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宇宙の果てまで大乱闘!

#スペースシップワールド #猟書家の侵攻 #猟書家 #ドクトル・アメジスト #電脳魔術士

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#スペースシップワールド
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#電脳魔術士


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●迷惑な隣人もたまには
 ダ! ダン! ダ! ダン! ダン!
 ダン! ダ! ダ! ダン! ダンッ! ダン! ダン!
「はーいはーいなんだよーもう、うるさいなー」
 自室のドアをドンドカ叩かれ、寝覚めの悪いアニラは不機嫌そうに応対する。そこには隣室の友人が血相を変えて立っていた。
「大変だよアニラ! この船のメインコンピューターが!」
「あーはいはい、また臍を曲げてるのねー。ちょっと待って、今着替えて――」
「そんなことしてる場合じゃないよ! 早く!」
「あ、ちょっ……」
 アニラはパジャマの袖を引っ張られながらコンピュータールームへと連れられた。

「わーお、ハッキング受けてるや」
 確かに友人の言う通り、着替えている場合ではなさそうだった。ハッキングは着々と進み、変なプログラムのインストールを示す進捗ゲージがどんどん伸びている。
「集中するから、ちょっと部屋から出てて」
「わかった」
 友人をコンピュータールームから追い出し、ディスプレイに向き合うアニラ。
「止められるかな、これ……」
 電脳キーボードを呼び出し、ひたすらコマンドを叩き込んでいくアニラだったが、進捗バーの伸びは一向に収まる気配なく。
 100%に達した時、アニラの意識は電脳世界に吸い込まれていくのだった。

●スペースシップワールド・11thラウンド
 力を溜めた猟書家、もしくは意志を継ぐオブリビオンが動き出そうとしていた。春の虫じゃあるまいし。迷惑な話だ。
「猟書家が動き出してきました! 今回はスペースシップワールドでの事件です!」
 世界の命運を賭けた最終決戦が続く中、ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)が視る予知は、骸は骸でも骸の月にまつわる猟書家の事件。
「ある船でコンピューターのメンテナンスを担当している電脳魔術士のアニラさんという方が、意識不明に陥るという悪夢を見てしまいました! その原因は、猟書家の意志を継ぐオブリビオン『スカルゲーテ・ソヴェリン』による『呪いのオンラインゲーム』のインストールであることがわかっています!」
 電脳空間に流し込まれた呪いのオンラインゲームは電脳魔術士の魂を取り込み、ゲームの中で殺すことで現実でも死に至らしめてしまうという凶悪なものだ。
「この事件の解決方法は、皆さんがその呪いのオンラインゲームに入って、ステージをクリアしながら元凶のオブリビオンを倒せばいい、というわかりやすいものなのですが、なんと、呪いのオンラインゲームの中ではユーベルコードが全く使えなくなってしまっています!」
 ユーベルコードがなくとも一般人よりは強いだろうが、オブリビオン相手となれば苦戦を強いられるに違いない。何か打つ手はないのか、と固唾を飲んで見守る猟兵達。
「しかし、先に魂を取り込まれてしまったアニラさんにユーベルコードを回数制限付きながら使用可能にするチートコードを打ち込んでもらえば、呪いのオンラインゲームの中でも普通に戦えるようになるかと思います! それを使って迫り来る敵をどんどん倒していきましょう!」
 今回の呪いのオンラインゲームは、質の低そうな3Dポリゴンの敵が次から次へと降ってくるというもので、それを殴る蹴る等々でびしばし吹っ飛ばしていくと、最後にボスとなるオブリビオンが現れるらしい。
「大きな戦いの後というのは色々なことが起こって油断なりませんが、猟書家についても注意していかなければなりませんね! それでは、皆さんの参加をお待ちしています!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 今こそこのネタをやる時という気がしました。

●フラグメント詳細
 第1章:冒険『呪いのオンラインゲームをクリアせよ』
 ステージは広くて平坦な浮島に、小さな浮き足場が3つほど。
 足場は跳んで乗る他、下からすり抜けて上ることも、上からすり抜けて降りることもできます。
 敵はスペースシップワールドに住む種族を模した相手のようですが、ポリゴンが荒くて判別があまりつかないかもしれません。
 敵は殴ると吹っ飛びます。左右に投げ飛ばしてもいいし、空に飛ばして星に変えてもいいし、浮島の下につき落としてもいいです。暴れましょう。

 第2章:ボス戦『スカルゲーテ・ソヴェリン』
 ボス戦です。ステージは平坦ですが浮き足場が無くなります。
 ボスは殴っても吹っ飛びません。HPを削るイメージでボコボコ殴りましょう。
 攻撃で怯ませることはできなさそうです。拘束してもそのままゴリゴリ動いてきます。
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第1章 冒険 『呪いのオンラインゲームをクリアせよ』

POW   :    困難な状況に対して正面から挑戦し、その困難を打ち砕きゲームをクリアに導く

SPD   :    裏技や抜け道を駆使する事で、ゲームの最速クリアを目指す

WIZ   :    多くのデータを検証して、ゲーム攻略の必勝法を編み出す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎

今回、わしはアニラの護衛でのう。しかして、陰海月の暴れを支えられるのもわしで(使用技能が『侵す者』由来)
うん、今回、暴れるメインは陰海月よ。
いつも可愛いんじゃぞ?本当だぞ?


