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孤独に差し伸べられるは堕落への誘い

#UDCアース

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#UDCアース


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●はぐれ者へ差し伸べられたのは
 其処は所謂地下牢のように鉄錆た臭いが漂っていた。
 ぴちゃん、ぴちゃん、と天井から漏れる水滴が落ちる音が響く静寂で、突然ガシャンガシャン!と金属が暴れるような音が鳴り響いた。
「クソッ!……何処だここ……こんなことしてタダで済むと思ってンのかよ!」
 その部屋の壁際には、少女が居た。
 髪を染め、派手なアクセサリーを着け、改造した制服を着た似合わぬ校則違反だらけの少女。
 彼女は、手足を鉄の枷に拘束されていたが、構わず腕を振り、口汚く叫びながら暴れていた。
 いつものように、学校をサボって公園をでぶらぶらしていたら突然――気が付けば、こんな陰気くさい場所に居たのだ。
 怒り半分、恐怖半分で、彼女は暴れ……やがて、疲れてしまったのか、肩で息をしながら力なく腕を降ろして壁に背を預けた。
「ッ……なんで、わたしばっかり……」
 家族にも、友人にも恵まれず。
 何をしても孤独しか感じなくて、反発するように不良の真似事をしていたら……本当に孤独になって。
 これ以上悪い目には遭わないと思っていたのに。
 虚勢を張って叫んでいた少女の喉から、嗚咽が漏れた。
 ひっく、ひっく……。
「あらあら、泣かないでお嬢さん」
「ッ?!な、泣いてねぇしっ……!?」
 不意に声を掛けられ、涙も拭けないままだったが思わず顔を上げれば、少女の目の前に現れたのは、下着姿でスタイルの良い美しい女たち。
「な、何……?アンタたち、私をどうするつもり……!」
「ふふ、そんなに怖がらないで。貴女を私たちの仲間にしたくて呼んだの」
「な、仲間……?」
 仲間、という言葉に、思わずドキリ、と少女の胸が鳴く。
「そう。……私たちは元々、貴女みたいに独りで、寂しい女だったの……でも、あの方が私たちを孤独から救ってくれた」
「……」
 うっとりと話す女に、警戒は解かないまま。
 ……でも、縋るように孤独を厭う心は、恍惚とした女の話に惹かれて――。
「孤独ではない、悦び。教えてあげる――」
「え……あっ、な、何?……ひあっ」
 甘い囁きが、少女の耳を犯して――艶めかしい水音と、女の嬌声が重なり合うように響いて、数刻。
 ――孤独の少女は、孤独ではなくなり。
 ……少女は、"女"と成った。

●『私は、私を見て欲しかっただけなのに』
 ……と、視えた情景を、情感たっぷりに語ってから。
 グリモア猟兵の胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)は、恭しく観客に一礼する。
「はぁい、猟兵の皆様。此度の事件の舞台はUDCアース、東京。その都市は煌びやで賑やか――ですが、光が強ければ……其の分、闇も深いもの。眩い文明の光の影で、邪神が暗躍しておりますの」
 事件の概要はこうだ。
 日中、深夜と時間帯を問わず、群れない不良学生や荒れくれものといった『いなくなっても心配する者が少ない』、探されにくい人間が、次々と失踪している。
 それは邪教集団の仕業であり、敢えてそういった人物を狙って誘拐しているのだという。
「仲間がいるような人物は、そういった被害は見られないようですわね。一匹狼、というようなスタンスの方が突然その姿を見かけなくなった――ということが多いようですわ」
 不良集団の一員ともなれば、他の仲間が失踪に気付いて探してしまうからだろうか?
 そう翠蘭に尋ねた猟兵に、それもあるが少し違う、と微笑む。
「本当に、心から孤独だと、そして何処か寂しいと……そう考えている方を、狙っているようですわ。そして、そう……もう一つ」
 特徴がございます、と人差し指を立てて猟兵の注意を惹いて。
「攫われてしまった男性は……残念ながら助けることができないかもしれませんわね。ですが――女性は、まだ息がある……いえ、亡くなってはいませんの」
 生きてはいますわ――と、含みのある言い方に、何故だ、という視線を向ける猟兵。
「……その邪教集団は、男性は生け贄に、女性は……自分たちの仲間にしてしまっているようですの。どういった方法はと言われれば――」
 ――心と身体を説得して。
 ぺろり、と唇を舌で湿らせながら、蠱惑的に囁き応える。
 翠蘭の仕草と囁き、そして先ほど語られた予知を鑑みれば……想像は容易いだろう。
「半ば洗脳のようなやり方ではありますけれど……どうも、彼女たちは邪教集団の仲間――というよりは、邪神、……その眷属になった、という方が正しいでしょうね」
 つまり、攫われた女性は生きてはいるが……すでに人間から邪神の眷属、敵になってしまっているだろう、と翠蘭は静かに告げる。
「……皆様には、先ずは邪教集団のアジトの調査をお願い致しますわ」
 調査の方法は様々、各自得意な方法で、と付け加える。
「アジトが解かりましたら、直ぐに壊滅させて頂きますよう……。邪教集団と邪神の眷属たちは、邪神の復活の儀式の為、生け贄や仲間を攫っているのでしょう。……まだ邪神が復活した兆しは見えませんけれど、刻限は迫っていますわ」
 ――それでも、邪神復活が防げなければ。
「どうか、猟兵の皆様の手で、……彼らに終焉を与えてくださいませ」
 もう一度深く一礼すると転移の門を開く。
「……孤独を厭う心を、偽りの優しさで利用して。ぬるま湯の夢のまま、瑕を舐めて、舐めて合わせて、醒めないままの夢に浸らせて、餌にする。心を愚弄し、身も心も喰らう邪神に……どうか」
 囁くように猟兵たちに言葉を向けて、グリモア猟兵は彼らをUDCアースの東京、若者の多く行きかう街へと送り出したのだった。


胡蝶

 胡蝶です。
 UDCアースでいかがわしい邪教集団と邪神の眷属と邪神がおります。


 このシナリオは『冒険(消えた人の行方と邪教集団のアジト調査)』『邪神の眷属との戦い』『邪神との戦い』の三部構成となっております。
 敵はほぼ女性です。女性の形をした邪神の眷属だったり邪神だったり。
 冒頭で察して下さる方もいるとは思いますが、参加された猟兵の方は、男女問わずえっちな目に遭う確率が非常に高いです。
 シリアスだったり禁欲的だったりする方はご注意ください。
 また、UDC組織はこの事件の調査に協力してくれていますので、何かあればお申し付けください。
 なお、UDC組織の人間に対する戦闘能力や過度のサポートには期待されませんようご注意ください。
 当シナリオは気軽に臨んで大丈夫なシナリオですので、キャラクターの魅力や内面、アドリブの有無やキャラの方向性などプレイングに記載されていると良いかと思います。

 以上、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『人知れずに消える者』

POW   :    しらみつぶしに聞き込みをして目撃者を探すなど、足で情報を集める

SPD   :    被害者に関わりのありそうな人物、団体に当たりをつけて調査を行い、情報を集める

WIZ   :    被害者に似た境遇を装い、接触してくる人物から情報を集める

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

星群・ヒカル
※アドリブ歓迎

被害者は一匹狼の不良……となれば、この超宇宙番長が黙っちゃいないぜッ!
これ以上巻き込まれるやつらを増やしてたまるかよ

●行動:SPD
白昼堂々人攫いを堂々できるってことは……何かにカモフラージュしてるかもな

行方不明者がよく出没していた場所にアタリをつけよう
街を歩いて「コミュ力」「パフォーマンス」で不良たちから情報を得ていくぞ
顔写真はUDC組織の人に貰い
「おれが舎弟にしたい奴がいてな?こいつなんだが。でも最近姿を見てないんだ。何か知らないか?」

地図を作って頭に叩き込んだら
「超宇宙望遠鏡・衛星形態」で市街地を隈なく探すぞッ!
屋内はわからないが、屋外にいる怪しい奴らなら見つけられるからな



 若者が溢れる街、その駅前の賑わいの中で、星群・ヒカル(f01648)は周りの人間に違和感を持たれる事無く、雑踏の中を進んでいた。
(被害者は一匹狼の不良……となれば、この超宇宙番長が黙っちゃいないぜッ!……これ以上巻き込まれるやつらを増やしてたまるかよ)
 自信に溢れた銀の瞳を光らせながら、まずはいかにも不良たちがたむろしそうな場所は……と、事前にUDC組織から聴取した情報を元に、ヒカルは入手した地図を頭に叩き込んでから歩き続けた。

「よぉ、ちょっと聞きたいことがあるんだが」
「ンだぁ、てめぇ」
 ヒカルは3人の学生服を着たまま、ひと気のないコンビニの駐車場にたむろする少年たちに声を掛けていた。
 時間はまだ昼過ぎといったところで、概ねの学生は学校にいる時間帯だろう。
 つまり、学生服を着た目の前の少年たちは不良の可能性が高い、と見当をつけたのだった。
 少年たちは急に声を掛けてきたヒカルに面食らいつつも、ヒカルの醸し出す存在感に気圧されたのか、不審そうな目で見つつも大人しい様子で対応する。
「……で、何だよ」
「ありがとう。……実はおれが舎弟にしたい奴がいてな?……こいつなんだが」
 素直な様子に、にっ、と笑ってから懐から写真を撮りだすヒカル。
 その写真は、UDC組織に依頼して用意してもらった最近の被害者の写真だった。
「……でも最近姿を見てないんだ。何か知らないか?」
 数枚、別撮りの写真も提示しながら尋ねると、少年たちはじっと見てから。
「こいつ……ああ、たまに公園とかで一人でいるやつか」
「でも最近見ないな」
「ああ、急にいなくなったよな」
、顔は知っている様子に浮き足立つも、被害者と同年代位の不良少年たちが知らないと答えたのを聞き、ヒカルは表情を崩さないながらも内心残念に思いつつ写真を仕舞った。
「ちなみに、最後に見たのはどこだか覚えているか?」
「ああ、それだったら……隣町の公園だったかな」
 一応、と最後の目撃情報を得ると、ヒカルは少年たちに礼を言ってその場から離れる。

 得た情報を元に、ヒカルはその最終目撃場所の付近の一番高い場所である丘に登る。
 そしてユーベルコード『超宇宙望遠鏡・衛星形態』を使い、その公園を中心にして、超宇宙望遠鏡「ガントバス」の力を宿らせて不審な物、者が居ないかを調査する。
 ――結果、その公園の付近はひと気のない閑静な住宅街であり、周りにあるのも新しい喫茶店、古びた教会、そして少し離れたところに、ガラの悪そうな人間がちらほら歩く夜の店が連なる通りがあることがわかった。
 公園の周辺を通るのは住人か、一人で公園のベンチに座る所謂孤独な人間、そして喫茶店の客だけのようだった。
「いてて……」
 そこで、ヒカルは自らのユーベルコードの代償で目から流血させてしまう。
 なんとか得た情報と周辺情報を纏めると、ヒカルは仲間の猟兵たちに情報送信を完了させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サフィ・ヴェルク
WIZ
【コミュ力3情報収集3言いくるめ3】
アドリブ、連携歓迎
リアリストですが、えっちなことは素になって年相応にビビり、なんなら思わず真っ赤な顔で謝り倒す
背後的にはバッチコイなのでお好きにお任せ


心と体でですか…ちょっと怖いですね……
だけど僕達が女性だったら絶対に取り込まれている保障してもいい。お互い寂しいのは嫌いでしょう?
知りません、とにもかくにも行きますよ!手段は選びません


表のサフィは赤くなるも切り替え調査へ
裏のロゼは敬語口調ながら皮肉ったり茶化したり

魅力は表面上出さないようにしてるが表も裏も寂しがり屋年相応

中性的な少年なので紛れ込めないかと囮役
コミュ力と言いくるめで演技し孤独感演出で情報収集


霧沢・仁美
家出少女を装って、夜の街で近づいてくる人達から情報収集してみようかと。
間違って補導されないよう、組織の人に警察とかへ話を通しておく旨お願いしとくね。

成人には見えない程度にラフな格好で、大きめのバッグを担いで、街中を歩く。
基本的に人の多い場所を歩くけど、時々人気の無い場所へ入りつつ。

声をかけられたら、学校にも家にも居場所がないから家出してふらふらしてる、と身の上話をしてみる。
家族も心配してない、ということを示すように、一週間くらい誰からの着信もないスマホの履歴を見せたりも。

相手が仲間に誘うようなことを言ってきたら、躊躇う素振りを見せつつも詳しい話を聞いてみる。

※アドリブ歓迎です



「心と体でですか……ちょっと怖いですね……」
「だけど僕達が女性だったら絶対に取り込まれている保障してもいい。お互い寂しいのは嫌いでしょう?」
「知りません、……もう、とにもかくにも行きますよ!手段は選びません」

 賑やかな街の中、やや人混みから離れた場所を歩きながら呟いているのはサフィ・ヴェルク(f14072)だ。
 二人が話しているような会話をしているのは、彼が彼自身の人格と、もう一つの人格のロゼとでお互い話しているからである。
 だが、傍から見ればサフィが一人で会話をしているようにしか見えず、自然と歩行者が彼を避けていく。
 身長は高いながらも、中性的な容姿を持つサフィは、あわよくば誘拐の被害者――囮になろうかとも考えたが、まずは情報収集を優先させようと、やがてひと気のないネオン街へと足を向けた。

 賑やかな街のメイン通りから外れた路地は、どこか薄汚れていてひと気も少ない。
 そんな場所で、サフィは壁に凭れ掛って『場違いな孤独な人間』を演出してみる。
「そういえば、男だと生け贄にされるんでしたっけ……それはそれで怖い」
「女性の邪神の眷属に搾り取られちゃうんでしょう?男でも女でも、えっちな目に遭うのは変わらないっていう話でしたね」
「え、えっちな……」
「……おやおや?想像しちゃってますね?」
「も、もう……!」
 裏の人格のロゼと話しながら、つい邪神の眷属に捕まってしまったら……と想像してしまい、普段リアリストのサフィも年相応に反応してしまうのだった。

 そんな風に別の人格と話していたサフィの耳に、ふと近くを通った女子高生の会話が聞こえてきた。
「ねぇねぇ、最近カズヤ……いつもの公園に来なくない?」
「あ、やっぱり?私も毎日見に行ってたのに、3日前から突然来なくなっちゃったんだよね」
「ああ、孤高の一匹狼のカズヤ……最近公園近くの喫茶店に行くようになったのを見たから、そっちも覗いてみたけど居ないし……」

 ……公園、喫茶店。
 先ほど他の猟兵から送られてきた情報と照らし合わせながら、サフィは女子高生たちの会話を一応、仲間に送信する。
「公園と、喫茶店……」
「気になるし、一応行ってみましょうか」
 別人格と会話をしながら頷くと、サフィはスマホの画面に表示された地図を見ながら歩き出す。

 そして夕暮れ時の時間帯。
 霧沢・仁美(f02862)の、大人に見えないように気を付け、ラフな格好で大きめなバッグを担ぐ姿は、一見すると家出した少女のような雰囲気だった。
 そんな雰囲気のまま、彼女は夜の店が立ち並ぶ路地を歩いていた。
 普通の人間が見れば健全そうな少女に見える仁美は、補導員や正義感の強い人物に保護されてしまいそうであったが、彼女は事前にUDC組織の人間を通じて警察などへ根回ししていたためか、不思議と補導される事無く治安の悪そうな街を進み続けた。

「よう、彼女。一人?こんな場所でなぁにしてンのかなぁ?」
 やがて見た感じガラの悪そうな数人の不良に声を掛けられると、不良たちにわからないようにほくそ笑んでから、仁美は彼らに儚げな微笑みを向けた。
「……一人?ええ……家にも、学校にも私の居場所なんてないから、こっちに居場所を探しに来たんだよね」
「へーえ?こんな可愛いのに、心配してくれるカレシもいないのか?」
「いないよ。私を心配する人なんてだーれも居ないんだよ。ほら」
 そう言って、仁美はスマホを不良たちに見せ、着信履歴の無い画面を見せて笑う。
 そんな仁美の動きを見ていた不良たちは、俺たちの仲間にならないか、お前に楽しいこと教えてやるよ、と提案する。
 下衆めいた言動であるかと思いきや、不良たちは思いのほか仁美の話した境遇に同情したらしく、仁美は事件とは関係なさそうだと判断してその誘いを断る。
「仲間、か……ううん、まだよくわからないし、遠慮しとくよ、ごめんね」
「そうか……ああ、そういや最近、一人の奴がよく消えてるらしいから、気を付けろよ」
 断ってから、不良が口にした話題に、仁美はやや目を見開いた。
「へぇ……そうなんだ。消えたって、どういう?」
「一切、どっか別の場所を縄張りにしたとか……そういうことでもなく、消えちまうらしい。拉致られたってのが専らの噂だな。……そいつら、仲いい奴いなかったから、どうかはわからねえけど、あんたも気をつけな」
「そう……ちなみに、それってどういう場所が危ないとか、あるのかな」
「確か……ああ、――」
 不良たちが続けた言葉に、仁美は目を細める。
 彼らが話した場所は、猟兵たちが調査していた場所、そして他の被害者が最後に目撃された場所と一致していたのだ。
 彼らに礼を言ってからその場から離れると、スマホの画面を切り替え、得た情報を仲間たちと共有するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スフィーエ・シエルフィート
孤独も結局折合いの付け方次第だけどね
中々に不埒な真似をするようだし、興味半分で調べてみようか

・WIZ
まずは囮捜査だ
公園辺りで誘惑や存在感をアピール
この派手な格好で一人寂しく、友人も恋人もなく町を彷徨い浮いている女を演じてみよう
目薬でウソ泣きの準備も万端さ
身寄りもないし、連れ去るには十分だろう

接触してきたら相談するフリをして情報収集だ
「こんな見た目でね。男らしくも女らしくも出来やしない。
 そんなだから、一晩で二桁しけ込むなんてヤケも起こしたりね……ああ、勿論気持ちよくなんかなかったさ」
といって同情を煽り、
「こんな私でも、幸福にはなれるかい?」
と、まぁ、敢て色々とノって連れ去られてみるとしようか


四季乃・瑠璃
【WIZ】
とりあえず、緋瑪と人格を切り替えながら会話しつつ、街中を通って人気の無い公園等へ移動。
多重人格を利用し、他人から見たら「孤独で寂しさを自分と会話(独り言)する事で紛らわす寂しい子」といったフリをする事で、自身を囮にして拉致される、または接触してくるなら接触してきた人物について行って潜入を図る。

接触があるまでは念の為、拉致された子達の情報や事件についてのネット上の噂等をスマホで調べつつフラフラと。

緋瑪「洗脳って…そんな簡単に心まで堕ちるものなのかな?」
瑠璃「よっぽどそういうのに長けた相手ってコトかなぁ…」←これから連れ去られる予定

※アドリブ、絡み歓迎



 他の猟兵たちの得た情報をスマホで確認してから画面を閉じると、ふぅ、と軽く息を吐いたのはスフィーエ・シエルフィート(f08782)。
 中性的な美しい顔に、人目を惹くような派手な格好を施して、彼女は件の公園の付近を歩いていた。
(孤独も結局折合いの付け方次第だけどね
中々に不埒な真似をするようだし、興味半分で調べてみようか)
 内心では興味半分、とは思いつつもしっかりと情報を確認して調査を始めるスフィーエ。
 時刻は夕暮れを過ぎ、街が夜色へと変わりゆく時間帯。
 そんな時間帯に、夜色の街で。
 モデルのような長身の美人が、恋人も友人も侍らず一人で歩けば――ナンパやスカウトが群がるのは想像に容易いだろう。
 スフィーエはそれらの手合いを、漆黒の長い髪を掻き上げ、さも気怠そうにお断りしながら歩いていたが、ふと、最後に気色の違う声の掛け方をした人物に足を止めた。
 それは女性で、亜麻色の髪をした可愛らしい、風俗嬢とも違った雰囲気を持っており、スフィーエはどこか引っかかったのだ。
「美人でかっこいいお姉さん、さっき聞こえてきたけど……本当に一人なの?」
「……こんな見た目でね。男らしくも女らしくも出来やしない」
 自嘲気味に告げたスフィーエに、女は優しく微笑む。
「らしい、なんて。貴女は貴女らしければそれでいいんじゃない?」
 返ってくる言葉に、何処か違和感を感じた。
 それは、スフィーエが事件のことを意識していた所為だからだろう。
 冷静に分析すれば――目の前の女の言動は、酷く優しく、存在を肯定するような甘さと、そして――対象に男女を問わない色気があった。
「ふ……まぁ、そんなだから、一晩で二桁しけ込むなんてヤケも起こしたりね……ああ、勿論気持ちよくなんかなかったさ」
「まぁ。……もっと自分の身体を大事にして欲しいわ、私、お姉さんの事好きになってしまったんだもの。幸せに生きて欲しいわ」
 試すような気持ちで、同情を誘うように身の上語りを続けるが、突然の告白に面食らったようにスフィーエの言葉が止まる。
 初対面の相手に対しての距離感が、近すぎるし、距離の詰め方が大胆すぎないか。
 そんな風に思いつつも、同時にスフィーエは女に対しての嫌疑を深めていく。
「こんな私でも、幸福にはなれるかい?」
「ええ、……美味しいコーヒーを淹れるお店があるの。そちらでもっとお姉さんとお話したいわ」
 飲んだら幸せな気持ちになれるわよ、と笑いながら、女はさりげなくスフィーエの手をとり、その場所へと誘っていく。
 その隙を見て、スフィーエは反対の手で猟兵の仲間たちへと簡単に状況と情報について送信して。
 やがて二人が入っていったのは、公園近くの喫茶店『月下美人』。
 その入店を最後に、スフィーエからの連絡は途絶えた。

