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骸よ波に聞け、朱よ海に問え

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 赤い海が見えるか。
 海が赤く泣いているのが見えるか。
 海より這い出た骸の群れが見えるか!

 ここは明けぬ夜と暗雲の世界ダークセイヴァー。海沿いに位置する村『ブラックペイン』は難民たちの村である。
「ああ、ついに……ここにも」
 岩山の上から海岸の様子を観察する人々。
 彼らの衣服は血や泥に汚れ、伸び放題の髪と乾いた目には絶望が張り付いていた。
「戦える者は?」
 灰色の髪を土に汚した老人の呟きに、片腕を失った男が悲しげにかぶりを振った。
「ジョンもジャッキーも、ジャクスもジェイコブも……みな殺されてしまった。
 赤い海に連れて行かれてしまったよ。私ももう、この通りだ」
 今はない右腕に、もうないはずの痛みが走り、男は歯を食いしばった。
「そうか……」
 老人は顔を伏せる。
 ブラックペインは元々村でもなんでもない、荒れ地であった。
 周囲のむらむらが『海からやってくる骸の群れ』に襲われ大多数が命を落とし、残った人々で寄り添うようにできた村ならぬ村だ。
「そうか」
 今は亡き家族を想い、老人は涙を落とした。
 見よ、骸の群れが、濡れた足を砂浜につけ、今まさに上陸するさまを。

●運命の破壊
「このままでいいと思うか? 私は思わない!」
 だん、と椅子を蹴って立ち上がるナンシー・アラタメ。
 グリモアベースの周辺背景が、ブラックペイン村のそれへと変わっていく。
 海より上陸してくる骸の群れの風景へと、変わっていく。
「奴らはヴァンパイアによって操られた死体たちだ。
 殺された者はああしてアンデッド化され、村を襲う。襲われ殺された者は海へと引きずり込まれ、そうしてまたアンデッドとなって帰ってくる。
 この行為にどんな意味があるかなんて分からないし、しったことじゃない。
 ハッキリしてるのは、今村が絶望に満たされてるってことだけだ。
 そしてそれを救えるのは、俺たちしかいないってことだ!」
 拳を握りしめ、決意のまなざしでナンシーはあなたを見た。
「教えてやる。教えてやろう。この世界は絶望ばっかりじゃないってことを。
 この世界に、愛はあるってこと。俺たちが、いるってことを――!」
 テレポートが、はじまる。


空白革命
 さあ、戦いが始まる。
392




第1章 冒険 『骸の群』

POW   :    骸の群を、単純に力で排除します。判定次第では重いダメージを受けることになります

SPD   :    町へ行こうとする骸の群を足止めするため、罠を張ります。また、遠距離攻撃で骸を土に返します

WIZ   :    罠を張った上で草原に火を付け、骸の足止めと攻撃を兼ねます。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 あなたはテレポートによってブラックペイン村へとやってきた。
 今まさに骸の群れが押し寄せている砂浜なのか、それを見下ろせる岩山の上なのか、それとも村へと続く雑草だらけの道なのか。それはあなたが決めていい。
 だがやるべきことはたった一つ。
 骸の群れを、哀れなる犠牲者たちの末路を、この手で破壊することだ。

==============================
 『骸の群』を破壊し、村への侵攻を阻止します。
 力ずくで追い払っても、巧妙な罠を仕掛けても、その他何かしらの工夫をしてもいいでしょう。
 侵攻を阻止する時間だけ🔵がたまり、侵攻が進むたび🔴が蓄積します。
 一定時間が経過(👑)した時点で章目標を達成。骸の群を放ったオブリビオンは必ずなにかしらのアクションに出るでしょう。
==============================
カチュア・バグースノウ
POW
やってやろうじゃないの
守るのよ、そう守るの

場所は雑草だらけの道よ

血花応報で薙ぎ払う
最初は自らを傷つけ、血を流し血を骸の群れへかける
あとは燃え盛るだけ!

骸の攻撃は武器受けでできるだけガードするわ
受けきれなかった攻撃は血となってあんたたちに返る!
血を撒き散らして、戦場を駆ける
飛び散らなかった分は敵の間を縫ってつけていくわ
「フェイント」で身をかわし、手が空いたときは「だまし討ち」で頭蓋ごと叩き潰す

守るべきものを守って、死ぬなら本望!
行くわよ!



 赤い海から這い上がる骸の群。
 村人たちが、老人や片腕の男たちが己の死に方を考えていた、そのさなかに。
「ふうん、なるほど?」
 清く透き通った、心地の良い声がした。
 白髪のエルフが、カチュア・バグースノウが槍を手に雑草だらけの道を歩いてくる。
 首を振る老人。
「どこから流れ着いてきた方かは知らんが、やめたほうがいい。皆抵抗したが殺されてしまった。ここはもう終わりだ、だから」
「だから?」
 首を傾げて、髪を払う。
「だから帰れって? 守れないから、帰れって? 冗談じゃ無いわ」
 骸たちがごぼごぼと声を上げ、走ってくる。
 老人たちは悲鳴をあげて逃げるが、しかしカチュアは一歩たりともひかなかった。
 包丁を振りかざし、女の骸が斬りかかってくる。
 探険を握りしめた子供が飛び込んでくる。
 女の腕をそのまま弾くように槍を振り込むと、カチュアはその容姿と裏腹にぎらぎらと、燃えるように笑った。
「やってやろうじゃないの――『血花応報(ケッカオウホウ)』!」
 子供の突き刺した脇腹から吹き出たカチュアの血液が子供の骸へ吹きかかり、あっという間に燃え上がる。
 炎は草むらに広がり、女の骸を焼き始めた。
「守るのよ、そう守るの……」

成功 🔵​🔵​🔴​

アイ・キャンディ
Jばっかりだねここのひと!
きっと探せばジョナサンやジョージもいるかもしれない。
苗字はみんなジョースターかもしれない。

とりあえず場を整えなきゃね。
ペットボトルロケットを背負って上空を飛び回り、敵の規模を確認するよ。
敵の真ん中に落ちたりしないよう、水の残りには気をつけようね。
偵察しつつ、上からユベコで塗料を撒こう。
あんまり狙わないよ。生還第一。いっぱいいたらてきとーでもきっと当たるよね。

途中でロケットが止まったらパージしてエアスケートシューズで制動きかせつつ安全圏に逃げよう。
着地がうまくできますように。
空中でくるくるまわって華麗に決めるんだ。
ミスったら顔から砂面にいくんだ。
ずべしゃああって。
痛い。



 燃えさかる草むらを、骸だらけの砂浜を、赤い海を、それぞれ見下ろすようにアイ・キャンディが飛行していく。
 背中のペットボトルロケットから得た推進力で、アイは骸の数をかぞえている。
「いちにいさんしい……いっぱい! いっぱいだね! にんむりょーかーいっ!」
 ロケットの噴射をオフにすると、アイはくるくると宙返りをかけながらシューズのエアライド機能をいれ、骸たちの頭上をなぞるように滑っていく。
「みんな青色になーぁれ!」
 スタイラスペンで空中に自らのサインを描いていけば、青いカラーが塗料となって次々にはじけていく。
 塗料をうけた骸たちは魔術の通信が阻害されたのか動きを止め、砂地に倒れていく。
「よーし、仕上げだよー! 華麗にちゃくちー!」
 エアライドをオフにして再び回転。
 ペンを握ったまま砂地に……顔から着地した。
「……いたい」
 砂地に頭部のモニター部分が突き刺さったアイは手足をじたばたさせてから、無理に引き抜いて立ち上がった。
「さあ、どっからでもかかってこい! こい!」

成功 🔵​🔵​🔴​

ユキ・スノーバー
岩山の上に到着っ!張り切って頑張るよー!

他の猟兵に当たらない様気を付けて、その辺の岩の下へ木の板を滑り込ませて、ぽーんぽーんって飛ばして骸の群を狙うよ。
他は…倒れている木があれば、坂を利用しててーいって転がしてボウリングの要領で攻撃&村までの道の封鎖に使う材料提供に努めるね。
飛ばしたり転がせるものが無くなったらころころ~って降りて、落とした物を使って防衛ライン作成を優先に行動して
もし攻撃されたりして弱ったら、戦場の亡霊で骸の群れへ応戦。
村の方へは絶対に行かせないんだよっ!
大人しく成仏して欲しいんだよ……ヴァンパイアは本当に嫌な事するね。

※アドリブ及び連携歓迎



「現場到着!」
 両手をYの字に掲げて岩山の上に立つユキ・スノーバー。
「頑張るよー。はりきって頑張るよー!」
 腕をぐるぐる回すと、長細い鉄の板と小さな岩をそれぞれ用意し、そこそこの大きさの岩の下に滑り込ませた。
「てこの、原理!」
 シーソーめいて板をに飛び乗ったユキに応じて、岩が砂山へと飛んでいく。
 ひとつやふたつではない。辺りにあった飛ばせそうな岩の塊を片っ端から踏みつけ、発射し、砂浜へと送り込んでいくユキ。
「ふー。もうそろそろ飛ばすものないかな。それじゃあいくね!」
 ユキは鉄板と小石もついでに投げ込むと、自分も一緒に砂浜へと跳躍した。
「えい!」
 空中でくるくると宙返りをするユキ。彼の画面から放射される美しい雪の光が聖なる輝きとなって、眼下の骸たちを弱らせた。
「ぼくも華麗に着地す――」
 といって、砂地に頭から刺さるユキ。
 手足をばたつかせ、たまたま隣に立っていた同じテレビウムに引っこ抜いてもらった。
「さあ、どこからでもかかってこい! だよ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

芦谷・いろは
【SPD】

《罠使い》を舐めて貰っちゃ困りますですよ!
糸を使ったブービートラップなら、結構作るの好きなんですよ!
(家の人が引っかかってよく怒られましたが……)

普通に足ひっかけて転ぶタイプの物とか、鳴子でワザと村とは別方向で音を鳴らさせたりとか
…あとは殺傷能力高める感じで、糸に引っかかると 先の尖った木やら何やらが飛んでくるとか 出来たら良いんですが
糸は手持ちの操作用糸を使用して、あとはその場で臨機応変に対応です!

もし見つかってしまったら、【傀儡の宴】を使用してヌイグルミさん達召喚して投げつけます!
土に還って下さい!今後の為にも、アナタ方の為にも!



「っと、大変なことになってきましたね」
 仲間が飛び立ったのを確認してから、芦谷・いろはは岩山の上から顔を出した。
 問題となっているのは最も骸が密集している砂浜。
 侵攻されている草地。
 そしてまだ到達されていないこの岩山。
 骸たちが燃える草地を逃れ、岩山へと次々に登ってきているのが見えた。
「こういうのは得意なんですよ。一緒に行きましょう、ヌイグルミさんたち!」
 いろはが革張りのアタッシュケースをワンタッチで開くと、無数のヌイグルミたちが出現。いろはがパスしたワイヤーを岩のあちこちに張り巡らせ、杭を打ち、バネをしかけ、あちこちにワイヤーをつかったトラップを仕掛けていく。
 骸の知能はそれほど高いものではないらしい。
 端から罠にかかっては岩場を転げ落ちていく。
「土に還ってください。未来のため……なにより、アナタ方のため!」
 トラップの設置を完了したいろははヌイグルミにサインを出し、計三体の大きなヌイグルミへと合体させた。
 はいあがる骸たちへと、飛びかかっていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

バンシィ・ルフェイ
WIZ判定

スキル
呪詛26、楽器演奏1、情報収集4、聞き耳3、動物と話す1、追跡1、物を隠す3

行動
ユーベルコード使用して「影鼠」の群れを呼び出し
村へ続く道で『骸の群』の侵攻を見張りながらタイミングを見計らう
草むらを揺らしたり泣き声を出させてを『骸の群』を一塊に引き付け
「影の庭園」内に備蓄してあったランタン油と火種で火をつける

セリフ
また唐突だね、でもまあ何とかしようじゃないか。
足りない分はその場にあるもので代用すればいいのさ、
むやみに力をふるうだけが猟兵のやり方ってわけじゃないんだからねぇ



 小さな岩陰に身を隠すバンシィ・ルフェイ。
 ちらりと草むらの様子をうかがうと、骸の集団が村を目指して走り出すところだった。
「また、切羽詰まった状況だねぇ。でもまあ……何とかしようじゃないか」
 バンシィは小声で自らの影に囁きかけた。
「『陰に潜みし小さきしもべよ、お行き……』」
 バンシィの影からネズミのような影が切り離され、草むらの中へと入っていく。
 村を目指して走る影のネズミ。
 ネズミを通して状況を察知するバンシィ。
 草の音。足音。密集する骸。
 バンシィは薄めを開いて、マッチをすった。
「むやみに力をふるうだけが、猟兵ってわけじゃあないんだからねぇ」
 小さな火。
 しかしバンシィがそれを放り投げた途端、草むらにわっと大きな炎が燃え上がった。
 炎に巻き込まれた骸たちが暴れ、次々に倒れていく。
「派手なものはオブリビオンが現われるまでとっておけばいい。さて、次に行くよ」
 バンシィは物陰に隠して置いた油の缶を持ち上げると、再び身を伏せて移動し始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

エル・クーゴー
●WIZ
転送座標:[村へと続く雑草だらけの道]を申請
当機はブラックペイン村への敵到達の阻止を目的に、自律判断及びカウンターアタックを実行します

当機は草原に匍匐にて友軍機『マネギ』と共に潜伏(目立たない&迷彩使用)
マネギは村を背にした当機を中心として、敵襲来方角(海側)へ向けマックス105体を、半径441m以内に扇状に展開・待機させます

敵接近感知次第、【先制攻撃】的にマネギによるWIZ指標通りの火計及び肉弾戦(ネコパンチ)プログラムを起動

プログラム起動を確認次第、狙撃モードに移行(ロングレンジ・ファイアワークス・ドライブ)
捕捉敵の順次撃滅を目的に狙撃を敢行します(スナイパー+誘導弾で援護射撃)



 骸の群れは赤い海からブラックペイン村へかけての道のりをぞろぞろと進行していく。
 戦うイェーガーたちや、炎や糸の罠にかかってなお、まるで自動的によせる波のごとく、村へじりじりと迫っていた。
 だが。彼らの進行もここまでだ。
「任務了解。行動開始」
 ゴーグルにグリーンのレイラインを左右へ走らせることコンマ二秒。
「ブラックペイン村への敵到達の阻止を目的に、自律判断及びカウンターアタックを実行します」
 投影型スクリーンを操作。ネコ型支援ユニット『マネギ』を選択すると、まとめて100体あまりの支援機を空間転送した。
 村へ続く道を阻むようにずらりと並ぶ『マネギ』。
 翼のはえたデブネコめいた支援機たちはボディからビームサブマシンガンを展開。
「武装展開。一斉発射」
 全ての『マネギ』が接近する骸たちへ射撃を浴びせ、打ち倒していく。倒れ山と積み上がっていく骸たち。
 一方でエルはアームドフォートのロックを解除。
「ロングレンジ・ファイアワークス・ドライブ」
 アンチマテリアルライフルユニットを接続。実弾をセットすると――。
「発射(ファイア)」
 激しい衝撃をバックパックユニットで制御しながら、弾幕を抜けようとする骸たちを文字通り吹き飛ばしていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと行動
アドリブ絡み歓迎!

ダークセイヴァーはいつ来ても重苦しい雰囲気だな
僅かながらにでも絶望を希望に変えられるのであれば死力を尽くそう!

チコルと共に砂浜へ突撃し大暴れしてやる
チコルと背中合わせで戦う形で死角を補う
無理はするなよ。危うくなれば下がるんだぞ?…聞いてるか?

