大祓百鬼夜行②〜1から始める無限成長
●最弱の可能性
カクリヨファンタズム最深層、最弱竜神の祠。
その地に眠りし竜神親分『碎輝』は生まれたばかりの竜神にも負ける自他共に認める最弱の竜神である。
それなのに百霊鎮守塔に力を抑え込まれているのはなぜか。
それは類稀なる『無限に成長する』能力を持っていたから。
どこまでも成長する竜神は来るべき時に備え眠り、成長を抑え込んでいたのだ。
――そして来るべき時とは今。
『昨日より今日! 今日より明日! 俺はどこまでも強くなる……!』
最弱の竜神『碎輝』は来訪者の気配に、咆哮と共に目覚める――!
「……竜神親分、暑苦しいね」
何となく疲れた表情のケットシーのクーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)は集まった猟兵達に彼女の見た予知についての説明を始める。
「竜神親分『碎輝』は幽世の最深層、最弱竜神の祠で眠っていたけどようやく目覚めたみたいなんだ。事情についてはその能力ですぐに把握して他の親分と同様に骸魂と大量に合体してるようだけど、理性は飛んだりしてないみたい……むしろ通常運転?」
他の親分と同じく全力で戦って倒す必要がある、と騎士猫は言う。
「祠の名前の通り碎輝は最初は弱い、けれど不利になればなるほど成長して恐ろしいくらいに力が跳ね上がっていく。今回予知できたのは無限進化型の方だからとにかく成長する時間を与えないよう一気呵成に力を合わせて攻撃叩き込むのがいいだろうね。」
というより、迂闊にダメージ与えると大逆転喰らいかねないレベルに強化されるらしい。
「百霊鎮守塔を制圧できてればちょっとは力も抑えられたんだろうけどもうちょっとかかりそうだし、真っ向勝負で打ち破るしかないね。……昨日より今日、今日より明日。竜神親分の口癖みたいだけど、そんなノリで頑張って彼を倒してきてほしい」
そんな風に説明を締め括ったクーナは灯篭のようなグリモアを取り出して火を灯す。
火が揺らめき景色が回転し、そして猟兵達は祠の前へと転送された。
――祠の前では、碎輝が待ち構えていた。
既に『成長』して経緯を理解しているらしい彼に骸魂に乗っ取られているような様子は見られず落ち着いた様子である。
だが、竜神親分は槍を構える。為すべきこと――猟兵達と全力で戦い、その上で乗り越えさせ力をつけさせる事もまた理解しているからだ。
『俺は、どこまでも強くなり、そしてお前達も今よりもっと強くなれる!』
さあ、俺を越えて見せろ! 稲妻纏う竜神親分はその最弱より始まる力を猟兵達に向けるのであった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
昨日より今日! 今日より明日!
このシナリオは最弱封印の祠で『竜神親分『碎輝』成長電流形態』と戦うシナリオとなります。
碎輝は最弱の竜神親分と呼ばれているだけあり最初は雑魚ですが、こちらの勝利が近づく(🔵が増える)につれ成長して身に纏う雷は激しくなり身体能力も跳ね上がっていきます。
また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。
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プレイングボーナス……他の猟兵と連携して戦う。
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それでは皆様のプレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『竜神親分『碎輝』成長電流形態』
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POW : 成長電流放射
【黄金竜】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【状態から次第に強くなっていく電流】を放ち続ける。
SPD : 黄金竜神
【体に雷を纏う】事で【無限に成長を続ける黄金竜の姿】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 超電竜撃滅衝
自身が装備する【槍】から【無限に成長する巨竜型の雷電】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【感電】の状態異常を与える。
👑11
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霧鵺・アギト
戦う度に強くなる、か…。
どこかの戦闘民族のようだな。
最弱と侮って油断しないように気を引き締めよう…!
僕は物理でやりあう、みたいなのは得意ではないから、他の猟兵との連携を意識してサポートに徹するよ。
【多重詠唱】と【全力魔法】を駆使して【結界術】を展開。
雷の攻撃から皆を守るように尽力しよう。
結界が間に合わない場合は【高速詠唱】でこちらも雷魔法を放ち、敵の電流の進路を妨害し、攻撃をそらすように試みるぞ。
隙があれば【指定UC】を発動。少しでも他の猟兵の戦いが有利になるよう、猛毒での【継続ダメージ】を狙うよ。
竜神親分のその熱い意志は僕らにしっかり伝わったよ。あとは我々に任せるといい。
蛇塚・レモン
連携なら任せてっ!
あたいは、同行するみんなを信じてるっ!
だから負けないよっ、絶対!
●対電雷
鏡盾を媒介に、全力魔法・結界術・オーラ防御の三重防壁を展開!
盾受けで巨竜型の雷電を受け流すよっ!
デカいし無限に成長するし、そういうのズルいから禁止~っ!
嫉妬の心が、召喚した蛇神様の破壊念動波となって(衝撃波+念動力+範囲攻撃)、雷電ごと碎輝くんを吹き飛ばすよっ!
あたいのUC効果は『対象の捕縛とUC封印』!
行使している間は毎秒寿命を削るけど
碎輝くんを一時的に無力化するよっ!
みんなっ!
今のうちに総攻撃するよっ!
反動を継戦能力で堪えつつ
あたいも蛇腹剣で斬撃波弾幕を乱れ撃ち!
成長して勝つのは、あたい達だぁーっ!
メリー・ブラックマンデー
(アドリブ連携歓迎)
昨日より今日、どこまでも成長を続ける竜神…流石は私達竜神の親分だわ!
…でも熱有り余って暑苦しいのは否定しきれないわね…
無限に成長し続けるなら、成長する前に全力をぶつけ倒せばいい。
そのための連携だけど、あの巨竜型の雷電は厄介ね…近づこうにも近づけないわ。
…いいわ。禁術を使う時は今!【禁術・全能なる祖竜への回帰】!
『アルテミス』から雷電に神気の光を!その雷電の成長を否定し巻き戻し続ける!
成長しきっていない弱い状態なら『セレーネ』の<盾受け>で防げるはず。
私の役目は雷電を封じ、共に戦う猟兵を貴方の元に辿り着かせること。
生きる意志を持つ者を守護し、先へと進ませる…それが私の全力よ!
ナイ・デス
骸魂の影響が完全になくなったら、一緒に戦ってもらえるでしょうか?
休んでもらっても、ええ
碎輝さんを超える私達です。勝利してみせますけれど!
変身して光を放ち、ダイウルゴスのフロンティア・ライン染みた【生命力吸収】
碎輝さんの電流を自らの一部に、碎輝さんの弱体化か、成長速度を緩めて味方の支援となりながら、力をためる。成長する
【覚悟、激痛耐性、継戦能力、かばう】
最大飛翔速度に光を放っての加速【推力移動】もして、自ら盾となり
吸収、感電。自らを破壊して、再生、再構築して戦闘力増強
強く、速くなって
碎輝さんのおかげで、強くなれました
必ず世界、救います!
電流纏い輝き増した【浄化】の光で、骸魂を、虞を、撃ち祓う!
クルル・ハンドゥーレ
アドリブ歓迎
親分達から信じて任されたんや
応えへんでどないするん?
他の猟兵と連携して戦う
攻撃は主に仲間にお願いして
私はUCと攻撃抑える方に行こか
先制攻撃+UC展開
リミッター解除・限界突破・結界術も使用
半端な攻撃は逆効果、なら能う限りその攻撃、抑えて見せたる!
電流や通常攻撃は瞬間思考で分析
見切り+武器受け+盾受け+オーラ防御で対応
感電には浄化
どうしても火力足りない場合のみ可能な限りUC維持しつつ攻撃にも参加
フェイント+毒使い+マヒ攻撃+鎧無視
シホ・エーデルワイス
アドリブ歓迎
味方と連携して挑む
確かに暑苦しいといわれるのは分かりますが
助けようとして力及ばず苦い思いをした私にとって
未来を信じて成長しようとする碎輝さんの志はカッコイイと思います
私の強みは防御と支援故
味方の援護を優先
敵の雷は聖剣を念動力で宙に浮かせて避雷針にして逸らすか
電撃耐性のオーラ結界で味方を庇いつつ防御
私の負傷は攻勢に出る時UCを使えさえすれば問題無し
余裕がある内は味方の攻撃が当たり易い様
フェイントの誘導弾で目潰しによる援護射撃
攻勢に出る時点で
味方に【犠聖】を使用
他
味方に作戦があり手伝えるなら
多少無茶でも協力
無事碎輝さんから骸魂を取除け戦いが終わったら
『聖剣』を持たせ医術で手当てします
●竜神親分はどこまでも高みを目指す
『昨日より今日! 今日より明日! どこまでも成長して乗り越えるんだ!』
竜神親分『碎輝』は猟兵達に槍を向けてそう言った。
その目は無数の骸魂と合体しているにも関わらず理性の光を宿し、そして猟兵達への期待に満ちている。
無限に成長する能力、それすらをも超えて超えられて大祓骸魂を討ち果たせる程の力を備えてくれと、そんな期待に。
「……どこかの戦闘民族のようだな」
戦う度に強くなる竜神親分の能力を白衣の青年、霧鵺・アギト(叡智を求めし者・f32015)はそう評する。
「流石は私達竜神の親分だわ!」
そして碎輝の言葉に感銘を受けているのは竜神のメリー・ブラックマンデー("月曜日"がやって来る・f27975)。
停滞を嫌い進歩を好む彼女だから、常に成長を続けんとする親分の言葉はすんなりと受け入れられる。
「……でも熱有り余って暑苦しいのは否定しきれないわね……」
「確かに暑苦しいといわれるのは分かりますが……」
流石にそこは否定しきれないメリーにオラトリオのシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)も一部同意する。
しかし、シホはかつて人を救おうとし、力及ばず苦い思いをしている。だからこそ、どこまでも未来を信じ成長しようとする竜神親分の志はカッコいいとも素直に思えていた。
一方で、そんな真っすぐな碎輝の言動が骸魂に影響を受けているとはナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)にはとても思えない。
「骸魂の影響が完全になくなったら、一緒に戦ってもらえるでしょうか?」
『ああ、無理だな!』
お願いは速攻で拒否されてしまった。
『そんなすぐ回復できる程度の全力じゃ意味がない。生き延びたとしても暫くは休まなきゃならならないだろう』
だから全力で乗り越えてこい、碎輝が言いたい事はそういう事なのだろう。
「親分達から信じて任されたんや。応えへんでどないするん?」
エルフのクルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)がナイの肩を叩く。
託すための戦い、長きを生きてきた竜神親分に大いなる邪神との決戦を任せられるほどに信じられたなら、その意志に応えなければならないだろうと。
「休んでもらっても、ええ。大丈夫です。……碎輝さんを超える私達です。勝利してみせますけれど!」
そしてナイがユーベルコードを起動し全身を鎧で覆う。その姿はどこか帝竜ダイウルゴスにも似ていた。
『それじゃいくぞ!』
雷電が碎輝の体を包み、その体を黄金竜へと変化させる。同時、ナイの鎧から放たれた光は碎輝の生命力を奪い始める。
そんな彼の攻撃に対し碎輝が雷撃を放つ。
「連携なら任せてっ!」
鏡のように磨き上げられた白金の円盾を構えた蛇塚・レモン(白き蛇神憑きの金色巫女・f05152)が飛び込み、快活にそう言った。
仲間への信頼篤い彼女は勝利を微塵も疑っていないようでその行動に迷いはない。
盾を 媒介に魔術・結界・オーラの三重防壁を展開し、電撃を遮断する。
最初期こそ最弱、だが無限に高速で成長していく碎輝は決して侮れるような存在ではない。
油断せぬよう気を引き締めるアギトの横から飛び出したメリーが高く跳躍し時計の長針を象ったアーミングソードで黄金竜に斬りかかる。
無限に成長し続けるなら、成長する前に全力をぶつけ倒す。
だが碎輝もそれは承知済み、振るわれた剣を黄金竜の頑丈な鱗で受け滑らせるように流すとその腕で弾き、同時に周囲一帯に雷撃を降らせ追撃をかける。
しかしその雷撃は空に浮かんでいた一本の聖剣へと吸い寄せられ目標には命中しない。
シホが念動力で浮かべた聖剣は避雷針の役割を十分に果たしていたが、範囲が広く引き寄せきれない。
それを認識したシホは聖剣から離れた位置にいたクルルの周囲に雷防御のオーラ結界を展開する。
シホの得意分野は支援と防御、他者を守る分自分自身の守りが手薄になるが、必要な時にユーベルコードを起動できさえすれば問題ない。
「縛り戒め虜囚となさん、時の涯まで、終の戦の果つるまで――」
次の攻撃に碎輝が移ろうとする前にクルルの声が響き、無数の鎖【Gleipnir】が虚空より湧き出て碎輝に絡みつく。
絡みつく鎖は超重、ユーベルコードすら封じる力をも持つ。
だが、碎輝もそれは無意識に理解しているようでユーベルコードを解除し元の姿に戻って鎖の拘束から逃れると、
『それじゃあコイツを乗り越えて見せろ!』
槍を構えて叫び碎輝の槍から雷電を放った。それは巨竜の形を成し、円を描くように周囲一帯に食らいつき鎖を弾き飛ばしながらその身の成長電流で猟兵達を撃つ。
黄金竜の降らせる電流をも文明の一部として吸収する。だが同時に感じる違和感。
文明化したにもかかわらず成長電流は形を失っていない。成長させてしまえば食い破られてしまう予感をナイは感じた。
だがそれならば成長する前に倒す、飛翔するナイの全身から放たれる光は碎輝の生命力を奪いその成長を遅れさせる。
アギトの結界が幾重にも展開、巨大雷竜の電撃を防ぎ、一旦彼の後方に下がっていたレモンの背後にずるりと巨大な白き蛇神が召喚される。
「デカいし無限に成長するし……そういうのズルいから禁止~っ!」
どこまでも成長するその能力にレモンが抱いた嫉妬心、それが破壊念動波として碎輝に襲い掛かる。
碎輝は巨大雷竜を壁にするも念動波を相殺しきれず吹き飛ばされ、そしてそのまま碎輝を念力で拘束する。
『なかなかやるな! だがまだまだ成長できるだろう!』
念力をその膂力だけで弾き飛ばし、碎輝がレモンへと一直線に飛び込んでいく。
障壁を展開した盾でガードするが、強烈な一撃に踏ん張りがきかず吹き飛ばされてしまう。
そして再び周囲に雷撃を放ち、それを時計意匠の錫杖のような杖をアギトが向け、雷の魔法をぶつけ逃がしやすい通り道を作りながら相殺、或いは直撃をアギトは逸らす。
結界と合わせ幾分かはダメージを軽減できているが、雷撃は明らかに激しさと速度を増し多重結界も追いつかなくなりはじめている。
碎輝が再び巨大雷竜
虚空の鎖が雷電に絡みついて霧散させる。
クルルは攻撃を仲間に委ね、後の事を考えず最初から全開で抑え込む方向で動いている。
半端な攻撃は逆効果、ならば支援に徹するが良策と判断したからだ。
だが、【Gleipnir】が雷竜を拘束しても消失するまでの時間が伸びてきている。
「……ちょっとこれ、まずいかも!」
一筋の汗がレモンの頬を伝い落ちる。
できる限り無力化した上でこの状態なのだ。碎輝を念動波で拘束するレモンが感じる抵抗もだんだん強く、拘束できる時間も減って来ている。
(「封印に抗って成長しとるんか?」)
数度の交錯でこれだ。竜神親分の成長電流は想像以上に早い。瞬間瞬間、今の時点でも一撃が恐ろしく重い為高速思考での分析は切らせない。
雷電が奔り、クルルが即座に結界とオーラを纏わせた盾で受ける。
しかし防ぎきれず僅かに痺れが体に響く。浄化で感電を解除しつつ次なる雷に彼女は備えれば一層巨大化した巨大な雷竜が碎輝の周囲を囲み、接近するものすべてに雷撃を喰らわせる壁となっている。
「これじゃ近づこうにも近づけないわね」
懐中時計の神器《セレーネ》を確認しつつメリーが言う。蓄えた魔力で防壁を展開するそれの残量を示す月は新月に近い。
これから先成長が加速すれば一気に畳みかけられる可能性も高いだろう。
「……いいわ。禁術を使う時は今!」
そしてメリーが宝珠の神器を取り出しユーベルコードを起動する。
「時は止まらない。時は戻らない。それが世界の大原則――反逆の対価はこの身と心で」
何かに語り掛けるように彼女が言葉を紡げば、彼女に竜尾や翼、角が顕現。そして宝珠から神気があふれ出て戦場に広がっていく。
巨大に成長した雷電の竜はまるで時を巻き戻したかのように小さく、最初の姿へと戻っていく。
成長とは時間を重ねる事。それを否定し巻き戻し続けるのがこの禁術だ。
この状態なら《セレーネ》の防壁、そしてアギトの結界を合わせれば十分に雷電竜を突破する事も可能。
「……私の役割は、共に戦う猟兵を貴方の元に辿り着かせる事」
生きる意志を持つ者を守護し、先へと進ませる事がメリーの在り方には重要で、その為ならこの禁術を行使する事も怖くはない。
「それが私の全力よ!」
メリーの言葉と共に神気が雷電竜を呑みこみ、縮小したそれをクルルの鎖が縛り付けて碎輝を蛇神の念動波が同時に拘束する。
成長電流を限界まで弱体化させている今が好機、そして今しかない。
「みんなっ! 今のうちに総攻撃するよっ!」
レモンの号令に猟兵達は一斉に行動を開始する。
「私は祈る、私は払う、私は背負う、主よこの身を捧げます」
祈り捧げるシホ、その体に仲間達が負った全ての負傷が一気に刻まれる。それを代償にした奇蹟は他五人の完全回復と多くの戦闘の為の能力を高める聖痕の加護。
だがまだシホは踏み止まる。戦いは終わっていないのだから。
そしてクルルがありったけの魔力を込めた【Gleipnir】で雷竜を縛り抑え込む。
封印しきれていないが、それでも碎輝を叩かんとする仲間を妨害させはしない。
そして全身を念動波に拘束された碎輝が逃れようとしたその瞬間を見逃さず、アギトがユーベルコードを起動。
「時間の角から来たりし狩人……逃げ切れるかな?」
鋭角より現れし青い猟犬の霊――それは碎輝の槍の先端より出現し、背後の拘束された碎輝をその爪で引き裂く。
強力な猛毒を宿すその爪は碎輝の体力を奪いその意識を混濁させる。いずれは成長電流の成長が上回り無効化されるのだろうが、今はこの短い時間が重要だ。
さらにシホが拳銃の引き金を引き光の精霊弾を碎輝の顔に撃ち込む。誘導弾で威力はない、だがその視界を一瞬遮るには十分だ。
視界を塞がれた所にナイが飛び込み電撃の直撃を受け鎧が砕かれる。しかし即座に修復し再構築、自傷すら即座に再生してその分だけ強化される彼のユーベルコードは、シホの聖痕の加護も合わせ竜神親分の成長を上回る力を発揮している。
ナイが攻撃を食い止めている所にレモンが連携して蛇腹剣を構え、
「成長して勝つのは、あたい達だぁーっ!」
寿命を代価にする蛇神の力の行使、それによる反動を堪えつつ、レモンが家に伝わる神器の一つたる蛇腹剣を振るい、碎輝に斬撃の衝撃波をありったけ叩き込んだ。
「――碎輝さんのおかげで、強くなれました」
更に電流纏う黒鎧のヤドリガミが高速で飛び込んできて、
「必ず世界、救います!」
放たれる輝きは生命力を奪うものではなく、骸魂を浄化する光。
破壊と再生により高まった力から放たれたそれは碎輝と合体した骸魂を祓い落とした。
『俺の成長を超えるとは見事……!』
そして碎輝はばたりとあおむけに倒れ、天を見上げた。
そんな彼に持つ者の傷を癒すという聖剣をシホが倒れている碎輝に持たせる。効果がどれほどあるのかは分からないが、きっと悪くはならないだろう。
「竜神親分のその熱い意志は僕らにしっかり伝わったよ」
あとは我々に任せるといい、そう告げるアギトに碎輝は頼んだぞと暑苦しく託し、安心したようにその輝くような黄金の瞳を閉じた。
大成功
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