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~恋想うカタチ~ 熱く熱いココロ

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●冷たい身体
 ――ウォォォン!
 一頭の狼の鳴き声に応えるように空気が揺れれば、冷たい......冷たい風が吹く。
 身体の芯まで凍える風に乗る、甘い甘い誘惑の香。
 ケモノから滴る雫は、コツンと軽快な音を立てて転がった。
 毛並みが冷えた身体は、硬く冷たく重い。

 何とかして身体を元に戻したいケモノは、焦っている。
 早く早く、急がなくてはいけない!
 急かされるままに、焦るままに、ケモノは街の中心部へと向かう。
 そこには……沢山の獲物が居るのだから。

●燃えるように熱く
「ねーねー! 皆ー!! あのね! あのね! 聞いて欲しいことがあるの!」
 飛び回りながらそう言い放つのは柊・弥生(獣婚師・f01110)飛び回りながら、思い出したように涎を垂らしている。
「……じゅるり……あ、んとね、今回皆にお話しするのはね、キマイラフューチャーのお話なの!」
 と相変わらず涎を垂らしている……誰か拭いてあげて。
「こほん!
 ……えっと、チョコットキングって言うチョコレートで出来たオオカミさんが居るんだけどね、その子が身体のチョコレートが硬くなりすぎて困っちゃってて、どうしようかなって、人を襲おうってなっちゃったらしいの」
 チョコレートが流行る時期に繁殖するチョコットキングは身体が温かくないと上手く繁殖出来ないらしく、寒さで固まりやすいこの時期は度々人を襲うこともあるらしい。
「チョコットキングはチョコレートが好きなの! チョコを持っていると興味を惹かれるみたいなの。
 それでね、皆にお願いしたいのがチョコットキングが人を襲う前に止めて欲しいの」
 と、しょんぼりしながら話す。
 要約すると《1……チョコを作る 2……チョコットキングを見つけて倒す》って事だよ。過剰書きって楽だね☆
「チョコは沢山あるみたいだから余ったら持って帰って行ってもいいし、皆で分けて食べてもいいのよ。
 それに、チョコを持っていれば、向こうから興味を持って来ると思う」
 やがて、キリリとした顔になって。
「甘い甘い誘惑が沢山あるのよ。気をつけて欲しいのよ」
 と締めくくった。


弥兎
 皆様お久しぶりです。
 今回の依頼ですが、甘ーいチョコをモチーフにしたシナリオとなっています。
 時期なものに合わせた、ほのぼのシナリオの予定です。
 皆様の想いおもいのチョコレートをお待ちしております。

 さて、今回のシナリオですが、
 ●~恋想うカタチ~ 世界に一つのチョコレート(盛野玖磨MS)
 ●恋想うカタチ~チョコで犬と戯れる~(蒼雪MS)
 の2名のMSさんとのコラボ企画シナリオとなりますので、ご参加いただけると幸いです。
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第1章 冒険 『チョコでちょこっと作るもん!』

POW   :    定番だろうと心が大事!で攻める!

SPD   :    変わりものが面白い!チョコで作るよ面白い形!

WIZ   :    インパクトは大事!チョコで作る彫刻を見ろ!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 現場に漂う甘い甘い香り。
 それはカカオの芳醇な香り。
 そして、世間は……バレンタインという名のお祭り騒ぎ!

 さあ、始めよう!
 君達の心は如何する!
 君達の想いは!熱き心はっ!!
 な ん の 形だぁぁぁぁっ!!!

 空間に響く声が聞こえ終わると場には、大きなチョコレートの塊とそれを加工するための工具や調理器具が出揃う。
 もちろん、魔法の使用もありだ。

 さあ、思う存分、腕をふるってくれたまえ!
佐藤・非正規雇用
【POW】
フン、「料理は筋力」だということを教えてやろう。

まずはチョコを細かく砕く!
筋肉を誇示してバッキバキに砕こう。

そして、熱した生クリームを注いで
滑らかになるまで掻き混ぜよう。
ここも筋肉が必要だ。

それから、隠し味に赤ワインを入れよう。
もちろん筋肉でコルクを開けるぞ。ちょいやー!

充分に掻き混ぜたら、バットに流し込んで固めよう。
ここでは筋肉を使ってバットを持ち上げ、冷蔵庫に入れよう。

冷えたら、一口サイズにカットして
ココアをまぶすんだ。
力を入れすぎると粉が吹き飛んでしまうので、
細やかな筋肉の使い方が必要だ。

こうして筋チョコの完成だな。
……ところで、これで何でチョコットキングと戦うことになるんだ?


ヴィゼア・パズル
甘いチョコを求めるなら塊から削り出す事にしようか。
氷像ならぬチョコ像だ。

【wiz】使用
エレメンタルファンタジアを使用しての型取りチョコ造形。どうせならその狼の彫像を作ってやろう!

尾は折れては困る。座り、遠吠えしている様を考えてみようか。
最初は茶色いが、シュガーパウダーで白く、白く
獣用のテーブルや椅子も準備して、コーヒーカップやティーセットをも作ってみようか。
側から見ればカフェの様に。
チョコ狼、一体様ご案内、とな。



 佐藤・非正規雇用(エンドロール・f04277)は、冷静に会場を一瞥する。
 細やかに器具を点検し、満足したようにうなずいた。
「フン、やはり『料理は筋力』だということを教えてやろう。」
 と一言と呟くと、チョコ制作に取り掛かった。
「先ずは…...生クリームを温めないとな!
 その間に、俺の筋肉を活かして!!フンッ!!!」
 鍋に生クリームを入れ火にかけ温める傍ら、大きめのボールを取り出すと、手近にあるチョコの塊を掴むと......バキバキバキッ!っと音を立てながら細かく砕き、ボールへ入れていく。
 時折ポーズを決めながらの作業......うーむ、見事な上腕二頭筋と胸筋を披露している。
 (解説:これは見事な筋肉ですねぇ〜惚れ惚れします)
 何処からか何か聞こえた気もしたけど、気にせずに様子を見守りましょう......

 ある程度のチョコをボールに入れ終わったところで、丁度良くなった温度の生クリームを取り出す。
 (実況:佐藤選手、温めた生クリームを持って!ここでチョコのボールへと流し込んだー!!)
 (解説:これは高い位置から生クリームを注ぐという、腕とその周辺をよく見せる高得点ですねぇ!)
 (実況:おおっと、ここで!佐藤選手ボールを腕にしっかりと固定して!混ぜる!混ぜる!!生クリームとチョコが滑らかになるように丁寧ですが力強い動きだ!!)
 (解説:これはしっかりした筋肉でないと安定しない動きですね)

 ......もう、状況説明はこの2人にお願いしましょう......

 (状況:いやー、なかなか素晴らしいものが見れてますが......おや?佐藤選手が何か取り出しましたね?何でしょうか?......作業現場にお繋ぎしましょう!)