死霊は炎で浄化されるのがセオリーだが効くだろうか?
【範囲攻撃】【属性攻撃】で炎を取り巻きガンガン振るう
特に厄介な群れは【ドラゴニック・エンド】で一気に薙ぎ払おう
これ以上村へは進ませない!1体でも多く破壊しつくしてくれる!


チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフと行動
★アドリブ、他猟兵との絡み歓迎!

絶望しかない世界なんて、悲しすぎる!
私達が絶望を消し去ってあげる!

ユーリと砂浜で屍の群れを食い止める!
なるべく服は脱ぎ、より身軽に、より素早く動けるようにしておく。
お互いにカバーし合えるように立ち回るよ。
ガンガン倒せばいいんだね!?了解だよ!
ユーリも怪我しないよう、気をつけてね。
え?何か言った!?

やられる前にやってしまえば怖くない!
【野生の勘】で攻撃をかいくぐり、【ジャンプ】【ダッシュ】【空中戦】を駆使しながら【シーブズ・ギャンビット】でダガーを屍に投げ込んでいくよ。
狙うは頭のど真ん中!
刃の雨を降らせよう。

村には絶対に行かせないよ!



「骸たちの進行が止まった……?」
 高い岩場から村側の様子を観察していたユーリ・ヴォルフは、骸の波が村手前で押し止められている状態にひとまず安堵した。
「けど、骸はまだいっぱいいるね」
 宙返りジャンプで同じ高さまで登ってきたチコル・フワッフルが、目の上に手を翳して周囲を見回した。
 赤い海からは今もまだ骸が上陸し、村を目指して歩いている。
 後の憂いを絶つためにも、骸の殲滅はぜひともしておきたい。
 それに……。
「絶望しかない世界なんて、悲しすぎるよ! 私達が絶望を消し去ってあげる!
 ね、ユーリ!」
「ああ。この手で希望が生まれるなら……いや」
 握った手のひらを開けば、小さな炎が燃え上がる。
「私たちが、新たな希望になるために。死力を尽くそう――『ドラゴニック・エンド』!」
 ユーリは砂浜に向けてドラゴンランスを投擲。ユーリから与えられた炎を糧に呼び出されたドラゴン『ファフニール』が、炎を吐いて周囲の骸たちを燃やし始めた。
「行くぞ、チコル!」
 燃え上がるように剣を抜くユーリ。
 炎の中に飛び込んで骸を次々に切り捨てる彼に続くようにして、チコルも大きく跳躍。
「ユーリも怪我しないように! 気をつけてねっ!」
 振りかざす腕。指と指の間に握られた四本のスローイングダガー。
 その全てを投擲――では留まらない。肩から斜めがけにしていたベルト状のホルダーから次々にダガーを抜くと、骸たちめがけて投擲していく。
 狙いはユーリをめざし回り込もうとする骸たちだ。
 額や胸を貫いて刺さるダガーに、骸たちは次々と倒れ死体の垣を作っていく。
「じゃまじゃまっ」
 ベルトに仕込んだ分を全て投げきったチコルはそのままベルトを脱ぎ捨て、ユーリのそばに着地した。格闘用のダガーを抜いて構えるチコル。
 彼女と背中を合わせるようにして剣を構えるユーリ。
 二人は呼吸だけで違いの意図を読みあうと――。
「まとめて!」
「ふきとべ!」
 瞬間的に屈んだチコルの頭上を抜けるように炎を纏った回転斬りを放つユーリ。巨大な炎の剣と化したレーヴァティンが骸たちの首をはね、低い姿勢から飛び出したチコルがその更に先にいた骸たちの首を次々にはねながらピンボールのように跳ね回っていく。
 ダガーを逆手に握ったチコル。
 柄から刃にかけてベランドナの装飾がぎらりと月光に光った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユエ・イブリス
(優雅にアドリブOK)
骸の群を見下ろす虚空にて

この世界はあいも変わらず嘆きと哀しみに充ち満ちている
人々の涙も枯れ果てただろうに、尚も悲劇を拡げるか
まったく、私の趣味ではない

【エレメンタル・ファンタジア】
足を止めればいいのだね
さあ、炎で焼き払うか、風で吹き飛ばすか、いっそ地を割ってしまおうか
なんて、私のやり方は最初から決まっている
「我が友、最果ての白き風よ」
『氷の猛吹雪』を召喚、【属性攻撃】【範囲攻撃】【全力魔法】で強化

人助けなど柄ではないが
見過ごせぬのだよ、この醜悪は


ニコ・ベルクシュタイン
骸の正体を思えば心も多少は痛もうものだが、やむを得まい。
骸が海から村に向けて進んでくると判っているならば、
その進路に杭を打ちワイヤーを張り巡らせておこうか。
罠の場所はあらかじめ他の猟兵たちにも知らせておき、
二次災害を防いでおきたいところ。

骸が罠に掛かったら【精霊狂想曲】で炎の竜巻を起こし
炎を海の方へ押しやるように制御を試みながら
骸を足止め、あわよくばダメージも与えられれば僥倖にて
「属性攻撃」「全力魔法」「高速詠唱」が役に立つならば
活用していきたい

不毛な連鎖も此れまでにて、俺達が来たからには
此の物語は「めでたしめでたし」で終わる事を約束しよう。



 暗雲の空を飛ぶフェアリー、ユエ・イブリス。
「この世界はあいも変わらず嘆きと哀しみに充ち満ちている。
 人々の涙も枯れ果てただろうに、尚も悲劇を拡げるか……」
 詩を読むように美しく述べると、クリスタルから削り出したという半透明な剣が、エメラルドに淡く輝き始める。
 ユエの描く燐光の軌跡が薄緑に染まり、青く染まり、やがて赤い残像すら残して白光となった。
「まったく、私の趣味ではない。染め上げようでは無いか、我が友」
 ユエの描く光が巨大な円を作り、追従する氷の精霊たちが水と風を巻き起こしていく。
「最果ての白き風よ。吠え、荒れるがいい」
 獣の咆哮とすら思えるような、暴風が浜の砂を舞い上げた。
 凍り付いた海水が、暴風が、そしてなによりユエの解き放った荒ぶる精霊の渦が、骸たちを引き裂いてはまき散らしていく。
「人助けはど柄では無いが……」
 砕け散る骸だったもの。
 弾け飛ぶ人だったもの。
 残された者たちの村を遠くに振り返り、彼らの悲しみと絶望を、かすかに想った。
「この醜悪、見るに堪えぬのだよ」

 暴風吹き荒れる砂浜を、ニコ・ベルクシュタインは鋭く駆け抜けていく。
 飛びかかる男の骸を回し蹴りではねのけると、懐に納めていた精霊銃を抜き放った。
「丁度いい。少し利用させて貰おうか」
 ニコは眼鏡のブリッジを押し右から左へ水平に連射。
 炎の精霊力によって加熱された弾丸が次々と骸たちの胸や額を打ち抜き、そして急速に破壊していく。
 冷気は熱を吸収することによって生まれる。氷の精霊は炎の精霊によって純度を得ていると言っても、過言では無いだろう。
 そう言った意味で、相性は抜群に良いのだ。
「荒れ狂え精霊よ、汝らは今こそ解き放たれん!」
 精霊の力と契約の言葉を込めて、ニコの精霊銃が火を噴いた。
 狙いは骸の群れ……ではなく、その頭上に巻き上がる氷の暴風、その中心であった。
 冷気が巻き起こる中心には、膨大な熱量が含まれている。そこには協力な炎の精霊が、爆発の時を待っていた。
「『精霊狂想曲(エレメンタル・カプリッチオ)』」
 くるり、と背を向けるニコ。
 彼の後ろで炎の大爆発が巻き起こった。
 暴風に晒されていた骸たちも、その周囲の骸たちも、そして打ち寄せる波すらも爆破して、大きな水しぶきが天へと上がる。
 それらを浴びぬように、ニコはその場を立ち去った。
 降り注ぐのは、血と肉の雨。
「魂よ、安らかに眠れ。残された人々は、俺が守る」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マリス・ステラ
【WIZ】囮になって一網打尽にします
ユート(f07769)と連携します

誰とも知れないお墓に『祈り』を捧げます

「主よ、憐れみたまえ」

全身から星の輝きを放ち骸の群を『おびき寄せ』ます
星枢の力で『地形の情報』を得てもっとも有効なポイントに陣取りましょう

「ユート、私もろともで構いません」

十分に引きつけてから殲滅するように
敵とユートの攻撃は【神の存在証明】で耐えます

ほとばしる光は十字架のごとく、骸の群は焚き火に集う蛾のごとく

彼の猛攻に髪が乱れてしまうでしょうか
着実に力をつける教え子の姿は素直に嬉しい

全てを吹き飛ばしたら金平糖を取り出す

「彷徨える魂を星に変えて……」

浄化を『祈り』ながらパクリといただきます


ユート・エルスフォード
【POW】で判定
マリス・ステラ(f03202)と連携
関係は師と生徒、もしくは親しい近所のお姉さん的な存在。


細かいことはいい、ただ目の前の敵を殲滅すればいいか。
これは僕向きの戦場だ。

「先生、大丈夫だとわかっているので遠慮なくいきます」

戦場は開けた場所を選択。そして【魔導蒸気式徹甲弾】でひらすら
範囲攻撃を敢行だ……先生ごと巻き込む形で。
一番効率がいい方法とはいえ、我ながら脳筋に過ぎるやり方だな。


攻撃は間断なく。ダメージを受けても激痛耐性でしのぎ、
位置取りは先生と敵全体を常に把握できる場所を心がける。

自身に接近された場合は【衝撃波】で敵を吹っ飛ばして
距離を開ける方法をとります。



 村へと至る防衛ライン。
 焼け焦げた草を踏み、無数の骸たちが突き進む。
 マリス・ステラは彼らを導くかのように、星の光を解き放っていた。
「主よ、憐れみたまえ。救いたまえ。魂の束縛を……」
 星に、世界に、登らぬ太陽に祈るマリス。
 彼女の発する純然たる生命のエネルギーが、骸たちを引き寄せるのだ。
 ある者は包丁を振りかざし、ある者は石を掴み、ある者は口を開いて並びのわるい歯をむき出しにした。
 嗚呼、想像できようか。その全てが金髪の美女へと殺到し、押しつぶさんとする様を。
 しかし、嗚呼、想像できようか! その全てを受けて尚、ひとつの傷すら付かぬマリスの輝く姿そのものを!
「ユート」
 薄目を開くマリス。
 スチームジェットパックを背負って浮遊する、ユート・エルスフォードへ向けたものである。
 ユートの手にはガントレットガジェット。
「先生――」
「私もろとも」
「分かっています。遠慮無く……!」
 ガントレットのレバーを引き、砲身の安全装置を解除。
 ホルダーより取り出した十二センチほどの特殊徹甲弾を砲身へとセットした。
「『魔導蒸気式徹甲弾』――シュート!」
 衝撃。
 まるで爆発のようなエネルギーがガントレットに発生し、激しい蒸気噴射によって徹甲弾が発射された。
 たかが一発と侮るなかれ。着弾と同時に発生した衝撃は大地を引っぺがし骸の群れを連鎖的に崩壊させ、高く吹き上がる土煙を生み出した。
 マリスの肉体も例外なく吹き飛ばされたが……。
「よくやりました、ユート」
 星の光を纏って空中に浮かぶマリスには無事であった。そんなマリスをもってしても僅かな傷がついてしまうのは、ユートの力のすさまじさ故だろうか。
 マリスは淡い色の金平糖を一握り取り出すと、ほんの一瞬目を閉じた。
 金平糖に不思議な輝きが宿っていく。
「彷徨える魂よ。私と共に……」
 ざらさらと口へ流し込み、そしてゆっくりと溶かし始める。
「先生。彼らは救われるのでしょうか」
「救うのです。今」
「はい、先生」
 ユートは着地し、新たな徹甲弾を取り出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シェーラ・ミレディ
何とも悲惨な状況だが、諦めるには早いな。
この程度を覆せずになんのための猟兵か!

海辺で迎撃だ。
骸が上陸してくる前に先制攻撃、スナイパーで狙いを定めて、「純情一途」で一体ずつ処理していくぞ。倒しきれずとも足止めにはなろうよ。
上陸を許してしまったのならダッシュで近付きながら撃つ。

他の猟兵たちが動きやすいよう、派手に動いて存在感を示し、敵の注意を引き付けておこうか。
何、僕の銃技は接近した方が威力を発揮するからな。向こうから近寄ってきてくれるなら都合が良い。

次から次へと煩わしい。
纏めてかかってくるがいい!

挑発にのって、骸が集団でくるようなら「華燭之典」で蹴散らすぞ。

※アドリブ歓迎
※詠唱省略・改変可


シュデラ・テノーフォン
俺も思わないな
じゃあヤろうか

目の前に来てるのを、獲物と言ったら失礼か
そうだな、骸の群れは護るべきだった彼らなのだから
今、楽にしよう

Cenerentolaに炎の精霊弾を装填、銃を複製
とっておきのGlasregenだ、受け取りな
来る骸を銃弾の雨で火葬する
撃ち漏れはAschenputtelで確実に
村の生存者に言い訳はしないけど、みんな一緒に葬送するんだと思って
どうか祈って
安らかな眠りを

もし村の人に危害がいく様なら、骸の為にも彼らを護るよ
指輪の盾を展開してかばい、ごめんねと骸に零距離射撃

でもまァ
この先に居るのには容赦は要らないよな
早く脳天ブチ抜いてやならきゃ


聖護院・カプラ
おお、このような惨い行いが許されましょうか。いえ、許されない。
この世界のオブリビオンの行動原理から考えて、絶望の淵に立った村人がヴァンパイアの何よりも見たい物なのでしょう。
その行い、改めさせねばなりません。

が、その前に――。
彼ら、骸の群れと化してしまった彼らに今一度安らぎを与えねばなりません。

村へと続く道に堂々と『存在感』を示し陣取り、
こちらへやって来る亡者を『経法』を唱える事で成仏させようと思います。

村人を襲う行為、さぞかし魂に苦痛を与えられていたことでしょう。
来世へ、逝ってらっしゃい。



 生臭い風が吹く。
 冬の冷たさと潮風に、骸の腐肉と濁った血の気配が混ざっている。
 聖護院・カプラは功徳推進ユニットに座り地面から30センチほど浮遊したまま、焦げた草むらのうえに停止していた。
 彼の目に、ライトグリーンの光が宿る。
「このような惨い行いが許されましょうか。――いえ、許されない」
 ヴァンパイアたちの所行を、嗜好を、カプラは知っている。
 むごたらしく死ぬ民を。
 民だったものが民を殺すさまを。
 奴らは好んで眺めているのだ。
「その行い、改めさせねばなりません」
 カプラは浮遊状態から後光出力ユニットを起動。ヴンという低い音と共に背後のサークルが光をもち、ゆっくりと回転し始める。
 と同時に、顔前方にセットされた経法スマートスピーカーから徳の高い経を発声。こちらに注意を向けた骸たちが次々と膝を突き、許しを請う姿勢のまま、あるいは祈る姿勢のままただの死体へとなりはてていく。
 しかし全てではない。後光有効射程は無限にあると浄土の書には記されているが、ダークセイヴァーの闇と骸を操っている『何者か』の闇がそれを阻害しているのだ。
 闇を照らすのが光であると同時に、光を覆うのもまた闇なのだ。
「だが、諦めるには早い」
 シェーラ・ミレディは腰のサイドホルスター左右に二丁。バックホルスターに更に二丁。精霊銃をセットしていた。
 そのうち二丁を抜き、岩場より跳躍した。
「この程度覆せずして、なにがための猟兵か!」
 討ち漏らした骸たちが振り返る。その額に開く精霊弾の穴。
 着地したシェーラは精霊銃に精霊の力をリロードさせつつ頭上に放り投げ、バックホルスターから新たに二丁を引き抜き水平に、翼を広げる鳥のように構える。
 身体ごと回転。連射。
 せまる骸たちを連続で打ち倒し、更にリロードしながら頭上へ放り、落ちてきた先刻の二丁をキャッチ。充填された精霊力を二丁同時に一人へと向けた。
 同時連射。
 リロード、投射、キャッチ、連射再会。
 四丁分の精霊弾が全て一人の骸へと叩き込まれ、形すら残さず塵へと変えていく。
 そんな弾幕を抜け、飛びかかる新たな骸。
 背後からの攻撃に対応が遅れたか――と思いきや。
 新たな精霊弾が骸の頭を粉砕し、それでも収まらぬ衝撃で肉体を弾き飛ばしていく。
 シェーラが振り返ると、シュデラ・テノーフォンが大口径の精霊銃を片手で構えていた。
 月光にガラス細工が淡く光る。
「気づくのがもっと早ければ、これも守るべき人々……ってことになってたのかもな」
 シュデラはどこか寂しそうに呟くと、しかし獰猛に笑った。
 腰のホルダーから赤いソイルを抜き、銃のリボルバー弾倉へとセット。
 まるで決闘の合図をとるかのように銃口を天空へと向けると、安らかに呟いた。
「とっておきのGlasregenだ。今、楽にしてやる」
 精霊弾頭が天空へと発射され、花火のように爆発を起こした。
 だが散ったのは炎ではない。半透明なガラスの銃だ。
 それも二十丁の銃が空へ広がり、その全てが大地の骸立ちへと向いた。
「安らかに眠れ」
 彼なりに、祈るように、額にまだ暖かい銃身を当てた。
 連続した精霊弾の爆炎が、あたりを包む。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

青原・理仁
守る、ねぇ
悪ぃな、俺は壊すしか出来ねぇ男だ
つまり…てめぇら全員ぶっ飛ばしてやるよ!

場所は砂浜だ
海から上がったばかりなら身体も海水で濡れてるだろ
電気が通りやすいよな?
食らいやがれ、ライトニングバースト!

こんだけ密集してるなら、適当に狙っても当たる
元々狙いを付けて撃つユーベルコードじゃねぇけどな!

敵の攻撃は見切りで回避

敵が少数ならグラップルや怪力を用いて殴り倒し蹴り飛ばす


ナイ・デス
海から骸、ですか
縮図みたいですね……守ります。残った、今に生る人を。未来を
取り戻します。骸の群れに襲われた大地を。海を
それが、猟兵、です!

猟兵としてすべきこと、勇気と覚悟を改めて強く、胸に
聖者としての、生まれながらの光を放つ
聖なる光で照らす。味方は、村人は癒し、温め
聖なる光で照らす。骸からは、今に生る為の生命力を吸収して
過去が今に生る異常を治し、元の骸へ

地形の利用。岩山、高いところから
範囲攻撃。広く多くを光で照らす
疲労は骸からの生命力吸収で補って、余りある力でより光を強く、広く
多くから更に吸収して、更に光を広げていく
その繰り返しで、動く骸の群がいなくなるまで、私は止まらない

おやすみなさい、です



 あれだけ大量に上陸していた骸の群れも、イェーガーの軍勢によってみるみる押し返されていた。
 残るは海岸沿いに広がる骸たちを倒すのみだ。
 だがその数もまた、ばかにできないほどにあった。
 なんとかイェーガーたちのガードを抜けようと、海水からあがったばかりの身体で走り出す骸たち。
 そこへ。
「ライトニング――!」
 衝撃的な雷がおりた。
 否。雷ではない。
 雷を纏った青原・理仁が、拳を大地に打ち付けるようにして着地したのだ。
 波紋をうつように広がる電撃が、海水をたっぷりとしみこませた骸たちへと広がっていく。
 ばたばたと倒れけいれんする骸たちの中で唯一、ゆらりと立ち上がる理仁。
 ぱちんとはじける拳を顔の位置まで上げると、ため息のように呟いた。
「――バースト」
 開けた視界。振り返る骸たち。
 飛びかかる少年少女。女に老人。本来弱者である者たちが、ヴァンパイアの操り人形となって襲いかかる。
 理仁はそれをあえて、胸や腹や、肩や腕で受け止めた。
 顔めがけて振り込まれた包丁を、素手で受け止める。
 回避ができなかったのか? いいや、理仁ほどの動体視力なら全てよけることも可能だったはず。
 ではなぜ。
「守ります」
 高い岩場から跳躍し、手を広げるナイ・デス。
 手のひらより生まれた『いつか見た光』が、かつてを思い出すように輝く。
 理仁についたあらゆる傷が、まるで最初から無かったかのように消えていく。
 ナイの腕輪がさらなる光を放ち、聖なる光を周囲の骸立ちへも照射していく。
 治癒は対照的な、しかし同じ意味を持った慈悲と救済の光が、骸たちにつながった闇の力を打ち消していく。
 闇を照らすのはいつだって、光なのだ。
 宙返りをかけ、理仁の隣へと着地するナイ。
 周囲の骸たちは糸の切れた人形のように崩れていく。
「……守ります。残った、今に生る人を。未来を」
 なおも迫る骸たちに向け、ナイは腕輪をそっとなぞった。
「取り戻します。骸の群れに襲われた大地を。海を。それが……」
 猟兵(イェーガー)、なのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。海から来るのね?
だったら、上陸した亡者は他の猟兵に任せて、私は海の浄化を試してみる…

他の猟兵と連携をとり行動
第六感が危険を感じたら速やかに回避行動
岩山から【限定解放・血の教義】を発動
吸血鬼化した自身の生命力を吸収して魔力を溜め、
死者を操る呪詛を浄化する“光”属性の“渦潮”を海に起こし、
海の中の骸を集め浄化と足止めを行う

…光の精霊、水の精霊。今なお安息を許されない魂を鎮めるために、力を貸して…。

吸血鬼化している時に光を扱った反動で傷口を抉るような痛みに耐え、彼らに祈りを捧げよう

…もう苦しむ必要はない。どうか、安らかに…。

…後は岩山にいる人を護衛して、これ以上犠牲者が出ないようにする



 迫る骸。浅い海面を踏んではじけるしぶきの音を、リーヴァルディ・カーライルは目を閉じて聞いていた。
 二連装マスケット銃をだらりと下げ、手を離す。
 膝までつかるほどの海面を抜けて銃が落ち、海底の砂地に横たわる骸の頭へとぶつかった。
 ヴァンパイアの力は強大だ。
 殺された人々はなすすべも無く人形と化し、闇の糸につられて踊ることになる。
 だが、決して無敵というわけではない。
 リーヴァルディはそれをよく知っていた。
「限定解放。テンカウント……」
 自らの中に渦巻くオドと周囲を取り巻くマナが混ざり合い、一つの奔流へと変わっていく。
「…光の精霊、水の精霊。今なお安息を許されない魂を鎮めるために、力を貸して…」
 自らの生命力を犠牲に放った光の渦が、今なお上陸しようとする骸たちの足を止めた。
 足より這い上がる光の渦。
 それらが骸たちに絡みついた闇の糸を断ち切っていく。
 闇を照らす光。
 それは同時に、リーヴァルディ自身を切り裂く光でもあった。
 肉の裂け目に感じる寒さと、潮の冷たさが、今感じている人々の痛みと同種のものなのだとしたら……。
「もう、苦しむ必要はない。やすらかに、海へと還れ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

不破・玄
私達は骸の波の防波堤というわけですね。

雑草らへんで迎撃です。
罠を作成です。火から逃さないためです。
木の杭を地面に打ち込んでそこにロープを使ってワイヤートラップです。
まあ、転ばせて波を一時的に止める程度でそこで排除できたらと考えます。
海が近いなら魚網でもあればそれをロープ代わりでもできたらより良いですね。

そして抜けてくる敵を迎撃です。
罠が上手くいかなくとも迎撃です。
『サイキックブラスト』を「範囲攻撃」で広げて「なぎ払い」で打ち込みます。
基本サイコキャノンで遠距離対応で波に飲み込まれないよう注意です。
炎属性の属性攻撃も加味だな。
下がっても集落までは下がらない。死力を尽くそう。

アドリブ等歓迎です。


エルネスト・ポラリス
ええ、ええ。
死者がただ静かに眠る事すらできない村、確かに絶望という言葉が相応しいでしょう。
だから私たちがいるんです。

砂浜を駆け、『野生の勘』を働かせながら敵の動きを『見切り』、剣で攻撃を『武器受け』しながら骸の群れへ切り込んでいきます。
状況が悪そうなら、『ロープワーク』で操るワイヤーでけん制しつつ一度逃げ。何度でも仕切り直しますよ。
上手く敵集団の深くまで入れたなら、【人狼咆哮】で一気に片付けましょう!

既に死した彼らを救うことはできません。
なら、せめてこれ以上の悲しみを生みださないよう、彼らの為に、彼らを砕きましょう。



 骸たちの勢いが目に見えて無くなったことに、エルネスト・ポラリスは気がついた。
「骸が海から上がってこなくなりましたね。もしや……誰かが浄化に成功したのでしょうか?」
「かも、しれませんね」
 不破・玄は朱色のナギナタブレードから黒色のスパークを放ちながら振り返った。
 村へと迫ろうとする骸たちは仲間の銃撃によって撃退され、残るは岩場周辺で退くも進むもできなくなった骸たちを倒すのみだ。
「あとは私たち次第ですね。行きましょう!」
 玄はトラップのトリガーを作動させるため、足下のロープを切断した。
 連鎖的に発動した無数のトラップが、行き場を喪った骸たちへと襲いかかる。
 足をつくわれ吊り上げられる者。網を被せられもがく者。落とし穴に転げ落ちる者。
 玄はそんな彼らに向けて、黒色のスパークを解き放った。
 人造移植されたサイキッカーゲノムより、激しい電流が土や空気を無視して走る。
 エルネストはしびれて動けなくなった骸たちを次々と片手剣によって切り裂いていく。
 一方でトラップを抜けた骸たちが10人がかりで襲いかかってくる。
 短剣や草刈り鎌、斧や木槌といった武器ともつかぬ武器を構えた農民らしき人々だ。
 それがヴァンパイアに殺された際の持ち物なのだとしたら……。
「…………」
 エルネストは眼鏡をつまむようにして直し、思考を一度止めた。
 大きく息を吸い込み、獣の遺伝子を呼び覚ます。
 のぼる月と暗雲が、彼のなかに流れる血をざわつかせた。
 咆哮。
 衝撃。
 吹き飛ぶ骸たち。
 すかさず距離を詰めたエルネストの剣が、農民の腕や首や胴体を次々に切断していく。
 ふと見れば、同時に飛び込んでいた玄が薙刀による巧みな斬撃で同じく骸をバラバラにしていく。
 全ての骸が倒れた所で、玄はいまいちど周囲を見回した。
 あちこちに死体、死体。
 その全てがかつての犠牲者たちであったことを想って、玄の左手薬指が小さく、そして一瞬だけけいれんした。
「これを、楽しんでいたのか。ヴァンパイアは」
 小さく呟く玄。
 エルネストは沈黙し、再び海を見た。
 村へ侵攻した骸たちが人々を惨殺していく光景を想う。
 手元にある最低限の武器を振り回し抵抗した人々の最後を想う。
 そしてふと、ある疑問に思い至った。
「これまで倒した人々はほとんどが非戦闘員でした。いくらヴァンパイアに対して無力だといっても、骸の群れに多少なりとも抵抗できる人間はいたはずでは?」
「……いたはずです。きっと、より分けられていたんでしょう」
 玄は、海の向こうに上がる黒い霧を見た。
 霧の中から突如として現われる、無数の小舟を……見た。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『朱殷の隷属戦士』

POW   :    慟哭のフレイル
【闇の力と血が染付いたフレイル】が命中した対象に対し、高威力高命中の【血から滲み出る、心に直接響く犠牲者の慟哭】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    血濡れの盾刃
【表面に棘を備えた盾を前面に構えての突進】による素早い一撃を放つ。また、【盾以外の武器を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    裏切りの弾丸
【マスケット銃より放った魔を封じる銀の弾丸】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 無数の小舟が接岸し、鎧を纏った人々が下りてくる。
 彼らの装備は鎖鉄球(フレイル)。スパイクシールド。マスケット銃。
 統一された赤黒い装備には全て、ヴァンパイアによる闇の力が塗り込められていた。
 いや、それだけではない。
 犠牲者たちの血と肉がこびりつき、塗料として固められ、ただの人間とは思えないほどの力を発揮させていた。
「――――――――!!」
 唸るような、咆哮のような声をあげ、フレイルを大きな岩へと叩き付ければ、岩は粉々に砕け散る。

 これまで襲われた村々には戦士もいたはずだ。
 骸の軍勢に押しつぶされるようにして死んだ彼らは、ヴァンパイアによって選別され、呪いの装備に塗り固められ、そのうえ骸の兵士として投入されたのだ。
 万が一骸の群が退けられた際の保険として。

 戦士たちが、鎧の内側から小さく唸る。
「コロシテ、クレ」
 見開いた目に、黒い血の涙が浮かんだ。
シュデラ・テノーフォン
うん任せて
ちゃんと眠らせてあげようか

そのマスケット銃、醜いなァ…無理やり持たせたんだね
発泡の仕草を野生の勘で見極め、
氷の精霊弾を装填したCenerentolaでクイックドロウ
凍らせて廃棄処分にしてやるさ

君の無念、俺で良ければ受け止めるよ
真っ直ぐ対峙し、指輪の盾を展開
フレイルの慟哭でも、突進する盾だって
…そうだね、苦しいだろう
護れず、ましてや守るものに刃を向けるなんて
俺だって嫌だ

攻撃の手が増えても硝子の城壁で受け切ってみせるよ
相手の攻撃が止まればさァ終わりの時間だ
Aschenputtelを複製、Glasregenで鎧の隙間を狙い撃つ

大丈夫、君らを苦しめた奴は俺達が確り狩ってくるさ
安心して逝きな



 赤黒い涙を流して進む骸の隷属戦士たち。
 その先頭に立つ戦士の鎧には、ナイフでジョンと彫り込まれていた。
「コロシテ……」
 マスケット銃を手に取り、目を見開いて乱射する戦士。
 シュデラ・テノーフォンは飛来する弾を飛び交わすと、素早く引き抜いた硝子装飾のリボルバー精霊銃をショット。
 氷の精霊弾が高速で戦士の手元にヒットし、マスケット銃の機能を停止させる。
「まかせて。ちゃんと眠らせ(ころし)てあげる」
 シュデラは精霊銃を連射しながら突撃。
 対する戦士は盾を構えて弾丸をはねのける。
 ただの骸とは戦闘力が桁で違うようだ。
 が、それでも。
「コロシテ!」
 フレイルの柄をとり、鉄球を振り回し始める戦士。
 シュデラは鉄球の飛来を予測しつつも、あえて突撃の速度を速めた。
 まっすぐに飛来する鉄球。頭部を粉砕するコースだ。
 しかし。
「それが君たちの嘆きと悲しみ、なんだね。受け止めるよ。俺で避ければ」
 顔の前に翳した透明な指輪が淡い光を放ち、美しいガラス彫刻の施された盾が出現した。
 そのはかない外観からは想像もつかぬような強度で、鉄球をはねとばしていく。
 飛び込む勢いをそのままに、シュデラは戦士を強かに突き飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔴​

聖護院・カプラ
おお、死して尚オブリビオンの隷属を強いられるとは……。
村の、勇猛であり果敢な戦士であったのでしょう。
この状態において魂が穢れきっていないことからわかります。
そして貴方達の他力本願、承りました。

『裏切りの弾丸』はユーベルコードを封じる強力な技。
封じている間に魂を損なう為、何としても放つまでに対処せねばなりません。
幸いと言っていいのか――、
マスケット銃は構え、狙い、撃つという動作が必要な武器。
ですが私の『功徳』は既に先程骸を浄化した、場に満ちた『存在感』に指向性を持たせる動作のみ。
先手を取る事で徳による浄化を為し、彼らの魂の救済と致しましょう。



 突き飛ばされ、転がる戦士ジョン。
 遠い船から、黒いマスケット銃が回転しながら飛び、彼の前に突き立った。
 犠牲者たちの血とヴァンパイアの銃である。
 拒絶に首を振るが、腕が勝手に銃をとり、そしてイェーガーたちへと銃口が向けられる。
 トリガープルのわずかな固さ。
 そのコンマ一秒があれば充分だった。
 聖護院・カプラが死した魂を救うのに、充分な時間であった。
 カプラは瞬時に戦士の前に姿をさらし、自らの存在を強く強調した。
 西部開拓時代のガンマンが早撃ちの勝負をしたように、ユーベルコードもまた早撃ちの勝負が成立することがある。
 戦士の銃が弾を放つより早く、カプラの存在は戦士に浸透し、カプラの持つ徳の高さ故に戦士は赤黒い涙を流し膝を突いた。
 狙いを外した銃は砂地に打ち込まれ、戦士の銃は、そしてフレイルは、そして盾は、そして鎧は、禍々しい血と闇のコーティングがはがされ、白銀の清らかな装備へと変わった。
「死して尚オブリビオンの隷属を強いられるとは……戦士ジョン。勇猛果敢な戦士であったことでしょう。あなたの他力本願、承りました」
 手を合わせ、カプラは純粋な祈りを捧げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

バンシィ・ルフェイ
WIZ判定

スキル
情報収集4、世界知識5、オーラ防御8

行動
放たれる「裏切りの弾丸」を分析
その性質と軌道を見極め、割り込むように「蝕(イクリプス)」で
相殺し他者の行動を支援する

セリフ
聖なる波動、封印、苦悶の声……
なるほど、隷属させた戦士に仲間を殺させるって寸法かい
なかなか胸糞悪い相手だねぇ

だが、歪めたモノは抑えつけられた反動もまた大きいのさ
世界がこの場にワタシ達を呼び込んだようにね!「蝕!(イクリプス)」



 崩れ落ちる戦士ジョンを横目に、さらなる隷属戦士たちが村を目指して歩き始める。
 後続の戦士は黒いマスケット銃を手に、さらなる相手を狙うつもりだ。
「『裏切りの弾丸』……ねぇ」
 バンシィ・ルフェイは彼らの持つマスケット銃に少なからず見覚えがあった。
 ヴァンパイアに支配された人類とて、これまで何の抵抗もしてこなかったわけではない。
 対抗しうる何かの糸口を見つけては、果敢に立ち向かっていったという歴史がある。少なくともバンシィはその一例であり、その到達点のひとつである。
 バンシィがはじめに着目したのは弾丸の種類であった。
 謝って砂に打ち込まれた弾丸は銀。それも魔を払う処理が施された弾だ。ヴァンパイアが好んで使う武器とは思えない。
「なるほどねぇ……もともとヴァンパイアに対抗するための力を逆に利用したってわけかい。なかなか胸糞悪い相手だねぇ――蝕(イクリプス)!」
 バンシィは空間をかき混ぜるように丸く飛行すると、骸の海へと意識を接続。残響を書き出し、つい先程放たれたばかりの弾丸と同じものを顕現させた。
 その様子を警戒し、銃撃を放つ隷属戦士。
 しかしバンシィの呼び出した弾丸が同時にはなたれ、相殺。
「歪めたモノは抑えつけられた反動もまた大きいのさ。世界がこの場にワタシ達を呼び込んだようにね!」
 ぶつかり合いはじけて消える弾丸。
 直後、バンシィは杖を振り込んで冥府の精霊を召喚。光の蝶となって飛んだ精霊の力が、戦士を包み込む。

成功 🔵​🔵​🔴​

不破・玄
何たる非道だ。
許す気等はさらさら無かったが、より怒りを覚える。
この戦士を村の人に見せるわけにはいかない。
しかし、どうやら強力な戦士となっているようであり油断は出来ない冷静に戦う必要はありそうだ。
敵一人一人確実に倒していく必要があるかな。
俺は攻撃武器はサイコキャノンのメインにもちいて間合いをとりつつ仲間を援護する感じで射撃攻撃だ。火の属性攻撃を加えつつ攻撃だな。
敵の動きはよく見つつ「第六感」を信じて動く。
敵の接近に対応して【サイキックブラスト】を放つ。
接近されきったらなぎなたふるって対応し間合いを計ろう。

俺たちがその苦しみから解放する。
そして、必ず元凶を駆除しよう。

アドリブ絡み大歓迎



 絶好のタイミング。戦士が冥府の精霊に取り憑かれ脱力していくそのさまを、不破・玄は見逃さなかった。
「コロシテ……」
 既に死した身であるにもかかわらず魂を縛られ裏切りを強制され、既に過ぎ去った死を再び求める傀儡と化している。
 勇敢な戦士の、なれのはて。
「何たる非道。村の者に見せるわけにはいかないな」
 玄は手の甲にはめ込んだ宝石のようなサイコキャノンから黒色の炎を放射。
 ゆらゆらと足取りを重くする戦士に浴びせかけ、鎧もろとも焼却していく。
 眠るように、安堵するように目を閉じる戦士。
 そんな彼女の手をめがけ、新たなる銃撃が飛来した。
 咄嗟に回避運動をとる玄。
 回転と飛び退きによって、手の甲を狙ったであろう銃撃は空をきり背後の岩へと命中。
 銀の弾丸だ。おそらくは玄のサイキック能力を封じるつもりなのだろう。
「それでも強化された戦士。油断はできません、ね」
 一度冷静さを取り戻した玄は両手を合わせるようにしてサイキックエナジーを増幅。今度は黒色の電撃に変え、ジャッキーという名前の彫られた戦士へ高圧電流として放射した。
 直撃を受け、動きをとめられる戦士ジャッキー。
「俺たちがその苦しみから解放する。そして、必ず元凶を駆除しよう。だから……」
 電撃を放射しながら、玄は目を細めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

舞塚・バサラ
・SPD
その願い、聞き届けた
これ以上業を重ねぬように、我が炎にて祓ってやるとも

__この一閃は、不知火の如く。迷わぬように行き先を示せ

ユベコ使用。我が不知火火車の一閃にて彼らを斬り祓おう
幾ら鎧が固かろうが、隙間や関節までは固めきれぬ筈だ(属性攻撃、鎧無視攻撃)
そして基本的には相手と距離を取ろう(逃げ足)
相手がマスケット銃を構える動きをしたら、無形刃をマスケット銃の銃口目掛けて【投擲】して発射を阻害、その隙に一撃離脱で斬撃を叩き込むまで(逃げ足、見切り、早業、属性攻撃)

……心配無用。汝らは何一つ恥じなくて良い
もう、これ以上の業を汝らは重ねず、虐げられぬ故にな
我が炎の導く先へ、穏やかに行くが良いさ…



 動きを止められた戦士ジャッキーが、しびれた口でうわごとのように繰り返す。
「コロ、シテ、クレ。コロ、シテ……」
 もはやそれ以外の言葉を忘れたかのように、それだけが願いであるかのように繰り返す戦士ジャッキーに、『彼』は正しく応えた。
「その願い、聞き届けた――これ以上罪を重ねぬように」
 テレポートによって空中に現われた舞塚・バサラ。
 ずしんという音と共に砂地に着地した彼は、手刀に焔を纏い、水平に一閃。
 しびれて動けない戦士の胴体を真っ二つに切断すると、燃え上がる炎によって呪いもろとも焼き払っていく。
 そんなバサラへ飛来する弾丸。
 バサラは忍者刀で弾丸を切り裂くと、発砲音から位置を特定。まだ銃口から煙をあげている戦士へと急速に接近した。
 斬撃。
 が、しかし。銃をすて盾を構えた戦士の防御に、バサラの剣は弾かれる。
 連続で繰り出す剣が、表面の金属とスパイクに弾かれる音ばかりが響いた。
 屈強に立つ戦士。重圧をもって相手をにらむような鎧甲。
 しかしその内側にあるのは、死という救いを求める骸の目であった。
「モウ……戦いたく、ない」
「心配無用」
 バサラの刃に、再び炎が宿る。
 構えた盾もろとも切り裂き、戦士をまるごと切断するバサラの剣。
「我が炎の導く先へ、穏やかに行くが良いさ」
 くるりと背中を向けた彼の後ろで、戦士は眠るように目を閉じた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユエ・イブリス
(優雅にアレンジ絡みOK)
敵を見下ろす虚空をゆき

この世界ではよくある悲劇だろうが
嗚呼、全くこれは陳腐に過ぎる
悲劇を悲劇たらしめるのは観客の心動かしてこそ
陳腐に過ぎて――笑えない

『氷の竜巻』を召喚
【範囲攻撃】【全力魔法】【属性攻撃】【鎧無視攻撃】で強化攻撃
敵の攻撃は【第六感】【見切り】で回避

私は安らかな眠りなど与えてやれる技を持たぬからね
ひと思いに凍え散らせてやるだけだ
心残さず彼岸へ逝け



「ありがとう……」
 炎に包まれ死に行く戦士たち。
 その様子を、ユエ・イブリスは天空より眺めていた。
「よくある悲劇。陳腐な悲劇。しかしこれは、過剰だな。あまりに無粋だ」
 軽蔑するように目を細めるユエに、マスケット銃の弾丸が飛来した。
 まるで氷のように透き通った剣を払い、精霊力の障壁を展開。弾丸をはねのける。
 どうやら戦士のひとりがユエを狙っているようだ。射程の長いマスケット銃をこちらに構えている。
 弾込めの素早いこと。戦士は恐るべき早業でもってユエへ銃撃を連射してくる。
 対抗して剣を振り込み氷の竜巻を起こす……が、戦士の銃弾は竜巻を抜けてユエへと命中。厳密にはユエの剣を打ち、空へとはね飛ばした。
「――ッ」
 氷の竜巻がやむ。
 戦士はその隙を突くようにさらなる銃撃をしかけようとする……が。
「侮って貰ってはこまるな」
 ユエは未だ、涼しげな笑みを崩さなかった。
 ユーベルコードはユエの到達点の一つにすぎない。いや、通過点と言ってもいいかもしれない。
 ユエは袖の内側から腕輪を露出させ、空間に漂う『救われた魂』たちに呼びかけた。
 戦士へとまとわりつき、動きを封じていく魂たち。
「私は安らかな眠りなど与えてやれる技を持たぬ。彼らと共に逝け。ここには何も置いていくな」
 心も、後悔も、魂すらも。
 精霊の力が飛んでいったはずの剣にはたらき、ユエの手元へと舞い戻ってくる。
 後ろ手にそれをキャッチして、彼は再び腰に納めた。
 その時には既に、戦士は薄く凍った海水に包まれ、止まっていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アイ・キャンディ
意識は、あるんだね。
残酷なことをする。解放して、あげなくっちゃ。

エアスケートシューズで戦場を縦横無尽に走り回りながら、拡声器で味方全体に届くようにしてユベコを歌うよ。
ついでに敵の注意もひけて囮が出来れば一石二鳥だね。

囲まれて危なくなったら背中のロケットを噴射させて脱出するよ。
拡声器を最大音量にして、音波攻撃を置き土産にするのも忘れない。
こんな姿になっても、爆音は通じるだろうか。
通じなくても、音圧で少しは怯んでくれるかな。


青原・理仁
…そうかよ
なら、望み通り殺してやるよ
悪い、なんざ言わねぇからな

怪力、グラップルを生かして撃砕雷業拳を打ち込んでいく
衝撃波や鎧砕き、鎧無視攻撃も込めておくか
一回打って倒れなかったら2回攻撃で追撃
囲まれたら裏拳の要領でなぎ払い、纏めて叩き伏せる

敵の動きは見切り、残像やフェイントを交えて回避
即座にカウンターで殴り倒す


エルネスト・ポラリス
岩をも砕くフレイル、驚異的ですね。
けれど、引くわけにはいきません。
彼らを此処で止めねば、彼らの守りたかったものを、彼らの手で壊させることになりますから。

剣を構え、積極的に前へ出ます。
【無敵城塞】を使いながらフレイルを『武器受け』で止める。
味方を『かばう』為に、ユーベルコードの発動と解除を繰り返しながら、位置取りに気を付けていきたいですね。

心を直接襲う慟哭が厄介ですが……
ええ、毒を食らわば皿まで。
いっそ敵と『手をつなぐ』事で、真正面からその悲嘆を受け止めましょう。

約束します、貴方達をここで止めて、この残酷な戦いを仕掛けたオブリビオンは必ず討つ。
ええ、私たち猟兵が、必ず。



 鎧の足にジャクスと書かれた戦士が、よろよろと身体を左右に降りながら船から下りてきた。
「コロシテ……コロシテ……」
 顔を覆ったかぶとによってくぐもった声が、低く唸るように波音へ混ざる。
 アイ・キャンディはその様子を、フェイスディスプレイに淡く反射させていた。
「残酷なことをするね」
 ざ、ざ、とノイズのように走る音。ぷつぷつと途切れるスピーカーの接続音。
 アイのフェイスディスプレイがイエローゴールドに染まり、スリーピースシンボルが大きく表示された。
「解放して、あげなくっちゃ」
 解放。そのイメージにぴったりと合ったのか、展開したアイのスピーカー設備からモップなレゲエミュージックが流れ出した。
 ハンドメガホンタイプのマイクを翳し、音楽に歌を乗せ始めるアイ。
 そのまま、エアスケートシューズを使って砂の上を滑るよに走り出した。
 振り込まれる戦士ジャクスの鉄球を、カットバックの動きで回避する。
 至近距離で放たれた音波が戦士の身体を打った。
 聞こえる聞こえないはもはや問題ではない。空気振動という物理的なダメージが、戦士を鎧ごと吹き飛ばしていく。
 追撃。ペットボトルロケットの垂直噴射で高度を上げたアイ――のスピーカーを、マスケット銃の弾丸が打ち抜いた。
 はじけ飛ぶ破片。衝撃にバランスを崩すアイ。
 さらなる銃撃がアイのディスプレイを破壊するより早く、彼のバックパックに何者かのフックがかかった。
 ボトルをパージし素早く引き寄せられるアイ。
 エルネスト・ポラリスはワイヤーリールをオートで回しながら、親指と中指で眼鏡フレームの両端を挟むようにして押さえた。
 フレームと指の間から、戦士たちを見る。凹凸のない伊達レンズが、ぎらりと不思議に光った。
 アイを背後に庇い、飛来するさらなる銃撃を剣で弾く。
「あなたはここで止めます。ここで止めなければ、ならない」
 銃撃ではらちがあかないと考えた戦士がフレイルの鉄球を振り回し、エルネストへ叩き付けてくる。
 常人であれば粉々になって吹き飛ぶような衝撃を、しかし、エルネストはなんと素手で受け止めた。
「あなたが守りたかったものを、あなたの手で壊すことになる。そういうわけには、いきません」
 皮膚を通して流れ込む彼らの声が心へと直接響いてくる。
 けれどエルネストは鉄球から手を離すこと無く、どころか強く握りしめた。
 あまりの力に、鉄球がひび割れ、砕けていく。
 警戒か、恐怖か、それとも本能による反射か。戦士は驚いたように半歩下がる。
 そして一度下がったなら、もう前へは進ませない。
「望み通りに殺してやるよ」
 青原・理仁が、雷神の如く急接近した。
 咄嗟に翳す盾。前面を覆ったスパイク。
 だが理仁はひるむことも、まして止まることもなく。握り込んだ拳をそのまま盾のスパイクへ叩き付けた。
 吹き出る血。破壊される拳。されど理仁は歯を食いしばり、全身の力とわき出る奇跡の雷をもって強引に相手を殴り飛ばした。
「悪いなんざ思わねえ。俺に出来るのは、いつだってコレだからよ」
 ポケットから取り出した包帯を拳に巻き付け、殴り飛ばした戦士へ再び飛びかかった。
 再び翳された盾を、しかしまたも殴りつける。
 理仁の信念と覚悟と魂と、それによって呼び起こされた奇跡の雷が籠もった拳が、盾を、鎧を、それらを包む呪いまでもを破壊した。
 ただの骸となって倒れる戦士の顔を、理仁はじっと見つめた。
 何を思われたのか。何を思ったのか。それは彼にしか分からないことだろう。
 だが。
「任せろ」
 とだけ、彼は言った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シェーラ・ミレディ
……嗚呼、ならば望み通りに。
楽になりたいものから僕の前に並ぶがいい。

敵から少し距離を取って、全体を見渡せるようにしつつ戦闘。
鎧の隙間を狙って弾丸を撃ち込もうか。
相手は既に死んだ身だ。ヘッドショットを決めたとて立ち止まるとは思えん。【純情一途】で行動を阻害し、関節部を破壊して動きを止めよう。
動かなくなったら確実に仕留めればよい。
「ではな、安らかに眠れ」
僕に信じる神はいないが、せめて冥福を祈ろう。

敵の攻撃は見切り、ダッシュやジャンプ等で回避。
避けられないものは可能なら撃ち落とす。
「死にたいと望むなら、あまり僕の手を煩わせるな」



 片手用マスケット銃を二丁同時に構えた戦士が、重々しい鎧を揺らして突撃してくる。
 銃の乱射。対してシェーラ・ミレディは岩の影に飛び込み銃撃をやりすごす。
 強力すぎる銃弾は数発で岩を破壊し、シェーラは飛び退くように転がった。
「コロセ……たのむ、殺して……」
 赤黒い涙を流しながらマスケット銃を乱射する戦士。
 シェーラは精霊銃に精霊力をチャージしてから、飛来する弾丸へと射撃した。
 精霊弾と相手の弾丸が衝突し、破壊。
 次なる弾丸も衝突して破壊。
 シェーラは相手と同じく二丁拳銃の乱射スタイルでカウンターバレットを連発していた。
 が、シェーラの方は飛んでくる弾を狙って撃っている分何枚も上手だ。
 それを察したのだろう。
 戦士は銀色の弾丸をセット。一丁スタイルに変えて射撃をしかけてくる。
 シェーラは再びカウンタバレットを放つが、精霊弾の力がキャンセルされ、シェーラの頬を弾がかすった。
「殺して」
「ああ、望み通りに。楽にしてやる」
 シェーラは腰の精霊銃を新たに抜き、背部に格納していた補助腕を展開。
 四丁まとめての乱射スタイルをとると、戦士めがけて連射し始めた。
 チャージされた精霊力が尽きるまで、その場に縫い止めておくためだ。
「あまり僕の手を煩わせるなよ。冥福くらいは祈ってやる」

成功 🔵​🔵​🔴​

ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと行動
アドリブ共闘大歓迎!

守りたい者を守れず、死して尚蹂躙されているというのか
あまりに酷い仕打ちだ…
これ以上の苦しみは見過ごせない。ここで終わらせよう
速やかなる魂の解放を。行くぞ!

囲まれぬ様【属性攻撃】【範囲攻撃】による
ファイアボールで牽制
弾丸は厄介だな…だが銃には火薬が詰まっていると聞く
構造がそのままであれば、炎で爆発させられないだろうか?

背を取られないよう、弾丸は弾きながら接近し
フレイルが振られたら剣で絡めとり
渾身の【ドラゴニアン・チェイン】を放ち
引っ張り態勢を崩させる。今だ!チコル!


チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフと行動!
★アドリブ、他猟兵との絡み歓迎!

聞こえる。
騎士達の、悲しくて苦しい気持ちが聞こえるよ。
……待っててね。早く終わらせてあげるから。
うん!行こう、ユーリ!

囲まれないようにユーリと息を合わせて立ち回り、相手の攻撃には【野生の感】【ジャンプ】【空中戦】を使ってアクロバティックに回避するよ。

鎧にダガーでの直接攻撃は難しいかも。
甲冑の隙間に突き入れて、動きの妨害を狙うよ!

ユーリが隙を作ってくれたら、すかさず【ガチキマイラ】で頭部を変化させ、がぶりと噛み切る。

今度こそ、お休みなさい……。



 精霊銃による連射は無限にできるわけではない。
 しかしその限られた間、戦士は銃撃を防御すべく一歩たりとも動くことができなくなっていた。
 そんな巨大な隙を逃すチコル・フワッフルではない。
 俊敏に背後に回り込み、首の後ろにある鎧の隙間から細いダガーを差し込んだ。
 ぐう、といううなり声と共に脱力する戦士。
「聞こえるよ。苦しい気持ち。悲しい気持ち。待っててね、すぐに終わらせるから」
 チコルは相手を抱くように倒すと、鉄串のようなダガーを引き抜いた。
 そんな彼女を襲う鎖鉄球。
 後頭部を直撃するかのようなコースを通ってはしる鉄球を、ユーリ・ヴォルフが炎のあがる槍によって受け止めた。
 ぐるぐると巻き付く鎖。
 槍を奪おうと引く戦士のかぶとにはジェイコブと彫り込まれている。
 ユーリは槍を掴み、綱引きのように相手と鎖を引き合った。
「守りたい者を守れず、死して尚蹂躙されるか……酷な仕打ちだ。見過ごせない所行だ。そんなことは、ここで終わらせる!」
 ユーリは鎖を通して自らのオーラを伝達。
 油のラインをはしる炎のように、素早く走った真っ赤なオーラが戦士ジェイコブの腕へと至った。鎖を上から螺旋状に伝うように、新たなオーラの鎖が生まれる。
 戦士ジェイコブが鎖をたぐり寄せ、強引にユーリを釣り上げるように投げる。
 宙を舞ったユーリはしかし燃えるような翼を広げ空中制動。鋭く着地すると、逆に相手を仰向けに引き倒した。
「今だ、チコル!」
 仰向けになった戦士の頭めがけて飛びかかるチコル。
 彼女が逆手に握って振りかざしたダガーは円錐状の刀身にねじれた溝がはしったツイストダガーだった。
 硬い装甲に打ち付けられた刀身が、強引にかぶとを穿つ。
 それでも傷付けられるのはほんの先端のみ。
 だがそれで充分だ。一度刺さったなら……。
「今度こそ、お休みなさい」
 頭をライオン化し、相手の頭を噛む。強い顎の力が加わり、戦士の頭にダガーが無理矢理に押し込まれた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。待っていて。
すぐに貴方達の望み通り殺してあげる…。

【見えざる鏡像】を発動して姿と存在感を消し、
目立たないように敵の追跡をかわし気配を遮断する。
敵味方の行動を見切り、怪力を瞬発力に変えて接近。
第六感が危険を感じたら即座に回避行動を取る。

…朱殷の隷属戦士。一度ならず見えた相手。
戦士の骸を傀儡にする呪われた鎧…。

…普通に闘えば厄介な相手だけど。
銀の銃弾も、当たらなければ意味がない…。

防具を改造する呪詛の力を溜めた掌で敵に触れる。
全身鎧を拘束具に変えて敵の動きを封じた後、
生命力を吸収する大鎌でなぎ払う2回攻撃で仕留める。

…貴方達の仇は、必ず討つ。
後は私達に任せて、ゆっくり休んで…。



 浜辺に次々と倒れる骸の戦士たち。
 だがそれで終わったわけではない。
 岸には次々と小舟が接近し、黒い鎧を纏った戦士が上陸を狙ってくる。
 その中に射程の長いマスケット銃を構えた戦士の姿を見て、リーヴァルディ・カーライルは岩の影からマスケット銃を放った。
 自らの血でできた弾丸が戦士の盾にはじかれる。
 距離が遠いか。リーヴァルディは舌打ちでもするように唇に指を当てる。
 反撃にと放たれた銃弾を頭をひくことで回避。相手の射撃能力はたいした物だ。であれば……。
「そもそも狙えないようにする必要があるわね」
 リーヴァルディは自らの血の力を僅かに解放し、右手親指の付け根を囓った。
 すう、と空気に溶けるかのように透明化するリーヴァルディ。
 岩場から飛び出すと、上陸を狙って船をつけようとする戦士たちへと接近した。
 まさか目の前まで近づかれているとおもわない戦士は小舟から陸へと跳躍する……が、その瞬間になにかの衝撃を受けて吹き飛んだ。
 はっとして銃を構える後続の戦士。
 透明化を解除し息を荒くするリーヴァルディの手が、銃身を握っていた。
 強制的に上向く銃身。天に放たれる弾丸。
 リーヴァルディの握った鎌が、腕を引きちぎるかのように脇腹へと食い込んでいく。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコ・ベルクシュタイン
…此れは、酷いな。戯れが過ぎる。
其れに、余りにもおぞましく、哀れだ。
…終わりにしよう。

骸の兵士を疾く、少しでも多く巻き込んで攻撃できるよう
多少の危険は顧みず一歩でも深く踏み込んで
【花冠の幻】を発動、せめて弔いの花とならんことを

マスケット銃の反撃には常に注意を払い
下手に避けると他者への被害が怖い、「オーラ防御」で
何とか防ぎたいところ
…喰らった所で、申し訳無いが拳で殴りに行くまでだがな



 血をふいて飛ぶ腕。
 ぐらりとよろめく戦士へ向けて、ニコ・ベルクシュタインは精霊銃を連射した。
 リボルバー弾倉が一回転し、ストップ。
 開放した弾倉から空薬莢がこぼれ落ち、ニコの足下の小石にはねて靴へと当たった。
 浅い海へと崩れ落ちる戦士。それを盾にしていた別の戦士が浅い砂地に膝をつけながら銃撃を仕掛けてきた。
「――ッ!」
 あまりにも正確な射撃。ニコの握っていた銃がリロード直前になって跳ね飛ばされる。
 鉄球が振り込まれ、盾にしていた岩を破壊。
 ニコは岩から飛び退き、ルーンソードを抜いた。
 更に距離を詰めるべく走ってくる戦士の様子をニコはじっと観察していた。
 殺意や悪意をもって襲いかかる者たちとは決定的に違う、恐怖と絶望にかられた目。
「余りにもおぞましく、哀れだ」
 ニコは剣を握ったまま、眼鏡のブリッジを親指の付け根で押した。
「終わりにしよう」
 そう、呟いた瞬間であった。
 戦士の足下に落ちていた銃が突如として虹色の薔薇花弁へと変化し、渦巻くように舞い上がった。
 花弁は鎧の内側に滑り込み、戦士の身体を二度三度痙攣させる。
 三秒後。
 あらゆる隙間から血を吹き出し、戦士はうつ伏せに倒れた。
 血の一滴もつけずに舞う花びらがニコの手元に集まり、銃となって収まる。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
……。
【生まれながらの光】を、拳を握り、肉体の再生速度を高速化
【忍び足ダッシュ】で、静かに、一気に、私の最速で
真っ直ぐ、敵へ、骸の兵士へ、救うべき人へ

障害は【第六感と見切り】で察し
【スライディング、フェイント、ジャンプ、空中戦】を駆使して回避
完全回避は無理でも【激痛耐性】と高速再生で
【カウンター、捨て身の一撃】肉を切らせて骨を断つ【勇気と覚悟】は固めてあって

【鎧無視攻撃】刃を突き立てる
光を流し込む【生命力吸収】今に生る力を吸収する
闇の力を、絶望を、引き受け、私の力にする

貴方の力で、私は生きる。私が生きて、貴方の分も、人を守る。救う
だから……おやすみなさい



 マスケット銃を両手に握った戦士が、銃を乱射しながらゆっくりと距離を詰めてくる。
 対して、ナイ・デスは両手をぐっと握りしめたまま立っていた。
 弾丸が次々と彼の肉体にめり込み、肉を破壊し血を噴き出させるが、そのたびに映像を逆再生したかのように血肉が修復されていく。
「あなたは、誰のために死んだのでしょうね」
 踏み出す。
 一歩。
 砂地をつま先が触れた、その刹那より、ナイは急速にトップスピードへと移った。
 飛来する銃撃。強制的に修復される肉体。
 戦士が慌てた様子で銀の弾丸を取り出しマスケット銃へセット。発砲。
 腹部に直撃した弾はナイから高速の治癒能力を奪い、恐ろしいまでの疲労ばかりを残していった。
 が。
 それでも走りは止まらない。
 次弾へ切り替えるまでの僅かな隙に接近し、慌てて振り込まれた銃による打撃をスライディングで回避。
 股下を通って背後に回りながらも短剣で足の内側を切り裂いた。
 バランスを崩しつつも背後に射撃を打ち込む戦士……だが、ナイは既に跳躍し、戦士の頭上をとっていた。
 ダガーが鎧の隙間を抜け、脳へと達する。
 ぐるりと無理矢理捻られた首をそのままに、戦士はその場に崩れ落ちた。
「貴方の力で、私は生きる。私が生きて、貴方の分も、人を守る。救う」
 だから、おやすみなさい。
 ナイは目を閉じて、一瞬だけ祈りを捧げた。
 神に?
 否。
 どこかにあるであろう、自分自身に。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

マリス・ステラ
ユート(f07769)と連携
【WIZ】

「主よ、憐みたまえ」

向かってくる死者たちに鎮魂の『祈り』を捧げます
このままでは望まざるを欲して、彼らは同胞を増やすだけです

「先程と同じやり方で迎え撃ちます」

ユートに語りかけながら私は歩みを進める
全身から光を迸らせて、それは星と命の輝きそのもの
死した戦士たちを『おびき寄せ』て【神の存在証明】で全てを防御します
ユートの攻撃に倒れた彼らは、私の放つ輝きの『破魔』の力で浄化されるでしょう
力が足りなければ星枢(地縛鎖)の力で大地から魔力を得ます

「私は星の導き手。在るべき場所に還します」

傷を負ってもひるまずに前を見つめます
海のような深い青の瞳は憂いに満ちている…


芦谷・いろは
……本当に嫌なヴァンパイアですね
すごくすご~くいろはは不愉快ですよぉ

何の芸も洒落もないですが、あやつり人形を起動させ
【傀儡の宴】も使用します
ヌイグルミを合体させ、あやつり人形を使って《なぎ払い》をし
他の仲間の方々と協力しながら、一気に倒していきますよ
一般人の方々には指一本近づけさせません!

ちゃんと弔いをしてあげられないかもですが、今を生きている方々の為にしっかり倒しますです
安心して眠ってくださいね


ユート・エルスフォード
マリス・ステラ(f03202)と連携。

【POW】で判定

「…このパターンか。すぐに終わらせてやる」

ヴァンパイアがよくやる手段だけに、慣れては
いるが…憤りを感じないわけではない。

「ええ。彼らの魂については……任せます先生」

引き続きマリス先生ごと【魔導蒸気式徹甲弾】を
放って攻撃。こちらがダメージを受けた場合は
【激痛耐性】【呪詛耐性】で耐える。


ユーベルコードを封じられた場合は籠手による接近戦に移行。
相手の攻撃を躱しつつ接近、クロス【カウンター】で
急所を打ち抜きます。

「その無念は、いずれヴァンパイアに届けてやる」

あとはこちらに任せて眠れ。
おまえを倒したこの拳をいつかヴァンパイアにも叩き込んでやるから。


エル・クーゴー
『更なる敵影を捕捉』

『これより、敵性の完全沈黙まで――』
『――ワイルドハントを開始します』

『…速やかな、眠りを』


●WIZ
L95式アームドフォート、主砲群ならびにアンチマテリアルライフル展開

【空中戦】用飛行ユニット適宜使用
敵性の揚陸に対し打ち下ろしポジションへ速やかに布陣、射撃戦を開始します(回数重視ファイアワークスドライブ&スナイパー+誘導弾)

撃った後に移動を行わない
狙撃手としては片手落ちと見せ掛け、この戦法は敵遠距離攻撃をこちらに釘付ける【時間稼ぎ】の企図を有します

敵陣の火線がこちらに向いたと見次第、本命の作戦を発動
『マネギ』召喚
マスケットの速射性能をMAX105体の肉壁展開により封殺します


ユキ・スノーバー
…苦しそう
本当はこんなことしたくないって、眠りたいって泣いてるんだね。
大丈夫、ちゃんと終わらせられるようにがんばるから。
もう少し、辛いと思うけどおくってあげるから受けとめてね…
涙をふいてあげるだけで済むなら、どんなに良いんだろうな…くやしいよ、ぼく。
他猟兵さんの死角が出来ないような位置を確保。
攻撃しやすいよう割り込んで防御行動優先で動くね。
ケガが酷い人に生まれながらの光を使用。
ちゃんと無念の叫びは聞こえてるよ。
守りたいのに傷つけるもどかしさも、伝わってくるんだよ。
だから受け止めて、ふらついても生まれながらの光で傷は癒せるから立って、おくるんだ。
同じ思いをする人が増えないよう、今がふんばり時っ!



 次々と倒れる骸の隷属戦士たち。
 だが彼らの足が止まることはなかった。
『進め。奴らを骸と化し、赤い海へと連れ帰れ』
 地の底より響くような、呪いを込めた声が響く。
 ざぷんという音と共に五体の隷属戦士がまとめて上陸してきた。
 まるで海中から直接召喚されたかのような、唐突な上陸であった。
「今の声は……元凶のヴァンパイアのものとみて間違いありませんね」
 マリス・ステラは砂浜へ歩み出ると、星の指輪を翳して見せた。
「村の人々だけでは飽き足らず、私たちをも操りたくなった、といったところですか」
 戦士の一人が飛び出し、鎖鉄球を激しい遠心力によって叩き付けてくる。
 大岩を砕くその威力が、しかし。
 マリスの側頭部に命中する七センチ先で停止する。
 星の力が斥力となり、彼女を守っているのだ。
「主よ、憐みたまえ。彼らを、あるべき場所に……」
 祈るマリスの後方から、徹甲弾が肩越しに突き抜けた。
「ええ。分かっています。先生」
 鉄球を粉砕し、兵士の鎧へ打ち込まれる弾。しかし血と闇によって覆われた呪いの装備。そう簡単に貫けるものではない。
 ユート・エルスフォードはガントレットから空薬莢を排出、次弾を素早く装填する。
「しかし……ヴァンパイア。よくある手段とはいえ、憤りを禁じ得ないな」
 がん、と地面を踏みならす。脚部に装備したスチームガジェットが展開し、靴底にキャタピラがセットされた。
 走り出し、肘から噴出した蒸気で急激に加速。マスケット銃に持ち替えようとする戦士がトリガーに指をかけるよりも早く、ユートの拳が相手の胸に打ち付けられた。
 ボールペンほどの細い鉄板掘削用ドリルが起動。相手の装甲を無理矢理に貫通すると、ドリル刃を空圧ポンプによって走行内部に発射。
 爆発でも起こしたように血を吹き出す鎧から飛び退くと、かぶとの隙間を狙って魔導蒸気式徹甲弾を叩き込んだ。
 吹き飛ぶかぶと。花がさくように開く鎧。
 ユートは銃口から上がる煙を吹き消して、続く戦士たちをにらんだ。
「その無念、同じ痛みと破壊をヴァンパイアに届けてやる。あとは任せて、もう眠れ」

「すごくすご~くいろはは不愉快ですよぉ。本当に本当に……」
 芦谷・いろは目を見開いた笑顔で、戦闘からくり人形をセットアップ。
 フランス人形のような美しい装いのドールが立ち上がり、両手五指すべてに道術砲を開放した。
 灰にした術札を溶かした道術燃料を腹部に内包したドールは凄まじい五指それぞれによるガトリングめいた連射によって戦士の突撃を牽制していく。
 対する戦士は盾を翳し、スパイクをこちらに向けたままマスケット銃による反撃を狙っていた。
「ヌイグルミさんたち!」
 いろはが呼びかけると同時に砂の中に潜んでいた無数のちいさなぬいぐるみが姿を現わし、戦士へと飛びかかっていく。
 装甲のあちこちにまとわりつき、装甲をノコギリやドリルで少しずつ破壊し始める。
 が、戦士はそれを呪いの力で振り払った。
 吹き飛ばされるヌイグルミ。次はお前だとばかりに戦士はマスケット銃をいろはへ向けた。
「まだ、パーティーは終わっていませんよ」
 ドールを間に挟みつつ、地面にドールの手刀を突き立てさせる。
 化合整形の術が大地に走り、引きぬいた時には美しく磨かれた石の刃が装着されていた。
 飛来する銃撃を斬撃によって弾き、接近をかけるドール。
 対抗しようとスパイクシールドで突撃をかける戦士――の背後に、巨大なヌイグルミが出現した。先程のヌイグルミが合体したものだ。
 振りかざされ。
 叩き付けられ。
 砂地に拉げて埋まる戦士。
「後でちゃんと、弔ってあげますから」
 そんないろはのヌイグルミへ直撃する銀の弾丸。
 横から打ち込まれたものだ。ヌイグルミの合体がとけ、ばらばらになって落ちていく。
 戦士は素早く次の銀弾を装填し、いろはへと銃口を向けた。
「まった!」
 ジャンプして割り込むユキ・スノーバー。
 飛来した弾丸が命中するが、ユキは真っ白な光に包まれて瞬間治癒。
 弾の衝撃で吹き飛びはしたものの、なにごともなかったかのように起き上がった。だがその一方で白い光は消えてしまったようだが……。
 それだけのことで。その程度のことで諦めて止まるような、ユキではない。
「わかるよ。だって……泣いてるのが見えるもんね」
 ぱちぱちと瞬きを表示するテレビウムモニター。
 戦士のかぶとの内側では、赤黒い涙が流れ続けていた。
「もう少し我慢してね。必ず、送ってあげるからね」
 ユキがもこもこの上着の懐から取り出したのは白い氷山のような色をしたグレネードピストルだった。
「見えてるし。聞こえてるよ。こんなことしたくないって……分かってるよ」
 だからやめろなんて言わないよ。
 それはたぶん、ぼくの役目だからね。
 ユキはグレネードピストルのトリガーを引いた。
 戦士がマスケット銃を発射するのとほぼ同時のことだった。
 オートスペルメカニズムが搭載されたピストルは聖なるグレネードを二人の間で強制爆発させた。大きな雪結晶のような聖別された水の霧が散り、戦士の鎧が強制的に祝福戦場されていく。
 計測された聖値は115F/p。牧師ひとりの祈りによってまち針の上でひとりの妖精が踊るという現象を基準値とした聖なるエネルギー計測量である。
 後続の戦士二人にも、聖なる光は届いている。
 彼らの放つ銀の弾丸はその本来の用途にそって自らを解呪。火薬銃でいうところの暴発現象をおこし、戦士たちは慌てたように銃を取り落とした。
『これより敵性の完全沈黙までワイルドハントを開始します。武装展開』
 エル・クーゴーはアームドフォートから機関砲を乱射。
 よろめく戦士の装甲をぼろきれ同然に破壊しながら、新たに対物ライフルをセット。
 装甲を喪失してもなお戦おうとする戦士の上半身を吹き飛ばし、新たな対象へと射撃を続行。
 対する戦士は盾をかざして防御に集中し、エルの弾丸をはねのけていく。
 さすがにただの骸たちとは耐久力が違う。ヴァンパイアの呪いと犠牲者たちの無念がそのまま装甲性能になっているのだ。
 が、そんなことは分かっている。
「速やかな、眠りを」
 エルのゴーグルに、右から左へ光が走った。
 突如現われた無数のネコ型戦闘ドローンが戦士の全方位を展開。一斉射撃。
 暫くデスダンスを踊った戦士に、エルはアームドフォートのライフルにエネルギーを集中させた。
 弔いの砲が、呪いの鎧を打ち抜いた

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『往生集め『エルシーク』』

POW   :    賢者の双腕
見えない【魔力で作られた一対の腕】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD   :    蒐集の成果
自身が装備する【英雄の使っていた剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    幽暗の虫螻
【虫型使い魔】の霊を召喚する。これは【強靭な顎】や【猛毒の針】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルディー・ポラリスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 遠く聞こえる銃声が、波の音に消えていく。
「所詮は皮を被った木偶の群れ。イェーガーには通用しない、か」
 カラコロカラコロという、骨を転がしたような音がした。
 それが笑い声だと理解するには難しいだろう。その実態がかたかたと笑うように揺れているのを目撃するまでは。
 赤い海の上。
 空をゆらゆらと飛ぶ、山羊の頭蓋骨。
 翳された手と、長く白い頭髪と、這いずる魔の虫が、まるで一体の生命体であるかのように集合し、浮遊していた。
「だが惜しい。だが欲しい。イェーガー、おまえの骸が欲しいなあ」
 カラコロと笑う。
 ヴァンパイア――エルシーク。
 いたずらに死者を出しては遺品や死体を集めていくということから、『往生集め』とも呼ばれた。
 その理由は時により異なるが、今は……。
「きっと『村つぶし』がもっとおもしろくなるだろう、なあ」
 道楽、そのものであった。
エルネスト・ポラリス
『往生集め』、人の亡骸を弄ぶオブリビオンですね。
もう此処には、お前の玩具になる命などありません。
帰ってもらいますよ、骸の海へ。

【狼殺し】を飲んで、少しでも理性を保ちながら、【月狂いの宿痾】を使用します。
見えない腕で迎撃をするのなら、真の姿である巨狼の姿で強引に押し通ってから、再び人型に戻って防御のすり抜けを試みます。

接近に成功したら、狙うはその山羊の骨。
オブリビオンである以上、鉄よりも固いのかもしれませんが……
ええ、その為に忌まわしい病の力まで引っ張り出してるんです。

その醜悪な愉悦ごと、砕かせてもらいますよ、エルシーク!



 赤い海にゆれる月光の乱反射。
 山羊の頭蓋骨と腕と虫。
 終末めいた光景を前に、しかしエルネスト・ポラリスはごく冷静に眼鏡のブリッジを中指で押した。
「エルシーク……通称『往生集め』。なるほど、あなたが」
 直接的な宿敵ではないにしろ、そう関係の遠くない相手だ。
 カラコロと骨のように笑うエルシーク。
「お前は何を残す? 骸か、武器か、それとも想い人への手紙か」
 エルシークの腕が宙に高速で浮き上がり、エルネストへと迫る。
「あなたには何も残しませんし、与えませんよ。そしてあなたも、骸すら残さずかの海へ還るんです」
 対するエルネストは怪しい色の錠剤をスチールケースを振って取り出すと、口の中へと放り込んだ。
 噛み潰し、飲み込み、眼鏡のレンズに満月の幻影を映しこんだ。
 ぐおんといううなりが、果たして獣の叫びだったのか、それとも彼がその場から飛び立った風圧ゆえなのか、もはや判然としない。
 上半身の上着を破り捨てて飛び出したエルネストは浮かぶ無人の小舟を足場にして、宙に浮かぶ魔力の腕を掴み噛みつき、引き裂いた。
(その醜悪な愉悦ごと、砕かせてもらいますよ、エルシーク!)
 僅かに、ほんの僅かにのこった理性がかすれていく。
 エルネストは、今度こそ獣の咆哮をあげてエルシークへと飛びかかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
……集めるのなら
自分の骸でも集めてろ、です

この戦いで今までに吸収した力で体力を補い、生まれながらの光で味方を癒し、支えます
……私が守り、救うのです

……所詮はと、言っていましたね
思いつきですが……彼らの武器を、味わって、もらう、です

地形の利用。周囲は骸、骸、骸。つまりは彼らの武器、武器、武器……
無数の骸に等しく、無数に存在する武器
その武器を念動力で、操る。ヴァンパイア目掛け、飛ばす
致命は無理でも、致命に至る隙は作れないかと、試みる
銀の弾丸に、増幅した光を込めて、撃つ



「残すことになる。死ぬことになる。私よりもこんなに、劣っているのだろうから」
 エルシークの頭部にあった骨がカラコロと鳴り、海から奇妙な虫がわき出した。 蛆と蜂が混ざったような、人の頭ほどもある虫が大量にである。
 飛びかかる仲間へと群がる虫。
 それを、ほとばしる閃光が打ち抜いた。
 いや。打ち抜くという表現は適切ではない。
「……集めるのなら。自分の骸でも集めてろ、です」
 ナイ・デスの腕から集中して放射された、それは浄化の光であった。
 無理矢理に膨らまされ切り刻み継ぎ合わされた巨虫たちを治療(かいたい)しバラバラに海に落としていく。
 一方で群がられた仲間の負った傷を拘束で治療した。
 これまで吸い上げた骸の群れや戦士たちの僅かな魂の輝きを、今ひかりとして 放っているのだ。
 そして放つのは光のみではない。ついさきほどまで戦っていた骸の戦士からフレイルやスパイクシールドを念動力を使って持ち上げると、それらを次々にエルシークへと発射していく。
 それは武器であり、盾であり、同時に味方の足場となった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリス・ステラ
【WIZ】ユート(f07769)と連携
他の猟兵も援護します

「死を転がす音がしました」

『破魔』の力宿る星の輝きを迸らせて迎え撃つ

弓で『援護射撃』と負傷者に【生まれながらの光】
ただし軽傷は放置して重傷者に限定

「ユート、それくらいならまだいけるでしょう?」

必要があれば複数同時に回復
『おびき寄せ』られた攻撃は星の輝きによる『オーラ防御』と流星が煌めいて『カウンター』
『各種耐性』で耐えてユートたちを『鼓舞』

「どれほど闇が深くても夜は必ず明けるものです」

『祈り』の言葉は星を転がす音がする
ダメージと疲労に崩れそうになるも『覚悟』を持って前を向く
星枢の力で魔力を得て踏み止まる『地形の利用』

「海は私の領域です」


ユート・エルスフォード
マリス・ステラ(f03202)と連携

【POW】で判定


「ああ…ここからが本気だよ、先生」

ユーベルコード【機鎧装着】を使用して全身甲冑姿に変身。
機能を攻撃力アップに最適化し突っ込みます。
マリスのサポートを信じて自分のダメージは無視。

「おまえのような手合いはゴロゴロいるんだ
…いちいち道楽に付き合うつもりはない」

蒸気機械により強化した両腕での殴り合いを仕掛け
左右フックからの右ストレート、
相手の動きに合わせた【カウンター】と
蒸気機械とボクシングを組み合わせた立ち回りを展開します。

「さっきの連中に約束した分だ…纏めて喰らっとけ」

圧縮した蒸気圧力をいっきに開放し【衝撃波】と
共にアッパーカットを叩き込みます。



 念動力で飛ばされたスパイクシールドの裏に飛び乗り、エルシークへと接近を試みるユート・エルスフォード。
 その横を、マリス・ステラが星の光を放ちながら滑空していた。
「死を転がす音がしました」
 手の中に星のかけらを作り出すと、ばらまくように解き放つ。
 ホーミングして飛んだ星のかけらは、新たに生み出された大量の巨虫の霊を消滅させていく。
 だがどうしても数が多い。
 眼前を覆うほどの群れがマリスたちを襲う。
「まだいけますね? ユート」
「ああ、先生。ここからだよ」
 ユートはガントレットに特別なスペルコードを打ち込み、レバーの一つを引いた。
 吹き出る大量の蒸気。
 身を覆う蒸気の、その内側から、鈍く黄金の光が放たれた。
 関係ないとばかりに飛び込んでいく無数の虫。
 対して、晴れた蒸気の内側より飛び出す鈍い色の騎士。全身を機械鎧によって覆ったユートは、肩や腕や腰から展開したサブマシンガンやマイクロミサイルの乱射によって虫たちをまとめて粉砕していく。
 それまで乗っていた盾から飛び立ち、背部のジェットパックでエルシークへと突撃していく。
「おまえのような手合いはゴロゴロいるんだ。いちいち道楽に付き合うつもりはない」
「…………!」
 エルシークから、余裕が無くなっていくのを感じる。
 新たに生み出した魔力の腕を飛ばし、ユートへと掴みかかる。
 が。
「どれほど闇が深くても夜は必ず明けるものです」
 マリスの生み出した星の壁が飛来する腕をはじき飛ばす。
 そろって飛行し、蒸気と燐光で二重螺旋を描くマリスとユートが、エルシークへと急接近をかける。
「海は私の領域です。逃げおおせると思わないことですね」
「そういうことだ。さっきの連中に約束した分……纏めて喰らっとけ!」
 再び魔力の腕を生み出して防御を試みる――が、腕が形成されるよりも早く、二人の拳が直撃した。

 同時刻。
 寄せ集めの村へと逃げ戻っていた老人と片腕の戦士は、赤い海から上がる巨大な拳に目を丸くしていた。
 マリスたちの生み出した衝撃や、仲間の念動力や、とびかかる獣のうなり……それらの力が一つの巨大な腕に見え、悪しきヴァンパイアを粉砕したように見えたのだ。
「……行こう」
「何を言ってるんです。危険だ。邪魔になるだけです」
「彼らは希望だ。私には、分かる。見たことがある」
 老人は震える手を片目に当て、吠えるように叫んだ。
「猟兵(イェーガー)!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

青原・理仁
任せろ、って言っちまったからな
約束じゃねぇ、が、男に二言は無ぇ、ってな
だからよ、てめぇをぶっ飛ばしてやるぜ

てめぇを楽しませる気なんざねぇよ
つまらねぇ死に方で終わりやがれ

撃砕雷業拳で先制攻撃だ
力を溜め、捨て身の一撃、怪力、グラップルを乗せて殴り倒す
ついでに感電でマヒすりゃあいい
一回で倒せねぇなら2回攻撃だ、もう一度殴ってやる

剣と使い魔は見切り、腕は第六感で感じ取り、フェイントを交えて回避
カウンターで反撃してやる



 粉砕された山羊の頭蓋骨。
 砕け、消滅していく巨虫の霊たち。
 引き裂かれ拉げた腕。
 そして、ぼろきれ。
 その全てが赤い海へと落ちていく。
 悪しきヴァンパイア、『エルシーク』が落ちていく。
「やった! 本当に倒したのか!?」
 村人の一人が駆けつけ、喜びのあまり叫んだ。
「おい、逃げてろって言われただろうが」
 青原・理仁が手を翳して制止すると、片腕の男が苦笑いをした。
「す、すまない。けれど……もうだめだと思っていたから」
「ああ、ダメだと思っていた」
 頷く老人。
「三つの村は子供の遊戯のごとく潰され、より集められた者たちも終わり方を考えていた。
 だがどうだ。二十人とない少年少女と子供が現われただけで、骸の群れは散り悪魔は退治された。
 皆、生きる希望にあふれている。我々は今、ファンタジーを見ている」
「そうかい」
 理仁は頬をかき、苦笑しながらもう一度赤い海を見た。
「喜んでるとこ悪ぃが……まだ終わりって分けじゃなさそうだぜ」

 赤い海が持ち上がる。
 巨人が立ち上がったかのように、持ち上がった。
 血と闇と呪いで形成された『海』が持ち上がり、山羊の頭蓋骨めいた形をとった。
 さらには巨大な一対の腕を作り、振り上げる。
「■■■■■■■■■■!!!!」
 エルシーク。いや、『エルシークだったもの』とでも言おうか。
 ヴァンパイアの戯れが、自動化した悪意が、巨大な魔力の塊となって暴れ出したのだ。
「『任せろ』つったよな」
 理仁は振り返り、拳をぎゅっと握りしめた。
「今度は約束してやる。奴は任せろ!」
 跳躍。
 降りかかる巨大な拳を前に、理仁は自らの雷の拳を叩き込んだ。
「お楽しみはもうねえよ。つまらなく死にやがれ! エルシーク!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

舞塚・バサラ
・SPD
なるほど、貴様が今回の首魁というわけか
道楽、か
哀れな人形を作るのも、弱者を虐げるのもさぞ楽しかっただろうが…此度は一度、幕引きだ(懐のジッポーを点火、人格交代)…その悪虐、その理不尽、拙者が罰し拙者が裁く
__その悪虐に「いつまで」と

ユベコ使用。拙者の二十の眷属を存分に発揮させ、相手御自慢の蒐集品や使い魔を抑え、あわよくば破壊しよう(武器受け、破壊工作、鎧砕き)

相手の不可視の腕による攻撃は、前兆を良く見て常に動き回る事で撹乱し、対処する(見切り、逃げ足、地形利用、残像)

隙を見せ次第、残像でのフェイントも織り交ぜつつ、拙者の反逆スル夜光による一撃をくれてやる
(属性攻撃、暗殺、だまし討ち)


シュデラ・テノーフォン
アレか胸糞悪い獲物は
コレなら心置き無く狩れるな
…名前呼びたくないからアレコレで済ませるけど

剣やら使い魔やら的ばっか呼び出して撃ち墜とされたいの?
射撃練習にもならないモン寄越さないで欲しいな
Glasregenで複製したAschenputtelで狙撃していく
アレは後ろの村人も狙いそうだから丁寧に潰すよ
透明な腕が来るなら、野生の勘で察知し大型拳銃でクイックドロウからの零距離射撃
触るな。…俺ね、これでも怒ってるんだよ?
逆に冷静になる位には

もうアレの面見飽きたな、一気にヤろう
AschenputtelにAccoladeの魔法を。さァ目覚めの姿を見せて?
光線銃に成った彼女の一閃でアレの攻撃ごと撃ち抜いてやる


リーヴァルディ・カーライル
…ん。ようやく元凶のお出まし?
連戦で消耗しているけど…後一戦ぐらいは保つ
エルシーク。死者を冒涜した報いを受けなさい

他の猟兵と連携して行動し常に挟み撃ちできるよう立ち回る
私は前に出て攻撃を誘惑して敵を引き付ける

事前に防具を改造し第六感を強化
敵の殺意の存在感を可視化する呪詛を付与
敵の攻撃を【吸血鬼狩りの業】で見切り、カウンターで怪力任せに大鎌をなぎ払う

…見えなくても、視えるもの。
お前のような下衆の殺意は…。

敵が隙を晒したら【限定解放・血の獄鳥】を発動
生命力を吸収する魔法陣を纏い力を溜めた黒鳥を敵に突撃させた後、
自爆して傷口を抉る2回攻撃を行う

…逃げても構わない。逃げられるものなら…ね?



 拳と拳がぶつかり合い、雷神が跳ね回る海。
 赤い海そのものを仮の肉体としたエルシークはゆっくりと砂浜へと侵攻していった。
 まるでボロ布のローブを纏うかのように密集する巨虫の群れ。その内側から、かつて戦った戦士たちが使っていたであろう剣を大量に生み出し、発射してきた。
「なるほど道楽。哀れな人形を作るのも、弱者を虐げるのもさぞ楽しかっただろうが……」
 舞塚・バサラが忍者刀を抜くと、地獄の炎が陽炎となって浮き上がる。
 飛来する銀の剣を打ち払い、更に飛来する無数の剣を五人に分身して回避した。
「そろそろだ。代わろうか」
 懐から出したジッポライターに火を灯し、バサラは潜在人格を表面化させた。
「その悪虐、その理不尽、拙者が罰し拙者が裁く。――その悪虐に『いつまで』と」
 飛来する大量の剣。
 対して。
 バサラは吹き上がる地獄の炎と影の糸で二十の剣を生成すると、それを飛来する剣の群れに対して解き放った。
 空中で打ち合う剣と剣。
 それを丸ごとたたきつぶそうと、巨大な腕の一本が振り込まれる。
 剣と、そして砂浜に転がる無数の骸を丸ごとに叩きつぶし、激しい波しぶきをあげた。
「胸くそ悪いことしてくれるよね……」
 シュデラ・テノーフォンがガラス細工の精霊銃を連射。
 巨大な腕に着弾するが、海に石を投げ込んだかのように表面を突き抜けていくだけだ。
 巨大な手が、シュデラへと迫る。
「触るな。俺ね、これでも怒ってるんだよ?」
 自ら羽を抜くと、背負っていたマスケット銃へと翳した。
 ガラス細工に魔法の光が走り、光の翼がマスケット銃から広がっていく。
 シュデラの中で爆発した怒りが、彼の脳をきわめてクールな状態へと変えていた。
 トリガーに指をかける。
 ひとつ引くだけで、膨大な魔法の光が解き放たれた。
 巨大な腕を貫き、その先にあるエルシークへと突き刺さっていく。
「もう暫く下がってて」
 村人たちに小さく振り返ると、シュデラは再び光線銃を放った。
 ボロ布のように密集していた巨虫たちが、拡散し、それこそローブを広げるかのように空を覆っていく。
 恐怖する村人たちに、リーヴァルディ・カーライルはぴんと指を立てて見せた。
「…見てなさい。今からヴァンパイアに報いをうけさせるから…」
「報い……? そんな、ことが?」
 考えたことも無い。そんな顔で首を振る老人に、リーヴァルディは微笑以下の笑みを浮かべて見せた。
「…死者を冒涜すれば報いを受ける。当然のことなのに、それが出来る存在がいなかった。わかるわよ。だから……私は『こうなった』!」
 拡散する巨虫の群れへ、リーヴァルディはマスケット銃を高速で連射した。炸裂した鬼血弾が虫たちを次々に破壊していく。
 それのみならず、リーヴァルディは大きな鎌を取り出し、魔方陣を足下に描くと風のように飛翔。
 虫たちを次々に切り裂いてはぐるぐると空を飛び回った。
「…見えなくても、視えるのよ。お前のような下衆の殺意は…」
 血の力を解放。新たな魔方陣を生み出すと、巨大な黒炎の不死鳥を生み出した。
 放出。
 不死鳥は大空を飛び回り、虫の群れをことごとくに粉砕していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

バンシィ・ルフェイ
WIZ判定

スキル
呪詛26、全力魔法10、生命力吸収9、世界知識5、封印を解く3

行動
・人化(真の姿に変化)して

『冥王妃の婚約指輪』を見せ
「お生憎様、私の死後も骸ももう売約済みです。
我が契約の主たる冥王ハデス様がお前を裁くために
私をここへ遣わしたのですよ」

・ユーベルコード使用

『死者の書』の封印を解き
エルシークの名が記されたページを開く
そこから放たれる冥界の波動が死を告げる蝶の群れとなって襲い掛かる
「罪人よ、汝の名はエルシーク!
骸の海へと還りて冥王の裁きを受けよ!」

・攻撃後

「やがてこの世の全ては骸の海へと還る
その理を逆(さかしま)にすることは誰にも許されないのです……」


不破・玄
醜悪な姿だ。その精神と同じだな。

今ここで討ち殺す。

とはいえ強敵なのは間違いない感じか。
今までの戦闘も眺めていたようだし、其れで出てきたのだし油断は出来んところだ。

まあ、なぎなたでぶん殴るのは決定しているが猟兵の連携は重要だ。

敵の攻撃をつぶすことを心がけ仲間の攻撃の手助けをすべく行動だ。
敵を衝撃波の射程に入れたならば『巫覡載霊の舞』を開始だな。
舞いつつ敵のもつ見えない腕やら盗難した剣やら糞虫を警戒しそれらの展開に対応して、衝撃波を「範囲攻撃」「なぎ払い」により用いて叩きつぶす。
ついでに本体にも打撃を与えたいが優先度は低い。むろん殴りたい。

貴様の骸は使い道も無いゴミだな。

アドリブ・絡み歓迎です。


エル・クーゴー
『最終撃破目標を目視で捕捉しました』


●SPD
先の狙撃敢行地点より移動を実施
伏射姿勢向きの遮蔽を確認次第、そこへステルスモード(迷彩&目立たない)にて潜伏します

サーチドローン・マネギを同ステルスモードを施した上で観測手として傍らに配置

狙撃モードに移行
ザミエルシステム、起動
【ロングレンジ・ファイアワークス・ドライブ】並びに【狩猟の魔眼(攻撃力特化)】並列起動

【武器改造】により、アンチマテリアルライフルの銃身下部へ二脚を増設すると共、各照準機能も現環境下に併せ最適化した上で、敵性の操作する「英雄の剣」の展開阻害・随時撃墜を目標とした狙撃(スナイパー+誘導弾+吹き飛ばし)による【援護射撃】を実施します



 エルシークの巨体がゆっくりと村へと迫る。
「あれは……何をするつもりだ!?」
 おびえる村人たちの頭上を、バンシィ・ルフェイが美しい軌跡を描いて飛んだ。
「アンタらを殺して新しい兵隊にでもするつもりなんだろうねぇ。悪あがきさ」
「そ、そんな」
「慌てるんじゃあないよ」
 バンシィは深くパイプを吸い込むと、煙草の煙を吐き出した。
 ひといきで大きな、そして淡く光る紫色の煙を吹き出し、人ひとりぶんはあろうかという煙に包まれる。
 そんな煙の中から、背の高い女性が現われた。
 バンシィの真の姿である。
 迫るエルシークの腕が、驚いたようにぴたりと止まった。
「お生憎様、私の死後も骸ももう売約済みです。我が契約の主たる冥王ハデス様がお前を裁くために私をここへ遣わしたのですよ」
 翳したバンシィの指には冥王の指輪が光っていた。
 彼女を拒絶するように、巨虫の霊を召喚するエルシーク。
 大地を割って現われた大量の巨大ムカデ。全長3メートルはあろうかというそれらを前に、バンシィはただ一度だけ腕を振った。
 それだけだ。それだけで、ムカデたちは一斉に消滅してしまう。
「やがてこの世の全ては骸の海へと還る。その理を逆(さかしま)にすることは誰にも許されないのです……」
 それでも納得ができないのか。エルシークはごぶごぶと海の音をたて、大量の巨大な芋虫を召喚。
 大地を割って現われる2メートル近い芋虫の軍勢。
 バンシィたちを取り囲む群れ――の中へ、不破・玄が薙刀を構え垂直降下で着地した。
 大地に突き立てた薙刀より激しいサイキックエネルギーが伝達。
 周囲に波のように放たれたエネルギーが、芋虫たちを近い順に破裂させていった。
「お前の精神同様。醜悪さが更に増したな」
 巨大なエルシークへと振り返り、玄は薙刀をぐるぐると振り回した。
 エネルギーウェイブから生き残った芋虫たちが四方八方から飛びかかるが、それをいとも簡単に薙ぎ払う。
 どころか、攻撃が彼女をすり抜けていく。
 豪快な回転義理。再びのエネルギーウェイブで、芋虫たちが今度こそ吹き飛んだ。
「おい、冥府の妃といったか。少し手伝え。奴に一発食らわせたい」
「了解。最終撃破目標を設定――援護します」
 エル・クーゴーが真後ろで述べた。
 びくりと振り返るバンシィと玄。
「い、いたんですか」
「当機は現在ステルスモードにあります。視認はできません」
 エルからの短距離指向性通話を受け、玄は咳払いをした。
 一方で、エルシークは大量の剣を空中に召喚。蜂のような巨虫に剣をそれぞれ握らせると、恐ろしい高速機動で玄たちへと殺到させる。
「迎撃は――」
「必要ありません」
 エルは傍らに配置したマネギ(ステルスモード)のセンサー類と同期。立体スクリーンに大量のターゲットアイコンを表示すると――。
「ロングレンジ・ファイアワークス・ドライブ――ファイア」
 脚のついた対物ライフルを連射。更に内包していた様々な追随武装を一斉展開すると、飛来する虫と剣をそれぞれ迎撃、破壊していく。
「よし――」
 玄が薙刀を振り、衝撃を飛ばす。
 と同時に、バンシィは『死者の書』から名を記したページを開いた。
「罪人よ、汝の名はエルシーク! 骸の海へと還りて冥王の裁きを受けよ!」
 破壊された巨大蜂たちの姿が歪み、美しい紫の巨大蝶たちとなってエルシークへ殺到。
 斬撃が、冥界からの波動が、エルシークの巨大な肉体を打ち抜いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チコル・フワッフル
ユーリ・ヴォルフと行動
★アドリブ、他猟兵との絡み歓迎!

村つぶし……?あなたの仕業なの!?
身勝手な道楽で村の人々の命を弄んで……許せない!
勿論だよ、ユーリ。あの頭蓋骨、バッキバキにしてやろう!!

真の姿(狐の獣人の姿)を解放!
【ジャンプ】【ダッシュ】【空中戦】を使いつつ、ベルトにセットしたダガーで敵の武器を弾きながら接近。
使い切ったら脱げるものは脱いで身軽に。もっと素早く、もっと軽やかに。相手を翻弄するように動きまくる。
骸が欲しければ用意してあげる!あなたのを、ね!
【野生の感】で狙いを澄ませ【シーブズ・ギャンビット】!

上手くいったらユーリにバトンタッチ。
ユーリ!思いっきりやっちゃって!


ユーリ・ヴォルフ
チコル・フワッフルと行動
アドリブ共闘大歓迎!

悪趣味な道楽に走る程、生を持て余しているというのか。
ならば今すぐに、その命を終わらせてやろう!行くぞ、チコル!

真の姿を解放しフレイムドラゴンに。虫は炎で燃やし尽くす!
剣は厄介だな…万が一チコルに危険が迫れば翼で覆うようにして庇う。骸が欲しいだと?チコルは絶対に渡すものか…!

炎の力を乗せ、ドラゴニアン・チェインを放つ。鎖を力任せに振り上げ、相手を地面に叩きつける。村潰しは面白いか?ならば自分が潰される気分はどうだ?俺は…面白くはない!怒りしかない!だが怒りの感情で言うならば、村人達の方が怒り、悲しみ…苦しみが大きかった筈だ!少しでもその痛みを味わえ…!



 スコールのように降り注ぐ赤い海。
 犠牲者たちの血と闇と呪いでできた海のふりをした何かは、肉体としての機能を失って大地へとかえっていく。
 一方で、魔力で生み出した腕と呪われた装備類一式を寄せ集め、エルシークは再びかりそめの肉体を作成していた。
 鎧のかぶとを歪め、山羊の頭蓋骨形へと変えていく。
 からころと、かぶとが鳴った。
「やはり、欲しい。その骸」
「渡さん。チコルは誰にも……!」
 ユーリ・ヴォルフは剣を握りしめ、エルシークへと斬りかかった。
 大量の盾が集合し、彼の剣を打ち弾く。
 大量のフレイルが集合し、剣となってユーリを襲う。
 巨大な剣と盾を操作するのはエルシークが生み出した巨大な腕だ。
 防御を行なうが、攻撃を受けて吹き飛ばされるユーリ。
 岩に激突しそうになった所を、チコル・フワッフルが飛び込む形でキャッチした。
「ユーリ、大丈夫? あの頭蓋骨バッキバキにしてやろう!」
「……ああ」
 チコルは残ったスローイングダガーをまとめて投擲。
 鉄をも射貫く威力ではあったものの、それらは集合した巨大盾に刺さるのみ。
 再び巨大剣による打撃が襲い、今度はユーリもチコルも、その後ろの岩までもがまとめて吹き飛ばされた。
 それを見ていた村人たちが絶望に声をあげそうになった、その瞬間。

「チコル。行けるか」
「モチロン。ユーリは?」
「無論――骸遊びは、これで終わりだ!」
 燃え上がる巨大な炎。
 炎を抜けて現われたのは、赤い目のドラゴンであった。
 翳される盾――が、一瞬で粉砕される。ユーリの放ったオーラの炎が、その風圧だけで盾それぞれを粉砕してしまったのだ。
「村潰しは面白いか? ならば自分が潰される気分はどうだ? 俺は…面白くはない!」
 ドラゴンの背に乗っていたチコルは、狐獣人の遺伝子を露わにし、エルシークへと飛びかかる。
 打ち払おうと振り込まれた巨大剣を、チコルは真空を蹴ることで強制回避。
 ベリーロールで剣を飛び越えて、ベルトバックルを引き抜いた。
 最後のダガー。その一本が、エルシークの頭部と思しき箇所へと突き刺さる。
「骸が欲しければ用意してあげる! あなたのを、ね!」
「皆の感じた怒りを、悲しみを、少しでも味わえ!」
 巻き付く炎の鎖。
 チコルとユーリは、二人で一緒にエルシークの頭部を蹴り砕いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユキ・スノーバー
亡くなった人を遊びに使うなんて酷いんだよ!
更に何か調子に乗ったこと言ってるけど、イェーガーの骸とかぜーったい、あげないもん!!!(ぷんぷん)
今から……えっと(びしっ!と手で示して)お前みたいな大きい骨はぶっ飛ばされるんだからねっ!

されたら嫌な事は、身をもって実感しても分からないタイプだろうけど
ユーベルジャックで技ゲットを試みるね。
流石に困りものの元凶は、面倒な攻撃手段ばっかりだから逆に利用しちゃおう!
もし賢者の双腕がゲット出来たら、気づかれないように後ろからそーっと
頭にドカーンって当たったら良い音とか、痛そうな感じの物をていって落としておしおきだよー。
他のは相殺用に利用するね

アドリブや連携歓迎


架空・春沙
邪悪なるヴァンパイア
その所業もここで終わりです
断罪します

断罪の緋鎌(簒奪者の鎌)を構え、先制攻撃で緋鎌一閃、なぎ払います
真紅の三日月(簒奪者の鎌)を取り出し2回攻撃で、傷口をえぐります
回避しようとも大鎌は敵を追跡する軌道で襲い掛かります
悪・即・断です

敵攻撃は第六感で感じ、見切りで回避
避けれなくても武器受けで対処

私もダークセイヴァーの小さな村出身で、ヴァンパイアにその村を滅ぼされました
いえ、それは過ぎたことだからいいのです
今後、同じような境遇を経るものが生まれないように
悪を断罪する、それが私の使命です



 砕かれた無数の鎧や武器が、砂浜と岩山に落ちていく。
 その様子を、村人たちは呆然と見つめていた。
 いや、呆然とという表現は相応しくない。
 彼らの目には確かな光と、そして希望の熱があった。
「イェーガー……イェーガー……!」
 誰が始まりか、口々に叫ぶ村人たちの声が、大きな熱となって背中を押した。
 悲しみと絶望の中で、終わり方だけを考えていた人々に、確かな熱が戻っていた。
「みんな、下がって!」
 ユキ・スノーバーが手を広げ、間に立ち塞がる。
 砕けた鎧の集合体。その中から、目玉と肉の塊がぶわりと浮かび上がったのを見たからだ。
 目玉はぎょろりとユキのほうを見ると、カラコロと音を鳴らした。
『ほしい……その骸……ほしい……』
 あちこちに倒れている骸の肉や骨を吸い上げると、再び魔力の腕と骨の面を形成する。
 しかし海を纏った時のような巨大さも、鎧を集合させたような威圧感もない。
「あげないもん! お前みたいなやつは、ぼくたちにぶっ飛ばされるんだからね!」
『ほしい……』
 面の内側から目玉だけが動き、巨大なムカデが焦げた草地から飛び出してきた。
「それならもう、何度も見たよ!」
 ユキはフェイスモニターをぽんぽんと叩くと、雪結晶のような紋章を表示させた。
 真っ白に輝く紋章が光のシールドを形成。突撃する巨大ムカデを撃ち払う。
「面倒な攻撃手段だけど、そのままそっくりもらっちゃおう!」
 画面から巨大ムカデを吸い込み、逆に真っ白な雪のムカデを産みだしてエルシークへと突撃させる。
『ほしい……』
 生み出された魔力の腕が雪のムカデを粉砕。
 そのまま伸ばしてきた腕を、突如現われた架空・春沙の大鎌が切断した。
 深紅の刃を持った鎌が、月光に照らされてぬらりと光る。
「邪悪なるヴァンパイア。その所業もここで終わりです」
 もう一本の手が素早く彼女を掴もうと襲いかかるが、もう一本の鎌を放って腕を破壊。
 素早く距離をつめ、強引に切断していく。
「断罪します」
 春沙はちらりと村人たちを見た。
 ヴァンパイアに滅ぼされた村の生き残りたち。
 これから滅ぼされる運命にあった者たち。
 しかし彼らの目には希望が、光が、未来があった。
 こっくりと、深く頷く。
「エルシーク。過去から這い出た悪意」
 過去は変わらない。
 だから皆努力して、未来を変えて生きているのだ。
 今このとき、春沙が戦っているように。
「悪を断罪する、それが私の使命です」
 切断されてもなお動き出そうとする腕を、春沙は踏みつけて粉砕した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シェーラ・ミレディ
聞き間違いでなければ、そこのヴァンパイアはこの惨劇を『おもしろい』と言ったか?
ほう、へぇ、ふぅん。……嗚呼、いや。無関心を装って怒りを流そうとしてもダメだな。僕にだって許せないものぐらいある。
「虫唾が走るわ、下郎が。裁いてやるからそこに直れ──!」
僕が正義を証明してくれる。

怪我を恐れずどんどん前に出るぞ。
早業、二回攻撃、クイックドロウを使い、【華燭之典】で敵を蜂の巣にしてやろう。近付けるなら零距離射撃も追加だ。弾丸に殺気を込められるなら尚良い。
あれをのさばらせてなるものか!

敵が虫を召喚しようが、【華燭之典】の弾幕で撃ち落とす。
むしろ召喚の隙を突いてカウンターだ。
フォローは他の猟兵に任せよう。



『ほしい。ほしい。ほしいほしいほしい……!』
 道楽のために振りかざされる悪意。
 供宴のために降りかけられる暴虐。
 今この場にあるのは、エルシークという『悪意』であり、ヴァンパイアという『暴虐』だった。
 そしてそれを止められるのは……。
「ほしいほしいと、ただそれだけで……ふうん。そうか……」
 空中に発生し、飛来する巨大な蜂を、シェーラ・ミレディは精霊銃で破壊した。
 冷静に応えたはずの言葉はわずかに震え、銃を握った手もまた、震えている。
「無関心を装って怒りを流そうとしてもダメだな。僕にだって許せないものぐらいある。ああ、そうだ。『虫酸が走る』とはこのことだ」
 シェーラは補助腕を展開。
 ――雪月風花。
 ――花鳥風月。
 ――花紅柳緑
 ――千紫万紅。
 四丁まとめてフルチャージ。
 四大精霊をそれぞれ銃に込め、自らの肉体……もとい精神と魂と人格を格納したボディを通して循環させると、無限のエネルギーに変えて常時フルチャージ状態とした。
 巨大な蜂の霊体が大量に襲いかかるが、そんなものは小雨ほどの脅威でもない。
 シェーラは全ての精霊銃をフルオートで連射すると、襲いかかる虫たちを残らず破壊。
 四丁の狙いを一箇所に集め――。
「くたばれ。正義の鉄槌ってやつを思い知れ……!」
 一人集中砲火によってエルシークの面を破壊した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニコ・ベルクシュタイン
…殺す者は、殺される覚悟を持たねばならぬ、だったか。
正確な文言は失念したが、今こそ其の覚悟をして貰う時だな。

其の悪趣味さに違わぬ醜悪な見た目よな
なるべくなら近寄りたくもないが、仕方がない
双剣の切っ先をしっかりと向けて
【時計の針は無慈悲に刻む】にて思い切り斬りつけよう
元々連撃ではあるが「2回攻撃」で更なる追撃を狙い
少しでも多くの傷を与えておきたい

反撃に対しては基本的に「オーラ防御」で行いたい次第



「殺す者は、殺される覚悟を持たねばならぬ、だったか」
 中指と親指で覆うように眼鏡の位置を直すと、ニコ・ベルクシュタインは地面にころがった眼球へと歩み寄った。
「それとも、銃を撃っていいのは撃たれる覚悟のある者だけ、だったか。まあ、なんでもいい。なんでもいいが、お前はできていたのか? その覚悟が」
 かがみ込むと、眼球は空気そのものを振るわせて語った。
『ああ……やめろ。まだ、まだだ。まだ死にたくない』
「死にたくないのに、殺したのか」
 自分を脅かす者が存在しない世界で、虫を潰して遊ぶ子供のように、ヴァンパイアは戯れる。
 今回のエルシークもまた、そのひとりだったのだろう。
『しにたくない! まだ、ほしい!』
 ニコの背後に、砂と土と骸を継ぎ合わせた巨大な芋虫が現われ、ニコを後頭部から食らわんと口を開ける。
 が、ニコは振り返りすらせず、剣のみを肩越しに向けた。
 時間と空間を歪め、大量の貫通痕を作って崩れ落ちる芋虫。
 残る全ての魔力を使い尽くしたらしいエルシークの眼球を、ニコは靴の踵で踏みつぶした。
「過去は過去に帰れ。未来は俺たちの……いや、あの村人たちのものだ」





 これは少しばかりの後日談。
 エルシークによって滅ぼされた村人たちは、最大の脅威が去ったことでようやく生きる希望を取り戻した。
 これまで弔うことの出来なかったかつての同胞たちを、海辺の土に埋めて弔っていく。
 大量の墓標が立てられ、村人たちは祈るように手を合わせた。
「イェーガー。あなたたちは、これからどうすのです」
 そう尋ねられて。
 あなたは……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト