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【サポート優先】病むのもまた一つの

#カクリヨファンタズム #猟書家の侵攻 #猟書家 #ベンジャミン・バーニングバード #悪霊

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#カクリヨファンタズム
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#猟書家の侵攻
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#猟書家
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#ベンジャミン・バーニングバード
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#悪霊


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 ※こちらはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)


「くくく……これまでのぼくと思わないでくれ。
 以前のぼくは、いわばゆるキャラ界で新参者且つ最弱に羽毛が生えた程度……けれど今この時より、ユリ様シズク様の寵愛を一身に受ける最高峰のゆるキャラとなる!
 ――予定だ!!」

●グリモアベースにて
 深き柚葉色したトゲだらけの壁、時折その形成を揺り動かしては行き止まりであったはずの道を通路へ、通路であった道を行き止まりへと変化させるトゲ蔓。
 外観の見た目のままに、茨で構成された迷路の内部はトゲの隙間から時折発砲音や金属音が鳴り響く。
 そんな迷路の最奥に微か見えた鋼の扉、その先から何やら台詞が聞こえたあたりで、猟兵たちに映し出されていた映像はブツンッと途切れた。
「――えっと、最後のセリフが聞こえた方は、特に気にされなくてよいかと。むしろ気にしたらいけないといいますか、そこを突き詰めたらいづこからか圧力という名の闇が光を覆ってしまうといいますか何を言っているんでしょう僕は」
 頭上で己が杖をこねくり回して、予知情報を『迷路と猟書家について』へとまとめ出すグリモア猟兵の少年サティ・フェーニエンスは、己を取り戻そうとするかのように深呼吸してから説明を続けた。
「幹部へ辿り着くには、茨で作られた迷路を抜ける必要があります。
 トゲの蔓たちは率先して攻撃はして来ませんが、入った者を出られなくしようと不定期に道順を変化させているようです。
 道が変わる前に一気に駆け抜けるのがベストかと思われますが……壁や天井、床の蔓の間からは銃撃や刃物などが飛んできて、進行を遮り侵入者を仕留めようとしてきます。
 対処しながら、個々が最短と思われる方法で突破して下さい。
 その先にいる幹部は、見た目ぬいぐるみのようで愛らしいですが、決して油断せぬように。あくまで幹部ですので。軍事兵器を量産し独自の軍団を作っています、お気をつけて」
 言ってはグリモアを輝かせようとして、杖が予知映像に微かに触れた。
 ヴィーーー……ン。
『ぼくのゆるキャ軍団たちよっ、もうすぐだ、もうすぐ完全なる強化が完了し最強に、……なに、猟兵たちが立ちはだかるだろうと?
 はっはっは! 望むところだよ! あの武装迷路を無事抜けてぼくの所までやって来れたならば、鳥胸張って迎え撃ってやろうじゃないか。
 もっとも辿り着けなくとも、あの茨に締めあげられ“クッ”とか藻掻いていたり、銃弾で撃たれた肩を苦痛堪えて抑える表情、そのあたりは観察してみたいいっそその表情でやって来てもらいた(プツーン……)』
 厨二病だ。あれはきっとおそらく紛れもなく厨二病だ。
 ゆるキャラが厨二病にかかる姿は、こうもかわいくかなしくせつないのか。
 だがそれをこの場で口にする事は出来ない。何故なら自分たちが存在するこの世界の抗生物質がそもそもゲフーンッ。
 そこはかとなく猟兵たちから微妙な空気が漂ったのへ、失礼しましたっ、と慌てて映像切った少年が改めてグリモア輝かせたとか。


真白ブランコ
 (猟書家幹部宿敵主様へ土下座しながら)
 日々お世話になっております、真白ブランコです。
 【サポート優先】に一度は貢献してみたく、この度出させていただきました。
 通常ご参加も、いらっしゃった際には尽力させていただきます。
 可能な範囲の早さで進行予定です。

●一章、冒険。
 冒頭完全に存在感が無くされてしまっていますが、迷路に関してはカクリヨの悪霊さんたちが案内してくれます。
 悪霊さんたちは幽霊なので、銃や刃をすり抜ける為守る必要はありません。
 自らの力で、進行妨害してくる銃弾やナイフの嵐の中を突破して下さい。迷路全てを構成している茨もたまにちょっかいをかけてくるかも。

●二章、ボス戦。
 幹部「ベンジャミン・バーニングバード」。特技・銃火器。
 他、武装したゆるキャラ幽霊軍団をけしかけてきます。
 隙をついて一瞬もふっても、厨二病にうっかり共感しても構いませんが、最後はしっかり倒しましょう。

●プレイングボーナス(全章共通)……戦場を最速で駆け抜ける。

 ここまでご拝読誠にありがとうございます。
 場合によっては、ご興味抱いてくださって検討した矢先に受付終了していた、などとなる可能性もございます事、ご了承賜れれば幸いです。
 何卒宜しくお願い致します。
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第1章 冒険 『銃弾と刃物の嵐』