 ......あ、はい、作業現場です。
 状況中継もなんのその、気にすることなく、しかし筋肉の強調は止めることなく、手際よく作業している佐藤。
 彼の手元には、赤ワインの瓶が置いてある。
 それを手に持つと、ガッシリとワインの瓶を固定して、掛け声一発!
「ちょいやーー!!」
 ――ポォォン!!
 という音と共に、コルクが抜ける。
 そして、混ぜている途中のチョコに隠し味程度の少量を入れ、更に滑らかになるまで混ぜる。
「ふむ、こんなもんだろ」
 と、出来上がったチョコをバットに流し入れたら、再度腕の筋肉を活かして重たくなったバットを抱え上げ、冷蔵庫に入れ、冷やし固める。
 冷やしてる間に使った容器を手際よく片付けるも時間があるようで、ポージングで時間を潰している。
 また実況解説が盛り上がっているが先に進まないので、割愛。

 チョコが冷えしっかりと固まったら、バットから取り外し一口大に切り分けていく。
 大胆ながら繊細な手つきで綺麗に切り分けたら、仕上げにココアパウダーをまぶしていく。
 これも勢いよくしてしまうと粉が舞い上がり綺麗に出来ないため、腕の筋肉を細かく震わせて繊細に振りかけていく。
「ふむ、やはり筋肉は大事なのだな!筋肉のおかげでこの筋チョコが出来上がった!」
 新たなポージングを決めながら、出来たチョコレートを賞賛する佐藤。
「しかし、これで何で戦うことになるのだ?」
 と、首を傾げていた。

 佐藤のポージングを見ながらチョコレートの厳選をしているのは、ヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)である。
「私は筋肉ではなくこちらでいこうか」
 と手頃な大きさの、といってもケットシーであるヴィゼアからすると3倍近いだろ大きさのチョコの塊を前にする。
「さて、甘いチョコを求めるなら削り出すとしようか。氷像ならぬチョコ像だ」
 チョコを前に魔力を練り上げ、今回はエレメンタル・ファンタジアの火と氷のエレメントを使うようだ。
 制御が難しい技ではあるが魔法に慣れたヴィゼアなら、難なくこなせる範囲であった。
「ふむ、どうせなら......目的の相手にしようか。立って尻尾が折れては困ると......ならば、座っているところでいいか?」
 作成しながら時折考えを呟きつつ、ゆっくりと確実にチョコを型取り整えて削り出している。
 次第に形になるのは、今回の討伐目的であったラスボス、チョコットキングの形。
 ミルクチョコを使っているために茶色いが、帽子飾りや尻尾の様子まで細かく再現していく。
「このままでは、茶色いな」
 となかなかの出来に目を細めつつ、体の色を変えるためにシュガーパウダーを取り出した。
 (解説:いやー、状況さん。先ほどの佐藤選手の筋肉もなかなかでしたが、こちらのヴィゼア選手のチョコ像もなかなかの腕ですね!)
 (状況:いや、本当にですよ!これほど大きなチョコレートを加工していくのはプロでもなかなか難しいと言われるそうですからね)
 ――また来たよ、状況説明。
 そして始まる解説。

  (解説:ではここでヴィゼア選手の動きをもう一度見てみましょう!)
  と言うと、何処からか映像(三方向くらいの視点から見たもの)が出てくる。
 (解説:まず最初にここ!ここですね。いやー、この塊を炎を使って大胆にカットしたかと思えば、即座に氷で冷やして固めるという高等技術!これは得点が高いですよ!)
  (状況:その後は少し悩むそぶりも見せましたが、何か思いついたのか素早く丁寧な手捌きでチョコレートを加工していく姿はとても美しく、一種の芸術品のようでしたねぇ)
  (解説:そして出来上がった形にパウダーをかけ色味を変える。これはなかなか素早い作業が要求されますし、見てください、毛並みが想像できてしまうほどの精巧な像ですよ!......あぁ!!ヴィゼア選手が何か動きを見せましたよ!)
  (状況:おっとこれは、像一体では物足りないのか!何と!小さな椅子とテーブルでしょうか?)
  (解説:そのようですね、テーブルの上にはカップとソーサーのようなものも見受けられますね。これは、お茶会風景でしょうか?とても細かく装飾まで作っています!)
(状況:おや、出来上がったようですね、ヴィゼア選手満足そうに頷いて居りますが、鼻先と左耳辺りにチョコレートが付いているせいかとても可愛く見えてしまっています!)
  と、チョコを付けたままのヴィゼアの前には、今回の目的であるチョコットキングの像とテーブルに乗ったお茶会セット、茶菓子までもが細かく再現されていた。
 その像は今にも動き出しそうなほどに、精巧かつ精密な作り。
 ――もはやこれは、職人の域である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サルサ・トゥ
【POW】

ん、チョコ作りは初めてだけど…被害が出ないように頑張る。
怪我せず、無理せず、冒険せず。気持ちはいっぱい込めてレッツクッキング。

他に作ってる人の様子を見たり、書物で調べたりして最低限カタチになるくらいには努めるよ。時間が余ったら、他の人を手伝うね。

アドリブ歓迎だよ。


エルーゼ・フーシェン
リュカ(f06173)と一緒にチョコを作る。

「チョコを作るのに大事なのって心が大事よね!」
チョコを作る作業から始めるわ。リュカも一緒にね。
まずはチョコを溶かさないと。ユーベルコード『トリニティ・エンハンス』の炎の魔力で溶かせば大丈夫よね!
塩チョコとかあるから塩も入れよっと(大さじ2杯投入)
唐辛子とか入れたらいいかも!(大量に入れる)
さらに焼いた肉を入れようと思ったところでトリガーからストップがかけられる。
「えーと?」
ああ、つまり砂糖を入れたら解決すると!
エルーゼ、それ砂糖やない……片栗粉や!(しかも一袋分)
「あとは型に入れて冷やせば」

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


トリガー・シックス
料理本を見ながらエルーゼたちを見守る。
(なぜユーベルコードを)
エルーゼの溶かす方法に疑問を抱くが、見守る。
(塩の量が多すぎる!)
止めに入るべきかと思い始める。
(唐辛子……多い、多すぎる!!)
止めなければ悲劇になる。
「それはチョコなのか?」
もはやチョコというか、出来損ないの塩辛。
中途半端にしょっぱく、辛いチョコ、なにかの罰ゲーム用なのだろうか。
砂糖入れればとのことらしいが……。
「まあ、上書きするという手段はあるかもしれないが」
俺はこの時止めるべきだった。
投入されたのが片栗粉だったのだ。
(……よし、オブリビオンに処分させよう)
猟兵たちの身を守るための作戦が始まる。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


リュカ・ノットミー
エルーゼ君(f13445)とチョコを作ることになったよ。
チョコかー…好きだけど作ったことないなぁ。作るのめんどくさそうだし…え?レシピ…?湯煎でとかす?エ、エルーゼ君…も、いろいろ大変そう。うん。あれはだめなやつ。ぼくでもわかる。めんどくさいけど頑張ってみるしかないかぁ…
ってことで、動物さんお願い!
「小さき追跡者の召喚」で、小鳥さんをよんで、美味しそうなチョコを作る人を追跡してもらう。ぼくがそれを真似して作ればきっと大丈夫でしょう。
よーし、やるぞ。ええーと…

(アドリブや他の方との絡みOKです)



 チョコレートを眺めながらサルサ・トゥ(海流の人形遣い・f13488)は悩んでいた。
(どうやって作ろう?作ったことない)
 この場には調理器具の他に、沢山のチョコに関する料理本や動画サイトもあるようで。
「とりあえず、作ってみる。いろいろ壊さないように頑張る」
 本や動画の様子を見ながら遠くの方で出来上がった筋チョコ?や、彫刻のようなチョコットキング像を見て、
(私にはあそこまでのものは難しい、けど!心なら負けない!)
 と思いつつ、チラチラと作る様子を見ていたが遠いため手元まではよくわからないため、簡単に作れないかと探していると『簡単!チョコレートレシピ☆』と書かれたレシピ本を見つけた。
 それはチョコレートを溶かして型に流し固めた後に、デコレーションをするだけの簡単レシピ、との事。
(これなら私でも出来るかもしれない)
 と、レシピ本を読み間違えないように側に開いた状態で固定して、必要な器具と材料を揃えに向かう。

「えっと、ボールとチョコレート、は、何味にしよう?
 ふ、普通でいいのよね?それと、混ぜるためのやつと固めるための型?
 あー、製氷機で良いんだ、へぇー……あ、水着型もある。」
 と必要なものを集め終わったようで、レッツ!クッキング☆

