大祓百鬼夜行㉓〜ゴージャス・トレンディ・フィーバー!!
●新し親分との戦いのためには浪費が必須!?
「古今東西、様々なトレンドがあるとは言うが……全てを網羅したかのような新し親分、おそるべし」
グリモアベースの片隅で、グリモア猟兵藤崎・美雪がいつも通り飲み物を振る舞いながら大きくため息をつくのを見つつ、銘々の飲み物を手にとる猟兵達。
飲みながらでいいので聞いてくれ、と前置きし、美雪はグリモアの予知を語り始めた。
「新し親分『バズリトレンディ』への道がつながったので、大祓骸魂との決戦を可能にする技『虞知らず』の会得も兼ねて、皆に新し親分を撃破してほしい」
新し親分は骸魂と合体しても何一つ変化がないように見えるため、躊躇するかもしれないが、一方で新し親分が所持する『虞知らず』を猟兵が会得するには、全力の新し親分を倒す必要があるため、戦闘は避けられない。
もちろん、猟兵達は迷わず頷いたが、親分たる新し親分との戦力差はどう埋めれば良いのだろう?
「そこは心配しなくていい。『トレンディ形態』の新し親分がいる『バズリトレンディ御殿』内では、無限にお金が湧き出ている。このお金で買えるものをイメージすると、金の消費と引き換えにそれが出現するから、遠慮なく利用させてもらえば良いのだ」
『バズリトレンディ御殿』内にいる者は【御殿内における消費金額に応じてパワーアップする】特徴があり、転送された猟兵もその恩恵を受けられる。
仮に、百戦錬磨の猟兵が一切お金を消費せず、綿密な戦術と強力なユーベルコードを以て挑んだとしても、新し親分にはまったく歯が立たない。
しかし、ゴージャスでバブリーで強力な装備をたくさんイメージし、湯水のように湧くお金を大量に消費して装備を手に入れた上で新し親分に挑めば、駆け出しの猟兵でも大ダメージを与えることができるのだ。
いかに大量の金銭と引き換えにゴージャスかつ強力な装備を手に入れ、新し親分を上回る程のパワーアップを果たせるかが鍵となるだろう。
「新し親分を上回る程のゴージャスな装備を得られれば、後は殴り倒すだけだ」
躊躇する猟兵たちを見て、「新し親分も全力でかかってくることを望んでいるゆえ、遠慮はいらないからな」と美雪はそっと付け加えた。
「御殿内はマネーパワーが全てを物語る世界だが、無尽蔵にお金が湧き出る状況に戸惑う者もいるかもしれないな」
UDCアースにおける歴史の教科書で「バブル景気」と称される時代を教科書の中でしか知らぬ美雪にとって、湯水のようにお金が舞う大消費時代は想像すら難しい。
「だが、それもまた、時代の流れ……トレンドのひとつだったのは、確かだ。うまく利用してくれ」
では、頼んだぞ、と一礼する美雪のグリモア・ムジカから躍り出た音符は、猟兵達を取り囲み。
――猟兵達を、新し親分のいる『バズリトレンディ御殿』へと転送した。
●UDCアース・バズリトレンディ御殿
音符に導かれた猟兵達が辿り着いたのは、壁や天井から常に紙幣や貨幣が溢れ出している豪華絢爛なホールの一部屋。
天井に吊り下げられた大小さまざまなミラーボールに反射する光が、溢れ出るあらゆる国家の金銭を輝かせていた。
「待っていたで! ようやっとここまで辿り着いてくれたわ!!」
光り輝くホールの中央で、新し親分『バズリトレンディ』は猟兵達を出迎える。
「さあこい、HPAH(ハンマーパイナッポー&アッポーハンマー)!」
新し親分が溢れる大量の金銭と引き換えに手元に呼び寄せたのは、先端がパイナップルと林檎のハンマー。
「紅茶キノコとカスピ海ヨーグルトで鍛えたパワーで、ツチノコが白いたい焼きを食べ終わる前にあやかしメダルでウォッチッチや!」
首筋のツチノコがはむはむと白いたい焼きにかぶりつくのを、新し親分はにかっと笑いながら見守った後、ふた振りのハンマーをブンッ! と振り下ろし使い勝手を確かめ、再びにかっと笑った。
「それじゃ、猟兵さんたちもガンガンゴージャスになってワイちゃんと勝負や!! 遠慮はいらんでな!!」
屈託ない笑顔を向ける新し親分を見て、猟兵達は其々の買いたいものをイメージし始めた。
北瀬沙希
北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
よろしくお願い致します。
新し親分『バズリトレンディ』は、己が御殿で猟兵達を待っていました。
御殿内に湧き出るお金を消費してゴージャスな装備を獲得し、新し親分から『虞知らず』をいただいてしまいましょう!
