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拙者故あって世界の平和より上役殿の顔が大事で候

#サムライエンパイア


 そこには竹林があった。
 ひたすらに天を目指すそれらは、まるで地面から突き出る緑の槍にも見える。
 その竹林に人の姿は存在しない。そこにあるのは、その生命力でもって、人を追い返した竹の群のみだ。
 いや、違う。そんな竹の中を歩く存在がそこにいた。
「もうすぐだ。もうすぐ、我が力、すべてを凌駕せん」
 それは周囲の竹を枯らしながら、竹林を歩き続けていた。
 まるで竹の生命力を食らい尽くし、それを自らの力と変えるが如く。

 ☆☆☆

「みなさん、偉い人には逆らうタイプですか? それとも大人しく従うタイプ? 僕は後者の方です」
 そんな質問をあなた達にしてくるのはグリモア猟兵であるラック・カルスであった。
「なんでそんな事を聞くのかですって? いや、それがまあ、ちょっと面倒な話がありまして。あ、帰ろうとかしないでくださいよ! 話を聞くだけでも良いじゃないですか!」
 あなた達を引き留めたラック曰く、サムライエンパイアの世界において、近いうちに、強力なオブリビオンの出現が予想されているらしい。
「そのオブリビオンが完全な状態で出現すれば、僕たちには対象不可能な規模になるかもしれません。けど、それは未来の話。今のうちに叩くことが出来るのなら、僕たちにも倒すことが可能と思われます」
 なら、さっそく向かおうと、あなた達は考えたかもしれないが、それをラックは止める。
「ああ、待ってください。面倒な話はそこからなんです。オブリビオンの出現が予想されているのはとある竹林。けど、その竹林っていうのが、その土地を治めている藩主の許可が無いと入れない場所でして」
 なら、その藩主の許可を得れば良いだろうとあなた達の誰かは口にするかもしれないが、ラックは首を横に振った。
「その場所、藩主の一族にとっての大切な場所とかそんな話で、一般人の立ち入りは禁止されてるんです。関係者だってあまり立ち寄らないから、オブリビオンの存在に誰も気付けていない」
 時限爆弾が誰も知らない場所で放置されているようなものだ。何時か爆発し、多大な被害をもたらす。
「あ、尚更、なんとかしなくちゃって思いましたね? けどですね、戦ったら、間違いなくその竹林は荒れます。その後に藩主にこういう事情があったって説明しても良い顔されないっていうか、すっごい怒られるわけなんです」
 現地の人間との協力関係は、猟兵たちにとっては重要な事だ。
 荒っぽくオブリビオンを倒したとしても、それだけですべては解決しないとラックは話す。
「面倒になって来たでしょう? 僕もまあ、そんな気分でして・・・・・・どうしましょう」
 どうしましょうと言われても、君たちも困ってしまうだろう。
 ラックの方も、この状況に苛ついているところがあるのか、地面を杖でコツコツと叩いている。
「一つ、案があります。戦うことは無理でも、竹林にこっそり忍び込むことは可能なんです。そこで、そのオブリビオンの存在を証明するものや、それが強大な存在であることを証明できるものを用意できれば・・・・・・そう、オブリビオンと戦う前に藩主を説得できるかも」
 つまり、あなた達は竹林に侵入し、オブリビオンの情報を掴み、その後、竹林に侵入した言い訳を考えつつ、藩主にオブリビオンの脅威を訴えて竹林への戦闘許可を得る。
 そうしてそこで漸く、オブリビオンとの戦いが始まると、そういうわけらしい。
 それはそれで面倒ではないか。君たちの中にはそう考える人間もいるだろう。
「そんな顔しないでくださいよ~。これで一生懸命考えたんですから。現地の人間との協力関係は必要。みんな手を取り合ってニコニコ笑うべきっていう主義者なんですよ、僕」
 軽そうに笑うラックを見て、逆に腹の立つ者もいるだろう。
 それを知ってか知らずか、ラックは手を合わせて頼み込んできた。
「ほんっとお願いします! 藩主への謁見については僕がなんとか場を用意しますから、お願いします! なんなら幸運だって祈らせて貰いますから!」
 そんなのはいらない。そう言って立ち去ることも君たちには出来るだろう。
 この依頼を受けるかどうかは君たち次第であった。


ゴルゴノプス
 こんにちは、ゴルゴノプスです!
 この度はサムライエンパイアの世界での冒険になります。
 結構面倒な依頼かもしれませんが、いろんな事を試していただければなと考えております。
 それではこれから、よろしくお願いできれば幸いです。
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第1章 冒険 『魑魅魍魎の森』

POW   :    危機的状況での食いしばり、体力を問われるモノ等

SPD   :    連続戦闘や森への迅速な侵入、他速度を問われる行動

WIZ   :    多数の敵を避ける、罠を仕掛けて防備を厚くする等

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羽久依・集葉
拙者忍者でござるので、【SPD】を活かして行動するでござる!
『スカイステッパー』を使えば拙者1人が侵入するのは楽勝なんでござるけど……拙者がやるべき任務はストロンガルな味方たちへの手引きでござろうな
なので、拙者は斥候のおしごとをするでござるよ!


朝比奈・心乃
好みなら尽くし尽くして共に堕ちて、それ以外は誑かし唆して、かなー?
はてさて此度の殿様は何れやとな。

んー……めんどくさっ
ま、いっかー。気の向くままに竹林に突入ー!……せずにまずは藩内での聞き込みに。

肝心なのは藩主との直談判。
侵入した言い訳の材料も欲しいし何故に大事な場所なのか知らぬのは良くないと思いまして。

熊や猪などの獣害や山賊や窃盗団による被害がないか街の人々に確認。
ちょっとした被害で充分。あった事実が説得力を増すしー……後は口八丁で如何様にも。
それらを追って知らず竹林にって線でどうかなー?
聞いた話を尾ひれを付けて触れ回りながら、それらが逃げた“こと”に今した竹林についても聞いておこーっと。



「ふっ、敵が居るは、かの竹林! 侵入なんぞは拙者にお任せでござるよ!」
 胸を張りながら羽久依・集葉は、隣に立つ朝比奈・心乃に話し掛ける。
 猟兵としてサプライエンパイアへと派遣された二人は、今、竹林近くの集落へと足を運んでいた。
「忍者さんは元気ねぇ。あまり忍べていないみたいに元気だけれど、竹林への侵入は任せて良いのかなー?」
「む。拙者の忍者力をお伺いかな狐さん。拙者、見ての通りのかなりの忍者。どこぞに忍ぶとあればお手の物でござる!」
 羽久依はやはり自信をもって答えを返した。実際、羽久依はかなりの忍者だ。動きは素早く、忍者っぽい格好をしているし、自称は拙者で語尾にはござる。これで忍者と言わず、誰を忍者と呼ぼうか。
「まあ、良いけどねー。いや、良くは無いか。なんだかすぐ、竹林の方に行っちゃいそうだもん」
「む。狐さんは、事前の取り決め通り、竹林には向かわないと仰るでござるか。職務怠慢でござるか?」
「楽出来る時は楽したい派かなー? あ、けど、今回は違うから。安心して、忍者さん。私の目当ては竹林より前に、ここにあるから」
 ここと、地面を指差す朝比奈。その指の先を羽久依は見つめる。そうして暫く見つめたあと、首を傾げた。
「土遁?」
「なんでそーなるの。ほら、この集落。こういったところでも、情報って集められるもんよ? 今回の話を持って来た人、どーにも頼りなさそうだから、出来る事はこっちでしておかなくちゃ」
「はぁ……なるほど?」
 若干、理解に心許ない様子の羽久依に対して、ならばまず実践かと朝比奈は頭を掻き、歩き始めた。そんな朝比奈の後ろを羽久依はひょこひょこと付いて行く。
 そうして辿り着くは、集落で出会う第一集落人。どこにでも居そうで、それでいてきっとサムライエンパイアか東映太秦辺りに居そうな、そんな男に朝比奈は近づく。
「ちょーっとごめんねそこの人ー」
 手を上げて近づき、話し掛ける朝比奈に対して、男は少しだけ驚いた顔を浮かべる。
「な、なんだい。あんたら。ここらじゃあ見ない顔だが……ちょっとトンチキな格好もしてるな?」
 男は不審そうに朝比奈達を見つめてくる。もっとも、それだけで済んでいるのは、猟兵二人が二人共に、和装であるからかもしれない。この世界の人間が、妙な趣味に走っていると、そう見られているらしい。
「トンチキではござらん! 拙者は由緒正しき忍者の忍者、今日もあの竹林へ忍び込みにむーむー!」
「ちょーっとややこしくなるから黙っておこうか、忍者さん」
 余計な事まで話しそうであった羽久依の口を手で塞ぎながら、朝比奈は男と話を続ける事にした。
「私達、こう見えても腕に覚えのある人間でして、ここらで荒事があるっていう噂を聞いて、何か手を貸せたり、お金を稼げたりする仕事は無いものかと、そういう話でしてー」
「腕に覚えが? あー、確かにあんたら、それっぽい格好してるな。なるほど、合点がいった。合点はいくが、ここらで妙な事なんてあんまり無いなぁ。藩主さまも、他に比べりゃあまだマシってもんで、治安は良い方……だと思うよ」
 サムライエンパイアそのものが、最近は治安が乱れがちであるが、この藩においては、それほどでも無いらしかった。
(藩主が有能だからかなー? けど、だったらオブリビオンにもさっさと気付いて欲しいんですけどー?)
 不満を感じながらも、朝比奈は話を続けた。あまり怪しまれない様に、世間話から始まり、本当に変わった事が無いか。それにしても、近くの竹林、随分鬱蒼としているが、誰かちゃんと整理しているのか。
「おお、あの竹林な? いや、ほんと、見るまでも無く不気味だろ? 竹を幾らか間引いてやればまだマシになるんだろうが、藩主様が立ち入り禁止にしちまってるんだよ。何でも、あそこには藩主様先祖代々の墓があるんだとよ」
「お墓? だったら尚更、ちゃんと整理しなきゃっしょ?」
「そうなんだよなぁ。むしろ、あんまり来ないというか、こっそりしているというか。大分むかーし、お偉いさんが大層な荷物を持って入って行ったらしいが……けど、竹林の中に入ると厳罰だから、中を見る事もできやしない」
 集落の人間にとっても、どうにもあの竹林は謎が多いらしかった。
(となると、集落でのこれ以上の情報収集は難しいかなー?)
 そろそろ潮時だろうと、男に辞儀をしてから離れる朝比奈。そこで漸く、羽久依の口を塞ぎっぱなしだった事を思い出す。
「あっ」
「ぷはっ! 狐さん! もしや拙者を窒息死させるつもりでござったか!?」
 手を離され、漸くまともに息が出来た風な羽久依。そんな彼女に対して、朝比奈は手を合わせて頭を下げた。
「ごめんごめん。でもおかげで、何も分からない竹林では無くなったみたいじゃない? これがどう生きてくるかはまだ、わかんないけど」
「むー、やはり難しい事は分からないでござる」
「でも、これからは忍者さんの仕事じゃない」
「お? ついに竹林に向かうつもりになったでござるか!?」
 何故か嬉しそうな羽久依を見つめて、朝比奈は頷いた。
「隠れて竹林に侵入ーって、忍者さんは得意そうだね」
「もっちろんでござる! 竹林での斥候、拙者にどーんと任せて欲しいでござる! では、これより、隠れ潜みつつ、竹林の中を確認してくるので、ちょいとお待ちを!」
 羽久依はそう言うと、その場に手ジャンプした。そうして空中でもさらにジャンプ。常人では辿り着けない高さまで上がると、竹林へと向かい、次は天に伸びる竹を足場に、竹林を縦横無尽に駆けて行く。
「あー、確かにあれなら、あんまり人には見つからない……かな?」
 五月蠅くしなければと言う条件付きであるが。
 それでも、とりあえずの進展はあったと朝比奈は頷き、仕事を始める事にした。
 これより、本格的な竹林の調査が始まる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レイラ・ツェレンスカヤ
まぁ!サムライの国でかくれんぼね!
レイラはかくれんぼは大好きだわ!

レイラは小さいから竹の中に入ったら見えなくなっちゃうかしら!
でもオブリビオンは動いたら竹がたくさん揺れそうね!
レイラは頭を使ってこっそりオブリビオンの痕跡を探すのだわ!
オブリビオンがいたところには枯れた竹があるはずね!
たくさんの枯れた竹を持っていけば偉い人も何かあることは納得してくれるんじゃないかしら!
レイラたちなら大切な竹さんをこんな風にしたオブリビオンと戦えるわ!


エスチーカ・アムグラド
【WIZ】
うーん、うーん……、オブリビオンの情報と、藩主さんへの言い訳ですかー……。

きっと目に見えるものがあったほうがいいですよね!
チーカはこっそり竹林を飛び回って様子のおかしな竹がないか探してみます!
枯れちゃった竹の葉っぱとかを持ち帰ればそれを見せられるかなって!
それにそれに!もしおかしな竹が道みたいになってたら、きっとそれがオブリビオンを探す手がかりにもなるかなって!

ほんとは竹をそのまま持って帰れればいいんですけど、チーカ1人だとちょっと大変かも……。
チーカの知っている人じゃなくても、誰か【力持ちの猟兵さん】と協力できたら持って帰れたりしないでしょうか……?


ゼン・ランドー
さて、立入禁止の令はどうにも怪しいので噂話レベルでも
情報を仕入れておきたいところ。
治安が悪そうなところも一応見ておきますかね。

例の竹林どうやら上役が財産を隠しているらしい何か知らないか?
教えてくれれば礼はする。と目立つことは気にせず聞きまわります。
聞き込みが空振りでもこれは後々役に立つでしょう。

手がかりを掴むか怪しまれて居づらくなったら聞き込みを止め
竹林への潜入へ意識を切り替える。
任務にあたっている猟兵は自分だけではないでしょうし
隠密に長けた人にユーベルコードで便乗して竹林で合流します。
その人も聞き込みなどしていてくれるなら五感の共有で
話をする手間が省けますね。


犬憑・転助
俺のユーベルコードは超嗅覚、キナ臭さすら嗅ぎ分けるぜ
「この竹林は確かにキナ臭ぇな……」

人がいなければ素早く、いれば石を投げて気をそらした隙に竹林へ侵入
立入禁止な竹林だ、警務がいるとは思えないが……(クンクン)……一応警戒しておくぜ
竹を枯らしているらしいので異常な匂いが無いか探索、変な匂いの方へ向かう
風向きによっては地道に足を使って探索
墓があったなら古い道が落ち葉に紛れてあるんじゃねーか?
オブリビオンが通った道はもっと解りやすいだろ?
なんか見つけたら他の猟兵を呼ぶ
俺は考えるのは苦手なので頭脳派な猟兵に頼る
(他PCさんとの絡み希望)

俺は「転んでも助ける」って書いて転助だ
コロ助じゃねー! てん助だ!


アレクシス・アルトマイア
まったくもー、偉い人に困らされるのはいつだって現場の人間なのですよ
でも、曇った眼を晴らして差し上げるのが従者の務め!
張り切っていきますよっ

SPD重視で探索ですっ。
やっぱり速さが大事なのですよ速さが。
オブリビオンがいるのなら、なにか異変が起きてるはず。
竹林の様子を写真に取りに行きましょう。
たけのことかすごいことになってたりするかもです

お墓があるとのことですので、きちんとお参りの準備も完備ですよ。
最初にお墓を探していきましょうか。
忍び足、迷彩、暗視など技能も使って敵を先に見つけ出したいところです。

もし誰かが襲われてたりしたら、ユーベルコードでサポートします!
深追い厳禁、この場は逃げるが勝ちですね。



羽久依が斥候として竹林を調べた事により、ある程度、竹林の様子を伺い知る事が出来た。
 その竹林は鬱蒼としているが、その実、それほどの広さは無い事。
 そんな竹林の一部が枯れている事。
 その枯れはまるで道の様に続いており、その先に、件のオブリビオンが発見できたという事。
「まあ、サムライさんとかくれんぼかって思ったけれど、全然隠れていないのね、あのサムライさん。あら? サムライさん?」
「ううん、チーカはあれをお坊さんと見たね。頭はボーボーだけど、きっとお経とか唱えちゃうんだよ?」
 そんなオブリビオンを、二人の少女が竹林に潜みながら追跡している。片方は小さな少女、レイラ・ツェレンスカヤ。
 彼女はかくれんぼが大好きらしく、近くに強大な化け物がいると知っていながら、それを茶化す様な態度で、追跡を続けていた。
 そうして、もう片方は、本当に小さな小さな妖精、エスチーカ・アムグラドだ。二人とも背丈が小さいため、簡単に竹林に隠れられる。だからこそ、竹林の中を歩くオブリビオンにかなりの距離まで接近できていたのである。
「そうだわ。あれはお坊さんね? けど、お坊さんはいったい何をしているのかしら? 竹を枯らして楽しい?」
「そうだね。チーカが思うに……きっと、竹を枯らして楽しんでいるのだと思うよ。けど、枯らして楽しいか楽しくないかの話なら、多分、チーカ達は楽しくない」
 レイラは枯れた竹の破片を、エスチーカは枯れた葉を持ちながら、小さな体で小さな声でお喋りを続けていた。
 それぞれ枯れた竹の部分を持っているのであるが、その色は毒々しい。普通に枯れればそうはならぬ、生気ごと、色すらも吸い取られたが如き黒に染まっていたのだ。
 尋常のそれではあるまい。彼女らが、それがオブリビオンの証明になると知って持ち歩いているかは分からないものの。
「けど、どうしてあのお坊さんったら、ずっと歩き続けているの? 竹を枯らすためだけ? なら、その場でじっと枯らし続けるべきじゃないかしら?」
「そっちもそこが気になる? そうなんだ。あの人、何か目的があって、何かを探している様な、そんな気がする」
 竹林に枯れた道を刻み込む様な、その僧侶の姿を、少女らしい感性でもって、既に枯れた竹という証拠品を手に入れながらも、レイラとエスチーカは追跡し続けていた。
「オオ……我が力、さらなる領域へと至るには、未だ人の欲が足りん。もっとだ、もっと力を、力を……」
「っ……」
 レイラ達は口を咄嗟につぐむ。彼女らがいるのは、僧侶型オブリビオンの呟きが聞こえる、そんな距離にあるのだ。だが、それは危険と共に、相手から直接情報を引き出せるという事でもある。
「どこだ……どこにある」
 また、僧侶の、嘆きにも似た声が聞こてきた。そうしてまた、歩みを進めるオブリビオン。
「何か探してるね」
「探してたね」
 どちらとも無く確認し合う。その探しているものが見つかれば、何か……良い事があるのではないか。二人の少女はそう考えて、またかくれんぼを始めた。危険な危険な、かくれんぼが続行する。



「臭う。臭うぜ。怪しい臭いがプンプンだ」
 少女二人がオブリビオンの追跡をしているところ、それならば別の場所を探るとばかりに、竹林を探る猟兵達もいる。
 その先頭に立つ男、犬憑・転助。持ち前の嗅覚を活が、竹林の奥に、オブリビオン以外の何かを感じたと訴え、行動を始めていた。
「まったくもって、分からないですねぇ。いったい何が匂うのやら。そもそも、そんな匂いを探してどうしたいのです?」
 犬憑に後ろから付いて歩きながら、竹林の中を写真でパシャパシャと撮っているのはアレクシス・アルトマイアであった。彼女の方はと言えば、写真で竹林の異変を撮れないものかと考えて持参してきたのであるが、オブリビオンを追跡する側ではなく、どうした事か怪しいものがあるはずという犬憑の直感と同行する事になったのである。
「目隠ししながら、平然と写真を撮ってるあんたにゃ言われたくねぇよ。いったいどんな五感をしてるんだか」
「あ、失礼じゃありません? 今どき、目を隠している人間だって、平等に扱われるべきだと思いますが?」
 そんな風に、目隠しをしたまま、竹林をなんのそのと歩き続けるアレクシスを見て、犬憑は妙なものを見る様な目を向けた。そうして、その視線は別の方へも向かう。
「なあ、あんたはどう思う。この臭い。気にはならねえか?」
「そうですねぇ。俺もまた、こんな耳をしていますが、残念ながら怪しい匂いとやらにはさっぱりです」
 同じく、犬憑とアレクシスに同行しているのはゼン・ランド―。狐耳を生やしながらも尻尾は隠した妖狐だ。彼とアレクシスは、犬憑の嗅覚が良く分からないと言いつつ、それでも彼に同行していた。
「お墓……あったりしますかね。あれば良いですね」
 ふと、アレクシスが呟く。彼女は竹林の中にある、オブリビオンに直接関わる以外の証拠も探していた。集落で情報を集めたという猟兵が、住民より聞き出した、藩主先祖代々の墓。それを彼女は探していたのである。
「はっ、やっぱりそっちもそれが目当てか。俺もな、その墓の話を聞いた時、どうにも臭ったのさ。こりゃあ何かあるってな」
「何とは何です?」
 ゼンが犬憑に聞き返すも、犬憑は首を横に振る。
「何がなんてのは知らねえな。悪いが俺は頭が回るほうじゃあない。あんたらはどう思うんだ。墓なんてもんがあったとして、俺達になんぞ役に立つのか」
「はー、自分の直感で動いてるのに、それに自信が無いと」
「はっ、うるせえや」
 軽口をぶつけある犬憑とアレクシスであったが、ゼンは一人で考え事を続けている。
「むぅ……墓であったとして、何かを運び込む事が昔あった……か」
「お墓ですし、お墓の下に埋める骨壺……とかでしょうか」
 ゼンの思索に、ごく自然に混ざるアレクシス。彼女の興味は、もしかしたらこの竹林そのものにあるのかもしれない。
「となると、俺達はそんなもんを見つけようと必死になってるって事か? 笑えるな。いや、笑えねえか?」
「何かの可能性はあります。あなたはその、墓らしきものを見つけるのに専念して欲しい」
「お、おお」
 冗談っぽく犬憑は話すものの、ゼンが真剣な顔をして言葉を返して来たので、どこか虚を突かれた様な気分になってしまう。
「墓……もしそれが本物であったとしたら……いや、そうで無かったとしても……」
 ぶつぶつとゼンが話し続ける中、彼ら三人は竹林の中で、オブリビオンに出会わぬ様に墓の探索を続けていた。
「墓があるとしたら、オブリビオンの痕跡とは違った跡があるはずだ。そうは思わねえか?」
 犬憑がアレクシスに尋ねると、彼女は少し考えてから、地面を見つめた。
「んー、滅多に人が来ないとは言え、一般人が入らず関係者のみ。それも藩主の関係者ともなれば、相応の道があるべきと、そういう事ですか?」
「かもって話さ」
「なら、見つけましたよ」
 アレクシスは竹林のある部分を指差した。
「ほう、確かに、落ち葉に隠れていますが、石畳の道がある」
 ゼンもまた、その隠れた道を見つけた。枯れた竹では無く、明らかに人間の手で作られた道だ。
「見つけたって、だからその目隠しでどうやったんだよ」
「ひみつです。あ、写真でも撮っておきます?」
 答えは待たずに、竹林の中の石畳を写真で撮るアレクシス。
「あなた、随分と独特のペースを持っていますねぇ」
「いえいえ、仕事熱心なだけですって」
 ゼンとアレクシスの話を横目に、犬憑はアレクシスが見つけた道を進み始める。臭いがどんどん濃くなって行く。恐らく、これは当たりだ。
「よーし、見つけたぜ。これが俺達の探していた……えっと、墓?」
「お墓?」
 犬憑とアレクシスが二人して首を傾げた。道を進んだ先にあるもの、それは石であった。もし、道の先に無ければ、単なる石として見てしまいかねない、それでいて、見つけようと思えば見つけられるそんな大きさの石がそこにある。
「墓にしたってこりゃあ……みすぼらし過ぎるだろ。こんなもんを後生大事に拝めてるってのかい? ここの藩主はよ」
「んー、一応、これも写真に撮っておきましょう」
 パシャリとまた、その墓とも言い難いそれを撮るアレクシス。
 これでは拍子抜けだと言う雰囲気が広がる中、ゼンが口を開いた。
「待ってください。この石の下、掘れませんか? 少しだけで良いんです」
「ちょっと待てや兄さん。幾ら俺たちゃ荒っぽい猟兵たって、他人様の墓を暴くなんてのは……」
「俺の考えが正しければ、この石の下にあるものは、死体でも骨壺でも無く、別のものだと思われますよ」
「んな事言われてもよぉ……」
 自信をもって答えるゼンに対して、犬憑は戸惑うものの、動き出した人間がいた。アレクシスだ。
「ほんとうは、こんな風に使うものでは無いんですが」
 そう言って、ユーベルコード【従者の時間短縮術(タイムキーパー)】を発動し、本来は敵の四肢を貫く銃弾を地面に向かって放つ。
 正しい発動条件ではないため、威力はそれほどでも無かったが、幾らかの土を抉る事は出来ていた。
「い、いきなり無茶するな、あんた」
「速さって、大事だとは思いません?」
 そう言い放つアレクシスに対して、男二人はやや恐怖の眼差しを向けるものの、すぐに意識はアレクシスが抉った地面の方を向いた。
「おいおい、これって……兄さん、もしかしてこれ、予想してたか?」
「そういう可能性があるとは思っていました。こそこそしてどこかに何かを運び込む権力者。なるほど、先祖代々の由緒ある物かもしれませんね?」
 ゼンが予想していたそれ。そうして、地面が抉られた先にある物。それは黄金であった。
 サムライエンパイア風に言うのであれば、大判小判と表現するべきか。
「先祖代々の隠し財産。そう言ったところでしょう。勿論、オブリビオンが隠したわけでは無いでしょう。だが、交渉には使えそうですね」
 ゼンもまた、あくまで予想しただけのものが、現実となったので、内心では驚いていた。しかし、これは使える大当たりだと言える。
「持ち運ぶのも何ですし、写真を撮っておきましょう」
 パシャリ。またアレクシスがその隠し財産を写真に納めた。



 三人が藩主の隠し財産を見つける中、一歩ずつ近づく存在があった。
 それは竹林の侵入者を見つけたわけでは無い。それはただ、何時も通り歩き続けただけ。
 だが、それもまた、何かを感じたのかもしれない。一歩ずつ一歩ずつ、竹林を枯らしながら、オブリビオンは近づいて行く。
 掘り起こされた隠し財産。長い間、多くの人間達の欲望に塗れた、魑魅魍魎の塊とも言える金銀財宝。
 それを力に変えられたのであれば、このオブリビオンはさらなる力を得る事だろう。
 だから、力を求めるオブリビオンは、それを感じ取ったのかもしれない。
 オブリビオンは近づいて行く。三人が隠し財産を見つけたその場所まで……もう少し。あと一歩。そうして―――



「こっち!」
 犬憑、アレクシス、ゼンの三人は、慌てた様子で走り出していた。
 その先を先導するのはレイラとチーカの二人だった。
「ずっとかくれんぼしてて良かったわ? レイラ達がお兄さんやお姉さん達を先に見つけなきゃ、鬼に見つかってしまうところよ?」
 オブリビオンの接近を、オブリビオンが彼らを発見する前に知らせたレイラ達は、すぐに逃げる様に三人に伝え、現在に至っている。このまま行けば、見つからずに竹林を出られるだろう。
「けど、あのお坊さんの後をつけずに、お兄さんたちは何をしていたのでしょう? チーカはとても気になります」
 竹林を急ぎ駆けつつ、チーカの質問に犬憑は答える。
「ああ、そりゃあ、ここの藩主のとっておきを……ああ、くそ、しまった」
「どうかしましたか?」
 チーカが聞くと、犬憑は毒吐く様に答えた。
「誰か、掘り返した隠し財産、もう一度隠してないか!?」
「おや、そういえば……あれでは掘り起こしたままでは?」
 犬憑とゼンは双方共に、あのオブリビオンが隠し財産を見つけるのではないかという危機感を覚える。
「い、一応、土は軽く掛けておきましたけど、それでも、全部ではありませんが……」
 アレクシスの言葉が確かなら、すぐに見つかる事は無いだろうが、それでも堀跡が残っている以上、何時かはオブリビオンは見つけるかもしれない。
「あのお坊さん、人の欲が力をくれるみたいな事を言っていたわ?」
 レイラの言葉は、猟兵達に緊張を走らせる。
 そんな緊張の中、ゼンは呟いた。
「時間があまりありませんね。藩主に早急にここでの戦闘許可を貰って、対処をする必要がありそうだ」
 猟兵達全員が頷く。戦いが始まる。しかしその戦いの真っ先が、直接の戦闘では無い事に、猟兵達は顔を曇らせていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『藩主に謁見』

POW   :    情熱をこめて頼み込む

SPD   :    迅速に対処すべき事態を説明する

WIZ   :    互いに利益のある提案を行う

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竹林での情報を集め終えたあなた達はすぐに、藩主との謁見準備を進めているはずの、ラックが拠点として用いている、藩主の城近くにある小屋へと足を運んだ。
「うわっ!? みなさんどうしたんですか? そんなに慌てたような顔をして。え? すぐに藩主に合わせてくれって、急にそんな・・・・・・まだ準備の段階なんですが・・・・・・」
「よい、ぐりもあ猟兵とやら。余とて忙しい身。改めて後日などと言わず、ここで話し合いとやらが終わるのであればそれが手早いではないか」
 小屋に入り、ラックに事と次第を伝えようとするあなた達であったが、ラックの前に座っている男が口を挟んでくる。
「ええっと、どうしようかな・・・・・・あ、そうですね! その方が手っ取り早いですよね! みなさん、なんとこの方が、ここ竹蓄(ちくちく)藩が藩主、松田・三曽重(まつだ・みそしげ)公でいらっしゃいます。はい。丁度、あなた方と何時、合うかどうかの話し合いの途中てして・・・・・・えっと、お急ぎなんですよね? だったら、松田様の仰る通り、ここで話し合いを始めちゃいましょう! 頼みましたよ、みなさん!」
 急な事態に、いっそ、あなた達にすべてを任せようとし始めるラック。そんなラックの考えなんて、あなた達はお見通しだろうし、こいつ仕事を丸投げしやがったなとも思うだろうが、今は確かに急ぎの状況だった。
 目の前にいる男、松田・三曽重は、確かにサムライエンパイアにおけるお殿様と言った風貌であり、藩主自ら話をまとめに来ている点を見るに、かなりの行動派であることが分かる。
「あの、みなさん。外には警護のお侍さんたちがいっぱいですから、荒事にはならないようにお願いしますね?」
 小声で伝えてくるラックであるが、あなた達にとってはあまり関係ない。
 今はあなた達なりに、竹林で集めた情報を使って、このお殿様から竹林での戦闘許可を出させることが重要であるからだ。
「して、余に話とは、いったい何が目的かな?」
朝比奈・心乃
証拠は揃った。後はお膳立てのみ
さぁて、さくっと誑かし唆しましょ?

天下自在苻を示して、御無礼を……と間髪入れずに『フォックスファイア』
周囲を揺らめく狐火で【誘惑】し、場の流れを此方に引き寄せ

このように各々が手練れにございます

此度は“とある筋”より“命”を受け、この地へと参りました

何処?と問うならば重々しく

……言えませぬ

藩主様
この世には口に出しては終い……と
そういうものもございまして
藩主様ならばよく存じておりましょう?

我らは墓を暴く輩を始末せよと
ただ、“それ”のみで

此処に参ったのも穏便に事を運ぶ為
藩主様に筋を通すためでして

何卒。……どうか何卒。
“賢明”なご判断を願いたく。

嘘はつかず
言外に威を示し


風間・敬人
自分の見た目が怪しいのは理解してるんで、
煙に巻くように話をする。
重要なのは、オブリビオンの存在と一刻を争う事態だということ理解してもらうこと。
後は、討伐は請け負うから、正式に号令して欲しいことだな。
今ならまだ間に合うんだ。やれることはやらねぇとな。


犬憑・転助
竹林から逃げる際に異常な枯れ方をした竹の葉を一掴みだけ持ってくる

仲間らと一緒に謁見へ
かしこまる場所は居心地が悪いが、基本的に皆に習う
怪しい臭いがしたからな、なんだと思って入ったぜ? ござる(最初だけ口調取り繕う)

なんか領主に言いくるめ(言い負け)そうになったら、他の頭良い奴に頼る
(頭がしがし掻き)あ゛ー! あと頼む!
写真を信じないようなら、ずんずん領主の前へ歩いていき、一握り持ってきた異常な枯れ方をした竹葉をパラリ。
こいつは普通じゃねえ、信じたか?

仲間が隠し財宝で藩主を説得するい際は邪魔しないが
「隠し財産がそんな大事ならここにいる奴等に口止めしとけ、俺らはあの怪僧を倒せりゃいいんだ」
とフォロー


レイラ・ツェレンスカヤ
まぁ!自分からやってくるだなんて身軽なのだわ!
レイラも自分のお屋敷で問題があったときは参考にすべきかしら!
でも自分のお庭で大変なことが怒っていると言われても、証拠がないと信じられないのはわかるわ!
だからレイラも証拠を示してあげるかしら!

レイラたちはあの竹がたくさん生えてるところが危険だって教えにきたのだわ!
竹林で集めた枯れた竹を見せてあげるわ!
おかしな枯れ方をしているでしょ?
オブリビオンが竹の生命力を吸い取ってしまったのだわ!
このままでは竹が全部枯れてしまうの!
あの竹が枯れてしまうのは、あなたも困るのでしょう?
レイラたちならなんとかしてあげられるのだわ!
ねえ、竹のなかに入ってもいいかしら!


アレクシス・アルトマイア
こころよく藩主さまに許可を頂けるよう、誠心誠意、オブリビオンの脅威をお伝えしましょう!
敵が欲の塊を見つけるのも時間の問題、SPD重視に迅速に対応が必要です

撮った写真は事前に皆さんにもデータ送り済み
渋るようなら有効に使いましょう

甘い煽ても、冷たい釘差しも、
スムーズに事を運べるならそれが正解なのですよ

藩主さまのご先祖のお墓(隠し財産)……参らせて頂きました

オブリビオンの狙う欲望の源。
争いの源になりかねないものだ、と和を重んじて隠された藩主さまのお気持ち、とても尊きものです。

しかし、民を思う藩主さまのお気持ちが、今、にっくき過去の亡霊に、脅かされようとしているのです

御決断下さい、藩主さまの民のために



「俺達がやって欲しい事と言えば、それはもう、あの竹林にいる怪しい輩を退治したいってそういう事ですよ」
 目の前の藩主に対して、真っ先に口を開いたのは風間・敬人であった。オブリビオンの存在は危険であり、一刻を争う事態。
 それを理解していた風間は、まずは藩主に、こちらの要求を伝える事にしたのである。
「ふむ。その外見と同じく面妖な事を言う。あのとはどの竹林かな? などと迂遠な事を言うまいて。我が先祖代々の墓がある竹林。そこに不審者が入っており、それをわざわざその方らが退治したいと申すか?」
 藩主の表情は変わらない。ただ尋ねて来るのみだ。だからこそ、その感情もまだ分からなかった。しかし、話は始まったばかり。さらに風間は続ける。
「その存在、俺達はオブリビオンと呼ぶ凶悪な存在で、それを早く倒さなければ大変な事になる。けど、あの竹林は藩主様やそのご先祖様達にとって大事な場所なんでしょう? だから、戦う前に戦う許可をいただきたいんです」
「なるほどなるほど。礼儀は弁えている。無論、あの竹林は侵入を禁じておる場所よ。そこへ入りたいと申すなら、藩主である余に許可を貰いに来るは道理と言える。だが、その方らの申す事が本当かどうか、それは分かるまい?」
 そもそも、突然やってきた輩に与えられる様な、容易い許可ではないと藩主は話す。あそこは先祖代々大事の場所。故に怪しい人間を入れるわけには行かないと。
「けどけど、大変な事になっているのは確かだわ? 本当にあそこには侵入者がいるの。レイラが持ち帰ったこれを見てみて?」
 話だけでは駄目だろうと察したのか、レイラ・ツェレンスカヤが、その小さな手に握った竹の破片を持って、藩主に見せつける。怪しく、そして禍々しい黒に染まったその竹の破片だ。
「むぅ。子どもながらしっかりとした物言い。もしや由緒ある家の出かな、そこな娘子」
「レイラはレイラよ? けれど、自分のお屋敷を持っている事は確かかしら! だからお殿様。レイラ達が持って来たこの竹の破片は大変なものだって、お殿様も分かると信じているわ?」
 レイラは、とあるお屋敷のお嬢様だ。例えば彼女自身の屋敷の庭に、先ほどの竹林に居た様なオブリビオンが現れれば、自分はどう思うだろうか。それはきっと、とても不快な気分になるに違いない。
 そうして、目の前の藩主もそうであるはずと予想をしていた。だからこそ、竹林の、現在の危険性を訴える。
「竹林にいるオブリビオンのお坊さんはね? 竹の命を吸い取ってしまうの。この黒い竹の破片は、その吸い殻よ? とてもとてもおかしな枯れ方をしているでしょう? このままじゃあ、あの竹林はこんな風に枯らされて、しかも、命を吸い取ったお坊さんは、さらに大変な存在になってしまうの。そうなったら、きっとお殿様は困るはず。違う?」
 藩主はレイラの言葉をうんうんと頷きながら聞いていた。相手の言葉を聞き、理解している様な格好であるため、レイラはそのまま話を続ける。竹林にいるオブリビオンの危険性。竹林の現在の様子。そしてレイラ達はその危険と戦えると言う事を話し続けた。
「なるほどなるほど。坊主が命を吸うとは、これまた面妖限りの無い話。その方らの意見。良く分かった」
 パシンと膝を叩く藩主。その姿を見て、多くの猟兵は、これで話は上手くまとまった。そう思ったかもしれない。だが、話を聞いていた朝比奈・心乃はそうは思わなかったらしい。
(不味いね、これ)
 あまりにも藩主が素直過ぎる。そんな素直な性格をしている人間が、あの竹林に何らかの隠し事などしないはず。だからこそ、次に藩主が何を言ってくるのかを予想出来て、危機感も覚えた。
「その方らの話を聞くに、どうにも、その方らが既に、竹林へと侵入している様に聞こえるが、それは余の勘違いかな? 実に臨場感たっぷりの話であったが、まるで直接、竹林を荒らすおぶりびおんとやらを見て、探り、それを突き止めたと言った風に話が進んでいるが?」
 不法侵入をした。その事実を真っ先に知られてしまった。ここで藩主に、そうではないと言う事も出来るだろう。だが、悪印象は与えてしまう。この藩主が、真にオブリビオンの危険性を理解できているのであれば、それでもと猟兵達を認めてくれるだろうが……。
「どうにもその方ら、その格好、その話の内容。すべて怪しく見えるが……率直に申せ。いったい何が狙いだ? その方ら、今の話の裏側で、いったい何を企んでおる」
(無駄に察しの良いタイプだと、こうなっちゃうのかー)
 朝比奈は頭が痛くなってきた。風間やレイラは素直に話しているというのに、事前の不法侵入についての裏側を察しようとするくらいには、この藩主、色々と考えを巡らせられる性質らしかった。
 そうして、どうにもある結論に至っている。猟兵達が何かを企んでいるという結論にだ。
「違う。違うわ、お殿様。レイラ達はね? 危険なお坊さんを退治に―――
「迂遠な話は言わん。こちらがそう言った以上、そちらもそういう誠意を見せるべきではないか? 小さいながらも屋敷の主よ?」
「えっと……えっとね?」
 話がむしろ、ややこしい方向に進みだした。猟兵達は皆、それを察し始める。だからこそ、朝比奈は助け船を出す事に決めた。
「ああ、ほらほらレイラさん。やはり私達、嘘があまり上手くないみたいね? だから、これからは率直な話をしましょう?」
「んん? お姉さん、何を言っているのかしら?」
 朝比奈の突如のアドリブ。その意図が分からずレイラは首を傾げているものの、話をややこしくしないため、朝比奈は藩主の視線を、自分に対して釘付けにする事にした。
「竹畜藩が藩主、松田・三曽重様。これより先は、真に率直な話となります。本当に、本当に率直な、あの竹林での話をこれより話しますが……もしそんな話を希望されるのであれば、よろしいと仰っていただけますか?」
 朝比奈はユーベルコード【フォックスファイア】で周囲に狐火を発生させ、自らを妖艶な存在として演出し始める。普通の場合であれば、そんな様子に誰しも驚くだろうが、妖狐と言う存在故か、藩主はどこか誘惑された様に朝比奈の方ばかりに気をやっていた。
(傾国の狐みたいですね、あれ)
 風間などはそんな風に朝比奈の様子を見るも、藩主自身はそれに気が付いていなかった。
「おお、これはまた……良く見れば美しい女子がいた様だ。だがな、女子。これでも余は一国一城の主。容易く誑かされたりはせぬ。何か伝える事があると言うのであれば、勿体ぶらずに話すが良い」
 良く言うとばかりに、冷静さを保ったフリをする藩主。だが、周囲の狐火に気付かぬ程度には、もう冷静では無いはずだ。
「率直に言えと仰られても、容易くは言えぬ。その様な話。私共は、とある筋より、ある命を受けてここに参りました。勿論それは、竹林に潜むあれを、この藩に被害が出ぬ様に倒せとの命であり、そういう意味では、この少女もまた、話せる事をすべて話したと言えるでしょう」
 この少女と言われて、レイラはぴょこんと、少しだけ跳ねた。もしかしたら、朝比奈が見せたその雰囲気に、どこか大人の女性はこうあるべしと言った物を感じたのかもしれない。教育に悪いのではとは、今は誰も言えない。
「ほほう。誰ぞの……命を受けてな? 命については理解したが、では、その誰かとは誰だ?」
「言えぬ。言えませぬ。それを知られれば、藩主さまにとっても、そのお方にとっても良い事にはなりませぬ。我らはただ……墓とやらに近づく不忠者を始末せよと。竹蓄藩のあの墓を、暴かれる事は決してあってはならぬと、そう命じられただけなのでございます」
 色々と嘘を混じらせて。そんな事は猟兵達には分かっていたが、藩主の方はと言えば、ありもせぬ裏側を匂わせる朝比奈の話し方に、すっかり“ハマって”しまった様子だった。
「ああ、わかる。わかるぞ? 確かに、あの墓を暴かれるわけには行かぬ。あそこには我れらが先祖代々の大切なものが詰まっておる。余とて、あそこには愛着を、それはもう多く抱き、そこに埋めて来た。それを暴かれれば、その方らの主も困ると、そう言うのであるな?」
「ええ、ええ! 賢明な殿であれば、それがどういう意味を持つかお分かりになられるはず!」
 朝比奈の話は盛り上がりを続けて行く。如何にこの藩主にとって、耳障りの良い状況を作り出し、その状況を、猟兵達に都合の良いものとするか。それを朝比奈は狙っているのである。



「ところでだ、なあ、あんた。あれは……話が上手く行ってると考えて良いのか?」
 そんな交渉を、一歩離れて聞いていた犬憑・転助は、同じく離れて様子を見ているアレクシス・アルトマイアへと話しかける。
 犬憑はこのような交渉事などは苦手としており、上手く運んでいるのならば、それで他の猟兵に事を任せるつもりであったが、それもいまいち理解できなかったのである。
「多分ですが、上手く行ってると思いますよ。あの狐耳の人、こういうのに慣れていらっしゃるんでしょうか?」
 アレクシスの方はと言えば、全体の様子を伺うためにやはり一歩引いて事を見守っていた。できれば誠心誠意、こちらがお願いして、竹林へ入る許可を貰えれば良いと彼女は考えていたが、今は朝比奈のやり方が正しいのだろうと感じる。
「そっか、じゃあ、俺達は見守ってりゃあ良いって事だな、うん」
 安心した様子で胸を撫でおろす犬憑。竹林で例のオブリビオンを見てから、あれがさら強大になれば、確かに危険だと実感していたのだ。話は早くまとまるに限る。
「けど、遠回しな交渉ですから。ちょーっと時間が掛るかもしれませんね」
「お、おいおい! ちょっと待てよ! あの竹林での事を忘れたか? 時間を掛ければ掛けるほど、あのオブリビオンは墓の下の隠し財産を見つけちまうぞ!?」
 アレクシスの言葉に、さっそく慌てだす犬憑。彼のその直角な性格は、むしろ良い点かもしれないなどとアレクシスは見ていた。
「そう。時間を掛けてはいられませんよね? やはりスピード感が大切なんじゃないかって、私も思います」
「あ、待った。あんたの早く早くって感じ、嫌な予感しかしねえ」
「失礼ですねー。今度はちゃんと、事前に打ち合わせしますから、朝比奈さん以外の全員、ちょっとこちらに来ていただけますか?」
 そう言ってアレクシスは、藩主と話を続け、その関心を惹き続けている朝比奈以外を呼び出し、ちょっとしたイベントを始める事にした。



「いえいえ、そんな。何度も申す通り、主様がどなたかについては、話す事ができませぬ」
「その様な連れない事を言うでない。これを機に、お互い、深い仲になるという手もあるではないか」
 どこか雰囲気が怪しげになってきた藩主と朝比奈。確かにこのままでは、話が長引いてしまうかもしれない。
 そんな時、一人の男が藩主に詰めかけた。犬憑だ。
「あー!! いい加減にしろよ、てめぇ! 藩主だが何だか知らねえが、これを見てもまだ、ぶつくさ言うつもりか!?」
 犬憑は藩主に詰め寄り、右手に握った枯れ葉を見せる。黒い、オブリビオンにより生気を抜き取られた異様な葉。
「むっ、なんだなんだ。今は話の最中であろうが。それに竹が異様な状態になっている事は既に知っておるわ! 余はその後の話をしておる。その事と、無礼な事をしていると事を、その方は理解しておるのか!」
 好みの空気を潰された。そんな風に怒っても見える藩主。そんな藩主の様子に、普段の犬憑であれば、さらに怒声で返した事だろう。
 だが、今は違う。
「ああそうかい。こっちの方については知っているってか。じゃあ、こっちについてはどうだ?」
 犬憑は、次に左手を見せる。正確には、その手に握った一枚の写真だ。
「む? なんだこれは。竹林の……」
「そう、竹林の写真だ。単なる竹林のな」
 そう言って笑う。次に犬憑に続くが如く、風間が口を開いた。
「これも竹林の写真です。おや、ところでこちらの方の写真は、何やら道の様なものが見えますね?」
 風間の持っている写真。そうして犬憑の持っている写真。それはどちらも、アレクシスが竹林で撮ったものであった。
 そうして、アレクシスが撮った写真はそれだけでは無い。
「あら、レイラも同じ写真を持っているわね? けど、他の二人とは違うみたい」
「あ……待て、女子。それは」
「石ね? これは石の写真ね? お墓にも見えるかしら。レイラにはそうは見えないかしら?」
 レイラの写真には、竹林の中にあった石が映されている。最初は墓石だと思ったが、その実、単なる目印であったその石の写真。
 そうして次に、アレクシスが前に出た。
「最後に一枚、私も写真を持っています。その一枚ですが……この場で見せても良いものか。どうにも私には判断できません。どう思いますか? 藩主、松田・三曽重公」
「待て。待つが良い。もしや、その方ら、それらはつまり……あの竹林に入って見つけた、何がしかの証拠だと言うつもりか?」
 じんわりと、脂汗を見せ始める藩主。そんな藩主に対して、レイラが口を開いた。
「レイラはね? あのお坊さんを倒すのが最優先だと思うかしら? だから、それ以外は別にどうでも良いかな?」
 じっとレイラが藩主を見る。
「おうおう、嬢ちゃん。俺も同じ気持ちさ。何をするにしても、優先すべきはオブリビオンをぶっ倒す事。違うかい?」
 犬憑はそう言って、アレクシスを見た。
「まったくもってその通り。話はここで切り上げて、私達に課せられた命令を遂行したい。そう思いますよね、あなたも」
 アレクシスは最後に、藩主のすぐ近くにいる朝比奈を見た。彼女は打ち合わせに参加していなかったが、上手く乗ってくれるだろうという信頼だ。
「くすくす。まったくもって、その通りです。その通りだとは思いませんか? 松田様。ここで私達に竹林で戦う許可さえいただければ、私達は何も申しません。明かしもしません」
「証だけにね」
 最後に、ちょっとすべった風間であるが、それでも藩主は項垂れた。交渉についてはここで終わったのだ。
「分かった。ええい、分かったわ。竹林での戦闘を許す!」
 藩主のその答えに、猟兵達は全員頷いた。しっかり、先ほどの写真を懐に仕舞い込みながら。
「あー、ところで藩主様。最後に一つ良いですか?」
「な、なんだ。まだ何があるのか?」
 どうせなら、もう一つお願いをと風間は藩主へと話しかける。
「どうせなら、気持ちよく戦いたいかなと思いますので、お殿様らしく、号令を掛けていただけませんか? その方が俺達も、やる気が出ますので」
 その風間の言葉に対して、藩主は大きく溜め息を吐いた。それは、その程度の頼みで良かったと言う意味であるか、それとも、妙な輩に絡まれてしまったと思う後悔か。
 何にせよ、藩主は最後に口を開く。
「その方らに命じる。我が先祖代々の墓があるあの竹林へ無法にも侵入し、そこを荒らす悪意ある僧侶、おぶりびおんの討伐して参れ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『仮面の武僧』

POW   :    末世読経
予め【読経を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    狛犬噛み
自身の身体部位ひとつを【狛犬】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    金剛力士の招来
戦闘用の、自身と同じ強さの【金剛力士(阿形)】と【金剛力士(吽形)】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

竹林へと急ぐ猟兵達。あちら行ったりこちらへ行ったり、どうにも忙しい仕事になってしまった。
 そう愚痴る猟兵だっているかもしれない。だが、仕事についてはこれが最後だ。
 最後の最後。そうしてもっとも重要な仕事が始まる。
 
 竹林へと、今度は堂々と入る猟兵達。そうして、その僧侶の形をしたオブリビオンもまた、猟兵の侵入に気が付いた。
「どうにも妙な変化があるかと思えば……未だ我が力高みに至らぬ。くっ、ついぞあの財の大凡の場所を探し当てたと言うに、ここで邪魔が入るとは」
 僧侶は忌々しげに呟きながら、杖を構えた。
 場所は、藩主の隠し財産が眠る場所の近く。財宝と言う魑魅魍魎が眠るその竹林の中で、最大の魍魎たるオブリビオンとの戦いが始まる。
風間・敬人
さてさて、一つ号令も貰ったことだし、締めと参りますか。
フック付きワイヤーを使って、相手の足元にワイヤーをはったり、
死角からチクチク攻めたりして、オブリビオンが力を十全には発揮できないようにしようかね。
あとは、レプリカクラフトで浅い落とし穴作って、
そいつに脚を取られるように上手く罠に嵌められると面白いんだが。


羽久依・集葉
拙者説得とか難しいこと苦手なので逃げてたでござるけど、こっちは得意分野でござる!
【 SPD】なら負けないでござるよー!

竹林ならば多くの足場があるも同然、素早さを活かして当て逃げを狙うでござるよ!
拙者の本体であるクナイをユーベルコードで大量錬成して、金剛力士が出ても本体を狙うでござる
あれは傷さえ受ければ解除されるユーベルコードでござるよね!絡め手は忍者の得意分野でござるので任せるでござるよ!


犬憑・転助
アレクシス・アルトマイア(f02039)に攻撃が来そうになったら庇う(袖触れ合うも多生の縁ってな)

この時を待ってたぜ!
二刀流でバトル!

超嗅覚で攻撃位置を特定する
俺はキナ臭ぇ場所がわかんのよ
次はここだ、と相手の攻撃地点を予測、防ぐ
さらに言うなら手前ぇの弱点もな……(喉狙いで読経潰し)

戦いが硬直したら頭脳派の指示に従う。または頭脳派がやろうとしてる事をフォロー

隠し財宝に興味はないが、敵には触らせない。終わったら他の猟兵に任す

アレクシスに名前聞く、フルネーム
お前の臭い、覚えたぜ
またどっかで会う気もするしな
俺は「転んでも助ける」って書いて転助だ
コロ助じゃねー! てん助だ!

※アドリブ歓迎、ギャグもOK


アレクシス・アルトマイア
さあ、藩主さまからも快く号令も頂けましたし、張り切ってオブリビオン退治と参りましょう!
「従者の時間短縮術」で皆さんをサポートして参りますよ。
やっと土ではなく敵を貫けますっ。

大技を使った方の隙を狙う敵を撃ち抜いたり、
仲間の大技を当てて貰うために銃撃して隙を作りたいところです。

仲間への攻撃に夢中なら、「閨への囁き」でさっくり貫いてしまうのも良いですね。
噛みつき攻撃には短剣や銃で口の中から反撃できるか、やってみましょう

欲への執念、すごいものですね

仲間のことはちゃん、くんづけで呼び掛けますよーっ
ダメージ描写歓迎です!
肉を切らせて骨を断ちましょー!
でも思ったより狛犬の牙って鋭いですねぇ



竹林の中で構えを取る僧侶型オブリビオン。
 そんなオブリビオンに対して、真っ先に到達したのは羽久依・集葉であった。
「拙者、難しい事は分からぬ故、ずっと竹林で待機していたでござる! 皆々様方、再びやってきたと言う事は、いざ決着の時でござるな!」
 恐らくは、ずっとオブリビオンを監視でもしていたのだろう羽久依。竹林を出た後は藩主との謁見があるという話であったので、そこからひたすらに逃げるつもりだったのかもしれない。
 他の猟兵からは、面倒を嫌ったのか? などと思われたかもしれないが、今はそれが功を奏する。
「ぬぅっ……貴様、これまでいったいどこに!?」
「拙者の素早さは単なる速さには留まらぬでござる!」
 駆け抜ける羽久依は、完全に僧侶の死角からクナイに寄る一撃を加え、それだけではやはり倒せぬだろうと、また駆け出した。
「ええいっ、ちょこまかとする速さがそれ程誇りか!」
「それだけでは留まらぬと申したでござぁる!」
 彼女の速さはその速度だけを意味していない。駆け抜ける羽久依は地面を、竹を、少しだけ空も跳べるという足袋の力で、舞い散る葉でさえ足場として跳ね回る。その動きの軽さもまた、彼女の速度。彼女の力。
「だが、一撃一撃は……重くは無いな?」
 じろりと睨み付ける僧侶には、未だ危機感は見て取れぬ。確かに速度と軽快さを重視した動きは僧侶を翻弄していたが、武器として質量の無いクナイであればこそ、致命とはならないらしい。
 なればと奥の手を使おうとする羽久依であったが、それより先に変化が起こった。
「漸く……辿り着きました……よぉっと!」
 藩主と話をした小屋から、ひたすらに走り続け、僧侶の元までやってきた猟兵の一人。風間・敬人がワイヤーフックを放ったのである。それもまた、オブリビオンの隙を突く攻撃。丁度、羽久依と同様の戦術だった。
 敵の隙と死角を狙い、一手一手追い詰めて行くその攻撃であるが、彼の場合、狙いは羽久依と同様では無かった。
「そこの忍者くん。俺達のするべき事が分かるかな?」
「むぅ……それはもしや、土遁でござるか!?」
「なんでそうなる!? 足止めだよ!」
 攻撃が軽くても構わない。風間はそう告げる。相手の隙を突き、翻弄し、その動きを止める。それさえできれば十分だ。風間はそう考えて、羽久依と動きを合わせ続けた。羽久依が跳ね回り、クナイで切りつけ、振り向いた僧侶にワイヤーフックを放ち、攻撃と同時に接近、次に自らのダガーで斬り付ける。
 その後は? 簡単だ。相手の攻撃はきっと重い。まともに喰らえば羽久依も風間も危険だろう。だから逃げる。それくらいの余地は残していた。移動も攻撃方法も全力であるが、ダメージを与える一撃にはある程度の余裕を残す。
 故にオブリビオンは健在であるが、それでもこの場に留まらざるを得ない。
「このまま、我と戦い続けるが貴様らの望みか?」
「違うね。お前には無いものを待ってるのさ」
 僧侶の問いに、風間は笑って答えた。羽久依の方はと言えば、跳ね回って動き続けているおかげか、風間の答えが意味するものに気が付く。
「我に無いものだと? そんなもの―――
「援軍でござるよ!」
 羽久依の言葉が合図となったかの様に、さらに二人の猟兵が駆けつける。
 アレクシス・アルトマイアと犬憑・転助の姿だ。
「数だけは多いか、貴様らっ!」
「本当に数だけ……」
 ふと、アレクシスのみが僧侶への接近を止め、立ち止まる。
 そうして呟く。
「でしょうか?」
「なっ……どこへ!?」
 次の瞬間、アレクシスの姿がその場から掻き消えた。アレクシスのユーベルコード【閨への囁き(スウィートウィスパー)】が発動したのだ。
 その力の本質は認識外からの不意打ち。視認できる相手の背後へ空間跳躍しての、急所への一撃を与えるそれ。
 アレクシスが持つ黒く、太陽の光すら反射しない、ひたすらに黒々としたナイフが、オブリビオンの身体へと突き入れられたのだ。
「ぎっ……さまぁ!」
「お休みなさい。良い夢を」
 くすりと笑うアレクシスの攻撃は、遂にオブリビオンに苦痛の悲鳴を上げさせた。
 ダメージが通ったのだ。その手応えは、アレクシス達にとって勝利への手応えでもあった。
 それを手放すわけには行かない。漸くオブリビオンへと接敵できた犬憑もまた、両の手に、一本ずつ持った刀を振るう。
「はっ、この瞬間を待っていたぜぇ!」
 続く斬撃は犬憑らしい大振りで、力強く、そして鋭い。そんな犬憑の攻撃に、彼が持つ刀、白狼刀も答えてくれた。折れず曲がらず良く切れる。そんな白狼刀はまさに、犬憑の武器として最適とも言える。
「匂う臭う! てめぇの! 弱いとこは! ばっちり分かってんだ! よぉ!」
 言葉の数だけ斬撃を振るう。その間にも犬憑の嗅覚は働き続けた。この僧侶の弱点、それは―――
「合わせろ、目隠し女!」
「ですから、今どき目隠しくらい、どなたでもすると―――
 狙うは先ほど、アレクシスが攻撃したオブリビオンの急所。そこへ斬撃を加えようとする犬憑。それに合わせて、アレクシスも黒きナイフ、ロウを構えた。その瞬間。
「この距離はぁ……我とて望むものぉ!」
 オブリビオンの握り込む杖の先が、何時の間にか犬の顔の様に変化していた。
 この杖もまた、オブリビオンの触覚であったのだ。
 この杖とオブリビオンは不可分。この杖の力で、周囲の生命力を吸い、自らの力へ変えていた。
 先ほどまでは周囲の竹から生命を奪い続けていたオブリビオンであったが、今はその標的を変える。
 竹林よりもなお、力強き命の輝きを見せる者。そんな猟兵へと犬の顔が付いた杖を振るう!
「ぐがぁっ!?」
「あぐっ……!」
 周囲を薙ぎ払うその軌道。犬の顔は口を大きく開き、鋭き牙で、犬憑とアレクシスを切り裂き、そうして吹き飛ばす。
「はっ……ハハハ! 貴様らの力、我に申し分無し! ただの一撃で、我が手に力が戻るぞ!」
 あと少し。もう少しの勝利の瞬間。だが、オブリビオンの一撃が、状況を一転させた。



「最後……こうも油断するとは……いやはや、まだまだ実力不足ですね」
 オブリビオンに薙ぎ払われ、犬の牙に力を奪われ、そうして地面を転がった後のアレクシスは、笑い声を上げるオブリビオンを睨み付けながら、自らの不足に愚痴を零す。もう少し冷静にも動けたかもと言う後悔。だが、それは先に立たねば意味もあるまい。
「だ、大丈夫でござるか!?」
 倒れるアレクシスに羽久依が駆け寄って来る。羽久依は急ぎアレクシスを支える様に肩を起こさせる。
「あ、あいたた。も、もう少しゆっくりお願いできますか? あ、いえ、やはり今は速度が大事……かもしれませんけど」
 アレクシスが見るは、一歩一歩、こちらへ近づいて来るオブリビオン。どうにも、一番ダメージの酷いアレクシスを狙っているらしい。
「い、一時撤退するべきでござるか、ここは。一度状況を立て直し……」
「いえ、こちらの力が吸い取られたと言っても、すべてでは無いはず。あちらもまだ、蓄積した疲労が残っていると思われます。ここでさらに援軍が来れば……勝ちの目がある」
「な、ならば……」
「ええ、頼みます、忍者の人。あれの足止めを、続けてくれませんか? 無事なのはあなたと、あちらのワイヤーフックを使っていた方ですし」
「了解でござる! お任せあれ!」
 言うや否や、羽久依は近づくオブリビオンへと向かって行く。やる事は同じ、当初からの翻弄に寄る足止め。
(さて、それにしてもこのままでは、私やあなたは、ただ怪我をしただけで終わってしまう。それはそれで、格好悪いですから……やる事はやりましょう?)
 アレクシスは怪我に寄る痛みに耐えつつ、それでも体を起こす。激しい動きは難しいだろう。だが、それでも構えを取る事は出来る。
(あなたがそこに転がったのは偶然。幸運。けれど……その幸運を活かしたいと私は考えますよ)



「ガッハッハ! あの女、ここに来て、怪我までして、勝ちの目を諦めるどころか、まだそんな事まで考えていやがるか!」
 笑う犬憑。それはアレクシスから向けられた目を見てのものだった。いや、むしろ、彼のユーベルコード【超嗅覚】が、その感じた臭いによって、アレクシスが何を狙ってるのかを、犬憑に伝えたかもしれない。
 だから犬憑は笑った。
「ちょっとちょっと、キミも怪我人だろう!? いきなり笑い出すなんて……」
 羽久依がアレクシスへ駆け寄った様に、風間もまた、犬憑を介抱する様に近づいたが、怪我をしている犬憑は、そんなもの屁でも無いと言う様子だ。もっとも、しっかり動けるかどうかは怪しいが。
「分かるか? 分からんか? だが、お前に頼みたい事がある」
「俺を支えろなんて願いだったら聞けないね。その怪我、もう少し安静にしておくべきだ」
「いいや、俺はここで良い。ここでその時を待っておいてやる。だから、その時まで、あの忍者と戦い続けてくれ。一番良いタイミングで、あの腐れ坊主に目にもの見せてやるのさ」
 笑いが止まらぬ様子の犬憑。その意味が、まだ分からない風間であるが、とりあえずは頷いておく。あのオブリビオンの足止めが、尚も必要な状況であるのは同意だ。
「無茶はするんじゃないよ!」
「愉快な事をするつもりだ!」
 お互いに声を掛け合ってから、風間がオブリビオンとの戦いに戻って行く。
 その背中を見守ってから、犬憑は呟いた。
「はっ、本当に面白い事を考えやがる。俺の声が聞こえてるかは知らねえが、名前だけ名乗ってやる。俺は犬憑・転助。コロスケじゃねえぞ、テンスケだ。あんたの名前は何て言うんだろうな?」
 そんな言葉を呟く犬憑の目線は、アレクシスの方を向いていた。



「しかし足止めと言っても、あの犬の顔付き杖はまた厄介だ!」
 ワイヤーフックをオブリビオンの足に引っ掛け、転ばせようとする風間。しかしそれは、オブリビオンの杖に寄って、噛み千切られる。
「貴様もまた、力を持っているな? 良き力だ。我が力に相応しい力だ」
 今やあの僧侶は、周囲の敵を、自らの餌として見る様になっている。だからこそ、ダメージも覚悟の大胆な動きさえ見せる様になっていた。例え傷を負っても、最後に杖で噛みついてみせれば、その傷は帳消しになると言わんばかりである。
「ワイヤーの人! ワイヤーを噛み千切られた人!」
「その呼び方、何か嫌だな!?」
 風間が言葉を返したのは、風間と同じく、攻めあぐねている羽久依だった。
「なんとか、なんとか一瞬で良いでござる。奴の動きを止めてくれませぬか! 今や生半可な攻撃では、奴を止める事すらできませぬ。であれば拙者、今、この瞬間こそとっておきを見せる時!」
「とっておきって、声に出して言うもんじゃあないよ!」
「然り」
 オブリビオンは、狙いを羽久依に定めて、その犬の杖を向ける。そんな攻撃をさせるものかと、素早い羽久依を捉えようとしていた。オブリビオンは、彼女の素早さに慣れてきている。一方、何時までもスタミナが続くものでも無いだろうから、羽久依は何時か、杖の餌食になるかもしれない。
(くそっ。そのとっておきって奴を信じるぞ!)
 だから風間もとっておき。ユーベルコード【レプリカクラフト】を発動する。その力は模造品を作り出すだけの力。だが一つ、仕掛け罠だけは精巧に作れた。意地の悪い力だと風間も思う。
「だけど、この瞬間だけはそういう力で良かった」
「ぬぅ!?」
 オブリビオンの片足が、地面に埋まった。それは仕掛け罠である、浅い落とし穴。大規模な罠であれば、オブリビオンも気が付いただろうが、必要最小限に絞ったその力は、ほんの少し。だが確実に、オブリビオンの体勢を崩し、行動を阻害した。
 その瞬間を、羽久依は見逃さない。
「良くぞやってくださったでござる仕掛け罠の人! これぞまさに土遁! ならば次は、拙者の番!」
 羽久依もまた、ユーベルコードを発動する。彼女のユーベルコード【錬成カミヤドリ】は、クナイのヤドリガミである羽久依を分身させる力。いわば羽久依なりの分身の術。
 幾つもに増えたクナイはそうして、そのすべてがオブリビオンに狙いを定めた。
「これなクナイはすべて拙者が分身。その動きはまさに拙者の自由自在。避けられるものなら避けられるがよろしい! その土遁に嵌った足で動けるものであれば!」
「土遁じゃないんだけどなぁ」
 風間の呟きを羽久依は無視して、クナイを操り、そのすべてをオブリビオンへと向かわせ始める。
「ぐっ……ぐぉっ……ぐぉおおおお!!」
 雨あられと言う程では無いが当たればそのまま地面へとは転がらず、何度とて自らを狙ってくるクナイに、オブリビオンは悲鳴を上げた。
 軽いクナイによる一撃とは言え、これほどの手数であれば、それは脅威と成り得たのだ。
「がぁあああ!!! しかし、それほどの力が我がものともなればぁ!」
「ま、まだやるか!?」
 風間は驚愕する。
 オブリビオンはクナイに攻め立てられながらも、落とし穴から足を引き抜き、自分を切り付け続けるクナイの群れを突っ切って、手近な猟兵を狙おうと走り始めたのだ。それは雑な動きであったが故に、鋭さは無いが、もっとも近くにいる猟兵、アレクシスへは確実に近づいていた。



「まあ、それでは、つまり、とても都合の良い状況と言う事でしょうか?」
 傷はまだ、まったく癒えては居ない状況で、それでもアレクシスは身体を起き上がらせて笑う。相手を挑発する様な顔だ。端からそのつもりなのだから、そういう顔にもなるだろう。
「貴様……何を笑う」
「いえ、まあ、やっぱりまた、土を掘るのに使うのかと思いましてね?」
 アレクシスは愛用の銃であるスクリームを取り出し、構えた。結構な反動のある銃だ。一発撃つのが今は限界かもしれない。そんな身体で、さらにもう一つ、ユーベルコードも発動する。
「最後に振り絞ろうとするその力とて、我が喰らってくれるわ!」
「ああ、それともう一つ、笑う理由。あなたが悔しがるだろうなと思いまして」
 発動するは【従者の時間短縮術(タイムキーパー)】。一度目に竹林へと来た時は、土を掘り返し、藩主の隠し財産を掘り起こすのに使ったそれ。
 そうして皮肉な事に、今回もまったく同じ用途で使う事になった。
「まさか……貴様!?」
 アレクシスが銃弾と共に放つユーベルコードは、オブリビオンを狙……わない!
 狙うはその向こう、犬憑が立つ方向。
 その事にオブリビオンは驚愕した。
「味方を狙って!?」



「察しの悪い坊主だなぁ。こいつはお前を、悔しがらせるもんだよ」
 アレクシスの銃弾が、犬憑のすぐ近くの地面へと着弾した。
 そこは丁度、藩主の隠し財産が埋まっていた場所だ。そうしてその財がまた、金色の輝きで竹林を照らす。
「お、おお。おお! それこそ! 我が探し求めた、人の欲! 我をさらなる高みへ導く欲望の塊!」
「そうかいそうかい。そりゃあ良かった。良かったついでに、悲しんでくれや!」
 振り向き、次にはこちらへと向かってくるオブリビオンに対して、犬憑はやはり笑う。
「こいつにゃ興味が無いが、てめぇには触れさせねぇ!」
 そんな財宝に向けて、犬憑は渾身の力を込め、二本の刀でもって財宝を叩き壊す。
「や、やめろ! 貴様は何をしている!」
 迫るオブリビオン。だが犬憑は止まらない。
 これが恐らく、アレクシスが狙っていた事だ。相手にとって、一番最悪なタイミングで、求めていたものの根本を壊す事で、肉体ではなく精神にダメージを与える。
(そうして、これを目当てに近づくオブリビオンも、金輪際無くそうって、そういう事も考えてたりするのかね? あんたは)
 アレクシスの事を考えながらも、オブリビオンが触れる前に、財宝を叩く、斬る、壊す。微塵にする。粉々になったそれらは、尚も金銀の輝きを持ちながら、それでももはや、石ころの様に地面へと転がる。
 そこには欲の塊も、魑魅魍魎とも表現できた怪しい魅力も存在していない。ただの、ゴミの様になったそれらが転がるのみ。
「お、おおおおおおお!!!」
「坊主。今はどんな気分だい?」
 もうすぐ近く。ほんの近くまでやってきたオブリビオンを、傷ついた身体でもって見上げながら、それでも犬憑は憐れんだ。何せそのオブリビオンは、ついぞ、自らの求め続けたものを得られなくなったのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朝比奈・心乃
間一髪ー?
藩主様の命も頂けましたし此処で終いに致しましょ?

竹林は向こうが枯らすので立ち回りに不利はなきはず。
後は隠し財産に触れさせずに退治すればいいんだろうけど、此奴って私たちの欲望で強くなったりしない?大丈夫ー?って周りを見渡そ。

え?私?やだなー!

【読経】でこれ以上強くなられても困るよね?念仏を止めるには……んー物は試しに!

皆と連携し『剣刃一閃』
此方を視界に捉えた機を活かして
真なる姿、その一端。九の白尾を揺らめかせ【誘惑】
振るわれる刃の先はゆらり【残像】と化す事で避け

敢えて墓の前へ佇み目当ては此方と手招いて

機を作り隙を誘いお膳立ては上々。たぶん!

さ?皆々様。欲に溺れし末路に止めをどうぞ?


ゼン・ランドー
敵がのんびり読経している隙に二回攻撃も狙って、とにかく斬撃の数を稼ぎ
ユーベルコードに繋げます。

一度で斬り殺せ無ければ百度切るのみ。
伏せ札にする意味も無いので
積極的に八相破軍を使います。


レイラ・ツェレンスカヤ
まあ! やっと戦えるのかしら!
レイラ、あなたの血を見るのを楽しみにしていたのだわ!

でもあなた、まだ全力ではないのね!
うふふ、無様だわ! 可愛いわ!
レイラたちが嬲ってあげる!

痛いわ、苦しいわ!
レイラは痛いのは嫌いじゃないのだけれど、あなたはどうかしら!
あんまりのんびりしているとレイラの杭があなたを貫いてしまうのだわ!
волшебство・пушка!
重くて固くて、素敵でしょ?
あら! 周りも壊れちゃったかしら!


エスチーカ・アムグラド
おっきいですねー……チーカの何倍くらいでしょう。
でもでも!チーカはアムグラド家の剣士ですので!体がちっちゃくたって剣がちっちゃくたって、立派に戦えますから!

それにそれに!お父さんが言ってました!「小さい剣士が戦うには頭【WIZ】を使うんだよ」って!
チーカからあんなに大きいなら、僧侶さんからはチーカがすーっごくちっちゃいはずです!
チーカは素早しっこく飛んで、僧侶さんの注意を引いて、攻撃してきたらそのユーベルコードも引きつけます!
そしたらそしたら!他の猟兵さんたちが戦いやすくなるかもしれません!

そしてそして!隙を見つけたらチーカの剣で【一閃】!



「もう、どうでも良い。どうでも良い気分だとも!」
 オブリビオンは叫ぶ。自らにとっての長い時間、長い労力を掛けての作業が、すべて無駄に終わった。
 その事への絶望が、オブリビオンを激昂させる。
 そんなオブリビオンに身構える猟兵達に対して、当の本人は、知った事では無いと吼え、そして犬頭の杖を地面に突き付けた。
「我が怒りは遂に天では無く地を突く力とならんんん!!!」
 瞬間、オブリビオンが持つ杖にヒビが入る。
 それだけでは終わらない、杖のヒビからは枯れた竹と同様の黒い色が漏れ出し、黒い波となり、黒い衝撃となって、オブリビオンの周囲へ広がったのだ。
 その衝撃に吹き飛ばされるは戦い続けた四人の猟兵。オブリビオンとの戦いや激しい移動で消耗していたこの四人は、抵抗虚しく、竹林を吹き飛ばされる。
 その勢いのままに、どこぞの竹に叩きつけられれば、彼らは大怪我を負うかもしれない。それこそが、オブリビオンが仕掛ける一か八かの攻撃だ。
 自らの触覚たる杖すら砕く、捨て身の戦法。その覚悟や相応の威力。しかし……。
「重っ……重い! チーカが受け止めるには、皆さん大きすぎます!」
 一人の猟兵が吹き飛ばされたその先に、まずはエスチーカ・アムグラドがいた。妖精が故の小さな身体。そんな華奢な身体をクッションにして、吹き飛んだ猟兵を受け止めたのだ。
 彼女はその猟兵の身体に押し潰されそうになっているものの、なんとか抜け出し、戦闘態勢を取る。
「けど、どうにか間に合いました。皆さん無事……では無さそうですけど、エスチーカは皆さんの戦い、無駄にはしません!」
 怪我を負った猟兵もいる中で、エスチーカは今度は自分の出番だと言わんばかりに、愛剣「Gladiola de amgrada」をオブリビオンに向けた。
「羽虫が騒いでいるな? 人一人受け止めるのが精一杯な貴様が、何を、そうして誰を倒すと?」
 杖を失ったオブリビオン。しかし、これまでのダメージはどうしてだか消え去っている。
 杖を犠牲にしたその攻撃は、ただ猟兵にダメージを与えるだけでは無かったのだ。
 エスチーカやオブリビオンの周囲に、黒い竹の葉が舞い散って行く。それはオブリビオンの杖を犠牲にした攻撃により、命を吸われた事の証明だった。
 枯れているのは葉だけでは無い。周囲の竹も、地面に積もる落ち葉も、その命が根こそぎ吸い取られ、オブリビオンの力と変えられた。
 そんな黒々とした竹林の中で、我こそはこの場の主だとばかりにオブリビオンは立っている。オブリビオンより何倍も小さな、エスチーカを睨み付けながら。
「そんなお前を……倒します! チーカだけでなく、みんなで!」
 チーカのその啖呵は合図となった。
 吹き飛ばされた猟兵は四人。その内の一人をエスチーカが受け止めたが、勿論、他の三人だって受け止めている。エスチーカでは無く、他の、丁度三人の猟兵が。
「間一髪ー? みんな早くて焦っちゃったねー。けど、間に合ったから許して? 決着も……付けてあげるから」
 ほんの少しだけ、怒りとも思える感情を垣間見せる女、朝比奈・心乃。彼女もまた、受け止めた猟兵を優しく地面へ降ろすと、オブリビオンへと近づきつつ、自らの武器、白狐丸を抜き放つ。
「これは素敵だ。誰も彼もが剣を構えて、悪僧を切り伏せようとしている。まるで時代劇のクライマックスじゃないですか」
 彼、ゼン・ランドーもまた、味方の猟兵を受け止めて後、二本の剣を構えていた。この二本の剣より放つ技こそ、ゼン・ランドーが持つ武器である。
「数を揃えたところで、今の我、全身、指の一本に至るまで漲りし状況。数を揃えたところで、先ほどの様には行かぬ」
 迫る敵に対して、それでもオブリビオンは強気を崩さない。それは自棄か、確かな自信からか。
 だがしかし、そんな態度を笑う少女が一人いる。
 最後の一人を受け止めた後、彼女だけは武器を構えず、腕を組んでいた。
 その小さな身体では、オブリビオンを見上げる形になるだろうが、むしろ見下す勢いでもって、彼女は口を開く。
「でもあなた、それでもまだ、全力ではないのね! うふふ、無様だわ! 可愛いわ! だってそうでしょう? あなた、二度と欲しがってた力が手に入らないって言うのに、精一杯強がってる!」
 戦う前に心をへし折るつもりか、それとも単なる素か。その言葉を吐いた少女、レイラ・ツェレンスカヤに向かって、オブリビオンは駆け出した。
「囀るな! 小童がぁ!」
 挑発に乗った。オブリビオンの様子はその通りである。大仰な動作で放たれる、拳に寄る一撃。
 そんな一撃であるが、真っ直ぐ進んで来るだけのその拳を、レイラなら避ける事が出来たかもしれない。
 だが、彼女はそれを避けなかった。
「ぐっ……ふふふ。痛いわ、苦しいわ! けど、レイラ、痛いのは嫌いじゃないの」
「狂っておるか、この女……!」
 拳で殴り付けられながらも笑うレイラを見て、オブリビオンの方が、わけのわからぬ畏怖を憶えていた。
 それも仕方あるまい。オブリビオンがそのわけを知るのは、これからだからだ。
「だってこれからは、あなたが嬲られる側になるんですもの」
 一手だ。力を取り戻し、全力で移動し、レイラを殴る。その動作によって、オブリビオンは一手を無駄にした。レイラは倒れていない。受けるつもりであった攻撃であれば、一撃ならば耐えられる。そう考えて、彼女はあえて挑発をし、攻撃を受けた……かもしれない。
 そうして稼いだその一手。それを逃さぬ猟兵達では無かった。
「一(ブリーリァ・デ)閃(グラディオラ)!」
 レイラに拳を振るったオブリビオン目掛けて、今度はエスチーカが剣を振るう。それはエスチーカの全力。彼女の家名であるアムグラドが剣。
「この剣はっ……どこにだって、届く!」
 エスチーカはまだオブリビオンとは距離があったが、その剣を振るうだけで、オブリビオンの身体に斬撃に寄るダメージを与える事が出来ていた。これがエスチーカのユーベルコード。これがエスチーカの奥の手。
 そうして二手。戦闘においては十分と言える時間を稼ぎ終える。だからこそ、他二人の猟兵は、完全にオブリビオンへ接近する事に成功した。
「剣が届けば、それで十分です!」
 エスチーカに続く様に、ゼンが二刀の剣をオブリビオンに振るった。その剣は確かにオブリビオンに命中するも、やや浅い。オブリビオンは健在のまま、ゼンを見やって呟く。
「温い! 仲間を助ける事を優先したか!」
「いいや、仲間に続く事を優先させて貰いました!」
 ゼンの言葉は、そのまま彼のユーベルコードに続いて行く。彼のユーベルコード【八相破軍】は、自分の斬撃が命中した対象に対し、高威力高命中の、戦闘中に発生させた全ての斬撃のコピーを放つという力。初撃を外せばそれで終わりの斬撃であったが、どれほど浅くとも命中すればそれで良い。
 どれほど浅くとも命中は命中。だからこそオブリビオンに、先ほど、エスチーカが放った斬撃が再現される。
「ぐっ……ごぉっ! ま、まだ……まだ終わらん!」
 ゼンのユーベルコードが再現する斬撃を受け、尚も二本の足でオブリビオンは立っていた。姿勢を正し、尚も拳を握り込んでいる。その体力、胆力は今なお脅威。だからこそ、オブリビオンは終わらない。
「ああ、まだ終わらない。戦いを思い出すが良いオブリビオン。お前の戦いは、これだけのものでは無かっただろう!」
 次の瞬間、幾重もの斬撃がオブリビオンを襲う。そうだ、思い出せ。このオブリビオンとの戦いの最中において、何度も剣で叩き切られた財宝の事を。その財宝に与えられた斬撃も、戦闘中の斬撃に他ならない。
「いざ、いざいざご照覧あれ! ここに見えるは、抜けば星散る雷光の剣! 今、この時までに散った星は、再びお前を狙う剣となる!」
 ゼンが口上を述べる間にも、オブリビオンは切り伏せられていき、その身体を削られて行く。それは皮肉にも、砕け散った財宝の姿に似ていた。
「がっ……ぐっ……がふぁぁっ! 我が……我が負ける。何も果たせず、何も得られず、何も届かないまま……我が終わるというのか!?」
「ええ、そうです。これでお前は終わりに―――
 言葉の途中。咄嗟に身構えるゼン。このオブリビオンは……捨て身の一撃を放てる存在だったのではないか? その事をゼンは思い出す。
 そうして、追い詰められたこのオブリビオンは、再びそれを放とうとするのではないか? その事もゼンは気が付く。
 もっとも残念な事として、ゼンのその予想は当たってしまう。
「オ、オ、オ、オオオオオオ!!」
 それはオブリビオンの単なる叫び。嘆き。だが、その悲壮さはまるで読経の様にも聞こえた。
 その読経に合わせるかの様に、オブリビオンの身体にヒビが入り始める。ヒビ寄り小漏れ出るは黒き光。
 あの自らの杖を砕いた時と同じ力を放とうとするのだ。それも今度は、身体すべてを使っての自爆。このオブリビオンはそこで倒れるかもしれないが、だからこそ、その威力は破壊的なものに成り得る。
 今、オブリビオンに接近する四人の猟兵がそれに巻き込まれれば、一溜りも無い。そう思わせる力の本流が周囲を包み込もうとしていた。
「その前に、なんとかしないとね?」
 ゆらりと、剣が振るわれた。【剣刃一閃】。狙うは力を溜め込むオブリビオンの、その喉ぼとけ。
 剣を握るは白い狐、朝比奈・心乃。ただ力を放とうとしていただけのオブリビオンにそれは避けられず、確実にその喉を斬り取られてしまう。
「―――」
 力を溜め込む様なその声を、喉ごと取られ、オブリビオンの力の奔流が、一時停止した。
 オブリビオンは抵抗する様に腕を振るうも、朝比奈が身体に当たる前に、残像となって空を切る。
「苦し紛れのその力。何かに縋る様なその腕。それらをするりと抜け出して、ただごめんなさいと去り行くが女狐の本懐……やもしれませんねー」
 声を向ける対象であるオブリビオンは、それでも朝比奈を見つめる。最後の瞬間を、まんまと目の前の女に誑かされた。その思いから来るのは、怒りか絶望か。
「狐のお姉さんは……痛いのは好き?」
 オブリビオンの代わりでは絶対に無いだろうが、レイラは朝比奈に尋ねる。
「え? 私? 私は痛いのやだなー! うん。だからあなたが、何をするのかも分かるよー? こう言っておけば大丈夫だよね。後は任せた! みんなも逃げよー」
 朝比奈はレイラを除く猟兵達と目配せすると、撤退を決めた。
「ここまで来れば……そうするのが得策ですか!」
「わっ、わっ、ちょっと待ってください! えっと、あなた、ほどほどには無理……だよね……」
 ゼンとエスチーカもまた、その場を離れ始める。それは単なる撤退と言うより、一人残るレイラへの信頼か。
 レイラは味方がとりあえず、安全圏まで逃げる事を期待して、最後に残った自分に、最後の姿を見せようとするオブリビオンを見やる。
 彼女の目には、このオブリビオンがまだ諦めていない様にも見えた。喉を斬られ、力の増加は一時停止したが、それでもまだ、自爆への道を突き進んでいる。
 もう少し、時間が経てば、やはりこのオブリビオンは膨大な力を発して、周囲を巻き込むかもしれない。
 だからその間までは、少しだけお喋りも出来る。一方的な、レイラのお喋り。
「実を言うとね、あなたの事可哀想だって思うし、感謝もしているわ?」
 可哀想と思うのは、目の前のオブリビオンが、財宝を求め、そうして何も得られなかった事。
 隠された財宝なとと言うものを探すのは、結局はそういう事かもしれない。探し続ける間は夢があるかもしれないが、どの様な過程を経たとしても、最後には何も残らぬ幻を掴むのみ。そんなオブリビオンの姿に、レイラは同情する。
 では、感謝はどこから来ているか。
「どうしてありがとうと思うのかは、竹林をこんな風にしてくれたことに対して」
 レイラから力が溢れる。オブリビオンの攻撃を受けてから、ずっと溜め続けた力。味方が時間を稼ぐ中で、それでも溜め続けたとっておき。
「これはね、あなただけじゃなく、周りまで壊すくらいのとっておきだから……レイラがここを壊す前に、あなたが壊してくれてありがとう。でも……」
 レイラの力がさらに高まる。その高まりを抑えようともせず、レイラはそれを唱えた。
「волшебство・пушка(タイホウノマホウ)」
 殴り付ける様な動作の中で、レイラの腕から血の様なものが吹き出す。さらにそれは杭の形となった。
 ひたすらに強力な血の杭。単純な破壊の力をもたらすその杭は、オブリビオンも、その周囲すらも削り出し、さらに力を暴発させて行く。
「ねえ、知ってる? 昔、偉い人の宝物を狙う泥棒が居たらしいわ。その人がどうなったって?」
 破壊の本流が、オブリビオンを完全に砕き尽くし、黒く枯れた竹林すらもバギリバキリとへし折って行った。そうして残るは、無残な破壊の跡のみ。オブリビオンの姿は、竹林に散る落ち葉と、何ら変わらぬ物へと成り果てる。
「哀れに、串刺しにされてしまったそうよ?」
 レイラのその呟きは、投げ掛けたオブリビオンには永遠に届かぬだろう。その事を理解しながらも、レイラは最後まで言い切り、この戦いを終えた。



「ほうほうほうほう。で? 事の顛末についてをもう一度聞かせては貰えんか? ラックなどとふざけた名前のぐりもあ猟兵」
「ああいえ、その名前は別にふざけているわけでは……」
「ならば答えるが良い。何故に竹林がアホみたいに破壊され、さらにあそこに埋まった財……げふん、松田家にとって先祖代々大切なものすら、すべて破壊されたのか。その顛末を」
「ううう……ですから、脅威は去りましたけど、その脅威のせいで守り切れませんでしたって、そういう事なんですけどぉ……」
 ラックと竹蓄藩主・松田の声が、ラックが拠点としていた小屋に響く。
 猟兵達とオブリビオンの戦いの結果、オブリビオンの脅威は既に去った。
 それらが完全に強大化する前に、竹蓄藩の強力を取り付け、それを無事打倒する事が出来たからだ。つまり、当初の依頼は成功だった。
 しかし、それはそれとして、藩主の隠し財産はは破壊されてしまった。別に猟兵が失敗したわけでは無い。今後の竹蓄藩との関係性を考えるに、後始末として、藩主に何がしかの言い訳をしなければならないと言うだけの話である。
 ただし、あなた達は知っているはずだ。そこまでは依頼に含まれていない事を。
 結果、ラックが一人、藩主の松田から怒りを受け続ける事になってしまったのである。
「こ、こんな事なら、後始末までも含めて、あの人達に依頼しておけば良かったなぁ……」
「その甘ったれた嘆きは何だ! ええい、この藩が負った被害がどれほどのものか、逐一聞かせてやっても良いのだぞ!」
「い、いや、それはだから、やむにやまれぬ事情があったと言いますかぁ」
 この二人の話は長く続きそうではあるが、そんなつまらない上に面倒な事は、あなた達には関係ない。これまで面倒ばかりだったこの仕事だ。無事それを終えたのだから、任されていない仕事は、すべて他に任せてしまうが吉である。



 そんなあなた達の一部は、ラックがお叱りを受けている間、サムライエンパイアで観光でもしている可能性もある。
「おお、これが三色団子ですか。チーカにこれを食べ切れる事が出来るかどうか」
 観光を楽しむ猟兵の一人、エスチーカは、自分の身体には大きな団子を団子屋で買い、それを抱えながら、ふと竹林のあった方を見やる。
「ふぅむ。来た時よりは、風通しが良くなった気がします……かね?」
 オブリビオンが狙う様な財宝が無くなり、竹林も幾らか枯れたおかげか、むしろ鬱蒼とした雰囲気が、あの竹林から消えたかもしれない。
 ここからはそんな風景も見えやしないが、エスチーカはそこからの風を感じようとして空を見上げる。
 そこにあるのは、真っ白の雲と、青い空。瞬間、心地良い風が頬に当たった気がした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2018年12月22日


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🔒
#サムライエンパイア


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト