アポカリプス・ランページ⑯〜助けて!マザーの集中砲火!
●マザー・コンピュータ~増殖無限戦闘機械都市
「わんわん! ぼくの名前はきなこもち! マザーはお母さんじゃないよ!」
スーパー犬、希那古・もち(あまり賢くない動物・f24531)が集まった猟兵達を見上げ、キャンキャンと吠えるように話し掛ける。
「あのね、知ってると思うけど、とうとう『フィールド・オブ・ナイン』の一人、マザー・コンピュータが現れたんだ!」
自身が創造した超巨大コンピュータ、それを創造した女性だ。そう、彼女は創造者でもあり、その生体コアでもある。
マザーはあらゆる物質、概念を『機械化』する能力を持っており、放っておけばアメリカ大陸でさえ彼女の戦闘機械獣と化してしまうだろう。驚異的な力を持つ相手だが、オブリビオン・フォーミュラである以上、何としても撃破しなければならない。
「ぼくもグリモア猟兵だから、さっそくみんなを送ってあげるね! って言いたい所なんだけど……ちょっとおねがいがあって」
先程まで元気だったもちの声が小さくなる。
「マザーの場所まで送ると、グリモア猟兵ごと『増殖無限戦闘機械都市』って場所の中に閉じ込められちゃうんだって。ほんとだったら、ぼくはすぐにヒナンしなきゃなんだけど、隠れる場所もないから……狙われちゃうかもしれないの!」
グリモア猟兵の身に何かがあれば、転移された猟兵は帰路を絶たれる事となる上、今後にも影響が大きく出てしまう。しかし相手から狙われる以上、もち自身が戦う事は得策ではないだろう。
「うーん、だからね……ぼく、がんばって逃げるよ! 戦いのジャマはしないようにするけど、守ってくれると、うれしいな!」
気合いを入れた声を響かせる。しかし戦わずして無防備である以上、猟兵とて一般人と変わりない。マザーからどうにか守りつつ戦わなければならない。
「それじゃあ……準備できたら送るね? ぼくもがんばる!」
もちは見えない尻尾を振りながら、転移の準備を始めた。
●激おこぷんぷんマザー
転移が終わった直後、その空気は重く、そして汚れていた。
ありとあらゆる方向、四方八方何処へ顔を向けても、視界に入るものは無数の『戦闘機』。これが予知によって説明されていた『増殖無限戦闘機械都市』の内部なのだろう。
「――えぇ、待っていましたよ」
空間に轟く澄んだ女性の声。球体のフラスコに入った裸体の女性こそ、マザー・コンピュータなのだろう。
「どうでしょう? まずはこのデトロイト市を全て機械化させました。猟兵達よ、これでも尚、立ち向かう勇気はあるのですか?」
問い掛けてくるものの、生きて逃がす気はなさそうだ。
それにしても、と。猟兵達の中に混ざる一匹の小さな犬を見るなり、はぁ、とマザーは溜め息を吐いた。
「グリモアが……大きな力を秘めているのが、あの毛玉だなんて。思考を停止したくなるほど、私も舐められたものです」
「な、なめられないよ! おばさん機械だもん!」
ピシッ。
「…………」
沈黙。そして不穏な空気。
マザーの冷酷で恐ろしい表情と共に、空間が歪み始めた。
「わぁぁー!! こわいよー!!」
戦闘機の群れは、グリモアを持つ一匹の犬へ無慈悲に襲い掛かる。
ののん
お世話になります、ののんです。
●状況
アポカリプスヘル『アポカリプス・ランページ』の戦争シナリオとなります。
1章で完結します。
一つくらい雰囲気のゆるいボス戦があってもいいじゃないですか。
(判定はちゃんとしますけど、気軽な感じでどうぞ)
●戦場について
マザーの機械化能力によって都市全てを「増殖無限戦闘機械都市」に変形させ、
猟兵達を「転移を担当したグリモア猟兵ごと」超巨大な機械都市の内部(体内)に閉じ込めます。
逃げ場はなく、何処を見ても戦闘機で覆い尽くされています。
マザーから狙われるグリモア猟兵(犬)を守りつつ戦闘、撃破をお願いします。
希那古・もち(f24531)はふるふる震えてるかそこら辺で跳ねてます。戦えませんが猟兵の指示には従います。
余計な事や邪魔はしません。賢い動物なので。
プレイングボーナスは以下の通りです。
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プレイングボーナス……グリモア猟兵を守りつつ、増殖無限戦闘機械都市の攻撃を凌ぎつつ、マザーと戦う。
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●プレイングについて
受付は公開後~『#プレイング受付中』のタグがある間まで。
キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
同時に投稿して頂けると大変助かります。
申し訳ありませんがユーベルコードは基本的に【選択したもののみ】描写致します。
以上、皆様のご参加お待ちしております。
第1章 ボス戦
『マザー・コンピュータ増殖無限戦闘機械都市』
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POW : マシン・マザー
全長=年齢mの【巨大戦闘機械】に変身し、レベル×100km/hの飛翔、年齢×1人の運搬、【出現し続ける機械兵器群】による攻撃を可能にする。
SPD : トランスフォーム・デトロイト
自身が装備する【デトロイト市(増殖無限戦闘機械都市)】を変形させ騎乗する事で、自身の移動速度と戦闘力を増強する。
WIZ : マザーズ・コール
【増殖無限戦闘機械都市の地面】から、対象の【猟兵を撃破する】という願いを叶える【対猟兵戦闘機械】を創造する。[対猟兵戦闘機械]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑11
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栗花落・澪
自分の羽を希那古さんに一枚持たせることで
羽を媒介に自分と希那古さん両方に【オーラ防御】
分割する分防御力は半減するかもしれないけど
なにも無いよりはマシだろうから
【聞き耳】で機械の稼働音と方向を聞き取り
目視するより早く翼の【空中戦】で回避行動
同時に【指定UC】を発動
地形の一部でも上書きし
大量の木で死角を増やし希那古さんと自分が隠れやすいように
【高速詠唱】で氷魔法の【属性攻撃】
フラスコの表面を凍結させ視界を奪い
少しでも判断力の低下を狙い
その隙に希那古さんを良さげな木の根元に避難させ
僕の魔力の籠った花粉
花粉症だけだと思ったら大間違いだよ
自分が希那古さんの盾になりつつ
炎魔法の【全力魔法】で粉塵爆発
一匹の気に喰わない犬を仕留める為だけに、増殖無限戦闘機械都市は生き物のように揺れ出す。マザーの怒りのままに生み出される戦闘機が地面から次々と飛び立ち、猟兵達の頭上を飛び回る。
「はい、希那古さん」
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)がもちへ近付き、自身の翼の羽根を一枚渡す(瞬時に手で持たせる事や咥えさせる事は難しかった為、背中の毛に埋め込んだ)。
「お守り代わりだけど、ね」
そう告げると、次に澪が視線を向けた先は上空。攻撃を窺い旋回する戦闘機を睨む。
「……嫌な街、嫌な世界。こんな場所、楽しくないよ」
「心配する事などありません、全て機械にしてしまいますから。機械化を拒む者など存在しません」
拒む者など存在しない。それはつまり死を意味するもの。
「特に貴方達猟兵には関係のない事でしょう。その為にも抹消します」
マザーの操る戦闘機から銃弾が発射される。四方から迫り来る銃音と戦闘機の音を頼りに、澪はユーベルコードを発動させながら地面を蹴り上げ飛翔する。
戦闘機の間を潜り抜けながら地面に咲かせるのは魔法の木々。周囲に虹色の花粉を撒き散らしながら次々と戦場に緑色を増やしていく。その茂みにもちが隠れると、標的を見失ったマザーが思わず表情を歪ませた。
「確かに酷い事言っちゃったけど……そっちもクールダウンしたらどうかな?」
マザーへ向けて澪が飛ばしたのは氷の魔法。輝く冷たい風がマザーを守るフラスコを凍らせる。勿論、それだけではマザー本体にはダメージが通らず、裸体とはいえ彼女には寒さも感じない。しかし澪の狙いはそれではない。
「な、なんて事を……!」
ぱちぱちとフラスコが凍り付いていく。周囲が真っ白にぼやけ、マザーは視界を封じられた。彼女は標的を探す手段を失ったと同時に、自らの武器すら見失ってしまったのだ。戦闘機は動きを鈍らせ、ふらふらと壁へ墜落していく。
凍ったフラスコを瞬間解凍させようとするマザー。しかしその一瞬の行為が彼女の大きな隙となってしまったらしい。
「暖かい方がいいかな? 外は花粉だらけだけどね。でも残念、僕の木が花粉症だけだと思ったら大間違いだよ」
視界から白色が消えたと思えば、次に視界を覆ったのは虹色の輝き。そこへ澪の炎魔法が加われば、花粉は次々と爆発を起こしていった。
成功
🔵🔵🔴
エリカ・タイラー
貴方も貴方ですがマザーもマザーです。
まぁ、取り敢えず助け出しましょう。
キャバリア・シュヴェールトを駆りRXサーフブレイドで飛翔したまま、ユーベルコード「サイキック・ドール・マスター」。
シュヴェールトのどこかに結わえたからくり人形・ビルトから糸を放ち、もち様をビルトの元に引き寄せさせて腕に抱かせます。
「申し訳ないですが暫し辛抱して下さい。さすがに航行中にコックピットは開けられません」
戦闘機はBXSビームダガーで迎撃し、マザーにはRXサーフブレイドで飛翔して突撃します。
アマネク・アラニェ
アドリブ・連携歓迎
「グリモア猟兵に目をつけるなんて、厄介ね」
とにかくこの大量の戦闘機械をしのぎ切らなくっちゃ。
[多眼用電脳ゴーグル]を着けて電脳魔術を使うわ。
自分やグリモア猟兵への攻撃は[防御プログラム:砥盾]で
防ぐことで『時間稼ぎ』つつ、
戦闘機械を『ハッキング』して『情報収集』。
何も戦場全部を操ろうってわけじゃない、狙うのは
機械の群れの真ん中にいるやつか、マザーに近いやつよ。
対象に合ったプログラムを創り出して送り込んだら、一時的に
操作して同士討ちを狙うわ。操作が難しそうなら爆破ね。(指定UC)
マザーが生み出す機械が多いほど、こっちも攻撃に
使える手駒が増えるってわけよ。
余計な事を言う犬も犬だが、それにブチギレるオブリビオン・フォーミュラもいかがなものかと。怒りの沸点の低いマザーは本当にボス級なのだろうかと疑問に思ったりもしたが、この空間を造り上げたのは彼女なのだから侮れない。
「仕方ないですね」
エリカ・タイラー(騎士遣い・f25110)は自身のキャバリア、シュヴェールトに乗り込むと、戦闘機を引き寄せるように空を飛び回った。どす黒い戦闘機の色に包まれた空間にキャバリアの白い機体は非常に目立ち、もちを追っていた戦闘機も自然と目標を変えていく。
「ではお願いしますね、ビルト」
キャバリアの背に結えていたからくり人形のビルトがユーベルコードの糸を放つ。その糸は戦闘機やマザー本体に向かう事なく、捕らえたのはもちの体。ふわりと引き寄せれば、人形はもちの体を守るように抱きしめる。……と書けば微笑ましくも感じるかもしれないが、人形はキャバリアの背部にいる為、実際は超高速の風圧でもちの毛はヤバい事になっている。
「申し訳ないですが暫し辛抱して下さい。さすがに航行中にコックピットは開けられません」
とりあえず確保さえしてしまえば後はこっちのもの。ぐるりと戦闘機の方へ体を向ければ、エリカはBXSビームダガーで反撃を開始した。
「あらあら、あの子も裸になっちゃいそうね」
舞い散る犬の毛が視界に入るなり、アマネク・アラニェ(ユビキタス・アラニェ・f17023)が頬に手を当てて笑う。勿論、彼女は地上でただただ空中戦を傍観していた訳ではない。多眼用電脳ゴーグル越しに視線を動かし、キーボードでも打つかのように踊る指。それこそが彼女のユーベルコードだった。
「……なるほど? 凝った様子もない素直なプログラムだったわね」
エンターキーのあるであろう場所に蜘蛛の片脚がとん、と跳ねれば、空中を泳いでいた戦闘機の様子がおかしくなっていく。いくつかの戦闘機が群れから外れると、突如味方であるはずの戦闘機にミサイルを発射し始めたのだ。
「貴方、私の戦闘機に何を……!」
睨むマザーに向かってにやりと微笑むアマネク。
「ちょっと書き足しただけよ。フィールド・オブ・ナインなんて強そうな名前の割には、中身はシンプルな造りだったわね」
なんて書き足したかって?
「――『ママ万歳!』って書いてあげたわよ」
複数の戦闘機がマザーのフラスコへ向かって突っ込み、自爆を始める。爆撃に覆われるマザーの姿。彼女の操る戦闘機が一斉にぐらりと体勢を崩す。
「えぇ、見逃しませんよ」
マザーへの道が切り開かれた。エリカはキャバリアに経路を即座に計算させると、RXサーフブレイドに乗り、真っ直ぐと突進させた。巨大な剣は戦闘機を蹴散らしながら、マザーのフラスコへと激突する。
貫通はしなかったものの、戦闘機の爆撃とキャバリアの突進により、分厚いフラスコにみしりとヒビが入った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
藤・美雨
(なんだろうこの空気……?)
えっと、大ピンチなことに変わりはない
頑張ってなんとかしよう!なんとか!
もちは頑張って逃げてるけど大変そう
危ない時は積極的に守りに行くよ
デッドマンで頑丈だからね
盾には向いてると思う
……怖がらないでね?
迫る攻撃は【怪力】で片っ端から受け止める
そのまま引きちぎって他の武装や危険そうなものに投げ込んでやろう!
攻め込む時は手数がいるな
ちょっと大変だけど『九の舞』
仲間を傷つけずにデメリットは受け止めるよ
皆で無事に帰れるなら安い安い!
相手を引きちぎってぶん殴って道を切り拓いて
突っ切ったら構えるのは『火尖鎗』
広範囲を殴るなら炎が一番だ
炎を纏った刺突でどんどん攻撃し、マザーも狙うよ!
地籠・凌牙
【アドリブ連携歓迎】
オブリビオンとはいえ女に言っちゃいけねえことを……
まあ、この不運の塊がきたからにゃお前のもふもふな毛並み一つ傷つけさせやしねえから安心しろ!
護り主体でいくぜ!
【指定UC】でもちから「狙われるという不運」を喰らい
回避しやすくすると同時に、穢れを喰らうことで俺に不運を集めて【おびき寄せ】る!
他の猟兵たちの不運もまとめて喰らって全体的な負傷確率を下げるぜ。
攻撃はなるべく【第六感】で【見切り】回避、被弾したら【激痛耐性】と【継戦能力】で耐えるか【武器受け】で流す!
それでももちが狙われそうになったら割り込んで【かばう】、
その後【カウンター】【怪力】で【鎧砕き】【貫通攻撃】だ!
(「なんだろうこの空気
……?」)
マザーから感じる強い殺気。それは藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)を含めた猟兵達にも向けられているものであるのは確かだが、最もその対象として向けられているのは足元にいる犬、もちだ。
「この犬、オブリビオンとはいえ女に言っちゃいけねえ事を……」
言わなくていい事を言えば自ずと不幸はやって来る。まぁ今更修正は効かない。そんな不幸中の幸いと言えば、不運を喰らう地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)が共にいた事だろう。
「えっと……こんな機械化された都市に閉じ込められた事も既に大ピンチなんだけど、それにもっとプラスして大ピンチな事が起こってる感じ、かな?」
「何、どんと来いだ! この不運の塊がきたからにゃ、お前のもふもふな毛並み一つ傷つけさせやしねえから安心しろ!」
「う、うんそうだね! 大ピンチなことに変わりはないんだし、頑張ってなんとかしよう! なんとか!」
そう言い合い、二人はマザーへと顔を向ける。
空間を覆う都市全体からは、ぎしぎしと崩壊を招く音が響き渡っている。ヒビ割れたフラスコを守るように、マザーは都市に己の身体を包ませた。みしりみしりと変形していく都市は、やがて巨大な機械兵へと進化を遂げる。
「これが最終形態かな? 大きくったってやる事は同じだよ!」
襲い来る無数の戦闘機を前に美雨は果敢にも立ち向かう。空高く跳躍し、戦闘機の上へ乗ると、力のままに部位を引きちぎり、他の戦闘機へと投げ付けていく。一機が墜落すれば連鎖的に他の戦闘機が崩れ落ちていく。
「すげぇ怪力……ん?」
戦う様を見て、ふと凌牙は気付く。
「マザーの大きさ……全長=年齢m……? あっ」
「とんでもねぇババアじゃねぇか!!(流石オブリビオン、って感じの年数だなこりゃ……)」
しまった、つい建前と本音が逆になってしまった。ブチィン!! と血管の代わりに弾き飛ぶケーブルの数々。ぎょろりと感じる恐ろしい視線。なんというとんでもない不運!
「くそっ! だがそれでも俺は穢れを喰らう者! どんな不運でも全部俺が喰らってやる!」
凌牙の能力は不運と比例して増加する吉兆の刻印。彼を除く、戦場にいる猟兵達から不運が薄れていく。とはいえ、凌牙に『巨大な戦闘機が特攻を仕掛ける』という不幸が訪れたとしても。
「不運ってのはな、やられっぱなしじゃねぇンだよ!」
覇気を纏った拳を思い切り叩き付ける。溜め込んだ負の力が機体を歪ませ、大きな風穴を開ける。
「不思議! 何だか絶好調って感じ!」
浮遊の力を持たない美雨が、空を飛ぶように戦闘機の上を次々と飛び越えていく。戦闘機の群れを破壊し撃ち落としていくに連れて見えてきたのは、巨大機械兵の心臓部、マザーだ。
「さぁ、もう終わりだよ」
赤き炎を宿した火尖鎗を構えると、マザーへ向けて一直線へ突進する。槍の先端に意識を集中させると、ズキン、と心臓が重く感じた。その痛みを感じながらも、彼女は武器を振るう。
「一思いにやらせてくれるかい?」
マザーを守るものは既にない。そこへ灼熱の刺突が降り注ぐ。フラスコは熱を帯び、ヒビは広がり、やがて刃はフラスコを貫いた。
「――どうして」
身体を貫かれ、炎に包まれたマザーは問う。
「――そこまでして、抗うのですか」
問われた彼女は笑う。
「……皆で無事に帰れるなら、安い安い!」
その答えは届いただろうか。マザーは都市と共に燃え、崩れ、その姿を消していった。
増殖無限戦闘機械都市が蜃気楼のように消えていく。戦いを終えた猟兵達へ眩しい光が降り注ぐ。太陽の光だ。
外の明るさを思い出しながら、猟兵達は大きく息を吐く。強大なオブリビオン・フォーミュラをまた一人倒したのだと安堵しながら、一匹の犬によって帰路の転送を果たすのだった。
大成功
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