お預かりするプレイング次第で、リプレイの雰囲気は大きく変わります。
アドリブ多め、描写量に極端な差異が生じる場合アリ。
有力敵戦ですので、判定はやや厳しく行います。
以上3点、ご了承の上でのご参加をお願い致します。
【!】本シナリオは【トレンディ形態】との戦闘となります。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「大祓百鬼夜行」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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状況は全てオープニングの通り。
今回は冒頭の追記はありません。
●本シナリオにおける「プレイングボーナス」
【お金で買えそうなものを買いまくりパワーアップする】とプレイングボーナスが付与されます。
ひとりあたりの購入品数に制限はありませんが、たくさん買ってトータルでゴージャス度を追及するか、それとも1品だけひたすらゴージャス度を追求するかは猟兵の皆さま次第。
ただし、購入アイテムに公序良俗に反するものと商標等の各種権利に抵触するもの、そもそもお金で買えないものが含まれていた場合は、採用を見送ります。
●プレイング受付期間
オープニング公開直後から受付開始。
締め切りはマスターページ及びTwitterで告知しますので、送信前にマスターページの確認をお願い致します。
リプレイ執筆は5月26日(水)夜~28日(金)早朝の予定です。
●【重要】プレイングの採用について
本シナリオは早期完結を重視するため、少数かつ書きやすいプレイングから順次採用し、28日夕方の集計時までの完結を目指します。
よって、必要成功数到達時点で未採用のプレイングは、全て却下しお返し致しますこと、ご了承願います。
また、執筆時間確保の観点から【おひとり様】での参加をお願いします。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『新し親分バズリトレンディ・トレンディ形態』
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POW : 竹やぶで拾ってきたわ!
【多額の現金】を籠めた【大きなカバン】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【戦闘意欲】のみを攻撃する。
SPD : 何があろうと戦い続けんと!
【栄養ドリンク】を給仕している間、戦場にいる栄養ドリンクを楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : ワイちゃんと踊ろうか!
【召喚したミラーボールから光】を降らせる事で、戦場全体が【1990年代前半のディスコ】と同じ環境に変化する。[1990年代前半のディスコ]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
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※補足(5/25 13:10)
マスターコメントに一部抜けがございましたので、補足致します。
こちら、御殿で買ったもので直接攻撃してもOKです。
もちろん、買ったものでパワーアップした上で使い慣れた武器で攻撃していただいても構いません。
真宮・奏
トレンディ?バブル?母さんがギリギリ引っかかるレベルの昔の話なんですよね。まあ、今も昔も持てるかぎりの楽しみを求めるという事なんですね。今いち事情を理解できませんが、お買い物すればいいんですね?
実はお金があれば欲しいのがあったんです。それはメイド服!!お金があるという事で衣装も可愛い高級なものが欲しいです。高級な化粧品でメイクしてと。あ、ミニのメイド服がいいです。メイドの定番の銀のお盆も揃えちゃいます。出来れば戦いやすいように高級品のステレオでBGM流したりして。
可愛い服で嬉しくて張り切って戦います!!乙女の夢のパワーで銀のお盆と信念の拳のコンボを繰り出しちゃいます!!
●バブリーでトレンディなバトルは、普段と違う自分になれるのです
――新し親分『バブリトレンディ』の待つ御殿にて。
「トレンディ? バブル? 母さんがギリギリ引っ掛かるレベルの昔の話なんですよね」
転送された真宮・奏(絢爛の星・f03210)は、古今東西のあらゆるトレンドを凝縮したかのようなバブリトレンディを一目見て、ハテ? と首をかしげていた。
ダークセイヴァー出身の奏には、トレンディもバブルも耳に馴染みの薄い言葉ではあるが、それでもわかることがひとつだけあって。
「まあ、今も昔も持てる限りの楽しいを求めるという事なんですね」
「せや! トレンドってのはなあ……時代を移す鏡でもあるもんでな」
うんうんと頷きながら、突然手中に収まった扇子をひらひらさせ軽快にステップを踏んで踊りだすバブリトレンディ。
奏も踊りたて身体がうずうずするが、今はちょっと我慢。
「この踊りもな、ディスコもフェスもな、みぃんな時代が生み出したもんやで」
――そして、この溢れるようなお金もな。
そう語るバブリトレンディの顔に一抹の寂しさが宿っているように、奏には見えた。
「実はお金があれば欲しいのがあったんです」
「おう、ねーちゃん何でも願ってみ! ここでは願えばジャンジャン買い物できるでな!」
ニカッと笑うバブリトレンディに背を押されるように、奏の口から紡がれたほしいものは……
「……メイド服!!」
「おおぅ、ねーちゃん似合うで、絶対似合うで!!」
「お金があるという事で、衣装も可愛い高級なものが欲しいです!」
周囲に溢れる金銭と引き換えに、奏の目の前に最高級の生地を用いたシックなメイド服がポンッと出現!
