●ヒーローズアース - ニューヨーク - ダストブロンクス
少し先の未来。
「どうやら、気付かれたようね。わざわざ逃げる意味はあるのかしら。いえ、それを考えるのも億劫ね」
猟兵が接近しつつあることに気付いたミストレス・パンダースナッチは煙草を吸いながら呟く。
煙草から紫の煙が吐き出され、ダストブロンクスと呼ばれるニューヨークの広大な地下に広がっていく。
吸った人間を本質なき虚ろなる怪物「スナーク」へ変えてしまう恐ろしい紫煙。それはダストブロンクス中のバイオモンスターを怪物へと変じさせていく。
その中には犯罪者やヴィランはもちろん、たまたま地下迷宮に迷い込んでしまった幼き少女の姿もあった……。
●グリモアベース
「皆さん、お疲れ様です。皆さんが骸の月を沈黙させたことで、どうやら、ミストレス・バンダースナッチの居場所を予知できるようになったようです。まぁ私の場合悪夢に見る、と言うのが正しいんですが」
まぁ、何にしても居場所を突き止めました、と。そう口を開いたのはグリモア猟兵のムゲン・ワールド(愛に生きたナイトメア適合者・f36307)だ。
「ミストレス・バンダースナッチの居場所はニューヨークの広大な地下迷宮・ダストブロンクスのようです。急いで向かってください」
ただ、とムゲンは、言葉を続ける。
「私の予知によると、皆さんの接近を感知したミストレス・バンダースナッチはダストブロンクス中に紫煙をばら撒くようなんです」
それはつまり、ミストレス・バンダースナッチの持つ吸った人間を怪物に変じさせる恐るべし煙のことだった。
「しかも、その怪物に変じさせられた被害者の中にはダストブロンクスに迷い込んだ少女のような無辜の人々が含まれます。彼らを殺してしまってはいけません。出来るだけ致命傷を与えないように無力化し、スナーク現象が抜けて元に戻るのを待ってください」
難しいのは分かっていますが、と敵の情報を伝えるムゲン。
敵はイモリの能力を身につけたバイオモンスターのようだ。ヤモリを召喚してパワーアップしたり、スーパーイモリモードなる強化モードになって地下迷宮の地形に張り付いて地形を利用した攻撃を仕掛けてきたり、シンプルな噛みつき攻撃もしてくるらしい。
「なぜか全員が小さい少女の見た目に変じたようで、誰が無辜の少女なのかは分かりません。なので絶対に全員を殺さず無力化してください」
まぁ元から犯罪者やヴィランであっても殺さず捕まえるようにとの依頼ですからね、とムゲン。
「ただ、これだけの時間稼ぎです。おそらくその間に何かしらの逃げる算段を立てている可能性は高いでしょう。私の予知にもスターヴという神と接触する様子が出ています。これは彼女の時間稼ぎが成功するだろうことを意味します」
でも、大丈夫、とムゲン。
「骸の月はもう沈黙しています。見失ったら一度グリモアベースに戻ってきてください。すぐに次の居場所を発見して見せますよ。大丈夫、燻り狂えるバンダースナッチに近寄るべからず、なんて言いますけど、一分間という時間の素早さに比べれば、一匹のバンダースナッチを押しとどめる方が楽、とも言いますからね、猟兵の皆さんならきっと最後には追いつけます」
よく分からないフォローをして、ムゲンは言葉を切る。
「一応、スターヴという神について説明しておきます。彼は、血肉を食らうことにこだわりすぎて、人類を滅ぼしてでも血肉を喰らわんとする神です。特に「守る者」の血肉を好んでいるようです。恐らく皆さんのことも積極的に食らおうとしてくるでしょう」
両手を巨大化させて攻撃してきたり、足元に赤い手を出現させて記憶を奪ってきたり、視線を向けるだけで稲妻を落としたりするようだ。
「最後に、ミストレス・バンダースナッチですが、恐らく20回ほど倒してやれば、完全に滅ぼすことができるはずです。絶対に追い詰めて、倒しましょう。何度逃げられてもいいように、仮眠しながら待ってますから」
寝ないと予知が出来ないのでね、とムゲン。
スラリと仕込み杖を抜き、空間を切り裂くように転移ゲートを開くムゲン。その先はミストレス・バンダースナッチの待つ、ニューヨークの巨大地下迷宮・ダストブロンクス。
「それでは、お気をつけて!」
メリーさんのアモル
こんにちは、この度はヒーローの存在する地球の物語をお送りしております。
このシナリオは猟書家との決戦になります。
各章の間には断章を入れる予定なので、二章以降は断章を待ってから参加いただけると助かります。
オープニングにもありますが、ミストレス・パンダースナッチは20回倒すことで完全に滅ぼせるようです。
なんというか、がんばりましょう!
第1章 集団戦
『月光ちゃんズ』
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POW : 森の仲間たち、力を貸して欲しいっス!
戦闘力のない【普通のヤモリの群れ 】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【森の仲間たちからの声援(幻聴)】によって武器や防具がパワーアップする。
SPD : スーパーイモリモード、覚醒っス!
対象の攻撃を軽減する【スーパーヤモリモード 】に変身しつつ、【壁への張り付きを利用したパンチやキック】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : うおおお、イモリパワー全開っス!
自身の身体部位ひとつを【ヤモリ 】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
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セラフィール・キュベルト
見目は可愛らしいですが、元はバイオモンスターの方であることを思えば、無理に変異させられた結果、なのでしょうね…
早急にお救いせねば。
【結界術】にて戦場に【浄化】の力を籠めた結界を展開。以て、スナーク現象の抑制を試みようと思います。
その上にてUCを発動、敵の戦意を抑制して無力化を試みようかと。
それでも攻めてくる敵に対しては、精霊様(angelus luxis)に閃光を放って頂いての【気絶攻撃】を仕掛けます。
後は、無力化できた方々が元に戻られるまで見守らせて頂こうかと…。
…このような業を用いるオウガ・フォーミュラ。放ってはおけません、ね…。
(見目は可愛らしいですが、元はバイオモンスターの方であることを思えば、無理に変異させられた結果、なのでしょうね……。早急にお救いせねば)
ダストブロンクスに降り立ち、スナーク達を前にしてそう独白するのはセラフィール・キュベルト(癒し願う聖女・f00816)だ。
セラフィールは速やかに自らの結界術で戦場に浄化効果を持つ結界を展開。これでスナーク現象を抑制しようという考えだ。
「獲物っス! 覚悟するっスーーー!」
結界の展開という現象を感知し、スナーク達は獲物の到来を知る。
接近するスナークに対し、結界で効果が増幅されたセラフィールのユーベルコード・聖輝光輪・心恨浄化(キュリオ・メンティス)が発動する。
セラフィールの頭上に浮かびあがった光輪から優しい光の波動が放たれ、スナーク達の敵意や戦意が沈静化していく。
「な、お前達どうしたっス? おのれ、よくも仲間をっス!」
スナークをなるべく傷つけないためのセラフィールの優しいユーベルコード。しかし、スナーク達の目にはそれは攻撃と映った。
「うおおお、イモリパワー全開っス!」
ユーベルコードの影響が少なかったスナーク達が頭部をヤモリに変化させ、噛みつき攻撃を試みる!
「うわっ」
しかし、その攻撃はセラフィールに届くことはなかった。セラフィールの精霊、angelus luxisがスナーク達をも守りたいというセラフィールの正しき願いのためにその力を発揮したのだ。
angelus luxisの強烈な閃光がスナーク達を気絶させる。
かくしてセラフィールは一滴の血を流すことなく、一帯のスナーク達を無力化することに成功した。
(後は、無力化できた方々が元に戻られるまで見守らせて頂きます)
それにしても、とセラフィールは独白する。
(……このような業を用いるオウガ・フォーミュラ。放ってはおけません、ね……)
大成功
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仰木・弥鶴
自暴自棄になった者ほど面倒な相手はないね
UCで一気に削ると倒してしまいそうで怖いから…
少し時間はかかるかもしれないけど地道にいこうか
体内に寄生する白燐蟲を呼び出して
解体ナイフの刃とディバインデバイスの機械羽に纏わせる
それでどうするのかって?
急所を避けて切り裂くのみ
元が少女であろうとスナークである限りは容赦しない
噛み付こうと襲いかかって来たところを
攻撃力と装甲を強化したナイフで受け流し、反撃で倒していく
くれぐれも止めは刺さないように様子を見ながら手加減を忘れずに
動きさえ止められたらそれで構わない
相対する敵以外からの襲撃は背中に負った光背型のディバインデバイスで受け流し、死角を作らないようにしよう
(自暴自棄になった者ほど面倒な相手はないね。ユーベルコードで一気に削ると倒してしまいそうで怖いから……)
ダストブロンクスを訪れた仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は一人独白する。
(少し時間はかかるかもしれないけど地道にいこうか)
方針を決定した弥鶴は、自らの白燐蟲を解体ナイフの刃とディバインデバイスの機械羽に纏わせていく。弥鶴の能力者時代からの能力、白燐奏甲(ビャクリンソウコウ)だ。
「獲物を見つけたっス! 覚悟するっス!」
実際には弥鶴の方が自分から攻撃を誘う形で身を晒したのだが、そんなこと考えもしない一体のスナークは、弥鶴の方に向かって走り出す。
「うおおお、イモリパワー全開っス!」
頭部をヤモリに変化させ、襲い来るスナーク。
その恐るべし噛みつき攻撃を、弥鶴は白燐蟲を纏わせたナイフで受け止める。
――元が少女であろうとスナークである限りは容赦しない
それでも手加減は忘れずに、弥鶴はそのままナイフを滑らせる形で攻撃を受け流し、華麗なナイフ捌きで、急所を避けてスナークを切り裂いていく。
「うおおおお、よくも仲間をっス!」
別々の方向から複数体のスナークが襲い来るとも、弥鶴は動じない。
そのうち一体をナイフで受け止めて攻撃しつつ、残りのスナークは光背型のディバインデバイスで受け流していく。
ナイフでの攻撃とディバインデバイスによる防御。二つの武器を使いこなす弥鶴に死角はなかった。
成功
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ニクロム・チタノ
あと少しでヒーローズアースも平和になる、その為にも猟書家を逃がすわけにはいかないよ
イモリかヤモリか知らないけどとりあえずスナーク化をどうにかしないと
反抗の加護あり
召喚されたヤモリ達には悪いけど月光ちゃんズと一緒に重力領域で動けなくなってもらうよ
ヤモリ達はその後蒼焔で焼き払ってパワーアップを阻止して動けない月光ちゃんズには反抗の雷装をお見舞いするよ
反抗の力でスナーク化を解除だよ、少しビリってするけど我慢してね
ミストレス・バンダースナッチ絶対逃がさないよ!
「あと少しでヒーローズアースも平和になる、その為にも猟書家を逃がすわけにはいかないよ」
そう決意しながらダストブロンクスに足を踏み入れたのはニクロム・チタノ(反抗者・f32208)だ。本名は紅・明日香だが、ここは猟兵としての名前であるニクロムの方の名前で呼ぶことにしよう。
――イモリかヤモリか知らないけどとりあえずスナーク化をどうにかしないと
そう、猟書家を追うためにも、まずはこのダストブロンクス中で変異させられているスナーク達をどうにかしなくては。
「うおおお、敵を見つけたっス!」
彼らの認識ではかなりの仲間をやられている――実態としてはスナーク化の無力化と解除が進んでいる――。次に現れたニクロムをスナーク達は警戒……するわけではなく突撃してくる。
彼らの辞書に「慎重に」などという言葉はないのである。
「反抗の加護あり」
ユーベルコード、貴女に反抗の竜チタノの加護を(チタノネクサス)が発動する。
「なんだっス、進めないっス」
ユーベルコードにより発生した、重力が局所的に強くなる空間、重力領域に足を踏み込んだスナーク達が一気にその速度を落とす。
「くっそう、進めないっス。森の仲間たち、力を貸して欲しいっス!」
これでは負けると見たスナーク達はヤモリを召喚し、その声援で自身を強化しようとする……が。
ニクロムの放つの蒼焔がヤモリ達を焼き払い、結果、その声援がスナーク達に届くことはなかった。
「反抗の力でスナーク化を解除だよ、少しビリってするけど我慢してね」
動きの鈍ったスナーク達に反抗の雷装が放たれ、スナーク達は意識を失っていく。
このまま放っておけば、スナーク化も解除されることだろう。
「ミストレス・バンダースナッチ絶対逃がさないよ!」
ニクロムは一帯のスナークの意識を奪い、増援が来なくなったのを確認して、決意を口にするのだった。
大成功
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ノエル・クラヴリー(サポート)
温和な女性のような話し方をして、味方に対して友好的に接します。
慎重派な行動を取ります。聞き耳を立てて情報収集したりするのも得意です。※斧は出し入れ可能です。
敵を前にすると冷酷な女性を演じながら戦います。睨み付けたり冷ややかな言葉をかけるなどします。
豪快に大斧を叩きつけたり、タールの身体を活かした行動を取ったり、魔術を駆使して戦います。
また、身体を酷使することを厭わない子なので、液状の彼女が耐えられる範囲なら攻撃を受けたり盾になったりも大丈夫です。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。あとはおまかせします。よろしくおねがいします!
