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紫煙の女主人、水着大追跡劇

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #ミストレス・バンダースナッチ #オウガ・フォーミュラ #2章まで多分トンチキシナリオ #1章のみやられプレイング可 #プレイング受付:6月23日(木)朝9時から受付開始 #プレイング不受理の方はプレイング再送お願いします

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#2章まで多分トンチキシナリオ
#1章のみやられプレイング可
#プレイング受付:6月23日(木)朝9時から受付開始
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●生きるべきか、死ぬべきか。それが問題だ。
『手は貸そう。だから勝手に生まれればいい』

 ミストレス・バンダースナッチのしてきた事はそれに尽きる。彼女の手繰る煙管からくゆる紫の煙。それは彼女の元から離れ、そしてやがてあらゆる本質の存在しない、虚ろなる怪物「スナーク」となる。もしくは何かに憑りつき、「スナーク」を生み出す。それは猟書家だったり、オブリビオンであったり、あるいは猟書家が何かを行う手段でもあったり。いずれにせよ、彼女がそれに対し何か命令を下す事は無かった。生まれるスナークに、あるいは猟書家に、オブリビオンが行ってきた事。それこそがヒーローズアースにおける侵略の全て。首魁たる彼女はただただ元をばら撒いただけ。人間の殲滅だの、オブリビオンの支配だの、そんなものを告げたことは一度も無かった。

「ミストレス・バンダースナッチよ。聞こえておるか」
「……『解放の神』か。何の用かしら」

 ダストブロンクスの一角にて潜んでいたバンダースナッチの『1人』。その彼女に語り掛ける存在がいた。それはバンダースナッチに協力し、人間たちの排除を目論む神の一派の1柱、解放の神であった。彼らの操る転移術や隠蔽術により、バンダースナッチはここまで姿を隠す事が出来、ばれそうな時にはすぐに複数の国を越えて移動する事が出来ていたのだ。いわばヒーローズアースの侵略において志向性があったとするなら、その黒幕はバンダースナッチではなく彼らであったとも言える。朧気な姿のその存在に、バンダースナッチはけだるけに尋ねる。

「どうやら貴様の居場所が、猟兵どもに特定されたようだ。我らの力ですらもはや隠す事ができん。全く、人間に類する分際で忌々しい者達だ」
「……そう」

 苦々しく告げる解放の神に対し、バンダースナッチは焦ることもなくそう呟いた。まるでそれすらどうでもいいかのように。

『いっその事、今すぐ消え去ってしまおうか。生きるべきか、死ぬべきか……だけど今は、それを考えるのも億劫だ』

 サー・ジャバウォックが死んだ直後、彼女はそう思っていた。そして自分がどうするべきかを後回しにし、ただ彼の続きとして怪物を作ることだけしてきた。だが、ついにここでその答えが来たのか、と思った。

「生きるべきか、死ぬべきか……それが問題、ね」
「なんだそれは。人間の小難しい言葉を口にするな」
「シェークスピア作『ハムレット』三幕一場。あの人が利用しようとしていた人間の空想の1つのセリフよ。尤も、これは誤訳でもっと相応しい訳がある、と言う意見もあるけれどね」
「ふん、どうでもいい事を言っている暇があったなら、即興でもいい、スナークをばら撒きワシが貴様を転移させる時間を稼げ。時間さえ稼げればもうお前を追えはしまい」
「……ええ、そうするわ」

 話に乗ってもくれない解放の神に嘆息しつつ、バンダースナッチは煙管をくゆらせ、紫の煙を発生させる。それは下水道や通気口をつたい広がり、新たなスナークを町に次々と発生させていくだろう。

 相応しい訳、それは『このまま生きるか否か、それが問題だ』。主人公が父を殺した相手を知り、その相手がのうのうと生きている日々をそのまま続けていいのか、決着をつけるため違う日々を始めるべきか。結局彼女はそのままで居続けた。死も、そして自身で世界を支配することも、どちらもせずに何も変えはしなかった。日々の変化は、猟兵たちによって今齎された。果たしてそれは、彼女にとって喜びか、それとも哀しみか。彼女の顔からは何も感じる事はできない。

「いや、そうだな。ワシも人類の文化で1つだけ気に入っているものがある。人類ももしその文化にのみ傾倒するならワシの出来る範囲で残してやってもよいな」
「……なにそれ」
「ふふふふ。ワシは解放の神。人間共は自ら法を敷き、理性を持ち、自らを隠す。ワシとしては我慢ならぬ進化をしたのだ。故にだ。ワシは解放を是とする。そう」

 そうして朧気だった姿に紫煙の一部が絡み付き、それが形を成す。猟兵ではない神では猟兵に匹敵するほどの力は持てない。だが、バンダースナッチの力を使い、自身にスナークとしての存在を纏えば神もまたオブリビオン相当の力を持てる。そして彼が選んだ姿は……。

「そう、ビキニじゃ!ビキニをはじめとした水着の数々。動きやすさ、見た目、どれも素晴らしい。このマスター・ビキニアーマーの姿こそ我が顕現せし姿に相応しい。人類も全てビキニのみ着るならば、我が支配の範囲では残してやろう!バンダースナッチよ、貴様も着ろ、ほれ!」
「……遠慮するわ」

 筋骨隆々の姿、そして黒ビキニを纏った老人の姿。それこそが解放の神が「マスター・ビキニアーマー」の姿を借りてスナークとして顕現した姿だった。

 そして、その解放の神の影響が紫煙を通じて、町にいるバイオモンスターにまで及んでしまい、紫煙に包まれた彼・彼女の姿が変わっていき--。

「ビキニ最高ぉぉぉぉ!!解放の神の名の下に、人類よビキニだけ着ろーー!」
「いや、競泳水着だって素晴らしいわ!競泳水着を着なさい!」
「ハイレグ水着の素晴らしさと機能美と食いつきこそが至高だとなぜ気付かないの!?」
「スリングショットに勝るものなああああし!」
「葉っぱ一枚あればいい!」

 性癖神コンプレークスを元にしたスナーク、しかも『露出が多い水着が大好き性癖』コンプレークスになってしまい、ピンク色の髪の少女達が色んな水着で街を暴れ回り、人々に水着を着せて、そしてそれこそが当然だと洗脳していく。ダストブロンクスはまさに、バンダースナッチ探しどころではない、そしてシリアスさんを台無しにするカオスの坩堝になってしまっていた。

●※オウガ・フォーミュラ最終決戦です。間違いありません。
「帰らないでってばあ!!途中までシリアスだったのになんでそんなことになった、って顔で帰らないで!!だってそうなっちゃったんだからしょうがないじゃん!悪いのはちゃんとシリアスになるようにしなかったバンダースナッチと神だよ!ボクじゃないもん!!」

 シリアスだと聞いてきたのに聞いてみれば完全にカオスとネタだらけで帰ろうとした猟兵たちを九十九・サイレン(再誕の18不思議・f28205)は必死で呼び止めた。なんとか帰るのを阻止した所で改めて説明を開始する。

「えー、皆の活躍でオウガ・フォーミュラのミストレス・バンダースナッチが見つかりました。どうやら人類を滅ぼそうとしてた神が協力して隠蔽してたみたいです。でももうそれも通じないから、皆にはダストブロンクスに行って貰います。でもバンダースナッチは時間稼ぎの為に町のバイオモンスターたちをスナーク化して『性癖神コンプレークス』達にしちゃいます。しかもその性癖は色々あって『露出が多い水着大好き性癖』です。そのせいで他の人達も水着着せられたり洗脳されたりしてます。だから皆何とかしてください。できればみんな殺さない様にしてね」

 カオスを拒絶するかのように平坦な口調のサイレンが続ける。

「その後に関しては追って予知するけど、20回は倒せばバンダースナッチを完全に倒すことができて、ヒーローズアースの侵略を阻止できる筈。だから皆頑張ってねくれぐれもボク悪くないからね!!」

 そう言ってこれ以上カオスの責任を追及される前に、サイレンは猟兵達をカオスの水着だらけ町へ送り出すのだった。


タイツマッソ
 お久しぶりです。MSのタイツマッソです。恐らくここまでシリアスが亡くなっている最終決戦はないと思います。
 悪いのは私ではありません、一発で揃ったフラグメントです。

 第1章はダストブロンクスでの集団戦です。バイオモンスターの一般人やヒーロー、ヴィランが纏めて『露出水着大好き性癖神コンプレークス』になり、他の人々に自分の性癖を押し付けて、水着姿にしたり洗脳したりしています。UCの全てに『相手を自身が着ている水着と同じ水着姿にし、その姿を素晴らしい・当然だと受け入れるよう洗脳する』効果が付与しています。なるべく致命傷にならない方法で倒すかスナーク現象が終わるのを待ちましょう。
 また1章に限り、やられプレイングでも性癖神の行動を抑えたり、性癖を語らせて時間を潰させる等で対処できたと判断できた場合は成功とします。

 第2章、第3章は追って断章にて説明します。

 プレイング受付は2月20日(日)9時から開始します。それではプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『性癖神コンプレークス』

POW   :    性癖語り
予め【自身の司る性癖について暑苦しく語る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    スキルマスター「イディオシンクラシー」
技能名「【(司る性癖の)属性攻撃】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    イディオシンクラシー
【性癖全開モードの海月姿】に変形し、自身の【常識】【自重】【シリアス】を代償に、自身の【性癖にこじつけた行動】を強化する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神代・凶津
「……帰っていいですか?」
いや、相棒ッ!?気持ちは分からねえでもないが、オウガ・フォーミュラとの最終決戦だぜッ!?気合い入れていかねえとッ!……いや無理かッ!馬鹿みたいだもんなッ!
え~っと、『露出水着大好き性癖神コンプレークス』だっけか?
になった奴らを殺さずに倒すんだったか。
「…どうやって倒します?」
まあやりようはあるっちゃあるが。

露出の対極である巫女服を着てる相棒に敵は群がってくるだろうから、
「…千刃桜花。」
千刃桜花を展開して範囲内に来た奴らの『水着』だけを斬り刻むぜ。奴らの力の根源たる水着が無くなれば洗脳も解けるだろ。…多分。
その後の地獄絵図には目を瞑る方向で。


【アドリブ歓迎】


黒木・摩那
肌色が目に眩しいですね……

これ正気に戻ったとき大変なことになるやつですね。
もう脱兎の勢いで逃げたり、隠れたりしたりするとか。

これは一刻も早く倒してあげて、心の傷を広げないようにしなくてはいけません。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
ヨーヨーの重量を変化させて、重量UP【重量攻撃】。
これを使って【なぎ払い】したり、ヨーヨーを絡ませた相手にUC【サイキックブラスト】で電撃を加えて行動不能にしていきます。



●その元を断つ

「さあビキニを着なさい!」
「いやああああああ!あ、ああ……ビキニ最高!ビキニ最高!」
「ビキニのすばらしさを理解したわね!さあ、貴方達も残りを襲いなさい!」
「はい!ビキニ最高!」

 ダストブロンクスはまさに地獄絵図。露出の多い水着性癖神コンプレークスたちによって人々が洗脳され、同じく水着姿になり無事な人々へ襲い掛かる。紛れて逃げるのならばまさに絶好のカオス。そしてそれを目の当たりにした2人の猟兵は。

「肌色が目に眩しいですね……」
(……帰っていいですか?)
「いや、相棒ッ!?気持ちは分からねえでもないが、オウガ・フォーミュラとの最終決戦だぜッ!?気合い入れていかねえとッ!ほら、アンタも遠い目で見てねえでしっかりしろお!」

 眼鏡をかけた黒髪美人の超能力者、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)と鬼面をつけた巫女、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)の2人。目の前の大惨事に摩耶は虚ろな目でつい変な感想だけ口にし、巫女の肉体である桜はもう帰りたいほどの精神的ダメージを受けていた。それを鬼面である凶津がなんとか推し止めようとする。そして改めて目の前の光景を見やる。

「スリングショットこそシンプルイズベスト!」
「ハイレグのラインこそが世の最高芸術!」
「葉っぱ一枚あればいい!」

「…………いや無理かッ!馬鹿みたいだもんなッ!ちくしょう!なんでオウガ・フォーミュラ最終決戦がこんな事になっちまったんだ!誰だ!誰にこの憤りをぶつければいいんだ!」

 バンダースナッチか、解放の神か、こんなのを予知したアイツか。耐えきれず凶津も膝をつき嘆きの叫びをあげてしまう。だがなんとか少し時間をかけて、少しずつ精神的に回復してきた摩耶が呟く。

「これ正気に戻ったとき大変なことになるやつですね。もう脱兎の勢いで逃げたり、隠れたりしたりするとか。バイオモンスターの人も、それ以外の人達も」
「そう、だな……確かにそりゃいくらなんでも悲惨過ぎる。少しでもその傷が軽くなるように、止めてやらなくっちゃいけねえよな……」
「そうですね。これは一刻も早く倒してあげて、心の傷を広げないようにしなくてはいけません」
「て訳だ相棒。踏ん張ろうぜ。カオスな光景はともかく、普通に人助けだ、な?」
(うん……でも、殺さないように倒すってどうする?)
「まあやりようはあるっちゃあるが」
「では、先手は私が」

 そう言って摩耶が突撃し懐からヨーヨー『エクリプス』を取り出す。これこそはこの世界における戦争の際、ラグランジュポイントにある島で入手した特殊ヨーヨー。それを巧みに振り回し、それが水着人間たちへと襲い掛かるが、水着人間たちは構わずに摩耶へ突っ込もうとする。

「そんな軽そうなヨーヨー程度、何するものぞー!」
「水着を着ろー!」
「そう思うのがあなたたちの浅はかさです。重量プラス変化!」
「何ぐええええ!!」

 摩耶はヨーヨーの質量を増大させ、巨大になったヨーヨーで水着人間やその傍にいたコンプレークスたちを吹き飛ばした。衝撃を受けた人間やコンプレークスは気絶し、そのまま倒れる。このヨーヨーは島に伝わっていた特殊なもので、装備者の意志で質量を自在に変化させる事が出来るのだ。

「ヨーヨー、舐めたらいけませんよ?」
「おのれ、ならば行くぞ!イディオシンクラシーーー!!」

 摩耶がただものでないと判断したコンプレークスたちの姿が変わっていく。それは頭に『ビキニ好き』『ハイレグ好き』等それぞれの性癖が描かれたクラゲの姿。その大量の触手はぐねぐねと蠢く。そしてその内のいくつかは自身の水着の中に納まっていた。

「……何故自ら動きにくい水着を消してないのです?」
「性癖ゆえに決まっている!さあこの触手に巻きつかれ、貴様も水着を着るのだああああああ!」

 なんという滅茶苦茶。クラゲコンプレークスたちのその蠢く触手と性癖は、残り少ないシリアスや常識すら削ぎ落しながら摩耶へと襲い掛かる。このままではもう3章までシリアスが残らない!この話にシリアスは存在しなくなってしまうのか!

「何か変な事を誰かに言われている気がしますが、そうはいきません」

 再び摩耶がヨーヨーを振り回す。だが、ヨーヨーがクラゲの頭に当たるとそれはぽよんと弾力を持って弾かれる。

「ふははは!クラゲの軟体ボディにその程度の質量攻撃など無意味!さあ大人しくひんむかれろ!」
「ですから、ヨーヨーを舐めたらいけない、と。【サイキックブラスト】伝導!」

 摩耶はヨーヨーからワイヤーで繋がる手から高圧電流を放射。それはワイヤーを伝いヨーヨーから放射され、クラゲコンプレークス達へ襲い掛かる。

「ぎゃああああ!」
「しまった、私達は電気クラゲではなか、ったあああ!」

 電気クラゲでない以上、水分がほとんどを構成するクラゲには電気攻撃は有効。自在に動くヨーヨーにより、電撃は広範囲に放射され、クラゲコンプレークスたちの動きを次々に止めていく。しかし、全ては無かった。

「む、まだ動ける?」
「ふふふふ!甘かったな!私達は露出水着ゴム素材派!この水着の力により、電撃は無効だ!」
「水着以外に当たってるはずなのになんて理不尽な…」

 ゴム素材の水着の性癖パワーと言い張り、電撃をものともせずに襲い掛かるクラゲコンプレークスたち。だが、それに対する対処も当然用意されていた。

「おっと、させねえぜ!」
「むう!貴様、なんて露出の無い巫女服、赦せぬ!」
「腋を出していればまだ許してやった物を!ひんむいてそれはもう際どい水着にしてやらなければ気が済まない!」
(……くじけそう)

 そのクラゲたちの前に颯爽と降り立った凶津。その姿は露出の少ない正統派巫女服。それはまさに露出多い水着性癖神コンプレークスたちにとっては不倶戴天の服。全員が摩耶から凶津へとターゲットを変え、触手で襲い掛かる。それを見て凶津はにやりと笑った(ように見えた)。

「予想通りに来たな!だがお前らの弱点はもう見切ったぜ!相棒!」
(…千刃桜花)

 凶津が持つ薙刀が散ったかと思えば、華麗なる桜の花びらに姿を変え、大量のそれが桜吹雪となり戦場を荒れ狂う。これこそが【千刃桜花】。コンプレークスたちも思わず防御態勢を取る。だが、桜吹雪に包まれてもその身体には衝撃も切り刻まれる感覚もない。

「ふ、ふははは!こけおどしか!」
「この程度の目晦ましで勝てるものか!さあ、大人しくビキニになれ!」
「はん、まだ気づいてねえのか?じゃあ聞くが、あんたらの水着ってのはどこだ?」
「何を言っている!この通り………ひ、ひいいいやあああ!?」

 コンプレークスたちが次々と悲鳴を上げた。ダメージは無い筈なのになぜか。それは、コンプレークスたちがクラゲになっても身に着けていたそれぞれの露出水着。それが全て、バラバラに切り刻まれて、完全にただの布きれに変わり果てていたからだ。そう、先程の桜の花びらで狙ったのはコンプレークスの体ではなく、性癖の元たる水着だったのだ。

「アンタらの根源はまさにその水着だ。なら、それを壊しちまえば洗脳も解けるだろ!」

 凶津が睨んだ通り、まだ動けはするのにコンプレークスたちは次々にひざまづき、倒れていく。

「私のビキニがあああああ、ほわ、おわああああああ」
「もうだめだ、水着がないと力が出ない」
「絶望だ、死にたい」

 性癖の元である嗜好品を無残に切り刻まれては性癖神が元である彼女らはもう戦意を喪失してしまい、クラゲ姿のままにどんよりと沈み込んでしまっていた。

「……あれ?洗脳が解けるパターンじゃねえの?」
「あくまで彼女(?)らはバンダースナッチの煙によりスナーク化してますから、水着自体はその活力ではあってもスナーク化や洗脳を解く為の鍵ではないのでは?」
「……ま、結果オーライだ結果オーライ。どの道変わらねえし、今のうちにふんじばったり、替えの服でも探し解こうぜ」
「そうしましょう」

 こうして凶津と魔耶は、痺れたり無気力化したコンプレークスや水着人間たちを拘束し、この後元に戻った時の為、羽織るものなどを探しに向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

征刃・木霊
まず目の前の変た…スナーク達に質問する
「先生、質問です!ニプレス&前貼りって水着なんですか!?」
こんな連中の仲間入りなんてダメ、ゼッタイ!

という訳で【菊花乱舞】で複製した霊刀でスナーク化した人達を片っ端から峰打ちで気絶させる
…風邪ひかないかなあ

でも、敵のUCを受けたら私も洗脳されてニプレス&前貼り姿の痴女に
あぁ…恥ずかしい姿見られるの気持ちイイ…❤
ううん、恥ずかしくなんてない
生まれたままの姿をみんなに見てもらえるのは素晴らしい事
しかも大事なところが見えてしまうんじゃないかっていう昂奮がたまらなぁい…❤

自ら進んでエッチなポーズを取り、コンプレークス様の教えを実践する

※NGなし&アドリブ大歓迎です



●セイバーエコー、水着地獄に堕つ!

「どんな悪でも真っ二つ!セイバーエコー、参上!」

 別のエリアにて、コンプレークスや水着人間たちの前に颯爽と現れたのは征刃・木霊(胡蝶剣姫セイバーエコー・f34889)だった。アニメや漫画のヒーローに憧れる彼女にとって、ヒーローが公然といるこの世界はまさに理想形。敵への啖呵も気合が入るという物で、手に握る霊刀・菊花にも決めポーズにも力が入っていた。

「くう、露出はそれなりだがまだ布が多い!」
「解放の神様がお許しになるほどの物ではない!」
「ええぇ……」

 胸元やハイレッグまでのレオタード、その上から和装の上着を着けた木霊の服装。それですらコンプレークスにとっては許容範囲外らしく、その様子を見て木霊はふと質問をしてみた。

「先生、質問です!ニプレス&前貼りって水着なんですか!?」
「露出的にとってはとてもOK!」
「泳げるなら水着!ほほう、さてはそういうのが好きなのか!ならばその性癖にしてあげよう!」
「あくまで興味で聞いただけで、こんな連中の仲間入りなんてダメ、ゼッタイ!人々も貴方達も皆助けるよ!【菊花乱舞】!」

 木霊が菊花を掲げるとその周囲の空中に次々と複製された菊花が現れる。その数は実に99本。その数に水着人間やコンプレークスは慌て戸惑うが、時すでに遅し。

「いっけー!99連峰打ち乱舞!」

 くるっとひっくり返り、峰を前にした霊刀が一気に襲い掛かる。水着人間やコンプれーくすの首や鳩尾を的確に峰打ちし、気絶させる事で次々に無力化していく。木霊の意志でバラバラに動くそれは、乱戦の中を飛び回り敵を打ち据えていく。

「よしよし、風邪をひかないかは心配だけど、後でなんとかするとして、このまま……」
「油断したなあああ!」
「え!?」

 倒れていく水着人間たちの影から、1人のコンプレークスが飛び出して木霊へと肉薄した。水着人間を盾にし、攻撃を凌ぐのと同時に木霊の視認から外れる事で剣の群をかいくぐってきたのだ。咄嗟に手元の本物の菊花を構えようとするが、奇襲がうますぎて少し遅れる。そしてその遅れが致命的だった。