どこからか「毎度ありー」との声が聞こえた気がするが、おそらく空耳。
「あ、ミニのメイド服がいいです」
ゆったりとしたワンピースや凛々しい戦闘衣で戦うことが多い奏にとっては、下着が見えるか見えないかのギリギリを攻めたメイド服は憧れなのだろう。
目の前でポンッと音を立ててミニスカートに変化したメイド服に早速袖を通す奏、とっても満足そう。
あ、おまけでかわいいカチューシャもつけておきますね。
「あとは高級な化粧品でメイクして、と」
ポンッと現れた化粧品一式を片手に、メイクを始める奏。
高級な化粧品を使ったことがないから、一瞬躊躇してしまうけど、バブリトレンディも手伝って、見違えるほどの別嬪さんに大変身!
「メイドの定番の銀のお盆も揃えちゃいます」
縁に精緻なレリーフが施された、純銀のお盆が奏の左手に現れて。
「できれば戦いやすいように、高級品のステレオでBGM流したりして!」
ポンッ! と御殿の片隅に現れた本格的なステレオから、軽快なBGMが流れ出しました。
まあ、メイドさんのいる喫茶で流れるような曲でなく、一昔前のディスコで流れていたようなダンスミュージックなのはご愛敬、という事で。
「おねーちゃんかわいいやんか! じゃあワイと勝負やで!!」
いつの間にかメイド服に着替えたバブリトレンディは、多額の現金がぎっしり詰まった黒いバッグを振り回しながら待っていたり。
奏も負けじと右の拳をぎゅ、と握り込んで、いざ勝負!
「ええ、嬉しくて張り切っちゃいます! 乙女の夢のパワーで!!」
「なら、いくでー!」
バブリトレンディの振り回した黒いバッグは、しかし奏が銀のお盆を盾代わりにうまくいなして、戦闘意欲を削がれるのだけは避けて。
「ありゃ?」
「これは私の意志です!! 喰らえ~!!」
反撃代わりに奏が突き出した拳には、いつの間にか使い慣れた籠手がはめられていた。
なぜかって? 超高速かつ大威力の信念の拳を放つには籠手が必要だから!
――ドゴォォォォォン!!
籠手が嵌められた右拳は、バブリトレンディの右ほほにジャストミート!
「あばーっ!? メイド服萌えー!!」
バブリトレンディはそのまま吹き飛ばされ、湯水のごとく溢れる金銭の山に突っ込んみ、目を回しながら気絶してしまいました。
「ちょ、ちょっとやりすぎちゃいましたかね……あはは」
ところで、空笑いしているそこの武闘派メイドになりそうだったお嬢さん。
「はい?」
その姿、お母様やお義兄様に見られても大丈夫?