「洗脳って……そんな簡単に心まで堕ちるものなのかな?」
「よっぽどそういうのに長けた相手ってコトかなぁ……」
 一方、同じ時間帯。
 ひと気のない、件の公園のベンチに座りながら、四季乃・瑠璃(f09675)は別人格の『緋瑪』と、客観的に見れば独り言を呟いているだけの様子に見える状態のまま、会話を続けていた。
 瑠璃が公園についてから、何人か一人の不良少年、不良少女が訪れはしたが、瑠璃がいるのを見ると向かいにある喫茶店へと入っていくのだった。
「誰かは来たけど、どっちかって言うと被害者になりそうな子達ばっかりだったね」
「そうだねー。でも、皆喫茶店に入っていってたし、それなら危ない目には遭わないかもね」
 と、二つの人格同士で会話しながら、気付けば周囲からは殆ど人の気配がしなくなっていた。
 スマホを操作し、仲間たちの情報を閲覧しながら、インターネットで噂を検索したりしつつ、ある情報が目に留まるとスマホを閉じて。
 そこで、そろそろ場所を変えようか、とベンチから立ち上がったその時だった。
「あの……寒くはないですか?」
「へ?」
 不意に話しかけられ、驚きながら振り返ると、手にホットコーヒーの紙コップのようなものを持った、飲食店の制服のような恰好をした清楚そうな女性が立っていた。
「ごめんなさい、ずっとお店から見ていたのですけど……」
「え?ああ、喫茶店の人?……あ、ホントだ、寒い」
「考え事してたら気付かなかった……さっむい」
 女に言われて、漸く冬の寒さを自覚すると、瑠璃は寒そうに身体を震わせる。
 そんな様子を見ていた女は、そっと近づいて、手に持っていた紙コップを瑠璃に差し出す。
「心配で、コーヒー淹れてきたんです。良かったら、どうぞ」
「え、あ……ありがとう、いただきます」
 余計なお世話だったらごめんなさいね、と困ったような微笑みを向けながら、女から差し出された紙コップを受け取ると、飲み口を開ける。
(喫茶店、かぁ……)
 女が現れる直前、喫茶店に誘われた猟兵の情報を見ていた瑠璃は、次はその場所に行こう、とベンチから立ち上がったところだったのだった。
 コクン、と一口コーヒーを飲むと、程良い温度、程良い苦み、程良い甘さの心がほっとするような味に思わず笑みが浮かぶ。
「美味しい……丁度喫茶店行こうと思ってたけど、試飲できちゃうなんてラッキー」
「あら、そうなんですね……じゃあ、まだ閉店時間まで時間がありますから、少し温まっていってください」
「そうなの?じゃあ、行こうかな」
 瑠璃が応えると、女は喫茶店へと案内していく。
 優しい言葉、思いやり、冷えた身体に温かいコーヒー。
 瑠璃は思わず目の前の女性へ好感度を上げそうになりながらも、冷静な緋瑪がこっそりとスマホを弄って今の自分の状態を他の猟兵たちへと知らせる。

 ――そして。
 スフィーエが喫茶店に入店した、その数十分後に店員と共に入店した瑠璃も、以降の連絡が途絶えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベルカ・スノードロップ
まぁ、手数は増やしましょうか。
とユーベルコードで、もう一人の自分を呼び出して捜索です。

こう言うとき、自分の容姿は役に立ちますね。
普段は男装女子とか言われますし。

鈴の転がるような声は、裏声ではない。
女子っぽい格好をすれば、それなりに見えるでしょう。

【おびき寄せ】や【誘惑】が通用する相手かはわかりませんが
情報を集めるのには、充分ですかね?

ということで、行動指針はWIZです

オブリビオンでも、可愛い娘はいますからね。
とか、思考の隅に置きつつ
隠れ家になりそうな『地下のあるビル』や『裏路地に入口のありそうな建物』にも当たりは付けていきますよ。


有澤・頼
「人の弱みにつけ込むなんてなんて悪趣味な…」

【WIZ】
人に群れない学生に変装して接触してくる人間に情報を集めるよ。学生服を着て学校がある時間帯に街をふらつく感じかな?
接触してきた人間には最初邪険にする感じで接するけど次第に態度を軟化させるよ。

「1人は寂しいさ、誰だって嫌だよね…」
ちょっと感傷的になっちゃったかな…?



 時間は夕方より前のこと。
「人の弱みにつけ込むなんてなんて悪趣味な……」
 有澤・頼(f02198)は、学生に変装した姿で、呆れているような、怒っているような声色で呟く。
 彼女は、人と群れない学生――といった出で立ちで、未だ学校では授業を行っているであろう時間帯を選び、人の多い街の中をふらついていた。
 なるべく声を掛けてこようとする大人を避け、ちょうど同世代位の不良学生のうろつくエリアに足を進めると、頼はひと気の少ない場所へと向かっていく。
 その時、一瞬異質な視線を感じて頼は急速に振り返る。
 頼の背後には、いつの間にか染髪したふわふわ髪の良く似合う、制服を着た愛らしい少女が立っていた。
「ああ、ごめんね。驚かせてしまった?」
「え……うん、急にいるから。……何か用?」
 柔らかな態度で接してくる見知らぬ少女に、思わず素で返してしまってから、冷たい声を作って尋ねる頼。
 そんな頼にくすくすと笑いながら、世間話のように、今日学校は?初めて見る顔だね、などと親しげに話しかけてくる少女に、始めは邪険に扱う様にぶっきらぼうに返答していた頼だが、徐々に心を開いていった――ように演出するため、段々と態度を軟化させ、談笑に応じていく。
「ところで、貴女って一人が好きなの?」
 その段階に至ると、制服を着た少女は不意にそう言葉を掛けた。
「……んー、一人は寂しいさ、誰だっていやだと思うよ……」
 頼は、一瞬目を逸らしながら、そっと囁くように応える。
 感傷的な雰囲気を醸し出した頼に、少女は優しい表情で微笑むと、その手を取って。
「そうよね、孤独って、寂しいよね――ねぇ、そういうの忘れられる場所があるんだけど」
(――きた!)
 一緒に行かない?と誘う少女に、頼は少し躊躇うようにしてから、頷く。
「何処に行くの?」
「喫茶店よ――コーヒーがとっても美味しいの」
 少女に隠れて操作して、スマホのGPS情報を仲間に発信しながら、頼は閑静な住宅街の立ち並ぶエリアへと誘われていった。


 夕暮れ時の、閑静な住宅街にて。
「まぁ、手数は増やしましょうか」
 ベルカ・スノードロップ(f10622)はそう呟きながら、ひと気のない路地裏でユーベルコード『オルタナティブ・マイン』を発動させると、自身とそっくりな存在を創り出す。
「……こう言うとき、自分の容姿は役に立ちますね」
 女性に変装して、囮役を務めようと考えていた彼は、鈴を転がす様な可憐な声で呟き、自身とユーベルコードで生み出したもう一人の自身に、年相応の女子らしい恰好を施していく。
 所謂双子ファッション、と呼ばれるようなシンメトリーを意識して、高身長はヒールの無い靴でカバーしつつ、カジュアルな服装に着替え終えると、ベルカは路地から出てくる。
 ベルカは分身を、ギリギリ自身で制御できる範囲内で移動させ、情報収集をさせる。
 同時に自身も、思わず声を掛けたくなるようなモデル風の容姿を見せつけながら、夜の店の立ち並ぶ通りの、地下まである商業ビルや、裏路地に面して入り口が存在するような建物を重点的に探していく。

 中でも、地下階があっても店の看板がないビル、裏口がひと気のない路地に面している建物などに興味を持ち、調査をするも直接中へ入ることが叶わず場所のチェックや、仲間へ情報の送信をしながら、ベルカはネオンに照らされた路地を進む。
 途中、分身も含めベルカに興味を持ち、話しかけてくるナンパやスカウトも居たが、どれも男性であり、アタリ――邪神の眷属や邪教集団の影も見えない者たちだとカンパするたびに躱していく。
「オブリビオンでも、可愛い娘はいますからね……」
 私は歓迎されないのでしょうか、なんて冗談めかして呟きながらも、不意にスマホがメッセージを受信した。
「……ここは」
 仲間からの情報、そしてある場所へ行くと残した後連絡が途絶えた仲間の情報に、ベルカは『地下階はあるが店の看板のないビル』の、1階に入っていた店舗を思い出す。
「……喫茶『月下美人』、でしたっけ」
 こめかみを指先で揉み、思い出すように呟くと彼は分身体を呼び戻してから思い当った場所へと足を向けたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ピコ・イカヴァルコ
犠牲者の方におかれましては、大変、御可哀そうに。
しからば、ピコが、必ずや御弔いをいたしますゆえ。

【SPD】
この世は勝手がわかりませぬゆえ、UDCの職員に犠牲者の知人を調べてもらい
写真?があれば拝借して、行方不明になる前に会っていた人物に会い

「この方は、どこかに行くと言っていたりは、していた?」
写真?とやらを見せながら尋ねましょう

ああ、此の耳は目立つので、帽子などで隠しつつ

なにか用でもあるかと言われたなら

「少し、話をしなくては、ならなくて」とぼかす
年下の女に追われる友人を、面白がってくれたら幸い

そうやって何人か尋ねて、行き先を絞り込んでゆこうかと



(犠牲者の方におかれましては、大変、御可哀そうに。……しからば、ピコが、必ずや御弔いをいたしますゆえ)

 司祭であるピコ・イカヴァルコ(f14475)は、邪教集団ないし邪神の眷属らに連れ去られ、犠牲になった一般人へ内心祈りを捧げながら、UDC組織に依頼して入手した、最近の被害者の写真を入れた懐を確かめるように撫でる。
 そして行方不明になったその日に、接触したと思われる人物、3名の情報を得て、ピコは順に足を向ける。
 一人目は、ナンパをしたホスト。
 二人目は、挨拶の声を掛けた不良学生。
 三人目は、ある喫茶店の店員。

 ピコは特徴的な耳を帽子で隠し、被害者の写真を見せながら行き先やその日の様子はどうだったのか、など淡々と問い掛けていく。
 一人目のホストは、「好みだったから声を掛けただけで、フラれたから後の事は知らない」と興味なさそうに応え。
 二人目の不良学生は「会ったから声を掛けただけだ」と応えた。
 何か用でもあったのか、と不良学生がピコに尋ねると、ピコは真剣そうな表情で応える。
「少し、話をしなくては、ならなくて」
 被害者――不良学生の知人が、10歳近く歳の差がある、年下の女に追われている。
 全く訳が判らないという顔をしてから立ち去る不良学生に、事件とは関係ないようだと判断すると――ピコは最後の、三人目の喫茶店の店員へと話を聞くために歩みを進めた。

 ――カランカラン、とレトロなベルの音が喫茶『月下美人』の店内に響いた。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
 ピコは、受付の店員に頷き、促されるままに席に着く。
 そして、ちょうど給仕をしている制服姿の女性が三人目だと気付くと、注文を取る振りをしながら尋ねる。
「ご注文はお決まりですか?」
「この人、知らない?」
 店員に写真を見せながら尋ねると、一瞬、店員の動きが止まる。
「申し訳ありません、わかりかねます」
「そう」
「ご注文はございますか?当店のオススメはブレンドのホットコーヒーになりますが」
「じゃあ、それで」
 だが、直ぐににっこりと微笑むと淀みなく応える店員。
 おかしい、と思いながらも言及せずに、勧められるままにコーヒーを注文するピコ。
「お待たせいたしました、ブレンドでございます。どうぞごゆっくり」
 確かに、被害者とこの店員は会っていたはず――そう考えながら、香ばしいコーヒーの香りが鼻腔を擽れば、反射的にピコはカップを持ちあげ、そのコーヒーを一口飲む。
 程良い温かさに、程良い苦みと香りが口腔に広がって鼻腔から抜けていく。
(これは……美味しい、です、ね――)
 ぐらり。
 ピコに急激に睡魔が襲ってくる。
 UDC組織の情報、猟兵の仲間の情報、そして店員の態度――それらを合わせるならば、出された飲食物に手を出すのは悪手だった――そう瞬時に判断すると、立上がり、メニューに記載してあった値段より多めの金額をレジの店員に渡して店を出てると、ピコはなんとか意識を保ったまま『喫茶店、珈琲注意』とメッセージを送るのだった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

弥久・銀花
【WIZ】
一匹狼の孤独な荒くれ者の少女っぽい雰囲気を纏って路地裏を散策してみます。

さて、どんなのが接触してくるのでしょうか……?


(来ましたか、さあて、貴方の手口を見せて貰いましょう。 そして捕らわれた人達の所まで連れて行って貰いましょうか。)




(アドリブ、四肢の切断程度の大きな負傷OK、他の人との絡みも大丈夫です。)


ミーナ・アングリフ
…UDC組織から、行方不明になった人達が最後に確認された場所の情報を貰い、実際にその場所へ向かい、調査…。

ビーストマスターの能力で周囲の鳥(雀や烏)、鼠等に問いかけて行方不明者の情報を集める、よ…。
それと、こんな風に鳥や鼠に話しかけてれば(格好も相俟って)傍から見れば孤独な人間、可哀想な人間に見える、よね…?

そんな風に思わせて、実際にわたしに接触するか、襲ってきてくれれば、そのまま捕まって敵のアジトまで連れて行って貰うよ…。
捕まった時に備えて、雀さんか烏さんにお願いして、わたしが連れていかれたら他の猟兵のヒトを案内するようお願いしておくね…。

アドリブとか他の人との絡み歓迎



「……この公園にいれば、勝手に導いてくれそうね」

 一匹狼の孤独な荒くれ者――といった雰囲気を纏い、弥久・銀花(f00983)は街中の裏路地を中心に探索していたのだが、送られてくる仲間の情報を整理して、閑静な住宅街にある公園を訪れていた。
「さて、どんなのが接触してくるのでしょうか……?」
 どうやら、公園向かいにある喫茶店が関わっているらしい――というか真っ黒、ココが本命らしい。
 そうはわかっていても、策もなく強襲しても仕方がないだろう、と判断した銀花は、孤独な雰囲気を醸し出しながら公園のベンチに腰掛ける。
 幸い周りにひと気はなく、被害者や仲間が、喫茶店の関係者に声を掛けられた状況に似た状況を作り出すことが出来た。
 あとは待つだけ、と醸し出す雰囲気を維持しながら適当にスマホを弄っていると、不意に銀花に声が向けられた。
「お嬢ちゃん、こんな時間に一人でどうしたの?」
 声のした方を見れば、エプロン付けた美しい女性がそこに立っていた。
「……帰る場所もないもので、暇つぶししているだけです」
(来ましたか、さあて、貴方の手口を見せて貰いましょう……そして捕らわれた人達の所まで連れて行って貰いましょうか)
 そっけない物言いで応対しながら、件の喫茶店の店員だろうと見当つけて思考する。
 すると、寒いからお店で休んではどうか、温かいコーヒー美味しいよ、などとしきりに喫茶店の店内へと誘う女性に、大人しく従うように応じる銀花。
(簡単に釣れましたが……あとは出たところで何とかしましょう)
 銀花は後ろ手でスマホを操作し、自分も喫茶店に誘われて向う、とメッセージを送信し、入店していった。


「そっか、結構いろんな事件が起こってるんだね……君たちも大変だよね」
 ひと気のない路地でしゃがみながら、鼠やカラスに話しかけているのはミーナ・アングリフ(f14513)だ。
 彼女はビーストマスターであり、あらゆる動物と心を通わせることができる。
 そのため、街にいる動物たちを対象にして情報収集していた。
 加えて、もう一つ。
「あの子、鼠と喋ってなかった……?」
「カラスもいたよ……」
 ひそひそと、ミーナの様子を見た通行人が話すのが聴こえる。
(うん、狙い通り……こんな風に鳥や鼠に話しかけてれば、傍から見れば孤独な人間、可哀想な人間に見える、よね……?)
 例の喫茶店の近く、夜の店の立ち並ぶ通りの路地でそんな風にしていると、不意に後ろから声を掛けられる。
「ちょっと!アンタこんな場所で一人で、そんなんだと攫われちまうよ?!」
 振り返ると、レディース風の不良学生がミーナの後ろに立っていた。
「こんな小さいのに、……ここはアンタにはまだ早いよ」
「あ、あの……大丈夫、です」
「大丈夫なことあるかい、アタシの知り合いだってねぇ、この間一人消えちまったんだ、アンタなんて人攫いの格好のカモだよ!」
 そんな風に言うと、不良学生はミーナの腕を取って強引に連れ出そうとする。
 ミーナはとりあえず大人しく従いながらも、引っかかった情報について尋ねる。
「消えちゃう……?一人で行くと危ない場所、あるの?」
「ああ、この辺の店も十分危ないが……喫茶店でも、油断できないんだよ。あたしが目を掛けてたヤツも、そこに通ってから消えちまったし」
 普通の喫茶店なんだけどな、と語りながら歩く不良学生の隙を突いて、内心でお礼を言いながらミーナは逃げ出す。
(やっぱり、他の皆も言っていた喫茶店が、危ないみたい)
 店の名前は聞かなかったが、恐らく喫茶『月下美人』という店だろう――そう結論付け、ミーナはスマホで得た情報を仲間に送りながら、アジトへと強襲する準備を始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ファン・ティンタン
【WIZ】人の孤独、物の孤独


ぽつねんと、人気のない場所をぶらつこうか
身寄りのない外人の子でも装って、公園のブランコに揺られてれば…
はい、変な子の出来上がり


ぼんやり、ブランコの鎖に揺られながら思う

私も心を持った以上、独りの寂しさが耐えがたいモノであることは理解できてる…はず
それでも、人のソレと物のソレは、時間感覚の違いがありすぎて…

数ヶ月や数年で、どうしてそんなに脆く壊れてしまうのか…私にはまだ理解が及ばないよ


接触者がいなければ、それもよし
誰かは核心に迫るだろう

自分に声がかかるのなら…
精一杯、“寂しい人間のフリ”をして【情報収集】に努めようか

…ねぇ、この寂しさって、どうすればいいのかな


アドリブ可


ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎

やはり情報収集から始めるか。しかし品行方正とは
言い難い連中相手せにゃならねえのか、大丈夫かねえ
……手加減はするさ、出来るだけな。

行方不明事件を調査しているルポライターという触れ込みで
つるんでる系不良の皆さんに話を聞いてみるとしよう。
名刺やらなんやらは組織に用意してもらって、と。

基本は平和的に行こう。でもなあ、何も知らなかったり
素直に話を聞かせてくれればいいんだが
やんちゃな奴ってのはいるからな、ま、締め上げますかね
殺しはしないが病院送り位で

「下手に出てる内に話せばいい物を……。傭兵を舐めるな。
ん?ルポライターじゃないのかって?そんな事はどうでもいい。
知っている事を話せ、全部な」



 ――……ヴー、ヴー。
 スマホの通知を知らせる振動に、情報収集の場所を探し人混みを彷徨っていたファン・ティンタン(f07547)の脚が止まる。
「……」
 仲間が突き止めたであろう、事件に関係ありそうな地区、公園、そして喫茶店の情報を一読すると、ファンはその場所へと向かって歩き始める。

