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アポカリプス・ランページ⑫〜世界を破壊するスーパー戦車

作者：天木一

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●ダラス・フォートワース国際空港跡
　何もない廃墟と化したダラスに一台の巨大な戦車が走る。履帯に踏まれた瓦礫は粉々に砕け、戦車が通った後には更地ができていた。
　巨大戦車がその大きな戦車砲を動かす。そして砲弾を発射すると、遠く遠く砲弾が飛んで着弾し大爆発を起こした。爆発の起きた場所は巨大クレーターが出来あがり、生命は一切生き残っていない。
　スーパー戦車は世界の全てを灰燼に帰すべく、その圧倒的破壊の力をばら撒き始めた。

●グリモアベース
「かつて世界を滅ぼした『フィールド・オブ・ナイン』の一体である、自律思考型巨大戦車『スーパー戦車』が発見された」
　バルモア・グレンブレア（人間の戦場傭兵・f02136）が集まった猟兵達に新たなる標的を告げる。
「皆の活躍によって放たれた禁断のコンピュータウイルスを籠めた侵蝕プログラム弾によって弱体化はされているが、それでもその戦力は圧倒的だ。だがこれを破壊しなくては無差別な砲撃が廃墟を生み出してしまう」
　スーパー戦車は全てを破壊するように動いている。放置すれば生き物が生存しない廃墟が拡大してしまう。
「その戦闘力はシンプルで、長射程攻撃と高機動による戦闘を行う。だがシンプル故に付け入る隙が少ない」
　圧倒的火力と機動力。それだけだが戦闘に必要な要素を満たしている。超長距離から攻撃するだけで敵を粉砕できるのだ。
「だが一つだけ隙がある。どうやらスーパー戦車は意志を持ち戦闘を楽しんでいるようなのだ」
　意志疎通はできないが、こちらの言葉を理解して戦闘というコミュニケーションを楽しむように戦っているのだという。
「故に戦車砲による敵の先制攻撃を上手く躱し、敵を驚かすことで隙を作ることができる」
　まともに戦うにはまず先制攻撃を敵が驚嘆するような方法で対処する必要がある。

「フィールド・オブ・ナインの一角であり強敵だ。だがこれを破壊しなくては多くの犠牲者が生まれてしまうだろう。今までも多くの強敵を倒してきた諸君ならば、この破壊の権化のような戦車をも倒せるはずだ。戦地に向かいスーパー戦車を破壊せよ！」
　バルモアがゲートを開き、既に戦いの準備を整えていた猟兵はすぐに世界を跳んだ。

第1章 ボス戦 『スーパー戦車・バトルオウガモード』

POW   :    スーパー戦車砲・ブルズアイ 【正確無比のスーパー戦車砲】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。 SPD   :    スーパー戦車砲・ラピッドファイア レベル分の1秒で【正確無比のスーパー戦車砲】を発射できる。 WIZ   :    スーパー戦車砲・アポカリプス 【大量の戦車砲の砲弾】を降らせる事で、戦場全体が【最終戦争】と同じ環境に変化する。［最終戦争］に適応した者の行動成功率が上昇する。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●全てを飲み込む無
「絶対先制攻撃権ですか」
　フレスベルク・メリアグレース（メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263）は先生攻撃に対抗する方法を考える。
「なら、このアイテムは如何です？」
　取り出したのは【教皇用帰天召喚器・タイプホワイト】と【教皇用帰天召喚器・タイプブラック】。白と黒の銃型のデバイスを左右の手に握る。
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　それと同時にスーパー戦車がフレスベルクを発見し、すぐさま砲身を向けて正確無比のスーパー戦車砲を発射した。放たれる超大口径の砲弾が飛び、狙い通りに着弾して大爆発を起こす。その全てを灰燼に帰すような破壊エネルギーが地面にクレーターを作りもくもくと煙を上げる。だがその煙の中から人影が現れる。
「『攻撃を受けた』という因果を破却すれば、攻撃を無かったことにすることが可能です……」
　だが全くの無傷とはいかず、直撃を避けていてもその広範囲に広がる衝撃を受けていた。

「しかし先制攻撃は凌ぎました」
　暴風に煽られたフレスベルは踏み止まって反撃に移り、ユーベルコード『貪欲なる無限に己食らう世界蛇の如き帰滅の無』を発動し全てを飲み込む『無』を展開する。
　万象をエントロピーごと消滅させる『無』はスーパー戦車砲を飲み込んで続く砲撃を防ぎ、そのままスーパー戦車をも『無』に飲み込んでいった。
「幾ら無垢なる精神性を持とうと、命あるものに歩み寄らないと言うなら是非もありません」
　――その命、天へと帰しましょう
　――その命、天へと帰しましょう
　スーパー戦車の分厚い装甲が削れて消滅していく。
『e3839ce38387e382a3e3818ce6b688e38188e381a1e38283e38186efbc81』
　するとスーパー戦車は全速力で後退し、全てが消滅する前に無の範囲から離脱した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●パワー勝負
「高機動かつ超射程……厄介この上ないわね」
　砲撃の大爆発を見た荒谷・つかさ（逸鬼闘閃・f02032）が眉を寄せる。
「身体一つで戦う私にとって相性が悪いにも程があるわね。でもまあ、やることは変わらないわ」
　肉弾戦を得意とする自分と遠距離砲撃を得意とする敵の相性の悪さを知りながらも、その眼は諦めるどころか闘志の炎を宿す。
「そう、私の筋肉に不可能は無いのだから……！」
　自慢の筋肉を力ませ、重心を落とし地面をしっかり踏み締める。そして真っ直ぐスーパー戦車へと視線を向けた。
　スーパー戦車がつかさの姿を捉え、砲塔が角度を変え一瞬で狙い定めると超大型砲弾が発射された。
「来た！！」
　つかさはじっと砲弾から目を離さずに両手を突き出す。そこへ巨大な砲弾がぶつかりとんでもない衝撃が全身を駆け抜ける。吹き飛ばされそうになるのを堪え、足が地面を抉りどんどん後ろに下がっていく。
（生半可な能力じゃ不可能でしょうけれど、私のユーベルコード級に埒外な『怪力』を以てすれば……！！）
　まだ砲弾の勢いは止まらない、それでも諦めずにつかさは砲弾を押さえ続け、長い足跡を大地に刻む。
「止めてみせる！！」
　全身の力を振り絞るようにつかさが砲弾を押し戻し、勢いを殺し切った。

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　その信じられない光景を見たスーパー戦車は驚きのあまり動きが止まる。
「相手の砲撃が届くのなら、私の投擲も届くのが道理。驚いて止まってるうちに一撃入れるなら、これが最適解よ！」
　その隙につかさはキャッチした砲弾を抱え上げ、ユーベルコード『鬼神剛腕砲』を発動する。
「音速超えて、飛んでいけッ！！！」
　全力で投げた砲弾が真っ直ぐに戦車へと飛び、直撃して分厚い装甲が吹き飛んだ。
「鍛え抜かれた筋肉の勝利よ！」
　不可能を可能にしてみせたと、つかさはガッツポーズをとった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●みんなで突撃！
「一瞬で正確無比な攻撃をできる敵さんは確かに恐ろしいのです！」
　爆音に猫耳をビクッとさせたウィユ・ウィク（幸せの黒いキマイラ・f13034）は、他の猟兵が狙われる様を見てその狙い違わぬ砲撃に恐怖を感じる。
「それなら……常に精密な即時攻撃をされる前提で動けばいいのです！　狙いが正確でもその攻撃目標自体が間違っていたら意味がないのです！」
　ウィユは駆け出しながら【くろねこさん】や【あおつばめさん】を沢山生み出し、それを高速で動き回らせ、戦車へと接近する。
「この中で一緒に飛び回るボクを見つける事自体が困難なはずです！」
　囮となって可愛らしいくろねこさんとあおつばめさん達が駆け回る。
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　スーパー戦車がそこへ砲塔を向け、砲弾を連続で発射した。着弾すると爆発が起こりくろねこさんとあおつばめさん達が高々と吹き飛ばされた。途切れることなく爆発が連続し、まるで世界の終わりが来たように大地を揺らす。
「当たらないはず……でもやっぱり恐いのです！」
　消されても新たに生み出しながらウィユは戦車に近付く。しかしその砲身が真っ直ぐウィユの元に向けられた。周囲を見れば散らばっていたくろねこさんとあおつばめさんが殆ど吹き飛ばされてしまっていた。

