8
生滅の鳴き声

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #ケイオス・スナーク #バイオモンスター #ダストブロンクス


●ニューヨーク
 大気の摩擦による雷気。
 漂う汚染顆粒が変異し、下水道迷宮「ダストブロンクス」のとある下部に満ちていく。
 汚染顆粒に触れた廃液が泡立ち『バチリ』と鳴いた。
 廃材と流動的な有機物、そして雷気を放つオブリビオンの力が結ばれた時、新たなバイオモンスターが生み出されたのだ。
 今だ自我のない赤ん坊のようなバイオモンスターが蠢くと、すぐに朽ちた肉が落ちてくる。
 融けてしまったゾンビの肉が、生まれたばかりのバイオモンスターを飲みこみ、新たな力を手に入れる。
 『バチリ』、『バチリ』、ぐちゃり。
 変わった鳴き声のぬしはぐちゃりぐちゃりと食べられていく。
 生まれては死んでいく。
 ――これは生まれたといえるのだろうか?
 ――生きた証さえないではないか。
 自我の芽生える前に淘汰される自我無き生命体が、融けた肉の中に取り込まれていくその光景。
 誰も『バチリ』と鳴くバイオモンスターを認知することなく、ただただ『バチリ』は喰われ消えていく。


「ヒーローズアースにて、幹部ケイオス・スナークの意志を継ぐオブリビオンが下水道迷宮『ダストブロンクス』に現われました」
 グリモアベースにて猟兵たちを迎えた冬原・イロハ(戦場の掃除ねこ・f10327)が説明を始める。
「意志を継ぐオブリビオンは『超生物スナークの創造』を実現させようと暗躍しています。オブリビオンは下水道迷宮に潜入し、ヒーローズアースの公害汚染時代を上回る汚染を広げているようです」
 こちらですね、とイロハが地図を示した。
 アースクライシスで明らかになったダストブロンクスでは多くのバイオモンスターが住んでいる。さらにその地下。汚染しきった物質が液体となり溜まっている地下場にオブリビオンが潜入したらしい。
「何らかのきっかけでバイオモンスターが生まれるであろう場所なのですが、潜入したオブリビオンは自身の雷神としての力を利用し大気中の汚染顆粒を変異させたようです。結果、『バチリ』さんというバイオモンスターたちが生まれるわけなのですが……彼らはオブリビオンたちの餌になってしまっています」
 バチリは強い汚染の耐性があるにも関わらず、融けたゾンビ肉や遺志継ぐオブリビオンに飲みこまれて彼らの糧となってしまう。
 オブリビオンは、かつての時代と同じようにバイオモンスターを生み出すと同時に、強靭な肉体と生命力を持つバイオモンスターたちを喰らい、超生物スナークの材料にしようと企んでいるのだ。
「赤ちゃんを食べているようなものですよね……。バチリさんは成長すれば雷を伴う、トカゲのような二足歩行のバイオモンスターになるのです」
 猟兵たちの目的はそこに蔓延るオブリビオンたちを倒すこと。
「蔓延るゾンビ肉を撃破していけばバチリさんたちも助かります。食べられてしまったバチリさんはもう助けることが出来ませんが、助けることのできたバチリさんは自我を持って生きていけます」
 バチリの成長は速い。
 きっと助けられたバチリは、オブリビオンとの戦闘にも役立ってくれることだろう。
「生まれたばかりのバチリさんは自我がない子たちですが、痛いとか、怖いとか、そんなことをそれなりに思って食べられているかもしれません…………どうか皆さん、彼らを導いてあげてください」
 生まれた喜びを知ることなく喰われる。
「生きるチャンスを与えてあげてください」
 そう言って、イロハは猟兵たちをヒーローズアースへと送り出すのだった。


ねこあじ
 ねこあじです。
 猟書家幹部シナリオなので、2章構成となっています。
 下水道迷宮ダストブロンクスの一角――膝の辺りまで廃液に満ちた部屋で、オブリビオンの汚染によって生み出されたバイオモンスターを助け出しつつ、敵を撃破していってください。

 生まれたばかりのバチリは、黒紫色で稲妻のような模様がひとつある小さなトカゲのような姿をしています。
 生き延びると人間の子供サイズまで大きくなります。
 成長すれば、より汚染に強く、雷を放つバイオモンスターになります。

 プレイングボーナスは、
 バイオモンスターと共に戦う、もしくは猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る(敵がスナークの名の元に恐怖を集める企みを妨害します)ことです。

 受付期間や締切などを設けずに、するっと運営していこうかなと思っています。
(オープニング公開後、丸一日あけての執筆開始~ & 新章開始後、丸一日あけての執筆開始~くらいのペース)
 サポートさんの力をお借りすることもあります、な、予定です。
 それではよろしくお願いします。
155




第1章 集団戦 『呪法骸操士ネウィとデッドボディバタリオン』

POW   :    ネクロマンサーズ・カウンターアタック
全身を【呪詛の瘴気】で覆い、自身が敵から受けた【ゾンビ軍団の損害】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD   :    デッド・ストリーム・アタック
【巨人型ゾンビ兵の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のゾンビ兵達】の協力があれば威力が倍増する。
WIZ   :    サクリファイス・エスケープ
【雑兵ゾンビを捨て駒にして】対象の攻撃を予想し、回避する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


『バチリ』
 空気を弾くような鳴き声が起きた瞬間、ぐちゃりと腐った肉が覆いかぶさった。
 腐った肉の正体――オブリビオンは、呪法骸操士ネウィとデッドボディバタリオンだ。
 大きなデッドボディバタリオンと呪法骸操士ネウィは全身が溶け崩れていて合体している。
 動けば、ぐちゃぐちゃとした粘着質な肉の音。
 もともとは呪法によって複数の死体から作った巨人型ゾンビと使役者であるネウィの敵群なのであるが、意志継ぐオブリビオンの汚染の力が強いものなのだろう。
 呪法は内包され肉と肉が繋がっている。

 それでも訪れた猟兵たちに気付き、巨人型ゾンビ兵の形をとるもの、雑兵ゾンビの形をとるもの――肉塊ではあったが何となく察することができた。
 肉が広がるその下では生まれたバチリが吸われていく――蠢く肉塊がバイオモンスターの生命を喰らった。

 助けて、という生命の悲鳴はない。
 けれども生きはじめたばかりの『こえ』や『うごき』。
 子らの『いし』をひとつ、ふたつ、少しでも多く見つけ出そうと猟兵たちは動き出す。
木元・刀
ヒーローズアースは初めてです。
では行って来ますね。(イロハさんに一礼)

鈴蘭蝶を先行させ、不意打ちを防ぎます。
地の利は向こうにありますから。

下水道……匂いがだいぶキツいな。
姉さんに倣って鈴蘭のオーラを纏い、穢れを抑えながら進みましょう。

あれがオブリビオン。
戻れない過去が、未来を貪ることは許されない。

小脇に携えた軽機関銃で弾幕を張り、利き手の杖で攻撃を受け流して。
巨人兵の突進は鈴蘭の花吹雪で受け止め、方向感覚を失わせて骸操士へと返しましょう。
現在から奪い取った生命力は、返してもらいますね。

バチリさん、でしたか。
どこにいますか? 何ができますか?

「いま」は、貴方たちのもの。

受け取って下さい、未来を。


木元・杏
生命を頂くのは生きていく上で致し方無いこと
でもそうね、過去に生を終えた者が未来へ続く筈の生を啄むのは少し違う
過去は、過去へと還す

【うさみみメイドさんΩ】
ゾンビ兵は沢山いるから連携行動取られると厄介
メイドさんズ、巨大ゾンビ兵以外の兵達に向かい、近接からパンチ&キック、逃げ足使ってのヒット&アウェイで動きを攪乱し、協力体制を崩していって?
わたしは巨人へ向かい、さあ、来い
背中に背負った幅広の大剣にした灯る陽光からオーラ放出し防御を固め、突進を怪力で真正面から受け止める

…女子力(物理)、舐めるな
そのまま一瞬力を抜き巨人兵の体勢崩しを狙って
ん、そこ
巨体を足場に借りジャンプ
そのみ大剣で一気に叩き斬る



「ヒーローズアースは初めてになりますね。では、行って来ます」
 案内役をつとめるケットシーに一礼し、木元・刀(端の多い障害・f24104)がグリモアベースからヒーローズアースへと転移する。
 UDCアースと似て異なる、多くのヒーローとヴィランが存在する世界は賑やかな世界だ。けれども今回刀がやってきたのは下水道迷宮。
 下水道迷宮となるダストブロンクスにはいくつもの階層があり、ここはバイオモンスターたちの住む地下よりも更に下。
 地上の光は届かないし、新鮮な空気もない。配管を落ちていく水はどこか濁った音を立てていた。
 それでも明かりがあって通気口が繋がっているのは誰かが管理をしているから――。
 魔力で編んだ蝶を放ち刀は周囲を見回す。
 擬態する小ぶりの鈴花と葉を揺らす蝶が警戒に飛んでいくなか、続き木元・杏(シャー・オブ・グローリー・f16565)が到着した。
「刀」
「姉さん」
 膝の浸かる汚水のなか杏が僅かに眉を寄せてオーラを纏った。仄かな桜の香り。
「……匂いがだいぶキツいですよね」
 杏の纏うオーラに倣い、刀も鈴蘭のオーラを纏った。
「行こう、刀」
 シンプルな姉の言葉に刀は頷く。眼差しは強い。
 汚染水が波立っていた。きっとこの先にオブリビオンたちがいるのだろう。
 進むと同時に杏が鈴蘭蝶を追うように、うさみみ付きメイドさん人形のうさみん☆を忍者のように水面を駆けさせていく。

 ――バチリッ!
 電気が弾けるような音が立ち、にぎゅにぎゅと肉塊が蠢く。
 鈴蘭蝶が分かれて敵の居所を刀に知らせる。
「あれがオブリビオン――」
 相手はゾンビであり、そしてゾンビとしての形を成さない肉たち。
 死肉が生まれたばかりだと思われる存在を食べている。
 バチリの声が途絶える光景を目の当たりにした刀の様子を、杏が見遣る。
 突然成長してしまった弟は……杏よりも年上に見えるがやはり年下の弟なのだ。
「生命を頂くのは生きていく上で致し方無いこと」
 でもそうね、と杏が呟く。
「過去に生を終えた者が未来へ続く筈の生を啄むのは少し違う……過去は、過去へと還す」
 終えた時間が受肉する現世界。
 一寸先は分からないというのに、終えた時間は膨大に広がる世界。深さは分からず、少しでも立ち止まってしまえば飲みこまれそうな危うさ。
 歩む人、未来を切り開く人、縋る過去を切り離す猟兵。
 今日もどこかの戦場で猟兵たちが戦っている。
「戻れない過去が、未来を貪ることは許されない」
 そうですよね? と言う刀に杏は頷いて見せた。
「うさみみメイドさんたち、いってらっしゃい」
 杏の放ったうさみみメイドさんΩの人形が107体。ぎゅむっ、むぎゅっと肉の場を踏みつけて人の形をとろうとしたゾンビへその拳を叩きこむ。
「援護します」
 耳を劈く軽快な連音が刀の軽機関銃から放たれ、水飛沫と肉飛沫が上がる。
 射撃による弾幕に感知のみで動いていた呪法骸操士が肉塊から顔を出した。
 巨人型ゾンビ兵を打ちあげようとした肉塊たちをうさみみメイドさんたちが回し蹴りや手刀で叩き飛ばしていく。
 その時、ぎゅむむっと別所の肉が音を響かせた。二か所だ。
「姉さん」
「んむ、こっちは任せて」
 肉たちが我が身を捻って飛ばすのは巨人型ゾンビ兵だ。
「っ」
 刀の鈴蘭蝶たちが形成する魔力を解き、鈴蘭の花吹雪と化した。飛んでくる巨体を厚く渦巻く鈴蘭の吹雪が受け止めて惑わしの流れを作る。
 方向感覚を狂わされた巨人型ゾンビの突進が呪法骸操士ネウィへとぶち当たれば、ぎゃあ! と悲鳴が起きてネウィの脆い骨が砕け散った。
「『現在』から奪い取った生命力は、返してもらいますね」
 ネウィが一体消えれば周辺の肉も消える。肉塊から吐き出されるようにして黒紫色のバチリが汚染水へと落ちた。
「バチリさん?」
 生きているだろうか――刀の繰る鈴蘭蝶が汚染水へと潜ってバチリを掬い上げた。
『バチ……』

 一方、杏。両脚を広くしやや身を屈める。
 捻った半身、肩先へと緩く掲げた手には柄――白銀の光が大剣と変化し背負うようにして構えた。
「さあ、来い」
 肉場が蠢き巨人型ゾンビ兵を弾き出す。
 だん! と重量級のぶつかり合う音が空を叩き振動を起こした。
 肉の洞から『オオォォォオオ!』と発された声を白銀のオーラが掻き消す。
「……女子力、舐めるな」
 呟いた杏が捻った半身を戻すように屈めて一瞬力を抜けば、巨人型ゾンビ兵の体勢が崩れた。
「ん、そこ」
 柄を握った片腕の肘部を軸に肉を抉り、ひらりと巨体に乗り上げた杏が敵を足場にジャンプする。
 背負った大剣を引き抜く動作を遠心に体勢を整えて、重い一撃を振り下ろせばバターのような手応え。
 斬撃に真っ二つにされたゾンビ兵が水飛沫を上げて倒れた。
 オノレ、と儚くも邪悪なネウィの声。新たなゾンビが形成されようとしたその時、水面を雷撃が駆けた。
 バチバチッと空中で光が弾け、汚染顆粒が容易に放電を起こしていることが分かる。
「バチリ……?」
 呼びながら杏が振り向けば、そこには刀と育ったバチリが。黒紫色のおたまじゃくしのようなトカゲのような姿だったバチリは少し大きくなって目を開いていた。
 キラキラとした、杏と同じ金の瞳は雷そのもの。
 かぱりと口を開き、鳴けば軽い放電。
 雷は空気を清浄化してくれる作用がある。
 生き延びたバチリが杏を、猟兵たちを見回した。さいごに目が合った刀が微笑みを返す。
 彼の笑みを見て、バチリが真似して口端を動かした。
「『いま』は、貴方たちのものです」
 受け取って下さい、未来を。
 差し伸べられた助けと差し伸べられた時間。
 新たな生命体がバイオモンスターとして、今ようやく、進みの時に立つことができたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アヤネ・ラグランジェ
【橙翠】
ニューヨークなら僕の故郷なのだけど
ここは知っている場所とは違う
もっと治安がいいんだ
警官がいるし

下水道もこんなに臭くない
たぶん

装備は完璧
ゴーグル付きのガスマスク
手脚は軍隊向けの防水装備
ソヨゴにも貸そう
そして白衣を羽織る
白衣は大学の実験室の習慣だネ
汚れたら洗うから大丈夫
では実験開始
じゃなくて戦闘開始

生まれたての生命を食うというのは生命としては合理的かも知れない
でもオブリビオンのそれは許さない
スナークの創造など必ず食い止めてやる

両手鎌をずるりと引き出し構える

ちょっと数が多いネ
ソヨゴ手分けしようか

UC発動
敵の動きを止めて斬る
バチリを食おうとした動きを察知して押さえつける
それ以上はやらせない


城島・冬青
【橙翠】

うげぇ
環境耐性があるから大丈夫だけど匂いがやだな
アヤネさんは大丈夫ですか?
滑らないよう気をつけて進みましょう
じゃあガスマスク貸して下さい
じゃーん!ガスマスク女子高生
…ところで白衣は格好いいですがここだと汚れるんじゃ?

そこのよくわからない変な肉塊!
その子から離れなさい
私達は、えーと
秘密結社スナーク!のメンバーです!!
ちょっとイントネーションがおかしかったかもしれないけど勢いで押し通す

抜刀しデッド何とかにダッシュ斬りを仕掛ける
はい手分けしましょう
私があのデカい方を何とかするので
アヤネさんは術士を!

UCで喚びだした吸血蛾達で翻弄しつつ
死角から重い一撃を叩き込む

よし
バチリちゃんも私達と戦おう!



 地下を通る配管から異物を含む水の落ちていく音がする。
 下水道迷宮となるダストブロンクスにはいくつもの階層があり、ここはバイオモンスターたちの住む地下よりも更に下。
 地上の光は届かないし新鮮な空気もない。
 それでも明かりが灯され、通気口が繋がっているのは誰かが管理をしているからだろうか。
「けれども、それも最低限のものだネ。……ニューヨークなら僕の故郷なのだけど……ここは知っている場所とは違う」
 ヒーローズアース世界のニューヨークはUDCアースよりもカルチャー文化が激しい。けれども似通った部分があった。アヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)が城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)へ説明をしながら周囲を見回す。
「もっと治安がいいんだ。警官がいるし」
 警官の立ち入らない場所――アースクライシス以降、地上との交流がされ始めたダストブロンクスにも警官は入ってきただろうがそれも上層部分の話だろう。
 冬青はアヤネの言葉を聞きながらも「うぐぅ」とか「うげぇ」とかどっちつかずの声が零れる。
 目に染みるような大気も呼吸も、悪辣な環境に耐えることは出来るのだが……。
「匂いだけはどうにもならないですね。……アヤネさんは大丈夫ですか?」
 グリモアベースからの転移先の環境に、ある程度の覚悟はしてきた猟兵たち。それでも慣れるまでは時間が掛かるのかもしれない。
 冬青がアヤネへと振り向き尋ねれば、アヤネはゴーグル付きのガスマスクを装備し始めているところで。
「ハイ、ソヨゴ」
 当然、冬青のぶんも用意されている。
 口部を握って後ろ頭を周るバンドを伸ばしながら装着してみるとジャストフィット!
「じゃーん! ガスマスク女子高生~」
 どうですか? 似合います?? と冬青が言うので「似合う似合う」とアヤネが応じる。
「あ、でもアヤネさん、白衣は格好いいですがここだと汚れるんじゃ?」
 白衣も羽織るアヤネに冬青が声掛ける。
 膝丈まであるそれは汚水までの距離が結構近い。
「白衣は大学の実験室の習慣だしネ。汚れたら洗うから大丈夫」
 案外、こういう環境下では白衣の方が落ち着くのだろう。
「では実験開始といこう――じゃなくて戦闘開始」
 戦場となる地下場へと踏み込めば、ぎゅむぎゅむ、にぎゅにぎゅと動く肉の音。
 パチッ! と電気が弾けるような音が飲みこまれる。

「そこのよくわからない変な肉塊! その子たちから離れなさい!」
 花髑髏を抜刀する冬青の駆けは大きく三歩分。直ぐに捉えた間合いに刀が振るわれる。
 黒紫色の生命体に覆いかぶさろうとしていた肉塊が斬撃を受け、真っ二つに――否、即座に戻る刃に追撃を受け更に細かくなった。
「私たちは、えーと……」
 何だっけ、という呟きは口の中で。思い出した冬青が声を張る。
「秘密結社スナーク! の、メンバーです!! スナークの名を悪用するのは許しませんよっ」
 肉塊は知性があるのだろう。スナークの名を侵入者たちから聞いてぞわっとした雰囲気を放つ。
 何かに指示を仰ぐような停滞が一瞬。
 ちょっとだけイントネーションがおかしくなった自覚があるぶん、冬青は敵陣の反応に気付き密かに安堵する。
「生まれたての生命を食うというのは生命としては合理的かも知れない。でもオブリビオンのそれは許さない」
 白衣の袖口からずるりと黒影を引きだしながらアヤネが言う。
「スナークの創造など必ず食い止めてやる」
 一度地に落ちた黒影が瞬時に弧を描き一本の大鎌を形成する。その長柄に指と掌を這わせた。
「ちょっと数が多いネ。ソヨゴ、手分けしようか」
「はい! 手分けしましょう。私があのデカい方を何とかするので、アヤネさんは術士を!」
「OK」
 使役しているのは呪法骸操士ネウィだ。
 呪詛の瘴気を纏い始めた肉塊――デッドボディバタリオンへ吸血蛾を向かわせる冬青。
「スカシバちゃんたち、やっちゃって下さい!」
 吹雪く魔力の花弁がそのままオオスカシバへと変化して肉塊の周囲でホバリング。
 肉の弾丸が飛ばされるも左右に振れるようにオオスカシバたちが敵を翻弄し飛行した。
 誘導するオオスカシバの対角へと回りこんだ冬青が重い斬撃を叩きこむ。
 一方、アヤネ。
「UDC形式名称【ウロボロス】術式起動。……かの者の自由を奪え」
 汚染水をスイッと泳ぐ蛇に似た異界の触手。沈んだ肉と肉の隙間から入りこみ、視認した呪法骸操士を捉える。
『アァアアァァ!!』
『バチッ』
 ネウィとバチリの声が被り、敵のゾンビ肉が帯電を始める。
「それ以上はやらせない」
 一本の触手がネウィを叩き、怯んだところを大鎌で刈り取る。
『バチリッ!!』
 助け出されたバチリが鳴いて空振が起きた。
 瞬時に構築された稲妻が戦場を駆け、敵を撃つ。
「な……」
 バリバリ、ドン。文字にするならこうだ。
 雷には空気を清浄する効果があるとされる――汚染顆粒は放電を起こしやすい――連環する化学変化の符がアヤネの脳裏に描かれた。
「よし、バチリちゃんも私たちと戦おう!」
 冬青が言えばバチバチッと元気な鳴き声。
 黒紫色のトカゲのようなバイオモンスターの目が開かれて、金色に輝いている。
 助力して、生きることを良しとされたバチリが世界の時間を歩み出す――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天道・あや
都心の地下に広がる地下迷宮。うーん、浪漫。……現在の状況じゃなきゃ。

この世は弱肉強食と誰かさんが言ったりしたらしいけど、それはあくまで普通の状況ならではの話な訳で……


まあ、つまりあれだ。

ーーこれ以上、未来へと鳴り響く予定の電光は奪わせないぜ!

敵よし!バチリよし!あたしよし……秘密結社スナークの一人!天道・あや!ちょいと一曲歌わせて貰いますぜっ!


下水道て事はそこまでフィールドは幅広くない筈。という事はお相手さんの繰り出すゾンビの集団を繰り出して盾にしようと逃げられる範囲は限られてる


ーー果たしてあたしの曲を聴けずに居られるかな?UC発動!【歌唱、楽器演奏】

地下に響かすぜ、未来へ輝く電光達への一曲!


箒星・仄々
何という非道なのでしょう

未来は命の重みです
未来を創り出していく命を
むざむざ過去の化身に食べさせやしません
バチリさんたちを守り抜きましょう

風の魔力で浮遊
剣を指揮棒のように振り
風の矢の突風でゾンビ肉さんを吹き飛ばし
そのまま炎の矢で焼き払い
水の矢を廃液へ撃ち込み流れを生み出し
バチリさん方の浮かぶ場所を此方へ引き寄せて
水のあぶくで包むようにして保護しましょう

それでも狙ってくる肉さんへ再度魔法の矢を放って排除しつつ
同時に私も前方へと飛び出してバチリさんを庇う位置に

矢の時間差攻撃や
水切りのように水面を反射させたりして
エスケープされないよう頑張ります

どうぞ海へとお還り下さい

鎮魂の調べは
しばしお待ちくださいね


ノイン・フィーバー
心境:
生きるために搾取されるモノもあるのは分かりまス
ですガ。ソレが世界を崩壊させるオブリビオンの糧というのハ
せめテ。こうやって沸く怒りこそが、失われた命へ手向けとならんことヲ

戦闘:
他のメンバーへのサポートも優先(その方が救える命も多そうと判断)
バチリサン達を食おうとする肉塊を優先して攻撃。
また、宇宙バイクを浮遊させておくので、たこサメさんサポートの元バチリサン達を可能な範囲で回収・避難

UC

「出来の悪い映画のような光景を用意したのでス。出来の悪い映画のように食われ散ラかされナさイ」

呼び出すサメ達の武器は今回は比較的簡素。
ゾンビ軍団や巨人の肉を喰らい散らかす方向性で。

連携等おまかせ!



 地下を通る配管から異物の物音。
 渇いた音は廃棄物だろうか、したたり落ちる水の音など様々な音が響いている。
 下水道迷宮となるダストブロンクスにはいくつもの階層があるようで、ここはバイオモンスターたちの住む地下よりも更に下だ。
 ここでは地上の光は届かないし、新鮮な空気もなく、それでも場を灯す電気があって通気口から風吹くのは誰かが管理をしているから――。
「ヒーローズアースのニューヨーク……都心の地下に広がる地下迷宮。うーん、浪漫だね」
 どこに続くか分からない階段、地上と繋がる出入口はマンホールだったりするのだろう。
 迷宮というからにはマッピングも必須。
「現在の状況じゃなきゃな~」
 天道・あや(目指すぜ!皆の夢未来への道照らす一番星!・f12190)が顎に手をやり、周囲をちろっと見回す。
「逃げ込む悪人を迎え撃つのハ地下に住むバイオモンスター化したヒーローたちだった――いやぁ下水道迷宮、浪漫ですよネ」
 うんうんとノイン・フィーバー(テレビ顔のメカ野郎・f03434)も頷きを返す。
 どんなバイオモンスターがいるのだろう。下水道といえば、カメやネズミ。もしかしたら黒光りなアイツが化学進化したヒーローもいたりするのかもしれない。
 今、化学進化しようとする存在が生まれ、蹂躙されている。
 膝にまで届きそうな汚染水の中を進む猟兵たち。
 ただ箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は完全に沈んでしまうので風の魔力で自身を浮遊させている。
 汚染水が異様に波打ち始めたことに気付いた仄々が炎を繰り場を明るく照らした。
 地下の光とは別の生きた光に反応するのは融けたゾンビ肉たち。
 むぎゅむぎゅ、にぎゅにぎゅと蠢く肉塊の中では、今回の黒幕――オブリビオンの力によって反応し生み出された生命体が食べられているのだろう。
「……何という非道なのでしょう」
 仄々が悲痛な声を零した。
「未来は命の重みです。未来を創り出していく命を、むざむざ過去の化身に食べさせやしません」
 カッツェンナーゲルの刀身をあらわにして振るえば、仄々の身の内から放たれた魔力と世界の力が結び始める。
「バチリさんたちを守り抜きます……!」
『バチッ』
 鳴き声が聞こえて剣先をそちらへと向ければ即座に風の矢が飛んでいく。鋭い風はバチリを避け、覆いかぶさろうとしていた死肉を刻み吹き飛ばした。
 両刃細身の魔法剣を指揮棒のように振るった仄々が次に奏でさせるのは炎。
 翠と緋の連なる彩りは五線譜みたいだ。
 そこに本物の音を乗せるのは、あや。想い魂を世界へと響きかせる七色の輝きがギターの形をとる。
「この世は弱肉強食と誰かさんが言ったりしたらしいけど、それはあくまで普通の状況ならではの話なワケで……」
 まあ、つまりあれだ。
 続き呟いて七色のピックで弦を弾けば音符が彩る。
「敵よし! バチリよし! あたしよし……――あたしこそは秘密結社スナークの一人! 天道・あや!」
 スナークの名がバチリにとって恐怖とならぬように。
 明るく溌剌と宣言するあやの指が弦をかき鳴らした。
「ちょいと一曲歌わせて貰いますぜっ!」
 ――果たしてあたしの曲を聴けずに居られるかな?
 放たれる音符が肉塊に当たれば音が鳴る。あや自身が奏でる確実なメロディラインに、音符の不規則なアップテンポが続けば軽快な音色になる。
 それは未来への歩み。
 夢へのステップ。
 生まれたばかりの生命体へ聴かせる、希望の音色。
 仄々が剣を振るえば水の矢が飛沫を上げて廃液に流れを生み出した。
『バチッ』
 放電のような声が上がって、黒紫色の生命体が水のあぶくに包まれた。飲みこまんとしていた肉塊が一瞬阻まれる。
 そこへタコの触手が伸びてきて、ノインのブーストスライガーにたこサメがバチリを乗せて保護した。
 空中に向かったバチリが少しずつ帯電を始める。
『バチ……』
 とくとくどくどくと空気が振動する――放電の前兆。ぱちりと開かれた目は金色で、揺らめくそれはまさしく雷の色。
(「生きるために搾取されるモノがあるのは分かりまス」)
 あやが言ったように弱肉強食というものがある。
 だが、ノインもまた思うのだ。
 それが骸の海という過去の時間が受肉した――世界を崩壊させるオブリビオンの糧というのは――。
 仄々が言ったのだ、むざむざ過去の化身に食べさせやしないと。
(「せめテ。こうやって沸く怒りこそが、失われた命へ手向けとならんことヲ」)
 誰にともなく告げるような言葉を胸にして、ノインが指を鳴らす。
 ノインのヒーローマスク(レトロなテレビ)に外付けしたDVDデッキが読み込み、Z-Class-SF-Exhibitionが戦場へと放たれる。
 つぶらな瞳を持つ獰猛なハンター、サメの強靭な顎と歯とトラバサミを持つ尾がゾンビ肉たちを食い散らかしていく。
「出来の悪い映画のような光景を用意したのでス。出来の悪い映画のように食われ散ラかされナさイ」
 捨て駒にされる雑兵ゾンビたちは勿論、肉鎧を散らされあらわになった呪法骸操士を噛み砕けば骨が散乱し、バチリを襲う周囲の肉群が消える。
 仄々の魔法の矢が水を跳ねさせて呪法骸操士の視界を奪う。
 あやの音楽が下水道内で反響し、肉を叩く。
 敵肉を捉え喰い散らかすのはサメたちだ。
「地下に響かすぜ、未来へ輝く電光達への一曲!」
 あやのロックな声にバチリが鼓舞された。
 たこサメに保護された三体のバチリが稲妻を放ち、バリバリリッ! と落とした。
 一瞬の放電が汚染された空気を清浄化させて熱がゾンビ肉を焼く。
 死肉が焼けていくなか仄々が蒼の魔力矢を操り、水のあぶくで肉塊を覆う。
「どうぞ海へとお還り下さい」
 ピッを振るわれ続けていた細剣が止まる。
 終曲に五線譜のような彩も、音符も、指揮に応じて余韻なく切られて、パチパチと雷気の弾ける音が場に残った。
『バチリッ』
 元気な鳴き声がひとつ、ふたつと上がる。
 救われた『時間』で生きることを宣言するように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ライジン・ガール』

POW   :    落雷
【落雷】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【が雷を帯び】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    放電
レベル分の1秒で【電撃】を発射できる。
WIZ   :    迸る雷鳴
【超高圧の電流】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 数体のバチリが救い出されて成長していく。
 トカゲのような黒紫色の体は時に光を内包していて、テカテカと光っている。
 汚染された水と、空気と、そしてオブリビオンの力で生み出されたバイオモンスター・バチリ。
『バチバチ!』
『バチリッ』
 たぶん単純に鳴き声から付けられたのであろう名前は、いつかそれぞれの個体が違った名前を持つのだろう。
 先程の戦闘で見せてくれた雷の力。
 汚染された空気は雷を発しやすいというが、雷もまた起これば空気を清浄化する力がある。
 彼らは下水道迷宮をどうにかしていける存在となるのではないか?
 そんな予測をする猟兵たちであったが、敵はゆっくりとは考えさせてくれない。

 パチパチと雷を纏うライジン・ガール。
 彼女の基幹は雷神の力であり、そして汚染を拡げる猟書家幹部としての力を持っている。
 ライジン・ガールの雷は清浄化を促すものではなく、汚染させるものだ。生まれたばかりのバチリとは似て異なる力。
 穢れた神の力を使うライジン・ガールの攻撃は、毒を含むものと思ってもいいだろう。

 生き残ったバチリたちが集まって雷の障壁を作り上げた。
 攻撃と防御――障壁は一体であれば、盾ほどのものを構築してくれるだろう。故にバチリを共にし、猟兵の合図と共に敵の雷撃を防ぐ戦法もとれる。

 雷気の迸る下水道迷宮にて、猟兵たちはライジン・ガールへと戦いを仕掛けはじめた。
箒星・仄々
バチリさん方の抗う意思に感動です

共に戦い
今を生きる命が未来を創り上げていくことを
思い知らせましょう

竪琴を奏で魔力の矢

水の矢を避雷針として電流をいなし
更にバチリさんの雷の盾で防御

電流を放った後は
必ず一拍の間があるはず

その機に魔力の矢で一斉攻撃です

直接体内へ撃ち込んだり
周囲に漂う残滓が
炎のプラズマで雷のそれを中和し
水で漏電を誘い
風で空気をかき回し電荷の蓄積を弱め
力を削ぎます

十分にガールさんの力が弱りましたら
束ねた三魔力の矢にバチリさんに搭乗してもらいます
(お嫌でなければ

緋蒼翠の軌跡を描いて突き刺さり
バチリさんの浄化の雷でガールさんを還します

終幕
鎮魂の調べ

これから生を楽しんでくださいね
>バチリさん



「バチリさん」
 魔力でふわり浮く箒星・仄々がバチリの手をきゅっと握って声を掛ける。
 まだ世界を知らぬバチリが無垢な目で見上げてきて、仄々はにこっと笑ってみせた。
「共に戦い、今を生きる命が未来を創り上げていくことを、あの方に思い知らせましょう」
 バチリの体がトカゲ型だからか、触れた仄々の肉球は少し冷たくなっていた。手を離して懐中時計のボタンを押した仄々はカッツェンリートを手にする。
 同時に仲間のロックな音楽がスタートして、叩くビートを底から支えるような弦の音色を。
 爪弾けば緋、蒼、翠の魔力の矢が放たれた。
 ライジン・ガールの耳を劈く超高圧な電流が虚空を駆けて仄々の毛を逆立たせ、雷鳴が下水道迷宮を揺るがす。
「バチリさん!」
『バチッ』
 仄々の呼び声に応じてバチリが雷の盾を展開する。
 バリバリッと光が弾けるのを見た仄々は咄嗟に水の矢を急上昇させた。
 水の矢を受けて削がれる雷気。竪琴の音と共に敵の力を矢に伝わせて分散――光の奔流を散らしていく。
 バチリの雷の盾と仄々の細やかな魔力矢の扱いは全てが奔流に覆われていて、彼らの対処にライジン・ガールは気付いていない。
 雷鳴を放った一拍――そこに仄々は目を付けた。
 弦に触れる指を流し、音色を一転させる。
 炎の矢が駆け巡れば空中で発生しているプラズマが変化する。重力に捕らわれぬ魔力の矢は雷気を受けて煌々とした輝きに。
 ライジン・ガールへと向かった水の矢は射貫く最中に敵の力を誘い、削いでいく。
 共にゆく風の矢は空気をかき回して電荷の蓄積を弱めていった――様々な化学変化が仄々の音色と矢たちによって戦場に現れた。
 一定の状態などない、七色の変化を呼び起こす魔力の矢たちの色を繊細な音色が合わせていけば、白へと変化した。
 色光の三原色の矢にバチリが乗せられる。
『?』
「バチリさん、生きるのはとても楽しいことです。まずは一撃、ライジン・ガールに浴びせて生の謳歌を始めましょう」
 ポロンポロンと奏でられる音楽に合わせて『バチリ♪』とバチリが鳴いた。
 その声は感情が込められた弾み。歌の一声。
 白の矢はバチリを乗せて、緋蒼翠の軌跡を描きライジン・ガールへと飛んでいく。
「今です!」
『バチバチーーッ』
 仄々の魔力の矢がライジン・ガールを射貫き、バチリの雷撃がオブリビオンに叩きこまれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノイン・フィーバー
連携等お任せ

「バヂリさんと我々が手を組めば、この程度の敵に負ける理由はありマせンっ」

と、頭の上にバチリさんを乗っけて駆けまわって射撃することで、敵を攪乱して他メンバーへの被害を減らす。
この辺でUCも使用したい

・避けきれないと察した時
バヂリさんにバリアを張ってもらう。
もしバリアの許容量を超えていた場合は、バリアを割られる寸前に、バヂリさんをさっとたこサメさんの方へ放って攻撃は自分で受ける

しっかり頭がアフロになってるしやられエフェクトは骨スケスケ

UC:
リモコンをポチっとして倍速モードへ
命中しかけた雷を振り切り、スピードを活かした飛び蹴りして、体勢を崩したところに全弾叩きこむ流れ
がやれるといいなぁ



「さあ、行きますよバチリサン♪」
『?』
 ノイン・フィーバーはブーストスライガーに乗っていたバチリを掬い上げると、自身の頭――テレビの上にバチリを乗せた。
『バチ♪』
 テレビの上部は平らとなっていて案外居心地が良かったりする。ぺたぺたとバチリの手が落ち着く場所を探している。
「バチリサンと我々が手を組めば、この程度の敵に負ける理由はありマせンっ」
 言うと同時に駆け、アームドフォート・typeGによる射撃。
 耳を劈く軽快な機関銃の連音が下水道迷宮に響き渡る。銃口は飛び回るライジン・ガールを常に追い、合わせるノインが都度トリッキーに体の向きを変える。
 撃ちこまれる弾丸に削がれていくライジン・ガールの雷気。
 鬱陶しいとばかりに敵からの電撃が放たれるも、電流を感じ取ったバチリが瞬時に雷の盾を張って弾く。
「ナイスアシスト!」
『バチィ!』
 ノインが手を掲げれば、ぺちりとした感触。
 続く電撃もいなしていくバチリ。
「フフフ、負けてられませんネ」
 リモコンをぽちっと押したノインのテレビからキュルキュルという音がし始める。
『バチ?』
 不思議に思ったのか、ぺたしぺたしと頭を叩くバチリ。
「ふふふ。キュルキュルとイう音がワタシを誘いますヨ。……最近の子は知らないのでしょうネー」
 ちょっと遠い目になりつつ、生まれたバチリに超倍速モードを教えるように。
 早送りモードとなったノインは向かってくる雷撃を振り切って跳躍した。慣性の法則に従い吹っ飛んだバチリをたこサメの腕がキャッチした。
「とゥッ!」
 早送りモードのノインは残像使いだ。その鮮やかな軌跡はあっという間にライジン・ガールの元に到達し、飛び蹴りを放った様が残っている。
 この時にノインは既に引鉄を弾き、機銃掃射へと移行している。対し、体勢の崩れる敵はスローモーションのように。
 時の差が射撃の命中精度を底上げする。
 撃たれ弾かれたライジン・ガール――三拍遅れて機関銃の音。バチリが片手で再生ボタンを押せばノインの動きと音がフッと合わさった。
 ――ッ。
 敵が全身から電撃を迸らせた。
 その量は今までの比ではない。
 放電と集束された稲妻の如き電撃がノインへと直撃する。
「あアーーーっッ!?」
 テレビに雷は天敵である。バチバチッとテレビ画面を明滅させて、パワードスーツ兼宇宙服兼パイロットスーツがノインの状態を透過する――そう、ノインの骨格が露わになったのだ。
 まるでレトロなアニメーション。
『バチーーッ! ……? バチリッ♪』
 最初こそ心配そうに声を上げたバチリもノインの華麗なやられっぷりに魅入られてしまったようで、たこサメの腕の中で喜びの声。何だかレトロ番組が好きになりそうな感じだ。
 えいっと、追撃をかけるライジン・ガールの一撃は、再びビビビッと感電したノインの反応を面白がっている節がある。
 ところどころが焦げたノインの頭にもしっかりと焦げ付いたキシキシなアフロ。
 焼きタコになる可能性があるのでたこサメが心配そうにしながらも回遊するのだが、どう見ても獲物を狙っている最中の回りにしか見えなかった。

 あとで自分もやってみよう、とかバチリは思ったとか思わなかったとか――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天道・あや
おー、おー。こりゃまた派手にバチバチっと輝いてますなぁ!流石、ライジン……!

けど、こっちも輝き具合じゃ負けてないぜ!

あたしの夢の輝き!そしてバチリ達の命の輝き!合わせればyouとも互角……いや、それ以上の輝きになる!…というわけで、行こうぜ、バチリ。あたし達、猟兵、いや、スナークが手助けするぜ!


ーー右よし!左よし!猟書家よし!


ミュージック、スタート!!



あたしのやるべき事は一つ!バチリ達の攻撃サポート!

という訳でバチリ達に注意が向かないように相手を【挑発】!


放たれる落雷に耐える!ひたすら耐える!【激痛耐性、限界突破】……これで相手の注意は引けてる筈

それじゃ




ーー痺れる一撃、頼んだぜバチリ!!



「おー、おー。こりゃまた派手にバチバチっと輝いてますなぁ! 流石、ライジン……!」
 虹色に輝くギターはそのままに、天道・あやがニッと笑む。
 迸る雷気を纏う――否、雷そのもののライジン・ガールは仄暗い下水道迷宮をその身で煌々と照らす。
「けど、こっちも輝き具合じゃ負けてないぜ!」
 人差し指を親指を立て、銃の真似ごとを。あやが示したライジン・ガールの胸を撃ち抜く振りをする。
 臨戦態勢は十分だ。バチリも尻尾をぶんぶんと振り、あやの動きを真似してばきゅん。
 ね! という風に目と目があった。
 だがライジン・ガールにとってバチリたちは力の糧。
 容赦なき放電を、応戦し防ぐのはバチリの雷の壁。同じでありながら異なる意志が耳を劈く雷鳴を轟かす。
 七色のピックを持ち、あやがオブリビオンへと告げる。
「あたしの夢の輝き! そしてバチリ達の命の輝き! 合わせればyouとも互角……いや、それ以上の輝きになる!」
 どこかリズムをとるあやの声音に少しずつ学んできたのか、バチリが『バチィッ♪』と声を弾ませた。
「――というわけだ、行こうぜ、バチリ。あたし達、猟兵、いや、スナークが手助けするぜ!」
『バチバチ~ッ!』
「右よし!」
『バチッ!』
「左よし! ――猟書家よし!」
 腕を振るえば摘んだピックが弦をかき鳴らす。

 ミュージック、スタート!!

 雷鳴のように激しく、聴けば痺れる思いを込めた演奏があやから放たれた。
 ロックなビートの底を支えるのは仲間の厚みのある竪琴の音色。
 仲間の弦音が弾めば、あやの音が高らかにジャンプする。
 雷鳴をもかき消す音の奔流にライジン・ガールが負けじと雷を落とした。
 落雷が下水道迷宮を揺るがし、水面に残った電撃が駆ける。
(「ッ!」)
 脚から伝わる雷の痺れも、灼けつく熱も、骨まで届く激痛も。
 あやは我が身に降りかかったすべてを音色へと昇華させていく。
 痺れによって震えた弦音はアドリブへの旋律に、痛みなんぞ振り切ってヴィヴァーチェのように駆け抜ける。
 途絶えるどころか加速する音楽にライジン・ガールは戸惑いを隠せない。
 注意を惹けば、
(「こっちのものだぜ!」)
 相手が気になるであろう、雲隠れを招くような低く駆ける奏で。
 溜めに溜め切ったその瞬間、弦が鋭く弾かれた。
「――痺れる一撃、頼んだぜバチリ!!」
 あやの音と張った声に呼応し、同じく力を溜めに溜めたバチリたちが一斉に電撃を四方から放つ。
『!』
 バリリッ! バチバチバチバチッッ!!
 雷と雷がぶつかり合う衝撃に空振が発生して、まるで地震がきたかのように迷宮内を揺らした。
 鼓膜と鼓動を叩くビートは歓声が一気に起きたかのよう。
 激しい雷鳴のあとには光と音の残響――生み出した生命からの攻撃に、ライジン・ガールの一部が消し飛んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アヤネ・ラグランジェ
【橙翠】
ふーむ
あっちも放電こっちも放電
バチリは電撃に耐性があるから彼らを盾にして戦うのが有効だネ
実際相手の攻撃をバチリの影に隠れてやり過ごして見せて協力をお願いしよう
じゃあ僕の左手にくっついてもらってバチリシールド!
ソヨゴにもくっついてあげて

では反撃といこう
PhantomPainを右手に持つ
敵の攻撃のタイミングを見計らって先制攻撃
できるだけソヨゴが狙われないように牽制する

ソヨゴの周囲にUC展開して防御させる

電脳ゴーグルをスコープと連動させ敵の弱点を探る
この手合いは頭狙っても平気だったりするから困る
なんとか解析して弱点らしい場所を見つけたらソヨゴに知らせる


城島・冬青
【橙翠】

バチリちゃんがキラキラ光ってる!
全員を救うことは出来なかったのは残念だけど…
でも安心するのはまだ先ですね
アヤネさん、あいつめちゃくちゃ眩しい!
バチリちゃんの雷とは違ったギラギラ感…
おまけに毒で雷とか有りですか?!なんかずるいなぁ
盾にするって案はちょっとアレですが…なるほど耐性のあるバシリちゃんなら電撃を軽減できますね
バシリちゃん大丈夫?
無理はさせないからよろしくね

夜歩くを発動!
地面に触れないようダッシュと飛行能力を駆使して落雷を避ける
そのまま迷宮内を駆け抜け死角から衝撃波をライジンガールに叩き込む!
雷で体力回復はさせないから!と地面から引き剥がし
ありったけの力を込めて斬りつけます!



「バチリちゃんたちがキラキラ光ってる!」
 大きくなってきたバチリは光を内包し、個体のやる気によってその光度が違っている。
 城島・冬青は刹那にできた仲間たちを見て、そしてオブリビオンの糧となってであろう、救えなかった生命を想う。
(「全員を救うことは出来なかったのは残念だけど……」)
 数体のバチリたちを助けられることが出来て良かった――と。
 だが、安心するにはまだ早い。
 元凶であるライジン・ガールへと対峙する冬青。
「アヤネさん、あいつめちゃくちゃ眩しいですね。バチリちゃんの雷とは違ったギラギラ感が……」
「やはり個体差って出るんだろうネ。……ふーむ、あっちも放電こっちも放電――」
 考えながら戦場となるこの場を見回すアヤネ・ラグランジェ。
「バチリは電撃に耐性があるようだから、彼らを盾にして戦うのが有効かもネ」
『バチ?』
 鳴いたバチリがアヤネを見上げてくる。
「うっ、バチリちゃんたちやる気満々ですね。盾にするって案はちょっとアレですが……耐性があるというのなら敵の電撃を軽減できますね」
 なるほど、と頷く冬青は「バチリちゃん大丈夫?」と尋ねる。
『バチリ!』
 やるぜ! という風にバチリが鳴いた。
「うん、無理はさせないからよろしくね」

 PhantomPainを持ち、アヤネがなぎ払うような軌跡を残す掃射を始める。
 狙いは敵の牽制だ。
 飛び回るライジン・ガールのルートを絞り込み、かつ、上へと行かないように。
 下水道迷宮では尽きぬ雷鳴、そして仲間のロックな音楽が響き渡っている。
 ライジン・ガールから無差別に放たれる超高圧の電流が壁や場を浸す廃液を叩き、それは猟兵たちにも向かった。
『バチッ!』
 アヤネの左手にくっついたバチリが駆ける敵の雷気を察知し瞬時に防御壁を張る。
「その調子だネ」
 熱と光が奔流する下水道迷宮。時折光を目くらましに使ってくる敵を相手に、視界を確保し続けるのは電脳ゴーグルを備えるアヤネだ。
「ソヨゴ! 降りていく!」
 天井部を塞がれたライジン・ガールの降下に、滑らかな黒蘭の花弁を纏った冬青が踵を返すように天井を蹴った。加速のための動きだ。
 雲のように雷が集束する地点を抜けると落雷が追ってくる。
 そんな冬青の背後を守るのはバチリが展開した雷の盾であった。敵の落雷を弾けば、その衝撃を利用して冬青が僅かに方向転換する。
 ライジン・ガールの斜め下――死角へと飛びこみ、一刀。
 敵の腰元を狙い上段へ薙がれた刃が斬り払った光を散らす。
 ありったけの力をこめた一撃がライジン・ガールを虚空へと斬り飛ばした。
 キッと敵が向き直った瞬間にはアヤネの小型機械兵器たちが冬青とライジン・ガールの間に割り込んだ。
 間合いから抜け、再び夜歩くで音速の駆けを披露する冬青。
「この手合いは頭狙っても平気だったりするから困るネ」
 スコープで敵の挙動を見るアヤネが呟いた。雷の集合体とでもいうべきか。
 時にバレリーナのように舞い、時に力強い跳躍。
 弱点として上げるのなら跳躍後に隙が多い。そして猟兵の一撃は確かに相手の力を削いでいる。
「ソヨゴ、敵ルートを絞る。接敵時に三手、稼ごう」
「はい!」
 恐らくは手数が戦闘短縮の道。
 仲間たちの挙動も捉え、二人は敵に攻撃の手を与えぬ連携をとっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木元・杏
刀(f24104)と
ん、わたし達は秘密結社スナークのミートディヴィジョン担当
バチリの皆と一緒にあなたを倒す

バチリの皆、サポートをお願い
自分の未来は自分の力で守ろう
(バチリ達にオーラ防御を施し

雷撃は刀とバチリ達の守りにお任せ
【鎌鼬】
こぼした雷撃の的になるように懐刀をライジン・ガールへ投げると同時に、ゴム製長靴はいたうさみん☆と共にライジンにダッシュ

走りながらうさみん☆をぶんと投げて先行させ
ん、うさみん☆、ライジンの顔面目掛けてキック

雷に直接足が当たっても大丈夫
なぜなら、ゴムは雷を通さない

無事倒せばバチリの皆にお礼と励ましを
これからはあなた達だけの力で未来を守る事が増えていく
がんばって


木元・刀
姉さん(f16565)と一緒に。

バチリさん、無事でよかった。
さあ、一緒に行きましょう。(鈴蘭蝶を護衛に飛ばし)

ええ我々は、秘密結社スナーク、ミートディヴィジョンです。
ミートには、出会いという意味と……(コホン)……ね?(微笑)

突っ込んでいく姉さんを援護。
足元の汚水をクライシスゾーンで操り、竜巻として制御下に置き。

え、ゴムだから大丈夫?
いやいやいやいや! 姉さん、ちゃんと避けようよ!
落雷のエネルギーは、竜巻に包んで超次元へ逸らして。

さあ、うさみん☆さん。
ライジン・ガールが撒き散らす汚染は、残さずお掃除です。

バチリさんに、鈴蘭を一輪お渡しして。
ここが貴方たちの故郷です。
綺麗にしなきゃですね。



「バチリさん、無事でよかった」
『バチッ!』
 木元・刀の声に元気な声で応じるバチリ。
 生命を起こすきっかけになったとはいえ、訪れたのはオブリビオン。世界の絶対的な悪に警戒するバチリの頭にぽんと手を当て、刀は魔力を紡いで鈴蘭蝶を飛ばした。
「ん、わたしたちは秘密結社スナークのミートディヴィジョン担当。これからはバチリたちもディヴィジョンの一員。――バチリの皆と一緒にあなたを倒す」
 キリリとした木元・杏が最後、ライジン・ガールを見据えてそう告げる。
「ええ我々は、秘密結社スナーク、ミートディヴィジョンです……ミートには、出会いという意味と……」
 ミートには出会いという意味と? 不思議そうな顔になるバチリ。
 こほんと軽く咳払いをした刀が微笑する。
「刀。解説すると、結果、滑る」
 だめ、という杏に、えぇ? と刀は戸惑いの表情だ。
「わたしたちのディヴィジョンにくれば分かる」
 歓迎会があるとしたら、きっと肉々しいものだ。
「勝って、生きて、美味しいものを食べて」
 きっと幸せになるから、と、杏。
 まだ食欲を知らぬバチリたち。きっと成長している今、気付かないまま腹も空いているに違いない。
 杏の纏っている白銀の光がバチリたちを覆っていく。
「バチリたち、サポートをお願い。自分の未来は自分の力で守ろう」
 そう言って杏は駆けだした。

 廃液となり汚水となった下水道迷宮を浸す戦場にて。
 無機物がたくさんあるなか、それらを利用すべくクライシスゾーンを展開する刀。超次元の竜巻が場に発生し、繰れば更に加速して無機物を吸収していく。
 うさみん☆を思いっきり投げる杏。
「ん、うさみん☆、ライジンの顔面目掛けてキック」
 繰れば虚空でくるりと回転したうさみん☆が敵の顔面に飛び蹴り。
 軽やかでありながら、軽くはない一撃に「バチッ!」と敵の雷塊が蹴り抜かれて光が散った。
 雷の集合体でもあるライジン・ガールからの熱や迸る電撃はうさみん☆に伝わることは無い。秘密兵器・ゴム製長靴をはいていたからだ。
 そのまま敵にくっつけた足を軸に変えて、回し蹴り。
『ッ!』 
 猟兵たちの奏でるロックを切り裂くように迸る雷鳴。続け数多に放たれるのは敵の電撃だ。
 光と熱、音の奔流をものともせずうさみん☆を繰って駆ける杏は勇ましい。
「いやいやいやいや! 姉さん、ちゃんと避けようよ!」
 思わずといった刀のツッコミ。バチリが雷の障壁を一瞬展開させて、規模の大きな敵の攻撃から杏を守る。
「避ける……?」
 一応杏の中の辞書にもあるのだろうが、たまに消えてる時もある。今日は刀とバチリがいるのだ。
 避けるとは、と、思い浮かべた杏が懐刀を放てば避雷針替わりとなったそれが電撃に撃たれた。
 落雷の数筋が逸れたとはいえ、雲のように集束した雷気の塊が天井付近にある。ライジン・ガールが起こす昇雷からの落雷。
 下部を細く、上部をぐわっと広げた竜巻を操って刀が雷気を引き込んでいく。
「さあ、うさみん☆さん。ライジン・ガールが撒き散らす汚染は、残さずお掃除です」
 動きを阻害する汚水が少なくなり、駆けやすくなったうさみん☆が跳躍し鋭い蹴撃を放てば繋がった昇雷が途切れた。敵の一部であろう雷塊を吸収する刀の竜巻。
 続く猟兵たちの攻撃に、うさみん☆が敵胴を踏み込む連撃。
 叩くような攻撃はある瞬間、すっぽ抜けた。ライジン・ガールに風穴があいたのだ。
「!」
 杏が咄嗟に糸を引けば、うさみん☆が空を飛ぶ。
 ――その真下では光が爆発し、骸の海へと還っていくライジン・ガールの姿があった。


 ライジン・ガール。そして猟兵たちが来る前に糧となってしまったバチリたちへ鎮魂の調べが送られる。
 生き残ったバチリたちに別れを告げる猟兵たち。
「皆、ありがとう」
 どこかぺちょんとしたバチリの手を取り、杏が礼を言う。
『バチ?』
『パチット?』
 ちょっとずつ変化していく彼らの言葉はきっと学んでいるから。
『パチットー』
 ありがとうの意味を体感し、それを伝えるバチリたち。杏は微笑む。
「これからはあなたたちだけの力で未来を守ることが、きっと増えていく。がんばって――」
 取った手を揺らして激励を。
 バチリへ一輪の鈴蘭を渡す刀。
 繊細な生花――その感触は柔らかく、滑らかで、不思議そうにバチリたちが受け取る。
「ここが貴方たちの故郷です。下水道迷宮、綺麗にしなきゃですね」
 少しずつ、少しずつ。
 環境を整えるバチリたちの力はきっとこれからの力になる。ここに住むヒーローズアースの者、バイオモンスターたちは環境に耐え、変化させる力があるのだ。

 手を振って去って行く猟兵たちにバチリたちも手を振り返した。
 ばいばい。
 またね。
 いろんな感情を知った彼らは、同じ言葉を、心を、いなくなってしまった同胞たちにも送ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月23日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ヒーローズアース
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
🔒
#ケイオス・スナーク
🔒
#バイオモンスター
🔒
#ダストブロンクス


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニィ・ハンブルビーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト