静心なく花の散るらむ
●
歌が聞こえる。
骸の海へとかえる歌。
母なる海へとかえる歌が。
生きとし生けるものは全て泡沫へ。
すくいはどこへ。
●
「ねえ、ここはどこ?」
「わかんないよ、でもあいつらといっしょにいっちゃだめだとおもうんだ」
「ん。ーーもしらないひとについてっちゃだめだっていってたもんね」
「だろ?だからはやくかえろう」
「うん、……どっちがおうちだろう」
「……どっちだろう……」
「……あのまーく、にげなきゃ」
「にげよう!」
●
「今回の依頼にお応え下さった皆様、ありがとうございます」
蒼月・春香(春待月・f00233)は紺青の頭をぺこりと下げる。
「今回はサイバーザナドゥにおける、とある企業様からの依頼となります。
内容としては、危険な実験体が2体。研究所より逃走してしまったとのことで、その確保が主となります」
曰く、逃走した実験体はオブリビオンの力を持ち、調整薬を一定期間投与できない場合、周りの生き物全てを侵食し、完全なオブリビオンへと変えてしまう能力を持つという。
「対象はこちらのホロに」
彼女は、十歳前後に見える男女が映った一枚の写真を頭上へと映し出す。
「確保条件はデッドオアアライブ。生死は問わない。とのことでしたが、両方生きたままの捕獲であれば報酬が上乗せされるとのことです」
さて、と両の掌を合わせ、彼女は続ける。
「この実験体の逃走には、どうやら秘密結社テオクラティアという組織が絡んでいるようで。いわゆる企業間抗争が関係しています」
秘密結社テオクラティアとは天秤をシンボルマークとして腐敗した世界を嘆き、自らが世界を管理することを目的としている。
その秩序を敷くためならばあらゆる手段を是とし、逆らう者は秩序を乱したとして粛清する。そんなメガコーポである。
「……そのメガコーポもオブリビオンによって構成されている組織なんですけどね」
ふう、と一息つき、再び集まった猟兵達へと視線を戻す。
「ここからは依頼主からではなく、私が見た予知と集めた情報を合わせた話となります。
実験体である二人は、秘密結社テオクラティアに捕獲され、移送されるところを逃げ出し、ストリートへと身を隠しています。
出来るだけ早く二人を見つけて確保して下さい」
「何故」。と一人の猟兵が声をかければ、春香は秘密結社テオクラティアからの追手も出ているが為に、戦闘は避けられず、その戦闘を比較的有利にするためだと春香は続けた。
「実験体である二人を無事な状態で見つけたなら、この言葉を伝えてください『舞い散る桜を集めるおじさんから頼まれてきた』と。
依頼主曰く、これで通じるはずだ、とのことです」
「若干、手間のかかる依頼ではありますが、猟兵の皆様であれば問題なく遂行していただけると信じております。何卒、よろしくお願いいたします」
深く一礼し、彼女は展開したコンソールを操作し、転送の準備へと入るのであった。
林言音
●やよいのそらは
閲覧ありがとうございます、林言音です。
今回はサイバーザナドゥのストリートからお送りいたします。
あまり広くないストリートのため、キャバリアや大型の乗り物の乗り入れ、巨大化等は全章通してご遠慮いただきますようお願いいたします。
(プレイング内容によってはお返しすることもございます。ご了承ください)
●第一章
ストリートにて隠れている実験体を探し出していただきます。行動選択肢以外でも思いつくものがあればプレイングに書いていただければOKです。
現地にはちょっとした整備工場や怪しい露店などが並び、さらには子供がちょこまか走りまわってたり、警官が見回りしてたりします。探索の合間に現地の住民や現場の警官達とコミュニケーションを取ったりすると、後々楽になることがあるかもしれません。
又、捜索する実験体への対応策等をちらっとでも書いていただくと、プレイングボーナスがつきます。
●第二章
第一章にて捜索の結果、実験体二人が確保され、結社テオクラティア構成員との集団戦闘になります。
確保した実験体の状況次第ですが、基本的に結社テオクラティア構成員は猟兵達を優先的に狙ってくる為、実験体の守りに関しては考えなくても大丈夫です。
●第三章
確保した実験体二人の行く末についての章になりますが、詳細は断章へと譲ります。
●補足
アドリブ、連携、それぞれがNGの場合のみプレイングにご記載下さい。
お連れ様は最大二名様まで。愛称とID、もしくはチーム名をご記載願います。
みなさまのプレイング、お待ちしております。
第1章 冒険
『逃げた実験体を追え』
|
POW : ストリートをしらみ潰しで聞き込んだりしながら探す。
SPD : パフォーマンスなどで誘き出す。
WIZ : 監視カメラなどの情報を洗い出し、居場所を見つける。
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
メイスン・ドットハック(サポート)
『めんどーじゃけど引き籠る為に』
アメジストのクリスタリアンで、熟練の電脳魔術師
攻撃手段は電脳魔術・もしくは電脳魔術や現代技術を使ったトラップ
電脳魔術はミサイルや機銃、大型兵器も精製可能
トラップは地雷、機雷、ワイヤートラップなど様々
またハッキング技術も長けており、機械コンピュータはもちろん、電脳魔術を応用することにより、空間に直接ハッキングを仕掛け、情報を収集することもできる
正々堂々よりかは、搦手で弱点を的確に攻撃するタイプ
心理誘導をしたり、囮を使ってなどもする
仲間との連携は歓迎です
喋り口調は広島弁
「じゃけん→じゃけー」「じゃけえのう→じゃけーのー」と語尾を伸ばすのが特徴的
●電脳と現実の狭間にて
サイバーザナドゥのストリート付近へと転送されたメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は即座にそのストリート付近のウェブをハッキングし、手頃な部屋を確保する。
『さて、協力して貰おうかのー』
『やれやれ、仕方ないね』
メイスンは展開した電脳魔術により、猟書家「ドクトル・アメジスト」の再現体を呼び出し、近隣で10歳くらいの人型が隠れられそうな場所をピックアップしたデータを渡す。
「付近の監視カメラのデータも漁っとるんだけど、アメジストには他の猟兵と協力して確保に動いて欲しいんじゃよー」
指示を出しながらも、その指は付近の情報を収集、整理、解析と進めていく。
「逐次データの更新はしていくけー、よろしゅー」
「了解、いってくるよ」
くるくるとデータ表示が更新されていくディスプレイから目線を動かさず、電脳魔術をさらに展開していくメイスンを後ろに、アメジストはストリートへと繰り出していくのであった。
成功
🔵🔵🔴
ミランダ・モニカ
●SPD
※アドリブ他者絡み歓迎
トンデモない厄ネタのニオイがプンプンするね
自分らじゃ扱いきれないから猟兵に頼もうって
どれだけ『不幸な犠牲』が出ても良いって意味だろ?