POW   :    頑丈な肉体で他の仲間を庇いながら移動する。

SPD   :    少しでも被弾を避ける為、全速力で移動する。

WIZ   :    嵐の吹き方に法則性を見つけ出し、掻い潜る。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミロ・バンドール(サポート)
口調はステシの基本通り
強がって一匹狼を気取った態度ですが、連携にはきちんと応え
最善の結果のために努力します
いわゆるツンデレ

技能の各種耐性や改造を活かし、状況に合わせたスタイルを模索します
対人の基本行動は恐怖を与える等で脳筋的なゴリ押し
深く考えずに行動しがちですが
明らかな弱者に対しては「胸糞悪いから」という理由で虐めません

*備考
・精神攻撃にはとても弱い(ヘタレると寝言時の口調)
・ギャグ展開にはよく巻き込まれる(弄られOKです)
といった弱点がいっぱいあります

※キャラぶれても気にしないので、お気軽に弄って下さい




 中紅花の瞳に由緒気高き血筋を覆い隠して、今はただ、乞われるがままに茨の迷い路へと足を踏み入れる。
「……なるほど、蔓が蠢いている……これより一歩、足を出したら諸々作動しそうだ」
 青年へと向かう最中の、低い中にも艶を含んだミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)の声が、木霊することなく周囲へ吸い込まれる。
 『魂のジビット』と呼ぶ、三種の咎器をゆらり前へと差し出して。
「いいだろう。運も実力の内だという。俺が防ぎ切れなければそれまでのこと。
 ……力尽きるまで、もしくは俺が迷路の先へ辿り着くまで、根競べといこうじゃないか」
 紡ぎきった瞬間、音もなくミロは駆け出した。
 途端、数多の銃弾と刃の嵐がミロへ注ぐ。冷静な瞳でそれらを捉えて、手首を返した。
 背丈より大きな柄を操っているとは思えぬ程滑らかに、ギロチン刃は翻り大小とりとめなく襲い来るナイフたちを跳ね返す。
 重心を魂のジビットと共に回転させて銃弾からその身を躱しながら、分かれ道も悩み仕草見せず突き進んだ。
 行き止まりなら戻ればいい、ただそれだけだ。
 思慮深そうでいて中々に即断即決な行動力にて、結果時間は短縮され最短コースをゆく。
 しかして銃弾や刃の罠に留まらず、茨も侵入者を黙って通す事はしない。
「っうわ……!」
 蔓敷き詰められた、平らな深緑一色に見えた通路が、突如足掛け罠を構成しミロの足首へ見事に絡まった。
 そのまま宙吊りにされれば、獲物へ群がるように茨の蔓が胴体へ巻きつき締め付けにかかった。
「ぐ……」
 一瞬息が乱れ苦悶の表情を浮かべたミロ。
 (…………―― うむ! 無垢けき青少年の背徳的表情、中々やる)
 どこかのゆるキャラボスが画面モニター前でサムズアップする。
 ぞわっ。
 そんなこと露も知らぬ身に、本能がここを早く突破すべしと警告信号を送ったのか鳥肌が立った。
「な、なんなんだ……っ、嘗め回す視線を感じる気が……いや、気のせい、だよな」
 思わず年相応の声色が喉から放たれたり。
 こうしてはいられない。
 幸いか、茨のトゲは鋭くも小さく、耐久性のある衣服が肌まで貫くのを防いでくれたおかげで、まだほぼ無傷。
 まだ動く手首から先を駆使すれば、UC発動。
 【縛鎖吊樹(ジビットツリー)】
 しなった鎖が逆に蔦たちを締め上げて力緩ませる。微かに自由になった片手をすかさず振り上げ、ギロチン刃を天井へざっくと突き刺した。
「俺の行く先を、勝手に行き止まりにするな……っ」
 歪な黒刃光る巨大剣も抜いて、茨たちを切り裂きながらしっかり手にした鎖へ全体重を預けると、振り子の原理にて一気に前方へとその身を舞わせた。
 ビビットイエロー鮮やかなブーツが軌道を描きながら着地する。
 そうしてまた全速力でミロは走り出した。
 学んだ。とりあえず茨に捕まる事なかれと。
 よく分からぬ憤りをぶつけるべく、その相手が待ち構える扉までひた駆けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

曽我部・律(サポート)
『この力を得たことは後悔していない……』
『私以外の人間が不幸になるところを見過ごすことはできないんでね』
『こういうのには疎いんだが……ふむ、こんな感じか?』
とある事件で妻子を失い、その復讐の為にUDC研究を続けているUDCエージェントです。ですが、UDCを強引に肉体に融合させた副作用として徐々に生来の人格は失われつつあり、妻子の記憶も彼らの写真によって辛うじて繋ぎ止めています。
多重人格者としての別人格『絶』は凶悪なオブリビオンの存在を察知すると、律に代わって表に出てきて戦います。その際、口調は『おい律……うまそうな匂いがするじゃねぇか。代われよ』みたいな凶悪な感じになります。




