殲神封神大戦②~氷霊は無尽蔵に
●グリモアベース
「封神武侠界で大規模な戦いが始まった。先輩たちにも対応を頼みたい」
イミ・ラーティカイネン(夢知らせのユーモレスク・f20847)はグリモアベースにて、自身のグリモアを収めたガジェットを手の中で弄びながら、居並ぶ猟兵たちにそう告げた。
人界と仙界を双方とも巻き込んで発生した大規模な、強力なオブリビオンを数多く揃えた殲神封神大戦。あらゆるオブリビオンを自らの支配下に置くユーベルコードを携えた大賢良師『張角』をここで撃破しなければ、封神武侠界の安寧は破壊されてしまうだろう。
すべての神々を、武将を、倒して進まなくては勝利は望めないだろう。そのためにもここの戦いに力は抜けない。
表情を硬くした猟兵たちに、イミはガジェットから映像を映し出しながら話し出す。そこに映っているのは巨大な城だ。
「今回の戦場になるのは樊城の城門前だ。南蛮門から大量に押し寄せてくる雑兵のオブリビオンが、司馬炎の兵士たちと交戦している。先輩たちには彼らに加勢し、オブリビオンを撃破してもらうことになる」
そう話しながらイミが映像を映すのは城門の前、多数の兵士が戦っている様子だ。飛び回る半透明の幽霊が、兵士に体当たりを仕掛けて槍に切り裂かれて消えていっては、後から次の霊が飛んできている。
これは、後から後からやってくるせいできりがない。兵士たちの体力のことを考えると、無理はさせられないだろう。
「見ての通り、数が非常に多い。おまけに後から後からやってくるから、長時間的と戦って貰う必要があるわけだ。兵士たちの体力にも限界はあるからな、先輩たちが戦い続けて戦線を維持するのが大事だ」
イミの話に猟兵たちも頷いた。自分たちが加勢して霊への攻撃を担えれば、兵士たちもいくらか楽になるだろう。
「押し寄せてくるのは冰灵……氷霊、というやつだな。冷気を放ちながら漂う雑霊で、突撃して攻撃したり、分裂して攻撃を躱したりしてくる。対象に憑依して一時的にオブリビオン化させることも出来るようだな……この能力は司馬炎の兵士相手に使ってくるかも知れない」
さすがは霊ということか。憑依されて兵士を消耗させられてしまっては問題だ。一撃で倒せるくらいの強さだが数が多いため、消耗しきらずに戦い続けることが重要だろう。
そこまで説明すると、イミはガジェットから投影していた映像を消した。改めてガジェットを持ち直し、中のグリモアを回転させながら言う。
「準備はいいか、先輩たち? ここでしっかり勝って、二つの世界を救ってきてくれ」
屋守保英
皆さん、こんにちは。
屋守保英です。
封神武侠界での戦争、これより参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
●目標
・多数の冰灵の撃破。
●特記事項
このシナリオは戦争シナリオです。
一章のみで構成された特別なシナリオです。
司馬炎の兵士達と協力し、なるべく長時間敵と戦うことで戦闘を有利にすすめることが出来ます。
●戦場・場面
(第1章)
封神武侠界、人界。樊城の中にある「お城の方の」樊城の城門前です。
個々の敵はさほど強くありませんが、大量の敵が間断なく押し寄せる為、司馬炎配下の兵士達と連携しながら長期戦を乗り切る必要があります。
それでは、皆さんの力の篭もったプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『冰灵』
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POW : 霊障
【冷気】を籠めた【すり抜ける体当たり】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【体温と精神と知能】のみを攻撃する。
SPD : 迷遊
自身の【数が10倍】になり、【何も考えずに飛ぶ】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。
WIZ : 憑依
骸魂【となって、対象】と合体し、一時的にオブリビオン化する。強力だが毎秒自身の【魂】を消費し、無くなると眠る。
👑11
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仰木・弥鶴
まず最優先は『冰灵』が兵士たちに憑依してオブリビオン化させないことかな
敵が憑依しようと骸魂になったところへUCの音声攻撃を割り込ませる
はい、そこまでにしてくれる?
その兵士も大事な戦力だからオブリビオン化されてそっちの駒にされるのは避けたいんだよね
戦場全体に聞こえるように拡声器の音量を上げておく
それほど強くないならまとめて数を減らせるかな?
兵士にも声をかけて攻撃力と防御力を上げるための支援を
その両方が上がればこれまでよりも少ない労力で敵と戦えるでしょう
できるだけ長く戦ってほしいからね
力を貸すので止めはお願いできますか?
敵が骸魂になったら攻撃を仕掛けてくる合図です
攻撃をやめてすぐに下がってください
●江碧鳥逾白
多数の兵士が戦いを続けている樊城の城門前。そこにやってきた仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は、メガネを直しながら淡々と言葉を吐いた。
「まず最優先は『冰灵』が兵士たちに憑依してオブリビオン化させないことかな」
冰灵が兵士に憑依したら同士討ちは免れない。それは避けたいところだ。今もまた、一人の兵士が自分の周りを飛び回る冰灵をどうにかしようと槍を振っている。
「くそっ、来るな……!」
槍の切っ先をすり抜けるようにして、冰灵が兵士へと迫る。その瞬間、弥鶴がピンマイクに向かって声を張り上げた。
「はい、そこまでにしてくれる? その兵士も大事な戦力だからオブリビオン化されてそっちの駒にされるのは避けたいんだよね」
大きな声が拡声器で拡散されて、音波となって戦場に広がっていく。その音波によって何体もの冰灵が、かき消されるようにして消えていった。その状況に、兵士が弥鶴の方へと目を向ける。
「援軍か、助かる!」
弥鶴の姿に笑顔を見せる兵士へと、頷いた弥鶴は兵士をかばうように立ちながら口を開いた。
「ここからは俺や俺の仲間が前に立ちます。あなたたちは俺たちを応援してくれますか」
「わ、分かった! お前たちが頼りだ! 頼む!」
弥鶴の言葉に頷きながら、兵士たちが彼の後方に下がる。そこから太鼓や銅鑼の音が響いて、弥鶴の精神を鼓舞し始めた。光背型のディバインデバイスを展開しながら弥鶴がちらと後方に目を向ける。
「力を貸すので止めはお願いできますか? 敵が骸魂になったら攻撃を仕掛けてくる合図です。攻撃をやめてすぐに下がってください」
「よ、よし!」
彼の言葉に兵士が槍を構える。骸魂になろうとする前の冰灵へと、弥鶴が音声攻撃を再び飛ばした。
成功
🔵🔵🔴
夜刀神・鏡介
少しずつでもいいから、確実に敵の戦力を削って道を切り開く
そのために、この戦場も落とすわけにはいかないな
神刀の封印を解放して、壱の秘剣【銀流閃】を発動。銀色の神気を戦場全体に満たしていく
一撃で倒せる程度の戦闘能力であれば、これだけである程度の数は減らせる筈
とはいえ長期戦でずっと使い続けると俺の体力・気力が持たないので、適宜UCを解除する
解除している間は神刀、及び斬撃波にて攻撃して数を減らす
その後はまた様子を見て、敵の数が増えたり兵士が押され気味であれば再度UCを発動
万が一兵士が消耗しても、再度UCを使用すればある程度の体力回復が見込める
基本的にはこの繰り返しで、温存しつつ少しでも多く倒していく
●山青花欲然
他方。夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は腰に佩いた神刀【無仭】を抜きながら口を開いた。
「少しずつでもいいから、確実に敵の戦力を削って道を切り開く。そのために、この戦場も落とすわけにはいかないな」
敵の数が多い。しかし一体一体は弱い。となればまとめて敵を攻撃できれば最良だろう。
無仭を構える。封印を解きながら目を細めた。
「神刀解放。邪を絶ち、善を守護せん――」
詠唱を唱えながら神気を解放する。自分の周囲に神気を満たしながら、鏡介は力を込めた。
「壱の秘剣【銀流閃】」
次の瞬間、鏡介の周囲に白銀色の神気が斬撃波となって放たれた。斬撃波が冰灵の身体を切り裂いて霧散させていく。
「これだけである程度の数は減らせる筈……とはいえ、長期戦でずっと使い続けると俺の体力が持たないからな」
ユーベルコードを発動しっぱなしだと鏡介の身体がもたない。適宜ユーベルコードを解除して斬撃波を飛ばして攻撃していく。
ちょうどユーベルコードを解除して攻撃していると、近くで兵士たちが冰灵に襲われているのが見えた。
「くっ!」
「くそっ……!」
若干苦戦しているようだ。再び神気を解放して斬撃波を飛ばす。同時に神気が兵士たちに加護を与えて体力を回復させていった。
「大丈夫か」
「あ、あぁ……!」
鏡介が声をかけると、兵士たちが頷きながら槍を持ち直した。彼らにこくりと頷きながら、鏡介は冰灵の群れへと神刀を向けた。
成功
🔵🔵🔴
烏丸・都留
SPDアドリブ共闘OK
「エネルギーは相手から頂くから後方支援も戦線維持も余裕かしら……」
UCにより雷光を纏った自身と装備群の機動力を106倍、攻撃回数を9倍にし、その攻撃は味方には治癒効果(状態異常回復含む)を与える。
縮小召喚した無数(数百万)のクラスタードデコイ、アサルトユニットαとβ、ガードユニットは攻性防御。
数十機のメンテナンスユニットは後方支援(味方の回復など)。
自身は、朧蟲(多面多臂像状の人形上半身のアラクネ型)を操縦、周りのオブリビオンからの汚染を吸収捕食、自身を強化し、巨大化した聖魔喰理扇で敵を破魔/捕食/略奪/除霊/神罰/浄化しながら、かつ分体(約百万機まで運用可)を適宜運用。
姫乃木・月姫
ほ~ん、猟兵の戦争ってこんな感じなんですねェ
短期決戦する必要があった銀誓館の戦争と違うって事かぁ
ま、猟兵としては初の大規模戦闘、一丁気合入れときますか
長期戦、持久戦って事なので、ヘヴンリィ・シルバー・ストームで攻撃&回復を担当
おくたばりあそばされそうな兵士がいたら、率先して敵との間に割って入って回復に専念してもらいましょ
周囲の地形を利用してジャンプし、可能な限り空中機動と空中戦を行って囲まれて無駄に疲弊しない様に気を付ける
エアシューズの蹴りとかで斬撃波を放っての遠距離攻撃をしたりして、味方が接敵している時間を減らす工夫をしときます
●故人西辞黄鶴楼
樊城の城門前にやって来た姫乃木・月姫(猫を被った猫・f35769)は、ゆるりと周囲を見回しながら小さく舌を出した。
「ほ~ん、猟兵の戦争ってこんな感じなんですねェ。短期決戦する必要があった銀誓館の戦争と違うって事かぁ」
シルバーレインの世界にかつて起こっていた戦争は、短期決戦を挑んで一気呵成に畳み掛けるのが重要だった。猟兵の戦争は長期戦、長く力を使い続けるのが重要というわけだ。
ふと上を見上げる。ちょうど烏丸・都留(ヤドリガミの傭兵メディック・f12904)の本体である宇宙強襲揚陸艦、烏丸級二番艦鶴丸の姿が見えていた。
「エネルギーは相手から頂くから、後方支援も戦線維持も余裕かしら……」
都留がそう言葉を零しながら、眼下の戦場を見ている。相手は多数、エネルギーの塊のような雑霊。エネルギーを吸収すれば問題はない。
上空からの支援は万全だ。ならば攻めに徹すればいい。月姫もまっすぐに前を見据えた。
「ま、猟兵としては初の大規模戦闘、一丁気合入れときますか。お仲間から支援も貰えるっぽいしね」
とん、とつま先で地面を叩く。エアシューズの準備も万端だ。ついでに長剣を腰から抜く。
「よっし、んじゃ行きますか!」
そう発し、月姫は一気に前へと飛び出した。長剣を振るって冰灵を切り裂く。ちょうど冰灵の体当たりを受けていた兵士の前へと割り込んだ。
「はいはーい、おくたばりあそばされそうな皆さんは下がって下がってー。でかい支援もあるからね!」
月姫はそう言いながらヘブンリィ・シルバー・ストームを発動させた。銀色の雨を発生させて雨で兵士を回復させながら、雷を降らせて冰灵を攻撃していく。
そうする間にも都留の支援は継続している。多数のユニットを機体から放出して展開させていく。
「上天の威。黒天の武。我らが敵にその威武を示したまえ」
さらに雷光を機体にまとわせ、一気に機動力を高めていった。無数の雷が戦場に降り注ぎ、冰灵も兵士も構わずに撃ち抜いていく。
今も兵士の一人が足元に降った雷を、驚きながら飛び退いて避けた。
「うわ!?」
「大丈夫、あの雷は当たったほうがいいやつだから」
月姫が銀色の雨を降らせながら兵士に声をかけた。都留の雷は味方に当たれば回復の効果がある。当たれば当たるほど兵士には効果がある。
さらに都留は無数のユニットを展開していく。
「クラスタードデコイ、アサルトユニットαおよびβ、ガードユニット展開。メンテナンスユニットは後方支援」
展開したユニットを的確に放出していき、冰灵を攻撃しては兵士を回復させていく。さらにアラクネ型の人形を降下させ、都留の手で操縦して冰灵を倒していった。
「朧蟲降下、汚染を吸収捕食」
朧蟲が冰灵の発した汚染を吸収し、さらにその体ごと吸い込んで倒していく。その吸収力はかなりのものだ。周りの冰灵がみるみる吸い込まれていくのを見て、月姫も口角を持ち上げる。
「はっは、これは心強いですねェ。そんじゃ私も、もう一暴れしようかな!」
銀色の雨が止んだところで、月姫は改めて飛び出した。エアシューズで蹴りを一閃、冰灵の身体が霧散した。
成功
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本山・葵
【兵士との連携、長時間対策】
・コミュ力で兵士を集めてUCで強化する
「お集りの皆様!勝ちたいっすか?モチロン勝ちたいっすよね!」
「ならば眼鏡っす!眼鏡を愛し、崇める想いがパワーになるんすよ!」
「え?目は悪くない?何言ってるんすか
世の中には伊達眼鏡というオシャレアイテムもあるんすよ!」
技能:コミュ力
【SPD対策】
・熱線銃で素早く正確に狙撃して対抗する
「おおっと、結構増えたっすね」
「こういう時は焦っちゃダメっす、急ぎつつ丁寧に処理っすよ!」
技能:早業、スナイパー、視力
※共闘、アドリブご自由にどうぞ
●煙花三月下揚州
他方。城門の近くで、本山・葵(ユートレマジャポニカ・f03389)は兵士たちの前で声を張り上げていた。
「お集りの皆様! 勝ちたいっすか? モチロン勝ちたいっすよね!」
集まった兵士たちに、激励とばかりに声をかける葵。彼女の言葉に兵士たちもすぐさま頷く。勝ちたい気持ちは当然だ。
「も、もちろんだとも」
「そうっすよね!」
その言葉に頷きを返した葵が、胸元からすちゃっと取り出したるは、当然のごとく眼鏡だった。
「ならば眼鏡っす! 眼鏡を愛し、崇める想いがパワーになるんすよ!」
「え……」
「えぇっ」
突然現れ、兵士たちの手の上にぽんぽんと置かれていく眼鏡。それに戸惑う兵士たちが、どうすればいいのかと困惑の視線を葵に向けた。
視力の悪い兵士ならいざしらず、ここにいる兵士たちは全員が裸眼だ。目が悪かろうはずもない。思わず一人の兵士が声を上げる。
「別に視力は悪くはないのだが」
「何言ってるんすか、世の中には伊達眼鏡というオシャレアイテムもあるんすよ!」
それに対して胸を叩きながら眼鏡の良さを布教する葵だ。今しがた兵士たちに渡した眼鏡は度が入っていない、いわゆるオシャレ用の伊達眼鏡である。戦場にオシャレを持ち込んでどうするのか、とツッコミが入りそうなところだが、そこは葵のコミュ力によって説得力を持たせていた。
腕を高く突き上げながら、葵が高らかに宣言する。
「メガネを愛する全ての者に祝福あれ!」
「お……」
「おぉぉ……!」
その言葉に感銘を受けたのか、兵士たちが次々に伊達眼鏡を装着し始めた。こころなしか、視界がクリアになって気持ちも高ぶってくるように感じる。
「なんか行けそうな気がしてきた!」
「その意気っす! それじゃあ行くっすよ!」
気合い充分な兵士たちの背中を押して、葵も熱線銃を取り出した。飛び出して冰灵を目視すれば、冰灵がいくつにも分裂して飛び回る。
「おおっと、結構増えたっすね」。こういう時は焦っちゃダメっす、急ぎつつ丁寧に処理っすよ!」
しかし葵は冷静だった。飛び回る冰灵を次々に熱線銃で撃ち落としていく。見れば周囲の兵士たちもどんどん冰灵を倒しているようだ。にんまりと笑みを浮かべながら、葵は次の敵へと向かっていった。
成功
🔵🔵🔴
凶月・陸井
「護」の仲間、相棒の時人と行動
対大勢の戦いも慣れた
今度の敵であれば極力接敵させない事が重要だな
「あぁ、また頼むな、時人!」
司馬炎の兵士達と合流し次第声を張り上げて策を伝えるよ
「いいか!敵は憑依をしようとしてくる!君達に憑りついてオブリビオン化する技だ!」
「味方同士で戦いたくなければ槍衾を作って敵を極力近寄らせるな!」
「俺達は前で敵の数を減らす様に戦う!皆は後ろに抜けた奴を倒してくれ!」
策を伝え終わったら兵達の前へ出て時人に合流
「悪い、遅くなったな!一気に巻き返していくぞ!」
【水遁「水獄檻」】を使用して常に広範囲の敵を一気に攻撃するように立ち回る
「数だけで圧倒される程、柔じゃないんでな!」
葛城・時人
相棒の陸井(凶月・陸井f35296)と戦う
此処が二つめ!よくもこんなにたくさん繰り出して
来ると思うけど…絶対に追い返す!
この世界にも沢山の人がいる。絶対に護り通して見せる
「さぁ往こうか、陸井!」
元のアビリティとは少し違うけど、俺のククルカンは
相棒と同じぐらい、あの頃からずっと一緒に戦ってくれてる
向こうが物量ならこっちもだ。地上の天の川を見るが良い
UC白燐大拡散砲詠唱後に少し懐かしい裂帛の気合も込めて
「消えてなくなれっ!」
送り出した後は白羽蟲笛も使い、敵の視覚を阻害する
大拡散砲は切れたら直ぐに幾度でも掛けなおす
兵士たちにもその場から声を掛ける
「大丈夫!諦めないで!俺が癒すから落ち着いて戦って!」
●孤帆遠影碧空尽
二人並んで樊城の城門前に駆けつけた凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)と葛城・時人(光望護花・f35294)は、それぞれ顔を見合わせながら数多く飛来する冰灵に目を向けた。
未だ、数は多い。減る気配を見せていないが、少しずつ兵士たちが押し返しているようにも見えた。
「対大勢の戦いも慣れた。今度の敵であれば極力接敵させない事が重要だな」
「よくもこんなにたくさん繰り出して来ると思うけど……絶対に追い返す!」
陸井の言葉に頷きながら、時人は眦を決した。再び戦いに身を投じるようになったのは互いにわずか前のことだが、戦闘の感覚は概ね取り戻してきた。恐れることはない。
「さぁ往こうか、陸井!」
「あぁ、また頼むな、時人!」
互いに再び視線を交わし合う。そして時人が白羽蟲笛を取り出した。風が笛を通り抜け、涼やかな音を鳴らす。
「向こうが物量ならこっちもだ。地上の天の川を見るが良い」
と、時人の周囲に純白の羽毛と翼を持つ、蛇の形をした蟲が大量に現れた。時人の白燐蟲、ククルカンだ。
ククルカンが呼び出されたのを確認した陸井が、一旦彼から離れて兵士たちのところへと向かう。
「一旦前は頼んだ!」
「任せてくれ!」
相棒の言葉に頷きながら、さっと時人は両手を突き出した。それを合図にククルカンが濁流のように、前方に突撃して冰灵を押し流して潰していく。
それを尻目に、陸井は兵士たちの傍へと駆けて声をかけた。
「皆無事か!」
「援軍か! こちらは問題ない!」
陸井の登場に兵士たちも声を上げた。だいぶ状況が好転しているとは言え、猟兵の援軍は貴重な力だ。
戦況がいいことに安堵しながら、陸井は兵士たちに向かって声を張り上げる。
「いいか! 敵は憑依をしようとしてくる! 君達に憑りついてオブリビオン化する技だ!」
冰灵は分裂しながら体当たりを仕掛け、さらに憑依して自身の支配下に置こうとしてくる。その攻撃を防ぐためには、近づかせないことが寛容だ。槍を持つ兵士たちに、陸井が声を飛ばす。
「味方同士で戦いたくなければ槍衾を作って敵を極力近寄らせるな!」
「おおっ!」
「第一隊、構えろっ!」
彼の言葉を受けてすぐさまに兵士の一団が抜き身の槍を構えて整列した。槍衾を作れば前方からやってくる冰灵は防ぐことが出来る。そうすればいくらか対処もやりやすい。
「俺たちは前で敵の数を減らす様に戦う! 皆は後ろに抜けた奴を倒してくれ!」
「よし、任せろ!」
陸井が兵士たちを激励しつつ前線へと戻っていくその背中に、兵士たちが意気軒昂に声を届けた。
前線に向かえば、またも時人が白燐大拡散砲を放って冰灵を駆逐していた。効果範囲の広いククルカンの攻撃に、冰灵もだいぶ数を減らしてきている。
「消えて、なくなれっ!」
その裂帛の気合を、時人は少し懐かしみながら発していた。昔もよく、この気合の声を発しながらこの技を放っていたものだ。
「俺のククルカンは相棒と同じぐらい、あの頃からずっと一緒に戦ってくれてる」
思えば随分と長い付き合いだ。あの時も、今も、ククルカンは変わらず傍にいてくれることに嬉しく思う。
と、ちょうど陸井が後方から戻ってきた。再び時人の隣に立つ。
「悪い、遅くなったな! 一気に巻き返していくぞ!」
「ああ、いくよ!」
時人の言葉に、陸井もすぐさま構えを取る。じわりと彼の周囲に水が浮かべば、それが無数の苦無となって縦横無尽に陸井の周囲を乱舞した。
「閉じろ、水獄檻……数だけで圧倒される程、柔じゃないんでな!」
「大丈夫、諦めないで! 傷を負ったら俺が癒やすから!」
時人も声を後方の兵士たちに飛ばしながら、再び白燐蟲を放つ。また多数の冰灵が、その輝きに飲み込まれては飛び交う苦無に貫かれて消えていった。
成功
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村崎・ゆかり
ふふん、亡霊死霊の類ならあたしの出番ね。
垂れ幕の如き大判霊符を周囲に展開して、神聖の「属性攻撃」「範囲攻撃」「弾幕」「破魔」「除霊」「仙術」「道術」で落魂陣。
晋軍の皆、あたしの前に出ると危ないわよ。「式神使い」で笑鬼召喚。「拠点防御」で陣地を整備して。
アヤメは、万一あたしに近寄ってきた死霊を片付けて。羅睺は笑鬼の監督。
「継戦能力」を重視して、霊力を絞ってるのに、この数を相手にし続けるのはなかなか面倒だわ。
今のは弱音なんかじゃないんだからね!
この調子でいいかしら。相手の雰囲気的に夜型っぽいから、今のうちに叩けるだけ叩きましょう。
撤収となったら、「一斉射撃」で残った霊力を大判霊符から放出する。
●今春看又過
冰灵の出現の勢いもだいぶ弱まってきたところで、村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》/黒鴉遣い・f01658)は不敵な笑みを浮かべながら樊城の城門の前に立った。
「ふふん、亡霊死霊の類ならあたしの出番ね」
あれやこれやの呪術や陰陽道、修験道もかじっているゆかりにとって、霊魂を相手にする仕事は得意分野だ。加えて相手は霊魂のみの身体、となれば肉体がない分与し易い。
白紙のトランプを取り出して、手早く振りながら詠唱を発する。
「急急如律令! 汝ら、陣を敷き壕を巡らせ郭を築くものなり。陣地の整備、よろしくね」
呼び出したのは多数の小鬼だ。手に手にシャベルや鋤や熊手を持ち、馬鹿笑いを上げながら仕事に取り掛かる。
「ゲヒャヒャ!」
「羅睺、笑鬼の監督よろしく」
「うぇっ。しょうがないなぁ」
先んじて召喚していた式神の神霊、羅睺に笑鬼たちの監督を命じると、羅睺は嫌そうな顔をしながらも笑鬼たちの動きをまとめるべく追いかけていった。
後方は、これで問題ない。後は周囲の兵士たちが巻き込まれないよう取り計らうだけだ。
「晋軍の皆、あたしの前に出ると危ないわよ。あたしより後ろに、出来れば整備した陣地の中に。アヤメは、万一あたしに近寄ってきた死霊を片付けて」
「かしこまりました」
兵士たちを下がらせ、同じく式神のクノイチ、アヤメを傍に控えさせる。これで準備は万端だ。前方をしっかと見据え、冰灵を視界に捉える。
「それじゃあ行くわよ。古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。心身支える三魂七魄の悉くを解きほぐし、天上天下へと帰らしめん」
大きく手を振れば、空中に展開した特大の霊符がまるで垂れ幕のように空中から垂れ下がってきた。文言の書かれている方を正面側に向けるようにして一列に並べ、発する。
「疾ッ!」
その瞬間、無数の光線が霊符から放たれ、まるで濁流のように冰灵を押し流した。落魂陣は魂魄を吹き飛ばす光線を放つ絶陣だ。普段は戦場内に無数に霊符を浮かべて四方八方から撃つのだが、今回は一方向。
魂魄のみで構成された冰灵にとってはひとたまりもない。たちどころに何十、何百という数の冰灵が消し飛んでいった。
「おぉ……!」
「うっわ、すっげー。なんだあの大判霊符」
その攻撃の苛烈さと規模の大きさに、陣地に下がった兵士はおろか羅睺も言葉を失っている。だがこれでも、継戦能力を高めるためにゆかりは霊力を絞っていた。
「霊力を絞ってるのに、この数を相手にし続けるのはなかなか面倒だわ」
小さく口角を持ち上げながらそう言うと、隣のアヤメが驚いた表情で主人を見た。その視線に気がついたゆかりが、目を見開きながら僅かに頬を赤らめる。
「今のは弱音なんかじゃないんだからね!」
「分かっておりますとも、ゆかり様」
そんなツンデレじみたセリフを吐きながらも、ゆかりの落魂陣は次々に冰灵を無に帰していく。やがて光線が収まると、冰灵の数はだいぶまばらになっていた。
「この調子でいいかしら。今のうちに叩けば、抑え込めそうね」
腕を下ろしながら、ゆかりは僅かに乱れた前髪を手で直した。
成功
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イリス・アンリリンキッシュ
アドリブ・共闘歓迎
兵士の皆さんが出来るだけ疲労しない様に戦ってみましょうか
一撃で倒せるような強さで体温と精神と知能を攻撃…【狂気耐性】と【激痛耐性】を併用すれば私ならそこそこ対応できそうですね
兵士の皆さんには押し留める程度に防御していただければ…【ロングブーツ】を起動させて【ジャンプ】【空中戦】【空中浮遊】、風車のように回転開始
【万能ワイヤー】も展開させて【指定UC】を発動…押し留まっている地点へ【範囲攻撃】して対象を攻撃し続けていきますね
そのまま防衛線を飛び回れば兵士の皆さんは楽できるかと
あと私の身体ですが…体温も精神も知能も無いんですよ?あるのは「元から冷たい金属と回路と演算」だけです
●何日是帰年
だいぶ冰灵も数を減らしてきたところで、イリス・アンリリンキッシュ(私は「いつも笑顔」です!・f21317)はひらりと樊城の城門前に降り立った。
「だいぶ数も減ってきたことですし、兵士の皆さんが出来るだけ疲労しない様に戦ってみましょうか。私ならそこそこ対応できそうですね」
緑の瞳の端をわずかに緩めながら言えば、イリスが後方の兵士たちに視線を投げる。そして笑顔を見せながら言葉をかけた。
「兵士の皆さんは、押し留める程度に防御していただければ。防衛線を敷いていただけたら私が対応しますので」
「そうか、よろしく頼む! 全隊、槍を構えろっ!」
イリスの言葉に従い、兵士たちが一列に並んで槍衾を作る。一旦兵士たちの背後に回って様子をうかがうと、残った冰灵たちが飛来しては兵士の集団とやり合い始めた。槍衾の影響で思うように近づけず、集団で攻め時を伺っているように見える。
「よし、来ました。ならば……!」
今がチャンスだ。兵士たちの上を、槍を飛び越えるように大きくジャンプし、ロングブーツを起動して空中機動。宙を駆けながらイリスは万能ワイヤーを両手から展開した。
「これは私を導く、彼からの光! 払えぬ霧など、何一つない!」
そこから蝶の霊力を籠めて、自らの身体を風車のように回転させる。縦横無尽に舞う万能ワイヤーが、次々に槍衾の前で集まっていた冰灵を切り裂いていった。霊魂や怨念のみを攻撃するユーベルコードゆえ、雑霊相手には特に強い。
「おぉっ……!」
「なんと華麗な……!」
高速で回転しながら敵を切り裂いていくイリスの姿に、兵士たちも目を見開いていた。一度着地してから駆けて再び飛び上がり、同じように固まっている冰灵の周囲で回転して切り刻む。
それを数度繰り返せば、あれだけ出現していた冰灵の姿が、もう戦場には一つもない。
「これで……もう終わり、ですかね」
一人の犠牲もなく勝利を収めたイリスたち猟兵に、兵士たちから歓声と称賛の声が上がる。その声に包まれながら、イリスはそっと後方に目をやりながらその目を細めた。
「私の身体ですが…体温も精神も知能も無いんですよ? あるのは『元から冷たい金属と回路と演算』だけですから」
元より、精神を攻撃する冰灵の能力など、自分には効くはずもないのだ。そう呟いて、イリスは兵士たちと一緒に樊城の城壁の中へと入っていった。
成功
🔵🔵🔴