気に食わないよ
この扱いの報いは受けて貰うからね
実験体どもを依頼主サマに引き渡した後に
『何か』が起こってもアタシの知ったこっちゃナイね
『天は自ら助くる者を助く』って言葉、知ってるかい?
隠れてンならそっちから来て貰おうかね
ストリートから少し外れた路地裏で
UC使用(代償は銀行預金残高)
簡単なマジックショーをするよ
ワン・ツー・スリー!
ホラ消えた
さあどこ行ったかね?
そこのアンタ、右ポケットを触ってみな
『在る』だろ
ハイ拍手!
そうアタシは魔法使いさ
暗都・魎夜
【心情】
ここがサイバーザナドゥか
こういうのを見る限り、色々と大変なこともあったけど、俺らの世界ってマシな部類なんだな
俺に助けることが出来ることが出来るかはわからねえが、やれる限りやってみるぜ
【行動】
人と話して「情報収集」で目撃情報を集めて、実験体の子どもたちを探す
チョコやクッキーなんかを準備して、落ち着いて話せるように準備
用意したお菓子は地元の子供達にも渡して、うわさ話を聞いたり、実験体の子どもたちの目撃情報を聞く
「どうだ、よかったらこれ食べないか? ちょっとこの辺の話聞きたくてな」
「あと、お兄さんな。そこ重要だから」
『異能力のせいで生きづらい』、どこの世界でも同じだな
●全てを繋ぐために
暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は今までの自身の半生を思い返しながら、サイバーザナドゥのストリートを歩いていく。
(「こういうのを見る限り、色々と大変なこともあったけど、俺らの世界ってマシな部類なんだな」)
ストリートに入ってから感じていた視線。その視線の主へ気取られない様に目線を向けると、数人の子供ーストリートチルドレンが魎夜を後ろから見つめていた。
(「ああ、狙ってんのか」)
自身が生まれたシルバーレイン世界を回っていた時にも何度か…特に荒れた地域を歩くたびに感じた視線。魎夜はその視線を向けてくる彼らへと微笑み、手招く。
そんな無防備に手招きをする魎夜への好奇心が勝ったのであろう子供たちは、警戒しながらも寄ってきた。
「なーなー、おっちゃん、ここ初めてなのか?」
中でも最年長に見える少年が小さい子をさりげなく背後へとやりながら魎夜へと声をかける。
「ああ。そうだ、よかったらこれ食べないか?
ちょっとこの辺の話聞きたくてな」
魎夜はどこからともなくチョコやクッキーなどお菓子の入った籠を取り出す。すると見たこともない食べ物へと年少組がわらわらと覗き込む。
「何これ何これー?」
「もしかしてこれ天然物ー?」
口々に投げかけられる問いかけへ、どれから答えようかと魎夜が逡巡していると、最年長の少年が年少組に声をかけて沈静化させる。
「お前ら、ちょっと落ち着け。おっちゃんがこまってんだろ」
「えーでもー」
「はいはい、後でな。
で、おっちゃん。この辺の話で聞きたい話ってのはなんだ?本当は値段次第ってとこなんだがー……」
「あー、これじゃダメか」
と魎夜がお菓子の入った籠を懐へしまおうとした瞬間、会話の行方を見守っていた年少組から最年長の少年へとブーイングが上がった。
「リーダー、あれ絶対良いものだよー」
「滅多にお目にかかれないやつだよー」
数人は魎夜の手元の菓子を熱の入った目で見つめ、あざとい子は涙まで浮かべている。
僅かな罪悪感を抱きながらも、魎夜は「どうする?」。とリーダーの少年へとニヤリと笑みを浮かべた視線で問う。
「……その菓子逃したら、こいつらの後始末が大変だしな……」
「それなら、そっちである程度の情報を絞ってくれてもいいぜ。話せる内容と話しにくい内容ってのもあるだろ?」
「必要なら追加費用も出すぜ」。と魎夜が付け足せば、リーダーは「その方が助かる。その菓子、ここいらじゃ値段つけらんねーからな」と了承の意を示すのであった。
「じゃあ、おっちゃん、何が聞きたいんだ?」
「最近、この辺で見かけない子供とか見かけなかったかってのとー……」
彼らに聞きたいことをあげていきながらリーダーへと釘を刺す。
「あと、お兄さんな。そこ重要だから」
「わかったよ、おっ……オニイサン」
そして「お兄さん」。と口々にいってくる子供たちへとお菓子を配りながら必要な話を聞き取っていくのであった。
●It's show time!
