大祓百鬼夜行㉕〜電波塔の頂上で
「東京スカイツリーの最上部にアンテナが収納された高さ約140mの巨大構造物があるそうなのですが」
これをゲイン塔と言い、そこに大祓骸魂(おおはらえむくろだま)が現れるのだと君達に声をかけたフェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)は明かした。
「このひと月続いていた大祓百鬼夜行もいよいよ最終決戦って訳ですね」
大祓骸魂は自身の膨大な虞によって東京上空をカクリヨファンタズムが如き空間に変化させ、今回の戦争に存在したあらゆる手段を行使して襲いかかってくるのだとか。
「逆に言うなら各戦場の攻略法がそのまま使えるという訳でもありますね」
ただ、そうなってくると可能性の話としてフェリクスの脳裏にとある光景が浮かび。
「延々お花見してるだけで幻朧桜に浄化されて倒されるってオチも……いえ、さすがにそれはないですよね」
自分で自分の言を否定すべく頭を振ったフェリクスは言う、どの攻略法をとりますか、と。
「攻略法がいかせる最適のタイミングで転送させていただきますから」
特に攻略方法など考えないという場合でなければ、転送タイミングは最大限考慮してくれるとのこと。
「大祓百鬼夜行の戦いの経験を生かし、大祓骸魂に勝利してきてください」
もう大祓百鬼夜行も終わりが近い。
「カクリヨファンタズムとUDCアース、二つの世界を救うためにも――」
よろしくお願いしますねとフェリクスは君達に頭を下げるのだった。
聖山 葵
いよいよ最終決戦ですね。
と言う訳で、今回は大祓骸魂と決戦するお話の模様です。
また、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になります。
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プレイングボーナス……(全ての戦場のプレイングボーナスから好きなものを選び、使用できます)
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尚、プレイングボーナスを選ぶという形でありますので、狙われる場合、プレイング内に戦場番号と同番号内に戦場が二種類ある場合はお手数ですがそのどちらかかをご明記ください。
ではご参加お待ちしておりますね。
第1章 ボス戦
『大祓骸魂』
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POW : 大祓百鬼夜行
【骸魂によってオブリビオン化した妖怪達】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[骸魂によってオブリビオン化した妖怪達]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : 生と死を繋ぐもの
自身が装備する【懐刀「生と死を繋ぐもの」】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : 虞神彼岸花
【神智を越えた虞(おそれ)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を狂気じみた愛を宿すヒガンバナで満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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アリスティアー・ツーハンドソード
指定:あなたの想い人を描写し夜が明けるまで語らう
想い人:かつての担い手であった少女、オウガに乗っ取られ宿敵となっていたが今回は本人(口調や性格はお任せします)
まったくまさか君と…おもむろに担ぎ上げたな僕を
まあそうだね、僕達ならできるか…戦いながらでも語らいを
さあ百年ぶりの魔物退治だ!困ってる皆を助けよう!
少女に装備され戦闘開始
【ブレイクミラー・ホッパーション】による『空中戦』で懐刀を引き付け相手の周囲ががら空きになった所を選択UCで接近僕で『切断』することで有効打を与えよう
どうだい、昔よりも使いやすいだろう?…そもそもそんなに饒舌だったかだって?