陰海月、カクリヨの月見と花見で食べすぎた(義透の二倍の団子消費量+チキンナゲット、サンドイッチetc.)ので、運動頑張ってる最中。
二回攻撃と怪力活用の触手パンチ。とにかく空に向かって吹き飛ばす。
どれだけ飛ばしてもいいので、とても張り切っている。ぷきゅ。



●宇宙の星となれ
 クラゲの体はゼラチン質から成っている。故に太るという概念が正しいかはわからないが、ここ最近、ミズクラゲの陰海月は少し体積が増したのではないか、と馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は疑念を抱いていた。
 そう思うのも無理はない。別世界で繰り広げられている大戦の最中、やれ花見だ月見だと騒ぎに騒ぎつつ、やはり花より月より団子のほうがいいらしく、陰海月は義透の二倍量もの団子にチキンナゲットやサンドイッチといったスナックフードを大いに食べた。人ならば5kgや10kgは太っていてもおかしくないところである。
 彼の陰海月も自覚はしているのだろう。呪いのオンラインゲーム空間に入るや否や、荒いポリゴン体に触手を振り上げて向かっていく姿があった。
「無事か?」
「あ、はい、まあ……なんとか」
 義透の役目は呪いのオンラインゲーム内に連れ去られたアニラの護衛だ。音無くアニラの背後に着地したのは、両手剣を持つ人型のポリゴン体。おそらくはスペースノイドのフォースナイト――それを義透はアニラと体を入れ替えて黒燭炎を一薙ぎ。ズジャン、と電子的な斬撃音に炎のエフェクトがかかり、槍が命中したポリゴン体はホームランボールのように飛んで画面端、光柱を迸らせながら脱落した。
 今日の義透は派手に暴れることをせず、アニラの護衛に徹していた。たまに近くに落ちてくる相手を槍で突き上げたり薙ぎ払ったりしての火の粉払いの役。そして中央に陣取る陰海月は触手を盛んに振り上げる。
 何やら角張った面の多いポリゴン体が降ってきた。陰海月同様地上を僅かに浮いて水平移動し、マシンの如く外れた腕を正面に突き出して陰海月へと襲い掛かる。それを陰海月は触手の一房を使ってバシッと受け止めると、反対側からもう一房触手を伸ばし、アッパーよろしくポリゴン体を抉って突き上げた。ジュンジュン、と二回の衝撃音に合わせて水のエフェクトがかかり、陰海月の上スマッシュが炸裂。怪力を以って空の彼方まで跳ね上がったポリゴン体は落ちてくることなく星となった。
「わぁ……なんか、凄いですね」
 浮き足場に着地したポリゴン体へ、陰海月はジャンプからの上触手アタックで足元を掬い上げるようにしてポリゴン体を飛ばした。そのまま浮き足場へ着地するとさらに跳び、落ちてくるポリゴン体が着地する前にバシバシ上空へ打ち上げていく。空に瞬く無数の星。八面六臂の活躍が、アニラの目には空恐ろしくも映り。
「いつも可愛いんじゃぞ? 本当だぞ?」
 義透はさりげなくフォローに回るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

水瀬・美鳥
「これ絶対あれですよね!!大r」
🕊「おっとそれ以上は言わない方がいい。〇〇堂に怒られるぞ」

趣味でやってるゲームと似ていることに初っ端から気づきます

UCが使用できない都合上あまり多くの武器が使用できないですが...
元はUCではなく元々は自分の支援魔法を応用して形成した剣だったので問題なく投影し、使用します

無駄な魔力を使用しない様に最初に出した一対の短剣のみで十分やれそう!

「公平さとかその辺があれだけど、多分元となったゲームの最新作の最大レベルのCPUよりは楽ね!」

当然巻き込まれちゃったあの人の防衛も忘れないように。でもせっかくやるならば思いっきりやった方が楽しいでしょ?



●女子だってブラザーズ
 最近はコンシューマーゲーム――店売りのパッケージ品においてもオンライン接続による対戦、協力プレイなどが実装されているタイトルが増え、果ては王道のRPGにおいてもオンラインプレイに進出するほど。
 オンライン全盛期。であればオブリビオンが考えるオンラインゲームの内容も何かしらの作品には引っかかる。
「これ絶対あれですよね!! 大r」
「おっとそれ以上は言わないほうがいい。最強の法務部を敵に回すことになるぞ」
 水瀬・美鳥(もちもち魔法少女・f15711)はすぐさま感づいた。降ってくるポリゴンの敵をボコスカぶっ飛ばす構成が、趣味でやっているゲームに似ていると。しかしお喋りな鳩がその口を止めた。オブリビオンですら法廷では負けてしまうような相手だ。事を穏便に済ませるには、内々に処理するしかない。
 オブリビオン相手に気を遣わなければならないとは、何とも面倒な話である。
「武器はどうする? この様子だと、そのうち箱やら何やらが降ってきそうだけど」
「大丈夫、ユーベルコードは使えなくても、私の武器の元は支援魔法――」
 両手を横に振り出すと、空間を作った手の中に光る短剣が現れる。
「これで十分やれそう!」
「なら思う存分ぶっ飛ばせ!」
 鳩の発破に美鳥はダッシュを決めてポリゴンの敵に向かっていく。カクカクした面がブヨブヨと変形して宝石のように光を乱反射する人型の敵が、地上と浮遊する足場の上から銃のような形の武器を向けていた。
 音無く発砲された弾丸もまたポリゴンで、小粒のそれはまさに宝石だった。撃ち下ろしと水平射撃、二射されたポリゴン弾丸に美鳥は二剣で素早く切り返し、眼前で消滅させるとまずは地上の敵へ迫り刃を連続で交差させる。
 電子の斬撃音が二度響き、攻撃のショックで一瞬硬直したポリゴン体はホームランボールの如く空へ吹き飛び光の柱となった。そして美鳥が見上げる足場は「在るようで無い」代物。美鳥が跳び上がると、存在を貫通してポリゴン体の背後に飛び出していた。
「公平さとかその辺があれだけど、多分元となったゲームの最新作の最大レベルのCPUよりは楽ね!」
 滞空したまま美鳥が右の短剣で斬りつけると、十字の光のエフェクトを発してポリゴン体は吹き飛び、ややあった後、光の柱と共に落下の衝撃音が轟いた。猟兵側にかなりのバイアスがかかっているように見えるが、ポリゴン体は物量という力で押してくる。吹き飛ばした先から次のポリゴン体が補充され、反対側の足場に着地した。
「――! 守らないと!」
 そこはおろおろする電脳魔術士、アニラに近い場所。足場に着地していた美鳥はダッシュで飛び出しからの空中ジャンプを駆使して中間の足場をすっ飛ばす。傘に隙間の空いたクラゲのような奇妙な形をしたポリゴン体が足場をすり抜けて下ろうかというところ、美鳥が空中下突きを足場目掛けて叩きつける。剣先が足場を貫通してポリゴン体まで辿り着き四方手裏剣のようなエフェクトが飛び出ると、ポリゴン体は水平やや上に大きく吹き飛びステージから脱落した。
「大丈夫ですか!?」
「ええ、まあ。いやしかし、凄いですね」
「この手のゲームはそこそこやってて何となく動きは覚えてます……けど、実際にここまで動けてるのは自分でもびっくりです!」
 ゲームをプレイする際に動かしているのは両手、それも指先だ。ゲーム中のキャラクターの動きとは視覚情報――それを自身の体で効率よく再現できているのだから、美鳥はプレイアブルキャラクターとしても有能だった。
「経験者ですか、いやぁお強い……っと、まだまだ降ってきますね、ポリゴンの敵」
 新たに空から湧いたポリゴン体。角張った長剣を振り回す者、バイクのような物体に騎乗する者、プラズマの弾丸を放ってくる者など、美鳥を飽きさせないバリエーションだ。
「守るのも大事……でも同じくらい、思いっきりやって楽しむのも大事!」
 件のゲームには残機という概念があったはず、と思い起こすが、美鳥は自身の残機がどのように設定されているかわからない。それでも目一杯楽しむべく、双剣を存分に振り回し、ポリゴン体を次々に墜落させていく。
 ポリゴン体とて無数に湧くが無限ではない。美鳥の活躍により、その残機は大きく数を減らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アマネク・アラニェ
SSWも終わって結構経つってのに、
まだ残党がいるなんて困ったものね。
電脳魔術で『砥盾』を具現化させて
アニラさんを敵の攻撃からガード。
次いで『呼鉄』を呼び出して、地面に設置。
敵の接近を防ぐように《制圧射撃》よ。
UCが使えなくてもこのくらいはどうにかね。
それでも近付いてくる奴は『八肢』を振るって
投げ飛ばしたり《踏み付け》たりして《時間稼ぎ》
その間にUCを使えるようにしてもらいたいわ。
チートコードの準備が整ったら電脳魔術で
『ブイブイちゃん』かその再現プログラムを
召喚して【換加甲装】を発動。
移動力を下げる≒重くすることでふっとびやすさを下げつつ、
攻撃回数を増やしてガンガン《吹き飛ばし》ていくわよ!



●最後ではないけど切り札投入!
 周期的にどこかの世界で発生する大戦。戦火が最初に上がったのはスペースシップワールドだった。
 つまり、真っ先に猟兵達の手により救われた世界が、長きに渡って平穏を保ちながらも今再び、猟書家の手によって均衡が崩されつつある。
「まだ残党がいるなんて困ったものね」
 猟書家は存在するだけでオブリビオンを盛り立てる。たとえ滅ぼされても、その意志を継いで同様の事件を起こす者が現れるほどだ。アマネク・アラニェ(ユビキタス・アラニェ・f17023)が訪れるこのゲームの世界もまた、滅んだ猟書家の意志の下に作り出されている。
 アマネクが辟易している間にも、戦場にポリゴン体が落ちてきていた。正面、遠くに1体、空中の二つの足場にそれぞれ1体ずつ。それらを纏めて吹き飛ばすパワーよりは、後から後からやってくるポリゴン体と戦い続ける持久力が求められる勝負だった。
「とりあえず、守ってあげないとね」
 ユーベルコードを封じられていても、猟兵には多様な力がある。アマネクは電脳魔術で砥盾を具現化させると、刀を振るう武者のようなポリゴン体達の前へと立ちはだかった。
 正面からダッシュしてきたポリゴン体と足場から降りるポリゴン体が合流して、三段の斬撃を見舞ってきた。軽そうに見えるポリゴン体が放つ斬撃の合体技は思いの外重く、防いだ盾ごとアニラの傍まで押し戻される。
「わわっと、やばいですねーこれは」
「ここは何が何でも踏み止まるわよ……だから、その間にユーベルコードを使えるようにしてくれるかしら!?」
「了解でーす、頼みますよー?」
 アニラがチートコードを作成する間、アマネクは防衛に回る。専守防衛ではいずれ破られると見て、アマネクは攻撃的防衛手段、呼鉄を具現化させた。
 地上に設置された砲台は間髪入れず銃撃を開始する。上下に散乱する銃弾をポリゴン体は刀で巧みに受けようとするが、制圧を目指すガトリング並の射撃量に押し切られ体に弾丸を受けてしまう。
 銃弾を浴びたポリゴン体達はどういうわけか空高く舞い上がり、そのまま星に変わっていった。そしてまた湧くポリゴン体はアマネク達の付近に落ちてくる。
「手数でアタシに勝とうなんて思わないことだよ!」
 アマネクはキマイラだ。二手二足の人型のポリゴン体に対し、八本の手足を振りかざす。跳躍でアニラの頭上を飛び越えると、蜘蛛特有の細足で上から思い切り踏みつけていった。
 潰れる、というベクトルが存在しないゲームらしく、踏みつけられたポリゴン体は横へ弾き出されるように飛んで場外へ。復帰する余裕もなくステージ外枠の死線を越えていく。
 足場に飛び乗って見上げると、黒くもやもやした空の彼方よりポリゴン体が新たに降ってくるのが見えた。アマネクは一段高く設置された足場へ乗り継ぐと、落下直後の人型ポリゴン体を捕まえて後方へ勢いつけて投げ飛ばす。ポリゴン体は風船の口から手を離したかのように奇妙な推進力を得て、アマネクが投げ飛ばした方向へ一直線に飛んで消滅した。
「はいはーい、チートコード完了でーす。送信、っと」
 アマネクが奮闘している間にアニラはチートコードの作成を終え、アマネクの元へ送り出した。まずは一度のユーベルコード。アマネクは惜しみなく使う。
『強化武装プログラムセット! やるわよ、ブイブイちゃん!』
 アマネクは切り札とも言うべき戦闘用ペットロボット「ブイブイ」を戦場に投入すると、電脳魔術を行使しその体を強化。攻撃回数を上げ、その代償に重量を上乗せし移動力を下げたことも、このゲームの特性を利用し吹っ飛びやすさの低下という有利に繋げた。
「突撃ぃーっ!」
 アマネクが号令を出すと、ブイブイは後ろ側の足で器用にバランスを取って立ち上がり、ズシズシと前進しながら自由になった前側の足で攻撃回数の増した百裂キックを繰り出した。
 刀を持ったポリゴン体は薙ぎの強攻撃を放ってきたが、数発叩き込まれた蹴りで相打ちにされ、そのままずんずん迫ってきたキックに襲われ弾け飛んだ。そして新たに降ってくるポリゴン体へは落下点に入って罠の如く待ち受け、ステージを踏ませることなく前方へ吹っ飛ばす。
「良い調子よ! ブイブイちゃん!」
 アマネクは重戦車の活躍を見せるペットロボットに声援を送る。敵の残機の底が見えるのも、もう時間の問題だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
うわー、これはまた雑なポリゴンですね。
確かにどこの世界の怪物だか全然わかりません。

アニラさんの安全は確保されてるようですから、あとはゲームクリアを目指すだけですね。

UCも効かない空間ですから、ここは格闘ゲームよろしく【功夫】で行きましょう。

【ジャンプ】や【ダッシュ】を駆使して、ポリゴンモンスターを殴って、蹴って、とどめの大キック。
数で押してきたら、【衝撃波】で島を飛ばして【なぎ払い】してしまいましょう。



●ポリゴン時代の終わり
 デジタル技術が急速に進化を遂げたこの時代。イラストのように滑らかな3Dモデルが当たり前に存在する世の中で、何十面体とかいう角張った物体をいくつも繋ぎ合わせたポリゴンなど最早化石レベルの存在だ。
「うわー、これはまた雑なポリゴンですね。確かにどこの世界の怪物だか全然わかりません」
 降ってくるポリゴン体に黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は半ば呆れたような声を上げる。色も光の反射の加減で濃淡ができるものの、ほぼ単色と言っていい。カップラーメンが出来上がるのを待っている間にちょいちょいっと作り出したような粗雑さだった。
 アニラの周りには猟兵が何人も護衛に当たり、後追いでやってきた摩那の出る幕はなさそうだ。ならばさっさとポリゴン体を全て吹っ飛ばしてゲームクリアを目指すだけ、と摩那は意気込む。
 がちゃがちゃとうるさそうな構造物を両肩に乗せたポリゴン体が複数落ちてきた。変形して放たれたミサイルは一旦上空へ打ち上がった後、Uターンして摩那の頭上目掛けて落ちてくる。
 摩那はミサイルの雨の中をダッシュで駆け抜けた。ミサイルの誘導性能は摩那の速度に追いつけず、一歩後ろを追いかけるように着弾する。ボパンボパンと破裂音を背後に聞きながら、足を止めてミサイルを撃ち続けていたポリゴン体へ摩那は突っ込んでいくと、
「ふっ!」
 右足を広く踏み出して重心を落としながら、右拳の突きを捻じり込むように繰り出した。拳圧から一瞬遅れて突きがポリゴン体の体に刺さると、カクッと折れ曲がった被弾モーションを見せながら放物線に最適な角度で吹っ飛んでいく。
 摩那はそのまま垂直に跳んで浮遊する足場をすり抜け、上部にいたポリゴン体を追った。着地から鞭のようにしならせた左足の回し蹴りでまずは眼前の1体を蹴り飛ばし、新たに背後へ落ちてきた人型のポリゴン体へ半回転からの中段蹴りを見舞ってステージを横切らせ場外送りにする。
 足場をジャンプで乗り継ぐ間に降ってきたポリゴン体はそのまま空中で垂直に蹴り上げ、空に送り返してやった。次の足場への着地と同時にキラリと一番星が光る。
「はあぁぁっ――!」
 体を捻って力を溜めた。薄く点滅するオーラを纏う摩那の前へ、ロボットのようにごつごつしたポリゴン体が現れる。着地するや否や、勢いよく蹴り出してきたところへ、待ち構えていた摩那も右足を合わせた。
「せいっ!!」
 ポリゴン体の蹴りの倍近い速さで放たれた大キックは出てきた足を刈り取った。勢い負けしたポリゴン体は強烈な回転を加えられて弾丸のように真横に吹っ飛び、ズドンと落ちて光の柱を噴き上げる。
 それきりポリゴン体は降ってこなくなった。摩那が強烈な蹴りを見舞って落としたポリゴン体が最後の残機。足場が消滅してステージが切り替わると、ついにボスが姿を現した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『スカルゲーテ・ソヴェリン』

POW   :    オペレーション・イマージュ
自身が操縦する【海賊船】の【主砲威力】と【装甲】を増強する。
SPD   :    フォトン・コスモポリタン
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【海賊船から放たれた光子魚雷】で包囲攻撃する。
WIZ   :    ヒロイック・スターダスト
自身の【機械髑髏顱】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[機械髑髏顱]から何度でも発動できる。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はピオネルスカヤ・リャザノフです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●髑髏顱の宇宙海賊
 時代遅れも甚だしいポリゴン共とは打って変わって。ボスとして現れたのは今の時代にマッチした軍服の少女。機械髑髏を船首に据えた海賊船を操って、猟兵達の前に姿を見せる。
「あの程度の雑魚軍団を倒したくらいでいい気にならないことね。私の力、思い知らせてあげるわ」
 海賊船の全砲門が開く。それが新たなる戦いの幕開けだった。
馬県・義透
引き続き『侵す者』

すまぬ、アニラ。チートコードをお願いする。
守りは頑強なる四重結界術での(四人分)。

守るための戦いで、何故、わしだったのか。技能もそうであるが、この黒燭炎が関係しておる。
簡単に言えば、カクリヨでパワーアップした。

ずっと出しておったのだ、炎は成長し白くなっておる。
さて…お主、装甲強くなれど、この熱さに耐えられるかの?わしは耐えるぞ?わしのだしの(他人格は無理。交代するとリセット)
主砲も、オーラ防御(熱)で弾こう。

この間に。陰海月が後ろにまわっておるのよ。
くく、UCを使うのはわしにあらず。陰海月である。

※ステージ慣れした陰海月、UC可能になったら、だまし討ちでしゅしゅっとパンチ。



●不感な少女
「すまぬ、アニラ。チートコードをお願いする」
「はーい、了解ですよ、しばしお待ちをー」
 アニラが電脳キーボードを空中で叩いてチートコードを作成している間、義透が前に出て防衛を引き受ける。何故『侵す者』たる彼が選ばれているか――それは、義透が手にする黒槍、黒燭炎が示している。
 大戦の中で実戦という鍛錬を重ね、熟練した技能は一つ上のステージへと上がっていた。穂先に走るのは白き炎。それを携えスカルゲーテの乗る海賊船へと迫った。
 少女一人には持て余し過ぎるほどの巨大な船。オペレーション・イマージュ、仮想兵装で海賊船の主砲威力と装甲を強化したスカルゲーテを火炙りにすべく、駆ける勢いを乗せて槍を船体に突き込んだ。
 義透の槍はガンと船体へ突き立てられると、接点より白炎を流して燃え上がらせる。
「お主、装甲強くなれど、この熱さに耐えられるかの?」
「……熱いわね、主砲用意――」
 船と運命を共にするスカルゲーテもまた炎の中にいた。淡々と感想を述べると、機械髑髏をキチキチと傾けて義透に砲口を突きつけた。
 ダメージは与えているようだが、スカルゲーテは止まらない。両眼の虚から伸びた砲身。光の粒子が吸い込まれて収束すると、一気に二本の光線が放たれた。義透という焦点へ向かって異なる角度で迸る輝線。義透は槍から放つ炎を自らの体へも流し込んで熱のオーラを形成し、光線を弾く壁を作った。
 熱い層に光線が衝突して光の花を散らしていた。熱そのものは義透自身が出したもののため耐えるのは容易だが、威力を増した光線をオーラのみで防ぎ続けるのは容易ではない。
 スカルゲーテは莫大な耐久力を暴力的に振り回して義透を焼き潰しにかかっていた。
「ぬぅ……!」
「おまたせでーす。チートコードを送りますよー。ちょっと大変な状況みたいですけど、これで何とかっ!」
 膠着状態を打開する一手がアニラより送り届けられた。光線を防ぎ続けてバチバチな中で受け取った力を、義透は相棒に託す。
 陰海月は船の裏手へと回り込んでいた。白炎が船尾にまで揺らめいてくる中、振り上げた触手を思い切り突き込んだ。
 ゴィン、と鋼鉄製のハンマーで殴りつけたような音がした。軟体の触手がユーベルコードで極限まで強化されているのだ。船尾に突き込まれた衝撃が確実に船とスカルゲーテの体力を削っている。
「……邪魔よ」
 何事もないように振舞っているが、決して無傷で済んでいるわけではない。後方から飛んでくる攻撃が厄介になり、スカルゲーテは船を後退させて陰海月を押し潰そうとした。
 意気揚々と触手パンチをしゅしゅっと繰り出していた陰海月だが一転ピンチに。しかし小回りは陰海月に分があり、出しかけた触手を咄嗟に引き上げて脱兎の如く逃げ出した。
 船体が動いたことで義透に集中していた光線の焦点が僅かにずれた。それで威力が若干弱まったのを感じ、頃合いと見て義透も炎を残し引き上げる。
「……派手にやってくれたわね」
 二兎を追って一兎も得られなかったスカルゲーテの呟きは、確実な痛みを滲ませるものだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒木・摩那
やっとポリゴンから解放されました。
ちゃんとした姿のある敵の方がやりがいがありますね。
それが猟書家であれば、なおさらです。

海賊船まで出して、向こうも本気のようですが、
その自慢の船ごとボコボコにしてあげます。

アニラさんも準備OKですね?

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
UC【トリニティ・エンハンス】で【水の魔力】【風の魔力】を付与します。
ヨーヨーを回転させれば、渦巻の出来上がり。
これを船にぶつけて、ぐるんぐるんにします。

海賊船の砲撃はスマートグラスで解析して、【念動力】で弾道を逸します。



●荒渦に揉まれる海賊船
 ポリゴン達は正体も掴めず、ただギラギラしていて目に痛かった。ようやく形のはっきりした相手、と摩那は安堵して敵に向かう。やはり「見える」相手ではモチベーションも変わってくるのだ。
「アニラさんも準備OKですね?」
「はいはい、コツを掴んできましたよー。ほいほいほいっと!」
 アニラは慣れた手つきで電脳キーボードを叩き込み、手早くチートコードを作り上げた。受け取った摩那はすかさず水の魔力と風の魔力をヨーヨー「エクリプス」に与えると、ヨーヨーを頭上で水平に放り投げた。
 急激な回転を殺さないようにしながら、ヨーヨーをカウガールの如く振り回す。すると二重の回転を受けたヨーヨーが、受け取った魔力を巨大な渦巻へと変貌させた。
 摩那の頭上に立ち上がる渦巻。狙う先は燃え上がっていた海賊船だ。
「これで――ぐるんぐるんになっちゃってください!」
 できた渦巻を投擲するようにヨーヨーを前方へ飛ばすと、渦巻は独楽の如く戦場へと放たれた。回転の飛沫を散らしながらスカルゲーテの乗る船へと直進する。
「主砲……発射」
 機械髑髏が動き出していた。砲身を動かして摩那の方角、迫り来る渦巻へ向けて光線を発射。不気味な視線が形となったような二本の光線が渦巻と衝突、魔力が削り出されていく。
「むむ……あの砲撃、まずいですね」
 摩那がスマートグラスで透かし見る光線のエネルギーは一息で渦巻を吹き飛ばすほどではないが、出力に限りある渦巻に対し、全く衰える気配がない。そのままではいずれ貫かれてしまうと悟った摩那はスマートグラスを通した視界に念動力を捻じ込んでいく。
 光線と渦巻の接点が徐々に外側に逸れていく。伴って魔力の消耗が徐々に減衰していくのを摩那は解析から読み取っていた。
 推進力に差が付き始め、渦巻が光線を割ってまた前進し始めた。二本の光線は徐々に外側へ開き、光線がほとんど一本の直線となるまでに割れたところで渦巻はついに船へと到達した。
 渦巻が持つ水流の壁がざぶっと船体を飲み込み、装甲と体力を押し流す。
「目が……回るわ……」
 船のダメージとスカルゲーテの感覚は同期しているのだろうか。渦巻の中に取り残されたスカルゲーテはふらふらと平衡感覚を失い、立ち位置を小刻みに変える。
「主砲も……まっすぐ進まない……どうして……」
 強化した主砲も役立たずになってしまった。渦の中で嘆きながら、襲ってくる眩暈に翻弄されるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

水瀬・美鳥
(アドリブ絡ミ大歓迎)
「終点に平地ステージ選ぶの、結構いい趣味してない?」
🕊「圧倒的不利で何言ってんのお前」

アニラさんに頼んでUC「投影・追憶の装具」の解放をお願い

一時的に全力で投影、大量の投影剣で戦艦の武装を削ります

「硬すぎる...このままじゃまずそうね...」

制度の高い偽物で斬れないなら「本物」を。
反動覚悟で「選択UC」を使用
6本の剣が組み合わさったあるゲームの合体剣(本物)を投影します

懐に潜り込んで一撃。同時に5本の剣を周囲に展開
剣から剣へ。辻斬りの様に周囲を高速で動きながら本体を攻撃

「貴方が還るまで私は殴るのを辞めない!」
分裂した剣を1本に合体。極光を振り下ろす─



─反動やばすぎ─



●本物をその手に
「終点に平地ステージ選ぶの、結構いい趣味してない?」
「圧倒的不利で何言ってんのお前」
 美鳥が立つ真っ新な舞台は遮蔽物も何もなく、故に海賊船の主砲副砲その他諸々は場の全てを狙い放題。対し美鳥の前には分厚い装甲を備えた船体が立ちはだかるのだから旗色は目に見えて悪い。
「アニラさん、ユーベルコードを使えるようにしてもらいたいのだけど」
「はいはい、緊急事態っぽいんで、効率より速さ重視で1回分ずつ送りますよっと」
 猟兵の戦いはユーベルコードが要。使う前にやられてしまってはどうしようもない。アニラは繋ぎ伸ばせるチートコードをわざと分割し、最速で美鳥へと送り出していた。
「助かるわ。ここが――応用魔術の出番っ!」
 美鳥が海賊船へ向けた右手の先、作り出したのは大量の投影剣だ。一気に生成限界まで到達した投影剣の軍勢に向かって飛び出した美鳥は手近なものから掴み取り、船体に斬撃をぶつけていった。
 鋭い衝突に火花が散る。斬撃が削り出す船体の滓は多くないが、積み重なる一撃はやがて綻びから大穴になりかねない。
「……すばしっこくて目障りだわ」
 スカルゲーテが見下ろす先、主砲の照準は美鳥の躍動に間に合っていなかった。そこでスカルゲーテが開けたのは船側の魚雷発射口。イルミネーションのように放たれた光子魚雷が美鳥を包み込みながら追っていた。
「あの光り方はやばいぞ!」
「どの口が言ってるのよ!」
 切迫する中、漫才のような掛け合いを交えながら、美鳥は光子魚雷の包囲網を潜り抜けようとする。しかし、おびただしい量の光に輪郭が隠され、さらに複雑な飛翔を見せる光子魚雷から逃れるのは容易ではなかった。
 浮遊する投影剣に少しでも触れれば、光子魚雷は強烈な閃光と美鳥を押しのける圧を放った。見えない手に摘まみ上げられるかのような浮遊感を何度も覚えながら、それでも投影剣を手掛かりにして持ちこたえる。
 しかしながら手数で押し切りたい相手に近づく機会を奪われて、状況は次第に翳っていく。
「硬い上に近づくのもままならないなんて……このままじゃまずそうね……」
 数少ない機会に大打撃を叩き込むには、やはり精度の高い「偽物」よりも、代償を払ってでも「本物」を。タイミングよく、アニラが次のチートコードを美鳥へと届けていた。
「あなたにぶつけるのは……『本物』じゃなくちゃ!」
 舳先から静かに見下ろすスカルゲーテをキッと睨むと、美鳥は光子魚雷の爆光の中へ飛び込んでいた。殴りつけられたような振盪に襲われ、しかも膨大な魔力を垂れ流しながら不安定な投影剣の足場を飛び移る。意識は何度も白夢の中へ飛んでいきそうになった。その度にぶすっと嘴が突き刺さり、美鳥を現実に引き戻す。
 そして美鳥はついに光の荒波を抜け、初めてスカルゲーテの上を取った。睨み上げる視線を飛び越えて甲板に着地すると、急反転してスカルゲーテの懐へと潜り込む。海賊船頼みのスカルゲーテは、いざ飛び込まれた時に反撃の術を持たない。
 飛翔する光子魚雷も――遅い。
 6本の剣が組み合わさった一振りが美鳥の手にあった。真一文字の薙ぎを放つ。スカルゲーテの軍服は刃が通り抜けると同時に上下に断裂し、裂け目がひらと僅かに捲れる。
 だがスカルゲーテは意に介さずに、
「フォトン――雷撃を」
 光子魚雷を船上で操作する。衝撃に怯むことのない性質は厄介でもあったが。
「貴方が還るまで私は殴るのを止めない!」
 棒立ちのサンドバッグでもあった。五角形の頂点に配置された剣を取り継ぎながら、光子魚雷の爆裂の隙間から斬り込んでいた。
 五芒星の軌跡が満遍なくスカルゲーテを刻む。ついに軍服は綺麗な上下に分かれ、金色の襷が二つに分かれて片や落ち、片や舞った。
「……損傷が、大きい……」
 スカルゲーテは何事もないように動きながらもダメージは体感しているようで、言葉に焦燥を滲ませる。光子魚雷の爆発はいっそ美鳥を後押しするかのように加速させていた。
 配置されていた5本の剣が不意に消え始めていた。美鳥が直線的な動きの中で剣を回収し、再び完成した一振りとなる。
 撃ち下ろすように着弾する光子魚雷を美鳥はタイミングよく跳躍し、反対に足場とした。高く、より高くスカルゲーテの頭上へ――。
「はああぁぁっ!!」
 視界から消えた美鳥に気付いてスカルゲーテが顔を上げるのと、美鳥が極光を振り下ろすのはほとんど同時だった。数多つけられた斬撃の跡と交わる一閃。
「ぅあ……っ……!」
 着地と同時に離脱する美鳥を捉える視界が一瞬、モザイクがかかったようにぼやけた。積み重ねられたダメージの影響がスカルゲーテの身に現れ始めている。
 だがそれは美鳥も同じ。支払った魔力の分だけ空元気で動き回っていたツケが、離脱後の着地と同時にズンと圧し掛かってきた。自重を支えられず、美鳥は膝を折り、剣に縋るように崩れ落ちる。
「反動……やば、すぎ……」
 双方、しばし足を止めねばならぬ状態だったが、美鳥が積み重ねたものはきっと次の者へと託されることだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミカエラ・マリット(サポート)
好奇心旺盛な少女
世間知らずなところもあるのでどんな事も割とすぐに受け入れるけど、ツッコむ事も知っている
どんなことも力づくでどうにかできるという思考回路

基本的にギャグ漫画の様に人間離れした力持ち
自分より遙かに大きいものを持ち上げたり、ぶん投げたりして戦う

愛用はイラストにあるハンマー
近接戦は大体これでピコハンのように殴る
遠距離の時は自分より大きなアンカーを鎖掴んで振り回す
足元が不安定な場所や冷気に弱い敵にはあずきソード
いずれにしても鈍器

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用
多少の怪我は厭わず積極的に行動
他の猟兵は大体年上なので懐くし頼りにしてる

エロは禁止



●ハンマーは吹っ飛ばしの華
「吹き飛ばない相手……興味があります」
 ミカエラ・マリット(撲殺少女・f23163)は身の丈よりも巨大なハンマーを軽々と担ぎ上げると、スカルゲーテの操る海賊船へと突っ込んでいく。猟兵達の度重なる攻撃にも怯まず主砲や魚雷をぶっ放し続ける船はどれほど強力なものなのか。ハンマーで殴るとどんな音が響くのか。スカルゲーテを船から打ち飛ばせば、どこまで飛んで船はどうなってしまうのか。
 食いついたら離さない獰猛な好奇心がミカエラを駆り立てる。そこへ向けられるのは髑髏の視線だ。
「主砲……発射、近づけさせないで」
 スカルゲーテはミカエラの接近を嫌い髑髏を動かす。伸びた砲身が角度を変えてミカエラの行く先に待ち構えていた。
 砲口から吐き出された光線は一直線にミカエラへ向かう。ほとんど距離のない二本の光線は融合しながら突き進んでいた。
「あれはきっと……殴れます」
 それは何故か。ゲームの世界だからか? ミカエラの判断は一見不可解ながら、振り回したハンマーが現実を示す。
 光線に打ち付けられた鎚の一撃が鏡のように跳ね返した。ミカエラの眼前で光線がじゅっと地を焼き付ける。ミカエラが焦げ跡を踏みつけながら船に迫る間に、ユーベルコードを解禁するチートコードが送られてくる。タイミングや良し。走る勢いを激突寸前の一歩で踏み止まって一気に凝縮し、ハンマーに乗せて怪力任せで叩き込んだ。
 緩い曲面同士が超高速で衝突し、銅鑼を叩いたような轟音がびりびりと鼓膜を震わせる。響きの持続力は弱いが、重い一撃が船、そして一心同体のスカルゲーテの体力を削る。
「くぅぅ……装甲ダメージ、甚大……」
 スカルゲーテは血の気の引いた顔で船を操作する。決して無敵ではないその力。崩されるのも近そうだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

レイン・ファリエル(サポート)
『さぁ、貴方の本気を見せて下さい』
 人間のサイキッカー×ダークヒーローの女の子です。
 普段の口調は「クールで丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、機嫌が悪いと「無口(私、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は落ち着いてクールな感じのミステリアスな少女です。
人と話すのも好きなので、様々なアドリブ会話描写も歓迎です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●GOOD ENDING
 体力が削られていくと形態変化を起こすのはボスの常。スカルゲーテは姿こそ変えないが、追い詰められて海賊船の全砲門を解放し、密度の高い光子魚雷弾幕を戦場に展開した。
「それが貴方の本気ですか」
 光の波が幾何学的に押し寄せる前でもレイン・ファリエル(クールビューティー・f17014)は努めて冷静だ。光の波は全空間を満たして逃げ場がないように見えるが、その核である光子魚雷はいくらか小さく、人一人がすり抜けるくらいの隙間は存在すると――そう見えている。
 あたかも未来視の如く。レインは自身のエナジーを増幅する装置「サイレントナイトメア」を起動させると、光の波へと挑みかかった。
 白に白を混ぜても白になるだけ。光と光子魚雷の関係はそれに似ていた。区別のつかない光の中で、レインは幾度となく光が弾ける光景を視る。
 それはGAME OVERの崖だった。知らず飛び込む一歩前で踏み止まり、生き残れる道を辿る。光子魚雷が間近を通過するたびに強烈な閃光で目が眩みそうになり、レインは腕を庇にして道無き道を行く。
「まだ……まだ……!!」
 スカルゲーテは弾幕を切らすことなく光子魚雷を撃ち出し続けていたが、一向に手応えが得られない。そうしているうちに、サイドステップ気味にレインが光の中から斜めへ飛び出して姿を現した。
「いくらか魚雷が掠めましたが……許容範囲でしょう。さて……残りの体力、全て頂いてしまいましょうか」
 光子魚雷が誘導されてレインの背後に迫っていたのを逆用し、レインは再び光の中へ。スカルゲーテがレインを見失った隙にエナジーを増幅させると、静かに浮かぶ海賊船に、なお静寂な一撃を。
 右手に集めたエナジーで槍を形作ると、スカルゲーテの視界から逃れる、地より少しばかり浮いた船底へと迫り、装甲へと細身の穂を思い切り突き出した。
 槍はバターを突き通すように装甲を貫く。
「ひぁっ……!」
 船上のスカルゲーテが引き攣った声を上げた。騙し討ちの一撃が闇より出ずる死神となり、不意にスカルゲーテの首を狩っていた。
「あぁ……機能、停止……ああぁぁ……」
 強固な船体はレインの目の前で一瞬で粒子の塊に変貌すると、船首から崩れ上空へ舞い上がり消えていく。
 スカルゲーテも然り。海賊船と一蓮托生のスカルゲーテが消滅すると追いかけるように海賊船の崩壊も速まって、完全に消失するとゲームクリアのファンファーレがレインを始め猟兵達を祝福するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年06月20日


挿絵イラスト