ミランダ・モニカ(マザーズロザリオ・f05823)はトンデモない厄ネタのニオイを感じながらも、実験体である二人を探してストリートを歩く。
自分らじゃ扱いきれないから猟兵に頼もうって
どれだけ『不幸な犠牲』が出ても良いって意味だろ?
ミランダはストリートに暮らす人々の生活を見ながら、内心の憤りを飲み下すことができなかった。
「気に食わないよ。
この扱いの報いは受けて貰うからね」
ぽろりと、依頼主への愚痴を小さく強く零しつつも、隠れている二人を誘き出すために良さげな場所を見つけると、ミランダは周囲の住人へ声をかけ確認する。
「すまないが、この辺りは今あいているかい?」
何をするでも無く、気怠げに座り込む住人へと声をかけ、手慣れたように場を整えていく。
「さあさ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!
タネも仕掛けもありゃしない、不思議な不思議なショーの始まりだよ!」
全額ベットだ!と、貯めに貯め込んだ銀行預金をもとに、ストリートから少し外れた路地裏でマジックショーを展開していく。
ホログラムでも、機械化擬体による仕掛けでもなく、ハラハラと舞い踊る本物の花や、帽子から飛び出てくる本物の鳩に、最初は胡乱げな視線を向けていた周囲の人々が老若男女問わず集まってくる。
「ほら、よく見てごらん。タネも仕掛けもないだろう?」
「うん。ないな」
近くの青年へとカップを渡し、中に何も入っていないことを確認してもらうと、カップの口に手のひらをかぶせる。
「では、ワン・ツー・スリー!」
ぶわっと、手を離せばカップから噴水のように水が噴き出る。
「「すごーい!!」」
拍手喝采の中心にいながらも、対象を逃さないように注意を払い、ミランダはショーを続けていく。
「じゃあ、次はこの駒だ!」
近くにいた女性に駒を確認してもらうと、その駒へとハンカチを乗せ、
「ワン・ツー・スリー!」。その声とともにハンカチをはらう。
「ホラ消えた
さあどこ行ったかね?」
少し考えるそぶりをみせ、最前列の少女へと声をかける。
「そこのアンタ、右ポケットを触ってみな
『在る』だろ」
え?と不思議そうな顔をしながらもポケットをさぐる……すると、ミランダの言う通りに先ほどの駒がでてくる。
「ハイ、拍手!」
わぁぁ!と再び湧く人々の向こうに、ミランダはストリートの少年と連れ歩く魎夜を見つけると、そっと最前列を指差して魎夜へと知らせる。
「おばーちゃま、まほうつかいなの?」
割れるような拍手の中、最前列の少年がミランダへと問いかける。
「そうアタシは魔法使いさ」
捜索対象である少年と少女に優しく告げるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
●
ミランダが程々のタイミングでマジックショーを切り上げ、解散を促す。そうしてようやく周りに集まっていた人々はそれぞれの場所へと戻っていく。その流れを逆らうようにストリートを探索していた猟兵たちがその場へと集まってきた。
『舞い散る桜を集めるおじさんから頼まれてきた』
最前列近くにたどり着いた魎夜からその言葉を告げられ、近くに寄ってきた大人へと固く手を繋ぎ、警戒の表情を見せていた二人は安堵の表情を見せる。
そして。電脳魔術師であるメイスンとドクトル・アメジストの完全再現体が電脳魔術を展開、周囲を警戒しつつ、集まった猟兵たちはこの後襲ってくるであろう秘密結社テオクラティアの襲撃に備える為の情報共有をするのであった。
第2章 集団戦
『秘密結社テオクラティア』
|
POW : 最終審判
【粛清命令 】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【武装した構成員による包囲網】で囲まれた内部に【ユーベルコードの攻撃】を落とし、極大ダメージを与える。
SPD : 安寧秩序
【武装した構成員 】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[武装した構成員 ]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ : 粛清命令
他者からの命令を承諾すると【頭脳戦車 】が出現し、命令の完遂か24時間後まで全技能が「100レベル」になる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
「僕たち桜のおじさんの所へ帰りたくて、怖い天秤のマークの人たちから逃げてきたんだ」
「桜のおじさんはねー、面白いんだよ」
ちょっとした隙間の時間。警戒を怠らないようにしながら、実験体であるはずの二人から猟兵達は会話をして時間を潰す。
「ねえ、僕たち桜のおじさんのところに戻れるの?」
「桜のおじさん、突然私たちがいなくなったから、きっと心配してると思うんだ」
不安げに見上げてくる。
猟兵達が言葉を紡ごうとした瞬間、警戒音が伝わってくる
『襲撃!4時の方向!!』
大丈夫、君たちは絶対に守るから。
その言葉に、二人は指示通りに影へと隠れていく。
全てを決めるのは戦闘が終わってからだ。
===================
●マスターより
メガコーポ【秘密結社テオクラティア】構成員との戦闘になります。
実験体二人の守りに関しては考えなくても大丈夫です。
また、実験体二人は嘘偽りなく(洗脳や刷り込まれもなく)桜のおじさんのところへ帰りたがっています。
もし何か言葉をかけるのであれば、その部分を踏まえプレイングに入れていただければ幸いです。
===================
暗都・魎夜
【心情】
「桜のおじさん」が何者かは知らねえが、少なくともこいつらよりマシなことは間違いねえな
それに、俺の方にこの子らを救える力はねえ
仮に何らかの思惑があるなら、そん時にどうにかするまでだ
「(子供たちにチョコやクッキーを渡して)これ食べて待ってな。すぐに安全な場所に連れてってやるから」
【戦闘】
「(誰何を受けたら)通りすがりの能力者さ、覚えておきな。イグニッション!」
「地形の利用」で多くの敵に囲まれないようにしたうえで、攻撃は「見切り」
適宜「斬撃波」で牽制しつつ、「魔力溜め」
「先に言っておくが、逃げたい奴はとっとと逃げな。別にてめえらを殺したいわけじゃねえ」
「(静かに呟く)致命電光」
ミランダ・モニカ
ヤッパリ厄ネタじゃないか!
狂信者はヤバい!自分の命より使命を取るからネ!
説得聞かないし賄賂ダメだしバカみたいな突貫してくるし
ムチャクチャやられた昔を思い出しちまう!!
ハア
やれば良いんだろ!?
アンタら(子どもたち)はそっから動くんじゃないよ
守ってやるからじっとしてな
小手先の技でアタシの祈りが砕けるモンか
UC発動
相次ぐ『不運』に苛まれな!
ハン
アタシは使徒でも御使いでもない
世界秩序とか宣う阿呆共が気にくわないだけの猟兵さ
『桜のおじさん』
生きてるのかね?
殺されてるんじゃないか
会えたとしても桜を集めるとかいかにも胡散臭いヨ
この子たちを保護できるならアタシがしたい
その生に救いが無くとも、生きては行けるよ
●戦闘前に。
「おじちゃんは?」
「お兄さん」
「おにーさんは?」
「通りすがりの能力者さ、覚えておきな」
「のーりょくしゃ」
「覚えた!」
暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)は必要以上に怯えさせないよう、周囲を警戒しながら手持ちのお菓子を渡して二人と話す。
この二人を救う力は無い、と自嘲しながらも、自身に何ができるかを考えていく。
(「『桜のおじさん』を探してやるのが一番か」)
『襲撃!4時の方向!!』
その方向を魎夜が振り向けば、わらわらとわく人影が見える。
「これ食べて待ってな。すぐに安全な場所に連れてってやるから」
手持ちのお菓子を二人に渡せば、二人は物影へしっかりと隠れるようにしゃがみ込むのだった。
●狂信者は何処でも扱いづらいものである。
猟兵たちが待ち構える一角へと、一様に天秤の意匠をつけたローブで顔を隠した者たちが歩いてくる。
(「ヤッパリ厄ネタじゃないか!!」)
ミランダ・モニカ(マザーズロザリオ・f05823)は内心毒づく。
(「狂信者はヤバい!自分の命より使命を取るからネ!説得聞かないし賄賂ダメだしバカみたいな突貫してくるし」)
過去にやりあった狂信者共を一瞬頭に浮かべるも、目の前の脅威へと意識を切り替える。
すると、向かってくる集団の先頭を歩く、色の違うローブを纏い、杖ーー先は天秤になっているーーを掲げた人影が感情を感じさせない平坦な声で告げる。
「我々テオクラティアはこの世に秩序を齎すものである」
「そこの二匹を我々に渡してもらおう」
とん、と杖で地を叩き、値踏みするかのような視線を猟兵達へとむける。
「渡さないよ」
ミランダがキッパリと拒絶の意を示せば、再度杖を掲げ朗々と宣言する。
「ならば、我らが秩序のために排除する」
『全てはテオクラティアの名の下に!』
声を揃える、テオクラティアの構成員達。
「先に言っておくが、逃げたい奴はとっとと逃げな。別にてめえらを殺したいわけじゃねえ」
魎夜が宣言する。だが、彼らの秩序を敷く為ならばあらゆる手段を是とし、逆らうものは秩序を乱したとして粛清する。そんな集団であるがために、そこから立ち去るものはいない。
「アンタら(子どもたち)はそっから動くんじゃないよ。
守ってやるからじっとしてな」
ミランダは隠れる二人の場所を気取られないよう、けれど二人を安心させる為に明後日の方向へと声をかけ、アサルトウェポンを手に構える。
●戦塵のあがるストリート。
「イグニッション!」
その声を合図に、両陣営が動き出す。
魎夜は建物の壁や、周りに積まれた箱を飛び跳ね、囲まれぬように震鎧刀・月魎斬式を振い、蹴散らし、かと思えば間合いを開けてと縦横無尽に暴れ回る。
『神の子羊よ、我らに平穏を与えたまえ』
祈るように放たれるミランダの銃弾はテオクラティアの構成員へと癒えぬ傷跡を残していく。
「小手先の技でアタシの祈りが砕けるモンか。相次ぐ不運に苛まれな!」
傷を受けた構成員を襲うは、避けられるようでいて避けられぬ不運。
避けたはずの仲間の武器に当たる、突如頭上の看板が落ちてくる。
さらに魎夜が牽制にと足元へと放った斬撃波の余波で跳ねた石礫が……モロに当たる。
だが、構成員達の勢いは止まらない。
「『桜のおじさん』生きてるのかね?」
銃声や剣戟、土煙のあがる中、ミランダは背後についた魎夜へと声をかける。
「どうだろうな……」
殺されてるんじゃないか。物陰に隠れているはずの二人の視線を感じ、その言葉をぎりぎり飲み込む。
「会えたとしても桜を集めるとかいかにも胡散臭いヨ」
「ははっ、確かに。
とはいえ、少なくともこいつらよりマシなことは間違いねえな」
喋りながらも銃で、刀で。確実に敵の数を減らしていく。
「それもそうだねェ」
「それに」
「それに?」
「そいつに何らかの思惑があるなら、そん時にどうにかするまでだ」
「よし、のった!」
同時に斬り/撃ち倒し、それぞれの受け持ちへと離れていく。
「まずはこいつらを倒してからだな」
魎夜は回転動力炉の回転数さらに上げ、構える。
『致命電光』
その光は全てを飲み込むかのごとき電光であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フルム・サーブル(サポート)
余裕があるときや敵に憐れみを感じる場合は基本通りの穏やかな口調