良い友人に出会えたんだよ、キミにも話してあげよう
「まったくまさか君と……おもむろに担ぎ上げたな僕を」
目を疑い、声をかけようとしたところでアリスティアー・ツーハンドソード(王子気取りの両手剣・f19551)に返ってきた反応は柄を握られ、肩に担がれるというモノであった。
「不満です? だったら――」
「いや、待ちたまえ!」
記憶の中にあるそのままの担い手はこともあろうにアリスティアーをゲイン塔にもたれかけさせ、肩から下げていた分厚い本を武器にしようとして流石に制止し、やめさせる。
「日記は殴るものではないだろう?」
「それでも、綴られた恨、想いを力に変えれば不可能はないのです!」
「いやいやいや、それに今『恨み』って言いかけなかったかな?」
日記を持たぬ方の手でぐっと拳を握るかつての担い手にアリスティアーはツッコミを入れれば、その少女はついと視線を逸らし。
「そろそろ始めません?」
ああそうだった、こんなひとだったと思い出す中、ふいに少女は切り出した。その視線はいつの間にか空中へかかるまぼろしの橋の向こう側に立つ大祓骸魂へと向けられており。
「まあそうだね、僕達ならできるか……戦いながらでも語らいを」
臆した様子一つない担い手に同意してアリスティアーは身体を少女へ預ける。
「さあ百年ぶりの魔物退治だ! 困ってる皆を助けよう!」
「そううまくいきますか」
呼びかけに応え走り出す少女を見据え、大祓骸魂は口を開くと懐刀を複製する。ひとつ、ふたつ、などとはすぐに数え切れぬほどに懐刀は増えてゆき。
「いくとも!」
アリスティアーと少女の周囲に幾つもの鏡が展開される。相殺には程遠い数ではあるが、懐刀が一つ鏡に触れれば、砕けた鏡が複数の懐刀を生じた反動で弾き散らし。
「これは」
想定外の状況に大祓骸魂の意識がそちらへ向く、ただそれだけでよかった。
「ほら、頭上注意だ」
一瞬の隙をついて敵の頭上へ瞬間移動したアリスティアーは重力に引かれるに任せて大祓骸魂へ襲い掛かり。
「あっ」
傘を貫き、白無垢を切り裂きながらアリスティアーの刀身が大祓骸魂を傷つける。
「どうだい、昔よりも使いやすいだろう? ……そもそもそんなに饒舌だったかだって? 良い友人に出会えたんだよ、キミにも話してあげよう」
いつの間にか担い手の元に戻ったアリスティアーは戦いのさなかであることも関係ないかのように語り始めた、ここには居ない友のことを。
大成功
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七那原・望
㉓バズリトレンディよりもバズる事で、より多くのハートを集める。
プレストに撮影用のカメラを持たせて戦いの光景を生配信。
希望の象徴となることでバズリを狙います。
アマービレで呼んだねこさん達の多重詠唱浄化属性全力魔法結界術でカメラとわたしと地面を虞から護り、ヒガンバナも防ぎます。
果実変性・ウィッシーズホープを発動。
この世界を殺す事で骸の海で添い遂げる望み、受け入れられません。
聞こえますか?みんなが生きたいと望んでいる。
それはUDCアースそのものも。
人間も妖怪も動物も植物も世界も何一つ殺させません!
第六感と野生の勘で相手の行動を見切り、回避しつつ多重詠唱全力魔法の弾幕で鮮やかに打ちのめしましょう。
「来ましたか」
塔の頂上であるというにもかかわらず虚空には無数のビデオカメラやスマートフォン浮かび、それらに囲まれながら手負いの大祓骸魂は口を開いた。
「はいなのですー」
この状況になるのを見計らって転送された七那原・望(封印されし果実・f04836)は自律して飛翔する機械掌に撮影用のカメラを持たせ自身を撮らせながら、首肯する。さらに鈴の付いた白いタクトを振れば何匹もの猫がどこからともなく現れ、詠唱を開始する
。彼らはただの猫に非ず、魔法を使える魔法猫なのだ。