「はっ
!?!?!?!?!?」
大成功
🔵🔵🔵
アイン・ツヴァイ
…どれも旬を過ぎている気がするのは気のせいか?(環境耐性
買い物
最新の耐ライフル用防弾シールド:重量も気にせず、常に10枚は維持。
純銀の弾丸:M9規格の純銀弾頭。最低でも300発は想像しておく。
純金の弾丸:89式規格の純金弾頭。此方も300発は想像しておく。
戦術
防弾シールドを念動力で自身の周囲に浮かせつつ、純銀と純金の弾丸を装填。
乱れ撃ちで傷を追わせつつ、消費と同時に新規購入、なくなる前に補充し続ける。
ハンマーは防弾シールドで武器受け。使い物にならなくなったら新規購入して補充。
指定UCは武器受けが間に合わない時の見切り回避用。
咄嗟の一撃等で隙が出来たなら、切り込んで、純銀純金の弾丸で制圧射撃だ
●予算の天井がないからこそできる物量作戦
「おお、次はにーちゃんか!」
新し親分『バズリトレンディ』の前に姿を見せたアイン・ツヴァイ(失いし者・f26129)は、明らかにしかめっ面。
もともとUDCアースの出身故、ある程度UDCアースのトレンドは知っていたものの、古今東西のトレンドの塊の象徴たるバズリトレンディを目にしてしまうと、つい本音が口をついてしまう。
「……どれも旬を過ぎている気がするのは気のせいか?」
「あうっ!?」
ぐさっ! と心臓を刺されたかのようによろめくバズリトレンディを見ても、アインはノーリアクション。
「あ、ええ……こんな妖怪で本当に済まないと思っている」
「それも旬を過ぎているが」
「あぐっ!?」
再び抉られよろめくバズリトレンディ。
実際、トレンドとしてはいずれも旬が過ぎているのは確かだが。
「仕方ないんや……それがトレンドの宿命なんや……」
軽く精神ダメージが入った様子のバズリトレンディから目を離さぬアインは相変わらずしかめっ面のままだが、とりあえずいつでも得物を抜けるように待機。
「ワイは1度目にした流行を覚えているから、つい口をついて出てしまうんや」
流行りに飛びついてしまうのは、トレンドそのものの妖怪とも言えるバズリトレンディの宿命なのかも、しれない。
床や天井から湯水のように湧く金銭を目にしたアインが願ったのは、己が得意武器のM9規格の純銀弾頭と、89式の性能を最大限に生かせそうな純金弾頭。
とりあえずそれぞれ300発ずつ入手して弾倉に籠め、さらに最新鋭の耐ライフル用防弾シールドも10枚購入。
予算に上限がないため、最高級最新鋭の装備であっても買い放題なのは、ちょっと嬉しい。
しかし、バズリトレンディの目には、アインは弾頭と防弾シールド以外、買い物をしていないように見えた。
……実際、アインはそれ以外の買い物はしていないのだが。
「にーちゃん、買い物終わり? 最新鋭の防具や豪快なミサイルランチャーとかもあるで?」
「ああ、これで十分」
使い慣れた得物、M9と89式をホルダーから引き抜き見せつけつつ、防弾シールドを念動力で周囲に展開するアイン。
「せっかくやで、ワイも同じようにさせてもらうで」
バズリトレンディも、マシンガンと大量の弾倉を入手し構える。
それは、かつてUDCアースの日本で一世を風靡したドラマを彷彿とさせる姿なのだけど。
「これ,全部撃ち切ったら快感なんやろなあ」
「さあ始めるぞ」
「……あ、ああ」
渾身のトレンドネタをアインにスルーされたバズリトレンディは、がっくり肩を落としつつ改めてマシンガンを構え直した。
右手のM9から純銀の弾丸を、左手の89式からは純金の弾丸をマシンガンの如く次々と乱れ撃ち、反撃のマシンガンの一斉射を念動力で操る防弾シールドで受け止めながら、アインはバズリトレンディに傷を負わせる。
「おおぅ、れっつ、ろっく!?」
「それこそわからないが?」
まあ、悪魔をも泣かせるハンターとは二丁拳銃繋がりという事で。
「しかし拳銃は弾丸の入れ替えに時間がかかりそうなものだが……?」
弾倉を入れ替えながらマシンガンを乱射するバズリトレンディの目は、アインの二丁拳銃が弾丸切れを起こす瞬間を見定めようとしていたが、一向にその気配はない。
「……ってなにぃ!?」
やがて、全く弾丸切れを起こさない拳銃のからくりに気づき、バブリトレンディの顔が驚愕に染まった。
よく見ると、M9と89式が拳銃とは思えぬ速度で連射されるに連れ、湧き出る金銭が少しずつ減っている気がする。
アインは『戦いながら買い物をして』弾倉に純金純銀製の弾頭を補充し続け、弾丸切れそのものを起こさぬようにしていたのだ。
ついでに、周囲の防弾シールドもマシンガンで破壊された傍から補充され、その都度金銭が減っている気がする。
お互い無限に弾丸がある状態とはいえ、これでは防御のないバズリトレンディが圧倒的に不利。
「にーちゃん、24時間戦う気ある?」
「寿命を前借りするような飲み物はいらん!」
たまらず栄養ドリンクを差し出したバズリトレンディだが、アインは一喝して拒否。
実際は寿命というよりはエネルギーの前借りのようなものなのだが、やはりアインにとっても24時間戦う印象が強いのだろうか?
いずれにせよ、栄養ドリンクを拒否され唖然としたバズリトレンディに、一瞬の隙が生じ。
見逃さず一気に押し込んだアインのM9と89式が、一斉に火を噴いた。
――ガガガガガガガッ!!
「アバーッ!!」
二丁拳銃と貴金属の制圧射撃で撃ち抜かれたバズリトレンディは、再び金銭の山に吹き飛ばされ、目を回し気絶していた。
大成功
🔵🔵🔵
岩倉・鈴音
銭ジャブだと……!?
別にコイツを倒して金もちかえっても構わんのだろう?(目の色かえ)
……まあ、それはともかくとしてだ。
金ありったけで餅を買う!
最高級のもち米でつくられた餅(餡入り、なし色々)を山のように頼むぞ!
ンッフッフ♪餅は喉をつまらせ死亡者を多くだす至高の餡殺兵器なのでございますよっ。
さあ、ネズミっ娘たんと食えやァ~♪
新し親分の隙を見切りムサシビームでガン見して口を開かせるぞ。口に餅を叩き込め!先制攻撃じゃ。
餅となかよくなってどんどん親分の口に投げ込むぞ。
二回攻撃あるぞ二個ぶちこめ!
抱えるくらいでっかい餅で吹き飛ばしたる♪
●餅は至高の餡殺兵器……?
「銭ジャブだと
……!!」
湯水のように溢れる金銭を見て、一瞬で目の色変えた岩倉・鈴音(JKハングマン・f09514)の瞳には、「$」のマークが大きく映し出されていた。
「別にコイツを倒して金持ち帰っても構わんのだろう!?」
「お、落ち着いてやねーちゃん!!」
新し親分『バズリトレンディ』を指差しながら詰め寄る鈴音を、手にした二振りのHPAHで必死に押し留めるバズリトレンディ。
「すまんが、それは無理なんや」
「何を言う! これだけ大量の金、使わない手はないだろう!?」
「そもそも、バブルってのはなあ……」
――以後、バブル景気の講釈が続きます。しばらくお待ちください。――
「というわけで、このお金はここでしか使えんってことで堪忍な」
「仕方ないな……」
バズリトレンディに金銭を持ち帰れない理由を説明され、渋々納得する鈴音。
実際、ここにある無限の金銭を持ち込まれると、それだけで世界各国の為替相場が全部狂いそうなのでご勘弁ください(必死)。
「まあ、それはともかくとしてだ」
「切り替えはやっ!?」
「ンッフッフ。ワタシは金ありったけで餅を買う!!」
それも最高級のもち米で作られた餅な! と次々と餅を取り寄せ始める鈴音を、呆気に取られた表情で眺めるバズリトレンディ。
そもそも一言で「餅」と言っても、材料も形状も様々。
餅にまぶされている素材も時代や地域によって大きく異なるため、結果、大量の餅料理が並ぶことになり。
取り寄せた餅の中に、餡子を詰めたり、餡子で覆ったりした餅菓子があるのを見て、バズリトレンディが口を出した。
「あー、餅菓子って結構昔のトレンドなんよ」
「あ、そうでございますか?」
思惑通りに取り寄せただけなのに、思いもよらぬうんちくが手に入り、驚く鈴音さん。
実際、旅人の休憩時の茶菓子として、あるいは急ぐ旅人向けの食事として、街道沿いを中心に各地で様々な種類の餅菓子が供されるようになったとか。
その名残からか、あるいは他の理由があるのか、現在でもUDCアースの日本には数多くの餅菓子が残っている。
「そうやな、たとえば黄な粉をまぶした餅とか、あんこを川の流れに見立てて整形したあんころ餅とか」
「あ、それひょっとして……」
「あ、名称は口にせんでな。堪忍や」
口にしてはいけないのは大人の事情です。
「大人の事情なら仕方ないですねぇ……ンッフッフ」
(「しかし、餅は喉をつまらせ死亡者を多くだす至高の餡殺兵器なのでございますよっ」)
と、鈴音が口にすることは決してないのだけど。
「さあ、ネズミっ娘たんと食えやァ~♪」
(「目からでる光りは貴様を操る魅惑の光りでございますよンッフッフ♪」)
鈴音の研ぎ澄まされた侍のようなガン見を受けたバズリトレンディ、一瞬にして鈴音に対する警戒心を失い、HPAHを手放して無防備に近づき手を差し出した。
「ねーちゃん、餅菓子くれへんか?」
「ええよ。はい、あーん♪」
「あーん♪」
無意識に友好的な行動をとってしまったバズリトレンディが、鈴音に差し出されたあんころ餅を食べようと口を開けた、その時。
「……というふりして口に餅を叩き込んでやるのじゃあ!!」
鈴音、すかさずバズリトレンディの開きっぱなしの口にあんころ餅をシュート!!
「あがっ!?」
「二回攻撃あるぞ2個ぶち込め!」
今度は黄な粉をまぶした餅をシュート!!
「ぐがっ!?」
喉に餅を詰まらせたか、それとも黄な粉でむせたか、とにかく目を白黒させるバズリトレンディ。
「トドメに抱えるくらいでっかい餅で吹き飛ばしたる♪」
そして、いつの間にか鈴音が抱えているのは……直径1m近くある大きな鏡餅!!
――ドゴッ!?
「あー
…………!!」
至近距離から巨大な鏡餅を投げつけられたバズリトレンディは、鏡餅に吹っ飛ばされ、三度金銭の山に埋もれることになったとか。
ちなみに、余った餅は、鈴音が持ち帰って美味しくいただいたそうで。
……食べ物は無駄にしてはいけませんよね、うん。
大成功
🔵🔵🔵
鹿村・トーゴ
なに?派手やん!
成金みたいに金銀使ってやりたいほーだいするん?
相棒の鸚鵡:『ユキエ思いついた♪
お金を燃やして火の玉にする!あと超高いカブトムシの、幼虫!(デパート屋上で売ってた感じの)はいトーゴ、敵は女の子よ投げて!』
…生き物は罰当たりじゃね?
『虫はあとで拾ってユキエが食べる』
お前それ単に高級な虫食いたいんだろ
UCで喚んだ白猪の鼻息がやる気で荒い
そいやオレあんま金使った事無かったー
うー、よし投擲するブツを選ぼ
冷蔵庫と外車!あとなんか高級料亭の玄関に飾ってるでっかい樹の衝立みたいなやつ!
猪に騎乗し遠心力も利用して【念動力で投擲】
>敵UCの栄養ドリンクは貰お
24時間戦うのは勘弁だけどねー
アドリブ可
●慎ましく生きる忍びは、散財する術を考える
「なに? 派手やん!」
湯水のごとく溢れる金銭の滝を目にした鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は、あまりの豪華絢爛な光景に一瞬唖然とするも、直ぐに思考を切り替えた。
「つまり、成金みたいに金銀使ってやりたいほーだいするん?」
「おう、にーちゃん、ジャンジャン使って構わんぜよ!」
ニカッと笑う新し親分『バズリトレンディ』に真っ先に反応したのは、トーゴではなく、相棒の鸚鵡のユキエ。
『ユキエ思いついた♪ お金を燃やして火の玉にする!』
「それはさすがに堪忍してなー」
「だよなー」
バズリトレンディとトーゴに却下され、しゅん、と落ち込むユキエ。
実際、天井や壁から湧き出るのは硬貨だけではなく紙幣もなので、もしユキエの言う通り、紙幣を燃やして火の玉にすると、次々と湧き出る紙幣に火が燃え移り、やがて御殿内が(物理的に)大炎上待ったなし。
しかし、それでもめげないのがユキエなのであり……。
『あと、超高いカブトムシの、幼虫!!』
「あー、夏になるとデパートの屋上とかスーパーとかでよく売っている?」
『そうそう、それそれ! はいトーゴ、敵は女の子よ投げて!』
確かに幼虫を投げつけられたら女の子なら逃げそうだが、トーゴはあえてカブトムシの幼虫が欲しいとは願わず、むしろこめかみ押さえて呻くように。
「……ユキエ、生き物は罰当たりじゃね?」
『虫はあとで拾ってユキエが食べる』
「お前それ単に高級な虫食いたいんだろ」
『ぇー』
「もうすでに白猪の鼻息がやる気で荒すぎるんだが!」
――ブルルルル、ブゥルルルルル。
寄せの術で召喚してあった、白い被毛と赤い目、牙と蹄が黒の猪が、早く虫を食わせろとばかりに鼻息荒く突撃しそうになるのを、必死に宥めるトーゴ。
ちなみにこの白猪の依り代はユキエなので、虫に過剰反応するのは自然なのですが……あらぶる白猪を見たバズリトレンディ、若干腰を引いてしまっているような?
なんとかカブトムシの幼虫を買うことなく白猪を宥め、トーゴは改めて、湯水のごとく湧く金銭を眺めながら考えを巡らす。
――考える事、数秒。
「そいやオレ、あんま金使った事なかったー」
忍びとして質素倹約を旨にしているのか、それとも旅慣れているゆえに贅沢をする癖がないのか。
突然『お金は無尽蔵にあるから好きなようにどんどん使え』と言われても、なかなか買いたい物が浮かばないトーゴ。
「にーちゃんええで。ゆっくり欲しいもの考えやー」
幸い、バズリトレンディがニコニコ笑いながら頬杖を突きつつトーゴの買い物を待っているため、買いたいものを考える時間はたっぷりあるのが救いだが。
白猪にまたがりながら考えること、さらに数分。
悩みに悩んでトーゴが出した結論は……。
(「よし、投擲するブツを選ぼ」)
そこでトーゴがイメージしたのは、家庭用の大型冷蔵庫と、やたら頑丈な外車。
「あと……なんか高級料亭の玄関に飾ってるでっかい樹の衝立みたいなやつ!」
「屏風?」
「そうそうそれそれ!」
一見すると武器には見えないものを次々と買うトーゴに、スススッ……と歩み寄ったバズリトレンディが差し出したのは、栄養ドリンク。
「まあにーちゃん、考えるのも白猪手懐け続けるのも大変やろし、これでもどうや?」
「24時間戦うのは勘弁だけどねー」
栄養ドリンクを受け取りしまいつつトーゴが何気なく口にしたそれも、まさにバブル時代を象徴するようなキャッチコピー。
「あー、最近は24時間とは言わなくなってるで」
「そりゃ24時間ぶっ続けで戦うのは無理だもん」
バズリトレンディと会話しながらも、トーゴはそっと冷蔵庫や外車、立派な樹が描かれた屏風を念動力で宙に浮かせ。
「いっくぜー!」
「え、なん……アバーッ!!」
トーゴに命じられた白猪がいきなり突進し、鼻先にいたバズリトレンディを遠くに吹っ飛ばし!!
さらにトーゴは突進の遠心力をも利用し、時間差で冷蔵庫と外車、屏風を思いっきりぶん投げる!
もちろん、冷蔵庫たちの狙いは、吹っ飛ばされ中のバズリトレンディ!!
「な、なんじゃこりゃー!!」
思いもよらぬ冷蔵庫と外車、屏風の使い方に、バズリトレンディがどこかの刑事のような絶叫をあげるも。
――ドシーン!!
念動力で投げられた冷蔵庫がバズリトレンディをさらに吹っ飛ばし、外車が追い打ちをかけるように冷蔵庫ごとバズリトレンディを押し潰し。
「ま、まさか投げ……ギャー!!」
トドメの屏風が、冷蔵庫と外車の下から這い出そうとしたバズリトレンディの頭にジャストミート!!
大成功
🔵🔵🔵
津崎・要明
(企画持ち込み番組風味で)
俺が提案したいのは、SSWにおける可住惑星・宙域の探索、開発です。
住居可能な場所が未探索宙域には絶対あると思います。
そこで、
各辺境域に探査用ベースを建造、探査船と作業用キャバリア、万能タグボート、対クエーサービースト用兵器を各複数配備。
当然帝国の妨害があるでしょうから、防衛迎撃用戦艦類と乗組員も必要。
また、対クエーサービースト用兵器は小型化が急務なので、こちらの開発もしたいです。
ドリンクありがとうございます。丁度喉乾いてました!
クエーサービーストは、今後本体との遭遇が予想されるのでコロニーレーザーもお願いします!
UCで全ての武器を統合 一斉発射
いや~、男子の夢っすね!
●最後は唐突に始まる企画持ち込み番組
「ううぅ……」
家電や車に押しつぶされ、屏風で追い打ちされ、それでもなんとか這い出してきた新し親分『バズリトレンディ』を待っていたのは、津崎・要明(ブラックタールのUDCメカニック・f32793)。
「こんにちは! 少し俺の話を聞いていただけないでしょうか!」
「おおぅにーちゃん、聞く聞く!!」
爽やかな好青年に見える要明を見て、バズリトレンディはガバッ! と身を起こし、いそいそと椅子を取り寄せて座り、要明の話に耳を傾ける用意は万全!
「俺が提案したいのは、スペースシップワールドにおける可住惑星・宙域の探索・開発です」
要明がバズリトレンディに差し出したのは、束になった企画書(?)。
「おっ、宇宙へのロマンやん! 聞かせてくれな!」
提案、というキーワードを耳にしたバズリトレンディが思い描いたのは、かつて大ヒットした、一般人の持ち込んだ企画に資金援助をする、あるテレビ番組。
どれだけ具体的に思い描いたかというと、即座にあの番組のセットを再現し、要明のプレゼンをサポートする程。
有難い、と心の中でそっと礼を呟いた要明、プレゼン継続。
「そこで、各辺境域に探査用ベースを建造」
「うんうん」
「探査船と作業用キャバリア、万能タグボート、対クエーサービースト用兵器を各複数配備」
「くえーさーびーすと? なんやそれ?」
妖怪であり、親分であるといっても、界渡りの力を持たぬバズリトレンディの知識は、カクリヨファンタズム及びUDCアースのそれに限定される。
故に、スペースシップワールドにしか現れないクエーサービーストをバズリトレンディが知らないのは止むを得まい。
首を傾げるバズリトレンディをよそに、要明は構わず説明を続ける。
「当然、帝国の妨害があるでしょうから、防衛迎撃用戦艦類と乗組員も必要です」
「まさかあの宇宙で戦争する映画でも撮影するんか?」
突然、目をキラキラさせ始めたバズリトレンディ。
帝国、というキーワードを聞き、どうやらUDCアースで6部作まで続いた宇宙戦争映画の再現とでも思い込んだのだろう。(注:個人の認識です)
「とりあえず栄養ドリンクで景気つけてな」
「ドリンクありがとうございます。ちょうど喉渇いてました!」
要明がバズリトレンディに渡された栄養ドリンクを一気にあおり、説明再開。
「そうそう、対クエーサービースト用兵器は小型化が急務なので、こちらの開発もしたいです」
「おおぅ、大砲巨艦主義もロマンがあるが、小さいほうも使いやすいよなあ」
「クエーサービーストは、今後本体との遭遇が予想されるのでコロニーレーザーもお願いします!」
「おおっ!! でもそのレーザーをこの世界に向けんといてなぁ?」
(「ギクッ!!」)
おそらく、バズリトレンディは何度もコロニーレーザーが登場するあるロボットアニメを連想したようだが、一方で必死に笑顔で取り繕う要明の背には、冷や汗が一筋流れ落ちていた。
……後々、この予感は的中するのだが。
バズリトレンディへのプレゼンテーションの結果、要明の要請したキャバリアや探査船、コロニーレーザーなど、提案した兵器や乗り物、機材等は全てバズリトレンディの援助を受け、揃えられることになった。
実際は要明がイメージしたら大量の金銭と引き換えに次々と現れたのだが、そこは雰囲気重視ということで、ひとつ。
しかし、購入した物資だけでバズリトレンディ御殿の部屋全てが埋まってしまうのは、少々悩みどころ。
「さてこれを……技術革新改変改造万物解析思いのままに、閃け創造のBigbang!」
そこで要明は、全ての武器を己のメカニックの技術で全部統合し、スペースを空けた。
一方、バズリトレンディは、目の前で全ての兵器が統合し、無数の銃口やレーザー発射口が己に向けられるのを、ぼかーんと口を開けながら目の当たりにしているだけ。
「な、何する気やねん?」
「せーの、一斉発射!!」
要明の合図と共に、統合した兵器から大小混在したレーザー及び多数の銃弾とミサイルが一斉に発射されるのを見て、要明はバズリトレンディ御殿の外へ退避!!
「反則にも程があるやんかこれー!!」
シールドを取り寄せることすら思いつかなかったバズリトレンディの悲鳴は、レーザーやミサイルなどの発射音にかき消され、誰の耳にも届くことはなく……。
――ドカドカドカドカドカドカ!!
――バキベキバキボキバキバキッ!!
――どんがらがっしゃ~ん!!
「いや~、男子の夢ですね!」
全武装一斉射撃を果たし、やり遂げた男の顔をする要明の前に広がるのは、綺麗さっぱり崩壊したバズリトレンディ御殿の瓦礫の山。
「きゅぅ……」
一方、逃げ遅れたバズリトレンディは、瓦礫の下敷きとなった挙句、全弾ヒットの衝撃で目を回し、気絶していた。
ちなみに、気絶したバズリトレンディの口から逃げ出そうとした骸魂は、時間差で飛んできたレーザーで消滅させられましたとさ。
蛇足だが、今回要明が購入した装備はそのまま残ったため、全て持ち帰って来たが、ひとつひとつがとにかく大きかったため、グリモア猟兵が全てスペースシップワールドに転送させるのに四苦八苦したとか。
特にコロニーレーザー、よくバズリトレンディ御殿に収まったな……と思えるサイズだったから……。
おしまい。
大成功
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