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大祓百鬼夜行㉕〜虞神百鬼夜行

作者：夢幻

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●東京スカイツリー
　突如として東京上空に暗雲が広がり、無数の妖怪達が溢れかえる。そして、電波塔の頂上に『大祓骸魂』が現出した。
「愛しきUDCアース　あなたを思う　私の愛は揺るがない。だから　私は帰って来たのです」
　ここに猟兵と究極妖怪の最終決戦が始まるのであった！

●その虞を祓い給え
「遂に我ら猟兵にも『大祓骸魂』が見える様になった！　グリモアが導くは東京スカイツリーの『ゲイン塔』、そこでかの究極妖怪を討ち取るのだ！」
　グリモア猟兵の天御鏡・百々（その身に映すは真実と未来・f01640）は、集まった猟兵達に最終決戦の始まりを告げる。ちなみにゲイン塔とは東京スカイツリーの最上部に設置された、アンテナが収納された高さ約140ｍの巨大構造物である。

「大祓骸魂は残る百鬼夜行を引き連れて待ち受けている。困難であるのは重々承知だが、この妖怪達を殺さずに大祓骸魂だけを撃破して欲しい」
　『ＰＯＷはどろんバケラーの集団』、『ＳＰＤは地獄の獄卒軍団』、『ＷＩＺでは悪霊軍団』を相手にすることになる。百鬼夜行は戦争サバイバルの結果により弱体化しているが、このうちＰＯＷに関しては大祓骸魂のユーベルコードで強化されるため、その点は留意してほしい。
「言うまでも無かろうが、大祓骸魂はUDCアースの大いなる邪神が一柱にも数えられる究極妖怪だ。その神智を越えた虞は親分すらも凌駕する。この戦争最大の強敵だ」
　先制攻撃のようなことはしてこないまでも、強敵であることは間違いない。全力で挑まねばならないだろう。

「ここに至れたのは、親分を初めとした妖怪達の献身があってこそだ。それに報いるためにも、かの究極妖怪の虞を打ち破り、二つの世界を救うのだ！」
　百々は猟兵達を激励すると、決戦の地への転移を始めるのであった。

第1章 ボス戦 『大祓骸魂』

POW   :    大祓百鬼夜行 【骸魂によってオブリビオン化した妖怪達】が自身の元へ多く集まるほど、自身と［骸魂によってオブリビオン化した妖怪達］の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。 SPD   :    生と死を繋ぐもの 自身が装備する【懐刀「生と死を繋ぐもの」】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。 WIZ   :    虞神彼岸花 【神智を越えた虞（おそれ）】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を狂気じみた愛を宿すヒガンバナで満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「長い戦いだったが、ようやく此処まで辿り着いたか――」
「しっかし、妖怪軍団も居るのか……これはまた面倒な」

　スカイツリーのゲイン塔へと転移した猟兵、夜刀神・鏡介（道を探す者・f28122）と月夜・玲（頂の探究者・f01605）は大量の妖怪を引き連れた大祓骸魂と邂逅する。

「標的は大祓骸魂だけだ。妖怪達は救出しないといけないな」
「まあ、やるしかないか。戦いは、難易度の高い方がやりがいがあるしね」

　骸魂に呑まれて配下とされた妖怪に罪は無い。そのため、彼らは殺さずに無力化する必要がある。困難ではあるがそれでこそ燃えると、玲はそのための手段を決めて前へと進む。

「さてと、それじゃあいこうか」
「ああ、最終決戦だ。大祓骸魂を倒し、そして二つの世界を守ってみせる！」

　歩み出る二人へと、地獄の獄卒軍団が襲来する。これに対して、鏡介は神刀『無仭』の封印を解くと、紫紺の神気を身に纏った。

「浄化の刃だ！　骸魂よ、これで祓ってやる！」

　輝く刃が高速で振るわれ、浄化の神気を込められた衝撃破が地獄の獄卒を襲う。しかし、それは地獄の獄卒を怯ませたものの、骸魂を消滅させるには至らない。だが、ここで玲の召喚が完了する。

「もう大赤字だけど、その分有用なデータを貰うから覚悟してよね大祓骸魂！　カートリッジロード、プログラム展開。雷龍召喚！！」

　代償を大盤振る舞いして、玲は『Code:P.D』を発動する。そして呼び出されたのは、最大サイズの雷龍が上限の十二体だ。そのうちの半分が威力を調節した電撃のブレスを吐いて、浄化の刃を受けて動きの鈍った地獄の獄卒を痺れさせる。これで百鬼夜行の無力化は成功だ。

「愛するUDCアース　あなたを永遠にする　邪魔はさせません　『生と死を繋ぐもの』」

　配下を倒され、大祓骸魂が動き出す。彼女は手にする懐刀を複製し、自身の周囲に浮遊させる。それは条件こそあるものの、万物を殺し過去にする脅威の刃だ。

「斬り込むぞ！　参の秘剣『紫電閃』！」
「雷龍、敵の刀を受け止めてね！　私も続くよ！」

　ユーベルコードにより加速した鏡介が先行し、大祓骸魂の元へと突き進む。彼は強化された思考速度で懐刀を受け流し、あるいは破壊しながら敵の元へと迫る。そしてそれに続いて、『《RE》Incarnation』と『Blue Bird』の二刀を両手に持った玲が続く。彼女の雷龍は、無数に浮かぶ懐刀の抑えに回る。

「猟兵たちよ　死を恐れぬのですか」
「危険も消耗も覚悟の上だ！」
「死ぬつもりはないよ。全て攻略して、勝ってみせるからね！」

　万象を殺す刃すらも恐れずに、猟兵達は展開した『生と死を繋ぐもの』を切り抜け、大祓骸魂へと接近戦を挑む。そして寿命の消耗を厭わぬ鏡介の九連撃が、玲の二刀による連撃が、大祓骸魂に叩き込まれた！！

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「数には数です、思い切り行かせて頂きます！」

　無数の悪霊達を前に、隠神・華蘭（八百八の末席・f30198）は盛大に煙を上げながらユーベルコードを発動する。

「みぃんな出て、こいこいこいです！」

　その『乱舞・狸囃子』によって召喚されたのは、悪霊の数すら上回る化け狸の集団だ。華蘭も化術で同じ姿に変化すると、一緒に突撃をかける。

「総員、目の前の悪霊達と同じ姿に化けるのです！」

　その突撃の最中、華蘭の号令によって化け狸達は悪霊の姿に変化する。それによって生み出されたのは、誰が敵か味方か解らない大混戦だ！

「猟兵よ　何がしたいのですか？」

　単に戦場が混乱しただけで、耐久力の無い化け狸は悪霊の攻撃を受ければあっさりと消滅してしまう。これでは悪霊を倒すこともまともに出来ないだろう。華蘭の意図がわからず、大祓骸魂は困惑する。

「ふっふっふ。油断大敵ですよぉ！」
「！！　そういうことですか……」

　その時、大祓骸魂の側の悪霊の姿がいきなり華蘭に変わり、背後から大祓骸魂に『竹伐ノ鉈』による斬撃が繰り出された。そう、全てはこの騙し討ちの布石だったのだ！

「何度だってやってやりますよぉ」

　攻撃を終えた華蘭は、反撃で放たれる虞を警戒して、すぐさま悪霊に変化してわちゃわちゃとした悪霊の集団に紛れる。この混戦の中で、同じ姿に変化した彼女を捕捉するのは不可能だ。
　そして華蘭は機を見て、再び奇襲を仕掛ける。これこそが騙し化かしの化術使い、どろんバケラーの戦い方である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　続いてどろんバケラーの集団を率いる大祓骸魂に対峙するのは、空亡・劔（本当は若い大妖怪・f28419）であった。

「……あたしの役目が分かった気がする。きっとあたしはこの百鬼夜行を……」

　独りごちた彼女は、この決戦のためにユーベルコードを発動する。

「我が身、我が存在……今こそ、その意義を果たす時！　我が名は空亡剱！　世界の脅威を滅ぼす者なり！！」

　剱を凍てつく赤き太陽の如きオーラが覆い、ここに神殺しの魔王『空亡剱』が顕現する。大祓骸魂という二つの世界を滅ぼしうる脅威を相手に、その力は限界まで高まっていた。

「凄まじい力の高まり……これはあんたがそれだけの脅威だからなのね……だからこそあたしはあんたを止めるのよ！！」
「猟兵よ　私を止められるものならば　止めてみなさい」

　大祓骸魂は、小手調べとばかりにどろんバケラーの集団を剱に差し向ける。それを彼女は吹雪を巻き起こすことで無力化を試みるが、大祓骸魂のユーベルコードで強化された集団は、その程度で動きを止める事は無い。

「殺さずに無力化しないといけないのだけれど……」
「オーダー了解！　いざ参りマース！　骸式兵装展開、朱の番！」

　攻めあぐねる剱をサポートすべく、バルタン・ノーヴェ（雇われバトルサイボーグメイド・f30809）が参戦する。そんな彼女の姿は、海賊のコスプレじみた格好であった。

「百鬼夜行のエブリワン！　お前たちの力を奪ってやるぜ！　デース！」
「水と氷なら、相性がいいわよね？」

　そしてバルタンが巻き起こすのは、とあるオブリビオンの技を真似た『木阿弥大津波』である。やる気を奪うこの津波を喰らって、どろんバケラーの戦意が低減する。そこに劔が氷の魔剣から冷気を放ち、凍結させることで敵集団の足を止める。これで無力化は十分だろう。

「さあ、これであとはあんただけよ！」
「流石にやる気を削っただけじゃ倒せないデース！　でも、ここで引き下がるという選択肢はありゃしないデース！」

　残るは大祓骸魂のみ、二人の猟兵はそれぞれの武器を構え、彼女に向けて突撃をかける。

「愛しきUDCアースを永遠にするため　『生と死を繋ぐもの』で　あなたたちを殺しましょう」

　それに対し、大祓骸魂は万象を殺す懐刀を抜いて応戦する。しかし、今更それに臆するような猟兵達では無い。

「HAHAHA！　ワタシの武装はこのファルシオンだけではありまセーン！」

　バルタンはサイボーグの身体からサブマシンガンやパイルバンカーなど、様々な武装を展開して大祓骸魂を攻め立てる。そうしてバルタンが敵の注意を引いたところで、決めるのは剱だ！

「世界の脅威よ！　あなたを殺すのは、このわたしよ！」

　バルタンへの対応で晒した大祓骸魂の隙に、剱は超高速で突っ込んだ。そして氷の魔剣で懐刀を弾き飛ばすと、彼女の本体でもある殺神魔剣『空亡・紅』で、大祓骸魂を貫いた！

「ああ　愛しきUDCアース　わたしはあなたを……」

　その攻撃がトドメとなって、力尽きた大祓骸魂が消滅していく。猟兵達の勝利だ！


　強大なる大祓骸魂の虞も、この戦争を通じて最低限まで抑えこまれている。猟兵達の獲得した祓がそれを上回るまで、さほどの時間はいらないだろう。戦争の勝利、そして二つの世界の防衛までは、もう間もなくだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年05月30日