●ステップ1:チョコレートを溶かそう!
『注意としては、お湯で熱くなりすぎない温度で慌てずゆっくり溶かすこと。
 はじめにチョコを細かく砕いているとやりやすいぞ☆』
 と書かれているため、指示に従ってチョコレートを細かくしながらボールに入れ、温度に気をつけながらチョコを溶かしていく。
「湯煎ってお湯で溶かせばいいと思ったけど、別々にして溶かせばいいのか!」
 そう、湯煎を勘違いしてお湯に混ぜてしまう人のために図解で説明をしてくれており、少々ぎこちない手つきながら、しっかりとチョコレートを溶かすことに成功した。

●ステップ2:チョコレートを固めよう!
『湯煎にかけたチョコが固まる前に製氷機にチョコを流し入れ、冷蔵庫で冷やしましょう。
 アレンジとして、固まりきる前に飾り串を刺したり、パールチョコなどで飾り付けをしても良いかもです☆』

「なるほど、飾り付け......う、うまく出来るかな?」
 水着型製氷機にチョコを流し入れるところまでは上手く出来たサルサ。
 後は冷やして途中で飾り付けらしいのだが、どんな風に飾り付ければいいのか悩んでしまって、飾り付け用のものを探しにあっちへウロウロ、こっちへウロウロとしてしまう。
 見本に近い良さげなものを見つけた時には少し時間が経っていて、冷蔵庫から出したチョコレートは殆ど固まってしまっていた。
「あ、えっと、まだ、大丈夫かな?」
 少し固くなっていたチョコにハート柄の串を刺したり、色付きチョコやパールチョコなどで見本通りに飾り付けをしたら最後にもう一度固め直して、完成となった。
「うん、形は平凡でも、心が大事だよね」
 と満足気に満面の笑みを浮かべる。


 エルーゼ・フーシェン(双刃使い・f13445)、トリガー・シックス(実験部隊の生き残り・f13153)、リュカ・ノットミー(エルフの聖者・f06173)の三人もチョコを作るために会場に来ていた。

「チョコを作るのに大事なのって心が大事よね!」
 と、気合たっぷりなエルーゼはきょろきょろと辺りを見渡し、一緒に居るトリガーとリュカにニカッと笑って見せる。
(何かあれば、俺がフォローすればいいか?……とりあえず、見守るか)
 トリガーは、近くにあった料理本からレシピを見つつ思案する。
 作るのはエルーゼに、自分は指示出し等で様子を見守る事にしたようだ。
「よし、なら。先ずはチョコを溶かさないとだな。その為には……ゆせn……」
「チョコを溶かせばいいのね!」
 話半分にエルーゼはチョコとボールを用意する。
「いや、待て!話は最後まで……」
「いくよ~!!」
 気合十分に魔力が練られていく。
 トリニティ・エンハンスを使い、勢いよく火力を上げていくエルーゼ。
(なぜユーベルコードを……)
 話半分なエルーゼの溶かす方法に疑問を抱くが、見守るトリガー。
(ま、まあ。火力ぐらいなら何も問題は無いはず……エ、エルーゼ?)
 これくらいなら挽回できると見守っていたトリガーの目に、驚愕の光景が広がる。
「ん~?塩チョコ?へえ~塩を入れるだけでいいのね~」
 やや火力により焦げたチョコを混ぜながら、レシピを見ていたエルーゼは、流し読みで見えた文字に反応した。
「このチョコにも塩入れちゃおう☆あ、唐辛子とか美味しそうじゃない?」
 少し楽しくなってきたのか、普段よりもやや高めのテンションで料理しているエルーゼの隣では
(エルーゼ!塩が大匙2杯は多すぎるっ!!それとなぜ唐辛子なんだ?!)
 焦りながらどうやって止めようか悩むトリガーの姿。
(まてまてまて!多い!唐辛子も多すぎるっ!!)
 考えているだけで声になっていないですよトリガーさん。

「ん~、お肉とか欲しいかも?」
「待て、エルーゼ、それは……何チョコだ?」
 アレンジが楽しくなったエルーゼにストップを掛けるトリガー。
 今出来ているチョコは、塩辛く唐辛子の辛さもある不思議チョコ。
 甘味は何処に?という状態である。
「え~と?あ、そっか。チョコだもんね。甘さもいるよね」
「そう、だな。甘さで上書きという方法もあるかもしれない」
 二人は本題を思い出した。
 この後に待ち受ける悲劇も知らずに……
「砂糖はこれかな?えいっ!」
 甘さを足すという考えしかなかったエルーゼは、確認もせずに近くにあった袋をそのままチョコに投入した。
「ちょっ?!確認もせずに!」
「大丈夫だよ、白いし、砂糖だよ。さ、後は固めるだけ」
「そんな確認の仕方で本当にだいj……」
(片栗粉じゃねえか?!!――よし、よし!オブリビオン達に処b……おすそ分けしよう!)
 砂糖と片栗粉を間違えたと知ってしまったトリガーの戦いが幕をあけた。

 エルーゼとトリガーと共に来ていたリュカは、二人の様子を見ながら面倒くさそうにレシピを見ていた。
(チョコかー…好きだけど作ったことないなぁ。作るのめんどくさそうだし…)
 と、エルーゼが魔法でチョコを溶かすところを目撃。
(……レシピ……湯煎でとかす?エ、エルーゼ君……も、いろいろ大変そう。うん。あれはだめなやつ。ぼくでもわかる)
 ハァ、と溜息一つこぼし、めんどうだなと思いながらもこの状況を打開する為に頑張る事にした。
「ってことで、動物さんお願い!」
 リュカは小さき追跡者の召喚(チイサキツイセキャノショウカン)を使用して、料理中の人の技を真似る事を思いついた。
(これなら失敗も少ないよね)
 五感を共有した小鳥を召還したリュカは、小鳥を会場内へと向かわせる。
(誰かいい人居ないかな?……うわ?!何この犬の像、本物?!こっちの人は……マッスルポーズしてるし。……この人は、何か探してるのかな?)
 なかなか作業中の人が見つからない。
(タイミングが悪かったかな……)
 広い会場内を見回すとなかなかに面白い形のチョコレートも見受けられる。
(へえ~、お椀に箸……これはご飯なのかな?ふりかけご飯にしか見えないけどこれもチョコなんだ)
 空を飛ぶ小鳥は、広い会場の端から端まで見回る事が出来る。
 他に小鳥が見たものは……定番のハートのチョコやチョコで作ったカップケーキ、骨肉そっくりのチョコに犬の顔を模ったチョコであった。
(皆、手の込んだものつくるなぁ)
 と、自分達の方を向いたときに見てしまったのは、大量に入れられる塩と唐辛子のチョコだった。
(エルーゼ君……なんてものを……)
 引き攣りながら、その光景を眺めながらもなかなか作業者が見つからない為、仕方なく、本当に仕方無さそうにしながらレシピ本へ手を伸ばし。
「はあ、なんとかなるかな?」
 小鳥には引き続き巡回に向かってもらい、ゆっくりとだが少しずつ作業を進めることにした。
 それはトリガーやエルーゼが作ろうとしている【塩チョコ】
 気の毒にもばれない様にチョコを処分しようか悩んでいるトリガーのためにも。
 また、出来映えを疑っても居ないエルーゼの為にも、少しでも美味しく作れたらと思うリュカなのであった。
 恐怖のチョコの行く末は、誰も知らない。


 こうして、猟兵達のチョコ作りは、波乱万丈で幕を閉じた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『天国か地獄か?チョコプールアスレチック』

POW   :    力が全て!ゴリ押しで進む!

SPD   :    テクニックが命!タイミングよく進む!

WIZ   :    無謀にも挑戦?または応援!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちのチョコ作りが一段落した時に……

 ―― ゴ ゴ ゴ ――

 地響きと共に何かが迫り来るような轟音が聞こえる。

「あぁ!!なにあれ!!」
 チョコを口の端に付けた柊が、驚いた顔で会場の端を指差した。
 ……つまみ食いしてたね?(はっ!)
 ……まあ、いいでしょう。(ほっ……)

 気を取り直して、状況の確認をしてみよう。
 巨大なチョコの塊のその一角が、無くなっていて海のような状態になっている。
 どうやら何かの拍子にチョコが溶けた音が先ほどの地響きだったらしい。

「ん~?行きたい道はこの先なの。どうしたらいいのかな?飲む?」
 溶けたチョコに顔を近づけ、ぺろりと一口舐め取ってみる妖精。

 甘~い香りと味に幸せそうな表情をしながら、ここを渡る手段を考えなくてはならない様だ。
テフラ・カルデラ
チョコプールと聞いて!!
…ってそうじゃなく!えっと…そのわんこのところに行けばいいのですね!
実はこっそりチョコを作ってきたのです!よーし!がんばりますよ!!

よっ…はっ…これは…割と難しい…
しかし野性の勘があるからこそ何とかなっています!
さて…ここを超えたら…あっ…しまっ…

うぅ…落ちてチョコまみれです…でも、目的地は目前なのでいいでしょう…
…あれ?身体が…ってえぇ!?チョコが固まっていく!?なんで!?
まさかあのチョコって相当危険なものじゃ…やっぱりフラグには勝てなかったぁー!!
あぁ…ここでチョコ像になって佇むなんて…恥ずかし…い…
(チョコ像になったテフラはスタッフがあとでおいしくただきました☆)



 チョコのプールを前に一人の猟兵が立ち上がった!
「チョコプールと聞いて!!
 ……ってそうじゃなく!えっと…そのわんこのところに行けばいいのですね!」
 と、えへへとはにかみながら持参したチョコを抱えるのは、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)の ”彼” 。
 そう何を隠そうテフラは、女の子にしか見えないがれっきとした ”男の子”  である。
 乳白色の髪を靡かせながら、白く可愛く垂れた片耳を揺らし、プールを見つめる。
(もし……ここで落ちたら……【擬似石化】になるのでしょうか?)
 ゴクリ……と生唾を飲み込み極僅かに頬を染めながら、アスレチック攻略に挑む。

「よっ……はっ……これは……割と難しい……ですね」
 慎重にたまにある危険なルートも、ウサギながらの俊敏さと【野生の感】を用いた危機管理能力のお陰で、ゆっくりと確実にゴールへ向かい進んでいた。
(最後のボスまで辿り着くには確実に攻略したほうが……あぁ、でも、チョコレートがボクを呼んでますぅ……)
 攻略にするにつれ、次第にうっとりとした表情でチョコプールを眺めている。
(もし、もし……このチョコレートに絡め捕られたら?――ひゃぁぁぁっ!!――)
 頭で”もしも”を想像して、一人テンションを上げ、落ちたい衝動に駆られるも、現在の任務を思い出し、ハッと気を取り直して最後の難関へ向き合う。
「さて……ここを超えたら……」
 興奮する心を何とか宥めつつ、勢いよく飛び出した瞬間に起こるのがそう
 ハ プ ニ ン グ ☆
 飛び出した瞬間に、何故かザブンと、着地地点の足場がずれる。
「うそっ?!しまっ!!」
 先ず驚いた表情を見せたテフラだったが、着水する瞬間にはこの後に待ち受けるだろう自身の状態に歓喜し、恍惚な表情に変わっていた。
「あぁっ!だめですぅ!ボクっチョコまみれなんてっ!(歓喜」
(そんな!あと少しでゴールだったのに!)
「うぅ……チョコで濡れちゃいましたぁ……(感激」
(落ちてチョコまみれです……でも、目的地は目前なのでいいでしょう……)
 見事に本音と建前が逆になっているテフラ。
 ゾクゾクと興奮しながらも、僅かな理性が依頼の目的を忘れてはいなかったが
 ……忘れていないのだが!
 ――ピキッ――ピキピキ――
 感度のいい耳が僅かな音を聞き分けた。
(なんですかこの音は……)
 僅かな異音に冷静になったテフラは、周囲を素早く確認し最速で岸に辿り着こうとしたが思う様に身体が動かない。
 異音も止まらず動きづらい視界の端に、固まり動かない自分の髪が映る。
「ぇ………あれ?髪が……身体が…ってえぇ!?チョコが固まっていく!?なんで!?」
 漸く異音の正体が分かったテフラ。
(まさかあのチョコって相当危険なものじゃ……やっぱり、フラグには勝てなかったぁー!!)
 非常に残念な事に、彼は一級フラグ建築士でもあったらしく、”無事に”プールの攻略とはならなかったらしく
「ボク……こんなのぉ……興奮しちゃいますぅ(恍惚」
(あぁ……ここでチョコ像になって佇むなんて……恥ずかし……い……)
 なんとか岸に辿り着いたものの、全身がチョコに覆われてしまうテフラは、恍惚な表情を隠す事無く次第に固まり、チョコ像となる。

 そしてこの像は、スタッフが持ち帰りました。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

佐藤・非正規雇用
チョコのプールか……任せておけ。
俺はバレンタインにチョコまみれになったことで、
チョコへの耐性がある。こんなもの泳いで渡っ……!!
(先に進んだ猟兵が固まる様子を見る)

なるほど。このプールは入ってはいけないんだな。
となると、やはり頼れるのは筋肉だけか……。

巨大なチョコを削り出し、"いかだ"を作成する。
キッチンの道具とか使えば、それなりに形になるんじゃないかな。
チョコだから、加熱すればくっつくし。

よし! このいかだで、大海原へ漕ぎ出すぜ!!
俺のオールは誰にも任せない!!

失敗したら、俺もチョコの像になると思うが
果たしてどうかな……?



「チョコのプールか……任せておけ。」
 意気揚々と佐藤・非正規雇用(スクロール・f04277)は、準備運動を開始する。
「俺はバレンタインにチョコまみれになったことで、チョコへの耐性がある。こんなもの泳いで渡っ……はぁ?!」
 泳ぐために岸辺に着いた瞬間に、先に渡っていた猟兵がチョコにより固まるという事件を目撃した。
「は?……え??」
 チョコの水面と固まった猟兵を交互に見つめること暫し。
「なるほど。このプールは入ってはいけないんだな」
(となると……やはり頼れるのはこの筋肉だけというわけか……)
 と、冷静になったら行動を開始する。

「ふむ。アスレチックもいいがここは筏を作って渡ってみよう」
(これならおぼれる事も固まる事もないだろう)
 固まった事を思い出し頬を引き攣らせながら、手ごろな大きさのチョコの塊を見つけ、その塊を筏の形に削り出す事にした。
「ふんっ!……よっ!!……おらぁ!!」
 勇ましい掛け声と共に少しづつ削られていくチョコの塊。
 少しづつ形になっていく筏。
「こんなもんかな?」
 少々歪ながらも自分一人乗る分には問題なく、揚々と対岸に向かい舵を取った。
「よし! このいかだで、大海原へ漕ぎ出すぜ!!
 俺のオールは誰にも任せない!!」
(失敗したら、俺もチョコの像になると思うが、果たしてどうかな……?)
 と、不安半分、気分は船長!
 オールは自分で操作しながらちゃぷちゃぷと進む。
 特に問題もなくスムーズに進む筏。
 ……。
 問題なく見えたのは表面だけで、実はじわじわと筏に付いたチョコが固まっていたり、座面のチョコが体温で少しづつ溶けていたり……
 オールに付いたチョコが固まって次第に重たくなっていたり……
 オールを漕ぐ時に跳ねた雫が腕や脚に付き、固まった傍から筋肉により剥がれていたり……
 ……誰得って?
 作者得です!
 ……ゴホン。話を戻そう。

 まぁ、何も問題なく岸に渡ることの出来た佐藤。
 念の為にと用意していたユーベルコードを使う事無く、怪我も無く渡りきった。
「ふん!やはり筋肉こそ偉大ッ!!」
 と、最後に勝利の決めポーズを披露すると、筋肉に付いたチョコがキラリと光る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルーゼ・フーシェン
【POW】
あのチョコ、落ちたらアウトなのね。
でも要はゴールしてしまえばいいわけだから頑張るわよ!
【野生の勘】で危ないところは慎重にね。
まあ勢いよく突破していけばいいだけだからね!
ゴールまで無事にたどり着くわよ!

