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苺の香りとモフモフと

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●イチゴ、それは守護すべきもの
 アルダワ魔法学園の地下迷宮。
 複雑に入り組んだその場所の中には、自然に恵まれたフロアもある。
 学生達も幾度か足を踏み入れた、上層側のフロア。そこは今、甘酸っぱい香りに包まれていた。
 あちこちに茂る緑には、赤い実が生る。香り放つ、艶やかで赤い果実――それは学園でも人気の『迷宮イチゴ』と呼ばれるフルーツだ。
 そして、その果実に惹かれるように現れた災魔が、たくさん。
「……モフッ」
 鳴き声上げたそれは、小さな足でてちちっとイチゴの苗へ近付いて。モフッと口開け、果実を食んだ。
「モフ~」
「モフッ、モフッ」
 おいしい。
 これは、守護しなければいけない!
 そんな会話を、したのかどうか。オレンジのもこもこ体にネメス被った災魔――モフィンクス達は、イチゴの苗へ寄り添うに座り込み、それはそれは気持ちよさそうに眠り始めるのだった。

●苺の香りとモフモフと
「皆様、イチゴとモフモフはお好きでしょうか!」
 集う猟兵達へ、お辞儀して。顔上げたアリア・アクア(白花の鳥使い・f05129)は、頬を薔薇色に染めながらそう切り出した。私はどちらも大好きです、と付け足しながら。
「アルダワ魔法学園の地下迷宮の中に、『迷宮イチゴ』と呼ばれるイチゴが自生するフロアが発見されたんです。このイチゴは真っ赤でとってもおいしくて、学生の皆様にも人気なんですけど」
 そこに、オブリビオン――災魔が逆侵攻してくることが予知された。階層としても割と上層側にあり、このままで学園まで侵攻を許せば、非戦闘員も多くいる学園施設に多大な被害が出てしまう。そうなる前に全ての災魔を倒すのが今回の依頼だと、白花のグリモア猟兵は語る。
「下層より侵攻してくるフロアボスは、『魔操術師レニオール』と言います。ダンジョンに住む生命体を操る魔法の研究を行っている、と聞いています。そして、そんな少女が率いている、災魔の集団……皆様にまず戦っていただきたいのは、こちらの災魔です」
 真剣な表情で、アリアはたくさん現れると言う災魔の特徴も説明する。それは、ネメスと呼ばれるエキゾチックな頭巾を被っていて。小さな小さな手足がついていて。ぴんと立った耳があって。オレンジ色の、それはそれはモフモフの毛並みをしていると言う――。
「『モフィンクス』さんと言いまして。とってもモフモフで、とってもとってもおかわいらしいんです!」
 性格は温厚。自ら人に襲い掛かることはない。猟兵が目的のフロアを訪れた時には、イチゴの苗に寄り添い、うとうとしていることだろう。――イチゴ狩りをするには、ちょっと、いやだいぶ邪魔である。
「学生の皆様が接触すると、大事故に繋がる可能性もあります。ええ、残念ですが、後ろに控えるボスを誘い出すためにも、ここは非情の心で討伐をしてください」
 悲しいですけど。しゅんと俯きながらアリアは言葉紡ぐが、次の瞬間には気持ち切り替えにっこりと微笑んだ。
「全ての災魔を倒したら、後は思う存分イチゴ狩りをしてきてください! 一度学園に戻って、イチゴを楽しむための準備をしてもいいですね」
 例えば練乳、例えばカスタード。イチゴと絡めればおいしさが何倍にもある、お好みの味もあるだろう。思い思いに楽しんでもいいし、たくさんのイチゴを摘んでお土産にしたっていい。きっとその時間は素敵なものになるはずと、告げた白花の少女はグリモアを取り出した。
「イチゴも、モフィンクスさんも。どうぞ楽しんできてくださいね!」
 そして、できることならモフモフっぷりを後で聞かせてください――そんなことを真剣に語って、アリアは猟兵達をアルダワ魔法学園へと送り出すのだった。


真魚
 こんにちは、真魚(まな)です。

●お願い
 プレイングの受付期間につきましては、マスターページの「お知らせ」にて都度ご案内します。
 期間外に届いたプレイングは不採用とさせていただきますので、お知らせをご確認の上ご参加ください。

●シナリオの流れ
 第1章:集団戦(モフィンクス)
 第2章:ボス戦(魔操術師レニオール)
 第3章:日常(迷宮イチゴ狩り)

●戦闘について
 迷宮内での戦闘となります。
 広さは十分にあり、戦闘に支障となるものはありません。
 迷宮イチゴがあちこちに生えています。気にせず戦闘した場合収穫できるイチゴが減ってしまいますが、参加する猟兵達が食べる分くらいは残ります。
 モフィンクスとは会話は不可能、少しの意思疎通なら可能ですが、説得はできません。
 弱い敵なのでバッタバッタ倒していくというより、モフモフを堪能したり倒すことに躊躇したりと楽しんでいただいた方が採用率が上がります。

●第3章について
 フロアに残った迷宮イチゴで、イチゴ狩りを楽しみます。
 イチゴを楽しむための持ち込みも可。一旦学園に戻って持ち込むこともできるので、戦闘中の扱いなどは気にしなくても大丈夫です。スイーツを作ることも可能ですが、大きな機械等は持ち込めませんので、切る、混ぜる、盛り付けるのみでできるものがおすすめです。
 能力による選択肢にとらわれず、お好きな時間をお過ごしください。

 第3章のみ、お声がけがあればアリアもご一緒します。イチゴ大好きです。

●その他
 ・ペアやグループでのご参加の場合は、プレイングの冒頭に【お相手のお名前とID】か【グループ名】をお書き下さい。記載なき場合は迷子になる恐れがあります。プレイング送信日を同日で揃えていただけると助かります。また、4名様以上のグループはリプレイ執筆までに時間がかかったり、キャパ的に不採用となる場合があります。
 ・許容量を超えた場合は早めに締め切る、または不採用とさせていただく場合があります。

 それでは、皆様のご参加、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『モフィンクス』

POW   :    モフ~ン
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【気の抜けた鳴き声 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
SPD   :    モフ~zzz
【眠気を誘うアクビ 】を聞いて共感した対象全てを治療する。
WIZ   :    モフッ、モフッ(実は今欲しい物)
質問と共に【質問の解答が具現化する靄 】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●モフモフモフィンクス
 猟兵達がフロアへ足踏み入れると、甘酸っぱい香りが鼻をくすぐる。
 あちらこちらに、イチゴの苗。小さな実をつけるそれらには、グリモア猟兵の予知の通りにモフィンクスが寄り添っている。
『モフ~』
『モフッ、モフッフ』
 たまにイチゴを食んでは、満足そうに鳴き声漏らして。
 その様は何とも愛らしく、心が和んでしまうけれど――彼らをこのままにしておくわけにはいかないのだ。
ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

モフィンクス!
モフィンクスに会いに行くよ

迷宮に入ったら野生の勘でモフィンクスへまっしぐら
わりと浅いところにいるっていってたし、すぐに会えるよね
見つけたらその背中に顔から埋まる
モフィンクスなマフラーもあるけど、やっぱり本物がいちばん
ずっとこのまま、ここにいたいなぁ

うー……それはそうなんだけど
美味しいものはどこでもあるけど
モフィンクスはここにしかいないんだもん

颯夏に連れられてしょんぼり先へ
道がなかったらソルとイエロにお願い


青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

本当にモフィンクスが好きなのよね
いいわ、付き合ってあげる

先を行くルーナを見失わないように追いかける
あの子がモフィンクスに会うのに迷うなんてことはないから
現場に着いたらしばらくはもふもふを楽しむ
モフィンクスを抱っこしてみたり、撫でたり
そっと耳を触ってみたり

……でも、ずっとはいられないわね
ねえ、ルーナ
ここにいたら苺はもちろん、他の美味しいものも食べられないわよ?
それでも動かない彼女を捕まえて、花風を撃って道を作る
また、遊んでもらえばいいのよ




「モフィンクス! モフィンクスに会いに行くよ!」
 フロアへ入るなり、そう声を上げて。ルーナ・リェナ(アルコイーリス・f01357)は、虹色の羽を羽ばたかせてイチゴ香るフロアを飛んでいく。
 大好きなモフモフ求めて、まっしぐら。そんな様子のルーナの後を追い、青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)は小さく微笑んだ。
「本当にモフィンクスが好きなのね」
 そんな彼女に、付き合おうと。颯夏が追いかける先でビスケットの髪した妖精は、お目当ての生き物見つけて瞳を輝かせた。
 イチゴの苗の傍に座り込み、うとうとしているモフィンクス。時折体が揺れれば、毛並みがモフッモフッと誘うようで。
「いたー!」
 歓喜の声上げ、ルーナはそのままモフィンクスの背中へとダイブした。小さな体を受け止めるモフモフは、優しいぬくもり。顔を埋めれば幸福感に包まれて、ルーナの顔も蕩ける。ふかふか、モフモフの毛並みによく似たマフラーも持っているけれど、やはり本物が一番だ。
 モフィンクスは、抵抗しない。ルーナのダイブに一瞬瞳をぱちくりさせたけれど、攻撃ではないことがわかると再び眠りに落ちて。隣にいたもう一匹も同様で、やってきた颯夏はそちらに手を伸ばしていた。背中を撫でて、抱き上げて。そっと耳を触ってみても、モフィンクスは『モフ~』と心地よさそうな鳴き声を上げる。
「ずっとこのまま、ここにいたいなぁ」
 毛並みに埋もれながら、ルーナが声を漏らす。そう願う気持ちもわかるけれど、ずっと、というわけにはいかないことを颯夏は知っている。だから、しばらくモフモフを楽しんだ後で、彼女は静かに口を開いた。
「ねえ、ルーナ。ここにいたら苺はもちろん、他の美味しいものも食べられないわよ?」
「うー……それはそうなんだけど。美味しいものはどこでもあるけど、モフィンクスはここにしかいないんだもん」
 別れの時は、必ず来る。それをわかりながらも、ルーナは駄々こねるように言葉返して足をぱたぱたさせる。モフン、モフンと揺れる毛並みは気持ちいいけれど――ついに颯夏は覚悟を決めて、ルーナの手を取りモフィンクスと引き離した。
 次の瞬間、颯夏の手にした武器がラナンキュラスの花弁へと姿を変える。それらは風に乗り、寛ぐモフィンクス達を包んで――夢見るまま、消し去っていく。
「また、遊んでもらえばいいのよ」
 しょんぼりと項垂れる妖精に、優しく降る声。ルーナはそれにこくりと頷いて、傍らの緋色のドラゴンへと声掛けた。
「ソル、イエロ、お願い」
 呼び声に応えるドラゴンと、彼女のユーベルコード。それらはモフィンクスを襲い、一撃で倒していく。
 悲しけれど――また、いつか会える日まで。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

瀬河・辰巳
ほぇー、可愛いなぁ。一匹くらいお持ち帰りしても……いや、冗談だよ?森の生態系が狂いそうだし。
……正直、この子達を倒すの、かなり躊躇いがあるんだけどね。

試しに苺が少なそうな場所に誘導してみよう。
まず、鷹達に見てもらって、苺が少ない場所を探す。場所を決めたら、オカリナを吹きながら誘導。「美味しい苺を見つけたし、皆で集まってお祝いしよう」って感じにしようかな。雰囲気が良ければのってくれそうだし。
姿が似てる方が仲間と思いそうだから、ウサギ達に誘導を手伝ってもらうね。
戦闘は基本的に他の人に任せる。けど、誘導が全く出来なかったり、あまりにも数が多い場合は、もふりながら狩るよ。心折れないよう、もふりながら。


シノア・プサルトゥイーリ
イチゴ美味しそう
迷宮にこんなところがあるなんて不思議
素敵な苺狩りの前に、まずは彼らね

可愛さとかに挫けそうになるけれど何とか太刀を抜いて
抜いて…(もふぃんくすと視線が合えばそっと心が挫けて

…そうね苺を食べているところから退かしてみようかしら
ほら、そこからどいてくださいな?
だめ? そうねじゃぁ抱っこで……
いや? 苺の傍が良い?
いえ、別に抱っこしたいから退かそうと思ったわけでは…
もふもふ…

…いえ、いえ
分かっているわ。あまりに世界は儚いのだと
死霊たちから視線は黙殺して

地形を利用して、足元、苺を踏まないように
モフィンクスたちに霊気を届けましょう

質問の答えなんて
貴方達を連れ帰れる方法がないかだけど…




 フロアを満たす香りと、瑞々しい赤の果実。
 あちらこちらに生る迷宮イチゴに、シノア・プサルトゥイーリ(ミルワの詩篇・f10214)は目を奪われる。
(「迷宮にこんなところがあるなんて不思議」)
 想いながら、一歩、二歩。素敵なイチゴ狩りの前にまずは彼らを倒さなければと、すらり太刀抜きモフィンクスへ近付いていく。
 その気配に、モフィンクスが反応した。ぴんと立った耳をピクピクさせて、まだ寝ぼけているように口ひげをモフモフ動かして。
『……モフ?』
 鳴き声と共に、シノアを見た。
 ――シノアは思わず、足を止めて。それから、太刀を鞘へと納めた。頑張ってみたけれど、こちらを見るモフィンクスの可愛らしさにはやはり抗えなかったのだ。
 だから桜色の髪した彼女は、そっとモフィンクスの傍へ寄って。まずはイチゴの苗から彼らを離そうと試みる。
「ほら、そこからどいてくださいな? だめ? そうねじゃぁ抱っこで……」
 手を伸ばし、抱きかかえる。すると今までおとなしかったモフィンクスは、突然短い手足をじたじたさせて暴れ出した。
『モフッ、モフ~ッ』
「いや? 苺の傍が良い?」
 全身で、拒絶しようとしているのが感じられる。抵抗する体は毛が逆立ち、よりモコモコになっていて。
「もふもふ……」
 シノアの口から、小さく言葉が零れた。抱っこしたいから退かそうと思ったわけでは、決してなかったのだけれど。手に触れるモフモフは想像以上に魅力的で――だからこそ、シノアはどうしたものか思案してしまった。
 そんな彼女に、近付く猟兵が一人。
「ほぇー、可愛いなぁ。一匹くらいお持ち帰りしても……いや、冗談だよ?」
 森の生態系が、狂いそうだし。そうふわり笑った瀬河・辰巳(宵闇に還る者・f05619)は、モフモフ抱えて立ち往生しているシノアに声掛けた。
「あなたも、苺が少なそうな場所に誘導しようとしたのかな」
 そうよ、とシノアが返せば、頷く辰巳の元へ鷹が飛んでくる。誘導するのに適した場所を、見つけてきたのだ。
 友人に礼告げて、黒髪のビーストマスターはオカリナを取り出した。奏でる音色は優しくて、その音聞いたモフィンクス達が、何事かと顔上げる。
(「美味しい苺を見つけたし、皆で集まってお祝いしよう」)
 瞳を楽しそうに細めて辰巳が見れば、モフモフ達はのそのそと動き出す。明るく楽しい音色に誘わるように、体を揺らし、小さな手足でてちちっと歩いて。
『モフ、モッフ♪』
 ご機嫌なモフィンクスの行列を、先導するのはウサギ達。その愛らしい行進は、イチゴの苗から離れた場所で止まった。
『モフ……?』
 首を傾げるモフィンクス達。彼らが逃げ出す、その前に――。
(「……いえ、いえ。分かっているわ。あまりに世界は儚いのだと」)
 仲間の作ってくれた好機に、シノアはユーベルコードを発動する。召喚するは、死霊達。それは集まったモフィンクス達を、瞬く間に蹴散らしていく。
『モフッ、モフッ!』
 怒った様子の一体が、シノア目掛けて謎かけをしてきた。放たれる靄、問いかけは『今欲しい物』。
「質問の答えなんて、貴方達を連れ帰れる方法がないかだけど……」
『モフッ!?』
 素直な望みを口にすれば、靄はかき消えていく。願いは叶わないのだと、言うように。
 眼帯で隠した瞳の奥に、想いを隠すように。戦い続けるシノアを見て、辰巳も黄金のライオンを召喚した。
「……正直、この子達を倒すの、かなり躊躇いがあるんだけどね」
 だから合間にもふりながら、一体一体狩っていく。心折れぬよう、モフモフで癒しながら。
 それは、悲しい戦いだったけれど。想いに負けず奮闘した二人は、周辺に集まったモフィンクスを一体残らず掃討することに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ポク・ョゥョゥ
いちごー、おいしそー
でもその前にーもふもふしよー

ぽくはねーぱんだなのー
あがめよー
両手上げてご挨拶できたかなーあれー寝てるー?
じゃあ遠慮なくもふっちゃうのー
ぽくもねーぽよぽよしてるからー
もふぽよしよー

ゆーっくり近付いてーもふーん
やわわー低反発だねー
すりすりきもちー。およー?
なんかふわふわ靄が出てきたのーそれなーにー?
いちごかなーぽくも欲しいのー
一緒だねー

背中乗って良いかなーよじよじ
えへーもっともふもふー
う?あくびだーぽくもつられてふわーぁー
眠いねーzzz

…はっねちゃってたーよー
倒さなきゃーごめんねー
バウンドボディで跳ねるはねーる
ぽくあたーっくの体当たりだー
いちごには当たらないように気をつけるよー


バレーナ・クレールドリュンヌ
●アドリブ&絡みOK

WIZ

【心情】
迷宮いちご?なんだか美味しそうじゃない?
……なるほど、それを独り占めするモフィンクスをどうにかすればいいのね?

【戦闘?】
気の抜けたような子ね。
でも、オブリビオンには違いないのかしら?

「まぁ、とても眠たそうね?いいわ、みんな眠ってしまっても」
UCと歌唱を使って、みんな眠らせていきましょう。
何だか気持ち良さそうだから、添い寝して、耳元でおやすみの歌を歌ってあげましょう。
さぁ、微睡の中へ。

【実は今欲しいもの】
モフィンクスを見ている内に、ふわふわの抱き枕が欲しくなってきたわ。
一緒に添い寝している内にちゃんと答えておきましょう。

そして、優しい眠りの時間を。




 ポク・ョゥョゥ(よろしくなの?・f12425)が近付いたのは、ひと際モフィンクスの多い一角だった。モフモフと鳴きながら彼らが食むイチゴは、鮮やかな赤色をしている。
「いちごー、おいしそー。でもその前にーもふもふしよー」
 のんびりと言葉紡ぎ、パンダ姿の彼はゆるり両手を上げる。
「ぽくはねーぱんだなのー。あがめよー」
 彼の『あがめよ』は、挨拶だとか。けれどそれを見上げたモフィンクス達が興味なさそうにモフ~と欠伸しうとうとし始めたから、ポクは小さく首を傾げる。
「あれー寝てるー? じゃあ遠慮なくもふっちゃうのー」
 ゆっくり、ゆっくり近付いて――もふーん、と。黒い毛皮の手を伸ばせば、モフィンクスのモフモフ毛は意外と低反発でもあって。すりすり堪能していると、顔近付けた一体のモフモフが、ふわんと靄を放ってきた。
『モフッ、モフッ』
「それなーにー? 質問ー? いちごかなーぽくも欲しいのー」
『モフッ!』
 モフィンクスのユーベルコードに、即答するポク。貴殿もわかるか、と言うように出題者が鳴けば、現れたイチゴは一瞬の間に消え去ってしまった。
 ポクのモフモフは、まだ終わらない。今度は背中によじ登り、もっとモフモフを堪能する。ポクは、パンダのような見た目をしているけれど、ブラックタールである。その体はぽよぽよとした感触をしていて――どうやら、モフィンクスはこの感触が気に入ったようだった。
「う? あくびだー眠いねー」
 モフスゥと、欠伸一つ眠り始めるモフィンクス。その姿にポクもつられて欠伸して、共に眠りの世界へ落ちていく。
 そこへ、そっと近付いたのはバレーナ・クレールドリュンヌ(甘い揺蕩い・f06626)だ。ふと傍の緑を見れば、いくつも実をつけたイチゴ達。これを独り占めするモフィンクスを、どうにかする。彼女は此度の依頼内容を反芻してから、災魔へと海色の瞳を移した。
(「気の抜けたような子ね。でも、オブリビオンには違いないのかしら?」)
 うつらうつら、寛いでいる様子のモフィンクスは無害なように見える。けれど、確かに彼らは災魔なのだ。バレーナはふわり微笑むと、ゆっくりとその唇を開いた。
「まぁ、とても眠たそうね? いいわ、みんな眠ってしまっても」
 言葉の後に紡ぐのは――『揺蕩う波間の鎮魂歌(ワンダラーズレクイエム)』。周囲に響く甘やかな歌声はモフィンクス達を包み込み、まだ落ちていなかった者達をも眠りへといざなっていく。
『モフゥ……?』
「さぁ、微睡の中へ」
 抵抗を見せる一体には、添い寝して耳元に歌を届けて。そうして人形の歌に周囲の全てのモフィンクスが眠りについたところで――バレーナは、眠るポクの肩をトントンと叩いた。
「……はっねちゃってたーよー。倒さなきゃーごめんねー」
 目覚めたポクは、うーんと背伸び。そのままユーベルコードで己が体をしゅんと伸ばして。
「ぽくあたーっくの体当たりだー」
 言葉と共に、彼は小さな体を伸び縮みさせてモフィンクスを襲う。一体、二体、衝撃受けたモフモフ達は、目覚める前に消えていく。
 しかし、全てが眠りのままにとはいかなくて。最後まで寝落ちなかった、バレーナが添い寝する一体はすぐ近くの個体へ降りかかった攻撃の音に、驚き飛び起きてしまった。
『モフ、モフッ!』
 それはバレーナへの謎かけで――彼女はふわり笑って、問いに答える。
「あなたを見ている内に、ふわふわの抱き枕が欲しくなってきたわ」
 そうっと滑るように毛並みを撫でて、再び眠りの歌を紡ぐ。優しい眠りの時間を。願う歌声はモフィンクスの警戒すらも解いてゆき。
 そうしてこくり、睡魔に敗北したそのモフモフもまた、ポクのバウンドで消滅したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

パウル・ブラフマン
【POW】
迷宮イチゴ?なにそれめっちゃ気になる!
てか寝てるあのモフモフも気になる。
(傍らに屈んで触手でつんつん)
えっこれをヤんの?マジかぁ…。

あの背中の部分に顔埋めたい。
ねぇモフちゃん、ちょっとだけ乗ってもいい?
大丈夫!絶対体重かけたりしないから!!
悪気はないんだけど、めっちゃ顔めりこみそう。
まさか顔の重みだけで潰れるなんてことないっしょ!(フラグ)

あーなんかオレも眠くなってきちゃったや。
ちょっとごろんてしてもいいかな…?
すやみに負けて添い寝を始めたら
触手でうっかり抱き締めちゃうかもしれない。
結構な圧で。

目覚めてまだモフが残っていたら
二度寝!って言って顔面ダイブするね♪

※絡み&アドリブ大歓迎!


アーデルハイド・ルナアーラ
モフモフがたくさんいると聞いて駆けつけて来たわ!