 やがて件の公園に到着したのは陽の沈む直前の夕刻頃。
 閑静な住宅街の中の公園で、ファンは風に揺れるブランコの鎖に手を掛けると無言で腰を掛けた。
 一見すれば、孤独で友人のいない外人の子供――そう見えるよう装って、ファンは軽く足でブランコを漕いで揺られる。
 そこから公園と、その出入口からひと気のない静かな住宅街の様子が見渡せた。

 ――カァー、カァー……
「人の孤独……物の、孤独……」
 車の音も、子供の遊ぶ声も聞こえず、反響するカラスの声は、孤独の物悲しさを助長するかのようだと感じていた。
 たまに通る人もいたが、公園には来ず。
 かといって目の前の喫茶店に入ることなく右から左、左から右へと通過して行った。
 ファンは白い一振りの護刀のヤドリガミだ。
(永らえる理由は主と共に失ったけれど、私も心を持った以上、独りの寂しさが耐えがたいモノであることは理解できてる……はず)
 ぼんやりとブランコに揺られながら、孤独というものに思いを馳せるファン。
 それでも、きっと人の孤独と物の孤独は時間間隔に違いがあり過ぎる、と白い睫毛を震わせて、伏せる。
(……人は、数ヶ月や数年で、どうしてそんなに脆く壊れてしまうのか……私にはまだ理解が及ばないよ)
 理解が及ばない、されど理解する気がないということではなく。

 人の孤独、それを理解をしようと寄り添う彼女に、不意に、誰も出入り口を通っていなかったはずなのに。
「ねぇ、貴女は一人なの?」
 真横から、声を掛けられる。
 ビクリ、と動揺をするように身体をわざと震わせてから、ファンは声を掛けてきた人物に振り返る。
 立っていたのは、喫茶店の制服を着た女性。
 一人だけど、と感情を込めずに応えれば、寂しくないかと問われ、ファンは一瞬考えるように目を伏せてから、女に向き直る。
「そうだね。……ねぇ、この寂しさって、どうすればいいのかな」
 急な問いかけ。
 初対面の人物への馴れ馴れしい態度、距離の詰め方を考えれば、目の前の女性は――事件関係者の可能性が高い、とファンは判断した。
 予想通り、喫茶店に誘う様に申し向けられ、ファンはそれを承諾して付いていく。
 店内に足を踏み入れるまでの間、仲間へ連絡をしてから――彼女もまた、喫茶『月下美人』前にて連絡が途切れたのだった。




「なぁ、応えてくれよ。喫茶『月下美人』ってのは何なんだ?」
 行方不明事件を調査しているルポライター……記者に扮して件の閑静な住宅街付近の繁華街で聞き込みをしているのはロウガ・イスルギ(f00846)だ。
 ロウガはホワイトタイガーの姿を取る獣人だが、猟兵の力によって周りの人間は何の違和感なく彼に応対している。

 彼は仲間からの連絡のあった情報を整理しながら、その謎の喫茶店の正体について調査していた。
 すでに仲間が数人、その喫茶店に潜入して連絡が取れなくなっている。
 それならば少しでもその情報を集め、突入に備えようと、目についた不良に手当たり次第に声を掛けていた。
 ロウガから渡された名刺――UDC組織に急場で用意してもらったりぽらいたーとしての身分を信用させる為の代物だったが、それは精巧で、不良たちは特別不審に思うことはなくロウガの質問に答える。
「そんな知らないっすよ、あの喫茶店は昔っからあって、なんか美人の店員ばっかりいるって話くらいしか」
「へぇ、有名なのか?」
「有名っていうか……逆に、店員も客も女しかいなくて、男は入り辛いし下心ある奴も、…行くっつって、そのままいなくなったらしい、って噂くらい」
「君は行ったことないのか?」
「行ったことないっすね」
 取材した不良の大体が、上記のような話を語り、稀に絡んでくるガラの悪い――やんちゃな相手についてはさり気無く路地裏に誘って。
「下手に出てる内に話せばいい物を……。傭兵を舐めるな。ん?ルポライターじゃないのかって?そんな事はどうでもいい。知っている事を話せ、全部な」
 グルルル……と威嚇する虎のような威圧感を醸し出して、お灸を据える序でに情報収集を行ったのだが、目新しい情報を得られず。

 そこで調査対象を不良少女にしてみよう、と別の不良学生の集団に取材をかけるロウガ。
「喫茶『月下美人』?ああ、なんかヤバそうな噂多いね。行ったヤツが帰ってこなかった、って話多いし、不良だろうがフツーのヤツだろうが」
 リーダーらしき少女が、眉を顰めて応える。
「あの店、人がそこそこ入ってるけど満席にはならないらしいんだ。ただ、"お一人様ですか"って聞かれて、そうだって応えれば店内に通されて、二人以上だと席が用意できないだの言われて店に入れないんだって」
 変だろ?と言ってから、少女はさらに続けた。
「あとはさ、何でかあの店に行くと人が消えるらしくてさ。なんでかって……あの店から出てくる客、みたことないからってさ」
 噂だけど、と答えた少女にロウガは礼を言ってその場を離れる。
(それでも、ここまで噂になっていても……人は消えるのか)
 ロウガは溜息を吐きながら、情報を仲間たちに送ると、連絡のつく仲間と共に喫茶店への襲撃の準備へと取り掛かるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

藤堂・遼子
【WIZ】
生まれはお嬢様でも、今の私は不良みたいなものよ。
実際、誘拐されて達磨になって帰ってきてからは腫れ物のような扱いだし、家族の政治活動の邪魔にならなければいいと諦められて半分見捨てられてる状態だしね。
だから、何時も通りの格好(イラスト参照)で髪だけ染めて一人者の不良っぽく振る舞って囮になるわ。
実際に連れ去れてもいいわね、予知の内容的に持ち物検査はしてなさそうだし。連れ去られて猟兵用スマートフォンのGPSで場所を特定出来るでしょうし。
……でも、邪教徒に連れ攫われた結果こうなった私がわざとはいえ連れ攫われるとか皮肉ね。ついでに犠牲者の少女も、私もほんと少し運命がズレてたらそうなってたのよね。


久遠・翔
ふぅむ…攫うにしても人目がある場所は避けられるでしょうね。ならば人気のない公園とかで探すのがいいでしょうか…?

そんな公園を見つけたらその場所をぶらぶらしながら怪しい痕跡がないか探しますが…ふむ、周囲に男性の目がないのであれば…(物陰でこっそり晒外して本来の胸の状態にして服戻してから)

(ブランコに座りつつ)…なんか、俺男なのに男性からはこの胸を見ているし、逆に女性は睨んでくるし…はぁ、息苦しいっすね本当に…(なんか黄昏てしまう)

ん?こんな所に女性…?こっちに近づいてくる?(無自覚な魅了の影響)
それとなく話して事件に関係あるな、と思ったらついていき知らなそうであれば情報だけもらってここを後にします



「……はぁ、因果なモノよねぇ」
 普段着に、黒髪だけ染髪して明るめにした不良風の格好になった藤堂・遼子(f09822)は、何とも言えない様子で呟く。
 遼子は政治家一家の名家に生まれ育ったお嬢様だが、過去に邪教集団に誘拐されたことがあるのだ。
 誘拐から帰ってきた後も、家族には腫れモノ扱いされており、家族の政治活動の邪魔にならなければいいと諦められて半分見捨てられてる状態の遼子は、まさに不良のような心持ちでいるようなものだ、と自覚していた。

 他の猟兵たちの情報を確認しながら、何時しか遼子はひと気のない閑静な住宅街、そして被害者が行方不明になった公園に足を運んでいた。
 うろうろするのもなんだ、とベンチにどかっと腰かけると日が暮れて茜色と夜色が混ざり合う空を見上げて溜息を吐く。
「大丈夫だとは思うけれど……心配よね」
(……でも、邪教徒に連れ攫われた結果こうなった私がわざとはいえ連れ攫われるとか皮肉ね)
 すでに、事件の関係者と思われる邪教集団か、邪神の眷属かに攫われたらしい仲間を気にしながらも、自らも同じように孤独を演出し、敵を誘っていることを内心皮肉に思う遼子。
 更に、犠牲者の――今回攫われた少女たちも、自身も。
 ほんの少しでも運命がずれていたら同じ目に遭ったのだろうか――と、センチメンタルになりかけていたところで。
「……こんな時間に、そんな恰好で寒くない?」
 不意に人の気配を感じて、身構えながら、遼子は声を掛けてきた人物に不審そうな視線を向ける。
(……これが例の、喫茶店の店員、かしら?……実際に連れ去れてもいいわね、とは思ったけど)
 目の前に立つ、喫茶店の店員風の制服を着た女性を見ながら、やけにあっさりと釣れてしまった事実に。
(私って、なんかそういうの呼び寄せる体質か何かなのかしら……)
 そんな風に、内心訝りつつ、遼子は適当に応対して喫茶店に行く流れに持っていくと、支給された猟兵用のスマートフォンのGPSの動作を冷静に確認してから喫茶『月下美人』へと、女に連れられ消えて行った。


 そんな遼子が喫茶店へと誘われた数十分後。
 一見して中性な美少女に見える久遠・翔(f00042)が、普段着の男装をしたまま、胸元の辺りを抑えながらふらりと公園へ現れた。
(ふぅむ……攫うにしても、やはり人目がある場所は避けられるでしょうね。……ならば人気のない公園とかで痕跡なんかを探すのがいいでしょうか……?)
 まずは周囲を見渡してから、翔はベンチやブランコなどの人が座れる場所を中心に、なにか怪しい痕跡がないかと観察する。
 ――はぁ。
 そこで、きょろきょろと再度周りを見て、男性の目がないことを確認すると。
 ――ぷちん。
「ふぁ……ふぅ」
 コンクリートの壁に向かってから、胸の留め具を外し、潰していた本来の豊かな胸を開放する。
 そして衣服を整えてから、暫く周囲を探索した後にゆったりとブランコに腰掛けた。
「………なんか、俺男なのに男性からはこの胸を見ているし、逆に女性は睨んでくるし……はぁ、息苦しいっすね本当に……」
 翔は元々は男性だったのだが、色々あり女性になってしまった――という過去があるようで、黄昏時の物寂しい雰囲気に促されたかのように、ついつい黄昏てしまい、心の内を吐露してしまっていた。
 ――そして。
「……ん?……誰かこっちに近づいてくる?」
 無意識でユーベルコード『無自覚の魅了』を発動させて、自身から無自覚に周囲を誘惑し虜にさせてしまうその効果を発揮させていた。
 そんな翔に、誘われてしまったのだろうか、ブランコから見えていた喫茶店、その入り口から顔を出した女性が、そのまま真っ直ぐに翔へと向かってきたのだ。
「何すか?……うん?」
 訝っていると、他の猟兵からの連絡の通知に気付き、スマホを操作する。
「……」
 暫く情報に目を通し、スマホを仕舞ったところで近づいて来ていた女性に喫茶店に誘われる翔。
 翔に魅了されているのか、やたら優しく誘う女性に、愛想よく応対し、すぐに喫茶店に付いていく流れになったのだった。

 猟兵たちの情報――喫茶『月下美人』は邪教集団ないし邪神の眷属の支配下にある。店に入っても出る人はおらず、被害者は地下に連れて行かれている。奴らのアジトは地下にある――そう、まとめられていた。
 虎穴に入らずんば虎児を得ず――襲撃の手間は省けた、と気付かれないように戦う準備を整えながら、翔もまた喫茶店へと消えて行ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『搾取するモノ』

POW   :    搾取準備
自身の【性欲を搾取するという目的】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    捕食搾取
【大量の触手の群れ】が命中した対象に対し、高威力高命中の【大型丸呑み触手】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    捕縛搾取
小さな【穴から這い出た、対象を拘束する大量の触手】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【対象の理想の性的状況で、性欲を満たす事】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――ぴちゃん、――ぴちゃん。
 喫茶店の店員に誘われたまま消息を絶った猟兵たちは、地下牢のような場所にそれぞれ手かせ足かせで拘束されて捕らわれていた。
 だが、普通の人間であれば外せないであろうその拘束も、猟兵の力の前では紙のような脆さに等しく、すぐに破ることができるだろう。
 また、猟兵たちの装備はそのまま猟兵自身が所持したままであり、すぐにでも戦うことができるだろう。

「ふふ、目が覚めたみたいね」
 そんな捕らわれた猟兵たちの前に、殆ど衣服といえる布を纏わぬ美しい女たち――の姿をした邪神の眷属『搾取するもの』たちが現れた。
「さぁ……皆貴女達のこと歓迎しているの。孤独で寂しかったでしょう?――全部、気持ちいいことをして忘れて、私たちの仲間になってずっと楽しいことしましょうよ」
 或る者はふわふわのブロンドを掻き上げながら笑い、或る者は凛々しい黒髪を蠱惑的に靡かせて誘い――猟兵たちを誘惑する。

 同刻、喫茶『月下美人』を邪教集団・邪神の眷属のアジトであると突き止めていた猟兵たちは、店内の電気が消え店員の気配が消えたのを確認すると、その建物内へと忍び込む。
 バックヤードへと足を運び、厳重なロックの扉を解錠すれば、その先は真っ暗で湿った地下へと続く階段。
 ――恐らく、喫茶店やその近くの公園で被害者たちの意識を失わせた後、地下へと連れて行ったのだろうと推測しながら、慎重に猟兵たちは地下に進む。
 すると、まさに邪神の眷属が捕らわれた仲間を誘惑する声が聞こえる。
 まだ仲間たちは無事であり、敵はそこにいる――そう確信すると、猟兵たちはタイミングを図ってから邪神の眷属を殲滅せんと駆け出すのだった。
ベルカ・スノードロップ
「元々の眷属はともかく、快楽で洗脳された人は、それを上回る快楽を与る事で救える筈」
と信じ
「孤独感も解消してあげないとですが、これは【救助活動】です」

※アドリブや連携、大歓迎
背が低く、胸が小さい女性を好む
快楽主義は隠さず洗脳された少女を【言いくるめ】て【誘惑】する

妖艶な敵さんはUCロリ化させます
3番目の【】はUC以外でも可

女性にとって理想と言われるサイズより多少大きな男性の部位を除けば
服を脱いでも女性の容貌
精力は絶倫で量も無尽蔵

指や舌で丁寧にほぐして【串刺し】(意味深)
最中は責めながら【手をつなぐ】でラブ握り
抜かず中に【零距離射撃】(意味深)
身体も心も邪神よりも蕩けさせて満足させてあげます


霧沢・仁美
…うわぁ、すっごい大胆な格好のお姉さん達…
(同じ格好した自分を想像してどきどき)
…って、そうじゃない。やっつけないと!

攻撃には念動電光球を使用。
こっちに向かってくる敵の数に合わせて合体させた上で射出。

触手は頑張って回避するし抵抗もするけど、胸を触られると感じちゃって抵抗できなくなっちゃう。
そこに捕縛搾取が来たら…吸い込まれちゃうかも。

中はあたしの部屋で、知り合いの年下の男の子が甘えてくる…って状況。
…その子の男の子の部分を、胸や、お口や…最後にはあたしの女の子の部分で可愛がっちゃう。
一回じゃ満足できずに何回も…時々お尻まで使って。
出られるようになったらすぐ脱出するけど。




「――これは、貴女達への"救助活動"です」
 カツン――。
 冷たい足音を立てながら、捕えられた猟兵たちを取り囲む『搾取するモノ』たち、その背後からの奇襲に猟兵たちは成功する。
 奇襲してきた猟兵の内の一人、ベルカ・スノードロップ(f10622)は、自らこれから行う行為について"救助活動"だと断じる。
 そして、搾取するモノたちを一瞥すると、一人――背が低く、胸囲も控えめな愛らしい容姿をした者を選ぶと、人懐こそうに微笑みながら手招いて誘う。
 長身ながら女性のような風貌を持ち、且つ紳士的な物腰で、自ら快楽への欲を隠さず誘うベルカに、選ばれた女はくすくすと楽しそうに笑いながら近づく。
「もう少し、……ああ、この方が魅力的ですね」
 近づいてきた女を抱き寄せると、そんなことを呟きながらユーベルコード『享楽を求める"ようかん"の主』を発動させ――女の姿を、更に自分好みの幼い少女のように変化させる。
(元々の眷属はともかく、快楽で洗脳された人は、それを上回る快楽を与る事で救える筈……きっと)
 ベルカは下心でこのように見た目幼い少女と化した女を手籠めにしている状態になっているのではなく、内心は女たちを救おうと考えながらも。
「はぁっ……柔らかい……」
 その指や舌で、見た目相応に柔らかくなった肌や肉を舐り、しっとりと濡れた声で耳を楽しませる女の手に恋人つなぎのように手を絡めて、仮初めの愛を楽しむ。
 ――その愛にか、与えられる快楽にか。蕩けるような雌の顔で求める幼い少女を、其の体躯を壊してしまう様な得物で遠慮なく串刺しにする。
 全身を振るって、何度も。何度も。
 やがて少女が果てるのが先か、彼が尽きるのが先か。
 搾取するモノに直接、ユーベルコード製の大量の濃厚な白濁液を叩き込み――トドメを刺す。
「享楽や快楽を求めるというのであれば、与えてあげましょうか。その代わり……好きにさせてもらいますけどね?……えぇ、可愛がってあげます」


(……うわぁ、すっごい大胆な格好のお姉さん達)
 一緒に突入した霧沢・仁美(f02862)は、目の当たりにした搾取するモノたちの露出度の高い恰好に思わず自身がその恰好をしたら……と想像し、ドキリと鼓動を逸らせる。
「……って、そうじゃない。やっつけないと!」
 やがてハッ、と我に返るとユーベルコード『念動電光球』を発動させ、サイキックエナジーで生成したプラズマ球の炎を十数個自身の周りに浮かべると、いやらしく身体をくねらせながら近づいてくる搾取るモノたちへと放出する。
「よし、これならっ……」
「過激なお嬢さんね、……こっちで、イイ夢見ない?」
「え……?」
 仁美の電光球を避けて彼女に近づいてきたブロンドの髪を靡かせた美しい女――搾取するモノの一人が、細かい指ほどの太さの無数の触手を差し向け、攻撃動作を行ったばかりの仁美を細かい触手で撫でまわしていく。
「ひ、ぁっ……な、何コレ……っ」
 触手から逃れようともがくも、足元から這い上り、敏感な乳房を愛撫するように這い回る触手の感覚に、仁美は身体と、心の抵抗も奪われてしまう。
 その抵抗を失った仁美に、女はニヤリと微笑むと、そのまま仁美を彼女の理想とする性的状況を再現する世界へと吸い込んでしまう。
「あ……ここ、は」
 吸い込まれた先は、仁美自身の部屋の中だった。
 その場に一緒にいるのは、仁美の知る、年下の少年。
 彼は甘えるように仁美に抱き着いて、彼女を誘う。
 好意的に思っている彼に、仁美は欲望を抑え切れず――彼の唇、胸、そして大事な部分を丁寧に愛して、可愛がってゆく。
 そして最後は、仁美自身の大事な部分で彼を可愛がって――何度も、何度も、そしてついにはもう一つの彼女の秘密の部分を以て愛して――。
 何度可愛がっただろう、どのくらい経ったのだろう。
 彼女自身が満たされれば、搾取するモノの創り出した空間から、仁美は転がり出るように脱出する。
 心配する仲間に、平気だと応答しながら。
 ――その陰でひっそりと浮かべたその顔は、淫蕩に濡れた女の顔であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルナ・ステラ
人の不安や弱さに漬け込むなんて酷いです!
これ以上の被害は食い止めます!

猟兵さんたち、情報ありがとうございます!
遅くなりましたが、わたしもお手伝いさせていただきます。

危ない格好をした人(?)たちがいます!?
近づかれないように、遠距離攻撃しようと思います。
〔属性攻撃〕の氷魔法で凍らせちゃいます!

なんで脱ぎ始めたんですか!?余計寒くなっちゃうのに...
あれ?動きが早くなってる!?

わわっ!大量の触手を出してこっちに―!?
ひゃっ!もぞもぞしちゃ嫌です!
気持ちよくなんかないです!

(このままじゃ呑み込まれて...)
「ハガル」のルーンカードで触手を破壊します!
雹や霰が降ればもっと攻撃できるかもです...