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


トリガー・シックス
【SPD】
エルーゼが挑む間にステージの観察。
要注意点を見極め、移動のテンポを考えて行う。
移動するときにテンポを決めておき、スムーズに進められるようにしておく。
(着地地点の足場が動く……ならば)
【野生の勘】による危機管理能力を働かせ、なにか有りそうなら【フェイント】を仕掛けてみる。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


リュカ・ノットミー
なんかすごいことになったなぁ…え?ぼく?やだよ。めんどくさい。
さっき作ったチョコでも食べてゆったりするからみんな頑張ってね。
「小さき追跡者の召喚」でよんでいた小鳥さんとのんびり応援。

エルーゼ君、ふぁいとー(もぐもぐ)
あ、これ小鳥さんも食べられそうだよー

うん?小鳥さんなぁに?
もしみんなが大変になったら小鳥さん空から危険教えてくれるの?やさしいね、ありがとー。それなら、ぼく、伝えるのがんばるよ。


アドリブや他の方との絡みは大歓迎です。



 さて、岸に視点を戻し、エルーゼ・フーシェン(双刃使い・f13445)とトリガー・シックス(黒衣の銃剣士・f13153)とリュカ・ノットミー(エルフの聖者・f06173)の三人組は前者二名の様子を観察していた。
「……固まったのよね?」
「……固まったな」
「固まりましたね……ええ、ナニコレ面倒……」
 上からエルーゼ、トリガー、リュカの順に感想を述べた。
「あのチョコ、落ちたらアウトなのね」
 とエルーゼが状況を解説し、
「さっき作ったチョコでも食べてゆったりするから、みんな頑張ってね」
 とリュカが傍観の構え。
 トリガーは溜息一つ吐き出しながらも、視線は鋭くアスレチックのコースを見つめる。
(さて……要注意点を見極め、移動のテンポを考えて……)
「ん~?でも、要はゴールしてしまえばいいわけだから頑張るわよ!」
 にこやかな笑顔で、臆する事なくアスレチックに向かうエルーゼ。
「だからもう少し慎重にだな、エルーゼ!」
 ギョッとしながら、いつもの好奇心と怖いもの知らずが出たと、諦める事を覚えたトリガー。
(止めても無駄だろう。それよりもここの要注意点は……)
 と、海面の揺れとコースの足場を確認していく。

「なんかすごいことになったなぁ…」
 一方のリュカは、生粋の面倒くさがりが発動していた。
(こんな面倒なのやってられないよ。それに、二人が何とかしてくれるだろうし)
「はぁ、エルーゼ君、ふぁいとー(もぐもぐ)」
 と岸辺のチョコで出来た椅子に座り、応援する。
 その傍らには、先ほどのステージで【小さき追跡者の召喚(チイサキツイセキャノショウカン)】のより呼び出していた小鳥も居た。
 ――ピーピピピ――
「うん?小鳥さん?あ、これ小鳥さんも食べられそうだよー(もぐもぐ)」
 ――ピピピッ――
「うん?小鳥さんなぁに?
 もしみんなが大変になったら小鳥さん空から危険教えてくれるの?
 やさしいね、ありがとー。それなら、ぼく、伝えるのがんばるよ」
 と、ほのぼの空間が出来ていた。

 場面を戻して、エルーゼとトリガーはというと、アスレチックの中盤まで辿り着いていた。
「危ないところは慎重にね」
「この辺りから気をつけよう」
 と【野生の感】を使いながら危険な場所を察知し、素早く慎重に足を進めていた。
 時折横風に煽られ、足場のチョコが剥がれ、水飛沫ならぬチョコ飛沫が舞う。
 エルーゼは楽しそうに、トリガーはエルーゼの様子に呆れながらも、その運動神経に感心していたりとまあ楽しく攻略していた。
 そんな二人が立ち止まったのは、問題の最終地点である。
「ここ……だったよね?」
「ああ、ここだな」
 注意深く観察するも、足場の動きが不定期でなかなか踏み出せないで居た。
「~~っ!!何よこれっ!」
「これは……動きが掴めん」
 不定期に動く足場のせいで前に進めず、イライラし出すエルーゼ。
 冷静に突破口を見つけようとするトリガー。
「エルーゼ、落ち着け。焦ると固まるぞ」
「う……わかってるわよ」
 流石にチョコ像は嫌なようで、少し様子を見るエルーゼ。
(着地地点の足場が動く……ならば)
「エルーゼ、フェイントで足場を誘導するのは如何だろう?」
「フェイント?」
「そうだ。動きが不定期ならばこちらで操作すれb……」
「そっか!それで進めるのねっ!」
「だから話は最後までっ」
「行くわよ、トリガー」
 テンポよく進めなくなっていたのがストレスだったのか、フェイントと聞いて飛び出していくエルーゼ。
 だが、勢いよく飛び出し過ぎて、フェイントもなく足場に飛び出してしまった。
「あ……」
「エ、エル-ゼッ!!」
 ――ピピピピピ――
「っ!!」
 ゆっくりと足場に飛び出しかけたエルーゼの前に飛び出したのは、小さな小鳥であった。
 それはリュカが呼び出した小鳥で、危ないときに助けられるように近くを飛んでいたのだった。
「おお~い、だいじょうぶ~?」
 と岸からリュカの声も聞こえた。
「小鳥さんが先導するから、その後をついて行くといいよ~」
 と二人に声を掛けた。
 二人は顔を見合し、一つ頷くと、小鳥の後を躊躇い無くついて行く。
 それは三人の信頼の証であった。
 小鳥について行った二人は無事に対岸に辿り着く事が出来た。
 そして、リュカはというと。
(早く来いか……分かってるよ)
 小鳥から二人の言葉を受け取るも、
(もう少し、のんびりしてからでもいいよね?)
 と、チョコをゆっくりと堪能するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

暁・碧
【柊・明日真】と行動
このプールを超えないといけないみたいだね、どうやっていこうか?
って、泳いでいくつもりなの……!?

途中でチョコが固まったりしたら大変だし一緒に行こっかな。でも泳ぐのは嫌だから乗せてもらえるなら背中に乗っちゃおうかな~

背中に乗ったら落ちないようにバランスを取りながらゴールに誘導するね。
もし、万が一落ちそうになったり明日真が泳げなくなったら空中を飛ぶ者で空中ジャンプしてゴールを目指すね……!
飛ぶ時はチョコが跳ねないように注意しながら飛ぶね、服にチョコが付いたらやだしね……!
☆アドリブ等歓迎


柊・明日真
【暁・碧(f00059)と行動】
【アドリブ歓迎】
この甘ったるい匂い、胸焼けしそうだな…
甘いのは嫌いじゃあないが。

【POW】
要は固まる前に渡れば良いんだろ?
一気に泳ぎ切ってやるぜ!
よし、俺の背中に乗ってけ。楽させてやるよ。

ちょいと重い感触だが泳ぐには問題ないな。
このまま一気に…っておいおい早いな、もう固まってきたぞ。
…だが俺には勝算がある!「固まった」と言うことはッ!「掴める」と言うことだッ!
【トリニティ・エンハンス】による筋力強化、【怪力・鎧砕き】でチョコを掴み、ぶち割って突き進む!
うおおおおおおおッ!!

…だがもしこの筋肉が通用しないなら…碧!俺を踏み越えて行けッ!後は任せたッ!!