「友達がいる此処が私のせかい……この世界を殺す事で骸の海で添い遂げる望み、受け入れられません」
「あなたはそう思うのですか」
「私だけではありません。……聞こえますか? みんなが生きたいと望んでいる。それはUDCアースそのものも」
ですがとタクトを向けられつつ大祓骸魂は続ける。
「私の愛は揺るがない」
言葉だけで意志を変えられるのであれば、そもそも武器も戦いも不要なのだ。だが、この戦いは大祓骸魂と望だけのモノではない。
「あ」
何もない場所へ突然出現した沢山のハートが、大祓骸魂と望の双方に力を与えてゆく。映像越しにこの戦いを見守る観客の感情が力となって注がれているのだ。
「わたしは望む……ウィッシーズホープ!」
力が高まり、いよいよ両者が動き出すとか思われたところで望が召喚したのは、勝利の果実。
「何のつもりかはわかりませんが」
ただ果実を喚ぶだけならばとが放つは、神智を越えた虞。
「うっ」
「「にゃー」」
望を飛翔する機械掌諸共に呑みこもうとした虞は望の足元から噴き出した浄化の光、望の周囲に展開された魔法の結界に受け止められ。
「無駄です」
「え」
ピシリ、ピシリと結界は嫌な音をたてつつひび割れ始める。強化されているという意味合いであれば、差こそあれ大祓骸魂も集めたハートに強化されているのだ、ただ。
「まだ、なのです!」
望にはまだ希望が残されていた。集まった様々な世界の人々の願いを元に力を与える勝利の果実が望の礼服と王笏の姿を変えてゆく。結界が耐えている間に高まる力はすべて王笏へと集中し。
「人間も妖怪も動物も植物も世界も何一つ殺させません!」
結界が限界を迎え砕けた時だった、諸共に虞に呑まれるかと思われた望は殺到してくる虞を礼服に生えた翼で羽ばたき躱すと、王笏を翳して多重詠唱を開始する。
「まさか、私の行動を読――」
夥しい弾幕に大祓骸魂の言葉はそこでかき消された。
大成功
🔵🔵🔵
トリテレイア・ゼロナイン
⑫団地を利用して戦う
この戦場は…迷宮団地
ならば…
脚部スラスターの推力移動で殺到する妖怪達から離脱しつつ団地内へUCを放ち情報収集
地形情報と敵分布を把握しつつ妖精の爆弾による破壊工作で団地内部を破壊し妖怪達を分断
剣と盾を振るって各個撃破しつつワイヤーアンカーのロープワーク用いた三次元移動も駆使し大祓骸魂の元へ
(戦争初期の予兆がグリモアベースで解読され、カクリヨは彼女が創造したとの説があるそうですが)
その願いを成就させる訳には参りません
貴女のかの世界への愛で、救われた妖怪の命が数多あるのです
貴女の愛が確かに存在した証を、その手で壊すなど
…哀しいことではありませんか!
妖精の援護で護衛排除
剣を一閃
「この戦場は……迷宮団地」
それが周囲に出現したのはいつのことか。なにもなかったはずの東京スカイツリーを迷宮のごとく改造された団地が取り囲み、傷ついた大祓骸魂も団地の中へと消えてゆく。代わりと言わんがばかりに団地から現れたのは、妖怪集団だった。
「ならば……」
「うべらっ?!」
脚部スラスターを吹かせたトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)の身体が浮かび上がれば襲い掛かってきた先頭の妖怪は目標を見失ってゲイン塔の一部に激突する。
「さて――」
そのまま妖怪の集団を飛び越えながらトリテレイアが放つのは、不可視の機械妖精。眼下という今は背後になってしまった妖怪達をどうにかしたところで大祓骸魂が健在なら何の意味もないのだ。
「頼みましたよ」
とは言わず、妖怪達に何をしたのか問われれば、こうとぼけたかもしれない。
「なんのことやら」
と。ただ実際は機械妖精に情報収集と妨害および破壊工作を任せながら団地内部へと突入。
「ここから始めますか」
ある程度進んだところで反転、剣と盾を構える。
「追いついたぜ!」
「キャーッキャッキャッキャッキャ、とうとう観念したか?」
「いいえ」
現れた妖怪達に首を横に振るや、妖怪達の後方で団地の一棟が爆ぜた。
「な」
「うげっ」
崩れた団地によって分断された上退路も断たれた妖怪達は顔を引きつらせ。
「不思議なこともあるものです……妖精の悪戯やもしれませんね。それはそれとして――」
唯一その場で平然としていたトリテレイアは妖怪達の動揺を見逃さず襲い掛かる。
「ぐえっ」
「ぎゃああっ」
団地の地形を活用した戦い方を身に着けた妖怪達と言えど、分断され集団で敵に当たる本来の戦い方を活かしきれない上に動揺していてはひとたまりもなかった。
「あちらですか」
サクッと片付ける中で機械妖精から大祓骸魂の居場所を知らされたトリテレイアはワイヤーアンカーを射出、邪魔になる団地の屋上に引っ掛かったアンカーの場所まで自分の身体を引き上げることで団地を乗り越え、ショートカットして先に進み。
「いましたね」
討つべき相手の姿を認めたトリテレイアの人であれば脳裏とでも言うべき場所をよぎるのは、グリモアベースで解読されたという戦争初期の予兆。カクリヨは彼女が創造したとの説があるというものであったが。
「行きます」
「ここまでたどり着きましたか。妖怪たちよ――」
ワイヤーアンカーを駆使し三次元移動をしながら迫りくるトリテレイアへ、大祓骸魂は団地の妖怪達を集めて対処すべく呼びかけるが、妖怪は姿を見せず。
「これは」
「うまくいったようですね」
機械妖精の破壊工作が集結を阻んでいることを察したトリテレイアは速度を緩めず大祓骸魂めがけて突き進む。
「貴女の願いを成就させる訳には参りません」
困惑から我に返る大祓骸魂を捉えたままトリテレイアは告げ。
「貴女のかの世界への愛で、救われた妖怪の命が数多あるのです。貴女の愛が確かに存在した証を、その手で壊すなど……哀しいことではありませんか!」
訴えるは言葉と刃。遅れて集まりだした妖怪達が姿を見せ始めた頃には、トリテレイアは剣を一閃、大祓骸魂とすれ違い飛び離れていた。
「あ、あ」
一瞬遅れて斬撃を見舞われた個所から血が噴き出し、たたらを踏んだ大祓骸魂の白無垢は自身の血で染まるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
水鏡・多摘
㉑UDCエージェント達に指示を出し、妖怪を誘導する
ここはエージェントが建物ごと巻き込まれておるのか。
妖怪達が見えぬなら見える我が指示せねばならぬか。
うろたえるでない!とエージェント達の注意を惹き事情説明。
一応カメラ等は有効か。不可視の妖怪の軍勢が攻めてくるからその位置を我が示そうと提案。
龍符に式神を降霊して其々に手渡し、白無垢の少女が見えたら叫べと。
式神は結界構築の為の端末、時間稼ぎになるはずじゃ。
エージェントに指示しオブリビオン達を狭い通路等に誘導、大群を活かせぬようにしつつ撃破させ、大祓骸魂を発見したらUC起動し一直線に向かい破魔と浄化のブレスを至近距離で吹き付ける。
※アドリブ絡み等お任せ
「ここはエージェントが建物ごと巻き込まれておるのか」
転送され東京スカイツリーの上、ゲイン塔に誘われた水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)は眼鏡の奥で目を見開いた。まぁ、塔の周辺の空にUDCエージェントが在中する建物が浮かんでいれば無理もないことなのだろう。
「あらぁん、このエージェントさんイイ男じゃない」
「役得よ、あたし達の姿は見えない筈だから触り放題――」
そんなUDCエージェント達を獲物か何かを見るような目で見て不穏なことを口にするのは、ゴツく性別男性にしか見えない妖怪達であった。
「妖怪達が見えぬなら見える我が指示せねばならぬか」
認識で来ていれば真っ先に逃げ出したであろうソレらに直接反応を見せないことで条件が別の戦場と同じであることを再認識した多摘は若干複雑そうに嘆息し。
「うろたえるでない!」
「えっ」
「あ」
異常事態に混乱していたUDCエージェント達は多摘の一喝に振り返る。
「あなたは――」
「ああ、我はな……」
多摘は猟兵であることを明かした上で事情を説明し、施設内への案内をともめ。
「一応カメラ等は有効か。不可視の妖怪の軍勢が攻めてくるからその位置を我が示そう」
「助かります。今のままではなすすべありませんでしたから」
監視カメラの映像が確認できる部屋まで至ってモニターを確認したのちに提案すれば、エージェントの一人が歓迎の意を表した。妖怪を認識できないが故の怪奇現象にここまで悩まされていたのだろう。
「白無垢の少女が見えたら叫べ。式神は結界構築の為の端末、時間稼ぎになるはずじゃ」
「「ありがとうございます、必ず」」
龍符に式神を降霊して差し出しつつ言い添えれば、受け取ったエージェント達はそれぞれ頷き。
「向こうじゃ、向こうに逃げよ」
「は、はい」
龍符を配布してからは早かった。
「な、なによ?! あたしたちの姿、見えてなかったんじゃなかったの?!」
「気のせいじゃなのぉ? この先って行き止まりでしょお? なら、追い込めば……うふふ」
「そういえばそうね」
違和感を感じていた者も居たようだがよからぬことの前にはあっさり警戒も消し飛ぶのか。
「終いじゃ」
「「ぎゃああっ」」
ノコノコ誘き出された妖怪達を待っていたのは完全竜体に変じた多摘の攻撃であった。数の生かせぬ狭い場所に誘導され一網打尽となった妖怪達は悲鳴を上げ。
「これで大祓骸魂も全力は出しきれまい……そこか」
己の力を高めるためには自身の元へ集める必要があった妖怪達の悲鳴に大祓骸魂が姿を見せるも遅きに失していた。多摘は完全竜体に変じて宙へ舞い上がるや一直線に距離を詰めると口を大きく開いて至近距離から破魔と浄化の力を込めたブレスを吐きかけたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【指定:真の姿で戦う】
お前分かってんのか珍獣!
この戦いはなぁ!?滅茶苦茶大事なの!
ふたつの世界の存亡がかかってるんだからな!?
それを、こんな、こんな……
ええいもう、分かったよ!腹決める!
トリテレイアさんも七那原さんも笑うなよっ!?
【らじかる☆まじかる★チャームあーっぷ】!!
この姿になったからにゃ、もうやけくそだぁ!
アタシが持てる全力で、短期決戦に持ち込むよ!
どうせこの姿を見て呆気に取られてるだろうから、
一気に『ダッシュ』で迫って『マヒ攻撃』の電撃魔法を叩き込む!
周りからの懐刀は『衝撃波』の『範囲攻撃』で吹き散らし、
絶好機を造り出してやる!
だから早く終わらせてぇー!?
ナイ・デス
真の姿で戦う
色々な倒し方が、できるのでしょうね
けれど、私は、大祓骸魂さんを倒すなら……
この還し方でおくりたいと、思います
真の姿「光」が中枢となって、新生ダイウルゴスに
ダイウルゴス化させられた大地のように
けれど強制ではなく、お願いによって
世界の一部に、一時的に竜となってもらって一体に
殺しを愛というのなら
救えないのなら
せめて、愛する世界の一部となって
愛するものの手で
あなたを、骸の海に、永遠に
優しく葬れたらと
世界の力を束ねて、浄化の光で虞を撃ち祓い
生命力吸収、大祓さんを世界の糧とするよう、一部でも力を吸収して
あなたの愛を、覚えておきます
……おやすみなさい
空亡・劔
アドリブOK
同行
龍香(f31688
神殺しの魔王発現
だが…
⑥
宴会よ!
屋台の拉麺買ってきたわ
ほら…ええと…大ちゃん(大祓骸魂)に龍香!一緒に食べるわよ!
うん中々美味しいものでしょ?
龍香が進めるのも美味しく食べて龍香にも勧め
確かあんたが好きだったおやつ…
それは難しかったけどこれならいけたわ!(牛乳から蘇を作った
なんか作り方が凄い出回ってたの
と言う訳で蘇を一緒に食べるわ
知ってるわよ
あんたは忘れてるかもだけど醍醐が好きだったのよね
桜はきれいね
ねぇ大ちゃん
永遠にそばにいたい
それはきっと誰もが願う想い
でも…変化し続ける事もきっと素敵なことなのよ
新しいものが見れるのはとても楽しいわ
最後
【天候操作】
太陽を昇らせ
伊吹・龍香
劔(f28419)と行動
選択するのは⑥
宴会に一緒に参加するのだが
うちは大ちゃんのこと全然知らへんし食いまくるで!!
おー…いろいろ見たことないもん多いなぁ?
って意外と美味しい!?
ほれほれふたりともこれ食べてみぃ!
ほんまにおいしーから、なっなっっ!!
と、完全に対応を劔に任せ自分は宴会での料理を食べまくり時折すごく美味しかったものを二人に進める魔王様
アドリブOK
「お前分かってんのか珍獣!」
転送されて数秒後、側に現れた不思議な生物へと数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は指を突き付け、叫んでいた。
「この戦いはなぁ!? 滅茶苦茶大事なの! ふたつの世界の存亡がかかってるんだからな!?」
実にシリアスな最終決戦である、ただ。
「それを、こんな、こんな……」
にもかかわらず多喜の言うところの珍獣は出現するなり言ったのだ。
「今だ多喜ちゃん! 変身だ!」
と。言外に魔法少女的な姿で戦えと。
「ええいもう、分かったよ! 腹決める!」
既に大祓骸魂と戦っている知った顔に笑うなよと念を押すよう東京スカイツリーから見える夜空に声を投げ。
「らじかる☆まじかる★チャームあーっぷ!!」
多喜の変身シーンは始まった。きっとスキップは出来ない。
「色々な倒し方が、できるのでしょうね」
その一方で、これまでの他の猟兵達の戦いを振り返ったナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)はけれどと続ける。
「私は、大祓骸魂さんを倒すなら……」
この還し方でおくりたいとナイが姿を変えてゆく。光に変わってゆく身体を核に周囲の世界がナイの願いによって竜を形どってゆく。多喜もナイも相手の虞を利用し、真の姿へと変じて戦うことを選んだのだ。
「って、ちょっ」
この時、共闘する形になったナイとのシリアス的な温度差で多喜が顔をひきつらせたとか引きつらせなかったとか。
「猟兵たちよ 私を尚も止めようとするのですね」
ただ、大祓骸魂は動じることも何か慮ることもなく言葉を投げて。
「我が身、我が存在……今こそ、その意義を果たす時! 我が名は空亡剱! 世界の脅威を滅ぼす者なり!!」
始まろうとする真の姿の猟兵達と大祓骸魂の最終決戦、その終局。空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)は凍てつく赤き太陽の如きオーラでその身を覆うと星空へ飛び立った。今まさに戦いを始めんとする二人に助成するのかと思いきや、オーラの尾を引いた劔は地上へと降下してゆき。
「宴会よ! 屋台の拉麺買ってきたわ」
暫くして戻ってきたが両手で持つのは湯気の立つどんぶりの載ったお盆であり、得た飛翔力はわざわざ屋台に行くのに用いられたらしい。ゲイン塔の周辺にはいつの間にか魂と肉体を癒やす桜が生えた地面が浮かび、宴会を宣言した劔の目を楽しませるも、花見がメインとは言えこの戦いには宴会を楽しむ猟兵の目も存在するということで。
「この姿になったからにゃ、もうやけくそだぁ!」
そんな状況であろうと、魔法少女・多喜にできることは変わらなかった。ナイとの温度差もあって先方はあっけにとられているだろうから、そう断じて走り出す。我に返られる前に勝負を決めると。
「殺しを愛というのなら、救えないのなら」
もちろん、ナイもただ立ち尽くしていた訳ではない。竜の、新生ダイウルゴスの翼を羽ばたかせ、飛翔する。
「らじかる☆まじかる★えれきてるっ☆」
韻をふみつつ詠唱しながら変身によって出現したらしいステッキっぽいモノを振る多喜を視界に入れ。
「いっけぇ!」
電撃が火花を散らし光が大祓骸魂とその周辺を漂白する。
「うわっ」
だが、手負いと言えど大祓骸魂もただ一方的にやられるつもりはなかったのだろう。炸裂した電撃魔法を突き破っていくつもの懐刀が飛び出し、多喜へと襲い掛かり。
「なんのっ!」
多喜は衝撃波を放って電撃魔法の突破で勢いを減じていた懐刀の群れを弾き散らす。ナイから見えていたように多喜からもナイは見えていたのだ、だから。
「早く終わらせてぇー!?」
絶好の機会を作り、乞う。
「せめて、愛する世界の一部となって、愛するものの手で」
そしてこれに応えるようにナイは大祓骸魂へと距離を詰めながら左右両の手に世界の力を束ね浄化の光をともす。
「あなたを、骸の海に、永遠に」
優しく葬れたらと願いながら放たれた光が大祓骸魂の虞を削り、消滅させてゆく。
「愛しきUDCアース、私はあな」
「あなたの愛を、覚えておきます。……おやすみなさい」
虞を取り払われた大祓骸魂が至近で聞いたのは、ナイの囁き。声の方を向き直ろうとする大祓骸魂の身体からは力が、命が、急速に抜けて。
「ほら……ええと……大ちゃんに龍香! 一緒に食べるわよ!」
故にその後に認識したモノは夢か現か。大祓骸魂を大ちゃんと呼ぶ劔は桜の近くに敷かれたシートを示し、そちらへ誘い。
「せやな。うちは大ちゃんのこと全然知らへんし食いまくるで!!」
こちらも同じ呼び方をする伊吹・龍香(鬼龍の魔王・f31688)が視線を向けるのは、大祓骸魂ではなくシートの上に並ぶ料理の数々。
「おー……いろいろ見たことないもん多いなぁ?」
龍香は宣言するや物色を始め。
「って意外と美味しい!?」
「うん中々美味しいものでしょ?」
最初に手を伸ばして口に入れた龍香が目を見開けば、劔も笑顔で頷いて。
「これとかも――」
「ほれほれふたりともこれ食べてみぃ!」
自身も料理に手をつけつつ龍香へ進めようとしたところで、興奮した龍香は劔と大祓骸魂へ今しがた食べたモノと同じものを突き出す。
「ほんまにおいしーから、なっなっっ!!」
有無を言わせる間も与えず、それでいて上機嫌に龍香が勧めてきたモノを一人は勧められるままにもう一人は微苦笑とともに受け取り。
「ああそうそう。確かあんたが好きだったおやつ……それは難しかったけどこれならいけたわ!」
勧められたモノを飛べる手を止めて劔が並ぶ料理の中から拾い上げて龍香へ差し出すのは、牛乳から作った蘇というもの。
「なんか作り方が凄い出回ってたの」
「ふ~ん……んっ?!」
そう補足もするが話半分に手を出した龍香は口に入れたとたん固まり。
「これ――」
先ほどの巻き戻しの様に龍香は二人に蘇を勧めることとなる。
「知ってるわよ。あんたは忘れてるかもだけど醍醐が好きだったのよね」
はしゃぐ龍香に微笑んで劔は自身も蘇を口に入れ、宴は続く。
「桜はきれいね。ねぇ大ちゃん」
塔の頂上を吹く風が桜の梢を騒めかせ、散る花びらが季節外れの桜吹雪に風を変えてゆく中、劔は大祓骸魂に同意を求めた。
「永遠にそばにいたい、それはきっと誰もが願う想い」
でもと続けて視線を東の空に向ければいつの間にか空は白み始めており。
「……変化し続ける事もきっと素敵なことなのよ。新しいものが見れるのはとても楽しいわ」
「私は――」
劔の言葉に大祓骸魂はなんと答えるつもりであったのか。いつの間にか輪郭さえ朧なほどに実体を薄れさせていた究極妖怪は暁の中、桜の力によって消え去っていったのだった。
大成功
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