【サポート優先】水面の桜とゴンドラ乗りの姉妹
●これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
常春の水辺の街にはあちこちに水路があって、小さな小舟、ゴンドラが行きかっている。これほど水路が多いと歩くより、馬車よりゴンドラの方が早い。ちょっとした荷物や人の往来にもゴンドラが一番の交通手段で、そのゴンドラの漕ぎ手は外海に漁に出る男たちに変わって、若い嫁入り前の娘たちが担っていた。
「千鶴という名前のゴンドラ乗りの少女を探してください。彼女は影朧を匿っています」
フィンブル・テュール(オラトリオの聖者・f01804)は言った。千鶴の姉、万理も同じゴンドラ乗りの仕事をしていたが、少し前に事故で怪我をして入院を余儀なくされた。
「本当は事故を隠ぺいするためにゴンドラ会社に幽閉され亡くなっています。けれど、いつの間にか影朧になっていました。彼女が本物の万理さんなのか、影朧が万理さんの姿に似た姿なのかはわかりません」
ただ、千鶴は万理が死んだことを知らずに治療に専念して欲しいと思っているし、会社の者たちも事実を知る万理を病院から出したくない。皆の願いの通り、万理は静かに入院している。
「この状態はいつまでも続きません。いずれ会社はもっと働く人たちや利用者から搾取するような悪い会社になるでしょう。万理さんを匿う千鶴さんも無事ではいられないでしょう。ですから万理さんを探してください」
ゴンドラにのっている千鶴を見つけ、そして万理の居場所を聞き出して欲しいとフィンブルは言った。ゴンドラは水路のあちこちに乗り手がいる。頼めば漕いでくれるし、貸してもくれるだろう。
「まだこの街の美しい景観を楽しむ時間はあります。観光客にでもなって、あまり街の人たちを刺激しないように探してください」
フィンブルは少し笑って言った。
霧原澪
マスターの霧原です。サクラミラージュの世界には行ってみたいと思っていました。
今回はゴンドラ乗りの姉妹のお話です。サポート優先なるシナリオをしたことがなかったので、してみました。サポートではない方が参加してくださったら、それも嬉しいです。
第1章はゴンドラ乗りの千鶴さんを観光がてら探してください。ちゃんと話をしたらきっとわかってくれると思います。
第2章は水路での追走劇です。追いかけましょう! どこまでも。たぶん影朧さんとの追いかけっこになるのではないかと思います。
第3章は万理さんの姿をした影朧との戦いです。普通に戦っても構いますが、説得しながら戦ってそれが成功すれば、影朧は桜の花びらになって転生の準備に入ります。
第1章 日常
『桜舞う水路をゴンドラに揺られて』
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POW : ゴンドラを漕いで観光する
SPD : 船頭さんのおすすめのコースで観光する
WIZ : 水路の流れに乗って観光する
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天宮院・雪斗(サポート)
『なせば大抵なんとかなる』
妖狐の陰陽師×ビーストマスター、8歳の男の子です。
普段の口調は「子供(ぼく、相手の名前+ちゃん、年上名前+お兄(姉)ちゃん、、おじ(ば)ちゃん等。だね、だよ、だよね、なのかな? )」、怒った時は「子供(ぼく、呼び捨て、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。甘えん坊で、頭撫でられるの好き、お姉ちゃんたちに甘えるのも好き。あとはおまかせ(アドリブ・行動OK)です。おねがいします!
「へぇ……綺麗なところだなぁ」
あちらこちらに細かったり、少し広かったりする水路が縦横無尽に通っている。水は陽光にきらめいて、宝石のようにキラキラしている。豊かで綺麗な水がゆっくりと流れ、その上をゴンドラが滑るように走っていた。
「サクラミラージュにこんな場所もあるんだね」
天宮院・雪斗(妖狐の陰陽師・f00482)は何にも入ってなくて軽い旅行鞄を持ち上げた。一応、観光客のふりをしているのでそれっぽい鞄だが、中身に着替えはなく菓子が多いのはご愛敬だ。どうせここに泊まりはしない。
「えっと、ここで千鶴ってお姉ちゃんを探すんだっけ」
ゴンドラを操っているのは若い女の人が多い。でも誰が千鶴なのかは見当がつかない。少し考えてから雪斗は小さくつぶやいた。
「なせば大抵なんとかなる」
頑張ってもどうしようもならないこともあるけれど、大抵はなんとかなるものだ。まだ短い人生ながらも経験上からも雪斗はそう思っていた。
「あの、ここに千鶴って人はいませんか?」
近くを通ったゴンドラの女の子に声をかける。黒髪の少女は小首をかしげた。
「千鶴のお知り合い?」
「えっと、あの、ぼくのお父さんがここに来たとき、千鶴さんにお世話になったから、ひとことお礼を言いたくて、それで探しているんです」
「まぁ! そうなんだ。偉いねぇ、ぼく」
ゴンドラの女の子は器用にゴンドラを留めたまま、左手を伸ばして雪斗の頭をそっと撫でる。
「や~かわいい、髪の毛ほわほわで柔らかい~」
「えへへっ」
雪斗よりも10歳も離れていない若い女の子に撫でられるのは嫌いではない。褒められるのも嫌いじゃない。
「わかったわ!」
女の子は大きな声で言った。
「乗りなさい。わたしのゴンドラで千鶴探しを手伝ってあげるわ」
「え、いいの?」
「いいの、いいの。ほら、どうぞ」
女の子が手を伸ばし、雪斗は少し考えた後、その手をとってトンとゴンドラに飛び乗った。
成功
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月詠・莉愛(サポート)
『あの……宜しくお願いしますね。』
オラトリオのシンフォニア×聖者の女の子です。
普段の口調は「丁寧口調(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
独り言は「普通かな(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
大人しくて口数が少ないですけど、心優しく
動物や植物などの自然が好きな少女。
争い事は苦手ですけど、依頼の成功の為なら戦う事も厭わないです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「なんとなくこちらだと思うのですけれど……」
人探しも宝探しと同じだと考えれば、なんとなく勘が働く。月詠・莉愛(銀の月を謳う・f16320)は水路の交差する傍らに立っていた。千鶴という女性を見たこともないし、写真もない。それなのに、なんとなく方角がわかるような気がするのだ。
「こうして立ち止まっていても千鶴さんに逢えるわけでもありませんから、気になる方へ行ってみましょう」
南の方角へと莉愛は水路に沿って歩き出した。
日差しは心地よくて、その陽光が水面に反射してきらきらと輝いている。
「綺麗な街ですね。それにゴンドラが行きかう街があるなんて、知りませんでした」
あてもなく歩く莉愛は無意識に小さく歌を歌っていた。
「おひさまの~ひかりあふれて~行き交う船の~いずこにいるのか千なる鶴の~羽ばたく影よ~我に示せ~」
即興の歌を鼻歌のような雰囲気で幾度かくり返す。本気で作詞をしたわけではないし、メロディもいつも同じではない。ただただ、こんな素敵な街をいいお天気の日に歩いていると、歌いだしたくなってしまうのだ。
「それって千鶴の歌?」
すれ違ったゴンドラの操者が言った。若いツインテールの女の子だ。言いながらもゴンドラは進んで莉愛との距離は離れていく。
「えええぇ、聞こえていましたか? は、恥ずかしい……です」
誰かに聞かせようとして歌っていたわけではない。莉愛の声はどんどん小さくなってゆく。
「千鶴に用があるのなら、今は公園で休憩をしているはずよ。あなた、いい人そうだし素敵な歌を聞かせてもらったから教えてあげるわ」
遠くなるゴンドラの上で操者が言い、櫂を持たない左手を大きく振る。
「あ、ありがとうございます。行ってみます」
莉愛はニコッと微笑んだ。そして空を見上げる。銀色の髪は水面のように明るく白く光をはじく。
「今日は本当にいい天気です」
成功
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向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんけどぉ、だからと言って乱発すればいいってものでもないですよねぇ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談すればいいでしょうかぁ~?
けどぉ、非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
あとぉ、最後まで油断禁物ですよぉ~。
うっかり逃げられたりしちゃ大変ですからねぇ~。
荒事以外のことならめいっぱい楽しんじゃいますよぉ~。折角なら美味しそうなものとかあると嬉しいですよねぇ~。
※アドリブ・連携歓迎
「多少、のんびりとさせてもらっても……いいですよねぇ~」
向・存(僵尸の悪霊・f34837)は街の入り口にあるベンチに座り込んでいた。ここまでは転移したのだから、身体的に疲れているわけではない。けれど、こんな綺麗な水が流れ、綺麗な花が咲いているとなんだからあくせくしたくなくなる。
「人探し、ですか~」
オレンジ色の瞳がぼんやり街を眺める。以前も今も、あまりそういう仕事をした記憶はない。敵と戦ったりするほうが得意な気がする。少なくとも、今のようにどうしていいものかと思い悩むことはない。戦争は実際に戦うまでにほぼ勝敗は決まってしまう。開戦するまで、敵と刃を交えるまでにどこまで出来るか、それが勝敗を分かつのだ。補給も調略も外交も地理を把握することも、だ。
「何か人探しに活用できることはないですかねぇ~」
ゆらゆらと水面がゆれる。
「補給をしましょうかぁ~何かここの名物みたいな物はありませんかねぇ~」
物見遊山でないことは重々承知しているが、腹を満たして脳や手足に栄養を送るのも兵士として立派な事だ。そうだ、そうだ。
「ねぇ、そこのゴンドラのお嬢ちゃん、どこかに名物料理はありませんかぁ?」
水路の端で方向転換をしていたゴンドラ乗りの少女に存はのんびりと尋ねる。この子が教えてくれなくても、また別の子に聞けばいいぐらいの感覚だ。しかし、ここは観光の街でもある。
「名物は魚介の料理ですよ。鍋でスパイスと一緒に煮込んだものや、練った粉一緒に混ぜたすり身の団子もおいしいですよ」
少女は快活に答え、そういう料理を出す店の場所も教えてくれる。
「今すぐに行くんでしたらゴンドラに乗りませんか? お安く早く着きますよ」
「それは嬉しいねぇ~ここの最大の名物といったらゴンドラとゴンドラ乗りの美少女だからねぇ~」
「び、美少女なんて! もう! お口のうまいお姉さんですね。はい、どうぞ」
少女は少し照れながらも存をゴンドラに乗せてくれた。
成功
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ベッジ・トラッシュ(サポート)
◆戦闘時
戦うのは怖い!
なのでボス戦ではだいたい逃げ回っている。
(味方の手助けになる行動や、囮になるなどの功績を得ることはあるがだいたい無意識)
「こ、ここ…怖いのではないゾ!ベッジさんは様子をうかがってイタのだ!!」
手の届かない相手にはパチンコで苦し紛れに絵の具弾を飛ばすこともある。
◆冒険時
基本的に好奇心が強く、巻き込まれ体質。
敵味方関係なく、言われたことには素直に従う。
怪しいような気がしても多少なら気にしない。
後先考えずに近づいて痛い目を見るタイプ。
◆他
口癖「ぎゃぴー?!」
お気に入りの帽子は絶対にとらない。
食べ物は目を離した隙に消えている系。
(口は存在しない)
性能に問題はないが濡れるのは嫌い。
「気持ちのいい午後ナノだ」
ベッジ・トラッシュ(深淵を覗く瞳・f18666)は水面に反射した太陽の光をちょっとまぶしいなぁと思いながらたたずんでいた。どうやらここでの人探しに危険な様子はない。ほっとひと安心で安堵のため息が出る。ベッジは金色に輝く瞳で空を見上げ、風を感じる。大きな大きなトンガリ帽子を脱いだらもっと陽の光も風も感じるかなぁと思ったけれど、やっぱり帽子は脱がないし、なんならもっと深くかぶる。これはベッジさんにとってはアイディンティティに関わる大事な帽子なのだから。
「さてと、ベッジさんには人探しのスキルは……ないのダ」
千鶴というゴンドラ乗りをこんなにゴンドラとゴンドラ乗りが多い街でどうやって探せばいいのだろう。
「ベッジさんは経験豊富な猟兵デスから、こ、こういう時の対処法もわかっているのデスよ。はとにかく歩き回って何かが起こるのをひたすら待つのデス!」
ほら、と、元気に歩き出す。そして2つめの橋に差し掛かったところですれ違った大柄な男にばり~んっとぶつかった。そしてボチャ。
「ご、ごめんよ~ってあれ? 何かにぶつかった筈なんだけどなぁ」
大柄な男は首を傾げる。橋には自分以外に誰もいない。
「お、いっけねぇ。急ぎの届け物だったんだ」
大柄な男は走り去る。静かに水は流れてゆき……いきなり水中から大きなトンガリ帽子が浮かびあがった。そしてその帽子の下にはベッジさんがいる。
「ぎゃぴーー?! た、た、たすけてぇ~」
流れるベッジさんが悲鳴をあげる。けれど、ひょいっと身体が持ち上げられた。
「あれ? 君は誰?」
ゴンドラをあやつるオールに引っかかったのか、水も滴るベッジさんが水揚げされたように掲げられた。
「お、オレは千鶴って人を探しているベッジさんだ」
「私を?」
ベッジさんは千鶴を見つけた。
成功
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ソフィア・エーデルシュタイン(サポート)
わたくしは愛され望まれたからこそ生まれてきましたのよ
だからこそ、わたくしはこの世の全てが愛しいのですわ
狂気的な博愛精神の持ち主
命あるものは救われるべき
蘇った過去はあるべき場所に還るべき
果たすためならば手を下すことに躊躇う必要などないと胸を張る
主に【煌矢】を使用し、牽制や攻撃を行います
勿論、他のユーベルコードも必要があれば使いますわ
わたくしの愛するきょうだいである水晶髑髏は、盾にも刃にもなってくれますのよ
怪我など恐れる必要はありませんわ
わたくしが役に立てるのであればこの身が砕かれようとも構いませぬ
他の方の迷惑や公序良俗に反する事は致しません
それは、わたくしを愛してくれる人達への裏切りですもの
「お手柄でしたわね、ベッジさん。ここからはわたくしが引き受けますわ」
なんだかよくわかっていないベッジさんをよそに、ソフィア・エーデルシュタイン(煌珠・f14358)はゴンドラ乗りの千鶴に向き直った。
「あなたどこから来たの? きれいな人ね」
千鶴は商売っ気なしに言った。水路の街では見かけない、玻璃細工の様に太陽の光を素通してしまいそうな肌、銀色の長い髪のソフィアは内側から輝いているかのように綺麗だった。薄い水色の瞳も宝石のようで良くも悪くも人間らしい血肉の通った身体を持つ千鶴はポ~っとなる。
「わたくしは、わたくしたちはあなたを探していたのです、千鶴さん」
「私?」
千鶴は目を見開く。
「私を探しているなんて人、あなたが初めてよ」
「それは……今も探しているけれど、まだ見つけてないというだけのことですわ。わたくしたちはあなたに聞きたいことがあって探していたのです」
「……聞きたいこと?」
初めて千鶴は警戒心を露わにした。聞かれたくないことに心当たりがあるのだろう。
「もしかして、お姉ちゃんのこと? 会社の人から頼まれたの?」
千鶴はゴンドラをあやつるオールを胸の前で構えて言う。しかしソフィアはゆっくりと首を横に振った。
「半分はあたり、でも半分ははずれですわ」
ソフィアは天上の笑みを浮かべる。おっとりとしていて、どこか浮世離れしているソフィアの言葉もしぐさは優雅で明るい。ほの暗い翳りも後ろめたさもない。これまでの人生を清く、正しく、美しく過ごしてきたとしか思えない。
「わたくしたちは千鶴さんのお姉さま、万理さんを探しています。もしくは、万理さんの姿をした別の方、かもしれない方を……」
「知っているの? なぜ? どうして!
「千鶴さんを助けるためですわ。そして万理さんの心も助けたいと思っています。全ての方は正しく救われるべきなのですもの」
ソフィアは慈愛に満ちた笑みを浮かべた。それは本当に優しい笑顔なのに、千鶴は少し怖いと思った。
成功
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根津・玲生(サポート)
ダンピールの魔女×人形遣い、25歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、敵には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「私もあなたを探していたのよ。お姉さまのことを教えてくれないかしら?」
根津・玲生(ダンピールの魔女・f34925)は黒髪を水面を渡す風になびかせ、いつの間にかそこにいた。まぶしいくらいの陽の光の下、玲生の黒い服は似合っているけれど異質な感じがする。
「私はあなたもお姉さまのことも助けたいんです。私も、助けられたから」
玲生の水色の瞳は過去のワンシーンを見つめていた。そこにはあの人に助けられた玲生がいる。
千鶴ははぁとため息をついて手早くゴンドラを岸の杭にくくると陸地へと飛び降りる。猟兵たちと話をする気になったらしい。
「お姉ちゃんは、万理ねーちゃんは病気で入院しているって聞いてた。でも、本当はゴンドラの事故で、凄く酷い事故でゴンドラが壊れちゃうぐらいなのに、会社の人は大丈夫って。でも会わせてくれなくて」
千鶴は堰を切ったように語り出した。誰かに聞いて欲しくて、でも誰にも言えずに苦しんでいたのだろう。
「入院したって病院に行ってもどこにも万理ねーの病室なんてなくて、でも万理ねーを見た人もいて、もうなんだかわからなくて!」
千鶴は玲生に詰め寄った。
「あなたならわかるの? 万理ねーがどうなったのか、万理ねーがどこにいるのか。万理ねーが……」
千鶴はびっくりしたような顔のままフリーズした。玲生はハッとなって振り返った。遠くに一艘のゴンドラがあった。誰かがゴンドラに乗っている。
「ま、万理ねー?」
今度は玲生が千鶴に詰め寄った。
「あの人が万理さんですか?」
千鶴は返事をせず、じっとゴンドラに乗る人を見つめている。小さく水の音がしてその人の乗るゴンドラが動き出した。巧みな操船術でゴンドラはどんどん遠く小さくなる。
「万理ねー、待って!」
千鶴は自分のゴンドラに飛び乗り、万理かもしれない人の乗るゴンドラを追いかけ始めた。
成功
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第2章 冒険
『桜の追走劇』
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POW : 体力の続く限り追跡する
SPD : 先回りをして進路を塞ぐ
WIZ : 牽制攻撃を行い速度低下を狙う
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アハト・アリスズナンバー(サポート)
「私の手が必要ならば、お貸しします」
無表情、無感情に見える、死んでも次の自分が即座に故郷から転送される量産型フラスコチャイルドです。
一人称は「私」、口調は誰に対しても「です、ます、でしょうか」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的には手が必要なら貸す、といったスタイルでユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず突撃します。
ただ、アリスが関連してる場合は積極的に手を貸します。
その他の部分はマスターさんにお任せします
千鶴は先行するゴンドラを追って自前のゴンドラを走らせた。あのゴンドラには姉の万理が乗っているかもしれない。遠目ではっきりとはしなかったが、同じゴンドラ乗りで入院中の万理に似ているのだ。
「万理ねー、待って!」
声を限りに叫んでも前をゆくゴンドラの速度は落ちない。同じ型のゴンドラなのだから速度の限界は同じだが、操者の技量がものをいうのか徐々にゴンドラの距離は広がっている。
「このままじゃ見失います。彼我の差異は操縦者の熟練度と推察します。あなたに何か方策はありますか?」
陸地を並走しているアハト・アリスズナンバー(8番目のアリス・f28285)が千鶴に言った。冷静な分析結果に基づく言葉だが、なかなかに千鶴の心を容赦なくえぐってくる。
「そ、それは万理ねーの操縦技術に私が追いついていないからゴンドラも追いつけないってこと?」
「……端的に言えばそうです」
アハトは遠慮も会釈もしなかった。もちろん、必要だとアハト本人が認めればもっと人間らしい細やかな受け答えも出来るし、表情も作ることが出来る。しかし、今はその必要を感じなかった。必要なのは前をゆくゴンドラに追いつくための策と行動だと判断したからだ。
「あなたに方策がないのであれば、私が試行することを許可いただけますか?」
「え? あなたが?」
千鶴は走るアハトを見た。結構長く走っているけれど息はあがっていないし、走る姿勢もきれいなままだ。ただものではない、と、千鶴は思う。
「わかった。でも万理ねーを傷つけないで」
「了解」
立ち止まったアハトはどこから取り出したのか、携行型の荷電粒子砲を肩に構える。
「え? え? ちょっとまっ……」
千鶴の制止はアハトを止められない。めちゃくちゃ強そうな武器からちょっとした細いビームが飛ぶ。前をゆくゴンドラよりももっと前に着弾して、大波が生じてゴンドラを押し戻した。
「今です。頑張ってください」
アハトは千鶴に声援を送った。
成功
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東海林・馨(サポート)
冒険では元職がフードファイターのため、フィールドワークを大切にします。珍しい植物、珍しい食材が居たら研究対象とします。もちろん味も!
種族が人狼のため音や匂いを探ることで冒険に役立てるようとします。
基本、見た目では判断しません。それまでの行動とたまに感じる第六感とを天秤をかけます。(これを降りてくると呼んでます)
斥候や探索の依頼があれば真っ先に名乗り出ます。
その他はお任せです。
万理が操るゴンドラと千鶴の乗るゴンドラの差が少し縮まった。しかし、ゴンドラを操る技量は万理の方が優れている。大けがをしたはずの万理だが、その動きには正確で確実、よどみがない。
「どうしよう。このままじゃまた万理ねーに離されちゃうよ」
千鶴も必死に櫂を使いゴンドラを進ませるのだが、どうにも思うようなスピードが出ない。
「千鶴! 俺の手が必要か?」
水路と並走する道に東海林・馨(探索する者・f33122)が立っていた。つややかな漆黒の髪と黒曜石のようにキラキラと輝く瞳を持つ誠実そうな男性だった。
「必要よ! 困ってるの。あのゴンドラに追いつきたいの!」
千鶴は迷わなかった。馨からは妖しい翳りは感じられない。きっと本心から困っている千鶴を助けてやりたいとおもってくれているのだろう。そして、この人は誰かに手を差し伸べることを苦だとは思っていない、たぶん。
「大事な人なのか?」
「うん、万理ねーは大事なお姉ちゃんだよ!」
「わかった、俺に任せろ」
それ以上は必要ない。前を行くゴンドラとその操者の匂いはわかった。この街のどこにうまい店があり、どこに水路がつながっているのかはもうわかっている。ならば、律儀に水路をたどらなくても先回りしてしまえばそれが早い。
「千鶴はそのまま姉を追え。挟み撃ちだ」
「わかったわ!」
全く違う方向へと走る馨を視界の端に捉えたまま、千鶴はゴンドラを走らせてゆく。右に曲がり、左へ曲がり、さらに次の交差は曲がらず真っ直ぐすすんでゆく。
「どこへ向かっているの、万理ねー」
千鶴は離されながらも必死で進む。すると、突然前へゆくゴンドラが止まった。
千鶴と別れた馨は屋根伝いにゴンドラを追っていた。こういう時は上からが楽に追える。だいたいの地形は把握していても、下からでは細かい道や水路に翻弄されやすいが、上ならば最短距離で追尾出来る。すぐに馨は先回りをして万理が操るというゴンドラの前に出た。
「姉ならば妹の話を聞いてやれ、万理」
屋根から降りた馨はゴンドラの舳先に飛び降りた。
成功
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ミラリア・レリクストゥラ(サポート)
やや戦いの不得手なクリスタリアンの旅人です。唄を得意とし、必要であれば口だけではなく全身を震動させ発声します。また、ユーベルコードとして唄う場合は様々なサポートをします。
性格としておっとりしている所はあるものの、尊厳を卑劣に踏みにじる行為を見ると許せないと憤怒します。
ビーストマスター適性はかなり限定的で、『地母の恵み』で活性化した大地の恩恵を求め集まったものと一時的な協力関係が築かれます。
食事も呼吸も不要で、大地の放射エネルギーを糧とします。このためスペースシップワールドには適性がありながら苦手意識が強く、近寄りたがりません。
『お祝いですね!一曲唄わせてください!』
『あら?お困りでしょうか…』
「待ってよ、万理ねー。私の話を聞いて! ううん、万理ねーの話を聞かせてよ」
万理のゴンドラを追いかける千鶴は櫂を抱きしめながら言った。必死の叫びに、だが万理らしき人は振り向かない。
「会社の人は万理ねーが事故を起こしたって言ってた。でも、万理ねーはゴンドラで大きな事故を起こすような無茶なことをする人じゃないよ。教えてよ、何があったの?」
「何か言いにくいことがおありなのではありませんか?」
千鶴のゴンドラにはいつの間にか客人が座っていた。背筋を伸ばした綺麗な姿勢、両足を揃えて斜めに流した『一番足が綺麗に見える角度』の座り方、膝に置いた両手の重なり具合。どれをとっても上品で育ちの良さがにじみ出る。
「ごめんなさい。お客様ですか?」
あわてた千鶴が早口でいいぺこりと頭をさげると、座っていた客人……スピネルの体にオパールの目を持つクリスタリアン、ミラリア・レリクストゥラ(目覚めの唄の尖晶石・f21929)はおっとりと顔をあげ、千鶴を見た。
「いいえ、客というわけではありません。でも、あの方がどうして何も話してはくださらないのか、想像することは出来ますわ」
「どうしてですか?」
千鶴はミラリアへと身を乗り出した。そうして至近距離でみても、クリスタニアンは美しい。この街ではあまり見る機会がなくてついつい見入ってしまいそうになる。
「真実が残酷だからですわ」
「……え?」
千鶴はミラリアの言葉に驚き、万理へと向き直る。どこから見ても万理にしか見えない。あの日、行ってきますと言って手を振り家を出た万理その人だ。
「私には苦手なことがたくさんあります。戦うことも好きではありません。私に出来るのは歌うことです」
ミラリアはゴンドラの中ですっと立ち上がり、大きく息を吸った。そして美しい声を響かせる。
「いのーちぃの 叫び 伝えられたなら! あしーたはっ きっと 輝くからぁ!」
ミラリアの歌は千鶴の心と身体にもぽっと火が灯るような温かさをくれる。そして、それは万理へも伝わったのか。
「……千鶴」
前を行くゴンドラに乗る人は振り返った。包帯だらけで顔はよく見えないけれど、声は万理に違いない。
「私と勝負なさい、千鶴。そうしたら話してあげるわ」
前のゴンドラが急に速度をあげて走り出した。
「あ、あの方も元気になってしまったみたいです。ごめんなさい」
歌を止めたミラリアは申し訳なさそうに千鶴に言った。
成功
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春霞・遙(サポート)
UDC組織に所属して、UDC関連の一般病院に勤務している小児科医です。
行動の基本方針は困っている人が居るなら助けたい、人に害をなす存在があるなら退けたい。
戦う力はあまりないですけど、自分が傷を負うとしてもみなさんのお手伝いができれば嬉しいです。
基本的に補助に徹します。
「医術」「援護射撃」「情報収集」から、【仕掛け折り紙】【葬送花】での目くらましや演出、【生まれながらの光】【悪霊祓いのまじない】で照明や目印を付けるなども行えるかと思います。
攻撃は拳銃による射撃か杖術が基本で、その他はUCを使用します。
【悔恨の射手】【未来へ捧ぐ無償の愛】は基本的に使用しません。
シリアス以外ならいたずら好きの面も。
またしても万理の乗るゴンドラが動き出す。めちゃくちゃな加速でぐんぐん千鶴達から離れてゆく。
「驚異的な操船技術ですね。勘がいいのはもちろんですが、やはり日頃の鍛錬でしょうか?上腕の筋肉もそうですが、ブレのない体幹がなりよりの武器でしょうね」
気が付けば、千鶴のゴンドラには春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)が座っていた。客が入れ替わっている。
「観光ゴンドラがあると聞いてきたのですが、今が取り込み中ですよね」
医師である遙の毎日は基本的に非人間的なまでの激務である。医師の仕事だけでも激務なのに、遙にはそれ以外にもやるべきことがある。ほとんど過労死寸前の労働環境なので、たま~にこうして慰安旅行をする、自主的に、自腹で。
「困っているのでしょう? 私が手を貸しますから櫂を動かしてください。それはあなたにしか出来ない事です」
遙の優しい琥珀色の瞳が千鶴を見る。こくんと千鶴はうなずいた。
「わかりました。万理ねーに勝てたことなんてなかったけど、やってみます」
千鶴は遙を乗せたままゴンドラを動かす。
「体幹を意識してください。櫂は腕ではなく身体全体で動かす気持ちです。水の流れをよく見てください」
ほんの一瞬で遙は前をゆく万理と千鶴の違いを見抜く。子供たちのリハビリ計画もたたき台を作る遙からみると、千鶴は自分の身体の動かし方をまだわかっていない。
「1つの事だけではなく、一度に色々なことに目を向けてください。ほら、万理さんのゴンドラは右に曲がっています」
万理のゴンドラは見えなくなっていたが、遙が放った折り紙の鳥が右に曲がってゆく。
「あの鳥を追いかけていけば万理ねーに追いつけますか?」
「ええ、追いつけますよ」
あなたが頑張れば、だと遙は思ったけれど、それはあえて口にはしなかった。
成功
🔵🔵🔴
ナギ・ヌドゥー(サポート)
普段はなるべく穏やかで優し気な感じで話してます。
……そう意識しておかないと自分を抑えきれなくなりそうなので。
それでも戦闘が激しくなると凶悪な自分が出てしまいますね。
オブリビオン相手なら最初から素で対峙し、手段を選ばず殺しにいきますよ。
探索行動の時は第六感などの知覚に頼る事が多いです。
日常的な行動は、寛ぐ事に慣れてないから浮いた存在になるかもしれません……
武器は遠距離ではサイコパーム、近距離では歪な怨刃、
痛みや恐怖を与える時はソウルトーチャーを使います。
己は所詮、血に飢えた殺人鬼……
それでも最後の理性を保つ為に良き猟兵を演じなければ、とも思っています。
どうぞ自由に使ってください。
「ここからは私がお手伝いをしましょうね」
千鶴のゴンドラに飛び乗ったのはナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)だった。銀細工の人形のように繊細で綺麗な男性だった。そういう人に慣れていない千鶴はちょっとドキドキしてしまう。
「少し右に寄って進んでください」
「はい! でも、どうして?」
「……勘、です」
「え?」
「次は左寄りで。たぶん、それが一番早くなります」
ナギはゴンドラ乗りではないけれど、なんとなくどうしたら前をゆくゴンドラにおいつけるのか、その秘訣はわかる。ただ、理路整然とした言葉にならないだけだ。
「本当だ。さっきより速い!」
櫂を操る千鶴はびっくりと嬉しさが混じったような笑顔を浮かべる。これなら万理に追いつくのも夢ではない、かもしれない。
「千鶴、腕をあげたわね」
前のゴンドラに乗る万理が振り返った。その目、姿、声を聴いたナギにはわかってしまった。そして万理もナギがどういう存在なのか察知する。
ゴンドラは更に接近してゆく。近づけば近づくほどナギの限界は近くなる。そして、とうとう。
「もう殺してしまってもいいですよね。相手はオブリビオンなんですから」
ずいぶんと我慢をした。千鶴の目の前で殺さないほうがいいような気がして我慢をしてきたけれど、もうだめだった。白い肌には血の赤が差し、銀色の瞳には耐え難い欲望がにじむ。
「殺さないで。万理ねーは万理ねーよ。私の自慢の姉よ!」
千鶴はナギに向かってゆくが、触れることさえかなわない。
「ここまで来たのね、千鶴」
万理の乗るゴンドラは水路の二股に差し掛かっていた。右、と思わせて左へと向かう。
「え?」
万理のゴンドラに肉薄していた千鶴はそのフェイントのまんまとかかり、右の水路へと進んでしまう。
「ちゃんと見てなきゃだめじゃない」
「そん、そんな~~!」
二人の操るゴンドラはどんどん距離が離れてしまう。
「この先で、水路が合流する場所はないのですか?」
努めてゆっくりと丁寧な口調でナギが訊ねる。
「あるわ」
「では、そこへ進みましょう」
なんとかナギは我慢している。
成功
🔵🔵🔴
月影・左京(サポート)
アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱改変・その他OK!
「はわっ!?……大丈夫。私も手伝うから♪」
一人称:私
口調:女性的でラフ(〜よね、なの?、あら〜等)
口癖:はわっ!?
性格:おっとりのんびり。「わぁ!頼りにな……る、の?(笑)」な印象
基本戦法:【忍び足】で敵の死角に入りメイスによる【気絶攻撃】を【2回攻撃】。【鎧砕き】も狙う。
敵の攻撃は【聞き耳】を立てて【第六感】も使い、【見切り】ます。
※不意打ちを受けた時など、「はわーっ!?」と叫ぶ傾向あり。
指定したUCを何でも使用。
但し負傷した猟兵がいれば戦況次第で攻撃より【祈り】の力と【医術】及び【救助活動】で治療。
後はお任せします。よろしくお願いします。
「あとは私に任せてね! 千鶴さん、こっちだよ!」
柔らかそうな金色の髪をなびかせて、月影・左京(夫婦ゲーマーのはわっ担当・f06388)は自信満々でゴンドラ乗りの千鶴を陸地から先導した。すでに多くの猟兵からの情報で千鶴が姉の万理をゴンドラで追いかけていることは知っているし、少し前の水路の分岐で左右に分かれてしまったことも知っている。
「ありがとうございます。姉の万理が乗っているゴンドラの場所を知っているんですよね」
「知ってはいないけど、でも、大丈夫だから安心してよね!」
左京はえっへんと自信満々に言う。初めて会った左京をどこまで信じていいのかわからないが、もう今は信じていくしかない。千鶴は覚悟を決めた。
「わかりました。行きます!」
「こっち、こっち」
左京の示すようへと千鶴はゴンドラを走らせる。
「そしてこの分かれ道を右!」
びしっと示した左京の手はしっかりと左を指している。そう、左京はかなりの方向音痴であったのだ。
「え? 右? 左?」
「はわっ!? こ、こっち! たぶん、きっと、うん、きっと」
もはや右も左もよくわからなくなってきた左京の示す方角へと千鶴はゴンドラの咆哮を無理やり変更した。そして、目の前に万理と万理のゴンドラがあった。
「さすがね、千鶴。完璧にまいたと思ったのに」
万理は笑ってゴンドラを降りた。綺麗な花の咲いている場所だった。
「わぁ! よかった~」
へなへなと左京が座り込む。あちこちゴンドラを案内して走り回るのは気持ちのすり減ることだったのだろう。
「ありがとう。これでやっと万理ねーと話が出来るよ」
千鶴も左京にお礼を言ってゴンドラを降りた。
「はわーっ! 待って千鶴さん。あの人はオブリビオンだよっ! 逃げなきゃ」
左京は素早く千鶴の前に出て背に庇う。それでも千鶴は動かない。
「もうわかっているのよね、私はもう死んでしまっていて、もうすぐ私の心も消えてしまうことを……」
万理は悲しそうな顔で言った。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『桜染め少女』
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POW : 五臓六腑の生ける花
【強烈な呪詛】を籠めた【あらゆる障害を通過して対象に到達する閃光】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【内側に血染め桜を咲かせ、内側】のみを攻撃する。
SPD : 人肉造花
【無数に舞い散る桜の花】が命中した対象を爆破し、更に互いを【精神・肉体的に対象を侵食する桜の枝】で繋ぐ。
WIZ : 死してなお、恨めしく。
全身を【血染め桜の花】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃を吸収、その攻撃力】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
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陽殿蘇・燐(サポート)
バーチャルキャラクターの寵姫×国民的スタア?いいえ、これでも(元)ラスボスな悪女NPCよ。
基本は高性能スマホを利用して、配信しつつの行動になるわね。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用するし、多少の怪我は厭わず積極的に行動するの。これでもバーチャルキャラクターだもの。
悪女たるもの、その行為は健全な世界あってこそなのよ。だから他の猟兵に迷惑をかける行為はないわ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしない。配信垢BANされちゃう。
あとはおまかせ。よきに計らいなさい(思い出した悪女ムーブ)
※
キマフュ出身なので、トンチキでも適応していきます。
ベイメリア・ミハイロフ(サポート)
メイン参加者さまのお邪魔にならぬようにしつつ
状況を見て行動を行おうと思います
日常では、まったりのんびり楽しみたいと思います
探索が必要であれば、情報収集・聞き耳を活用し
さりげなく目立ちすぎない程度に行動を
戦闘での行動は、絶望の福音又は第六感・見切りにて相手の攻撃を予見し回避又はオーラ防御・武器受けからのカウンターを狙いつつ
広範囲に敵がいます場合にはRed typhoonを
1体に対してはジャッジメント・クルセイドにて攻撃をいたします
チャンスがあれば早業・高速詠唱からの2回攻撃を
回復が必要なら、この身を削ることになろうとも、生まれながらの光を使用いたします
呼び方ファーストネーム+さま
一人称:わたくし
カツミ・イセ(サポート)
「僕の神様は言ったよ。郷に入りては郷に従えと」
「僕に出来ることだからね」
神様に作られたミレナリィドール、勝ち気で大人びた僕娘。イメージは水。
口癖が「僕の神様は言ったよ」
『偽装皮膚』の影響で、球体関節が普通の関節に見えるよ。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。加護で治るから、大怪我しようと厭わず積極的に行動するよ。
遠距離は『水流燕刃刀』を伸ばすよ。
近接戦では『偽装皮膚』を水のような刃にして、咄嗟の一撃を放つことがあるよ。このときは球体関節が見えるんだ。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないんだ。
あとはおまかせするから、よろしくね!
リズ・ルシーズ(サポート)
生体ベースのサイボーグ、何らかの理由で生命維持モード(Re-A=リア)として活動中、普段の活発さはなくミステリアスな雰囲気。生命維持を最優先、リスクを避けるとともに敵対する存在に対して容赦はしない。白い外部装甲
『私はリア、この身体に敵対するものに容赦はしません』
『『解析・検証・再定義』データの取得に使わせていただきます』
『私はリズ程は甘くはありませんよ?』
21歳 女
口調:おしとやか(私、貴方(貴女)、~さん、ですね、です、ですか、でしょうか?)
武器:電磁ランスと疑似刻印による光属性攻撃のレーザー
補助装備:ナノワイヤー(トラップ・移動用)、重力制御装置
探索時:R-Seriesでの人海戦術など
琥珀川・れに(サポート)
※アドリブ好き過ぎて全てお任せ
「貴族たるもの余裕を忘れてはいけないな」
「やあ、なんて美しい人だ」
ダンピール貴族
いかにも王子様っぽければねつ造歓迎さ
紳士的ジョークやいたずらも好きかな
敵も味方も性別か見た目が女性ならとりあえず一言は口説きたいね
ナンパではなくあくまで紳士的にだよ?
実は男装女子で
隠しはしないが男風源氏名レニーで通している
その方がかっこいいからね
戦闘スタイルは
・剣で紳士らしくスマートに
・自らの血を操作した術技
が多い
クレバーで余裕を持った戦いができれば嬉しいよ
早めに引くのも厭わない
説得系は
キラキライケメンオーラやコミュ力で
相手を照れさせてみせよう
琶咲・真琴(サポート)
灼滅者の両親を持つ9歳の男の娘
母親に憧れて女装している
膝上15cmのスカートは正義
普段の一人称はボク
二人称はあなた、呼び捨て
口調は敬語が基本
大切な人とや本音で話す時は素に戻り
一人称がオレになったり男口調になる
familia pupa(2体の男女の片翼人形)を
お祖父ちゃん、お祖母ちゃんと呼び
いつも連れ歩いている(目立つ場合は肩掛け鞄の中にいる
戦闘
指定したUCを状況に合わせて使う
例え依頼の成功の為でも
迷惑行為はせず、
公序良俗に反する行動はしない
アドリブ
連携大歓迎
そこは綺麗な花が咲く場所だった。万理であった存在、今は血染めの桜に魅入られた影朧と猟兵たち、そして千鶴しかここにはいない。
「ここにいたら危ないよ。あの人が心配なのはわかるけど、もう少し下がってくれないかな? そうじゃないと君のことが気になって僕は戦いに集中できなくなってしまうよ」
琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)はそっと千鶴に手を差し伸べた。
「え? でもあの人は、さっきまで私のお姉ちゃんで、万理ねーで……」
「わかっているよ」
れにはいつまでも宙ぶらりんでいる千鶴の手を握ると、そっと引き寄せた。
「でも、もう彼女は元には戻らないんだ。だから、もう会えなくなるけど姉上がこれ以上苦しまないようにしても、いいよね」
「ま、万理ねー」
れにの肩越しに見える万理はもう万理の姿をしていない。真っ赤に染まった血色の桜、その怪異に変化している。それでも涙は止まらない。
「じゃあ僕がやるよ」
千鶴を抱くれにの横をすり抜けたのは、この世界になじむ和装で小柄な女の子が進み出た。速度はどんどん早く、そして疾走となる。
「待っ……」
千鶴が何か言うよりも、その動きは速い。
「僕の神様は言ったよ。郷に入りては郷に従えと。だからこの装束なんだけど、そして猟兵として戦っていいって」
カツミ・イセ(神の子機たる人形・f31368)は手にした水流燕刃刀を長く伸ばし、間合いの外から万理であった影朧へと斬撃を放つ。枝が斬られてハラハラと赤い血色の花が飛ぶ。
「千鶴、逃げて!」
万理の声、それでも攻撃を受けた全身にからまる桜木から魔性の花が散ってゆく。
「千鶴」
花びらが風に吹かれ千鶴にも触れようとした。その時、れにはもう一度千鶴を抱きしめ、花に背を向けた。爆発が起こり、伸びた枝が影朧とれにを繋ぐ。
「きゃああ!」
れにの負傷に千鶴は悲鳴をあげる。
「行って!」
れには痛みを隠して笑顔を作り、そっと千鶴を遠ざける。
「千鶴、行きましょう」
小さな手が千鶴の手を握り、戦場の外へと連れ出そうとする。
「あなたは? でも、あの人が……」
「大丈夫ですよ。それよりみんな千鶴を心配しています」
千鶴の手を引いて強引に走り出した琶咲・真琴(1つの真実に惑う継承者・f08611)は振り返って笑った。可愛らしいフリルがたくさんついた服が似合う、とても可愛い子だ。思わず千鶴の警戒心も低くなる。
「私を?」
「はい。だからボクと一緒に避難しましょう」
「わかりました」
千鶴はまこと真琴に連れられ、ゴンドラのところまで引き返してきた。
「ここにいてください。ボクはあそこに戻りますから」
「……はい。万理ねーをよろしくお願いします」
「わかりました」
もう千鶴には祈るしかない。ぎゅっと胸の前で両手を握り、走りってゆく真琴をただただ見つめていた。
千鶴がいなければ、懸念事項はもうない。猟兵たちと影朧との戦いは続いている。
「私はリア、この身体に敵対するものに容赦はしません」
もともと戦闘に特化した個体ではないリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)だが、戦う能力がないというわけではない。いや、戦闘であってもリズ、あるいはリアは有能に行動する。
「『限定解除、放熱板展開、全武装再構築』記録は改訂される。再び見よと、其れは謳う」
限定解除された武装をまとったリアは電磁ランスを手にし、高速で接敵して武器を振るう。影朧の身体が切断され、血のような赤い花が無数にこぼれる。
「万理様、この期に及んではあなた様を滅するより外にお救いする手立てがございません。どうかわたくしの手で天上へと送ることをお許しください」
赤と白の清廉なる衣装を身に着けたベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)が指をさす。その先には血色に咲く桜の影朧がいる。
「早く、もう私は私ではいられなくなるから、は、やく!」
苦し気な万理の声にも後押しされるようにベイメリアが指を向ける。そこから天上の光が輝き、万理と影朧の身体を貫く。
「ああぁ」
吐息の様な息を吐き、万理の身体ががっくりと前に倒れる。それでも影朧はまだ消えず、動いている。
「全ての準備は整ったわ。だから私があなたを消してあげる。これでもバーチャルキャラクターだもの。配信するのは許してもらうわよ」
陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)はようやく全ての生ライブの支度が整い、見栄えのいい装備に着替えて敵の前に立ちはだかった。やや悪役女幹部臭がするのは彼女のヒストリーを考慮すればずいぶんと薄まったと影ながらの努力を評価すべきところだろう(面と向かって言っても肯定はしないだろうが)。
「撮れ高の関係もあるし、少し派手にいくわね」
もちろん、配信での画面の迫力も再生数に影響がある。燐は揚羽擬蛾での羽ばたきを合図として、複数の黒蝶形武器で影朧を囲み、大量の炎で浄化する。炎はいくつもの蝶の姿となって燃え上がった。
「……」
万理は叫ばない。ただ、その身体が悲鳴をあげるかのように影朧だけが悶え苦しむだけだ。
「もういいよね」
刀身にルーンを刻んだ魔法剣『エペ ド ルーン』を手にしたれにが影朧の真ん前にいる。
「僕と君とをつなぐ運命の赤い糸、僕が落とすのは恋にじゃなくて首さ」
影朧とれにを繋いでいた桜の枝は血の漸糸となって再び結び合わせ、しかし、その血の漸糸ごと剣が影朧の首を絶つ。
「あ、りがと、う」
影朧の中から万理の声がとぎれとぎれに聞こえてきた。そして、影朧は四散し散った花びらもすぐに消えた。
「万理ねー!」
ゴンドラから千鶴が叫ぶ。もうその声は万理に届かない。
「もう、大丈夫だよ」
真琴は優しき白炎の風を放った。その場を癒しの眠りが広がって言った。
機材を片付けた燐は元通りに詰め直し、大きな荷物をもう一度作る。
「じゃ、私は先に帰るわね。これから動画の編集や字幕も考えなきゃだし」
「配信というのはとても奥が深い大変なお仕事なのでございますね。わたくし、影ながら燐様のご活躍をお祈りしております」
「本当に祈ってくれそうね。ありがとう、ベイメリア様」
ベイメリアに見送られて燐は大荷物をゴロゴロと引いてゆく。
「任務は完遂したと判断し、私も帰投します」
几帳面に一礼するとリアと名乗った生体ベースのサイボーグも手ぶらで身をひるがえした。
「僕の神様は言ったよ。もう出来ることがないなら、早く帰ってリラックスすることが大事だってね。だから帰るよ。その子によろしくね」
カツミはニコッと笑って手を振った。
「ボクも帰ります。千鶴とは離れがたいけど、ボクがいたら千鶴が泣けないかもしれないでしょう」
真琴が言うとベイメリアはうなずいた。
「千鶴様は最愛のお姉様を亡くされたのですから……そうかもしれません」
「じゃ、3人で彼女を送ってあげよう。せめて万理の消えたここじゃないもっと明るい街の近くまで」
「そうしましょう」
れにの提案に誠もベイメリアもうなずいた。
千鶴が目覚めたのは寮の前の水路でゴンドラの中だった。後日、万理が行方不明になったと会社から連絡があったが、千鶴は本当の結末を知っていて誰にも言わなかった。
成功
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