余裕がなかったり、敵がえげつなくて怒りを感じるような場合は
「敵には」の口調です
でもあまりキャラぶれは気にしないので
公序良俗に反しない限りは好きに扱ってください
技能は【力溜め】【怪力】【グラップル】【シールドバッシュ】【カウンター】など
セットされているもの(サバイバル用にばらつきがあります)
を活用し、小さい体で戦場を飛び回りながら
優雅(自称)な戦いをします
どうみてもそのスタイルは脳筋です
武器は鍵(バトルアックス)や杖(バールのようなもの)をメインに使いますが
選択されたユーベルコードによっては拳一つでの戦いも可能です
響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです
雛里・かすみ(サポート)
バーチャルキャラクターの戦巫女×UDCメカニックの女性です。
普段の口調は「明るく朗らか(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
寝起きは「元気ない時もある(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
明るく朗らかな性格の為、
男女分け隔てなくフレンドリーに会話を楽しみます。
どんな状況でも、真面目に取り組み
逆境にも屈しない前向きな性格です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●戦闘前の一角。
さて、少しだけ時を戻そう。
確保対象である二人とその二人を落ち着かせようとする仲間を視界の隅に収めながら、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)が周囲の音を拾い、フルム・サーブル(森林の妖精さん・f03354)が空から敵の反応を探し、情報共有によって警戒を高める。
さらには雛里・かすみ(幻想の案内人・f24096)が辺りの監視カメラをハッキングし、周囲の警戒網を補強。
然程時を置かずして、敵対勢力が網に掛かった。
『襲撃、4時の方向!』
三人がその場にいる猟兵達へと声を上げる。
そしてローブの集団は、二人を渡せと要求するのであった。
●戦塵舞うストリートにて。
「我々テオクラティアはこの世の秩序のために!」
戦闘の開幕は既に開き、絶え間なく湧き出す狂信者の群れを猟兵達が捌いていく。
「幼子を拐かし、連れて行こうとするなど到底許せるものではありません!」
普段のリズであれば、仮に敵であろうとも相手の話を聞き、理解しようとしていたかもしれない。だが。
視界の隅に移る二人は幼く、先ほど見せていたあどけない笑顔は不安な表情へと変わり、それでも気丈に振る舞おうとしているのが見える。
早く、彼らを保護しなければ。
「ええ、一刻も早く片付けましょう!」
その時二人へと向かう銃弾が視界を横切っていくのが見えた瞬間、旋風刃でかすみが振り払い、フルムは発射元へと素敵な杖を振りかぶり……振り下ろす。
「わあ、妖精さんだ!」
物陰から戦場を見守る二人から小さく声があがる。
フルムはその声に「大丈夫だったかい?」、と笑顔を向けた。片手にはちょっと赤く染まった妖精さんの素敵な杖を持ちながら。
●嵐のように
「次!12時の方向!!」
かすみがテオクラティア構成員の軍勢が出現する方角を知らせ、息を吐く間もなく現れる構成員達を猟兵たちが削っていく。
「もう少しで、波が途切れる、はず!」
ルナティック・クリスタを掲げたリズは、更に増えた構成員の集団へと光の槍を放ち、フルムがその槍から運良く逃れた構成員を無力化していく。
「次、5時の方向!」
更に猟兵達は縦横無尽に走り、跳び、薙ぎ払う。
「ラスト!6時の方向!!」
ラスト、と聞こえるか、聞こえないかの瞬間。
幾度目かの全てを飲み込むような電光が走り、光の槍が降り注いでいった。
●全てを飲み込む光を
実験体とされている二人は猟兵達の戦いを物陰から、手を繋ぎ、肩を寄せ合いながら見守っていた。
絶え間ない攻防の中、突然先ほどの妖精がふっと目の前に飛びこんでくる。
「目を瞑って!」
驚いている暇も無く二人が目を瞑った瞬間。瞼の裏からもわかるほどの強い……とても力強い光が走っていくのが見えた。
●収束
光が収まり、フルムがとてもチカチカする目をなんとか開くと、テオクラティアの構成員は全て倒れ伏し、その場に立っているのは、実験体と呼ばれていた幼い二人と、猟兵達だった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第3章 日常
『上流階級が利用する階層』
|
POW : ●『飲食物やレジャーなどのサービスを堪能する』
SPD : ●『従業員や他の上流階級と会話してみる』
WIZ : ●『自分には居心地が悪く、この雰囲気は楽しめない』
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●戦闘が終わって。
「立てるかい?」
秘密結社テオクラティアの構成員が全て倒れ、誰ともなく物陰に隠れていた二人を安心させようと手を伸ばした。
