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アポカリプス・ランページ④〜NO IMAGE

作者：にゃあら

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●タワー・ディフェンスを愉しむ為には
　先ず、獲物と得物の違いを明白にしなければならない。
　異常なまでの熱気に抱擁された死の谷（デス・バレー）、其処に築かれていたのは難攻不落と呼ぶに相応しい『機械仕掛けの要塞』で在った。内側には数多のスーパー・コンピュータが組まれており、禁断のコンピュータ・ウイルスが安置（お）かれていると言う。
　かたかた、かたかた、かたかたかた、妙な軽快（おと）が止むと同時に戸（とびら）は開かれ、現れたのは【■■■■】なオブリビオン。それを見なければならない、見てはいけないと『おぼえる』のは君次第だろう。
　今日、戦争（ゲーム）を愉しまないものは『もの』ですらないと球体が嗤った。穴埋めパズルの選択肢を誰が記したと説うのか。
　ひどく理不尽な銃口が脳漿、餓えている。

●グリモアベース
「貴様等、戦争の時間だ。行くべきは過酷な高温（ねつ）と木乃伊（かわ）きの地、通称死の谷（デス・バレー）、猟兵の腕（かいな）を試すのにも丁度いいと言えよう」
　ロバート・ブレイズはアイスクリームを食みつつ猟兵（きみ）達に向き直った。卓上に置かれていたのはある種の贋作（モデルガン）だろうか。
「貴様等には強力なレイダーが守りを固めている『要塞兼研究所』を襲ってもらいたい。其処には『スーパー戦車』を打倒し得る『禁断のコンピュータウイルス』が保管されて在るという――ただし気を抜くな、レイダーが有する得物は『得物』を無効化する侵略プログラム弾だと認識せよ。対策を怠らずに蠢（たたかう）と好い」
　グリモアが輝いて。
「――言い忘れた事がひとつ、眼球の扱いに注意し給えよ」

第1章 ボス戦 『シックス』

POW   :    ルールＰ『まばたきもしてはならない』 【対象に視認されていない瞬間に限り】【あらゆる過程を吹っ飛ばし瞬時に】【首の骨を折って体内の異次元へと取り込む力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。 SPD   :    ルールＳ『見てはならない』 【対象が自身の頭部を視認している瞬間に限り】【あらゆる過程を吹っ飛ばし瞬時に】【対象を粉々に粉砕して異次元へと吸い込む力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。 WIZ   :    ルールＷ『見られてはいけない』 【自身が対象を直接視認している瞬間に限り】【対象のＵＣ使用を封じた状態を維持し】【近付き触れただけで異次元空間に捕らえる力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

　タワー・ディフェンスを始めよう、と、真ん丸な過去(それ)は歓喜した。得物封じの鉛を吐き散らし、ルールと呼ばれる不条理を強要する、彼(か)の貌(NoImage)は何とも神じみて滑稽で有った。第六(シックス)の面、面白くもないゲームを越え、早々にウイルスを手に入れるのだ！


　謝肉祭（カルナバル）の真似事だと機械仕掛けの神々が嘲笑った、戯言が大好きなゲーム・マスターの輪郭はひどく第六（きさま）等に相応（に）ているのだろう。見られているのか見なければならないのか、振盪すらも赦されない渦（なか）でオマエ、その銃剣（えもの）に対して弱み（ホールドアップ）は晒せない。嗚呼、あの心臓がチキン質だと謂うならば外骨格で修復（ただ）せば問題なく、戦火を頂くのはお姫様（あなたさま）と項垂れるのみ。もしや過去（オブリビオン）は青空から逃れられると思っているのか――視線と称される擽ったさがW（ひげ）部分を弄っていく。
　糞まみれの暗黒を凝視（ねめ）るような心地だ、ぐわぐわと遊ばれた内側は耐性（のり）で如何にか抑え込まれている。時代が時代ならば槍衾の前で新兵、暈ばるが運命（さだめ）か――それで、オマエは誰が見たって歴戦の猟兵だ――側面（めん）を叩けと一斉に繰り顕現（だ）した百器（ウェポンズ）、夜を往くのか野を往くのか、決めるのは鮮血（しぶき）だけだ。王様は常にひとり。
　弾幕（カーテン・コール）を邪魔するものは『僅か』でしかない。ジャムを塗りたくられた麺麭は数個程度で、獣（かず）撃ちの悪夢を逸らす事は不可能であった。さぁ、あんたの貌を、瞳（め）を見せなさい？　想像力のない支配人（あれ）が椅子から転げ落ちた――穴あきチーズは間に合ってるさ！

