アポカリプス・ランページ⑦〜破れ、軍人宰相!
●真正面から応対せよ
「おつかれさん。……ヴォーテックス一族がまた1人出てきたなぁ……」
大きなため息をついて地図を広げた木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)は、現在ロンメル・ヴォーテックスが戦車軍団を広げている地点をマーカーで記す。
特定の拠点を置かずに戦車等の兵器で構築された軍団をそのまま移動拠点として使うことで、拠点の設置等の手間を省いている。
今回、既にロンメルは場所を選んで軍団の中央部で指揮を取り続けているそうだ。
「別の方面では戦車共をなんとかしてもらっているから、こっちはロンメル本人を叩く。多数の砲撃を受けることになるだろうし、なんならヤツの配下である軍人系のオブリビオン達が襲いかかってくるだろうが……そこを対処して、ロンメルだけを注視してくれ」
今回の相手はロンメルだけではない。彼が指揮する全ての戦車から放たれる砲弾や、歩兵として敷かれている軍人系オブリビオンの集団、更には様々な地上兵器、飛行兵器も猟兵達に襲いかかる。
故に、戦車軍団から放たれる砲撃の波を超えなければロンメルにたどり着くことさえもままならないだろうと。
それでも、猟兵達は対処の手法を携えている。
だからこそ、サライは言うのだ。手伝って欲しい、と。
「軍人宰相なんて気取ってるやつのツラ、一発ぶん殴って来てくれ。どんなに戦車を指揮していても、大元であるテメェさえ倒せば軍隊は一瞬で崩れるってな!」
牙を見せて笑ったサライ。猟兵達を信じて、彼らを戦場へと送り届ける――。
御影イズミ
閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
ロンメルさんを直接殴りに行くシナリオも欲しいよね! と思ったので作った次第です。
綺麗なご尊顔を殴りたい方はどうぞ。
初めての方はMSページを読んで頂ければと思います。
●採用について
採用は「シナリオの成功数に到達する🔵の確保が確定した時点」で締め切ります。
また回転を早めるため、採用人数は最低数にしぼります。
採用が難しいと判断したプレイングはお返し致しますのでご了承ください。
●場所:戦車軍団の目前
多数の戦車や地上兵器、飛行兵器で溢れかえっている地点からのスタートです。
様々な兵器があり、戦車はもちろんですが対空砲、対ミサイル砲台なども設置されています。
また軍人系オブリビオンが歩兵としても前に出ています。
テレポートされたその瞬間に、砲弾の嵐が飛び交います。
この攻撃は後述のプレイングボーナスに関わります。
●プレイングボーナス:戦車軍団に対処する。
テレポートされた瞬間の砲弾の嵐を対処するプレイングの場合、ボーナスが入ります。
砲弾の嵐は全ての兵器から発射されるものとお考えください。
皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『ロンメル・ヴォーテックス』
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POW : 軍人宰相の指揮
自身が操縦する【戦車軍団】の【反応速度】と【耐久力】を増強する。
SPD : アンブッシュ・タクティクス
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【ロンメル率いる戦車軍団の搭載火器】の威力と攻撃回数が3倍になる。
WIZ : 戦場の掟
敵より【指揮する配下の数が多い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
👑11
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アハト・アリスズナンバー
出てきた瞬間大砲弾の嵐。
考える暇さえ与えてくれないとは。まあ、それならこっちも出るとこ出ますけど。
光学迷彩を発動しつつ、ユーベルコード起動。
砲弾の嵐を一気に駆け抜けつつ、喰らっても激痛耐性でやり過ごします。
攻撃と威力は上がっても索敵は出来ないのがそのユーベルコードの弱点。
私は光速で移動しつつロンメル将軍の下へと移動します。
一応、電気属性によるジャミングとハッキングで操作系統も奪っておきますね。飛行兵器を自軍に向けたら将軍慌てふためくでしょうね。
将軍の機体に取り付いたら、ハッチをこじ開け。将軍殿と護衛を暴力でボッコボコにしてあげましょう。
●リミッター解除
戦場へとテレポートされたその瞬間、遠くから砲弾が撃ち出される音を聞くアハト・アリスズナンバー(8番目のアリス・f28285)。こちらへの着弾までに時間がないことを察した彼女は、素早くユーベルコード『アリスオブレコードブレイク』によって本拠地に向けてリミッター解除を申請。許諾を得て残像が残るほどの光速戦闘モードへと変身し、光学迷彩を多用して砲弾の嵐の中を走った。
「考える暇さえ与えてくれないとは。……まあ、それならこっちも出るとこ出ますけどね」
残像をわざと残した上で的を作り、着弾位置を操りながらロンメルの位置を割り出そうとするアハト。光速戦闘モードでは速度が飛躍的に上がり戦闘能力の向上も図れるのだが、その反面、索敵が出来ないのが弱点となってしまっている。
しかし彼女は的確に残像を残しつつも、飛行兵器へのジャミングとハッキングで自滅を促し、ロンメル・ヴォーテックスを動揺させる作戦に出た。
「あの戦闘機を借りて、と……」
軽快にステップを踏むように地上兵器の装甲を踏みつけて、丁度近くを通り過ぎた戦闘機をハッキング。中にいる軍人オブリビオンに操作されないように自動兵器化させた上で、ロンメルのいる中央地へと案内してもらった。
「――なるほど。兄妹共は頭が悪い故に、切れ者を差し向けてきたか!」
高らかに笑ったロンメルは自動走行する戦闘機に向かって砲撃を開始……ではなく、高所の壁を狙うように指示を出した。自分を狙うのであれば必ず低く飛ぶことがあるだろうから、高所からの岩を利用して落とそうと。
彼の読みどおり、戦闘機はロンメルとその配下を乗せた戦車に近づけば急激に高度を下げてゆく。アハトは戦車に目をつけたその瞬間に戦闘機から飛び降り、光学迷彩を保ったまま戦闘機と並走してロンメルの戦車に近づいた。
わずかに戦闘機が後ろに下がってしまったその瞬間、複数の砲台が高所に向かって砲撃を開始し、岩を戦闘機に向けて落とす様子が伺えた。
「おぉう……間一髪」
遅れていたらあの岩雪崩に巻き込まれていたのかと思えば、アハトはゾッとする。この恐怖を植え付けた本人をさっさと殴らないと、気が済まなくなってきた。
ということで、目をつけておいた戦車のハッチを無理矢理こじ開けて、ロンメルとその護衛とご対面。
「なっ、いつの間に!?」
「さっきです。ということで、覚悟は良いですか?」
そうして拳を構えて殴ってきたアハトの目は、笑ってなかったという。
成功
🔵🔵🔴
ノエル・フィッシャー
【WIZ】
おっと、転送直後の攻撃。アイサツ前のアンブッシュとはなかなかやるじゃないか。
……でも悲しいかな、防がれる不意打ち程ダサいものもないよね。
UC【王子様と十字架の世界】で戦場に無数の十字架型オブジェクトを投下。壊すくらいなら迷路を踏破した方が早いくらいの強度を持つこれでまずは砲弾を防ぐ。
勿論このUCは防御で終わるものじゃない。ロンメル戦車軍団にも襲い掛かる反撃の牙だ。その質量で兵士や戦車を押し潰し、もし生き残ったものがいても十字架迷路で分断さ。
いくら機甲部隊を用意し、数的優位を3倍にするUCがあっても、各個撃破に持ち込めばどうとでもなる筈だ。
アドリブ・共闘歓迎なんだよ。
ルドラ・ヴォルテクス
●アドリブ連携OK
『caution!熱源多数接近』
とんだ挨拶だな。
【メーガナーダ】
リミッター解除、限界突破!
墜ちろ震電!紫電全方位放射!電磁パルス形成!
機構剣タービュランス起動!爆風を薙ぎ払え!
散々やってくれたな。
破壊し尽くしてやる。
履帯破壊の震電は、爆風を伴う爆雷へ進化させ、地形の爆破で体勢を崩した暴風で横転させ無力化させる。
高速移動する上で、タービュランスの嵐で砂塵を巻き上げて撹乱し、自身はスーツの索敵でロンメルの位置を把握、横転した戦車の燃料を時折電撃で爆破して目眩ましをしつつ、ロンメルの戦車へ。
取りついたら、機構剣エレクトロキュートを突き刺し、直接内部へ電流を流し込み処刑する。
●紫電に輝く十字迷路の攻防戦
転送直後、砲弾の雨に巻き込まれそうになっているノエル・フィッシャー(イケメン王子様・f19578)とルドラ・ヴォルテクス(終末の剣“嵐闘雷武“・f25181)の2人は、それぞれ対処を取った。
ノエルは素早くユーベルコード『王子様と十字架の世界』を放ち、天から降り注ぐ夥しい数の十字架を盾として砲弾を弾く。
ルドラはユーベルコード『咆哮する雷雲』で己に暴れ狂う猛獣の如き紫電をその身に纏い、十字架で防ぎきれなかった分の砲弾を破壊力のある震電で粉砕して対処をとった。
「危ない危ない……。打ち漏らしの対処ありがとう、ルドラ」
「気にするな。こちらもその盾で助かっているからな」
十字架で紡がれた迷路は戦車達の配備を狂わせる作りになっており、更にはルドラの雷を通しやすくするために銀の十字架で壁を作っている。ノエルは咄嗟の判断だった故に完全な遮断にはならなかった、と言葉を濁すが、銀で作ったと聞いてルドラが褒めた。
「いや、むしろありがたい。銀は雷を通しやすいから、うまく使えば相手への奇襲にも使える。難点は扱いをしくじれば、俺やノエルにもダメージが来るというところか」
「その点は別の十字架の壁を作って遮断すれば大丈夫だと思う。どうせ、上からもう一度降らせるしね」
「よし、それなら一度突撃する! こちらで位置を割り出した後、ロンメルの方まで迷路を伸ばしてくれ!」
「OK、任せて!」
連携を取った2人は、同時に動き出した。
「――哮り、吼えろ!」
迷路の先にいる戦車軍団を風の機構剣・タービュランスで巻き起こした嵐で撹乱しつつ、アタルヴァ・ヴェーダの情報収集を使い、吹き飛ばして落ちてきた戦車へ数秒のアクセス後、情報を抜き取る。
今回の戦車の配置から補給車の位置、更にはロンメル・ヴォーテックスが指揮する戦車の位置までしっかりと割り出すことに成功。もう一度這い上がる前に燃料に向けて電撃を与えて爆破させる。
「ノエル、ロンメルの位置は割り出した! 今度は向こうに迷路を伸ばせ!」
「OK! 反対側はどうするんだい!?」
「一気に壁に伝わせて震電でぶっ飛ばす!」
「OK、じゃあ行くよ!」
再び迷路を作るため、ノエルは天高く手を伸ばす。夥しい数の銀の十字架は雨となって降り注ぎ、壁を作り出して軍団を遮断。また十字架の着地点にいた戦車郡はその鋭い刃の重さに耐えきれずに押しつぶされてしまった。
「キミの『罪』はボクが引き受けよう――それがボクの『罰』だから」
長く、長く、銀の雨が降り注ぐ。ロンメルはこのような事象があってなるものかと叫んでおり、いつまでも振り続ける銀の刃に向けて砲撃を開始し始めていた。
しかし銀の刃は弾かれること無く、むしろ砲弾のほうが無効化されている。壁となっている銀の十字架はまさに無敵を誇るなんてことは、ロンメルは知る由もない。
「さあて、ロンメル。手始めに迷路に迷い込んだことを公開しな!!」
十分な数の十字架が落ちてきたところで、ルドラは雷を壁に押し当てて迷路に迷い込んだ戦車をことごとく破壊していく。数を減らし、やがてロンメルの周囲の戦車だけになったところで、もう一度ノエルが十字架を落とした。
「どんなに数が多くても、各個撃破に持ち込めばどうってことはない!」
「この……刺客の分際で!!」
大きく吠えたロンメルは配下達に向けて一斉射撃を命じた。壁の破壊は後回しに、術者であるノエルを先に倒すことでこれ以上の分断を遮るつもりのようだ。
連続して発射される砲弾をうまく迷路の壁を使って回避するノエル。そのうち、ロンメルがノエルにしか注視していないことに気づいたようで、わざと煽るような声を上げ始めた。
「おっと、それでいいのかな? ボクだけに注視しててさ。確か指揮官っていうのは……全体を見渡してこそなんだろう?」
「何っ……?」
ロンメルがもう1人がいなくなっていると気づいたのは、ノエルの言葉からほんの僅か、1秒にも満たない時間の後だった。だが、それでも――既に遅く。
「さあ、エレクトロキュート! いつもより派手にやっちまえ!!」
ルドラのもう一つの機構剣、帯電の剣・エレクトロキュートがロンメルの乗った戦車に向けて思いっきり電撃を放つ。これまでにないほどの衝撃と雷撃は内部構造をも焼き切るほどに、凄まじく。
その雷はロンメルの戦車だけに留まることはなく、迷路の中を自由自在に奔って残りの戦車をも片付けた――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カシム・ディーン
「ご主人サマ!戦車軍団だよ!軍団には軍団だよ!」
…くっ…あれをやれってかっ
【情報収集・視力・戦闘知識】
周辺状況確認
安全に隠れられる場所を捕捉
敵の陣形確認
【迷彩】
主は隠れ
嘆きつつUC発動
今ここに幼女ハザード発生
「「ひゃっはー☆」」
此度地獄の宴が始まる
【砲撃・集団戦術】
「☆竜眼号発進☆」
巨大戦艦と幼女軍団という地獄
砲撃で蹂躙
【空中戦・属性攻撃・念動力・弾幕】
全軍突撃
そして空に広がる幼女軍団
念動障壁を纏いダメージ軽減
超高熱熱線乱射し蹂躙しながら
【二回攻撃・切断・盗み攻撃】
戦車に幼女が群がり切り刻み分解し破壊し資源強奪
ロンメルの周囲の戦車を分解分解分解
届くならロンメルにも群がり身ぐるみ剥ぎ倒す
●2度目の春の幼女祭り
テレポート直後に砲弾が差し迫り、ギリギリのところで安全な場所を確保したカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)。風圧によって吹き飛ばされそうになったが、なんとか耐えきった。
一体どれだけの数の戦車が砲撃したのかとこっそり顔を出してみれば……そこには大量の戦車、戦車、戦車、対空砲、その他飛行兵器などなど!
これらの戦車の数を見て、カシムは頭を痛めた。別に戦車の数が多いからとか、飛行兵器があるなとか、そういう理由で頭を痛めているわけではない。では、なぜか?
『ご主人サマー! 戦車軍団! 戦車軍団だよー!』
「……くっ……!」
後ろできゃいきゃいと騒ぎ立てる機神メルクリウス――の意識集合体である少女が、とても嬉しそうにカシムに言い寄っている。そう彼が頭を痛めているのは彼女が主な原因だ。
というのも軍団には軍団で勝とうよ、というのがメルクリウスの主張。そしてその軍団というのが、なんとメルクリウスの少女姿をもっと幼くした姿が乗ったキャバリアで飛び交う軍団というのだから、カシムの胃が痛くなるのもうなずける。
だが今は確かに多数を相手にしなければならない。今回は、今回は目を瞑ってユーベルコード『対軍撃滅機構『戦争と死の神』』を使用することに。
「……いいか、今回だけだぞ!!」
『わーい!』
――そうは言ってるが、実はもうかなりの回数を使っている……。
実に1130師団もある幼女メルクリウスの軍隊は小型キャバリアに乗ったのだが、これだけでは足りないだろうと帝竜大戦艦『竜眼号』も呼び寄せて地上へ威圧を放っていた。
「なっ……何だアレは……おい、報告しろ!!」
ロンメル・ヴォーテックスは慌てていた。とんでもないものが頭上を飛んでいるものだから、配下の者達に指示を出すにも状況の説明がつかない! と。
そんな中で幼女軍団は超高熱の熱線を乱射しながら飛び交い、戦車を1つ見つければ群がって一気にぶっ壊し、中の資源を強奪するという幼女らしからぬ行動をしていた。
『あ! 多分アレがロンメルの戦車かな?』
いけー! と指示を出し、大量の幼女軍団が1つずつ戦車を潰しては資源を回収してゆく。その様子、多分きっとロンメルじゃなくても他のヴォーテックス一族もびっくりすると思う。
――最終的にはロンメルの戦車にまで入り込めたので、たっぷりと資源は貰っていったそうな。
成功
🔵🔵🔴
津崎・要明
流石にこの数を相手に正面突破はないな。
Shrikeに搭乗して迷彩結界バリア
小さいほうが敵の攻撃が当たりにくいだろう。
リミッター解除の限界ギリギリ性能で敵戦車部隊の砲撃を躱しつつ
UC使用しつつロンメルの戦車に近付く
移動しながら派手に打ち返すけどこちらが囮だ
注目を集めているうちに、
レーザー用のビーコンを仕込んだサイコビットを誘導でロンメルの戦車に打ち込み
ビーコンを目当てにAxion Laser
オブリビオンにしか効果がない優しさ使用で見方も安心
ただし敵には鎧無視だけどね!
宇宙科学もけっこう凄いだろ?
●戦車 VS 宇宙科学
津崎・要明(ブラックタールのUDCメカニック・f32793)が戦場に到達するや否や、砲弾の雨が彼に向かって降り注ぐ。着弾までほんの僅かしかないという瞬間、要明はホバークラフト Shrikeに飛び乗って迷彩結界バリアを張り巡らせ、なんとか逃げ延びることに成功した。
「小さい方が攻撃が当たりにくいだろう。……少し、リミッターを外すぞ!」
Shrikeのリミッター限界になるギリギリまで性能を高めた上で、戦車軍団の合間を駆ける。ユーベルコード『Breaking avoid』で砲撃のカウンターに戦車を破壊しつつ、ロンメル・ヴォーテックスが搭乗している戦車を探し出す。
ロンメルは既に戦車内部で指揮を取っているため、その姿を見せることはないのだろう。表から見るだけでは探しづらかったため、要明は何度か戦車をカウンターで破壊して回っていった。
(……ん?)
そのうち、戦車軍団の中から1つの車両が後退するのが伺えた。その車両は砲撃の嵐に紛れて退避し、地形を利用して戦おうとしている様子が見えたため、要明はその車両がロンメルの乗っている戦車と断定。急いでレーザー用のビーコンを手裏剣型サイコビットに搭載し、逃げようとする車両へと撃ち込んだ。
ビーコンを打ち込まれたことを知らない戦車は一歩引いて、多数の軍団よりも後ろから高台目掛けて砲撃を開始する。どうやら剥がれた岩を利用するために高台を撃ち抜いたようだ。
要明のユーベルコードは直接の攻撃がなければカウンターが難しく、相手の武器を破壊しづらいという難点がある。そのためにサイコビットを使ってビーコンを射出したわけで。
「でも……ちょっと、まだ数が多いかな!」
ロンメルの戦車にたどり着くまでには、数の多い戦車軍団をどうにかしなければならない。Shrikeの限界もそろそろ近い中で、あまり無理はできなかった。
そこで、多少強引ではあるが要明は次に飛んできた砲撃に対しカウンターを放つ際、普通に跳ね返すのではなくロンメルの戦車に向けてカウンターの一撃を行うことにした。砲撃を撃ってきた戦車に対しての反撃は難しくなるが、これならロンメルに向けて一直線に当たるだろうと。
「――さあ、奔れ!!」
飛んできた砲撃を弾きながらも、ビーコン目掛けてAxion Laserを発射。オブリビオンにしか効果のないレーザーは一直線にロンメルの戦車に張り付いたビーコンへと向かって熱線を迸らせた。
――その直後、戦車の中から大きな悲鳴が聞こえた。
大成功
🔵🔵🔵
霧江・英梨
はい、おでむかえですね
遮蔽はなし、では頭数をふやしましょう そのぶん向かってくる弾は減ります
コアユニットよりファンタズマユニットへ、次元歪曲防御(オーラ防御)装甲塔による防御(武器受け)魔導水銀血液による自己修復(継戦能力)あなたが持っているすべての手段で演算時間を稼いでください
あのユーベルコードを無力化できるだけの門を開くための時間を
虚数展開システム超過駆動、オブリビオン・ワード【Spectre】を発動、相手の戦力を上回る程のキャバリアを引き揚げます
皆様おはようございます、戦場です、戦争です。あとは、あなたがたの役割を果たしてください
●多数には多数を。
砲弾が迫る中、霧江・英梨(アイアン・メイデン・f10940)は僅かな時間でEP-Oオブリビオン・コアからEPファンタズマユニットへ接続。超重装オブリビオンマシン・サーベラスへ次元歪曲防御の発動、魔導水銀血液による自己修復を指示。数多の砲弾を受け止めるオーラを発し、砲撃で欠けた部分を自己修復させることでこの場を乗り切った。
「おでむかえですね。遮蔽はなしですし、頭数を増やせば問題ないでしょう。……しかし」
遮蔽はない。つまりは、格好の的になってしまうということだ。サーベラスという大きな的がある分、英梨に向けられる砲弾の数は限りなく少なくなるが、それでも絶対に当たらないわけではない。
しかも相手は限りなく命中精度を高めている状態だ。普通に戦うだけでは、おそらく勝てる見込みは少ないだろう。
「ですので、あなたは門を開くための時間を稼いでください。あなたが持っている、全ての手段で演算時間を稼いでください」
サーベラスへの指示を下した後、英梨はユーベルコード『OW-amp【Spectre】』の準備へ入った。虚数システムを展開させ、骸の海へ沈んだ者達へ語りかけるために。
その間にも、戦車軍団は砲撃を撒き散らす。ロンメル・ヴォーテックスの指示は的確なもので、時折英梨も巻き込むように砲撃を行ってきた。
サーベラスはEPファンタズマユニットを構築する火器管制機構テュポーンで戦車の砲弾を撃ち落としつつ、躯体・装備管制機構エキドナでRBS-S-O シージキャノンのリミッターを解除を許可、砲撃の嵐を起こさせる前に魔力を込めた砲撃で一掃する。
それでも尚、サーベラスを崩そうとする戦車軍団。何度も何度も、崩してやろうと砲撃の嵐を撒き散らした。
――砲撃の嵐が巻き起こったその直後、英梨の清らかな声が聞こえた。
「おはようございます、皆様」
ずるり、ずるりと骸の海から這いずり出てきた多数のキャバリアとパイロット達が、英梨の呼びかけに応じ戦場へと馳せ参じた。未だ戦に囚われた者達は、彼女のただ一言のアナウンスがきっかけで弾けるように戦車軍団に向かっていった。
「これは戦争です。ここは戦場です。あとは、あなたがたのやるべき"役割"を果たしてください。私からの言葉はそれだけです」
彼女の言葉のとおりにしてもよいのならばと。呼び起こされた多数のキャバリアは戦車軍団を蟻のように踏み潰してゆく。
無機質な聖女の声は、やがて恨みに沈んだ者達を導く声となった――。
成功
🔵🔵🔴