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殲神封神大戦⑪〜無垢なる殺戮の青龍

#封神武侠界 #殲神封神大戦 #殲神封神大戦⑪ #『王翦大将軍』


●封神武侠界・楽浪郡
「あちゃ〜、へーかがやられちゃった!」
 『王翦大将軍』は明るく失敗したと言い放ち、笑顔のまま肩をすくめて感情をオーバーに表わす。
 そして無能な張角に悪態を吐き、『韓信大将軍』のように異門同胞を破って「三国英雄探しの旅」に出ればよかったとぐちぐちと愚痴を撒き散らす。
「ま、いっか。過ぎたことだし。それより、新しいへーかの「兵馬俑」を探そっと。へーかはもう『増殖する水銀』だから、本当は身体も思考もいらないけど、天下を治めるには、民草に納得される肉体と脳味噌が必要だもんね」
 新しい始皇帝へーかの身体を探さなくてはと歩き出す。
「幸いにもここ楽浪郡は『流れ者の宝庫』! なんでかわかんないけど、異世界から飛ばされてくる奴が多いんだよね〜」
 不思議な事だが、お蔭で異世界からの人材には事欠かない。
「でも、なかなかいないんだよね。将の器とは全く異なる、大帝国を統治できる覇王の相の持ち主……つまり、倫理観が終わってて、断言癖がスゴいやつ!」
 今までも王翦は異世界人を殺してオブリビオン化させた配下を従えていた。それでも覇王の相とは早々に見つかるものではなかった。
「深謀遠慮な賢者は覇王に向いてないから、拝み倒してあっしの仲間になってもらおっと。だってもうすぐ猟兵達が来るもんね!」
 猟兵達がやってくる前に異世界人を皆殺しにして見つけようと、無邪気な笑みを浮かべて楽浪郡の街に出た。
 そこには年代物の宇宙船だったものが置かれ、今ではバラして人が住む街と化している。
 街で日常を営む異世界人を笑顔のまま無造作に王翦が屠る。殺されオブリビオンと化した異世界人であるウォーマシンの兵士達が意識を塗り替えられ王翦に従う。
「時間もないしどんどんいくよ!」
 楽しそうに笑って殺戮する王翦はどんどんと軍勢を大きくして街の蹂躙を始めた……。

●グリモアベース
「『王翦大将軍』のいる封神武侠界の果て「楽浪郡(らくろうぐん)」への道がつながったよ!」
 ラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)が戦況が進んで新たな戦場が広がったことを猟兵に伝える。
「楽浪郡は異世界の人が神隠しで飛ばされてくるっていう不思議な土地なんだって。だから街並みも異世界風の場所がいろいろあるみたいだよ」
 異世界の人や物資、そんなものが流れ着く場所で異世界の文化が根付いているようだ。
「その地を支配する王翦大将軍(おうせんだいしょうぐん)は始皇帝の配下(瑞獣)で、戦いが大好きな将軍みたい。いっつも笑顔で悪いこととも思わず楽しそうに人を殺しちゃう怖い瑞獣なんだって」
 想像してブルッとラフィロワは体を震わせる。
「その王翦大将軍が倒したはずの始皇帝の新しい身体にしようと、優れた異世界人を殺してオブリビオン化しようとしてみたい!」
 始皇帝の本質は『増殖する水銀』であり、まだ死してはいないのだという。
「このままだと異世界人がいっぱい殺されてオブリビオン化されちゃうし、始皇帝も蘇っちゃう! だからみんなには王翦大将軍をやっつけてもらいたいんだ!」
 王翦の異世界人探しを止め、早々に撃破して決着をつけなくてはならない。

「みんなに行ってもらう場所は宇宙船を解体した街で、スペースシップワールドから流れ着いた人が集まって住んでるみたい」
 その中でもウォーマシンが多く住み着いている場所のようだ。その住人が殺されオブリビオンの兵士となって今もなお敵兵が増え続けている。
「銀河帝国時代の人たちみたいで、鎧装騎兵だったみたい。アームドフォートや熱線銃で攻撃してくるから気をつけて」
 銀河帝国で兵士として戦っていた者達も大勢いる。それが何の因果か皇帝の支配を逃れ流れ着いた異世界でオブリビオン化させられるのだから、運命の皮肉と呼ぶしかない。
「そんな兵隊さんの相手も大変だけど、王翦大将軍は先制攻撃をしてくるんだ! これを何とかしながら王翦大将軍を守ろうとする兵隊さんを倒して、王翦大将軍を攻撃しなくっちゃならないんだよ」
 軍勢に守られる王翦を叩くには、まず軍勢をどうにかしなくてはならない。先制攻撃を凌ぎながらの戦いは困難なものとなるだろう。