「人の不安や弱さに漬け込むなんて酷いです!……これ以上の被害は、私が食い止めます!」
 勇ましくその姿を現したのはルナ・ステラ(f05304)。
 彼女は予め仲間と情報を共有し、戦う準備を整えてから参戦していた。
「……あっ、危ない格好をした人…?…たちがいます?!」
 そして、目の前に居る敵であろう下着姿の美しい女たち――搾取するモノたちの格好に、顔を赤くして驚きながら後ずさる。
 しかし、恥ずかしがってばかりではいけないと箒を握りしめると女たちへと向ける。
「ち、近づかないでっ!」
 杖を握りしめて集中すると、氷の属性魔法を展開し、搾取するモノから距離を取って攻撃するルナ。
 当たれば凍傷、其の身を凍らせるルナの攻撃に、熱い身体を持て余す女たちも思わずたじろぎ、迂闊に近づいては来れないようだ。
 思惑が上手くいった、と笑うルナに、しかして災難は訪れる。
 自らが責められないのなら――と、搾取するモノは大量の触手の群れをルナに嗾ける。
「わわっ!……大量の触手を出してこっちに―?!」
 大量の触手に驚き、攻撃の対象を触手に向けるも、多勢に無勢といった具合で大量の触手の波にその小柄な肢体は容易く捕まってしまう。
「ひゃっ……もぞもぞしちゃ嫌……ですっ?!……ぅあっ、やぁっ……」
「うふふ……どうかしらお嬢さん?とっても気持ち良いでしょう、私の触手……」
(気持ち良くなんか、ないです……!)
 触手が幼い肢体を這いまわる、人外から与えられる感触に、ルナは涙を浮かべて首をイヤイヤして、快楽だと認めないように抵抗する。
 そんなルナの動きを拘束した搾取するモノは、次は更に巨大な触手を呼び寄せ――彼女を飲み込もうと大口を開けた触手を差し向ける。
「……ひっ」
(このままじゃ、私、飲み込まれて……)
 大きく口を開けた触手の口の中。
 その中にも無数の繊毛のような触手が蠢いているのを見てしまい、――それは想像するだけでも脳から蕩けさせて人をダメにしてしまうような快感の腹の中だ――そう直感してしまって。
「……ッ、嫌……!」
 拒絶したルナは、胸元から「ハガル」のルーンが刻まれたマジックルーンカードを取り出し、その口の中へと投げ込む。
 その瞬間、巨大な触手もろともルナを拘束していた触手が体内から溢れる吹雪によってその身を爆ぜさせ霧散させていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

チコル・フワッフル
★他猟兵との共闘歓迎
一般人だけじゃなく、猟兵も攫われたと聞いて助太刀に来たよっ。
もう邪教集団の好きにはさせない!

【野生の感】【聞き耳】を活用しつつ、傷付いた仲間がいたら【シンフォニック・キュア】で歌って癒そう。
大丈夫!?しっかりしてっ!
動けない人は安全な場所まで運んであげる。
もし傷付いた人に追い討ちで敵が攻撃してきたら、私が身代わりになる!
し、触手なんて怖くないもん……!初めて遭遇するけど!

つるつるしてるし、攻撃もそんなに痛くないんじゃ……って、きゃあ!?
な、何これ!変なとこ触らないでぇっ!
初めてのことだらけで、くらくらする……。
でも……ま、負けるわけには、いかない!!



ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎

いい趣味をしているが……俺の好みには合わないな
搾り滓にされるのは御免被る、あと触手はなあ……

誘惑されたならこう応えよう
「悪いな、ここは濡れ場じゃない」
「ここは今から……戦場(いくさば)だ」

儀式を止めるには倒すしかないとすると
眷属と化した女達は救えないのか。
魔狼縛縄でUCを封じるとして……
救えぬならば片付ける……「方」を付ける!!


攻撃スキルは全て使用
連携有りなら援護射撃や武器落しで他メンバーをフォロー
掃討完了したら邪神降臨に備える


人の心を踏みにじるやり方は気に入らねえし気に食わねえ
生贄にされた連中も、眷属にされた女たちも報われねえ
神だろうと許せねえ……絶対に、な。



「一般人だけじゃなく、猟兵も攫われたと聞いて助太刀に来たよっ。もう邪教集団の好きにはさせない!」
 元気よく搾取するモノたちの前に飛び出たのはチコル・フワッフル(f09826)だ。
 彼女もアジトへ突入する際から作戦に参加した猟兵だ。
「おう、助かるぜチコル。……さて、いい趣味をしているが……俺の好みには合わないな。それに……搾り滓にされるのは御免被る、あと触手はなぁ」
 元気なチコルとは対照的に、クールにその場に姿を見せたのはロウガ・イスルギ(f00846)だった。
 言葉の最後が妙に苦笑気味になってしまったのは、先に突撃した仲間と搾取するモノとの戦いを見てしまったためか。
 そんな様子のロウガを、それでも搾取するモノたち――様々な容姿をしながらも、全員が揃って整った美しい、または可愛らしい女性の姿をした邪神の眷属は、彼を誘う。
 魅力的な誘い――それは並みの男であれば理性を投げ捨て放蕩に浸るだろう誘惑だったが、果たして、ロウガは。
「悪いな、ここは濡れ場じゃない。……ここは今から……戦場(いくさば)だ」
 冷たい声色のままそう告げると、無情にもアサルトウェポンとグレイプニルを携える手に力を込める。
「――『グレイプニル』の名が伊達か、その身で確かめるがいい」
 搾取するモノが手を出す前に、とユーベルコード『魔狼縛縄』を発動させると、手にしたグレイプニルによる捕縛拘束、そしてアサルトウェポンによる麻痺、そして鎧を無視する鋭い攻撃を見目麗しい女たちへと容赦なく放つ。
 放たれたワイヤー、そして銃器の攻撃から逃れようと、女たちは踊る様に艶めかしく肢体を動かすが、容赦のないその攻撃は搾取するモノの、仲間や自分へ対する攻撃の手を封じる。
 ――……ア、ア――……
「……ッチ、締まらねえな」
 痛みを、ダメージを与えても尚、艶めいた声を上げる女に、顔を顰めるロウガ。
(人の心を踏みにじるやり方は気に入らねえし気に食わねえ……)
 攻撃の手を封じられても、性的にロウガを誘う女の眉間に、銃口を突き付ける。
(生贄にされた連中も、眷属にされた女たちも報われねえ)
 その冷たいトリガーに指を掛ける。
(……神だろうと許せねえ……絶対に、な)
 ――タァン……。
 一つの銃声が、戦闘の喧騒の中でもなお、彼の耳の奥に反響を残していった。
 
「みんなーっ、大丈夫ー?しっかりしてねっ」
 チコルは捕えられていた仲間や、交戦中の仲間に向けてユーベルコード『シンフォニック・キュア』の歌声を奏でた。
 仲間を想うチコルの歌声に共感した猟兵たちは、負ったダメージを回復させると更に苛烈に戦う。
 だが途中、戦闘不能になった仲間を安全な場所へと運搬していると、背後から搾取するモノが嗾けた触手に不意を突かれる。
「ふぁんっ?!……しょ、触手なんて怖くないもんっ!」
(初めて遭遇するけど、大丈夫……だもん!)
「っ、ひゃんっ、……ふぁ、あ……何、これ?!……ぁっ、変なとこ、さらわっ……ァ、ないでぇっ……!」
(触手って、つるつるして、痛くない、けど……触られてると、頭くらくらしてきて……でも)
 初めて遭遇する触手の感触に翻弄され、次第に蕩けた表情へ変化していくチコルの痴態を、間近でニヤニヤと眺める美しい女。
「ふふ。素直じゃないのは貴女の口だけみたい。身体はこんなに素直なのに……」
 煽る様に敏感になったチコルの肌を撫でながら、捕食者のような笑みを浮かべる搾取するモノ。
「ひぅっ、……ま、負けるわけには、いかない、……!」
 与えられる快感に、それでも理性を保ちながら女を睨みつけるチコル。
 そして、救いは来る。
「……随分好き勝手やってくれるな」
 ロウガが、女の真後ろに立っていた。
 続いて、連続で銃声が鳴り響いたと同時に、チコルの拘束は解かれてその身は開放される。
「あ、ありがとう……」
(あ、危なかった……)
 顔を真っ赤にしたまま、チコルは服の乱れを整えつつ彼に礼を言う。
「ああ……とりあえず、少し休め」
 ロウガは紳士的に、そんなあられもない姿をした彼女の方に視線を向けないまま再び敵へ向かって駆けて行ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミーナ・アングリフ
…鼠さんに先行して地下に向かって貰い、地下の様子や捕まってる人の場所などを偵察して来て貰う…。
後はその情報を元に地下に乗り込んで、身の丈以上もある鉄塊剣を振り回して扉とか粉砕してドーン、と…。

姿からは想像できない程の怪力で鉄塊剣を振り回して触手の群れを機械的になぎ払いながら進むが、いつしか触手に周囲を囲まれて捕えられたり…。

幼いながらも奴隷だった頃の経験でそういう経験も数多くさせられ、刺激や快楽に敏感な為、触手や女性達からの快楽に耐えられず流されそうに…。
それでもなんとか耐えて自分の手を剣で切って【ブレイズフレイム】を発動…。周囲の触手を全て焼き払って脱出…。


アドリブや他の人との絡み歓迎


サフィ・ヴェルク
【アドリブ・連携OK】

寂しさを紛らわしたいという気持ちは僕達も理解しています、が…
まさかここまで生々しいとは思いませんでしたよ正直恐怖が湧いてきますし…軽口叩いてる場合でもありませんねコレ!?

戦闘【WIZ】
【使用UC】で寄ってくる触手だのは凍らせます
厭らしいことはいけないと思います、ええ。全力で抵抗します
正直怖いというか寄らないでいただきたいすみませんごめんなさい(早口

敵は集団なので所持品の暗器の拘束具で【敵を盾にする】ことも利用していきましょう
眷属と言えど女性なので鎖だの盾だの気が憚れますが
それに肌色だの触手だのばかりで見てるこちらが恥ずかしい…いや、ほんと見てしまってごめんなさい(目逸らし



 熱気の篭る地下の空間。
 その中で、姉のような美しい女たちや触手に責め立てられ、今にも意識を蕩けさせてしまいそうになっていたのはミーナ・アングリフ(f14513)だった。
(ああ……この感じ……懐かしい、な……)

 その小柄な体躯に見合わない巨大な鉄塊剣を振り回しながら、搾取するモノや、触手の攻撃を打ち払い、破壊的に攻撃を続けていた彼女。
 その姿からは想像できない怪力で、力任せに近づく敵を機械的な動作で薙ぎ払いながら蹴散らしていっていたのだが、戦線を離れ突き進んでしまった結果――敵の集団に囲まれてしまったのだった。
 抗うミーナに絡みつく無数の触手、そして柔らかく優しい女たちの肢体。
(きもち、いい……)
 幼いミーナは、過去奴隷であった頃を思い出させるような快感をもたらす刺激や、心を溶かすような快楽に、耐えきれず流されそうになり、その手にした鉄塊剣も落としそうになって。
(……でも、あの頃の私と、今の私は、違う……!)
 ぎゅっ、と鉄塊剣の柄を握り直すと、自身の腕に傷をつけ、ユーベルコード『ブレイズフレイム』を発動させ、周囲を取り囲む触手も、搾取するモノたちも、纏めて地獄の炎で焼き尽くしてゆく。
 紅蓮の炎の中、焼かれながらも苦しみの声よりはむしろ――悦楽の悲鳴が、聞こえて。
 ミーナは無言で、まだ息のある女へと鉄塊剣を振るったのだった。


「寂しさを紛らわしたいという気持ちは僕達も理解しています、が……まさかここまで生々しいとは思いませんでしたよ正直恐怖が湧いてきますし……軽口叩いてる場合でもありませんねコレ!?」
 ミーナが紅蓮の炎を纏う数分前。
 鉄塊剣で敵を薙ぎ払いながら進むミーナの後ろを守りながらサフィ・ヴェルク(f14072)は頭を抱えながら早口でまくしたてた。
 錯乱しているように見えるが、近づく触手には冷静にユーベルコード『アイシクルバーグ・ゼロ』を発動させ、敵に向けた両掌から冷気と氷塊を放って凍結させることでその動きを封じて進軍を食い止める。
「厭らしいことはいけないと思います、ええ。全力で抵抗します。正直怖いというか寄らないでいただきたいすみませんごめんなさい」
 冷気と氷塊を放ちながらも、器用にも依然早口でまくしたてるサフィに、搾取するモノも触手も、その進軍を妨げられながらも、着実に彼らへとその魔の手を伸ばしていく。
 そして、サフィに好色的な視線を向けていた搾取するモノのうち一人が、彼に抱き着こうと襲い掛かってくる。
「うわっ、っと」
 驚きつつも一旦躱すと、サフィは袖内から暗器を取り出すと素早く搾取するモノを拘束して、向かってくる触手の盾にするように向ける。
(眷属と言えど女性なので鎖だの盾だの気が憚れますが……)
 触手や、搾取するモノたちが向けてくる攻撃を、拘束した搾取するモノを盾にして防ぎながら、密着してしまっている為か感じられる女性らしい柔らかさや甘い匂いに、思わず顔を赤くさせて眼を逸らしてしまうサフィ。
(それに肌色だの触手だのばかりで見てるこちらが恥ずかしい……いや、ほんと見てしまってごめんなさい)
 内心悶々とするサフィだったが、自身に伸ばされる無数の触手を視認すると、盾にしていた搾取するモノを、思わず押し出して触手の群れへと投げ入れて。
「あっ」
 気付いた時には、敵ながら触手の群れに呑みこまれて快楽地獄を味わっているかのような嬌声を耳にしてしまい。
「……ごめんなさいごめんなさい」
 つい、なんとなく謝ってしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ピコ・イカヴァルコ
ここ、ね
容赦は、しない

リザレクト・オブリビオン使用
「御出でませ、御出でませ」
ハンドベルを鳴らして、音色で召喚した者を、操る
命令は2つ

・死霊騎士は、拘束された仲間を、助けて
・死霊蛇竜は、ピコを害する者から、守って
ひとまず、これで様子見

ん、敵がこっちに…
…? 蛇竜が、守って、くれない?
敵なのに、害意がない、ということ…?

ピコは、子どもだから、相手しないと思ってたのに…
「命令を、変更…とにかく、ピコを守…あ、や、どこ触って……っ」
傷を受けなければ、死霊は、消えない、けど
刺激が強くて、鐘が、鳴らせない…

「どうしよう…ピコは、ピコだけ、では…あ…んん…」
死霊様に、見られて、弄ばれて…ピコは……もう…

❤◎



「ここ、ね……容赦は、しない」
 奇襲する猟兵たちに混じって搾取するモノたちを攻撃する猟兵の一人、ピコ・イカヴァルコ(f14475)は、戦闘態勢を整えるとすぐさまユーベルコード『リザレクト・オブリビオン』を発動させる。
「……御出でませ、御出でませ」
 ピコは優雅な仕草で取り出したハンドベルを鳴らし、その音色で死霊騎士と死霊蛇竜を召喚し、それらに命じ、操る。
 死霊騎士には、拘束された仲間を、助けることを。
 死霊蛇竜には、自分を害する者から、守るようにと。
(ひとまず、これで様子見……)

 召喚された死霊騎士も、死霊蛇竜も、ピコの命令に従う。
 触手に拘束された仲間を死霊騎士がその剣を勇猛に振るって拘束を断ち切る。
 だが、物々しい死霊の召喚にも物怖じすることなくピコに向かってくる女、搾取するモノが居る。
 ピコは死霊蛇竜の後ろに後ずさる。
 ――。
 だが、死霊蛇竜は動かず、主を見守るのみ。
「……?」
(敵がこっちにくるのに、蛇竜が、守って、くれない?)
「ふふ、歓迎してくれるのかしら……お嬢さん」
「なに、を……」
 女がピコの至近距離に至っても、死霊蛇竜は無反応のままで、流石にピコも内心焦り出す。
(敵なのに、害意がない、ということ……?)
「ふふ、力を抜いて……可愛い子」
「ピ、ピコは、子どもだから、相手にしないと思ってた……」
 やがて、ピコの幼い身体は柔らかで甘い香りのする女体に包まれ――抱きしめられていた。
 その感触と衝撃に、思わず足の力だ抜けて尻もちをつくピコだったが、それは意図せず搾取するモノに押し倒されたような姿勢になってしまって。
「あら、待ちきれないの?わざわざ押し倒されてくれるなんて」
「待って、ちが、命令を、変更……とにかく、ピコを守…あ、や、どこ触って……っ」
「ふふ、こんなに小さい女の子でも、ココは立派に女なのね……可愛い、……ちゅっ」
「やっ……はぁっ、そんな、ところ、触っては、……ぁんっ、ダメ……っ」
 術者が傷を受けない限り死霊騎士も死霊蛇竜も消えることはない。
 新たに命令を上書きしようとしても、搾取するモノの与える的確な快感に、ピコは幼い肢体を戦慄かせて快楽に身を焦がしてしまい、合図のハンドベルを持つことさえできなくなっていた。
「ふふ、頭の中、ふわふわしてくるでしょう?……そのまま、気持ちいいことに身を任せて……」
「どうしよう……ピコは、ピコだけ、では……あ……んん……」
(死霊様に、見られて、弄ばれて……ピコは……もう……)
 搾取するモノの巧みな快楽を与える愛撫に、そして黙ったまま召喚した死霊に見られている状況に、ピコは羞恥と、望まずとも与えられ続ける身に余る快感に、身も心も蕩かせていってしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

星群・ヒカル
あの娘は組織に貰った写真の娘じゃないか?
だが星の目が告げている、あの娘の心は『上書き』されてしまったのだと
……クソ、何回こういうこと繰り返せば良いんだよ!?

「第六感・逃げ足・早業・手を繋ぐ」で
素早く触手の攻撃を回避後、敵の背後に回り込み羽交い締め
密着すればデカい触手の攻撃は敵も巻き込むから、攻撃を封じられるか?
残りの触手のちょっかいは我慢しつつ、超宇宙番長の広い心で受け止めたいとこだ

寒かったな、寂しかったな
誰も自分を目に止めない世界ほど辛いものはねぇよ
だから次生まれたときは、おれの舎弟になりに来いッ
一生楽しく暮らさせてやるよ!

敵と目を合わせたら
「超宇宙・真眼光波動」で敵を殲滅するぜッ



★>❤️



(あの娘は組織に貰った写真の娘じゃないか?)
 奇襲を仕掛けた猟兵の内の一人、星群・ヒカル(f01648)は、戦場と化した地下の空間の中、そして並んだ搾取するモノたちの中から――資料としてUDC組織から預かっていた写真で見た覚えのある女を発見していた。
 だが、彼は苦々しく顔を歪める。
 彼の星の目が告げているのだ。
 あの娘の心は既に、邪神によって『上書き』されてしまった、まったくの別人に成り果てた邪神の眷属であるということを。
「……クソ、何回こういうこと繰り返せば良いんだよ!?」
 慟哭するように言い放ちながら、ヒカルはその鋭い感と俊足で伸ばされる触手を躱しながら、触手を操る搾取するモノの背後へと回り込む。
 ――写真で見た、娘と同じ姿をした『搾取するモノ』の背後に。
「あら、お兄さん……私をご指名?」
「……」
 窮地に陥っているのは明白ながらも、邪神の眷属の特性故か、目の前の男を誘惑するように、その淫らな肢体をくねらせてヒカルの身体に甘え、擦り付けるようにする女を、ヒカルは無言で抱きしめる。
 顔を伏せたまま、その動きを封じながらの熱烈な抱擁を受け、女は感極まったように喘ぐが、ヒカルは動じないまま、ただポツリ、と言葉を漏らした。
「寒かったな、寂しかったな」
 それは彼女の孤独を思って。
「誰も自分を目に止めない世界ほど辛いものはねぇよ」
 誰にも見て貰えない、自分はどこに居るのか、あやふやな存在への不安。
「だから次生まれたときは、おれの舎弟になりに来いッ……一生楽しく暮らさせてやるよ!」
 そしてヒカルは顔を上げ、女の顔を見つめる。
 眩しい程にまっすぐで、真摯な笑顔を目の当たりにして、女は目を見開く。
 そして、ヒカルの言葉と重なる視線がキーとなり、ヒカルのユーベルコード『超宇宙・真眼光波動』が発動する。
 星写す魔眼から、一瞬で強力な魔力光波動を放ち、抱いた女を含め周囲にいる触手の群れに無差別に波動を放つ。
 ヒカルの腕に抱かれながら、一瞬で高威力の波動に焼かれ崩れていく女は、その最期に、彼の耳元で囁き――塵と成った。
 ――ありがとう、と。
「……ああ」
 塵になったそれに、相槌打つように呟いてから、ヒカルは次の敵を殲滅せんと銀の瞳を煌かせながら暗闇に目を向けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

スフィーエ・シエルフィート
やっぱりこれか
予想はしてたけど酷い
邪神じゃなけりゃ最高なのだがね

さて多勢に無勢
ここは観念して自分から服を脱いで下着だけになろう
相手が相手、性的な自殺行為…だと思ったかい?
女の恥じらいだとか、色々振り切って背水の陣
ヤケクソの英雄譚に憧れた少女『逆転』だ!

最初にナイフを足で拾い上げてそれで鈴蘭の嵐を使って牽制
そして増大した力で空中戦を挑むように、跳躍し頭上から攻撃だ
精霊銃で範囲攻撃、早業、クイックドロウの熱くて冷たい弾丸を!何度も!ブチ込むっ!
並の銃じゃダメにするフィンガーテクを見せてあげよう

接近してきたら敢て抱き寄せて熱烈な口づけでも交わしてみよう
下腹に熱いマグナム(精霊銃)をご馳走してやるがね



「やっぱりこれか……予想はしてたけど酷い」
 目覚めと同時に鼻腔を犯す地下特有の篭もった空気、そして噎せ返るような性の匂い。
 そして手首、足首に感じる冷たく硬い違和感に、スフィーエ・シエルフィート(f08782)は溜息混じりに呟く。
「全く……邪神じゃなけりゃ最高なのだがね」
 彼女達――搾取するモノたちが邪神の眷属でないのならば、まさに酒池肉林やハーレムと例えるべき状況といえた。
 カシャン、と手枷を揺すり耐久力を確かめていると、ふわふわした亜麻色の髪を靡かせ可愛らしい雰囲気を纏う女がスフィーエに近付き、しなだれかかる。
「なん、……ふ、……んっ……」
「ふふ、初めに見た時から、欲しかったの……貴女が」
 スフィーエの首筋を、頬に柔らかな唇をなぞらせながら、彼女を戒める足枷を、手枷を外しながら、誘うように見つめてくる女に、スフィーエは応じるように微笑んでみせる。
 やがて枷から放たれたスフィーエは、自ら。
 丁寧な――ともすれば焦らす様な所作で、纏う衣服を脱ぎ去ってゆき、やがて質の良い下着のみで、着痩せしていた豊満な乳房を晒し、整った女性らしい姿を晒すと、搾取するモノたちは誘われるようにスフィーエに殺到する。
 そんなスフィーエに、心配そうな眼差しを向ける仲間に、彼女は僅かに視線を送り不敵に笑ってみせる。

 スフィーエに伸ばされる、白い女の腕、そして触手。
 彼女はそのまま絡みつかれ、抱かれ弄ばれるのか――果たして、その予測は裏切られた。
 伸ばされた腕を、逆に掴み取りそのまま女を投げ飛ばし、まさに絡みつかんとする触手を、足元に落とした衣服の中に忍ばせた大型ナイフ、トリプルスター・エクスターで薙ぎ払い、またその剣圧で周囲を囲む敵を切り刻んでいく。
 彼女のユーベルコード『英雄譚に憧れた少女『逆転』』……スフィーエ自身が敢えて不利な行動をすることにより、彼女の身体能力は著しく上昇させていたのだ。
「相手が相手、性的な自殺行為……だと思ったかい?」
 なんて、仲間を振り返りクスリと笑ってみせてから、スフィーエはその強化された身体能力をフルに使い、壁を蹴って跳躍し空中に身を踊らせる。
「……並の銃じゃダメにするフィンガーテクを見せてあげよう」
 甘い囁きは、搾取するモノたちを魅了するように。
 しかし、彼女が両手に構える精霊銃、焼く尽くすほどに愛すモノは凍てつく氷河と灼熱の炎獄を放ち、それは的確に、西武のガンマンの如くの早撃ちで次々と彼女を取り囲む女を、触手を破壊していく。

 空中での華麗な舞を終え、スフィーエが着地と同時にその弾道を回避していた女に絡みつかれてしまえば。
「……っ、んぅ……はっ……」
「あっ……ふふっ、んん、……ちゅ」
 スフィーエはその女を抱き、情熱的に唇を奪う。
 積極的なスフィーエに、女も応じるように彼女の素肌を撫で、その背中、太腿を撫で、やがて指先が熱を持つそこへ伸ばされ――代わりに、女は硬くて熱い彼女の得物を、腹に感じた。
「……物語は、最後までどういう結末を迎えるか――わからないから、面白い」
 灼熱を撃ち出す精霊銃が、女の腹に充てられていた。
「……っっ、ん、あ、はぁぁっ」
 放たれた熱は、炎は。
 その銃口から狂いなく女を喰らい、果てさせた。

「ヤケクソでも、楽しめる"逆転"劇だったろう?」
 始終を見ていた仲間の視線に、スフィーエは背を向けたまま笑うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

有澤・頼
(これが攫われた女性の成れの果てか…助けてやりたかったけど…)
「ごめんね、私はあなたたちの仲間になるのは断らさせてもらうよ。」

せめて、彼女たちが苦しまないように手短にやらせてもらうよ。敵に近づき「剣刃一閃」で攻撃するよ。急所に向かってスパッとね。彼女たちの攻撃は色んな意味で危険なので「残像」で避けていくよ。

「人をやめて気持ちいいことをずっとしていても本当に孤独感はなくせることはできるのかい?」
正解はないんだろうけどね。でも、これだけは言えるよ。君たちの弱みを利用した邪神が1番悪いってことが。だから、今は安らかにおやすみなさい。

アドリブ歓迎


弥久・銀花
気絶させて、枷で拘束して地下牢っぽい所に監禁した女の子を前に言う台詞がそれですか。

紛うことなき犯罪者、いえオブリビオンですね。


あ、誘拐犯に聞きますが、誘拐する時に防犯カメラに映ってたりとか目撃者とか居ませんよね?
それとここに前に誘拐した人達は居ますか?


……、それだけ聞ければ十分です、後の供述は閻魔様にでもして下さい。
鋭刃線閃!!





(アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーンや大きな負傷など歓迎です。)



(これが攫われた女性の成れの果てか……助けてやりたかったけど……)
 手枷、そして足枷を力づくで破壊し、拘束から逃れると有澤・頼(f02198)は搾取するモノたちに、悲痛そうな顔を浮かべて向かい合った。
「ごめんね、私はあなたたちの仲間になるのは断らさせてもらうよ」
 友斬と呼ばれる呪われた黒剣、そしてサムライブレイドを手中に呼び出し、その柄を両手で強く握り締めると、そう静かに囁くように拒絶の言葉を吐き出してから――彼女は、残像さえ見える程の俊足で近くにいた搾取するモノに近付くと、鋭く煌めく二枚の刃でその首と胴を別れさせる。

 その背後で、弥久・銀花(f00983)もまた、その怪力で紙細工よりも脆い――とでも言いたげに強固な枷を容易く破壊し、立ち上がった。
「……気絶させて、枷で拘束して地下牢っぽい所に監禁した女の子を前に言う台詞がそれですか」
 呆れたようで、怒りを孕んだ言葉で。
 搾取するモノが猟兵たちに告げた言葉――歓迎する、孤独を忘れさせる……などの甘言に対し、非難する。
「紛うことなき犯罪者、いえオブリビオンですね」
 赤色の隻眼を真っ直ぐに搾取するモノたちに向けながら、戒めの長手袋に包まれた両手をギュウ、と握り締めてから、刀の鞘でもあり杖でもある封刃の鞘杖、そしてその鞘に納まる美しい刀である白嵐玉椿を喚ぶ。
 そして瞬きの間に、まさに触手を喚ぼうと手をかざした搾取するモノを腕を、胴ごと袈裟に切り裂き、先制の一撃を与える。
 赤く染った刃を振るい、その血を払いながら彼女は触手を召喚して物量で押そうと試みる搾取するモノたちに、ゆっくりと近付きながら、問うた。
「……ああ、誘拐犯に聞きますが。……誘拐する時に、防犯カメラに映ってたりとか……目撃者とか居ませんよね?」
 間合いに伸ばされる悍ましい触手の群れを、過ぎた瞬間に居合いで切り落とし、美しい断面を生みながら、銀花は淡々と問い掛ける。
 切られても、退けられても、搾取するモノたちは触手を喚ぶ、そして理想的な性欲を満たせる楽園へと誘おうと、絶えず銀花を誘惑する。
 甘言を向けながら、銀花の問い掛けには……『そんなこと、気にしてはいない』とだけ、くすくすと笑いながら答える。
 そんな様子の女たちに、粛々と刀を振りながら進む銀花は、突然立ち止まると。
「そうですか。……それと。……ここに前に誘拐した人達は居ますか?」
 搾取するモノたちが間合いに入る地点で、動かず触手を処理しながら、再び尋ねる。
「……ふふ、女の子は……私たちがそうよ?……男の子は……うふふ、神様の捧げものになったの。羨ましいわ、あの方の一部になれたのだもの」
 くすくす、と笑いながら、恍惚の表情で女は答える。
 その言葉を、答えを聞いた銀花は、一瞬息を止めて。
「……、それだけ聞ければ十分です、後の供述は閻魔様にでもして下さい」
 静かに告げると、隻眼を見開いて一気に踏み込む。
「――鋭刃線閃!!」
 その研ぎ澄まされた究極の一閃は、間合いに合った搾取するモノたち、触手の群れを巻き込んで一刀両断し、絶命させたのだった。

 だが一閃の後、前方に向けていた意識の外で。
 銀花の周りを取り囲んだ触手の群れが、その放った後の隙を見逃さず襲い掛かる。
「ぐ……っ、う、離せ……っ」
 その触手は銀花の身体に軍服の上から絡みつくと、そのまま快楽を与えるように這い回りながら衣服を破って肌を舐めようと絡みつく。

 ……だが、彼女の近くには、もう二刀が在った。
「銀花さん、大丈夫?」
 頼が、移動しながら搾取するモノを襲撃しながら銀花の不利に気づき、残像残す俊足で接近し、その拘束する触手を器用にバラバラに切り裂いていく。
「ああ、助かった」
 破れた軍服を整えながら礼を言う銀花に、大丈夫そうかなと笑うと、再び頼は駆け出す。

「人をやめて、気持ちいいことをずっとしていても……本当に孤独感はなくせることはできるのかい?」
 向かい合った、触手の群れに守られた搾取するモノ――もとは孤独の人間であっただろう女に、頼は問い掛ける。
 ……きっと、正解なんてないんだろうけどね。
 これには最適解はあっても、ただ一つの正しい答えなんて存在しないだろう。
「不安がないし、みんなが……仲間がいるし、あの方が、神様がいらっしゃるんだもの!こんなに幸せなのに、孤独なんて考えられないわ?」
 あはは、と愉快げに笑う女に、スッと目を伏せてから、再び真っ直ぐな眼差しをむける。
 それがこの女の結果であり答えか。
 ……でも。
「……これだけは、言えるよ」
 頼は、二本の刃を女に向けて構える。
「君たちの弱みを利用した邪神が1番悪いってことが」
 そして一歩、二歩と、自分と搾取するモノの間合いを交差させるように近付いて。
 ――剣刃一閃。
 それは、女にとってあまりにも一瞬で、起きたことすら認識しないまま永遠に目覚めぬ眠りに落ちたことだろう。
 二本の美しい刀の交差する、刹那の慈しみで、女の生は人間の生と邪神の眷属の生、どちらも終焉を迎えたのだ。
「だから、……今は、安らかにおやすみなさい」
 頼は女の亡骸に振り向かないまま、剣筋の残像を残す刀を手に、再び駆け出したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
瑠璃「寝てる間にこんなトコに連れて来ておいて…仲間になれって言う方が無理だよね。そもそも、こんなにたくさんの人達を集めて何しようとしてるの?」

とりあえず、相手の情報や洗脳の手の内を知る為に、あえて拘束を解かないまま待機。暫くはされるがままに弄ばれておく。

状況が拙くなったり、これ以上情報を得られる状況じゃなくなったら、【ダブル】で緋瑪が出現して拘束解除。
【範囲攻撃、早業、2回攻撃】接触式ジェノサイドボム(以下ボム)召喚された触手や敵を一掃。近距離では毒ダガーやK100による【クイックドロウ】で素早く片づけていく。

緋瑪「緋瑪、大丈夫?」
瑠璃「ちょっと…堕ちそうだったかも…」

※アドリブ歓迎



「……寝てる間にこんなトコに連れて来ておいて……仲間になれって言う方が無理だよね」
 カシャン、と意識させるように枷をつなぐ鎖を鳴らしながら、ため息混じりに声を上げたのは四季乃・瑠璃(f09675)だった。
「……そもそも、こんなにたくさんの人達を集めて何しようとしてるの?」
 瑠璃は、枷を鳴らしながら問い掛ける。
 それは、搾取するモノたちにはか弱き獲物の精一杯の抵抗のようにも見えたのだろう。
 数人の搾取するモノたちが、くすくすと笑いながら瑠璃の傍に寄り、その身体を撫でていく。
「っ、や……!」
「決まっているじゃない、寂しそうな、孤独な人がいたら。可愛そうだと思って、幸せにさせてあげたいって思ったの」
 ――私たち、みんな。そう、思っているわ?
 瑠璃の問い掛けの内容自体が可笑しい、とでも言う様に当然極まりないという態度で答えながら、一人は瑠璃の衣服を焦らすように丁寧に脱がせて、一人は瑠璃の露出していく柔肌をしっとりと指先で撫でて、女らしい曲線に指を沈めながら形を確かめるように撫でていって。
「っ、くすぐっ、た……っ、……やめ、て……っ」
「ふふ、強がり。……息が上がってるし、顔も真っ赤で、その目……私たちを誘っているみたい」
 ふふ、と耳元で甘く優しく囁きながら……一人は、生み出した小さな触手を瑠璃に這わせ、楽園へと導いていく。
「……っ、や、だ、……って、言ってるでしょう!」
 ――これ以上の問い掛けは無駄か。
 そう確信すると同時に、瑠璃はユーベルコード『オルタナティブ・ダブル』でもう一人の自身を召喚し、別人格である『緋瑪』の人格を宿した分身は、瑠璃の枷を手足同時に破ると、張り付いた搾取するモノたちを振り払って瑠璃を解放し、その側に立つ。
 そして二人同時にジェノサイド・ボムを構えると、接触式にした爆弾をばら撒き、触手ごと搾取するモノたちを爆破させていき、打ち損じはダガーとUDC-K100カスタムの二刀流で切り払って周囲に迫っていた敵を斥けていく。
「……っ、はぁ……」
「……ちょっと、瑠璃。大丈夫?」
「……ちょっと、堕ちかけたかも……」
 先程の、拘束されながらの愛撫を思い出して、顔を赤くしながら苦笑する瑠璃に、心配そうに声をかけつつ、分身体に宿る緋瑪は未だ瑠璃たちを性的に狙う搾取するモノと触手を見据える
「じゃあ、仕返しは倍返しね」
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
な、なんて格好しているんっすか!?服着てくださいっす!
女の人が男の俺にそんな姿見せちゃダメっす!

彼女達が来たら拘束を解き自分の上着脱いで
こ、これ着てください…見れないんでと初心な反応を見せ、勝手に無自覚の魅了発動

そして散々弄られながらも説得(ただし色々されながら)
な、なんで邪神の信徒になんかなっちゃったんっすか…今なら戻れます。だからお願いです目を覚ましてください…俺は、貴方達を傷つけたくない
孤独が嫌なら俺が一緒にいてあげるっす…だからお願いっす邪神の一信徒じゃなくて貴女の名前を教えてください…貴女と言う存在の証を

教えてもらえたら泣き笑いしながら俺の名前を告げ、友達になってくださいと言います



「な、なんて格好しているんっすか!?服着てくださいっす!女の人が男の俺にそんな姿見せちゃダメっす!」
 目覚めたばかりの久遠・翔(f00042)は、目の前に広がり肌色――もとい、露出の激しい下着姿の女たち――搾取するモノたちを目の当たりにすると、枷を外すのも忘れて酷く狼狽した姿で叫んだ。
 だが、自分は男だ――と言うには説得力に欠ける女性らしい膨らみを見ている搾取するモノたちは、ささやかな抵抗か、はたまたそういう子なのかと納得して彼女に近づいていく。
 過去、元々は男性だったが呪いで女性の姿にされたと語る翔の、今は豊満で女性らしい肉付きをした情欲を誘う肢体に、搾取するモノたち、そして翔の足元から召喚された触手の群れが、抵抗のない翔の身体に伸ばされていく。
「うぁっ、あ、……だ、ダメっす!」
 間近にある肌色に、驚いて思わず手枷を破壊する翔に、逆に驚かされたのは搾取するモノたちだった。
 このまま戦わざるを得ないのか――と、寂しそうな顔を浮かべる搾取するモノの一人、彼女に一番近いものに、翔は自ら上着を脱いで羽織らせた。
「こ、これ着てください……見れないんで」
 と、無意識にユーベルコード『無自覚の魅了』を発動させながら、さながらウブな男子のような愛らしい態度で目を伏せる翔に、その搾取するモノも、周りの搾取するモノたちも――翔の身体に殺到した。

「ひゃあっ……あ、っ……ダメ、っす……そんなとこ、触っちゃ……」
「……いいじゃない、早く貴女と仲良くなりたいの……たくさん気持ちよくなりましょう?」
 翔は、服を脱がされ、あられもない姿を晒しながら搾取するモノたち、そして触手の群れにその女体を撫で責められながらも、小気を保っていた。
「な、なんで邪神の、信徒になんか……あっ、……なっちゃったんっすか……今なら、ふぁ、……戻れます……っ、あ」
 翔は女たちの指先に、唇に、ぬくもりに。
 そして触手が生み出す未知の快楽に翻弄されながらも、説得を試みる。
「だから……お願いです、目を覚まして、……ふ、……っ、ください…俺は、貴方達を、傷つけたく……ないっ」
 快楽ゆえか、それとも自身の言葉が女たちに届かぬ悔しさゆえか。
 翔は黒い瞳に涙を溜めながら、甘く鳴き声を漏らしてしまいながらも、なお説得を辞めない。
「孤独が嫌なら、……んぁっ!……俺が、一緒にいてあげるっす……、っ、だからお願いっす……、ふぁんっ!……邪神の、一信徒じゃなく、て」
 触手は、人よりも邪神の性質に近しい悍ましいそれは。
 翔の、女たちに語りかける口を塞ぐように、翔の敏感な部分を探り出し、責め立てて意識を乱す。
 それでも、翔は。
「貴女の、名前……教えてください……っ、貴女と言う存在の証を」
 名を、尋ねた。
 人としての、女の名前を。
 目の前で、翔の上着を羽織ったまま彼女の肢体を愛している搾取するモノに。
「……もう、わからないの」
「……そう、っすか……」
 けれど、得られたのは悲しい答え。
 邪神に孤独を救われ――否、孤独以上の快楽と幸福感で悲しみを上書きされた代償は、人としての終わり。
「……俺は。貴女と、貴女たちと、友達になりたかった」
 解ってしまったら、救う為には――
 翔は、涙を、泣き顔を隠すように俯きながら、両手に武器を喚びだし、その柄を固く握り締めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藤堂・遼子
あぁ、これは私とは似て非なるものね。
私の場合は散々陵辱されて眷属孕ませたり邪神の依り代にする為の供物として調教されていた訳だし。まぁあと少し救出が遅かったら実際に苗床か依り代になってたでしょうね、あの時には心身共に既にほぼほぼ堕ちていたし。
だから、まぁあるいはあり得たかもしれない私の未来の一つの貴女達は、せめて人の姿のまま此処で終わらせてあげるわ。

拘束を外して大鎌を手に取る間に触手に拘束されて丸呑みされて嬲られながら【落とし子誕生】で触手産み落として対抗ね。
さぁ、これが貴女達とは別の可能性の具現よ。私を拉致監禁してた奴らから得た背淫手稿、殆ど私の調教記録だけど、その狂気の魔力よ!



♀♀
♂♀



(あぁ、これは私とは似て非なるものね)
 仲間たちを誘惑し、言葉を交わす搾取するモノたちを見ながら、藤堂・遼子(f09822)は漠然とそう感じていた。
(だって……私の場合は、散々陵辱されて眷属孕ませたり、邪神の依り代にする為の供物として調教されていた訳だし)
 手足を拘束されたまま、忌む過去を思い出してしまいながら、自身の腹部に視線を落とす。
 遼子はあと一足救出されるのが遅ければ――完全に手遅れの、邪神の苗床か依り代となっていただろう、心身共に人外の快楽に堕とされきっていた自身を思い、自嘲気味に笑う。
 そして、抵抗のない遼子に無警戒に近づき、自分たちの仲間へと堕とすために、あるいは自らの欲を満たすために、彼女の身体を淫らな手つきで愛撫する搾取するモノに、過去の自身を映すように瞳をむける。
「……後悔はないの?」
 ――邪神の眷属で居続けることに。
 遼子の、静かな問いかけに、搾取するモノは首を傾げてから、くすくすと笑う。
「……どうして?私はこんなにも救われて、幸せなの。寧ろ、どうしてもっと早くにあの方や彼女たちに出会えなかったのかと思っているくらいだわ」
 その答えに、残念ね、と……女の末路を想い、呟く遼子。
「だから、……まぁあるいは、あり得たかもしれない、私の未来の一つの貴女達は、……せめて人の姿のまま此処で終わらせてあげるわ」
 静かな言葉で囁いて、遼子は一気に手枷と足枷を一緒に破り、そのまま絡み付いていた搾取するモノを跳ね飛ばす。

 両手両足の自由を得ると、得物の大鎌を喚ぶ遼子。
 だが、ひと足早く搾取するモノが喚んだ触手が、一際大きな触手が、彼女の背後から音もなく忍び寄り、大鎌ごと彼女を飲み込み。
 快楽の煉獄へと誘おうと咀嚼を始める――その時。
 巨大触手の腹から、遼子の呻き声が漏れた。
「……あっ、あんっ……いあ!いあ!……う、産まれる……いぐぅ!あ、ああぁぁああああぁぁぁ!」
 ユーベルコード『落とし子誕生』が発動され、遼子から、邪神の疑似眷属を模した触手が産み落とされる。
 そしてその触手は、飲み込んでいる巨大触手の腹をはち切れさせるほどに増殖し、やがてその中心から破り、外界へと生まれ落ちる、と同時に遼子も巨大触手から脱出する。

 遼子から産み落とされた疑似眷属の触手たちは、搾取するモノたちを、そして搾取するモノが喚んだ触手へと絡み付き、与えられる快楽を反射させるように、逆流させるように与え返しながら、にゅるり、うぞり、不気味に蠢き、敵を襲う。
「はぁ……はぁ、……さぁ、これが。……貴女達とは別の可能性の具現よ」
 お腹を抑えながら、遼子は搾取するモノたちへと声をむける。
「私を、……はぁっ、……拉致監禁してた奴らから得た背淫手稿、……殆ど私の、調教記録だけど、……その狂気の魔力よ!」
 それは、遼子自身のトラウマを再現するかのような悪夢の、背徳的な快楽の儀式の成果のような。
「……もう、聞こえないかしら」
 逆流する快楽に身体も、心も崩落させていくように意味のある言葉を無くし、喘ぐばかりの搾取するモノたちに、遼子は物思うような虚ろな瞳を向けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファン・ティンタン
【POW】塵芥に同じ

あなた達…理性を捨てて、人間辞めたの? 
以前、人の形を捨てた人達に会った事がある
スライムだったけれど…まだ、彼らの方が人間っぽかったよ

言葉を話していても、伝わらないんじゃ、獣の鳴き声と大差ない
私、無駄な事は好きじゃないんだ
だから―――退いてよ

眷属は容赦無く斬る
“こんな奴等”に技なんて、勿体無い
快楽の“か”も考える暇を与えぬ【早業】で【天華】をただ横薙ぐ【剣刃一閃】
無感動に、歩み問う
…否、宣言する

今、一時の快楽から、目の前に突きつける死で、醒ましてあげる


一応、予知の被害女性を探す
可能なら【嘘針誕懐】でその生を問う
結末は、彼女次第

ここは、あなたのいるべき場所じゃない、そうだね?



「あなた達……理性を捨てて、人間辞めたの?」
 ――ガシャン!
 力任せに白く細い手首を、足首を戒めていた枷を破壊するとファン・ティンタン(f07547)は近付いてきていた元は人間の娘であった邪神の眷属、搾取するモノたちに問い掛けた。
「理性を捨てたんじゃないわ。私たちは孤独な自分を捨てただけ。至って冷静だわ?」
 くすくすと笑いながら答えてきた搾取するモノに、ファンは冷めた眼差しを向けたまま、妖刀をその手中、周囲に喚び出し携える。
「……以前」
 チャキ、と刀を鳴らしながら、ファンはジリジリと搾取するモノたち、そして触手の群れとの距離を縮めるべく足を踏み出す。
「人の形を捨てた人達に、会った事がある。……スライムだったけれど……まだ、彼らの方が人間っぽかったよ」
 そう語り出し、孤独を捨てたと嘯く女たちに徐々に近づきながら。
 それ以下であり、既に人間であることを捨てていることさえ気づいていないような――自覚したくないような。
 ファンの指摘に、笑って見せているだけの空虚な女に、ファンは溜息を漏らすことなく、意味を持つ音を、声を吐き出す。
「……言葉を話していても、伝わらないんじゃ、……獣の鳴き声と大差ない」
 ならば会話はもう不要。
 ――理性無くして、自分を考える思考を放棄した獣たちよ。
 ファンは、明確に殺意を向けながら刃を女たちに向ける。
「私、無駄な事は好きじゃないんだ。だから――退いてよ」
 私の、……私たちの目の前から。

 ファンの妖刀は、一点の曇無く。
 彼女に伸ばされる触手を、そしてその腕に抱きすくめて快楽に堕とそうとする搾取するモノたちを、分割する。
「……“こんな奴等”に技なんて」
 ――勿体ない。
 それは憐れみさえない、慈悲なき冷たい宣告。
 快楽の『か』の字さえ生まれいずる前に首と胴を分割し、触手は蠢きを許さぬなます切りにして。
 天華――ヤドリガミであるファンの原点。
 ファンの祈りと詩を重ねた白の一振りは、彼女の手の中で煌めいて、ただ横薙ぎに『剣刃一閃』で美しく線を描き、白銀の刃は弧に踊り、彼女に納まって数瞬。
 搾取するモノは、触手は、綺麗な断面を増やした。
 だが、その鮮やかな剣戟の果てを見ても無感動のまま、ファンは女たちに宣告する。
「今、一時の快楽から、……目の前に突きつける死で、醒ましてあげる」
 ゾクリと背筋が粟立つほどの美しい混じり気のない殺意に、搾取するモノたちはむしろ歓喜する。
 だが、変わらずファンの一振りは美しい断面に変わる敵に冷たい視線を向けるのみで。
「……あ」
 そんなファンの刃が止まったのは、ファンが得た行方不明になったと聞いた娘によく似た搾取するモノを目に止めたから。
 つかつかとその女に近づくと、ファンは同じように問う。
 「……理性を捨て、人間を辞めたままで、いいの?」
 ――本当は。今はどうしたいの、……と。
「ここは、あなたのいるべき場所じゃない、そうだね?」
「……」
 周囲に寄る眷属を切り払いながら、その女に向ける声にだけは、ファンの優しさがあった。
 でも。
「……それでも、私を受け入れてくれた」
 ――皆、私の仲間なの。
「……そう」
 ファンは目を閉じる。
 孤独を救ったのは、孤独を知る彼女たちだった。
 それが邪神のための上辺だけの嘘の優しさだったとしても、それでも、自分を救った彼女たちを裏切って自分だけが人として救われるなんて、できない――と。
 義理堅いのか、愚かなのか。
「……」
 ファンは、女の選んだ結末を理解してから――その痛みさえ感じるまもなく意識を刈りとる一閃で、女の全てを終わらせたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『悪の女幹部』

POW   :    今週の巨大化獣
【今週の巨大化獣 】の霊を召喚する。これは【パンチ】や【キック】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    戦闘員召喚
レベル×5体の、小型の戦闘用【悪の組織員 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    悪の女幹部のおしおき
【剣 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蓮賀・蓮也です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ああ……私の可愛い部下達に、酷いことしてくれるじゃない?」
 八割ほどの眷属を斥けた猟兵たちの目の前に、『悪の女幹部』がその姿を現した。
 搾取するモノたちは、全員悪の女幹部の部下となることで邪神の眷属となり、彼女たちを快感で洗脳して操り、得た快楽を捧げさせていたのだ。
「ああ、こんなに殺しちゃって……可愛くて一人でいる子を集めるのも大変なのよ?」
 転がる骸を、黒いブーツのヒールで転がしながら、溜息混じりに猟兵を非難すると、そのムチの先を向ける。
「ちょうどエネルギー有り余ってる上玉みたいだし、このまま貴方達のエネルギーを頂きましょう」
 それで許してあげる――ぺろり、と艶然とした仕草で舌舐めずりして、悪の女幹部と、残った部下達――邪神の眷属らが、猟兵たちに襲い掛かる!
ベルカ・スノードロップ
(救えませんでしたか……)
本気で救えると考えていたため
救えなかった事への落胆
逝った娘への鎮魂

そして――

※アドリブ、絡み、連係など大歓迎
ボスや残りの眷属を一瞥
「ミーナさん、ピコさん、銀花さんをお相手に出来るなら歓迎しますが……貴女方にはそそられるものは無いですね」
先の戦闘を受けての本音ですが
主目的は挑発

そのまま続けて、笑顔で
「特に貴女。全っ然、イケてないです」
と女幹部を指さして、それがトリガー
無詠唱で【全力魔法】のUC発動
激しく燃える焔を纏った紅蓮の槍を展開
焔の強さは顔には出ていない、内心ぐつぐつな怒りに比例
「消し炭すら残さないほど、燃やしてあげます」
無論【串刺し】です

敵の攻撃は【見切り】で回避


弥久・銀花
つまり、ここで屍になってる人達も元は一般人。 つまりは被害者だったと言う訳ですか。

ご本人達は満足して死んだのかもしれませんが、彼女達の幸せを願う人達も居た筈です。

その人達の想いの為。
そして、生贄にされた男の人達の恨みつらみの為、邪神の御許ではなく地獄に送ってあげます。


【WIZ】


刀で接近戦を挑みます、スキルの【先制攻撃】と【見切り】と【怪力】で一気に決めて倒すつもりです。

もしも致命傷を喰らうとしたら、即死でさえなければユーベルコードの不死身の人狼を使って、死に至る前に治します。

使ってる内は動けないので最低でも相打ちか誰かに守って貰ってないと使えませんけどね。





(アドリブ、負傷、など歓迎です。)


ミーナ・アングリフ
【怪力】で鉄塊剣を振り回し、剣から炎【属性攻撃】を噴出させ、【鎧砕き】で敵の防御ごと粉砕する様に叩きつけて攻撃…。
巨大化獣に思いっきり鉄塊剣を叩きつけたり、薙ぎ払って排除し、女幹部目掛けて突き進む…。
敵の攻撃は【第六感】で感知して【武器受け】で防御…。
相手から傷を受けたら、油断した瞬間を狙い【ブレイズフレイム】を発動…。傷口からカウンターで炎を噴出し、相手を焼き尽くすよ…。

「痛いのは慣れてる…傷も、いつものコトだから…」

「ん…何?あなた達、離して…」
そして、こっそり忍び寄ってた戦闘員や残ってた部下に抑え込まれ、色々と弄られたり

※奴隷・道具として扱われ、痛みには慣れてる。逆に快楽には弱い。






(救えませんでしたか……)
 ――救えると。
 ……僅かな可能性だったとしても、本気で彼女たちを救えると信じていたのに――。
 ベルカ・スノードロップ(f10622)は、内心を悔しさと救えなかった落胆で満たしながらも、真っ直ぐと琥珀色の眼差しで『悪の女幹部』を、そして搾取するモノたち、触手の群れと順に射抜いていく。
 そして視線を再び『悪の女幹部』に戻すと、ベルカは、はぁ……と重く溜息を吐いた。
「ミーナさん、銀花さんをお相手に出来るなら歓迎しますが……貴女方にはそそられるものは無いですね」
「えっ」
「えっ」
 ベルカから漏れた自分の名前に、近くにいたミーナ・アングリフ(f14513)は不思議そうに首を傾げながら、弥久・銀花(f00983)はビクリ、と尻尾を逆立てながらベルカの方を見た。
 しかし、そんな二人の様子、そして二人と同じように「えっ」という顔をしている、言われた悪の女幹部や搾取するモノたちも気にせずベルカは言葉を続ける。
「特に、貴女」
 悪の女幹部を指差しながら、にっこりと笑って。
「……全っ然、イケてないです」
「はぁ?」
 ぴき、と眉を動かしながら声を上げる悪の女幹部に構わず、その言葉を言い放つのと同時に、ベルカの全身から全力魔法の気配が滲み、放たれるはユーベルコード『紅蓮を纏う真紅の槍』。
 100を超える、激しく燃え盛る焔を纏った紅蓮の槍が、ベルカの周囲に召喚される。
 触れずとも、その灼熱の熱気を敵も味方も隔てなく感じるが、その熱さは――ベルカの、柔和な微笑みの中に秘された轟々と煮えたぎるマグマの様な怒りを表すようで。
「……消し炭すら残さないほど、燃やしてあげます」
 怒りを押し殺した、静かな声で告げるベルカに、背筋を粟立てた悪の女幹部が、部下を嗾けるが――その単調な攻撃筋はベルカの見切りによって全て躱され。
 ――唯一。
「あああアア……!!!」
 ベルカが指差したままの悪の女幹部に向けて、紅蓮の槍が、その身体を串刺しに貫かんと殺到するのだった。

「……」
 先ほどのベルカの発言から、若干固まっていたミーナも銀花も、戦闘の火蓋が落とされたと同時に正気を取り戻す。
 紅蓮の槍を躱しつつも、その槍の切っ先に肌を裂かれ、身体の一部を貫かれ、その身を焦がしながらも堂々とした立ち姿のまま目の前に居る悪の女幹部に、猟兵たちは警戒しながら武器を構える。

 銀花はコホン、と一つ咳払いしてから。
「……ここで屍になってる人達も元は一般人、――つまりは被害者だったと言う訳ですか」
 燃えた衣服や肌を整えながら刀に手を掛ける悪の女幹部を赤の隻眼で見遣りながら、静かに呟く。
「ええ、そうね……皆只の人間たちよ」
「……ご本人達は満足して死んだのかもしれませんが、彼女達の幸せを願う人達も居た筈です」
「そうなの?……ふふ、もしこの子達にそんな人たちがいたのなら――私の部下にはなっていなかったと思うけれど」
 銀花の言葉に、くすくすと嘲笑するように応える悪の女幹部。
 ぎり、と唇を噛み締める銀花だったが――彼女は、見た。
 搾取するモノ――女たちの幾人かは、銀花の言葉に、反応を示したことを。
「――その人達の想いの為。そして、生贄にされた男の人達の恨みつらみの為、……邪神の御許ではなく地獄に送ってあげます」
 参ります――静かに告げて、腰に下げた封刃の鞘杖から銀花の守り刀、白嵐玉椿を抜くと先制を獲る。
 その素早さに細腕に秘された怪力、敵の急所を見切る眼力を最大限発揮させた銀花の一閃は、ユーベルコードを封じる悪の女幹部の剣を弾き飛ばし、その腕ごと喰らうように断つ。
 だが――。
「威勢がいいのは結構だけど……ふふっ」
「……っ、ぐあああっ!?」
 腕を刈り取った安堵か、悪の女幹部を注視しすぎたためか、銀花は背後の気配に気付けず。
 大小入り混じった触手の群れに、その小柄な体躯を背後から飲み込む様に包み込まれ、続く戦闘の傷口をえぐられ、疫痛と未知の快楽にその身体を苛まれ、蝕まれていく。
「ぐ、……っ、ぅう……」
 痛みと快楽の不協和音の様な刺激に、徐々に意識を奪われていくのを感じながらも彼女は、先程女たちの一瞬見せた眼――後悔したような悲しい瞳――が、忘れられなくて。
「……、どんな攻撃にも負けません。 さあ、掛かって来なさい!!」
(……痛くても気合で痩せ我慢!)
 銀花は、ユーベルコード『不死身の人狼』を、吼えるような言葉と共に発動させる。
 その身体を超再生状態にし、あらゆる攻撃に対し無敵と称されるほどただちに回復を示すそのユーベルコード。
 だが、それは彼女の動きを代償とした回復能力。
 攻撃も防御もできない――けれど、彼女は一人ではない。

「……大丈夫、私もいるから」
 ――ドォォン!
 ミーナが、地面に向かって鉄塊剣を叩き付け、その剣圧と破壊された地――石の欠片を飛ばし、銀花を蝕む触手を幾何か剥がしていく。
 その怪力で、体躯よりも大きく思えるほど重厚な鉄塊剣を軽々と持ち上げながら、チャキ、と悪の女幹部にその切っ先を向ける。
「へぇ、選手交代かしら?……それなら、来なさい、今週の巨大化獣♪」
 そう言ってミーナに差し向けたのは、身長の二倍程ある巨大な蛸。
 悍ましい触手をうねらせながらミーナへと近づく巨大化獣に、真正面から対応すると、ミーナは思いきり鉄塊剣を叩きつけるように上から下へと斬り付けた。
 スッパリとぬめった触手を斬られながらも、巨大化獣はミーナへとどんどん距離を詰め、近づき、想像できないほどの速さで触手を振り回し、パシィィン!と鞭で打つようにミーナの幼い身体を打ち付ける。
「――っ、く、……痛いのは慣れてる……傷も、いつものコトだから……」
 触手に打たれ、掠って出来た傷口から炎を噴出させると、ユーベルコード『ブレイズフレイム』で紅蓮に燃え盛る地獄の炎で反撃と言わんばかりにその足も身も炙ってしまおうと嗾ける。
 だが、流石はタコ――海洋生物と言うべきか、若干焼きダコのような美味しそうな香りを漂わせつつもそのぬるぬるとした乾燥防止の粘膜で薄皮一枚料理にされるのを防いでしまう。
 そして、燃やされた怒りのままにミーナをその足――吸盤の付いた触手で、幼い肢体を舐めまわすように弄り、吸い付いていく。
「あっ、やっ……そんなとこ、ろ、吸わないで……っ?!」
 ぬるりとした吸盤付きの触手に身体を弄られ、ビクビクと肢体を震わせながら、徐々に身体の力を奪われていくミーナ。
 そこに、更に悪いコトは重なる。
「ん……え、……何?……あなた達、離して……んやぁっ!」
 触手に絡め取られてしまったミーナに煽られたのか、搾取するモノたちや触手の群れまでも、ミーナへと群がっていく。
 痛覚には慣れていても、奴隷としての過去の経験から快感には弱い身体は、たちまち力を封じられ、手にした鉄塊剣も地面に落して、快楽の波へと身を投じてしまう。
「あらあらぁ、威勢が良かったけれど……こうして快楽に素直な姿は可愛いわねぇ?」
 部下にしちゃおうかしら――と、遠巻きで眺める悪の女幹部の声さえ、ミーナの耳を通しても意味のある言葉として認識できないほど意識が混濁し始めた――その時だった。
 ミーナを取り巻く搾取するモノたちと、巨大タコの触手ごと、一筋の曇りない一閃が断ち切ったのだ。
「……もう、大丈夫ですよ」
 回復に専念していた銀花が、その身体の負傷を完全回復させ、美しい刀を携えてミーナの傍にいた。
 ミーナは、火照る身体を叱咤させて落とした鉄塊剣を硬く握り直すと、衣服の乱れもそこそこに整えながら銀花に背を預けるように立ち上がり。
「では、ここから」
「うん、お返しの時間」
 阿吽の呼吸――といえるような言葉のやりとりの後、それぞれの刃を以て。
 周囲を取り囲む悍ましき触手を、淫靡に襲い掛かる搾取するモノたちを、切り払っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

有澤・頼
「人の弱みに付け込んでおいて何を言っているんだ?お前は。」
手加減は無用だよ!

敵の攻撃には「見切り」「残像」で避けるよ。女幹部には「フェイント」をしかけてぶっすりと刀を刺そう。ぐりぐりと「傷口をえぐる」よ。敵が悲鳴をあげてもやめないよ。そして、「剣刃一閃」でスパッと斬らせてもらうよ。

「痛いか?だけど、お前が部下にした人たちの痛みはこれ以上のものなんだよ!」
私は許さないよ。お前たちのしたことを絶対に。



「……人の弱みに付け込んでおいて、何を言っているんだ?――お前は」
 静かな声量なれど、その響きは重く。
 有澤・頼(f02198)は、抑えても抑えきれぬ憤怒の感情を、両手に携えた呪われし剣――友斬とサムライブレイドを握る手に込めて。
 ――手加減無用。
 緑眼が煌き、真っ直ぐに敵を見据えると、頼は駆け出す。
 それを合図に、悪の女幹部を守るように搾取するモノたちが立ち塞がり、一斉に触手の群れを呼び出すが、頼は疾走の加速を止めぬまま敵の巣窟へと飛び込む。
「あらぁ、自分から入ってくるなんて……好きねぇ」
 自ら触手の群れへと入り込んだ頼へ、好色そうに笑った悪の女幹部の顔が、数秒後――スッと止む。
「……戦うのは、好きだけど?」
 冷たい声が、触手の群れと搾取するモノたちの中心部から聞こえると同時に、肉を断つ音と吹き上がる血飛沫が彼女の頬を染める。
 頼は触手や搾取するモノたちの動きを見切り、残像生まれるほどの速さで全て回避しながら奥へと進み、狙う悪の女幹部の首への邪魔を二振りの刀で慈悲無く切り払う。
「なっ……あああああ?!」
 口を噤みながら更に駆け、悪の女幹部との距離を詰めると、振り下ろされる剣をフェイントで避け、更に間合いを詰め――剣刃一閃。
 悪の女幹部が庇うように伸ばした腕を断ち切り、更に刃を進める。
「ぐぅぅっ……貴様……っ!」
「痛いか?」
 頼の刃は、紅蓮の槍に貫かれて焦げていた傷に刺さっていた。
 更に、頼は悪の女幹部の傷口をえぐるようにぐるぐると刃を手首で返していたのだ。
「……お前が部下にした人たちの痛みは……これ以上のものなんだよ!」
 ぐりっ!と、えぐるような返し刃の痛みに、悪の女幹部が甲高い悲鳴を上げても、頼の表情は変わらない。
 変わらぬ冷たい声、憤怒に燃えた瞳で睨みつけながら、頼は囁くように告げる。
「私は許さないよ。……お前たちのしたことを絶対に」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎

ボスのお出ましか。素敵な女だ、反吐が出るほどにな。

眷属は無視、ボスのみに攻撃集中
ボスを倒せば或いは眷属を元に戻せるかも……可能性は低いが
懸けてみる
駄目だったら……始末は付けよう……。

ボスの攻撃を敢えて受ける
救えなかった者達への贖罪と鎮魂のため涙の代わりに血を流そう
まあセンチメンタリズムだけでなく瀕死になるっていう
狙いもあるんだが、な
瀕死になったら【戦場の亡霊】発動させて貰おう
犠牲になった者達を呼び出し復讐させてやろうじゃないか

俺は言ったぞ、『ここは戦場だ』と!!
一匹狼『達』の魂が……貴様を討つ群れとなり牙となる!!

人の心を弄び命を踏み躙るのは楽しかったか?じゃあさよならだ!


チコル・フワッフル
★他猟兵との絡み歓迎!

うぅ……た、大変な目に遭った……。でも、遂にボスの登場だね。
貴女の目論見は、ここで終わらせるんだからっ!

この状況で薄着になるのはちょっと怖いけど、そうは言ってられない!
キャミソールと短パン姿になり【ダッシュ】【ジャンプ】で駆け回りながら、女幹部以外の敵を【シーブズ・ギャンビット】で倒していくよ。
もう、戻れない子達が多いんだね……。それならせめて、苦しまないように。
遠くの敵にはダガーを【投擲】して攻撃!

もし囲まれて攻撃されたら、どうしよう……ま、また変なことされちゃう!?
あっ、そこはやだぁ!な、何で皆、変なとこ触るのっ!?誰か、助けてーーっ!!(尻尾でガードを試みつつ)




星群・ヒカル
てめーにとって、その娘達はその程度の存在なのか
銀河レベルに広い心の持ち主のおれを、ここまでキレさせるとは中々だぜ

邪神を目の前にして星の目が疼く
眼前に眷属の壁……娘達はいい、あいつを殺せさえすれば!

新UC『超宇宙・武勇星舞台』
足元の影が、星空を写したように変化し、シルエットも大人のそれに
……おれの怒りにガントバスが呼応したっていうのか?

『ロープワーク・第六感・逃げ足・地形の利用・早業』
部屋内を娘達や触手を踏み越えて、時には牽引ワイヤーも利用し
ボスとの距離を飛ぶように詰め、顔面に渾身の拳を叩き込む
殴れるだけ追撃を繰り返すぞ

自分が自分じゃないみたいで少し怖い
だがきっとこれでいい、今はそう思うぜ






「……お前がボスか。……なるほど、素敵な女だ」
 切断された腕を掴み、雑に縫合する悪の女幹部の前に、男が立つと、そう言葉を向けた。
 へぇ、と掌を握ったり開いたりしながら品定めするように悪の女幹部は男を見つめる。
「ええ、そうね……ふふ、イイ男もいるじゃない。……どう?私のペットにならない?」
 ――はっ。
 悪の女幹部の誘いに、鼻で笑いながらロウガ・イスルギ(f00846)は口の端を釣り上げる。
「……反吐が出る」
 そう吐き捨てるや否や、悪の女幹部だけを見据えて駆け出す。
(ボスを倒せば或いは眷属を元に戻せるかも……可能性は低いが、懸けてみる価値はある)
 ――だが、もしそうはならなかったら……。
 低い可能性に賭けたい、望みを持つ思考と、最悪の結末を思考がロウガの中でせめぎ合う。
(駄目だったら……始末は付けよう……)
 そんな思考が、張りつめたロウガの表情に浮かび上がる。
 だが、並走するように駆けるもう一人の男、星群・ヒカル(f01648)が、その表情から察したのか、走りながら声を掛ける。
「まだ終わっちゃいないんだ……やれるだけ、全部やっちまおうぜ」
「……ああ、そうだな!」
 ヒカルの言葉に、ニッと笑ってロウガは頷く。
「……っふー、てめーにとって、その娘達はその程度の存在なのかよ!」
 そして、今度はヒカルが悪の女幹部へと叫ぶ。
「この娘達は可愛い可愛い私の部下、それでは不満なのかしら?」
「……ッチ、銀河レベルに広い心の持ち主のおれを、ここまでキレさせるとは中々だぜ」
 おちょくってんのか、と内心唾を吐きながら、先程自身が手に掛けた娘の最期を思う。
 ――下衆な邪神を目の前にして、ヒカルの星の目がズクズクと疼く。
(眼前に眷属の壁……娘達はいい、あいつを殺せさえすれば!)
 目の前に立ちふさがる搾取するモノたちと触手の群れ――だが、ヒカルの狙いもロウガと同じ、諸悪の根源である悪の女幹部ただ一人!
 並走する二人の男たちの先――自身を守る部下たちの後ろで踏ん反り返りながら貫かれ、斬り裂かれた身体を簡単に治癒させながら笑う悪の女幹部は、高みの見物を決め込む様な姿勢のまま。
 ロウガとヒカルは、立ち塞がる女や触手に、やむを得ずそのグレイプニルやブラフマーストラを、超宇宙牽引ワイヤーを向けようとした――その時だった。

「――二人ともっ!女の子と触手は私に任せてっ!」
 ダッシュ&ジャンプで軽快にその身を宙に躍らせ、キャミソールと短パン姿で二人の頭を飛び越えて降りてきたのはチコル・フワッフル(f09826)だ。
 自慢の兎の耳と狐の尻尾を揺らしながら、ユーベルコード『シーブズ・ギャンビット』を発動させた身軽な姿でダガーを構えて二人に笑う。
 ――ここは任せて、アイツを。
 視線を交わして、三人はチコルを先頭に再び駆け出す。
(もう、戻れない子達が多いんだね……それならせめて、苦しまないように……)
 目の前に搾取するモノが現れれば、思わずダガーの切っ先が鈍り、複数人を巻き込んで蹴り飛ばしてしまいながら、触手の群れには容赦なくダガーによる素早い一撃で根元から刈り取ってしまう。
「私が相手だよ!」
 高らかに、挑発するように宣言し、搾取するモノと触手の群れを牽制するチコルの横を、ロウガとヒカルがすり抜けていく。

「何っ……?!」
 部下で作らせた壁を越えて自分に向かってくる二人の男に、ようやく悪の女幹部は剣を取って警戒を示した。
「姿を見せろ、ガントバス!」
 ユーベルコードを発動させようと、ヒカルは望遠鏡ガントバスを呼ぶ。
 すると、ヒカルの頭上から望遠鏡ガントバスはその姿を照らし、足元へ戦士の影を創り出す。
 それはいつもの影のはずだった――だが、ヒカルの足元の影が、星空を写したように変化し、シルエットも大人のそれに成る。
(……おれの怒りにガントバスが呼応したっていうのか?)
 ユーベルコードの変化に、ヒカルは拳を固く握りしめ――『超宇宙・武勇星舞台』を発動させる!
 足元にガントバスが想像した戦士の影を召喚させたヒカルは、その影に操らせることによって自身の戦闘力を向上させながら。
「ふふふ、ここから先の超宇宙番長は、一味違うぜぇーッ!」
 数人、ヒカルの行く手を阻む搾取するモノを、触手の群れを踏み越え、ワイヤーを利用し壁を蹴り、跳び。
 そのままの勢いを殺さぬまま悪の女幹部目掛けて飛び掛かり、その顔面に渾身の拳を叩き込む。
「っ……ぐぅぅぅぅ!!」
 速さ×体重×力。
 悪の女幹部は、殴られた衝撃でそのまま奥の壁へと頭から叩きつけられ、昏倒しかける。
 だが、気を失うことなど許されない。
 直ぐに追いついたヒカルが、更に顔面を狙って追撃し、殴る。殴る。殴る。
「ぐぅっ!……がぁっ、……」
(自分が自分じゃないみたいで少し怖い……だが、きっとこれでいい、今はそう思うぜ)
 昂揚する気持ちのまま、追撃を続けるヒカルだったが、そのままマウントを取らせたままの悪の女幹部ではなく。
 夢中になって拳を振るうヒカルの隙をついて剣を斬り付け、その力を封じる。
 だが、悪の女幹部を狙う者はもう一人いたのだ。
 ロウガが、蹴り飛ばされたヒカルの後ろから飛び越えて悪の女幹部の前へと躍り出て、ブラフマーストラを至近距離から撃ちこもうとする。
 だが、一方的に殴られ怒り心頭な女幹部が目の前に一気に複数体の戦闘員を召喚すると、その物量でロウガの攻撃を防ぎ、背後から追いすがる部下たちと合わせて挟み撃ちにしてしまう。
「げほっ、……はぁ、アンタたち、このまま死ぬほど弱らせてから生け贄にしてやるから!」
「ぐ……っ」
 背後から触手の群れ、そして搾取するモノから絡みつかれ、痛みよりも耐え難い快楽による暴力がロウガを襲う。
(……救えなかった者達への贖罪と鎮魂のため涙の代わりに血を流そう)
 ぎり、と歯を食いしばって快感に耐えながら、自身の限界まで、その責め苦に耐える。
「我慢強いじゃない?エネルギーが有り余ってるのかしら?……早く味見したいわねぇ」
 自身をゆっくりと治癒させながらロウガが瀕死になる様を再び楽しもうとする悪の女幹部に、――ロウガはくっくっく、と静かに笑った。
 そして、ロウガの周囲には高い戦闘力を持った戦場の霊が召喚され、ロウガの敵と認識した者たちを撃ち抜いていった。
 ロウガのユーベルコード『戦場の亡霊』――戦闘で瀕死になったときに初めて発動されるその効果が、今、解放されたのだ。
「俺は言ったぞ、『ここは戦場だ』と!!」
 ロウガの傍に立つ戦場の亡霊は――この地で犠牲になった浮かばれぬ魂の複合のような――悲しい、女の姿をしていて。
「一匹狼『達』の魂が……貴様を討つ群れとなり牙となる!!」
 吼えながら、悪の女幹部目掛けてブラフマーストラを連射して、ロウガは叫ぶ。
「人の心を弄び命を踏み躙るのは楽しかったか?じゃあさよならだ!」

 数分遡って、悪の女幹部の部下を纏めて相手取るチコルの戦場。
 悪の女幹部の方へ、ロウガとヒカルが向かったのに気づき、一部はそちらの方へ離脱していくものの、依然彼女たちの意識はチコルに向けられていた。
「こんなに可愛らしいのに……危ないもの持っちゃだめよ」
「えっ、な、何?」
 ダガーで牽制しつつも、やはり人と同じ姿をした搾取するモノは攻撃しづらく、打撃で牽制していたチコルだったが、彼女たちに気を取られてしまい、足元や背後に迫っていた触手の群れに不意を突かれ、そのまま触手の群れの敷布団の上に倒れ込んでしまう。
(どうしよう……ま、また変なことされちゃう!?)
 囲まれたらヤバイ、そう意識していたのに深くをとったと後悔しつつ、その状況から脱しようともがくが四肢を触手に拘束されてしまい、その間に搾取するモノたちがチコルを愛でようと群がっていく。
「ふふ、かーわいい……私たち、寂しいのも、痛いコトも嫌いなの。だから……気持ちいいことだけしましょう?」
「あっ、そこはやだぁ!な、何で皆、変なとこ触るのっ!?」
 誰にも触られたことのないような際どい箇所に手を伸ばされ、必死に身悶えしながらも、搾取するモノたちの巧みな愛撫に翻弄され、困惑しながら甘い声を漏らしてしまうチコル。
 尻尾を器用に動かし、なんとか一戦だけは越えさせないようにしていたが、服は乱れに乱れ、もう限界が近い。
「……誰か、助けてーーっ!!」
 思わず泣きそうになりながら、仲間に助けを求めると、チコルを拘束していた触手の目掛けて重い拳が上空から降ってくる。
 ズゥゥゥン!
 重い一撃で、地面を這っていた触手たちは一気に爆ぜ、動かなくなり。
 その拳で打撃した風圧で搾取するモノたちも吹き飛ばされ。
「……大丈夫か?」
 悪の女幹部を殴って、幾分か冷静になったヒカルが、そこにはいた。
 服が乱れ、あられもない大変な状態になったチコルを見ないようにしながら、ヒカルは自分の上着を掛けてやるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スフィーエ・シエルフィート
◎❤
(下着でコートだけ着た)
酷いことねぇ
どの口が言うのだか。エネルギーやる代わりに口づけで塞いでくれようか
引き寄せて舌の根噛み切りたいぐらいには結構怒ってるんだがね

これが最後だ
英雄譚に憧れた少女『殺陣』でキメよう
存在感を派手にアピールしつつ誘惑
悪人ビビってるぅ?
スタイリッシュに剣を見切って避けながら、覚悟を決めて捨て身の一撃
風のサーベルで切りかかる
その胸の紐を叩き切ってポロリをあげようか
そして二回攻撃、返す刀で脚払いするように斬ろう

そしたら思いっきり踏みつけてオシオキの時間だよ
恐怖を与えるようにしっかり鞭で傷口を抉る様に叩いてあげよう
口汚く罵倒もこなしつつね
自分の非道、よーっく思い知り給え



「酷いことねぇ……どの口で言うのだか」
 スフィーエ・シエルフィート(f08782)は黒髪掻き上げ、白百合を指先で撫ぜて、溜息交じりに言葉を向ける。
 ばさり、と二対の翼を通し、下着姿の上からコートを羽織り。
 長身で整ったスタイルを見せつけ、その存在感をアピールするように腕を組むと悪の女幹部を見遣れば、部下を創り出そうとしていた悪の女幹部と目が合う。
「あら、イイ男の次はイイ女?……クスクス、いいわねぇ……この娘たちが好みそうな顔をしているわ」
 部下にならない?――なんて紅引いた唇でスフィーエに嘯く悪の女幹部。
 その顔は先の戦闘のダメージの残る僅かに歪な美人顔。
「ふん、……エネルギーやる代わりに口づけで塞いでくれようか」
 く、と笑って見せながら。
 スフィーエは“賑やかしの刃”ルーン・サーベルに風の力を宿してその手に携え。
「……引き寄せて、舌の根噛み切りたいぐらいには結構怒ってるんだがね!」
 そう言葉を向けながら、悪の女幹部へ向かって駆ける。
「威勢のいいコト……ああ、鳴かせてやりたくなっちゃう!」
 殴打され歪にになった輪郭を髪で隠すようにしながら、悪の女幹部は距離を詰めるスフィーエに、猟兵の力を封じる太刀筋を向ける。
 だが、スフィーエは笑う。
「何……?!」
「やぁ、悪人。……ビビってるぅ?」
 剣の軌跡を、超越した動体視力で見切り、スタイリッシュに回避するスフィーエに、悪の女幹部は驚きが隠せない。
 ――英雄譚に憧れた少女『殺陣』。
 スフィーエは己のユーベルコードを発動させながら肉薄し、その花の紋章が散りばめられた美しい刀身を躍らせて悪の女幹部の剣を弾き返す。
 そして異性を――同性さえも、彼女がその気になって誘惑すれば意のままに陥落させるだろうその美貌を、相手の唇奪う程の距離まで近づけてから。
「……ああ、そうだ。サービスシーンも加えようか」
「っ、ぅああっ!」
 返す刀で、露出した下着の紐ごと肩の肉を削げば、悪の女幹部の豊満な乳房が外気へと晒される。
 そのまま、仰向けに倒す様に柄を握ったまま胸元を押して悪の女幹部を張り倒せば。
 ぐりり……。
「っ……っつ、ああぁっ!」
「さぁ、オシオキの時間だよ」
 ブーツのヒールで起き上がれぬよう鎖骨の間を踏みつけながら、表情は笑っていながらも、冷たい光を灯した灰色の瞳で見下す。
「っく、こんな、ことを……っ!」
「ふふ、言いザマだね。……さぁ、キミの部下たちみたいに、はしたなく鳴いても構わないよ?」
 ――ピシィッ!
 いつの間にかサーベルの代わりに持ち替えていた“俯瞰の鞭”三十六計を、削いだ肩の傷口に向かって打ち付ければ、声に鳴らない悲鳴が悪の女幹部の唇から吐き出される。
 強者と驕っていた者の悲鳴、苦痛と屈辱に歪む顔。
「……はぁ」
 スフィーエは思わず恍惚とした吐息を漏らしてしまいながら、もっと……と求めるように、悪の女幹部に罵倒を、辱めを与えて。
 手にした鞭を撓らせ高らかに音を立てて、恐怖を与えるように傷口を抉りながら。
 スフィーエはその美貌を向けながら、悪の女幹部に甘美さえ含ませながら囁いてやる。
「自分の非道、……よーっく思い知り給え」
 その身体でね、と笑いながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧沢・仁美
人の弱みに付け込んで食い物にするようなのは許せないよね…!
(良い夢見せてもらったのはちょっとだけ感謝するけど…)
ともかく、きっちりやっつけないとね。

攻撃は念動電光球を主体に。
何発かを接近を妨げる牽制に使って、残りを直接当てにいく形で攻撃。
少しずつ確実にダメージを蓄積させていくよ。

ユーベルコードを封じられないよう、剣での攻撃は受けないように出来るだけ間合いを維持。
近づかれそうになったら、ワイヤーロープ(装備武器)も併用して距離を取るコトに専念するよ。
鞭での攻撃に対しては、頑張って回避はするけどある程度の被弾は仕方ないと割り切る方向で。





四季乃・瑠璃
緋瑪「そこにつけ込んで洗脳してた貴女に酷い事とか言われたくないなぁ」
瑠璃「貴女はもうお終い…これ以上の犠牲は出させないよ…」

【ダブル】で分身継続

瑠璃は直前まで受けてた快楽で身体が火照り少々ふらふら。
二人掛かりで【範囲攻撃、早業、2回攻撃】接触式ジェノサイドボム(以下ボム)で召喚された戦闘員や巨大化獣ごと敵を爆破。
近接戦では毒ダガーとK100で応戦。

攻撃の回避は【見切り、残像】。

最後は切り札、ジェノサイドノヴァを瑠璃と緋瑪で【力溜め】。超火力で殲滅する

「敵集団の殲滅や大物狩りはわたし達の得意分野だよ♪…瑠璃、大丈夫?」
「だ、だいじょぶ…ちょっと火照りが冷めないだけ…」






(良い夢見せてもらったのはちょっとだけ感謝するけど……)
「うぅ……」
 霧沢・仁美(f02862)は、ポニーテールを揺らし、先程の"良い夢"を思い出して顔を赤らめる。
 そして、ハッとして頭を切り替えようと頬に手を当てると、複雑そうな顔を浮かべながら。
 上司を守るように立ち塞がる搾取するモノや触手の群れを避けつつ、悪の女幹部へと近づいていく。
「……人の弱みに付け込んで、食い物にするようなのは……許せないよね……!」
(うん、ともかく、きっちりやっつけないと……)
 意志を強く持つように、自分に言い聞かせるように呟きながら、サイキックである仁美はユーベルコード『念動電光球』を発動させる。
 サイキックエナジーで生成したプラズマ球の炎を自身の周囲に浮かべると、行く手を阻む部下や、悪の女幹部が召喚した戦闘員たちを牽制するように半数を散弾の様に広範囲で中てて、敵をその焔で燃やして、弾き飛ばしてしまいながら。
 残りの半数は、悪の女幹部へ向けて集中砲火。
 始めは個別の焔で狙い。
 再びプラズマ球の炎を練成すれば、次は大きな塊へと幾つかを融合させて、ダメージをじわじわと蓄積させていくようにイメージしながら狙いを定めて射ち放つ!
「この……チマチマと!」
「きゃぁっ!」
 仁美の攻撃に業を煮やした悪の女幹部が、一気に距離を詰めるとその剣でユーベルコードを封じようと一閃するが、間一髪で仁美はサイキック・ワイヤーロープを撃ち当ててその剣筋を逸らさせて回避すると、距離を取ろうと反対に向かって走り出す。
 だが、不意の攻撃の回避、からの反転であり周囲の警戒を怠っていたのか、すぐ背後に迫っていた触手の群れにその足を絡め取られて転んでしまう。
「あうっ……い、いやっ……!」
 転倒してしまえば、そのまま悍ましい触手の群れに絡みつかれてしまう。
(やっ……こ、このままじゃまた……さっきみたいに……!)
 ――良い夢を見ちゃう……
「……やっ!」
 一瞬揺らぐ心を奮い立てて、必死に抵抗する仁美を、にやにやと見下しながら女幹部が近づいてくる。
 ――だが、その姿は飛び掛かる二つの影に阻まれた。
「危機一髪、かな?」
「危機一髪、だね?」
 双子の様に声をハモらせながら、ユーベルコード『オルタナティブ・ダブル』で分身体と共に戦う四季乃・瑠璃(f09675)、そして分身体に宿った瑠璃の別人格『緋瑪』が仁美に声を掛けた。
「あっ……う、うんっ。ありがとう!」
 一瞬唖然とするも、好機を逃さぬように自身のごく近い周囲にプラズマ球を生み出すと、まとわりつく触手を一気に燃やして、仁美は体勢を整えようと触手の群れから脱出するのだった。

 一方、獲物を逃された悪の女幹部は、邪魔をしてきた瑠璃たちに狙いを変えると、剣を構えながら。
「次から次へと……大人しく投降すれば、今ならまだ……そうねぇ、快楽のままに食べてあげるのに。元は人間のこの娘たちにまで手を出しちゃって、酷いとは思わない?」
 いけしゃあしゃあと言ってのける悪の女幹部に、ピキリ、とこめかみが疼くのを抑えながら、緋瑪と瑠璃は女を睨みつける。
「そこにつけ込んで洗脳してた貴女に酷い事とか言われたくないなぁ……」
「貴女はもうお終い……これ以上の犠牲は出させないよ……」
 緋瑪は殺る気満々、という様子でジェノサイド・ボムを掌で弄びながら。
 瑠璃は、先程まで与えられていた快楽の影響で、その火照りが鎮まらないのか顔を赤くしたまま、言い返すように思いを吐き出す。
「あらあら……そっちの娘は、とっても悦んでくれたみたいね?もっと極楽に連れて行ってあげれるのに」
 嘲る様に笑う悪の女幹部に、先に駆け出したのは緋瑪だった。
 自身でもある瑠璃を侮辱された――となれば、借りを返すのは道理。
 ワンテンポ遅れながらも瑠璃も緋瑪に続いて駆け出すと、二人がかりで広範囲への攻撃可能な接触式爆弾を悪の女幹部の周囲にばら撒き、投げつけ。
 自分の盾にするように続々と戦闘員を召喚する悪の女幹部のリソースを遠慮なしに削りにかかる。
 激しい爆発音が連続で響き、地下の空間には火薬臭と硝煙が立ち込める。
 視界不良の空間で、瑠璃と緋瑪は背を合わせて毒塗りのダガーとUDC-K100カスタムを構えると、近づく敵の気配に向けて斬り付け、撃ち放ちながら。
 囲まれていると意識して、伸ばされる触手もその場を動かないまま見切って躱し続け、やがて十分な数の眷属や触手の群れを惹き付けた――そう、確信するほどの気配を感じると、二人は息を合わせて力を溜めていく。
「敵集団の殲滅や大物狩りは――わたし達の得意分野だよ♪……って、瑠璃、ちょっと……大丈夫?」
「だ、だいじょぶ……ちょっと火照りが冷めないだけ……、ほら、攻撃いくよっ!」
 十分に力を充填したジェノサイドノヴァを撃ち放つ合図と共に、瑠璃と緋瑪はその超火力で。
 悪の女幹部を守る戦闘員や触手の群れを、あとも残さぬ程に纏めて蒸発させてやるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

藤堂・遼子
邪神というわけではないみたいだけど、まぁ狂信者かしらね?なら、首を出しなさい!

そもそもこれだけ誘拐と洗脳しておいてまだ足りないとか、一体なにをしたいわけ?
眷属を増やして快楽を捧げさせているのは目的ではなく手段でしょう?なら、目的は何かしら。言ってみなさい、阻止してあげるわ!

さっきはあり得た未来の同胞を思い邪法を扱う者として戦ったけど、今度は狂気を狩る人間として戦わせてもらうわ。
流石に触手はもう残ってないでしょう、もし残ってたら残った取り巻きに触手を嗾けるわ。
【オーバーリミットアームズ】を使って、雷撃と大鎌の狂気を狩るモノで攻撃していくわ。
さぁ、今の私を快楽に染められるものならしてみなさい!

◎❤



 じわじわと蓄積するダメージに、余裕の笑みにも脂汗が浮かぶ様な状態の悪の女幹部の前に、守備たる戦闘員を電撃で蹴散らして躍り出たのは藤堂・遼子(f09822)だった。
 彼女はユーベルコード『オーバーリミットアームズ』でサイボーグ化している――オーバーリミットした義肢から発生する電流をその四肢に纏わせながら女の前に立つ。
「お前……邪神というわけではないみたいだけど、まぁ狂信者かしらね?なら、首を出しなさい!」
「言ってくれるわね?私だって邪神よ……もっと強い御方に仕える身ではあるけれど」
 四肢から電撃を放出する遼子に、ユーベルコードを封じる剣の切っ先を向けながら応えて牽制しながら、悪の女幹部は物量で圧し潰そうとでも言うのか大量の戦闘員を召喚し、更に触手の群れを遼子に嗾けていく。
「そもそも……っ」
 悪の女幹部の、部下の大群にも遼子は冷静なまま、電流を迸らせながらオーバーリミットした義肢の四肢を駆使して高速で戦場を駆け抜け、その速さで攻撃を回避しながら電撃で敵を痺れさせて。
 絡みつこうと伸ばされる触手は、そのまま躱すと、痺れた戦闘員を盾にして同士討ちを図る。
 ――良いザマね?
 触手に絡みつかれる戦闘員を横目で見やってから、遼子は再び悪の女幹部に向き直る。
「これだけ誘拐と洗脳しておいてまだ足りないとか、一体なにをしたいわけ?……眷属を増やして、快楽を捧げさせているのは目的ではなく手段でしょう?」
 電撃を放ちながら、遼子は疑問を悪の女幹部にぶつけ続ける。
「部下は多ければ多いほどいいでしょう?……勿論、美味しいエネルギーも快楽も。……アナタも好きでしょう?気持ちいいコト……」
「……お前の目的は何かしら。言ってみなさい、阻止してあげるわ!」
(さっきは、あり得た未来の同胞を思い……邪法を扱う者として戦ったけど。……今度は、狂気を狩る人間として戦わせてもらうわ!)
 遼子の黒曜の瞳は、ハンターの様に鋭い光を宿して。
 肉厚の大鎌――狂気を狩るモノにも電流を纏わせると、その大きな得物を悪の女幹部に振り下ろしていく。
「――さぁ、今の私を快楽に染められるものならしてみなさい!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファン・ティンタン
【POW】たった一つの冴えないやり方

この期に及んで、語ることは何もないよ

【刀心習合】
私の身体は、心は、一振りの刀
私の前に立ち塞がる全てのモノを、殴り斬り、蹴り断つだけ
……それが、哀れな何者かであっても―――私の知った事じゃ、ない

徒手空拳の身軽さを最大限に生かし、【フェイント】や【2回攻撃】を織り交ぜた【早業】で叩き斬る
敵に物理が効きにくいようなら手刀足刀に炎を宿し【属性攻撃】で焼き斬る
手足の届かぬ後方死角への迎撃は“髪の刀身化”で振り斬る
敵からの攻撃は【オーラ防御】で直撃をそらし最低限の動作で【見切り】つつ避け切る
斬る、斬る
斬り、捨てる
迷いを振り、斬る

―――私を、人間みたいに迷わせないでよ

◎☆



「……この期に及んで、語ることは何もないよ」

 静謐な声が、悪の女幹部の耳に届いた。
 ファン・ティンタン(f07547)は、右目を閉ざし、暗がりの中でも紅く煌く瞳で真っ直ぐに悪の女幹部を見据えながら、呟いた。
 ――言葉を交わすつもりはない。
 そう、ハッキリと告げれば。
 ファンは武器を持たぬ徒手空拳を、悪の女幹部へと構えた。
「あら、……武器も持たずに、その可愛らしい身体でも捧げてくれるのかしらねぇ?」
「……」
 下衆た視線、品定めするように好色そうに舌なめずりする悪の女幹部仕草にさえ、無反応のまま。
 ヤドリガミたる彼女は、その全身、その心を――美しい一振りの刀と化して。
「……私の前に立ち塞がる全てのモノを、殴り斬り、蹴り断つだけ」
 すぅ、と静かに、穏やかに。
 呼吸を整えながら、自身に伸ばされる触手や搾取するモノたちの伸ばす縋る様な掌の気配を感じとりながら。
「……それが、哀れな何者かであっても―――私の知った事じゃ、ない」
 
 ――刀心習合。
 彼女の原点――天華の切れ味や強度を乗せた徒手空拳は、直前までに伸ばされた気配の全てを、超高速で撃ち返し、その鋭い切れ味纏う拳で斬り裂きながらも吹き飛ばした。
「一振りの刀なんだよ、私は。心も、身体も……」
 徒手空拳の身軽さを最大限に生かしながら、ファンはじりじりと悪の女幹部へと歩みを進める。
 その間に、自身に近づくモノ、攻撃を全てフェイントや連打を混ぜた早業で叩き斬る様に拳を振るう、手刀で薙ぎ払う。

 ――"寂しい"
「……」
 斬る、斬る。
 近づく敵を、変わらぬ眼差しを向けたまま、無感情に。
 ――"ひとりは、いや。さみしい……"
 斬っては、捨てる。
 敵が――人の形をした搾取するモノが、悪の女幹部が相手でも、触手の群れが相手でも。
 背後の死角から伸ばされる手には、その黒の混じる白の髪を刀身と化させて、首を素早く振って斬り払い。
「……い、でよ」
 ――"いや、痛い、……怖い……"

 ……迷いを振り、斬る。
 殺到する攻撃に、薄くオーラを纏い、その防御を固めてダメージを最小に抑え、最低限の身体の動きだけで、見切って躱して、カウンターで敵を足撃で薙ぐように斬り払って。

 ――"いや、だ……、死にたく、ないよ……"
「――ッ!」
 
 思わず、それまで無表情だった顔を一瞬歪めると、近づく女――搾取するモノを、只の拳で払い飛ばして。
「――私を、人間みたいに迷わせないでよ」
 全て殺すべきか、それとも――なんて。
 曇りなき一振り刀の、戦いの意思に。
 齎された一滴が、その染みで侵していくような迷いの感覚に、白い刀は首を振りながら。
 それでも、迷いを断つように真っ直ぐに――悪の女幹部のその心臓目掛けで、鋭い一撃を放つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルナ・ステラ
うぅ...怖かったです...

あなたが黒幕ですか!
洗脳して操るなんて許せないです!

部下もいてなかなか隙がないです...

―きゃっ!ムチ(剣)が!
あれ?抜け出そうにもUCが使えません?!

あぅ...力が吸い取られていって...
おしおきって何ですか!?
―やだよぉ....

UCも使えなくてピンチです...
何とかコメットブースターで吹き飛ばしてみようと思います!

捕縛攻撃を解除することに成功したら、封じられていたUCを今度こそ!
残っている力を込めて【全力魔法】で打ち込みます!
もうこれ以上、孤独を厭う心を利用され被害を受ける人が出ないよう星に願いを込めて―!


❤★がいいバランスでできれば...



「うぅ……怖かったです……」
 先ほどの戦闘――ともすれば、あわや蹂躙の憂き目に遭うかという状況を思い出して、自身の身を抱きながら震えるのはルナ・ステラ(f05304)。
 だが、すぐに気を取り直すと悪の女幹部に向かってビシッと指を指し。
「あなたが黒幕ですか!……洗脳して、何も知らない女の子たちを操るなんて……許せないです!」
 覚悟してください!と言わんばかりに言い放つと、悪の女幹部を守る部下たちを箒から放つ魔法で徐々に蹴散らしながら距離を詰めていくが、不意に。
「はぁい、可愛いお嬢さん?」
「へっ?!」
 部下との戦闘に夢中で、いつの間にか目的の悪の女幹部が背後にいることに気付かなかったルナは大いに驚く。
 そしてそのまま、剣を鞭のように撓らせてピシィッ!と強くルナの背を打つ。
「きゃうぅっ……や、やだ……!」
 打たれた瞬間、ルナの身体をその剣が黒い触手へと変化し、その身体を捕縛していく。
「くっ……こんなの……!、……あ、あれ、ユーベルコードが……?!」
 ふと、感じるのは途方もない脱力感。
 ユーベルコードを放つための力が、この剣の拘束によって封じられていると気付けば、一気にルナは焦燥感に駆られて。
「ふふ、可哀想だけれど……こんなに部下を減らしてくれたオシオキをしないとね♪」
「おしおきって何ですか?!」
「そうねぇ、死なない程度に快楽漬けにして狂わせて、必死に快楽を求めるだけの生き物にして……死ぬまで、私たちにエネルギーを吸われるだけの存在にしてあげるとか」
「ひぃっ?!……やだよぉ……!」
 想像する間でもなく悍ましいお仕置き。
 絶対拒否の意思で叫ぶも、力が抜けて動けず絶体絶命の状態。
 ――コツン。
 身を捩らせれば、ふと足元に当たるのは武具に搭載させていたコメットブースター。
(……これで、なんとか……!)
 その発射口を、どうにか悪の女幹部に向けると、コメットブースターを起動させて敵を吹き飛ばしてその場から離脱を図るルナ。
「くっ……!」
「……っ、やった!」
 なんとか距離を取れば、持ち主から離れた為かルナを捕縛していた拘束を解除し、剣は悪の女幹部の元へと戻っていく。
「ようし……今度こそ!」
 ルナは残った力を全て、ユーベルコード『ウィザード・ミサイル』に込めると、悪の女幹部に一点集中、狙いを定めて100を超える星を周囲に浮かべて。
「お星さんたちわたしに力を!悪しきものに降り注げ!……シューティングスター☆」
 その言葉と共に、煌く流星が一斉に悪の女幹部に殺到し、その身を裂いて、貫いて、……そしてたまにたらいが頭へカーンッ!といい音を立てて落ちつつ。
「もうこれ以上、孤独を厭う心を利用されて被害を受ける人が出ないよう……星に願いを込めて―!」
 ルナの想いを詰め込んだ流星は、その優しい心の輝きでさらに光を強くしながら、悪の女幹部の闇を焼かんと煌くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
(自分が止めを刺した子を抱きしめ手を握りながら)

ふざけるな

ただ、この子達は自分達を見て欲しいって小さな願いを持った純粋な子だったんっす…それを歪めて、捧げものにする。酷いのはお前だろう?

(抱きしめていた娘をそっと地面に横たえて…そして塵になり消えていく)

俺は、ただ寂しそうなこの子達と友達になりたかったっす
一人一人をちゃんと見て、他愛もない話をして笑いたかったっす
ただ…それだけなのに

今だけは、怒ります
俺の為じゃない…彼女達の心を乗せて(純白のドレス姿の真の姿となり一瞬で距離を詰めククリナイフで女幹部の心臓と首を刺し貫く)

消え去れ外道
お前の神様もいずれ堕としてやるよ…それがせめてもの供養っす



「――ふざけるなよ」

 久遠・翔(f00042)は、自らが手にかけた女――搾取するモノの身体を優しく抱いたまま、悪の女幹部へと涙に濡れた瞳を向けた。
「……酷い、だって?」
 ゆっくりと、眠ったように安らかに目を閉じた女を、自身の上着を敷いた床の上に横たえると、ぐし、と腕で目を拭いながら立ち上がる。
「ただ、この子達は……自分達を見て欲しいって、小さな願いを持った純粋な子だったんっす……それを歪めて、捧げものにする。酷いのはお前だろう?」

 ぐ、と血が滲むほどに拳を握りしめながら、腹の底から吐き出すように憤怒と憎悪が混じり合い押し殺されたような声が、翔から漏れた。
「あらあら……それはそれは。ご執心していたのかしら?なら……あなた自身が殺さなくてもよかったのに」
 くすくす、と。
 悪の女幹部は軽やかに笑い、続ける。
「ああ、本当に残念だわ。――あの子の甘い蜜は、私も好みだったのに」
 ぺろり、とこれ見よがしに舌舐めずりして横たわる女に視線を落としてから、翔に蛇のように絡みつく視線をむける。
「ふふ、あなたもなかなか美味しそうな身体をしているし……可愛がってあげても良くてよ?」
「……っ」
 言葉が出ない翔を煽るように、下衆た言葉を重ねる悪の女幹部に、翔は静かに顔を上げて向かい合う。

「俺は、ただ寂しそうなこの子達と友達になりたかったっす」
 その両手に、ククリナイフを握りしめて呟く。
「一人一人をちゃんと見て、他愛もない話をして笑いたかったっす」
 横たわる彼女や、他にも血塗れで床に伏せる者、壁に叩き付けられたまま動けない者、未だ配下にある息のある者。
 搾取するモノたちに視線を流して。
「ただ…それだけなのに」

 翔はふわり、と。
 瞬く間に純白のドレスの淑女姿へと転じると、両手にククリナイフを携えて舞うように、悪の女幹部の前へと躍り出る。
「……今だけは、怒ります」
 澄んだ声は、確かに怒りを滲ませて。
「俺の為じゃない……彼女達の心を乗せて!」
「――ッ、かはっ……」
 ――グサリ。
 それは一瞬のことだった。
 守らせるはずの部下達、戦闘員はとうに猟兵達によって倒され、戦闘不能にされていた悪の女幹部の懐は、自身を殺す為に近づく翔の姿に見蕩れていたのか、隙を晒していて。
 まるでそこに最初から納まっていたかのように、翔は固く柄を握り締め、ククリナイフを心臓に突き立てたまま動かない。
「お前の神様もいずれ堕としてやるよ…それがせめてもの供養っす」
「……げほっ、……あの御方は、私如きとは比べ物に、……かはっ、……ならない、わよ……」
 くっくっく、と吐血しながら笑い、悪の女幹部は数回咳き込んだ後、その身体をサラサラと風化させてゆく。
「……消え去れ、外道」
 悪の女幹部が朽ちるのと同時に、召喚された戦闘員と触手の群れは溶けるように消える。



 ……終わったのか。
 そう思った猟兵達の目の前で、驚くべき現象が起こった。
 戦闘で死んだはずの搾取するモノ、そして息のある者も含め、邪神の眷属の効果が消えて元の人間へと戻っていったのだ。
 意識のあるものも、戦闘不能になったものも含め、その場にいた全員が邪神からの呪縛から解き放たれる。
 邪神の眷属であった時の記憶はあるのか、あるものはお互い抱き合いながら泣き叫び、ある者は猟兵達の顔を見て、謝ったり顔を真っ赤にして俯いて。
 五体満足、息災の様子に安堵しながら猟兵たちは待機しているUDC組織のメンバーに連絡し、彼女たちの保護を依頼したのだった。



 ……そして。
「……ん」
「あ……目、覚めたっすか?」
 或る猟兵の上着をかけられていた少女が目を覚ますと、上着の持ち主は優しく微笑みながら声をかけて。
 目が合えば、泣き腫らしたお互いの顔を見て、気恥しそうにくすくすと笑いあってから、猟兵は彼女に手を差し出して、そっと囁くのだった。
「……友達に、なりましょう?」
 もう、みんな一人じゃないっすよ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月28日


挿絵イラスト