「【スキルマスター「イディオシンクラシー」】!この時だけ私の性癖に伴う性癖染め上げ洗脳技能を引き上げた!ならば、もうこの一瞬で十分!」
「くっ、一瞬程度で私がやられ……!!」

 コンプレークスの手が一瞬木霊に触れ、そしてその後ろに着地する。その様は隙だらけであり、木霊が菊花でそのまま峰打ちすれば倒すのは容易だった。ただし、それは木霊がそうできれば、の話だったが。

「ふふふふ……露出水着洗脳、完了!」
「あぁ…恥ずかしい姿見られるの気持ちイイ…❤」

 音を立てて、握っていた菊花が地面へ落ち、複製されていたものも次々に消えていく。そして、その中心にいたのは、今まで着ていた服は消え失せ、言っていた通りの姿、つまり胸には最小限のニプレスのみ、股間にも前貼りだけという、解放の神も満足な露出強の痴女姿になってしまった木霊のなれの果てがいた。恥ずかしそうに顔に手を当ててもじもじしており羞恥を感じてはいる、だがそれがキモチいいという、露出水着性癖に染め上げられた精神になってしまっていた。そしてその浸食は更に進んでいく。

「ううん、恥ずかしくなんてない。生まれたままの姿をみんなに見てもらえるのは素晴らしい事。しかも大事なところが見えてしまうんじゃないかっていう昂奮がたまらなぁい…❤」
「そうだ、それこそが露出だ!解放だ!解放の神が目指す本当の人類の姿と精神なんだ!」
「あっはあ♥露出と解放さいこぉ♥コンプレークス様たち、もっと私を見てぇ♥」

 すっかり露出に目覚めてしまった木霊は、町中でえっちなポーズを取っていき、それをコンプレークス達に見せつけていく。見られていると言う羞恥、そしてその羞恥が齎す快楽、更に布が少ない為に起こる事態へのドキドキとしたスリル。全てが木霊の精神を支配していき、彼女のその行為は留まる事を知らずにエスカレートしていく。そしてその姿は、コンプレークスたちを魅了していく。

「なんて素晴らしい姿だ!私達も見習わないといけない!皆、こっちに来い!」
「襲撃は後回しだ!今はこの素晴らしい露出の姿とこのポーズの数々を目に焼き付けるんだ!」
「もっと、もっとだ!もっと自分の姿を、心を解放し、解放の神に奉げるのだ!」
「はーい♥あっはー♥もっと皆みてみてー♥」

 木霊の周りに残ったコンプレークスたちが襲撃をそっちのけに次々と集まり、木霊を全員で見詰めていく。それに木霊が興奮し、更にポーズが過激になり、表情も快楽に染まっていく。こうして町の一角は、露出木霊によるストリートショー会場と化し、コンプレークスたちの活動を抑えて時間を稼いでいった。


 やがて、自分たちの限界時間に気付かないまま、木霊に夢中になったままにスナーク化現象の終了時間が来て、全員が倒れて元の姿に戻っていった。その時、果たして木霊がどうなっていたか、終って全員が正気に戻った時にどんな惨状になっていたか……それは、ここでは語らないでおこう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルケン・ピーチ
絡み、アドリブ歓迎NGなし

JKボディの桃姫で出撃…え!?
ちょっとアカリ、あなたバンダースナッチぶっちめるとか言ってたでしょう!? 何でこういう時だけ私に任せるんですか!?

と、とにかく! 敵を殺してはいけないということで、一人一人【スペシャルピーチドロップ】の【重量攻撃】で鎮圧していきます

ただ当然毎回相手をお尻に敷くから相手からの反撃も主にお尻に食らっていくわけでして…

水着属性、ビキニ属性、はみ出し属性その他諸々の攻撃を受け…

「あはは、見てください桃姫のだらしないビキニからはみ出したお肉~」

催眠状態でも使命は果たすべく相手をお尻に敷き続けます。むしろ肉見せに躊躇がなくなって肉圧が強くなるかも…



●色褪せぬ正義

 また別のエリア一角にてここにもヒーローが降り立った。紫のゴーグルバイザーに露出の多いヒーローコスチュームを纏ったミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)だ。本体はバイザーであるヒーローマスクであり、複数の着用者と交代して任に当たる。そして彼女らにとってもこの戦いの先にいるバンダースナッチは不倶戴天の敵。気合を入れて水着人間やコンプレークスの前へ降り立った。

「ミルケンピーチ、参上です!バンダースナッチを倒す為にもまずはあなたたちを…………あれ?」

 そこでミルケンは違和感を抱いた。彼女はボディである相手により口調が変化する。そして今回はバンダースナッチを倒す事に気合を入れていたアカリ・ゴールド(15)だと思っていた。だが、その口調と今ちゃんと確認した体、それは花園・桃姫(17)だった。これには流石のミルケンも慌てる。

「ちょっとアカリ、あなたバンダースナッチぶっちめるとか言ってたでしょう!? 何でこういう時だけ私に任せるんですか!?さてはここの予知を聞いて『あ、やべえっす』って思ってこっそり代わりましたね!?なんて早業……!」
「むう、なんていう露出の高さ!さては解放の神が遣わした援軍か!」
「違います!!」
「ならば残念だが仕方ない!心から解放の神に従うようにするまで!」

 ミルケン向けて水着人間やコンプレークスが突撃していく。ミルケンもそれを見て覚悟を決めた顔をすると、突っ込まれる直前に宙へと飛びあがる。

(とにかく、殺さないように制圧ですね!それなら!)
「必殺じゃなくて九割殺、【スペシャルピーチドロップ】!」
「ぐほおおお!」

 ミルケンが空中でくるりと回転しお尻を突き出した体勢で急速に落下。水着人間の一人が頭を押し付けられて大地へ叩きつけられる。その圧倒的な重量攻撃による衝撃と抑え込みにより、一瞬で意識が途絶えて気絶する。そしてその反動で浮かび上がると、すかさず今度はコンプレークスを襲い思い切り尻で吹き飛ばす。

「ぐえええ!」
「ぐはああ!」

 そしてその反動で飛ぶと更に連続攻撃、とその勢いが止まらずに次々と水着人間やコンプレークスが気絶させられていく。

「おのれ、イディオシンクラシー!!クラゲ形態になり貴様をぐえええええ!!」
「いくら身体が柔らくても、このピーチドロップの重量の前には無意味です!」

 先のようにクラゲ形態になり触手で捕まえようとしたがそれをミルケンは見切り、マントや手足で巧みにいなし、尻をクラゲの頭へとぶつけ、気絶させる。

「こいつ、触手を見慣れている!一体何故ぐはああ!」
「ヒーローマスクプライバシーです!」

 ミルケンにクラゲの触手がなぜか通用せず、更にコンプレークスと水着人間たちは数を減らされていく。このままミルケンが圧倒的に連続ピーチドロップで終わると思えた。しかし、そうはいかなかった。段々とミルケンの息が上がり、顔が赤くなる。そして思考が、そして姿がおかしくなっていく。

(水着……ビキニ……はみだし……ああ、素敵、でも、なんで……!)
「ふふふふ、ようやく効いてきたようだな!触手は確かにいなしていたようだが、我らの水着洗脳属性攻撃は触手、そして貴様が触れた体から同志全員が少しずつ行っていったのだ。塵も積もれば山となる。貴様はまんまと我らの罠にはまったのだ!そおら、いい姿になってきたぞ!」

 跳ね続けるミルケンのスカートが徐々に消えていき、小さめの下着が見えてきてしまい、グローブにブーツにマントも消えて、その姿は完全に極小のピンクビキニ姿へとなってしまった。そしてミルケンの顔も、すっかり快楽に蕩け始めてしまっていた。

「あはは、見てください桃姫のだらしないビキニからはみ出したお肉~。水着の食い込みもすっごいのぉ~。もっと見て、見てぇ!」

 ついにミルケン(か桃姫かそれとも両方か)が快楽に堕ちてしまい、すっかりビキニで体をくねらせる変態のようになってしまった。残り少なくはなったがまだ残って入るコンプレークスたちがそれを見て笑う。

「ふははは!ついに解放の神も喜ぶ姿と心になったな!さあ、他のお前達の仲間を襲って同じように--」
「ほらほら、桃姫のお尻の食い込み、みてええええええ♥」
「ぐはあああああ!?」

 同士討ちを命じようとしたコンプレークスに再びピーチドロップが炸裂し、押し付けられて気絶する。

「ど、どうなっている!コイツは確かに露出水着に目覚めてギエエエエエ!」
「ねえ、もっと、もっとぉ、もっと見て見て見てええええ!」
「まさかコイツ、催眠にかかり露出水着に目覚めてもなお、正義を捨てていないというのかグハアアアア!?」
「それとも単にコイツの露出水着属性がなんかおかしいだけグヘエエエエ!?」
「ねえ、もっと、もっとぉ、はみ出しちゃう、もっと動きたいのぉおお♥」

 ミルケンが自身の食い込みやはみだしを求めるあまりに尻を突き出しそれがピーチドロップとなりコンプレークスを制圧していく。しかも恥じらいがない分、それはむしろ洗脳前よりも容赦がない肉圧を込めた威力となる。そしてそれはミルケンが露出水着の快楽に堕ちた以上、もうだれにも止める事が出来ない。

 こうしてミルケンのこの食い込み尻乱舞は、コンプレークスたちが完全に気絶してもなお続き、全員が正気に戻るまで続くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
まあ、協力者が多ければ、そういう方も居ますよねぇ。

何やら『性癖』を語られていますので、その時間を利用して此方も準備を進めましょう。
何やら服装が『露出の多い水着』に変わってきましたが、それは[恥ずかしさ耐性]で耐えますねぇ。

『FMS』のバリアを展開し守りを固め、【膺劃】を発動して『威』を放射、周囲一帯の『区画』を支配しますぅ。
相手の動きは『性癖語り』で見破り易くなっておりますから、動きに合わせて[カウンター]で『区画の地面』から『拘束用の鎖』を放ち、纏めて捕縛しましょう。
後は、スナーク化が解除されるか気絶するまで締め上げておきますが、違う性癖に目覚めたりしないですよねぇ?



●解放の逆に在りしは

「『解放の神』ですか……まあ、協力者が多ければ、そういう方も居ますよねぇ」

 豊満な胸にアレンジした和装風メイド服を纏った夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が別エリアのコンプレークスらの前へと現れた。露出は多めではあるが、それでもコンプレークスらは納得していない様子で。

「むう、まだまだ布が多い!解放の神は納得せぬ!」
「ならばこの技で露出水着に堕ちるがいい!【性癖語り】!」

 コンプレークスたちがるこるの周りを取り囲むと、一斉に語り始めた。

「ビキニの何が良いかそれはまさに露出と動きやすさ、そしてそれを併せ持つデザイン美だ胸と股間の局部のみといういっそ清々しい程の貞淑なる隠し!これこそが神の望む究極の解放なり!」
「いやスリングショットも悪くは無い隠す部分は同じされどそれが紐で繋がれ紐しかないその見えるか見えないかの難易度はビキニ以上それはまさにスリルとドキドキのエクスタシーのエクスプロージョンよ!」
「うわあ、すごいですねえ……んっ」

 コンプレークスたちのそれぞれの性癖語りにつれ、囲まれたるこるのメイド服がジョジョに小さくなっていき、それは露出の多い水着のようになっていく。

「ですがこれくらいならばまだ耐えられますね」

 るこるの精神的な恥ずかしさへの耐性は相当なレベルである。そして恥ずかしさとは自身の精神的防壁を崩れ去るもっとも一番の要因。故に、その耐性は精神異常の耐性とも=となる。自分を保ったるこるは早速対応を開始した。

「むう、まだ抵抗するか!ならば直接触れて確実に洗脳を……何?!」
「ふふ、おさわりはご遠慮しますね?」

 空間が揺らめき、10枚の円盤が現れたと思うとそれが間にバリアを形成。コンプレークスたちの接触を阻み、るこるを取り囲むバリアを形成した。これこそが「FMS(正式名称:フローティングミラーコートシステム)」。るこるが持つ祭器の1つである。そして接触を防いだところでるこるの反撃が始まる。

「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『懲戒の加護』をお与え下さいませ。【豊乳女神の加護・膺劃(チチガミサマノカゴ・トメダテシホウド)】!」

 祈るように掲げた両手から光が放たれる。しかしそれはコンプレークスらにダメージを与えず、すり抜けて地面へと消えた。それを見て一瞬身構えたコンプレークスたちがにやりと笑う。

「た、ただのこけおどしか!」
「驚かせて!このバリアも性癖語りで強化された私たちなら打ち破れるわ!」

 コンプレークスらがバリアを力ずくで破壊しようとした、その時だった。

「もう終わってますよー?」
「何、ぐえええ!?」
「何これええ!?」

 突撃してきたコンプレークスらが、突然全身を見えない何かにがんじがらめにされてしまい、動けずに倒れこんでしまった。

「バカな、攻撃の動作など全く!」
「い、一旦離れるぞ!」

 突然のことにコンプレークスらがどよめき、るこるから距離を取り回避に徹しようとする。

「ダメですよお。あなた方の技は強化される代わりに動きが見切りやすくなる反動があります。避けようとしても見え見えですから」

 避けた先を読むように、もしくは見てない方向から何かが現れ、コンプレークスらを容赦なく縛り上げていく。

 るこるの技は周囲を『区』として支配する『威』を放射し、支配した領域から力場としての『鎖』を発射できるもの。区1枚は畑1つ分だが、増やすことで多数の領域を支配できる。防御を固め、防ぐ間に周囲を支配し一気に一網打尽にする作戦であった。



「ん、んんっ……」
「んぐ、んぐ」

 程なく、コンプレークスや水着人間らが全員力場で捕縛され、全身をきつく直立姿勢で縛られ、無様な柱のように立ち並ぶ空間が完成した。るこるは満足そうに微笑む。

「ではスナーク化が収まるまで、皆さんにはこうして縛られていて貰いますね?勿論、暴れないように容赦なく縛らせてもらいます。何しろ皆さんが崇める解放の神とは全く真逆の状態。皆さん、我慢ならないでしょうから。ええ、まさか」

 るこるが近くのコンプレークスの体を触る。きつく縛られ苦痛もあるであろうその体。だがそこに別の感情を感じて。

「まさか、別の性癖に目覚めてなど、なさいませんよね?」
「んっ……!!」

 崇める神への信心を試すように、もしくは純粋に心配するように、どちらともとれない微笑みを浮かべるるこるに、コンプレークスは底知れない何かを抱いていた。

 こうして少し後、コンプレークスや水着人間らはスナーク化が解けて束縛から解放された。果たしてコンプレークスらが束縛に目覚めたのか、それがまさかスナーク化が解けた後の者たちに趣味の範囲で残ってしまったか、それはるこるだけが知るのみである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

在原・チェルノ
【AS】
念のため聞くけど倒しちゃダメなのよね?あれ
ま、【残像】や【迷彩】で攪乱しながら【サイキックブラスト】で次々気絶させていってスナークが抜けるのを待ちましょ
(でも敵の数は多く、海月化した敵の攻撃を受けて洗脳されてしまい…)
「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ忍姫チェルノ、参上です!」
あ、ハイグレじゃなくて「ハイレグ」だっけ
さておき、ハイレグの魅力に洗脳されたあたしは使命なんか忘れてスナーク様と一緒にハイレグで強調されるお尻から脚にかけてのラインの美しさや食い込みの気持ちよさについて延々と語り合う
もし蜜香ちゃんが正気のままだったら、【サイキックブラスト】で感電させてスナーク様にあたしと同じハイレグの虜にしてもらう
そしてお互いにハイレグを引っ張り合って刺激したり、お互いの太股でハイレグの付け根を刺激してスナーク様に新たなハイレグの悦びを見せつける…

※NGなし・アドリブOKです


美波・蜜香
【AS】
あ、あの確認なんだけど…
ブルマはまだセーフだよね?よね?

チェルノさんと手分けしてみんなをおとなしくさせる
威力を押さえた【ブルーメンブリッツ】やアリスランスの【なぎ払い】でノックアウトしたりして、なるべくやっつけすぎないようにして無力化させる
スナークのUCも触手を掴んで【怪力】で振り回して周りのスナークごと【なぎ払い】で吹っ飛ばして気絶させる

…と、優勢だったけど洗脳されたチェルノさんに無力化され、スナークの触手で快感と共にハイレグ性癖を植え付けられてしまう
そのままヒロインコスチュームを脱ぎ捨て、切れ込みの際どい露出の多いハイレグ水着に着替えてスナーク様に忠誠を誓う
「今日からあたしはハイレグヒロイン、ハイレグリッターになります…」
そしてチェルノさんと一緒にハイレグプレイに興じ、ハイレグ快楽に溺れる
「あぁん、ハイレグって気持ちイイ…❤」

※アドリブOK・NGなし



●永遠の水着拝礼ポーズ

「念のため聞くけど倒しちゃダメなのよね?あれ」
「ダメですよ!元は普通の人達で悪い人じゃないんですから!」
「そっかー……あまりに悪夢が広がっててつい手っ取り早い手段に走りたく……」

 目の前のあまりにあんまりな水着の地獄、阿鼻叫喚の光景に思わず在原・チェルノ(流星忍姫チェルノ・f06863)がそう呟いたのを美波・蜜香(ブルーメンリッター・f20221)が慌てて止めた。ついつい遠慮なく容赦なく倒したくなるが、操られている一般人なのである。多分、きっと。

「水着こそ最高!」
「水着こそ全て!」
「ビキニを着ろ特にビキニをーー!」

「……本当?」
「ほ、本当ですよ! あ、あの確認なんだけど……ブルマはまだセーフだよね?よね?ほら、とーーーっても広い目で見ればなんだか水着みたいにも……」

 こちらを見てきたコンプレークスに対し、蜜香はおずおずとそう尋ねてみたが、コンプレークスは全員眉をひそめた。

「そんな訳あるかーー!」
「ブルマは体操着だろうがーー!」
「お前はブルマ着てプール泳いだ事あるんかーーー!」
「ふえええええええ!!」
「そりゃそうだよ、流石に無理だよ…」

 勢いよく言い負かされてたじたじになった蜜香に対し、チェルノは冷静にそう呟くと、両掌を構えた。

「だからさっさと真正面から大人しくさせるよ!」
「わ、わかりましたあ!でもあくまでダメもとで言っただけですからあ!」

 蜜香も槍を構えると、コンプレークスたちも戦闘開始を悟り2人に注力した。が、一瞬にしてチェルノの姿が消え去る。慌てて周囲を見渡すコンプレークスたちだが、その身体へと次々に電流が走る。

「ぐぎゃあああ!?」
「こ、今度は何ぎひいい!」
「ふふん、あたしの動き、捉えられると思わないでよね!」

 挑戦的に一瞬姿を見せて笑ったのはまさにチェルノ。だがその姿は残像も残すほどのスピードであっさりと消え、加えて迷彩まで使っているのでコンプレークスたちはチェルノの動きを捉えられず、次々にチェルノの【サイキックブラスト】を受けて気絶していく。

「おのれ、ってなんだこの花びら……うぐっ!」
「すみません、峰打ちです!」
「花びらの峰ってどこぐほおっ!」

 蜜香がアリスランスを花びらに変え、手加減した攻撃【ブルーメンブリッツ】で周囲の敵を一気に気絶させていく。その間を縫って攻撃してきた敵も、元に戻したアリスランスによる薙ぎ払いですかさず吹っ飛ばした。

「ならば喰らえ、【イディオシンクラシー】!!」

 残ったコンプレークスたちが一斉に海月に変身すると、一気に触手を伸ばしてくる。流石にこの大量攻撃には何もできない、とコンプレークスたちは思ったのだが、それを蜜香はその両腕で触手を抱え込むと、その怪力で触手ごとコンプレークスたちを持ち上げていく。

「なああにいいいいいい!?」
「どっせーーーい!!」

 そしてそのまま他の海月たちに向かって薙ぎ払い、纏めて衝撃を与える事で気絶させていくのだった。


 だが一方、チェルノの方はそうはいっていなかった。クラゲの触手による物量攻撃により逃げ場が少なくなり、そしてついに足に触手が巻き付いてしまった。

「しまった!きゃあっ!」
「捕まえた!そおれくらえくらえーい!!」

 それをチャンスと見て、他の海月たちも触手を伸ばしてきてチェルノの全身に絡み付いていく。丁寧に両掌に触れない様に巻き疲れ拘束された事で抵抗も出来なくなってしまった。

「ん、んあああ…」
「さあ、我が攻撃の真骨頂を喰らえ!シリアスや常識は脱ぎ捨てて、お前に我らの性癖を刻み込む!さあ、生まれ変われーーー!」
「い、ひぎいいいいい!? 触手から、ぬめぬめした液体から、何かが染み込んでくる……水着……最高……水着……普通……私も……水着……あれ、そうだったっけ、私も、水着だった…………はひいいいい!水着、しゃいこおおおおおお!!」

 そして触手が巻き付かれたチェルノが光出し、やがて触手がほどけるとすたっと何かが降り立った。それはもうさっきまでのチェルノではなく……。

「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ忍姫チェルノ、参上です!」

 ピンク色の際どいハイレグ水着になり、ガニ股で笑顔になり変なお笑いのようなポーズをするチェルノがいた。彼女はハイレグ水着の性癖に染め尽くされてしまったようだ。どうも言い間違えているようだが、コンプレークスたちは気にしなかった。

「素晴らしい!素晴らしいハイグレ忍者だ!」
「ありがとうございます!コンプレークス様!そして解放の神様!ハイグレ最高!水着こそ人類が着るべき衣服!ハイグレーーー!」

 嬉しそうにポーズをし続けるチェルノに、コンプレークスたちは満足そうにうなずいた。


「ふう、やっとこっちは終わりました……チェルノさん、そっちは……って、えええ!?」

 コンプレークスを片付けてきた蜜香はチェルノと合流しに来たのだが、その目の前の光景は彼女の理解を越えていた。

「やはりこの腕の引き上げ、そしてハイグレの食い込みが素晴らしい快楽を私の此処に与えてくれるんです!」
「なるほどなるほど、とても深い因果関係にあるんだねそのポーズと水着は」
「はいぃ!あとあと、お尻から足にかけてのこのラインの美しさがぁ、もう堪らないんですぅ♥ハイグレェ!」
「ウム、確かに美しい!素晴らしい!」
「か、語り合っちゃってるぅぅぅぅ!?」

 そこにいたのはハイレグ水着に変わり果て、変なポーズを取りながら海月コンプレークスらと熱くハイレグ水着の良さを語り合っているチェルノの姿があった。それはどう考えても彼女が敵に堕ちたことを表していた。

「あ、律儀に突っ込んでる蜜香ちゃんやっと来た、ハイグレ!」

 蜜香に気付いてもチェルノは向き直り、両腕を激しく動かして変なポーズをし続けている。そしてその両腕の辺りはほとんど見えそうな際どい部分があり、蜜香も思わず目をそむけてしまう。

「な、何やってるんですか!早く正気を取り戻してください!」
「今があたしの正気だよぉ♥ハイグレ水着こそが人間のあるべき姿だよ、だから……ね♪【ハイグレブラスト】ォ!!」
「え、きゃあああああ!!」

 蜜香がまともに見ようとしなかったチェルノの股間。そこに添えられた両手から、激しい電流が放たれるとそれは蜜香の身体を直撃し、その身体を麻痺させた。蜜香が倒れ伏す。

「な、何、今の……」
「ハイグレに目覚めたあたしの新ユーベルコード!ハイグレブラストだよ!ハイグレポーズにより私の手のひらの電流が更に高電圧化。そしてハイグレポーズにより電流を発射するのさ!」
「違いますよねただのサイキックブラストを変な使い方してるだけきゃああああ!?」

 動けないままでも突っ込んでいた蜜香の身体にコンプレークスらの触手が巻き付いていく。

「それじゃあ蜜香ちゃんも、水着の素晴らしさを教えて貰ってねー。一緒にハイレグポーズやろうね!」
「ぜ、絶対いやで、ひぎいいいいいい!!」

 そして蜜香もまた触手の中に呑まれていった。



 そして数分後--

「今日からあたしはハイレグヒロイン、ハイレグリッターになります……ハイグレ!ハイグレ!」
「蜜香ちゃんも素晴らしいハイグレヒロインになれたね!ハイグレ!ハイグレ!」

 解放された蜜香もまた、際どいハイレグ水着とそれを当然とする精神に変えられ、チェルノと同じ変なポーズを喜んでしていた。蜜香の水着は上半分が白、下半分がピンクと元のコスチュームを彷彿とさせる色合いになっていた。

「はい!あんなに無礼な事を言ってすみません……水着こそ人類のあるべき姿です、ハイグレ!」
「うんうん、分かって貰えると思った!それじゃあ……」
「はい♪」

 2人は間近まで接近すると、お互いの水着をそれぞれ掴んだ。そして、それを思いっきり上へと同時に引き上げた。

「んっほおおお♥水着食い込むうぅうう♥」
「あっひいいい♥キモチよすぎますぅぅ♥」

 それにより元々紐程度に細かった部分が思いっきり食い込み、そしてその食い込んだ部分から強烈な快楽が2人へと襲い掛かっていた。2人にとってはハイレグ水着で行う全てが崇高であり快楽の元、まさに性癖に染め上げられたものになっていた。

「あん、あんっ♥ハイグレ、ハイグレ!」
「あひん、あひぃん!太腿が、付け根にすれてぇ!」

 今度は2人で密着し、相手の水着の付け根を自分の太腿ですりすりと刺激する。傍目にはわからないかもしれないが、これも2人にとっては快楽行為となっていた。

「あぁん、ハイレグって気持ちイイ…❤」
「ふふふ、じゃあそろそろ思いっきりスナーク様にあたしたちのハイグレを捧げよう!」
「はぁい!」

 蜜香があおむけになり、チェルノがその上に逆向きの耐性で乗っかる。それによりお互いの顔の前にお互いの股間、つまりハイレグ水着の食い込み部分がやってくる。そして-ー。

「ハイグレ!ハイグレ!スナーク様万歳!」
「ハイグレ!ハイグレ!解放の神様万歳!」

 2人が同時にあの奇妙なポーズをしだす。そしてその動きの激しい部分、激しく動く食い込みをお互いが間近で見ていた。

「ハイグレ!蜜香ちゃんのハイグレ!ステキだね!」
「ハイグレ!チェルノさんの食い込みも、凄いですう!ずっと見てられますうぅ♥」

 お互いに一心不乱に滑稽なポーズをし、それを互いに楽しみ相手のポーズにも快楽を見出し、永遠にし続けていそうなようにし続ける。まさに2人は水着性癖の中に、シリアスも何もかもを失って、堕ち続けているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャーロット・キャロル
水着姿は私のマッソーをアピールできるので好きではありますがそれを他人に押し付けるのはいけないですね!これは止めなくては。

とりあえず暴れまわってる性癖神達へ向かってこれ以上の暴挙を食い止めますか
「マイティガール参上です!ポーズが栄えるので水着姿は嫌いじゃないですが人に押し付けてはいけません!」

無論私も露出水着姿に変えられてしまうでしょうが負けじとUC●アルティメットマッスルモードを発動です!
そちらが水着の性癖を語るならこっちはマッスルで語るのみ!
自慢のマッスルボディな水着姿を見せつけてやりますよ!

ふふ…やっぱりいいですね露出が多いのでより筋肉が栄えますよ!そうは思わないですかね!
すっかりノリノリな私は性癖神達と意気投合しちゃいますね

確か時間切れでも良かったはずですしこのまま戦闘開始するよりもより語りあって時間を潰させますかね
というわけで更に水着談義をさせていく方向でいきますよ
大事なのは相手の主張を否定しないこと。基本的に肯定してノリノリにさせてしまいましょう!
(アドリブ大歓迎です)



●相手の意見を否定しないコミュニケーション

「水着姿は私のマッソーをアピールできるので好きではありますがそれを他人に押し付けるのはいけないですね!これは止めなくては」

 正義のヒロインマイティガールことシャーロット・キャロル(マイティガール・f16392)は自身のいる世界でもあるこのダストブロンクスでの、少しは少なくなってはきたがまだいくらかは暴れているこの惨状にも怯まずにヒロインとして見据えた。水着を好むのは結構だがそれを他人に押し付けるのはもはや個人趣味の領域を超えている。そもそもが解放の神により植え付けた物ではあるが、彼女が今見据えているのはあくまでコンプレークス達であった。

「洗脳だと決めつけて全てを否定するのは簡単ですが、もしかしたら本当に好きな方もいるかもしれませんからね。ならば、暴挙を止める方法はやはり!」

 シャーロットは高い所へ立つと、そのマントを靡かせてコンプレークス達に叫ぶ。

「待ちなさい!」
「何奴!?」
「マイティガール参上です!ポーズが栄えるので水着姿は嫌いじゃないですが人に押し付けてはいけません!」

 まずは水着姿事態は好きだと表明し、人に押し付けて洗脳する行いが悪いと宣言する。それに対し、コンプレークスたちも反論しながら襲い掛かる。

「だが人類は皆水着になるべき!まずは動きやすさ!服は動きの邪魔になる!貴様のその露出が多いような少ないようなスーツが証拠!」
「そして全裸の美麗さ!人類は生まれ持った肉体を誇るべきだ!貴様の鍛え上げた筋肉もそうだと言っていよう!」
「更に大事な所が見られているかもというスリル!ドキドキこそ人間が求める諸元の快楽だあ!」
「む、くうっ!!」

 露出水着を語りながらの猛攻をシャーロットは体捌きや華麗な動きでかわす。だが、その攻撃が触れたスーツがどんどん布が少なくなり、水着へと変わっていく。しかもそれはとても際どい……。

「こ、これは、スリングショット!?」

 それはなんと胸や股間のみを隠し、しかも細い紐のような布でしかない、露出水着でも究極クラスの種類、スリングショットだったのだ。どうやら残っていたコンプレークスはビキニより更にヤバい奴らだったようだ。

「くくく、スリングショットではもう動けまい」
「激しい動きなどもう不可能」
「諦めて水着こそ服装だと認めて全てを受け入れるのだ!」

 さっきのように激しく動けば間違いなく大惨事。明日のニュースペーパーの一面を飾りかねない。となればもはや今まで洗脳された者達のように、水着を楽に受け入れるしかない、とコンプレークス達は思っていた。
 だが彼女達は知らなかった。マイティガールはこの程度のピンチでは屈しないと。

「確かに恥ずかしくて動く事などできないでしょう……ですが!私の筋肉なら、負けはしません!ふぅぅううう! この溢れる力! この逞しい筋肉! これぞパワー!!!【アルティメットマッスルモード】!!」

 シャーロットが叫ぶと、その筋肉が見る見るうちにバンプアップしていく。華奢だった体があっという間にボディビルダーの如くムキムキマッスルな肉体に。ほとんど露出しているからこそ、その筋肉美はありありと見せつけられていく。スリングショットも大胸筋に引っ張られ、布こと悲鳴を上げているが、逆に張り詰めた分、動いてもそうそうにはずれる事は無くなった。

「な、なんていう筋肉!」
「しかも筋肉により大惨事すら防いだ!?」
「おお、これこそが解放の神が齎された、筋肉の女神……!?」

 あまりの衝撃にコンプレークス達もたじろぎ、中には涙を流している者もいる。そしていよいよその筋肉で攻撃をしてくるかと身構えた者もいた。だが、シャーロットの狙いはそこではない。

「ふふ…やっぱりいいですね露出が多いのでより筋肉が栄えますよ!そうは思わないですかね!」
「え? た、確かに……」
「あれ? 私達を否定するのでは……」
「とんでもない!水着姿はこうして筋肉の全てを隠すことなく曝け出し、その上水着との合わせにより筋肉もまた新たな魅力を見せる、とても素晴らしい物です!ぬん!」

 シャーロットがマッスルポーズを決める。勿論ズレる事も無く大惨事もなく、その筋肉が全て見る事が出来、コンプレークスたちはその美しさに感嘆していた。そして、絶対否定されて倒しにくると思われたところを肯定されたのも。

「そ、そうだろうそうだろう! 競泳水着のあの機能美は素晴らしいのだ!」
「はい! 水泳の為のポテンシャルを全て引き出すのはとても簡単な事ではないと思いますよ!」
「スリングショットもいいだろう! 紐だのなんだの否定する奴らばかりで!」
「とんでもない!究極クラスの身体を出せつつも、それでもしっかり水着として守り魅せる!スリングショットもまた良い露出水着です!」
「葉っぱ一枚あればいい!?」
「葉っぱもありです!原初のアダムとイヴも葉っぱです!時には先祖返りもまた清々しいものでしょう!」

 熱が入ったコンプレークス達に対し、シャーロットは自ら水着を受け入れつつも洗脳には屈せず、そしてコンプレークス達の水着性癖を否定せず、肯定してノリノリに盛り上げていく。それはまさに警察が犯人へ行う交渉に近いもの。暴挙を止める為の方法は必ずしも暴力や戦闘だけではない。こうして相手を理解し、対話してお互いに語り合う事もまた暴挙の制圧に繋がる。ましてや今回は時間制限がある。語り合えばいつかはスナーク化も解ける。シャーロットの狙いは最初からこれだったのだ。

「さあ、どんどん話しましょう!」

 こうして、皆の水着談義はスナーク化が解除されるまで続いた。もしかしたらスナークが解けても、水着の魅力に目覚めた者も、いたかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『マスター・ビキニアーマー』

POW   :    ワシにうぬらの強さを見せてみせい!
【後の先の構えを取る自分 】に変形し、自身の【背の武器を使わないこと】を代償に、自身の【防御力と回避率およびカウンター攻撃】を強化する。
SPD   :    堅牢鉄壁・真・アーマー・ビット
自身が装備する【ビキニアーマーのパーツ 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    ビキニアーマー格闘術最終奥義『鎧包解脱求道拳』
【カウンター攻撃 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【光り輝く拳型のオーラ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミュリエル・フォルクエインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●対決!解放の神~ビキニを打ち破れ~

「皆ご苦労様!残念ながらダストブロンクスではバンダースナッチには逃げられちゃったけど、民衆の被害は0で済んだよ。……あ、うん、何人かまた、心に傷を負ったかもしれないけど……。でも、少し時間はかかったけど、骸の月が止まっているから次の動きを予知できたよ!」

 一旦グリモアベースへ帰還した猟兵らに対し、サイレンは激励と戦果、そして新たな予知を告げる。

「バンダースナッチが向かった先はセンターオブジアース。そう、神の住まう場所。バンダースナッチに協力している悪神たちの居場所だよ。どうやら手早く自分たちのテリトリーに引き寄せたみたいだね。尤も、どうやら転移させたらまたそれを察知してバンダースナッチを別の所へ移動させちゃうみたい。でも、急いだ分、悪神は逃げ場がないみたいでその場にいる。でもスナーク化で逆にこっちを迎撃して倒そうとしてくるよ。悪神を倒せれば転移の痕跡を追えるし、バンダースナッチを今度こそ追い詰める事も出来る筈。だからみんな、頑張って!」

 サイレンは真面目にそう告げ、その相手の情報を開示する。

「ボクが予知したのは『解放の神』。そしてスナーク化してのオブリビオンの姿は……『マスター・ビキニアーマー』」

 ……ん?

「ビキニを着たムキムキの爺さんの姿です」

 おい、また淡々としたいつものカオスを避けてる口調になったぞ。

「はい、コイツがさっきまでの露出水着性癖事件の原因です。とにかく解放しろ解放しろで、今の法律やら規制やらの人間が許せないってんで悪神の勢力に加わったみたい。なのでビキニ姿のオブリビオンをこれ幸いと自分の姿にしたみたい」

 シリアスが音を立てて削れていく音を猟兵は聞いた気がしつつもなんとか話を聞く。

「で、ちょっと厄介なのが解放の神が皆を迎撃する場所に張っている神の領域、その名も『解放領域』。此処はとにかく何かを『解放』していると能力がパワーアップする空間みたい。だから、ビキニ姿で自分の体をほとんど解放している解放の神はかなりパワーアップしているから、気をつけてね。
 ただ、本当に何でもいいらしいんだよね。少しいつもより肌を露出した、でもいいし、ちょっと秘密にしていた事を告白した、でもいいし、武器の通常封印を解放した、でもアリなくらい、緩い。だから何かしら解放して少しでもパワーアップして解放の神の強化を埋めてみるのもアリだと思う。
 それから、解放領域には『解放しやすくする』って特性もあるみたい。そう、皆が皆持ってる解放の姿、『真の姿』もオーバーロード無しでも解放できるみたい。真の姿ならまさにうってつけの解放状態だからパワーアップも働くよ。勿論、個人の自由だから、解放せずに真っ向勝負しても全然オッケー!そこんとこは任せるよ!

 解放の神はとにかく徹底した防御とカウンターの戦闘スタイルだよ。武器を封印して防御・回避を引き上げての渾身のカウンター攻撃。ビキニアーマーを多数複製しての徹底防御、から水着を強制的に着せる事でビキニアーマーで動きを封じる技。カウンターを決めた相手に追撃の必中オーラ拳を叩きこむ技。見た目はアレだけど、耐えて耐えて必殺の攻撃を解放して叩きこむ、まさに解放の神ってスタイルだね。それじゃ、皆がんばって!あともう少しだよ!」

 そしてサイレンは皆を送り出した。



「来おったか。まさか、更にこちらの動きを読めるとはな。骸の月の停止、想像以上に影響が大きすぎたわ」

 猟兵が転移し駆け付けた先、そこはセンターオブジアースの中の『解放領域』。荒野が広がる中にたたずむのは、説明されたとおりのビキニ姿の筋肉老人、マスター・ビキニアーマーこと解放の神だった。その背後には転移の後と思われる穴が開いていた。

「ワシ以外の神々もほぼ果てたようじゃな……バンダースナッチの命運も最早尽きてはいるであろう……じゃが、1人でも残れば良い。1人でも残れば僅かでも人間達を滅ぼす機会はあろう。そういうものなのだろう、フォーミュラとやらはな。ならば、ワシも此処で貴様らを殺し尽すのみよ」

 解放の神は構えを取る。その戦意は凄まじく、全く退く気が無いのが見えた。

「ワシらも生半可な覚悟で人類を滅ぼす事を決意し、奴らに協力した訳ではない。例えワシだけであろうとも、帰順も和解も降伏も服従もあらぬ!ワシが死ぬか、貴様らが死ぬか、二つに一つよ!来い!ワシは解放の神!ワシを上回る解放を見せるか、それとも解放なき抑制でワシをも制するか!お主らの、そして人々の力を見せてみるがよいわ!!」

 解放領域の力で更に能力を向上させ、構えを取る解放の神。オブリビオンではないが、それでも最早オブリビオンと同じ力を持つ。そして彼自身がもう退く気が無い。ここで解放の神と戦い倒すより他には無い。解放領域による解放の力を身に感じつつも、猟兵達もまた解放の神へ構えるのだった。





※第2章では『何かを解放する』とボーナスが加わります。武器の制限の解除でも、少し服を露出するのでもOK。また、解放領域の効果でオーバーロードや大成功しかなくても真の姿を晒す事を可能とし、それによる解放もボーナス対象とします。解放の基準はかなり緩いです。また、解放しなくても苦戦などにはなりません。

※SPD技による複製ビキニアーマーの動きは、攻撃への防御と猟兵への装着拘束とします。1章のようなビキニ以外の服が消えるとか洗脳効果とかは基本は無しとしますがプレイングでその辺りの希望があれば採用します。ただしやられるだけで戦闘ダメージを全く与えないプレイングは不採用になりますのでご注意ください。

※プレイング受付は6月23日(木)朝9時から開始します。執筆は24日から順次開始予定です。
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※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
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ミルケン・ピーチ
引き続き桃姫が出撃

(洗脳解け)
解放しろって…私元々こんな格好なんですけど!?(JC参照)
ミルケン一人で戦ってくださいよ真の姿出せるんだし!
何でこんな時だけ黙るんですか!

まず普通に戦ってみますが、やっぱり強い…!
仕方ない、ここなら脱げます!(マント脱いで解放)
まだ足りない?じゃあこれも!(手袋、ブーツ、スカートと脱いでいき)

ううぅ…もう脱ぐものが…(残りニプレスとパンツのみ)

仕方ない、最後の勝負!
胸からの体当たり、もちろん後の先を取られ反撃されるでしょう
だけどそれでニプレスも吹き飛び、攻撃を振り切った相手に【限界突破】解放された胸でダブル【カウンター】の【豚房流番外術・乳撃必殺】を叩き込みます!



「解放しろって……私元々こんな格好なんですけど!?」
 スナークへと変じた解放の神の言葉に、桃姫は思わずそう突っ込んでいた。ヒーローマスクのミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)と共にある彼女の纏うピンク色基調の衣装は、正義の魔法少女に相応しい……かどうかは各々の魔法少女観に委ねるとして、とにかくこれ以上下手に『解放』するのはちょっと避けたいデザインの代物だ。乙女的に、こう。
「ミルケン一人で戦ってくださいよ!」
 なんてマスクの方に言ってはみたものの、こんな時ばかり紫色のゴーグルはうんともすんとも返さない。もう、と憤慨したように頬を膨らませる桃姫の頬を、瞬間、風が撫でた。
「来ぬのなら! 此方から仕掛けるぞ!」
「ッ……!」
 光の如き踏み込みと共に繰り出された拳をすんでのところで躱し、体勢を屈めて蹴りを繰り出すが、敵はそれを軽く飛び越え、落下の勢いを加えた打撃が桃姫を襲う。
 強い。いかに変じたスナーク姿が奇妙でも、掲げる理想が狂っていても、目の前の相手は神の一柱。ただ戦うだけでは勝ちようがないと直感し、桃姫は仕方なしに純白のマントに手をかけた。
「仕方ない、ここなら脱げます!」
「フ……その解放や良し! だが、まだ足りぬな!」
「まだ足りない? じゃあこれも!」
 足りぬなら、なおも追うまで。装身具の一つ一つを自ら剥ぎ取るようにして脱ぎ捨てていき、その度に鋭さを増す桃姫の攻撃に、けれど神は怯まない。
「ううぅ……もう脱ぐものが……」
「どうした! うぬらの強さはここまでか!」
「……仕方ない、最後の勝負!」
 裸足で地を蹴り、迎撃の構えを取る敵へ敢えて胸からぶつかっていく桃姫。当然、待ち構えていた解放の神のカウンターがその威力を弾き返したが、吹き飛んだのは彼女の豊満な肉体ではなかった。露わになった両の乳房の質量で、そのまま肉薄した敵の頭部を挟み込み、桃姫は渾身のユーベルコードを放つ。
「潰れちゃえ――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
「……帰っていいですか?」
いや、相棒ッ!?さっきも同じやり取りした気がするぜ!?
現れた敵がビキニを着たムキムキの爺さんじゃ気持ちも分からなくはねえがッ!?
ほらほら、ちゃっちゃと倒しちまおうぜッ!
って『解放領域』だあ!?なら相棒が諸肌晒すかぁ?
「するわけないでしょ!?」
じゃあ、代わりに取って置きを解放するか。
妖刀解放ッ!

神には神だぜ。
…呼び出した『空亡』がビキニ爺を見てコイツと戦うのか?みたいな困惑の表情をした気がするが、気にせず戦闘開始だ。
相棒が神楽舞を奉納してる間、空亡がビキニ爺に襲いかかるぜ。
変態の防御とカウンターごと天変地異で飲み込んじまえッ!


【技能・封印を解く、ダンス】
【アドリブ歓迎】



 大質量からの強烈な衝撃を叩き込まれ、額から血を流してよろめきながらも、解放の神が止まることはない。
「成程面白い! 儂を超えようと申すか、猟兵どもよ!」
「……帰っていいですか?」
「いや、相棒ッ!? さっきも同じやり取りした気がするぜ!?」
 自身の『肉体』たる相棒の冷めた言葉に、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)はそう声を上げずにはいられなかった。いや、気持ちは分かる。だってオウガ・フォーミュラを匿う悪神と聞いていた敵なのに、目の前に出てきたのはビキニの変態だし。
 ……まあ見た目はどうあれ、相手がオウガ・フォーミュラに与する悪神なのは紛れもない事実だ。どうにかして自身と相棒の気持ちを奮い立てるように、凶津は声を張り上げる。
「ほらほら、ちゃっちゃと倒しちまおうぜッ!」
「ほう、威勢が良いな! 我が『解放領域』を前にどう戦うか、ならば存分に見せてもらおうか!」
「なら相棒が諸肌晒すかぁ?」
「するわけないでしょ!?」
 即座に止められた。
 ともあれ、この神の前では何かを『解放』することで力を得られると見た。そしてその対象は、別に素肌に限らない。冗談だよと声音で笑って、凶津は相棒に再び呼びかける。
「じゃあ、代わりに取って置きを解放するか」
 返ったのは、短い頷き。そしてその手の中の妖刀から、見る間に黒き禍龍――百鬼夜行龍『空亡』が顕れる。赤々とした瞳がちらと解放の神を見て、なんとも言えない困惑の光を揺らめかせた気もしたが、そんなことを気にしている場合ではない。頼むよと呼びかけ、そして相棒が神楽舞を捧げ始めれば、黒龍も覚悟を決めたように天へひとつ吼えた。
「ほぅ、――これは」
「その目に焼き付けるといいぜッ!」
 まるで大気を切り裂くように、龍の巨体が宙を疾る。牙と爪による攻撃をビキニアーマーの最小限の装甲で受け流し、解放の神は龍の鱗に掌底を叩きつけた。気が弾け、続けざまに放たれた拳のオーラが巨顎を強かに打ち、さしもの空亡も苦痛に大きく口を開いた。
 否、そうではない。それさえも呑み込み、喰らおうとして、この禍龍は吼えたのだ。咆哮に喚ばれた嵐が、雷が、大地の鳴動と共に悪神を打ち据えていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

美波・蜜香
【AS】
ここからはあたしたちの反撃フェイズよ!
ブルーメンリッターの本当の力、見せてあげる!

【限界突破】で真の力を「解放」、そのまま【怪力】でアリスランスの【なぎ払い】でボスを叩きのめす!
ボスが後の先の構えを取ったら距離を取って【槍投げ】でアリスランスを投げつけると同時にダッシュ
相手が飛んできたアリスランスをカウンターで弾いたらそれを【ジャンプ】してキャッチ、そのまま【ランスチャージ】してチェルノさんのUCに続ける形で【リヒトシュトローム】!

※アドリブOK・NGなし


在原・チェルノ
【AS】
よくもあたし達を恥ずかしい目に遭わせてくれたわね!
今に始まった事じゃないけど!
ともあれ、流星忍姫チェルノ、参ります!

真の姿を解放し、【残像】と【迷彩】で敵を翻弄しながらマスターに必殺の一撃を食らわせる!
…フリをして【フェイント】でカウンター攻撃を空振りさせ、そしてそこを狙って【神羅迅雷】の一撃を食らわせ、蜜香ちゃんの一撃へと繋げる

「どう?これがあたしの真の力よ!」

※NGなし・アドリブOKです



「よくもあたし達を恥ずかしい目に遭わせてくれたわね!」
 今に始まったことではないが、それでも言わずにはいられない。ふんすと憤慨する在原・チェルノ(流星忍姫チェルノ・f06863)の隣でひとつ頷いて、美波・蜜香(ブルーメンリッター・f20221)も構えを取る。
「ここからはあたしたちの反撃フェイズよ! ブルーメンリッターの本当の力、見せてあげる!」
「流星忍姫チェルノ、参ります!」
「――来い!」
 深々と構えた解放の神の瞳は、なおも煌々と光っている。微動だにせずただそうしているだけで感じられる重力にも似た圧は、眼前の敵がまさしく『神』なのだと思わせた。僅か一瞬視線を交わし、それだけで二人の少女は瞬時に互いの次の一手を共有していた。
 さながら流星のように一直線に、蜜香は敵目掛けて駆けていく。アリスランスを繰り出すスーパーヒーローの膂力は、少女の細腕のそれとは思えぬほどだ。ランスの穂を掴み、胴を貫く一撃を力任せに逸らした神が次の一手を待つように敢えて半身を引いたのを見て、蜜香も槍ごと軽く飛び退る。睨み合いは、おそらく実際の時間にして数秒にも満たない。けれど互いに次の動きを読み合うその一瞬は、焼けるように長く感じられた。
 最初に動いたのはチェルノだった。残像が見えるほどの速度で敵へ駆け寄りつつ、その手が数度空を切る。手刀による衝撃波か、或いは忍術の類か。警戒するように数歩下がった神の肩口に、瞬間透明な手裏剣が続けざまに突き立った。
「!」
「掛かりましたね!」
 二度、三度、四度、一瞬の煌きだけを残して同じ手裏剣が宙に放たれる。さながら罠のように空中のどこかに撒かれたそれを、神は敢えて己の身で受けることをよしと判じたらしい。見えざる刃に皮膚を裂かれながらチェルノを狙って突進する神に、蜜香が花蕾の槍を投げつける。襲い来るそれを一瞥し、ただ片腕を振り上げただけで、神はランスを空中へ弾き飛ばした――けれど、それこそが二人の狙い。
 迫り来る神の一撃を紙一重の差で掻い潜り、至近距離から渾身の一撃を叩き込むと見せかけて、チェルノはするりと神の背後へ滑り込む。敵が反応し、振り向くまではほんの一瞬。されどその一瞬で充分だった。ばちり、チェルノの利き手に雷光が纏わりつく。そして彼女は、躊躇うことなくその掌底を突き出した。
「灼き滅ぼせ、破邪の一撃!」
 超高圧の放電が、瞬間激しく弾ける。目も眩むような閃光の中、くっきりと浮かぶ影が神の頭上にひとつ。弾き飛ばされた槍を跳躍して掴み取っていた蜜香が、今しもその穂先ごと神の真上に落ちようとしていた。
「貫け、想いの光――!」
 美しき槍の穂が触れた瞬間、眩い光が波濤の如く溢れ出す。全てを呑み込み、包み取るようなエネルギーの奔流が晴れたその時、解放の神を名乗る悪神の姿はもはや何処にもなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ミストレス・バンダースナッチ』

POW   :    紫煙の狙撃手
自身の装備武器を【紫煙のバレットXM500(対物狙撃銃)】に変え、【あらゆる障害物を貫く狙撃】能力と【紫煙に触れている対象の位置を捕捉する】能力を追加する。ただし強すぎる追加能力は寿命を削る。
SPD   :    紫煙の格闘家
自身のオリキャラ「【紫煙の格闘家】」を具現化する。設定通りの能力を持つが、強さは自身の【周囲の戦場に満ちる紫煙の量】に比例する。
WIZ   :    紫煙のスナークシールド
自身の【煙草】から【紫煙のスナークシールド】を放出し、戦場内全ての【敵が行う攻撃】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 協力者である『解放の神』が斃れたことで、ミストレス・バンダースナッチの所在もまた予知されるに至った。そこはアトランティスの海底都市。ドームに覆われた都市ひとつが丸ごと、彼女の操る紫煙に満たされ、穢されようとしているのだ。
「勝手に生まれるといい。その後は好きにするといい。望むまま、虚ろに生きて、虚ろに死ね」
 煙管を手に、そうバンダースナッチは億劫そうに呟く。呟きの向けられた先には、紫煙に巻かれて苦しむアトランティスの住民達の姿があった。――おそらく時間をかければ、この密閉された都市の人々は、一人残らずスナークに変えられてしまう。
七詩野・兵衛(サポート)
『アルダワ魔法学園応援団『轟嵐会』団長 七詩野兵衛である!』
アドリブ他の猟兵との絡みとカオス?も歓迎
見方によってはギャグキャラ化する

怪我は厭わず積極的に行動する。
何らかの事情で必要がある場合以外は、
他の猟兵に迷惑をかける行為や公序良俗に反する行動はしない。

我輩の応援は森羅万象の全てが鼓舞する対象だ!
それは巻き込まれた一般人から士気の足りぬ者たち。
たとえ枯れ果てた森だろうと、
無念にも死んだ者たちの魂や死体であろうとも!
我輩の『気合』と『情熱』がこもった応援で
ありとあらゆるものを鼓舞するのだッ!
(というある種の狂人)

応援が必要ないなら普通に戦闘をする。
最近は団旗を槍投げで投擲するのがお気に入りだ。



「押忍! 諦めるな!」
 もうもうと紫煙の立ち込めるドーム内に、それを吹き飛ばすような大音声が響き渡る。あなたは、と倒れ伏したまま問うた住民の言葉に、男は朗々と叫び答えた。
「アルダワ魔法学園応援団『轟嵐会』団長、七詩野兵衛である! 諸君を! 鼓舞し! 立ち上がらせる為! 此処に来たッ!」
「……」
 呆然と住民達は彼を見上げる。自分達はただの一般人で、ヒーローやヴィランのようにユーベルコードを使いこなす訳ではないし、そもそも煙に当てられてこの通りの状態だ。……そんな状態で、一体何を頑張れと言うのだろうか。
「心配するな。我輩は全てを応援する。森羅万象、全てをな」
 やけに頼もしい口調で言い切り、そうして男――七詩野・兵衛(空を舞う熱血応援団長・f08445)はばさりと長ランの裾を翻した。
 都市中に充満した紫煙は、住民達をスナーク化させる触媒であり、オウガ・フォーミュラの変幻自在の武器であり、また猟兵からの攻撃を無効化する盾だ。応援に最適化された呼吸を繰り返す度、喉から肺へ流れ込む厭な感覚の中から、兵衛もそれを鋭敏に察知していた。煙の流れから察するに、敵はおそらく都市中央あたりにいるのだろうか。だが、敢えてそこを目指すことは他の猟兵に託し、兵衛はその場で両の拳を握る。
「我輩が! 我らが諸君と共にあるッ! 故に我輩は此処に居るッ!!」
 腹の底から張り上げる声が、狂おしい程に真っ直ぐに突き上げられた拳が、人々への純粋な応援を謳う。オウガ・フォーミュラの能力を前に、それはあまりにも些細な抵抗かもしれない。けれど応援団長の矜持は、決して目の前で涙している人々を見捨てない。或いはその檄が、彼らのスナーク化を僅かでも食い止めると信じて――いや、そのような打算はきっと彼の中には存在しない。
 ただ心のままに、信念のままに、そうして兵衛は再び声を張り上げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

藍原・蒼夜(サポート)
 人間の學徒兵×力持ち、20歳の女です。
 普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「あらあら……アトランティスの街って、とても綺麗な所と聞いていたのよ。これだけ煙が濃いと、せっかくの景色も見えないわ」
 困ったわねえ、と小首を傾げる藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)の姿勢や表情に、戦場に赴く緊張は見て取れない。けれどごく自然に刀の柄に手を伸ばすその所作には、確かな剣の腕が滲んでいた。
「ええと、聞いたお話からすると……こっちの方、で合ってる筈よね」
 呟き、不意に蒼夜は退魔刀を振り抜いた。白く輝く刀身のごく一点から細く煙が立ち上るのをちらと見て、彼女は僅かに表情を変える。
「どうやら向こうは、もう気付いてるのね。でも、方角は合っていた……!」
 予知によれば、敵は紫煙をそのまま様々な武器や配下に変形させ、自在に戦闘に用いるという。おそらく今の狙撃も、そうした手段で放たれたものだろう。まるで警告のように時折降り注ぐ煙の銃弾をその都度刀で防ぎ、或いは躱しながら、やがて蒼夜は街の中央区画へと辿り着く。
「バンダースナッチさん、いらっしゃるかしら~……」
「……猟兵か」
「ええ、こんにちは。あまり沢山時間は取れないけれど……貴女と戦いにきたの」
「そう」
 返答は短く、すげない。ただ口元から新たな紫煙を吐き出したミストレス・バンダースナッチを前に、蒼夜は食欲をそそる匂いを立てる骨付き肉を取り出した。
「……何だ? それは」
「ふふ、特製骨付き肉よ。とっても美味しいの」
「戦いに来たと聞いたけれど」
「ええ、それも本当」
 まるでお茶会かランチでも楽しむような、ごく穏やかな調子で頷いて、蒼夜は骨から齧り取った肉を飲み下す。瞬間、彼女の周囲に漂う煙が大きく揺らめいたように見えた。
「だいたい2分しか保たないから……全力、出させてもらうわね?」
 微笑んだまま骨を放り捨て、そうして蒼夜は地を蹴った。全身の細胞が特製肉で増強されている今、その身体能力は実に6倍。反動が来るまでの間に、一気に攻める――迷いなく落ち着いた瞳は、その一心でバンダースナッチだけを捉えていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎



 ふと肌が粟立つような感覚を覚えて、バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)は周囲に視線を走らせる。立ち込める紫煙の奥から、スナークの群れがこちらに迫っているのがうっすらと見えた。
「……あれもこの街の人達を使って造り出したものってわけ」
「スナークはどこからでも生まれる。無論、アトランティスの人間からも」
「よく言うわ」
 さも怪物が自然発生したかのようなバンダースナッチの言いぶりに、嫌悪を隠すことなくバジルは吐き捨てる。研究狂いの彼女とは言え、その内側には良心や倫理観がない訳ではないし――何より傷病に苦しむ人を放っておくのは、薬剤師としての矜持が許さない。
 煙越しに視認できる程に、スナークはこちらに接近している。ならば既に、彼らはこちらの射程圏内だ。白衣の内側から一本の試験官を取り出し、親指の爪でその栓を弾いて、いざなうように彼女は呟く。
「睡眠は薬に勝る、今は少し休みましょう」
 試験管の口から流れ出した気体は、ユーベルコードを含んだ特別製の催眠ガスだ。それを吸い込んだスナークが、一体、また一体とその場に倒れ伏し、穏やかな寝息を残して沈黙していく。続々と無力化されていくスナークを一瞥し、肩をすくめたバンダースナッチの瞳を真っ直ぐに見つめて、バジルはうっそりと微笑んだ。
「じゃ、ちょっと二人きりでやり合ってみましょうか。まだ試したことのない薬が色々あるのよ、毒だけど」
 貴女のその煙も、無限ではないのでしょう? と。
 そう問いかければ、それでもいいとオウガ・フォーミュラは投げやりに答えた。されど早々に死ぬ気もないと煙管を回して、彼女は紫煙の中から一人の格闘家を具現化させてみせる。
「まずはそれがお前の相手だ。薬の実験がしたければ、好きにするといい」
「そう? じゃあ、お言葉に甘えて……なんて」
 相手はあらゆる攻撃を無効化するスナークシールドをまだ残している。手順を誤れば、実験も戦闘も台無しだろう。慎重に冷静に、されど迅速に手持ちの毒の効能と効果時間を計算しながら、バジルは白衣のポケットに手を差し入れた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」

楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気であり、根本が人でない故に残酷

神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も一応遵守しようとするが、それはそれとして楽しそう、面白そうで物事を判断し、それを優先して行動する

バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ

戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、捕食等の野性味溢れる攻撃スタイル
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる



「街がぜーんぶ透明な屋根の中にある! アトランティスって面白いね!」
 誰にともなくそう言ってはしゃぐアウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)の巨体が、襲い来る紫煙の格闘家を薙ぎ倒し、放たれる紫煙の銃弾を払い落としながらずんずんと進んでいく。『森の怪物』であるところの彼女にとって、海底に築かれたアトランティスの街並みはそれだけで物珍しく、楽しいものなのだろう。
 だから、この街を独り占めにしてめちゃくちゃにする人は許せない。
 もっともっとこの街を楽しみたいのに、もくもくと煙が邪魔で腹立たしい。
 どこまでも無邪気な怒りと共に、バイオモンスターの少女は中央広場へ到達し、そうして眼下に件の『悪い人』の姿を認めて。
「見つけた! あなたでしょ!」
「おまえのことなど、私は知らない」
「わたしはアウル! ねえ、あなたでしょ? この街をこんなにしたの」
「それはそうだ。……それが?」
「なんでそんなことするの? こんなに素敵な街なのに!」
「さて。……何故だろうな」
 どことなく投げやりな答えは、やはり虚ろな声でしか返されない。それもまた、アウルの気にはひどく障った。
「むぅ……そんな言い方ってないんじゃない!? わたし、真面目に聞いてるんだから!」
「質問に答える意味を感じない」
 ある意味で、バンダースナッチのその答えも正しい。けれど最早、アウルにとってそんなことは関係なかった。自身に紫煙の銃口が向けられているにも関わらず、堂々と大きく胸を張って、少女はぐっと拳を握る。
「じゃあ、もういい! わたし、あなたに怒ってるし……それに、猟兵としてあなたのことはやっつけなきゃ!」
 振り上げた拳の中から、すらりと前後に光が伸びる。それは膨大なマナで編まれた、実体なき森羅の槍。煙弾の雨を浴びてもなお止まることなく振り下ろされたその白き穂が、オウガ・フォーミュラの肉を灼く音が響いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
 スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
 普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 紫煙の中から格闘家が滲むように現れ、迫って来る。それをじっと見据えていた目をふと細め、高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)はバンダースナッチに問いかけた。
「こちらの格闘家さん、貴女の考え出した存在なんですよね? 一体どんな方なのかしら」
「さあな」
「あら」
 想像から作り出され、その設定通りの強さを持つ『キャラクター』。であるなら、或いは彼女の中にも何らかの物語があったのでは、という期待が数割。読書趣味ゆえのそんな興味も含めての問いかけに、バンダースナッチはすげなく答えた。
「想像したければ好きにするといい。私は知らない」
「ううん……とは言え、私はこういうの、あまり得意ではないんですよねぇ」
 あくまで自身は魔法使いであり、司書であり、肉弾戦はそこまで得手ではない……と茉莉は主張するが、その手にはしっかりと光子連結剣が握られており、紫煙の格闘家の攻撃を的確に凌いでいる。謙遜を、と吐き捨てたバンダースナッチの言葉は、或いは本心だったのかも知れない。それを掻き消すように踏み込んだ茉莉の剣が、光の尾を引いて格闘家の核を貫き、煙へ還し、そしてそのまま地へ落ちる。
 剣の柄を放した手にすかさず三日月の杖を握り、茉莉は素早く呪文を紡ぐ。編み上げられた魔法が紡ぐ炎の矢は、五百、否、六百をもゆうに越えようか。杖を掲げ、無数の矢を解き放つタイミングを数えながら、茉莉はバンダースナッチに向けてにこりと笑う。
「ところで、ここまでの戦いで貴女もそろそろお疲れでは?」
「ハ――」
「……その盾、使い過ぎにならないといいですね」
 薄らぎ始めた紫煙の盾を迂回するようにして、炎が花弁の如く舞い踊る。そうして殺到した魔法の矢が、確かにオウガ・フォーミュラの肉体を貫いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

七星・天華(サポート)
 羅刹のガンナーで元気娘。
 基本的にフレンドリーに接する。

『一般人に過度な期待はしないでよね。』

自分は才能など無い平凡な存在だと思っているが実は天才。

二丁拳銃「白雷」と「黒雷」を用いた近距離戦闘も可能で
ナイフや体術も扱える。
装備や戦場の地形を利用した遠近両方の戦闘も可能。
生まれつきの体質と装備の影響で常時帯電している。

世界を放浪して手に入れたアイテムで出来る事の幅が広い。

少々過酷程度の環境は即座に対応適応するサバイバル能力。
美人な元気娘だが暗殺もするデンジャラスな一面も。

家族のみんなが好きだが特に姉が大好きで昔から姉の一番のファン。
出身の隠れ里に自分にもファンが居るとは微塵にも思っていない。



「オウガ・フォーミュラ……って、なんかすごいの相手に駆り出されちゃってない?」
 一般人に過度な期待はしないでよね、とぼやく七星・天華(自覚無き天才・f36513)だが、彼女とていっぱしの猟兵だ。戦う覚悟はとうに決めているし、この程度の過酷な環境には慣れている。挨拶のように放たれた紫煙の弾丸を地に転がって素早く躱し、即座に彼女は二丁拳銃を構えた。
「期待はしてほしくないけど、あなたを前にして帰るって訳にもいかないのよ……ね!」
「難儀だな」
「ええ、本当に!」
 皮肉とも同情ともつかないバンダースナッチの言葉に、天華もあくまでさらりと明るくそう返す。本当に難儀なものだ。何の才も誉れも持たないと思っていた自分が、何故かこんなところでオウガ・フォーミュラの首を取ろうとしているなんて!
 立ち並ぶ建物の影に一旦転がり込み、射撃の隙を伺う素振りを見せれば、背後の紫煙が大きく揺らぎ、巨躯の格闘家を形作っていく。
「知ってた」
 振り向きもせず、天華は短くそう呟く。それは予知によって教えられたものではなく、彼女の天性の勘が告げたもの。電流を纏う拳銃の片方で即座にその足を射抜き、別の建物の際へと飛び込みながら、それにね、と彼女は続けた。
「一人じゃないのは、こっちもなのよね!」
「……上か!」
 新手の猟兵を警戒して視線を巡らせていたバンダースナッチが、一瞬遅れて紫煙満ちる空を見上げる。煙に紛れるようにして浮かんでいたのは、ユーベルコードによって召喚された巨大な飛空艇。その甲板から一斉に銃口をこちらに向ける傭兵達の幽霊の姿に、ああ、とバンダースナッチの口から煙ならざる吐息が零れた。
「此処までか。少なくとも、今回は」
「そういうことみたい。……それじゃあ、さよなら。ミストレス・バンダースナッチ」
 傭兵達の絶え間ない射撃の雨を、既にバンダースナッチは防げない。そうするだけの時間は、最早彼女の盾には残されていない。弾幕によって完全に一つ所に縫い留められる形になったバンダースナッチの心臓を、電光纏うたったひとつの弾丸が、そうしてあやまたず撃ち抜いた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2022年07月20日


挿絵イラスト