「でもこれ以上犠牲者を増やさないためには、王翦大将軍を倒さないといけないんだ。みんなの力だけが頼りなんだよ!」
 この事態をどうにかできるのは猟兵だけだと、ラフィロワはみんなと目をしっかりを合わせてどうか助けてあげてとお願いする。
「異世界に流れ着いたスペースシップワールドの人々を守ってあげて!」
 王翦大将軍の殺戮を止める為、猟兵は急ぎ楽浪郡へと向かった。


天木一
 こんにちは天木一です。
 楽浪郡で王翦大将軍と率いるウォーマシンの鎧装騎兵の軍勢との戦いとなります!

 このシナリオは、1章だけで完結する戦争シナリオとなります。
 強敵であるやや難易度の高いシナリオとなっております。

 街は宇宙船を解体した資材を使って建てられたもので、かなり頑丈です。
 王翦大将軍を守るように軍勢は展開し、飛び道具で攻撃してきます。
 王翦大将軍はユーベルコードによる先制攻撃を行います。
 王翦を取り巻く集団敵を倒しつつ、敵の先制攻撃に対処するとプレイングボーナスが得られます。
 配下の軍勢は王翦から力を供給されており、王翦を倒すと消滅します。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
 それでは虐殺を止めるべく王翦を討ち滅ぼしましょう!
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第1章 ボス戦 『『王翦大将軍』』

POW   :    王翦異界混成軍
レベル×1体の【異世界オブリビオン兵団】を召喚する。[異世界オブリビオン兵団]は【出身世界】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    王翦奇兵用兵術
いま戦っている対象に有効な【ユーベルコードを使う新たなオブリビオン】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    王翦龍神変異軍
召喚したレベル×1体の【オブリビオン軍団】に【龍の角と尾、翼】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
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天道・あや
死人に口なし!……いや、まあ、デッドマンさんとかいるけど。……でも!無理矢理は良くない!無理矢理は!

という訳でその企み、星であるあたしが砕かせて貰うぜ!

迂闊に飛び込んだら銃弾の雨であっという間にやられるよね。となると……上手いこと隠れたり誘導して進んでみますか!

まずは兵士と異世界オブリビオン兵団の前に姿を表して【存在感・挑発】する!

それで敵が攻撃してきたら、【ダッシュ】で街中へと逃げ込む! そして!予め街に設置しといた【ラジカセ・自作CD】とUCで召喚した仲間に兵士さん達を陽動して貰う!

その隙にあたしは王翦大将軍へと突撃!攻撃を【見切り】、懐へと潜って……パンチ!【鎧砕き、属性攻撃(雷)】


夜刀神・鏡介
始皇帝を討った後に判明する新事実、か?
どのみち倒すべき相手だが、あわせて奴の策略も挫いておこう

神刀を片手に、バイク『八咫烏』に騎乗。街の建物などを壁にしつつ、バイクの機動力を活かして攻撃を回避しながら斬撃波で攻撃
だが、王翦が更に軍団を召喚してきた以上はちまちま倒しても埒が明かないし、どうにか一気に突破したい
坂道なりを上手く使ってバイクで大ジャンプして、敵の頭上を一気に飛び越える
敵は攻撃を仕掛けてくるだろうから刀を振るって迎撃しつつ、機を見てバイクから飛び降りる
そのまま落下の勢いを乗せて肆の秘剣【黒衝閃】で攻撃。王翦と周辺の敵を纏めて攻撃
その後、敵が体勢を整える前に素早く王翦に切り込んでいく



●追いかけっこ
「死人に口なし! ……いや、まあ、デッドマンさんとかいるけど。……でも! 無理矢理は良くない! 無理矢理は!」
 天道・あや(スタァーライト(皆の道を照らす一番星)・f12190)は殺した異世界人をオブリビオン化する王翦大将軍に待ったをかける。
「という訳でその企み、星であるあたしが砕かせて貰うぜ!」
 意気込んで楽浪郡の宇宙船を再利用した街に近付くと、ウォーマシン兵が王翦を守るように陣を張っているのが見た。
「迂闊に飛び込んだら銃弾の雨であっという間にやられるよね。となると……上手いこと隠れたり誘導して進んでみますか!」
 威勢よく言い放ちながらも行動は慎重に、建物の陰に隠れながら兵士を避けて王翦へと接近する。

「始皇帝を討った後に判明する新事実、か? どのみち倒すべき相手だが、あわせて奴の策略も挫いておこう」
 夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)はどうせ全ての敵を倒すのだから問題ないと、バイク【八咫烏】に乗って街中を突っ走る。
「侵入者だ!」
「猟兵を大将軍の元へ行かせるな!」
 オブリビオンと化したウォーマシンが阻止しようとブラスターで銃撃する。
 鏡介は強固な建物を利用して射線を外れ、バイクの機動力を活かして回避し、前方を塞ぐ敵兵を神刀【無仭】を振るって飛ばす斬撃波で薙ぎ払う。
「あっちにも猟兵が居るぞ!」
「大将軍の敵は全て殺せ!!」
 あやを探していた兵団が鏡介に気付き、一斉に銃撃を開始した。
「新手か、幾らでも召喚できるならちまちま倒しても埒が明かない。どうにか一気に突破するとしよう」
 敵軍を突破して王翦の元に辿り着こうと、坂道を上って敵を引き付け、そこから反転してバイクで大きくジャンプして頭上を飛び越えて追いかけてきた集団をスルーした。
「逃がすな!!」
「撃てーー!」
 アームドフォートの砲撃が周囲で爆発しバイクが空中で煽られる。だがその衝撃波を鏡介は神刀で切り払い、宇宙船の艦橋を利用した高い建物の屋上に着地する。
「王翦は……あそこか」
 鏡介はバイクを吹かし、屋上でターンしながら速度を上げて宙に飛び出した。

「派手にやってくれてるお蔭で近くまで忍び寄れたね。それじゃあ仕掛けるよ!」
 乱れた警戒網を掻い潜ったあやは異世界オブリビオン兵団が展開している広場に近づき、物陰から出て兵団の中心に居る王翦に姿を見せる。
「もう来たんだ! 猟兵は素早いなー。猟兵じゃなくって猟犬って名乗ったらいいよ!」
 楽しそうに笑いながら王翦はあやに向けて青龍偃月刀の切っ先を向けた。
「それじゃーこっちも猟犬を放とう! みんな狩りの時間だよー!」
 命令が下ると一斉に兵団があやに襲い掛かった。
「追いかけっこで勝負!」
 反転したあやが街中に逃げると、それを兵団が追って来る。
「準備は万端! 陽動作戦開始!」
 あやは設置しておいた【ラジカセ】から【自作CD】を流し、自分の歌声が街に流れる。
「声がするぞ!」
「あっちだ!」
 兵団がその音に引っ掛かって誘導される。
「時間が稼げたね。今の内に次の手を打つ!」
 初撃を凌いだあやがユーベルコード『魔王軍(バンドグループ)!デスメタロック団!!(デスメタロックダン)』を発動する。するとヘビメタビジュアルなポップバンドの四天王悪魔が召喚された。
「囮役をお願いね!」
 任せろとばかりに魔王軍が激しい演奏を始め、敵兵団の注意を引きつける。その間にあやは守りの居なくなった王翦の元へと突撃する。
「あれ? みんなまかれちゃった?」
 目を丸くする王翦に向かってあやは突っ込む。
「ま、いっか。あっしが相手をしてあげる!」
 王翦が青龍偃月刀を横薙ぎに振るうと、あやは身を低くしてその下をくぐり抜け、懐に入ると下から突き上げるようなパンチを腹に打ち込んだ。さらに拳から電撃が放たれ王翦がよろめく。
「いたた、ビリビリするし……やったなー!」
 殴られても楽しそうに笑う王翦が青龍偃月刀の刃を返して低く一閃すると、あやが跳躍して躱し後退した。
 そこで流れていたラジカセや魔王軍の演奏が止まっているのに気付いた。

