殲神封神大戦⑥〜水銀を防ぎ始皇帝をだまし討て
●グリモアベースにて
「始皇帝が、現れた、です!」
慌ただしいグリモアベースの片隅でアリス・トゥジュルクラルテ(白鳥兎の博愛者・f27150)は猟兵たちに手短に説明を始めた。
「遊牧民族の、ひとつ、羌(きょう)族が、蘇った、伝説の、『始皇帝』と、その、兵馬俑軍団に、支配、された、です! 始皇帝は、巨大宮殿、『阿房宮』(あぼうきゅう)を、ユーベルコードで、再現、して、全てが、水銀で、構成、された、『水銀楼閣』、として、自身の、周囲に、展開、して、猟兵を、迎え撃つ、です。楼閣、内部は、内臓を、破壊、する、猛毒の、水銀蒸気に、満ちている、ので、吸い込む、すれば、猟兵、でも、無事、では、済む、ない、です」
遊牧民を救うためにも始皇帝を倒さねばならない。しかし戦うならば当然水銀蒸気を吸わないように何かしらの工夫をしなければまともに戦うことすらできないだろう。技能や装備アイテムを駆使して楼閣中に満ちている水銀蒸気に対抗する必要がある。その上で大量の兵馬俑軍団をくぐり抜けて始皇帝だけを狙い撃ちしなければならない。
「初めて、人界を、統一、した、皇帝、です、から、とても、強い、です。相手の、ユーベルコード、への、対処法も、考える、しないと、勝つ、のは、難しいと、思う、です。……ただ、あまり、賢い、状態、では、ない、みたい、です。猟兵の、こと、すら、わかる、ない、みたい、だし……」
それを利用して相手をだまし討ちできれば勝利への道も開かれるだろう。
「たくさん、工夫、しなと、いけない、ので、大変、だと、思う、です、けど、皆さん、なら、大丈夫、だと、アリスは、信じてる、です! よろしく、お願い、します!」
猟兵たちは水銀への対抗措置を済ませた後にアリスによって転送された。
●阿房宮にて
転送された先は周囲を水銀で覆われていた。そこに逃げ場などない。対策がなければあっという間に水銀蒸気によって内臓を焼かれ戦うどころか身動きすら満足にできなくなっていただろう。
「フハハハハ、貴様らが猟兵とかいう遊牧民か!」
その中心に始皇帝はいた。逃げも隠れもせず堂々と。
「貴様らも脳をくり抜き、朕の兵馬俑としてくれる!」
脳のない兵馬俑軍団が猟兵たちに襲いかかる。彼らを潜り抜け始皇帝をだまし討たねばならない。
彌厘
このシナリオは一章で完結する特殊な戦争シナリオです。
殲神封神大戦の第二弾になります。
プレイングボーナスは『水銀蒸気に対抗する/始皇帝の愚かさを利用する』です。少なくとも水銀蒸気への対抗策がなければ採用できませんのでご注意ください。
また、やや難シナリオですので敵の攻撃への対策もされていなければ成功は難しいと思われます。
プレイングはオープニング公開直後から受け付けます。締め切りは完結が確定し次第タグとマスターページにてお知らせしますので、ご確認をお願いします。全員は採用できないかもしれません。
それでは、素敵なプレイングお待ちしています!
第1章 ボス戦
『『始皇帝』』
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POW : 変幻自在水銀剣
【自在に変形する水銀の剣】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 辰砂兵馬俑親衛隊
自身の【操る水銀】を代償に、1〜12体の【自在に変形する液体金属の兵馬俑】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ : 万里水銀陣
戦場全体に【水銀の大渦】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【覇者の気を帯びた水銀】による攻撃力と防御力の強化を与える。
👑11
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大豪傑・麗刃
ボーナスを得るために:水銀はバリアを張って防ぐ/頭の悪い人はギャグが理解できない
水銀蒸気を防ぐための技能はオーラ防御に念動力。オーラ防御は気体も防げそうだ。プラス、念動力で全身を守る水銀が近づくのを防止。普段スプーン曲げぐらいにしか使わない能力がこんなトコで役にたつとは。
そして始皇帝とやらに合ったら大喝で先制攻撃。
きみ、トイレを我慢してるのだろう!早く行ったらどうかね!