その時、通りへと音もなく現れたのは、お仕着せの装いをした青い髪の少女であった。
瞬時に猟兵達は二人を背後へと庇う様に立ち、再度警戒するように少女を見据える。
「お疲れ様でございます。私どもの主がお出しになった依頼を受けていらっしゃる方々とお見受けしますが、お間違いございませんでしょうか」
少女は優美なカーテシーで一礼し、にこり、と微笑む。
その声に、背後にいた二人から声が上がった。
「「フユお姉ちゃん!」」
●桜
フユと呼ばれる少女に導かれ、猟兵達は依頼主のいる上層へと向かう。
彼女曰く、二人が無事であることを依頼主直々に礼をしたいとのことであった。
「私からも御礼申し上げます。二人を無事に保護してくださって、本当にありがとうございます」
彼女が開いた扉の向こうには、一見質実剛健に見えるが、そこかしこに巧緻な作りが見て取れる部屋が広がっていた。
「それでは皆様が到着したことを報告して参りますので、少々こちらの控えの間にてお待ちくださいませ」
フユは一礼すると、扉の向こうへと去っていくのであった。
===================
●マスターより
フユの依頼主は二人が無事帰ってきたことを喜び、猟兵達へとお礼をしようとフユを遣いに出し、皆さんを呼び寄せることにしました。
フユと依頼主が来る前に二人とお話しするも良し。
部屋に用意してある食べ物を堪能するも良し。
たまに飲み物や食べ物を運んでくるスタッフとお話ししてみるも良し。
依頼主が来てから依頼主とお話しするも良しとなっております。
選択肢は目安としてお使いください。
===================
●
扉が閉まり、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)はひとまず、仕事完了だな。と近くの椅子に腰を下ろし、手にした飲み物の入ったカップへ口をつけ、一息つく。
他の猟兵達と会話をしながら待っていると、こざっぱりした服へと着替えた二人を連れ、フユが再び部屋へと戻ってきた。
「お待たせしております。主にご報告に上がったところ、現在進めている重要案件の最終調整が終わり次第こちらへ参るとのことですので、それまでこちらをご賞味いただきながらお待ちいただけますでしょうか」
幾人かのスタッフの手によって料理が配膳されていく。
「のーりょくしゃのおじ……おにーちゃーん」
パタパタと駆け寄ってくるのに気づいた魎夜は、目線を合わせるように腰を落とし、二人を受け止めた。
「ねえ、おにーちゃん、その肩に乗ってるのはなーに?」
「こいつか?こいつはモーラットっていうんだ。よかったら待ってる間遊んでやってくれるか?」
「わかったー」「もふもふだー!」
無事助けられてよかったぜ。とわいわい遊んでいる二人を眺め、魎夜はふぅと息を吐いた。
●
「もっと未来未来した食べ物ばかりだと思っていたけど、意外と普通っぽいものもあるんだな」
魎夜は配膳が落ち着いた頃を見計らって、フユへと声をかけた。
「未来未来した食べ物、ですか?」
「ああ、正直ゼリーとか錠剤みたいなものばかりの世界だと思ってたんだ」
「なるほど……、そういったものもあちらにもご用意してますが、本日は主から猟兵である皆様への感謝の印ですので、皆様のお口に合うものをとご用意させていただきました」
「なるほどなあ」
見たことのない料理がどういう料理なのか、どうやって調理しているのかを魎夜がフユに聞きながら、その料理の味に舌鼓を打っていた。
「ところで」
「はい、なんでしょう?」
食べるのにひと段落つけた魎夜は、一番聞きたかったことを口にする。
「マジな質問すると、依頼人はなんでこんな一文にもならないような依頼をしてきたんだ?」
それは、サイバーザナドゥという世界は利益にならないことはしない連中ばかりの世界という印象があったからこそ湧き出た疑問だった。
フユは、その疑問に目をぱちくりさせつつも、真剣な眼差しの魎夜へと口を開く。
「主のお考えを私がお答えすることは」
「それはね、先行投資と損害を減らす為みたいなものだよ」
その彼女の後ろから、スーツ姿の男性がひょい、と顔を出してにっこりと続ける。
「ご挨拶が遅くなってしまったね、僕が依頼を出させてもらった桜のおじさんだよ。今後もご縁があったときにはよろしく」
そう言って、右手を魎夜へと差し出してくる。
呆気に取られつつも、魎夜がその手を握り返せば、にこにこと「君の疑問に答えよう」。と話し始める。
「依頼で提示させてもらったはずなんだが、彼ら二人の能力を放っておけば、この世界の破滅をさらに加速させそうだろう?それはできるだけ抑えたかったんだよねぇ。
で、最終調整中に奴らに掻っ攫われてしまったんだが……まぁ、そこそこ長く彼ら自身にも協力してもらってたから情はあるし、彼らを無くすことよりも、猟兵である君たちに報酬を出した方が利益は高いってことで彼ら二人を確保してほしかったんだよ」
ぺらぺらと理由を語っていく自称:桜のおじさん。
胡散臭さを完全には拭えないものの、今回に限り後ろから撃たれるようなことはないだろう、と魎夜は判断する。だが、ひとつだけ伝えておかなれば。