「あ、戻って来た。おーい! 獲物はこっちだぞー!」
 王翦が手を振ると、配下が戻り守るように周囲に展開する。だがそこで上から影が差した。
「頭上を取った」
 空を勢いよく墜落コースで降下するバイクに乗った鏡介が敵の頭上に到達すると、飛び降りて神刀を掲げる。
「神刀解放。剛刃に依って地を穿つ――肆の秘剣【黒衝閃】」
 攻撃を受けると思った王翦が飛び退く。だが構わずに鏡介は神刀を振り下ろしユーベルコード『肆の秘剣【黒衝閃】(シノヒケン・コクショウセン)』を放つ。斬撃より放たれる衝撃波が辺りを呑み込み、王翦と軍勢を纏めて吹き飛ばす。
「うわっ」
 慌てて王翦が地面に青龍偃月刀を突き立てて耐えると、鏡介が切り込んでいた。
「これで邪魔は居なくなった」
 鏡介が下から逆袈裟に斬り上げる刃が王翦の身体を鎧ごと切り裂く。
「いったーーー!」
 痛い痛いと言いながらもその顔は楽しそうで、まるで遊んでいるような態度で王翦は青龍偃月刀を反撃に振るう。それを受けた鏡介は後方に弾かれた。
「やっぱり猟兵は厄介だねー。数でぐちゃぐちゃにしちゃうのが正解かな!」
 王翦が石突でコンコンと地面を鳴らすと、辺りからウォーマシン兵が集まって来る。
「援軍を呼ばれたか」
「これ以上は危険だね!」
 留まるのは危険と見て鏡介とあやは逃げ出し、王翦を守る敵の数を減らそうと街中を追いかけっこして引き連れていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

白斑・物九郎
●WIZ



軍勢連れの手合いだァ?

はん、上等ですわ
こちとら『嵐の軍勢(ワイルドハント)』、相手ンなりますでよ

平伏せ将軍風情
嵐の王直々のお通りっスよ


●対先制
・『ワイルドハント号』に搭乗しエントリー(飛空艇操作)
・敵先制の間は船室内に籠もり、王翦の方へ進行しつつも防御の一手


●対集団/反撃
・【砂嵐の王・死霊大隊】発動
・耐えに耐えた「アイテムのワイルドハント号」を「ユーベルコードの狩猟船」として即座に再召喚、復元する

・敵集団は船の幽霊乗組員達に搭載火砲で相手取らせる
・敵布陣の突破に少しでも適していよう進路を【野生の勘】にて見取り、王翦目掛け更に突貫、フリントロックを射掛けカトラスで斬り掛かる(2回攻撃)


日輪・黒玉
如何に優れた能力をもった軍勢であろうとそれを活かしきれないのなら力は発揮できないものです
ましてやそれがまったく縁のない世界の力に身体部位となれば猶更でしょう
機械仕掛けで武装した兵士に翼や角があっても不慣れの筈……そこに隙があるはずです

軍勢に対して街全体を足場にしての高機動戦を挑みます
全速力の【ダッシュ】から【ジャンプ】や【スライディング】の変則的な動きで翻弄
飛行しにくい建物の壁や隙間に誘いだしながら蹴り込み、叩き飛ばしていきます
これほどの数を指揮するなら常に移動しながらというわけにもいかないでしょう
軍勢に穴ができた所を一気に駆け抜け、王翦大将軍へと踵をお見舞いです


霧島・絶奈
◆心情
愉しみましょう
この『逢瀬』を

◆行動
軍勢対策に【罠使い】として持ち込んだ「白燐発煙弾」を【衝撃波】で戦場に複数散布
敵の視界を塞ぎつつ【空中浮遊】を活用する事で射線から逃れます
自身の視界は白燐を透過する赤外線センサで補い、【聞き耳】を立て索敵

先制攻撃対策には先の【衝撃波】に併せ複数の「魔法で敵を識別するサーモバリック爆薬」を投射
爆風による【範囲攻撃】の前では数の優位も飛行能力も些末な問題です

『涅槃寂静』にて「死」属性の「濃霧」を行使し【範囲攻撃】

私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】を【限界突破】する程高めた【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