　蛆々と腐っていた松果体。
　消化するには強烈な鉛の量で成った。

　真っ向からぶっ刺してやるから――根源と刻まれた切っ先が『ありもしない』キャンディを抉っていた。後頭部から貫けた重（ちょう）は愉しげに地面で潰れている。埋め尽くす得物の大群が蹂躙（い）って数分、肉片はうごうごも難としていた。
　瞬く間もなくトリガー・ハッピー、稼いだ時間は何Dか？

大成功 🔵​🔵​🔵​

　天を仰ぎ地を舐る、そう表現するしか方法（な）い埒外性（ちから）だった。解読（か）めば解読（か）むほどに渋く、苦く陥（な）る青野菜じみておぞましく。あれのえげつなさを咀嚼（は）むには『名状し難さ』が勝ってくるのだ。うええ……頭を隠して尻も隠していつもの如くと隠密行動（かげのなか）、注視しなくても動きを読む事は可能だが『念には念を』――宝珠（からだ）磨きに妥協しない貌（よう）に。
　向こうから見せに来る場合もあるしな。深く深く宵の空を被り、宙すらもオマエを『見なく』すれば好い。六頭身（シックス）の首から下を観察（み）ていけば何の問題（イレギュラー）もなくなるのだ。ゲーム・マスターはただ堂々と骰子（まえ）だけを視認（み）ている――傲慢（すき）が在るとすれば現、投擲し給えよ。
　風を斬り音を置き手裏剣（やいば）は首元（ね）に刺さった。埒外性（ちから）を封じ込めたならば此方の手番（もの）だと轟々に魔導（ガジェット）を啼（ひび）かせろ――牙、繋げた殴打（トンファー）から這い出る術はない。
　頭部を除けば一斉が人型なのだ。狙うべき急所は人類（よくある）と同じだろう。腸を叩き潰せば喀血（ち）も容易かろう、二度穿てば機能不全だ。
　トバースの乱反射、光がちらかる。

　ぶちまけたルビーを直すメスがないのだ、ルールの穴を突く事に執着した猟兵（オマエ）の勝利で在れ。君には貌が有るだろう？

成功 🔵​🔵​🔴​

　蒼白の魔物には血液など流れていない、決め付けたゲーム・マスターはオマエの存在（したい）を認識（み）て大笑いした。こぼれ続ける液体（なみだ）を勿体ないという者は少なくないだろう、何故かって、そりゃあ貴重な『飲み水』だからさ！　げらげらと貌無（ノー・イメージ）がさびた脳味噌（おつむ）に反響（ひび）いてくる。黙れ、うるさい、と『目』を開けてしまいたいが――閉じて対峙すると心（ていし）に誓ったのだ、考えてみれば曖昧な事だろう？　細長いスコープを真似る。
　最初から存在しない目玉とスコップで抉られた目玉、如何様な違いが在ると謂うのか。接続（つな）げたシナプスの位置も把握出来ず、ただアンタとあたしが並列している。同じものを見ていても本当に同じ認識なのかはお互い解せやしないのだ――三点と称される間（かず）の中、異次元が腹を空かせていた。
　コレは、どう――いつ粉砕されていたのかは自分にもわからない。粉砕『していた』可能性を含めたならば、嗚呼、ゲーム・マスターにも判断出来ないだろう。身体（ゾンビ）から解放された悪霊（アストラル）が伽藍洞（がんか）に指を突っ込んだ。死んだ時に刳り貫かれた、素敵な素敵なオマエの窪み。
　あなたの霊魂（たましい）を見つめる事は簡単だった。光（ぬくもり）から嫌われた呪いが滝の如くと『遊戯』にかかる。
　穿ってやる。穿った。何度も何度も、朽ちた枷を傍らに。

　――。

成功 🔵​🔵​🔴​

　相手を見ずに、武器を無効化する敵（オブリビオン）と戦う、か。青い瞳を伏せるように、銀髪（け）を揺らした猟兵（おまえ）は溜息（いき）を吐いた。手段がないわけでは『ない』と脳内の札（すべ）をゲームに重ねていく。正直に言ってしまえば『気の進まない』方法だが、それが仕事解決の為と成ったならば『為す』他にないだろう。割り切ったとしても呪いは付き纏うのだが仕方のない事――莫迦みたいに遠吠えする、あの真ん丸い黄金（ひかり）が見当たらないのが『恩の字』と謂えよう。
　使える物・者はたとえ嫌悪（いや）だとしても『例外』はない。野を駆ける獣を数字（かず）と見做した場合、嗚呼、貴様は665とひとつ不足なのだろう。力強く四肢（あし）を揮う貌（さま）は逞しい狼（ウェアウルフ）――匂う。ひどく臭ってくるのだ。毒々しい血（だいしょう）の香り。
　塞いだ瞼を開放（と）く術などなく、狂おしいほどの馥郁を牙や爪で味わっていく。その気はないと謂うのに咽喉が潤い、妙な冷静さまで脳裡を触ってくる。確実に確実に仕留めていく貌（さま）は如何だ、ズレ修正の勢いは一匹での『狩り』を完璧にしていた――たらふくと前頭葉（のう）が誤ってしまう。
　人狼病（やまい）に侵されている事こそが戦果（み）を得る所以か、などと神（それ）は仰っている。ふざけるのがお好きなようだ。

　こんな見て呉れを嗤っているのか。
　――理性ゲームを愉しんでいるね！

　奴の声帯と脳髄を噛み千切らねばならない、さもなくば憤慨がオマエを縛するのだ。遂には塵（くび）棄てた気配、盃（どくろ）を啜る気にはなれなかった。つまり、俺はまだ人間だろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

　獲物の得物を無効化する事は、即ち『余計なエネルギー消費』をせずに戯れる＝に過ぎない。傲慢と怠惰を兼ね備えた、ロクデナシ支配人（マスター）は不可解な首（あたま）を接着（ゆ）らす事だろう。第六（シックス）の目と鼻の先、いや影と形の奥、オマエは目立たぬよう粘性（と）けて魅せたのだ。いざという時には徒手空拳（からて）を使えるのだが念には念を。当たらなければ痛くも痒くもない、ならば『その為』に防護（かさ）ね着するのも好いだろうか。全方位に巡らせたバリアに削ぎ落としたオーラ、乱射（みだ）れ鉛を逸らすのに効果的であった。
　赫（く）しくも目と目が遭ったのは必然（ねら）いの通りで成った。粘土で作られた人間を如何やって弄ぶのかと悪役（ヴィラン）の群れに訊いてみたい。異種との遭遇（はじめまして）は慣れていなかったのだ、プレイヤーが不定形だと面白くないではないか！　首に骨はなく、ぬめりが手首（ほね）を感触（ねぶ）っていた。見続けろ見続けろ、オマエは真の印を見出したのだ。
　タール・ドローンの眼球（カメラ）がロール・プレイだと燥いでいる。身動き不可能と堕（か）したゲーム・マスターが不愉快そうに脚本（シナリオ・ブック）を閉じた――これで終わりとさせてもらおう。経験値は多めを願ってやれ。

　束ねられたノー・イメージが最期。
　テケリ・リと啼いた素手（うで）に砕かれる。
　――ノーマル・エンドで文句はないな。

　地に蒔かれた破片（かおな）しを踏み越え、猟兵（オマエ）どもはウイルスを入手しただろう。戦争は幕開けしたばかり――。
　餓えていた脳漿は鉛を喰わなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

最終結果：成功 完成日:2021年09月04日