本当は……)
 戦闘中で無ければ、クロエもまた胸に悩む乙女である。そんなことがあってもいい。というか、エンデの前じゃなかったらそんな否定もなかったはずだ。ザイーシャさんブッコみ過ぎじゃないっすか?
 だが、今ここにいるのは3人だけだ。従業員とかもいない、本当に貸し切り状態。
「ねぇ、知ってる? 胸が大きくなるリンパマッサージがあるんだって」
「え、豊胸マッサージって、それほんとに効くの!?」
 クロエと一緒で沈黙を保っていたアリスが秒で反応する。はえーよアリスさん。
 対してザイーシャは『良いことを教えてあげなきゃ』と思っているためか……いや、さっきまでと変わんないな? これ本当かな?
 そんな疑惑がこれまた秒でアリスに走る。
(……いやでも、ザイーシャってあたしよりちっちゃいのに、凹凸で負けてるし)
 だがその事実は温泉の中でさらに強調されている。裸の付き合いだとやっぱりよくわかる。
「ちょっと興味あるかも……あっ」
 武器は振り下ろす前に戻せるが、出した言葉はもう戻ってこない。
「単にお胸だけをマッサージするだけじゃなくて、脇とか鎖骨周りから大胸筋にかけての筋肉を解すの」
 迂闊に呟いてしまったアリスに対してザイーシャがロックオンする。
「こういう風にね……えいっ♪」
「ちょ、ややややっぱなし……ふぎゃー!?」
 もう遅い。
 するりとアリスの後ろに回ったザイーシャが言葉の通りに実演する。
「!?」
 唐突に目の前で始まった光景に困惑するクロエさん。思わず両手で目を塞いでしま……うも、やっぱり気になるのか、指の隙間からリンパマッサージの実演をきっちり見ている模様。
 ちなみに、ザイーシャはザイーシャで『クロエに分かりやすく見えるように』と対面かつアリスで実演……つまり、見せている。
「なんか抜け出せないんですけど! ひああっぞくぞくするすとっぷすとっぷすと……っ」
 楽しそうなザイーシャに対して悲鳴をあげるアリス。
 だが、和気あいあいの光景ではあるが、胸に対して効果があるようには……?
(うぅ、こ、効果ないのでありましょうか)
 やっぱり人前だと恥ずかしい。流石に今日はアリスとザイーシャが一緒なのでクロエも実際にやってみる、とはいかないが、視線は興味津々である。
 効果が……効果が欲しいっ!
「ふふ、ふふふ……」
 アリスさん? アリスさーん?
 唐突に壊れたかのように笑みをこぼすアリス……の視線がクロエをロックオンする。
「クロエも見てるだけだったし、試したいわよね?」
「え、あ、いえ、自分は……」
「た・め・し・た・い・わ・よ・ね?」
「あわわわ……?!」
 ザイーシャを振り解き、手ワキワキさせながらじりじりと近づいてくるアリスに、思わず悲鳴をあげるクロエ。『アリス様が大変であります』と思っていたら、そのアリスに襲われるっていう……これが地獄、いや魔界か。
「それとね、これって自分でやるんじゃなくて人にやって貰ったほうが効果があるんだって」
「「……!?」」
 そんな事実知らなかったよ、って顔で同時に振り向くクロエとアリス。
 あれ、ってことは?
「ク・ロ・エ♪」
「いえ、あの、あ、アリス様……?」
 色んな方向から外堀を埋められたクロエさんは、やっぱり犠牲になったのだ……。


「きゅ~~……」
 ソファに倒れ込んでいるクロエ。
 温泉の中で女学生同士の友達みたいなノリでいたら、すっかりのぼせてしまったらしい。
「大丈夫?」
 そんなクロエをうちわで扇ぎながら、隣に座っているアリス。
「~~♪」
 その対面でザイーシャが魔界温泉まんじゅうを頬張っている。手つきがマッサージのようだ。さっきの光景を思い出させるような。
「…‥あれって本当なのかしら?」
「……?」
 アリスが言及したのはザイーシャの『人にやって貰ったほうが効果があるんだって』発言に対してである。
 首を傾げるザイーシャから視線を逸らすようにして、魔界温泉まんじゅうを手に取るアリス。ふわっとしてふくよかーな感触の魔界温泉まんじゅうである。
「……」
 ついつい。むにゅむにゅっと潰してひらべったくしちゃうアリス。
「……なにかしら、人として大事なものをいっぱいなくした気がするわ」
 悲し気な声がアリスの口から零れる。
「おっぱいだけに……」
 今日は色んなことが起こりすぎたのだろう、気が動転しているっていうか正気を失っているっていうか。アリスがそんな言葉を口走る。ツッコミ疲れですか?
「……アリス様?」
「……忘れて……」
 そんなタイミングで目を覚ますクロエに、顔を覆って消えそうになっているアリス。
「……」
 そんな二人を無言で見守るザイーシャ。
(ネットの掲示板情報だから眉唾だから、二人には秘密にしないとね)
 真性の小悪魔がそこにいたことを、クロエとアリスは知らない。
 知らない方が平和かなー?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

津上・未有
ふー、やれやれ、今回の戦いも疲れたな
とはいえ魔界温泉という心躍るものがあるようだし!美味しいものも沢山あるようだし!ここらでちょっと贅沢を……
…贅沢を…できるだけのDがないっ!?
し、しまった、うっかりDを回収するのを忘れていた…我としたことが…
ま、まあ手持ちのDは皆無というわけではないし、温泉に入るぐらいはできるだろ、うん

で、温泉に来たわけだが…
溶岩温泉…ユベコ使いなら大丈夫って触れ込みだったが、ほんとに大丈夫なのか…?
(恐る恐る入って)…うん、意外と大丈夫なもんだな
…身体的には休まるけど、なんか、精神的にはあんまり落ち着かないな…
(根っこは普通の女の子な魔王様でした)




 絶対胸定に対するクーデターを阻止するため、エンデの屋敷に乗り込んだ猟兵たちのひとり、魔王様こと津上・未有(自称真の魔王・f10638)が王たる足取りで悠然と目的地へ向かっていた。
「ふー、やれやれ、今回の戦いも疲れたな」
 魔王にとって戦いは日常茶飯事とはいえ、疲れるものは疲れる。だが今回はここで終わりではない。
「魔界温泉という心躍るものがあるようだし! 美味しいものも沢山あるようだし! ここらでちょっと贅沢を……」
 ふっ、とニヒルに(喜びを表情に出さないように頑張っているよ)笑う未有は懐をがさごそと確認する……。
「……贅沢を……できるだけのD(デビル)がないっ!?」
 未有に痛恨の一撃!
 まさかの展開だった。
「し、しまった、うっかりDを回収するのを忘れていた……我としたことが……」
 がっくりと崩れ落ちる未有。
 そしてエンデでの屋敷での展開がグリモア猟兵もびっくりの展開になってしまっているもんだから、本来提供される想定であった額のDが用意できていないという始末。本当に申し訳ない。
 だがそこはさすが魔王様。
「ま、まあ手持ちのDは皆無というわけではないし、温泉に入るぐらいはできるだろ、うん」
 持ってたよD。すごいな。用意いいな。
 そんなわけで気を取り直して。予定通り、魔界温泉へと進む未有さんでした。

「……で、温泉に来たわけだが……」

 温泉の湯舟の縁で佇む未有さん(入浴前なので服は脱いでいるけど、タオルできちんとマナー通り隠しているよ)が困惑したように呟く。魔王とて困惑する時は困惑するのだ……たぶんめいびー。
 そんな未有の眼前には、赤くてこぽこぽ泡が弾けている溶岩のような温泉……通称、溶岩温泉である。まんまやん。
「溶岩温泉……ユーベルコード使いなら大丈夫って触れ込みだったが、ほんとに大丈夫なのか……?」
 そっとつま先から。ゆっくりと湯に身体を沈めていく未有。こぽこぽ湧き出ている溶岩のようなものが未有の体を侵食……しない。しないのかよ。
「……うん、意外と大丈夫なもんだな」
 さすがデビキン、見掛け倒しだったぜ……! 溶岩っぽく見えるけど、人畜無害な温泉でした。
 しかし見た目だけ言えば、湧き出る溶岩に身を沈め、人ではあり得ぬ力を見せつけ、蓄えている魔王の姿に見える。(今はまだ縁に手をかけて、格好をつけて入っている)
 でもまぁ、なんだ。今日は慰労できているんだ。そしてここは貸し切り状態だ。気を緩めても誰も見ていない。
 そんな状況なので未有もそっとオフな雰囲気に。
 そうなると次はこの光景が目に痛い。
「……身体的には休まるけど、なんか、精神的にはあんまり落ち着かないな……」
 視界のほとんどが赤いしね。しかもこぽこぽ、ずっと言ってるしね。
 疲れは癒されていくけれども、そんな光景にどうにも馴染めない、根っこは普通の女の子な魔王様でした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴乃宮・影華


いやあ…エンデ様は強敵でしたね
死線を潜り抜けてまた一つ私は大きくなりました
そんな訳で全力でくつろがせてもらいましょう

E『もうちょっと見た目気にしない?』

うっさいですE.N.M.A、混浴露天風呂じゃないんだからマッパおっぴろげでも無問題でしょうよ
(※『暗赤色の首巻』『ペルフェクティオ』で得た耐性を指定UCで増幅中)
あ゛ぁ゛ー雷雲だけあって何かビリビリ来るぅ……

E『多分それ電撃ダメージだと思うけど影華ちゃんが良いならスルーしとくわね。ところで質問なんだけど』

なにー?

E『実は貧乳に恨み有ったの?』

…………だってさぁ、隠れ里の指導員のお兄さんもよく依頼持ち込む貴人の秘書さんも幼馴染の腐れ縁ヤローも
私がいいなーと思った男の人は皆ょぅι゛ょが盗って行ったんだよ!?
だというのに貧乳共はどいつもこいつも私を不倶戴天の敵みたいに見てきてさぁ!
ザッケンナコラー!

E『うーんこれは絶対胸定の速やかな成立が待たれる。まぁ今は甘酒でも飲んでゆっくりなさいな。次の戦いはきっと近いわ』




 エンデ……賓乳派との戦いを制した猟兵たち。というか、鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)は圧倒的なTTT乳力(たかいつよいたぷん)で以てエンデの野望を粉砕した。たぶん今回の猟兵の中では1位2位を争う乳力。何故かって最初から最後までたゆんたぷんしていたのは彼女らだけだったからさ。死にたいのか、いや生き延びた。

 そんな戦いの疲れを癒すべく、影華もまた、ここ魔界温泉へと足を運んでいた……わけだが。

「あ゛あ゛あ゛~~~~……」

 全っ力でくつろいでいる影華さんがいました。『いやあ……エンデ様は強敵でしたね』とか『死線を潜り抜けてまた一つ私は大きくなりました』とかも思っているんだけど、それ以上に全力で温泉でくつろいでいた。

『もうちょっと見た目気にしない?』

 さすがに見かねたのか、色んなサポートバッチリな疑似人格『E.N.M.A』が影華に話しかけてくる。どっからだ? 気にするな。直接脳にではない、たぶんめいびー。
「うっさいですE.N.M.A、混浴露天風呂じゃないんだからマッパおっぴろげでも無問題でしょうよ」
 言わなければバレなかったのに……いや、そうでもないか。最初の『あ゛ぁ゛ぁ゛』でわからないではないか。一応、人目を気にして……ると思ったら使ってるアイテムとユーベルコード、耐性アップ。隠すタイプのものじゃないわ。ってこと全開マッパだわ。
 まぁ実際のところ、貸し切り状態だし人目も無いし。っていうか【黒燐憑依法(即席改造型)】で影華の健康的な身体から、何かニョキニョキっと蟲の芽(誤字にあらず)が活性化しているので、他人にお見せできない状態なのは事実である。

「あ゛ぁ゛ー雷雲だけあって何かビリビリ来るぅ……」

 そして本人はご満悦である。びりびりによって起こる振動が温泉を小さく波立たせ、それによって温泉の中で圧倒的な浮力を得ているたゆんがぷかぷかたぷんしている。これやっぱり他人にお見せできる状態じゃないわ。
 さておき。
『多分それ電撃ダメージだと思うけど、影華ちゃんが良いならスルーしとくわね』
 え、いいの? それでいいのE.N.M.A? まぁ、見た目(影華に)危険はない。見る人が見たら、血を出して死人が出る。もしくは唇をかみ切って血が出る。
 だがスルーだ。圧倒的な乳力が全てを無視させる。
 とか思っていたらE.N.M.Aが話し出した。
『ところで質問なんだけど』
「なにー?」
『実は貧乳に恨み有ったの?』
「……」
 唐突な真面目質問に押し黙る影華。
『……』
 無言で会話を進めるように圧をかけるE.N.M.A。
「…………だってさぁ」
 その圧に負けて影華が話し始める。
「隠れ里の指導員のお兄さんもよく依頼持ち込む貴人の秘書さんも幼馴染の腐れ縁ヤローも私がいいなーと思った男の人は皆『ょぅι゛ょ』が盗って行ったんだよ!? だというのに貧乳共はどいつもこいつも私を不倶戴天の敵みたいに見てきてさぁ! ザッケンナコラー!」
 ここまでワンブレス。言葉と共に迸る影華の感情。そして暴れ出す影華さん。温泉が、温泉が子供の遊び場みたいになっている……! 感情の大噴火とともに湯舟が大嵐になっている状況を見たE.N.M.Aさん。
『うーん、これは絶対胸定の速やかな成立が待たれる』
 あ、これは手が付けられないなって見放したな?
 そんなわけで湯舟に広がる黒燐蟲よりもなお深い闇。触らぬ神に祟りなしとはよく言ったものである。
『まぁ今は甘酒でも飲んでゆっくりなさいな。次の戦いはきっと近いわ』
「…………う゛あ゛ぁ゛~~~……」
 E.N.M.Aの言葉に再び温泉に身を委ねる影華さん。自慢の肢体を惜しみなく……いや、惜しめよ。衆目の目を憚れよ。
 そんなツッコミも覗きもする者はおらず。
 影華とE.N.M.Aに、和やかな時間が過ぎていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘスティア・イクテュス
うふふふふふふ、あっはははははは!!!(温泉にひんぬーちゃんとエンデから奪ったDを沈めてD風呂にしながら)

そう、わたしの野望はDを集めて胸を大きくしてちゃりんちゃりんすること…(Dを掬って撒きながら)
これだけのDがあれば儀式できっと夢を叶えることが出来…(没収)

あっ、あっ、わたしの夢が…わたしの乳が…DでDカップが…
わたしの野望が砕乳される…DthBIG CUPが……


その後は不機嫌そうな顔ながらも温泉を満喫
わたしのDの温泉よ!!もう集めたD分元とるしかないわよ!!!(温泉卵をつまみに甘酒ヤケのみ)
ここバストアップ効果の温泉とかはないの!!(バンバン!)


そして見事当日食べ過ぎ飲み過ぎでダウンするわたしの姿が…
おのれー魔王ガチデビルーこの恨みはらさで……



●そしてDを奪い去ったものは……
 エンデとの激闘を制し、クーデターを阻止した猟兵たちはその戦いの疲れを癒すべく、グリモア猟兵がキープしていた魔界温泉へと足を運んでいく。それは慰労であり、次の戦いへの準備だ。
 そこに……彼女も先乗りしていた。っていうか、奪ったD(デビル)を全て持ち込んでいた。

「うふふふふふふ、あっはははははは!!!」

 あの、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)さん? ひとりだけ温泉が魔界温泉の定番じゃないモノになっていません??
 何を隠そう、いや全然隠してないけど。ヘスティアはこの戦いで奪っ……手に入れたDの全てを温泉にぶっこみ、D風呂にしていたのである! ひんぬーちゃんから手に入れた分だけなら、こう季節の『あー、柚子が浮いてますねー』的な和やか(?)な風景であったのに、エンデが屋敷に溜め込んでいたDのほとんどを奪ったヘスティアのD風呂は、もう湯がDである。いや、比喩表現じゃなくて。湯の代わりにDが張られているのである。

 湯を掬い上げる仕草をすれば、掌に乗っかってくるのはD、D、Dである!
「そう、わたしの野望はDを集めて胸を大きくしてちゃりんちゃりんすること……」
 掌から零れるDの美しいフォールダウン(?)をうっとりと眺めながらヘスティアが溢れる想いとともに言葉を紡ぐ。
「これだけのDがあれば……儀式できっと夢を叶えることが出来……」
「『デビルキング銀行でーす』」
「……は?」
 Dに浸かりながら愉悦の表情を見せていたヘスティアが止まる。ぎぎぎ……と首を回して視線を遣った先には数人の銀行員悪魔(全員女性)。
「こ、これはわたしのDよ!!」
「ははは、知ってますよー。それじゃ回収しますねー」
「お任せくださいー」
「こっち担当しまーす」
「あーっ?!」
 掃除機みたいな不思議アイテムでヘスティアのDを回収していく銀行員たち。それに対して絶叫するヘスティア。

 説明しよう!
 『あのお客さんのD、濡れちゃって不便そうだから交換してあげて』とか銀行に連絡した優しい従業員(善意の塊)がいたのだ! しかし、事情を知らないヘスティアから見れば、自分のDを回収されているようにしか見えない。だが、強くは出れない。奪ってきたからだ。心根は優しい少女なのである。
 つまり、真面目に数日後には同じ金額のDが返ってくるのであろう。
 だが問題もある。それは真っ新なDなのだ。人の手を渡って欲望を溜め込んだDとは魔力の質が違う。つまり、どっちにしても儀式は出来ないってことですね、残念☆

 そんなわけで、絵面的にはどう見ても没収&回収されているようにしか見えない構図に、力なく崩れ落ちるヘスティア。
「あっ、あっ、わたしの夢が……わたしの乳が……DでDカップが……」
 ずぞぞぞーっと無造作に目の前で吸われていくD。それはヘスティアにとっては野望が吸われていく音である。そう……。
「わたしの野望が砕乳される……DthBIG CUPが……!」
 だからなんでそんなに乳語生まれるの。『砕乳』ってなんだよ天才しかいないのかよここには!!
 そして。
「『それではーーー』」
「あぁぁぁぁぁぁ…………」
 笑顔(そして悪意は無い)で立ち去る銀行員たちの後ろで、がっくりと崩れ落ちるヘスティアさんがいたのでした。

●そして定番へ……
 ずん、ずん、ずん、と。
 温泉を闊歩する音がする。もちろんヘスティアさんの足音である。なお、めっちゃ不機嫌そうな顔です。そしてやけになっているのか手元にはすっげぇ量の甘酒とおつまみがある。
「わたしのDの温泉よ!! もう集めたD分元とるしかないわよ!!!」
 Dは犠牲になったのだ……魔界温泉が発展するための、犠牲にな……(ヘスティアの思い込み)
 なので、その分使い倒してやろうっていうことですね(なお、資金提供は魔界議会から出ます)
 そんなわけで、不機嫌そうな顔ながらも温泉を堪能しつつ、湯舟にお盆を浮かべてその上に並べた温泉卵をつまみに甘酒をがっぱがっぱヤケ飲みである。
「ここバストアップ効果の温泉とかはないの!!」
 バンバン! バシャバシャ! お盆とお湯を叩く音が響く。
 大荒れのヘスティアさんが満足いくまで、温泉卵と甘酒と温泉は消費されていったのでした……。

 で。翌日。
 唐突に始まった『7thKING WAR』、猟兵の間ではよくあることとはいえ、まさかその戦争が始まったその日にヘスティアはすでに現地入りしていたのだ!!
 ただし、見事に食べ過ぎ飲み過ぎでぐったりダウンしている。
 そしてダウンしてるのに、頭の中にがんがん響く予兆。しかもジャッジメントガールのあのノリとガチデビルのガチ悪意っぷりが騒がしい。
「おのれー魔王カ゛チテ゛ヒ゛ルぅーー……この恨みはらさで…………」
 全力の八つ当たりを叩きつけようと心に決めたヘスティアさんでしたとさ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年05月15日
宿敵 『魔戦闘姫エンデ』 を撃破!


挿絵イラスト