●空の軍勢
「軍勢連れの手合いだァ?」
 汎用狩猟船【ワイルドハント号】に搭乗した白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)は、ウォーマシンの兵を率いる傷ついた王翦を見下ろす。傷つこうともお気楽さは変わらず、楽しそうに指揮を執っていた。
「はん、上等ですわ。こちとら『嵐の軍勢(ワイルドハント)』、相手ンなりますでよ」
 対抗心を燃やし、こちらの方が上だと知らしめてやると王翦の元へとワイルドハント号を飛ばした。
「平伏せ将軍風情。嵐の王直々のお通りっスよ」
 ねじ伏せてやると意気込み、船室内に籠もって敵の攻撃を待つ。
「空飛ぶ船かー。いいね、ちょっと欲しいかも。奪い取ってきてよ!」
 それを見上げた王翦が玩具を見つけたように喜び、ウォーマシン達に龍の角と尾、翼を与えて空へと迎撃に向かわせた。
 囲まれ放たれるビームを受けてワイルドハント号が大きく揺れる。
「この船はちょっとやそっとじゃビクともしやせん」
 攻撃を受けても構わず物九郎は船を飛ばし続けた。

「如何に優れた能力をもった軍勢であろうとそれを活かしきれないのなら力は発揮できないものです」
 日輪・黒玉(日輪の子・f03556)は冷静に敵の空飛ぶ軍勢を観察する。
「ましてやそれがまったく縁のない世界の力に身体部位となれば猶更でしょう」
 機械の身体の龍のパーツが生えたウォーマシンは、空を飛んではいるが自由に動き回っているとは言い難かった。
「機械仕掛けで武装した兵士に翼や角があっても不慣れの筈……そこに隙があるはずです」
 黒玉は街の宇宙船の名残のある建物を足場に、ローラーブレード【藍晶疾走】を使って疾走し高機動戦を挑む。
「下から何か……猟兵か?!」
 驚くウォーマシンに、高々と跳躍した黒玉が飛び蹴りを叩き込んで地上に墜落させた。
「下にも猟兵がいる!」
「二手に分かれて迎撃するぞ!」
 ウォーマシンの部隊が二分し、片方はそのまま飛空船を、片方が黒玉へと攻撃を仕掛けた。だが黒玉は建物の壁や隙間を利用し、射線を遮ってビームを躱す。
「やはり小回りが利かないようです。これなら地上戦に専念された方が厄介でしたね」
 黒玉は建物を利用して動き回って敵勢を翻弄し、不意を突いては敵を叩き落として確実に数を減らしていった。

「愉しみましょう、この『逢瀬』を」
 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は空を舞台とした戦場に姿を現し、白燐発煙弾を衝撃波でばら撒いて煙で視界を塞いだ。
「視界が塞がれていれば射撃の命中精度は著しく下がります」
 絶奈はふわりと浮かび上がり、射線から逃れながら赤外線や聞き耳を利用して飛翔する敵に接近する。
「空中を飛行するのは高度な技術を必要とします。故に不慣れな者は簡単な衝撃で墜落することになる……」
 サーモバリック爆薬を投射して爆発を起こし、ウォーマシンがそれに巻き込まれると態勢を崩してきりもみ状に落下していった。
「爆風による範囲攻撃の前では数の優位も飛行能力も些末な問題です」
 煙に紛れた絶奈は爆撃を続け、敵の数を減らしていく。

「船はまだ手に入らないのー?」
 すぐに王翦が待ちくたびれたと催促し、新たな兵士を送り出す。
「そろそろでさァ」
 ぼろぼろになり煙を上げる船の中でじっと耐え続けていた物九郎はユーベルコード『砂嵐の王・死霊大隊(ワイルドハント・ネクロトライブ)』を発動し、「ユーベルコードの狩猟船」として即座に再召喚、復元する。
「なにが起きている!」
「船が修復された?」
 攻撃を加えていたウォーマシン達が驚きに間合いを離す。
「ここからは反撃でさァ。覚悟はよろしいですな?」
 新生されたワイルドハント号から搭載火砲が一斉に撃ち出され、ウォーマシンが撃墜されていく。
「このまま突貫でさァ!」
 そして船を降下させ甲板に出ると、王翦目掛けて飛び降りながらフリントロック式銃を発砲し、カトラスで斬りつけた。
 驚いた顔の王翦の胸に銃弾が当たり、刃は左肩から深々と肉を裂き骨を断った。血に染まった左腕から力が失われだらりと垂れ下がる。

「よくもやったなー!」
 王翦が右腕だけで青龍偃月刀を振るって反撃すると、カトラスで受け止めた物九郎が吹き飛ばされる。
「チャンスです。一気に畳みかけましょう」
 黒玉は軍勢が乱れた隙を突き、全力で駆け抜けて王翦の元に近付く。そして跳躍するとユーベルコード『黒玉狼の乱舞(ウィンドミル)』を使いくるっと回転する勢いを乗せて踵落としを叩き込んだ。
「ぶへっ!」
 顔面を蹴られた王翦は吹き飛び、地面を転がって建物に衝突する。
「いたた……鼻が折れちゃうかと思っ――」
「鼻だけでなく、顔ごと砕いてあげましょう」
 顔を上げた王翦の前に、勢いを殺さず追いかけてきた黒玉の姿が広がり、飛び蹴りで再度顔を打ち抜かれて建物を突き破って吹っ飛んだ。

「あー、ほんとに鼻が折れちゃった!」
 鼻血を流す王翦が手で折れた鼻を強引に元の位置に戻す。
「守るのだ! これ以上猟兵を近づかせるな!」
 そこへ王翦を守ろうとウォーマシン兵が集まって来た。
「兵が守るというのなら、其の兵ごと巻き込んでしまいましょう」
 絶奈がユーベルコード『涅槃寂静(ヨクト)』を発動し、黒い死の宿る濃霧を生み出して護衛の兵ごと王翦を包み込んだ。
「霧かー。これは危険なヤツだね! 逃げよう!」
 すぐにその濃霧の危険性を肌で感じ、王翦は飛び出すようにその場から離れる。しかしウォーマシンは反応できず、濃霧によって浸食されてそのまま機能を停止していった。
「逃がしません」
 それを予測し上から絶奈が黒剣と白槍を振るい、霧から出た王翦に衝撃波を叩き込んだ。
「あっしの動きを読むなんてやるね! だけどまだまだ戦いはこれからだよ!」
 傷ついても笑顔を絶やさぬ王翦が青龍偃月刀を一閃し、衝撃波を放ってオーラで身を守る絶奈を弾いて大きく後退させた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クオン・キマヴィス
……よくもまあ笑いながら人を殺せるものね…私には理解出来ない。
これ以上好きにはさせない。ここで倒す。

オブリビオン兵団の攻撃には2丁の銃(レベリオーとエクウェス)を使って真っ向から迎え撃つ。〈リミッターを解除〉して蒼い炎の弾丸を銃に装填、〈一斉発射〉して攻撃を相殺した後、そのままの勢いで兵団を灼き尽くす。

……仇は取るから

王翦に対してはまず(高周波ブレード)で斬り込む。攻撃を〈受け流し〉や〈武器受け〉でいなしながら反撃の機会を伺う。隙が生じたら剣を手放して持ち前の〈怪力〉で拘束した後、UCを発動。大型化されてる左腕を王翦の心臓目掛けて突き刺す。

……もう喋らないで。――さようなら


ヘスティア・イクテュス
元が銀河帝国の兵士だったとしても異世界で殺される謂れはないわ
王翦大将軍、わたしの世界の人達を狙うっていうなら…
ヘスティア・イクテュス相手になるわ!

ABVD、小型の盾形ドローンを分離、展開!【盾受け・オーラ防御】
相手の飛び道具への盾とさせてもらうわ!

ビームライフル、ミスティルテインと無線誘導端末兵器フェアリー・改を使って『弾幕』を相手の取り巻き、軍勢を削らせてもらう!

数が減って相手の攻勢が減ってきたらティターニアをリミット解除!【ダッシュ】
高速で王翦の元へすっ飛んでミスティルテインとマイクロミサイルによる【一斉発射】で!


トリテレイア・ゼロナイン
まさかこの地に同胞が流れつき営みを続けているとは驚きましたが…
これ以上の彼らへの非道は騎士として看過できません

SSWの主な武装はブラスター
●防具改造にて盾に光線兵器反射処理施しておりますとも
射撃を跳ね返しつつ、脚部スラスターの推力移動で急接近
怪力で振るう剣で先制の王翦支配下の兵を減らし、包囲を突破

主に仕える事が瑞獣の使命なのか、民草に示す象徴としてなのか…
されど、かの皇帝の復活を企図するその所業は悪鬼の如し

成敗させて頂きます、王翦大将軍!

UC起動し装着
戦場を飛翔し照準レーザーを乱れ撃ちロックオン
重力波を解放し軍勢を纏めて圧壊させると同時、王翦の動きを封じ
そのまま急降下で接近し剣で両断



●青龍堕つる
「元が銀河帝国の兵士だったとしても異世界で殺される謂れはないわ」
 これ以上犠牲者を増やさぬ決意を胸に、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)が王翦と率いる同郷であったウォーマシンの軍勢の前に飛び出す。
「王翦大将軍、わたしの世界の人達を狙うっていうなら……ヘスティア・イクテュス相手になるわ!」
 堂々と名乗りを上げ、【ABVD】から魚鱗型の小型盾ドローンを分離、展開した。
「あははっ! いいよー! かかってこーい!」
 血塗れでも余裕の態度で王翦が笑い、配下のウォーマシン兵が一斉にアームドフォートや熱線銃による銃撃を浴びせた。
 それを盾形ドローンが防いでいる間にビームライフル【ミスティルテイン】を撃ち、【無線誘導端末兵器フェアリー・改】からもビームを放って弾幕を張る。
「軍勢を削らせてもらう!」
 ビームがウォーマシン兵に命中し爆散させていく。
「へーやるねー! ならこっちも秘密兵器の投入だ!」
 次々と配下がやられても楽しそうに笑う王翦は奇兵を呼び出す。それは大型のウォーマシン。胴体にまるで扇風機のように回転する羽根が備わっていた。
「ぐるぐる回って吹き飛ばせー!」
 羽根が高速回転を始めると、竜巻が巻き起こって小型盾ドローンを吹き飛ばした。
「これでもう守るものはないね!」
 そこへ一斉にウォーマシンがビームを浴びせる。
「やるわね!」
 ヘスティアは回避行動を取りながらビームを撃ち返し激しい銃撃戦となる。

「まさかこの地に同胞が流れつき営みを続けているとは驚きましたが……」
 トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)は故郷とは全く違う世界に流れ着いた同胞の悲劇に心痛める。
「これ以上の彼らへの非道は騎士として看過できません」
 ここで敵将を討ちまだ残っている同胞を守ろうと、脚部スラスターの推力移動で敵軍に接近した。
「今度の相手はみんなと同じような姿をしてるね。故郷が同じなのかなー。まあいっか。どうせやっつけるだけだしね!」
 王翦が楽しそうに攻撃命令を下し、軍勢から無数のビームが襲い掛かる。
「SSWの主な武装はブラスター。それに対する防御は熟知しています」
 トリテレイアは光線兵器反射処理施した【重質量大型シールド】でビームを受け止める。コーティングされた盾はビームを跳ね返し、足止めにもならない。
「その悲劇から解放しましょう」
 突っ込んだトリテレイアは勢いのまま【電脳禁忌剣アレクシア】を振るい敵兵を薙ぎ払う。切断されたウォーマシンが次々と爆発を起こしていった。
「おーやるね! ならもっと数を集めようか!」
 王翦がさらにウォーマシンの軍勢を呼び出し、数で押し潰そうとトリテレイアへと特攻させた。

「……よくもまあ笑いながら人を殺せるものね……私には理解出来ない」
 無表情のまま呆れた声を漏らすクオン・キマヴィス(黒絢の機巧少女・f33062)は、冷たい視線を笑顔の敵に向ける。
「これ以上好きにはさせない。ここで倒す」
 その笑顔を消してやろうと、物陰から飛び出して接近した。
「猟兵か!」
 するとすぐさまウォーマシン兵がブラスターを構えて発砲してくる。
「……邪魔をするなら排除する」
 もう死してオブリビオン化している者を戻す術はない。
 覚悟を決めクオンは【対UDC用自動拳銃『レベリオー』】と【対UDC専用自動小銃『エクウェス』】の2丁を持って真っ向から迎え撃つ。
「撃ち殺せ!」
 ウォーマシン兵が放つビームを、クオンはリミッターを解除して装填した蒼い炎の弾丸を一斉に撃ち放った。ばら撒かれた蒼炎がビームを相殺し、さらにはウォーマシン兵に命中し灼き尽くす
「……仇は取るから」
 燃え尽きるウォーマシン達にぽつりと告げ、クオンは次の敵兵に向かって駆け出した。

「あっしの兵隊をやっつけるなんてやるね! カラクリ仕掛けの流れ者はけっこう強いはずなんだけどなー」
 自分の兵がやられても全く気にする様子もなく、戦闘を楽しむ王翦は右手で青龍偃月刀を構えた。
「……その口を閉じて」
 不快そうな声音でクオンはその口を閉じようと銃弾を撃ち込みながら接近する。
「えー、もっとおしゃべりして、楽しく戦おうよ!」
 対する王翦は青龍偃月刀を旋回させて弾丸を弾く。
 だがその隙にクオンは間合いを詰めて銃を手放し【高周波ブレード】に持ち替えた。
「いくよー!」
 王翦が振るう青龍偃月刀をクオンは受け流し、凌いで反撃の機会を窺う。
「あっはははっ! ほらほら! 反撃しないとやられちゃうよ!」
 笑いながら王翦の攻勢が強くなり、クオンがじりじりと後退していく。
「主に仕える事が瑞獣の使命なのか、民草に示す象徴としてなのか……されど、かの皇帝の復活を企図するその所業は悪鬼の如し」
 理由はどうあれ邪悪な敵は許せぬとトリテレイアは間合いを詰めた。
「成敗させて頂きます、王翦大将軍!」
 ユーベルコード『戦機猟兵用重力制御兵装装備型強化ユニット(エクステンションパーツ・タイプ・グラビティ)』によって追加装備を纏い、重力・慣性制御機構によって飛翔しロックオンして照準レーザーを乱れ撃つ。空から降り注ぐ光線に軍勢が撃ち抜かれ脚を止める。
 そこへ重力波を解放し纏めて軍勢を圧壊させ、さらには王翦の動きを封じた。
「うー動けない……」
「この一撃は、無辜の民の恨みと知りなさい!」
 急降下したトリテレイアは剣を一閃し、身を守ろうとした王翦の龍の尾を両断した。
「いっ、あっしの自慢の尾が切られちゃった!」
 地面に落ちた尾を見て驚きに王翦の笑顔が崩れる。
「ここで決める! リミッター解除! コード、M・A・B!」
 気を取られている隙を見逃さず、ヘスティアがユーベルコード『M・A・B(マキシマム・アサルト・ブースト)』を発動し、妖精の羽のような白いジェットパック【ティターニア】のリミットを解除する。そして一気に加速して王翦の元へすっ飛んで接近した。
「わたしの世界の人達を殺し利用した罰を受けてもらうわ! 一斉発射!」
 ミスティルテインのビームを撃ち込み、ありったけの【マイクロミサイル】を叩き込んだ。
「いたい! あつい! 焼け死んじゃう!!」
 大爆発が起こって叫ぶ王翦の身体が宙に放りだされ、地面を転がった。
「……隙を見せた」
 そこへクオンが剣を手放して組み付き押し倒すと、ユーベルコード『惨禍の爪(カラミティネイル)』を発動する。左腕が大型化され刃のように鋭くなった爪を王翦の胸に突き立てる。
「……もう喋らないで。――さようなら」
 鎧を貫き肉を抉って心臓を貫いた――。

「げはっ……あっしが負けるなんて……でも、ま、楽しかったから、いっか……」
 信じられないといった顔をしていた王翦は、最期もまた笑顔で息絶えた。
 王翦の消滅と共に配下にされていたウォーマシンの軍勢も幻のように消えて行く……。
 故郷を同じくする猟兵達は、その魂が安らかに眠ることを祈る。
 そして街で息を潜めて隠れている人々に戦いが終わった事と、多くの犠牲が出た事を告げようと重い足取りで歩き出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年01月22日


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#『王翦大将軍』


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト