妖を喰らうのは悲しみの中
●妄執に囚われた者の成れの果て
カクリヨに現れた一人の少女。赤く汚れた白きジャガーを共に歩いていた。少女の瞳には燃え滾る憎悪をたたえ、先にいる西洋妖怪を見ている。
「あぁ、憎い、憎い……奪ったくせに、私から奪ったのに……」
楽し気に歩く姿に憎悪をさらに募らせ、指を指した。獲物を示された獣は静かに地を蹴り、背後から襲いかかる。復讐を望む連れ合いのために、そして、自らの同胞を増やすために。
「いい気味。私の幸せを返して……もっと、もっと奪えば、探し物が見つかる……」
気づいたら嚙みつかれ、首から赤い血を噴出し、倒れ伏した。獣が口を離すと倒れ伏した西洋妖怪の姿が同じ、ジャガーへと変異する。新たに増えたジャガーを従え、少女はカクリヨを歩く。すべては閻魔王を獲得するために。
●今は亡き人と出会う場
浮かない表情で姿を現したのは明日葉・雅(咎喰らい・f07590)だ。瞳が青いため雅の方が説明をするらしい。
「皆様、カクリヨファンタズムの猟書家の一人、妖喰いが現れました。討伐をお願いいたします」
西洋妖怪達を逆恨みしており、その恨みつらみが集まって呪詛を振りまく存在となった。連れているジャガーがその呪詛であり、噛みつかれるだけでなく触れるだけでも感染する、と。
「彼女の抱く呪詛が強すぎるあまり、彼女が存在する空間も歪ませています」
とても言いにくそうにしているのはそれが余りにも残酷であり醜悪であるからだ。誰だって大切な記憶を土足で踏みにじられるのは憚られる。
「皆様は愛しい、大切な方が歪められた無念、恨みを語り、晴らすための行動を始めます。それを止めるため、説得をする必要があります。できなければ呪詛は広がり、西洋妖怪達の犠牲が増えてしまうでしょう」
再び出会えたことを喜ぶのもよし、正論をもって止めるもよし、その方法は猟兵達自身がわかっているだろう。悲しみの連鎖を断ち切るためにもここで止めるしかない。
「これ以上の犠牲を出す前に、彼女を止めてあげてください。よろしくお願い致します」
深々と頭を垂れ、グリモアを起動させる。ゲートの先に見える場所は昏く嫌な気配を感じさせた。
紫雨
お久しぶりです。紫雨です。
最近だいぶ寒くなってきて、大雪が怖い時期となってきました。
今回はカクリヨ猟書家シナリオとなっております。
プレイングボーナスは以下の通りです。
皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
プレイングボーナス(全章共通)……あなたの「想い人」を描写し、その無念に打ち勝つ。
第1章 日常
『幻影は無念を語る』
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POW : その無念は間違いだと真っ向から反論する。
SPD : 歪められた無念に対して、論理的に対話を試みる。
WIZ : 歪んだ形だとしても無念に寄り添い、慰める。
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廻月・灯里
現れるであろう想い人(彼)について
彼は灯里の恋人だった。星の巫女となった灯里は肉体の老化が限りなく遅くなり、彼はやがて衰え、灯里に看取られた。
灯里は悠久を生きる決意を胸に、その日を新たな誕生日とした。
現れた彼の無念は、限り無い時を生きる灯里への心配、そして彼女から終わりを奪った星(世界)への復讐。
「貴方との思い出は私にとっての宝物、余るくらいに作ったから、今の私は一人でも平気よ。安心して眠っていてね…」
「その無念は間違いだと真っ向から反論する。(POW)」に挑戦します。
必要が有れば「惑い星の太陽(マドイボシノタイヨウ)」を使い彼の暴走を止めます。
最大の目的は、彼に安心してもらう事です。
「また逢えましたね。愛しい人」
「どうして、君なんだ。なんで……」
廻月・灯里(神の巫女・f35560)の前に現れたのは一人の男。彼女を愛し彼女に愛され、看取られた彼の嘆きは歪んでいく。彼女を案ずる物から次第に世界を憎む物へと変わっていた。
「君を歪めた世界なんて滅びればいい。そうだ! 妖怪諸共死に絶えればいい!」
「そんなこと無いわ。貴方と出会えたのはこの星が続いていたから」
怒りに囚われ、憎悪を撒き散らす彼を灯里は悲しみの表情を浮かべ正面から否定する。優しい人が怨み辛みを叫ぶ姿を見ていられないのだ。
「だから、この星を憎まないで。この星が無くなってしまったら、私達が出会った事実も否定することになる。貴方はそれでいいの?」
「違う、だとしても……君が一人になってしまう」
静かに諭され、奥に隠された心配が顔を出す。一人にして申し訳ない、となきそうな顔で彼は言うのだ。灯里は首を振る、悲しいけれどそれだけが全てではない。
「貴方との思い出は私にとっての宝物、余るくらいに作ったから、今の私は一人でも平気よ。安心して眠っていてね……」
「そうか……あぁ、よかった……」
微笑む彼女へ手を伸ばしかけ止めた彼は静かに消えていく。彼女の中に残る優しい彼のまま眠りにつくように。こうして彼の見当違いな復讐を止めることが出来た。
大成功
🔵🔵🔵
ヨナルデ・パズトーリ
アレンジ連携歓迎
PC元ネタ
アステカの神
想い人
民を弾圧する侵略者への怒りに狂いジャスティスウォーで其の末裔を滅ぼそうとした為にPCに討たれた夫
ふむ、やはりそなたが来るか
アースクライシスにおいても二回甦りおったし幻とはいえ此で三度目ぞ?
民を滅ぼされた怒りは判る
妾も未だに抱いておる故な
じゃが住まう地が同じだけの彼等に向けるは違おう!
それではそなたが憎む侵略者以下よ!
あの時代すら我等の民を救わんと同胞に狂人と裏切り者と蔑まれても訴え続けたバルトロメ殿の様な御仁がおった
ならば妖と言えど今の時代を生きる者ならばなおのことよ……!
それを斯様な八つ当たりをするならば久方振りの夫婦喧嘩でも致すか此の大馬鹿者が!
ヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)の前に現れる男の姿。その姿を見ても彼女は表情を変えない。
「ふむ、やはりそなたが来るか。いやはや、アースクライシスにおいても二回甦りおったし幻とはいえ此で三度目ぞ?」
「何故、邪魔をする! 我等が民を滅ぼした者共を、この世界すべてを滅ぼさねば、この怨み晴らされぬ!」
かつて共に生き、過ちをとめるため討伐した夫との三度目の邂逅。幻ではあるが、ヨナルデは苦笑を禁じ得ない。どの邂逅も彼は憎悪に囚われている。
「民を滅ぼされた怒りは判る。妾も未だに抱いておる故な……」
「ならば、何故邪魔をする! 我が妻、テスカトリポカよ、共に復讐をすればよい!」
同じ怒りを内に抱くなら共にと彼は叫んだ。憎悪に染まる声を拒むようにヨナルデは首を振る。その誘いを飲むことはできない、彼の心に寄り添おうともこれだけは譲れないのだ。
「じゃが住まう地が同じだけの彼等に向けるは違おう! あの時代すら我等の民を救わんと同胞に狂人と裏切り者と蔑まれても訴え続けた御仁がおった……それを、認めずに破壊するなど、今のそなたは憎む侵略者以下よ!」
「違う! 我が行うは制裁、奪った者達への報いだ!」
否を叫ぶ彼の心にさらに言葉を重ねる。あの当時ですら声をあげていた者が居たことを、今の行いが同じことであると。
「祖先の罪を末裔に払わせるのは違う! ならば妖と言えど今の時代を生きる者ならばなおのことよ……! まだ斯様な八つ当たりをするというならば久方振りの夫婦喧嘩でも致すか此の大馬鹿者が!」
「……そなたに業をこれ以上、背負わせるわけにはいかぬな」
ジャガーを模した黒曜石の鎧を纏い始めた彼女に正気に戻ったのだろう。一瞬だけ穏やかに笑った彼は現れた時と同じように姿を消す。消える間際、呟いた言葉が何だったのかは、彼女のみが知る。
「……もう、憎悪に囚われることなく眠っておくれ」
ぽつりと零された言葉は静かに溶けて消えた。鎧を纏ったまま、彼女は元凶たる少女の元へと向かっていく。
大成功
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第2章 ボス戦
『妖喰い』
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POW : 獣の呪詛
【呪いの炎で構成された巨大なジャガー 】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【者は溶け落ちる溶岩の雨】を放ち続ける。
SPD : 憎悪の呪詛
【己が影 】から【妖怪を憎む死者の群れ】を放ち、【彼等が襲い掛かる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 感染の呪詛
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【接触感染性の呪いを宿した妖喰いのジャガー】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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ルイーゼ・ゾンマーフェルト
・想い人
生前に属していた商隊の面々、中でも特に恋人であった痩身のゴッドハンドの青年。
商隊がオブリビオンに襲撃され全滅した際、一緒に死亡。
「無念? わかるに決まってるだろう。私も無念を拠り所にこの世にしがみついているんだ」
しかし同時、それは世界を呪う気持ちではないという矜持もある。あくまで、世界を破壊する悪意に対抗するための意志。
「私怨で世界を痛めつける気はない。惑わようとしても無駄だ」
ジグザグにマイコンを駆り、溶岩の雨を回避。完全回避は難しいだろうが、弾幕の薄いところに突っ込むような挙動で。
回避しつつ副砲の対空射撃でジャガーを撃つ。
対空砲を嫌って着地したところを狙い、榴弾仕様の主砲で撃つ。
少女とその隣に見えたのは白きジャガーのほかにもう一人、瘦身の男性が佇んでいる。口を開いたのは男性の方、相対する人物へ声をかけた。
「君には無念がないのか? 志半ばで散ってしまった無念が」
「無念? あるに決まってるだろう。私も無念を拠り所にこの世にしがみついているんだ」
ルイーゼ・ゾンマーフェルト(ゲヴェーア・ケンプファー・f25076)は愛車たるマイコンに背を預け、告げる。共に果てた愛しき人を瞳に映しても彼女は揺るがない。彼女の未練はまた違う物になっているからだ。
「一緒にこの世界へ復讐を。僕らを殺した世界を滅ぼそう」
「私怨で世界を痛めつける気はない。惑わようとしても無駄だ」
共に行こうという幻を一瞥し、彼女は愛車に乗り込む。彼女の無念は世界すべてに対してではなく、理不尽や悪意に対抗する事。故に、やるべきを行うのみ。
「私の邪魔をしないで!」
白きジャガーが姿を変え、巨大化し燃え盛る炎を纏う姿に変わると拒絶の叫びと共に空を駆ける。通った後には溶岩の雨を降らし、戦場にいる者を焼き尽くそうとしていた。
「あなたの復讐は間違いだ。だから止める」
アクセルを踏み込んで、溶岩が薄い場所へ突っ込んでいく。燃やされぬように注意しつつ、積まれている砲の照準をジャガーに向け、対空射撃を敢行。走行しながら故、威嚇射撃のように動きを牽制してくる弾丸に苛立ちが見える。
『GARRRR!!』
遠吠えと共にマイコン目掛けて突っ込んできた。邪魔するものを直接攻撃する算段らしい。それを狙っていたのはルイーゼも同じ。
「この時を待っていた。発射」
主砲に装填されていたのは榴弾使用の弾丸。それはちょうどジャガーの顔を捉え、炸裂した。飛び散った金属片を正面から受けたジャガーは血の臭いを纏い墜落するように地に落ちる。
元の姿に戻ったジャガーは跳ね起きるとすぐに少女のそばへと戻った。今だ敵意を剥きだしにしている獣は唸り声をあげ、牙を剥いている。
大成功
🔵🔵🔵
廻月・灯里
「いい事を教えてあげる。振り返って奪われた物を思い返したって、誰かの手から奪い取ったって、あなたの欲しい物は手に入らないのよ。」
自分が奪われた事を盾に、他人から奪う事を良しとする妖喰いに憤りを感じ猟兵として参加します。
戦闘中、敵の行動を阻害し撃破を試みます。
「どうせ見ているのよね? なら力を貸してくださいな!」
妖喰いの「感染の呪詛(WIZ)に対し、ユーベルコード「星神の幻影」(ホシガミノゲンエイ)」を使うことで、妖喰いのジャガーを制圧しながら、本人に攻撃します。
最大の目的は、妖喰いの撃破です。
その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとします。
「いい事を教えてあげる。振り返って奪われた物を思い返したって、誰かの手から奪い取ったって、あなたの欲しい物は手に入らないのよ」
「そんなこと無い! 私は奪い返すの!」
静かに諭す廻月・灯里(神の巫女・f35560)に対しても拒絶の叫びと共に呪詛を解き放つ。それは感染した者を妖喰らいのジャガーへと変質させるもの。側にいるジャガーが呪詛と共に駆け出した。
「どうせ見ているのよね? なら力を貸してくださいな! 彼女を止める為に」
羽衣を纏った姿に変わりつつ、星の幻影を背負う。迫る呪詛は羽衣にて弾き返し、防御は充分。強力な反重力波を放ち、ジャガーと距離を取るように立ち回る。相手の動きを阻害しつつ、誘導するため。狙うべきはその後ろの少女だから。
「……もう止まっていいのよ」
この瞬間を、ジャガーと少女が直線に重なる時を、反重力波にて薙ぎ払う。致命に至らなくとも彼女の間違いを正すために灯里は攻撃を緩めない。それが寿命を燃やすものだとしても、止める為なら構わない。
反重力波に飲まれた一人と一匹は吹き飛ばされた。
大成功
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ロザリア・ムーンドロップ(サポート)
猟書家の脅威から各世界を守ることを主軸としてグリモア猟兵の活動をしているため、自らも機会があれば依頼に出向きたいと考えています。
「この事件を解決すれば、また一歩世界の平和に近づきますね!」
「せっかく取り戻した平和を脅かすなんて許せません!」
UCは全て設定しています。
技能・装備はご自由に。
基本的に頑張り屋。戦闘スタイルは魔法をメインに使いますが「困った時は殴ればOK」とも思ってます。
なので接近戦も案外こなすオールラウンダー。
ぷるぷるしたもの(スライムとか)はとても興味を示します。
葛藤しながらも事件解決のために我慢して攻撃するでしょう。
ただしエロ・グロ系はNGで。
ツインテールに結った藍色の髪を風にたなびかせ、少女は堂々と立っている。
「この事件を解決すれば、また一歩世界の平和に近づきますね!」
少女、ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は世界平和の為に活動することを自らに課していた。故に、ここに立つ覚悟は十二分にある。
「私の平和を奪ったくせに……なんで、なんで、私の邪魔をするの!」
妖喰らいの少女は邪魔され続け、癇癪を起すように喚き、叫び散らした。呼応するようにジャガーは再び焔を纏い、その体躯を巨大にさせ空を走る。再び、この場に溶岩の雨が降り注いだ。
「あなたを止めます。魔力全開! これが私の月『魔砲』です!」
三日月形に加工された魔法石が取り付けられた杖を構え、月の魔力を集中させる。限界まで高めた魔力を解き放つことで敵だけを攻撃することが出来る魔砲として解き放った。彼女が敵と定めた者だけを射貫く魔力砲撃は二条の光となり、闇を切り裂いた。
「ぃ……いや、なんで、どうしてっ……」
魔力の塊たる光で撃ち抜かれ、少女は嘆きを口にする。倒れ伏してもなお、尽きぬ憎悪に衝動に体を突き動かされているようだ。それもあと少し、の事だろうと相対するロザリアは感じ取る。
開けぬ夜が無いように、終わらぬ戦いもないのだから。
成功
🔵🔵🔴
ヨナルデ・パズトーリ
そなたの怒り、本来怒りを向ける相手に向けぬなら只の八つ当たりじゃぞ!
斯様な非道を行うならば異なる世界と言えど同じ大地に住まいし同胞
此の手で止めてやろうぞ!
お主と同じ過ちを犯す者を止めるんじゃ
力を貸して貰うぞ我が夫よ!
骸の海で眠るが良い
お主の家族と共に、な……
UCは即発動
高速飛行の〇空中戦で死者の群れから距離を取り〇高速〇多重詠唱によって〇浄化の力を込めた〇破魔の光〇属性攻撃〇全力魔法の〇乱れ打ちを死者の群れにぶちかまし〇蹂躙
其の侭距離を取るように見せかけて〇フェイントで敵に〇全力魔法の〇乱れ打ちを続行しつつ道を塞ぐ者は〇なぎ払いながら高速飛行で敵に肉薄
〇怪力の〇グラップル〇鎧無視攻撃でぶん殴る
ヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)は静かにその場にたどり着いた。傷つき、横たわる少女とジャガーは立ち上がり、次なる獲物を探している。
「そなたの怒り、本来怒りを向ける相手に向けぬなら只の八つ当たりじゃぞ!」
「違う。私から奪ったのはあいつらだ!」
八つ当たりであると告げる彼女の声を少女は否定する。否定するしかない、妖喰らいは妄執に囚われている故、真実は見えない、いや見ようとしない。
「斯様な非道を行うならば異なる世界と言えど同じ大地に住まいし同胞。此の手で止めてやろうぞ!」
黒曜石から作られた武器も防具も纏わず毅然と立つ彼女の姿が変わる。三度見えた愛しき者の残滓を纏ったもの。本来の呪文ではなく思いの丈を詠唱として彼女は翼ある者となった。
「お主と同じ過ちを犯す者を止めるんじゃ。力を貸して貰うぞ我が夫よ!」
「私は、間違ってない! お前も私から奪うのかっ!」
高速で空を駆ける彼女を止めるように少女の獣の影から呪詛が沸き上がる。憎悪が凝り固まった呪詛は亡者の姿となりその手を伸ばし、ヨナルデを捉えようとするも遅い。圧倒的に遅すぎるのだ。それでも立ちはだかる亡者達は凪払う。浄化の力と光属性攻撃による蹂躙、亡者達を振り切るよりもすべてあるべき場所へと返していた。
「お主はもう誰も憎まなくともよいのだ」
握りしめた拳を躊躇なく全力でもって振りぬきながら、優しく語り掛ける。防御する間もなく少女は殴り飛ばされ、そのまま起き上がることは無い。ただ、小さく呟くのだ。
「私の、幸せは……」
「お主の家族と共にいることじゃろう。骸の海で眠るが良い」
少しずつ体が砕け、消えてゆく少女へ安心させるかのような声音でヨナルデは言葉を贈る。少しでもその無念が晴れるように、と。
妖喰らいの復讐を、惨劇を止める事に成功したのだ。この地で理不尽に奪われるものはもういない。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2021年12月17日
宿敵
『妖喰い』
を撃破!
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