「まだボクには奥の手があるのです！」
　放たれる砲弾と同時に、ウィユは【そらなかさん】を前に出し、その柔らかボディで砲弾を受けぐにゃりと変形させながら弾道を逸らした。砲弾が流れて後方で爆発する。
『e3828fe38181efbc81e38199e38194e38184efbc81』
　それを見たスーパー戦車の砲撃が止む。
「隙ができたのです！　みんなで高速突撃なのです！」
　チャンスとウィユはユーベルコード『くろねこさんとあおつばめさん』を発動し、くろねこさんとあおつばめさん達を引き連れて戦車に突撃した。
　戦車は突撃を喰らい、強固な装甲がボコボコとへこみ、大群が過ぎ去るとネコの足跡やツバメの突っついた跡が大量に残され、スパイクが折れ装甲のあちこちがぼろぼろになっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●驚きの連続
「意志ある兵器、しかも戦闘を楽しんでいるとはな」
　キリカ・リクサール（人間の戦場傭兵・f03333）は楽しそうに戦場を動き回る戦車に目をやった。
「実に厄介だが、付け入る隙はそこにある、か……」
　破壊だけを行う完璧な存在ではない。それ故にこちらにもチャンスはあると敵の動きを観察する。
『e6a5bde38197e38184e3828fe38293efbc81e6aca1e381aee79bb8e6898be381afe381a9e38193e3818be381aaefbc9fe38182efbc81e8a68be381a4e38191e3819fefbc81』
　スーパー戦車がキリカに気付き、その巨大な砲身が動き始める。
「気付かれたか。ならばこちらも準備をしよう」
　その場を動かずにキリカは敵に向けて腕を伸ばし砲撃を待つ。すると砲身がピタリと止まった瞬間に、大きな爆音が放たれ砲弾が飛ぶ。その砲弾がキリカに届く前に、伸ばした腕が膨れ上がりロケットランチャーへと変化してロケット弾を発射した。空中で両者がぶつかり、ロケット弾が爆発した衝撃で砲弾の弾道が逸れ、誰も居ない場所に着弾して爆発した。

「正確無比とは裏を返せば着弾点が確実にわかると言う事だ。目標が私であればそれに合わせて狙撃させるのは難しくない」
　キリカはユーベルコード『ラ・ミラージュ』によってさらに腕を変形させる。
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「フッ……驚いたようだな。だが、ビックリ箱からはまだまだ出て来るぞ」
　驚きにこちらを凝視していると感じたキリカは笑い、腕がさらに大きくなって荷電粒子砲へと変化した。
「これが本命だ」
　キリカが亜光速のビーム砲を発射し、光線がスーパー戦車のボディを貫き大穴を穿った。戦車は慌てふためいて後退を始め、煙を上げながらビームの範囲から逃げて行く。
「ふむ、驚きで声も出ないか。楽しんでもらえたようで何よりだ」
　そんな様子をキリカが楽し気に眺めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●一度のチャンス
「この世界の兵器、凄いものばかりですね……対抗はできるはずです、やってみせます」
　敵の砲弾が地面にクレーターを作ったのを見たランケア・アマカ（風精銃兵・f34057）は、その恐るべき攻撃力に恐れを抱きながらも、戦う方法はあると天使核リボルバー【M3シルフィード】を抜いた。
「先制で正確な照準の砲撃が来るのなら、出来ることは一つです」
　ランケアは敵に向けて銃口を構え、引き金に指をかける。
「撃つタイミングが遅すぎると爆風にやられますし、早すぎると小さな的を狙えません、迎撃の機会は一発だけですね」
　たった一発のチャンス。それをものにしてみせるとタイミングを待つ。するとスーパー戦車が高速で動きながら砲身をこちらに向けた。それに合わせてランケアも銃の角度を調整する。
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　スーパー戦車がすぐさま狙いをつけて砲撃し、大口径砲弾が真っ直ぐ狙い違わず飛翔してくる。
（このタイミングです――）
　ここしかないというタイミングでランケアが引金を引く。放たれた弾丸は飛んで来る砲弾に当たり、空中で大爆発を起こした。

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　動揺したようにスーパー戦車が次弾を撃つのを忘れてその光景を眺めていた。
「迎撃成功です……」
　台風のような爆風に煽られたランケアは帽子を押さえ、銃を戦車に向けた。
「この好機を逃しません。撃てるだけ撃ち込みます！」
　引金を連続で引き、ユーベルコード『疾風塵』によって伸びた射程は戦車まで弾丸を届かせる。それが砲身の中に吸い込まれるように消え、奥の砲弾に当たり内部で爆発を起こした。
「自律思考できる兵器なんて、もう人間の兵士と変わらない気がします。敵でなければ、色々お話してみたかったです」
　戦車と会話できれば楽しそうだったのにと、ランケアは残念そうな顔をして、もくもくと煙を上げながらも動いて距離を取ろうとする敵に弾丸を撃ち続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●ラグナロク
「世界を壊す戦車と聞くと……とある小説の『きみのために泣く』という台詞を思い出しますね。
　霧島・絶奈（暗き獣・f20096）はふと以前に読んだ小説の印象的な台詞を思い出す。
「ですが今は架空の物語ではなく、現実の物語を紡ぐとしましょう」
　閑話休題と目の前の脅威に意識を切り替える。
「強敵よ。共にこの『逢瀬』を愉しみましょう」
　口元に微笑みを浮かべた絶奈は、堂々と姿を晒し敵の攻撃を待つ。
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　既に多大なダメージでぼろぼろになりながらも、スーパー戦車は楽しそうに攻撃を仕掛ける。背負うように幾つもある砲身が絶奈の頭上へと向けられ一斉に放たれ雨のように降り注ぐ。それに対して絶奈は限界突破まで高めたオーラを展開して身を守り、高く空へと浮かび上がる。砲弾の頭上を取るように上昇し、時折命中する軌道の砲弾をオーラで受け流す。そうして砲弾の嵐をやり過ごすと、地上はクレーターだらけの最終戦争の様相を呈していた。
「空に上がればクレーターも邪魔にはなりません」
　絶奈は上から砲撃によって荒れ果てた地上を見下ろす。
「最終戦争、ラグナロクですか……成ればユグドラシルすら焼き尽した劫火は適任でしょう」
　その光景から終焉を連想した絶奈はユーベルコード『涅槃寂静』を発動し、死を内包した劫火を生み出した。地上が炎に包まれ巨大戦車すらも呑み込む。
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　スーパー戦車は逃げようとぐるりと回りを見渡すが、どちらも炎で視界が閉ざされていた。
「此の地がラグナロクだと云うのならば、貴方もまた滅びゆく運命にあります」
　絶奈が白槍と黒剣を手に振るい、衝撃波を連続で飛ばして戦車の装甲に叩きつける。ダメージを負っていた装甲が砕け、そこから炎が入り込み内部を焼く。
「世界の終焉を望むのならば、貴方もまた滅びる覚悟をするべきです」
　戦車が一旦距離を取ろうと転進すると、背後から衝撃波を叩き込み、背負った砲塔を纏めて粉砕した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●五つの刃
「無限軌道は浪漫……というけれども、相手にするには厄介だなあ……」
　月夜・玲（頂の探究者・f01605）はその高機動と高火力を兼ね揃える戦車を見て唸る。
「しかもオブリビオンフォーミュラときたもんだ。厄介な事この上ないね」
　性能は明らかにこちらを上回っている。データだけを比べたならば勝ち目はないだろう。
「けれどまあ、やるだけやってみるしかないか」
　それでもあれが暴れ出せば更地が広がり人の住める場所がなくなってしまうと、玲は巨大戦車に戦いを挑む。
「出し惜しみしている余裕はなさそうだ。最初から全力で行くとしよう」
　模造神器4刀全てを抜刀し、前方に念動力で浮かべ砲撃への盾にする。
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　損傷しながらもスーパー戦車が動き回り、次の相手を探す。そして玲の姿を遠くから捉えた。煙を上げる主砲の砲身を動かし即座に狙いをつける。
「来るな――」
　その動きを確認した玲は4剣にオーラを纏わせて強固にし、爆音と共に放たれた砲弾を迎え撃つ。4剣が空中で砲弾をがっちりと受け止める。だがその圧倒的質量と速度に剣が1本砕け散る。
「4本の剣全てを犠牲にしてでも1撃耐えてみせる！」
　玲は全力でオーラの護りを強化するがまた1本砕け、さらにもう1本もひびが入って折れる。最後の1本が大きな砲弾にがっちりと食い込む。
「残り1本、これで止める！」
　玲は一瞬の防御に念動力を注ぎ込み、最後の剣にひびが入ったところで砲弾の勢いが完全に止まった。巨大砲弾がドンッと地面に落ちる。そこで最後の剣も役目を終えたように折れて地面に突き立った。
「よくやったね」
　砕けた自慢の剣たちを玲が褒めて戦車へと視線を向ける。

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　たった4本の剣で砲撃を受け止めた光景にスーパー戦車は見入るように停止する。
「1本結構作るのに費用掛かるんだから、その分仕返しはさせて貰うよ！」
　ここからは反撃だと玲がユーベルコード『決戦兵装：建御雷神』を起動し、4剣を代償に決戦兵装展開する。
「ブースト起動、合成神剣・天召喚」
　4剣を超える圧倒的力を秘めた剣を手に、玲は飛び出して戦車へと近接する。
「これが模造神器4振り分の力！」
　薙ぎ払う剣が戦車の左履帯を紙のように斬り裂き、続ける刺突が深々と内部にまで達した。
　損傷部から爆発が起こり、戦車は真っ直ぐ動けなくなってふらふら傾きながら猛スピードで後退した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●鋼斬り裂く刃
「でっけぇ戦車だなぁ」
　御剣・刀也（真紅の荒獅子・f00225）は離れた位置からでも大きく見える、遠近感が狂うサイズの巨大戦車を眺めた。多大な傷を負ってはいるが、その戦闘力はまだ損なわれてはいなかった。
「しかも正確無比な遠距離射撃かよ。ふふ。面白いな。こんな面白い負け戦は久しぶりだ」
　本来であれば剣士が戦車に勝てる道理はない。それでも刀也は笑みを浮かべる。
「そうさ、勝ちが分かってる勝ち戦なんかより、負け戦の方が燃えるってもんだ！」
　絶望的な戦いこそ己が力を存分に振るう事ができると闘争心を燃やす。
「さぁ、行くぞ！　戦さ人としての晴れ舞台、存分に楽しませてもらおうか！」
　刀也が日本刀【獅子吼】を抜き放って真っ直ぐに戦車に向かって駆け出した。
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　スーパー戦車が黒い煙を上げる主砲を傾け、正確無比な砲弾を飛ばす。
「斬る――！」
　当たれば人など木っ端微塵になる火砲。だが勇気で背を押し、覇気で心を奮い立たせて前に踏み込んだ刀也は、渾身の一刀を上段から振り下ろす。刃と砲弾か交差し、砲弾が真っ二つになって左右に割れ、後方で爆発を起こした。
　そしてさらに前へ前へと砲撃の中を駆け抜ける。それに対してスーパー戦車も砲撃を続けるが、それも続けざまに斬り飛ばした。
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　その絶技を見せられたスーパー戦車の動きが止まる。

「動きを止めたな……」
　敵が驚きから覚める前に一気に接近し、刀を上段に構えるとユーベルコード『雲耀の太刀』による一閃を叩き込む。
「でかい砲弾だったが、俺のいる場所に来るなら軌道は読みやすい。なかなか楽しい戦いだったよ」
　ずるりと巨大主砲が縦に両断され、その亀裂は戦車本体にまで及ぶ。既に多くの猟兵に傷つけられていたボディは耐えきれず、全体にひびが入ってバラバラに崩壊していく。
『e6a5bde38197e3818be381a3e3819fe381aae38082e4bb8ae5baa6e381afe3818ae6af8de38195e38293e381a8e9818ae381b3e3819fe38184e381aaefbc81e3828fe38293e3828fe38293efbc81』
　スーパー戦車が機能を停止し大爆発を起こした。粉々になって破片が飛び荒地に転がる。
「負け戦を勝ち戦に変えてこそ武人ってもんだ」
　残心していた刀也は刀を納めると背を向けて帰途につく。
　猟兵達はフィールド・オブ・ナインの1体を見事討ち取り、戦争の勝利に向け戦局を一歩前進させた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年09月15日