メイリン・コスモロード(サポート)
『一緒に頑張りましょうね。』
人間の竜騎士×黒騎士の女の子です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「対人恐怖症(ワタシ、アナタ、デス、マス、デショウ、デスカ?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
人と話すのに慣れていなくて
「えっと……」とか「あの……」とか多様します。
戦闘ではドラゴンランスを使う事が多い。
その他、キャラの台詞はアドリブ等も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「一緒に頑張りましょうね」
とともに立つ仲間に声をかけるのはメイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)だ。
「えぇ、よろしくおねがいします」
メイリンの挨拶に温和に返事をするのはノエル・クラヴリー(溢れ流るる星空・f29197)だ。
「敵の気配っス! やってやるっス!」
残るスナークも少数。逆に言えば彼女らはこれまでの戦闘をうまく切り抜けて生き延びてきたエリート達と言えた。……本当に? ただたまたま生き延びただけじゃなくて?
真相は不明だが、これまでやられた――実際には救われた――スナーク達の仇をとばかりに戦意旺盛なスナーク達はダストブロンクスに降り立ったばかりの二人に対して襲いかかる。
「動きを封じなければならないのよね。なら私が攻撃を惹きつけましょう。動きを封じる方法も心当たりがあるの」
あくまで温和にノエルはメイリンに対して告げると、ノエルは魔人の大斧を構えて一歩前に出る。
「うおおお、イモリパワー全開っス!」
スナークの頭部がヤモリに変化し、噛みつき攻撃を敢行する。そのうち一撃をノエルは魔人の大斧で防ぐ。しかし敵は複数。残る二体のスナークが更に噛み付きを敢行してくる。一体の攻撃をすでに防いでいる以上、これは回避不能。恐るべし一撃に思えるそれは、しかし、タールの体を持つノエルには十分に通じなかった。……少なくとも誰の目にもそう見えた。
「どうした? その程度か?」
先程までと打って変わった冷酷な女性を演じるノエル。その目は冷ややかにスナーク達を見つめていた。
狭い通路にひしめく三体のスナークの攻撃に耐えるノエル。その後ろにもスナーク達はひしめいているが、彼女たちは攻撃できる状態にない。
――そろそろ決めましょうか
ユーベルコードを発動させ、戦いを決しようとしたその時。
「スーパーイモリモード、覚醒っス!」
スナークはそこで終わらなかった。後続のスナーク達がスーパーヤモリモードに変化し、壁や天井を伝って攻撃を始めようとしたのだ。
――流石にこの数はきついわね……
さも液体の体には噛み付きなど効かない、というポーズを取り続けるノエルだが、その実、ダメージはしっかりと入っていた。ノエルは身体を酷使することを厭わない強い女性なのだ。
しかし、さらに数体が攻撃してくるとなると話は別だ。ノエルとてどこまでも耐えられる保証はない。
「え、えっと、私も攻撃を惹きつける手があります!」
そこに一歩踏み出したのは、ノエルの行動に驚き、対人恐怖症が災いして行動に踏み切り損ねたメイリンだった。
メイリンは壁や天井を這うスナークに対し、手に持つドラゴンランス、竜槍【シリウス】を構えて攻撃する。
すると、スナーク達は一斉にメイリンにも視線を向けた。
「まだ敵がいるっス、やってやるっス」
壁や天井に張り付いていたスナーク達が一斉にメイリンに飛びかかる。
回避不可能としか思えない複雑に絡まりあった十を超えるスナーク達による乱打。そのすべてをまるで見てきたようにメイリンは回避してみせた。
メイリンのユーベルコード、絶望の福音だ。
「今ね!」
そして、その隙をついてノエルもまたユーベルコードを発動させる。
ノエルの構える魔人の大斧から体内時計を強引に捻じ曲げる魔術が放たれる。魔人の大斧に噛み付いていたスナークは全身から血を吹きながら吹き飛び、倒れた。気絶したのだ。それが伝播するように周囲のスナーク達も次々血を吹きながら倒れていく。
ノエルのユーベルコード、時間魔術「体内歪曲」(ボディ・ディストーション)だ。
すっかり二人に惹きつけられ二人のもとに集結しきっていたスナーク達はこれで全員が気絶したことになる。
ノエルの耐久とメイリンの回避がスナーク達に対しほとんど武器を振るうことなく戦いを決着させたのだった。
成功
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第2章 ボス戦
『スターヴ』
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POW : 喰わせろ
戦闘中に食べた【「守る者」の血肉】の量と質に応じて【両手の鉤爪が巨大化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : 寄越せ
【標的の足元】から【赤き手の群れ】を放ち、【「守ったものの記憶」を奪う事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 捧げよ
【視線】を向けた対象に、【緑色の稲妻を落とす事】でダメージを与える。命中率が高い。
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●ヒーローズアース - センターオブジアース
「すまないね、スターヴ」
猟兵達がスナーク狩りに勤しんでいる頃、ミストレス・バンダースナッチはスターヴと呼ばれる神の力を借りてセンターオブジアースに転移していた。
「気にするな。お前がスナークを生み出し続ければ、私はそれを守る者を喰らう事が出来る」
たとえ人類を滅ぼすことになろうとも。人を喰らうのをやめられない神、それがスターヴであった。彼もかつては偉大な野望のために生きる神だったはずなのだが。
(確たる目的もなくただ生きてる。あんたと私は似てるのかもね、スターヴ)
その独白がスターヴに届くことはなく。
「来たようだね」
グリモア猟兵による再度の予知、そして再度の転移。猟兵達がスターヴとミストレス・バンダースナッチの直ぐ側に転移してくる。
「意味があるのかは分からないけど、ジャバウォックの仇でも討たせてもらおうか」
ミストレス・バンダースナッチは吹き出した紫煙を対物狙撃銃、バレットXM500に変化させ、構える。
「いや、ここは私が引き受けよう。お主は逃げよ」
スターヴの転移の力がミストレス・バンダースナッチをどこかへと飛ばす。
置き土産の如く残された紫煙がスターヴを変異させていく。
「ミストレス・バンダースナッチは追わせんぞ、これを見ても追おうとは思えまい」
スナークと化したスターヴがドンと足で地面を鳴らすと、どこからか巨大な鳥かごが転移してくる。
中には無辜の人間たちが入っているようだ。
「「守るもの」達よ、彼らを守ってみせよ。私はあれを喰う! 喰ウ! クウ!」
完全にスナークと化したのだろう。スターヴは言葉を辞め、ただ喰らうだけの獣となった。
猟兵達は『無辜の市民を守りながら戦う』必要があるようだ。
ニクロム・チタノ
堕ちた邪神・・・アナタは護るモノも崇めてくれる人々もなく災厄をバラ撒くんだね
ならその圧政に反抗させてもらうよ!
ボクの真の名紅明日香の名を以てチタノヤタテを降臨させる
蒼焔の盾を展開して鳥籠の中の人達を護りながら敵の落としてきた緑色の稲妻を防御するよ
反抗の加護に邪な稲妻は通じないよ!
効かないとわかって突っ込んで来たね、八つの重力槍を展開して発射するよ
突っ込んで来る勢いとその巨体じゃかわすことは出来ないでしょ?
反抗の竜チタノよ、邪悪な神に誅滅を!
(堕ちた邪神……アナタは護るモノも崇めてくれる人々もなく災厄をバラ撒くんだね)
そう独白しながらスターヴを睨むのはニクロム・チタノ(反抗者・f32208)だ。
(ならその圧政に反抗させてもらうよ!)
「ボクの名、紅・明日香の名を以て!」
ニクロムは自らの真の名前を以て自身の体に宿るチタノヤタテの霊を召喚する。
チタノヤタテの霊は八つの蒼焔の盾を出現させ、鳥かごの中の人間を守る構えを取る。
「クウ! クウ!」
スターヴはその目障りなチタノヤタテの霊に視線を向け、緑色の雷を放つ。その命中率は極めて高く。……そして、それが仇となった。
極めて精密な狙いで放たれる雷はそれ故読みやすく、その全てが蒼焔の盾によって阻まれる。当然、流れ弾が無辜の人間たちのもとに届くこともない。
「反抗の加護に邪な稲妻は通じないよ!」
ニクロムの挑発に耐えられなかったか、獣と化したスターヴは抗えなかった。
「クウ! クウ! クウウウウウウウウウ!」
雷を放ちながら、突進攻撃を敢行してくる。あまりに直線的な突進。
――効かないとわかって突っ込んで来たね
読みどおり、とニクロムは笑う。
それに合わせてチタノヤタテの霊が八つの超重力槍を出現させる。
「突っ込んで来る勢いとその巨体じゃかわすことは出来ないでしょ?」
放たれる。
「反抗の竜チタノよ、邪悪な神に誅滅を!」
ニクロムの宣言通り。スターヴに回避という選択肢はなかった。
スターヴ自身の速力と槍の発射速度が合わさり、スターヴに大ダメージが突き刺さった。
成功
🔵🔵🔴
セラフィール・キュベルト
生きる為に喰らうのか、喰らう為に生きるのか。
それすらも曖昧となる程の渇望、なのでしょうか…
その業、この場にて鎮めてみせましょう。
神輝顕現・天光結界を発動。以て敵を光の迷宮の内へ閉じ込め、人々を喰らわんとする行いを妨げます。
その上でかの敵へと肉薄、精霊様(angelus luxis)より放つ【レーザー射撃】や私自身の放つ光の波動(【属性攻撃】)にて主に攻撃して参ります。
適宜、閃光を放つことで【目潰し】を試み、敵のユーベルコード発動を阻害したり隙を生ずるを狙ったりしようかと。
ユーベルコードに対しては【オーラ防御】を展開し防ぎます。
好機と見ましたら【全力魔法】による光の奔流を放ち決着を狙います…!
(生きる為に喰らうのか、喰らう為に生きるのか。それすらも曖昧となる程の渇望、なのでしょうか……)
スターヴをやや遠くから見つめながら、セラフィール・キュベルト(癒し願う聖女・f00816)は考える。
「その業、この場にて鎮めてみせましょう」
そして決意表明と同時、ユーベルコードが発動する。
光の壁で形成された迷宮が戦場全体を満たしていく。
ユーベルコード、神輝顕現・天光結界(ウォル・デ・ルミネ)。
距離的にはあれだけ近かったスターヴと無辜の人間達の間に迷宮という名の膨大な距離が発生する。
「クウ! クウ!」
まして知性が失われているスターヴ。迷宮を理性的に攻略するなど出来るはずもない。
これで隔離は完璧。
セラフィールは壁をすり抜けて一気にスターヴに肉薄する。
これが神輝顕現・天光結界のすごいところ。迷宮を構成する光の壁はセラフィールの敵だけを阻み、味方はすり抜ける事が出来るのである。
肉薄したセラフィールはその正しき願いのために力を振るう精霊、angelus luxisとともに、レーザー射撃と光の波動で攻撃していく。
「クウ! クウ! クウウウウウウウウウウウウウウウ!」
スターヴはセラフィールに向け、雷を放とうとするが、セラフィールや精霊より放たれる閃光がその視線を妨害し、攻撃すら封印される。
「クウ! クウ!」
それだけですべてを防ぎ切ることは難しく、いくらかの雷はセラフィールの元に落ちるが、しかし、セラフィールのオーラ防御がそれを防ぐ。
「クウウウウウウウウウウウウウウウ!」
このままでは永遠にチクチク攻撃され続けると感じたのか、スターヴは腕を大きく振り上げ、大振りな物理攻撃に攻撃手段を切り替える。
――好機と見ました!
その僅かな隙。しかしそれはセラフィールにとってチャンスであった。
大ぶりなスターヴの物理攻撃。その振りかぶりを前に、セラフィールもまた精霊と共に攻撃の構えを取る。
「クウウウウウウウウウウウウウウウウ!」
大ぶりの攻撃が振り下ろされる。
同時、セラフィールと精霊から光の奔流が放たれる。それは攻撃を振り下ろすスターヴを飲み込み、スターヴの攻撃を中断させた上で、無防備なスターヴに強く強く、突き刺さった。
成功
🔵🔵🔴
エリック・ガルベルト(サポート)
連携・苦戦・ネタ歓迎!
性格:面倒見がいい、若干目立ちたがり、子供好きの青年。
「お手伝いは必要ですか?」
基本的な戦い方はダッシュで敵の懐に入り、早業による拳・脚での乱打ですね。遠距離攻撃として闘気での衝撃波も使いますよ。
敵の攻撃に対しては第六感、見切り、オーラ防御、受け流し、武器落としを駆使して対処します。
現地民が周りにいる時は、住民の保護を優先し、負傷者には祈りの力と医術で治療や救助活動を行います。
ヴァンパイア由来の力(「血」と入るUC等)は周りに住民がいる時やピンチでなければ使いたくありませんね。悲惨な結末となるので…
その他UCは何でも使い、他の猟兵への迷惑行為はしません。
他はお任せです!
メイリン・コスモロード(サポート)
『一緒に頑張りましょうね。』
人間の竜騎士×黒騎士の女の子です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「対人恐怖症(ワタシ、アナタ、デス、マス、デショウ、デスカ?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
人と話すのに慣れていなくて
「えっと……」とか「あの……」とか多様します。
戦闘ではドラゴンランスを使う事が多い。
その他、キャラの台詞はアドリブ等も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「一緒に頑張りましょうね」
「はい、よろしくおねがいします」
と言葉を交わすのは、メイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)とエリック・ガルベルト(聖拳・f35891)だ。
「私は人々のそばで人々を守りましょう」
「あの……、それなら、私が敵を惹きつけます。接近戦は得意なんです」
短く作戦を決め、二人は一斉に動き出す。
エリックは速やかに鳥かごに近付く。
「クウ! クウ!」
スターヴはそれを見て速やかにエリックに視線を向ける。直後、緑色の稲妻がエリックに落ち……なかった。
スターヴのユーベルコードが発動する寸前、エリックとスターヴの間にメイリンが割り込み、稲妻の落下先を変更させたのだ。
上空から落ちてくる緑色の稲妻を左手に構える魔法陣の盾で受け止めるメイリン。
そのまま右手に竜槍【シリウス】を構えて突撃する。
その間にエリックは鳥かごの鍵の破壊に着手していた。
現状、無辜の人々は鳥かごの中に囚われている。それ故、どうしてもこの鳥かごを中心に戦う必要があった。
鳥かごは戦場の中心にあり、猟兵たちの戦術を縛っていた。
それゆえ鳥かごから無辜の人々を解放すれば、戦術の自由度を上げることが出来ずはずだった。
もちろん、それだけではない。戦闘の間、身動きがとれないまま拘束され続けるのはストレスになる。人々の精神を守るためにも、鳥かごを開けることは意味あることと言えた。
そういうわけで、エリックは自慢の拳を南京錠にぶつけ続けていた。
視点は再びメイリンに戻る。メイリンは大ぶりなスターヴの攻撃をうまく回避しながら、ドラゴンランスで攻撃を決めていく。しかし、これでは決定打に欠けた。スターヴもチクチクしたダメージに飽き、再びエリックに視線を移そうとしている。
「こうなったら……」
何を思ったか、突然メイリンは左手の盾を捨てた。
「竜の力よ、私に宿りなさい!」
その言葉と共に、左手が鋭利な牙を持つ飛竜の頭部に変化していく。メイリンのユーベルコード、飛竜の顎(ドラゴニック・ファング)だ。
飛竜の頭部がガブリとスターヴの胴体に噛み付く。それはスターヴの生命力を吸い取り、僅かに掠ったスターヴからのダメージを回復していく。その顎門の拘束力は高く、メイリンさえ踏ん張り続けられば、スターヴをずっとそこに留めておけそうだった。
「クウ! クウ! ……ヨコセェ!」
そこでスターヴも突然行動パターンを変えた。
メイリンの足元から突如として赤い手の群れが伸びてくる。
「しまっ」
走り出すなり、跳躍するなり、その場から速やかに離脱すれば避けられるだろう一撃。しかし、鋭利な牙がすっかりスターヴに食い込んで動けないメイリンにはその回避手段は取れなかった。
「させません」
と、声を発したのはエリックだ。鳥かごの破壊を試みていたエリックだが、その注意は常にスターヴに向いていた。メイリンのピンチと見るや、エリックは速やかにメイリンの足元に向けて指先を突きつける。
「気高き神光よ、不遜な愚者へ鉄槌を下せ」
キラリとエリックの眼鏡が光る。
天上から銀色の光が降り注ぎ、メイリンに迫る赤い手の群れが迎撃されていく。
「あ、ありがとうございます」
ようやくスターヴから飛竜の顎門を外せたメイリンはお礼を言いつつ、後ろに飛び下がり、盾を拾い直す。
そこに、鳥かごの鍵を破壊出来たらしいエリックが合流し、並び立つ。
「ここからは私もご一緒しましょう。私も肉弾戦には自信があります」
二人が一斉にスターヴに飛びかかる。
メイリンのドラゴンランスが、エリックの拳と脚の乱打が、スターヴに深く突き刺さった。
何より、『鳥かごの鍵は破壊された』。ここからは『無辜の人々の扱いの自由度が上がる』だろう。
成功
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青原・理仁(サポート)
人間
年齢 17歳 男
黒い瞳 金髪
口調 男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)
性格面:
やさぐれ、ぶっきらぼう
積極的な人助けはしないが、見捨てきれずに手を貸してしまう
戦闘:
武器は使わず、殴る・蹴る・投げるなど、技能「グラップル」「怪力」を生かしつつ徒手空拳で戦う
構え方は古武術風
雷属性への適性があり、魔力やら気やらを雷撃に変換し、放出したり徒手空拳の際に纏わせたりします
メル・メドレイサ(サポート)
時計ウサギのマジックナイト×パーラーメイド、15歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、演技時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
戦闘スタイルは多種の属性を扱う魔法使い
武器に魔法をかけ戦うこともできます
依頼にちなんだ品を給仕することを好み、味方には有効なもの、敵には嫌がらせ用のものを渡します
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「はやくミストレス・バンダースナッチを追いかけたいが、市民を人質に取られたら助けるしかないぜ……」
と、降り立つなり呟くのは積極的な人助けはしないが、見捨てきれずに手を貸してしまう性格の青原・理仁(青天の雷霆・f03611)だ。
「よろしくおねがいします、あなたのメルでございます❤」
それに対し、お近づきの印に、とパンプキンパンを配るのはメル・メドレイサ(蕩けるウサメイド・f25476)だ。
「お、おう、ありがとうな」
メルの奇妙な名乗りに困惑しつつ、理仁はパンプキンパンを受け取る。
「それでは次は、スターヴさんにも給仕をしなくては」
「え、あいつにもやるのか?」
メルが取り出したのはメルの嫌がらせアソート。毒入り、凶器入り、ひたすらまずい、と取りそろえた、主に敵に食べさせるための食品セットである。
「もちろんでございます❤」
そう言うと、メルは嫌がらせアソートをトレイに乗せて、スターヴに向けて前進する。
「マジか。俺も行くしかないか」
理仁は逡巡した後、拳を握って前進する。
「クウ! クウ!! ……クワセロォォ!」
スターヴはメルと理仁を迎撃すべく、自身の両手の鉤爪が巨大化させる。
ブン、ブン、と振るわれる巨腕に二人は思わず引き下がる。
「あらら、近づけないですね」
メルが困りました、と呟く。
「よし、俺が隙を作る。その間になんとか出来るか?」
「やってみます❤」
一人ではどうにも出来ない、と理仁は提案し、メルが同意する。
「よし、こっちだ!」
理仁は周囲の気を電気に変えて拳にまとわせて、放つ事で、スターヴの気を惹き付けて、メルと反対方向に走り出す。
「クウ! クウ!」
単純なスターヴはすぐそちらに移動を始める。
「よし、どうだ?」
「はい、めしあがれ❤」
後ろから忍び寄ったメルが後ろからスターヴの頭に飛びつき、嫌がらせアソートを口の中に突っ込む。
「クウ! クウ!」
そして、素直に咀嚼してしまうスターヴ。
「!! マズイ! マズイ!」
膝をついて倒れ、口から食べたものを吐き出すスターヴ。それに合わせて、鉤爪の大きさも小さくなっていく。
「今です! 魔技、メルハンマー!」
「よし、俺も! 食らいやがれ!」
メルのユーベルコード、メルハンマー。単純に思い魔力の塊で一帯を破壊するシンプル故に強いユーベルコードだ。そこにさらに理仁のユーベルコード、ライトニングバーストが合わさる。これまた電撃を全方位に飛ばすシンプル故に強いユーベルコード。
メルが持ち上げた魔力の塊に、同じく魔力である電撃が集中し、結果、電撃の巨大なハンマーとして顕現する。
「そぉれどっしーん!」
振り下ろされる。
一切の容赦なく、魔力の塊がスターヴを潰し、残るスターヴを電撃が喰らいつくし、スターヴは一片さえ残さず消滅した。
成功
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第3章 ボス戦
『ミストレス・バンダースナッチ』
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POW : 紫煙の狙撃手
自身の装備武器を【紫煙のバレットXM500(対物狙撃銃)】に変え、【あらゆる障害物を貫く狙撃】能力と【紫煙に触れている対象の位置を捕捉する】能力を追加する。ただし強すぎる追加能力は寿命を削る。
SPD : 紫煙の格闘家
自身のオリキャラ「【紫煙の格闘家】」を具現化する。設定通りの能力を持つが、強さは自身の【周囲の戦場に満ちる紫煙の量】に比例する。
WIZ : 紫煙のスナークシールド
自身の【煙草】から【紫煙のスナークシールド】を放出し、戦場内全ての【敵が行う攻撃】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
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●ヒーローズアース - 太平洋 - アトランティス
スターヴを下し、再びグリモア猟兵の予知を受けた猟兵達は、今度は太平洋の海底に広がる海底ドーム都市、アトランティスに降り立った。
「来たか……。ということは、スターヴは死んだのね」
どこか共感していた相手だったスターヴ、その死はどこか、ミストレス・バンダースナッチの心に影響を与えた。
「意味があるかなんて知らないけれど、ここでサー・ジャバウォックとスターヴの仇討ちと行きましょう」
もわり、と紫の煙が揺れる。
それで気付いた。ミストレス・バンバースナッチの紫煙が完全密閉空間であるこのアトランティス内に広がっていこうとしている。
このままではダストブロンクスの二の舞になる。急いでミストレス・バンダースナッチを倒さなければ。
「一人でも多く、猟兵を道連れにして死んでやる」
ミストレス・バンバースナッチの側の紫煙が格闘家の姿を取る。と思ったら別の紫煙が対物狙撃銃バレットXM500の姿を取る。そして、最後に、周囲の紫煙がシールドの形をとって、ミストレス・バンダースナッチを守る。
近くに寄れば召喚された紫煙の格闘家が対処する。遠くに離れてもバレットXM500が遮蔽物ごと破壊してくる。更にこちらの生半可な攻撃はスナークシールドで防がれる。
そして時間経過とともに、スナークが押し寄せるだろう。ダストブロンクスのそれと同じく、彼らは無辜の市民。殺してしまってはいけない。
相手は猟書家。強敵でないはずがない。
それでも、相手は一分よりは遅く。猟兵達は追いついた。なら、あとは、倒すだけだ。
仰木・弥鶴
生憎だけど、心中はごめんだね
スナークシールドで無力化されることを前提に武器はポータブルスピーカーを選択
これなら俺が話をやめない限り、絶え間ない音声攻撃がミストレス・バンダースナッチを襲い続ける
シールドで無力化するならどうぞ
ただし、俺は何分でも話し続けるつもりだよ
何の話をしようか
俺はわりとあなたの気持ちは分かる方だと思うんだけどね
生きていても特にやりたいことがない
そんなのは特別あなただけの問題じゃないんだ
どちらにしても終わりはやってくる
楽しもうが苦しもうが平等に
増援のスナーク対策には『World order』で戦意を奪う
抵抗は可能だけど元が無辜の市民ならば戦いの邪魔をしない程度には効くだろうから
「生憎だけど、心中はごめんだね」
ミストレス・バンダースナッチの前に降り立つや否やそう言い放つのは仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)だ。
「あなたがどう思うかなんて、それこそどうでもいいわ」
キセルから口から紫煙を出しつつ、ミストレス・バンダースナッチは返事する。
一見気怠げに見えるが、その実油断なく、弥鶴の動きを見張っている。
――見て分かる武器はない? なら魔術か徒手空拳か、いずれにしても初撃はスナークシールドで防いで様子を見たほうがいいか……
残念ながらミストレス・バンダースナッチの考察はハズレ。武器は既にこの場に出ている。弥鶴が選んだ武器はポータブルスピーカーだった。
「何の話をしようか」
弥鶴が口を開くと同時、その音声がピンマイクを通してポータブルスピーカーからも放たれ、それが音声攻撃となって、ミストレス・バンダースナッチに到達する。
その攻撃はミストレス・バンダースナッチのスナークシールドで防がれる、が、しかし。
「シールドで無力化するならどうぞ。ただし、俺は何分でも話し続けるつもりだよ」
そう、この攻撃は弥鶴が話し続ける限り続く。スナークシールドは攻撃を完全に無効化してしまう恐るべしユーベルコードだが、長時間発動し続けるのに向いていない。
「俺はわりとあなたの気持ちは分かる方だと思うんだけどね」
弥鶴は話し続ける。
「生きていても特にやりたいことがない」
「っ」
結果、ミストレス・バンダースナッチはスナークシールドの解除を選んだ。
「そんなのは特別あなただけの問題じゃないんだ」
「これが私だけのことなのか、それとも万人にあるものなのか、そんなことはどうでもいい。行け、紫煙の格闘家!」
空間を漂う紫煙から格闘家が実体化する。
「どちらにしても終わりはやってくる」
しかし、弥鶴は話すのを辞めない。
教師をしている弥鶴にとって、喋り続けるのは何の苦でもない。たとえ、紫煙の格闘家の攻撃を避け続けながらであったとしても。
「楽しもうが苦しもうが平等に」
「今だ、スナーク!」
回避行動を続ける弥鶴の背後から、スナークが迫る。完全な不意打ち。もし気付けたとしてもとっさに攻撃がせいぜい、しかし、元が無辜な市民である以上、猟兵は彼らを攻撃できない。これで弥鶴を黙らせられる。
「どうぞ、おかまいなく」
しかし、それすら予測していた弥鶴は眼鏡を放り投げ、裸眼の視線をスナークに投げかける。ユーベルコード、World order(ワールド・オーダー)。この対象となった生命体は、無意識に友好的な行動を取る。今回の場合、攻撃をやめる。
「なっ」
こうして弥鶴はミストレス・バンダースナッチの全ての攻撃をしのぎつつ、チクチクとミストレス・バンダースナッチにダメージを与えることに成功した。さらに、『スナークシールド』の使用時間も削ることが出来た。
また、ミストレス・バンダースナッチは『複数のユーベルコードを戦闘に使用してくる』事が判明した。
成功
🔵🔵🔴
花咲・翁(サポート)
一人称は我で、罪人だと判断したならば、善悪関係なく、なんの躊躇もなく、裁きを与えますが、望まず罪人になった相手なら、情状酌量の余地が有ると判断し、チャンスを与える一面もある
桜井・乃愛(サポート)
桜の精のパーラーメイド×咎人殺しの女の子です。
普段の口調は「元気(私、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は明るく天真爛漫で、少し天然ボケな感じの少女。
一番好きな花は桜で、その他の植物も好き。
強敵にも怖気づく事は少なく、果敢に挑む。
人と話す事も好きなので、アドリブ歓迎。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
赤嶺・愛(サポート)
『世界が平和になりますように』
人間のパラディン×シーフの女の子です。
普段の口調は「平和を愛する(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、怒った時は「憤怒(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は明るく、人と話す事が好きで
平和的な解決を望む優しい性格の女の子ですが
戦う事でしか依頼を成功出来ない時は戦う事も厭わないです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「世界が平和になりますように。そのために、戦うしかないのなら……」
ミストレス・バンダースナッチを前に決意を固めるのは赤嶺・愛(愛を広める騎士・f08508)だ。
「……罪人は裁くのみだ」
それに応じるように頷くのは花咲・翁(魔天牢の看守長・f33065)。
「よーし、私の出番だね!」
やや遅れて転移してきて、そう言うのは桜井・乃愛(桜花剣舞・f23024)だ。
てんでバラバラに転移してきた三人。しかし、その全員が熟練の猟兵。三人は速やかに自身の能力をすり合わせ、方針を決める。
しかし、如何せんそれが行われたのは転移してから。イニシアチブはミストレス・バンダースナッチの方に与えられる。
紫煙が探知した方向にあらゆる遮蔽物を貫通して対物狙撃銃バレットXM500が放たれる。
「……蒼き獄炎よ……嵐となりて現世を正せ
……!!」
まず最初に動いたのは翁。ユーベルコード、蒼炎の獄嵐(ブレイズ・ストーム)を発動し、蒼き獄炎の嵐を放って周囲の紫煙をバレットXM500の弾丸ともどもまとめて吹き飛ばした。
視線の通らない間、ミストレス・バンダースナッチは紫煙でこちらを感知して攻撃してくる。周囲の紫煙が一掃されれば、それは困難になる理屈だった。
「……我はこの位置の紫煙を晴らし続け安全地帯とする。……今のうちに」
「はい。任せてください。おいでませ、騎士達よ。その力を貸してね!」
愛のユーベルコード、ダブルハート・ナイツが発動する。愛と同等の戦闘力を持つバスタードソードを持つ騎士の霊とダガーを投擲する盗賊の霊が召喚される。
二体は愛が攻撃されれば無力化されてしまうが、翁が周囲の紫煙を晴らし続けている限り、愛が狙われる可能性は低く、やられる度に騎士を再召喚することで理論上無限の増援を得ることができる理屈だった。
二人の騎士と乃愛はそれぞれバラバラの方向に駆け出す。
紫煙の範囲内に出たことで、ミストレス・バンダースナッチはそれを感知し、バレットXM500を向ける。
――誰を狙う……。それともあの空白地帯を撃ち抜くべきか……
ミストレス・バンダースナッチは逡巡する。初撃の失敗でこちらの狙撃位置もバレている。彼我の距離は十分に遠いとは言えない。
敵がこちらを視界に入れるまでに、撃てて二発。
一瞬の逡巡の後、ミストレス・バンダースナッチは接近する二体を狙い撃つ。
はたしてそれは、三人の狙い通り、それぞれ騎士だった。そのために乃愛はあえて二体より遅れて移動していたのだ。
視界に捉えた乃愛にミストレス・バンダースナッチはバレットXM500を向けて発砲するが、銃口の向きと発砲タイミングさえ分かれば、猟兵にとって避けることは難しくなかった。
「くそ、紫煙の格闘家!」
空間を満たす紫煙から格闘家が実体化する。それは乃愛に襲いかかる。
空間を満たす紫煙で強化された格闘家と、その背後から放たれる狙撃攻撃。流石にその同時攻撃は乃愛一人には荷が重い。
乃愛はある程度距離を取って、バレットXM500の弾丸を回避できる余裕を取りながら――ほぼ誤差だが、その僅かな違いが生死を分ける――、格闘家と向き直る。
強敵だが、怖気づきはしない。
一方、愛と翁は乃愛とミストレス・バンダースナッチが交戦を開始したと見て、嵐を解除して、騎士二人を再召喚しながら移動を始めていた。
乃愛は若干の傷を受けつつも二人と二体の到着までなんとか凌ぎきり、戦場はバレットXM500を持ったミストレス・バンダースナッチと紫煙の格闘家、対、愛、翁、乃愛、騎士二体という状況と相成った。
愛は自らが弱点とバレないように適度に戦闘しつつ、騎士とともに格闘家を抑え込むみ、その間に翁と乃愛がミストレス・バンダースナッチに向き合う。
この距離では重量物のあるバレットXM500を振り回して二人相手に戦うのは不利だ。
「よくやるね。でも、どうせ攻撃は効きやしない」
そう、たとえ近づかれようとも、スナークシールドが攻撃を防ぐのだ。
「……攻撃なら、な」
「今度こそ、私の出番ね!」
余裕ぶるミストレス・バンダースナッチの射撃を回避し、最接近した乃愛は手枷、猿轡、拘束ロープが矢継ぎ早に投擲する。
一つ一つは何ら脅威ではないそれを、スナークシールドは見逃した。
そして、スナークシールドも、紫煙の格闘家も、バレットXM500も、消滅した。
「なっ」
乃愛のユーベルコード、咎力封じ。手枷、猿轡、拘束ロープの3つが命中した相手のユーベルコードを封じるユーベルコード。
「……これが我の閻魔断罪撃
……!!」
「それは棘だけではない、希望の花をも咲かせるのよ!」
「もう私の攻撃からは逃れられないわよ!」
ユーベルコードを封じられ動きを止めたミストレス・バンダースナッチに、三人のユーベルコードが同時に放たれる。
ミストレス・バンダースナッチは抵抗する術を持たず、ただそれを受け入れるしかなかった。
成功
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ニクロム・チタノ
ついに追い詰めたよミストレス・バンダースナッチ覚悟するんだ!
嘆いて反抗の妖刀よ!
これがチタノがボクにくれた妖刀の真の姿だ
遠距離攻撃とスナーク化した人達をまずはなんとかしないと、重力操作でこの辺りの重力を倍加してスナーク化した人達の動きを封じて無力化しつつミストレスにも重力を掛けて狙撃銃を持ち上げられないぐらい重くするよ
紫煙から生み出した物でも物質化したものなら重力で重く出来るんだよ、その状態じゃ狙いが定まらないでしょ?
召喚してきた格闘家の攻撃をオーバーロードで強化した状態で反抗の小盾を使って受け流しつつ蒼焔をくらわせて怯んだ隙をついて切り裂くよ
後はスナークシールドだね?
反抗の火炎放射器と蒼焔のダブル攻撃を防がせながら自分の重力を軽くして防御に使っているスナークシールドを飛び越えるよ
勝機はここ、ゴルディウスを網状に変えて上から投下して身動きを止めてトドメの一撃をくらわせるよ!
反抗の聖剣よどうか彼女に安息の眠りを
「ついに追い詰めたよミストレス・バンダースナッチ覚悟するんだ!」
と、指を突きつけるのはニクロム・チタノ(反抗者・f32208)だ。
「あんた、ダストブロンクスでもセンターオブジアースでも見たね。よくやるよ」
それに応じるミストレス・バンダースナッチ。やる気のない彼女にとってそこまでの熱意を持ってこちらを追いかけてくる相手というのは、むしろ感心の対象ですらあった。
「けど、ってことはスターヴの仇でもあるわけだ」
空気中の紫煙が蠢き、対物狙撃銃バレットXM500が実体化する。
にらみ合いの時間は終わり、それが戦いの開幕を告げる。
「嘆いて反抗の妖刀よ!」
ニクロムの反抗の妖刀が反抗の聖剣へと変化する。ユーベルコード、其の妖刀の真名を(ニクロム)だ。
その間に、ミストレス・バンダースナッチは対物狙撃銃バレットXM500のボルトを操作し発射準備良し、ニクロムに狙いをつける。
合わせて周囲からスナーク達も湧き出してくる。
「これでどう!」
しかし、ニクロムが聖剣の力で周辺一帯の重力を操作し、スナーク達に膝をつかせ、ミストレス・バンダースナッチもバレットXM500を持ち上げられず、取り落とす。
「紫煙から生み出した物でも物質化したものなら重力で重く出来るんだよ、その状態じゃ狙いが定まらないでしょ?」
ニクロムの言葉通り、ミストレス・バンダースナッチは全力でバレットXM500を持ち上げて構えようとするが、重すぎるバレットXM500を前に構えられずにいる。
その間にニクロムは一気に距離を詰めていく。
「くっ、なら、紫煙の格闘家!」
空間を満たす紫煙から格闘家が実体化する。周囲に紫煙があればあるほど強くなる紫煙の格闘家はこの場所ではかなりの強さを誇り、重力操作をものともせず、ニクロムに襲いかかる。
「このためのオーバーロードさ!」
反抗の小盾で紫煙の格闘家の攻撃を受け止める。圧倒的な力を持つ紫煙の格闘家の攻撃を受け止めるにはよほどの膂力が必要となるが、オーバーロードしているニクロムであれば問題ない。さらに、聖剣から護りの蒼焔を放って、紫煙の格闘家を怯ませる。
「今だ!」
その怯んだ隙を見逃すニクロムではない。聖剣で紫煙の格闘家を切り裂く。
――後はスナークシールドだね?
もう距離はかなり詰まった。しかし、まだスナークシールドを使われるリスクがある。ニクロムは反抗の小盾を捨てて、反抗の火炎放射器を構え、炎を放つ。さらに聖剣から蒼焔を放つ。
「くっ」
両手から放たれる火焔にたまらずミストレス・バンダースナッチはスナークシールドを展開する。
しかし、それは完全にニクロムの読み通り。自身への重力を軽くして、スナークシールドを飛び越える。
――勝機はここ!
”金剛輪転”ゴルディウスを網状に変化させ、上から投下する。
「くっ!」
ミストレス・バンダースナッチの動きは完全に封じられた。
「反抗の聖剣よどうか彼女に安息の眠りを!」
反抗の聖剣が深く深く、ミストレス・バンダースナッチに突き刺さった。
「ここまで……か、あんたのところにいくよ、サー・ジャバウォック……」
ミストレス・バンダースナッチは倒れた。
ミストレス・バンダースナッチは倒れ、周囲のスナークとなっていた人間は一斉に意識を失った。時間が経てば元の人間に戻るだろう。
アトランティスを覆う紫煙も少しずつ晴れていく。ほどなくアトランティスもミストレス・バンダースナッチの影響から解放されるだろう。
大成功
🔵🔵🔵