南瓜の宴、親分スイーツ通り
●
忘れ去られた妖怪たちが集う世界、カクリヨファンタズム。
古今東西の妖怪が混在するこの地は、様々な文化が混ざり合い、混沌と郷愁が共存する不思議な街並みを形成している。
そんなこの地にも、もちろんハロウィンは存在する。しかもここではハロウィン当日だけでなく、連日連夜のお祭り騒ぎを繰り広げるのだという。通りには屋台が立ち並び、街のいたるところに仮装をした妖怪たちが出没し、広場では飲めや歌えやそして踊れやの一大イベントだ。
盛り上げるのは主に西洋妖怪や新しい妖怪といったハロウィンに馴染みのある妖怪たちだが、東洋妖怪や竜神たちも興味津々。思想や立場などによって異教を受け容れられない者以外は思い思いの衣装に身を包み、イタズラを仕掛け合ったり屋台グルメに舌鼓を打ったりと宴を楽しんでいるようだ。
そんな光景を羨ましそうに眺める霊魂が、ひとつ。
幽世に辿り着けず死んでしまった妖怪の魂、骸魂。現世では忘れ去られ、今となってはあの輪に混ざる事も敵わない。
――みんなと遊びたい。
骸魂はその願いのために、通りかかった妖怪を呑み込んでしまった。
●
「カクリヨファンタズムのハロウィンの宴に、骸魂が出没するって予知が出ててさ」
と、吸血鬼のような仮装をしたジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)が説明を始める。
「妖怪を呑み込んだ骸魂の外見は、妖狐みたいな姿のごくフツーの女の子妖怪って感じだ。どうも“ハロウィンを楽しみたい”って想いで妖怪を呑み込んじまったらしいんだな。多分会場のどっかでハロウィンを楽しんでると思う。
そんな動機だから本人に悪気はねえみたいなんだけど、呑み込まれちまった妖怪をそのままにしとくわけにはいかねえし……それにやっぱりオブリビオンっていうか、あんまり放置しとくとはっちゃけすぎて祭りを台無しにしちまうって予知も出てるんだよ」
だから頃合いを見て倒して欲しい、とジャスパーは少し云いづらそうな様子で告げる。
「問題が起きるまでは、あんたらも会場でハロウィンを楽しんでてくれ。折角のお祭りだし、やっぱ盛り上げねえとな」
そう云って、机の上にパンフレットを広げる。“町内会のちょっとパソコンが出来る人が作りました”という風情満載の手作り感溢れるパンフレットだ。
まず、通りを歩くには仮装が推奨されている。
絶対ではないが、折角の機会なのだから普段はしないような装いに身を包んでみるのも一興だろう。
メインストリートには、各種屋台がずらりと立ち並ぶ。お好み焼きや焼きそば、焼きトウモロコシにフランクフルトといったお腹を満たせるメニュー、ジュースやアルコール類といった定番の品々も勿論だが、ハロウィンというだけあって特にスイーツの種類が豊富のようだ。
定番のチョコバナナにクレープは勿論、今年のハロウィンは新しい妖怪たちが考案した“親分スイーツ”というものが人気であるらしい。
「以前の戦争で身体張ってくれた親分や妖怪たちを称えるって名目で作られたんだってさ」
ぺらりとパンフレットをめくると、カラー写真付きのメニューが現れる。
【イチ押し】とまっ黄色のフキダシがついているのは、親分たちをイメージしたスイーツやドリンクの数々。
まず、【東洋親分のにゃんだふる★猫又ドリンク】は、カシスソーダ風のノンアルコールカクテルにチョコアイスを乗せたフロート。アイスの上にはチョコプレートで出来た猫耳が可愛く飾られている。成人済みの人は、希望すればアルコールで作ってもらうこともできるようだ。
次に、【西洋親分の幸せソフトクリーム】は、ワッフルコーンの上に鉛の身体思わせる黒胡麻ソフトクリームを乗せて、金箔で贅沢に包み込んだ目を惹く一品。幸せ運ぶ燕のクッキーがちょこんと添えられている。
そして、【竜神親分の目指せ最強! 弾けるキャンディ】。レモンイエローのふわふわわたあめは一見愛らしい見た目だが、ちりばめられた赤い色は稲妻みたいにぱちぱち、もといバチバチに弾ける最強に刺激的なキャンディだ。
最後に【新し親分のトレンディ詰め合わせスイーツプレート】。これはもう説明不要。パンナコッタにタピオカ、白いたい焼きにナタデココ、それからマリトッツォ。古今東西色んなトレンディスイーツをちょっとずついっぱい食べられる豪華なスイーツプレートだ。駄目押しとばかりにアップルスプーンとパイナッポーフォークがついてくる。
他にも、親分たちを模ったハッカパイプは吸った後も自分用のおみやげとして楽しめるし、親分型人形焼きなんてものもあるらしい。
「……本人たちに許可とってんのかな」
首をかしげるジャスパー。真相は誰も知らない。
「まあそれはさておき、広場には屋台グルメ用に座って食べられる座席もたくさんあるし、その広場の舞台じゃ妖怪たちが出し物をしたりもしてるみたいだぜ。飛び込み参加も受け付けてるみたいだから、一緒に歌ったり踊ったりすんのも楽しいかもな」
コントをする妖怪、歌う妖怪、何故か盆踊りを踊る妖怪。既にいろいろカオスな事になっているので、公序良俗に反しない限りなんでも大丈夫なようだ。
「折角だから楽しんで来いよ。本物の妖怪と一緒のハロウィンなんて、猟兵でもねえ限りなかなか経験できるモンでもないしな」
そうウィンクして、ジャスパーは猟兵達を送り出した。
ion
●お世話になっております。ionです。
ハロウィンシナリオ第二弾をお届けします。
●このシナリオは二章構成です。
一章でお祭りを楽しみ、二章で骸魂とのバトルです。
そんなに強い妖怪ではないので、一章で食べ過ぎたり、成人の方ならちょっとお酒を飲みすぎたりしても、問題なく倒せると思われます。思う存分楽しんでください。
●屋台に関しましてはオープニングに書かれているもの以外にも、屋台にあると思われるものはだいたいあると思って頂いて大丈夫です。グルメ以外にも、射的やくじ引きといった屋台もあるでしょう。
一章で仮装したい方の中で南瓜SDなどハロウィンにまつわるイラストをお持ちの方は、指定して頂ければ参考に致します。もちろんイラストが無くても、そしてあってもイラストと違う仮装もオッケーです!
イラストがあっても何の仮装かはプレイングに書いて頂いた方が、すれ違いが減らせてお互いにハッピーな事になると思います。
●運営スケジュールは追加オープニングにてご案内予定です。
第1章 日常
『朝までハロウィン大宴会』
|
POW : 飲んで食べて大騒ぎする
SPD : 歌って踊って盛り上げる
WIZ : スゴい仮装で注目を集める
|
●
通りに面した照明は、十月の半ば辺りから全て南瓜型の間接照明に差し替えられている。
薄暗いランタンの光でも道を歩くのに不自由しないのは、通りにぎっしりと立ち並ぶ屋台が昼夜を問わず営業を続けているから。
呑めや歌えやの大騒ぎ。過去と滅びに最も近いといわれるこの世界の物悲しさも今は遠く、妖怪たちは眠るのも忘れて祭りの時を楽しんでいる。
あなたが妖怪や竜神といったこの世界に縁のある種族であるならば、同郷の者として諸手を挙げての歓迎を受けるだろう。
そうでないのであれば、外の世界の者ながら妖怪が見える素晴らしい存在として、やっぱり大歓迎される。
未成年の飲酒や喫煙、その他公序良俗に反する事は怒られてしまうが、そうでないのならちょびっとくらい羽目を外したって大丈夫。はちゃめちゃなどんちゃん騒ぎくらいが妖怪たちには心地よい。
勿論メインストリートを少し外れれば、静かな通りや自然の残る空地も多く存在している。騒がしいのが性に合わない人も、ゆっくりと楽しむことができるはずだ。
会場のどこに骸魂が現れるかは、予知ではわからなかったという。
だからまずは思う存分、祭りを楽しむのがいいだろう。
==================
プレイング受付:8/31(日)朝8:31~
==================
(追記)プレイング受付の日付が間違っていました。正しくは
==================
プレイング受付:10/31(日)朝8:31~
==================
です。申し訳ありません。
曲輪・流生
「はろうぃん」とっても賑やかですね。
詳しくは分からないのですがお祭りの一種のようなものですよね?
それなら目一杯楽しみたいです。
物をあまり知らない僕ですがお祭りは楽しむのが一番だってのは知ってますから…♪
(そわそわと辺りを見渡して目的の物を探して)
…!ありました!
【西洋親分の幸せソフトクリーム】!
お話を聞いて食べてみたいなぁって。
僕は西洋親分の大ファンですから…!
僕にとって彼のあり方はとても憧れるものがあるんです。
一度は消えかけた竜神ですが…また少しずつ誰かの願いを叶えられる存在になりたいな。
●
祭りの喧騒に耳をすませば、足取りも心も軽やかに弾んでいくよう。
かつて忘れ去られ、消えかけていた美しき童姿の竜神。今こうして自らの足で行きたいところに行く事が出来るのも、あの日“もう一度誰かの願いを叶えたい”と想いを抱いたおかげ。
曲輪・流生(廓の竜・f30714)は道を行き交う妖怪たちの笑顔を楽しそうに眺める。
「「はろうぃん」、とっても賑やかですね。詳しくは分からないのですがお祭りの一種のようなものですよね?」
ある一族のためだけに囲われていた過去を持つ流生は、まだまだ世間知らずだけれど。
「お祭りは楽しむのが一番だってのは知ってますから……♪」
願いを叶えたいという想いが、流生という竜神を存在させ続けている。そんな彼にとって、祭りを楽しむ人々の笑顔はとても心地よい。嬉しい、楽しいといった感情が満ちる空気を全身で感じるように、流生はあちこちの屋台を眺めて回る。
カラフルに彩られてきちんと並べられたチョコバナナも、夜風に乗ってどこからか運ばれてくるお腹が空きそなソースの香りも、どれもこれもが幸せの象徴のよう。けれど、流生のお目当てはたったひとつ。
「あっ、ありました!」
小走りで駆けよった先はソフトクリームの屋台。遠目にもわかるぴかぴかの金箔は、西洋親分の幸せソフトクリーム!
「これ、ひとつください」
「はい、どうぞ! ひょっとしてこれ目当てでお祭りに来てくれたんですか?」
さっそく代金を支払って購入する流生は、きっとよっぽど嬉しそうな顔をしていたに違いない。店員にそんな風に云われて、えへへと顔をほころばせる。
「僕は西洋親分の大ファンですから……!」
思い出すのは、あの大戦で彼と出会った時。
通常ならば倒せぬ相手を倒すために、敢えて敵として立ちはだかった西洋親分は――優しさと、優しさを正しく届けるための強さを兼ね備えた人だった。
流生は。一部の者の為に利用され続け、彼らがいなくなったために消えかけた過去を持ちながらも、人が善であると信じて疑わない。それはきっと西洋親分も同じだろう。誰かのために、真っ先に身体を張れる優しさと強さ。
(「僕にとって彼のあり方はとても憧れるものがあるんです」)
ぱくりとソフトクリームを口に運ぶ。きらびやかな金箔の中は、驚くほどに素朴で、懐かしい味わいだった。まるで、身体の中にじんわりと染みわたってくるような。
(「あんな風に、誰かの願いを叶えられる存在になりたいな。今は難しくても、また少しずつ――……」)
喧騒を眺めながら、ちいさな竜神はそっと微笑んだ。
大成功
🔵🔵🔵
クラウン・メリー
【軒玉】
悪魔のツノを生やした
魔法使いの格好
トリックオアトリート!
えへへ、似合ってる?清史郎もとっても格好良い!
わあ!見て見てとっても賑やか!
俺もいっぱい騒ぎたい!
俺ね【イチ押し】のスイーツ食べたい!行こう!
清史郎は何が食べたいかな?俺は全部!なんて――
ひょえ!
うんうん!そうしよう!
俺は、いろんなスイーツが乗ってるプレートにしよっかな!
わわ、豪華!よーし、親分スイーツ勝負だ!
頂きます!とマリトッツォぱくり
端からクリームが溢れちゃう
んんー、美味しい!清史郎もどれか食べる?
やった!わたあめちょこっと食べたい!ぱちぱち!
いっぱい食べたら踊りたくなってきちゃった!
手を差し伸べて
清史郎もいっしょに踊ろう!
筧・清史郎
【軒玉】
今年の南瓜SD
ふふ、とりっくおあとりーと
良く似合っているな、クラウン
ハロウィンはおばけさんの祭りと聞いた
俺達も変身した姿で存分に楽しもうか
チョコバナナにクレープ…(そわ
だがやはり、俺もイチ押しが気になる
早速参ろう(わくわく
折角だ、イチ押しを全部頂こう、クラウン
二人で全種類制覇はどうだ?
俺はプレート以外を(超絶甘党健啖家
猫又さんは酒入りで(猫も酒も大好き
ふふ、クリームがついているぞ
ではパンナコッタを頂こう
濃厚な甘さが美味だな(にこにこ
パチパチわたあめと交換こだ
ああ、舞ならば俺も嗜んでいる
元気になる魔法のような友の笑顔につられ、笑み宿しながら
俺もおばけ達の夜に、桜の魔法をひらり咲かせようか
●
「トリックオアトリート!」
「ふふ、とりっくおあとりーと。良く似合っているな、クラウン」
お化け南瓜のランタン通り。妖怪たちが住まう不思議な世界に響く、二人の声。
「えへへ、似合ってる?」
くるくると回ってみせるクラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)は悪魔の角を生やした魔法使いの格好。純白羽の楽しいピエロとはまた違った服装に、筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)が笑みを向ける。
「清史郎もとっても格好良い!」
「そうか? それは良かった」
そんな清史郎の仮装は、大きな羽根飾りが特徴の貴族剣士。東洋の装いが多い彼には意外なチョイスだが、実によく似合っていた。
二人が祭り会場についた時には、もう会場はすっかり大盛り上がり。持ちきれないほどの食べ物を抱えた子供だの、顔を真っ赤にして躍るじいさんだの。
「わあ、見て見てとっても賑やか! 俺もいっぱい騒ぎたい!」
「ハロウィンはおばけさんの祭りと聞いた。俺達も変身した姿で存分に楽しもうか」
ステージの上でもそうでない時も人を喜ばせるのが大好きなクラウンは、笑顔が咲き乱れる会場にすっかりご機嫌。小走りで駆けていく彼を追いかける清史郎も、穏やかな笑顔の中に期待がそわり。――だって。
「チョコバナナにクレープ……」
会場のあちこちから漂って来る甘い匂い。カラフルに飾り付けられた楽しいスイーツたちは、彼らも一緒に仮装の祭りを楽しんでいるかのよう。甘い物にはとことん目が無い性分の清史郎は、ついついそれらに手が伸びそうになるけれど。
「やっぱり、イチ押しのスイーツってやつが気になるよね!」
「ああ。ここでしか食べられないものらしいからな」
親分たちになぞらえた四種スイーツ。パンフレット片手に二人は店を探す。
「清史郎は何が食べたいかな?」
どれも美味しそうで迷っちゃうよねー、とクラウンは視線を上げる。
「俺は全部! なんて――」
「そうだな。折角だ、イチ押しを全部頂こう、クラウン」
「ひょえ!」
冗談で云ったつもりが、真っ向から肯定されて素っ頓狂な声をあげてしまう。清史郎のきょとんとした顔が返ってきた。
「どうかしたか?」
「んー、清史郎はともかく、俺は食べきれるかなあ」
「二人で全種類制覇はどうだ?」
「二人で!」
ぱあっとクラウンの笑顔が華やいだ。分けっこしたら確かに全部いけるかも!
「うんうん! そうしよう! 俺は、いろんなスイーツが乗ってるプレートにしよっかな!」
「俺はプレート以外を……猫又さんは酒入りで頼もう」
超絶甘党と健啖家と酒好きを併せ持つ清史郎は余裕の全チョイス。ついでに猫好きでもある彼は、チョコプレートの猫耳がアイスの上に飾られるのをにこにこ楽しそうに眺めているのだった。
●
注文した品々を乗せれば、二人掛けの小さめテーブルはすっかり満員御礼。
「わわ、豪華! よーし、親分スイーツ勝負だ!」
両手をあわせていただきますをしたクラウンは、真っ先にトレンディ最先端、マリトッツォをぱくり!
「美味しいー! けど、端からクリームが溢れちゃう……」
「ふふ、クリームがついているぞ」
「綺麗に食べるの難しいね」
でもそれだけクリームを贅沢に使っている証拠。その上軽いクリームは口の中でほわほわ溶けて、いくらでも食べられそうな味わい。
「清史郎もどれか食べる?」
ぱちぱちカシスソーダとチョコアイスのマリアージュを楽しんでいた清史郎は、「ではパンナコッタを頂こう」と白いぷるぷる入りのグラスに手を伸ばす。
「パチパチわたあめと交換こだ」
「やった! わたあめ気になってたんだよね!」
ぷるぷるとパチパチを交換こ。
「濃厚な甘さが美味だな」
シンプルだが奥深い味わいに清史郎はにこにこ。
「すごい! ぱちぱち!!」
口の中で暴れ回る刺激に、クラウンは目を白黒させる。
それからも二人は親分スイーツをたっぷり堪能して、気が付けばあんなにあったご馳走達はすっかりすっからかん。
「いっぱい食べたら踊りたくなってきちゃった!」
お腹と心が満たされたクラウンが、ごみや食器をまとめつつ立ち上がる。おひさま色のフリチラリアがりんと揺れた。
「清史郎もいっしょに踊ろう!」
「おっなんだ兄ちゃんも踊るのか?」
「それ持ってってやるよ、ステージ上がって来な!」
すっかり出来上がった様子の地元妖怪たちは歓迎ムード。ありがとー! とにっぱり笑顔で食器を渡すクラウンの横顔を、清史郎は目を細めて眺めていた。
クラウンの笑顔には魔法がかかっているようだ。元気になる魔法が。彼のいる所、どこでも笑顔の花が咲く。
そんな笑顔のまま、クラウンが清史郎へと振り返った。
「清史郎もいっしょに踊ろう!」
「ああ、舞ならば俺も嗜んでいる」
クラウンの得意な踊りとは少し異なるかもしれないが、多種多様の妖怪が暮らすこの世界はきっと、その方が喜ばれるだろう。
差し伸べられた手を取る。
俺もクラウンのように、魔法をひとつ披露しよう。
――おばけ達の夜に、桜の魔法をひらり咲かせようか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ザクロ・シャハブ
キー(f14289)といく
仮装は死神だ(イラスト有)
『賑やかだな』
(真顔でウッキウキに歩く)
『…あの親分達なら後からでも許可してくれそうな感じがする』
俺は屋台の串団子とキャロットドリンクとキー用のブドウジュース
そしてスイーツプレートを頼む
『騒がしいのが苦手ならあっちに行くか?』
頷くなら比較的静かなところに移動して食べよう
『キー。こっちも食べて良いぞ』
プレートの隙間に串から外した団子を添えて、キーと分けっこしよう
『…たい焼き旨い(ぱぁぁ)』
食べつつ、プレートのスイーツと格闘してるキーを見ながら沢山食べて大きくなれよ…2mくらいと考えてる
『ん…食べる…凄いバチバチするな。でもクセになる刺激と味だ』
キール・グラナドロップ
黒うさぎさん(f28253)と!
仮装はねえ、前やった布お化け! いつもの服をアレンジした感じで、おばけのフードがついてるんだあ(イラスト有)
お菓子ー!
ハロウィンだーいすき!!(お菓子にはしゃぐ23歳児
うーん、ボクはどうしようかな……
竜神親分のわたあめにしてみようかなあ。ふわふわしてるけどパチパチってどんな感じなんだろ。
う……うん、人がいっぱいいるところは、まだちょっと怖い、かも……(我に返る人見知り
わたあめのパチパチにびっくりしつつ、黒うさぎさんのプレートにすごいってなる。食べてみて……いい? あ、バチバチするの、いる?
わあい、お団子も!
にめーとる……ってどのくらいだろ……?
●
南瓜ランタンの通りを翔ける、一筋の赤。
やがて赤はぴたりと静止して、本来の形が視認できるようになる。
「黒うさぎさん、みてみてー」
それは小さなフェアリー、キール・グラナドロップ(影に縋る者・f14289)の羽の色だった。ランタンの光を反射して、この幽世世界でまるで人魂のように淡く光っていたのだ。
そんなキールの仮装は、布お化けさん。マントをアレンジして、フード部分にお化けの顔をあしらっている。赤黒ダイヤチェックの裏地はいつものままだが、お化けの顔と合わせるとハロウィン用に新しく施したようにも見えるから不思議。
「良く似合っている、キー」
黒うさぎさんと呼ばれたザクロ・シャハブ(懐中兎計・f28253)が真顔で頷く。彼も勿論ばっちり仮装済みだ。
「黒うさぎさんの死神さんもバッチリだねえ」
モノクロ主体に赤を利かせた死神は、血糊ペイントも合わせた本格派。いつしか刻まれていた頸の傷だって、今日は装いに合わせたかのようにはまっている。大きな鎌と骸骨の仮面は恐ろしいが、ところどころに大好きな人参をあしらってキュートさも忘れない。
「しかし……賑やかだな」
仕事を忘れがちな表情筋のおかげで、ザクロは死神姿に相応しい無表情のまま。けれど足取りは軽く、はやる気持ちを言葉よりも何よりも雄弁に語っている。
「お菓子ー! ハロウィンだーいすき!!」
こちらは仕草だけでなく表情でもめいっぱいの喜びを表現するキール。にこにこで飛び回る彼を引き連れて、スイーツの店が多く並ぶ通りへとザクロは歩いていく。
「ボクは竜神親分のわたあめにしてみようかなあ。ふわふわしてるけどパチパチってどんな感じなんだろ」
未知の味に想いを馳せつつ、おっきなわたあめを受け取るキール。縦幅からして割りばし込みで自分と同じくらい、横幅でいけば羽を抜きにしたら余裕で負けそうな大きなお菓子を抱え、器用に飛び回るキールを見遣りつつ、ザクロはふと出発前の事を思い出していた。
親分スイーツの概要を読み上げつつ、許可取ってんのかな、などとぼやいていた男のことを。
「……あの親分達なら後からでも許可してくれそうな感じがする」
性格もばらばらな四人組だが、揃いも揃って世界の危機に躊躇なく立ち向かえる妖怪たちだ。キールのうきうき笑顔を見たら、きっとノーとはいえないはず。
そんなザクロも串団子とスイーツプレートを注文。一緒に頼んだ飲み物はキール用のブドウジュースと、ザクロ自身が大好きなキャロットドリンク。
「どこで食べよっか」
「騒がしいのが苦手ならあっちに行くか?」
通りを外れた方を指差すザクロ。キールはほんの一瞬だけきょとんとした後はっとする。
「う……うん、人がいっぱいいるところは、まだちょっと怖い、かも……」
お祭りムードと大好きなお菓子にすっかり忘れかけていたけれど、影くんと呼んで慕うUDC以外は苦手を通り越して恐怖さえ感じるキールである。ザクロとはだいぶ自然に話せるようになったものの、元々は極度の人見知りなのだ。
ザクロの気づかいに感謝しつつ、喧騒から外れたところで買い求めたスイーツたちを広げる。
「わ、ほんとに、すごいパチパチする……!」
未知の感覚に目を丸くするキール。しかも口の中に長く入れておくとパチパチがどんどん激しくなるのだから、ますますびっくり仰天。
「黒うさぎさんのプレートもすごいねえ、いっぱい乗ってて美味しそう」
「少しいるか?」
「いいの?」
ザクロは串から外した団子をプレートに乗せて、キールにも食べやすい高さに持っていく。
「これも良かったら」
「わあ、ありがとう。あ、パチパチするの、いる?」
「ん……食べる」
手渡されたわたあめを一口はむり。素朴な甘さが広がった後、刺激的なパチパチが口いっぱいに広がる。
「……凄いバチバチするな。でもクセになる刺激と味だ」
「でしょー」
ぱいなぽーなフォークでうんしょっとお団子を口に運びつつ、キールもにっこり。
「……たい焼きも旨い」
無表情の隅々まで満足感を行き渡らせつつ、ザクロもご満悦。小さな身体で一生懸命団子を食べるキールを眺めつつ、自分もたい焼きを口に運ぶ。
「沢山食べて大きくなれよ……」
「大きく? なれるかなあ」
「2メートルくらいに」
「にめーとる……ってどのくらいだろ……?」
フェアリー的には未知の数字だ。隣にいるザクロだってキールを六人縦に並べたって足りないくらいなのだ。それよりも大きいなんて想像もつかない。
「よくわからないけど、美味しいからたくさん食べられそうだよ」
「そうか」
無垢な子どものようにキールは笑い、ザクロが頷く。
大好きな味をセレクトしたジュースも美味しくて、たくさんあったスイーツたちもあっという間に二人のお腹の中へと消えていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
双代・雅一
雪音(f17695)と
仮装は今年の猫耳騎士
ハロウィンと言うより普通に日本の縁日感が無いか…?
賑やかなのは慣れて無いけど…(妖怪達の面白一発芸を見て思わず噴きだし)
どうした、雪音さん? そこまで驚く様な事じゃ…
ああ…そうか、そうだな(明確な笑みを手で押さえながら)
最近、気付いたんだ。人らしく感情を出して大丈夫って事に
スイーツのパンフを割と真剣にガン見
迷うな…雪音さんはどれにする?
二人で全種類行くのも有りかな
ああ、分ければ充分の量だろうし
無理に酔わずとも雰囲気に酔えばそれで充分じゃないかな
俺は甘い物さえあれば他に何も…
(付け尻尾の筈が何故か嬉しそうに揺らめき)
上手く言えないけど、楽しいって良い…な
御乃森・雪音
雅一(f19412)と
仮装は今年の青薔薇付きロングメイド服で
ご町内の秋祭り兼、って感じよねぇ
通りがかった先の一発芸大会に思わず目が行って…隣から聞こえた笑い声に顔を上げて
は…え?
驚き過ぎてパンフレットを手から落としかけて慌てて掴み直し
ええと…うん、楽しい事を楽しいと言えるのは良い事だと思う、わ…
微笑む、じゃなくて笑顔は初めて見た…わねぇ
気を取り直して
スイーツは出来れば全制覇…分けられるものは一つでも良いんじゃないかしら?
ドリンクはお酒が飲めないのが残念ねぇ…後一年ちょっとなんだけど
座席を確保して買ったものを並べたら、一寸したパーティみたいに
…そうね、雅一が楽しいならアタシもすごく、楽しいわ
●
祭りの喧騒を往くのは、二人の男女。
黒い猫耳紳士な双代・雅一(氷鏡・f19412)の尻尾は二股に分かれていて、まるでこの世界に元々暮らしていた妖怪のよう。フリルたっぷりなヴィクトリアンメイドの御乃森・雪音(La diva della rosa blu・f17695)はブリムに青薔薇と青リボンの装飾つき。青コートの雅一と並べば、まるで揃えて仕立てたかのよう。
「ハロウィンと言うより普通に日本の縁日感がないか……?」
遠く離れた幽世のはずなのに、この妙な既視感は何だろう。雅一の言葉に、雪音もそうねと頷いた。
「ご町内の秋祭り兼、って感じよねぇ」
確かに通りには南瓜のランタンが並んでいるが、行き交う子供妖怪はお面をつけてわたあめを持っていたりするし、何だったら酔っぱらったご老人方が踊っているのはどこからどう見ても盆踊りである。
「賑やかなのは慣れて無いけど……」
「あら、なんだかあっちが盛り上がってるみたい」
人だかりの出来ている方を見れば、なるほど小さなステージで一発芸が繰り広げられているようだ。カクリヨで有名らしい芸人のモノマネ、ちょっとした手品。モノマネの方はUDCで暮らしている二人にはわからないものが殆どだったが、テンポよく畳みかけるネタの数々に雪音の頬も思わず緩む。
「……ふふっ」
聞こえてきた自分のものではない笑い声に、雪音は思わずパンフレットを落としかけて慌てて掴みなおした。
「どうした、雪音さん?」
不思議そうな雅一の顔を、ついまじまじと見てしまう。
「確かに面白いけど、そこまで驚かなくても」
「あ……ええと、ううん、そうじゃなくて……うん、楽しい事を楽しいと言えるのは良い事だと思う、わ……」
どう云ったものかと迷う雪音の視線が、どうやら自分の口元を眺めている事に気づいた雅一は自然にそこに手をやって――そうしてようやく合点がいったかのように頷いた。
「ああ……そうか」
笑っていたのだ。自分は。それも、声に出して。
「微笑む、じゃなくて笑顔は初めて見た……わねぇ」
「そうだな」
氷使いの内側に眠る、制御不安定な念発火能力。暴発を防ぐためにも、そして医師として判断を誤らないためにも。雅一は感情を押し込め続けてきた。……けれど。
「最近、気付いたんだ。人らしく感情を出して大丈夫って事に」
脆い己を隠すように、覆い続けていた氷の膜は、少しずつ融けているのかもしれない。
●
「じゃ、その調子でスイーツも楽しまないとね」
雪音の言葉に、パンフレットを眺める雅一の表情は真剣そのもの。クールな見た目とは裏腹に、甘い物にはとことん目が無いのだ。
「迷うな……雪音さんはどれにする? いっそ二人で全種類行くのも有りかな」
「そうね。出来れば全制覇……分けられるものは一つでも良いんじゃないかしら?」
せっかく二人で来ているのだからと云い添えれば、雅一も頷く。
「ああ、分ければ充分の量だろうし」
「ドリンクはお酒が飲めないのが残念ねぇ……後一年ちょっとなんだけど」
収穫の祭りが過ぎ、冬を迎えれば、雪音は十九歳。来年のクリスマスにはアルコール類が解禁されているとはいえ、その一年ちょっとが今はとても遠く感じる。
顔を赤くして楽しそうな様子の成人妖怪たちを見れば、ちょっぴり羨ましいという想いも湧き上がるけれど。
「無理に酔わずとも雰囲気に酔えば充分じゃないかな」
自分とお揃いの猫耳ドリンクを二つ注文しつつ、心なしか嬉しそうな雅一。
「スイーツばかりだし、他のものも買っていく?」
「俺は甘い物さえあれば他に何も……」
手分けして四つの親分スイーツと、それに他にも気になったものをちょこちょこ買って。
確保した座席にそれらを並べたら、ちょっとしたパーティのはじまり、はじまり。
にゃんこ印のカフェによく足を運んでいる二人には、初めての場所なのにどこか落ち着く心地もあって。
「パンナコッタってすっかり定番のメニューだと思っていたけれど、これがトレンドの最先端だった時期もあったのねぇ」
「タピオカも何度かブームになっているんだっけ?」
トレンディな歴史を辿るプレートに会話を弾ませ、色とりどりのスイーツたちを分け合えば、自然にまた笑みが零れる。
雅一の笑顔は先程のように「おかしくて仕方がない」といった感じではなかったけれど、それでも心の裡を隠すような普段の微笑に比べれば、随分と柔らかいもので。
それがなんだかうれしくて、雪音もつられて笑みを深くした。
「上手く言えないけど、楽しいって良い……な」
そんな言葉に合わせて、何故か装飾品に過ぎない筈の尻尾がゆらりと嬉しそうに揺れていた。
――不思議なハロウィンの魔法かしら? それとも……?
一瞬目を丸くした雪音も、次にはにこりと微笑んで。
「……そうね、雅一が楽しいならアタシもすごく、楽しいわ」
祭りの夜は更けていく。楽しい喧騒は、まだまだ終わりそうにない――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
イリーネ・コルネイユ
【鬼術】
仮装:21南瓜・マジシャン
仮装を褒めてもらえれば嬉しくてはにかみ
ふふ、お任せください!
何もない掌を見せてから
握った手をぱっと開けば咲く赤いポピー
レンくんにどうぞと感謝を込めて
ふたりも素敵な仮装!
和装もカッコいいです
得意げな様子に楽しそうにぱちぱちと拍手
私とお友達になってくださった時も、一緒にデザートを食べましたよね
全部気になるけれど…
優柔不断な私の代わりに決めてくれる友達が頼もしくて
嬉しそうに頷いてみせる
キャンディの刺激は思っていたより強くて
顔を見合わせ笑って
スイーツプレートにはきらきらと瞳輝かせ
感想は言うより先にきっと顔に出ている
一緒にいると楽しくて
幸せな時間に心もお腹もいっぱいに
飛砂・煉月
【鬼術】
仮装:21南瓜・酒呑童子
イリーネってばマジシャンしてるー
結った髪も快活で可愛いね
何かマジック見せてくれる?
受け取った赤のポピーは温かいキミの心
オレは酒呑童子ハクは烏天狗
和装も新鮮でしょ?
あっは、ハク
オレ達かっけーってさ
オレ達とイリーネだと、やっぱデザートは外せないよね
よーし、此処は龍神親分キャンディと新し親分プレート、どっちも!
半分には絞ったけど、此れ以上は選べないもん
――其れでイイ?って笑うのは何時もより大人な鬼
キミと一緒に食べたい物にしたよ、なんてね
先ずはキャンディ弾けて三人でパチパチしながら
面白れーってへらり
刺激の後は眸煌く欲張りプレート
美味しいかなんてきっと聞くまでも無いよね?
●
はやる気持ちを抑えながら、南瓜通りを訪れる二人と一匹。
「イリーネってばマジシャンしてるー。結った髪も快活で可愛いね」
「えへへ、本当ですか? やったあ」
仮装を褒められて、イリーネ・コルネイユ(彷徨う黒紗・f30952)は声を弾ませる。パステルブルーを中心としたマジシャン姿のイリーネは、トランプをあしらったシルクハット型の髪飾りと高く結ったポニーテールがトレードマーク。
「何かマジック見せてくれる?」
「ふふ、お任せください!」
飛砂・煉月(渇望・f00719)の言葉に、芝居がかった動きでお辞儀。タネも仕掛けもございません、と広げた両手をぎゅっと握り、もう一度開けばあら不思議! 何もなかったはずの手に、いつの間にか赤いポピーが一輪。
「わっ、すごい!」
「日頃の感謝も込めて、レンくんにプレゼントです!」
「ありがとー!」
可愛くリボンを結んだ鮮やかな一輪。温かいイリネーの心のようで、煉月は顔をほころばせる。
そんな煉月と、彼の周りを嬉しそうに飛び交う白竜とをイリネーは交互に見比べて。
「ふたりとも素敵な仮装! 和装もカッコいいです」
「あっは、ハク。オレ達かっけーってさ」
眸と同じ赤の角、腰に瓢箪を下げた煉月は酒呑童子。鬼灯をぶら下げたハクは、自前の竜翼の他にもう一対の黒い羽。烏天狗だ。実際は羽が描かれたスカーフを首に巻いているのだが、ハクが飛び交うのに合わせて揺れているのはなかなかリアルだ。
褒められて嬉しそうなハクは二人の周りをぐるりと旋回し、煉月の手にぴたりと止まって決めポーズ。楽しそうな様子にイリーネがぱちぱちと拍手を送れば、ますます得意顔。
「さて、どこ行こう? オレ達とイリーネだと、やっぱデザートは外せないよね」
「私とお友達になってくださった時も、一緒にデザートを食べましたよね」
楽しい出来事を思い起こしながら、やっぱり今日も! と意気投合する二人だけれど。
「全部気になっちゃいますね……」
パンフレット片手にうーんと悩むイリーネ。
「よーし、此処は龍神親分キャンディと新し親分プレート、どっちも!
半分には絞ったけど、此れ以上は選べないもん」
――其れでイイ? と笑う煉月は、少年のように無邪気に見える普段の彼とはちょっと違う、何時もより大人びた鬼の顔。
「どっちも! とっても素敵ですね!」
「キミと一緒に食べたい物にしたよ、なんてね」
悪戯っぽくウインクしてみせる煉月。優柔不断な自分を気遣ってくれたのだろうと、イリーネは嬉しくなる。
新旧トレンディなスイーツがたっぷり乗ったプレートと、こんもりふあふあなわたあめを入手した三人は、まずはわたあめを分け合って、はむり。
素朴な甘さが口の中で溶けていくのに合わせ、ぱちぱちと弾ける刺激が沸き上がって来る。
ハクが驚いてぴょんっと飛び上がるのを見てくすくすと笑う二人だったが、そんな二人の口の中でもキャンディはみるみるうちに勢いを増していく。
「これ、思った以上に刺激が強いですね……!」
「ホント。おもしれー」
へらり笑いつつ、煉月の目線はスイーツプレートへと。
「イリーネはどれ食べる?」
「私は……」
きらきらと目を輝かせるイリーネ。分け合えるものは三等分。難しそうなものは話し合って。食べておいしい、目にも楽しいカラフルプレート。
白いたい焼きを一口齧ったイリーネの表情が、みるみるうちにぱあっと明るくなっていく。
どんな美辞麗句より雄弁に美味しさを物語ってくれるイリーネの笑顔にふふっと笑みを漏らしつつ、煉月はパンナコッタを所望するハクにスプーンでひと匙すくってやる。
ナタデココのフルーツポンチに、タピオカ入りのミニドリンクに。一度飛びついた流行りを忘れないと豪語する親分らしいラインナップ。定番化したものも、ひっそり時代の波に忘れ去られてしまったのものも、どちらも美味しい幸せの味。
それは勿論、一緒に楽しめる人がいてからこそ。
楽しそうな一人と一匹を微笑ましく見つめるイリーネに、煉月があれっと目を向ける。
「早く食べないと無くなっちゃうよ」
「はいっ」
慌ててマリトッツォに手を伸ばすイリーネ。
分け合ってもお腹いっぱいな贅沢プレートがすっかり空になるころには、楽しい会話に心も満たされて。
不思議、とイリーネは想いを馳せる。
とうに体温を失ったはずの冷たい身体の奥にまで、温かいものがこみあげてくるような心地だ。
「まだちょっと時間ありそうかな?」
「ステージを見に行きましょうか? 屋台をぶらりと見て周るのも楽しそうですね」
この三人なら、きっとなんでも楽しめる。事件が起きるまでの間、三人は思う存分祭りを満喫するのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティフティータ・トラーマ
仮装みたいな普段着踊り娘の服で
「この時期は何処もお祭り騒ぎね。ココはここで変わったメニューがあるみたいだけど…。」
屋台の変わりスイーツを食べ歩きしつつ
「面白い景品が多いけど…本気でヤったら大人気ないわよねぇ…。ま、コレにしておくわ。」
屋台の的当てに入って、手慰みに投げ矢をお手玉しながら少し悩むと、人魂20個セットを取って
「さてと、それじゃあ私も参加させてもらうわ。」
手に入れたばかりの人魂を使って、踊りながらゴム紐テニスとジャグリングの合いの子パフォーマンスをして盛り上げます。
(自分の周りにいくつも浮かべた人魂を順に打ち出して、戻って来たのをまた打ち出して、とお手玉風に)
●
現世に西暦などという概念が誕生するより、ずっとずっと前からその“堕天使”は存在していた。
鴉の濡羽思わせる髪と眸。同じ色の翼。透き通るような白い膚を黒絹の踊り子服で最低限だけ包んだティフティータ・トラーマ(堕天使の剣舞暗殺者・f29283)の装いはいつも通りだが、南瓜ランタンの通りを往く仮装した妖怪たちの中にも妙に馴染んでいる。
「この時期は何処もお祭り騒ぎね。ココはここで変わったメニューがあるみたいだけど……」
いい加減マンネリ気味でもあった長命の生。それがグリモアを介して様々な世界を渡れるようになり、少しばかり楽しくなってきたところ。こうして妖怪たちの世界に戻って来てみれば、まあそれはそれで悪くもない。
変わり種スイーツを食べ歩きしつつ、ふと目に留まったのは的当て屋。そこらで買えそうな駄菓子から、レアものあやかしメダルに最先端のゲーム機器まで、様々な商品が手に入るらしいけれど。
「……本気でヤったら大人気ないわよねぇ……」
さて、どれを狙おうか。その気になればどれでも好きなものを取れてしまうからこその悩み。あまりしょぼいものもつまらないし、わざわざ欲しくもない高額商品を狙うのも興ざめだ。慰みに投げ矢をお手玉しつつ、少し悩んだあとでティフティータが取ったのは“人魂20個セット”。どこか骸魂を思わせる不思議な発光体が、ビー玉のようにネットに詰められている。
まいどーと愛想のいい店主に見送られながら、ティフティータは縁日の舞台へと上がる。
「さてと、それじゃあ私も参加させてもらうわ」
そう云って、入手したばかりの人魂を解き放つ。どこかに飛んで行ってしまわないようにしっかりと紐でくくりつけたら、準備万端。
異国情緒溢れる不思議な舞と共に、ティフティータが行うのはゴム紐テニスとジャグリングの合いの子のようなパフォーマンス。宙に浮かんだ人魂を順に打ち出して、戻ってきたそれをまた打ち出して。お手玉のような動きと、しなやかでミステリアスな舞がぴたりと連動したパフォーマンスに、観客たちが息を呑む様子が伝わって来る。
宵闇に浮かぶ人魂が、踊り子の白い膚をぼんやりと照らし。不思議な光景に人々は酔いしれる。
はらり、踊り子のヴェールが一枚宙を舞った。より身軽になったティフティータの舞は速さと躍動感を増し、煽情的な光景は男性のみならず女性も見とれてしまうほど。
――悪くないわね。
とびきり妖艶な笑みをサービスしながら、彼女自身心が躍るのを感じていた。
大成功
🔵🔵🔵
小雉子・吉備
【蛟】
(キビは今年の仮装行列SDの
桃太郎の仮装)
こー言うのって、良い意味で『馬子にも衣装』って言うんだよね?
桃太郎みたいな正義の味方に中身も
相応しく……だよねっ!有難う霓虹ちゃん
キビの失われた過去、共に幽世に渡り命を落とし、キビに託した家族の記憶から悪い妖怪じゃないとは思うけど
(依頼、追憶の音色に満ちる想いから)
もし記憶を取り戻しても、ぶれないキビでありたいなって
【新し親分のトレンディ詰め合わせスイーツプレート】
キビはこれかな?パズリ親分ちゃん濃いし面白いから選んでみたけど、確かにパズるスイーツ祭でらしいかな
霓虹ちゃんのはやっぱり王子ちゃんのだね、キビ解ってたよう
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
蒼・霓虹
【蛟】
悪い意味でが一般的ですけど、親しい中だと意味合いも変わりますからね
『衣装改めると、中身も相応しく変わっていくと言う意味合いですね、将来への期待を込めての意味合いを込める事が多いとか』
吉備ちゃん、ひいろちゃんやなまりちゃんを引き連れてのその姿、ピッタリ似合っていますよ
大丈夫、吉備ちゃんが吉備ちゃんである事は変わりませんよ、わたしが吉備ちゃんの親代わりなのも
【西洋親分の幸せソフトクリーム】
わたしはこれですね、えぇ……あの方はわたしの憧れの方ですしね、親近感もありますし
スイーツの方は良く特徴を捉えていますね、食べるの勿体ないですが
互いに食べ合いっこしましょうか
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
●
袖を通すのは、ヒーローに憧れるきっかけにもなった物語の衣装。
小雉子・吉備(名も無き雉鶏精・f28322)の桃太郎の仮装は、桃色の和装が勇ましさの中にも愛らしさを添えている。
「こー言うのって、良い意味で『馬子にも衣装』って言うんだよね?」
「よくご存じですね。悪い意味でが一般的ですけど、親しい中だと意味合いも変わりますから」
嬉しそうに頷くのは蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)。あの時保護した彼女がこんなに頼もしい猟兵になってくれたと、改めて感慨を噛みしめる。
「『衣装を改めると、中身も相応しく変わっていく』という意味合いですね、将来への期待を込めての意味合いを込める事が多いとか」
肩を並べて歩く二人。吉備の方が少しばかり背が高いし大人びても見えるけれど、実際は霓虹の方が吉備を助け、保護者として成長を見守ってきた形だ。
(「なんだか本当に、お母さんみたいな気持ちになっちゃいますね」)
記憶も過去も持たず、骸魂に巻き込まれていた小さな雛のようだった彼女が、今ではこんなに立派になってくれて――。
「吉備ちゃん、ひいろちゃんやなまりちゃんを引き連れてのその姿、ピッタリ似合っていますよ」
「桃太郎みたいな正義の味方に中身も相応しく……だよねっ! 有難う霓虹ちゃん」
吉備に寄り添う赤猿のひいろちゃんも、狛犬のなまりちゃんも、嬉しそうにぴょこぴょこと跳ねている。
「こんなふうに衣装を着たり、楽しく過ごせるのも、あの時霓虹ちゃんが助けてくれたおかげだね」
ふと、吉備は祭りの喧騒に目を向ける。楽しそうな人々の中に、吉備はかつての家族の姿を見ていた。
――失われた過去。骸の海に消え、朽ちていく大切な人々。
せめて、あなただけでもと。託された願い、彼らの魂。幼馴染が微笑む光景。呼ばれた名前は、“吉備”ではなくて――。
「……キビの失われた過去、共に幽世に渡り命を落とし、キビに託した家族の記憶から悪い妖怪じゃないとは思うけど……」
悲しくもあたたかい、断片的な記憶。いま吉備と呼ばれている妖怪の中には、かつての家族の魂が共にあるのだという。ひとりの少女を九頭雉鶏精に変じさせ、生き延びるための力を手繰り寄せるために。
未だわからない事は多い。――けれど。
「もし記憶を取り戻しても、ぶれないキビでありたいなって」
「大丈夫。何があっても、吉備ちゃんが吉備ちゃんである事には変わりませんよ」
ふわり、霓虹は穏やかに微笑んだ。
「それに、わたしが吉備ちゃんの親代わりなのも」
猟兵となってからは、友人同士のように呼び合ってはいるけれど。いくつになっても、彼女がどんなに立派になっても、それは変わらない。
「ありがと、霓虹ちゃん」
吉備も笑顔で応える。
「霓虹ちゃんもね、何があってもキビの大切な家族で、師匠で、友だちだよ」
共に、今とは異なる姿での過去を持つ者同士。
どんな過去があって、どんな未来に向かうのだとしても。
●
「さて、せっかく来たから、まずは美味しいものをたっぷり満喫しないと!」
「そうですね」
積もる話もあるけれど、折角のお祭りにしんみりばかりじゃつまらない。
「わたしはこれですね」
悩む事無く霓虹が選んだのは、もちろん西洋親分の幸せソフトクリーム。
「霓虹ちゃんのはやっぱり王子ちゃんのだね、キビ解ってたよう」
「ええ……あの方はわたしの憧れの方ですしね、親近感もありますし」
幸福の名を持つ王子。この世界を護るためにあえて敵として立ちはだかった時も、そして味方として共に戦った時も、霓虹は同じ幸運を司る者としてその信念を強く感じ取っていた。
「キビはこれかな? バズり親分ちゃん濃いし面白いから選んでみたけど」
吉備のプレートには、新旧トレンディなスイーツがたっぷり。今まさにUDCアースで流行っているものも、ひょっとしたら吉備たちティーンエイジャーには馴染みのないかもしれない、うんと昔に流行ったものも。
「一周周って新鮮っていうか、確かにバズるスイーツ祭でらしいかな」
「SNSって色んな年代の方がやっているみたいですしね、流行の最先端以外のものも案外バズるのかもしれません」
なんて推測しつつ、二人はしばしスイーツを色んな角度から眺め。
「良く特徴を捉えていて、なんだか食べるの勿体ないですね」
「わかるなあ。でも早く食べなきゃソフトクリーム溶けちゃう!」
「あっ、それはもっと勿体ない」
二人は顔を見合わせて、クスリと笑む。
「せっかくだから、互いに食べあいっこしましょうか」
「おんなじこと言おうと思ってた!」
分け合って食べれば、美味しさは二倍。楽しさはひょっとしたら、もっとたくさん。
いただきまーすの合唱が、夜の街に響いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
灰神楽・綾
【不死蝶】
わぁ、どれも美味しそう
バリエーション豊かな屋台グルメの数々に目移りしちゃう
あ、そうだった
まずは「イチ押し」メニューを食べに行かないとね
そして親分スイーツのコーナーへ
何だかあれだね、プロスポーツの選手プロデュースのメニューみたい
いや、コラボカフェのキャラクターメニューの方が近いかな?
うーん、どれがいいかな
せっかくだから違うの頼んでシェアしようよ
俺が選んだのは映え力抜群の新し親分のスイーツプレート
食べる前に写真撮ってSNSで宣伝してあげようっと
東洋親分と竜神親分のスイーツもやっぱり食べたいなぁ
そうだ、射的で勝負しようよ梓
負けた方が残りの親分スイーツをご馳走するんだよ
乱獅子・梓
【不死蝶】
綾、今にも屋台グルメに食い付きそうな勢いだが
今から食ったら「イチ押し」の前に腹一杯になるぞ
その例えは俺にはどっちもピンと来ないんだが…
時々こいつ、いつどこでそんなの覚えたんだ?と
ツッコミたくなるようなマニアックな知識持ってたりするんだよな…
じゃあ俺は西洋親分のソフトクリームを注文
きらびやかだが控えめで気品のある西洋親分という存在が
よく表現されているなと感心
逆に新し親分のはこれでもかというほど派手で
これはこれで彼女らしい
妖怪たちの親分への愛が感じられるな
お前ならそう言うと思っていた
よーし、その勝負受けて立つ!
今日こそは俺が勝つからな!
(そして負けて奢らされるまでがテンプレ
●
「わぁ、どれも美味しそう」
「綾、今から食ったら「イチ押し」の前に腹一杯になるぞ」
「あ、そうだった。まずは「イチ押し」メニューを食べに行かないとね」
きょろきょろと楽しそうに辺りを見回していた灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)も、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)の言葉にすぐさま当初の目的を思い直したようだ。
あちこちから漂って来るソースや肉やその他色々美味しい物の香りも捨てがたいけれど、今日の彼らのお目当てはまず、イチ押し親分スイーツとやらなのだから。
「しかし妙な事を考えつくもんだな」
「何だかあれだね、プロスポーツの選手プロデュースのメニューみたい」
「スポーツの……?」
「いや、コラボカフェのキャラクターメニューの方が近いかな?」
パンフレットを眺める綾の言葉に、梓のサングラス越しの眸にめいっぱい疑問符が浮かぶ。
「その例えは俺にはどっちもピンと来ないんだが……」
スポーツ選手というのはスポーツをするのが仕事なんじゃないのか。コラボカフェとは何だ。どちらもその日を生き延びるのも精一杯なダークセイヴァーには無い概念だったし、それを云えば綾も同じ世界で育ったはずなのだが。
(「時々こいつ、いつどこでそんなの覚えたんだ? とツッコミたくなるようなマニアックな知識持ってたりするんだよな……」)
相棒というか、腐れ縁というか。関係性を表す言葉はさておき、気づけば随分長い間共に過ごしているはずなのに、未だに綾が判らなくなる時があるのだった。
「うーん、どれがいいかな」
そんな梓の疑問をいつもの飄々とした笑みで躱しつつ、綾は注文するスイーツをどれにするか悩み中。
「せっかくだから違うの頼んでシェアしようよ」
「あ、それいいな」
「じゃあ俺は分けやすそうなの頼もうっと」
映え力抜群の新し親分のスイーツプレートを頼む綾。プレートのラインナップと被っていない事を確認しつつ、梓は西洋親分のソフトクリームを注文する。
「食べる前に写真撮ってSNSで宣伝してあげようっと」
「……そういう所から変な知識を身につけてるのか?」
道理で、と納得顔の梓をよそに、ぱしゃぱしゃと様々な角度から写真を撮る綾。
二人の頼んだスイーツに、梓の相棒である小竜たちも目を輝かせている。
「もちろん二人にもわけてあげるよ」
小竜たちでも食べられそうなものを取り分けつつ、綾はにこり。
「その分ソフトクリーム多めに貰ってもいいよね?」
「ああ、勿論」
嬉しそうな二匹の様子に、サングラスの強面の奥でデレデレの梓である。
「うんうん、こっちも映えるよね。でも、味は優しい感じ」
「きらびやかだが控えめで気品のある西洋親分という存在がよく表現されているな」
中身は甘さ控えめの黒胡麻ソフト。口当たりの良さと誰でも親しみやすい味わいは、なるほど確かに彼を彷彿とさせる。
「逆に新し親分のはこれでもかというほど派手で、これはこれで彼女らしい」
「よくできているよね」
「妖怪たちの親分への愛が感じられるな」
「こういうのって名前だけの軽率なタイアップもあるけど、ちゃんと考えて作られてるんだねぇ」
「……よくわからんが、云いたい事はなんとなくわかる」
自分とは次元の違うところで理解しているらしい綾の様子を不思議がりながらも、スイーツのクオリティには異論はない。燕クッキーを二匹にわけてやりながら、梓は頷いた。
「こうなると、東洋親分と竜神親分のスイーツもやっぱり食べたいなぁ」
「お前ならそう言うと思っていた」
予想の範疇だ。肩を竦める梓だが、次に続いた言葉には興味深そうに片眉を持ち上げた。
「そうだ、射的で勝負しようよ梓。負けた方が残りの親分スイーツをご馳走するんだよ」
「射的か。それなら互角ってとこだな……」
思い起こすのは今までの数々の勝負。実力では決して引けをとらないはずなのに、何故か負けに負け続けたあれやこれやそれ。
「その勝負、受けて立つ! そして今日こそは俺が勝つからな!」
「わぁ、すごいやる気。これは楽しみだねぇ」
対する綾は余裕綽々。涼しげな笑みを崩さぬままだ。
人の良さが原因なのか、運の無さが敗因なのか。猟兵としてもトップクラスの実力を持っているはずの梓は、ここ一番にとてつもなく弱いのだ。
(「「お約束」を外さないって点では、律儀な梓らしいかもしれないねぇ」)
……なんて云ったら、さすがに怒られそう、などと思う綾だった。
「よし、まずは確実に駄菓子ゲット」
「なら俺はもっと狙いにくいものを……あっ!」
「あー」
「三回勝負! 三回勝負だ!」
「往生際わるーい。どっちみち俺が勝つと思うけどねぇ」
「そう云っていられるのも今のうちだぞ、綾!」
更けていく夜に、楽しく響き渡る二人と二匹の声。
勝負の行方は、云うまでもなかったという。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『あやかしきつね『黒檀』』
|
POW : あやかしメダル「あぶらげ妖狐」
妖怪【あぶらげ妖狐 】の描かれたメダルを対象に貼り付けている間、対象に【揚げ物を無性に食べたくなる】効果を与え続ける。
SPD : 骸合体「三尾ノ狐」
骸魂【三尾ノ狐 】と合体し、一時的にオブリビオン化する。強力だが毎秒自身の【あぶらげ】を消費し、無くなると眠る。
WIZ : トリプルぼわんチェンジ
戦闘力が増加する【一尾狐 】、飛翔力が増加する【野衾】、驚かせ力が増加する【すねこすり】のいずれかに変身する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
「おじちゃん、おでんが欲しいのじゃ」
「あいよ嬢ちゃん、具はどれがいい?」
「卵と~、こんにゃくと~、あと、お揚げをたっぷり入れて欲しいのじゃ!」
黒いお耳をひょこひょこさせて、おでんを頼んでいるどこにでもいそうなあやかしきつね。
「お揚げをたっぷりね。じゃあ代金は……」
「お金は持ってないのじゃ」
「え」
ほくほく顔でおでんを受け取ったきつねさんは、目にも止まらぬ速さで逃げていった。
「く、食い逃げだー!!」
またあるところでは、あやかしメダルくじの景品であるメダルがごっそり盗まれてしまったり。
またあるところでは、逃げ回るきつねさんがぶつかったせいで、屋台の食べ物がばら撒かれてしまったり。
「黒と赤の着物を着た、狐の女の子にやられたんだ!」
「焼きそば屋のおっちゃんもかい。うちもいつの間にか景品がぜーんぶ無くなってて」
「なんて迷惑なガキなんだ! せっかくのお祭りで多少羽目を外していいったって限度はあるぞ!」
これには妖怪たちもプンプンだ。とっちめてやろうと追いかけるが、きつねは屋根の上にひょいと飛び乗ったり、やたらとおあげを食べたくなる不思議なメダルをばらまいたりして追っ手を躱してしまう。
「くふふ、お祭り楽しいのじゃ~」
「あっ、あれ、黒檀ちゃんじゃないか!?」
耳に鈴の飾りをつけた後ろ姿を指差して、一人の妖怪が云った。
「ほら、この辺りに住んでるあやかしぎつねさんちの一人娘だよ!」
「なんだって!? 親はどういう教育をしてやがるんだ、全く!」
「ち、違うよ~!」
半泣きになりながら会話に割り入ったのは、黒檀と呼ばれたきつねと同じくらいの歳の女の子だ。
「私、黒檀ちゃんと一緒にお祭りに来てたの。そしたら黒檀ちゃんをなんか変な光が呑み込んで……気づいたら黒檀ちゃんがいきなり悪さをしはじめたの! 黒檀ちゃんはあんなことする子じゃないよ!」
妖怪たちは顔を見合わせて、合点がいったようにうなずき合った。
「骸魂に呑まれちまったのか」
「ってことは、やっぱとっちめて黒檀ちゃんを吐かせねえと」
「どうやって追いつめる?」
「俺達じゃ無理だ」
「ああ、こんだけ大規模な祭りだったら、こないだのどえらい強大な妖怪をとっちめた人たちが来てるかもなー! どっかにいねえかなー!」
最後の言葉は、仲間内で話し合っているにしては明らかに大きかった。
つまりこう言いたいのである。お客さんの中に猟兵はいませんかー!
============================
プレイング受付:11/8(月)朝8:31~
============================
曲輪・流生
(猟兵はいませんか?と呼ばれ恐る恐る)
あの僕も一応猟兵なのですが…何かできることはありますか?
はろうぃん楽しいですもんね。
骸魂さんが参加したがるのも分かります。
ですが皆さんに迷惑をかけてしまうのは良くありませんよ?
UC『愛すべき龍』を無意識に発動
ほらこれ僕の憧れの西洋親分をモチーフにしたソフトクリーム。貴方も食べてみませんか?
あ、お代は僕持ちで。
飲み込んだ妖怪さんだってはろぃんを楽しみたかったはずですから。
貴方が満足したらその子にも楽しませてあげて下さい。
●
おずおずと手を上げる少年が一人。
「あの僕も一応猟兵なのですが……何かできることはありますか?」
可憐とさえいえる曲輪・流生(廓の竜・f30714)の言葉に妖怪たちは一瞬目を丸くしたが、すぐに黒檀を視線で示して云った。
「あの子を捕まえてとっちめて欲しいんだ!」
「とっちめて……」
物騒な言葉に流生は身を強張らせる。なるほど、確かに彼女は祭り会場にいる皆に迷惑をかけているし、一番迷惑をかけられているのは乗り移られた黒檀という少女だろう。
いつまでもこのままにしておけないのは確かだし、以前ほどの力はなくとも人の願いを叶えたいと望む流生にとって、彼らの願いを無視することなどできない。
けれど。
(「このまま、暴力でお別れなんて……なんだか悲しいです」)
やり方は褒められたものではないけれど、きっと骸魂だってお祭りを楽しみたかったはずだから。
「……あの」
警戒されないような距離から、流生は声をかける。手にはきらりと光るものが握られていて、きつねは訝しむ様子で目を向ける。
「ほらこれ僕の憧れの西洋親分をモチーフにしたソフトクリーム。貴方も食べてみませんか?」
「なっ、わ、わらわは食べ物でつられたりなんてしないのじゃ」
なんていうきつねだけど、黒い尻尾は明らかにそわりそわりしている。
「お金のことは心配しないでください。僕、少し多めに持ってきていたので」
根っからのお人好しな流生である。お金が無くて困っていたんですよね、と向ける優しい笑みに、きつねは耳をぴくりとさせた。
「う゛~……美味しそうなのじゃ」
「溶けてしまったら悲しいですから。ね、ぜひ召し上がってください」
黒檀はおろか、流生本人も気づいていない。微笑みかける紫の双眸には、ソフトクリームみたいに人の心をとろかせる優しい力が宿っていることに。
結局黒檀は降りて来て、しゅばっとソフトクリームを流生の手から奪うように持って逃げ去ってしまう。
「あっ、逃げた!!」
妖怪たちはすぐさま後を追いかける。逃げ回りながらも一生懸命ソフトクリームを食べる黒檀の姿に、流生はふふっと笑みを漏らした。
彼女が下りてきた時、流生はこう語りかけたのだ。
「飲み込んだ妖怪さんだってはろぃんを楽しみたかったはずですから。貴方が満足したらその子にも楽しませてあげて下さい」
すぐに彼女はソフトクリームを奪って行ってしまったけれど、彼女が思い悩むように目を逸らすのを流生は見逃さなかった。
――きっと、あの子もわかってくれる筈です。そう流生は笑みをひとつ、彼女を見守り続けていた。
大成功
🔵🔵🔵
クラウン・メリー
【軒玉】
清史郎!見て見て!
あそこに黒檀がいるよ!
待て待てー!……むむ、そっか!
何か興味が惹かれることをしたら来てくれるかな?
ね、ね!清史郎!いっしょに芸しちゃう?
清史郎の舞いとっても素敵だったから
きっとね、黒檀も来てくれるかもしれないっ!
――さあさあ!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!
桜のまほうを披露しちゃうよ!
何の仕掛けも無いシルクハットを叩けばあら不思議!
花びらがいっぱい!
清史郎に向って花を飛ばす
わあ!狐さんいっぱい!さめさめ!可愛いっ
もふん
今日は無礼講!
けど、一人で悪戯をするより
みんなで踊って笑った方が楽しいと思うからっ
ほら、君もいっしょに騒ごう?
ふふー、悪戯よりもっと楽しくさせちゃうよ!
筧・清史郎
【軒玉】
親分スイーツ全制覇も難なく成し、にこにこ御馳走様すれば
おお、クラウン、黒檀発見だな
さて、食後の運動に鬼ごっこだな
俺は鬼は得意だ(微笑み
だが、宴を楽しむ者達の中だ
捕まえる策があれば、より良いが…
おお、それは名案だ、クラウン
クラウンの笑顔も楽しい魔法の様だからな
きっと誘われるはず
クラウンの声に合わせ、俺も満開桜を掌に咲かせ舞わせよう
使い魔のさめさめ達も沢山呼ぼうか
同じ狐ゆえに、遊びたいと興味を示すかもしれないし
大勢で賑やかに踊った方がきっと愉快だ
ああ、悪戯よりもずっと楽しいぞ
ダメ押しに、とっておきの魔法を披露しよう
屋台で購入しておいたお揚げをぱっと取り出し渡して
ほら、悪戯っ子を捕まえたぞ
●
親分スイーツ全制覇を難なくこなし。
両手を合わせてのご馳走様もばっちり。
舞とダンスで、場を盛り上げることだって大成功。
となれば残されたやるべきことは、あともうひとつ。
「清史郎! 見て見て! あそこに黒檀がいるよ!」
クラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)の指差す方向には、ぴょんぴょんと身軽に追っ手を躱す黒きつねの姿。
「おお、クラウン、黒檀発見だな」
黒檀は狐らしく変身能力や人を化かす力を持っているようだ。今のところはせいぜい度の過ぎた悪戯をするくらいで怪我人は出ていないが、このまま放っておけばどうなるかもわからない。
「さて、食後の運動に鬼ごっこだな」
鬼は得意だと、清史郎はふわりと微笑む。
「待て待てー!」
こちらは身軽さに定評のあるクラウンが、曲芸めいた動きで彼女を追いかける。
その後ろにつきながら、清史郎がふと思いついたように呟いた。
「だが、宴を楽しむ者達の中だ。捕まえる策があれば、より良いが……」
「……むむ、そっか!」
人ごみに紛れられてしまったら追いかけるのも大変だし、被害も大きくなってしまう。それは避けがたい。
「何か興味を惹かれることをしたら来てくれるかな?」
うーんと考え込んでいたクラウンが、何かを思いついたようにぴこんと羽を震わせた。
「ね、ね! 清史郎! いっしょに芸しちゃう?」
「芸か……」
「清史郎の舞いとっても素敵だったから、きっとね、黒檀も来てくれるかもしれないっ!」
「おお、それは名案だ、クラウン」
クラウンの提案に、それに、と清史郎は続ける。
「クラウンの笑顔も楽しい魔法の様だからな。きっと誘われるはず」
「えへへ、ありがと!」
にぱっと笑うクラウンは、やっぱり清史郎の眼には魔法使いのように映るのだった。
「それじゃあね、俺は――」
「いいな。では俺は……」
息の合う二人、咄嗟の打ち合わせだってばっちりだ。これならいけそう! と頷きあって、まずはクラウンが声を張る。
「――さあさあ! 寄ってらっしゃい見てらっしゃい! 桜のまほうを披露しちゃうよ!」
「魔法?」
「まあ、何かしら?」
道行く人々が足を止め始める。追いかける妖怪たちを躱しつつ身を潜めていたはずの黒きつねも、ほら。建物の影から、ぴくりと揺れる尻尾がはみ出ていた。
クラウンは手にしたシルクハットを縦に横にくるりと回し、何の仕掛けもないことを示してみせる。
「一瞬だからね、目を凝らしてよーく見ててね……」
観客たちの視線を惹きつけるべくシルクハットを手で示しながら、清史郎は密かに見守っている。黒檀がこっそりと顔を出し、目を輝かせてこちらをじいっと見つめているのを。
クラウンがシルクハットを軽く叩く。すると、帽子に収まりきらないほどの桜吹雪が一斉に吹き出してきた。
「わあ!」
「すごーい!」
この世界にも幻朧桜はあるようだけれど、それはほんの一部。基本的には春のごく短い間にしか見られないはずの花に人々は声を弾ませる。
素敵な魔法はまだまだ続く。たくさんの花びらは清史郎に降り注ぎ、まるで桜が宿ったかのように、彼の掌から満開の桜が咲き誇った。
「どうなってるの!?」
子供のはしゃぐ声。桜を纏った清史郎は、そのまま桜の花びら躍る中を舞い始める。その周辺を、翼を生やした仔狐たちがくるくると楽しそうに回っていた。清史郎の使い魔である氷雨、通称さめさめ達だ。
「わあ! 狐さんいっぱい! 可愛いっ」
クラウンが微笑むと、さめさめは得意そうな様子で彼に近寄ってすり寄ってきた。
「さめさめ! 撫でていいの?」
どこまでも指が沈んでいきそうな触り心地に、クラウンの笑顔もますます深くなる。
「ほわー……可愛いのじゃ、綺麗なのじゃ」
戯れる狐や桜の舞に、黒檀が尻尾をぴるぴるとさせていた。
清史郎の舞に合わせてクラウンが手持ちの楽器を奏でれば、周りの妖怪たちも一緒になって踊りだす。
「楽しそうなのじゃー……」
未だ隠れているつもりの黒檀へと、二人は笑いかける。びくりと身体を強張らせる彼女の緊張を解くように。
「今日は無礼講! けど、一人で悪戯するより、みんなで踊って笑った方が楽しいよっ」
「ああ。大勢で賑やかに踊った方がきっと愉快だ。悪戯よりもずっと楽しいぞ」
「悪戯よりも……」
ふるふると黒檀は首を横に振る。
「いやいや、わらわは骸魂らしく、みんなを困らせたり邪魔したりせねばならんのじゃー!」
「そうか……」
ならば、と清史郎はとっておきの魔法を披露する。何もない所からぱっと取り出したのは、屋台で購入しておいたまだまだあつあつのお揚げ。
「あーっ、お揚げなのじゃー!」
先ほど変身で体力を消耗していた黒檀は、たまらず駆け寄ってぱくり!
「ほら、悪戯っ子を捕まえたぞ」
「ひ、ひまったのじゃ~」
慌てつつもちゃっかりお揚げをもぐもぐする黒檀に、クラウンはくすくすと笑みを漏らし。
「ほら、君も一緒に騒ごう? ふふー、悪戯よりもっと楽しくさせちゃうよ!」
ぅーん、と悩む黒檀だけど、直後、あやかしメダルをクラウンにぺしりと飛ばして走り去っていってしまった。
「ダメだったかぁ」
俺もまだまだかな、としょんぼりするクラウンだけど。
「そんな事はないと思うぞ」
あぶらげ妖狐メダルを張りつけられたクラウンにもお揚げを勧めつつ、清史郎はにこりと笑んだ。
「クラウンの魔法に瞬きも忘れて見入っているようだったしな。こうして何度か誘っていれば、また現れてくれるかもしれない」
「そっかあ。そうだといいな」
すぐに笑顔振り撒くピエロの顔に戻ったクラウンに、子供妖怪が声をかけた。
「お兄ちゃん、またまほうやって!」
「いいよー! じゃあ今度はねえ……」
またひとつ生まれた笑顔。どこかできっと、黒檀も見ているに違いないから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
和田町・いずみ
電脳魔術士×バトルゲーマーです。
大人しい18歳の女性で、何かに熱中すると猪突猛進します。
天然クールで少々ポンコツです。
基本的口調は一人称は私、相手に対しては~さん付け、です、ます、でしょう、でしょうか?と穏やかで丁寧な話し方。
電脳魔術でハッキングするのが得意。
酔うとふらついきます。
趣味は鉄道が好きな乗り鉄です。
アドリブ・連携は大歓迎。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
南瓜通りを歩く車掌さんが一人。帽子やバッグをハロウィン仕様にした眼鏡の車掌さんは、自他ともに認める電車好きの和田町・いずみ(人間の電脳魔術士・f07456)である。
「カクリヨファンタズム……この世界なら、UDCアースではもう動いていないような懐かしい電車もたくさん見られそうですね」
郷愁溢れるこの世界。十八歳のいずみが本や写真の中でしか見た事がないような電車もきっといっぱいあるに違いない。それが何よりいずみの胸を高鳴らせた。
模型や写真も悪くはないけれど、電車は実際に乗る事が醍醐味だといずみは考えているからだ。いわゆる乗り鉄というやつである。
彼女にとってもうひとつ朗報があった。連日連夜お祭り騒ぎなこのシーズンでは、様々な路線が夜遅く、或いは一日中運行しているのだという。
「事件を解決してからでもたくさん楽しめそうですね。気になる路線はピックアップしておかないと!」
乗り鉄の使命感に眼鏡をくいっと上げつつ、猟兵の使命感でいずみは黒檀と対峙する。
「そこの妖怪、止まりなさ~い!」
「捕まらないのじゃー!!」
両手を広げて黒檀を捕まえようとするいずみだが、器用にするりと躱されてしまう。
「あっ、こら、待ちなさーい!」
「いやなのじゃ~!!」
するり。するり。このままではらちが明かない。
「ああ、なんてこと……。こんな時、私が三人いればいいのにー!」
「そんな事起こる筈がないのじゃ……のじゃ!?」
いずみの嘆きを鼻で笑おうとした黒檀はびっくり仰天。なんとその瞬間、本当にいずみが三人になっていたのだから!
「は、反則なのじゃー!」
途端に涙目になる黒檀を、三人のいずみは息を合わせて挟み撃ち。
「無賃乗車、もとい無銭飲食はいけませんよ! 覚悟!」
「うわーん! ……なーんて」
ぺろりと舌を出した黒檀は、あぶらげをぱくり、ぽわんと三尾ノ狐に変身。いずみの分身たちを蹴散らしていく。
「! 強い……!」
「にゃははー! わらわの力を思い知るのじゃー! このまま全員倒して……はっ眠気が」
強力な力の代償にあぶらげを食べ過ぎたのか、お腹いっぱいになった黒檀は目をこすりこすり。視界には吹っ飛ばされて傷を負いながらも立ち上がる二人のいずみと、こちらを睨みつけてくる本物のいずみ。
「し、仕方ないのじゃ! 今日の所はこれで勘弁してやるのじゃー!」
「あっ待ちなさーい! 待ってくださーい!!」
文字通り尻尾を撒いて逃げ出すきつねと、追いかけるいずみ達。逃走劇はまだまだ終わらない。
大成功
🔵🔵🔵
ティフティータ・トラーマ
SPD
「ふうん、あの可愛い娘が予知に出てた娘かしら?」
祭り会場を引っ掻き回す狐少女を、微笑ましげに見ていたが
「このまま遊ばせてあげたくもあるけど…そろそろ止めた方がよさそうね。」
そろそろ悪戯で済まなくなってきた所で、捕まえようと近づいて
「っと、尻尾が増えた?確か多いほど厄介なモノだったわよね。アレが媒介になってるみたいだけど。」
変身?した黒檀ちゃんの様子に、面倒なのが憑いてるみたいねと思いつつ
UC「シーブズ・ギャンビット」に併せて、黒檀ちゃんのあぶらげを盗もうとします。
トドメが取れたら、「子供はおねむの時間よ。」と眠った黒檀ちゃんをお姫様抱っこで確保します。
●
「ふうん、あの可愛い娘が予知に出てた娘かしら?」
祭り会場を引っ掻き回し、猟兵からもあの手この手で逃げ回る狐少女。
そんな少女を微笑ましげに見守るのは漆黒翼の踊り子ティフティータ・トラーマ(堕天使の剣舞暗殺者・f29283)。
「このまま遊ばせてあげたくもあるけど……」
彼女が逃げ回るたびにあちこちでトラブルが起きて、追いかけ回す妖怪の数も増えてきている。
「……そろそろ止めた方がよさそうね」
屋台の屋根を踏んづけて、民家の上へと飛び乗って逃げ回る黒きつね。ティフティータは助走をつけることも、何かを足場にすることもなく、軽いジャンプひとつで黒きつねの側へと跳躍した。
「ぴゃっ!?」
「お嬢さん、鬼ごっこが好きなのかしら? 私とも遊んでくれる?」
「もちろん! でもわらわは絶対に捕まらないのじゃ~」
ひらりと身を翻す黒檀の尻尾が、いつの間にか三つ又に増えている。彼女自身の容姿も心なしか狐に近づいていて。
「っと……」
いきなりつむじ風のような衝撃波が吹き荒れて、ティフティータの黒髪を揺らす。僅かな隙をついて、黒きつねはあっという間に数軒先の屋根の上まで飛び乗っていた。
「あの尻尾、確か数が多いほど厄介なモノだったわよね。アレが媒介になっているみたいだけど」
何やら面倒なのが憑いてるみたい。嘆息するティフティータではあるが、所詮そこらの骸魂だ。数千年を生きる堕天使の敵ではない。
準備動作のような軽いステップ。ティフティータの腕や腰元の飾りがしゃらんと音を立て――直後、神速の如きスピードで黒きつねへと迫る。
「きゃー!!」
黒きつねの悲鳴が辺りに響き渡った。きっと自分は捉えられ、倒されてしまうのだろう。ぎゅっと目をつぶる黒きつねだが、覚悟していたはずの衝撃も痛みも、一向に訪れる気配がない。
恐る恐る目を開けた黒きつねが目にしたのは、彼女の大好物であるあぶらげを手にした踊り子の姿だった。
「ふふ、あなた、これが無いと力が出ないのでしょう?」
きつねは弾かれたように腰下に手をやる。尻尾がいつの間にか一本に戻っていた。
「ふぇ……」
力を使い果たして倒れ込む黒きつね。その身体が屋根から落ちそうになるのを、ティフティータの腕が優しく抱きとめる。
「さ、子供はおねむの時間よ」
そのままお姫様抱っこで確保しようとした、のだが。
ばっ、といきなり跳ねるように身を起こした黒きつねが、そのままティフティータを振りほどいて走り去ってしまった。
「あら、眠っていたんじゃなかったのかしら?」
その後ろ姿には、尻尾は三本。なるほど、どこかに予備のあぶらげを隠していたのかもしれない。
「これは一本取られたわね」
少女の意外なしたたかさに、ティフティータはむしろ愉快そうに微笑んでいた。
大成功
🔵🔵🔵
小雉子・吉備
【蛟】
皆と遊びたい為に骸魂が呑み込んだ なら、キビ達が追いかけっこに付き合って
ある程度発散させた方が
あっ、良いギャグ思い付いた!
霓虹ちゃん回りに被害が出ない様
に援護宜しくっ!
[POW]
攻撃や妖怪メダルを【第六感】で【瞬間思考力&見切り】【空中機動】で回避し【空中戦】で駆け
【動物使い】で〈なまり&ひいろ〉ちゃん達に指示
〈雉鶏精の羽針〉と【高速詠唱】の〈スロウフールハウル〉の【弾幕】放ち【念動力】操作し退路塞ぎ
渾身のギャグ(UC攻撃力重視)を
【高速詠唱】で黒檀ちゃんへ
黒檀ちゃんの名前と掛け
今、虚空を駆ける状態と説く
「虚空駆けた黒檀ちゃん
こーくう(黒檀と虚空)ったっ!」
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
蒼・霓虹
【蛟】
確かに発散させるのは
骸魂を弱めるのに良い手かも
知れませんが
良いギャグ……まさか
[POW]
【高速詠唱】UC発動〈彩虹(戦車龍)〉さんを【空中戦&推力移動&空中浮遊】で【操縦】
【高速詠唱】で【属性攻撃(油揚げ)&結界術&オーラ防御】込めた〈レインボークローバー〉【弾幕】展開
【念動力】操作し進路妨害と足止め
【第六感】で【瞬間思考力&見切り】弾幕で攻撃や妖怪メダルを【盾受け&ジャストガード】
吉備ちゃんが禁断の秘技発動時は
技能付与してた〈レインボークローバー〉で【念動力】操作し
支援機ごと閉じ込め周囲の被害を
吉備ちゃんのギャグ……わたしは面白いとは思うんですが一般人には
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
●
投げつけられるあぶらげ妖狐のメダルを、飛んで躱す。
雉鶏精の小雉子・吉備(名も無き雉鶏精・f28322)はその翼で空を舞い、虹龍の蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)は相棒のスーパーロボット彩虹を操縦して黒檀を追いかけ続けている。
あぶらげ妖狐メダルは、それそのものに攻撃力があるわけではないようだが、ぺたんと身体に貼りついたが最後、無性に揚げ物を食べたくなってしまうのだという。
「ここは誘惑がいっぱいですものね。なんとかメダルを避け続けないと」
唐揚げに、揚げカステラにと揚げ物満載の屋台を見下ろしながら霓虹は呟く。
「それにしても、あの骸魂は皆と遊びたい為にあの子を呑み込んじゃったんだよね」
と、吉備。
「なら、ただ捕まえるだけじゃなくて、キビ達がある程度発散させてあげた方がいいんじゃないかな」
「確かに発散させるのは、骸魂を弱めるために良い手かもしれませんね」
二人から逃げ続ける黒檀は時折振り返り、あやかしメダルを投げつけてくる。その顔は、心なしか最初よりも生き生きしているようにも見えた。一般妖怪よりも丈夫な猟兵相手に、思いっきり“遊んで”いるのが効いているのかもしれない。
「追いかけっこもなかなか楽しんでもらえているようですが」
「あっ、良いギャグ思いついた!」
ぽん、と吉備が両手を合わせた。
「良いギャグ……まさか」
「そのまさかだよ! 霓虹ちゃん周りに被害が出ないように援護宜しくっ!」
翼をはためかせ、吉備が速度を上げて黒檀へと迫る。
「吉備ちゃんのギャグ……わたしは好きですが」
――残念ながら、その……控えめに云っても、万人受けするものではないんですよね。
なんて零しつつ、霓虹は彩虹を駆って二人を追いかける。
「これでもくらえー!」
しゅばばばっと連続で放たれるあぶらげ妖狐メダルを、霓虹の放つ虹色クローバーの魔法弾幕が撃ち落していく。
「なまりちゃんとひいろちゃんも宜しく!」
吉備の翳したカードから、青色の柏犬と赤色の猿が現れて、弾幕を掻い潜ってきたメダルを前脚や尾で弾き落とした。
「ううう~……」
せっかく集めてきたあぶらげ妖狐メダルを尽く弾かれ、黒檀は歯噛みする。
「こうなったら逃げるが勝ちなのじゃ~!」
黒檀は攻撃を中断し、無我夢中で駆けだした。彩虹の最高速度でも追いつけるかという恐るべきスピードだ。
だが。
吉備の髪の毛が変化した雉鶏精の羽毛と、魔法弾幕「スロウフールハウル」が黒檀へと放たれる。伝説に伝わる雉鶏精とまではいかずとも、少しばかり時間に干渉出来る吉備の魔力。雉鶏精の羽が黒檀を掠め、その時間を鈍重にしていく。
「あ……あれ?」
そのからくりを知らない黒檀にしてみれば、余裕で引き離していたはずの相手がいきなり速度を増して追い付いてきたようなものだ。疑問符だらけの彼女に、飛翔して距離を縮めながら吉備はにっこりと声を張り上げる。
「黒檀ちゃんの名前と掛け、今、虚空を駆ける状態と説く!」
「え? え??」
吉備は相変わらずにこにこと黒檀に笑みを向けている。
その後ろでは霓虹がレインボークローバーの弾幕に干渉し、周辺を護るように取り囲んでいる。
「これだけ護りを貼れば大丈夫でしょうか。吉備ちゃんの禁断の秘技が、周辺に被害を及ぼさないようにしないと……」
黒檀の顔が強張る。今なんて云った? 禁断の秘技?
「そ、そんな恐ろしい技を持っているのかえ……?」
おそるおそる、吉備を見る。微笑む少女からは殺気の欠片も感じられないが、それこそ罠かも知れない。ごくり、と唾を呑み込んだ。
「ええと、そうじゃ……そちの言葉の合いの手を、わらわは知っておるぞ」
何とか気を逸らせたい黒檀は、冷や汗をだらだら流しながら云った。
「確かこう云うのじゃ。“その心は?”」
にっこり、吉備が笑みを深める。その言葉を待っていたというように。
「虚空駆けた黒檀ちゃん、こーくう(黒檀と虚空)ったっ!」
「…………」
「…………」
「…………え?」
思わず声を漏らす黒檀。目の前の雉羽の少女は相変わらずにこにこと微笑んでいる。随分自信に満ち溢れているが――。
(「お、面白く、ない」)
(「……ああ、やっぱり」)
呆気に取られている黒檀の様子に、霓虹は溜息を漏らす。霓虹は悪くないと思うのだけれど――吉備のギャグは、他の人にはあんまり評判がよくないのだ。というよりも、はっきり『刻が凍る』とまで形容されてしまった事さえある。
(「皆が寒い思いをしてしまっては申し訳ないですし」)
しかし、ある意味黒檀には効果絶大だったようだ。逃げるのも忘れて呆然としているし。
「黒檀ちゃん、つーかまえたっ」
すかさず吉備が彼女の肩をがしっと掴む。
「『つーか』まえたっ『つーか』、あやかしメダルで攻撃って『チョイス』は良かったけど、『チェイス』はキビ達の勝ちだね~……あれ?」
黒檀の肩を掴んでいたはずの手が、しゅるりと宙を切った。
「ほわ~! 危なかったのじゃ、あんな空間にずっといたら凍え死んじゃうのじゃ~」
得意げにギャグを披露する吉備の隙をつき、命からがら逃げだした黒檀は、遠く遠く離れていった。
氷みたいに寒いギャグは、もうこーりごり!?
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
キール・グラナドロップ
黒うさぎさん(f28253)と!
あわわ、せっかくの楽しいお祭りで悪いことしたらダメだよー!
悪いことさせるような骸魂さんは、影くんに食べてもらっちゃおうねえ
って、黒うさぎさんまだ食べる気なのお?!
あっ、使ってるのこの前の戦争の時に見たのに似てるやつだ!(キャッキャ
えっとね、ノブスマ? さんに化けた狐さんを黒うさぎさんがババババって追い詰めてくれた所を【影の沼へようこそ】で動きを止めて【捕縛】してするね! そのまま骸魂さんを影くんに【捕食】してもらって引き剥がそうとしてみよっか! お願いね!
い、いえーい?(戸惑いつつおずおず片手を合わせてみる
ザクロ・シャハブ
キー(f14289)といく
『そうだそうだー悪いことだ。(もごもご)…さっさと捕まえて影の腹が膨れたら、またスイーツ巡りだ。なにせまだ人参スイーツを食べていない』
俺は敵をキーが拘束してくれるポイントまで誘導して打ち落とす役
キャロリング・ポッカンで【誘導弾】を使ってポイントまで誘導して、近くになればUCを発動。選ぶのは命中力だ
念のためキーや罠がバレないように俺の両肩にペンライトをつけて【悪目立ち】
『ここまでご苦労。俺はバトンタッチだ。』
『悪戯はほどほどにな』
敵の攻撃は人参好きを【限界突破】させて無力化を謀る
『俺は人参派だっ
!!!!』
『ナイスキー。ハイタッチイエーイ』
タッチしてくれて耳をぴこぴこ
●
屋根の上を走って、跳んで。逃げて逃げて、黒檀は振り返る。
追いかけてくる猟兵を撒いても撒いてもまた新しいやつらが現れる。圧倒的大ピンチだが、黒檀はくふふと悪戯っぽく袖で口元を隠して笑う。
「一生懸命なやつらをからかうのは愉快じゃの~」
「あわわ、せっかくの楽しいお祭りで悪いことしたらダメだよー!」
「そうだそうだー悪いことだ」
「ん、また新たな追っ手かの?」
聞き覚えの無い声に黒檀は振り返る。声は二つ。けれど追いかけてくるのは兎耳の青年が一人。はてと首を傾げた黒檀だが、数秒遅れて気が付いた。青年ことザクロ・シャハブ(懐中兎計・f28253)の隣には、ちいさな身体のフェアリーが飛んでいたのだ。キール・グラナドロップ(影に縋る者・f14289)だ。
「悪いことさせるような骸魂さんは、影くんに食べてもらっちゃおうねえ」
やる気に満ち溢れた様子で云うキール。お祭りをめちゃめちゃにする骸魂をやっつけられるだけでなく、大切な大切な“影くん”のお腹を満たせるとあらば当然だ。
ザクロは先程のスイーツプレートの残りらしいクレープを口に運びつつ、まさに兎のような身軽さで黒檀を追いかける。
「さっさと捕まえて影の腹が膨れたら、またスイーツ巡りだ」
「って、黒うさぎさんまだ食べる気なのお!?」
「当たり前だ。なにせまだ人参スイーツを食べていない」
「あっ、そうだねえ」
通りにはたくさんのスイーツ屋台が並んでいるし、しかも人参はオレンジ色、ハロウィンにはうってつけだ。ケーキにスコーン、さぞ美味しい人参スイーツに出逢えるに違いないと、ザクロは無表情の上で期待に兎耳をぴこぴこさせる。
「わらわを捕まえて食べる気かえ? それは嫌なのじゃ」
ばっと黒檀が両手を広げる。振袖がまるでムササビの被膜のように変化し、屋根を蹴って飛翔した彼女はそのまま滑空して飛び去って行く。
「逃がさない」
ザクロが構えるのはニンジン型のガトリングガン。可愛らしい見た目を裏切らず、飛び出すのは銃弾ではなくポン菓子型の弾。
「あっ、この前の戦争の時に見たのに似てるやつだー!」
カクリヨらしい武器に、キールは無邪気に声を弾ませる。
銃撃の雨を、黒檀は振袖の被膜を動かしてひらり、ひらりと躱していく。多少の追尾性能も、直前に避けてしまえば真価を発揮できず。獲物に届かずに落ちたポン菓子がぽぽぽんと爆ぜる音が辺りに響き渡った。
「こんな武器、わらわの変化術には効かぬのじゃ~」
実際には、ザクロは囮だ。彼女の注意を惹き、キールの張り巡らせた罠から気を逸らすための。
だからザクロは敢えて目立つように両肩にペンライトをつけて自分の居場所を誇示し続けていたし、銃撃を躱された今も敢えて悔しそうに歯噛みをしてみせた。
「くっ、俺のキャロリング・ポッカンが効かないとは……」
やっぱり無表情だったが、悔しそうな様子は黒檀にも伝わったようだ。してやったりというふうにくふふと笑う黒檀は、ザクロの誘導弾に徐々に進路を狭められている事に気が付いていない。
ザクロからたっぷりと距離を置き、銃撃が届かないように建物の裏に降り立つ黒檀。そこは月明かりと会場の照明が充分に降り注ぐ場所であり、彼女の足元にはくっきりと影が刻まれていた。
「ふ~、今回の奴も大したことなかったのじゃ」
一息つく彼女の影が、ずぷり、と粘着質な音を立てる。
「なっ……!」
「――ここまでご苦労。俺はバトンタッチだ」
ザクロの声。影はいつの間にか底なし沼のように彼女の足を捉え、更にそこから触手が這い出てくる。
「っ、くぅ……!」
まだ動く右手で、黒檀があやかしメダルを放つ。ぴしり、とザクロの額にあぶらげ妖狐のメダルが貼りついた。
これであのウサギはあぶらげが食べたくて仕方がなくなってしまう。この影はおそらくウサギではなくもう一人の妖精のほうの術だろうが、相棒が窮地に陥ったとあらば術を解かずにはいられない筈――!
「残念だったな」
真顔のまま、ザクロはあやかしメダルをべりっと剥がした。
「なっ、効かぬじゃと!?」
「何故効かないか不思議そうだな。教えてやろう。俺が――人参派だからだっ!!!」
「そんなばかな~
!!!!」
悔しそうに両手を振り回す黒檀に、影から這い出た触手が迫る。
「影くん、全部食べたらダメだよ。骸魂さんだけを引き剥がしてね」
お願いね、と手を合わせながら飛んでくるキールに向けて、ザクロは手を掲げる。
「ナイスキー。ハイタッチイエーイ」
「えっ、い、いえーい? ……こう、かな?」
真似しておずおず手を合わせるキール。乗ってくれてザクロはご機嫌に耳をぴこぴこさせた。
そんなはーとふるな触れあいの横では、今まさに触手ががばりと口を開き、骸魂を呑み込もうとしていた。
「ひっ……い、嫌じゃああああ!」
ぽわん、と煙幕があがり、黒檀の姿が子犬のような姿に変化する。小さなすねこすりになって影の捕縛を逃れた彼女は、そのまま一目散に逃げていった。
「あっ、待って~!」
「なかなかしぶといな……」
命の危険を感じたらしい彼女の本気の逃げ。その姿はあっという間に見えなくなってしまっていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
双代・雅一
雪音さん(f17695)と
いや、医者の呼出かと
苦笑しつつツッコミ
どちらでも俺は呼ばれる事になるけどな
助けてあげよう、居合わせたなりに
元気なのは良いけど悪戯が過ぎるな
使うUCは氷の矢
先に頼むな、雪音さん
彼女の攻撃と合わせて攻撃、狐のお嬢の動きを止めるのがまず先決
足元に矢を当てて凍らせてやろうか
取り憑かれてしまったお嬢さんを思うと、なるべく手荒な真似は避けたいけども…
一尾狐で向かってくるなら雪音さんを庇う様に槍を手にし受けて
野衾で飛ばれても俺の氷の矢なら届く
すねこすり…!(驚く前に可愛さに固まる)
…ダメだ冷静になれ俺。冷酷さも時には必要だ…!
雪音さんの言葉にそうだな、と頷きつつ氷矢の攻撃を再開、と
御乃森・雪音
雅一(f19412)と
分かりやすく呼ばれた感じがするわねぇ
まあ、通りがかりに飲み込まれちゃったとか、可哀想過ぎて助けてあげたい気にはなってるけど
La danza della rosa blu
素早そうだから動きを止めるのが前提の感じで
屋根を走ろうが何をしようが、次のパートナーは貴女
くるりとターン、ぴっと指をさして青薔薇の鎖を向けて
雅一と合わせて、早めに解放できるように頑張るわ
攻撃したら見た目変わるのかしら
どうなっても良いけど、空を飛ばれると厄介ね
(庇われて)…ありがと、頼りになるお兄さんがいてくれて助かるわ
…って、うん、雅一はちょっと落ち着きましょ
可愛いけど、解放しちゃ駄目なヤツだからねアレ
●
お客さんの中に猟兵はいますかー!(意訳)だなんて。
「分かりやすく呼ばれた感じがするわねぇ」
ほのぼのと笑う御乃森・雪音(La diva della rosa blu・f17695)に、隣の双代・雅一(氷鏡・f19412)も苦笑する。
「いや、医者の呼出かと」
どのみち、猟兵であり医者でもある雅一は呼ばれることになるのだが。
「まあ、通りがかりに飲み込まれちゃったとか、可哀想過ぎて助けてあげたい気にはなってるけど」
云われなくてもね、と微笑む雪音。ああ、と雅一も頷く。
「助けてあげよう、居合わせたなりに」
運の悪い狐っ子の姿を借りた骸魂は、猟兵達の追っ手を掻い潜り、ついでに屋台の食べ物を持ち去って堪能したりとやりたい放題の様子だ。
「……あの黒檀って子が犯人じゃないって、証明してくれる子がいて本当に良かったわねぇ」
彼女が骸魂に乗っ取られてから、せいぜい一時間程だろう。その間にどれだけの恨みを買っているやら。友人と一緒に来ていなかったら本当に目も当てられない事になっていただろうと、雪音はため息をついた。
「元気なのはいいけど悪戯が過ぎるな」
雅一も似たような事を考えていたようだ。翳した手の周辺、空気中の水分が凍って無数の蒼氷矢が形成されていく。
「先に頼むな、雪音さん」
「ええ」
逃げる黒檀へと、雪音は躍るように軽やかなステップで距離を詰める。
「次のパートナーは貴女ね。一緒に踊りましょ?」
頭の青薔薇揺らして踊る雪音は、まるで彼女自身が一輪の青薔薇になったかのように美しく。くるりとターンし、伸ばした指先からは青薔薇の鎖が放たれる。
「きゃー! 乱暴なお姉さんなのじゃー!」
黒檀は振袖を被膜のように変化させた野衾形態で空中に身を躍らせるが、パートナーと見定めた者を青薔薇は逃さない。鎖が彼女を捉え、そこに雅一の氷の矢が飛来する。
氷が黒檀の足元から凍結させ、動きを封じていく。捕獲成功かと二人が思った直後、ぼわんと煙が巻き起こり、黒檀が一尾狐の姿に変化していた。
「っ……!」
愛くるしい少女の姿から一転、狂暴な狐の姿に転じた黒檀は、そのまま雪音めがけて飛び掛かってきた。
咄嗟に割り込んだ雅一の白衣のポケットから氷蛇が飛び出し、槍となって狐の牙を受け止め、そのまま薙ぎ払った。吹き飛ばされた狐は地面に着地し、全身の毛を逆立てて低く唸りをあげている。
「……ありがと、頼りになるお兄さんがいてくれて助かるわ」
まともに噛みつかれていたら深手は免れなかっただろう。月明かりに光る牙を見つめながら、雪音が礼を述べた。
「憑りつかれてしまったお嬢さんを思うと、なるべく手荒な真似は避けたいけども……」
雪音に頷きながら、雅一が言葉を濁す。最初の方こそおあげを食べたくなるメダルだの、変化の力を利用しての逃走だの、猟兵とじゃれ合うような攻防戦を繰り広げてきた彼女だが、ここに来て骸魂らしい狂暴性を発揮してきたというところか。
(「彼女を傷つけたくはないが、捕まえ損ねたり雪音さんが怪我をするような事態は避けたい。想定よりも厳しい戦いだが、やるしかないな」)
決意を固めるように、氷蛇槍を握りしめる。と、一尾狐がまたまたぼわんと煙に包まれていくではないか。
「まだ変化を残しているのね。気を付けて……!」
すぐに青薔薇の鎖を放てるように構えながら、雪音が警告する。
「ああ」
煙が晴れていく。そこにいたのは――犬のような猫のような、それでいてどちらでもない、もふっとした生き物だった。
「すねこすり……!」
目を見開く雅一の声は、明らかにちょっぴり上擦っていた。
もふーんとした毛玉、もといすねこすりは、雪音の鎖を意外な素早さで避け、そのままばびゅーんと雅一めがけて突進してきた。
ぶつかった際の衝撃はふわっふわの毛に吸収され、代わりにもっふもふの毛玉が雅一のすねにすりっすり。反撃が来ない事に気をよくしたすねこすりは、そのまますりすりを続行。今日の為に用意した仮装のズボンがすねこすりの毛だらけになってしまうが、雅一は微動だにしなかった。いや、できなかった。
「こんな……こんな子を、攻撃しないといけないのか、俺達は……」
「……うん、雅一はちょっと落ち着きましょ」
雪音が鎖を放つ。今度は命中したものの捕縛には至らず、きゃいんと鳴き声を上げてすねこすりは逃げていく。
「可愛いけど、解放しちゃ駄目なヤツだからねアレ」
まあ、確かに気持ちは……わかるけど。キースホンドを飼っている雪音的にも、あのもふもふはグッとくるものがある。でも、ダメなものはダメなのだ。
「……そうだな」
絞り出すような声で雅一が云う。
(「……冷静になれ俺。時には冷酷さも必要だ
……!」)
常に微笑の奥に本心を隠し続けてきた雅一の、ある意味では先程の破顔に匹敵する珍しさなのではないかとさえ思える苦渋に満ちた表情。それでも決心したように顔を上げ、再び氷矢を繰り出した。
鎖と矢は時にすねこすりへと届き、時に躱され。
結局捉えるまではいかなかったが、彼女を大きく消耗させる事には成功した。
決着の時は、続く猟兵達に引き継がれる事だろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
灰神楽・綾
【不死蝶】
前から気になっていたんだけどさ
骸魂に呑まれた妖怪が悪さをした場合
妖怪本人は乗っ取られただけだから罪には問えないよね
そうなると、被害を受けた屋台の損害賠償はどうなるんだろう?
確かに、武器で斬り刻むのは抵抗があるねぇ
なるべく綺麗な状態で元の妖怪に戻してあげたいし
というわけでUC発動し、紅い蝶の群れを放つ
絵的にもあの子とよく合っているね
骸魂と梓のドラゴンたちが戦っている(?)間
さり気なく蝶たちが触れて、少しずつ眠りへと誘う
楽しい夢を見ながら逝けますように
終わったら、ひっくり返った屋台の片付けの手伝いもしてあげようか
戦うだけが猟兵のお仕事じゃないさ
…なんて台詞、俺が言う日が来るなんてねぇ
乱獅子・梓
【不死蝶】
え、このタイミングでそんなこと考える??
そこはやっぱり、「骸魂損害保険」とかあるんじゃなかろうか(適当
何とコーヒー一杯分の保険料で!みたいな売り文句で(適当
はい!雑談はこの辺にして、やることやるぞ!
とはいえ、ぱっと見はただのやんちゃ娘って感じで
容赦なくこらしめるのは気が引ける相手だよなぁ…
よし、イタズラ好きの骸魂にはイタズラで返すか
何せ今日はハロウィンだしな
UC発動し、ミニドラゴンの群れを召喚
骸魂に突撃させ、尻尾をがじかじしたり
脇腹をくすぐったり…攻撃というか、じゃれつかせる
あとあぶらげを取り出したらすかさず横から奪う
こうしてひたすら時間稼ぎをしていればいずれ眠りに落ちるだろう
●
あやかしきつねを追う、二人の男性。
「前から気になっていたんだけどさ」
と呟いたのは黒ずくめの男性、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)。
「何がだ?」
問いかけるのは白いコートの乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)だ。
「骸魂に呑まれた妖怪が悪さをした場合、妖怪本人は乗っ取られただけだから罪には問えないよね」
「そうだろうな」
「そうなると、被害を受けた屋台の損害賠償はどうなるんだろう?」
「……え、このタイミングでそんなこと考える??」
梓のリアクションは驚きが半分、“どうせそんな碌でもない事だと思った”という慣れが半分といったところだろうか。
「だって、なかなか派手にやってくれてるみたいだし」
綾がざっと見回しただけでも、屋根が踏まれてひしゃげてしまった屋台だの、景品が倒されて壊されてしまった的当て屋だの、食べ物が盗まれた屋台だの、あちこちが彼女の被害を被っているようなので。
「そこはやっぱり、「骸魂損害保険」とかあるんじゃなかろうか」
好奇心で生きているような綾を言いくるめるべく、梓は思い付いた事を適当に述べた。
「骸魂損害保険かぁ」
「そうそう、何とコーヒー一杯分の保険料で! みたいな売り文句で」
「どうでもいいけど、梓も割とどこから仕入れたのか不思議な知識持ってるよねぇ」
コラボカフェは通じなかったのに、と呟く綾なのだった。
「はい! 雑談はこの辺にして、やることやるぞ!」
この話はおしまい! と仕切り直す梓の視線の先には、三つの尾をぶわっと広げてこちらに向き直る少女の姿。
「猟兵、しつこいのじゃ~。わらわの邪魔するならもう許さないのじゃ」
喉をぐるると鳴らしてみたり、いかにも凶悪な獣といったアピールをしては、いるのだけれども。
「とはいえ、ぱっと見はただのやんちゃ娘って感じで、容赦なくこらしめるのは気が引ける相手だよなぁ……」
「確かに、武器で斬り刻むのは抵抗があるねぇ」
「あっ! 今そちら、わらわのことばかにしたな~! わらわは強くてこわーい妖怪じゃぞ!」
長身の二人より頭二つ分は小さい少女が、精一杯背伸びしながらぷんすこ怒って来るのだから、ますます……やりづらい。
「もう怒ったのじゃ、本気出すのじゃ~!」
黒檀の姿をした妖怪はあぶらげをぱくり、こちらに飛び掛かって来た。振袖から覗く白い指の先、鋭く尖った爪が梓を引き裂こうとするけれど。
「よし、イタズラ好きの骸魂には悪戯で返すか。何せ今日はハロウィンだしな」
難なく躱した梓は、無数のミニドラゴンの群れを召喚。
「あのお嬢さんと遊んでやってくれ」
梓の言葉に、ミニドラ達はぱあっと表情を輝かせて黒檀を見つめる。
「なっ、わ、わらわは遊びに来たのではないぞ!」
慌てて否定する黒檀だけれど、遊び相手を見つけたミニドラ達は止まらない。一緒にあそぼ! と飛び掛かって懐にダイブしたり、もっふもふの尻尾をがじがじしてみたり。
「あっ、こ、こら! 脇腹をくすぐるでない~! ふひゅ、ふひゃははは!」
黒檀も一生懸命追い払ってはいるようだが、何せ数が多いのであっという間にもみくちゃにされてしまう。あぶらげドーピングで切り抜けようとしても、ごちそうの気配を察したミニドラに横からぱくりと奪われてしまったりなんかして。
「ああ~、わらわのおあげが~」
すっかりドラゴンたちに意識を奪われている黒檀が気が付いていない。自分の周辺に、いつの間にか紅い蝶が飛び交っていることを。
赤と黒でまとめた少女の周りを、幻影の紅蝶が舞っている様はよく似合っていて、ともすれば蝶が彼女の眷属なのではないかと錯覚させるほどだが――これは綾の術だ。
痛みを感じさせぬ不思議な蝶たちは、少しずつ黒檀の精神に作用し、眠りへと誘っていく。ミニドラ達にじゃれつかれてきゃいきゃい云っていた黒檀は、こくりこくりと船を漕ぎ出した。
「んん、おかしいのじゃ……あぶらげはまだあるのに、眠いのじゃ……遊び疲れてしまったんかのぅ」
不思議がりながら、あぶらげを口に運ぼうとする。けれどその手がだらんと力なく垂れ下がり、あぶらげが地面にぽとりと落ちた。
(「楽しい夢を見ながら逝けますように」)
そんな綾の想いが、届いたのか。
眠りに落ちる彼女の口元は、むにゃむにゃと動きながらも、幸せそうな笑顔の形をかたどっていた。
――しゅるり。彼女を呑み込んだ骸魂が空に浮かんで、消えていった。
●
次に起きた時には元の「黒檀」に戻っているはずの眠る少女の見守りを、周囲の妖怪たちや駆け寄ってきた彼女の友人に頼んでから。
「さて、一件落着だな」
「じゃあ、俺達はひっくり返った屋台の片付けの手伝いでもしていこうか」
綾の提案に、梓はサングラスの奥の眼を丸くしていた。
「どうかした?」
「いや……」
「戦うだけが猟兵のお仕事じゃないさ、ってね」
悪戯っぽく笑う綾に、梓はますます驚いたような顔をして――そして、つられたように微笑んだ。
(「変わるもんだな」)
戦いにしか興味を持たないような男だったのに。
「……なんて台詞、俺が云う日が来るなんてねぇ」
綾にも自覚はあるようで、まるで梓みたい、なんて笑みを返すのだった。
「あ、花火」
幽世の夜空に、色とりどりの花が咲く。
時刻はもうすぐ日付が変わる頃。非常識な深夜の打ち上げ花火も、連日連夜のお祭り騒ぎではむしろ歓迎される様子で。
ますますヒートアップする祭りのためにも、二人をはじめとした有志の猟兵達は、屋台の片付けや再設置などを手伝い始めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