おしっこう出たいくん!!しっこでてぇくん!!
あ、トイレの後はちゃんと手を洗うのだぞ!
そうしないと衛生上よくないからな!なあ嬴政くん!
エイセイくん!!
でたぶん始皇帝本人と辰砂兵馬俑の速度は1/5になるのであとは刀で斬る
●わたしのネタを聞け!
大豪傑・麗刃(23歳児・f01156)は全身を防御のオーラで包み水銀蒸気を吸い込むことを防ぐ。さらに念動力で水銀が近づくのを防いだ。その技量は並外れており水銀の影響を完全に防ぐ程である。
(「普段スプーン曲げぐらいにしか使わない能力がこんなトコで役にたつとは」)
人を笑わせることばかり考えている麗刃らしい感想だった。
彼は始皇帝と兵馬俑たちに大声で言う。
「きみ、トイレを我慢してるのだろう! 早く行ったらどうかね!」
「いや、していないが?」
思わず真面目に答える始皇帝。
「いいや、おしっこ我慢してるね! つまりきみは、おしっこう出たいくん! しっこうでてぇくん!」
これは始皇帝とかけたギャグだったのだが正直わかり辛い。
当然脳がない兵馬俑と思考力のない始皇帝(ギャグではない)にはそれは理解できなかった。
「貴様先程から何を申しているのだ?! 朕は始皇帝であるぞ、無礼者!」
そして兵馬俑が麗刃に襲いかかる。はずだったのだが。
「……?! 何だこれは?!」
始皇帝と兵馬俑の動きがスローモーションになっていた。
麗刃は無意味にギャグを言っていた訳ではない。ユーベルコードでギャグを楽しんでいない者すべての行動速度を五分の一にしていたのだ。
ゆっくり動く兵馬俑軍団を難なくかわして始皇帝へと走り寄る。
「――小癪な! 辰砂兵馬俑!」
始皇帝のまとう水銀の一部が辰砂兵馬俑となり立ちふさがった。
麗刃は再び声を張り上げながら腰に差したサムライブレードを抜き放つ。
「あ、トイレの後はちゃんと手を洗うのだぞ! そうしないと衛生上よくないからな! なあ嬴政くん! エイセイくん!」
嬴政とは始皇帝の名である。
「遊牧民風情が、気安く朕の名を口にするな! ……ぬう?!」
始皇帝はもちろん聞く耳を持たない辰砂兵馬俑も行動速度が五分の一となる。
麗刃は抜いた刀をその勢いのままに辰砂兵馬俑へと叩き込む。
しかし相手は液体。一度切り離されても何事もなかったようにまたくっついた。
だがその頃にはすでに麗刃は始皇帝の目の前だ。刀を一閃させ敵の腹部を切り裂いたのだった。
「ぐぬっ?! ……なかなかやるようだな、猟兵とやら。だが朕は不老不死の身。この程度で倒れはせぬぞ!」
成功
🔵🔵🔴
夜刀神・鏡介
長安を狙った奴の配下に残念な奴が多かったのは、始皇帝がこうなっているのが原因だったか
尤も、愚かであってもその実力は間違いない。油断せず、確実に仕留めにいこう
神刀の封印を解放。壱の秘剣【銀流閃】を発動して白銀の神気を周辺に展開
浄化の加護によって水銀毒を無毒化
そして「お前が用意した水銀の渦は俺にも力を与えているぞ」とか適当言ってみるか
勿論そんな事実はない。ダメージを受けているが同時に回復して実質無効化はしているだけだ
だが、奴は愚かという話だし、騙されて解除してくれるならば上等だ
解除したなら奴の能力は幾らか落ちるだろうから、【銀流閃】による斬撃波と、神刀によって切り込んで攻撃していこう
●神気とはったり
夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は始皇帝を見て以前参加した依頼を思い出しながら神刀【無仭】の封印を解く。
(「長安を狙った奴の配下に残念な奴が多かったのは、始皇帝が水銀のせいで愚かになっているのが原因だったか」)
全状態異常を遮断する月白色の神気をその身にまとい水銀蒸気を無効化した。
(「もっとも、愚かであってもその実力は間違いない。油断せず、確実に仕留めにいこう」)
向かってくる兵馬俑は白銀色の神気の斬撃波で寄せ付けない。
「しっかりせぬか、愚か者ども!」
始皇帝がそう怒鳴ると戦場全体に水銀が大渦となって舞う。
それは始皇帝と兵馬俑の攻撃力と防御力を強化。そして鏡介に襲いかかる。
鏡介は水銀の毒性への対策はしていたが水銀そのものへの対策を失念していた。
(「しまった
……!」)
気づいた時にはすでに液体金属の中だった。
とっさに息を止めた。慌てず落ち着いて渦の流れに沿って泳ぎ何とか水上に顔を出す。そして渦に流されながらも始皇帝に向かって叫んだ。
「お前が用意した水銀の渦は俺にも力を与えているぞ!」
苦し紛れのはったりである。受けたダメージを月白色の神気の加護で少しずつ回復しているだけだ。水銀によって身体能力が強化されている訳ではない。
しかし始皇帝にはそれを見抜く判断力はなかった。
「何と、猟兵にはそのような力が?! しかしそれならば、解除すればいいだけのことよ!」
途端に水銀の大渦は消え鏡介は自由の身となる。
地に足が着いたと同時に目にも留まらぬ速さで始皇帝に肉薄。白銀色の神気の斬撃波で敵のまとう水銀を散らす。さらに間髪入れず神刀の一撃で始皇帝の左腕を切断した。
始皇帝は一瞬揺らめくもすぐに態勢を立て直す。
「……フハハハハハ! 朕は不死の身であるぞ! 腕の一本くらい、くれてやるわ!」
成功
🔵🔵🔴
ルパート・ブラックスミス
7つ(以上)の秘密一式の1つこと内蔵バリアバンクル起動。
元々宇宙空間に対応する為のスペースシップワールド製だ、水銀蒸気への【環境耐性】にはなる筈。
UC【錬成カミヤドリ】の複製鎧による【集団戦術】。
といっても内容としては只管特攻。
蹴散らせてもいい、敵UCの兵馬俑の動きを封殺しその隙に自身は黄金魔剣を手に始皇帝に【切り込み】をかける!
以上総てが敵の意識を逸らす為の囮、【挑発】行動だ。
兵馬俑に倒され動かない複製鎧、その中に得【物を隠す】などという狡っ辛い手、奴の愚鈍さでは気づけまい。
複製鎧の内の一体に潜ませていた爆槍フェニックスを【誘導弾】として射出し【だまし討ち】、【串刺し】にする。
穿て、ニクス。
●鎧に隠されたもの
ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)は鎧のヤドリガミである。そのため頭から足まで鎧に身を包んでいた。というのも鎧が本体だからだ。
その鎧には七つ以上の秘密の機能が備わっている。その内の一つである宇宙空間対応用バリアバンクルを起動。水銀蒸気を防いだ。
とは言え空気を遮断しているのだからルパートが吸えるのは鎧内の酸素のみ。長くはもたないだろう。早々に決着をつけねばならない。
ルパートはそう判断するとユーベルコードを発動。自身の本体である黒騎士の鎧を百十七個複製して兵馬俑軍団と辰砂兵馬俑へと特攻させた。
(「蹴散らされてもいい」)
彼の念動力ではそこまで精細な動きはさせられない。だから邪魔者の足止めさえできればいいのだ。
その隙にルパート本人は呪いの大剣『黄金魔剣ルパート』を手に愚直に真正面から始皇帝に切りかかる。
「始皇帝、覚悟!」
「フン。そんな大振りな攻撃、朕に当たるはずがなかろう!」
始皇帝の周囲の水銀がそれを受け止めからめ取る。
ルパートの手から大剣が離れた。
「クッ……!」
「何だ、これで終いか? 口ほどにもないな。貴様のがらんどうの鎧たちも残り少ないぞ」
ガシャン!