モフモフとはいえ災魔。野放しにしてはおけないわ。ここは幻獣の専門家である私の出番ね。

大きな鉄の檻を持参して、片っ端からモフモフ、いえ、檻の中に放り込んでいくわ。私が実家で飼う....いえ、責任持って処分しておくから安心して。
小さな個体を捕獲し終わったら一番大きな個体に狙いを定めてユーベルコードを叩き込むわ。悲しいけど、これが仕事なの。許して!

ちなみにイチゴには興味ありません。




「迷宮イチゴ? なにそれめっちゃ気になる!」
 グリモア猟兵の話を聞いて、心躍らせながらフロアへ足を踏み入れたのは、パウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)。
 彼はイチゴ生る苗へと青色の瞳を向けてから、その下でうとうとしているモフィンクスを見る。
 そっと近付き、自身の触手でつんつん。触れれば、モフィンクスはくすぐったそうに身をよじった。オレンジ色の毛が、動きに合わせてモフモフと揺れる。
「えっこれをヤんの? マジかぁ……」
 漏れた声は、戸惑いの色を含んでいた。残念ながら、マジなのです。こんな見た目でも、オブリビオンなのだから。
 けれどふかふかの背中に惹かれるように、パウルはモフィンクスの鼻先へと顔を近付けた。
「ねぇモフちゃん、ちょっとだけ乗ってもいい?」
 大丈夫! 絶対体重かけたりしないから! 熱心に頼むキマイラの男へ、モフィンクスは『モフ~?』と鳴くとその身を低くし座り直した。お許しが出た、のかもしれない。
 そういうことなら遠慮なく、とさっそくパウルはその顔をモフィンクスの背中へ預ける。モフン、と包み込む毛並みはどこまでも優しくて――ついつい、もっと求めるように顔が沈んでいく。
(「まさか顔の重みだけで潰れるなんてことないっしょ!」)
 そんな想いで、遠慮なく顔を埋めていたのだけれど。ある程度沈んだところで、突然モフィンクスが『モフッ!?』と鳴いたかと思うと、その体がぺしゃりと潰れ、消えてしまった。どうやら、耐久性はあまりよくないらしい。
 残念に思いながら、パウルは周囲を見回す。すると傍に他のモフィンクスがうとうとしていることに気付き、それをじっと観察する。
「あーなんかオレも眠くなってきちゃったや」
 ごろり、横になってモフィンクスと添い寝。すると体温求めてか、モフィンクスもそっと体を寄せてくる。心地好いモフモフが、あっと言う間に眠りに誘い。彼は触手でモフィンクスを抱きしめながら、しばしの眠りにつくのだった。
 パウルを取り囲むように複数のモフィンクスが眠る中、近付いてきたのはアーデルハイド・ルナアーラ(獣の魔女・f12623)。ここにモフモフがたくさんいると聞き駆け付けた彼女は、食い入るようにモフィンクス達を眺めている。ちなみに、迷宮イチゴの方には一切の興味はない様子。
「モフモフとはいえ災魔。野放しにしてはおけないわ」
 言葉紡ぐと、彼女はその場に大きな鉄の檻を設置した。そして、近くにいた比較的小柄なモフィンクスを捕まえると、檻の中へと放り込んでいく。
「私が実家で飼う……いえ、責任持って処分しておくから」
 言いながら、捕まえては投げ、捕まえては投げを繰り返すが――ふと檻へと目をやると。
『モフッ、モフ!』
『モッフッ!』
 なんとモフモフ達は力を合わせて檻を倒し、てちちっと一斉に逃げ出していた。愛らしい見た目の生き物だが、これでも彼らはオブリビオンなのだ。そう簡単に、囚われてはくれない。
「捕獲は失敗……仕方ないわね」
 残念そうにため息ひとつ。アーデルハイドはそれならば、と体の大きなモフィンクスへと標的を移す。
 そして、ゆっくりモフモフの背中へ近付いて――ユーベルコードで、彼をがっしり羽交い絞めにした。
「きゃーーーん!!! かわいーーー! ハグさせてー!!! すりすりさせてーーー!!!」
 閉じ込めたモフモフは、柔らかな毛並みが心地好くて。彼女は力いっぱい抱きしめて、頬擦りする。彼女の『愛の抱擁(ケダモノノマジョ)』は、その女子力(ばかぢから)による羽交い絞めで、対象の動きを封じるものなのだが。
『モッフー!?』
 どうやら耐久性のないモフィンクスにとって、その力は強すぎたらしい。たっぷりモフモフを堪能したところでモフィンクスは力尽き、アーデルハイドの腕の中で静かに消えていったのだった。
 ――ちなみに脱走したモフィンクス達は、目覚めたパウルの二度寝ダイブで大半が消滅したという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メーアルーナ・レトラント
らう(f13997)ともふぃさんもふ!!

ああああ、もふぃさんおひさしぶりなのです!
らう、らう!もふぃさんです!
メアのひよきんぐしゃんとおなじくらいよいもふなのです!!

もふぃさんもふぃさん、イチゴおいしいのはわかりますが、ダメなのですよ
メアはあとでたべますが!らうと!
なのでここからはなれて……はう、このもふもふにごまかされそうなきもちに(もふもふ)
……はっ! らうも、もふもふなのです!

そのおはねのかみ…もふもふしていい?
むむ…もふではないのです、ふわぁ?
もふでもふわでもメアはらうがだいすきなのです!えへー!
もふぃさんよりらうのほうが!

はっ!もふぃさん!
イチゴからはなれるのです!うごくのですー!


ラウライル・ゼー
メーアルーナ(f12458)と

これがモフィンクス……なるほど、確かにもふもふと(もふもふ)
柔らかな……これがもふ……なるほど(もふもふ)
名は体を表すと言うがこういうことか

うん、私の髪?
いいよ。もふでもふわでも、私はどちらでもいい
メーアルーナに好いてもらえるなら、それで
したいようにされるがままで、私は幸せだから

でもね、メーアルーナ
そろそろモフィンクスをどうにかしないと、メーアルーナが食べたい苺がなくなってしまうよ

メーアルーナのしたいようにそれをかなえてあげよう
はなせばいい? 持ち上げて私が運ぼう
うん、もふもふだね…暴れないでおくれよ
可能なら乱暴なことはしたくない
メーアルーナが悲しんでしまうから




「ああああ、もふぃさんおひさしぶりなのです!」
 イチゴ香る中で、気持ちよさそうに眠るモフィンクス達。
 その姿を見て、メーアルーナ・レトラント(ゆうびんやさん・f12458)は耳の羽根をひこひこさせながら飛びついた。
『モフ?』
 されるがままのモフィンクスを、きゅうっと抱きしめながら。メーアルーナは振り返り、ぴょんぴょんと飛び跳ね守護者を呼ぶ。
「らう、らう! もふぃさんです! メアのひよきんぐしゃんとおなじくらいよいもふなのです!!」
 呼ばれたラウ――ラウライル・ゼー(黒羽・f13997)は、興奮気味の幼子へ微笑み浮かべて近付いて、差し出されたモフィンクスを受け取る。
「これがモフィンクス……なるほど、確かにもふもふと」
 手を滑らせれば、モコモコの毛並みが心地いい。名は体を表すと言うがこういうことか、と納得しながらモフモフを堪能するラウライルに、嬉しそうに笑ったメーアルーナは他のモフィンクス見つけて近付いていく。
「もふぃさんもふぃさん、イチゴおいしいのはわかりますが、ダメなのですよ」
 メアはあとでたべますが! らうと! それが堪らなく楽しみなのだと言うように語る彼女に、しかしモフィンクスはぴくりとも動かない。丸くなれば背中のモフモフがますます膨らんで――その誘惑に、メーアルーナは思わず手を伸ばした。柔らかく温かなモフモフに、誤魔化されそうになるけれど。そこで、幼子ははっとしてラウライルを見つめる。
「らうも、もふもふなのです! そのおはねのかみ……もふもふしていい?」
「うん、私の髪?」
 メーアルーナが凝視していたのは、ラウライルの髪だった。青がかった黒い羽毛の髪は、確かにふわふわと揺れていて。愛しい幼子の願いに微笑んで、キマイラの男は彼女の手が届くように身を屈めた。
 伸ばされる小さな手は、信頼しているが故に躊躇いがなく。撫でたり、掴んだり、彼の髪の感触確かめながらメーアルーナは小さく首を傾げる。
「むむ……もふではないのです、ふわぁ?」
 どうやら、モフィンクスや彼女のひよこキングとはまた異なる感触だったらしい。己の髪を弄る幼子に、ラウライルは藍色の瞳をそっと細める。もふでもふわでも、どちらでもいい。メーアルーナに好いてもらえるなら、彼女がしたいようにされるがままのこの時が、彼にとって幸せだから。
 ――それだけで、いいのだけれど。
「もふでもふわでもメアはらうがだいすきなのです! えへー! もふぃさんよりらうのほうが!」
 そんなことを真っ直ぐに言われたら、どう返事をすればいいのだろう。胸に広がる気持ちは、敢えて言葉にすることをやめて。ラウライルは、満面の笑み浮かべるメーアルーナに別の話を切り出した。
「でもね、メーアルーナ。そろそろモフィンクスをどうにかしないと、メーアルーナが食べたい苺がなくなってしまうよ」
「はっ! そうなのです!」
 その言葉に、幼子はやっと本来の目的を思い出したらしい。慌てて先ほどモフモフしていたモフィンクスへ再び近付き、イチゴから離れるように働きかける――が、やはり言葉だけでは動いてくれない。
「もふぃさん! イチゴからはなれるのです! うごくのですー!」
 賢明に声掛けるも、モフィンクスは他人事のように瞳を閉じている。そのやりとりはとても微笑ましいものだけれど、ラウライルは彼女の望みを叶えてあげたいから。
 離せばいいのなら、持ち上げて私が運ぼう。先に手渡された一体と、メーアルーナが対峙していた一体。その両方を抱えて、ラウライルはイチゴから離れた場所へと運んでいく。
 けれど、ここでいいかと降ろしたところで、モフィンクスはすぐさまちたたっとイチゴの傍へと移動してしまう。
『モフッ!』
 我は、これを守護しているのだ! そう言わんばかりのモフモフに、ラウライルは思わず苦笑する。
 ――乱暴なことはしたくなかった。メーアルーナが悲しんでしまうから。
 けれど、このままイチゴが食べられなかったら。それもまた、彼女を悲しませてしまうだろう。
 向こうで他のモフィンクスへの説得を試みている幼子へ、背中を向けて。ラウライルは、抵抗見せるモフモフへとユーベルコードを発動する。
 『エレメンタル・ファンタジア』。制御が難しく暴走しやすい術であるが、愛しき彼女への想いが制御を手伝う。
 呼び起こしたのは、小さな竜巻。それはメーアルーナに気付かれることなく、モフィンクスを静かに消し去っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

祝・刻矩
ふーむ。もふもふか
これは、躊躇うのう(けらけら
いやけして俺はもふ派っちゅうわけじゃないんじゃが、これは、うむ

かわいい

(のろのろと近づき、躊躇いながらもふもふ)
うむ、よい手触りじゃ
暖かいのう
お前はどこを撫でられるのが好きなんじゃ?
言うてみ?
言葉が通じた気がしたら、そこをもふもふ

(近づいてきたもふもふに)
お、お主ももふってもらいたいのか?
よいよい、こっちおいで
む、お主もか?
おお、お主もか!?
なんじゃ入れ食いじゃのう!
(もふもふに挟まりながら)

ライオンライドで一撃じゃあー
すまん、すまんのう
お主らのことは忘れぬぞ

アドリブ、絡み歓迎


ファルネーゼ・アトラス
モフィンクスさん!
貴方様を、倒しに来ました…!
…ふ、震えているのは気の所為ですよ?
所謂「武者震い」です

えいっ、とモフィンクスさんの元へ突進を仕掛けます
どさくさに紛れ…こほん、戦闘の為にもふんともふもふに沈みます
特に嫌がる素振りを見せなければもふもふと
ふふ、ファルはしあわせな気分です
…も、勿論エチカの方が可愛いですよ?
良ければ、エチカも一緒に触りましょう?

…堪能すればするほど、離れ難くなるもの
けれど、ファルは戦う術を持ちません
だからこそ、せめて苦しまぬようにと【シンフォニック・キュア】を使用
優しい子守唄を歌って、モフィンクスさんを眠らせて
そして、皆様に後を託します

…どうかゆっくり、おやすみなさい




 猟兵達の活躍により、モフィンクスの数はだいぶ少なくなってきた。
 残りの大半が寄り集まっている場所へ近付きながら、祝・刻矩(風の如く、舞う如く・f14803)はけらけらと笑う。
「ふーむ。もふもふか。これは、躊躇うのう」
 刻矩は決して、モフ派というわけではない。ないのだ、けれど。
 ――寄り添いイチゴ食む、モフモフ達。オレンジ色の毛並みは体が動く度にふわんと揺れて、視線を奪って。
(「これは、うむ。かわいい」)
 誘われるまま、桃色の狐はのろのろとモフィンクスへ近付いていく。躊躇いがちに伸ばした手は、モフモフ毛並みに触れればゆるり撫でるように動いて。
「うむ、よい手触りじゃ。温かいのう」
 ゆるり笑み浮かべて、撫でる。背にあった手は次に首へと移動し、次に腹をやわやわと。
「お前はどこを撫でられるのが好きなんじゃ? 言うてみ?」
 あちこち撫でる場所を変えながら尋ねれば、喉元に触れた時にモフィンクスの反応が変わった。
『モッフ~♪』
 ご機嫌な鳴き声、摺り寄せる顔。どうやら、ここがお気に入りらしい。ゆっくり撫で続けるとモフィンクスはすっかり気を許し、刻矩の前でころんと横になった。
 そんな夢見心地のモフィンクスを、気にしたのは同類達。
『モフ、モフッ!』
「お、お主ももふってもらいたいのか? よいよい、こっちおいで」
 手招きすれば、さあ自分も! とばかりに顎らしき場所を突き出してくるモフィンクス。それにも手伸ばし優しく撫でると、周囲に固まっていた仲間達も動き出す。
「む、お主もか? おお、お主もか!? なんじゃ入れ食いじゃのう!」
 我が先、と言うようにぐいぐいくるモフィンクス達。その積極的な様子に刻矩は笑い、モフモフに挟まれながら幸せな時間を堪能するのだった。
 そんな、塊となったモフィンクス達へ。勇気出して声掛けたのは、ファルネーゼ・アトラス(星謡・f06256)だ。
「モフィンクスさん! 貴方様を、倒しに来ました……!」
 声は上擦り、足は震えているようだけれど、これは所謂『武者震い』なのだと彼女は自身に言い聞かせる。
 そして、意を決してモフィンクスへと駆け出して――毛だまりの中へ突進した。
 モフン、と受け止める柔らかな感触。『モフッ!?』と最初こそ驚かれたが、彼らはそれ以上抵抗しない。だからファルネーゼはその体をモフモフに預け、幸せそうに笑みを浮かべる。
「ふふ、ファルはしあわせな気分です」
 全身で、毛並みを堪能して。思わず声漏らすヤドリガミの少女だったが、そこでふと視線に気付く。それは、彼女の大切な友達、聖獣エチカのもので。
「……も、勿論エチカの方が可愛いですよ?」
 慌てて告げて、一緒に触ろうと誘う。するとエチカはふわもこの体でファルネーゼの腕の中へと潜り込んだ。
 そうしてしばし、至福の時間を。けれど堪能すればするほど、離れ難くなってしまうから。
 ファルネーゼは名残惜しみながらも、そっとモフィンクス達から離れる。そして、せめて苦しまぬようにと――優しい旋律の、歌を歌った。それは、赤子に聞かせる子守歌。柔らかく温かい歌声に、周囲にいたモフィンクスは心地よさそうに眠りにつく。
「……どうかゆっくり、おやすみなさい」
 願うように、言葉紡いで。後を託したいとファルネーゼが視線向ければ、気付いた刻矩が頷いて。
 彼は、巨大な黄金のライオンを召喚する。背に乗り見下ろすは、集まり眠るモフィンクス達。その姿に罪悪感はあるけれど――意を決して、刻矩はライオン操り彼らを蹴散らす。
「すまん、すまんのう。お主らのことは忘れぬぞ」
 そのモフモフの毛並みも、心地よさそうな表情も――。心に誓いながら操るユーベルコードの獅子は、一撃のもとにモフィンクス達を消し去っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジナ・ラクスパー
もふも(口を押さえる)
…いえ、いえ! あれは美味しい苺をひとりじめする災魔なのです
…でも、もふもふ…ですし、可愛らしいですし
……っ、なんて強敵…なのでしょう…!

周りの皆様が戯れる姿に
ますます名残惜しくなることはわかっては、いる、のです、けれど
つい、もふっと触れて
もふもふっ、と撫でて
それだけでは我慢できなくなって、ふかっと抱きしめてみます
こんな愛らしい姿で、敵意すらなさそうですのに
災魔だなんて…つい、溜息ひとつ
神様は時々こういう悪戯をなさるのです…(もふもふふかふか)

ひとしきり和ませていただいたら
心を決めて、眠りを呼ぶ雨を
夢の苺畑にお連れしますから
お腹をあけておいてくださいな
…おやすみなさい


萌庭・優樹
こ、この子達は敵
敵なんだぞ、おれ……
自分に言い聞かせてみても
こんなモフモフに対峙したら
そりゃ存分に堪能するしかないじゃないですか!

そっと柔らかい毛並みに手を伸ばしてみれば
ふっかふかの感触はまるで天国
思わず隣でのお昼寝に誘われて眠ってしまいそう
うう、かわいいっ……

でも……ごめんなさい
おれは花より団子派でして
モフモフは捨てがたいけれど
やっぱりイチゴの魅力にも抗えないのですっ!

お別れ、はなむけに
……ダガーを向けるのはちょっと忍びないので
【ガジェットショータイム】を披露します
いい感じのガジェット、出てこーい!
そしてあんまり苦しませないように
イチゴも傷つけないように!
モフちゃん達を眠らせてあげましょうっ




 あんなにたくさん溢れていたモフィンクスも、今は残り僅かとなった。
 同胞が多数倒されたというのに、残されたモフモフ達の様子は変わらない。たまにイチゴをモフッと食んで、心地よさそうに眠っている。
 ――その、呑気な様子が一層愛らしくて。
「もふも」
 思わず口から言葉が零れそうになったジナ・ラクスパー(空色・f13458)は、慌てて自身の口を押えた。
「……いえ、いえ! あれは美味しい苺をひとりじめする災魔なのです」
 自身に言い聞かせるように声を発すれば、隣でこくこく頷く少女が一人。萌庭・優樹(f00028)もまた、モフィンクス達から視線逸らせぬようで。
「こ、この子達は敵。敵なんだぞ、おれ……」
「……でも、もふもふ……ですし、可愛らしいですし」
 ぐらり、揺れる心を吐露するジナ。それにもまた、優樹は深く深く頷いて。
「こんなモフモフに対峙したら、そりゃ存分に堪能するしかないじゃないですか!」
 そう、開き直れば早かった。焦茶色の髪を揺らして、少女はモフィンクスへと近付いていく。そっと伸ばす手、触れる柔らかな――ふっかふかの感触。ああ、それはまるで天国で。『モフ……フスゥー』と愛らしい寝息まで聞こえてしまったら、隣で一緒にお昼寝したい衝動にだって駆られてしまう。
「うう、かわいいっ……」
「……っ、なんて強敵…なのでしょう…!
 優樹の葛藤を目の当たりにして、ジナも思わずふるりと震える。そんな少女の足元に、突如ふわんと温かい感触。見れば、寝ぼけたモフィンクスがジナの足元に擦り寄っていて。
(「ますます名残惜しくなることはわかっては、いる、のです、けれど」)
 ふるふる首を振れば、藍色の髪も揺れる。
 そのまま恐る恐るしゃがみ込んで、触れて、もふっと。撫でて、もふもふっと。
「……っ!」
 ついには我慢できなくなって、ジナは足元のモフィンクスを抱きしめた。胸に抱けばふっかふかの心地。柔らかな毛並みは少女の手になじみ、幸福感をもたらして。
(「こんな愛らしい姿で、敵意すらなさそうですのに、災魔だなんて……」)
 我々とは、相容れない生き物。そのどうしようもない事実に、ジナはため息を零した。
「神様は時々こういう悪戯をなさるのです……」
 悲しみにくれて呟きながらも、もふもふふかふか。
 そうしてモフモフを堪能する二人だったが、その誘惑より先に復帰したのは優樹だった。
「……ごめんなさい。おれは花より団子派でして」
 モフモフは捨てがたいけれど、やっぱりイチゴの魅力にも抗えないのですっ! そう語った少女は、意を決してモフィンクス達から離れ、ユーベルコードを発動する。
「いい感じのガジェット、出てこーい!」
 ダガーを向けるのは忍びないから、ガジェットで。彼女の望みに応えるように、召喚されたのは眠り誘う蒸気放つものだった。ふしゅしゅーと巻き起こる蒸気は周囲のモフィンクス達を包み込み、深い眠りへと導いていく。
 少女の決意を見て、ジナもモフィンクスへそっと別れ告げて。手にした杖に願い込めて、水弾を放つ。
 すでに眠り始めたモフモフ達に、その攻撃は全弾が命中した。瞬間雨の中咲くような青い花々が、モフィンクス達へと降り注ぐ。
「夢の苺畑にお連れしますから、お腹をあけておいてくださいな。……おやすみなさい」
 優しく優しく紡ぐ言葉に、モフィンクス達はころりと転がり――二人の強力なユーベルコードに、眠りのままに消滅していく。
 そうして、フロアに現れたモフィンクスは一体残らず消え去った。悲しいけれど、別れの想いはきっと伝わったはず。二人の少女はそっと目を合わせると、少し寂しそうに笑い合った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『魔操術師レニオール』

POW   :    コール・ザ・バウンデン・ソウル
【ダンジョンで息絶えた冒険者】の霊を召喚する。これは【噛みつき】や【羽交い絞め】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    アンロック・ザ・ダンジョン・モンスター
【開いた魔導書のページ】を向けた対象に、【ページから飛び出るモンスターの体の一部】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    ブラッド・アンド・アシッド
戦闘用の、自身と同じ強さの【吸血コウモリ】と【強酸スライム】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はロザリア・ムーンドロップです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●もふもふを操る者は
 全てのモフィンクスを撃破し、猟兵達が一息ついた時。
「もう、あんなにたくさんいたのに、全部やられたの? 全く、役に立たないんだから!」
 悪態つきつつフロアの奥より現れたのは、黒髪を結い上げた少女だった。
 彼女は警戒する猟兵達へぐるり視線を巡らせて――にやり、笑みを浮かべる。
「やってくれたわね、猟兵さん達? でも私はあの生き物達みたいに簡単にやられやしないわ」
 声上げ、手の中の魔導書に力篭める少女。その迫力に、猟兵達は確信する。彼女こそが、あのモフィンクス達をけしかけた――此度倒すべき、フロアボスなのだと。
「我が名は魔操術師レニオール、このダンジョンのあらゆる生物を操る者! さあ、そこを退きなさい――地上は全て、私に征服されるためにあるのだから!」
ポク・ョゥョゥ
レニオールたんって言うのー?
ぽくはぱんだだよー
あがめよー

わー、おばけだー
噛み付いちゃう?捕まえちゃう?
でろーんってなって逃げちゃうのー
ぽくはちょっとゆるめのぱんだなのー

お本何読んでるのー?
見せてー…?おぷるっ
痛いおー何か出てきたのー
よーしお返しだーのびーるお腕でぽくぱーんち
ぽくのぱんちは聖者の破魔つきなのー
おばけたんも一緒にーちゃんとお空にかえるんだよー

蝙蝠たんとスライムたんだー
マヒポクッキーあげるのー
ぽいぽーいお口に投げるよー
スライムたんは溶けて吸収したらマヒるのかなー?

痺れてる敵たんの間をぽよぽよ跳ねてー
ぽよんとレニオールたんの後ろに着地〜
ごめんねーそれじゃいっくよー
めがとんぽくぱーんちー


萌庭・優樹
おまえがここのフロアボスだなっ
可愛いモフちゃんたちになんてこと言うんだ!
おまえにとっちゃあの子たちは大事な味方じゃあないかッ
(ずびしーっと指差して)

仲間を大切にしないヤツに
地上をセイフクなんてできるハズない!
ずーっと地下でおねんねしてるんだなっ

【シーブズ・ギャンビット】発動
あいつの攻撃が的確に命中するってンなら
おれはそれよりも、もっと、速く!
『先制攻撃』『フェイント』で先に動きたいですね
『2回攻撃』のチャンスも見えたら逃さずに!

敵の攻撃は『視力』や『見切り』も頼りにして
回避できればしめたモンですッ

ここらの平和の為にも
何よりごほうびの迷宮イチゴの為にも!
ここで負けるわけには行きませんからねっ


シノア・プサルトゥイーリ
POW
えぇ、本当にモフィンクスたちとの別れは辛かったわ

その名乗りに、私も全力でお相手致しましょう
魔操術師のお嬢さん
モフィンクスさんたちを、役立たずというのだけは少しだけ私、気に入らなかったの

黒礼二式を発動
太刀にて近接で仕掛けましょう
そう簡単には間合いに入れてくれそうもないけれど
仲間が攻撃を仕掛ける間の餌と慣れれば良い

あちらの攻撃は武器で受け、カウンターから攻撃を
お嬢さん、貴方の守りを砕くわ

弾けぬものはそのままに
切り込みは我らが得手 痛みには慣れているの

召喚された霊には黒礼二式の炎を
刃に手を沿わせ、操る炎で霊を燃やす
お眠りなさい、死者であれば常しえにーー次の巡りまで

アレンジ歓迎




 レニオールの名乗りに、まず進み出たのはシノアだった。彼女は鳥の紋章刻まれた黒鞘より太刀を抜き放ち、赤き瞳でひたとオブリビオンを見つめる。
「その名乗りに、私も全力でお相手致しましょう。魔操術師のお嬢さん」
 言葉紡ぎ、腰を落とし。ふっと一息に間合いへ飛び込もうとするシノアに、レニオールは後方へ下がりながらユーベルコードを放つ。かつてダンジョンで息絶えた、冒険者の霊。召喚されたそれが主の代わりにシノアの刃を受け止めようとするが、彼女はその太刀を敵ではなく自身へ向けた。
「――重ねて我が血を畏れたまえ」
 唇に乗せた音と共に、切り裂かれた手より滴る『呪われた血』。その赤は瞬時に炎へと変化して、霊の体を包み込んだ。
「お眠りなさい、死者であれば常しえに――次の巡りまで」
 弔いの言葉を贈りながら、桜髪の女はレニオールへ視線を向け続ける。追撃するには遠い、けれどこの時間で、仲間が攻撃を仕掛けてくれれば――。
 彼女の意図を汲むように、動き出したのは優樹。彼女は素早く地を蹴りオブリビオンの背後へ回り込むと、『Medvěd』と名付けたダガーを揮う。
 命中精度の高い攻撃を敵が行うならば、それよりももっと、速く。ユーベルコードの力載せた一撃は確かに敵の少女へ届き、その体へ傷を刻み付けた。
「くっ……!」
 連携しての攻撃に、レニオールが顔を顰める。傷を庇う魔操術師の姿見て、優樹はずびしっと指差し声上げた。
「おまえがここのフロアボスだなっ。可愛いモフちゃんたちになんてこと言うんだ! おまえにとっちゃあの子たちは大事な味方じゃあないかッ」
 少女の怒りは、レニオールのモフィンクス達への扱いに向いていた。あんなにもふもふと触れ合って、悲しみの果てに別れを告げたのに。その彼らを操っていたと語る彼女は、モフィンクスを『役立たず』と評したのだ。
「仲間を大切にしないヤツに、地上をセイフクなんてできるハズない! ずーっと地下でおねんねしてるんだなっ」
 そう続ける優樹の言葉に、シノアもそっと頷く。
(「えぇ、本当にモフィンクスたちとの別れは辛かったわ」)
 このフロアまで侵攻してこなければ、戦うこともなかったのに。レニオールの意志によりここまで来たモフィンクス達への扱いは、シノアも少しだけ気に入らなかったと思っていて。
 しかしそんな猟兵達の想いは、レニオールには響かない。ツインテールの少女は優樹の言葉を鼻で笑い、魔導書を開く。
「ふん、役に立たなかったのは事実よ。あんなの仲間でも何でもないわ。こんなところで、この私が自ら戦うことになるなんて」
 面倒なことになったと言わんばかりの顔で、レニオールは魔導書を優樹へ突きつける。開かれたページからはモンスターのものと思われる腕が伸びるが、その軌道は単純。敵の動きに注視していた優樹は素早く身を翻し、代わりにシノアが肉薄した。迫る腕は太刀で押し返したが、僅かにタイミングが遅く敵の爪がシノアの手を切り裂く。けれど構わず踏み込んで、女はレニオールへと接近する。――痛みには、慣れているから。
「お嬢さん、貴方の守りを砕くわ」
 紡ぐ言葉、揮う刃は血の炎を纏って。身を切り、そのまま焼き尽くさんとする攻撃に、レニオールは短く悲鳴を上げた。
「何よ、意外とやるじゃないっ……!」
 悔しそうに声漏らすオブリビオンは、再び猟兵達と距離をとる。しかし後退したその先には、パンダ姿のブラックタールが待ち構えていて。
「レニオールたんって言うのー? ぽくはぱんだだよー。あがめよー」
「っ……!?」
 無邪気な顔で、両腕を上げて。かけられた言葉に驚いた魔操術師は、咄嗟に冒険者の霊を召喚した。それは主の操るままポクを羽交い絞めにするけれど、彼は動じない。
「わー、おばけだー。噛み付いちゃう? 捕まえちゃう?」
 きゃっきゃと声を上げながら、ポクは己の体を自在に操り、液体のようにすり抜ける。
「なっ、何よこいつ!」
「ぽくはちょっとゆるめのぱんだなのー」
 動揺するレニオールに声掛けながら、ポクは彼女の背後で元の形を取り。
「ごめんねーそれじゃいっくよー。めがとんぽくぱーんち」
 愛らしい動作で構えを取って、突き出したのは拳。しかしユーベルコード載せた一撃は緩やかな見た目に反して正確に敵の体を狙い、鳩尾狙われたオブリビオンはぐ、と息零してうずくまった。
 猟兵達の攻撃は、確かにレニオールにダメージを与えている。手応えを感じながら、優樹は反撃に備える。
(「ここで負けるわけには行きませんからねっ」)
 ここらの平和の為にも、何よりごほうびの迷宮イチゴの為にも。固い決意で視線巡らせれば、周囲に生るイチゴ達は変わらず甘酸っぱい香りを放っているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ラウライル・ゼー
モフィンクスをけしかけたのはあなたか。
確かに簡単にやられそうにはないが……しかしこれ以上は進ませないし邪魔はさせないよ。
あの子に戦わせるわけにはいかない。それに楽しみも決して奪わせはしない。
ジナ(f13458)、手を貸してくれると嬉しい。

高速詠唱をもってエレメンタル・ファンタジアを。
苺に被害を出してはいけないので全力は出さず。
氷の雷を生業してレオニールへ。コウモリとスライムも叩きおとし弾いて対処を。
接敵する必要あれば、腕を獅子の頭と変えて攻撃。

ジナの真っ直ぐに戦う姿に笑み向けて。
自由に動けるように周囲からの攻撃を払おう。
私も、苺は楽しみなのだよ。
あの子が嬉しそうに、笑うだろうから。


ジナ・ラクスパー
あらゆる生物を操る…
あの愛らしいモフィンクス様たちも、あなたが?
…それならなおさらです
災いなすものを倒すのは、私たちのつとめ
覚悟なさいませ!

大切な方の笑顔を守るお手伝い
私にもさせてくださいませね、ラウライル(f13997)様
大人の方に頼られるのは誇らしい気持ち
イチゴ畑を傷つけないよう背に、追い込む軌道にも注意
迷宮の霊には眠りの雨を!
ラウライル様に途切れず続き
敵が揺らげば反対側から雨花の水弾
外れればすぐエンハンスに切り替え、攻撃特化の花の剣で懐へ
他の皆様とも弛みない連携を!

強気でいらっしゃるのですね、レニオール様
でも、私達もここはお譲り致しません
迷宮イチゴを皆様と楽しむのですから…!(ぐっ)




 傷ついたレニオールは、猟兵達をキッと睨み付けた。先程までの見下す様子はなく、彼らを敵と認めるように身構える。
 そんな魔操術師を警戒しながらも、ジナは毅然とした表情でレニオールの前に立った。
「あらゆる生物を操る……あの愛らしいモフィンクス様たちも、あなたが? ……それならなおさらです」
「ふん、何なのよ、モフィンクスモフィンクスって。あんな、寝て食べるしか能のない使えない生き物!」
 悪態つく災魔の少女に、ジナはぎゅっと拳を握り締める。しかし、そんなエルフの少女の肩に、そっと優しく触れる手。ラウライルだ。
 感情が体に表れる彼女を、落ち着かせるように。柔らかな笑み浮かべた男は、その藍色の瞳をレニオールへと移す。
「確かに簡単にやられそうにはないが……しかしこれ以上は進ませないし邪魔はさせないよ」
 イチゴの苗へ被害及ばないよう、立ち位置には気を付けて。杖を手にした男は、護るべき子のことを想う。
(「あの子に戦わせるわけにはいかない。それに楽しみも決して奪わせはしない」)
 そのためには、目の前の災魔を倒し、かつイチゴへの被害を最低限に――その想いは隣のジナも一緒だろうと、ラウライルは表情崩さぬまま言葉を紡いだ。
「ジナ、手を貸してくれると嬉しい」
「はい、大切な方の笑顔を守るお手伝い、私にもさせてくださいませね」
 大人に頼られることを、誇らしく思いながら。ジナはラウライルに頷き、滑るように迷宮を奔りレニオールを挟み込む。
「っ……!」
 前後に散開した二人に、どちらを狙うか戸惑う魔操術師。それは一瞬の躊躇だが――それだけの隙があれば、十分。
 杖を掲げたラウライルが、素早く呪文を唱える。慌ててレニオールがコウモリとスライムを召喚し対抗しようとするが、もう遅い。唄うような高速詠唱は氷の雷を編み上げて、静かに杖揮えば凍てつく雷光がレニオールへと襲い掛かった。
「きゃあああっ!」
 まともに攻撃受けた災魔の少女が悲鳴上げると、召喚された生物はかき消える。そしてそこへ――間髪を入れずジナが水弾を放った。
「くっ、次から次へと、うっとうしい!」
 苛立つ感情を隠さず、レニオールが冒険者の霊呼び出し応じる。しかしそれはジナへと襲い掛かるより先に、雨花へ包まれ眠るように消えた。それでも、少女の水弾は止まらない。
「迷宮の霊には眠りの雨を! そして――災いなすものを倒すのは、私たちのつとめ。覚悟なさいませ!」
 凛と響く声、災魔へ届く『熄みの雨花』。ふわり、周囲へ咲いた青の花は、レニオールの意識を吸い上げて。
 ふらり、魔操術師がよろめく。この機を決して逃さないと、背後より肉薄したのはラウライルだ。獅子の頭部へ変形させた腕を揮えば、その牙がレニオールの体へ喰らいつく。
「あああっ、そんな、まだよ! まだ私は、負けてない!」
 災魔とて、傷は痛むだろうに。それでもかぶりを振って抗おうとする少女へ、ジナは金の瞳をそっと伏せる。
「強気でいらっしゃるのですね、レニオール様。でも、私達もここはお譲り致しません」
 だって、迷宮イチゴを皆様と楽しむのですから……!
 言葉紡いだジナがぐっと握り締めるは、藍水晶の花の剣。ラウライルのユーベルコードが喰らい離さない敵の懐へ、飛び込んだ少女は鋭い剣戟を繰り出して。
 その戦いは真っ直ぐで、少女の心根そのもののよう。可憐に戦うジナを見て、ラウライルの顔に笑みが浮かぶ。
「ああ、私も苺は楽しみなのだよ。あの子が嬉しそうに、笑うだろうから」
 唇動かしながら、腕に力篭め。食い千切るように振るい切れば、それが致命傷となった魔操術師は声上げることもなく消滅していったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『迷宮イチゴ狩り』

POW   :    いちごを食べます

SPD   :    いちごをお土産などにして持って帰ります

WIZ   :    いちごでスイーツを作ったりします

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●赤く、甘酸っぱく
 レニオールの消滅を確認して、猟兵達は安堵の息を零す。
 周囲を見れば、災魔いなくなったフロアのあちこちに残る、迷宮イチゴの苗。なるべく苗から距離取り戦ったこともあり、被害は最小限に留めることができたようだ。
 これでもう、邪魔者はいない。豊かに茂る赤いイチゴは、今が食べ頃と訴えるように甘酸っぱい香りを放っている。
 そのまま食べてもいいだろう。練乳やカスタードを持ち込み、絡めて食べたってきっとおいしい。簡単なスイーツを作っても、摘み立てイチゴなら格別な味がするだろう。
 思うままに楽しんだって、お土産にする量も十分ある。
 ――さあ、今は春の味を、存分に楽しむ時。
ポク・ョゥョゥ
わーい
いちご食べるよー🍓
ぱくもたべよー

お手手合わせてー、いただきまーす
おっきぃいちごあったよーあーん
むぐむぐ〜んーおいしーよー
ほっぺにお手手くっつけて幸せのぽーずなのー
ぱくもあーんだよーおいしー?よかったのー
練乳もあるよー

ここで簡単ぽくっきんぐー
作ってきた平べったいスポンジがあるよー
生クリームとー、カスタードもあるのー
いちごと一緒にスポンジに乗っけてーくるくる巻いてー
ロールケーキが出来たよー
上にもいちごいっぱい乗っけようねー
切って食べよー。皆もどぞー
アリアたんも食べるー?真ん中どうじょー
おいしーって言ってもらったら嬉しいのーばんじゃーい
あがめよー

お土産ももって帰るよー
いちごどっさり幸せなのー




「わーい、いちご食べるよー。ぱくもたべよー」
 ウキウキと両手上げて、ポクはまっしろドラゴンのパクを召喚する。友達と一緒に、苗に近付き両手を合わせていただきます。さっそく大きな一粒を見つけたポクは、摘み取り口へと運んだ。
「むぐむぐ~んーおいしーよー」
 頬に両手をくっつけ、幸せのポーズ。傍に同じくらい大きなイチゴもあったから、それはパクに差し出して。
「ぱくもあーんだよーおいしー? よかったのー」
 持ち込んだ練乳にも絡めて、さらにいくつか摘み立てイチゴを楽しんで。それからポクは、用意してきたスポンジを取り出した。
「ここで簡単ぽくっきんぐー」
 平たく焼いたスポンジと、生クリームとカスタード。摘み取ったイチゴと一緒にスポンジにのせて、くるくると巻けばロールケーキが出来上がる。上にも生クリーム絞って、たっぷりイチゴをのせれば見た目も華やかに。満足げに頷いたポクは、出来立てのそれを切り分け、パクと、それから周囲の猟兵へも振る舞っていく。
「アリアたんも食べるー? 真ん中どうじょー」
「まあ、よろしいのですか? いただきます!」
 白花のグリモア猟兵にも、声掛けて。差し出された大粒イチゴ入りのロールケーキに、アリアはふわりと微笑んだ。
 一口食べれば、迷宮イチゴの甘酸っぱさとクリームの甘さ、それから口の中で溶けるようなスポンジのハーモニーが絶妙で。とてもおいしいです! と少女が瞳輝かせれば、ポクも嬉しそうに両手を上げて万歳。あがめよーのポーズする彼に、周囲に笑顔が広がって。
 もちろん、お土産だって忘れずに。イチゴをどっさり手に入れたポクは、幸せそうに頬を染めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

颯夏、いちご!
いちご、いーっぱい食べたい!
牛乳に練乳にホイップクリーム
ぜんぶバスケットに詰めて持ってくね

大きないちごはへたの方からがぶっと
刻んでもらったのは牛乳に浸したり
練乳とかホイップとまぜていただきます!
もとがいいから、どんな食べ方しても美味しいね

あ、そうだ
これってジャムにできない?
今度はわたしも一緒にやってみたい
颯夏の見よう見まねで摘んでみる
いくつかはおなかに、残りはバスケットに入れて持って帰るね


青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

わかったわ
摘むのはあたしがやるから、ルーナはその他の準備をお願いするわ

いちごを摘んだらへたを取ってそのままに
いくつかは持っていったカッティングボードとペティナイフで小さめに刻む
ルーナ、なにかかけるならこっちの方が食べやすいんじゃないかしら
分けてもらって、あたしも練乳を少し
そうね、どの食べ方でも美味しいわ

ジャム?
作れなくはないわね
ちょっと大変かもしれないけど、自分で摘んだら美味しさもまた格別かしら
ルーナと一緒にいちごを摘んで彼女のバスケットへ
帰ったらさっそく作るわよ




 先の戦いでは、モフィンクスのことで頭がいっぱいだったけれど。フロアの平和を取り戻した今、ルーナは香る迷宮イチゴに瞳を輝かせていた。
「颯夏、いちご! いちご、いーっぱい食べたい!」
 このくらい、いっぱい! と言うように両手広げて語る妖精の少女に、頷く颯夏の表情も穏やかで。
「わかったわ。摘むのはあたしがやるから、ルーナはその他の準備をお願いするわ」
「はーい!」
 元気に答え、持ち込んだバスケットの中身を確かめるルーナ。その楽しそうな様を見てから、灰色髪の少女は瑞々しいイチゴを摘み取った。
 へたを丁寧にとって、そのままルーナに手渡す。歓声上げた彼女は、大きなイチゴを両手で持って、へたの方からがぶりとかぶりつく。
「ルーナ、なにかかけるならこっちの方が食べやすいんじゃないかしら」
 夢中で迷宮イチゴを堪能するルーナに、颯夏が差し出したのは刻んだイチゴ。このために持ち込んだカッティングボードとペティナイフで、手早く用意したものだ。
「えへへ、じゃあそれもいただきます!」
 笑顔の花咲かせ、ルーナは刻んだイチゴをいろんなものと合わせていく。牛乳に浸せば優しい味、練乳やホイップクリームと混ぜれば、甘さと酸味が互いを引き立たせてまた美味で。
「もとがいいから、どんな食べ方しても美味しいね」
「そうね、どの食べ方でも美味しいわ」
 ルーナが混ぜた練乳とイチゴを少し食べて、颯夏もふわり微笑む。きっと、二人で楽しむイチゴ狩りだから、一層美味しさを感じるのだろう。
 そうして二人は新鮮なイチゴを堪能し。ふと、ルーナが思いついたことを口にする。
「あ、そうだ。これってジャムにできない?」
 今度はわたしも一緒にやってみたいと、少女が語れば颯夏はしばし考えてから頷いた。
「ちょっと大変かもしれないけど、自分で摘んだら美味しさもまた格別かしら」
 そうしてルーナは、イチゴ狩りに挑戦する。フェアリーの少女にとって、迷宮イチゴは自身の手よりも大きい。颯夏の見様見真似で、ねじりながらそっと引いて――思ったよりすんなり採れた摘み立てイチゴに、ルーナの紫色の瞳がますます輝く。最初の数粒は、そのままお腹の中。後はバスケットに入れていき、持ち帰りにする。
 二人で協力して摘めば、バスケットはたちまちいっぱいになった。甘酸っぱい香りもお土産に、少女達は嬉しそうに笑い合う。
 帰ったら、さっそくジャム作りを。その時間もきっと、とても楽しいものになる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

萌庭・優樹
手にカゴ抱えていざイチゴ狩り!
この中をいっぱいにすることが目標ですっ
……って採りすぎかな?

つやつや瑞々しい果実は
今にも食べちゃいたいくらい美味しそう
でも、おれは帰るまで我慢……!

持ち帰ったらどんな風に食べようか
そのまま、練乳付け……どっちも捨てがたい
スイーツも良いなぁ
お菓子に仕立てたらきっともっと美味しい

もしも周りに
スイーツ作りをしてる方を見かけたなら
そんな気持ちがどんどん膨らんで

……や、やっぱり今すぐ食べたい
イチゴを集めて持って行ったら
おれもスイーツをご馳走に……
な、なれないかな?(そわり)

甘酸っぱい、季節の贈り物
沢山持って帰って
お友達にもお裾分けしよう
大好きな人にも春を届けてあげるんだ!




「いざイチゴ狩り!」
 笑顔浮かべる優樹は、手に籠を抱えながら迷宮イチゴの苗へ近付く。目標は、この籠の中いっぱいにイチゴを採ることだ。
 そっと手を伸ばし摘み取れば、つやつや瑞々しい果実は今にも食べてしまいたいくらい美味しそうで。鼻をくすぐる甘酸っぱい香りに、ついつい少女の手が止まる。
「でも、おれは帰るまで我慢……!」
 持ち帰ったらどんな風に食べようか、考えることで気を紛らわせて優樹はイチゴ狩りを続ける。そのまま食べたって美味しいだろうし、練乳をつけるのも捨てがたい。スイーツに仕立てたら、きっともっと美味しいだろう。
 そんな風に思考を巡らせるうちに、籠は目標通りいっぱいになった。ふう、と一息顔を上げれば、目に留まったのはイチゴのロールケーキを振る舞うブラックタールの少年で。
 ――ああ、やっぱり美味しそうだなと。優樹の眼はスイーツに釘付けになってしまう。
「……や、やっぱり今すぐ食べたい。おれもスイーツをご馳走に……な、なれないかな?」
 籠盛りイチゴを手に、そわりそわりと近付いて。すると少年は笑顔でロールケーキをお裾分けしてくれて、優樹も嬉しそうに笑顔を浮かべた。
 摘み立てイチゴも楽しんで、スイーツも堪能して。甘酸っぱい、季節の贈り物。たくさん持って帰って、友人にもお裾分けを。
(「大好きな人にも春を届けてあげるんだ!」)
 イチゴを頬張れば、心も弾む。きっと喜んで受け取ってくれる友人達を思って、優樹は綻ぶように笑うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユキ・スノーバー
【エイリアンツアーズ】の皆と!
赤い、甘ーい苺さん。沢山たくさん嬉しいな♪
金魚鉢パフェ、苺が金魚みたいになって可愛いよね。
アクセントにソーダジュレあると綺麗になるんだよー?
(肩掛けクーラーBOXから、スカイブルーのジュレを取り出し)
器用意してもらったから、ぼくは中身持って来たんだー。どうかな?
普通の器は上手く入れるの大変だけど、金魚鉢は入れやすくて楽しいな♪
張り切って苺摘んで入れていかなきゃ…あっ、ハート形のあったー!
美味しい苺を見つけるコツを聞きつつ
ヘタはピーラーの横部分に引っ掛けて、丁寧に取り除くよ。
皆との共同作、沢山詰め込んでるから絶対美味しいもんっ!
撮影?うんっ、するー!(表情きらきら)


笹塚・彦星
【エイリアンツアーズ】の皆と。
金魚鉢でパフェ作るみてぇなんでな。直前についてきた餅とあんこ、小型クーラーボックスにバニラとチョコのアイスボックス持ってきて。餅は打ち粉ちゃんと振ってきたし、ナイフもあるし苺大福作ろうか。もちろん、他の人も歓迎。数はあるし、もっていけさ。/金魚鉢パフェ出来たら記念に写真を。これでまたいい思い出ができたなぁ。

(他の参加者との絡み・アドリブ歓迎)


須辿・臨
【エイリアンツアーズ】
ヨシュカさんがパフェを作るって聞いて、オレ、用意してきたっすよ!
(金魚鉢風の大きな器)
一度金魚鉢パフェっての、見てみたいなって。

パウルさんの情報を参考に、美味しそうなイチゴ選んでくるっす。
つい、色艶に惹かれて、一粒食べてみたり……これは、味見っす。
甘いのと、ちょっと酸っぱいヤツも?(摘み摘み)

ユキさんの丁寧な仕事に恐れ入りつつ。
材料持ち寄ってパフェ作るのって、不思議な感じっすね。
あ、なんなら大福もいくつか包んで、載せようっす!
きらきら、金魚泳いでるみたいな仕上がり。
すごい贅沢仕様で。間違いなく美味しくて、最高のパフェっすよ!
(記念撮影時クリームがついている)

アドリブ歓迎


ヘイズ・アンブラル
【エイリアンツアーズ】で苺狩り。
臨の持ち込んだ金魚鉢風の器に思わず驚き&はしゃぎつつ、パフェ作りの手伝いを。
俺が持ってきたのは「チョコレートソース」だ。
パフェの中に入れても上にかけても良い、苺にそのままつけて食うのも美味そうじゃないか?

中に入れる苺選びはパウルに教えを乞いながら。
こういうのはやっぱり甘い方が良いのかね。
パフェの中身を考えると酸っぱめも捨てがたいな。

そうだ、事務所にも少し手土産として持って帰ろうぜ!

具沢山な上に苺大福トッピングだと……?クールじゃねえか。
完成したパフェを上から横から眺めて大満足。
食べる前に皆で記念撮影。今回の社員旅行も最高に楽しいな!
(アドリブその他オール歓迎!)


パウル・ブラフマン
【WIZ】
【エイリアンツアーズ】の皆と春の社員旅行!
二度寝してたらボス戦が終わってたマジめんご☆

エイツアの皆と合流後
いちごスイーツを作る流れにテンションもUP!
よっしゃ!そしたらオレ
甘い迷宮いちごの見分け方のコツ、教えて貰ってくるよ♪
【コミュ力】を駆使して【情報収集】を。
カスタードクリームの在処(もしくは作り方)も一緒に調べよっと!

とびっきり甘い迷宮いちご、採ってきたよー♪
ふと思い立って
オレの100点中70点くらいの絵心で描いた
モフィンクスの旗を、そっとエイツア金魚鉢パフェの天辺に添えて。
完成したら記念撮影もしとこっか?はい、ぴーすっ☆


※絡み&アドリブ歓迎!


ヨシュカ・グナイゼナウ
【エイリアンツアーズ】

材料
・迷宮イチゴ
・カスタードクリーム
・ソーダジュレ
・バニラアイス
・ビスキュイ
・生クリーム
・チョコレートソース
・お餅、餡子
・金魚鉢


皆で持ち寄ったり現地で作成した材料に自然と笑みが浮かぶ。何を作るかって?そう。金魚鉢パフェなのです。
皆で摘んだ型の良いイチゴ、ユキさまが丁重にへた処理をしたもの。気持ち小さめにカット、飾るものはそのままで。
焼いてきたビスキュイは軽く砕いておいて。後は皆で材料を層になるよう入れ、天辺まで来たら飾りつけ。いちご大福を上に飾るのはどうでしょう?
断面のイチゴとジュレがキラキラで金魚のよう!

後はいただきますの前に、皆でパチリと写真を(アドリブ絡み歓迎)




「二度寝してたらボス戦が終わってたマジめんご☆」
 言いながら笑ったのは、パウル。モフモフ抱き締めぐっすり眠ったおかげで元気いっぱいに、彼は後からやってきた仲間達に手を振り呼び寄せる。
 【エイリアンツアーズ】の皆と合流すれば、春の社員旅行のはじまりだ。
「ヨシュカさんがパフェを作るって聞いて、オレ、用意してきたっすよ!」
 明るい声の須辿・臨(f12047)が取り出したのは、金魚鉢風の大きな器。
「一度金魚鉢パフェっての、見てみたいなって」
「おお、いいじゃねえか!」
 その立派な器見て、驚きながらも興味示したのはヘイズ・アンブラル(Que Sera, Sera・f13253)だ。妖精である彼が近付いて見てみると、金魚鉢の大きさがよくわかる。高さだけでも、彼の首から下がすっぽり収まってしまいそうなくらいある。
 器受け取ったヨシュカ・グナイゼナウ(鍵の壊れた鳥籠の・f10678)は、にっこり笑って頷いて。この大きさならイチゴはどれくらい必要、と仲間達に現地調達すべき量を伝えていく。
「よっしゃ! そしたらオレ、甘い迷宮いちごの見分け方のコツ、教えて貰ってくるよ♪」
 言うが早いか駆け出して、パウルは周囲の猟兵や、安全と知って学園から降りてきた生徒達へと声をかけていく。
 そして戻ってきた彼は、仲間達に得た情報を共有。
「真っ赤で、艶があって、ヘタがくるっと反り返ってるやつが甘いって!」
「なるほど、これとかよさそうっすかね」
 パウルの情報を元に、手近な苗に生っていたイチゴに手を伸ばす臨。そのイチゴは鮮やかな色で香りも強く、パウルの告げた条件を満たしている。これだけ見事なイチゴだと、心も惹かれて――臨は思わず、そのままそれを口に運ぶ。
「……これは、味見っす。確かに甘くて美味しいっす」
 むぐむぐ、食べながらも彼は次の一粒を探す。色艶よくてもヘタの反りが甘い物を試しに食べてみたら、こちらはほんのり酸味も強く。これはまた別の使い方がありそうだと、甘いのと酸っぱいのを区別しながら摘み取っていく。
「パフェの中身を考えると酸っぱめも捨てがたいよな」
 ヘイズもまた、甘いものと酸っぱいものを両方集めていく。皆で摘めば、あっと言う間に必要量になりそうだ。でも、迷宮イチゴはまだあちこちにいっぱい生っている。
「そうだ、事務所にも少し手土産として持って帰ろうぜ!」
「うん、いい案だね……あっ、ハート形のあったー!」
 ヘイズの言葉に同意しながら、見つけたイチゴをいそいそ摘み取ったのはユキ・スノーバー(f06201)。テレビウムの少年は摘んだイチゴを仲間に見せて、嬉しそうに笑顔浮かべた。これは、お土産にして後でじっくり楽しんでもいいだろう。
 そうして皆で集めたイチゴを持って、パフェ作りの準備を進めるヨシュカの元へ。
「とびっきり甘い迷宮いちご、採ってきたよー♪」
 パウルが得意げに差し出したイチゴの山に、ヨシュカも頷き。後は皆で持ち寄った材料を確認したいと、告げれば笹塚・彦星(f00884)が持ってきた包みを取り出した。
「直前についてきた餅とあんこだ」
 さらにクーラーボックスを開ければ、そこにはひんやり冷やしたバニラとチョコのアイスクリーム。
 つきたての餅は量もたくさん、打ち粉もちゃんと振ってきた。摘み立てイチゴでイチゴ大福も作ろうかと、作業始めれば仲間が興味津々それを見守る。
「俺が持ってきたのはチョコレートソースだ。パフェの中に入れても上にかけても良い、苺にそのままつけて食うのも美味そうじゃないか?」
「アクセントにソーダジュレあると綺麗になるんだよー?」
 ヘイズのチョコレートソース、ユキのスカイブルー色のジュレも登場すれば、見た目も楽しいパフェができそうな予感。他にもカスタードクリームや生クリーム。それからヨシュカが焼いてきたビスキュイも、軽く砕いて食べやすくする。
 迷宮イチゴもまた、そのままではなく下処理が必要だ。ユキがピーラー使って丁寧にヘタを取り除いた果実の中でも、形のいいものはそのままに。あとのものを小さめにカットしていく。
「赤い、甘ーい苺さん。沢山たくさん嬉しいな♪」
 はしゃぐユキに微笑んで、ヨシュカは揃った材料を層になるよう器に入れていく。下には砕いたビスキュイ、カスタードクリーム、カットしたイチゴ。その上にソーダジュレを入れようと思って、作業をユキにバトンタッチ。
「普通の器は上手く入れるの大変だけど、金魚鉢は入れやすくて楽しいな♪」
 器が大きいから、小柄な少年は仲間の手を借りて。それでも零れることなくスムーズにジュレ流し込み、バニラアイスを被せれば、そろそろ器の天辺まで到達しそうだ。
「あとは飾りつけですね。イチゴ大福を上に飾るのはどうでしょう?」
「具沢山な上に苺大福トッピングだと……? クールじゃねえか」
 ヨシュカに提案にはヘイズをはじめ、皆が満場一致で賛成し。生クリーム、チョコアイス、チョコレートソースを盛り付けて、最後に大粒のイチゴをいくつかのせれば――エイリアンツアーズ特製金魚鉢パフェの完成だ。
「金魚鉢パフェ、苺が金魚みたいになって可愛いよね」
「はい、断面のイチゴとジュレがキラキラで金魚のようです!」
 ユキとヨシュカは語り合い、二人揃って笑顔浮かべる。そんなパフェの周りを飛び回るヘイズは、上から横からその姿を眺め何度も頷き大満足の様子。
「そうだ、こうしたらもっとよくなるよ♪」
 ふと何か思いついた顔で、パウルは何やらごそごそ作業。あっという間に完成させたのは、モフィンクスの絵が描かれた旗だった。自称百点満点中七十点くらいの絵心、少し崩れてはいたがモフィンクスの特徴を捉えた愛嬌ある絵だ。
「完成したし、記念撮影もしとこっか?」
「撮影? うんっ、するー!」
 パウルの提案にユキが飛び跳ねながら答えれば、仲間は金魚鉢パフェを取り囲むように寄り合って。笑顔でピースサイン作る臨の頬には生クリームがついているが、それすら楽しくてそのままに。
「はい、ぴーすっ☆」
 パウルの声でぱちり撮影。今日の日の思い出に。
「これでまたいい思い出ができたなぁ」
 微笑む彦星が言葉紡ぐ中、皆はいただきますの声上げて実食へ。
「皆との共同作、沢山詰め込んでるから絶対美味しいもんっ!」
「そうっす、すごい贅沢仕様で。間違いなく美味しくて、最高のパフェっすよ!」
 キラキラ。ユキと臨が輝かせる瞳に、金魚泳ぐパフェも負けじと輝いていて。
 全方向からスプーン差し込みパフェを楽しむ面々に、笑い声と楽しい会話が広がっていく。
「今回の社員旅行も最高に楽しいな!」
 ヘイズの言葉は、皆共通の想い。そうして彼らの楽しい時間は、まだまだ続いていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジナ・ラクスパー
楽しみにしていた苺摘み
甘酸っぱい春の香りからデザートまで
咲様(f01982)、今日はたっぷり楽しみましょうね!

摘みたてのおいしさに
手が止まらないのです、なんて贅沢な悩みに笑う
水筒の熱いお茶と
籠の中にはチーズクリームのシュー
とびきり赤い苺を一粒込めたら、咲様へ
魔法が織りなすアイスクリームには思わず拍手喝采
こんなこともできるのですね、素敵…!
気分は迷宮の魔法のお茶会
絵本の中に迷い込んだみたい

アリア様もご一緒しませんか? まだまだ沢山あるのです!

ラウライル(f13997)様の幸せそうなお姿に手を振って
書庫の皆様へのお土産も忘れないように
心に春呼ぶあまい宝石を、もうひと摘み
咲様、手伝ってくださいませね


雨糸・咲
ジナさん(f13458)と

なんて良い香り…!

艶やかな苺に目を輝かせ
籠いっぱいに赤い実を摘みましょう

手に取ったらまずはそのまま食べたいところ
苺に夢中のジナさんが可愛らしくて頬が緩みます
手渡された苺チーズシューは
一口齧ればとびきりの味!
とっても贅沢な気分です

そうそう、それと…
ねぇ、ジナさん
私こんなものを準備してきたのです

少しばかり得意気に取り出した
ビスケットとバニラアイス
ボウルで潰した苺を杖の魔法で凍らせて
砕いたビスケットと一緒にアイスに混ぜれば…

出来上がりです!
ふふ、どうでしょう
ちょっぴり素敵だと思いません?

アリアさんも是非ご一緒にと手招き

えぇ勿論!
帰ったら書架の皆さんとも春のお茶会しましょうね




 あちこちに生る迷宮イチゴは、どれも甘酸っぱい香りを放ち少女達を誘うよう。
「なんて良い香り……!」
 その香りと、艶やかな赤に胡桃色の瞳輝かせて。雨糸・咲(希旻・f01982)が声を零せば、傍らのジナも笑顔浮かべてこくこく頷く。楽しみにしていたイチゴ摘み。ジナにとっては護りながら戦った後のご褒美だ。共に楽しむ人もいるし、心は軽く弾んでしまう。
「咲様、今日はたっぷり楽しみましょうね!」
「はい、籠いっぱいに赤い実を摘みましょう」
 ふわり、笑い合った少女達は多くのイチゴが生る苗を選び近付いていく。
 咲は初めにぷちり摘み取ったイチゴを、まずはそのまま口に運ぶ。ジナも倣って摘み立てイチゴを食べてみれば、あまりのおいしさに言葉も失い次へと手が伸びて。
「摘みたてのおいしさに手が止まらないのです」
 そんな呟き漏らしながら、夢中でイチゴを求めるジナ。ああでもデザートの分のお腹も考えないと、などと巡るのは贅沢な悩みだろうか。そんな少女が可愛らしくて頬の緩む咲に、気付いたジナはそうだ、と水筒に入れてきた熱いお茶を用意した。
 それから、籠の中に入れたチーズクリームのシューも。イチゴの苗からとびきり赤い一粒選び出して中に篭めれば、イチゴチーズシュークリームの出来上がり。咲へと差し出せば、喜び受け取った少女がさっそく一口。
「とっても贅沢な気分です!」
 とびきりの味に笑顔の花咲かせた、咲もまた準備してきたスイーツを得意げに披露する。
 持ち込んだのはビスケットとバニラアイス。それからボウルに積み立てイチゴを入れて潰して、氷の精霊の力借りて凍らせる。そこにビスケットを砕き入れて、アイスと混ぜれば――新鮮イチゴの特製アイスクリームの完成だ。
「ふふ、どうでしょう。ちょっぴり素敵だと思いません?」
 最後に大粒イチゴも飾り付けて差し出せば、魔法が織りなすスイーツにジナは思わず拍手喝采。
「こんなこともできるのですね、素敵……!」
 作り方も素敵なら、味だってまた素敵。ひんやり甘酸っぱいアイスとお茶を楽しめば、気分は迷宮の魔法のお茶会。まるで、絵本の中の世界に迷い込んだようだ。
 そうして笑い合う二人は、偶然通りかかったアリアにも幸せ気分をおすそわけ。
「アリア様もご一緒しませんか? まだまだ沢山あるのです!」
「まあ、いいんですか? ふふ、シュークリームもアイスクリームも、とってもおいしそうです!」
 いただきます、と遠慮なく手を伸ばした白花の少女に、笑顔は広がっていく。ふと気付けば少し離れたところに旅団の仲間を見つけて、ジナはそっと手を振りながら。
「書架の皆様へのお土産も忘れないようにしましょう。咲様、手伝ってくださいませね」
 言いながら、あまい宝石をもうひと摘み。持ち帰ればきっと、皆の心にも春を呼んでくれるに違いない。
「えぇ勿論! 帰ったら書架の皆さんとも春のお茶会しましょうね」
 約束すれば、心は来たる春への期待に膨らんで。仲間想い摘み取るイチゴは、幸福すらも届けてくれる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メーアルーナ・レトラント
らう(f13997)と!

いちご!
らう、さっきなにかしてた?
むーん、ないしょはよくないのです!ひよきんぐしゃんもつんつんしますよ!

むぐ!いちご、おいしい…!
はわわ……しゅごい…あまい、すっぱい、あまい……おいしい!
らう!らう!どれが食べごろですか?
メアがつんであげます!
これも、これも、おいしそう!

かごいっぱいにいちごをとって。
えへへー、これはあとでおともだちといっしょに食べるのです!
らうの分はないのですよ!

いじわるではないのです。
ここでいっしょに食べるから、ないのですよ!
もぎたてしんせん、これがよさそうなのです!
らう、あげます! えーい! さっきお口にむぐってしたおかえしなのですよ!


ラウライル・ゼー
メーアルーナ(f12458)と

ジナ、ありがとうと手をふって。
さて、私のお姫様はもう苺に夢中な様子。
私が?さっき?
何もしてないよ。いちごが沢山あるのはどこだろうかとみていただけで。
ひよキングはメアの味方だからね、なかなかつんつんされるのは痛いんだよ。

しゃがみ込んで共に。
ほらほら、これなど食べごろだ。あーん、というのはこうやるのだろう?
うん、どれでもよさそうだよ。一番気に入った赤い色のいちごを選ぶといい。
詰んだのはこのかごにね。

私の分はない?
それは残念……いじわるを覚えたのかな?
ふふ、ここで一緒に食べられる幸せが私だけなのはとても嬉しいよ。
む……うん。美味しい。とても、美味しいよ。




 離れた場所で手を振る少女に、ひらり手を振り返して。幸福そうな表情浮かべたままのラウライルは、自身のお姫様へと視線を移す。
「いちご!」
 浮き立つ心をそのまま叫びにして、メーアルーナは耳元の羽根をひこひこせわしなく動かしながら迷宮イチゴを凝視している。けれど近付くラウライルに気付くと、幼子はその桃色の瞳で守護者を見上げて。
「らう、さっきなにかしてた?」
「私が? さっき?」
 ゆるり、首傾げる素振り見せるラウライル。モフィンクスのことか、レニオールのことか、はたまた両方か。――どれだとしても、彼女は知らなくていいことだと男は思っているから。
「何もしてないよ。いちごが沢山あるのはどこだろうかとみていただけで」
 こんな風にね、と視線を遠くの苗へ向けるけれど、メーアルーナは納得していない様子で頬をぷうっと膨らませた。
「むーん、ないしょはよくないのです! ひよきんぐしゃんもつんつんしますよ!」
 お願いします、とメーアルーナが声掛ければ、ぴよっ! と答えた大きなヒヨコがラウライルへ飛び掛かる。幼子の味方のこのヒヨコは、ラウライルにだって容赦ない。そのなかなかに痛い攻撃に苦笑しながら、男はお姫様の前にしゃがみ込んで。
「ほらほら、これなど食べ頃だ」
 言葉紡ぎながら、大粒の摘み立てイチゴをメーアルーナの口へ。あーん、というのはこうやるのだろう? なんて微笑んだ彼の動きに、幼子は思わずむぐりとイチゴをくわえてしまう。
「いちご、おいしい……! はわわ……しゅごい……あまい、すっぱい、あまい……おいしい!」
 幼さ故の語彙の少なさ、けれど感動は存分に伝わった。もしかしたら彼女のまだ少ない生きてきた期間の中で、これは一番に美味しいイチゴとの出会いだったかもしれない。
 一度この味を知ってしまったら、もうラウライルを追求するどころではない。
「らう! らう! どれが食べごろですか? メアがつんであげます!」
「うん、どれでもよさそうだよ。一番気に入った赤い色のいちごを選ぶといい」
 興奮気味のメーアルーナにふふっと笑顔浮かべて、ラウライルは摘んだイチゴを収める籠を取り出す。
「これも、これも、おいしそう!」
 小さな手は次々に食べ頃のイチゴを見つけて、摘み取った大切なそれを籠へ入れていく。夢中な彼女は新たな苗を求めてどんどん移動するけれど、ラウライルがそれにずっと付き添い最適な位置に籠を移動するから、幼子のイチゴ狩りはスムーズで。
 やがてこんもり籠に入った迷宮イチゴを見て、メーアルーナは満足げに笑う。
「えへへー、これはあとでおともだちといっしょに食べるのです! らうの分はないのですよ!」
「それは残念……いじわるを覚えたのかな?」
 これもまた、先程のひよキング攻撃の続きだろうか? そんなこと考えながらラウライルが問いかければ、メーアルーナはぷるるっと首を横へ振った。
「いじわるではないのです。ここでいっしょに食べるから、ないのですよ!」
 もぎたてしんせん、それが一番美味しいことはメーアルーナもよくわかっている。だからとびきり美味しそうな一粒を見つけ出し、彼女はラウライルにしゃがむようせがんで。
「らう、あげます! えーい! さっきお口にむぐってしたおかえしなのですよ!」
 勢いつけて突き出したのは、大粒の赤。されるがままに口にして――男は表情を綻ばせる。
「……うん。美味しい。とても、美味しいよ」
 ここで彼女と一緒に食べられる、この幸せ。この時が自分だけのものであることが嬉しいと。笑う彼の口の中で、幸福を形にしたような甘酸っぱいイチゴは、ゆっくりと溶けていくのだった。

 平和を取り戻した迷宮イチゴのフロアは、笑顔に溢れ。
 猟兵達がたっぷり収穫した後でも、まだまだ食べられそうなイチゴは多かった。今はまだ未熟なものも、この後魔法学園の生徒が訪れる時には赤く熟していることだろう。
 春を感じる、甘くて酸っぱい迷宮イチゴ。それを楽しむこの先の人々のことを思えば、帰還する猟兵達にも笑顔が浮かぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月22日


挿絵イラスト