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諸君、寒中水泳だ！！

作者：神夜将比古

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●正気ですか？何もクリスマスにやるこたぁないでしょう。
「諸君、プールが借りられた。寒中水泳をするぞ！！」
　デデン、という効果音でも聞こえるかのように水着姿で堂々と立ち、御堂・絢瀬（ディレッタント・f15634）はそう告げた。
「いやな、最近この時期は室外プールが釣り堀として有効活用される事例が増えてきてな。
　ちょっと借り切ってという事が出来なかった。そこで、マンモス校である銀誓館学園にワンチャン無いかと問い合わせてみたら、いいよと返って来たわけだ。故に諸君、寒中水泳をするぞ」
　至って真顔である。ちなみにちょっと予知してみたいなって思ったら水着のイェーガーカードしかなかったからこうなったという訳ではない、念の為。
「まあ、実際は別に泳がんでも構わない。プールサイドに軽食や飲み物を用意している……ドレスコードが水着のパーティみたいな物だ。私は泳ぐがな！！
　ほら、アレだろ、クリスマスというイベントは夏休み程ではないにしろ心を開放的にする。気になる相手が居る者は、水着で迫ればワンチャンあるかも知れない。……リア充になった後の命の保障までは私には出来ないが。
　その手の人間も好きにやっていい、何しろ銀誓館のプールだ。学園黙示録なるサバイバル的なやつが開かれていたそうじゃないか、頑丈だろう、多分。
　場所が場所だ、ご厚意に甘えるばかりではなんなので、銀誓館学園所属の学生達にも声をかけている。各々で楽しむもよし、交流を深めるもよしだ。私は泳ぐが」
　移動も大変だろう、会場までは送るよ。と綾瀬はテレポートの準備を始めた。

第1章 日常 『銀誓館のクリスマスパーティ』

POW   :    美味しいものを沢山食べる SPD   :    プレゼントを持ち寄って交換する WIZ   :    楽しいおしゃべりに興じる 👑5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

● ん？クリスマス？リア充？……知らんな！俺は泳ぐ！
　飛空戦艦ワンダレイ艦長、アルフレッド・モトロ（蒼炎のスティング・レイ・f03702）はスイムレギンスに頭へバンダナを巻いたさながら海のサーファーとでも言うような姿で、堂々とプールサイドに佇んでいた。
　なお、冒頭の題は周囲の空気をものともせず、寒中水泳に対する熱意を述べた彼の言葉をお借りしました。
「夜野〜！迅太〜！行こうぜ〜！」
　普段は敵を飲み込み、対象を攻撃するユーベルコード……『狂騒海域』を使い、今回はプールへといい感じに水流を作りながら、彼は仲間へと呼びかけた。
　薄い灰色の海パン姿で丁度準備運動を終えた風斬・迅太（まな板・f06135）がその声に応えてプールへと飛び込む。
「うおおおお！ 寒中水泳だー！ ヒャッハー！」
　しっかりと準備運動は行ったが、体中鳥肌が立ってガタガタ震えている。冷たい、超冷たい。
「泳げば暖かくなる！ 船長、勝負です！」
「いいぜ、受けて立とう！手加減はなしな！」
　尾守・夜野（墓守・f05352）はバルーンに入り水面を転がりながら、勝負を取り付け泳ぎ始める2人を横目に眺める。
「ほーん？勝負？二人とも頑張れー」
（これぐらいの方が涼しくて好きなんだよなぁ。暑いの苦手だし。まぁ慢性的な貧血で自律神経イカれてるからで多分本当はめっちゃ寒いんだろうなー寒くなくても後で暖かいの貰っとくか……）などと考えながら、2人に並んで水面を転がっている。……並んで？めちゃくちゃ速いですね。
「まったく、元気だね」
　男性陣の様子を眺め、風邪をひいてしまう、と溢しながら、リーゼロッテ・ローデンヴァルト（リリー先生って呼んでよ・f30386）はホロディスクより電脳魔術を用いて『常夏の発生源』の記憶を呼び出す。希望者は程よい暑さを感じられ、幾分か快適に泳げるだろう。

「ヒャッハー！メリークリスマス！」
　元気よくそう告げるのは、バルタン・ノーヴェ（雇われバトルサイボーグメイド・f30809）。スク水サンタ姿で臨時の屋台を開いている。寒空の中でこの催しだ、温かい飲み物や食べ物を並べれば、需要の見込みがあるという目論見である。
「料理の時間デース！調理開始！」
　ユーベルコードを使い、瞬く間に100種類以上の温かい料理を作り上げると、店番はミニ・バルタンに任せて仲間達と合流し、今回の趣旨であるスイミングに興じる。
「冷水デスガ、ワタシはサイボーグなので耐えられマース！」
　ちょっとしたサイボーグ万能説が唱えられるがなんのことはない、リーゼロッテの電脳魔術の恩恵を受けているだけである。
「…え？リーゼ達、そこまでして泳ぐの…？」
　眼鏡を掛けたリーゼロッテと瓜二つの女性が呆れ顔で告げる。
「偶にはバカやるのもね♪それよかシャル、あれ、よろしくね？」
　ユーベルコードにより喚び出したその女性ーー名前はシャルロッテ、リーゼロッテの双子の妹という事らしい。ーーへと声をかけ、プールへと入って行った。
　アルフレッドと迅太の勝負は互角のデッドヒートを繰り広げている。
「艦長、迅太殿、どちらもファイトデスヨー！」
　バルタンの声援が2人へと響いた。

●夏もとい冬もとい年末の思い出
　一通り泳ぎ倒した一行は、ミニ・バルタンが忙しなく動く屋台へと戻った。
「繁盛繁盛、まさに目論み通りデース！」
「みんな満足したようだし、ワタシはバルたんの食事を……♪」
「あっ焼きそば美味そう！欲しい！」
「ハイハーイ、焼きそば一丁あがりデース！欲しい人は持っていくデスヨー」
　皆それぞれおもいおもいの品を取り、口に運んでいく。
　と、不意にプールが光を放つ。リーゼロッテが仕込んでおいた、シャルロッテの手による詠唱銀の霧＋電脳魔術によるホロ製水中・水上花火だ。
「リリー先生の水中花火でしょうか、これ？ 凄く綺麗です」
「オオ、キレイな花火でありますな！」
「おー！すげぇ！綺麗だな！流行りのイルミネーションとか言うやつか？きれーだな！」
「綺麗だなぁ！海の中で光るやつっつったら結構グロテスクなモンが多いイメージだったんだが、こういうのも良い……」
　迅太、バルタン、夜野、アルフレッド……皆、それぞれに感嘆を漏らす。
「猟兵として本格始動できた今年の締めくくりにこんな楽しいことがあるなんて思いもしませんでした！」
「うん……今年一年も楽しかったデース！」
　迅太が嬉しそうに今年を振り返ると、バルタンもしみじみと同意を示す。
「うわ？！リーゼロッテ、水かけられると転がっちまうだろ？」
食後にバルーンに入り、水上でホログラムをながめている夜野を見つけ、リーゼロッテが水を掛けてはしゃいでいる。

「ふふ、今年の締めくくりにいい思い出ができそうだ！」
　皆が集う艦の長が、それぞれの様子を眺めて微笑む。
　今年の思い出がまた一つ増えた心のアルバム。アルフレッドはこれからも楽しい思い出を増やしていこうと仲間達を見て思うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年12月26日