「ふむ……この茨たちは機械的にただ侵入者を襲うプログラムがなされているのか、それとも生体として意思をもつのか……」
 自前の光学迷彩『オクトCamo』の優秀ぶりにて、全身を迷路の背景へ溶け込ませる曽我部・律(UDC喰いの多重人格者・f11298)は、忍び足のみ慎重に行いながら胎動でも聞こえてきそうな通路を観察していた。
 もしも、ある種の生命体を融合させたのだとしたら……私の内に在る化け物と同じかな。
 自嘲の色をその口元に浮かべているところへ、その“内なる化け物”、律の別人格が脳裏で囁き出す。
『おい律てめぇ、ちんたら歩いてんじゃねえぞ。この奥に焼いたら美味そうな匂いがプンプンするじゃねぇか』
 さっさと突破しろ。そう急かしてくる別人格“絶”へ、いっそ苦笑いを向ける。
 この凶悪さは、己の中に確かにあったものなのだろう。
 自身にUDCを打ち込む前にも後にも、この手で生み出した実験の産物たちは、得てして他者を思いやる事に欠けた、暴虐な面を持つものが多いと思われた。
 それは全て、心の奥底で燻る復讐心ゆえだろう。
 無意識にシャツの下に隠れるロケットへ手を当てた。
「――っと」
 ついぞ思考が一人の世界へいっていれば、本来は一般的、あるいは時にそれ以下な運動神経であった足元が蔦の通路の、でこぼことした部分につまづいた。
 思わず漏れた声にか、途端周囲取り巻く茨が震え出し、その中から銃弾と刃が律を襲う。
 しまった――そう反射的に叫ぶよりも早く、律の身体が半回転し壁を蹴った。俊敏な動きで全ての攻撃を見切って、武器嵐の死角へその身を潜り込ませ息をひそめた。
 暫くして銃弾の激しい音がやむ。
 ……お礼を言うべきなのかな。
 そう身の内で囁けば、また乱雑な口調が反応してくる。
『本体面すんなって何度言えば分かる。俺の身体でもあるんだ、楽しめなくなるようなダメージこさえんじゃねえ』
 刹那の刻発動されたUC【脈動切断】。
 現世へと体得た“絶”の、強化された身体能力により律はどうやら事なきを得たのだと悟る。
 再び急かされ、ただしドジは踏むなと説教されつつ、律は歩みを進めた。
 まさに肉を切らせて骨を断つ、か。
 犠牲になるのが己だけでいいのならば、いくらでも身も心も削るとしよう。
 その先で、いつか望んだ未来が見れるならば。

成功 🔵​🔵​🔴​

御狐・稲見之守(サポート)
 100歳超(実年齢秘密) 妖狐の仙人✕陰陽師 
 口調「ワシ、~殿、ゾ、じゃ、じゃナ、かナ?」

 荒ぶる力を揮うカミにして、人喰い魂呑みの外道、そして幻を繰る妖狐、御狐稲見之守である。
 助けを求め願う声を聞き届けるが我が務め。ヒトの道理で叶わぬならば、カミの道理を通してみせよう…なんてナ。
 
 天変地異を起こす[荒魂顕現]や、幻覚を見せて動きを封じる[眩惑の術]、生命力を喰らう[狐摘み]を使ったりするゾ。無論、[狐火]は妖狐の嗜みじゃナ。
 ふふ、そして『魂喰卿』の肩書き通り、我が領域[魂喰らいの森]を顕現させることも出来るんじゃ。

 さァて、遊ぼうじゃァないか。




 ――ふぅむ。呑み交わし語り明かしたモノたちの世界のこと、放ってはおけぬと来てみれば。
 御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)の、白銅と金糸雀色した二つの瞳が愉快そうに細まった。
 すでにその御身は銃弾と刃の嵐の中。
 しかして、あえて的になるが如く静々とゆく稲見之守の衣にまで、嵐の攻は届いていない。
 稲見之守の足元に落ちる影。それらが主の呪力を具現化し現れては、主の歩みを止めさせる事なく攻撃を弾いているのである。齢百を超えたる狐神の呪力、それを纏った影なればもはや結界のテイを成して。
「カミを化かそうとでもする所業、良かろう、受けて立つのもまた懐深き見せ所よ」
 狐耳をぴくりと揺らして、微笑みの吐息が一つ。同時に瞳が怪しく光を宿した。
 するとどうしたことだろうか。
 銃弾と刃物の飛び交う様は変わらねど、それを払い始めたのは外ならぬ迷い路を造る茨たち。
 稲見之守をかばうだけに飽き足らず、しまいにはトゲ当たらぬよう気遣いながらすり寄る仕草すら見える。
「愛いやつめ。ほぉほぉ、するとこの茨たちは魂の器とでもいったところか。
 化かし合いはどうやらワシの勝ちのようじゃナ」
 UC【眩惑の術】に潔いほどかかった茨たちへか、どこかで見ている輩へか、稲見之守も喉で笑みの音を立てた。
 さて。この路全て植物ということなれば、一掃することもやぶさかでは無いのじゃが。
 茨を撫でてやりながら思案げに一度天を仰ぐ。
「……否や、か。案内してくれているおぬしたちまで、下手をすると浄化しかねぬゆえ、ナ」
 己が前方で、実はずっとハラハラ見守ってくれていた悪霊たちへ、妖艶ににっこりと向けてみる。
 (ドキュ――ンッ。……う、撃ち抜かれてなんて、いないんだからな……!)
 どこかで覗き見しているボスへも流れ弾が飛んだとか。
 だってケモ耳尻尾で見た目可憐な幼子でその実、仙人のような口調だぞ。つよいだろこれ。
 なんぞと画面越しに語っているゆるキャラの声が、果たして聞こえたのか、狐耳がどこかせわしなく動いているふう。
「待ちびともいるようじゃし、このまま道なりにゆくとするか」
 その方が後に遊びも増えるに違いない。
 カミサマ、嵐の中茨を懐かせ順調に進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニノン・トラゲット(サポート)
『冒険はロマンです!』
『まだ見ぬ何かの予感がします……アガってきちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、あれこれ心配するよりはとりあえず「有効かも?」と思ったことを何でも試してみます。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!




「はいっちょっと待ってくださいもうすぐ終わりますので!」
 早々にUC【猫の毛づくろい】を発動させたニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)。
 あと一歩踏み出せばそこは武器の嵐と茨待ち受ける迷路。
 まだかまだかと、入り口に姿は見えている侵入者予定な猟兵へ向けて、今にも茨がうねうねと寄ろうとするのへ肉球突き出し、ご丁寧にお断りを入れるニノンは、ようやく己が全身を舐め終えたところ。
 ――銃弾の方向……刃物の種類と銃弾との割合……ほとんどランダムですが、多少の規則性はありそうでしょうか。
 最後の情報収集を済ませば、いざ、蔦の路を踏み締めた瞬間にニノンは駆け出した。
 遥か祖先の記憶を宿す身なれば、野生の感は時に嵐をも防ぎ切る。
「ジャンプには、ちょっぴり、自信が、ある気がします!」
 摩擦抵抗極限まで減らした毛並みが、銃弾と刃掠めるのを最小限のダメージに抑え、斜めから降ってくるモノは軽やかにジャンプして回避する。
「ノッてきました!」
 武器嵐吹きすさぶ中で、今や残像が見えそうなほど鮮やかな身のこなしを披露し路を走り抜けるニノンに、茨たちも妨害の蔓を伸ばした。
「にゃ!? つ、捕まっちゃいました……!」
 胴体に巻き付いてきた蔓へ、慌ててメイスを振り下ろし脱出を試みる。
 (敬語キャラかと思いきや、いま、『にゃ』って出た……その時々で使いこなすなんて、さてはぼくと同じくゆるキャラ界を牛耳ろうとする新手だな……! くっそ、かわいいもんな!)
 迷路内の全貌を画面で覗き見しているどこかのボスゆるキャラが、ダーンッとかしてちょっと悔しがっている事など知るはずもなく。
 メイスを何度も打ち下ろせば摩擦抵抗なき体からようやく蔓が緩む。すかさず柔軟に体捻って抜け出たニノン、安堵の吐息零してから走る、またひた走る。
「もう捕まりません! 伊達に日々失敗から学んでませんよ!」
 学業が本分の身、学ぶの大得意である。
 たまーに刃が、頬の毛から気持ち長めに伸びるおヒゲの真横突っ切って『や、やりますね! 弱点のような部位を狙ってくるとは!』なんて、意思なき武器嵐相手に称賛を送りつつ、その賢明な走りは確かにゴールへ近づいていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ベンジャミン・バーニングバード』

POW   :    あつまれ、ゆるキャラの軍団
【自動小銃やサバイバルナイフ】で武装した【人々に忘れられたゆるキャラ】の幽霊をレベル×5体乗せた【軍用装甲車】を召喚する。
SPD   :    今夜はバーベキューにしよう
【自動小銃やサバイバルナイフ】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    CQ・CQ・BBQ
いま戦っている対象に有効な【軍用兵器】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。

イラスト:ゆりちかお

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠バルタン・ノーヴェです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ずしんっ……もふーんっ……。
「よく来たな。なかなかおいしいもとい勇ましい姿を見せてもらったよ。
 だが! ぼくの邪魔をするものは誰一人生きては返さない! ゆるキャラ界に君臨するのはこのぼくだ!」
 じゃき、と銃火器構えた巨大アヒル改め、れっきとした猟書家、ベンジャミン・バーニングバードは声高に叫んだ。
 今、絵面よりずっと殺伐となる(はずの)戦いの火蓋が切って落とされる。
政木・朱鞠(サポート)
ふーん、やっと、ボスのお出ましか…。
もし、貴方が恨みを晴らすためでなく悦に入るために人達を手にかけているのなら、不安撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ。

SPDで戦闘
代償のリスクは有るけど『降魔化身法』を使用してちょっと強化状態で攻撃を受けて、自分の一手の足掛かりにしようかな。
ボス側の弐の太刀までの隙が生まれればラッキーだけど…それに頼らずにこちらも全力で削り切るつもりで相対する覚悟で行かないとね。
得物は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。

アドリブ連帯歓迎


ハズキ・トーン(サポート)
「仮面って邪魔だよねぇ」
 どこか暢気な話し方をする、仮面をつけた男です。別に仮面が外れようが気にしません。邪魔ならすぐ外します。仮面は帽子感覚。

 攻撃する。という行為が驚くほど苦手な為、野生の勘やら逃げ足やらを駆使して避けつつ、
 『生まれながらの光』で負傷者等の救助を優先とした行動が多め。 
 回復の必要がなければ他UCも使用します。

 説得で回避できるならば話し合いを試みます。 
 自身の多少の怪我は厭いません。

 あとはおまかせします。連携歓迎。




「恨みつらみかと思いきや……うん、どっちかというと私利私欲に近いのかな。
 けれど、この世界の住民たちを虐げ、脅かす存在に変わりなし。
 彼らに恐怖を植え付けたことが貴方の咎……キッチリ清算してから躯の海に帰って貰うよ」
 ここまでありがとう、下がっていてね。
 道案内をしてくれた勇敢なる悪霊さんたちへ、ウィンクと共に御礼を伝え。政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)はまずは先手必勝とばかりに忍者手裏剣『鳳仙花』を、文字通り目にも止まらぬ速さで花びらの如く幾重にも重ね投げ放つ。
 しかして。
 ぼふんぼふんぼふーんっ。
「……予想はしていたけれど、案の定強固な羽毛みたいね。肉まで到達すれば抜けにくく特殊なダメージ与えられる自慢の手裏剣なのに」
「フハハハ、甘タレ焼き鳥より甘い戦略のようだね。今度はこっちからいくぞー!」
 なにかを絶賛こじらせているらしいゆるキャラボス、ひと昔前の誰しも想像のつく悪役台詞を鳥胸張って叫びながら、朱鞠へ自動小銃を撃ち込み始めた。
「なんのこれしき! ……って二発目三発目早くない……!?」
「ぼくのような優雅な翼手でも自動で装填してくれる優れものだからね!」
「それってつまりごく一般的アサルトライフルよね」
 軽口の応酬をしているものの、鍛錬により培われた身のこなしであるゆえに、瞬きの間に飛び交う銃弾を朱鞠は辛うじて避けているのである。
 ならば照準合わされる前に接近戦へ!
 音なき忍者走りにて、背後から詰め寄った朱鞠へしかし自動小銃持っていた巨大ぬいぐるみから、突如サバイバルナイフが斬りつけられた。
「――ッ!」
 痛みを押し殺す性分にて、腕から鮮血舞わせるも声一つ上げずすぐさま距離を取る朱鞠。
 その時、たった今傷を受けた朱鞠の、褐色の腕が淡く輝き出したかと思えば、みるみると傷が薄れていくのが捉えられた。
「大丈夫ですか! ……ああ、良かった、上手く治せたようですね」
 やや肩で息を切らしながらこの場に現れたハズキ・トーン(キマイラの聖者・f04256)は、ちょっと失敬、と被っていた仮面をあっさり取っては思い切り深呼吸すること暫し。
「ちょっとここまでの迷路に苦戦してねぇ……ずっと全力疾走とか、中々に拷問でした……」
 若干遠い目をそのアメジストの瞳に浮かべてから、けれど優美な微笑みが唇に描かれる。
「火力は持ちえない私だけれど、支援ならば望むところです。
 思う存分やっちゃって下さい。乙女の肌に負わせた傷は、私がUCにて回復しましょう」
 成程、先程の輝きは彼のUCだったのかと、朱鞠は照れ混じりの笑みを返した。
「頼もしいのが来たね、そいつぁ助かるよ。……乙女、なんてガラじゃないけど。貴方の方が余程綺麗だ」
 猟兵たちの間で挨拶兼褒め合いが繰り広げられれば、ゆるキャラボス、ちょっと焼いたもとい妬いた。
「ぼくを無視するなあ! 注目集めるこの巨体、存在感あふるる羽毛、そこにきゅるんと浮かぶ愛嬌ある目! どうからどう見てもまず先に褒めるべきはこの僕だろう!」
「あ、言われてみればそうだねぇ、可愛い着ぐるみさんだ」
「これがぼくの実体だー!!」
 ふるふわーっと笑顔でハズキが紡いだ言葉へ、猟書家ベンジャミンさん逆撫でされる。
 その様子を見て、朱鞠がにっと力の入った表情へ切り替えて。
「中々イイ挑発するじゃないか」
「いやぁ本心から言ったんだけどねぇ、おかしいなぁ」
 治療終えた腕を一度グルンッと回し確認してから。
 朱鞠は勢いよく地面を蹴り上げ、UCを発動させた。
 【降魔化身法】
 この世に数多存在する鬼を宿し、己の身体強化を極限まで高める。その代わりに――
「ぐ……ッ」
 敵の攻撃もまだなされぬまま、四肢から再び赤い線たちがしたたり始めた。流石の朱鞠からも微か、くぐもった声が口内で漏れる。
 何らかの己へのダメージと引き換えにするこの力、今、使おうと決めたのは一重に仲間を信じるがゆえ。
 信頼に応えるかのように、朱鞠の全身が神々しい光を帯びた。痛みが薄らいでいく。
 チラリと視線やれば、ハズキがこちらへ両掌向けながら微笑んでいた。
 よし、と頷いては朱鞠はもう振り向くことをしない。支援に全力で応える事、それは目の前の敵を如何に早く倒すかにかかっているから。
 彼女の視線が自分から逸れたのを確認して、ハズキは大きく呼吸を繰り返す。
 US【生まれながらの光】は、仲間の治療を行うと同時に自身に疲労が襲うもの。
 ――なぁに、前線で請け負う仲間の痛みに比べたら、大したことはないからねぇ。
 仮面を被り直した。疲弊する表情を隠す為に、……否、正しく本心で『大丈夫』と伝える為に。ハヅキにとって、仮面とはそういうものだから。
「こ、の! しつこいぞ! ……そうかアイツが回復してるんだな! ならアイツから先に!!」
「!」
 ゆるキャラだが幹部。命刈り取るのに躊躇いなど無い。
 もこもこの手に手榴弾が召喚されれば、それがハヅキへと投げつけられた。
 あー……あつらえたばかりの最新衣装、ズタボロになるのはイヤなんだけどなぁ……。
 刹那よぎったのはそんな思考。完全に不意をつかれ、避けきる事は出来ぬと踏んで。
 けれど自分がダメージを負えば、疲労困憊すれば、一気に仲間を癒し片を付けることが出来るだろうか。
 覚悟を決めぎゅっと閉じられた瞼の裏で、爆発の火花が赤々と散った気がした。
 けれど。一向に痛みはこなかった。ハヅキはそろりと瞳を開く。
「!? ごごご無事、ですかぁ!?」
「っは。伊達に次期頭主とうたわれてないからね……むしろ今が絶好のチャンス、ってね!」
 手榴弾からハヅキを庇った朱鞠は、濛々と燻る煙で遮られた視界を利用して、まだ回復追いつかぬ体のままに動き出す。
 ジャラリと懐から取り出したる『荊野鎖』で、隙の出来たゆるキャラボスをがっちり羽交い絞めにした。
「な、なんだと!? クッ、と、とれない!」
「仲間の覚悟も背負ってるんだ、簡単に抜け出れると思うなよ!」
 強化された全力の力を込めて鎖を絞る。羽毛が次第に収縮していく。朱鞠の能力、生命力吸収を込めた鎖は着実に巨大な生命体から邪悪を払っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

水鏡・怜悧(サポート)
詠唱:改変・省略可
人格:アノン
NG:エロ・恋愛
「楽しめそうだ」「美味そうだな」「ヒャハハハハ」
行動優先順は1.NPC含む他者の救助、2.攻撃。ホントは敵を喰う方を優先してェんだけど、ロキが煩せェからな。
UDCを纏って獣人風の格好で戦うぜ。速度と勘を生かして攻撃を避けつつ、接近して爪で切り裂くか噛みついて喰うのが得意だ。UC使った遠距離攻撃もするが、銃はちょっと苦手だ。牽制に使ったりはするけどな。
技術的なヤツとか、善悪論とかは苦手だし、興味もねェ。楽しく殺して喰えれば満足だ。喜怒哀楽は激しい方だが人として生きた経験は短けェからな。価値観とか常識は知らねェよ。まァヤバイときはロキが止めるだろ。


虹川・朝霞(サポート)
二つの故郷(UDCアースとカクリヨファンタズム)をふらふらしていた竜神。救援要請あるところに行くように。
自分が電脳魔術士であることをよく忘れます。

基本は慈悲を持って接するため、口調は丁寧です。
怒りを持ったときのみ、『阿賢賀水神』に戻ります(口調『遥かなる水神』)
なお、装備品の鉄下駄はUDC圧縮体のため、超絶重いです。鉄って言い張ってるだけです。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はいたしません。
あとはおまかせします。よろしくおねがいします!




 本来ヒトの姿形を成しているその身にUDCを宿す事で、獣の聴覚、嗅覚、そして鋭き牙と爪を得る。この姿でこの場に現れたのは水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)という名の身体を持つ、“アノン”と呼ばれる別人格。
 今、舌なめずりするアノンの瞳に一心に映るのは、鳥。大きな鳥。ではなく言わずもがな、猟書家ベンジャミン(ダメージにより一回り縮んだ模様)。
「羊は美味しくいただいたからなァ、鳥もぜってェ美味いだろ。ヒャハハハ、楽しみだなァ!」
「た、食べるんですか。いえ敵なので止めはしませんが、その場合お腹がご無事でしょうか」
 たまたま同時に扉をくぐってこの場に居合わせた、虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)は控えめに紡ぎながら、敵の持つ銃火器からは視線逸らさない。
「ハッ! 食えねェ方が体に悪い」
「成程。では、せめておいしく調理のお手伝いが出来るよう、俺も頑張りましょうか」
 独特な御仁のようだ、と翡翠の瞳細め納得すれば、朝霞が一歩を踏み出した。
 ぴく、とアノンの鼻が動く。
「てめェの足元……そいつァUDCだな?」
「おや、分かりますか」
 どうやら同世界のモノを扱うのだろうかと微笑んで。朝霞のUCが発動する。
 【鉄雲】。超重量の鉄下駄(というUDC圧縮体)と、手に持つ竜の暗雲纏った蛇腹刀から、鋭き戦意が放たれればそれを合図にするが如く、朝霞が初手の攻撃に出た。
 ゆるキャラ幹部がすかさず銃火器で応戦してくる。紫雲刀打ち下ろせば、向かってきた炎が真っ二つに割れた。
「へっ、中々イイ殺気振るうじゃねェか……!」
 アノンも便乗しては敵を挟むようにして反対側へ回り込む。
 さァて、このまま引き裂いてやろうか、嚙み千切ってやろうか、ならあのUCにするか。
 などと逡巡したのも束の間。アノンの意図せぬ方向、ベンジャミンの斜め上空より時空の裂け目が浮き出た瞬間、その大きなモフ後頭部に黒き玉虫色輝く液体が浴びせられた。
「な、なんだどこから攻撃してきたんだ!? ……ただの冷たい黒い水じゃ……、重っ!? う、動けない、だとー!?」
 アノンの身体が持つUCの一つ【思考拘束】。相手をUDCの液体金属で拘束し、そして――
「なんのこれしき! ゆるキャラ界の王となるべくぼくだ、こんなものこうして、……、……どうすればいいんだ?」
 判断力を低下させた様をねめつけて、アノンは喉の奥で唸り声を鳴らした。
「てめェ、ロキ、勝手なことしてんじゃねェぞっ」
『そうは言っても、共闘してる味方の動きもろくに見てなかっただろう。巻き込んでもらっては困るよ』
「チッ」
 内なる己同士で短くやり取りされてから。アノンが改めて敵を見据えれば成程、朝霞がまさに鉄下駄を高く高く掲げたところだったようだ。
「やあ、動きを制してもらって助かりまし、た!」
「クエーーーッ!?」
 ズドォンッという重低音が響くと、にわとり的な鳴き声に似た悲鳴と同時に、羽毛の頭が地面に沈み羽が舞う。
「俺の大切な、第二の故郷で悪さをしたからには容赦しません」
 朝霞は追撃の構えで鉄下駄をまた踏み出した。
 この地は生まれ変わった奥方と、その魂持つ彼女と新たな思い出を築いた地――朝霞の胸の奥で、いつも以上に闘志が漲る所以である。
 トドメさそうとする気配に、一瞬手出ししようとしたアノンの爪が下ろされる。
まぁ何にせよ食えればいいか。
 突っ伏した鳥型ゆるキャラへ、歩み寄ったアノンがここぞとばかりに牙を立てようとした直後、ぶわっと翼羽ばたかせ起き上がった羽毛の手に機関銃が握られていた。
「ッおい避けろ!」
「はい!」
 真っ先に気づいたアノンが、自身も俊敏に横へ飛びながら思わず一声かければ、共鳴するように朝霞も反対方向へ飛びずさる。
「この、ぼくを、ばかに、するなー!!」
 猟兵たちを狙うというより、もはや進退両難。片っ端からでたらめ方向へ撃ち放ち出した。
 完全に後方へ距離を取り回避する朝霞。その目に、逆にどんどん前へ突進するアノンが映った。
 まるで猛る黒き獣のように、銃弾が頬や足を掠めるのも構わず敵の懐に飛び込む雄姿。朝霞からアノンへ、感嘆の吐息一つ。
「獲物の分際で、往生際がわりィんだよ……!」
 吼えたと同時に狂気の爪が横一閃に、錯乱気味のベンジャミンの顔の羽を飛び散らせた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
 スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
 普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


氷咲・雪菜(サポート)
 人間のサイキッカー×文豪、15歳の女です。
 普段の口調は「何となく丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 独り言は「何となく元気ない(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

氷や雪が好きな女の子で、好きな季節は冬。
性格は明るく、フレンドリーで良く人に話しかける。
困っている人は放ってはおけない。
戦闘は主にサイコキャノンを使って戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




 聞き覚えのある声に、眼鏡の奥の黒真珠色を瞬かせる。
 あら、あの方はいつぞや桃源郷にてご一緒した……、絶品の景色の中での読書、そういえば叶わなかったんですよねぇ……。
 共闘した記憶のある仲間を見とめてから、高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)の思案は別方向へズレていく。
「茉莉さん、余所見運転ならぬ余所見思考も今は危ないですよ」
「はっ、なんで分かったんですか、流石雪菜さん。それにしても、また身長伸びました?」
「そうかもしれません」
「むぅ……私の方がずっとお姉さんなのにぃ、どんどん差が出来ていく気がしますっ」
「茉莉さんは読書時間をもう少し運動や食事にあてるのが良いと思いますよ」
「…………すっごく和んでいるようだけど、キミたちもしや、ゆるキャラか?」
「「ちがいます」」
 どうにかこうにかアノンに食べられるのを逃げ回って回避したらしい、ゆるキャラ猟書家ベンジャミン氏。
 攻撃するのも忘れて、思わず女性二人のおっとり会話に耳を傾け若干の癒しを得ていたらしい(当人は決して認めないであろうが)。そうして感じたままを口にすれば、女性二人から間髪入れず否定の言葉がハモッて響いた。
 氷咲・雪菜(晴天の吹雪・f23461)は、茉莉を庇うように一歩前へ出る。
「敵の攻撃は頑張って防いでみます。茉莉さん、一瞬でも良いのであのぬいぐるみの視界を惑わせる事は出来ますか?」
「頼られたら張り切りますよぉ、任せて下さい! でも雪菜さんも無茶はしないでくださいね」
 少女たちが微笑み合った直後、轟音をあげて銃火器から炎が迸った。
 この猟兵たちが醸し出す癒し空間はイケナイ。ゆるキャラの特許が奪われかねない。そんな危機感抱いたらしいゆるキャラボス、容赦のない火炎放射を放つ。
「暑いのも熱いのも苦手ですが、私の愛しい氷たちだって負けませんから……!」
 雪菜が掌を突き出した瞬間、その手袋から超低温のエネルギー障壁『アイシクル・シールド』が眼前を織り成した。
 炎と氷の激しい温度差と衝撃に、バチバチと電撃の如き音が鳴り響く。
 危機感をエネルギーに変えた猟書家は、渾身の力を滾らせて一歩また一歩と炎と共に雪菜へにじり寄る。
 ず、ずず、とパワーに押されて体全体が後退する雪菜。その白い肌から水滴が垂れる。
「それ以上はさせません! 風に舞う茉莉の花々よ、華やかな芳香と共に敵を切り刻みなさい!」
 いつの間にか横に回った茉莉が、隙をついてUC【風に舞う茉莉の領域(ジャスミン・ゾーン)】を解き放った。
 茉莉の所持していた魔導書が、髪を束ねていたリボンが、淡白い茉莉の花吹雪と成ってゆるキャラの視界を覆い尽くした。
「みっ、見えないぞぉ!!」
 もがく巨体モフ。花びらたちはその羽毛にも張り付いて、身動きすら鈍らせる。
 ふわり。
 甘い香りが雪菜の鼻先をくすぐった。
 ……よい匂いですね。優しくて、茉莉さんのよう。
 炎を抑えきって早くなっていた鼓動が、次第に落ち着きを取り戻していく。
「――行きなさい氷柱たち。【絶零氷柱(アイシクル・ミサイル)】」
 鎮まった心が凍てつく魔力を呼び起こせば、雪菜はすかさずUCを放った。
 茉莉の作ってくれた好機を完璧に捉えた絶対零度の氷柱は、その強固な羽毛ごと、重厚なガラスが砕けるような大きく激しい衝撃音と共に、巨大ゆるキャラは部屋の壁も突き破り、カクリヨの彼方へと吹き飛ばした。
 その場に残された猟兵たちの頭上から雪が舞う。
 茉莉花の小さな花弁と雪結晶が混ざり、砕けた壁から覗くカクリヨの月明かりが差し込めば、キラキラ。
 ダイヤモンドダストの如き幻想的な宙を見上げて、茉莉と雪菜はどちらからともなくまた微笑み合って。
「帰ったら一緒にお茶にしませんか」
「いいですね! ついでに最近読んだ、雪菜さんにピッタリなオススメ本紹介しますねっ」
「お茶も味わってくださいね茉莉さん」
 どんなに激しき戦闘後でも、すぐにいつも通りな朗らかな雰囲気で眼鏡押し上げる様子に、安堵すると同時にちゃんと労いたいのですけどね……なんて白い吐息一つ。
 良かったら皆さんもどうですか。
 奮闘した他の仲間たちへも、小さな花咲かせるような明るいお誘い声たちが暫し部屋に響くのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年10月05日
宿敵 『ベンジャミン・バーニングバード』 を撃破!


挿絵イラスト