「俺は自由に生きたいと願う奴の味方だ。次は敵にならないことを祈っているぜ」
「ああ、それはこちらが肝に銘じておかなければね」
再びどちらともなく右手を差し出し、握り返すのであった。
暗都・魎夜
【心情】
ひとまず、仕事完了だな
まあ、引っかかることはあるが、現実問題俺の方にあの子らを救う手段は今のところないし
ひとまずは、信じるしかないって所だな
【行動】
フユに話しかけながら食事をする
モラを子供達と遊ばせる
「もっと未来未来した食べ物ばかりだと思っていたけど、意外と普通っぽいのもあるんだな」
「これってどういう料理なんだ?」
正直、ゼリーとか錠剤みたいなものばっかの世界だと思っていたぜ
「マジな質問すると、依頼人はなんでこんな一文にもならないような依頼をしてきたんだ?」
利益にならないことはしない連中ばかりの世界という印象のため
「俺は自由に生きたいと願う奴の味方だ。次は敵にならないことを祈っているぜ」
●
扉が閉まり、暗都・魎夜(全てを壊し全てを繋ぐ・f35256)はひとまず、仕事完了だな。と近くの椅子に腰を下ろし、手にした飲み物の入ったカップへ口をつけ、一息つく。
他の猟兵達と会話をしながら待っていると、こざっぱりした服へと着替えた二人を連れ、フユが再び部屋へと戻ってきた。
「お待たせしております。主にご報告に上がったところ、現在進めている重要案件の最終調整が終わり次第こちらへ参るとのことですので、それまでこちらをご賞味いただきながらお待ちいただけますでしょうか」
幾人かのスタッフの手によって料理が配膳されていく。
「のーりょくしゃのおじ……おにーちゃーん」
パタパタと駆け寄ってくるのに気づいた魎夜は、目線を合わせるように腰を落とし、二人を受け止めた。
「ねえ、おにーちゃん、その肩に乗ってるのはなーに?」
「こいつか?こいつはモーラットっていうんだ。よかったら待ってる間遊んでやってくれるか?」
「わかったー」「もふもふだー!」
無事助けられてよかったぜ。とわいわい遊んでいる二人を眺め、魎夜はふぅと息を吐いた。
●
「もっと未来未来した食べ物ばかりだと思っていたけど、意外と普通っぽいものもあるんだな」
魎夜は配膳が落ち着いた頃を見計らって、フユへと声をかけた。
「未来未来した食べ物、ですか?」
「ああ、正直ゼリーとか錠剤みたいなものばかりの世界だと思ってたんだ」
「なるほど……、そういったものもあちらにもご用意してますが、本日は主から猟兵である皆様への感謝の印ですので、皆様のお口に合うものをとご用意させていただきました」
「なるほどなあ」
見たことのない料理がどういう料理なのか、どうやって調理しているのかを魎夜がフユに聞きながら、その料理の味に舌鼓を打っていた。
「ところで」
「はい、なんでしょう?」
食べるのにひと段落つけた魎夜は、一番聞きたかったことを口にする。
「マジな質問すると、依頼人はなんでこんな一文にもならないような依頼をしてきたんだ?」
それは、サイバーザナドゥという世界は利益にならないことはしない連中ばかりの世界という印象があったからこそ湧き出た疑問だった。
フユは、その疑問に目をぱちくりさせつつも、真剣な眼差しの魎夜へと口を開く。
「主のお考えを私がお答えすることは」
「それはね、先行投資と損害を減らす為みたいなものだよ」
その彼女の後ろから、スーツ姿の男性がひょい、と顔を出してにっこりと続ける。
「ご挨拶が遅くなってしまったね、僕が依頼を出させてもらった桜のおじさんだよ。今後もご縁があったときにはよろしく」
そう言って、右手を魎夜へと差し出してくる。
呆気に取られつつも、魎夜がその手を握り返せば、にこにこと「君の疑問に答えよう」。と話し始める。
「依頼で提示させてもらったはずなんだが、彼ら二人の能力を放っておけば、この世界の破滅をさらに加速させそうだろう?それはできるだけ抑えたかったんだよねぇ。
で、最終調整中に奴らに掻っ攫われてしまったんだが……まぁ、そこそこ長く彼ら自身にも協力してもらってたから情はあるし、彼らを無くすことよりも、猟兵である君たちに報酬を出した方が利益は高いってことで彼ら二人を確保してほしかったんだよ」
ぺらぺらと理由を語っていく自称:桜のおじさん。
胡散臭さを完全には拭えないものの、今回に限り後ろから撃たれるようなことはないだろう、と魎夜は判断する。だが、ひとつだけ伝えておかなれば。
「俺は自由に生きたいと願う奴の味方だ。次は敵にならないことを祈っているぜ」
「ああ、それはこちらが肝に銘じておかなければね」
再びどちらともなく右手を差し出し、握り返すのであった。
大成功
🔵🔵🔵
●サイバーザナドゥ
四十物・寧々(あいもの・ねね・f28377)は自称「桜のおじさん」が手すきになるのを待ち、声をかける。
「あの」
「いかがされました?」
「彼らの、今後についてを伺いたくて」
自身が元・邪神教団施設の実験体でもあったが為に、現在進行形で実験体である二人の境遇に、これからのことが心にひっかかっていた。
「今後、ですか」
「はい。あなたがただの慈善事業であの二人を助けるための依頼を出した訳ではないと理解してはいるのですが。
それでも、助けました、はい後は知りませんって、いうのは私はもちろん、他の猟兵の方たちも出来ない人もいて……」
今時点で現在猟兵ではない彼ら二人に自分達ができることは何があるだろうか。と戦闘中に他の猟兵達と話していたことを思い浮かべながら、寧々は真っ直ぐな視線で問いかける。
「なるほど。あの二人の境遇がこれ以上酷いものにならないか、という心配ですかね」
「ええ」
頷き、次の言葉を促す。このサイバーザナドゥでは企業がそれぞれの利益のために動くという。それならば、その利益になり得ないと判断されてしまった時の彼らの行く末は。
真っ直ぐ見つめる寧々へと、桜のおじさんは言葉を続ける。
「そうですね……せめて彼ら二人が自分たちの生き方を自分たちで選択できるようになるまでは、私の方で保護していくつもりなのですが……」
桜のおじさんは自身へ向いている視線へと顔あげ、周りも聴こえるように声を少し張り上げた。
「もし宜しければ、気が向いた時、もしくは不定期にでもこちらへおいでくださるか、お手紙をお送りいただければ当人達より返事を出せるようにさせていただきましょう」
「あなたへの監視の意味を含めて、でも?」
「ええ、先ほど他の方にもお伝えしましたが、先行投資の意味も含めております。私の企業と猟兵の方達との今後も考えますとね」
この世界の人間で、彼らの為だけではなく、企業の為と言える辺りは信用していいのかもしれない。
感情としては引っ掛かりを感じないわけでもないが、理解はできる。
「なるほど、あくまでもあなたの企業の為、と」
「そうです。このサイバーザナドゥで生きていくためには必要なことですからね」
今後ともよろしくお願いします。と差し出された手を寧々は握り返すのであった。
四十物・寧々(サポート)
※サポートプレイング
多少の怪我や失敗は厭わず積極的に行動し、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
その上で現在の状況に対応できる人格で行動します。
シナリオ進行に必要な言動など青丸稼ぎに役立てて下さい。
使用ユーベルコードの指定はありません。
「成功」の結果で書けそうなものを一つステータス画面からお選び下さい。フラグメント次第で不使用も可です。
アイテムもご自由にお使い下さい。
服装系は提案の一例として装備せず公開設定としております。
あとはお任せ致します。
宜しくお願い致します。
●サイバーザナドゥ
四十物・寧々(あいもの・ねね・f28377)は自称「桜のおじさん」が手すきになるのを待ち、声をかける。
「あの」
「いかがされました?」
「彼らの、今後についてを伺いたくて」
自身が元・邪神教団施設の実験体でもあったが為に、現在進行形で実験体である二人の境遇に、これからのことが心にひっかかっていた。
「今後、ですか」
「はい。あなたがただの慈善事業であの二人を助けるための依頼を出した訳ではないと理解してはいるのですが。
それでも、助けました、はい後は知りませんって、いうのは私はもちろん、他の猟兵の方たちも出来ない人もいて……」
今時点で現在猟兵ではない彼ら二人に自分達ができることは何があるだろうか。と戦闘中に他の猟兵達と話していたことを思い浮かべながら、寧々は真っ直ぐな視線で問いかける。
「なるほど。あの二人の境遇がこれ以上酷いものにならないか、という心配ですかね」
「ええ」
頷き、次の言葉を促す。このサイバーザナドゥでは企業がそれぞれの利益のために動くという。それならば、その利益になり得ないと判断されてしまった時の彼らの行く末は。
真っ直ぐ見つめる寧々へと、桜のおじさんは言葉を続ける。
「そうですね……せめて彼ら二人が自分たちの生き方を自分たちで選択できるようになるまでは、私の方で保護していくつもりなのですが……」
桜のおじさんは自身へ向いている視線へと顔あげ、周りも聴こえるように声を少し張り上げた。
「もし宜しければ、気が向いた時、もしくは不定期にでもこちらへおいでくださるか、お手紙をお送りいただければ当人達より返事を出せるようにさせていただきましょう」
「あなたへの監視の意味を含めて、でも?」
「ええ、先ほど他の方にもお伝えしましたが、先行投資の意味も含めております。私の企業と猟兵の方達との今後も考えますとね」
この世界の人間で、彼らの為だけではなく、企業の為と言える辺りは信用していいのかもしれない。
感情としては引っ掛かりを感じないわけでもないが、理解はできる。
「なるほど、あくまでもあなたの企業の為、と」
「そうです。このサイバーザナドゥで生きていくためには必要なことですからね」
今後ともよろしくお願いします。と差し出された手を寧々は握り返すのであった。
成功
🔵🔵🔴
●宴も終わり
宴もたけなわではありますが、とよくある文句で宴は締められ、猟兵達はサイバーザナドゥから各自の世界へ戻る時間となる。
「また、遊びにきてね!」
「お手紙、待ってるね」
二人は帰っていく猟兵達を名残惜しそうな顔で見送るのであった。