ルパートのすぐ後ろで鎧の倒れる音がした。
それをした辰砂兵馬俑がゆっくりとこちらに向かってくる。
勝ちを確信した始皇帝がニヤリと笑った。
「さらばだ、猟兵!」
(「今だ」)
今までのルパートの言動はすべて囮である。
「うがて、ニクス」
先程倒れた鎧の中から青い炎をまとった魔槍『爆槍フェニックス』が飛び出す。あらかじめ隠していたのだ。それは油断しきっていた敵の脇腹を貫いた。
「ガハッ!」
始皇帝は身体をくの字に折り曲げ吐血した。しかし態勢を立て直した彼の脇腹の穴は水銀でふたをしてこれ以上の流血を防いでいる。
けれども皇帝の顔には今までにない怒りがにじみ出ていた。
「おのれ、だまし討ちとは卑怯な……! 朕は貴様らのような悪辣な者どもに屈しはせぬぞ!」
成功
🔵🔵🔴
土御門・泰花
※アドリブ等歓迎
偉大な始皇帝が……嘆かわしいものです。
その上、巻き込まれたのが羌族と?
私の想い人に縁の深い一族です。
強い義憤を覚えますね、これは。
決して許しません!
蒸気水銀は徹底防御。
転送直後【早業/多重詠唱】にて【オーラ防御/結界術】展開、経皮吸収をも防ぐ頑丈な守りを。
移動や回避は【軽業/早業/地形の利用】で俊敏に。
【第六感/聞き耳】で水銀が迫る気配を探り、回避のみならず白揚羽を盾に用い、物理的にも触れぬよう。
【戦闘知識/学習力】で敵勢の言動を【情報収集】し分析。
他の猟兵さんに気を取られ、不利に立たされ冷静さを欠き、始皇帝は隙だらけの筈。
【暗殺】の要領で死角に潜み、隙を突いて敵勢へUC発動。
●冷静さを欠く
土御門・泰花(風待月に芽吹いた菫は夜長月に咲く・f10833)は素早く自身の周囲に防御のオーラと結界を張り水銀蒸気を防いだ。
(「偉大な始皇帝が……嘆かわしいものです。その上、巻き込まれたのが羌族と?」)
それは泰花の想い人の出身部族であった。
普段は柔和な表情の彼女も今回ばかりは顔を険しくする。
(「強い義憤を覚えますね、これは。決して許しません!」)
兵馬俑軍団の動きは脳がないため単純だ。
泰花はそれらの攻撃を軽業師のように飛び跳ね俊敏に回避。そして兵馬俑を壁にして死角から始皇帝を暗殺しようと試みる。
(「先の方々の活躍で不利に立たされ冷静さを欠き、始皇帝は隙だらけのはず」)
そう考えてのことだった。
いつまでも泰花を倒せない兵馬俑たちに始皇帝はしびれを切らして怒鳴る。
「役立たずどもめ! 朕が直々に手を下してくれる!」
すると水銀の大渦が戦場全体を流れる。
泰花はそれを白揚羽の式神を盾に防ごうとした。
しかし相手は覇者の気で攻撃力が強化されている。それは泰花の想定以上の威力で白揚羽をあっさりと消し去った。その勢いのままに泰花自身のことも押し流す。
「っ……!」
幸いオーラ防御と結界のおかげで直接水銀に触れることはない。しかしそれらにひびが入っているため時間の問題だろう。戦場全体に渦が広がっているので逃げ場もない。
怒りで冷静さを欠いていたのは彼女も同じだったのかもしれない。
「けれど、あなたを許すわけには参りません!」
泰花は呪詛をまとった黒揚羽の式神を百十九体召喚。それらは彼女に義憤を与えた始皇帝を追跡する。だがそれも渦に飲まれてほとんどが消えた。最後の一体が皇帝の元へとたどり着く。呪詛が敵を包み込んだ。
「――この程度か猟兵?」
始皇帝は防御力も上がっているのだ。ダメージは微々たるものだった。
オーラ防御と結界が破られる寸前に泰花はグリモアベースへと送還された。
始皇帝は不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「……尻尾を巻いて逃げ出すとはな! まあ、よい。他の猟兵はすべて朕の兵馬俑にする!」
苦戦
🔵🔴🔴
ルキ・マーシトロン
確かに水銀の毒性は厄介だ。まぁ、ゾンビである僕には効かないけれどね。
水銀の剣というのも、普通に相手取れば厄介なのだろうけれど……やはり彼は愚かと見える。水銀は液体でも電気を通すということを知らないのだね。
<行動>
【毒耐性】で水銀の毒性をカバーします。水銀自体による攻撃はあえて受け、ユーベルコード【デッドマンズ・スパーク】を発動し、電気によって攻撃します。
●侮ることなかれ
ルキ・マーシトロン(🧟♂️・f24589)はデッドマンだ。自分をゾンビだと認識しており多少毒への耐性もある。
(「しかし、想像以上に強い毒性だね」)
戦場全体に満ちている水銀蒸気にはルキの耐性では長くは耐えられないだろう。
そうこうしている間に彼は兵馬俑軍団に捕まり始皇帝の足元にひざまずかされた。
始皇帝は水銀を集めて剣を形作る。
「朕の剣で死ねることを喜ぶがいい!」
(「やはり彼は愚かと見える」)
ルキがわざわざ抵抗せず捕まったのには理由がある。
水銀は電気を通す。それ故にあえて敵の攻撃を受けて油断させて水銀から電撃を流そうと考えたのだ。
だが水銀の剣はルキの想定のはるか上の威力だった。
彼のユーベルコードは片腕を代償に発動する。そのため腕を切り落とさせようとしていた。しかし彼は兵馬俑軍団への対策を考えていなかったため身動きができないままその身で剣を受け止める。
「ぎっ……!」
右肩から左わき腹を切り裂かれ右腕と下半身を切断された。なすすべなくその場に崩れ落ちる。
猟兵であるためかろうじて生きてはいるがすぐに手当てを受けねばさすがに死ぬだろう。
(「侮っていたのは僕の方だったか……。だが」)
このまま帰っては猟兵の名が廃る。
ルキは意識を失う寸前に膨大な電流を込めた一撃を水銀剣に向けて放つ。それは剣を伝って皇帝の手へと流れた。
「ぬう?! ……この程度、どうということもないわ!」
術者が途中で意識を失くしたため大きなダメージを与えることはできなかった。
ルキの体もまたグリモアベースへと転送される。
「また逃げおった! ……しかしあの体では兵馬俑として役には立つまい。さあ、次はどの猟兵だ?!」
苦戦
🔵🔴🔴
北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理う解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。
●加護と剣舞
(「水銀蒸気、確かに厄介だ。始皇帝がいくら愚かと言えど、侮れないな」)
支援要請を受けてやって来た北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)。彼は身に着けている『呪錬私服・改』の加護と高いオーラ防御の技術で水銀蒸気を吸い込むことを防いだ。そして向かってくる兵馬俑軍団の攻撃を完全に見切る。それらの間を縫って走ることでかわし始皇帝の前へと躍り出た。
「辰砂兵馬俑! この者をひねりつぶせ!」
始皇帝の声に応じてその周囲の水銀が集まり二体の辰砂兵馬俑が優希斗の前に立ちはだかる。二体は左右から彼を槍で貫こうと同時に突きを放つ。
優希斗はそれを素早く屈んで避けると二体に同士討ちさせた。さらに一体を漆黒の短剣『月桂樹・五月雨』で切り裂き霧散させる。もう一体の腕に鋼糸『夕顔』を巻き付けダッシュ。始皇帝の眼前まで迫るとその腕にも夕顔を目にも留まらぬ早業で巻く。
「な、何だこれは?!」
辰砂兵馬俑と結びつけられたために皇帝は動きを阻害された。
その隙に優希斗は左手に青い刀身の魔刀『蒼月・零式』を右手に白銀の刀『月下美人』を携える。
「躍るよ、蒼き月の舞を」
凪の心で蒼月と月下美人を超高速で振るう。
身動きの取れない始皇帝には当然その剣舞を避ける術はない。
「ぐあぁあ!」
全身を切り刻まれた始皇帝は最早満身創痍である。それでも倒れる寸前に踏み止まった。血まみれながらも恐ろしい覇気のこもった怒声を上げる。
「おのれ、猟兵……! 貴様らを兵馬俑にするのはやめだ。殺す殺す殺すぅう!」
成功
🔵🔵🔴
ミスティル・エンドウ
「水銀を使いこなす『始皇帝』ですか。色々な歴史の流れもあるものですね。」「別世界の防毒マスクが上手く機能すればいいのですが。」
水銀蒸気に関しては、防毒マスクを着用し【オーラ防御】に【毒耐性】を組み合わせて可能な限り対策します。
【POW】で攻撃します。
攻撃は、【フェイント】や【カウンター】を織り交ぜながら、【貫通攻撃】と【鎧無視攻撃】を付けた【ファイナル・ブリザード】で、『『始皇帝』』を攻撃します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「私の役目は、あなたに少しでもダメージを与える事。そして、次の方に繋げることです。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
●終焉の矢
満身創痍の始皇帝を見てミスティル・エンドウ(神のパラディン・f16403)は冷静に呟いた。
「私の役目は、次の方に繋げることだと思っていたのですが……。どうやら私がとどめを刺さねばならないようですね」
自身の周囲に防御のオーラを張りわずかにある毒への耐性でどうにか水銀蒸気に耐える。それでもその毒性は強力で長くは耐えられないことは容易に想像できた。
(「さすが水銀を使いこなす『始皇帝』。色々な歴史の流れもあるものなのね」)
ミスティルは襲い来る兵馬俑軍団の動きを見切る。そして残像を残して動くことで攻撃をそちらへと向かわせ始皇帝の前へとたどり着いた。
「おのれ猟兵!」
怒りをあらわにした始皇帝は水銀で剣を作ると素早くそれを振り回す。その斬撃はミスティルのオーラを徐々に削っていく。
オーラ防御がなくなれば彼女の内臓は水銀蒸気に破壊されるだろう。
「くっ……!」
ミスティルは一度後方へと跳び退き剣の攻撃範囲から逃れる。そしてユーベルコードの力で自身の周囲に数本の氷の矢を生み出した。それを敵に放つ。
「そんなもの――!」
氷の矢を防ごうと水銀剣が変形し盾になる。
だがそれはミスティルのフェイントだった。彼女は氷の矢を周囲に浮遊させたまま再び始皇帝に肉薄。
(「至近距離からの複数の矢ならば防ぎきれないはず
……!」)
今度こそ氷の矢を放った。
「このっ!」
始皇帝も盾を剣へと戻しミスティルへと振り下ろす。その剣は前方の矢と彼女のオーラを切り裂き消滅させた。
それと同時に氷の矢が四方向から始皇帝の体を撃ち抜く。
倒れたのは始皇帝だった。
「バカな……! 朕は、不死身で……遊牧民、などに……敗れる、はず、が……」
愚かな始皇帝は骸の海へと還った。
「やった……ゲホッゴホッ!」
水銀蒸気を吸ってしまったミスティルも敵の最期を見届けて倒れた。彼女はすぐさまグリモアベースへと送還され治療を受けることとなる。
こうして猟兵たちの奮闘により始皇帝との戦いは辛くも勝利を収めたのだった。
苦戦
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