ルク・フッシー
「………」(チョコ像になった某友人の姿を見て少々引いてる)
ああはなりたくないので、氷属性の【安心塗装(セーフティ・ペイント)】でチョコをしっかり固めて渡ります

もうすぐゴール…
「…あっ」(ドボーン)
うう、落ちちゃった…わわ、固まる…なんとか力づくででも脱出しないと!
(なぜか集まる観衆)
「…ぷはぁ!出られたあ…って、と、撮らないでください~…」(恥ずかしくて顔真っ赤)



(この甘ったるい匂い、胸焼けしそうだな……甘いのは嫌いじゃあないが)
 柊・明日真(刻印の剣・f01361)はチョコのプールを前に佇む。
 その隣には、暁・碧(妖狐の女子高生・f00059)が。
「このプールを超えないといけないみたいだね、どうやっていこうか?」
 と、相談を持ちかける。
 二人で挑戦するつもりで連携などの確認をしようとしたが、柊はケロリと
「要は固まる前に渡れば良いんだろ?一気に泳ぎ切ってやるぜ!」
 とニヤリと笑う。
「って、泳いでいくつもりなの……!?」
 と驚愕を見せた暁だったが、柊の提案にふと思案する。
(……途中でチョコが固まったりしたら大変だし、一緒に行こっかな。
 でも泳ぐのは嫌だから、乗せてもらえるなら背中に乗っちゃおうかな~
 アスレチックも大変そうだしな~この後の戦いもあるしな~)
 色々と考えた結果、楽……協力してプールを攻略する事に決めたらしい。
「泳いでいくのはいいけど、固まったら危険だから、私を背中に乗せていってよ」
「……背中に?」
「そう。固まってきたらそれを何とかするし、泳ぐ方向とかも指示出来るよ!」
 にこやかに提案する暁を見て思案する柊。
(確かに、固まるスピードが早かったから勢いよく泳いでいくつもりだったが……
 進む方向が間違ってちゃ意味がねえか?)
 と納得したらしく、頷きを一つ。
「よし、俺の背中に乗ってけ。連れて行ってやるよ」
 と言うと暁は、
「楽できる、やったね」
 と小さな声で呟いた。
「……聞こえてるって。まあいい、楽させてやるよ」
 ぺろりと舌を出して誤魔化す暁に苦笑しながら、準備を開始する。
「さて、じゃあ……俺が飛び込んだらすぐに背中に乗ってくれよ」
 水面に近づきながら再度手順を確認、注意点を伝える柊。
「分かってるよもう!大丈夫だから早く行こうって!」
 とむくれる暁がその背を水面へと押していく。
 そして水面に並んだ二人は、プール攻略に挑む。

 背を濡らさない様にプールに入った柊の背に暁がバランスを崩さないように乗る。
(ちょいと重い感触だが泳ぐには問題ないな、このまま一気に……)
 と柊が考えた瞬間に、ピキピキと海面から出ている部分が固まり始める。
(……っておいおい早いな、もう固まってきたぞ)
 急いでゴールの地点を目指し泳ぎを開始する。
「固まるの早いね。プールの中は平気?……あ、もう少し左に進んで」
 プール中盤、暁の指示に進行方向が若干の修正をされて、
「了解。……少しずつだが、固まってきているな」
 と柊が返す。
 段々とスピードが遅くなる事に気が付いた暁が状況を確認すると、表面だけでなく水面下でも異変は起きているようだった。
「私、跳んで行こうか?その方が柊さんも泳ぎやすいでしょ?」
 と提案すると、柊はしなくていいと首を振る。
「でも……」
「大丈夫だ。……俺には勝算がある!「固まった」と言うことはッ!「掴める」と言うことだッ!」
 と、魔力を開放し自身を強化する技【トリニティ・エンハンス】による筋力強化を展開。
「…だがもしこの筋肉が通用しないなら…碧!
 俺を踏み越えて行けッ!後は任せたッ!!」
 グンッと勢いを増した柊は、もしもの時の対応を伝えて一心不乱に泳ぎ出す。
「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!」
 雄叫びと共に、固まりつつあるチョコのプールを掴むをいう荒業を披露して進む二人。
(はやっ!振り落とされないようにしなきゃ!)
 スピードを増した柊の背にしがみ付く暁。
 盛大な水飛沫を上げながら身体で固まるチョコを蹴散らし進む柊。
 そして見えたゴールの対岸。
 結局は二人してチョコまみれになりながらも、対岸へと辿り着いた。

 一方、最初の挑戦者のチョコ像を見てドン引きしている人が居た。
 ルク・フッシー(普通の仔竜(じゃない)・f14346)その人である。
「……」
(いや……彼の性格は知っていますし、なんならその気持ちは理解できなくは無いですが……)
 となにやら複雑な心境のお年頃のようだ。

(……ちょっと羨ましいだなんて思ってないですもん)
「……はあ、見ていても状況は変わらないし、ボクも行くとしましょう」
 友人であったテフラのチョコ像から視線を外し、プールに意識を向ける。
(プール。チョコとは言え一応の水面という括りでいいのでしょうか?)
 チョコの水面を見つめながら思案するルクは、アスレチックに目を向ける。
(……向こうはボクには難しそうなので、進むとしたら水面ですね)
 覚悟を一つ決めたルクはクロッキー帳を出し、その中から不思議な【『中』に入れる保管庫の絵】のページを開く。
「……よいしょ……」
 不思議な保管庫から取り出したのは、一見すると抱き枕に見えるサイズの絵筆。
 重そうな絵筆を、チョコのプールに向かって一振りすれば、あら不思議☆
 ペキペキと音を立てながら水面が凍っていくじゃありませんか!
「うん……凍るなら、この上を歩けるね」
 満足そうに頷くルクの妙技は【安心塗装(セーフティ・ペイント)】という。
 色に応じた属性が付与された塗料がルクの思い描く通りに再現されていく。
 今回は、【寒色系の塗料を使った氷の属性】を使用して、流氷をイメージして足場を作成したようだ。
「ん~~??チョコの流氷だからチョコ色でも良いんだろうけど……イメージってむずかしいな」
 イラストや色使いに拘りを見せつつ、ゆっくりとしたペースで足場を作っていくルク画伯。
「ここをこうして……こっちはこうやって、ここはこの色で……」
 進んで行くほどより精密に、より精巧に、より繊細に。
 次第に足の進みが遅くなり、比例するように流氷のイメージが細部まで事細かく描き出されていく。
 ――ちゃぷり、ちゃぷり――ザバン!
 その音に気が付いたのは、後もう少し、二回程流氷を描けば対岸に辿り着けるはずの位置だった。
「ん?何の音でしょう?」
 絵を描く事に集中しすぎたルクの耳に、水音が届く。
 極近くで鳴る水音に、ルクは進行方向を見回したが特に異変も無く、足場もしっかりしていた。
「あれ?……気のせいですかね?……うわぁぁぁ?!」
 念の為にと後ろを振り返ったルクが見たものは……流氷を押しのけるように、押し流すように、勢いを増して流れるプールのチョコ。
 その勢いは少しずつ足場であるチョコを削っていく。
 このままのんびりと描いていたら、確実にチョコの中に落ちていただろう。
「わわわっ!急がないと!」
 大慌てでイメージを描きながら進もうとするルクだが、一度拘ってしまえば、描ききれない細部が気になってしまう。
(急がないとボクもチョコ像になってしまいます、でも、でも、中途半端に描く残すのも……)
 時間の許す限り細部を描き込んでいると、ピチャリと足元が濡れる。
「え?……」
 振り返ると、もうそこまで流氷が崩されていた。
「もうここまで?!足場が……!」
 岸との距離はあと少しだが、描ききる前に確実にルクの身体はチョコのプールに投げ出されるだろう。
(ギリギリ跳べるでしょうか?描ききったほうが早い?)
 等と考えている間も、足場のタイムリミットが迫っている。
「――間に合いません、跳べるはずです。だ、大丈夫……」
 間に合わないと判断したルクは、落ちたときの事を必死に考えないようにして、対岸へジャンプする。
 そして、見事に着地成功。
(何故か見守っていた観衆や他の猟兵達から拍手がとんだ)
「よかった、な、なんとか届きました……」
 ホッと一安心して、波に飲まれていく流氷を見送りクルリと振り返った瞬間に、事件は起きた。
「うひゃぁぁ?!」
 そう、足が滑ったのである。
 それはものの見事に、ツルンと滑ったのである。
 チョコレートのプールの方へと……
「……あっ」(ドボーン)
(うう、落ちちゃった……わわ、固まる……なんとか力づくででも脱出しないと!)
 幸い、落ちた箇所は岸のすぐ傍のため、すぐに這い上がる事は出来たが
「うう……チョコまみれです……見ないで……と、撮らないでください~……」(恥ずかしくて顔真っ赤)
 観衆が見守る中、足を滑らせたルクは、羞恥に全身を染めあげるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『チョコットキング』

POW   :    チョコレートテイルズ
【甘味への欲求 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【巨大な溶けかけのチョコレートの尻尾】から、高命中力の【滑らかトリフチョコ】を飛ばす。
SPD   :    蕩けるチョコボディー
【チョコットキング 】に覚醒して【熱々のチョコボディー】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    超硬化チョコボディー
【 超硬化したチョコボディー】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠柊・弥生です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 色々とハプニングもあったけど、何とか向こう岸まで渡る事が出来た。
 そして全員が目にするのは、のそり、のそりとこちらに向かって歩いてくる大きな狼の姿。
 しかし、その姿はやや精彩に欠けている様にも見えた。
「あれれ?」
 その姿に柊は首を傾げている。
「……んとね?チョコットキングはね、この時期には身体が綺麗なチョコの毛並みで、凄く艶やかなんだって。それに、動きももっと俊敏でこう……今みたいな、元気の無い感じじゃあ……無い筈なの」
 と、首を傾げながら観察する。
「それに……なんか機嫌悪そうなの……(半べそ」
 よく見ると確かに、自慢の毛並みに艶が無く、動き辛そうに歩いている。
 どうやら最近の急激な冷え込みにより、身体のチョコレートが硬くなってしまったらしい。
 その為、機嫌も悪く攻撃的になっているようだ。
 そして、猟兵達を視認したチョコットキングは忌々しそうに尾を一振りすると、

 ――ウォォォォォォン!――

 と、盛大な雄叫びをあげる。
 そして、猟兵を敵と判断したチョコットキングは敵意を露に、襲い掛かってきた。
佐藤・非正規雇用
フン、貴様がラスボスか。
畜生の分際で、我が筋肉に歯向かうとは片腹痛い……。

良かろう! 貴様の浅胸筋と俺の大胸筋、
どちらが強いか確かめてくれる!!

ユーベルコード"雲上人"で巨人を呼び出し、己の盾とする。
その巨体で、敵の飛び道具も防げるだろう。

巨人は防御しながら力を溜め、
大きな武器で渾身の一撃を放つ。
「我が一撃を受くること、汝の誇りと思え!!」

攻撃が決まったら、巨人と一緒にポーズをキメる。
「正義じゃなくても勝つ!!」

まぁ、機嫌悪そうってことは、普段は大人しいんだろう。
戦闘後は手当てをしてやろう。
「貴様は筋肉より、もふもふ派だったか。
手荒いマネをして済まなかったな」



「フン、貴様がラスボスか。
畜生の分際で、我が筋肉に歯向かうとは片腹痛い……」
 佐藤・非正規雇用(裏切りメガネ・f04277)は雄大なる敵を見つめ、強気な姿勢をとる。
 今ここに!モフモフ対筋肉の騒然たる戦いの火が灯る!

「……良かろう!貴様の浅胸筋と俺の大胸筋、どちらが強いか確かめてくれる!!」
 ムンッ!とマッスルポーズを決めた佐藤、悠然と構えるチョコットキングの対比が面白い。
(……あれ?襲ってこない?)
 内心首を傾げながら、チョコットキングの出方を慎重に伺う佐藤。
 相手方に動きが見られないため、こちらから先制を仕掛ける事にする。
『図が高いぜ! 我が力の前に平伏せよ!!』
 佐藤の【雲上人(クラウド・アトラス)】により、自身の身長の2倍の【鎧姿の巨人】を召喚。
 自身の動きをトレースして闘う巨人は、巨大な黒剣を模した武器を構えながら、
 ――バンッ!――ドンッ!!
 という効果音と共にそれは見事なマッスルポーズを決めた。
 そして、異変は起きる。
 先ず初めに、とても甘く濃厚なチョコの香りが佐藤を包む。
 次に、強烈な空腹感と共に、無性にチョコが食べたくて仕方が無いという感情に支配された。
 そして発動する、チョコットキングの【チョコレートテイルズ】
 【甘味への欲求 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【巨大な溶けかけのチョコレートの尻尾】から、高命中力の【滑らかトリフチョコ】を飛ばす、という技。
 なんと、ここまでのステージが既に仕組まれ、計算されていた!
 しかし、空腹に苛まれた佐藤には効果抜群であったが、空腹ゆえに飛んでくるトリフチョコを食べ空腹を満たした。
 食べる以外のチョコを巨人がガードしながら、剣の射程範囲へと突き進む。
「……(ぱくっ)……うむ、とても質の良いチョコだな。過剰摂取にならなければ、チョコも健康食品として優秀と聞く(ぱくっ)」
 糖分の摂取で、何故かより筋肉が強調された気がしなくも無い。
 そして、時は来た。
「我が一撃を受くること、汝の誇りと思え!!」
 巨人は防御しながら少しずつ力を溜め、大きな武器で渾身の一撃を放つ。
 ――ギャインッ――
 溶けかけの尻尾を切り裂き、チョコットキングが悲鳴をあげる。
「正義じゃなくても勝つ!!」
 攻撃が決まった瞬間に佐藤と佐藤巨人のコンビは、見事なコンビネーションポーズを決め、チョコットキングの戦意を削ることに成功した。
「貴様は筋肉より、もふもふ派だったか。手荒いマネをして済まなかったな」
(まぁ、機嫌悪そうってことは、普段は大人しいんだろう。戦闘後は手当てをしてやろう)
 と思案しながらも戦闘はまだ終わらないため、気を引き締めてポージングに勤しむ佐藤であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィゼア・パズル
ほう、姿を現したか。
…どれ、物は試しだ

手の銃から何もない周囲の空間へ精霊の弾丸を放つ
穿つ為でなく空中に留まる為の其れは宙に浮かぶだろう

「その身体、柔らかく解してやれば少しは機嫌も治るか?」

弾丸…火の精霊を爆発【全力魔法】のエレメンタルファンタジア製
即席の熱帯完成だ
「焔の櫛、気に入ったか?」

多少の時間稼ぎに【地形を利用】し【カウンター】を利用
なるべく時間をかけて全身くまなく熱を送ろう。

冷えて固まった身体なら、
ハートに火を付けて
なんて、な。


フィロメーラ・アステール
「おー、カッチカチだぞ! カッチカチ!」
硬いから機嫌が悪いのか? ……溶かしてやればいいんじゃないか?
いっちょ【気合い】を入れてやるか!

【星の遊び場】を発動だー!
【破魔】【属性攻撃】の熱波を放って、悪しき気を祓いながら暖めるぞ!
超耐久力を得るなら多少乱暴にやっても平気だろ!
【全力魔法】を込めてドーンとやるぜ!

敵は……速く動く物を無差別攻撃する? 動き辛いのに?
まあ無差別攻撃できるほど溶けてくれたら、ありがたいんじゃね?
この【残像】を放つ【空中戦】についてこれるなら、だけどな!



 機嫌悪く周囲を警戒しているチョコットキングの前に、また一人の猟兵が挑む。

「ほう、姿を現したか」
  ヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)は怒れるチョコットキングを前に微笑むが、鋭い視線は前の戦闘を鑑み、相手の動作のぎこちなさや精彩の無さを感じていた。
(どうやら、固くなったチョコレートが動きを阻害しているな。なら……)
「……物は試しだ。その身体、柔らかくしやれば少しは機嫌も治るか?」
 腰から銃を取り出し、対峙するチョコットキングの真上へと一発の弾丸を放つ。
 高速で進んだ弾丸は、チョコットキングの上空で制止する。
 それは、エレメンタル・ファンタジアを利用した、精霊の力を宿した弾丸。
 高威力の【焔】の力を持った弾丸は、上空で四方八方に飛散する。
 それはさながら、流星の如く。はたまた、火龍の如く。
 チョコットキングを囲むように流れ落ちる【焔】の力。
 ヴィゼアの全力を込めた魔法、チョコットキングの周囲にのみ限定した即席の熱帯を作り出す。
「焔の櫛、気に入ったか?」
 暴れる事無く、佇むだけのチョコットキングを注意深く観察しながら、問いかけるヴィゼア。
 ――その応えは、否であり是でもあった。

 ヴィゼアの焔の櫛が展開された頃、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)も会場に到着していた。
「おー、カッチカチだぞ! カッチカチ!」
 チョコットキングの様子を見ながら、素直な感想を述べた。
「ん~?硬いから機嫌が悪いのか?……溶かしてやればいいんじゃないか?
 いっちょ【気合い】を入れてやるか!」
 ニヒヒと笑いながら、ラッキーな私が来たのだから、悪い結果には成らないという確信もあった。
「【星の遊び場】を発動だー!」
 「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する技、【星の遊び場(トリッキー・スター・ファンダム)】
 【破魔】【属性攻撃】の熱波を放って、悪しき気を祓いながら暖めるぞと、チョコットキングに向かって行くフィロメーラ。
 さながら煌く流星の如く、残像が残る速度で駆け抜ける。

 未だ戦う素振りを見せないチョコットキングに、違和感を覚えたヴィゼア。
 よくよく観察すると、表面にあるチョコレートの様子がおかしい。
 僅かにあった艶やかな光沢が消え、ポソポソとした印象に見えた。
(熱し過ぎて、チョコが劣化したか?)
 様子を鑑み、威力を落とそうかと考えたヴィゼアに
「あーダメだよ。そのままの方がイイと思うんだよな」
 とフィロメーラが語りかけた。
「しかし、どうやらチョコが焼けすぎているようだが……」
「ンー、この熱帯作ったのお前だよな?なら、問題ないと思うよ」
「しかし、先ほどから動く様子が無いんだが……」
「まー見てなって。あれは、強いかもよ?」
 にひっと笑いながら、光速で熱帯圏に入っていくフィロメーラ。
 その瞬間にドスンと重たい地鳴りが響く。
(何が起きた?彼女が近づいたら反応したのか?)
 音を注意深く観察したヴィゼアは、音の中心がチョコットキングだと判断した。
「えへへ、反応したね!超耐久力を得るなら多少乱暴にやっても平気だろ!」
 縦横無人に熱帯圏を跳びまわるフィロメーラはチョコットキングの状態に気が付いていた。
 それは、超硬化チョコボディー。
【 超硬化したチョコボディー】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る技。
 ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続けるという特性も持ち合わせる。
 それにより、熱帯圏を作り出し様子を見ていたヴィゼアには反応を示さなかったのだ。
 そこにフィロメーラが光速で行動したために攻撃対象と認識されたのだった。
「なるほど……動かなかったのはそのせいか。……しかし……」
「うん、うん!動き出したね!いい感じだな!……でもさ」
『まだまだ、熱くしてやろう』
 其々の属性の火力を更に高め、ヴィゼアはより全身に熱を送り、フィロメーラは残像を残すほどの光速移動によりチョコットキングを少しづつ動かしながら滑らかに動けるようにしていく。
(でもな~、硬くなって動きづらいのに速く動く物を無差別攻撃するってのはなんだかな?)
 少し疑問に思うも、まあいいかと深く考えるのを止め、
(まあ無差別攻撃できるほど溶けてくれたら、ありがたいんじゃね?)
 と思う事にした。

 少しづつ攻撃のカタチが滑らかに、スムーズになっていくチョコットキング。
 動きが滑らかになるほどに艶やかになっていく毛並み。
 それに伴い、いささか機嫌がいいようにも見えるチョコットキング。
 足取りも軽やかに攻撃が出るようになった。
 その様子を見ながら、ヴィゼアはニンマリと悪戯な微笑みを見せた。
「冷えて固まった身体なら、ハートに火を付けて……なんて、な」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウィズ・ザー
動きも随分滑らかになった様だが…未だ足り無いな?
染み込むチョコレートの手伝いを行う
【SPD】使用。全身をボール状に、走り回る彼の狐のUCを受け止める

楽しく気持よさそうなら何より。からくり人形を排出し、新しいおもちゃとして共に遊ぼう

「熱に舞い踊る見事な毛並み。…しかし、お前は何を焦っていたのだ?」

…、共に遊んでいたら腹が減ったな。
【かばう】を使用、魔力を食べられる機会があれば捕食したい。

「さぁ…充分楽しんだだろう?……今度は此方の番…食べさせてくれ。」
美味しい、美味しい、デザートだ。



 ゆっくりと毛並みが滑らかになるチョコットキングの様子を見つめながら、ウィズ・ザー(闇蜥蜴・f11239)は思案する。
「動きも随分滑らかになった様だが……未だ足り無いな?」
(何かに急かされる様にも見えるが……)
 ひと先ずの使命はチョコットキングの討伐であるが、
(……腹、減ったな……)
 ブラックタールである彼は、育ち盛りの時でもある為、食べても食べてもお腹が空く。
 そんな彼の前には、チョコレートでできた敵の体。
 暴食である彼のオヤツになるのも時間の問題かも知れない。

 ――ワォォォォォォンッ!!

 空腹の視線を感じ、身の危険を悟ったのかチョコットキングが雄たけびを上げる。
 幾人との戦闘で温まりつつある体から、蒸気が立ち上る。
 チョコットキングの蕩けるチョコボディー!
 それはチョコットキングが【チョコットキング 】に覚醒して【熱々のチョコボディー】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削るという技。
 体の表面を熱々のボディーに変え、ウィズに向かい突撃してくる。
 進み来る彼の歪に溶けたチョコの足跡と、溶け始める戦場の地形がその熱さを物語る。
「……ほう…」
 迫る姿に笑みを浮かべ
「新しいおもちゃとして共に」
 足元に広がる召喚の陣が点滅すると、そこには一体の巨大なからくり人形が現れる。
 オペラツィオン・マカブルにより召喚された人形は佇み、動かない。
「熱に舞い踊る見事な毛並み。…しかし、お前は何を焦っていたのだ?」
 からくり人形を囮に、ウィズは自身の体を球体状に丸め、高速でチョコットキングに向かい突き進む。
「俺は、少し腹が減った。お前を食べてもいいんだろ?」
 言うや否や、チョコットキングが纏う蒸気を、溶ける足場を削るように浸食していくその姿は、まるでブラックホールの様にも見える。
 食い削られたことに驚いたチョコットキングは、歩みを止めて、驚愕を顕にした。
 その瞬間に勝敗は決まってしまう。
 食うものと食われるものの関係が出来上がる。

 ――――ドシュッ――――

 黒の球体が白の毛並みに吸い込まれると、中心に球状の穴が開く。
 ウィズがチョコットキングの体を貫き、風穴を開けたのだ。
「……あまい。さぁ…充分楽しんだだろう?……今度は此方の番…食べさせてくれ」
 瞬く間にチョコットキングの体が消え、巨大な体を維持するために削られた体を補っていたチョコットキングは、小さくなっていった。

 ――クゥゥン

 小さく消えそうなチョコットキングは最後に甘く鳴くと、蕩けきった尻尾を一振りし、ただのチョコレートになっていった。
「……美味しく食べて欲しかったのか?」
 最後の様子を思い浮かべたウィズは、なんとなくそう判断し、食べたりないと戦場にあるチョコレートを食べるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月23日


挿絵イラスト